JP2020037565A - オゾン微細気泡液及びオゾン微細気泡液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】口腔ケアを可能にし、微細気泡の直径及び濃度を適切に管理できると共に、オゾン微細気泡液を長期保存可能とし、しかも、殺菌効果に加え、臭気成分分解効果及び抗ウイルス効果を奏するオゾン微細気泡液及びそのオゾン微細気泡液の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の1つの態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、口腔ケア用のオゾン微細気泡液であって、前記オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であり、前記オゾン微細気泡液のオゾン濃度が4ppm以下まで希釈しても殺菌作用を有し、前記オゾン微細気泡液は1年以上の冷凍保存後のオゾン濃度が4ppm以上であり、前記オゾン微細気泡液は殺菌作用に加え、臭気成分分解作用及び抗ウイルス作用を有することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明はオゾン微細気泡液及びオゾン微細気泡液の製造方法に関する。
歯周病は、歯周組織が歯垢に含まれている歯周病菌に感染し、歯肉の腫れや出血が起こり、さらには歯が抜けてしまう、歯周組織に発生する疾病の総称である。歯周病菌は歯垢に含まれているため、歯周病の予防には細菌の塊である歯垢を除去することが大切である。歯垢を除去するためには日々の歯磨きが大切であるが、うがいによっても歯垢を除去する効果が期待できる。うがいの際にうがい薬を利用し、歯垢を除去する効果を高めることも知られている。
特許文献1には、うがいにオゾンナノバブル水又は酸素ナノバブル水を含む殺菌又は消毒用液体製剤を利用することにより、歯周病の臨床症状が改善されることが開示されている。また、オゾンナノバブル水又は酸素ナノバブル水は、殺菌作用又は消毒作用を有していることが開示されている。
特許文献2には、オゾン供給手段と、水に気体を溶解した溶解水を製造するための溶解製造装置と、この溶解水製造手段から供給された溶解水からマイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生ノズルと、このマイクロバブル発生ノズルから発生させたマイクロバブルのうがい水をコップへ供給する供給口を備えた容器とを備えている歯科用うがい水供給装置が開示されている。また、歯科用うがい水として、殺菌能力を有し、歯の処置時に口腔内の細菌の殺菌を行うことができるという効果があることが開示されている。
なお、本明細書では、直径が10μm〜数十μm以下の気泡のことをマイクロバブルと称し、直径が数百nm〜10μm以下の気泡のことをマイクロナノバブルと称し、また、直径が数百nm以下の気泡のことをナノバブルと称する。
上記特許文献1に開示されているオゾンナノバブル水又は酸素ナノバブル水を含む殺菌又は消毒用液体製剤では、殺菌作用又は消毒作用を有し、歯周病の臨床症状が改善されることが開示されているが、ナノバブルは計測が困難であることから管理が難しく、また、オゾンナノバブル水又は酸素ナノバブル水を含む殺菌又は消毒用液体製剤の保存方法や濃度管理方法については記載されていない。また、オゾンナノバブル水又は酸素ナノバブル水を含む殺菌又は消毒用液体製剤の具体的な用法はうがい以外に記載されていない。なお、特許文献1では、酸素ナノバブル水の気体の溶融酸素濃度は通常の水とほぼ同じレベルである。
また、上記特許文献2に開示されている歯科用うがい水供給装置は、歯科用うがい水として用いることにより歯の処置時に口腔内の細菌の殺菌を行うことができることは開示されているが、オゾンを含んだマイクロバブルのうがい水の濃度やその管理方法や、保存方法については記載されていない。オゾンを含んだマイクロバブルのうがい水の用法はうがい以外に記載されていない。
本発明の目的は、口腔ケアを可能にし、微細気泡の直径及び濃度を適切に管理できると共に、オゾン微細気泡液を長期保存可能とし、しかも、殺菌効果に加え、臭気成分分解効果及び抗ウイルス効果を奏するオゾン微細気泡液及びそのオゾン微細気泡液の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、
口腔ケア用のオゾン微細気泡液であって、
前記オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液のオゾン濃度が4ppm以下まで希釈しても殺菌作用を有し、
前記オゾン微細気泡液は1年以上の冷凍保存後のオゾン濃度が4ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液は殺菌作用に加え、臭気成分分解作用及び抗ウイルス作用を有することを特徴とする。
本発明において、オゾン微細気泡を用いて生成された液体をオゾン微細気泡液と呼ぶ(以下同様とする)。
また、本発明において、オゾン微細気泡のオゾン濃度のことを「オゾン濃度」と呼ぶ(以下同様とする)。
口腔ケア用のオゾン微細気泡液であって、
前記オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液のオゾン濃度が4ppm以下まで希釈しても殺菌作用を有し、
前記オゾン微細気泡液は1年以上の冷凍保存後のオゾン濃度が4ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液は殺菌作用に加え、臭気成分分解作用及び抗ウイルス作用を有することを特徴とする。
本発明において、オゾン微細気泡を用いて生成された液体をオゾン微細気泡液と呼ぶ(以下同様とする)。
また、本発明において、オゾン微細気泡のオゾン濃度のことを「オゾン濃度」と呼ぶ(以下同様とする)。
また、本発明の第2の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は常温で6か月以上の保存後のオゾン濃度が100ppm以上であることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1又は第2の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は歯周病病原細菌及び/又はう蝕原生細菌に対して殺菌効果を有することを特徴とする。
また、本発明の第4の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1〜第3のいずれかの態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は硫化水素、アンモニア、二硫化メチル、メチルメルカプタン、硫化メチル又はトリメチルアミンの少なくともいずれか1つに対して脱臭効果を有することを特徴とする。
また、本発明の第5の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1〜第4のいずれかの態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は口腔内上皮ないし粘膜に対して毒性を有しないことを特徴とする。
また、本発明の第6の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1〜第5のいずれかの態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は製造過程においてマイクロバブル、マイクロナノバブル及びナノバブルの中の少なくとも1種類の微細気泡を含むことを特徴とする。
また、本発明の第7の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1〜第6の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は製造過程において水に対してオゾンガスの微細気泡を含ませたものであることを特徴とする。
また、本発明の第8の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第1〜第7の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記オゾン微細気泡液は製造過程において無機水溶液に対してオゾンガスの微細気泡を含ませたものであることを特徴とする。
また、本発明の第9の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液は、第8の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液において、前記無機水溶液としては、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであることを特徴とする。
また、本発明の第10の態様のオゾン微細気泡液の製造方法は、
無機水溶液をオゾンと共に加圧手段により加圧し、オゾンガスを混合した無機水溶液を密閉容器内で撹拌した後に、バブル発生ノズルを通過させることにより微細気泡液を発生させるオゾン微細気泡液の製造方法であって、
前記ノズルのオリフィス、網部材、貫通孔、圧力解放室又は撹拌室の少なくとも1つは発生させるオゾン微細気泡液の仕様に応じて調整されており、かつ、
無機水溶液は、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであることを特徴とする
特徴とする。
無機水溶液をオゾンと共に加圧手段により加圧し、オゾンガスを混合した無機水溶液を密閉容器内で撹拌した後に、バブル発生ノズルを通過させることにより微細気泡液を発生させるオゾン微細気泡液の製造方法であって、
前記ノズルのオリフィス、網部材、貫通孔、圧力解放室又は撹拌室の少なくとも1つは発生させるオゾン微細気泡液の仕様に応じて調整されており、かつ、
無機水溶液は、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであることを特徴とする
特徴とする。
また、本発明の第11の態様のオゾン微細気泡液は、第10の態様のオゾン微細気泡液の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の第1の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液によって口腔ケアを可能である。オゾン微細気泡液によって口腔ケアが可能である。オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であり、オゾン微細気泡液のオゾン濃度が4ppm以下まで希釈しても殺菌作用を有するため、オゾン微細気泡液のオゾン濃度を適切に管理できる。また、オゾン微細気泡液は1年以上の冷凍保存後のオゾン濃度が4ppm以上であるため、オゾン微細気泡液を長期保存可能であり、しかも、殺菌効果に加え、臭気成分分解効果及び抗ウイルス効果を奏する口腔ケア用のオゾン微細気泡液することができる。
本発明の第2の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、常温で6か月以上の保存後のオゾン濃度が100ppm以上であるという長期の保存が可能となる。
本発明の第3の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液は歯周病病原細菌及び/又はう蝕原生細菌に対して殺菌効果を有するため、口腔ケアに適したオゾン微細気泡液を提供することができる
本発明の第4の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液は硫化水素、アンモニア、二硫化メチル、メチルメルカプタン、硫化メチル又はトリメチルアミンの少なくともいずれか1つに対して脱臭効果を有するものであるため、口腔ケアに適したオゾン微細気泡液を提供することができる。
本発明の第5の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液は口腔内上皮ないし粘膜に対して毒性を有しないため、口腔ケアに適したオゾン微細気泡液を提供することができ、かつ、人体に対する安全性が高く、環境に悪影響を及ぼす恐れが無い。
本発明の第6の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液は製造過程においてマイクロバブル、マイクロナノバブル及びナノバブルの中の少なくとも1種類の微細気泡を含むため、多様なサイズの微細気泡を利用することができる。
本発明の第7の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液は水に対してオゾンガスの微細気泡を含ませたものであるため、人体に対する安全性が高く、環境に悪影響を及ぼす恐れが無く、しかも、他の薬剤を使用することなく水を利用するため安価に製造できる。
本発明の第8の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、オゾン微細気泡液の製造過程において無機水溶液に対してオゾンガスの微細気泡を含ませることにより、適宜の濃度のオゾン微細気泡液を提供することができる。
本発明の第9の態様の口腔ケア用のオゾン微細気泡液によれば、無機水溶液としては、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであるので、様々な無機材料を用いて適宜の濃度のオゾン微細気泡液を提供することができる。
本発明の第10の態様のオゾン微細気泡液の製造方法によれば、ノズルの各部、すなわち、オリフィス、網部材、貫通孔、圧力解放室又は撹拌室等の寸法等の仕様を調整することによって、発生させる気泡を調整して、正規分布の中心値を変更することができるし、また、例えば正規分布以外の分布となる、適宜の濃度のオゾン微細気泡液を提供することができ、また、様々な無機材料を用いて適宜の濃度かつ適宜の粒径のオゾン微細気泡液を提供することができる。
本発明の第11の態様のオゾン微細気泡液によれば、第10の態様のオゾン微細気泡液の製造方法と同様な効果を奏するオゾン微細気泡液を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るオゾン微細気泡液を用いた口腔ケア方法、オゾン微細気泡液を用いた口腔ケアシステム、そのプログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体について詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するためのオゾン微細気泡液を用いた口腔ケア方法、オゾン微細気泡液を用いた口腔ケアシステム、そのプログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
[実施形態1]
図1〜図6を参照して、実施態様1に係るオゾン微細気泡液を用いた口腔ケア方法及びオゾン微細気泡液を用いた口腔ケアシステムについて説明する。
図1〜図6を参照して、実施態様1に係るオゾン微細気泡液を用いた口腔ケア方法及びオゾン微細気泡液を用いた口腔ケアシステムについて説明する。
図1は、実施形態1に係るオゾン微細気泡液を用いた口腔ケアシステムのグロック図である。システム10は、表示手段11、位相差顕微鏡を用いた細菌の状況の判定手段12及び電子カルテ手段14を備えている。電子カルテ手段14には、毎回の診察の電子カルテデータが保存されており、診察の際には表示手段11により、電子カルテ手段14に保存されている電子カルテの情報を表示することができる。
電子カルテの情報を参酌して、医師等は、オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段により、患者の歯石ないし歯垢の除去を行う。超音波スケーラーの先端には歯石ないし歯垢除去のために歯に接触させるチップが設けられており、このチップは例えば圧電素子によって約3万回/秒振動することにより、歯石ないし歯垢を除去するものである。超音波スケーラーにはオゾン微細気泡液を貯蔵するタンクが設けられており、タンクから超音波スケーラーのチップの先端にオゾン微細気泡液が供給されるように構成されている。
超音波スケーラーはオゾン微細気泡液の供給量を調整できるように構成されている。また、超音波スケーラーは出力が調整できるように構成されている。したがって、医師等は表示手段に表示された電子カルテの情報等も参酌しながら、歯垢除去の処置の状況に応じて、オゾン微細気泡液の供給量及び超音波スケーラーの出力を調整することができる。例えば、超音波スケーラーの出力を小さくすることにより、歯石ないし歯垢除去の処置中疼痛を低減し、また、歯面の損傷を低減することができる。
オゾン微細気泡液には、殺菌効果に加え、臭気成分分解効果及び抗ウイルス効果を有することから、超音波スケーラーによる通常の歯石ないし歯垢除去処置を行うことにより、同時に、歯肉縁下の殺菌を行うことができ、しかも、臭気成分分解効果及び抗ウイルス効果も奏することができる。
オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段15により歯石ないし歯垢の除去が終了した後には、位相差顕微鏡を用いた細菌の状況の判定手段12において、歯肉縁下から採取した検体(歯垢)について、細菌の数及び動き等の状況を確認し、細菌の状況を判定する。位相差顕微鏡は、回折格子の原理を応用し、位相のずれをコントラストとして検出するものであり、光学顕微鏡に対して、専用の位相差コンデンサーと位相差対物レンズが付加された構造を有している。標本を無染色のまま観察することができるため、位相差顕微鏡は生物細胞を観察する場合や臨床検査に多く用いられている。
位相差顕微鏡で検体を観察し、活発に動き回る細菌の数が少ないほど、また、細菌の動きが少ないほど、殺菌効果が認められる。自動判定による追加の処置の必要性の判断手段13においては、位相差顕微鏡で観察される細菌の動きをカメラを用いて動画として撮影し、画像認識することにより、自動的に細菌の動きを観察して、殺菌効果が認められるか否か、あるいは、さらに殺菌効果の程度を判断する。この場合、殺菌効果の程度を、複数段階として表現してもよいし、数値として表現してもよい。さらに、この殺菌効果を自動的に分析した上で、さらなる処置の必要性とその処置の内容を提示することもできる。
なお、殺菌効果を自動的に分析する際には、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末等の適宜の演算装置を用いることができる。また、動画として撮像した画像から、画像認識して、殺菌効果を分析し、さらなる処置の必要性とその処置の内容を提示する際には、AIを利用することができる。例えば、画像と殺菌効果と処置の内容とに関するデータセットを用いてニューラルネットワーク構築し、入力された画像に対して、殺菌効果の評価及び適切な処置内容を出力することができる。
自動判定による追加の処置の必要性の判断手段13による判断結果は、電子カルテ手段14に送られ、電子カルテに記録される。電子カルテに記憶される情報としては、判断手段13による最終的な判断結果だけでもよいし、これに加えて、例えば細菌の動きを分析した際のデータや細菌の動きを捉えた動画を含めてもよい。
判断手段13の判断結果は、表示手段11にも送られ、この判断結果が表示手段11に表示される。この時、表示される情報としては、判断手段13による最終的な判断結果だけでもよいし、これに加えて、例えば細菌の動きを分析した際のデータや細菌の動きを捉えた動画を含めてもよい。医師等は、この表示手段11に表示された情報、すなわち、殺菌効果が認められるか否か、殺菌効果の程度、さらなる処置の必要性やその処置の内容を参酌することにより、処置の方針を決定する。
図1のシステム10によれば、オゾン微細気泡液を、超音波スケーラーによる処置に用いることにより、超音波スケーラーによる歯石の除去や歯垢の除去と同時に歯周病菌の殺菌を行うことができるので、処置の手順を追加することなく、効果的な処置を行うことができる。特に、歯周病の治療又は歯周病の予防のために、有効である。
また、オゾン微細気泡液を超音波スケーラーの先端に供給しながら超音波スケーラーにより歯石ないし歯垢を除去する工程によって、オゾン微細気泡液を適切に供給することができる。また、位相差顕微鏡を用いることにより、細菌の数や動き等の状況を明確に確認することができるため、細菌の状況を確実に判定することができる。さらに、細菌の状況を含む、診断の結果をカルテに適切に記録することが可能であるので、カルテの記載内容を次回の診断で参酌することにより、適切な処置を実施できる。
また、細菌の状況を自動的に判定できるので、安定した判定基準に基づいて適切な判定が可能となる。これにより、追加の処置の必要性を明確に判断することができる。
さらに、電子カルテを用いることにより、カルテの管理を手間なく、適切に行うことができる。また、位相差顕微鏡で判定された細菌の状況は、電子カルテに自動的に記録されるので、確実かつ手間なく電子カルテに細菌の状況を含めた診断の結果を記録し、次回の診断の際に参照することができる。
図1では、オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段15は、システム10の外部の手段であるものとして説明されているが、本願発明はこれに特定されるものではなく、例えば、オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段15をシステム10の内部に組み込むことも可能である。この場合、オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段15は表示手段11からの情報により、例えば超音波スケーラーの出力やオゾン微細気泡液の量を自動的に調整することが可能になる。
表示手段には、電子カルテ手段14の情報及び自動判定による追加の処置の必要性の判断手段13からの情報が含まれているために、処置に必要とする超音波スケーラーの出力やオゾン微細気泡液の量を適切に設定することが可能である。例えば、判断手段13から、殺菌が不十分であることを示す判断結果が送られてきた場合には、超音波スケーラーの出力を高め、あるいは、オゾン微細気泡液の量を増加することができる。また、例えば電子カルテの情報から、殺菌効果が得やすいことが分っている場合には、超音波スケーラーの出力を低めに設定したり、あるいは、オゾン微細気泡液の量を少なめに調整したりすることもできる。なお、超音波スケーラーの出力やオゾン微細気泡液の量は、自動的に変更する前に、医師等の判断を得るようにすることもできる。
次に、オゾン微細気泡液の製造方法について説明する。微細気泡液の製造方法としては、例えばエジェクター方式、キャビテーション方式、旋回流方式及び加圧溶解法等が知られているが、本発明では、上記特許文献3(国際公開第2016/021523号)に示されている公知の技術を応用して、オゾン微細気泡液を製造している。
オゾン微細気泡液の製造方法について説明する。貯留槽に貯留されている無機水溶液をオゾンと共にポンプで吸引して、無機水溶液とオゾンとを両者が混合した状態で、密閉容器へ流入させる。オゾンを混合した無機水溶液は密閉容器内で撹拌され、バブル発生ノズルを通過させることにより、バブルを発生させる。
バブル発生ノズルは、連通穴及び当該連通穴に連続している大径の撹拌室を有するノズル本体と、有底円筒形状のカートリッジ本体とを有し、カートリッジ本体の開放側はノズル本体の連通穴に嵌合されている。カートリッジ本体の開放側には、微細目の網部材及び複数の小孔を有するオリフィスが順に設けられており、カートリッジ本体の底面と網部材との間には圧力解放室が設けられている。一方、カートリッジ本体の底面側の側壁には圧力解放室と撹拌室との間を連通する、オリフィスの小孔よりも小径の貫通孔が複数設けられている。
オゾンを混合した無機水溶液はオリフィスを通過すると圧力が解放されることにより、オゾンの微細気泡が発生し、この微細気泡は網部材によってさらに微細化される。圧力解放室へ噴射されたオゾンを含む無機水溶液は、圧力解放室において圧力が解放されるため、さらに微細気泡が発生し、圧力解放室の底面に衝突することにより、気泡はさらに微細化される。次に、オゾンを含む無機水溶液は、貫通孔を通過して撹拌室へ噴射される際に、圧力の開放によってさらに微細な気泡が発生し、撹拌室における撹拌作用によって気泡はさらに微細化され、ノズルの先端から貯留槽に噴射される。このようにして連続してポンプでオゾンを含んだ無機水溶液を吸引し、ノズルにおいて微細気泡を発生させることにより、貯留槽内にオゾン微細気泡液を生成する。
ポンプでオゾンを含んだ無機水溶液をノズルに循環させる時間を調整することにより、オゾン微細気泡液のオゾン濃度を適宜調整することができる。本願ではオゾン微細気泡液のオゾン濃度は、100ppm以上に調整されている。
オリフィス、網部材、貫通孔、圧力解放室及び撹拌室の各部の寸法等の仕様を調整することによって、あるいは、熱交換器を設けて温度を調整することによって、微細気泡の大きさを調整することができる。本発明では、直径が10μm〜数十μm以下のマイクロバブル、直径が数百nm〜10μm以下のマイクロナノバブル、及び、直径が数百nm以下のナノバブルの中の1つ以上の微細気泡を発生させることができる。
無機水溶液としては、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがり等の無機成分を含有するものが例示されるが、特にこれに特定されるものではなく、純水や精製水や常水であってもよい。
図2は、オゾン微細気泡液の微細気泡の直径の分布を示す概念図である。オゾン微細気泡液の微細気泡粒の直径の分布は正規分布状となっており、好ましくは微細気泡は直径が50μm以下の気泡を全気泡中の少なくとも50%含んでおり、さらに好ましくは、微細気泡は直径が50μm以下の気泡を少なくとも90%含んでいる。また、微細気泡は直径が10μm以下の気泡をも含んでいる。さらに、直径が数百nm以下の気泡を用いることも可能である。歯周病菌は1μm以下のものが多いが、微細気泡は歯周病菌の大きさに対して十分に小さいため、微細気泡粒を歯周病菌が存在する部位まで行き渡らせることができる。
なお、気泡の粒径の測定には、公知の粒子径分布測定装置を用いているが、現状では100nm以下のナノバブルの分布について正確に把握することは困難である。今後、ナノバブルの測定技術が進歩した場合には、より微細なナノバブルを正確に測定できることができるため、100nm以下、特に50nm以下のナノバブルの粒径分布まで正確に把握することができることが期待できるが、この場合には、直径が50μm以下の気泡及び/又は直径が10μm以下の気泡が全気泡中に含まれる割合は、さらに大きくなることが予想される。
なお、オゾン微細気泡液の微細気泡は、前述のとおり、マイクロバルブ、マイクロナノバブル、又は、ナノバブルを含むものとすることも可能である。また、図2は、オゾン微細気泡液の微細気泡粒の直径の分布の一例を示したもので、本発明のオゾン微細気泡液の微細気泡粒の直径の分布はこれに特定されるものでなく、例えばノズルの各部の寸法等の仕様を調整することによって、あるいは、熱交換器を設けて温度を調整することによって、発生させる気泡を調整して、正規分布の中心値を変更することができるし、また、例えば正規分布以外の分布となっていても構わない。
図3には、実施形態1のオゾン微細気泡液の殺菌効果を確認するために、2つの位相差顕微鏡写真を示す。左側は超音波スケーラーと共に精製水を用いた場合の写真、右側は超音波スケーラーと共にオゾン微細気泡液を用いた場合の写真である。右側の写真の場合には、製造過程において精製水に対してオゾン微細気泡液の原液を10倍に希釈して混入したものを用いた。いずれの場合にも、歯肉縁下から検体を採取し、プレパラートへ移設して位相差顕微鏡にセットして細胞の状況を観察した。
図3の左の写真において、活発に動き回る細胞には白丸を付した。なお、写真に写っている円盤状の物質は、赤血球である。左の写真においては、多数の細胞が活発に動き回っていることが分る。これに対して、図2の右の写真には、活発に動き回る細胞はないため、白丸は付されていない。図2の右の写真では、部分的にごくわずかに動く細胞が認められるたが、全体的には細菌の動きはなく、殺菌効果が認められる。
実施形態1のオゾン微細気泡液の特徴について説明する。オゾン微細気泡液の微細気泡は電荷を帯びていて、微細気泡同士は反発する。このため、微細気泡は結合しないため、高濃密な微細気泡を製造することができる。また、オゾン微細気泡液の微細気泡は、上昇速度が非常に小さく、長期間水中に滞在することができる。このため、オゾン微細気泡液を長期間保存することができる。例えば、常温で製造から6か月以上経過しても、オゾン微細気泡液のオゾン濃度は、KI法による測定で100ppm以上に維持されている。また、オゾン微細気泡液は冷凍保存することも可能である。オゾン微細気泡液の原液(100ppm以上)を−20℃で1年間保存した場合には、オゾン濃度は約4ppmを維持していた。なお、後述のとおり、殺菌効果の観点からは、常温保存と冷凍保存のいずれの場合でも、オゾン微細気泡液のオゾン濃度は、0.1ppm以上であればよく、好ましくは1ppm以上であり、より好ましくは4ppm以上であるとよく、さらに常温保存による6か月の保存後のオゾン濃度は、必ずしも100ppm以上に維持される必要はなく、例えば4ppm以上であれば好ましく、より好ましくは10ppm以上であり、さらに好ましくは50ppm以上であり、さらに好ましくは80ppm以上であればよい。
オゾン微細気泡液は、細菌やウイルスを不活性することができ、また、有害な化学物質を分解することも可能である。さらに、オゾン微細気泡液に含まれるオゾンによる殺菌や脱臭の効果との相乗効果により、より高い、殺菌、脱臭等の効果が奏される。これにより、オゾン微細気泡液を用いると、細菌やウイルスを不活性、殺菌や脱臭の効果を奏する。
また、超音波スケーラーの超音波振動によりキャビテーションが発生すると、オゾン微細気泡液の殺菌効果をさらに高めることができる。このため、オゾン微細気泡液を供給して超音波スケーラーを使用することにより、高い殺菌効果を奏し、ウイルスに対しても有効で、かつ、脱臭効果も奏する。
また、実施形態1のオゾン微細気泡液は、
(1)耐性菌としての多剤耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、バンコマイシン耐性腸球菌(Enterococcus faecalis, E. faecium)、多剤耐性緑膿菌(Pseudonomas aeruginosa)、
(2)歯周病病原細菌としてのP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)、P.i.菌(Prevotella intermedia)、A.a.菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)、F.n.菌(Fusobacterium nucleatum)、及び、
(3)う蝕原性細菌としてのストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)
にも殺菌効果を奏する。
(1)耐性菌としての多剤耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、バンコマイシン耐性腸球菌(Enterococcus faecalis, E. faecium)、多剤耐性緑膿菌(Pseudonomas aeruginosa)、
(2)歯周病病原細菌としてのP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)、P.i.菌(Prevotella intermedia)、A.a.菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)、F.n.菌(Fusobacterium nucleatum)、及び、
(3)う蝕原性細菌としてのストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)
にも殺菌効果を奏する。
実施形態1のオゾン微細気泡液のオゾン濃度を4ppmまで希釈しても殺菌効果を有するが、さらに、0.1ppmまで希釈した場合にも殺菌効果を奏した。表1には、殺菌試験によるオゾン微細気泡液の効果が示されている。ECは大腸菌(グラム陰性菌)、SAは黄色ブドウ球菌(グラム陽性菌)、BSは枯草菌(芽胞)、CAはカンジタ症(酵母様真菌)、AFはアフラトキシン(真菌)を表す。EC、SA、BS、CAは感受性が高く0.1%濃度にて殺菌効果を奏した。AFは抵抗性が高いが1%濃度にて殺菌効果を奏した。オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であるから、オゾン微細気泡液のオゾン濃度は0.1ppm以上であればよく、好ましくは1ppm以上であり、より好ましくは4ppm以上とするとよい。
表2には、抗ウイルス試験によるオゾン微細気泡液の効果が示されている。表2では、鳥インフルエンザウイルH5N3型に対する効果を検証した。材料としては、鳥インフルエンザウイルH5N3型と10日齢発育鶏卵を用いた。まず、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10倍に希釈したウイルス0.1mLを滅菌PBSで100倍に希釈した実施形態1のオゾン微細気泡液0.9mLに加え、10分反応させる。次に、この混合液を10倍ずつ段階希釈し、各希釈段階の液をそれぞれ3個の発育鶏卵の漿尿膜腔内に0.1mLずつ接種した。次に、この発育鶏卵を37℃、48時間培養した後、赤血球凝集試験によりウイルス増殖の有無を確認し、ウイルス感染価をReed and Muenchの方法により算出した。表2において、累積陽性はいずれも0であり、また、累積陽性率はいずれも0となり、オゾン微細気泡液のウイルス感染価は、10−0.5EID50/0.1mL>となった。
図4には、殺菌の即効性試験によるオゾン微細気泡液の効果を示す。図4は、濃度0.9%の食塩水と、殺菌洗口液のコンクール(登録商標)の濃度0.2%の水溶液と、実施形態1のオゾン微細気泡液とを比較したものである。細菌の数が10個以下になるまで殺菌するのに要した時間は、コンクールでは5分程度要するのに対し、実施形態1のオゾン微細気泡液は1分以下であり、実施形態1のオゾン微細気泡液は即効性があることが分った。
図5には、口臭予防試験によるオゾン微細気泡液の効果を示す。図5は、匂い成分として硫化水素、アンモニア・二硫化メチル、メチルメルカプタン、硫化メチル及びトリメチルアミンに対する、実施形態1のオゾン微細気泡液の脱臭効率を示している。実施形態1のオゾン微細気泡液は、数秒で臭気成分と反応し、匂いの元から分解していることが分る。さらに、実施形態1のオゾン微細気泡液は、匂いの原因である細菌を殺菌することができるので、口臭予防効果が高いことが分る。
また、実施形態1のオゾン微細気泡液の安全性は確認されている。例えば、ラットに100ppm以上の高濃度の原液2000mg/kgを14日間、経口投与した実験により、ラットに異常はみられないことから、実施形態1のオゾン微細気泡液の安全性は確認されている。また、口腔内上皮・粘膜安全性試験により、実施形態1のオゾン微細気泡液は、毒性が無いことが実証されている。
図6には、コンクール(登録商標)と比較した安全性試験の結果を示す。(a)及び(b)は、コンクールの有効成分であるクロルヘキシジンについての組織細胞の生存率である。(a)と(b)では異なる組織細胞を用いている。(c)及び(d)は、実施形態1のオゾン微細気泡液についての組織細胞の生存率である。(c)及び(d)は、それぞれ(a)及び(b)と同じ組織細胞を用いている。クロルヘキシジンの場合には、(a)及び(b)は共に、経時的に細胞毒性があることが示されており、組織細胞50%生存率は(a)の場合は10.8時間、(b)の場合は8.4時間であった。これに対して、実施形態1のオゾン微細気泡液の場合には、(c)及び(d)に示されているように、経時的な細胞毒性は認められないため、本発明の安全性が示されている。
表3には、リステリン(登録商標)と比較した安全性試験の結果を示す。生細胞数が半減する時間は、リステリンでは口腔上皮で6.2時間、口腔粘膜で1.1時間であるのに対し、実施形態1のオゾン微細気泡液では口腔上皮で24時間以上、口腔粘膜で24時間以上となっていることから、本発明の安全性が示されている。
[実施形態2]
実施形態2に係るオゾン微細気泡液をうがい液として用いる方法について説明する。実施形態2で用いるオゾン微細気泡液は、実施形態1で用いるオゾン微細気泡液と同一であるので、共通する事項については説明を省略する。
実施形態2に係るオゾン微細気泡液をうがい液として用いる方法について説明する。実施形態2で用いるオゾン微細気泡液は、実施形態1で用いるオゾン微細気泡液と同一であるので、共通する事項については説明を省略する。
実施形態2のオゾン微細気泡液をうがい液として用いる方法によれば、オゾン微細気泡液をうがい液として用いることにより、簡単で手軽な方法で、しかも、殺菌効果の高い口腔ケアを行うことができる。実施形態2のオゾン微細気泡液をうがい液として用いる方法で得られる効果は、実施形態1の場合と同様である。
また、実施形態2のオゾン微細気泡液を用いてうがいを行った結果、歯周病患者の歯周組織のポケットの深さが大きく改善された。例えば、4週間後、8週間後の平均ポケット深さが0.3mm程度改善された。
また、実施形態2のオゾン微細気泡液を用いてうがいを行うことにより、口内炎に対する鎮痛効果が有り、炎症改善効果も確認された。
[実施形態3]
実施形態3では、オゾン微細気泡液を用いてブラッシングする方法をについて説明する。実施形態3で用いるオゾン微細気泡液は、実施形態1又は実施形態2で用いるオゾン微細気泡液と同一であるので、共通する事項については説明を省略する。
実施形態3では、オゾン微細気泡液を用いてブラッシングする方法をについて説明する。実施形態3で用いるオゾン微細気泡液は、実施形態1又は実施形態2で用いるオゾン微細気泡液と同一であるので、共通する事項については説明を省略する。
実施形態3のオゾン微細気泡液を用いたウォーターブラッシングの方法は、次のとおりである。
(1)コップに実施形態3のオゾン微細気泡液を入れ、水、例えば水道水等で10倍〜20倍程度に希釈する。
(2)上記(1)の希釈液に歯ブラシを浸すことにより、歯ブラシにこの希釈液を含ませる。
(3)上記(2)で希釈液を含ませた歯ブラシを、歯と歯茎の間、すなわち、歯周ポケットに対して、約45度となるような角度で押し当てる。
(4)上記(3)の状態で、歯周ポケットに押し当てた歯ブラシを軽く揺する。この時、歯ブラシをスライドさせるのではなく、歯ブラシを揺することによって、歯周ポケットにある菌を取り除くことができる。
(5)2回目以降、歯ブラシに希釈液を含ませる際には、歯ブラシを水、例えば水道水でゆすいだ後に、希釈液を含ませる。以下、上記(2)〜(4)の工程を、全ての歯についてウォーターブラッシングが終わるまで繰り返す。
(6)ウォーターブラッシングが終わった後に、歯ブラシに市販の歯磨き粉を付けて歯を研磨する。
(1)コップに実施形態3のオゾン微細気泡液を入れ、水、例えば水道水等で10倍〜20倍程度に希釈する。
(2)上記(1)の希釈液に歯ブラシを浸すことにより、歯ブラシにこの希釈液を含ませる。
(3)上記(2)で希釈液を含ませた歯ブラシを、歯と歯茎の間、すなわち、歯周ポケットに対して、約45度となるような角度で押し当てる。
(4)上記(3)の状態で、歯周ポケットに押し当てた歯ブラシを軽く揺する。この時、歯ブラシをスライドさせるのではなく、歯ブラシを揺することによって、歯周ポケットにある菌を取り除くことができる。
(5)2回目以降、歯ブラシに希釈液を含ませる際には、歯ブラシを水、例えば水道水でゆすいだ後に、希釈液を含ませる。以下、上記(2)〜(4)の工程を、全ての歯についてウォーターブラッシングが終わるまで繰り返す。
(6)ウォーターブラッシングが終わった後に、歯ブラシに市販の歯磨き粉を付けて歯を研磨する。
実施形態3のウォーターブラッシングを行うことにより、歯肉縁上の歯垢だけでなく、歯周ポケット内の歯垢、すなわち、歯肉縁下の歯垢までも取り除くことができる。さらに、実施形態3のオゾン微細気泡液は殺菌効果等、実施形態1の場合と同様の効果が奏するため、ウォーターブラッシングを行うことにより歯周病予防や、口臭予防等の効果が得られる。さらに、オゾン微細気泡液には有効な殺菌効果があるため、ウォーターブラッシングを毎日行わなくとも、口臭改善効果が得られる。
10 システム
11 表示手段
12 位相差顕微鏡を用いた細菌の状況の判定手段
13 自動判定による追加の処置の必要性の判断手段
14 電子カルテ手段
15 オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段
11 表示手段
12 位相差顕微鏡を用いた細菌の状況の判定手段
13 自動判定による追加の処置の必要性の判断手段
14 電子カルテ手段
15 オゾン微細気泡液を用いた超音波スケーラーによる歯石ないし歯垢の除去手段
Claims (11)
- 口腔ケア用のオゾン微細気泡液であって、
前記オゾン微細気泡液の原液のオゾン濃度は100ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液のオゾン濃度が4ppm以下まで希釈しても殺菌作用を有し、
前記オゾン微細気泡液は1年以上の冷凍保存後のオゾン濃度が4ppm以上であり、
前記オゾン微細気泡液は殺菌作用に加え、臭気成分分解作用及び抗ウイルス作用を有することを特徴とする口腔ケア用のオゾン微細気泡液。 - 前記オゾン微細気泡液は常温で6か月以上の保存後のオゾン濃度が100ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は歯周病病原細菌及び/又はう蝕原生細菌に対して殺菌効果を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は硫化水素、アンモニア、二硫化メチル、メチルメルカプタン、硫化メチル又はトリメチルアミンの少なくともいずれか1つに対して脱臭効果を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は口腔内上皮ないし粘膜に対して毒性を有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は製造過程においてマイクロバブル、マイクロナノバブル及びナノバブルの中の少なくとも1種類の微細気泡を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は製造過程において水に対してオゾンガスの微細気泡を含ませたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記オゾン微細気泡液は製造過程において無機水溶液に対してオゾンガスの微細気泡を含ませたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 前記無機水溶液としては、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであることを特徴とする請求項8に記載の口腔ケア用のオゾン微細気泡液。
- 無機水溶液をオゾンと共に加圧手段により加圧し、オゾンガスを混合した無機水溶液を密閉容器内で撹拌した後に、バブル発生ノズルを通過させることにより微細気泡液を発生させるオゾン微細気泡液の製造方法であって、
前記ノズルのオリフィス、網部材、貫通孔、圧力解放室又は撹拌室の少なくとも1つは発生させるオゾン微細気泡液の仕様に応じて調整されており、かつ、
無機水溶液は、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンから選択される少なくとも1種類のイオンを含むもの、にがりを含有するもの、又はこれらを混合したもののいずれか1つであることを特徴とするオゾン微細気泡液の製造方法。 - 請求項10に記載のオゾン微細気泡液の製造方法により製造されたことを特徴とするオゾン微細気泡液。
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