JP2020037679A - 有機物質の熱分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機物質を熱分解して熱分解生成物を得る際に気体生成物の収率を高めることができる熱分解方法を提供する。【解決手段】流動層式の反応器において、有機物質を特定の混合ガスと接触させることで熱分解させる方法であって、有機物質成形体(x)を反応器の上部から供給することで有機物質の熱分解を行うにあたり、定常操業時において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfがρx/ρf=0.90〜1.10を満足するように制御する。これにより流動層内において有機物質成形体(x)を効率よく分散させることができるので、有機物質成形体(x)と流動媒体(f)の接触が促進され、その結果、伝熱とガス化反応が促進され、気体生成物の収率が高められる。【選択図】図6

Description

本発明は、廃プラスチックなどの有機物質を熱分解してガス状物質などに転換するための有機物質の熱分解方法に関する。
近年、廃プラスチックやバイオマスのリサイクルが進められているが、それらの一部は依然として焼却処理されているのが現状である。しかし、焼却処理ではCO発生などの環境負荷が高く、また、焼却炉の熱的損傷の問題もあり、ケミカルリサイクル技術の確立が求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、特許文献1には、ガス化溶融炉で発生した一酸化炭素と水素を含有する排ガスを利用し、この排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、このシフト反応生成ガスを有機物質に接触させることで、有機物質を改質して低分子化(熱分解)する方法が開示されている。
また、特許文献2には、一酸化炭素含有ガスと水蒸気とのシフト反応により得られた混合ガスを流動化ガスとする流動層式の反応器において、その混合ガスを有機物質に接触させることで、有機物質を改質して低分子化(熱分解)する方法が開示されている。また、同文献には、反応器内への有機物質の装入形態の1つとして、廃プラスチックなどの有機物質を粒状に圧縮成形し、この有機物質成形体を反応器の上部から投入する形態が示されており、このような装入形態を採ることにより、供給系(配管など)での有機物質による閉塞トラブルが防止され、有機物質を反応器に円滑に供給できるとしている。
特許第5679088号公報 特開2017−43666号公報
しかしながら、本発明者らが、特許文献1、2の方法に従い、有機物質を改質、低分子化する実験をしたところ、次のような問題があることが判った。すなわち、特許文献1、2の方法は、設備的には比較的温和な条件で反応がなされるため、実施が容易であることや設備コストを低減できる利点を有するものの、得られる熱分解生成物は油状物質の割合が多くなり、ガス状物質の収率が低いという課題がある。油状物質は、使用場所までの輸送を考慮した場合、粘性を保つために保温が必要であるなどハンドリング性が悪い。このため有機物質の熱分解では、可能な限りガス状物質の収率を高めることが望まれる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、廃プラスチックやバイオマスなどの有機物質を熱分解して熱分解生成物を得る際に、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を高めることができる有機物質の熱分解方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、特許文献2に示されるような、廃プラスチックなどの有機物質を圧縮成形し、この有機物質成形体を流動層式反応器の上部から投入する方法において、有機物質成形体の成形体密度と反応器内の流動媒体のかさ密度がほぼ同等となるようにすることにより、有機物質のガス化反応が効率的に生じ、上記課題を解決できることが判った。すなわち、有機物質成形体の成形体密度と反応器内の流動媒体のかさ密度を、それらがほぼ同等となるように最適化することにより、流動層内において有機物質成形体を効率よく分散させることができるため、有機物質成形体と流動媒体の接触が促進され、その結果、伝熱とガス化反応が促進され、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率が高められることが判った。また、有機物質成形体の成形体密度と反応器内の流動媒体のかさ密度がほぼ同等となるようにするためには、有機物質成形体を得る際に、有機物質に密度調整剤(一般には有機物質よりも高密度の物質)を加えて圧縮成形することで、有機物質成形体の成形体密度を調整するのが好ましいことが判った。また、その場合に密度調整剤の形状や大きさに好適な条件があることも判った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入され、粉粒状の流動媒体(f)による流動層が形成された流動層式の反応器において、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
有機物質を粒状又は塊状に圧縮成形した有機物質成形体(x)を反応器の上部から供給することで有機物質の熱分解を行うにあたり、
定常操業時において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfがρx/ρf=0.90〜1.10を満足することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[2]上記[1]の熱分解方法において、有機物質成形体(x)は、有機物質に密度調整剤(a)を加えて圧縮成形したものであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[3]上記[2]の熱分解方法において、有機物質に不揮発性の密度調整剤(a)を加えて圧縮成形した有機物質成形体(x)を反応器に供給して有機物質の熱分解を行うにあたり、
定常操業時において、反応器内の流動媒体(f)(但し、一部が密度調整剤(a)からなる流動媒体)の一部を抜き出して系外に排出するとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を反応器に供給することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[4]上記[3]の熱分解方法において、反応器内の流動媒体(f)の一部を反応器外に抜き出し、この抜き出した流動媒体(f)の一部を系外に排出するとともに、系外に排出されなかった流動媒体(f)を反応器に還流させることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[5]上記[3]又は[4]の熱分解方法において、流動媒体(f)のかさ密度ρfが下記(1)式により算出されることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
ρf={ρa×(Wp×A)+ρm×Wout−ρm×(Wp×A)}/Wout …(1)
但し ρf:流動媒体(f)のかさ密度(g/cm
ρa:密度調整剤(a)のかさ密度(g/cm
Wp:反応器内への有機物質成形体(x)の供給速度(kg/h)
A:有機物質成形体(x)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
Wout:反応器内の流動媒体(f)の系外への排出量(kg/h)
ρm:反応器に供給される流動媒体用の新規の粉粒物のかさ密度(g/cm
[6]上記[2]〜[5]のいずれかの熱分解方法において、密度調整剤(a)において[長径/長径に対して直交する方向での最大幅]をアスペクト比とした場合、密度調整剤(a)の平均アスペクト比が1〜3.5であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[7]上記[2]〜[6]のいずれかの熱分解方法において、有機物質成形体(x)においてその長径に対して直交する方向での平均最大幅をD、密度調整剤(a)の平均長径をdとした場合、D/dが3〜300であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの熱分解方法において、有機物質がプラスチック、バイオマスの中から選ばれる1種以上を含むものであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの熱分解方法において、有機物質成形体(x)は、有機物質に密度調整剤(a)を添加して混合し、押出し成形機を用いて柱状に圧縮成形したものであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
本発明によれば、廃プラスチックなどの有機物質を熱分解して熱分解生成物を得る際に、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を飛躍的に高めることができる。
流動媒体(f)用の粉粒物として珪砂を用い、有機物質成形体(x)に配合する密度調整剤(a)として酸化鉄粉、アルミナ粉、グラファイト粉をそれぞれ用いた場合について、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと有機物質成形体(x)中の密度調整剤(a)の配合量との関係、及び本発明条件(密度比ρx/ρf=0.90〜1.10)を満足するための有機物質成形体(x)の成形体密度ρxの範囲を示したグラフ 本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の一実施形態を模式的に示す説明図 本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の他の実施形態を模式的に示す説明図 本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の他の実施形態を模式的に示す説明図 本発明において、有機物質成形体(x)に配合された密度調整剤(a)が不揮発性の物質であるために、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を流動層に供給(補充)する場合において、反応器における流動媒体及び密度調整剤に関する物質収支を示す図面 流動層式の反応器を用いて有機物質成形体(x)を反応器上部から供給することで有機物質の熱分解を行う方法において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfの比ρx/ρfと、反応器での気体生成物の生成量との関係を示すグラフ 本発明で使用する有機物質成形体(x)を得るためのリングダイ式の押出し成形機と、これを用いた材料の圧縮成形の実施状況を模式的に示す説明図
本発明法は、流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入され、粉粒状の流動媒体(f)による流動層が形成された流動層式の反応器において、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、有機物質を粒状又は塊状に圧縮成形した有機物質成形体(x)を反応器の上部から供給することで有機物質の熱分解を行うにあたり、定常操業時において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfの比ρx/ρf(以下、説明の便宜上、単に「密度比ρx/ρf」という。)が0.90〜1.10となるようにすることで、有機物質の熱分解を進行させるものである。
ここで、有機物質成形体(x)の成形体密度とは、1つの成形体(粒子)の質量をその成形体(粒子)の体積で除して算出されるものである。
なお、以下の説明では、有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物を「油状物質」、常温で気体である熱分解生成物を「ガス状物質」という。
本発明において有機物質の熱分解に使用する流動層式の反応器は、熱伝導に優れるため有機物質を高い熱分解速度で熱分解することができる。この反応器では、流動化ガスとして混合ガス(g)が導入されることにより、粉粒状の流動媒体(f)による流動層が形成されるとともに、その混合ガス(g)が有機物質の熱分解に用いられる。
本発明において有機物質の熱分解に用いる、少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)としては、例えば、ガス化溶融炉や製鉄プロセスで発生するガス、或いはこれらのガスを改質したものを用いることができる。すなわち、ガス化溶融炉や製鉄プロセスで発生するガスが所定のガス組成を満足する場合は、そのまま使用すればよいが、例えば、転炉ガスのように一酸化炭素リッチで水素が少ないガスを使用する場合には、過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせればよい。これにより、もともと含まれていた水素と、シフト反応で生成した二酸化炭素および水素と、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガスが生成され、有機物質の熱分解に適したガス組成とすることができる。
ここで、ガス化溶融炉とは、ごみを低酸素状態で加熱することで熱分解させ、この熱分解で発生したガスを燃焼又は回収するとともに、灰分及び不燃物を高温で溶融する炉設備であり、熱分解と溶融を一体で行う方式と、分離して行う方式とがある。具体的には、ガス化改質方式(例えば、サーモセレクト方式など)、シャフト炉方式(例えば、コークスベッド式、酸素式、プラズマ式など)、キルン炉方式、流動床方式、半乾留・負圧燃焼方式などがある。本発明では、いずれの方式のガス化溶融炉で発生した排ガスを用いてもよく、また、2種以上の排ガスが混合されたものを用いてもよい。ガス化溶融炉で発生する排ガスとしては、例えば、二酸化炭素濃度が20〜60vol%、水素濃度が60〜20vol%である二酸化炭素と水素を含有する排ガス、一酸化炭素濃度が10〜50vol%、水素濃度が50〜10vol%である一酸化炭素と水素を含有する排ガスが挙げられ、これらの排ガスをそのまま或いは所定のガス組成に改質した上で、有機物質の熱分解用の混合ガス(g)として用いることができる。
また、製鉄プロセスにおける転炉ガスや高炉ガスなども利用可能なガスであり、上述のように水素が不足するガスの場合には、いわゆるシフト反応によって水素が生成するため、水素濃度が10vol%程度であっても本発明の混合ガス(g)として好適な組成となる。
一般に廃プラスチックなどの高分子量有機物質は300〜400℃以上で加熱すると熱分解が始まることが知られているが、この時、軽質化とともに重質化も進行してしまう。熱分解時に水素を共存させると、炭化水素種への水素付加反応と水素化分解反応が進行するため、重質化抑制と低分子化に有効である。しかしながら、水素化分解には高温が必要であり、且つ水素消費量が多くなることが問題である。
一方、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、HOやCO分子中の酸素による炭化水素の酸化と看做すことができ、少ない水素添加量で低分子化と炭素質生成抑制が達成できる。さらに、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、改質される有機分子の炭素鎖が長くなるにつれて反応温度が低下するという特徴を有する。これら水素化、水素化分解、水蒸気改質、および炭酸ガス改質を組み合わせることにより、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化を促進することが可能になる。
したがって、本発明で用いる混合ガス(g)は、水素及び二酸化炭素に加えて、水蒸気を含有することが好ましい。
本発明で用いられる有機物質を炭化水素(C)で示すと、上述の反応は、以下に示す反応式で表すことができる。
水素化:C+H→Cn+2
水素化分解:C+H→C+C(m=p+r、n+2=q+s)
水蒸気改質:C+HO→Cm−1n−2+CO+2H
炭酸ガス改質:C+CO→Cm−1n−2+2CO+H
ただし、水素化には下記のCO、COのメタネーション反応も含まれる。
CO+3H→CH+HO、CO+4H→CH+2H
なお、水蒸気改質や炭酸ガス改質で生成したHによっても、上記の水素化や水素化分解が進行する。
また、一酸化炭素を含有するガスに水蒸気を添加して、下記(1)のシフト反応を行えば、COをHとCOに変換できるので、本発明で用いる混合ガス(g)として好適なものとなる。
CO+HO→H+CO …(1)
ガス化溶融炉で発生する排ガスや製鉄所で発生するガスには一酸化炭素を多く含むものがあるため、この方法によれば、一酸化炭素と水蒸気のシフト反応を制御することで、熱分解用として好適な混合ガスを得ることができる。
特に、一酸化炭素を含有する排ガスに水蒸気を過剰に添加すると、生成ガス中に水蒸気が残留するため水蒸気改質反応を利用することができるようになる。つまりシフト反応の反応率を適宜制御することによって、ガス中の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を制御し、有機物質熱分解用として好適なガス組成の混合ガス(g)とすることができる。
シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。
サーモセレクト方式のガス化溶融炉から発生する排ガスには、通常、COが20〜40vol%、COが40〜20vol%、Hが20〜40vol%程度含有されている。したがって、このような二酸化炭素と水素を含有する排ガスに適量の水蒸気を混合するだけで、CO:15〜20vol%、CO:10〜35vol%、H:15〜20vol%、HO:20〜50vol%程度の組成となり、有機物質熱分解用の混合ガス(g)として好適なものとなる。
また、製鉄所で発生する高炉ガスや転炉ガスについても、同様のシフト反応を利用することで、有機物質熱分解用として好適なガス組成に改質することができる。
なお、混合ガス(g)として、上述したようなシフト反応で生成したガスを用いる場合において、反応器に投入する有機物質が水を含んでいる場合には、反応器内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を調整することが好ましい。
本発明において、熱分解の対象となる有機物質に特別な制限はないが、圧縮成形した有機物質を反応器に投入するため、固体の有機物質が主体となる。なかでも、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、プラスチック(通常、廃プラスチック)、バイオマス、含油スラッジ、石炭などが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。また、これらの1種以上の有機物質に廃油などの液状有機物質を混合してもよい。また、圧縮成形して成形体にするという観点からは、有機物質はプラスチック、バイオマスの中から選ばれる1種以上を含むものであることが好ましい。
対象とするプラスチックの種類に特別な制限はないが、例えば、廃プラスチックの場合には、産業廃棄物系、容器包装リサイクル法の対象プラスチックなどを挙げることができる。より具体的には、PEやPPなどのポリオレフィン類、PAやPETなどの熱可塑性ポリエステル類、PSなどのエラストマー類、熱硬化性樹脂類、合成ゴム類や発砲スチロールなどを挙げることができる。
バイオマスとしては、例えば、下水汚泥、紙、木材(建設廃材、間伐材など)、農作物由来の廃棄物(例えば、籾殻、茶殻、コーヒー殻(滓)など)などの他、ゴミ固形燃料(RDF)などの加工されたバイオマスなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バイオマスには、通常、多量の水分が含有されているので、事前に乾燥させておくことがエネルギー効率の点から好ましい。
また、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を比較的高濃度に含むバイオマスの場合、反応器内でアルカリ金属が析出する可能性があるので、水洗などの方法によって事前にアルカリ金属を溶出させておくことが好ましい。
本発明では、上述したような有機物質を予め粒状又は塊状に圧縮成形して有機物質成形体(x)とし、この有機物質成形体(x)を反応器の上部から供給することで有機物質の熱分解を行う。このように有機物質成形体(x)を用いるのは、供給系(配管など)での有機物質による閉塞トラブルを防止し、有機物質を流動層式反応器に円滑に供給するためである。この有機物質の好ましい成形条件、成形方法などについては、後に詳述する。
ここで、粉粒状の流動媒体(f)による流動層が形成された流動層式の反応器に対して、その上部から有機物質成形体(x)を投入する操業形態において、有機物質のガス化反応を効率的に生じさせることができる操業条件について検討した結果、定常操業時において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfがほぼ同等であること、具体的には密度比ρx/ρf=0.90〜1.10程度にする必要があることが判った。
反応器内に形成された流動層の上部に有機物質成形体(x)を投入する場合、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxが流動媒体(f)のかさ密度ρfに対して小さすぎると、有機物質成形体(x)が流動層上部に偏析すると考えられる。流動層の利点は、反応物質(この場合は有機物質成形体)と流動層を形成する流動媒体(粉体)と接触が高頻度で生じ、それゆえに反応が進行するというものであるが、反応物質が流動層の上部に偏析した状態では、流動媒体との接触による反応促進や、伝熱媒体でもある流動媒体と反応物質の熱交換も限定されてしまう。その結果、流動層の利点を生かした有機物質のガス化反応を効率的に生じさせることができない。反対に、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxが流動媒体(f)のかさ密度ρfに対して大きすぎると、有機物質成形体(x)が流動層下部に偏析すると考えられ、この場合も同様に、流動層の利点を生かした有機物質のガス化反応を効率的に生じさせることができない。
具体的には、密度比ρx/ρfが0.90未満、1.10超のいずれの場合も、上述した理由により、有機物質のガス化反応を効率的に生じさせることができない。これに対して、密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲に調整することにより、流動層内において有機物質成形体(x)を効率よく分散させることができ、これにより有機物質成形体(x)と流動媒体(f)の接触が促進され、その結果、伝熱とガス化反応が促進され、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を高めることができる。
密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲とする場合、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfのいずれか一方若しくは両方を調整することが考えられるが、後述するように、一般にプラスチックなどの有機物質のみを圧縮成形した有機物質成形体(x)の成形体密度ρxは、流動媒体(f)のかさ密度ρfに較べてかなり小さく、密度比ρx/ρf<0.90となるため、有機物質成形体(x)に密度調整剤として高密度の物質を配合することで、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxを調整する(高める)ことを考えた。具体的な検討を行った結果、有機物質成形体(x)を得る際に、プラスチックなどの有機物質に対して、密度調整剤(a)として有機物質よりも高密度の物質(例えば金属酸化物などの粉体)を加えて圧縮成形することにより、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxを容易に調整できることが判った。
反応器内の流動層を構成する流動媒体には、100μm程度の粒径に整粒された粉粒物が使用されることが一般的である。表1に、流動媒体(f)に用いられる物質(100μm程度の粒径に整粒された粉粒物)の例とそのかさ密度を示す。但し、流動媒体としては、表1に例示したものだけでなく、高温で安定かつ流動化する粉粒物であれば、その種類を問わず使用することができる。
Figure 2020037679
なお、かさ密度には、測定方法の違いにより「固めかさ密度(タップかさ密度)」と「ゆるみかさ密度」があるが、本発明では、流動層を形成する流動媒体(f)のかさ密度であることを考慮して、後者の「ゆるみかさ密度」とする。その測定方法は、JIS K7365(プラスチック−規定漏斗から注ぐことのできる材料の見掛け密度の求め方)に準拠したものとする。
表2に、各種プラスチックの密度(真密度)と廃プラスチック成形体(プラスチックごみとして分別されたものを後述のリングダイ式の押出し成形機で圧縮成形したもの)の成形体密度を示す。ここで、成形体密度は、1つの成形体(粒子)の質量をその成形体(粒子)の体積で除して算出したものである。表2に示されるように、プラスチックはその種類によって密度に差があり、廃プラスチック成形体は種々のプラスチックが混在したプラスチックごみを圧縮成形して得られたものである。
Figure 2020037679
表1及び表2から、廃プラスチック成形体の成形体密度は、一般に流動媒体用の粉粒物のかさ密度よりも小さいことが分かる。また、プラスチックと並んで代表的な有機物質であるバイオマスは、一般にプラスチックよりも低密度であり、したがって、バイオマスを圧縮成形した成形体や、バイオマスと廃プラスチックの混合物を圧縮成形した成形体の成形体密度も、一般に流動媒体用の粉粒物のかさ密度よりも小さいと考えられる。そこで、有機物質成形体(x)を得る際に、プラスチックやバイオマスなどの有機物質に対して、密度調整剤(a)として有機物質よりも高密度の物質(例えば金属酸化物などの粉体)を加えて圧縮成形し、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxを高めに調整することにより、密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲に調整することができる。この場合、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxや流動媒体(f)のかさ密度ρfに応じて、有機物質成形体(x)に配合する密度調整剤(a)の種類(密度)や配合量が適宜選択される。
表3に、密度調整剤(a)として好適な何種類かの物質(コールタールピッチ、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化鉄粉、グラファイト)とそれらの密度(真密度)を示す。密度調整剤(a)には、例えば、これらの1種以上を用いることができる。さらに、表3に示すもの以外で密度調整剤(a)として使用可能な物質としては、例えば、コークス、鉄鉱石、製鉄所ダスト(高炉ダスト、転炉ダスト、集塵機ダスト、圧延ミルスケールなど)、鉱物(ドロマイト、石灰石、石など)、海砂、川砂、砕石粉、コンクリート、レンガ、製鉄スラグ、石英ガラスくずなどを挙げることができ、これらの1種以上を用いることができる。これらのなかには成分の一部として表3に示す物質の1種以上を含有するものもあるが、いずれも安価で入手が容易な物質である。ただし、密度調整剤(a)は、これらに限定されるものではなく、有機物質との混合物が圧縮成形可能であり、且つ配合することにより有機物質成形体(x)の成形体密度ρxを高めることができるものであれば、その種類を問わない。したがって、密度調整剤(a)は、揮発性の物質(=反応器内での温度で揮発する物質)、不揮発性の物質(=反応器内での温度で揮発しない物質)のいずれでもよい。なお、固体の密度調整剤(a)の場合には、一般に粉粒物が使用される。
Figure 2020037679
また、密度調整剤(a)の形状や大きさの好適条件は以下の通りである。
まず、密度調整剤(a)の形状については、上述したように粉粒状が適しており、これは繊維状や細片状のものを用いると有機物質成形体(x)に亀裂が生じやすくなるためである。すなわち、繊維状や細片状の密度調整剤(a)は、有機物質成形体(x)中に分散しにくく、空隙も生じやすいので、成形体の均質性や密度が低下し、亀裂が生じやすくなる。また、空隙が多くなるので有機物質成形体(x)の密度も高くなりにくい。粒子形状の定義としては、JIS Z8900に示されるアスペクト比を用いると定量的に扱うことができる。すなわち、密度調整剤(a)の粒子の顕微鏡像を撮像して、その[長径/長径に対して直交する方向での最大幅]をアスペクト比とした場合、密度調整剤(a)の平均アスペクト比が1〜3.5の範囲では特に問題はないが、平均アスペクト比が3.5を超えると有機物質成形体(x)に亀裂が生じやすくなる。その結果、反応器内で分解して有機物質と密度調整剤(a)が分離するため、密度調整剤(a)が有機物質成形体(x)の密度を調整するという本来の効果が得られにくくなる。このため密度調整剤(a)としては、平均アスペクト比が1〜3.5のものが好ましい。ここで、密度調整剤(a)の平均アスペクト比とは、密度調整剤(a)の中から無作為に選ばれた100個の粒子のアスペクト比の平均値とする。
また、密度調整剤(a)の大きさについては、大きすぎると有機物質成形体(x)に亀裂が生じやすく、小さすぎると粉砕を要するためコスト増になったり、成形時の粉塵源となり環境衛生を損なうおそれがある。このため、有機物質成形体(x)においてその長径に対して直交する方向での平均最大幅をD(mm)、密度調整剤(a)の平均長径をd(mm)とした場合、D/dは3〜300が望ましく、4.5〜30が特に望ましい。ここで、有機物質成形体(x)の平均最大幅Dとは、有機物質成形体(x)の中から無作為に選ばれた100個の有機物質成形体(粒子)の最大幅Dの平均値とし、密度調整剤(a)の平均長径dとは、密度調整剤(a)の中から無作為に選ばれた100個の粒子の長径dの平均値とする。
一般に、密度調整剤(a)の配合により有機物質成形体(x)の成形体密度ρxは増加する。図1は、流動媒体(f)用の粉粒物としてかさ密度ρfが1.1g/cmの珪砂を用い、有機物質成形体(x)に配合する密度調整剤(a)として、酸化鉄粉、アルミナ粉、グラファイト粉(それぞれの密度については表3を参照)をそれぞれ用いた場合について、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと有機物質成形体(x)中の密度調整剤(a)の配合量との関係、及び本発明条件(密度比ρx/ρf=0.90〜1.10)を満足するための有機物質成形体(x)の成形体密度ρxの範囲(上限、下限)を示したものである。これによれば、密度調整剤(a)を配合しない場合は密度比ρx/ρfが0.89であり、本発明条件から外れるが、有機物質成形体(x)に適量の密度調整剤(a)を加えることにより、密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲にできることが判る。
密度調整剤(a)が例えばコールタールピッチなどのような揮発性の物質(=反応器内での温度で揮発する物質)である場合には、有機物質成形体(x)中の密度調整剤(a)は、反応器内の高温下で分解又は燃焼し、ガス化して気体として系外へ排出されるため、操業中、流動層を形成する流動媒体(f)の量やかさ密度はほぼ一定に維持される。このため、特段の対応を行うことなく操業を継続することができる。
これに対して、密度調整剤(a)が不揮発性の物質(=反応器内での温度で揮発しない物質)である場合には、有機物質成形体(x)に含まれる密度調整剤(a)は、反応器内に残留して流動媒体(f)の一部となるため、流動層を形成する流動媒体(f)の量が次第に増加し、ついには流動層の高さが過大となり、ガス化反応の継続が困難になる。このため流動層を形成する流動媒体(f)の抜き出しが必要となる。また、流動媒体(f)を抜き出すだけで、流動媒体用の新規の粉粒物を供給(補充)しないと、元々の流動媒体が密度調整剤(a)に置換されていくため、流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が高まっていく。この場合、一般に不揮発性の密度調整剤(a)には高密度の粉粒物が用いられるため、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxを調整することにより、密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲に調整することが困難となる。このため、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出すとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を流動層に供給(補充)する必要がある。
すなわち、定常操業時において、反応器内の流動媒体(f)の量が一定に維持され、且つ密度比ρx/ρfが0.90〜1.10の範囲に適切に維持されるようにするため、反応器内の流動媒体(f)(但し、一部が密度調整剤(a)からなる流動媒体)の一部を抜き出して系外に排出するとともに、この流動媒体の排出分を補填するために流動媒体用の新規の粉粒物を反応器に供給(補充)する。
また、この場合、定常操業時において、流動層を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が一定になる(したがって流動媒体(f)のかさ密度ρfが一定になる)ようにするため、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)の排出速度を、有機物質成形体(x)による密度調整剤(a)の供給速度と同じにし、且つ、流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度を、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)以外の粉粒物(流動媒体用の粉粒物)の排出速度と同じにすることが好ましい。
なお、密度調整剤(a)が上記のような揮発性の物質である場合には、流動媒体(f)のかさ密度ρfは、元々の流動媒体用の粉粒物のかさ密度であるため、例えば、図1に示すような計算値がそのまま適用できる。これに対して、密度調整剤(a)が上記のような不揮発性の物質である場合には、反応器内に残った密度調整剤(a)が流動媒体(f)の一部となるため、流動媒体(f)のかさ密度ρfは、元々の流動媒体用の粉粒物のかさ密度とは異なったものとなる。この場合の流動媒体(f)のかさ密度ρfに関しては、後に詳述する。
流動層式の反応器内での反応温度は400〜800℃程度が望ましく、600〜700℃程度がより望ましい。反応温度が400℃未満では有機物質の熱分解が進みにくく、ガス状物質の収率が低くなる。一方、反応温度が800℃を超えると熱分解生成物のガス状物質のうちC1〜C4化合物の熱分解が進んでCOやCOが生成され、ガス状物質の発熱量が低下し、気体燃料としての価値が低下する。
なお、反応温度が高いとガス状物質の生成量が増加し、油状物質の生成量が減少する傾向があるが、反応温度が低い方がエネルギーコストは小さくなるため、できるだけ低温での反応が有利である。圧力の影響はほとんど認められないので、常圧〜数kg/cm程度の微加圧で反応器を運転することが経済的である。
また、本発明では有機物質の熱分解に特に触媒を必要としないが、流動媒体用の粉粒物の一部又は全部に触媒機能を持つものを用いてもよい。また、有機物質成形体(x)の密度調整剤(a)に触媒機能を持つものを用いてもよい。触媒としては、水蒸気改質活性、炭酸ガス改質活性、水素化活性、水素化分解活性をそれぞれ有する1種又は2種以上の触媒を用いることができる。具体例としては、Ni系改質触媒、Ni系水素化触媒、Pt/ゼオライト系石油精製触媒などを挙げることができる。また、微細なFe粒子からなることが知られている転炉発生ダストや鉄鉱石等も、改質触媒や水素化分解触媒として用いることができる。
図2は、本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の一実施形態を模式的に示すものである。この実施形態は、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出すための手段がないため、有機物質成形体(x)に配合された密度調整剤(a)が揮発性の物質からなる場合に適用可能である。
図2において、1は流動層式の反応器(熱分解炉)であり、この反応器1内の分散板3上には、流動層2を構成する流動媒体(f)が充填されている。分散板3の下方の風箱4には、ガス供給管5を通じて流動化ガスである混合ガス(g)が導入され、この混合ガス(g)が分散板3から吹き出すことにより、流動媒体(f)による流動層2が形成される。この反応器1内の反応温度は400〜800℃程度であり、反応温度までの昇温やガス化に伴う吸熱反応の熱補償のため、反応器本体の周囲にヒーター8が配置され、反応器1の内部が加熱される。
反応器1の上部には供給管6が接続され、定量切出装置7によって切り出された有機物質成形体(x)が、この供給管6を通じて反応器1内に定量供給される。
反応器1内でガス化反応により生成したガスは、反応器1の上部に接続されたガス取出管9を通じて取り出され、燃料ガス等として利用するために系外に排出される。また、反応器1を出た生成ガスは粉体(流動媒体)を同伴しているので、必要に応じてガス取出管9にガス洗浄装置10を設置し、生成ガスを洗浄して粉体を除去するようにしてもよい。このガス洗浄装置10としては、例えば、上昇する生成ガスに対して上方から散水し、ガス中の粉体を水で捕集する、スクラッバー等を用いることができる。また、サイクロン式や電気集塵装置等も使用可能であり、得られるガスの使用場所等を考慮して決定すればよい。
貯留槽11には流動媒体用の新規の粉粒物が貯留され、必要に応じて、この粉粒物が定量切出し装置12で切り出され、供給管13を通じて反応器1に供給される。
本実施形態では、供給管5を通じて流動化ガスである混合ガス(g)が反応器1内に供給されることにより流動層2が形成されるとともに、反応器1内がヒーター8により所定温度に昇温される。この反応器1内に供給管6を通じて有機物質成形体(x)が定量供給され、有機物質の熱分解(ガス化反応)がなされる。この際、配合する密度調整剤(a)の種類や配合量が選択された有機物質成形体(x)を反応器1に供給することにより、定常操業時において密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲に制御する。反応器1内で有機物質の熱分解(ガス化反応)で生成した生成ガス(但し、不可避的に混合ガス(g)の未反応ガス成分が含まれることがある)は、ガス取出管9を通して取り出され、必要に応じてガス洗浄装置10で洗浄された後、燃料ガスなどとして系外に送られる。
図3は、本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の他の実施形態を模式的に示すものであり、有機物質成形体(x)に配合された密度調整剤(a)が不揮発性の物質からなる場合に適用するため、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するための手段を設けたものである。
この実施形態では、反応器1の下部に、流動層2を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するための排出管14が接続されている。この排出管14には排出量制御装置15が設けられ、この排出量制御装置15で流動媒体(f)の排出量を制御できるようにしている。
その他の構成は、図2の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態でも、図2の実施形態と同様にして有機物質の熱分解(ガス化反応)がなされ、配合する密度調整剤(a)の種類や配合量が選択された有機物質成形体(x)を反応器1に供給することにより、定常操業時において、密度比ρx/ρfを0.90〜1.10の範囲に制御するが、密度調整剤(a)が不揮発性の物質であり、密度調整剤(a)が反応器内に残留して流動媒体(f)の一部となるため、さきに述べたように、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出すとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を流動層に供給(補充)する必要がある。このため、流動層2を形成する流動媒体(f)の一部を排出管14を通じて抜き出して系外に排出するとともに、この流動媒体の排出分を補填するために、貯留槽11に貯留されている流動媒体用の新規の粉粒物を供給管13を通じて反応器1に供給(補充)する。
この場合、さきに述べたように、定常操業時において、流動層2を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が一定になる(したがって流動媒体(f)のかさ密度ρfが一定になる)ようにするため、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)の排出速度を、有機物質成形体(x)による密度調整剤(a)の供給速度と同じにし、且つ、流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度を、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)以外の粉粒物(流動媒体用の粉粒物)の排出速度と同じにすることが好ましい。
図4は、本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の他の実施形態を模式的に示すものであり、図3の実施形態と同じく、有機物質成形体(x)に配合された密度調整剤(a)が不揮発性の物質からなる場合に適用するため、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するための手段を設けたものであるが、さらに、流動層から抜き出された流動媒体の一部を加熱して反応器に還流させる循環式加熱システムを有している。
すなわち、この実施形態では、流動媒体を加熱するために、流動層2を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して加熱した後、流動層2に還流させるための循環用管路16が設けられており、この循環用管路16の流動媒体抜出口160(流動媒体循環方向の上流端)が反応器1の下部に、流動媒体導入口161(流動媒体循環方向の下流端)が反応器1の上部に、それぞれ設けられている。この循環用管路16には、上流側から順に流動媒体(f)の循環量制御装置17と加熱装置18(例えばキルンなどの加熱炉)が設けられ、これらにより流動媒体(f)の循環量の制御と加熱を行えるようにしている。そして、循環量制御装置17と加熱装置18間の管路部分に、循環用管路16を循環する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するための排出管14が接続されている。この排出管14には排出量制御装置15が設けられ、この排出量制御装置15で流動媒体(f)の系外への排出量を制御できるようにしている。
なお、本実施形態では循環量制御装置17と加熱装置18を別々に設けているが、加熱装置18を設ける代わりに循環量制御装置17に加熱機能をもたせることもできる。また、仮想線で示したように図2の実施形態と同様のヒーター8を設け、流動媒体(f)の加熱にヒーター8を併用するようにしてもよい。
その他の構成は、図2の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態でも、図3の実施形態と同様、密度調整剤(a)が不揮発性の物質であり、密度調整剤(a)が反応器内に残留して流動媒体(f)の一部となるため、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出すとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を流動層に供給(補充)する必要がある。このため、流動層2を形成する流動媒体(f)の一部を循環用管路16に抜き出し、加熱装置18で加熱した後に反応器1に還流させるとともに、循環用管路16内の流動媒体(f)の一部を排出管14を通じて抜き出して系外に排出する。同時に、この流動媒体の排出分を補填するために、貯留槽11に貯留されている流動媒体用の新規の粉粒物を供給管13を通じて反応器1に供給(補充)する。
この場合、さきに述べたように、定常操業時において、流動層2を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が一定になる(したがって流動媒体(f)のかさ密度ρfが一定になる)ようにするため、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)の排出速度を、有機物質成形体(x)による密度調整剤(a)の供給速度と同じにし、且つ、流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度を、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)以外の粉粒物(流動媒体用の粉粒物)の排出速度と同じにすることが好ましい。
次に、図3や図4の実施形態のように、有機物質成形体(x)に配合された密度調整剤(a)が不揮発性の物質であるために、流動層を形成する流動媒体(f)の一部を抜き出して系外に排出するとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を流動層に供給(補充)する場合における、流動媒体(f)のかさ密度ρfの定義(求め方)について説明する。
ここで、定常操業時において、流動層を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が一定になる(したがって流動媒体(f)のかさ密度ρfが一定になる)ようにするため、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)の排出速度を、有機物質成形体(x)による密度調整剤(a)の供給速度と同じにし、且つ、流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度を、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)以外の粉粒物(流動媒体用の粉粒物)の排出速度と同じにする場合について考える。
例えば、循環用管路16を有する図4の実施形態について、定常操業時における流動媒体及び密度調整剤に関する物質収支を図5のようにとると、流動層を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の質量分率(濃度)concに関して、下記(ia)式が導かれる。
Wp×A+conc×(Wf−Wout)=conc×Wf …(ia)
但し conc:流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
Wp:反応器内への有機物質成形体(x)の供給速度(kg/h)
A:有機物質成形体(x)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
Wf:循環用管路への流動媒体(f)の抜出速度(kg/h)
Wout:流動媒体(f)の系外への排出量(kg/h)
また、図3の実施形態の場合には、図4の実施形態のような循環用管路がないので、下記(ib)式が導かれる。
Wp×A=conc×Wout …(ib)
上記(ia)式又は(ib)式から下記(ii)式が導かれ、
conc=Wp×A/Wout …(ii)
よって、流動媒体(f)のかさ密度ρfは下記(1)式により算出できる。
ρf=conc×ρa+(1−conc)×ρm
ρf={ρa×(Wp×A)+ρm×Wout−ρm×(Wp×A)}/Wout …(1)
但し ρf:流動媒体(f)のかさ密度(g/cm
conc:流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
ρa:密度調整剤(a)のかさ密度(g/cm
Wp:反応器内への有機物質成形体(x)の供給速度(kg/h)
A:有機物質成形体(x)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
Wout:流動媒体(f)の系外への排出量(kg/h)
ρm:反応器に供給される流動媒体用の新規の粉粒物のかさ密度(g/cm
すなわち、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと上記(1)式により算出される流動媒体(f)のかさ密度ρfが比ρx/ρf=0.90〜1.10を満足するように、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxや流動媒体(f)のかさ密度ρfなどを調整すればよい。
上記(1)式により算出される流動媒体(f)のかさ密度ρfを調整する場合、例えば、ρa、ρm、Aが決まれば、Woutを調整することで流動媒体(f)のかさ密度ρfを調整することができる。一方、Woutを固定した場合には、ρa、A、ρmを調整することで流動媒体(f)のかさ密度ρfを調整することができる。このとき、反応器に供給される流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度Win(kg/h)と、Wp、A、Woutは下記(2)式の関係となる。
Win+Wp×A=Wout …(2)
なお、流動媒体(f)のかさ密度ρfと同様、密度調整剤(a)のかさ密度ρa、反応器に供給される流動媒体用の新規の粉粒物のかさ密度ρmはいずれも「ゆるみかさ密度」であり、その測定方法は、JIS K7365(プラスチック−規定漏斗から注ぐことのできる材料の見掛け密度の求め方)に準拠したものとする。
密度比ρx/ρfがガス状物質の生成量に及ぼす影響を調査するため、後述する実施例と同様にガス化実験を実施した。その結果を図6に示す。
実験条件は、流動媒体用の粉粒物として珪砂(かさ密度ρf:1.1g/cm)を用い、有機物質成形体(x)(廃プラスチック成形体)には、必要に応じて密度調整剤(a)として酸化鉄粉を添加して成形体密度を調整した。
このガス化実験では、図4に示す設備構成において、流動層式の反応器内に、流動化ガス(及び有機物質熱分解用ガス)としてH:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%のガス組成の混合ガスを172Nm/hの流量で供給するとともに、廃プラスチック成形体を880kg/hの供給速度で供給し、反応温度600℃で廃プラスチックの熱分解を行った。なお、反応器内の温度が急激に低下するのを防止するため、流動化ガス(及び有機物質熱分解用ガス)である混合ガスは、予熱器で430℃まで昇温した。
なお、このガス化実験での基本的な操業形態は、流動層を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度が一定になる(したがって流動媒体(f)のかさ密度ρfが一定になる)ようにするため、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)の排出速度を、有機物質成形体(x)による密度調整剤(a)の供給速度と同じにし、且つ、流動媒体用の新規の粉粒物の供給速度を、系外に排出される流動媒体(f)のなかの密度調整剤(a)以外の粉粒物(流動媒体用の粉粒物)の排出速度と同じにしたが、低い密度比ρx/ρfで操業を行う場合には、流動媒体(f)の系外への排出量を絞ることで、流動層を形成する流動媒体(f)中での密度調整剤(a)の濃度を高め(すなわち流動媒体(f)中において珪砂よりも重い酸化鉄粉の濃度を相対的に高める)、これにより流動媒体(f)のかさ密度ρfを高くして密度比ρx/ρfが低くなるようにした。
図6に示されるように、密度比ρx/ρfが0.90〜1.10の範囲でガス状物質の収量は著しく増大している。
次に、有機物質成形体(x)を得るための有機物質の圧縮成形方法について説明する。
有機物質(密度調整剤(a)を加えた有機物質の場合を含む)の圧縮成形方法に特段の制約はないが、押出し成形機(圧縮成形機)、プレス成形機などを用いた圧縮成形方法が好ましく、なかでも、連続的に成形体を製造できる点から、押出し成形機の使用が特に好ましい。
押出し成形機(圧縮成形機)にはリングダイ式、ピストン式、スクリュー式などがあるが、いずれでもよい。リングダイ式は大型化が容易で大量処理に適している。また、スクリュー式は、圧縮力を強くすることが比較的容易であり、特に2軸スクリュー型は単軸スクリュー型に較べて大きな圧縮力を作用させることが容易であることから、比較的硬質なものを成形する場合に適している。これらの押出し成形機は、圧縮成形する有機物質の種類や成形条件に合わせて最適のものを選択すればよい。
図7は、リングダイ式の押出し成形機と、これを用いた材料の圧縮成形の実施状況を模式的に示したものである。この押出し成形機は、全周に多数のダイス孔190(丸孔など)が貫設されたダイリング19と、このダイリング19の内側に、ダイリング内周面と接するようにして回転自在に配置された1つ以上の転動ローラ20と、前記ダイス孔190から押し出された成形物を切断し、ダイリング外周面から掻き落すためのカッター21とを備えている。なお、ダイリング19と転動ローラ20は、ともに図示しない装置本体に回転自在に支持されるが、ダイリング19は駆動装置により回転駆動するのに対して、転動ローラ20は無駆動のフリーのローラ体であり、ダイリング内周面との摩擦によりダイリング19の回転に伴って回転する。また、ダイス孔190の孔径は成形物の大きさ(径)に応じて決められるが、通常3〜20mm程度である。
このリングダイ式の押出し成形機では、ダイリング19が図中矢印方向に回転駆動し、これに伴って転動ローラ20も矢印方向に回転する。この状態で、ダイス孔径の大きさに応じて予め適当な大きさに破砕された廃プラスチックやバイオマス等の有機物質(及び密度調整剤)が、図示しない投入口からダイリング19の内部に投入され、この投入された材料は、転動ローラ20によってダイリング内周面との間で圧潰・圧縮されつつ(圧潰による破砕作用もある)、ダイリング19のダイス孔190内に押し込まれる。ダイス孔190内に押し込まれた材料は、ダイス孔190内を通過する過程で圧縮成形される。ダイス孔190内を通過した材料は、ダイリング19の外周面側に柱状の形で順次押し出され、この押し出された成形物がダイリング19の回転によってカッター21の位置まで来た時に、カッター21でダイリング19の外周面から掻き落され、これにより粒状の有機物質成形体が得られる。なお、材料がダイス孔190内を通過する過程で、材料とダイス孔内周面との摩擦熱により表面(ダイス孔内周面と接する面)のプラスチックやバイオマス等が部分的に溶融または軟化した状態となり、その後、ダイリング19の外周面側に押し出された際に固化し、この固化した材料をバインダーとする外殻が形成されるような場合もある。
本発明法で得られるガス状物質は、可燃成分が一酸化炭素とC1〜C4程度の炭化水素からなり、そのLHVは約4〜8Mcal/Nmで高い発熱量を有する。このため、本発明法で得られるガス状物質は気体燃料として好適であり、また、天然ガス代替として高炉の還元剤や焼結鉱製造プロセスの凝結剤などとしても使用できる。
・発明例1
精製サーモセレクト方式のガス化溶融炉(Thermoselect Waste Gasification and Reforming Process)から発生し、塩化水素などの不純物を除去した後の排ガス(以下、サーモガス(Purified synthesis gas)という。)に水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このためサーモガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じてサーモガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器を配置した。
サーモガスの平均組成は、H:31vol%、CO:33vol%、CO:30vol%、HO:<1vol%、N:6vol%であった。スチーム混合器に対してサーモガスを108Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを64Nm/h供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%であり、流量は172Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図2の実施形態にしたがい廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層の流動媒体用の粉粒物には珪砂(かさ密度ρf:1.1g/cm)を用いた。廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、図7に示されるリングダイ式の押出し成形機で得られたものであって、表2に示す廃プラスチック成形体(成形体密度:0.975g/cm)と同等のものに、密度調整剤(a)としてコールタールピッチを2質量%配合したものであり、成形体密度ρxを1.0g/cmとした。これにより、定常操業時における密度比ρx/ρfを0.91とした。なお、表2に示す廃プラスチック成形体を使用した場合には、定常操業時における密度比ρx/ρfは0.89である。
ここで、廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、直径7mm、長さ10mmの円柱状であり、したがって、長径は10mm、長径に対して直交する方向での最大幅は7mmである。また、コールタールピッチは、長径2mmの楕円状に近い形状で、粒子100個の平均アスペクト比は1.87であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、この反応器1内に混合ガス(g)を導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
本発明例では、生成したガス状物質の平均LHVは7.2Mcal/Nmであり、サーモガス(1.8Mcal/Nm)の4.0倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は756kg/hと高い値を示した。
・発明例2
製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
転炉ガスの平均組成は、H:1vol%、CO:65vol%、CO:15vol%、HO:1vol%、N:18vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを70Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを101Nm/h供給した後、ガス予熱器にて320℃まで予熱し、シフト反応器に導入した。シフト反応は発熱反応であり、シフト反応器温度は430℃まで上昇した。シフト反応後のガス組成は、H:26vol%、CO:0vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%であり、流量は171Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図4の実施形態(但し、ヒーター8を併用した実施形態)にしたがい廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層の流動媒体用の粉粒物には珪砂(かさ密度ρf:1.1g/cm)を用いた。廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、図7に示されるリングダイ式の押出し成形機で得られたものであって、表2に示す廃プラスチック成形体(成形体密度:0.975g/cm)と同等のものに、密度調整剤(a)として酸化鉄粉を2質量%配合したものであり、成形体密度ρxを1.06g/cmとした。本発明例では、廃プラスチック成形体の供給量を880kg/hとし、反応器1内の流動層2を形成する流動媒体(f)の系外排出量を1200kg/hとしたので、上記(1)式により計算される流動媒体(f)のかさ密度ρfは1.16g/cmとなる。これにより、定常操業時における密度比ρx/ρfを0.94とした。
ここで、廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、直径7mm、長さ10mmの円柱状であり、したがって長径は10mm、長径に対して直交する方向での最大幅は7mmである。また、酸化鉄粉は、長径1.5mmの球状に近い形状で、粒子100個の平均アスペクト比は1.08であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、反応器1内に混合ガス(g)を導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。廃プラスチック成形体の供給量に応じて、上記(2)式に見合う供給量で流動媒体用の新規の珪砂を供給した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
本発明例では、生成したガス状物質の平均LHVは5.7Mcal/Nmであり、転炉ガス(2.0Mcal/Nm)の2.9倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は772kg/hと高い値を示した。なお、循環用流路16による流動媒体(f)の還流量を0から1200kg/hの範囲で変動させたが、結果にはほとんど影響を与えなかった。
・発明例3
製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
転炉ガスの平均組成は、H:1vol%、CO:65vol%、CO:15vol%、HO:1vol%、N:18vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを70Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを101Nm/h供給した後、ガス予熱器にて320℃まで予熱し、シフト反応器に導入した。シフト反応は発熱反応であり、シフト反応器温度は430℃まで上昇した。シフト反応後のガス組成は、H:26vol%、CO:0vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%であり、流量は171Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図4の実施形態(但し、ヒーター8を併用した実施形態)にしたがい廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層の流動媒体用の粉粒物には珪砂(かさ密度ρf:1.1g/cm)を用いた。廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、図7に示されるリングダイ式の押出し成形機で得られたものであって、表2に示す廃プラスチック成形体(成形体密度:0.975g/cm)と同等のものに、密度調整剤(a)として酸化鉄粉を2質量%配合したものであり、成形体密度ρxを1.06g/cmとした。本発明例では、廃プラスチック成形体の供給量を880kg/hとし、反応器1内の流動層2を形成する流動媒体(f)の系外排出量を1200kg/hとしたので、上記(1)式により計算される流動媒体(f)のかさ密度ρfは1.16g/cmとなる。これにより、定常操業時における密度比ρx/ρfを0.94とした。
ここで、廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、直径7mm、長さ10mmの円柱状であり、したがって長径は10mm、長径に対して直交する方向での最大幅は7mmである。また、酸化鉄粉は、長径3mmの球状に近い形状で、粒子100個の平均アスペクト比は1.11であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、反応器1内に混合ガス(g)を導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。廃プラスチック成形体の供給量に応じて、上記(2)式に見合う供給量で流動媒体用の新規の珪砂を供給した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
本発明例では、生成したガス状物質の平均LHVは5.3Mcal/Nmであり、転炉ガス(2.0Mcal/Nm)の2.7倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は704kg/hと発明例2に比べるとやや低いものの、十分に高い値を示した。これは、発明例2に較べて密度調整剤(a)のサイズがやや大きいことによるものと推定される。なお、循環用流路16による流動媒体(f)の還流量を0から1200kg/hの範囲で変動させたが、結果にはほとんど影響を与えなかった。
・発明例4
製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
転炉ガスの平均組成は、H:1vol%、CO:65vol%、CO:15vol%、HO:1vol%、N:18vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを70Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを101Nm/h供給した後、ガス予熱器にて320℃まで予熱し、シフト反応器に導入した。シフト反応は発熱反応であり、シフト反応器温度は430℃まで上昇した。シフト反応後のガス組成は、H:26vol%、CO:0vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%であり、流量は171Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図4の実施形態(但し、ヒーター8を併用した実施形態)にしたがい廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層の流動媒体用の粉粒物には珪砂(かさ密度ρf:1.1g/cm)を用いた。廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、図7に示されるリングダイ式の押出し成形機で得られたものであって、表2に示す廃プラスチック成形体(成形体密度:0.975g/cm)と同等のものに、密度調整剤(a)としてアルミナを2質量%配合したものであり、成形体密度ρxを1.04g/cmとした。本発明例では、廃プラスチック成形体の供給量を880kg/hとし、反応器1内の流動層2を形成する流動媒体(f)の系外排出量を1200kg/hとしたので、上記(1)式により計算される流動媒体(f)のかさ密度ρfは1.14g/cmとなる。これにより、定常操業時における密度比ρx/ρfを0.91とした。
ここで、廃プラスチック成形体(有機物質成形体(x))は、直径7mm、長さ10mmの円柱状であり、したがって長径は10mm、長径に対して直交する方向での最大幅は7mmである。また、アルミナ粉は、長径2mmの細長い形状で、粒子100個の平均アスペクト比は4.00であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、反応器1内に混合ガス(g)を導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。廃プラスチック成形体の供給量に応じて、上記(2)式に見合う供給量で流動媒体用の新規の珪砂を供給した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
本発明例では、生成したガス状物質の平均LHVは5.3Mcal/Nmであり、転炉ガス(2.0Mcal/Nm)の2.7倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は、695kg/hと他の発明例に比べるとやや少ないものの、十分に高い値を示した。これは、密度調整剤(a)の形状がやや細長いことによるものと推定される。なお、循環用流路16による流動媒体(f)の還流量を0から1200kg/hの範囲で変動させたが、結果にはほとんど影響を与えなかった。
・比較例1
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。すなわち、使用したサーモガスの平均組成は、H:31vol%、CO:33vol%、CO:30vol%、HO:<1vol%、N:6vol%であり、このサーモガスをスチーム混合器に108Nm/h導入し、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを64Nm/h供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%であり、流量は172Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図2に示す設備構成において廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
廃プラスチックとして、表2に示す廃プラスチック成形体と同等のものを用いた。したがって、廃プラスチック成形体には密度調整剤を用いなかった。廃プラスチック成形体の成形体密度は0.975g/cmであった。流動層の流動媒体は珪砂(かさ密度1.1g/cm)を用いたため、定常操業時における密度比ρx/ρfは0.89であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、反応器1内に混合ガスを導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
この比較例では、生成したガス状物質の平均LHVは7.2Mcal/Nmであり、サーモガス(1.8Mcal/Nm)の4.0倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は556kg/hであり、発明例1に較べて小さい値を示した。
・比較例2
発明例2と同様に、製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
転炉ガスの平均組成は、H:1vol%、CO:65vol%、CO:15vol%、HO:1vol%、N:18vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを70Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを101Nm/h供給した後、ガス予熱器にて320℃まで予熱し、シフト反応器に導入した。シフト反応は発熱反応であり、シフト反応器温度は430℃まで上昇した。シフト反応後のガス組成は、H:26vol%、CO:0vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%であり、流量は171Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図4に示す設備構成(但し、ヒーター8を併用した設備構成)において廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
廃プラスチックとして、表2に示す廃プラスチック成形体と同等のものを用いた。したがって、廃プラスチック成形体には密度調整剤を用いなかった。廃プラスチック成形体の成形体密度は0.975g/cmであった。流動層の流動媒体は珪砂(かさ密度1.1g/cm)を用いたため、定常操業時における密度比ρx/ρfは0.89であった。
流動層式の反応器1はヒーター8により予め600℃に予熱されており、反応器1内に混合ガス(g)を導入するとともに、前記廃プラスチック成形体を880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、1日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。生成ガスの成分は実験開始後2時間程度で定常状態に達した。
実験中、生成ガスのLHVおよびガス状物質の生成量を測定した。
この比較例では、生成したガス状物質の平均LHVは5.7Mcal/Nmであり、転炉ガス(2.0Mcal/Nm)の2.9倍に増熱していた。ガス状物質の生成量は568kg/hであり、発明例2に較べて小さい値を示した。
以上の発明例1〜4及び比較例1、2の結果を表4に示す。
Figure 2020037679
1 反応器
2 流動層
3 分散板
4 風箱
5 ガス供給管
6 供給管
7 定量切出装置
8 ヒーター
9 ガス取出管
10 ガス洗浄装置
11 貯留槽
12 定量切出し装置
13 供給管
14 排出管
15 排出量制御装置
16 循環用管路
17 循環量制御装置
18 加熱装置
19 ダイリング
20 転動ローラ
21 カッター
160 流動媒体抜出口
161 流動媒体導入口
190 ダイス孔

Claims (9)

  1. 流動化ガスとして少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)が導入され、粉粒状の流動媒体(f)による流動層が形成された流動層式の反応器において、有機物質を混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
    有機物質を粒状又は塊状に圧縮成形した有機物質成形体(x)を反応器の上部から供給することで有機物質の熱分解を行うにあたり、
    定常操業時において、有機物質成形体(x)の成形体密度ρxと流動媒体(f)のかさ密度ρfがρx/ρf=0.90〜1.10を満足することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
  2. 有機物質成形体(x)は、有機物質に密度調整剤(a)を加えて圧縮成形したものであることを特徴とする請求項1に記載の有機物質の熱分解方法。
  3. 有機物質に不揮発性の密度調整剤(a)を加えて圧縮成形した有機物質成形体(x)を反応器に供給して有機物質の熱分解を行うにあたり、
    定常操業時において、反応器内の流動媒体(f)(但し、一部が密度調整剤(a)からなる流動媒体)の一部を抜き出して系外に排出するとともに、流動媒体用の新規の粉粒物を反応器に供給することを特徴とする請求項2に記載の有機物質の熱分解方法。
  4. 反応器内の流動媒体(f)の一部を反応器外に抜き出し、この抜き出した流動媒体(f)の一部を系外に排出するとともに、系外に排出されなかった流動媒体(f)を反応器に還流させることを特徴とする請求項3に記載の有機物質の熱分解方法。
  5. 流動媒体(f)のかさ密度ρfが下記(1)式により算出されることを特徴とする請求項3又は4に記載の有機物質の熱分解方法。
    ρf={ρa×(Wp×A)+ρm×Wout−ρm×(Wp×A)}/Wout …(1)
    但し ρf:流動媒体(f)のかさ密度(g/cm
    ρa:密度調整剤(a)のかさ密度(g/cm
    Wp:反応器内への有機物質成形体(x)の供給速度(kg/h)
    A:有機物質成形体(x)中での密度調整剤(a)の質量分率(−)
    Wout:反応器内の流動媒体(f)の系外への排出量(kg/h)
    ρm:反応器に供給される流動媒体用の新規の粉粒物のかさ密度(g/cm
  6. 密度調整剤(a)において[長径/長径に対して直交する方向での最大幅]をアスペクト比とした場合、密度調整剤(a)の平均アスペクト比が1〜3.5であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  7. 有機物質成形体(x)においてその長径に対して直交する方向での平均最大幅をD、密度調整剤(a)の平均長径をdとした場合、D/dが3〜300であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  8. 有機物質がプラスチック、バイオマスの中から選ばれる1種以上を含むものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  9. 有機物質成形体(x)は、有機物質に密度調整剤(a)を添加して混合し、押出し成形機を用いて柱状に圧縮成形したものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
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