JP2020039771A5 - - Google Patents

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連結式使い捨て着用物品
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつ等の連結式使い捨て着用物品に関するものである。
一般的な連結式使い捨て着用物品は、前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分を有し、少なくとも背側部分は、股間部よりも幅方向左右両側に延び出たウイング部分を有している。また、ウイング部分は腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有しているとともに、腹側部分の外面は、連結部が連結されるシート状のターゲット部を有している。使用時には、ウイング部分を腰の両側から腹側部分の外面に回して、ウイング部分の連結部をターゲット部に連結する。このような連結式使い捨て着用物品は、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)でも使用されている(例えば特許文献1参照)。
このような連結式使い捨て着用物品のターゲット部には、連結部の連結位置の目安となる目盛が設けられていることが多い。
しかしながら、連結式使い捨て着用物品の装着作業を暗所で行う場合(例えば、夜間に薄明かりの中で乳幼児を目覚めさせないように行う場合)や、目の不自由な人が装着作業を行う場合には、ターゲット部の目盛が役に立たないという問題点がある。この場合、連結部の位置を探りながら何度も着脱することとなり、連結強度が弱くなったり、寝ている乳幼児を起こしてしまったりするおそれがある。
特許文献1記載のものでは、暗所での連結部の発見を容易にするために、連結部に蛍光色を用いることが記載されているが、ターゲット部に蛍光色を用いるものではないから、連結部を発見し、これを摘まむことができるとしても、肝心の連結位置を知覚できないから、上記問題の解決には寄与しえない。
特開2011−110119号公報
そこで、本発明の主たる課題は、装着作業を暗所で行う場合等に、連結部の連結位置を知覚しやすい、連結式使い捨て着用物品を提供すること等にある。
上記課題を解決した連結式使い捨て着用物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央を含む股間部と、前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分とを有し、
前記背側部分の両側部に、前記腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有し、
前記腹側部分の外面に、前記連結部が連結されるターゲット部を有している、
連結式使い捨て着用物品において、
前記ターゲット部における前記連結部を連結する表面に、幅方向の連結位置を示す目盛となるように点状の突起が配列されている、
ことを特徴とする連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
本連結式使い捨て着用物品では、装着者が指先でターゲット部表面を触ることにより、指先の触覚で突起の位置、つまり目盛の位置を知覚することができる。よって、連結式使い捨て着用物品の装着作業を暗所で行う場合や、目の不自由な人が装着作業を行う場合でも、ターゲット部の目盛を目安に、連結部を所望の位置に連結することができる。
<第2の態様>
前記ターゲット部は、腹側部分の外面に貼り付けられたシート材であり、
このシート材に、エンボス加工により前記突起が形成されている、
第1の態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
このように、目盛となる突起を形成した専用のシート材を腹側部分の外面に貼り付けることによりターゲット部を形成すると、しっかりとした突起を形成しやすいものとなる。
<第3の態様>
前記突起は、最大径が1.4〜4.2mm、高さが0.3〜0.9mmである、
第1又は2の態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
突起の寸法がこの範囲内であると、触覚により詳細な形状や突起の数を知覚しやすくなるため好ましい。
<第4の態様>
前記ターゲット部における前記目盛を有する前後方向範囲には、前記目盛を構成する突起を有する第1領域と、前記突起を有しない第2領域とが、幅方向に交互に繰り返し設けられているだけである、
第1〜3のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
突起の配列により目盛を形成する場合、ターゲット部における目盛を有する前後方向範囲には、目盛を構成する突起以外の突起を有しないことが好ましい。
<第5の態様>
前記突起は、前記ターゲット部の幅方向中央から側方に向かうにつれて、高さが高くなっているか、面積が大きくなっているか、又はその両方である、
第1〜4のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
この場合、装着者は突起の高さや大きさの変化により、ターゲット部における突起の位置を知覚することができるため好ましい。
<第6の態様>
前記ターゲット部は、発光塗料又は蛍光塗料により形成された着色目盛を有している、
第1〜5のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
このように、補助的に発光塗料又は蛍光塗料による着色目盛を付すことにより、目視による突起の位置確認も容易となる。
<第7の態様>
前記ターゲット部は、エンボス加工により前記突起が形成された不織布からなり、
前記不織布は、前記突起における少なくとも頂部に、当該不織布の構成繊維相互が溶着された溶着部を有している、
第1〜6のいずれか1つの態様の連結式使い捨て着用物品。
(作用効果)
ターゲット部を不織布で形成すると、肌触りが柔軟になるため好ましい。しかし、この場合、不織布に単にエンボス加工等により突起を形成するだけでは、突起が中空であるために、不織布を腹側部分の外面に貼り付けるときの加圧により、又は製品包装状態での圧力により突起の角が丸くなったり、潰れたりし、使用時に突起を触覚しにくくなるおそれがある。これに対して、上述のように、溶着部を設けると、突起の形状維持性が高くなるとともに、突起を触覚により判別しやすくなるため好ましい。
本発明によれば、装着作業を暗所で行う場合等に、連結部の連結位置を知覚しやすい、連結式使い捨て着用物品となる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 (a)図1の8−8線断面図、及び(b)図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 ターゲット部を示す、(a)平面図、(b)幅方向に沿う断面図である。 突起の拡大断面図である。 ターゲット部を形成するシート材の説明図であり、(a)は概念的斜視図、(b)はそのX方向からの視図、(c)はY方向からの視図である。 ターゲット部の平面図である。 ターゲット部の幅方向に沿う断面図である。 突起の拡大断面図である。
図1〜図6はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としてのホットメルト接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
このテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向LDの中央を含む股間部と、前後方向LDの中央より前側に延びる腹側部分Fと、前後方向LDの中央より後側に延びる背側部分Bとを有している。また、このテープタイプ使い捨ておむつは、股間部を含む範囲に内蔵された吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と、液不透過性シートの裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、通常の場合、50〜350g/m2とすることができる。
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む構造とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい包装シート58は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。
トップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
(中間シート)
トップシート30を透過した液の逆戻りを防止するために、トップシート30の裏側に中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、各種の不織布を好適に用いることができ、特に嵩高なエアスルー不織布を好適に用いることができる。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように排泄位置を含む中間部分にのみ設けてもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するもが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
液不透過性シート11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない構造とすることもできる。
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その構成繊維の繊度が1.6〜2.3dtex、目付けが15〜25g/m2、かつ厚みが0.3〜0.8mmの不織布であると好ましい。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状のギャザー弾性部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向外側の部分は各サイドフラップ部SFの内面、つまり図示例では液不透過性シート11の側部及びその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
(エンドフラップ部、サイドフラップ部)
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両方の側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。サイドフラップ部SFは、図示例のように、吸収体56を有する部分から連続する素材(外装不織布12等)からなるものであっても、他の素材を取り付けて形成してもよい。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
平面ギャザーは、サイド弾性部材64の収縮力が作用する部分(図中ではサイド弾性部材64が図示された部分)である。よって、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64が存在する形態の他、平面ギャザーよりも前側、後側又はその両側にわたりサイド弾性部材64が存在しているが、平面ギャザーの部位以外ではサイド弾性部材が一か所又は多数個所で細かく切断されていたり、サイド弾性部材64を挟むシートに固定されていなかったり、あるいはその両方であったりすることにより、平面ギャザー以外の部位に収縮力が作用せず(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)に、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64の収縮力が作用する構造も含まれる。
(ウイング部分)
本テープタイプ使い捨ておむつでは、背側部分Bは股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。同様に、腹側部分Fも股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。これらウイング部分WPは、それ以外の部分と別の部材により形成することもできる。しかし、図示例のようにサイドフラップ部SFを有する構造において、サイドフラップ部SFの側部における前後方向LD中間を切断することにより、股間部Mの側縁からウイング部分の下縁71までの凹状縁70が形成され、その結果としてウイング部分WPが形成されていると、製造が容易であるため好ましい。
(連結テープ)
図1、図2及び図6に示すように、背側部分Bにおけるウイング部分WPには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ80がそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ80を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ80の連結部83を腹側部分F外面の適所に連結する。
連結テープ80は、図6及び図7に示すように、ウイング部分WPに固定された基端部81、及びこの基端部81から延び出た本体部82をなすシート基材80Sと、このシート基材80Sにおける本体部82の幅方向WDの中間部に設けられた、腹側部分Fに対する連結部83とを有している。本体部82における、連結部83より基端部81側が腹側部分Fと連結されない非連結部84となり、反対側が摘み部85となっている。これら非連結部84及び摘み部85は、本体部82をなすシート基材80Sのみからなっている。
連結部83としては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。
また、基端部81から本体部82までを形成するシート基材80Sとしては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け60〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
図示例の連結部83は、ウイング部分WPから突出する連結テープ80のシート基材80S上に設けられているが、ウイング部分WPに直接に設けてもよい。
(ターゲット部)
腹側部分Fにおける連結テープ80の連結箇所には、ターゲット部20が設けられている。ターゲット部20は、図示例のように、連結を容易にするためのシート材を腹側部分Fの外面に貼り付けることにより設けることができる。
ターゲット部20を形成するためのシート材は特に限定されるものではないが、連結部83がフック材の場合、例えば間欠的なパターンの超音波溶着により部分的に繊維相互が溶着された長繊維不織布を用いることができる。この場合、長繊維不織布は、構成繊維の繊度が5〜10dtex、目付けが25〜40g/m2、かつ厚みが0.3〜0.8mmの不織布であると好ましい。
また、連結部83がフック材の場合、ターゲット部20を形成するためのシート材20Sとして、図9に示すように、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなる基材の表面に多数設けられたものを用いることもできる。図示例は、基材25の少なくとも外面にループパイル繊維糸26が縫い出された複合的なシート材20Sであり、基材25の外面、すなわち使い捨ておむつの外面側には、ループパイル繊維糸26が緯径方向に間隔を置いて突出され、基材25の裏側(着用者側)には、パイル繊維糸が相互に組み合わされ、パイル繊維径糸の交差部列27が形成されたものである。
さらに、連結部83がフック材であり、腹側部分Fにおける連結テープ80の連結箇所が不織布からなる場合(例えば図示例のように外装不織布12を有する場合)には、ターゲット部20を形成するためにシート材を付加せずに、外装不織布12の適所をターゲット部20とし、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。
一方、連結部83が粘着材層の場合には、ターゲット部20を形成するためのシート材として、粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
特徴的には、図7及び図9に示すように、ターゲット部20における連結部83を連結する表面に、幅方向WDの連結位置を示す目盛21となるように点状の突起22が配列されている。このため、本テープタイプ使い捨ておむつでは、装着者が指先でターゲット部20表面を触ることにより、指先の触覚で突起22の位置、つまり目盛21の位置を知覚することができる。よって、テープタイプ使い捨ておむつの装着作業を暗所で行う場合や、目の不自由な人が装着作業を行う場合でも、ターゲット部20の目盛21を目安に、連結部83を所望の位置に連結することができる。
突起22は、前述のターゲット部20を形成するシート材20Sに、エンボス加工を施すことにより形成することができる。エンボス加工(型押し加工)により形成される突起22は、図7、図8、図11及び図12に示すようにシート材20Sが裏側から表側に押し出されて形成されるため、表面に形成される突起22の裏面には、凹部が形成される。つまり、突起22は中空となる。
外装不織布12の適所をターゲット部20とする場合、外装不織布12にエンボス加工による突起22を形成することになるが、目盛21となる突起22を形成した専用のシート材20Sを腹側部分Fの外面に貼り付けることによりターゲット部20を形成すると、しっかりとした突起22を形成しやすいものとなるため好ましい。
ターゲット部20を不織布で形成すると、肌触りが柔軟になるため好ましい。しかし、この場合、不織布に単にエンボス加工等により突起22を形成するだけでは、突起22が中空であるために、不織布を腹側部分Fの外面に貼り付けるときの加圧により、又は製品包装状態での圧力により突起22の角が丸くなったり、潰れたりし、使用時に突起22を触覚しにくくなるおそれがある。そこで、図12に示すように、ターゲット部20を形成する不織布は、突起22における少なくとも頂部に、当該不織布の構成繊維相互が溶着された溶着部22fを有しているのは好ましい。溶着部22fは、突起22の頂部のみ設けられていても、突起22の全体が溶着部22fとなっていてもよい。このように、溶着部22fを設けると、突起22の形状維持性が高くなるとともに、突起22を触覚により判別しやすくなる。この場合、連結部83の連結を阻害しないために、突起22の周囲は、当該不織布の構成繊維相互が溶着されていない非溶着部22nとなっているのは好ましい。
突起22の形状は、円柱状(図7、図9参照参照)や、角柱状、ドーム状(図8参照)等、任意の形状とすることができる。また、突起22の寸法は適宜定めればよいが、最大径22wが1.4〜4.2mm、高さ22hが0.3〜0.9mmであると、触覚により詳細な形状や突起22の数を知覚しやすくなるため好ましい。
突起22の高さや大きさはすべて同じであっても、一部又は全部が異なっていてもよい。特に、図11に示すように、突起22は、ターゲット部20の幅方向WD中央から側方に向かうにつれて、高さが高くなっている(同図(a)の例)か、面積が大きくなっている(同図(b)の例)か、又はその両方であると、装着者は突起22の高さや大きさの変化により、ターゲット部20における突起22の位置を知覚することができるため好ましい。突起22の高さや面積の変化の割合は適宜定めることができ、例えば1目盛21あたり2〜3倍変化させることができる。
突起22は、目盛21をなすように配列されていれば、その配列は特に限定されるものではない。目盛21は、幅方向WDの位置を示すしるしであれば、図7に示すように前後方向LDに沿う直線状のしるしが幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているものや、図10に示すようにアラビア数字が幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているもの、図示しないが矢印や三角形等の適宜の形状のしるしが幅方向WDに所定の間隔で複数設けられているもの、又はこれらの組合せであってもよい。突起22は近接して配置されていてもよいが、製造容易性を考慮すると、隣接する突起22の中心(又は重心)の間隔22cは3.4〜9.2mm程度であることが好ましい。また、連結部83の連結が阻害されないように、隣接する突起22の最小間隔22dは2〜5mm程度であることが好ましい。
ターゲット部20は、ロゴや、ターゲット部20の周りを囲む枠線等、目盛21以外の形状に配列された突起22を有していてもよいが、判別の容易性を考慮すると、目盛21以外の突起22は極力有しない方が望ましい。すなわち、ターゲット部20における目盛21を有する前後方向範囲には、目盛21を構成する突起22を有する第1領域28と、突起22を有しない第2領域29とが、幅方向WDに交互に繰り返し設けられているだけであると好ましい。
ターゲット部20の目盛21は、突起22の配列のみで形成されていてもよいが、図7及び図10に示すように、突起22の配列による目盛21に加えて印刷等による着色目盛23が形成されていてもよい。この場合、突起22の配列による目盛21と、着色目盛23とは、一部又は全部が重なる配置又は形状となっていてもよいし、全部が重ならない配置となっていてもよい。例えば、ターゲット部20に、補助的に発光塗料又は蛍光塗料による着色目盛23を付すことにより、目視による突起の位置確認も容易となる。着色目盛23は、ターゲット部20を形成するシート材20Sに印刷されていることが望ましいが、外部から視認可能である限り、内部のシートに印刷されていてもよい。
(不織布)
上記説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「吸水量」は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のテープタイプ使い捨ておむつのような連結式使い捨て着用物品に適用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装不織布、80…連結テープ、83…連結部、82…本体部、81…基端部、20…ターゲット部、21…目盛、22…突起、23…着色目盛、20S…シート材、22f…溶着部、22n…非溶着部、28…第1領域、29…第2領域、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、64…サイド弾性部材、70…凹状縁、71…ウイング部分の下縁、B…背側部分、F…腹側部分、LD…前後方向、M…股間部、SF…サイドフラップ部、WD…幅方向、WP…ウイング部分。
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