JP2020036898A - 物体の光音響画像化のためのプローブ、システム及び方法 - Google Patents

物体の光音響画像化のためのプローブ、システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の光音響画像化を改善するプローブ及びシステムを提供する。【解決手段】光音響センサ3は、電磁放射8を放出し、音波を検出するように構成され、接触素子4は光音響センサから離隔され、電磁放射及び音波に対して透過性を有する。さらに、走査ユニット5は、接触素子に対する光音響センサの移動を生じさせるように構成され、シーリング要素11は、接触素子と光音響センサとの間の空間をシールするように構成される。シールされた空間は、音響結合媒体を含む。シーリング要素の少なくとも一部は、光音響センサの接触素子に対する移動を可能にするように柔軟である。さらに、光音響センサは、物体内に生じた音波を検出するように構成された集束超音波トランスデューサ7を含み、超音波トランスデューサは対称軸を有し、発光素子は電磁放射を放出するように構成され、発光素子6の少なくとも一部は超音波トランスデューサの対称軸に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、物体の光音響画像化のためのプローブ、システム及び対応する方法に関する。
光音響信号の発生は光音響効果に基づいており、これによれば、超音波が、物体、例えば生物学的組織による電磁放射の吸収及びそれに続く物体の熱弾性膨張に起因して発生する。励起放射、例えば非電離レーザー光または高周波放射は、変動する強度または周波数を有するパルス化放射または連続放射でありうる。
組織内の電磁放射の吸収は、通常、生理学的な特性、例えばヘモグロビン濃度や酸素飽和度の関数であるため、光音響効果は、医療画像化における利用に結び付けられる。ある可能な手法において、組織を集束光で放射し、超音波反応を検出するための光音響センサが、メソスコピック解像度を有する光音響画像を得るために、物体の表面にわたってラスター走査される。この手法はまた、ラスター走査光音響メソスコピー(Raster−Scanning Optoacoustic Mesoscopy,RSOM)とも呼ばれる。
本発明の目的は、物体の光音響画像化を改善すること、特に、取り扱いを容易にし、体の様々な部位に適用可能にし、及び/またはプローブの配向とは無関係に信頼性のある画像化を可能にする光音響画像化のためのプローブ及びシステムを提供することである。
この目的は、独立請求項に従う物体の光音響画像化のためのプローブ、システム及び方法によって解決される。
本発明の1つの態様に従うプローブは、電磁放射を放出し、電磁放射の物体への照射に応じて物体において発生した音波を検出するように構成された光音響センサと、物体に接触させられるように構成された接触素子であって、接触素子が、光音響センサから離隔され、電磁放射及び音波に対して透過性を有する、接触素子と、を含む。さらに、走査ユニットは、接触素子の少なくとも1つの水平次元に沿った、接触素子に対する光音響センサの移動を生じさせるように構成され、シーリング要素は、接触素子と光音響センサとの間の空間をシールするように構成される。接触素子と光音響センサとの間のシールされた空間は、光音響センサを接触素子に音響的に結合するための音響結合媒体を収容する。シーリング要素の少なくとも一部は、接触素子の少なくとも1つの水平次元に沿った、光音響素子の接触素子に対する移動を可能にするように柔軟である。さらに、光音響センサは、物体内で生じた音波を検出するように構成された集束超音波トランスデューサであって、超音波トランスデューサが対称軸を有する、集束超音波トランスデューサと、電磁放射を放出するように構成された発光素子であって、発光素子の少なくとも一部が、超音波トランスデューサの対称軸に配置された、発光素子と、を含む。
本発明の観点において、電磁放射に対して透過性を有する接触素子は、光学的に非拡散性(透明)であるか、または光学的に拡散性(半透明)でありうる。
本発明の別の態様に従うシステムは、本発明の1つの態様に従うプローブと、接触素子の少なくとも1つの水平次元に沿って接触素子に対して光音響センサの移動を生じさせるように走査ユニットを制御するように構成された制御ユニットと、音波の検出時に光音響センサによって発生した検出信号に基づいて光音響画像を生成するように構成された処理ユニットと、を含む。
本発明のさらに別の態様に従う方法は、接触素子の少なくとも1つの水平次元に沿って接触素子に対して光音響センサを複数の位置に移動させるために、走査ユニットを制御する段階と、光音響センサが複数の位置に移動されている際、及び/または配置された際に、電磁放射を放出するように光音響センサを制御する段階と、光音響センサが複数の位置に移動されている際、及び/または配置された際に、物体への電磁放射の照射に応じて物体内で発生した音波を検出し、それに従う検出信号を発生させるように、光音響センサを制御する段階と、検出信号に基づいて少なくとも1つの光音響画像を発生させるように、処理ユニットを制御する段階と、を含む。
本発明の好適な態様は、結合媒体を収容する、または結合媒体で満たすことが可能であり、可動光音響センサまたは少なくともその一部もしくは区画によって画定されるシールされた空間と、好適には剛性を有するかまたは部分的に剛性を有する接触素子と、光音響センサと接触素子との間の空間をシールするシーリング要素と、を有する、特に携帯性のプローブを提供するという手法に基づく。シーリング要素は、光音響センサが接触素子及び/または接触素子と接触した物体に対して可動であるように、少なくとも部分的に柔軟である。換言すれば、光音響センサまたは少なくともその一部、接触素子及び少なくとも部分的に柔軟なシーリング要素は、閉鎖され、変形可能な区画を形成し、これは光音響センサの接触素子に対する移動に適合し、及び/または移動を可能にする。さらに、光音響センサは、光音響センサの発光素子によって放出された電磁放射に応じて物体内で発生した音波の検出のための、好適には単一の集束超音波トランスデューサを含む。トランスデューサ及び発光素子は、特に、発光素子の少なくとも一部がトランスデューサの対称軸に沿うように同軸に配置され、その結果、小型の光音響センサを得る。この小型のセンサの、変形可能な区画との組み合わせは、従来のプローブと比較して、いわゆるより小さなフットプリントを有する、すなわち、プローブと物体の表面との間の界面がより小さい光音響画像化のためのプローブを提供する。
好適には、少なくとも部分的に柔軟なシーリング要素によって、閉鎖された区画は流体に対して密閉され、特に液密及び/または気密にシールされ、流体、特に水及び/または結合媒体のような区画に収容された液体が、プローブの配向に無関係に、例えばプローブが物体に上方から、下方から、または側方から配置されるかに無関係に、区画内に安全に保持されるようにする。
結合媒体を収容するシールされた空間を提供することはまた、結合媒体で満たされた開放型のタンクを使用するプローブと比較して、物体への開放型タンクの時間がかかる適用及び開放型タンクを結合媒体で満たすことが必要でないため、有利である。さらに、シールされた空間は、任意の角度で、すなわちプローブと物体の表面との間の界面が水平でない方向に、特に垂直に配向されていたとしても、物体の画像化を可能にする。そのため、本発明のプローブは、柔軟かつ高速な配置に適している。
好適には、シーリング要素は柔軟なメンブレンを含む。シーリング要素、特に柔軟なメンブレンは、光音響センサと接触素子との間の空間にわたってもよく、それによって、この空間をシールし、閉鎖された区画を形成する。例えば、シーリング要素は接触素子上にドームを形成してもよく、光音響センサはドームの頂点に配置され、接触素子と対向する。そのため、プローブのフットプリントは好適には接触素子によってのみ画定される。
好適には、シーリング要素は、プリーツ上にされ、及び/またはシーリングゲイター、ギアゲイター、ギアシフトゲイターもしくはベローズに類似する形状を有しうる。このようにすると、シーリング要素は、阻害なく、または最小限の阻害のみで、接触素子に対する光音響センサの特に信頼性のある移動を確保しつつ、接触素子と光音響センサとの間の空間の液密シールを可能にする。
発光素子の少なくとも一部を超音波トランスデューサの対称軸に配置することは、トランスデューサの対称軸における電磁放射の放出をもたらす。プローブのフットプリントを低減するのに加えて、これは、接触素子、特に接触素子によって接触される物体の表面の照射スポットの大きさを最適化することを可能にし、電磁放射はトランスデューサの感度場に対して、それぞれ接触素子を通過し、または物体に入射する。特に、感度場の体積のみが照射されるように、表面におけるトランスデューサの感度場の直径に実質的に一致する照射スポットが形成可能である。そのため、高品質な光音響画像化のために物体内に付与される電磁エネルギーの量が、従来の照射方式と比較して低減されうる。
好適には、発光素子は、発散性電磁放射を放出するように構成され、放出された電磁放射は、接触素子に向かって広がる照射円錐を形成する。発散照射によって、1mmよりも大きな、好適には3mmよりも大きな、特に最大5mmの画像化深さが達成可能である。また、発散除外が、プローブのさらに小さなフットプリントが得られるように、屈折率分布型光学系、例えばいわゆるGRINレンズを必要とせずに達成可能である。
まとめると、本発明は、物体の改善された光音響画像化を可能にする。特に、本発明は、取り扱いが容易であり、体の様々な部分に配置可能であり、及び/またはプローブの配向とは無関係に信頼性のある画像化を可能にするプローブを提供する。
好適な実施形態において、プローブは筐体をさらに含み、筐体が、光音響センサ及びシーリング要素を収容する第1の筐体部であって、第1の筐体部が遠位端及び近位端を有し、接触素子が第1の筐体部の遠位端に設けられ、及び/または、第1の筐体部の遠位端を形成する、第1の筐体部と、第1の筐体部の近位端に隣接し、接触素子の水平次元に沿って延在する水平筐体区画を有する、第2の筐体部であって、水平筐体区画が、走査ユニットの少なくとも一部を収容する、第2の筐体部と、を有する。水平筐体区画は、好適には、手の中に、または手で保持可能であるような寸法及び/または形状とされる。特に、水平筐体区画は、細長い形状を有し、及び/またはプローブのハンドルを形成してもよい。水平筐体区画は、作業者が手の中にプローブを保持するためのしっかりとしたグリップを提供するために、第2の筐体区画の外部表面に配置されたすべり止め層を追加的に含んでもよい。これらによって、プローブは特にそれぞれ使用が快適になり、または使用が安全になる。
第1及び第2の筐体部を提供することにより、走査ユニット、すなわち走査ステージ、特にステッパーモーターは、物体と接触するプローブの部分から空間的に離隔されてもよく、それにより、大きな走査ユニットの場合でさえもプローブの小さなフットプリントをもたらし、例えば人体の空間的に狭窄した領域においても光音響画像を得ることを可能にする。
さらに、第2の筐体部は好適には第1の筐体部を越えて接触素子の水平次元に突出しており、特に、光音響センサを収容する第1の筐体部が、プローブの走査ヘッドを形成するようにする。プローブを動作させる際には、この設計により、第1の筐体部が依然として物体に接触したままで、第2の筐体部を物体から離れて配置させることが可能になる。それにより、プローブのフットプリントが、単に、それぞれ第1の筐体部または第1の筐体部の遠位端に配置された接触素子の大きさ、特に直径のみによって決定される。
好適には、シーリング要素は、第2の筐体部に隣接する第1の筐体部の近位端に配置される。特に、シーリング要素は、第1の筐体部を第2の筐体部から空間的に離隔するように配置されうる。例えば、シーリング要素は、第2の筐体部、特に水平筐体区画を、接触素子と光音響センサとの間の空間に収容された結合媒体に対してシールするように構成可能である。
別の好適な実施形態によれば、プローブはさらに、第1の筐体部に収容された光音響センサを、水平筐体区画に収容された走査ユニットに機械的に結合するように構成された結合要素を含み、それによって、第1の筐体部の設計の小型化を可能にする。好適には、結合要素は、光音響センサと走査ユニットの間の水平オフセットを提供するように構成され、例えば形成される。例えば、結合要素は、角度をつけられた結合要素として構成され、及び/または階段状の形状を呈しうる。
代替的にまたは追加的に、結合要素は、光音響センサを受容するように構成された凹部を含む。結合要素はさらに、光音響センサ、特に集束超音波トランスデューサの制御のための配線を受容するための1つまたは複数の通路を含みうる。特に、1つまたは複数の通路は、集束超音波トランスデューサを制御ユニット及び/または処理ユニットと接続するための配線を受容することができる。これにより、光音響センサ及びその配線の収容は、特に小型になる。
代替的にまたは追加的に、結合要素は、発光素子の少なくとも一部及び/または、遠位端が発光素子を形成しうる光ガイドの少なくとも一部を受容するための1つまたは複数の通路を含む。再び、これによって、光音響センサ及び筐体内へのその光学結合を、特に小型な状態で一体化することが可能になる。
さらに別の好適な実施形態において、移動は、少なくとも1つの水平次元に沿って、接触素子の寸法の少なくとも1/15、好適には少なくとも1/10、さらに好適には少なくとも1/5、特に少なくとも半分の大きさを呈する。例示的な実施形態において、移動は、2から15mmの大きさを有し、結合要素は実質的に30mmの直径を有する。これにより、接触素子が物体に接触する接触領域の大きな部分、好適には実質的に半分が、光音響センサによって走査され、それによって画像化されうる。そのため、プローブの筐体内、特に第1の筐体部で利用可能な空間が、光センサの移動のために効率的に使用される。
さらに別の好適な実施形態において、移動は、少なくとも1つの水平次元に沿って、光音響センサの大きさ、特に直径の少なくとも1/4に対応する大きさを呈する。特に、移動は、少なくとも1つの水平次元に沿って、集束超音波トランスデューサの大きさ、特に直径の少なくとも半分に対応する大きさを呈しうる。例示的な実施形態において、光音響センサは、実質的に30mmの直径を有し、集束超音波トランスデューサは、4mmの直径を有する。少なくとも1つの水平次元に沿った移動を含む2次元ラスター走査は、好適には少なくとも2mm×2mm、特に4mm×2mmの走査領域をカバーする。したがって、大きな走査の大きさを提供することで、筐体、特に第1の筐体部内のデッドスペースを低減する。
さらに別の好適な実施形態において、プローブは近位端及び遠位端を有し、近位端に結合された電磁放射を光ガイドの遠位端にガイドするように構成された光ガイドを含み、光ガイドの遠位端は、超音波トランスデューサの対称軸に配置された発光素子に対応し、または発光素子に結合される。光ガイド、例えば光ファイバー、特にマルチモードファイバーは、物体を電磁放射で照射するための信頼性のある、省空間の方法を提供する。特に、好適には柔軟な光ガイドは、プローブの筐体内に、特に第1の筐体部内の光音響センサを第2の筐体部内の走査ユニットに結合する結合要素の通路に容易に一体化可能である。例えば、光ガイドは、結合要素を通して、特に結合要素の角度の周りに電磁放射を案内しうる。
さらに、例えば500μm以下、好適には350μm以下、特に250μm以下の直径を有する細い光ガイドが、トランスデューサの検出能力を阻害することなく、集束超音波トランスデューサの対称軸に、特に対称軸に沿って少なくとも部分的に配置されうる。それによって、トランスデューサの中心に電磁放射の放出を提供することが、得られた光音響画像にアーティファクトを導入することなく達成されうる。
さらに別の好適な実施形態において、光ガイドは0.3以上の開口数及び/または350μm未満、好適には250μm未満のコア直径を呈する。これにより、電磁放射の発散出力ビームが生じる。そのため、光ガイドの直径よりもはるかに大きな接触素子、特に物体の表面の照射スポットが提供される。例えば、0.5mmより大きな、好適には1mm、特に1.5mmの直径を有する照射スポットが達成される。これによって、集束超音波検出器の感度場内で間隙のない照射を確保し、画像アーティファクトを低減し及び/または高い信号対雑音比を可能にする。
さらに別の好適な実施形態において、光ガイドは、光ガイドがコイル状にされるコイル区画を含む。これにより、発光素子によって放出された電磁放射の特に大きな発散が達成可能である。特に、光ガイドをコイル区画内で曲げることにより、光ガイドによって案内された放射のモードホッピングが導入され、光ガイドの高い開口数に対応する大きな出射角度で、それぞれ光ガイドの遠位端または発光素子から出射するモードを発生する。
さらに別の好適な実施形態において、プローブはさらに、電磁放射を発生するように構成された照射光源と、照射光源によって発生した電磁放射を光ガイドの近位端に結合するように構成された集束光学系と、を含み、集束光学系は少なくとも0.25、特に少なくとも0.3の開口数を含む。好適には、集束光学系は、光ガイドの開口数と実質的に等しい、または少なくとも同等の開口数を含む。これによって、特に放射円錐を形成する発散電磁放射は、光音響センサによって、特に光ガイドの遠位端から高い信頼性で放出可能である。
例えば、集束光学系は、短い焦点距離、例えば最大10cm、好適には最大5cm、特に最大1cmの焦点距離を有する集束レンズを含みうる。
さらに別の好適な実施形態において、超音波トランスデューサは、超音波トランスデューサの対称軸に位置する中心孔を含み、光ガイドの遠位端は、中心孔内に配置される。好適には、孔の直径は、光音響センサの、特に集束超音波トランスデューサの直径の10%未満である。例えば、孔は、500μm以下、好適には350μm以下、特に250μm以下の直径を有する。これにより、光ガイドの遠位端または発光素子から放出された発散電磁放射を、集束超音波トランスデューサの感受性表面、特にその中央への同軸照射が達成され、特に効率的な照射を提供しうる。
さらに別の好適な実施形態において、超音波トランスデューサは電磁放射に対して透過性であり、光ガイドの遠位端と接触素子との間に配置される。これにより、音波に対して感受性のあるトランスデューサの表面が十分に利用され、特に高い信号対雑音比を提供する。
さらに別の好適な実施形態において、集束超音波トランスデューサは感受性表面を含み、これは音波に対して感受性を有する。好適には、トランスデューサはさらに音響焦点を含み、感受性表面までの音響焦点の距離は、感受性表面と接触素子との間の距離よりも大きい。そのため、音響焦点は、接触素子が物体の表面に接触する場合に物体内に存在する。例えば、光音響センサ、特に集束超音波トランスデューサ、特に感受性表面から、接触素子または物体の表面までのそれぞれの距離は、4mm以下、好適には3mm以下、特に2.5mm以下であり、焦点と感受性表面との間の距離は、3mmから5mm、特に実質的に4mmである。これにより、特に大きな画像化深さが達成可能である。
さらに別の好適な実施形態において、処理ユニットは、光音響センサ、特に単一の集束超音波トランスデューサの感度場を考慮して、検出信号の重みづけ逆投影法を用いて光音響画像を生成するように構成される。好適には、処理ユニットは、トランスデューサの音響焦点を介した再構成をモデル化する光音響画像の再構成のための再構成アルゴリズムを適用するように構成される。これにより、高解像度を有し、画像アーティファクトが低減された高い画像品質を達成することができる。
好適には、重みづけ逆投影法は、直接項及び、トランスデューサの感度場に対応する追加的な重みづけ因子を有する派生項の組合せである項を含む。例えば、重みづけ逆投影法は次のように表すことができる。
ここで、
は感度場によって定義された重みであり、b(tsp)は逆投影項であり、NN(t;R)は最も近い近傍の項に対応する。逆投影項は、以下で与えられうる。
ここで、p(tsp)は記録されたAラインであり、b=10は、トランスデューサの受容角度を補償するパラメータである。
さらに別の好適な実施形態において、制御ユニットは、音波が光音響画像の生成のために検出される画像化深さ範囲の実質的に中間である音響焦点深さに、光音響センサの音響焦点を位置させるように構成される。例えば、1.5mmから2mmの間の画像化深さに関して、音響焦点は、0.75mmから1mmの間の音響焦点深さに配置されうる。これにより、接触素子または物体の表面の照射スポットの直径はそれぞれ、接触素子または表面における感度場の直径に適合され、従来の照射方式と比較して4倍またはそれ以上低減される。それにより、特に効率的な照射が提供される。
特に、制御ユニットは、光音響センサによって放出される電磁放射によって生成される照射スポットの直径が、画像化深さにおいて光音響センサの感度場の水平方向の幅の90から200%、好適には100から150%であるように、音響焦点深さに、音響センサの音響焦点を位置させるように構成される。これにより、光音響センサの感度場の内側において、物体内で音波を発生する吸収体の信頼性のある均一な照射が提供される。
さらに別の好適な実施形態において、システムはさらに、物体の表面に取り付けるように構成された位置合わせアセンブリを含み、位置合わせアセンブリは、プローブの接触素子を受容するように構成されたドッキング要素、特に凹部を有する。位置合わせアセンブリにより、プローブ、特に第1の筐体部が、物体の表面に正確に位置合わせされうる。
さらに別の実施形態において、位置合わせアセンブリは、物体と接触するように構成された接触表面を含み、接触表面は、その上に配置された接着剤及び/または高摩擦物質を有する。これにより、位置合わせアセンブリは表面に固定され、物体の画像化における物体の表面に沿ったプローブの不要な動きが妨げられ、または少なくとも低減されうる。
さらに別の実施形態において、システムはさらに、プローブを物体に対して、特に、位置合わせアセンブリに対して、好適には、プローブが位置合わせアセンブリによって受容される結合位置に保持し、及び/または配置するように構成された保持要素を含む。好適には、プローブの筐体の第1の筐体部の水平筐体区画は、保持要素によって保持できるような寸法及び/または形状とされる。特に、水平筐体区画は、保持要素に取り付けるように構成可能である。特に、位置合わせアセンブリと相互作用する保持要素は、特に高い精度でプローブを位置合わせすることが可能である。
好適には、保持要素は、ロボットアームまたはロボットハンドとして設計され、プローブを物体に対して自動的に配置するように構成される。好適には、保持要素及びプローブはともに、光音響センサ、特に集束超音波トランスデューサ及び/もしくは発光素子、並びに/または走査ユニットを保持要素、特にロボットアームまたはロボットハンドに結合するように構成された専用のインターフェースをさらに備える。
本発明のさらなる利点、特徴及び例は、以下の図面の以下の説明から明らかになるであろう。
物体の光音響画像化のためのシステムの例を示す。 物体の光音響画像化のためのプローブの例を側面図で示す。 図2のプローブ1を底面図で示す。 発光素子及び集束超音波トランスデューサを有する光音響センサの例を示しており、発光素子は集束超音波トランスデューサの中心孔内に配置される。 発光素子及び集束超音波トランスデューサを有する光音響センサの例を示しており、集束超音波トランスデューサは、発光素子によって放出された電磁放射に対して透過性を有する。 発光素子を形成する遠位端における発散電磁放射を放出する光ガイドに関する例を示す。 光音響画像化のためのプローブの走査ユニットの例示的な構成を側面図で示す。
図1は、物体2の光音響画像化のためのシステム100の例を概略図で示す。システム100は、物体2の表面2aにおいて物体2と接触するプローブ1を含み、プローブ1は、物体2に電磁放射を照射し、それに応じて物体2で発生した音波を検出するための光音響センサ3を有する。システム100はさらに、制御ユニット50、処理ユニット60及び照射光源70を含み、制御ユニット50、処理ユニット60及び光源70はプローブ1、特に光音響センサ3に、それぞれ配線40または光ガイド30を介して結合される。
制御ユニット50は、プローブ1の走査ユニット5を制御し、画像化の際に物体2に接触するプローブ1の音響的かつ光学的に透過性を有する接触素子4に対する光音響センサ3の移動を生じさせるように構成される。具体的に、制御ユニット50は、光音響センサ3が物体2の表面2aにわたってラスター走査されるように、走査ユニット5を制御するように構成される。さらに、制御ユニット50は、画像化の深さを調整することができるように、光音響センサ3と接触素子4または物体2の表面2aとの間の距離を調整するように走査ユニット5を制御するように構成される。
処理ユニット60は、音波の検出の際に、光音響センサ3によって発生した検出信号に基づいて光音響画像を生成するように構成される。例えば、処理ユニット60は、光音響センサ3の音響焦点を通して光音響画像の再構成をモデル化することができるように、検出信号の重みづけ逆投影法を実行するように構成される。
照射光源70、例えばレーザーは、光ガイド30を介して光音響センサ3に提供される電磁放射を発生するように構成される。
制御ユニット50、処理ユニット60及び照射光源70は、光音響画像化と協働するために通信可能に相互接続され、相互接続は、点線で示されうる。
例えば、制御ユニット50は、接触素子4の少なくとも1つの水平方向の次元に沿って、特に、物体2の表面2aに沿って、光音響センサ3を接触素子4に対して複数の位置に移動させるように、走査ユニット5を制御するように構成されうる。制御ユニット50はさらに、その一方で光音響センサ3が複数の位置に移動され、及び/または配置されている間に、電磁放射を発生するように光源70を制御する。また、制御ユニット50は、光音響画像が生成されるように、物体2で発生した音波の検出に応じて、光音響センサ3によって生成された検出信号を処理するように処理ユニット60を制御する。
プローブ1は、光音響センサ3及び走査ユニット5を収容する筐体20を含む。筐体20は、作業者が手で握るように構成されうる。具体的に、筐体20は、作業者の手に、または手によって保持可能であるような形状とされる。このため、筐体20は光音響センサ3を収容する第1の筐体部21及び走査ユニット5を収容する第2の筐体部22を含み、第2の筐体部22は、接触素子4の水平方向の次元と平行に延在する水平筐体区画22aを有する。具体的に、水平筐体区画22aは、接触素子4と平行な方向に、すなわち物体2の表面2aと平行に、第1の筐体区画21を越えて突出する。水平筐体区画22aは、作業者の手で握るのに特に適した細長い形態を有する。換言すれば、第2の筐体部22、特に水平筐体区画22aは、プローブ1のハンドルを形成する。
図2は、物体2の光音響画像化のためのプローブ1の例の概略図を側面図で示す。プローブ1は、好適には剛体的に、第1の筐体部21内に配置された光音響センサ及び、光音響センサ3の移動を生じさせるように構成され、好適には剛体的に、第2の筐体部22内に配置された走査ユニット5を収容する筐体20を含む。光音響センサ3の発光素子6は、電磁波8を放出するように構成され、光音響センサ3の集束超音波トランスデューサ7は、物体2に電磁放射8を照射するのに応じて、物体2内に生じた音波を検出するように構成される。
プローブ1はさらに、物体2に、特に物体2の表面2aに接触するように構成された、好適には剛体または部分的に剛体の接触素子4を含み、接触素子4は、光音響センサ3と対向して配置される。
好適には、プローブ1が使用される場合、すなわちプローブ1が物体1から光音響画像を取得するために使用される場合、第1の筐体部21は、物体2に面する、及び/または物体2と接触する遠位端区画を有する。
好適には、接触素子4は、第1の筐体部21の、好適には遠位端区画の一部を形成し、及び/または第1の筐体部21の区画内に、好適には遠位端区画内に一体化される。
好適には、接触素子4は、剛体枠部または剛体縁構造及び、それぞれ枠部または縁構造にわたって引伸ばされた柔軟かつ透過性を有するメンブレンを含む。結果として、接触素子4は、剛体性の外側領域及び、少なくともある程度は機械的に柔軟な中央領域を有する。
接触素子4と光音響センサ3との間の空間10は、接触素子4を光音響センサ3に音響的に結合するための結合媒体が空間10内に収容可能であるように、シーリング要素11によってシールされる。シーリング要素11は、接触素子4に対する光音響センサ3の移動を可能にするように、少なくとも部分的に柔軟である。
好適には、シーリング要素11は、一方では接触素子4と光音響センサ3との間の空間10の液密シーリングを可能にし、他方では接触素子4に対する光音響素子3の特に信頼性のある動きを、阻害なく、または最小限の阻害のみで可能にするための、シーリングゲイター、ギアゲイターまたはギアシフトゲイターに対応する、または類似する形状を有しうる。
プローブ1はまた、光音響センサ3の一部でありうる、または光音響センサ3に隣接して配置されうる光学画像化デバイス12、例えばカメラを含んでもよく、光学画像化デバイス12の視野は実質的に接触素子4に対応する。
走査ユニット5は、2つの水平な次元及び1つの横断次元を含む互いに対して垂直な3つの次元に沿って独立に光音響センサ3を移動させるための3つの走査ステージ5a、5b、5c、例えばステッパーモーターを含む。光音響センサ3は走査ユニット5、特に3つの走査ステージ5a、5b、5cの少なくとも1つの走査ステージ5aに、結合要素13によって結合される。結合要素13は、第2の筐体部22内の走査ユニット5が第1の筐体部21内の光音響センサ3から空間的に離隔されるように設計される。具体的に、結合要素13は、光音響センサ3が、接触素子4の水平な次元に沿って走査ユニット5に対して水平方向のオフセットを呈するように、角度をつけられた結合要素13として設計されうる。そのため、大きな走査ユニット5は、第1の筐体部21を越えて突出する第2の筐体部22の水平筐体区画22a内に配置されうる。それによって、第1の筐体部21は、後述の図3にも示されるように、小さなフットプリントを有するプローブ1の小型走査ヘッドを画定する。
物体2の表面2a上には、プローブ1を物体2の表面2aに結合するように構成された位置合わせアセンブリ110が設けられうる。例えば、位置合わせアセンブリ110は環状であってもよく、プローブ1、特に第1の筐体区画21、少なくとも接触素子4を少なくとも部分的に受容するための凹部を含む。位置合わせアセンブリ110はさらに、好適には接触素子4の大きさ、特に直径に実質的に対応し、それを通して電磁放射及び音波が通過する画像化ウィンドウ、例えば中央の孔を含む。
位置合わせアセンブリ110は、好適には、位置合わせアセンブリ110を物体2の表面2aに強固に取り付ける、例えば接着するための接触表面111を含む。作業者、例えば医師は、位置合わせアセンブリ110を表面2aに取り付けることによって、物体2、例えば人体の表面2a上に領域をマークし、続いてプローブ1を位置合わせアセンブリ110にドッキングする、すなわち第1の筐体部21の少なくとも一部を位置合わせアセンブリ110の凹部に挿入することによって、マークされた領域内の光音響画像化を実行しうる。
図2に示された例において、接触素子4は、説明の目的のために、物体2の表面2a及び位置合わせアセンブリ110の内側表面から離隔されている。しかし、使用時には、接触素子4は、物体2の表面2a及び位置合わせアセンブリ110の内側表面により近接し、または少なくとも部分的に接触し、物体2と結合要素2及び/または光音響センサ3との間の特に良好な音響及び/または光学結合を確保し、または、それぞれ、位置合わせアセンブリ110の凹部内へのプローブ1の遠位端の固定を確保する。
図3は、図2のプローブ1を底面図で、すなわち図2の矢印IIIによって示された透視方向から示す。筐体20の第2の筐体部22は、第1の筐体部21を越えて水平方向に突出する。そのため、走査ユニット5は、光音響センサ3及び光学画像化デバイス12に対してオフセットされた状態で水平方向に位置する。
プローブ1の通常の作動の間、接触素子4のみが物体2に接触するため、プローブ1のフットプリントは、実質的に第1の筐体部21、特に接触素子4のみによって画定される。そのため、プローブ1は、曲面を有する領域内の物体を光音響的に画像化するために採用されてもよく、この場合、接触素子4と物体の表面との間の信頼性のある接触のために、プローブ1のフットプリントが可能な限り小さいことが重要である。
図4は、光音響センサ3の例を概略図で示す。光音響センサ3は、電磁放射8を放出するように構成された発光素子6及び、物体2への電磁放射8の照射に応じて発生した音波を検出するように構成された集束超音波トランスデューサ7を含む。集束超音波トランスデューサ7は、光音響センサ3または集束超音波トランスデューサ7の対称軸に沿って通る中心孔7aを有し、この内部に発光素子6が配置される。
光音響センサ3は、結合要素13内に一体化され、特に、結合要素13の凹部内に配置される。結合要素13は、集束超音波トランスデューサ7の制御のための、特に、音波検出の際に集束超音波トランスデューサ7によって生成された検出信号の伝達のための配線、または発光素子6を外部照射光源(図1を参照)に結合するための光ガイド30の一部を受容するように構成された通路13a、13bを含む。集束超音波検出器7の制御のための配線は、集束超音波トランスデューサ7を、制御ユニット及び/または処理ユニットとさらなる配線を介して(図1を参照)接続するように構成されたセンサインターフェース15に結合する。
光ガイド30の遠位端は、中心孔7aに挿入され、発光素子6を形成する。そのため、光ガイド30によって光音響センサ3へ案内された電磁放射8は、集束超音波トランスデューサ7の中心の光ガイド30の遠位端を出て、発散して物体2の方へ伝搬し、物体2の表面2aに照射スポット8aを形成する。
好適には、集束超音波トランスデューサ7は、音波に感度のある屈曲感受性表面7bを含む球状集束超音波トランスデューサである。例えば皮膚の深さ全体を通した、すなわち最大で5mmの画像化深度の、人体の血管系の人体組織における高い信号対雑音比を有する信頼性のある高解像度光音響画像化を可能にすることができるように、トランスデューサ7の中心周波数は、好適には40MHz超、特に実質的に50MHzであり、トランスデューサ7の検出帯域は、好適には−6dbで90MHz超、特に−6dbで100MHz超である。
そのようなトランスデューサ7の感度場14は、好適には実質的に二重円錐形状を呈する。トランスデューサ7の音響焦点9は、二重円錐形状感度場14の頂点にある。物体の画像化に関して、感受性表面7bは、音響焦点9が物体2の内側にあるように、好適には物体2の表面2aからある距離に配置される。さらに好適には、発光素子6または光ガイド30の遠位端はそれぞれ、物体2の表面2a上の照射スポット8aが、表面2aにおいて感度場14の直径と少なくとも同じ大きさであるように電磁放射8を放出するように構成される。これによって、強い光音響信号を発生させるのに十分な電磁放射が、表面2a下の画像化深度Δz、特に物体2において音響焦点9の2倍の深さに提供されうる。
図5は、発光素子6及び集束超音波トランスデューサ7を有する光音響センサ3の例を示しており、集束超音波トランスデューサ7は、発光素子6によって放出された電磁放射8に対しては透過性を有する。図4と同様に、発光素子6は、例えば外部照射光源からの電磁放射を光音響センサ3に案内するように構成された光ガイド30の遠位端によって形成される。この実施例において、光音響センサ3は、光ガイド30の遠位端と、物体2の表面2aと接触するように構成された接触素子(図2を参照)との間に配置される。
光音響センサ3は、結合要素13の凹部内に配置され、光ガイド10の遠位端は、結合要素13の通路13bによって受容される。凹部及び通路13bは、光ガイド30の遠位端が集束超音波トランスデューサ7の対称軸に配置されるように、同軸に配置される。これによって、特に二重円錐形のトランスデューサ7の感度場14に適合された照射円錐8bが生成されうる。
図6は、発散電磁放射8、特に、発光素子6を形成する遠位端において照射円錐8bの形態である発散電磁放射8を放出する光ガイド30に関する例を示す。遠位端における電磁放射8、特に照射円錐8bの発散を可能にするために、光ガイド30は、特にマルチモードの、高い開口数を有する、特に0.2を超え、好適には0.25を超え、例えば0.3以上の開口数を有し、及び/または350μm未満、好適には250μm未満、例えば実質的に200μmのコア直径を有する光ファイバーからなりうる。
遠位端において電磁放射8、特に照射円錐8bの発散を発生させるために、発光素子6を形成する遠位端とは反対の近位端において電磁放射8の光ガイド30への結合は、高い開口数、特に図6Aで示されるような光ガイド30の開口数と同等な開口数を有する集束光学系を使用して実行される。例えば、電磁放射8のコリメートされたビーム31は、近位端における電磁放射8の入射角αが、遠位端における電磁放射8の出射角αに対応するように、光ガイド30の近位端への短い焦点長さを有する集束レンズ32aで集束される。
代替的に、または追加的に、電磁放射8は低い開口数、特に光ガイド30の開口数よりも低い開口数を有する集束光学系で、光ガイド30の近位端に結合される。光ガイドは、光ガイド30がコイル状にされたコイル区画30aを含み、それによって、遠位端において、光ガイド30の開口数によって決定される角度を有して光ガイド30を出射する電磁放射8のモードへのモードホッピングを導入する。例えば、電磁放射8のコリメートされたビーム31は、入射角βを有する光ガイド30の近位端への大きな焦点長さを有する集束レンズ32bで集束される。光ガイド30を曲げることによって光ガイド30によって案内された電磁放射8のモードを操作することにより、電磁放射8は、入射角βよりも大きな出射角αを有して、特に、光ガイド30の開口数によって決定される出射角を有して遠位端で放出される。
図7は、光音響画像化のためのプローブ1の走査ユニット5の例示的な構成を側面図で示す。走査ユニット5は、プローブ1の光音響センサ3を接触素子4に対して移動するように構成された3つの走査ステージ5a、5b、5cを含み、接触素子4は、光音響画像化のための物体に接触させられるように構成される。走査ユニット5と光音響センサ3との間の機械的な結合は、結合要素13によって提供される。
この例において、結合要素13は、走査ユニット5と光音響センサ3との間に水平方向のオフセットをもたらし、プローブ1の筐体(図2を参照)をより小型にすることを可能にする。結合要素13は特に、第1の筐体部に隣接する第2の筐体部内への走査ユニット5の配置を可能にし、第1の筐体部またはその構成要素のみが、それぞれ、光音響的に画像化される物体に接触させられる。
筐体、特に第2の筐体部の形状を、例えばプローブ1のより人間工学的な取り扱いを提供するようにさらに改良するために、第1及び第2の走査ステージ5a、5bは互いに隣接して、例えば互いの上に配置され、その一方第3の走査ステージ5cは2つの走査ステージ5a、5bから離れて配置される。具体的には、第3の走査ステージ5cは第1及び第2の走査ステージ5a、5bに対して水平に、例えば第1及び第2の走査ステージ5a、5bの前方に配置される。これにより、さらなる水平方向のオフセットが、走査ユニット5と光音響センサ3との間にもたらされる。
この構成において、第1及び第2の走査ステージ5a、5bは、結合要素13の第1の結合部13aによって第3の走査ステージ5cに機械的に結合されてもよく、第3の走査ステージ5cは、結合要素13の第2の結合部13bによって光音響センサ3に機械的に結合されてもよい。好適には、第3の走査ステージ5cは、光音響センサ3を接触素子4に対して垂直に移動させるように構成され、その一方、第1及び第2の走査ステージ5a、5bはそれぞれ光音響センサ3を水平次元に沿って、すなわち接触素子4に対して平行に移動させるように構成される。
1 プローブ
2 物体
2a 物体2の表面
3 光音響センサ
4 接触素子
5 走査ユニット
5a、5b、5c 走査ステージ
6 発光素子
7 集束超音波トランスデューサ
7a 中心孔
7b 屈曲感受性表面
8 電磁放射
8a 照射スポット
8b 照射円錐
9 音響焦点
10 空間
11 シーリング要素
12 光学画像化デバイス
13 結合要素
13a、13b 通路
14 感度場
15 センサインターフェース
20 筐体
21 第1の筐体部
22 第2の筐体部
22a 水平筐体区画
30 光ガイド
30a コイル区画
40 配線
50 制御ユニット
60 処理ユニット
70 照射光源
100 光音響画像化のためのシステム
110 位置合わせアセンブリ

Claims (15)

  1. 物体(2)の光音響画像化のためのプローブ(1)であって、
    電磁放射(8)を放出し、前記電磁放射(8)の物体(2)への照射に応じて前記物体(2)において発生した音波を検出するように構成された光音響センサ(3)と、
    前記物体(2)に接触させられるように構成された接触素子(4)であって、前記接触素子(4)が、前記光音響センサ(3)から離隔され、前記電磁放射(8)及び前記音波に対して透過性を有する、接触素子(4)と、
    前記接触素子(4)の少なくとも1つの水平次元に沿った、前記接触素子(4)に対する前記光音響センサ(3)の移動を生じさせるように構成された走査ユニット(5)と、
    前記接触素子(4)と前記光音響センサ(3)との間の空間(10)をシールするように構成されたシーリング要素(11)であって、前記接触素子(4)と前記光音響センサ(3)との間のシールされた前記空間(10)が、前記光音響センサ(3)を前記接触素子(4)に音響的に結合するための音響結合媒体を収容し、前記シーリング要素(11)の少なくとも一部が、前記接触素子(4)の少なくとも1つの水平次元に沿った、前記光音響センサ(3)の前記接触素子(4)に対する移動を可能にするように柔軟である、シーリング要素(11)と、を含み、
    前記光音響センサ(3)が、
    前記物体(2)内で生じた前記音波を検出するように構成された集束超音波トランスデューサ(7)であって、前記超音波トランスデューサ(7)が対称軸を有する、集束超音波トランスデューサ(7)と、
    前記電磁放射(8)を放出するように構成された発光素子(6)であって、前記発光素子(6)の少なくとも一部が、前記超音波トランスデューサ(7)の前記対称軸に配置された、発光素子(6)と、を含む、プローブ(1)。
  2. 筐体(20)をさらに含み、前記筐体(20)が、
    前記光音響センサ(3)及び前記シーリング要素(11)を収容する第1の筐体部(21)であって、前記第1の筐体部(21)が遠位端及び近位端を有し、前記接触素子(4)が前記第1の筐体部(21)の前記遠位端に設けられた、第1の筐体部(21)と、
    前記第1の筐体部(21)の前記近位端に隣接し、前記接触素子(4)の水平次元に沿って延在する水平筐体区画(22a)を有する、第2の筐体部(22)であって、前記水平筐体区画(22a)が、前記走査ユニット(5)の少なくとも一部を収容する、第2の筐体部(22)と、を有し、
    前記水平筐体区画(22a)が、好適には、手の中に、または手で保持可能であるような寸法及び/または形状とされる、請求項1に記載のプローブ(1)。
  3. 近位端及び遠位端を有する光ガイド(30)であって、前記近位端に結合された電磁放射(8)を前記光ガイド(30)の前記遠位端へ案内するように構成された、光ガイド(30)を含み、
    前記光ガイド(30)の前記遠位端が、前記超音波トランスデューサ(7)の前記対称軸に配置された前記発光素子(6)に対応する、または前記発光素子(6)に結合された、請求項1または2に記載のプローブ(1)。
  4. 前記光ガイド(30)が、0.3以上の大きさの開口数及び/または350μm未満、好適には250μm未満のコア直径を呈する、請求項3に記載のプローブ(1)。
  5. 前記光ガイド(30)が、前記光ガイド(30)がコイル状にされたコイル区画(30a)を含む、請求項3または4に記載のプローブ(1)。
  6. 前記電磁放射を発生するように構成された照射光源(70)と、
    前記照射光源(70)によって発生した電磁放射を前記光ガイド(30)の前記近位端に結合するように構成された集束光学系と、をさらに含み、
    前記集束光学系が、少なくとも0.25、好適には少なくとも0.3の開口数を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載のプローブ(1)。
  7. 前記超音波トランスデューサ(7)が、前記超音波トランスデューサ(7)の前記対称軸に配置された中心孔(7a)を含み、前記光ガイド(30)の前記遠位端が前記中心孔(7a)内に配置された、請求項3から6のいずれか一項に記載のプローブ(1)。
  8. 前記超音波トランスデューサ(7)が、前記電磁放射(8)に対して透過性を有し、光ガイド(30)の遠位端と前記接触素子(4)との間に配置された、請求項1から6のいずれか一項に記載のプローブ(1)。
  9. 前記集束超音波トランスデューサ(7)が、音波に対して感度を有する感受性表面(7b)と、音響焦点(9)と、を含み、前記音響焦点(9)の前記感受性表面(7b)への距離が、前記感受性表面(7b)と前記接触素子(4)との間の距離よりも大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載のプローブ(1)。
  10. 物体(2)の光音響画像化のためのシステム(100)であって、
    請求項1から9のいずれか一項に記載のプローブ(1)と、
    前記接触素子(4)の少なくとも1つの水平次元に沿って前記接触素子(4)に対して前記光音響センサ(3)の移動を生じさせるように前記走査ユニット(5)を制御するように構成された制御ユニット(50)と、
    前記音波の検出時に前記光音響センサ(3)によって発生した検出信号に基づいて光音響画像を生成するように構成された処理ユニット(60)と、を含む、物体(2)の光音響画像化のためのシステム(100)。
  11. 前記処理ユニット(50)が、前記光音響センサ(3)の、特に単一の集束超音波トランスデューサ(7)の感度場(14)を考慮して、前記検出信号の重みづけ逆投影法を用いて前記光音響画像を生成するように構成された、請求項10に記載のシステム(100)。
  12. 前記制御ユニット(50)が、音波が前記光音響画像の生成のために検出される画像化深さ範囲(Δz)の実質的に中間にある音響焦点深さに、前記光音響センサ(3)の音響焦点(9)を位置させるように構成された、請求項10または11に記載のシステム(100)。
  13. 前記物体(2)の表面(2a)に取り付けられるように構成された位置合わせアセンブリ(110)をさらに含み、前記位置合わせアセンブリ(110)が、前記プローブ(1)の前記接触素子(4)を受容するように構成されたドッキング要素、特に凹部を有する、請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム(100)。
  14. 前記位置合わせアセンブリ(110)が、前記物体(2)と接触させられるように構成された接触表面(111)を含み、前記接触表面(111)が、その上に配置された接着剤及び/または高摩擦物質を有する、請求項13に記載のシステム(100)。
  15. 請求項10から14のいずれか一項に記載のシステム(100)を制御するための方法であって、
    前記接触素子(4)の前記少なくとも1つの水平次元に沿って前記接触素子(4)に対して前記光音響センサ(3)を複数の位置に移動させるために、前記走査ユニット(5)を制御する段階と、
    前記光音響センサ(3)が前記複数の位置に移動されている際、及び/または配置された際に、電磁放射(8)を放出するように前記光音響センサ(3)を制御する段階と、
    前記光音響センサ(3)が前記複数の位置に移動されている際、及び/または配置された際に、前記物体(2)への前記電磁放射(8)の照射に応じて前記物体(2)内で発生した音波を検出し、それに従う検出信号を発生させるように、前記光音響センサ(3)を制御する段階と、
    前記検出信号に基づいて少なくとも1つの光音響画像を発生させるように、前記処理ユニット(60)を制御する段階と、を含む、方法。
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