JP2020040547A - 車両走行制御装置 - Google Patents

車両走行制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020040547A
JP2020040547A JP2018170000A JP2018170000A JP2020040547A JP 2020040547 A JP2020040547 A JP 2020040547A JP 2018170000 A JP2018170000 A JP 2018170000A JP 2018170000 A JP2018170000 A JP 2018170000A JP 2020040547 A JP2020040547 A JP 2020040547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
control
lateral position
position deviation
compensation process
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018170000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7000283B2 (ja
Inventor
井上 豪
Takeshi Inoue
豪 井上
将喜 塩田
Masaki Shioda
将喜 塩田
裕高 所
Hirotaka Tokoro
裕高 所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018170000A priority Critical patent/JP7000283B2/ja
Publication of JP2020040547A publication Critical patent/JP2020040547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7000283B2 publication Critical patent/JP7000283B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

【課題】パス追従制御の追従性能を向上させること。【解決手段】車両走行制御装置は、目標軌跡を算出し、目標軌跡に追従するように車両走行を制御するパス追従制御を行う。パス追従制御は、パス追従制御の制御遅れに相当する遅延時間の分だけ横位置偏差を補正する補償処理と、横位置偏差が減少するように車両走行を制御する走行制御処理と、車両の横滑りを検出する横滑り検出処理と、を含む。補償処理は、ヨーレート及び車速に基づいて横位置偏差を補正する第1補償処理と、位置情報に基づいて横位置偏差を補正する第2補償処理と、を含む。横滑りが検出されている場合、横滑りが検出されていない場合と比較して、補償処理に対する第1補償処理の寄与度を低下させ、補償処理に対する第2補償処理の寄与度を増加させる。【選択図】図6

Description

本発明は、目標軌道に追従するように車両の走行を制御する車両走行制御装置に関する。
目標軌道(目標パス)に追従するように車両の走行を制御する「パス追従制御(path-following control)」が知られている。このパス追従制御では、様々な要因により制御遅れが発生する可能性がある。制御遅れの要因としては、演算処理時間、情報通信時間、アクチュエータ応答時間、などが考えられる。例えば、目標軌道の算出にはある程度の時間が必要であり、その目標軌道算出時間が制御遅れの原因となる。制御遅れは、目標軌道に対する追従性能の低下を招く。
特許文献1は、車両の走行状態を取得する際の時間遅れを抑制し、安定的に車両の制御を行うことを目的とした運転支援システムを開示している。運転支援システムは、走路境界を含む画像を取得し、取得した画像に基づいて目標軌道を生成する。また、運転支援システムは、取得した画像に基づいて、走路における車両の横位置を取得する。そして、運転支援システムは、目標軌道と車両の横位置とに基づいてパス追従制御を行う。
車両の横位置を取得する際、画像データの生成や画像データの処理にある程度の時間がかかる。この時間遅れを補償するために、運転支援システムは、画像に基づいて取得された横位置を補正する。具体的には、運転支援システムは、センサによって検出されるヨーレートと車速を用い、時間遅れに相当する期間における車両の横移動量を推定する。そして、運転支援システムは、推定された横移動量を横位置に足し合わせることによって、横位置を補正する。
特開2018−024295号公報
上記の特許文献1に開示されている技術によれば、ヨーレートと車速を用いることによって、時間遅れに相当する期間における車両の横移動量が推定される。しかしながら、この推定方法は、グリップ走行などの線形域における車両走行を前提としている。車両の横滑りが発生している状況下では、横移動量の推定精度は著しく低下する。誤った横移動量に基づいて横位置の補正が行われると、目標軌道に対する追従性能が却って低下してしまう。
本発明の1つの目的は、目標軌道に追従するように車両の走行を制御する車両走行制御装置において、追従性能を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の1つの観点において、車両に搭載される車両走行制御装置が提供される。
前記車両走行制御装置は、
目標軌跡を算出し、前記目標軌跡に追従するように前記車両の走行を制御するパス追従制御を行う制御装置と、
前記車両の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、
前記車両のヨーレート及び車速を検出する車両状態取得装置と
を備える。
横位置偏差は、前記車両と前記目標軌跡との間の距離である。
前記パス追従制御は、
前記パス追従制御の制御遅れに相当する遅延時間の分だけ前記横位置偏差を補正する補償処理と、
前記横位置偏差が減少するように前記車両の走行を制御する走行制御処理と、
前記車両の横滑りを検出する横滑り検出処理と
を含む。
前記補償処理は、
前記ヨーレート及び前記車速に基づいて前記横位置偏差を補正する第1補償処理と、
前記位置情報に基づいて前記横位置偏差を補正する第2補償処理と
を含む。
前記横滑りが検出されている場合、前記制御装置は、前記横滑りが検出されていない場合と比較して、前記補償処理に対する前記第1補償処理の寄与度を低下させ、前記補償処理に対する前記第2補償処理の寄与度を増加させる。
本発明によれば、パス追従制御の制御遅れに相当する遅延時間の分だけ横位置偏差を補正する補償処理が行われる。この補償処理によって得られる横位置偏差を用いてパス追従制御を行うことによって、制御遅れを補償することが可能となる。これにより、目標軌道に対する追従性能が向上する。
補償処理は、ヨーレート及び車速に基づく第1補償処理と、位置情報に基づく第2補償処理とを含む。横滑りが検出されている場合、横滑りが検出されていない場合と比較して、第1補償処理の寄与度が低下し、第2補償処理の寄与度が増加する。これにより、横滑りが発生している状況下における横位置偏差の算出精度の低下を抑制することが可能となる。その結果、制御遅れを補償する補償処理が有効に働き、目標軌道に対する追従性能が向上する。
本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置によるパス追従制御を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置によるパス追従制御における補償処理を説明するための概念図である。 車両の横滑りが発生した場合を説明するための概念図である。 車両の横滑りが発生した場合を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置の構成例を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置の制御装置の機能構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置によるパス追従制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るパス追従制御の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係るパス追従制御の変形例を示す概念図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.概要
図1は、本実施の形態に係る車両走行制御装置によるパス追従制御を説明するための概念図である。車両走行制御装置は、車両1に搭載されており、車両1の走行を制御する車両走行制御を行う。パス追従制御は、車両走行制御の一種である。具体的には、パス追従制御において、車両走行制御装置は、車両1の目標軌道TPを定期的に算出し、最新の目標軌道TPに追従するように車両1の走行を制御する。
ここで、座標系(X,Y)について定義する。図1に示される例では、原点Oは、車両1の中心であり、X方向は車両1の前方方向であり、Y方向はX方向と直交する平面方向である。但し、座標系(X,Y)は、図1で示された例に限られない。
目標軌道TPは、あるタイミングにおける座標系(X,Y)において定義される。原点OからY方向に位置する目標軌道TP上の点Pを考える。このとき、横位置偏差Edは、原点Oと点Pとの間の距離、すなわち、車両1と目標軌道TPとの間の距離(Y方向偏差)である。また、ヨー角偏差θdは、点Pにおける目標軌道TPの接線TLと車両1の前方方向との間の角である。車両走行制御装置は、横位置偏差Ed、ヨー角偏差θd、目標軌道TPの曲率等に基づいて、横位置偏差Ed及びヨー角偏差θdが減少するように車両1の走行を制御する。これにより、パス追従制御が実現される。
但し、パス追従制御では、様々な要因により制御遅れが発生する可能性がある。制御遅れの要因としては、演算処理時間、情報通信時間、アクチュエータ応答時間、などが考えられる。例えば、目標軌道TPの算出にはある程度の時間が必要であり、その目標軌道算出時間が制御遅れの原因となる。パス追従制御の制御遅れは、目標軌道TPに対する追従性能の低下を招き、好ましくない。そこで、本実施の形態に係る車両走行制御装置は、制御遅れを補償するように横位置偏差Ed及びヨー角偏差θdを算出する。制御遅れを補償するように横位置偏差Ed及びヨー角偏差θdを算出する処理は、以下「補償処理」と呼ばれる。
図2は、補償処理を説明するための概念図である。第1タイミングT1において、車両走行制御装置は、目標軌道TPの算出に必要な運転環境情報を取得する。第1タイミングT1の後、車両走行制御装置は、運転環境情報に基づいて目標軌道TPを算出する。第1タイミングT1における運転環境情報に基づいて算出される目標軌道TPは、第1タイミングT1における座標系(X,Y)で定義される。第1タイミングT1における横位置偏差Ed及びヨー角偏差θdは、それぞれ、Ed1及びθd1である。
次に、目標軌道算出時間等、パス追従制御の制御遅れに相当する遅延時間を考える。その遅延時間だけ第1タイミングT1よりも後のタイミングは、第2タイミングT2である。第2タイミングT2における横位置偏差Ed及びヨー角偏差θdは、それぞれ、Ed2及びθd2である。パス追従制御においては、第1タイミングT1における横位置偏差Ed1及びヨー角偏差θd1ではなく、第2タイミングT2における横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2が用いられる。これにより、パス追従制御の制御遅れを補償することが可能となる。補償処理は、制御遅れに相当する遅延時間の分だけ横位置偏差Edとヨー角偏差θdを補正する処理であると言うことができる。
図2に示される例において、横位置はY方向位置であり、ヨー角はX方向となす角である。第1タイミングT1における車両1の横位置及びヨー角は、共に0である。第1タイミングT1から後のヨー角θは、ヨーレートセンサによって検出されるヨーレートYRを積分することによって算出(推定)可能である。従って、第2タイミングT2におけるヨー角θ2は、第1タイミングT1から第2タイミングT2までの期間にわたってヨーレートYRを積分することによって算出(推定)可能である。
また、ヨー角θと車速Vに基づいて、X方向速度とY方向速度が算出される。第1タイミングT1から第2タイミングT2までの期間にわたってX方向速度及びY方向速度を積分することによって、当該期間におけるX方向移動量及びY方向移動量を算出(推定)することができる。そのY方向移動量が、第2タイミングT2における車両1の横位置E2に相当する。
一方、第2タイミングT2において車両1からY方向に位置する目標軌道TP上の点P2は、例えばX方向移動量から得られる。その点P2の横位置は、目標横位置Etである。また、その点P2における目標軌道TPの接線TL2のヨー角は、目標ヨー角θtである。これら目標横位置Et及び目標ヨー角θtは、目標軌道TPの位置や曲率等の情報から算出可能である。
目標横位置Etと車両1の横位置E2との差分が、第2タイミングT2における横位置偏差Ed2である。また、目標ヨー角θtと車両1のヨー角θ2との差分が、第2タイミングT2におけるヨー角偏差θd2である。
このように、車両走行制御装置は、ヨーレートYR、車速V、及び目標軌道TPの情報に基づいて、第2タイミングT2における横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2を算出(推定)することができる。第2タイミングT2における横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2を用いてパス追従制御を行うことによって、パス追従制御の制御遅れを補償することが可能となる。これにより、目標軌道TPに対する追従性能が向上する。
次に、図3を参照して、車両1の“横滑り”が発生している場合を考える。横滑りが発生している場合、横位置偏差Ed2の算出結果は大きく影響される。何故なら、ヨーレートYRと車速Vに基づく横位置偏差Ed2の算出処理は、グリップ走行などの線形域における車両走行を前提としているからである。図3に示されるように、横滑りが発生している状況下では、車両1の実際の移動軌跡は、ヨーレートYRと車速Vから推定される移動軌跡から大きくずれる。従って、ヨーレートYRと車速Vに基づいて算出される横位置偏差Ed2は、実際の横位置偏差Ed2から大きくずれる。
図4は、車両1の横滑りが発生している状況を速度の観点から示している。図4において、車両1は横滑りしており、車両1の車体スリップ角は大きくなっている。ヨーレートYRと車速Vから算出される横速度成分(Y方向速度)は、実際には存在しない誤った横速度成分である。誤った横速度成分から算出される横移動距離(Y方向移動量)も、実情から乖離した誤ったものとなる。
このように、車両1の横滑りが発生している場合、ヨーレートYRと車速Vに基づく横位置偏差Ed2の算出精度は低下する。そのような低精度の横位置偏差Ed2を用いてパス追従制御を行うと、目標軌道TPに対する追従性能が却って低下する。
そこで、本実施の形態によれば、ヨーレートYRと車速Vに基づく横位置偏差Ed2の算出精度が低下する状況では、車両1の位置情報に基づいて横位置偏差Ed2が算出される。位置情報の更新頻度は、ヨーレートYRや車速Vの更新頻度に比べると低い。しかしながら、車両1の横滑りが発生している状況下では、ヨーレートYRと車速Vを用いるよりも、位置情報を用いた方が、横位置偏差Ed2の算出精度は高くなる。
以下の説明において、「第1補償処理」は、更新頻度が比較的高いヨーレートYR及び車速Vに基づいて横位置偏差Ed2を算出する(つまり、横位置偏差Edを補正する)補償処理を意味する。一方、「第2補償処理」は、更新頻度が比較的低い位置情報に基づいて横位置偏差Ed2を算出する(つまり、横位置偏差Edを補正する)補償処理を意味する。
車両1の横滑りが発生していない場合、第1補償処理による横位置偏差Ed2の算出精度は、第2補償処理よりも高い。従って、横位置偏差Ed2の算出には、主に第1補償処理が用いられる。第1補償処理と第2補償処理が組み合わされてもよいが、その場合であっても、補償処理に対する第1補償処理の寄与度は第2補償処理の寄与度よりも高くなるように設定される。
一方、車両1の横滑りが発生している場合、第2補償処理による横位置偏差Ed2の算出精度は、第1補償処理よりも高い。従って、横位置偏差Ed2の算出には、主に第2補償処理が用いられる。第1補償処理と第2補償処理が組み合わされてもよいが、その場合であっても、補償処理に対する第2補償処理の寄与度は第1補償処理の寄与度よりも高くなるように設定される。
すなわち、横滑りが発生している場合、横滑りが発生していない場合と比較して、第1補償処理の寄与度が低下し、第2補償処理の寄与度が増加する。これにより、横滑りが発生している状況下における横位置偏差Ed2の算出精度の低下を抑制することが可能となる。その結果、パス追従制御の制御遅れを補償する補償処理が有効に働き、目標軌道に対する追従性能が向上する。
以下、本実施の形態に係る車両走行制御装置について更に詳しく説明する。
2.車両走行制御装置
2−1.全体構成
図5は、本実施の形態に係る車両走行制御装置10の構成例を概略的に示すブロック図である。車両走行制御装置10は、車両1に搭載されており、車両1の走行を制御する。図5に示されるように、車両走行制御装置10は、位置情報取得装置20、車両状態取得装置30、周辺情報取得装置40、走行装置50、及び制御装置100を備えている。
位置情報取得装置20は、車両1の位置及び方位を示す位置情報を取得する。例えば、位置情報取得装置20は、地図データベース、GPS(Global Positioning System)装置、カメラ、及び通信装置を含んでいる。地図データベースは、地図上のレーン配置及びレーン形状を示す地図情報を有している。GPS装置は、車両1の位置及び方位を計測する。カメラは、車両1の周囲を撮像する。カメラによって撮像される白線の位置及び形状、地図情報、及びGPS装置による位置方位計測結果に基づいて、車両1の位置及び方位を精度良く算出することができる。通信装置は、V2X通信(車車間通信および路車間通信)を行う。このV2X通信によって、車両1の位置情報が取得されてもよい。位置情報取得装置20は、位置情報を制御装置100に送る。
車両状態取得装置30は、車両1の状態を示す車両状態情報を取得する。例えば、車両状態取得装置30は、車速センサ、車輪速センサ、ヨーレートセンサ、横Gセンサ、及び舵角センサを含んでいる。車速センサは、車両1の速度である車速Vを検出する。車輪速センサは、各車輪の車輪速Vwを検出する。車速Vは、各車輪の車輪速Vwから算出されてもよい。ヨーレートセンサは、車両1のヨーレートYRを検出する。横Gセンサは、車両1の横加速度を検出する。舵角センサは、車両1の操舵角を検出する。車両状態取得装置30は、車両状態情報を制御装置100に送る。尚、車両状態取得装置30による車両状態情報の取得頻度は、上記の位置情報の取得頻度よりも高い。
周辺情報取得装置40は、車両1の周辺の状況を示す周辺情報を取得する。例えば、周辺情報取得装置40は、地図データベース、カメラ、ライダー(LIDAR: Laser Imaging Detection and Ranging)、及びレーダを含んでいる。地図データベースから、地図上のレーン配置及びレーン形状を示す地図情報が得られる。カメラ、ライダー、及びレーダといった外界センサによる計測結果から、車両1の周囲の物標に関する物標情報が得られる。物標としては、白線、路側物、周辺車両などが例示される。周辺情報取得装置40は、地図情報と物標情報を含む周辺情報を制御装置100に送る。
位置情報、車両状態情報、及び周辺情報は、車両1の運転環境を示す運転環境情報を構成している。位置情報取得装置20、車両状態取得装置30、及び周辺情報取得装置40は、運転環境情報を取得する「運転環境情報取得装置」を構成していると言える。
走行装置50は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンや電動機が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
制御装置100は、車両1の走行を制御する車両走行制御を行う。典型的には、制御装置100は、プロセッサ及び記憶装置を備えるマイクロコンピュータである。制御装置100は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。記憶装置には、制御プログラムが格納される。プロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより、制御装置100による各種処理が実現される。
特に、制御装置100は、車両走行制御の1つとしてパス追従制御を行う。パス追従制御において、制御装置100は、目標軌道TPを算出し、目標軌道TPに追従するように車両1の走行を制御する。車両1の走行は、走行装置50を適宜作動させることにより制御可能である。以下、パス追従制御に関連する制御装置100の機能構成について、更に詳しく説明する。
2−2.制御装置の機能構成
図6は、制御装置100の機能構成例を示すブロック図である。制御装置100は、機能ブロックとして、目標軌道算出部110、走行状態算出部120、走行制御部130、及び横滑り検出部140を備えている。これら機能ブロックは、制御装置100のプロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。以下、各機能ブロックについて詳しく説明する。
2−2−1.目標軌道算出部110
目標軌道算出部110は、運転環境情報に基づいて目標軌道TPを算出する「目標軌道算出処理」を行う。運転環境情報は、上述の位置情報、車両状態情報、及び周辺情報を含んでいる。目標軌道TPの算出方法としては、様々なものが提案されている。本実施の形態における目標軌道TPの算出方法は、特に限定されない。目標軌道算出部110は、目標軌道TPの情報を走行状態算出部120に出力する。
2−2−2.走行状態算出部120
走行状態算出部120は、目標軌道TPに対する車両1の走行状態を算出する「走行状態算出処理」を行う。走行状態は、ヨー角偏差θd及び横位置偏差Edを含んでいる。走行状態算出処理において、走行状態算出部120は、パス追従制御の制御遅れを補償するために、上述の「補償処理」を行う。つまり、走行状態算出部120は、制御遅れに相当する遅延時間の分だけ横位置偏差Edとヨー角偏差θdを補正する。走行状態算出部120は、補償処理を行うことによって、第2タイミングT2における横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2を算出する。
第2タイミングT2におけるヨー角偏差θd2の算出方法は、上述の通りである。つまり、ヨーレートYR及び目標軌道TPの情報に基づいて、第2タイミングT2におけるヨー角偏差θd2を算出することができる。ヨーレートYRは、車両状態情報に含まれている。
第2タイミングT2における横位置偏差Ed2の算出方法としては、上述の「第1補償処理」と「第2補償処理」の2つが考えられる。第1補償処理部121は、第1補償処理を行う、つまり、ヨーレートYR及び車速Vに基づいて横位置偏差Ed2を算出する。ヨーレートYR及び車速Vは、車両状態情報に含まれている。一方、第2補償処理部122は、第2補償処理を行う、つまり、位置情報に基づいて横位置偏差Ed2を算出する。補償処理において、第1補償処理と第2補償処理を組み合わせて実施してもよい。
走行状態算出部120は、算出した横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2の情報を走行制御部130に出力する。
2−2−3.走行制御部130
走行制御部130は、横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2が減少するように車両1の走行を制御する「走行制御処理」を行う。走行制御処理において、走行制御部130は、ヨー角偏差θd2及び横位置偏差Ed2を減少させるための車両制御量を算出する。そして、走行制御部130は、算出した車両制御量に従って走行装置50を作動させる。これにより、目標軌道TPに追従するように車両1の走行させることが可能となる。
例えば、目標ヨーレート算出部131は、横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2に基づいて、車両1を目標軌道TPに追従させるために必要な目標ヨーレートYRtを算出する。横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2と目標ヨーレートYRtとの間の対応関係は、例えばマップで規定される。あるいは、目標ヨーレートYRtは、次の式(1)に従って算出されてもよい。
式(1):YRt=Ga×Ed2+Gb×θd2
ここで、第1制御ゲインGaは、横位置偏差Ed2に対する制御ゲインであり、第2制御ゲインGbは、ヨー角偏差θd2に対する制御ゲインである。
制御量算出部132は、ヨーレートYRと目標ヨーレートYRtとの差分であるヨーレート偏差YRdを算出する。ヨーレートYRは、車両状態情報に含まれている。更に、制御量算出部132は、ヨーレート偏差に応じた目標舵角を算出する。また、制御量算出部132は、車両状態情報から操舵角(実舵角)を取得する。そして、制御量算出部132は、実舵角と目標舵角の差に応じたモータ電流指令値を算出し、そのモータ電流指令値に従ってパワーステアリング装置のモータを駆動する。
2−2−4.横滑り検出部140
横滑り検出部140は、車両状態情報に基づいて、車両1の横滑りを検出する「横滑り検出処理」を行う。横滑り検出部140は、制御装置100が有する車両安定制御(VSC:Vehicle Stability Control)機能の一部であってもよい。
例えば、横滑り検出部140は、車速Vと操舵角に応じた期待ヨーレートを算出する。そして、横滑り検出部140は、期待ヨーレートとヨーレートYRとの差であるヨーレート偏差を算出する。ヨーレート偏差が作動閾値を超えた場合、横滑り検出部140は、横滑りが発生したと判定する。車速V、操舵角、及びヨーレートYRは、車両状態情報に含まれている。
横滑り検出部140は、横滑りの判定結果を示す情報を走行状態算出部120及び走行制御部130に出力する。本実施の形態によれば、横滑りの有無に応じてパス追従制御の方法が切り替わる。以下、横滑りの有無に応じたパス追従制御の切り替えについて説明する。
2−3.処理フロー
図7は、本実施の形態に係る制御装置100によるパス追従制御を示すフローチャートである。
ステップS10において、走行状態算出部120は、目標軌道TPの情報、車両状態情報、及び位置情報を取得する。
続くステップS20において、走行状態算出部120は、横滑り検出部140によって横滑りが検出されているか否かを判定する。横滑りが検出されていない場合(ステップS20;No)、処理はステップS30に進む。一方、横滑りが検出されている場合(ステップS20;Yes)、処理はステップS40に進む。
ステップS30において、走行状態算出部120は、通常の偏差算出処理を行う。具体的には、走行状態算出部120は、ヨーレートYRに基づいて、第2タイミングT2におけるヨー角偏差θd2を算出する。また、走行状態算出部120は、ヨーレートYRと車速Vに基づく第1補償処理によって、第2タイミングT2における横位置偏差Ed2を算出する。第1補償処理と第2補償処理が組み合わされてもよいが、その場合であっても、第1補償処理の寄与度は第2補償処理の寄与度よりも高くなるように設定される。その後、処理はステップS70に進む。
ステップS40において、走行状態算出部120は、通常のヨー角偏差算出処理を行う。具体的には、走行状態算出部120は、ヨーレートYRに基づいて、第2タイミングT2におけるヨー角偏差θd2を算出する。その後、処理はステップS50に進む。
ステップS50において、走行状態算出部120は、横位置偏差Ed2を算出する横位置偏差算出処理を行う。ここで、走行状態算出部120は、横滑りが検出されていないステップS30と比較して、第1補償処理の寄与度を低下させ、第2補償処理の寄与度を増加させる。例えば、走行状態算出部120は、第1補償処理を停止し、第2補償処理によって第2タイミングT2における横位置偏差Ed2を算出する。第1補償処理と第2補償処理が組み合わされてもよいが、その場合であっても、第2補償処理の寄与度は第1補償処理の寄与度よりも高くなるように設定される。その後、処理はステップS60に進む。
ステップS60において、走行制御部130は、上記式(1)における制御ゲインを変更する。具体的には、走行制御部130は、横滑りが検出されていない場合と比較して、横位置偏差Ed2に対する第1制御ゲインGaを減らし、一方、ヨー角偏差θd2に対する第2制御ゲインGbを増やす。これにより、パス追従制御に対する横滑りの影響を更に抑制することが可能となる。その後、処理はステップS70に進む。
ステップS70において、走行制御部130は、走行制御処理を行う。
2−4.パス追従制御の一例
図8は、本実施の形態に係るパス追従制御の一例を示すタイミングチャートである。図8には、目標ヨー角θt、ヨー角θ2、ヨー角偏差θd2(=θt−θ2)、目標横位置Et、横位置E2、及び横位置偏差Ed2(=Et−E2)のそれぞれの時間変化が示されている。
タイミングtxまで、車両1の横滑りは検出されていない。横滑りが検出されていない期間、制御装置100は、第1補償処理によって横位置E2及び横位置偏差Ed2を算出する。尚、横位置E2のグラフ中の点線は、位置情報に基づく第2補償処理による算出結果を示している。位置情報の更新頻度はヨーレートYRや車速Vの更新頻度よりも低いため、第2補償処理による算出精度は、第1補償処理による算出精度よりも低い。
タイミングtxにおいて、車両1の横滑りが検出される。横滑りが発生している場合、第1補償処理による算出精度が低下する。従って、制御装置100は、第1補償処理を停止させる。その代わり、制御装置100は、第2補償処理によって横位置E2及び横位置偏差Ed2を算出する。これにより、横位置偏差Ed2の算出精度の低下が抑えられる。その結果、パス追従制御の制御遅れを補償する補償処理が有効に働き、目標軌道に対する追従性能が向上する。
3.変形例
図9は、本発明の実施の形態に係るパス追従制御の変形例を示す概念図である。第1タイミングT1において、制御装置100は、目標軌道TPの算出に必要な運転環境情報を取得する。そして、制御装置100は、目標軌道TPの算出を開始する。目標軌道TPの算出が完了するのは、第1タイミングT1よりも後である。尚、目標軌道TPは、第1タイミングT1における座標系(X,Y)で定義される。
目標軌道TPの算出が完了した後の第2タイミングT2Aにおいて、制御装置100は、最新の位置情報を取得し、車両1の位置を更新する。これは、目標軌道算出時間によるパス追従制御の制御遅れを補償する補償処理に相当する。
パス追従制御の制御遅れの要因は、目標軌道算出時間に限られない。例えば、情報通信時間やアクチュエータ応答時間も、制御遅れの要因となり得る。また、位置情報を取得するためにもある程度の時間を要する。そこで、諸々の要因による制御遅れを補償するために、第2タイミングT2Aよりも更に所定時間だけ後の第2タイミングT2Bを考える。制御装置100は、横滑りの有/無に応じた補償処理を行うことにより、第2タイミングT2Bにおける横位置偏差Ed2及びヨー角偏差θd2を精度良く算出することができる。このように補償処理を2段階で実施することも可能である。
1 車両
10 車両走行制御装置
20 位置情報取得装置
30 車両状態取得装置
40 周辺情報取得装置
50 走行装置
100 制御装置
110 目標軌道算出部
120 走行状態算出部
121 第1補償処理部
122 第2補償処理部
130 走行制御部
131 目標ヨーレート算出部
132 制御量算出部
140 横滑り検出部
TP 目標軌道(目標パス)

Claims (1)

  1. 車両に搭載される車両走行制御装置であって、
    目標軌跡を算出し、前記目標軌跡に追従するように前記車両の走行を制御するパス追従制御を行う制御装置と、
    前記車両の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、
    前記車両のヨーレート及び車速を検出する車両状態取得装置と
    を備え、
    横位置偏差は、前記車両と前記目標軌跡との間の距離であり、
    前記パス追従制御は、
    前記パス追従制御の制御遅れに相当する遅延時間の分だけ前記横位置偏差を補正する補償処理と、
    前記横位置偏差が減少するように前記車両の走行を制御する走行制御処理と、
    前記車両の横滑りを検出する横滑り検出処理と
    を含み、
    前記補償処理は、
    前記ヨーレート及び前記車速に基づいて前記横位置偏差を補正する第1補償処理と、
    前記位置情報に基づいて前記横位置偏差を補正する第2補償処理と
    を含み、
    前記横滑りが検出されている場合、前記制御装置は、前記横滑りが検出されていない場合と比較して、前記補償処理に対する前記第1補償処理の寄与度を低下させ、前記補償処理に対する前記第2補償処理の寄与度を増加させる
    車両走行制御装置。
JP2018170000A 2018-09-11 2018-09-11 車両走行制御装置 Active JP7000283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018170000A JP7000283B2 (ja) 2018-09-11 2018-09-11 車両走行制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018170000A JP7000283B2 (ja) 2018-09-11 2018-09-11 車両走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020040547A true JP2020040547A (ja) 2020-03-19
JP7000283B2 JP7000283B2 (ja) 2022-02-04

Family

ID=69797251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018170000A Active JP7000283B2 (ja) 2018-09-11 2018-09-11 車両走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7000283B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113740800A (zh) * 2020-05-28 2021-12-03 南宁富桂精密工业有限公司 行车定位系统及行车定位方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090157263A1 (en) * 2007-12-13 2009-06-18 Hyundai Motor Company System and method for keeping a vehicle in a lane
JP2013212838A (ja) * 2013-07-18 2013-10-17 Toyota Motor Corp 操舵支援装置
JP2014040179A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP2017114194A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP2018030410A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 株式会社デンソー 運転支援制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090157263A1 (en) * 2007-12-13 2009-06-18 Hyundai Motor Company System and method for keeping a vehicle in a lane
JP2014040179A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP2013212838A (ja) * 2013-07-18 2013-10-17 Toyota Motor Corp 操舵支援装置
JP2017114194A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP2018030410A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 株式会社デンソー 運転支援制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113740800A (zh) * 2020-05-28 2021-12-03 南宁富桂精密工业有限公司 行车定位系统及行车定位方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7000283B2 (ja) 2022-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109421709B (zh) 车辆的驾驶辅助装置
US8170739B2 (en) Path generation algorithm for automated lane centering and lane changing control system
US10077072B2 (en) Vehicle steering device and vehicle steering control method with reduced lateral speed
JP6515823B2 (ja) 車線変更支援装置
US11155257B2 (en) Automatic parking control device
JP2017077849A (ja) 車両走行制御装置
CN107107751B (zh) 目标车速生成装置及行驶控制装置
US8862326B2 (en) Vehicle travel assisting device
CN109649477B (zh) 驾驶支持控制系统
WO2016117602A1 (ja) 車両制御装置及び車両制御方法
JP7481531B2 (ja) 車両走行制御装置
JP6642331B2 (ja) 運転支援制御装置
JP7189691B2 (ja) 車両の走行制御システム
US20200307612A1 (en) Vehicle control device
US20200193176A1 (en) Automatic driving controller and method
JP6497329B2 (ja) 車両用走行制御装置
JP6481627B2 (ja) 車両用走行制御装置
JP7000283B2 (ja) 車両走行制御装置
JP2019001425A (ja) 車両用操舵制御装置
JP7144271B2 (ja) 道路形状認識装置
JP6243319B2 (ja) 逸脱判定装置
JP2014210456A (ja) 車両の操舵制御装置
JP7000245B2 (ja) 自動運転システム
JP6409711B2 (ja) 走行環境認識装置
US10919569B2 (en) Vehicle control system

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180925

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211223

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7000283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151