JP2020037525A - ジチオカルバミン酸化合物、有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物 - Google Patents

ジチオカルバミン酸化合物、有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 油溶性、及び摩擦低減性に優れる有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物を提供する。【解決手段】 下記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物から合成される有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物を用いる。【化1】[上記式(1)中のR1は、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]【選択図】 なし

Description

本発明は、ジチオカルバミン酸化合物、有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物に関するものである。
近年、環境問題の中でも地球温暖化に影響を及ぼす炭酸ガスの削減が強く求められている。自動車分野は炭酸ガス排出源の約1/5を占め、炭酸ガス削減に向けた燃費向上に関する取組みが活発に行われている。自動車分野における燃費向上技術は、エンジン損失、補機類損失、駆動系損失、及び転がり抵抗、空気抵抗、慣性抵抗からなる走行抵抗等の損失低減に整理され、様々な技術を組み合わせることで燃費向上を実現している。エンジン損失には、摩擦損失も含まれ、エンジンや駆動系の損失低減には、機械的な要素の他に、エンジンオイル等による摩擦損失低減がある。
エンジンオイルによる摩擦損失低減は、もっぱらオイルの粘度を下げて流動抵抗を減らすアプローチが主流となっている。しかし、単純な低粘度化では、油膜が薄くなり、通常粘度のオイルで流体潤滑領域であった速度域でも、低粘度オイルでは境界潤滑領域となり、逆に摩擦が増大し摩擦損失を生じたり、摩耗による機械の損傷を引き起こしたりする要因となる。そのため、低燃費エンジンオイルには、これらの摩擦や摩耗を小さくする目的で様々な添加剤が配合されている。
低燃費エンジンオイルに添加される摩擦低減剤は、金属面に吸着し被膜を形成することにより、金属同士の直接接触を防止し、摩擦を低減する。有機モリブデン系の摩擦低減剤が知られており、1分子中に2個のモリブデン原子を含む2核の有機モリブデン錯体(例えば、特許文献1、及び2)が提案されている。また、1分子中に1個のモリブデン原子を含む単核の有機モリブデン錯体(例えば、特許文献3、及び4)が提案されている。
特公昭45−24562号公報 特開2013−014775号公報 特開2008−189562号公報 特開2008−266303号公報
特許文献1に記載された有機モリブデン錯体は、リンを含むため、高温下で金属を腐食したり、また、排ガス触媒を被毒したりする恐れがある。また、特許文献2に示される有機モリブデン錯体は、油溶性が十分ではなくオイルへ溶解させるには分散剤の添加が必要等の課題があった。さらに、特許文献3、及び4で示される単核の有機モリブデン錯体は、摩擦低減性や油溶性が必ずしも十分ではない等の課題があった。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、リンを含まず、かつ油溶性、及び摩擦低減性に優れる有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のジチオカルバミン酸化合物から合成した有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物が、油溶性、及び摩擦低減性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含むものである。
[1]下記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物。
Figure 2020037525
[上記式(1)中のR1は、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]
[2]上記式(1)中のR1が、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする上記[1]に記載のジチオカルバミン酸化合物。
[3]上記式(1)中のR1が、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることを特徴とする上記[1]、又は[2]に記載のジチオカルバミン酸化合物。
[4]下記式(2)で示されるアミン化合物と二硫化炭素を混合して反応させることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のジチオカルバミン酸化合物の製造方法。
Figure 2020037525
[上記式(2)中のR2は、炭素数6〜50の炭化水素基を表す。]
[5]下記式(3)、又は(4)で示される有機モリブデン錯体。
Figure 2020037525
[上記式(3)中のR3、及びR4は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X1〜X4は、各々独立して、硫黄原子、又は酸素原子を表す。]
Figure 2020037525
[上記式(4)中のR5、R6、及びR7は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X5〜X8は、各々独立して、硫黄原子、又は酸素原子を表す。]
[6]上記式(3)中のR3、及びR4、並びに上記式(4)中のR5が、各々独立して、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であり、上記式(4)中のR6、及びR7が、各々独立して、炭素数8〜18のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする[5]に記載の有機モリブデン錯体。
[7]上記式(3)中のR3、及びR4、並びに式(4)のR5が、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であり、式(4)のR6、及びR7が、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることを特徴とする[5]、又は[6]に記載の有機モリブデン錯体。
[8]上記式(3)中のX1、及びX2が酸素原子であり、X3、及びX4が硫黄原子であり、上記式(4)中のX5、及びX6が酸素原子であり、X7、及びX8が硫黄原子であることを特徴とする[5]〜[7]のいずれかに記載の有機モリブデン錯体。
[9]少なくとも、(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)下記式(1)
Figure 2020037525
[上記式(1)中のR1は、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]
で示されるジチオカルバミン酸化合物を、混合して加熱することを特徴とする[5]〜[8]のいずれかに記載の有機モリブデン錯体の製造方法。
[10][5]〜[8]のいずれかに記載の有機モリブデン錯体を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
[11]亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤を更に含有することを特徴とする[10]に記載の潤滑油組成物。
本発明によれば、油溶性、及び摩擦低減性に優れる有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物が提供される。なお、本発明の有機モリブデン錯体は、リンを含まず、環境負荷が小さいという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のジチオカルバミン酸化合物は、上記式(1)で示されることを特徴とする。
なお、後述する通り、上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物は、式(2)で示されるアミン化合物から製造することができる
上記式(1)中のR1、及び上記式(2)中のR2は、炭素数6〜50の炭化水素基を表す。
上記の炭素数6〜50の炭化水素基は、特に限定するものではないが、例えば、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、又は炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、又はメチルシクロヘプチル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、又はメチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、又はβ−ナフチル基等が挙げられる。
これらの中でも上記式(1)中のR1、及び上記式(2)中R2は、油溶性に優れる点で、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることが好ましく、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、炭素数12〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、油溶性に優れることからドデシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
上記式(1)中のA1は、水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。特に限定するものではないが、合成が簡便な点から、ナトリウム原子、又はカリウム原子であることが好ましい。
一般式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
Figure 2020037525
また、一般式(2)で示されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
Figure 2020037525
上記の式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物は、上記式(2)で示されるアミン化合物と二硫化炭素を混合して反応させる製造方法によって得ることができる。
上記の本発明の製造方法において、用いられるアミン化合物は、上記式(2)で示され、公知の製造方法で合成したものを使用することができる。公知の製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、ピペラジンとハロゲン化炭化水素との付加反応により合成する方法等を挙げることができる。
上記の本発明の製造方法において、アミン化合物と二硫化炭素の混合比率としては、特に限定されるものではないが、アミン化合物 1.0モルに対して、二硫化炭素が0.8モル〜1.5モルの範囲であることが好ましく、二硫化炭素が1.0モル〜1.2モルの範囲であることが特に好ましい。
上記の本発明の製造方法において、塩基性化合物を用いることができ、特に限定されるものではないが、当該塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、及びナトリウムエトキシド等の塩基性物質を挙げることができる。これらの中でも、良好な収率で目的物を得られることから、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムが好ましい。
上記の本発明の製造方法において、溶媒を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、又はパラフィン等の炭化水素系有機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、又はプロピレングリコール等のアルコール系有機溶媒、アセトン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水等を挙げることができる。また、これらのうち1種、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、除去が容易で良好な収率で目的物を得られることから、水、メタノール、エタノール、又はテトラヒドロフランが好ましい。
上記の本発明の製造方法において、反応温度は、特に限定されるものではないが、−50℃〜100℃の範囲が好ましく、良好な収率で目的物を得られることから、−20℃〜50℃の範囲がより好ましい。
上記の本発明の製造方法において、アミン化合物と二硫化炭素の混合方法としては、特に限定されるものではないが、アミン化合物へ二硫化炭素を一括で混合する方法や、アミン化合物へ希釈した二硫化炭素を滴下して加える方法等を挙げることができる。これらの中でも、良好な収率で目的物を得られることから、アミン化合物へ希釈した二硫化炭素を滴下して加える方法が好ましい。
上記の本発明の製造方法において、本発明のジチオカルバミン酸化合物を製造することができるが、必要に応じて、上記反応終了後、本発明のジチオカルバミン酸化合物中の未反応の原料や副生物を除去する精製工程を設けても良い。特に限定するものではないが、精製方法としては、例えば、抽出、濾過、結晶化、蒸留、又は各種クロマトグラフィー等、通常用いられる精製法を単独、又は適宜組み合わせて適用することもできる。
本発明の有機モリブデン錯体は、上記式(3)、又は(4)で示されることを特徴とする。
上記式(3)中のR3、及びR4、並びに上記式(4)中のR5、R6 、及びR7は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表す。
上記の炭素数6〜50炭化水素基は、特に限定するものではないが、例えば、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、又は炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、又はメチルシクロヘプチル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、又はメチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、又はβ−ナフチル基等が挙げられる。
これらの中でも上記式(3)中のR3、及びR4は、油溶性に優れることから、各々独立して、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることが好ましく、各々独立して、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、各々独立して、炭素数12〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、油溶性に優れることから、各々独立して、ドデシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
上記式(3)中のR3、及びR4は、同じ基であってもよく、それぞれ別の基であってもよく、特に限定するものではないが、合成が簡便な点から、同じ基であることが好ましい。
上記式(4)中のR5は、油溶性に優れることから、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることが好ましく、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、炭素数12〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、油溶性に優れることからドデシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
上記式(4)中のR6、及びR7は、油溶性に優れる点で、各々独立して、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることが好ましく、各々独立して、炭素数6〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、各々独立して、炭素数8〜18のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
上記式(4)中のR5、R6、及びR7は、同じ基であってもよく、それぞれ別の基であってもよく、特に限定するものではないが、合成や入手が容易なことから、少なくともR6、及びR7は、同じ基であることが好ましい。
上記式(3)中のX1〜X4は、それぞれ硫黄原子、又は酸素原子を表し、X1〜X4は、それぞれいずれの組合せでも良い。X1〜X4については、特に限定するものではないが、摩擦低減性と金属腐食性のバランスに優れることから、X3、及びX4は硫黄原子であることが好ましく、X3、及びX4が硫黄原子であり、X1、及びX2が酸素原子である組合せがより好ましい。
上記式(4)中のX5〜X8は、それぞれ硫黄原子、又は酸素原子を表し、X5〜X8は、それぞれいずれの組合せでも良い。X5〜X8については、特に限定するものではないが、摩擦低減性と金属腐食性のバランスに優れることから、X7、及びX8は硫黄原子であることが好ましく、X7、及びX8が硫黄原子であり、X5、及びX6が酸素原子である組合せがより好ましい。
一般式(3)で示される有機モリブデン錯体としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
Figure 2020037525
一般式(4)で示される有機モリブデン錯体としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
Figure 2020037525
本発明の有機モリブデン錯体は、少なくとも(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物を、混合して加熱することにより、製造することができる。
上記の本発明の製造方法において、(a)モリブデン化合物としては、モリブデン原子を分子内に含有する化合物であって、特に限定されるものではないが、例えば、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウム塩、又は三酸化モリブデン等が挙げられ、これらのうち1種、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、良好な収率で目的物を得られることから、三酸化モリブデンが好ましい。
上記の本発明の製造方法において、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリとして、特に限定されるものではないが、例えば、水硫化アルカリとしては、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、及び水硫化アンモニウム等が挙げられ、硫化アルカリとしては、例えば、硫化ナトリウム、硫化カリウム、及び硫化アンモニウム等が挙げられる。これらのうち1種、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、取扱いが簡便な点で、水硫化ナトリウム、及び水硫化カリウムが好ましい。
上記の本発明の製造方法において、(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物の混合比率としては、特に限定されるものではないが、(a)モリブデン化合物は、良好な収率で目的物を得られることから、(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物1.0モルに対して、0.8モル〜1.5モルの範囲であることが好ましく、1.0モル〜1.2モルの範囲であることが特に好ましい。(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリは、良好な収率で目的物を得られることから、(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物1.0モルに対して、1.6モル〜3.0モルの範囲であることが好ましく、2.0モル〜2.4モルの範囲であることが特に好ましい。
上記の本発明の製造方法において、(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物の混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、全ての原料を一括で仕込む方法や、原料を逐次添加する方法等を挙げることができる。これらの中でも、良好な収率で目的物を得られることから、予め(a)モリブデン化合物、及び(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリを、溶解しておいた溶液中へ、(c)上記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物の溶液を滴下して加える方法が好ましい。
上記の本発明の製造方法において、反応温度としては、特に限定するものではないが、良好な収率で目的物を得られることから、0℃〜200℃が好ましく、20℃〜120℃がより好ましい。
上記の本発明の製造方法において、酸を使用することができる。このような酸としては、特に限定するものではないが、例えば、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、酢酸、リン酸、亜リン酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、又は次亜塩素酸等を挙げることができ、良好な収率で目的物を得られることから、塩酸、硝酸、又は硫酸が好ましい。
上記の本発明の製造方法において、溶媒を使用することができる。このような溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、又はパラフィン等の炭化水素系有機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、又はプロピレングリコール等のアルコール系有機溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、又は水等を挙げることができる。また、これらのうち1種、又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、除去が容易で良好な収率で目的物を得られることから、ヘキサン、トルエン、又はテトラヒドロフランが好ましい。
上記の本発明の製造方法において、本発明の有機モリブデン錯体を製造することができるが、必要に応じて、上記反応終了後、本発明の有機モリブデン錯体中の未反応の原料や副生物を除去する精製工程を設けても良い。特に限定するものではないが、精製方法としては、例えば、抽出、濾過、結晶化、蒸留、又は各種クロマトグラフィー等、通常用いられる精製法を単独、又は適宜組み合わせて適用することもできる。
本発明の潤滑油組成物は、上記の有機モリブデン錯体を含むことを特徴とし、潤滑油としては、特に限定するものではないが、例えば、ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、及び車両用ギヤ油等の自動車用潤滑油、船舶用エンジン油等の舶用潤滑油、機械油、金属加工油、及び電気絶縁油等の工業用潤滑油等を挙げることができる。用いられる潤滑油の基油としては、特に限定するものではないが、例えば、パラフィン系、及びナフテン系の鉱油、炭化水素系、エステル系、エーテル系、シリコン系、及びフッ素系の合成油、動物油系、及び植物油系の天然油脂等を挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物は、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種添加剤(清浄分散剤、防錆防食剤、酸化防止剤、消泡剤、流動点降下剤、又は摩耗防止剤等)を含んでいてもよい。
なお、本発明の潤滑油組成物については、摩耗低減性に優れる点で、更に摩耗防止剤を含むことが好ましく、亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤を含むことがより好ましい。
前記の摩耗防止剤としては、亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、亜鉛ジアリールジチオホスフェート、及び亜鉛アルキルアリールジチオホスフェート等を挙げることができる。市販品としては、具体的には、Lubrizol Corporationから市販されている、Lz 677A、Lz 1095、Lz 1097、Lz 1370、Lz 1371、Lz 1373、Lz 1395、Chevron Oroniteから市販されているOLOA 260、OLOA 262、OLOA 267、OLOA 269R、Afton Chemicalから市販されているHITEC 7169、HITEC 7197や株式会社ADEKAから市販されているアデカキクルーブ Z−112等が例示される。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
なお、本実施例で用いた分析機器、評価方法を以下に列記する。
<NMR測定>
NMR測定装置:VARIAN Gemini−200。
<元素分析>
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II,
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001。
<油溶性の評価>
実施例で合成した有機モリブデン錯体について、その濃度が10重量%となるようにポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6)と混合し、80℃で加熱撹拌し溶解させた。一晩放置後の溶液の状態を目視で観察することにより、当該有機モリブデン錯体の油溶性を評価した。
(判断基準)
優 :沈殿物や懸濁がなく、溶解している状態,
不可:分離や沈殿物がみられる状態。
<摩擦特性の評価>
フリクションプレーヤー(レスカ社製、FPR2100)を用い、ボールディスクオン方式で、90℃、回転速度477.5rpm、荷重10Nの条件で、調合した潤滑油組成物の摩擦係数を評価した。ボール、及びディスクには、ラップ研磨済のSUJ2を使用した。3時間測定した時の摩擦係数の平均値を算出した。
(判断基準)
優:摩擦係数が0.080未満,
良:摩擦係数が0.080以上0.10未満,
不可:摩擦係数が0.10以上。
実施例1.
撹拌機、及び冷却管を備えた200mLの3つ口フラスコへ、N−(2−デシル)テトラデシルピペラジン(B−1) 8.48g(0.02モル)、テトラヒドロフラン 40mL、及びメタノール 20mLを加え、窒素気流下中5℃で30分撹拌し、次いで水 2mLに溶解させた水酸化カリウム 1.15g(0.02モル)を加えた。その後、テトラヒドロフラン 2.4mLに溶解させた二硫化炭素 1.73g(0.022モル)を滴下して添加した後、25℃で18時間熟成させた。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、減圧下で乾燥させ、薄黄色粘性固体の4−(2−デシルテトラデシル)−1−ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム(A−1) 10.18g(収率95%)を得た。
1H−NMR測定、及び13C−NMR測定の結果より、上記の4−(2−デシルテトラデシル)−1−ピペラジンジチオカルバミン酸カリウムを同定した。
1H−NMR(CDCl3):0.75−1.05(m、6H)、1.05−1.61(m、43H)、2.40(t、4H)、4.36(m、4H)[ppm]。
13C−NMR(CDCl3):14.14、22.73、26.63、29.42、29.73、29.81、30.32、31.97、32.28、35.06、51.02、53.48、63.04、209.17[ppm]。
実施例2.
撹拌機、及び冷却管を備えた200mLの3つ口フラスコへ、三酸化モリブデン 2.87g(0.02モル)、水硫化ナトリウム 2.24g(0.04モル)、及び水 30mLを加え、窒素気流下中25℃で3時間撹拌し、次いで1規定の塩酸 20.60gを加えた。その後、テトラヒドロフラン 30mLに溶解させた実施例1で得た4−(2−デシルテトラデシル)−1−ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム(A−1) 11.28g(0.02モル)を15分かけて滴下して添加した後、90℃で18時間熟成させた。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム)により精製し、黄色粘性液体の有機モリブデン錯体(C−1)4.7g(収率36.5%)を得た。得られた有機モリブデン錯体(C−1)のモリブデン含量は、13.9wt%であった。
1H−NMR測定、13C−NMR測定、及び元素分析の結果より、有機モリブデン錯体(C−1)は、下記式で示されると類推した。
Figure 2020037525
1H−NMR(CDCl3):0.85−1.04(m、12H)、1.05−1.63(m、82H)、2.40(d、4H)、2.51−2.69(m、8H)、3.90−4.22(m、8H)[ppm]。
13C−NMR(CDCl3):14.13、22.70、26.56、29.37、29.67、30.11、31.93、32.21、35.04、48.96、52.69、62.59、206.18[ppm]。
実施例3
実施例2で得られた有機モリブデン錯体(C−1)について、上記方法に基づいて油溶性を評価した。続いて、ベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシン4) 98.21g、有機モリブデン錯体(C−1) 0.36g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1.
ベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシン4) 98.57g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
参考例1.
撹拌子を入れた20mLのスクリューキャップ反応器へ、三酸化モリブデン 0.57g(0.004モル)、水硫化ナトリウム 0.45g(0.008モル)、及び水 4mLを加え、窒素気流下中25℃で3時間撹拌し、次いで1規定の塩酸 3.17gを加えた。その後、テトラヒドロフラン 6mLに溶解させたN、N―ジドデシルジチオカルバミン酸 0.86g(0.002モル)、及びN、N―ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸カリウム 0.71g(0.002モル)を15分かけて滴下して添加した後、90℃で18時間熟成させた。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン、及びヘキサン)により精製し、黄色粘性液体の有機モリブデン錯体(E−1) 0.82gを得た。有機モリブデン錯体(E−1)のモリブデン含量は、16.1重量%であった。なお有機モリブデン錯体(E−1)は、下記式で表される。
Figure 2020037525
比較例2
参考例1で得られた有機モリブデン錯体(E−1)について、上記方法に基づいて油溶性を評価した。続いて、ベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシン4) 49.13g、有機モリブデン錯体(E−1)0.16g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 0.71gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020037525
本発明のジチオカルバミン酸化合物から合成される有機モリブデン錯体、及び潤滑油組成物は、油溶性、及び摩擦低減性に優れるため、各種潤滑油の添加剤として適する。特に、ガソリンエンジンオイル、ディーゼルエンジンオイル、ジットエンジンオイル、ギヤオイル用の添加剤として有用である。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で示されるジチオカルバミン酸化合物。
    Figure 2020037525
    [上記式(1)中のR1は、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]
  2. 上記式(1)中のR1が、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする請求項1に記載のジチオカルバミン酸化合物。
  3. 上記式(1)中のR1が、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることを特徴とする請求項1、又は2に記載のジチオカルバミン酸化合物。
  4. 下記式(2)で示されるアミン化合物と二硫化炭素を混合して反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のジチオカルバミン酸化合物の製造方法。
    Figure 2020037525
    [上記式(2)中のR2は、炭素数6〜50の炭化水素基を表す。]
  5. 下記式(3)、又は(4)で示される有機モリブデン錯体。
    Figure 2020037525
    [上記式(3)中のR3、及びR4は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X1〜X4は、各々独立して、硫黄原子、又は酸素原子を表す。]
    Figure 2020037525
    [上記式(4)中のR5、R6、及びR7は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X5〜X8は、各々独立して、硫黄原子、又は酸素原子を表す。]
  6. 上記式(3)中のR3、及びR4、並びに上記式(4)中のR5が、各々独立して、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であり、上記式(4)中のR6、及びR7が、各々独立して、炭素数8〜18のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする請求項5に記載の有機モリブデン錯体。
  7. 上記式(3)中のR3、及びR4、並びに式(4)のR5が、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であり、式(4)のR6、及びR7が、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることを特徴とする請求項5、又は6に記載の有機モリブデン錯体。
  8. 上記式(3)中のX1、及びX2が酸素原子であり、X3、及びX4が硫黄原子であり、上記式(4)中のX5、及びX6が酸素原子であり、X7、及びX8が硫黄原子であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の有機モリブデン錯体。
  9. 少なくとも、(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)下記式(1)
    Figure 2020037525
    [上記式(1)中のR1は、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]
    で示されるジチオカルバミン酸化合物を、混合して加熱することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の有機モリブデン錯体の製造方法。
  10. 請求項5〜8のいずれかに記載の有機モリブデン錯体を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
  11. 亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤を更に含有することを特徴とする請求項10に記載の潤滑油組成物。
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