JP2020040025A - 蒸留装置及び該蒸留装置を用いた蒸留方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、大型の蒸留装置は、蒸留操作に必要な試料量、電気量も多く、コストがかかるものであった。また、1つの蒸留操作に広いスペースが必要であり、通常の実験室に備えられたドラフト内に設置することは難しく、作業者の安全衛生面でも好ましくなかった。さらに、大型の蒸留装置では、通常、同時に1つの蒸留操作しか行えず、多数の試料を同時に処理するには、大型の蒸留装置を複数台備えるしかなく、大型の蒸留装置の台数に応じた広いスペースが必要であった。
しかしながら、従来の小型蒸留装置は、蒸留操作に必要な試料量等は低減できたものの、アルミや銅等の金属ブロックヒーターで加熱することが一般的なため、複数の小型蒸留ステーションそれぞれの加熱操作を独立して行えず、複数の小型蒸留ステーションをまとめてすべて同じ条件で加熱するような使用方法に限定されていた。すなわち、個別の蒸留条件の設定はできない上、使用していない蒸留ステーションも共に加熱するしかないという無駄が生じていた。さらに金属ブロックヒーターは、加熱や冷却に時間を要するという問題もあった。
また、従来の連結された小型蒸留ステーションは、ヒーターで加熱され高熱となる部分を考慮しながら配管や配線を引き回す関係で、縦横に整列させ固定して設けられることが一般的なため、奥にある小型蒸留ステーションは手前の小型蒸留ステーションに遮られ、ガラス器具や冷却水管の連結、試料のセットアップや留出液の回収等の蒸留操作が、非常に困難となるという問題があった。
さらに、本発明の複数の試料を同時に蒸留する蒸留方法は、上記蒸留装置の前記回転テーブルを回転させ、前記複数の蒸留ステーションいずれかの操作面を前記蒸留装置の正面に向ける工程と、前記操作面を正面に向けた前記蒸留ステーションを用いて試料を蒸留する工程と、を繰り返し、前記蒸留ステーションを用いて試料を蒸留する工程は、前記試料管挿入部に試料管及び試料をセットする工程と、前記試料管を少なくとも冷却管と連結し、該冷却管を前記冷却水供給手段に設けられた冷却水供給口、及び、前記冷却水排水手段に設けられた冷却水排水戻り口に連結する工程と、前記冷却管に冷却水を供給する工程と、前記加熱制御部を操作して、前記加熱ヒーターの出力を制御する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の蒸留装置によれば、各蒸留ステーションの操作面を、蒸留装置の正面、すなわち操作者の正面に移動することができる。このため、蒸留操作を行う蒸留ステーション以外の蒸留ステーションが蒸留操作の妨げにならず、スムーズな蒸留作業が可能となる。
さらに、本発明の蒸留装置によれば、試料管のサイズが小さいため、試料量、電気量を少なくすることができ、分析コストの削減が可能となる。その結果、蒸留装置全体のサイズも小さくすることができるため、通常の実験室のドラフト内に設置することができ、作業者の安全衛生に配慮することが可能となる。また、ドラフトの開閉口側となる操作者の正面側に、すべての蒸留ステーションの操作面を回転移動させることができ、安全性と操作性の向上を両立することが可能となる。
本発明の蒸留装置は、少なくとも架台、回転テーブル、複数の蒸留ステーションを備えるものである。実施の形態1の概略を、図1〜図7に示す。
なお、図は一例に過ぎず、また、以下に符号を付して説明するが、本発明をなんら限定するものではない。
蒸留装置(1)全体の形状は略円筒状であり、高さは概ね350mm〜550mm、幅及び奥行(上面視直径)は概ね300mm〜1000mmである。
なお、本明細書において「蒸留装置の正面」とは、蒸留操作しやすい位置に立った操作者に対向する面を指し、蒸留装置が通常の実験室のドラフト内に設置された場合は、ドラフトの開閉口側が蒸留装置の正面となり得る。
本発明の蒸留装置(1)は、同時に1以上の蒸留操作が可能な蒸留ステーション(S1等)を、複数備える。
複数の蒸留ステーション(S1等)は、蒸留ステーションの操作面を、略円筒状の蒸留装置(1)の側面に沿うように外側に向けて、回転テーブル(4)上に配置される。
ここで、「蒸留ステーションの操作面」とは、蒸留ステーション(S1等)のうち、蒸留操作を行う際に、試料管挿入部(21)に挿入される試料管(G2)と冷却管(G1)の連結や、加熱制御部(31)の操作を行う側の面のことである。通常、操作面は、操作しやすい位置に立った操作者に対向する面であり、加熱制御部(31)が設けられた面であることが多い。
回転テーブル(4)上に配置される蒸留ステーション(S1等)の数は、回転テーブル(4)の大きさや、試料量に連動する試料管(G2)や冷却管(G1)のサイズによるものの、2以上であれば制限はなく、3、4、5あるいは12でもよい。ただし、あまり数が多いと蒸留装置(1)のサイズ及び重量が大きくなり、回転や配線、配管、連結等の操作がしづらくなる上、実験用ドラフト内に搬入しづらくなるため、実験用ドラフトに設置する場合は2以上6以下が好ましく、3以上4以下がより好ましい。
試料管挿入部(21)は、略有底円筒状であり、50ml〜300mlの試料管(G2)又は水蒸気発生管(G7)を略垂直に立てて挿入することが可能な大きさである。試料管挿入部(21)の大きさは、好ましくは内径30mm〜60mm、より好ましくは35mm〜45mmの範囲が例示される。
試料管挿入部(21)の該略有底円筒状の底部には、試料管受け部(25)を備えることが好ましい。試料管受け部(25)は凹形状の受け部を有し、試料管(G2)又は水蒸気発生管(G7)の底部を受けることができる。試料管受け部(25)は、耐熱性及び該凹部を有する円筒部材等が例示される。
試料管挿入部(21)の円筒側面には、熱伝導性を有する筒状部材を配置してもよいし、配置しなくてもよい。筒状部材を配置しない構成とした場合、試料管(G2)等は加熱ヒーター(22)により効率よく加熱される。
また、加熱ヒーター(22)の位置は、試料管挿入部(21)に挿入された試料管(G2)や水蒸気発生管(G7)の、蒸留対象試料や水の液面を考慮して設定することが好ましい。
加熱ヒーター(22)の出力は、300W程度が例示される。
赤外線反射板(23)は、加熱ヒーター(22)の概ね全体を囲むことができる形であれば、形状に制限はないが、円筒形や、八角柱、六角柱、四角柱等の角柱の表面形状のように、反射板は、円筒形や、八面、六面、四面等に折り曲げた加熱ヒーター(22)を囲む形状であることが好ましい。なかでも円筒形が反射効率の点からより好ましい。また、本体回転下部(3)に熱が伝わりにくいように、試料管挿入部(21)の試料管受け部(25)の下側に、赤外線反射板(23)をさらに配置することが望ましい。
赤外線反射板(23)の材料としては、Al等が好ましい。
水道又はチラーに連結された給水管(61)は、架台(5)の側面に設けられた管ケーブル用架台差込口(53)から回転テーブル(4)の給水管用孔(41)に挿入され、蒸留ステーションの数の2倍の本数に分岐され、各蒸留ステーション(S1等)の本体回転下部(3)の左右側面に1つずつ設けられた冷却水給水口(図示せず)まで配管される。
各蒸留ステーション(S1等)の本体回転下部(3)の左右側面に1つずつ設けられた冷却水排水戻り口(図示せず)にそれぞれ連結された排水管(62)は、本体回転下部(3)内部で1本に合流され、回転テーブル(4)の排水管用孔(42)に挿入され、回転テーブル(4)の下の架台(5)の側面に設けられた管ケーブル用架台差込口(53)を通って外部の排水口へ配管される。
回転テーブル(4)は、複数の蒸留ステーション(S1等)を回転することができるよう、架台(5)上に取り付けられる。
回転テーブル(4)は、電源ケーブル、給水管(61)及び排水管(62)を挿入する貫通孔を1つ以上備える。電源ケーブル用に電源ケーブル用孔(43)、給水管(61)用に給水管用孔(41)、排水管(62)用に排水管用孔(42)をそれぞれ備えることが好ましい。
回転テーブルの大きさや材料は、複数の蒸留ステーションを安定して回転できるものであれば材料や大きさに特に制限はないが、回転部の材質としてAl、板部の材質としてステンレス等が例示される。
架台(5)は、複数の蒸留ステーション(S1等)及び回転テーブル(4)を支持する台である。架台(5)は、複数の蒸留ステーションや回転テーブル(4)を安定して支持できる大きさ、材質であれば制限はないが、材質としては、鉄(SS400等)が例示され、配置された蒸留ステーションの形状に沿った形、たとえば八角形や円形等が例示される。架台(5)の内部は、管やケーブルを引き回すため、空洞であることが望ましい。
電源ケーブル、給水管(61)、排水管(62)が回転テーブル(4)の下側に挿入できるよう、架台(5)の側面の少なくとも1か所に、管ケーブル用架台差込口(53)が設けられることが望ましい。
各蒸留ステーションに2つずつ必要な給水管(61)及び排水管(62)の配管や、電源ケーブルの配線をした上で、蒸留装置を安全に安定して回転させる回転機構について説明する。
図5に、回転機構を説明するため、装置裏面側から撮影した写真を示した。図5(a)は回転角度0度とした場合であり、管ケーブル用架台差込口(53)から、給水管(61)及び排水管(62)が挿入され、それぞれ給水管用孔(41)及び排水管用孔(42)に連結されている。なお、電源ケーブルは、同様に管ケーブル用架台差込口(53)から、電源ケーブル用孔(43)に挿入されるが、説明を分かりやすくするため省略している。
図5(b)は回転角度90度の場合を示す。説明写真では回転テーブル(4)を固定し、架台(5)を回転させているが、回転テーブル(4)を回転させ、架台(5)を固定した場合と、相対的な位置関係は同じである。
図5(c)は回転角度180度の場合、図5(d)は回転角度270度の場合を示す。
図4(a)及び図4(b)に係止手段の例を示す。架台(5)の2か所にストッパーブロック(51)、回転テーブル(4)にボールプランジャーブロック(52)が設けられ、ボールプランジャーブロック(52)がストッパーブロック(51)の位置で係止され、回転角度が制御される。係止された回転テーブル(4)は、逆の回転方向に力を加えるとロックが解除され、逆方向に回転させることができる。
蒸留ステーションが4つ備えられた蒸留装置に、ストッパーブロック(51)が90度離れた位置に設けられた図4(b)の場合、回転テーブル(4)は回転角度270度の範囲で回転可能となる。
なお、上記回転角度の制御の他に、各蒸留ステーションの操作面が蒸留装置の正面にきたときに、ボールプランジャーブロック等で係止する手段を用いることが望ましい。蒸留操作中に蒸留ステーションが回転するのを防止するためである。かかる目的のための係止手段は、蒸留装置を手で軽く左右どちらかに回転させれば、ロックは外れる。
蒸留操作を行う場合は、まず、蒸留装置(1)の蒸留ステーション毎にガラス器具及び試料や薬品等をセットする。
必要に応じて注入ロート(G4)を用い、試料管(G2)に蒸留対象物となる試料や蒸留に必要な試薬、沸石又はガラスビーズ等が注入、投入される。
冷却管(G1)は、蒸留物を冷却するものであり、リービッヒ冷却管等が例示される。冷却管(G1)に冷却水が導入される下部連結部は冷却水給水口(図示せず)に連結され、冷却管(G1)の使用済冷却水が排水される上部連結部は冷却水排水戻り口(図示せず)に連結される。
リザーバー(32)は、留出液を受ける容器であれば制限はなく、メスシリンダー、フラスコ、試験管等が例示される。なお、蒸留時の留出速度を計測する場合は、メスシリンダー等体積が測れるものが好ましい。
蒸留が終了したら、加熱制御部(31)で加熱を停止し、リザーバー(32)に回収された留出液をメスアップし、続く分析に供する。
図7(a)及び図7(b)に、水蒸気蒸留の場合のガラス器具連結例を示す。試料管(G2)及び水蒸気発生管(G7)は試料管挿入部(21)にそれぞれ挿入され、水蒸気発生管ジョイント(G8)、三方コック付蒸気導入管(G9)、試料管用ジョイント(G3)、連結管(G5)、冷却管(G1)、逆流止め(G6)、リザーバー(32)等がセットされる。
試料管(G2)には、蒸留対象物となる試料や蒸留に必要な試薬、沸石やガラスビーズ等が注入、投入される。また、水蒸気発生管(G7)には、水が注入される。
蒸留が終了したら、加熱制御部(31)で加熱を停止し、リザーバー(32)に回収された留出液をメスアップし、続く分析に供する。
上述したように、本発明の蒸留装置は、複数の蒸留ステーションそれぞれを独立して蒸留操作可能である。すなわち、図6(a)及び図6(b)に示されたガラス器具を連結して単蒸留をしながら、図7(a)及び図7(b)に示されたガラス器具を連結して水蒸気蒸留を同時に行うことも可能である。
本発明の実施の形態2として、蒸留装置のうち、冷却水供給手段及び冷却水排水手段の他の例の概略を、図8〜図11に示す。
実施の形態2において、以下に記載した構成以外の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態2の冷却水供給手段の特徴は、架台(5)に固定された集合給水機構部(112)を設けることにより、回転角度を制限する必要がない蒸留装置を提供することができる点にある。すなわち、蒸留装置を同一方向に360度以上回転し続けても、配管や配線の絡まりの問題が生じない。
集合給水口(113)が設けられた水平面と、複数の蒸留ステーションそれぞれに2つずつ配置される冷却水給水口(111)の水平面を連結するように、略円筒状の集合給水機構部(112)が設けられる。略円筒状の集合給水機構部(112)の径方向内部は空洞であり、径方向外側層の内部の一部に通水のための空間を有する。該空間は、集合給水口(113)から略同じ径で集合給水機構部(112)の径方向外側層を通り、冷却水給水口(111)が配置される水平面で略90度屈曲し、該水平面に水平かつ環状に広がり、集合給水機構部(112)の外側に開口している。一方、集合給水機構部(112)の冷却水給水口(111)の設置高さには、集合給水機構部(112)の通水のための空間の環状開口部分に密着させるように、Oリング等により給水口回転部材用シール(115)を介して円筒状の給水口回転部材(114)が設けられる。給水口回転部材(114)に、複数(蒸留ステーションが4つの場合は、8つ)の冷却水給水口(111)が接続される。架台(5)に固定されていない給水口回転部材(114)、冷却水給水口(111)等の部材は、蒸留ステーションの試料管挿入部(21)、加熱ヒーター(22)、赤外線反射板(23)、加熱制御部(31)、試料管(G2)及び水蒸気発生管(G7)等とともに、回転テーブル(4)により回転可能である。
集合給水口(113)から供給された冷却水は、集合給水機構部(112)の外側層の通水空間を上方向に流れ、複数の冷却水給水口(111)の配置面で略90度外側に屈曲し略放射状に広がり、環状開口部分に到達し、回転可能な冷却水給水口(111)から各冷却管(G1)に供給される。
給水口回転部材用シール(115)の材質は、水密性を有するものであれば制限はなく、シリコーン、天然ゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等が例示される。
実施の形態2の冷却水排水手段の特徴は、架台(5)に固定された集合排水機構部(122)を設けることにより、回転角度を制限する必要がない蒸留装置を提供することができる点にある。すなわち、蒸留装置を同一方向に360度以上回転し続けても、配管や配線の絡まりの問題が生じない。
図9(a)及び図9(b)に示すように、冷却水排水戻り口(121)から戻ってきた使用済の冷却水は、複数の冷却水排水戻り口(121)の配置面にある環状開口部分から集合排水機構(122)の外側層の通水空間に流入して下方向に流れ、集合排水口(123)から排水される。
排水戻り口回転部材用シール(125)の材質は、水密性を有するものであれば制限はなく、シリコーン、天然ゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等が例示される。
実施の形態2において、集合給水機構部(112)、集合給水口(113)、集合排水機構部(122)、集合排水口(123)等の部材は架台固定ベース(141)に固定され、それ以外の蒸留ステーションは、回転テーブル(4)上に設置され、回転可能となる。より具体的には、電源スリップリング(131)、ブレード固定プレート(135)、給水口回転部材(114)、電源リード線(130)、冷却水供給口(111)、排水戻り口回転部材(124)、冷却水排水戻り口(121)は回転可能である。
上述したように、実施の形態2のように冷却水給水手段及び冷却水排水手段の構成を備える場合は、蒸留装置の回転を続けても配管や配線が絡まることがないため、実施の形態1に設けた回転角度を制御するための係止手段は不要である。
給水管(61)は架台(5)に固定された集合給水口(113)に連結され、排水管(62)は架台(5)に固定された集合排水口(123)に連結される。このため、給水管(61)及び排水管(62)は回転により絡まりが生じることはない。
一方、回転テーブル(4)の回転側に固定された、蒸留ステーションのその他の部分は、回転テーブル(4)により回転する。
− アンモニア性窒素 −
本発明の蒸留装置を用い、アンモニア性窒素を含む水の蒸留を行い、回収率を確認した。
アンモニア濃度が0.3mg/lとなるように調製した試料50mlを、容量100mlの試料管(G2)に入れ、水酸化ナトリウム40g/l及び希硫酸(1+35)で中性にし、沸石、フェノールフタレイン数滴を加えた。
試料管(G2)を試料管挿入部(21)に挿入し、図6に示すようにガラス器具類をセットし、加熱制御部(31)を操作して加熱を行った。留出速度が約1.8ml/minとなるように調整した。
留出液約40mlを50mlにメスアップし、所定の分析法で回収されたアンモニア性窒素の濃度を測定した。
回収率は96.3%〜100.7%(n=3)であった。
本発明の蒸留装置を用い、シアンを含む水の蒸留を行い、全シアンの回収率を確認した。
シアン濃度が0.1mg/lとなるように調製した試料40mlを、容量100mlの試料管(G2)に入れ、フェノールフタレイン数滴、100g/lのアミド硫酸アンモニウム0.4ml、沸石、リン酸4ml、100g/lのEDTA溶液4mlを加えた。
試料管(G2)を試料管挿入部(21)に挿入し、図6に示すようにガラス器具類をセットし、加熱制御部(31)を操作して加熱を行った。留出速度が約1.1ml/minとなるように調整した。
留出液約35mlを40mlにメスアップし、所定の分析法で回収された全シアンの濃度を測定した。
回収率は90.7%〜96.9%(n=3)であった。
本発明の蒸留装置を用い、フェノールを含む水の蒸留を行い、全シアンの回収率を確認した。
フェノール濃度が0.1mg/lとなるように調製した試料50mlを、容量100mlの試料管(G2)に入れ、メチルオレンジ数滴、リン酸(1+9)、10g/100mlの硫酸銅(II)溶液0.5ml、沸石を加えた。
試料管(G2)を試料管挿入部(21)に挿入し、図6に示すようにガラス器具類をセットし、加熱制御部(31)を操作して加熱を行った。留出速度が約1.8ml/minとなるように調整した。
留出液が約30mlになったら、一旦加熱を停止し、沸騰が止んだあとに、蒸留水10mlを注入ロート(G4)から試料管(G2)に加えた。
再度、加熱制御部(31)を操作して加熱を行った。
留出液約40mlを50mlにメスアップし、所定の分析法で回収されたフェノールの濃度を測定した。
回収率は88.4%〜89.8%(n=3)であった。
以上の実施例において、いずれも問題なく蒸留が行われることが分かった。
2 本体回転上部
21 試料管挿入部
22 加熱ヒーター
23 赤外線反射板
24 放熱孔部
25 試料管受け部
3 本体回転下部
31 加熱制御部
32 リザーバー
4 回転テーブル
41 給水管用孔
42 排水管用孔
43 電源ケーブル用孔
5 架台
51 ストッパーブロック
52 ボールプランジャーブロック
53 管ケーブル用架台差込口
61 給水管
62 排水管
F 冷却水排水の流れ方向
G1 冷却管
G2 試料管
G3 試料管用ジョイント
G4 注入ロート
G5 連結管
G6 逆流止め
G7 水蒸気発生管
G8 水蒸気発生管用ジョイント
G9 三方コック付蒸気導入管
R 回転方向
S1 蒸留ステーション1
S2 蒸留ステーション2
S3 蒸留ステーション3
S4 蒸留ステーション4
111 冷却水給水口
112 集合給水機構部
113 集合給水口
114 給水口回転部材
115 給水口回転部材用シール
121 冷却水排水戻り口
122 集合排水機構部
123 集合排水口
124 排水戻り口回転部材
125 排水戻り口回転部材用シール
130 電源リード線
131 電源スリップリング
132 電源ケーブル
133 カバー
134 スリップリング押さえ
135 ブレード固定プレート
140 固定フランジ
141 架台固定ベース
Claims (6)
- 複数の試料を同時に蒸留可能な蒸留装置であって、該蒸留装置は、
架台と、
前記架台上に取り付けられる回転テーブルと、
複数の蒸留ステーションであって、前記回転テーブルにその一部又は全部が取り付けられる、複数の蒸留ステーションと、
を備え、
前記複数の蒸留ステーションのそれぞれは、
試料管又は水蒸気発生管が挿入される、少なくとも1つの試料管挿入部と、
前記試料管挿入部それぞれの径方向外周に設けられる、加熱ヒーターと、
前記加熱ヒーターそれぞれを囲むように設けられる赤外線反射板と、
前記加熱ヒーターそれぞれを制御操作する加熱制御部と、
冷却水供給手段と、
冷却水排水手段と、
を含み、
前記回転テーブルを回転させることによって、前記蒸留ステーションそれぞれの操作面を該蒸留装置正面に移動することができる、蒸留装置。 - 前記回転テーブルは、電源ケーブル、給水管及び排水管が挿入される貫通孔を1つ以上備え、前記複数の蒸留ステーション全体を回転可能であり、
前記架台及び前記回転テーブルに設けられた係止手段により、前記回転テーブルの回転角度が360度以下となるように制御を行う、請求項1に記載の蒸留装置。 - 前記冷却水給水手段に設けられた集合給水機構部と集合給水口、及び、前記冷却水排水手段に設けられた集合排水機構部と集合排水口は、前記架台に対して回転しないように固定され、
前記冷却水給水手段に設けられた冷却水供給口、及び、前記冷却水排水手段に設けられた冷却水排水戻り口は、前記回転テーブルにより回転可能である、請求項1に記載の蒸留装置。 - 前記試料管挿入部は、略有底円筒状であり、50ml〜300mlの試料管又は水蒸気発生管を略垂直に立てて挿入可能な大きさであり、該略有底円筒状の底部には試料管受け部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸留装置。
- 高さが350mm〜550mm、幅及び奥行が300mm〜1000mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸留装置。
- 複数の試料を同時に蒸留する蒸留方法であって、該蒸留方法は、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸留装置の前記回転テーブルを回転させ、前記複数の蒸留ステーションいずれかの操作面を前記蒸留装置の正面に向ける工程と、
前記操作面を正面に向けた前記蒸留ステーションを用いて試料を蒸留する工程と、
を繰り返し、
前記蒸留ステーションを用いて試料を蒸留する工程は、
前記試料管挿入部に試料管及び試料をセットする工程と、
前記試料管を少なくとも冷却管と連結し、該冷却管を前記冷却水供給手段に設けられた冷却水供給口、及び、前記冷却水排水手段に設けられた冷却水排水戻り口に連結する工程と、
前記冷却管に冷却水を供給する工程と、
前記加熱制御部を操作して、前記加熱ヒーターの出力を制御する工程と、
を含む、蒸留方法。
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- 2018-09-12 JP JP2018170246A patent/JP7164108B2/ja active Active
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