JP2020041272A - 掘削ビット - Google Patents

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Abstract

【課題】超硬岩を掘削する場合でもゲージチップの剪断を防止する。【解決手段】ビット本体1の先端部外周にゲージチップ2が配設される円錐台面状のゲージ面4が形成され、ゲージ面4の内周にはフェイスチップ3が配設される先端側を向く円形のフェイス面5が形成され、ゲージチップ2は、円柱状の後端部と先端側に向かうに従い漸次縮径してゲージ面4から突出する先端部とを有するゲージチップ母材2Aを備えるとともに、ゲージチップ母材2Aの先端部表面にはゲージチップ母材2Aよりも高硬度のゲージチップ硬質層2Bを備え、ゲージチップ中心線C2が先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設され、ゲージチップ2の後端部の半径R(mm)の2乗R2(mm2)と、ビット本体1のゲージ面4の直径D(inch)との比R2/D(mm2/inch)が18〜25の範囲内である。【選択図】図3

Description

本発明は、ビット本体の先端部外周にゲージ面が形成されるとともに、このゲージ面の内周にはフェイス面が形成され、これらゲージ面およびフェイス面に、母材の先端面に母材よりも高硬度の硬質層が設けられたゲージチップおよびフェイスチップがそれぞれ配設されて、鉱山用掘削や建設用掘削、地熱掘削、O&G掘削等に用いられる掘削ビットに関するものである。
このような掘削ビットとしては、ビット本体の先端部外周に外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜するゲージ面が形成されるとともに、このゲージ面の内周にはビット本体の先端側を向くフェイス面が形成され、これらゲージ面およびフェイス面に、超硬合金よりなるゲージチップおよびフェイスチップが、それぞれ先端部を突出させて後端部がビット本体に埋め込まれることにより配設され、ビット本体をその軸線回りに回転させつつ軸線方向先端側に打撃力を与えて掘削を行うものが知られている。
例えば、特許文献1には、ゲージ面の直径が165mmのビット本体に直径14mmのボタンチップを配設することが記載されている。また、特許文献2には、直径48mmの掘削孔を形成するビット本体に直径10mmのゲージチップを配設することが記載されている。さらに、特許文献3には、ゲージ面の直径が45mmのビット本体に直径10mmのゲージチップを配設することが記載されている。
ところが、このような超硬合金よりなるゲージチップやフェイスチップを有する掘削ビットにより、150MPa以上のUCS(一軸圧縮強度)を有する超硬岩を掘削しようとすると、超硬合金の硬度はHv1400〜Hv1500程度であるので、早期にゲージチップやフェイスチップが摩耗してしまって掘削が不可能となる。
そこで、例えば特許文献4、5には、このような超硬合金よりなる母材を備えたゲージチップやフェイスチップのゲージ面やフェイス面から突出する先端部の表面に、この超硬合金よりなる母材よりも高硬度の多結晶ダイヤモンド焼結体よりなる硬質層を備えたものが記載されている。
米国特許第4743515号明細書 米国特許出願公開第2013/0180785号明細書 米国特許出願公開第2012/0325558号明細書 米国特許出願公開第2001/0047890号明細書 米国特許出願公開第2010/0025114号明細書
ところで、特許文献1〜3に記載されたような超硬合金よりなるゲージチップやフェイスチップが配設された掘削ビットでは、これらゲージチップやフェイスチップ自体が徐々に摩耗することにより、掘削の際に岩盤から掘削ビットが受ける反射応力が消費されるため、ビット本体が受ける反射応力は低く、ゲージチップやフェイスチップに摩耗以外の損傷が生じることは少ない。
しかしながら、特許文献4、5に記載されたような超硬合金よりなる母材の先端部の表面に、超硬合金よりも高硬度の硬質層が設けられたゲージチップやフェイスチップが配設された掘削ビットでは、この硬質層によってゲージチップやフェイスチップがほとんど摩耗しないので、超硬岩を掘削する際には打撃力の反力としてゲージチップやフェイスチップが受ける反射応力が硬質層を通して大きく母材に伝播して集中してしまう。
このため、ゲージチップやフェイスチップの母材の疲労が大きくなって、ビット本体に埋め込まれた母材の後端部が剪断されてしまい、硬質層が設けられた先端部が脱落して掘削が不可能となるおそれがある。そして、特にこのような反射応力の集中による母材の後端部の剪断は、円柱状の母材の後端部の中心線であるゲージチップ中心線が、ビット本体の先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設されたゲージチップにおいて、掘削ビットが岩盤を打撃する際の反力がゲージチップ中心線に対して斜めに作用するため、発生し易い。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにゲージチップの母材の先端部の表面に、このゲージチップの母材よりも高硬度のゲージチップ硬質層が備えられた掘削ビットにおいて、超硬岩を掘削する場合でも、特にこのゲージチップへの反射応力の集中による母材の剪断を防止することが可能な掘削ビットを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるとともに上記軸線方向先端側に打撃力を受けるビット本体の先端部外周に、上記ビット本体の外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する円錐台面状のゲージ面が形成されるとともに、このゲージ面の内周には上記軸線方向先端側を向く円形のフェイス面が形成され、これらゲージ面とフェイス面には、それぞれゲージチップとフェイスチップが配設されており、上記ゲージチップは、上記ビット本体に埋め込まれる円柱状の後端部と、この後端部から先端側に向かうに従い漸次縮径して上記ゲージ面から突出する先端部とを有するゲージチップ母材を備えるとともに、このゲージチップ母材の上記先端部の表面には該ゲージチップ母材よりも高硬度のゲージチップ硬質層を備え、上記円柱状の後端部の中心線であるゲージチップ中心線が上記ビット本体の先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設されていて、上記ゲージチップの後端部の半径R(mm)の2乗R(mm)と、上記ビット本体の上記ゲージ面の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)が18〜25の範囲内であることを特徴とする。
このように構成された掘削ビットにおいて、上記比R/D(mm/inch)の分子であるゲージチップの後端部の半径R(mm)の2乗R(mm)は、ゲージチップの後端部のゲージチップ中心線に垂直な断面積の大きさの指標となり、分母であるビット本体のゲージ面の直径(外径)D(inch)はビット本体の先端面の大きさの指標となる。すなわち、比R/D(mm/inch)は、ビット本体の先端面において1つのゲージチップの後端部の面積がどのくらいの割合を占めているかの指標となる。
ここで、特許文献1〜3に記載された掘削ビットにおける比R/D(mm/inch)は14以下である。これに対して、本発明の掘削ビットでは、比R/D(mm/inch)が18〜25の範囲内であって大きく、従って個々のゲージチップの後端部は、より大きな断面積でビット本体に埋め込まれて配設される。
このため、このゲージチップが、ゲージ面から突出するゲージチップ母材の先端部の表面に、このゲージチップ母材よりも高硬度のゲージチップ硬質層を備えたものであり、しかもゲージチップ中心線がビット本体の先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設されたものであっても、掘削の際に作用する反射応力を分散させることが可能となって、ゲージチップ母材の後端部の剪断を防止することができる。
ここで、上記比R/D(mm/inch)が18を下回るほど小さいと、このように反射応力を分散させてゲージチップ母材の後端部の剪断を防止することができなくなるおそれがある。一方、この比R/D(mm/inch)が25を上回るほど大きいと、ゲージチップ母材の後端部の断面積が大きくなりすぎてビット本体のゲージ面に配設可能なゲージチップの数が少なくなり、必要な掘削効率を確保することができなくなるおそれがある。
また、上記ゲージチップ硬質層の硬度は、上記ゲージチップ母材の硬度の2倍以上であることが望ましく、さらにHv2800以上であることが望ましい。ゲージチップ硬質層の硬度がゲージチップ母材の硬度の2倍よりも低かったり、Hv2800未満であったりすると、超硬岩を掘削する際にゲージチップ硬質層がゲージチップ母材とともに徐々に摩耗することになり、反射応力の集中による剪断は生じることがなくなるが、摩耗によってゲージチップの寿命が早期に潰えてしまうおそれがある。
さらに、上記ゲージチップ母材の硬度はHv1400〜Hv1500の範囲内であることが望ましい。このゲージチップ母材の硬度がHv1400を下回るほど低いと、ゲージチップの先端部の表面にゲージチップ硬質層を設けても、このゲージチップ硬質層を確実に支持することができずに、超硬岩の掘削の際にゲージチップ硬質層ごとゲージチップの先端部が潰れてしまうおそれがある。一方、ゲージチップ母材の硬度がHv1500を上回るほど高いと、超硬岩の掘削の際に反射応力を十分に分散させることができなくなるおそれがある。
なお、このようなゲージチップ母材の硬度、および上述したようなゲージチップ硬質層の硬度と、ゲージチップ母材とゲージチップ硬質層との関係を満たす材質としては、ゲージチップ母材は超硬合金であることが望ましく、またゲージチップ硬質層は多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)または多結晶cBN(立方晶窒化ホウ素)焼結体(PcBN)であるのが望ましい。
さらにまた、上記ゲージチップ母材の後端部の半径R(mm)は、6〜10(mm)の範囲内であることが望ましい。このゲージチップ母材の後端部の半径R(mm)が6(mm)を下回ると、超硬岩等の岩盤を打撃する先端部の大きさも小さくなり、掘削効率が損なわれるおそれがある。一方、ゲージチップ母材の後端部の半径R(mm)が10(mm)を上回ると、ゲージ面の直径D(inch)が大きなビット本体にしかゲージチップを配設することができなり、一定の大きさのビット本体では配設可能なゲージチップの数が制限されて、やはり掘削効率が損なわれるおそれがある。
以上説明したように、本発明によれば、超硬岩を掘削する場合にゲージチップに作用する反射応力を分散させることができ、反射応力の集中による母材の剪断を防いで、長期に亙って安定した掘削を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態を示す側面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図2におけるZOZ断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す側面図である。 図4に示す実施形態の正面図である。 図4に示す実施形態の背面図である。 図5におけるYOY断面図である。 図5におけるZOZ断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す側面図である。 図9に示す実施形態の正面図である。 図9に示す実施形態の背面図である。 図10におけるZOZ断面図である。
図1〜図3は本発明の第1の実施形態を示すものであり、図4〜図8は本発明の第2の実施形態を示すものであり、図9〜図12は本発明の第3の実施形態を示すものであり、互いに共通する部分には同一の符号を配してある。これら第1〜第3の実施形態におけるビット本体1は、鋼材等の金属材料によって軸線Oを中心とする有底円筒状に形成されている。
ここで、これら第1〜第3の実施形態では、ビット本体1の有底部側が先端側(図1、図3、図4、図7、図8、図9、図12において右側)とされるとともに、円筒部側が後端側(図1、図3、図4、図7、図8、図9、図12において左側)とされ、有底部が先端部とされるとともに円筒部は後端部とされる。また、軸線Oに対する径方向において軸線Oから離れる方向を外周側とし、軸線Oに近づく方向を内周側とする。
これら第1〜第3の実施形態におけるビット本体1の後端部の内周部には、軸線O回り捩れる雌ネジ部1Aが形成されている。このような掘削ビットは、この雌ネジ部1Aに図示されない掘削ロッドの先端部の雄ネジ部がねじ込まれることにより、この掘削ロッドを介して軸線O回りに一定の方向に回転されつつ軸線O方向先端側に打撃力を受け、ビット本体1の先端部に配設されるゲージチップ2とフェイスチップ3によって、例えば150MPa以上のUCSを有する超硬岩等の岩盤を破砕して掘削を行う。
また、第1〜第3の実施形態において、ビット本体1の先端部の外径は後端部の外径より大きくされている。この先端部の外周面は、軸線Oに沿った断面において後端部から先端側に向かうに従い、凹曲線を描きつつ外周側に延びた後、この凹曲線に鈍角に交差する直線を描いて外周側に延びている。
さらに、ビット本体1の先端面には、外周部に外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する円錐台面状のゲージ面4が形成されるとともに、このゲージ面4の内周には軸線O方向先端側を向く円形のフェイス面5が形成されている。フェイス面5は、軸線Oに垂直な平面状に形成されている。また、軸線Oに沿った断面においてゲージ面4がフェイス面5に対してなす傾斜角であるゲージ角θ(°)は、本実施形態では25(°)とされている。そして、ゲージチップ2はゲージ面4に埋め込まれて配設されるとともに、フェイスチップ3はフェイス面5に埋め込まれて配設される。
これら第1〜第3の実施形態のうち、第1の実施形態では、ゲージ面4の直径(外径)Dが1.75(inch)、すなわち約45(mm)とされている。また、この第1の実施形態では、ビット本体1の後端部の外周面は、先端部から後端側に向かうに従い、一定の外径で延びた後に僅かに縮径するテーパ状に形成され、さらに再び一定の外径で延びてビット本体1の後端面に達している。
さらに、この第1の実施形態では、ビット本体1の先端部外周に、周方向の幅が広い2つの第1の繰り粉溝6Aが軸線Oを間にして周方向に互いに反対側に、軸線O方向に延びるように形成されている。また、これら2つの第1の繰り粉溝6Aの間には、第1の繰り粉溝6Aよりも周方向の幅と溝深さが小さな2つの第2の繰り粉溝6Bが、軸線O方向に延びるように形成されている。
これら2つずつの第1、第2の繰り粉溝6A、6Bは、本実施形態では軸線O方向先端側から見て図2に示すように、第1、第2の繰り粉溝6A、6Bそれぞれの幅方向の中心を結ぶ直線同士が軸線Oにおいて直交するように配置されている。また、第1、第2の繰り粉溝6A、6Bは、先端側ではビット本体1の先端部の上記ゲージ面4に開口するとともに、後端側では先端部の後端側の軸線Oに沿った断面が凹曲線を描く部分に開口する貫通溝とされている。
このうち、第1の繰り粉溝6Aは、軸線O方向先端側からみて図2に示すように、周方向の両端部から中央部に向かうに従いビット本体1の内周側に凹曲面状に僅かに凹んだ後に、凸曲面状をなして外周側に膨らむように形成され、ただし周方向の中央部の最も膨らんだ部分でもゲージ面4の直径よりは内周側に位置するように形成されている。また、この第1の繰り粉溝6Aは、軸線Oに沿った断面においては図3に示すように、ビット本体1の後端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜している。
一方、第2の繰り粉溝6Bは、軸線O方向先端側からみて図2に示すように、凹円弧等の凹曲線状の底面を有し、ゲージ面4における開口部の軸線Oからの距離は、第1の繰り粉溝6Aのゲージ面4における開口部の軸線Oからの距離よりも大きい。また、この第2の繰り粉溝6Bの溝底は、図3に示すように軸線Oに沿った断面において、軸線Oに略平行に延びるように形成され、ビット本体1の先端部の外周面からの溝深さは、後端側に向かうに従い小さくなる。
さらにまた、ビット本体1には、後端部の内周部の後端側を向く底面から軸線Oに沿って先端側に向けてブロー孔7が形成されている。このブロー孔7は、図3に示すようにビット本体1の先端部で小径の2つの第1の分岐孔7Aに分岐して先端側に向かうに従い外周側に延び、図2に示すように軸線O方向先端側から見て、フェイス面5の外周側で第2の繰り粉溝6Bそれぞれの幅方向の中心を結ぶ直線上に周方向に等間隔に開口している。さらに、ブロー孔7は、この第1の分岐孔7Aとビット本体1の内周部の上記底面との間でも図3に示すように小径の2つの第2の分岐孔7Bに分岐して先端側に向かうに従い外周側に延び、第2の繰り粉溝6Bの溝底に開口している。
本実施形態では、上記ゲージチップ2およびフェイスチップ3はボタンチップとされている。すなわち、これらのゲージチップ2およびフェイスチップ3は、その後端部が、それぞれゲージチップ中心線C2およびフェイスチップ中心線C3を中心とした円柱状に形成されるとともに、先端部は、後端部がなす円柱の半径と等しい半径を有して後端部から先端側に向かうに従い漸次縮径する凸半球状に形成されている。
ゲージチップ2は、ゲージ面4において周方向に隣接する第1、第2の繰り粉溝6A、6Bの間に形成された断面円形の孔部に後端部が圧入、焼き嵌め、冷やし嵌め等によって上述のようにビット本体1に埋め込まれ、先端部をゲージ面4から突出させている。従って、本実施形態では4つのゲージチップ2が配設され、これらのゲージチップ2同士は互いに同形同大である。
また、これらのゲージチップ2のゲージチップ中心線C2は、ビット本体1の先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設されており、本実施形態では、軸線Oに沿った断面において図3に示すようにゲージ面4に垂直とされている。これら4つのゲージチップ2がビット本体1の軸線O回りになす回転軌跡は一致している。
さらに、本実施形態では、フェイスチップ3は、図2に示すように軸線O方向先端側から見て、フェイス面5において2つの第2の繰り粉溝6Bの幅方向の中心を結ぶ直線上に形成された断面円形の孔部に後端部が圧入、焼き嵌め、冷やし嵌め等によってビット本体1に埋め込まれて固定され、先端部をフェイス面5から突出させている。従って、本実施形態では2つのフェイスチップ3が周方向に等間隔に配設され、これらのフェイスチップ3同士は互いに同形同大である。
また、これらのフェイスチップ3のフェイスチップ中心線C3は、ビット本体1の軸線O方向に延びるように配設されており、本実施形態では軸線Oに平行とされて、フェイス面5には垂直とされている。2つのフェイスチップ3同士がビット本体1の軸線O回りになす回転軌跡も一致している。なお、ゲージチップ2は、図2に示すように軸線O方向先端側から見て、ビット本体1の外周側の縁部がゲージ面4の外周縁から僅かにはみ出るように配設されている。
さらに、これらゲージチップ2およびフェイスチップ3は、上記先端部と後端部とが一体に形成されたゲージチップ母材2Aおよびフェイスチップ母材3Aと、このゲージチップ母材2Aおよびフェイスチップ母材3Aの先端部の表面に設けられたゲージチップ母材2Aおよびフェイスチップ母材3Aよりも高硬度のゲージチップ硬質層2Bおよびフェイスチップ硬質層3Bとを備えている。ゲージチップ2およびフェイスチップ3の先端部がなす凸半球の半径は、このゲージチップ硬質層2Bおよびフェイスチップ硬質層3Bの表面の半径である。
ここで、ゲージチップ母材2Aおよびフェイスチップ母材3Aは、硬度がHv1400〜Hv1500の範囲内の金属材料であり、本実施形態ではWC基の超硬合金である。これに対して、ゲージチップ硬質層2Bおよびフェイスチップ硬質層3Bは、ゲージチップ母材2Aおよびフェイスチップ母材3Aの2倍以上の硬度であって、Hv2800以上であり、本実施形態では多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)または多結晶cBN(立方晶窒化ホウ素)焼結体(PcBN)である。
そして、これらゲージチップ2およびフェイスチップ3のうち、ゲージチップ2は、その後端部の半径(ゲージチップ母材2Aの後端部の半径)R(mm)の2乗R(mm)と、ビット本体1のゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)が18〜25の範囲内となるように設定されている。具体的に、本実施形態では上述のようにゲージ面4の直径Dが1.75(inch)とされているのに対し、ゲージチップ2の後端部の直径は13(mm)とされ、従って半径R(mm)は6.5(mm)とされて半径R(mm)の2乗Rは42.25(mm)とされ、この半径R(mm)の2乗R(mm)とゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)は24.1(mm/inch)とされている。
なお、この第1の実施形態では、フェイスチップ3の後端部の半径および先端部がなす凸半球の半径は、ゲージチップ2の後端部の半径R(mm)および先端部がなす凸半球がなす半径R(mm)よりも小さい。
次に、図4〜図8に示す第2の実施形態では、ゲージ面4の直径Dは3.5(inch)で約89(mm)とされているのに対し、ゲージチップ2の後端部の直径は16(mm)とされて半径R(mm)は8(mm)とされ、従って半径R(mm)の2乗Rは64.0(mm)とされて、この半径R(mm)の2乗R(mm)とゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)は18.29(mm/inch)とされている。また、軸線Oに沿った断面においてゲージ面4がフェイス面5に対してなす傾斜角であるゲージ角θ(°)は、本実施形態では30(°)とされている。
なお、この第2の実施形態では、ビット本体1の後端部の後端側部分の外径が、後端部の先端側部分よりも一段大きくされている。ただし、この後端部の後端側部分の外径は、先端部の外径であるゲージ面4の直径D(inch)よりは小さい。また、この後端部の後端側部分の外周には、ビット本体1の軸線O方向後端側から見て図6に示すように、凹円弧等の凹曲線の底面を有する第3の繰り粉溝6Cが複数(本実施形態では8つ)周方向に等間隔に形成されている。
一方、ビット本体1の先端部の外周には、周方向の幅が広い2つの第1の繰り粉溝6Aが軸線Oを間にして周方向に互いに反対側に、軸線O方向に延びるように形成されているとともに、これら2つの第1の繰り粉溝6Aの間には、第1の繰り粉溝6Aよりも周方向の幅と溝深さが小さな3つずつの第2の繰り粉溝6Bが、第1の繰り粉溝6Aと併せて周方向に等間隔に、軸線O方向に延びるように形成されている。合計8つのこれら第1、第2の繰り粉溝6A、6Bの周方向の位置は、図4に示すように第3の繰り粉溝6Cの周方向の位置と一致させられている。
なお、この第2の実施形態における第2の繰り粉溝6Bは、軸線O方向先端側から見て図5に示すようにV字状であり、軸線Oに沿った断面においては図7に示すように、第1の繰り粉溝6Aと同様にビット本体1の後端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜している。そして、ゲージチップ2は、ゲージ面4において、これら第1、第2の繰り粉溝6A、6Bの間に周方向に等間隔に配設されており、従って本実施形態では合計8つのゲージチップ2が配設される。
また、ビット本体1の後端部の内周部の後端側を向く底面からは、図5および図8に示すように4つのブロー孔7がビット本体1の先端側に向かうに従い外周側に向かうように延びて、フェイス面5に周方向に等間隔に開口している。そして、これらのブロー孔7のフェイス面5における開口部の間にはフェイスチップ3がそれぞれ配設されており、従って本実施形態では4つのフェイスチップ3が周方向には等間隔に配設される。
これら4つのフェイスチップ3のうち、2つのフェイスチップ(図5において上下に配設されたフェイスチップ)3は、軸線O方向先端側から見て図5に示すように、2つの第1の繰り粉溝6Aの内周側でフェイス面5の外周縁寄りに配設されている。また、残りの2つのフェイスチップ3のうち1つ(図5において左側に配設されたフェイスチップ3)は、2つの第1の繰り粉溝6Aの間に形成される3つずつの2群の第2の繰り粉溝6Bのうち、一方の群の3つの第2の繰り粉溝6Bの周方向において中央の第2の繰り粉溝6Bの内周側で、上記2つのフェイスチップ3よりも内周側に配設されている。
さらに、残りの2つのフェイスチップ3のうち他の1つ(図5において右側に配設されたフェイスチップ3)は、他方の群の3つの第2の繰り粉溝6Bの周方向において中央の第2の繰り粉溝6Bの内周側で、上記残りの2つのフェイスチップ3のうち1つよりもさらに内周側に配設されていて、これら4つのフェイスチップ3の軸線O回りの回転軌跡が重なり合うようにされている。なお、この第2の実施形態と、次述する第3の実施形態では、フェイスチップ3はゲージチップ2と同形同大である。
さらにまた、図9〜図12に示す第3の実施形態では、ゲージ面4の直径Dは4(inch)で約102(mm)とされているのに対し、ゲージチップ2の後端部の直径は18(mm)とされて半径R(mm)は9(mm)とされ、従って半径R(mm)の2乗Rは81(mm)とされて、この半径R(mm)の2乗R(mm)とゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)は20.25(mm/inch)とされている。
なお、この第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様にビット本体1の後端部の後端側部分の外径は、ゲージ面4の直径D(inch)よりは小さい範囲で、ビット本体1の後端部の先端側部分よりも一段大きくされ、その外周部には8つの第3の繰り粉溝6Cが周方向に等間隔に形成されている。また、軸線Oに沿った断面においてゲージ面4がフェイス面5に対してなす傾斜角であるゲージ角θ(°)は、本実施形態では35(°)とされている。
一方、この第3の実施形態では、ビット本体1の先端部外周には、軸線O方向先端側から見て図10に示すようにV字状をなす幅と溝深さが同じ4つの第2の繰り粉溝6Bが周方向に等間隔に形成されており、これらの第2の繰り粉溝6Bの周方向の位置は、周方向に1つおきの第3の繰り粉溝6Cの位置と一致させられている。そして、第3の実施形態においてゲージチップ2は、周方向に隣接する第2の繰り粉溝6B同士の間に2つずつ配設されている。
また、この第3の実施形態では、ビット本体1の後端部の内周部の後端側を向く底面から3つのブロー孔7がビット本体1の先端側に向かうに従い外周側に向かうように延びてフェイス面5に開口している。これら3つのブロー孔7のうち2つのブロー孔(図10において上下に開口するブロー孔)7は、ビット本体1の周方向において軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する上記2つずつのゲージチップ2の間に開口するとともに、残りの1つのブロー孔(図10において左側に開口するブロー孔)7は、ビット本体1の周方向において上記2つのブロー孔7の中央で、これら2つのブロー孔7よりも内周側に開口している。
さらに、この第3の実施形態においては、フェイス面5に5つのフェイスチップ3が配設されている。このうち、4つのフェイスチップ3は、軸線O方向先端側から見て図10に示すように、ビット本体1の周方向において上記4つの第2の繰り粉溝6Bの内周側でフェイス面5の外周縁寄りに等間隔に配設されている。一方、残りの1つにフェイスチップ3は、フェイス面5において上記残りの1つのブロー孔7の開口部とは軸線Oを挟んで反対側で上記4つのフェイスチップ3よりも内周側に、これら4つのフェイスチップ3と軸線O回りの回転軌跡が重なり合うように配設されている。
このような第1〜第3の実施形態の掘削ビットは、上述のようにビット本体の後端部内周の雌ネジ部1Aに掘削ロッドの雄ネジ部がねじ込まれ、この掘削ロッドを介して軸線O回りに回転されつつ軸線O方向先端側に打撃力が与えられて、ゲージチップ2とフェイスチップ3により超硬岩等の岩盤を破砕して掘削を行う。この掘削の際には、上記掘削ロッドを介してブロー孔7から圧縮空気等の流体が噴出され、掘削によって生成された繰り粉を繰り粉溝6A〜6Cからビット本体1の後端側に排出する。
そして、上記構成の掘削ビットにおいては、ゲージチップ2の後端部の半径R(mm)の2乗R(mm)と、ビット本体1のゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)が18〜25の範囲内とされていて、特許文献1〜3に記載された従来の掘削ビットに対して大きく設定されている。この比R/D(mm/inch)は、上述のようにビット本体1の先端面において1つのゲージチップ2の後端部の面積がどのくらいの割合を占めているかの指標となるものであり、上記構成の掘削ビットでは、個々のゲージチップ2の後端部が、より大きな断面積でビット本体1に埋め込まれて配設されていることになる。
従って、上記ゲージチップ2のビット本体1のゲージ面4から突出するゲージチップ母材2Aの先端部の表面に、このゲージチップ母材2Aよりも高硬度のゲージチップ硬質層2Bが備えられたものであっても、掘削の際の打撃力の反力としてゲージチップ2に作用する反射応力を、断面積の大きなゲージチップ母材2Aの後端部で拡散させることができる。
このため、ゲージチップ中心線C2がビット本体の先端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜していて、このゲージチップ中心線C2に対して斜めに上記反力が作用するゲージチップ2であっても、反射応力の集中によってゲージチップ母材2Aの後端部の剪断を防止することができ、掘削を行うゲージチップ2の先端部が脱落するのを防ぐことができる。
ここで、上記比R/D(mm/inch)が18を下回るほど小さいと、上述のように反射応力を分散させることによってゲージチップ母材2Aの後端部の剪断を確実に防止することができなくなるおそれがある。また、この比R/D(mm/inch)が25を上回るほど大きいと、ゲージチップ母材2Aの後端部の断面積が大きくなりすぎてしまい、この後端部を埋め込むことによってビット本体1のゲージ面4に配設されるゲージチップ2の数が少なくなって掘削速度が低下し、必要な掘削効率を確保することができなくなるおそれがある。
また、上記第1〜第3の実施形態では、ゲージチップ2の先端部表面のゲージチップ硬質層2Bが多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)または多結晶cBN(立方晶窒化ホウ素)焼結体(PcBN)であって、その硬度がHv2800以上とされ、超硬合金よりなるゲージチップ母材2Aの硬度の2倍以上とされている。このため、150MPa以上のUCSを有する超硬岩等の岩盤の掘削においても、ゲージチップ2の寿命を維持して長期に亙って安定した掘削を行うことが可能となる。
すなわち、このゲージチップ硬質層2Bの硬度がゲージチップ母材2Aの硬度の2倍よりも低かったり、Hv2800未満であったりすると、上述のような超硬岩を掘削する際にゲージチップ硬質層2Bがゲージチップ母材2Aとともに徐々に摩耗することになり、反射応力の集中による剪断は生じることがなくなるが、摩耗によってゲージチップ2およびビット本体1が早期に寿命を迎えてしまうおそれがある。
さらに、上記第1〜第3の実施形態では、ゲージチップ2のゲージチップ母材2Aの硬度がHv1400〜Hv1500の範囲内とされており、これによって超硬岩の掘削の際に、確実に反射応力を分散させてゲージチップ2の後端部の剪断を防ぎつつ、ゲージチップ2の先端部が潰れてしまうような事態が生じるのを防ぐことができる。
すなわち、このゲージチップ母材2Aの硬度がHv1400を下回るほど低いと、先端部の表面に高硬度のゲージチップ硬質層2Bを設けても、超硬岩の掘削の際にゲージチップ硬質層2Bを支持することができなくなってゲージチップ硬質層2Bごとゲージチップ2の先端部が潰れてしまうおそれがある。その一方で、ゲージチップ母材2Aの硬度がHv1500を上回るほど高いと、反射応力を十分に分散させることができなくなるおそれがある。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態では、ゲージチップ2の後端部(ゲージチップ母材2Aの後端部)の半径R(mm)が、6〜10(mm)の範囲内でとされており、確実に掘削効率を維持することが可能となる。すなわち、このゲージチップ母材2Aの後端部の半径R(mm)が6(mm)を下回ると、超硬岩等の岩盤を打撃するゲージチップ2の先端部の大きさも小さくなり、掘削効率が損なわれるおそれがある。
また、ゲージチップ母材2Aの後端部の半径R(mm)が10(mm)を上回ると、ゲージ面4の直径D(inch)が大きなビット本体1にしかゲージチップ2を配設することができなくなって、一定の大きさのビット本体1に配設可能なゲージチップ2の数が制限され、やはり掘削効率の低下を招くおそれがある。
なお、図示は略するが、ビット本体1のゲージ面4の直径Dが2.5(inch)で約64(mm)とされている掘削ビットでは、ゲージチップ2の後端部の直径は14(mm)とされて半径R(mm)は7(mm)とされ、従って半径R(mm)の2乗Rは49(mm)とされて、この半径R(mm)の2乗R(mm)とゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)は19.6(mm/inch)とされていてもよい。
また、同じく図示は略するが、ビット本体1のゲージ面4の直径Dが3.0(inch)で約76(mm)とされている掘削ビットでは、ゲージチップ2の後端部の直径は16(mm)とされて半径R(mm)は8(mm)とされ、従って半径R(mm)の2乗Rは64(mm)とされて、この半径R(mm)の2乗R(mm)とゲージ面4の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)は21.3(mm/inch)とされていてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態では、ゲージチップ2およびフェイスチップ3が、先端部が凸半球状に形成されたボタンチップとされているが、先端部が先端側に向かうに漸次従い縮径する砲弾形状に形成されたゲージチップやフェイスチップが配設された掘削ビットに本発明を適用することも可能である。同様に、先端部が先端側に向かうに従い漸次縮径する円錐状に形成され、ただしその突端は凸球面状に丸められたゲージチップやフェイスチップが配設された掘削ビットに本発明を適用することも可能である。
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明の効果について説明する。本実施例では、上述した第1の実施形態に基づく多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層2Bを備えた掘削ビットを製造し、この掘削ビットによって180MPa〜199MPaのUCSを有する銅鉱山の超硬岩の掘削を行って、掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これを実施例1とする。従って、この実施例の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は24.1(mm/inch)である。なお、掘削条件は、ビット本体1の回転数が250(rpm)、打撃力は18(kW)、打撃数は68(Hz)であった。
また、この実施例1に対する比較例として、ゲージチップ全体が超硬合金によって形成されて後端部の直径が9(mm)であること以外は実施例1と同様の構成である掘削ビットと、超硬合金よりなるゲージチップ母材の先端部の表面に多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層を備えて、ただしゲージチップ母材の後端部の直径は9(mm)である掘削ビットを製造し、実施例1と同様の掘削条件で掘削を行って、掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これらを順に比較例1、2とする。従って、比較例1、2の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は11.5(mm/inch)である。
その結果、比較例1の掘削長は12(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップの正常摩耗であった。また、比較例2の掘削長は37(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップ母材の後端部の剪断であった。これらに対して、実施例1の掘削長は160(m)で、比較例1の十数倍、比較例2と比べても4倍以上長寿命であった。なお、実施例1の寿命の原因は、ゲージチップ2の正常摩耗と一部欠損であった。
次に、上述した第2の実施形態に基づく多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層2Bを備えた掘削ビットを製造し、この掘削ビットによって162MPa〜222MPaのUCSを有する銀鉱山の超硬岩の掘削を行い、実施例1と同じく掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これを実施例2とする。従って、この実施例2の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は18.29(mm/inch)である。なお、掘削条件は、ビット本体1の回転数が140(rpm)、打撃力は25(kW)、打撃数は55(Hz)であった。
また、この実施例2に対する比較例として、ゲージチップ全体が超硬合金によって形成されて後端部の直径が13(mm)であること以外は実施例2と同様の構成である掘削ビットと、超硬合金よりなるゲージチップ母材の先端部の表面に多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層を備えて、ただしゲージチップ母材の後端部の直径は同じく13(mm)である掘削ビットを製造し、実施例2と同様の掘削条件で掘削を行って、掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これらを順に比較例3、4とする。従って、比較例3、4の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は12.09(mm/inch)である。
その結果、比較例3の掘削長は32(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップの正常摩耗であった。また、比較例4の掘削長は170(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップ母材の後端部の剪断であった。これらに対して、実施例2の掘削ビットの掘削長は300(m)で、比較例3の十倍近く、比較例4と比べても2倍近く長寿命であった。なお、実施例2の寿命の原因は、ゲージチップ2の正常摩耗と一部欠損であった。
さらに、上述した第3の実施形態に基づく多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層2Bを備えた掘削ビットを製造し、この掘削ビットによって185MPa〜190MPaのUCSを有する金鉱山の超硬岩の掘削を行って、実施例1、2と同じく掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これを実施例3とする。従って、この実施例3の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は20.25(mm/inch)である。なお、掘削条件は、ビット本体1の回転数が95(rpm)、打撃力は40(kW)、打撃数は62(Hz)であった。
また、この実施例3に対する比較例として、ゲージチップ全体が超硬合金によって形成されて後端部の直径が13(mm)であること以外は実施例3と同様の構成である掘削ビットと、超硬合金よりなるゲージチップ母材の先端部の表面に多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)よりなるゲージチップ硬質層を備えて、ただしゲージチップ母材の後端部の直径は16(mm)である掘削ビットを製造し、これらの掘削ビットによって実施例3と同じ掘削条件で掘削を行い、掘削ビットが寿命に達するまでの掘削長を測定するとともに、寿命に達した原因を調べた。これらを順に比較例5、6とする。従って、比較例5の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は10.6(mm/inch)であり、比較例6の掘削ビットの上記比R/D(mm/inch)は16(mm/inch)である。
その結果、比較例5の掘削長は25(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップの正常摩耗であった。また、比較例6の掘削長は68(m)であって、掘削ビットの寿命の原因はゲージチップ母材の後端部の剪断であった。これらに対して、実施例3の掘削ビットの掘削長は240(m)で、比較例5の十倍近く、比較例6と比べても4倍近く長寿命であった。なお、実施例3の寿命の原因は、ゲージチップ2の正常摩耗と一部欠損であった。
1 ビット本体
2 ゲージチップ
2A ゲージチップ母材
2B ゲージチップ硬質層
3 フェイスチップ
3A フェイスチップ母材
3B フェイスチップ硬質層
4 ゲージ面
5 フェイス面
6A〜6C 繰り粉溝
7 ブロー孔
7A、7B 分岐孔
C2 ゲージチップ中心線
C3 フェイスチップ中心線
R ゲージチップ2の後端部の半径
D ゲージ面の直径
O ビット本体1の軸線
θ ゲージ角

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転されるとともに上記軸線方向先端側に打撃力を受けるビット本体の先端部外周に、上記ビット本体の外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する円錐台面状のゲージ面が形成されるとともに、このゲージ面の内周には上記軸線方向先端側を向く円形のフェイス面が形成され、これらゲージ面とフェイス面には、それぞれゲージチップとフェイスチップが配設されており、
    上記ゲージチップは、上記ビット本体に埋め込まれる円柱状の後端部と、この後端部から先端側に向かうに従い漸次縮径して上記ゲージ面から突出する先端部とを有するゲージチップ母材を備えるとともに、このゲージチップ母材の上記先端部の表面には該ゲージチップ母材よりも高硬度のゲージチップ硬質層を備え、上記円柱状の後端部の中心線であるゲージチップ中心線が上記ビット本体の先端側に向かうに従い外周側に向かうように配設されていて、
    上記ゲージチップの後端部の半径R(mm)の2乗R(mm)と、上記ビット本体の上記ゲージ面の直径D(inch)との比R/D(mm/inch)が18〜25の範囲内であることを特徴とする掘削ビット。
  2. 上記ゲージチップ硬質層の硬度が上記ゲージチップ母材の硬度の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の掘削ビット。
  3. 上記ゲージチップ硬質層の硬度がHv2800以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削ビット。
  4. 上記ゲージチップ母材の硬度がHv1400〜Hv1500の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の掘削ビット。
  5. 上記ゲージチップ母材の後端部の半径R(mm)が、6〜10(mm)の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の掘削ビット。
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