JP2020037969A - ブッシュ - Google Patents

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真吾 貞弘
Shingo Sadahiro
真吾 貞弘
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Taiho Kogyo Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】油溝部を介して軸受メタルと軸との間に潤滑油が導入され易く焼付きの発生を抑制できるブッシュを提供する。【解決手段】円筒のブッシュである軸受メタル10は、その円筒の回転中心線C方向の一端部10a側から潤滑油が導入され、その円筒の内周面10iの一端部10aに油溜まり部12が設けられ、油溜まり部12から回転中心線C方向の他端部10b側に伸びる油溝部14が設けられている。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。【選択図】図6

Description

本発明は、ブッシュに関し、特に、潤滑油を導入する構造に関する。
軸を支持する円筒状のブッシュ(すべり軸受)において、そのブッシュの内周面に潤滑油を導入する油溝部が設けられたものが知られている。例えば、特許文献1に記載のブッシュがそれである。
特開2013−19450号公報
しかし、上記ブッシュでは、ブッシュの一端部における油溝部の開口幅は、ブッシュ内部における油溝部の開口幅と同じ大きさである。そのため、ブッシュの一端部における油溝部から潤滑油が十分に導入されないおそれがあり、その結果、油溝部を介してブッシュとそのブッシュが支持する軸との間に潤滑油が十分に導入されず、ブッシュの焼付きが発生してしまうおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、油溝部を介してブッシュとそのブッシュが支持する軸との間に潤滑油が導入され易く焼付きの発生を抑制できるブッシュを提供することにある。
本発明の要旨とするところは、円筒のブッシュであって、前記円筒の中心線方向の一端部側から潤滑油が導入され、前記円筒の内周面の前記一端部に油溜まり部が設けられ、前記油溜まり部から前記中心線方向の他端部側に伸びる油溝部が設けられ、前記一端部での前記中心線に垂直な断面における前記油溜まり部の開口幅は、前記油溝部と前記油溜まり部との接続部分での前記中心線に垂直な断面における前記油溝部の開口幅よりも大きいことにある。
本発明のブッシュによれば、前記円筒の中心線方向の一端部側から潤滑油が導入され、前記円筒の内周面の前記一端部に油溜まり部が設けられ、前記油溜まり部から前記中心線方向の他端部側に伸びる油溝部が設けられ、前記一端部での前記中心線に垂直な断面における前記油溜まり部の開口幅は、前記油溝部と前記油溜まり部との接続部分での前記中心線に垂直な断面における前記油溝部の開口幅よりも大きい。このように一端部に油溜まり部が設けられ、他端部側に油溝部が設けられ、ブッシュへ潤滑油が導入される一端部での油溜まり部の開口幅が油溝部と油溜まり部との接続部分での油溝部の開口幅よりも大きい。そのため、他端部側でのブッシュが荷重を支持する力の減少が抑制されつつ潤滑油がブッシュへ導入されやすいため、ブッシュの焼付きの発生が抑制される。
軸受メタルを備えた車両用自動変速機の要部を示す一部断面図である。 図1に示す軸受メタルへ潤滑油が導入されている一の状態を説明する図である。 図1に示す軸受メタルへ潤滑油が導入されている他の状態を説明する図である。 図1に示す軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図2に示す軸受メタルおよび第2回転軸について回転中心線C方向における軸受メタルの一端部側から見た図である。 本発明の実施例1に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図6に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 図6に示す軸受メタルへの第2回転軸に設けられた供給孔からの潤滑油の導入についての説明図である。 図6に示す軸受メタルの内周面における潤滑油の導入についての説明図である。 本発明の実施例2に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図10に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 本発明の実施例3に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図12に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 本発明の実施例4に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図14に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 本発明の実施例5に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 本発明の実施例6に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図17に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 本発明の実施例7に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図19に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。 本発明の他の実施例に係る軸受メタルの内周面の展開図およびその展開図の側面図と底面図である。 図21に示す軸受メタルを油溝部が伸びる方向の矢印A方向から見た図である。
本発明の一実施形態において、前記油溜まり部は、前記一端部において周方向の全周にわたって設けられた段差部分を含む。これにより、ブッシュに設けられた油溜まり部へ潤滑油を導入するための開口幅がさらに大きくできる。これにより潤滑油がブッシュへさらに導入されやすくなり、一旦油溜まり部に溜められた潤滑油がブッシュとそのブッシュが支持する軸との間に導入されてブッシュの焼付きの発生が抑制される。
本明細書において、「開口幅」を以下のように定義する。回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部及び油溝部の「開口幅」は、各々その断面において軸受メタルの内周面での周方向についての油溜まり部及び油溝部の開口の幅である。
本発明の実施例の説明に先立ち、従来の軸受メタルを備えた車両用自動変速機の要部およびその軸受メタルへの潤滑油の導入について説明する。図1は、軸受メタル300を備えた車両用自動変速機100の要部を示す一部断面図である。なお、軸受メタル300は、「ブッシュ(すべり軸受)」に相当する。
第1回転軸110は、回転中心線Cを中心に回転する円筒状の回転軸である。第2回転軸120は、第1回転軸110の外周に嵌合されており、第1回転軸110と相対回転不能に連結されている。第1回転軸110および第2回転軸120は、例えば不図示のエンジンの動力が入力される車両用自動変速機100の入力軸である。第2回転軸120の一端側の外周は、円筒状の固定スリーブ130の内周に固定されている。動力伝達部材として機能するドラム140の一端側の内周と固定スリーブ130の外周との間には軸受メタル300がある。軸受メタル300によって、固定スリーブ130とドラム140とは同じ回転中心線Cまわりに相対回転可能とされている。ドラム140は、例えば車両用自動変速機100内に配設された油圧式摩擦係合装置であるクラッチの有底円筒状の構成部材である。
軸受メタル300は円筒の形状をしており、その中心線は回転中心線Cと同じである。そのため、煩雑さを回避するため、本明細書では軸受メタル300の中心線を回転中心線Cとして説明することとする。軸受メタル300は、それ単体でドラム140を回転支持するのに十分な回転中心線C方向の長さを有している。
第1回転軸110の径方向内部には、潤滑油の供給経路として機能する孔が回転中心線C方向に伸びるように設けられている。第1回転軸110には、その径方向に形成された供給孔110aが一箇所設けられている。第2回転軸120には、その径方向に形成された供給孔120aが一箇所設けられている。第1回転軸110の外周面に形成された供給孔110aの吐出口と第2回転軸120の内周面に設けられた供給孔120aの吸入口とが向かい合うように、第1回転軸110および第2回転軸120は嵌合されている。前述したように第1回転軸110および第2回転軸120は相対回転不能に連結されている。そのため、第1回転軸110および第2回転軸120が回転しても、第1回転軸110に形成された供給孔110aの吐出口と第2回転軸120に形成された供給孔120aの吸入口との相対的な位置は変化せず常に向かい合っている。
ドラム140には、その径方向に形成された供給孔140aが一箇所設けられている。軸受メタル300の回転中心線C方向の一方が一端部300aであり、他方が他端部300bである。前述した第1回転軸110の径方向内部の孔、供給孔110a、および供給孔120aを通る矢印で示す供給通路160を通じて、潤滑油が軸受メタル300の一端部300aに導入される。すなわち、第2回転軸120の外周面に形成された供給孔120aの吐出口から潤滑油が吐出され、その吐出された潤滑油が軸受メタル300の一端部300aに吹きつけられることで軸受メタル300に潤滑油が導入される。回転中心線C方向の供給通路160から見て軸受メタル300とは反対側において、第2回転軸120の外周とドラム140の内周との間にシールリング150が配設されている。これにより、供給通路160を通過した潤滑油は供給孔140aを通ってさらにドラム140の径方向外方へも供給される。
図2は、図1に示す軸受メタル300へ潤滑油が導入されている一の状態を説明する図である。図2においては、固定スリーブ130の図示は省略されている。軸受メタル300の内周面300i(図1参照)には、一端部300aから他端部300bに伸びる油溝部304が設けられている。油溝部304は、例えば図2に示すように2個設けられており、一端部300aにおいてそれぞれの油溝部304の端部開口部304aが1個ずつ、合計2個ある。軸受メタル300と第2回転軸120とは相対回転する。そのため、一端部300aにおける軸受メタル300に設けられた油溝部304の端部開口部304aと第2回転軸120の外周面に形成された供給孔120aの吐出口との相対位置は、前述した相対回転により変化する。
図2に示すのは、一端部300aにおける2個の油溝部304のうちの片方の端部開口部304aと第2回転軸120の外周面に形成された供給孔120aの吐出口とが向かい合った状態である。この状態では、矢印で示す第2回転軸120の供給孔120aの吐出口から吐出された潤滑油が、軸受メタル300に設けられた油溝部304の一端部300a側の端部開口部304aに直接吹きつけられる。
軸受メタル300がその内部にある第2回転軸120および固定スリーブ130を支持している状態において、軸受メタル300の内周面300iのうち油溝部304の非形成領域では、軸受メタル300と固定スリーブ130との間にある潤滑油には固定スリーブ130から荷重が加えられている。他方、軸受メタル300がその内部にある第2回転軸120および固定スリーブ130を支持している状態において、軸受メタル300の内周面300iのうち油溝部304の形成領域では、軸受メタル300と固定スリーブ130との間にある潤滑油には固定スリーブ130から荷重が加えられていない。
従って、軸受メタル300の内周面300iにおいて、油溝部304の形成領域である油溝部304内の潤滑油の油膜圧力は、油溝部304の非形成領域における固定スリーブ130と軸受メタル300との間にある潤滑油の油膜圧力よりも低い。そのため、一端部300aにおける油溝部304の端部開口部304aへは供給孔120aから吐出された潤滑油が導入されやすいが、油溝部304の非形成領域における固定スリーブ130と軸受メタル300との間へは供給孔120aから吐出された潤滑油が導入されにくい。よって、図2に示す状態では、潤滑油が軸受メタル300に設けられた油溝部304に導入され易いため、油溝部304から軸受メタル300の内周面300iと固定スリーブ130の外周面との間へ導入される潤滑油は多くなる。
図3は、図1に示す軸受メタル300へ潤滑油が導入されている他の状態を説明する図である。図3においても、固定スリーブ130の図示は省略されている。図3に示すのは、一端部300aにおける2個の油溝部304のいずれの端部開口部304aも、第2回転軸120の外周面に形成された供給孔120aの吐出口に向かい合っていない状態である。この状態では、矢印で示す第2回転軸120に形成された供給孔120aの吐出口から吐出された潤滑油が、軸受メタル300に設けられた油溝部304の一端部300aの端部開口部304aのいずれにも直接吹きつけられない。よって、図3に示す状態では、潤滑油が軸受メタル300に設けられた油溝部304に導入されにくいため、油溝部304から軸受メタル300の内周面300iと固定スリーブ130の外周面との間へ導入される潤滑油は少なくなる。
従って、軸受メタル300と第2回転軸120とが相対的に1回転する間では、第2回転軸120に形成された供給孔120aの吐出口と軸受メタル300に設けられた2個の油溝部304のいずれかの端部開口部304aとが向かい合った状態となる2回のみ、潤滑油が軸受メタル300に導入されやすい状態となる。
図4は、図1に示す軸受メタル300の内周面300iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図4の(a)が軸受メタル300の内周面300iの展開図であり、図4の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。参考のため、図4には回転中心線Cの方向が示され、また軸受メタル300の回転中心線C方向の中心を通って回転中心線Cに垂直な面である垂直中心面CPが示されている。
軸受メタル300の内周面300iについて、回転中心線C方向は長さL1(m)であり、周方向は長さL2(m)である。軸受メタル300の径方向は、厚さT(m)である。すなわち、軸受メタル300の内周面300iと外周面300oとの間の径方向の距離が厚さTである。よって、軸受メタル300の外周面300oについて、回転中心線C方向は長さL1であり、周方向は長さL2+2πTである。軸受メタル300の内周面300iには、回転中心線C方向における軸受メタル300の一端部300aと他端部300bとの間を連通する油溝部304が2個設けられている。2個の油溝部304はそれぞれ同様の形状であるため、以下、一方の油溝部304についてその形状を説明する。油溝部304は、回転中心線C方向に対して角度θ(rad)(θ≠0)だけ傾斜した方向Dに沿って伸びている。回転中心線Cに垂直な断面における油溝部304は、開口幅w2o(m)、底面幅w2b(m)、および深さd2(m)である。油溝部304は、同じ開口幅w2o、同じ底面幅w2b、および同じ深さd2で、一端部300aから他端部300bへ方向Dに沿って伸びている。従って、一端部300aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溝部304も開口幅w2oである。
図5は、図2に示す軸受メタル300および第2回転軸120について回転中心線C方向における軸受メタル300の一端部300a側から見た図である。図5では、第2回転軸120は断面で示されている。なお、図5は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は正確に描かれておらず、図2の内容と完全には一致していない。
一端部300aでの回転中心線Cに垂直な断面における2個の油溝部304は、それぞれ開口幅w2oに対応して回転中心線Cを中心とする角度範囲に関して角度ψ(rad)で開口している。2個の油溝部304のうちの片方の端部開口部304a(紙面下側)と第2回転軸120の外周面に形成された供給孔120aの吐出口とが向かい合った状態である。従って、軸受メタル300と第2回転軸120とが相対的に1回転する間、すなわち2π(rad)回転する間において、軸受メタル300と第2回転軸120との相対位置が2ψの角度範囲内にあるときに矢印で示す供給孔120aから吐出された潤滑油が軸受メタル300に導入されやすい状態となる。
ここで、潤滑油が軸受メタル300に導入されやすい状態を多くするために、角度ψを大きくすること、すなわち油溝部304の開口幅w2oを大きくすることが考えられる。油溝部304の開口幅w2oを大きくすると、潤滑油が軸受メタル300に導入されやすい状態は多くなる。ところで、油溝部304の形成領域では、軸受メタル300がその内部で支持する第2回転軸120および固定スリーブ130を浮かせる力が働かない。そのため、油溝部304の開口幅w2oを大きくすると、軸受メタル300がその内部で支持する第2回転軸120および固定スリーブ130を浮かせる力が低下してしまうことによる軸受メタル300の焼付きが発生するおそれがあった。
次に、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下で説明する軸受メタル10、20、30、40、50、60、70、80は、本発明における「ブッシュ(すべり軸受)」に相当する。また、軸受メタル10、20、30、40、50、60、70、80は、いずれも前述した軸受メタル300と同様に、車両用自動変速機100に搭載可能である。以下で説明する実施例1〜7において、前述した車両用自動変速機100と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を適宜省略する。
図6は、本発明の実施例1に係る軸受メタル10の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図6の(a)が軸受メタル10の内周面10iの展開図であり、図6の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。参考のため、図6には回転中心線Cの方向が示され、また軸受メタル10の回転中心線C方向の中心を通って回転中心線Cに垂直な面である垂直中心面CPが示されている。
軸受メタル10の内周面10iについて、回転中心線C方向は長さL1(m)であり、周方向は長さL2(m)である。軸受メタル10の径方向は、厚さT(m)である。すなわち、軸受メタル10の内周面10iと外周面10oとの間の径方向の距離が厚さTである。よって、軸受メタル10の外周面10oについて、回転中心線C方向は長さL1であり、周方向は長さL2+2πTである。回転中心線C方向における軸受メタル10の内周面10iの一端部10a側には、油溜まり部12が2個設けられている。軸受メタル10の内周面10iには、それぞれの油溜まり部12と軸受メタル10の他端部10bとの間を連通する油溝部14が2個設けられている。2組の油溜まり部12およびその油溜まり部12に接続された油溝部14はそれぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部12および油溝部14についてその形状を説明する。油溜まり部12および油溝部14は、回転中心線C方向に対して角度θ(rad)(θ≠0)だけ傾斜した方向Dに沿って伸びている。
一端部10aには油溜まり部12の端部開口部12aがあり、この端部開口部12aから潤滑油が導入される。回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12は、開口幅w1o(m)、底面幅w1b(m)、および深さd1(m)(<T)である。回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14は、開口幅w2o(m)(<w1o)、底面幅w2b(m)(<w1b)、および深さd2(m)(<d1)である。軸受メタル10の一端部10aから長さLx(m)だけ他端部10b側の箇所において、油溝部14は油溜まり部12に接続されている。
一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。また、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の断面積S1(m)は、d1×(w1o+w1b)/2であり、油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2(m)は、d2×(w2o+w2b)/2である。深さd1は深さd2よりも大きく、開口幅w1oは開口幅w2oよりも大きく、且つ底面幅w1bは底面幅w2bよりも大きいため、断面積S1は断面積S2よりも大きい。
図7は、図6に示す軸受メタル10を油溝部14が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。このように矢印A方向から見ると、油溜まり部12は、深さd1であり、開口幅w1o・cosθおよび底面幅w1b・cosθのテーパー状の溝側壁を有する。また、油溝部14は、深さd2であり、開口幅w2o・cosθおよび底面幅w2b・cosθのテーパー状の溝側壁を有する。
図8は、図6に示す軸受メタル10への第2回転軸120に形成された供給孔120aからの潤滑油の導入についての説明図である。図8は、軸受メタル10について回転中心線C方向における軸受メタル10の一端部10a側から見た図であって、第2回転軸120における断面図も記載されている。なお、図8は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は正確に描かれておらず、図6および図7の内容と完全には一致していない。
油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における2個の油溝部14は、それぞれ開口幅w2oに対応して回転中心線Cを中心とする角度範囲に関して角度ψ(rad)で開口している。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における2個の油溜まり部12は、それぞれ開口幅w1oに対応して回転中心線Cを中心とする角度範囲に関して角度φ(rad)で開口している。角度φは角度ψよりも大きい。
軸受メタル10と第2回転軸120とが相対的に1回転する間、すなわち2π(rad)回転する間において、軸受メタル10と第2回転軸120との相対位置が2φの角度範囲内にあるときに矢印で示す供給孔120aから吐出された潤滑油が軸受メタル10に導入されやすい状態となる。前述した軸受メタル300のように油溜まり部12が無く、且つ油溝部14のみが形成された場合における一端部10aでの開口幅w2oに比べて、軸受メタル10の一端部10aでの開口幅w1o(>w2o)は大きい。そのため、前述した軸受メタル300に比較して、本実施例に係る軸受メタル10は第2回転軸120に形成された供給孔120aから吐出された潤滑油が導入されやすい状態が多い。
軸受メタル10の他端部10b側では、油溝部14の開口幅w2oは油溜まり部12の開口幅w1oよりも小さくされている。そのため、軸受メタル10の他端部10b側では、油溝部14の形成領域、すなわち軸受メタル10がその内部で支持する第2回転軸120および固定スリーブ130を浮かせる力が働かない領域の減少が抑制されている。
図9は、図6に示す軸受メタル10の内周面10iにおける潤滑油の導入についての説明図である。なお、図9は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は正確に描かれておらず、図6乃至図8の内容と完全には一致していない。
供給通路160を通過した潤滑油は、軸受メタル10の一端部10a側に導入される。導入された潤滑油は、軸受メタル10に設けられた深さd1の油溜まり部12に潤滑油が一旦潤滑油溜まり200として溜められる。油溜まり部12に溜められた潤滑油溜まり200が深さd1と深さd2との差分(=d1−d2)よりも多くの潤滑油を溜めたときに、黒矢印で示す遠心力CFに逆らって白矢印で示すように油溜まり部12から油溝部14へ潤滑油が導入される。そして油溝部14から軸受メタル10の内周面10iと固定スリーブ130との間に潤滑油が導入される。深さd1が深さd2よりも大きいほど、油溜まり部12は多くの潤滑油を溜めることができる一方、油溜まり部12から油溝部14へ潤滑油を導入するときに遠心力CFに逆らう必要があるため、好適には、深さd1と深さd2とは極力近い方が良い。
本実施例の軸受メタル10によれば、円筒の軸受メタル10において、円筒の回転中心線C方向の一端部10a側から潤滑油が導入される。円筒の内周面10iの一端部10a側に油溜まり部12が設けられ、油溜まり部12から回転中心線C方向の他端部10bに伸びる油溝部14が設けられている。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。油溜まり部12の開口幅w1oが油溝部14の開口幅w2oよりも大きいため、開口幅w1oが開口幅w2oと同じ場合に比較して潤滑油が軸受メタル10へ導入されやすい状態が多くなり、油溜まり部12に潤滑油が溜まり易くなっている。特に、供給孔120aが形成された第2回転軸120と潤滑油が導入される軸受メタル10とが相対回転しているとき、すなわち差回転があるとき、供給通路160を通じた軸受メタル10への潤滑油の導入はされにくくなるが、そのような場合でも油溜まり部12に潤滑油が溜まり易くなっている。また、軸受メタル10の他端部10b側での油溝部14の開口幅w2oは油溜まり部12の開口幅w1oよりも小さくされている。そのため、軸受メタル10の他端部10b側では、軸受メタル10が荷重を支持する力の減少が抑制される。このように他端部10b側での軸受メタル10が荷重を支持する力の減少が抑制されつつ潤滑油が軸受メタル10へ導入されやすいため、軸受メタル10の焼付きの発生が抑制される。軸受メタル10の焼付きが抑制されることで、潤滑油の給油圧が下げられれば、例えば潤滑油を圧送するオイルポンプを駆動するエンジンの負荷が減らされることで燃費の向上が可能となる。
本実施例の軸受メタル10によれば、油溝部14は回転中心線C方向に対して角度θだけ傾斜した方向Dに伸びているため、油溜まり部12に溜められた潤滑油溜まり200が引き込み効果により油溝部14へ導入されやすい。
図10は、本発明の実施例2に係る軸受メタル20の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図10の(a)が軸受メタル20の内周面10iの展開図であり、図10の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図11は、図10に示す軸受メタル20を油溝部14が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。本実施例に係る軸受メタル20の構成は、前述の実施例1に係る軸受メタル10の構成と略同じであるが、実施例1では、2個の油溜まり部12が連通していなかったが、本実施例では、連通して一体となった油溜まり部22が設けられている点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル20の油溜まり部22は、一端部10aから回転中心線C方向に長さLx(<L1)、深さd1(d1>d2)の内周面10iに設けられた周方向の全周にわたる段差部分である。一端部10aには全周にわたって連通した油溜まり部22の端部開口部22aが1個あり、この端部開口部22aから潤滑油が導入される。油溜まり部22と軸受メタル20の他端部10bとの間には前述の実施例1と同様の油溝部14が2個設けられている。油溝部14と油溜まり部22との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oは、実施例1と同様である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の開口幅は、周方向の全周でL2である。油溜まり部22から2個の油溝部14へ潤滑油が導入されるため、油溝部14の1個あたりの一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の開口幅w1oは、実質的に前記周方向の全周の半分であるL2/2と考えることができる。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部22との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。
油溝部14と油溜まり部22との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2は、実施例1と同様にd2×(w2o+w2b)/2である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の断面積全体は、d1×L2(正確には、d1×L2+π×d1)であり、油溜まり部22の1個あたりの一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の断面積S1は、実質的に前記断面積全体の半分であるd1×L2/2(正確には、(d1×L2+π×d1)/2)と考えることができる。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部22の断面積S1は、油溝部14と油溜まり部22との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2よりも大きい。
本実施例の軸受メタル20によれば、前述の実施例1と同様の効果を有し、油溜まり部22の開口幅w1oが周方向の全周にわたっている。そのため、第2回転軸120に形成された供給孔120aと軸受メタル10との相対位置がどのようになっても、供給通路160を通じた軸受メタル10への潤滑油の導入がされやすい状態となっている。従って、前述の実施例1に比較して、本実施例では供給孔120aから吐出された潤滑油が油溜まり部22にいっそう導入され易く、軸受メタル20の焼付きがさらに抑制される。
図12は、本発明の実施例3に係る軸受メタル30の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図12の(a)が軸受メタル30の内周面10iの展開図であり、図12の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図13は、図12に示す軸受メタル30を油溝部14が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。本実施例に係る軸受メタル30の構成は、前述の実施例1に係る軸受メタル10の構成と略同じであるが、実施例1では、油溜まり部12の深さd1が油溝部14の深さd2よりも大きかったが、本実施例では、そのようになっていない点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル30には、2組の油溜まり部32およびその油溜まり部32に接続された油溝部14が設けられているが、それぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部32および油溝部14についてその形状を説明する。油溜まり部32は、その深さが二段の構造となっている。油溜まり部32は、矢印Aから見て中央部分の深さが油溝部14と同じ深さd2(<T)であり、その中央部分に隣接した両側部が深さd2よりも小さい深さd3(m)(<d2)である。一端部10aには油溜まり部32の端部開口部32aがあり、この端部開口部32aから潤滑油が導入される。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部32は、開口幅w1oおよび深さd3の底面幅w1b(うち、深さd2の底面幅w2b)である。油溝部14と油溜まり部32との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14は、開口幅w2oおよび底面幅w2bであって、実施例1と同様である。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部32の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。また、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部32の断面積S1は、油溝部14と油溜まり部32との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2よりも前述の両側部の断面積の分だけ大きい。前述の実施例1に比較して、油溜まり部32の中央部分が油溝部14と同じ深さd2になっているため、油溜まり部32に溜められた前述の潤滑油溜まり200を遠心力CFに逆らって油溝部14へ導入する必要はない。油溜まり部32が潤滑油を溜める容積を増やすためには、好適には、深さd3と深さd2とは極力近い方が良い。
本実施例の軸受メタル30によれば、前述の実施例1と同様の効果を有し、実施例1のように油溜まり部32から油溝部14に潤滑油が導入されるときに遠心力CFに逆らわなくても良いため、潤滑油が油溜まり部32から油溝部14に導入され易く、これにより軸受メタル30の焼付きが抑制される。
図14は、本発明の実施例4に係る軸受メタル40の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図14の(a)が軸受メタル40の内周面10iの展開図であり、図14の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図15は、図14に示す軸受メタル40を油溝部14が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。本実施例に係る軸受メタル40の構成は、前述の実施例3に係る軸受メタル30の構成と略同じであるが、実施例3では、2個の油溜まり部32が連通していなかったが、本実施例では、連通して一体となった油溜まり部42が設けられている点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例3と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル40の油溜まり部42は、一端部10aから回転中心線C方向に長さLx(<L1)、深さd3(<d2)の内周面10iに設けられた周方向の全周にわたる段差部分および油溝部14の伸びる方向Dに沿って設けられた深さd2の凹部である。一端部10aには全周にわたって連通した油溜まり部42の端部開口部42aが1個あり、この端部開口部42aから潤滑油が導入される。油溜まり部42と軸受メタル40の他端部10bとの間には前述の実施例3と同様の油溝部14が設けられている。油溝部14と油溜まり部42との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oは、実施例3と同様である。
一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部42の開口幅は、周方向の全周でL2である。油溜まり部42から2個の油溝部14へ潤滑油が導入されるため、油溝部14の1個あたりの一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部42の開口幅w1oは、実質的に前記周方向の全周の半分であるL2/2と考えることができる。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部42の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部42との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。
油溝部14と油溜まり部42との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2は、実施例3と同様である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部42の断面積S1は、前記段差部分における断面積であるため、油溝部14と油溜まり部42との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2よりも大きい。
本実施例の軸受メタル40によれば、前述の実施例3と同様の効果を有する。油溜まり部22の開口幅w1oが周方向の全周にわたっているため、第2回転軸120に形成された供給孔120aと軸受メタル40との相対位置がどのようになっても、供給通路160を通じた軸受メタル40への潤滑油の導入がされやすい状態となっている。従って、前述の実施例3に比較して、本実施例では供給孔120aから吐出された潤滑油が油溜まり部42にいっそう導入され易く、軸受メタル40の焼付きがさらに抑制される。
図16は、本発明の実施例5に係る軸受メタル50の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図16の(a)が軸受メタル50の内周面10iの展開図であり、図16の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。本実施例に係る軸受メタル50の構成は、前述の実施例1に係る軸受メタル10の構成と略同じであるが、実施例1では、油溜まり部12および油溝部14は、回転中心線C方向に対して角度θ(θ≠0)だけ傾斜した方向Dに沿って伸びていたが、本実施例では、そのようになっていない点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル50には、2組の油溜まり部52およびその油溜まり部52に接続された油溝部54が設けられているが、それぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部52および油溝部54についてその形状を説明する。油溜まり部52および油溝部54は、回転中心線C方向に平行な方向Dに沿って伸びている。一端部10aには油溜まり部52の端部開口部52aがあり、この端部開口部52aから潤滑油が導入される。油溝部54と油溜まり部52との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部54の開口幅w2oは、実施例1と同様である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部52の開口幅w1oは、実施例1と同様である。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部52の開口幅w1oは、油溝部54と油溜まり部52との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部54の開口幅w2oよりも大きい。また、前述の実施例1と同様に、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部52の断面積S1は、油溝部54と油溜まり部52との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部54の断面積S2よりも大きい。
本実施例の軸受メタル50によれば、前述の実施例1と同様に、他端部10b側での軸受メタル50が荷重を支持する力の減少が抑制されつつ潤滑油が軸受メタル50へ導入されやすいため、軸受メタル50の焼付きの発生が抑制される。また、油溝部54および油溜まり部52が回転中心線C方向に平行な方向Dに沿って伸びる形状であるため、前述の実施例1に比較して、本実施例では軸受メタル50に油溝部54および油溜まり部52を形成する際の加工が容易である。
図17は、本発明の実施例6に係る軸受メタル60の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図17の(a)が軸受メタル60の内周面10iの展開図であり、図17の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図18は、図17に示す軸受メタル60を油溝部64が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。本実施例に係る軸受メタル60の構成は、前述の実施例1に係る軸受メタル10の構成と略同じであるが、実施例1では、油溝部14が油溜まり部12と回転中心線C方向における軸受メタル10の他端部10bとの間を連通していたが、本実施例では、そのようになっていない点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル60には、2組の油溜まり部12およびその油溜まり部12に接続された油溝部64が設けられているが、それぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部12および油溝部64についてその形状を説明する。油溝部64は、回転中心線C方向に対して角度θ(θ≠0)だけ傾斜した方向Dに沿って伸びている。一端部10aには油溜まり部12の端部開口部12aがあり、この端部開口部12aから潤滑油が導入される。油溝部64と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部64は、開口幅w2o、底面幅w1bであって実施例1と同様である。しかし、油溝部64は前記接続部分から他端部10b側に近づくに従って開口幅および底面幅が次第に小さくなっている。そして、油溝部64は、油溝部64の底面幅が零になった後は開口幅が小さくなると共に油溝部64の深さが次第に小さくなるようになっている。このように、油溝部64は、回転中心線C方向で油溝部64と油溜まり部12との接続部分から長さLy(m)だけ他端部10b側の箇所まで設けられているが、長さLxと長さLyとの和(=Lx+Ly)は、長さL1よりも短く、油溝部64は他端部10bに連通していない。すなわち、油溝部64は、油溜まり部12から回転中心線C方向の他端部10b側に向かって伸びているが、他端部10bまでは伸びていない。
油溝部64と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部64の開口幅w2oは、実施例1と同様である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の開口幅w1oは、実施例1と同様である。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の開口幅w1oは、油溝部64と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部64の開口幅w2oよりも大きい。また、前述の実施例1と同様に、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の断面積S1は、油溝部64と油溜まり部12との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部64の断面積S2よりも大きい。なお、本実施例においては、図17の(a)の展開図に破線で示されているように、油溝部64を一端部10aまで延長した場合よりも、一端部10aでの油溜まり部12の開口幅w1oおよび底面幅w1bは大きくなっている。
本実施例の軸受メタル60によれば、前述の実施例1と同様の効果を有する。前述の実施例1に比較して、本実施例では油溝部64の形成領域を小さくできるため、実施例1よりも他端部10b側での軸受メタル60が荷重を支持する力の減少をさらに抑制しつつ、軸受メタル60の焼付きの発生を抑制できる。
図19は、本発明の実施例7に係る軸受メタル70の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図19の(a)が軸受メタル70の内周面10iの展開図であり、図19の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図20は、図19に示す軸受メタル70を油溝部14が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。本実施例に係る軸受メタル70の構成は、前述の実施例1に係る軸受メタル10の構成と略同じであるが、実施例1では、回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12の断面形状が一端部10aから油溜まり部12と油溝部14との接続部分までの間で同じであったが、本実施例では、そのようになっていない点が異なる。そのため、異なる部分を中心に説明することとし、実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル70には、2組の油溜まり部72およびその油溜まり部72に接続された油溝部14が設けられているが、それぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部72および油溝部14についてその形状を説明する。油溜まり部72は、回転中心線C方向に対して角度θ(θ≠0)だけ傾斜した方向Dに沿って伸びている。一端部10aには油溜まり部72の端部開口部72aがあり、この端部開口部72aから潤滑油が導入される。油溜まり部72と油溝部14との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部72は、開口幅w2o、底面幅w2b、および深さd2である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部72は、開口幅w1o(>w2o)、底面幅w1b(>w2b)、および深さd2である。油溜まり部72の深さは油溝部14の深さと同じであるが、油溜まり部72は前記接続部分から一端部10a側に近づくに従って開口幅および底面幅が次第に大きくなっている。油溝部14と油溜まり部72との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oは、実施例1と同様である。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部72の開口幅w1oは、実施例1と同様である。このように一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部72の開口幅w1oは、油溝部14と油溜まり部72との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の開口幅w2oよりも大きい。また、前述の実施例1と同様に、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部72の断面積S1は、油溝部14と油溜まり部72との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14の断面積S2よりも大きい。
本実施例の軸受メタル70によれば、前述の実施例1と同様の効果を有する。前述の実施例1に比較して、本実施例では油溜まり部72の形成領域を小さくできるため、実施例1よりも一端部10a側での軸受メタル70が荷重を支持する力の減少を抑制しつつ、軸受メタル70の焼付きの発生を抑制できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例5〜7では、油溜まり部52、62、72がそれぞれ2個あり、それら2個の油溜まり部52、62、72はそれぞれ回転中心線Cの一端部10aの周方向において連通していなかったが、これに限らない。例えば、前述の実施例1に対する実施例2や前述の実施例3に対する実施例4のように、回転中心線Cの一端部10aにおいて内周面10iに設けられた周方向の全周にわたる段差部分によって連通されても良い。
前述の実施例1〜7では、油溝部14、54、64はそれぞれ2個あったが、これに限らない。例えば、油溝部14、54、64の数は1個でも3個以上でも良く、また、油溝部14、54、64の太さ(開口幅や底面幅)は変更可能である。
前述の実施例1〜7で説明したように、それぞれ一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部12、22、32、42、52、72の開口幅w1oが、油溝部14、54、64と油溜まり部12、22、32、42、52、72との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部14、54、64の開口幅w2oよりも大きければ、開口幅w1oと開口幅w2oとが同じ場合に比較して油溜まり部12、22、32、42、52、72に第2回転軸120に形成された供給孔120aから吐出された潤滑油が軸受メタルに導入され易い。そのため、開口幅w1oが開口幅w2oよりも大きければ、軸受メタル10、20、30、40、50、60、70の焼付きが抑制される。従って、開口幅w1oが開口幅w2oよりも大きければ、油溜まり部12、22、32、42、52、72および油溝部14、54、64のそれぞれの底面幅、深さ、断面積あるいは断面形状はどのようなものであっても良い。
前述の実施例1〜7では、2個の油溝部14、54、64の伸びる方向Dは互いに平行であったが、これに限らない。例えば、それぞれの軸受メタルの内周面10iの展開図において、一方の油溝部14、54、64の伸びる方向を回転中心線C方向に対して角度+θ(θ≠0)だけ傾斜したものとし、他方の油溝部14、54、64の伸びる方向を回転中心線C方向に対して前記一方の油溝部とは反対である角度−θだけ傾斜したものであっても良い。このように、それぞれの油溝部14、54、64毎にその伸びる方向が変更されても良い。
前述の実施例1〜7で説明した「ブッシュ」として機能する軸受メタル10、20、30、40、50、60、70は、例えば銅合金やアルミ合金などの金属であるが、必ずしも金属でなくとも良い。例えば、樹脂材料やセラミックなどの非金属であっても良い。
前述の実施例1〜7では、軸受メタル10、20、30、40、50、60、70は、第1回転軸110、第2回転軸120、および固定スリーブ130の3つを支持していたが、これに限らない。例えば、1つの回転軸のみが支持される構造であっても良い。
前述の実施例1〜7では、油溝部14、54、64から油溜まり部12、22、32、42、52、72へ向かう方向において、油溝部14、54、64と油溜まり部12、22、32、42、52、72との接続部分では開口幅、底面幅、および深さの少なくとも1つが急激に大きくなっており、油溝部14、54、64と油溜まり部12、22、32、42、52、72との境界、すなわち接続部分が明確であったが、これに限らない。
例えば、以下に説明する図21および図22で示す本発明の他の実施例に係る軸受メタル80のような構造であっても良い。図21は、本発明の他の実施例である軸受メタル80の内周面10iの展開図およびその展開図の側面図と底面図である。図21の(a)が軸受メタル80の内周面10iの展開図であり、図21の(b)および(c)が各々その展開図の側面図および底面図である。図22は、図21に示す軸受メタル80を油溝部84が伸びる方向Dの矢印A方向から見た図である。軸受メタル80の構成は、前述の実施例7に係る軸受メタル70の構成と略同じであるので、異なる部分を中心に説明することとし、実施例7と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
軸受メタル80には、2組の油溜まり部82およびその油溜まり部82に接続された油溝部84が設けられているが、それぞれ同様の形状であるため、以下、一方の組の油溜まり部82および油溝部84についてその形状を説明する。一端部10aには油溜まり部82の端部開口部82aがあり、この端部開口部82aから潤滑油が導入される。一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部82は、開口幅w1o、底面幅w1b、および深さd2である。他端部10bでの回転中心線Cに垂直な断面における油溝部84は、開口幅w3o(m)(<w1o)、底面幅w3b(m)(<w1b)、および深さd2である。油溜まり部82が設けられた一端部10aから油溝部84が設けられた他端部10bに向かって、開口幅および底面幅が次第に小さくなっている。油溜まり部82と油溝部84との境界、すなわち接続部分は不明確である。しかし、一端部10aと他端部10bとの間のいずれの箇所を接続部分とみなしても、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部82の開口幅w1oは、油溝部84と油溜まり部82との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部84の開口幅w2oよりも大きい。また、一端部10aと他端部10bとの間のいずれの箇所を接続部分とみなしても、一端部10aでの回転中心線Cに垂直な断面における油溜まり部82の断面積S1は、油溝部84と油溜まり部82との接続部分での回転中心線Cに垂直な断面における油溝部84の断面積S2よりも大きい。従って、他端部10b側での軸受メタル10が荷重を支持する力の減少が抑制されつつ潤滑油が軸受メタル80へ導入されやすいため、軸受メタル80の焼付きの発生が抑制される。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、20、30、40、50、60、70、80:軸受メタル(ブッシュ)
10a:一端部
10b:他端部
10i:内周面
10o:外周面
12、22、32、42、52、72、82:油溜まり部
14、54、64:油溝部
C:回転中心線(中心線)
w1o:開口幅
w2o:開口幅

Claims (1)

  1. 円筒のブッシュであって、
    前記円筒の中心線方向の一端部側から潤滑油が導入され、
    前記円筒の内周面の前記一端部に油溜まり部が設けられ、前記油溜まり部から前記中心線方向の他端部側に伸びる油溝部が設けられ、
    前記一端部での前記中心線に垂直な断面における前記油溜まり部の開口幅は、前記油溝部と前記油溜まり部との接続部分での前記中心線に垂直な断面における前記油溝部の開口幅よりも大きい
    ことを特徴とするブッシュ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021177456A1 (ja) 2020-03-05 2021-09-10 三菱マテリアル株式会社 プラズマ処理装置用部材とその製造方法、及びプラズマ処理装置

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