JP2016120114A - 光音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体を保持する構成を有する光音響装置において、測定の精度を向上させる。
【解決手段】被検体103である手の少なくとも一部を挿入する挿入口110を有する筐体111と、筐体111に挿入された被検体103を保持する被検体保持部104aと、被検体103に対して光を照射する光照射手段102と、光に起因して被検体内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波受信器106と、電気信号に基づいて、被検体内の情報を生成する情報取得部107と、を有し、被検体保持部104aは、被検体表面の、音響波受信器106に対向していない部分に接触することで被検体103を保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を用いて被検体内部の情報を測定する光音響装置に関する。
近年、医療分野において、被検体内の形態情報や、生理的情報、すなわち機能情報をイメージングするための研究が進められている。このような技術の一つとして、近年、光音響トモグラフィ(PAT:PhotoAcoustic Tomography)が提案されている。
パルスレーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波(典型的には超音波)が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。PATでは、発生した光音響波を探触子で受信し、受信信号を数学的に解析することにより、被検体内の光学特性、特に、光吸収係数の分布を画像化することができる。
さらに、得られた光吸収係数分布に基づいて、血液中の全ヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの含有率、つまり酸素飽和度を求めることができる。酸素飽和度は、腫瘍の良悪性を見分ける指標になることから、悪性腫瘍の効率的発見手段として期待されている。
また、これらを併用することで、被検体内の形態情報(例えば血管構造)と、機能情報(例えば酸素飽和度)の双方を取得することができる。
光音響トモグラフィを利用した装置(以下、光音響装置)では、パルス光を複数回照射して音響波を受信し、取得した信号を数学的に解析する必要があるため、ある程度の測定時間が必要となる。一方、測定中に被検体が動いてしまうと、取得した情報の精度が低下してしまうため、測定中の被検体は何らかの手段によって固定されていることが好ましいとされている。
例えば、特許文献1には、光音響装置において、挿入された被検体を二枚の保持板によって保持する構成が開示されている。
特開2014−226427号公報
特許文献1に記載の構成によると、被検体を圧迫保持するため、被検体を固定することができる。しかし、測定対象が微細な血管を持つものである場合、外部から力を加えて圧迫することで、血流が阻害されるおそれがある。
光音響装置は、主として、血液に起因する光吸収係数の差異に基づいて情報を生成するものであるため、血流が阻害されると、精度のよい測定が行えなくなる場合がある。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、被検体を保持する構成を有する光音響装置において、測定の精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光音響装置は、
被検体である手の少なくとも一部を挿入する挿入口を有する筐体と、前記筐体に挿入さ
れた被検体を保持する被検体保持部と、前記被検体に対して光を照射する光照射手段と、前記光に起因して被検体内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波受信器と、前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得部と、を有し、前記被検体保持部は、前記被検体表面の、前記音響波受信器に対向していない部分に接触することで前記被検体を保持することを特徴とする。
本発明によれば、被検体を保持する構成を有する光音響装置において、測定の精度を向上させることができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第二の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第二の実施形態における保持部を説明する図である。 第三の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第三の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第四の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第四の実施形態における保持部を説明する図である。 第四の実施形態における保持部を説明する図である。 第五の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第五の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第六の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第六の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第七の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第八の実施形態に係る光音響測定装置の構成を説明する図である。 第八の実施形態における保持部を説明する図である。 第八の実施形態における探触子を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、実施形態の説明で用いる数値や材質、詳細な装置の構成は、あくまで一例であり、発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、パルス光(電磁波)を被検体に照射し、当該パルス光に起因して、被検体内で発生した光音響波を受信および解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報(以下、特性情報)を画像化する装置である。特性情報とは、例えば、音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、当該初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布などである。物質の濃度分布とは、例えば、酸素飽和度分布、トータルヘモグロビン濃度分布、酸化ヘモグロビン濃度分布、還元ヘモグロビン濃度分布などである。これらの情報は、二次元又は三次元の分布データとして生成され、画像として出力される。
<システム構成>
図1は、第一の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第一の実施形態に係る光音響測定装置は、光源101、光照射部102、保持部104、探触子106、信号処理部107、画像生成部108、表示部109からなる。また、
符号111は、被検体を挿入する挿入口110を備えた筐体である。
また、符号103は被検体であり、本実施形態では人の指である。本実施形態に係る光音響測定装置は、人の指に対して光を照射し、発生した音響波を指の掌側から受信して、特性情報を取得する装置である。
各構成要素について説明する。
<<光源101>>
光源101は、パルス光を発生させ、被検体に照射する手段(光照射手段)である。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。
理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のOPOレーザ、色素レーザ、Ti:saレーザや、アレキサンドライトレーザを用いるとよい。また、
異なる波長の単波長レーザを複数有していてもよい。
パルス光の波長は、被検体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長であって、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、被検体が生体である場合、700nm以上であることが望ましい。700nm以下の波長を用いると、ヘモグロビンやコラーゲン等による吸収が多くなり、被検体の深部まで十分な強度の光が到達できないためである。
また、光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は1ナノから100ナノ秒程度が好適である。
また、使用する波長は、被検体に含まれる構成物(癌、血管、脂肪等)に応じて設定するとよい。これは、構成物ごとに光吸収スペクトルが異なるためである。
光照射のタイミング、波形、強度などは不図示の制御手段によって制御される。
なお、複数波長の光を用いて測定を行う際は、発振する波長の変換が可能なレーザを用いることがより好ましい。また、複数波長の光を被検体に照射する場合、互いに異なる波長の光を発振する複数台のレーザを切り替えながら照射してもよい。
以下、光源から発生するパルス光を照射光と称する。光源から出射した照射光は、後述する光照射部102を通して被検体に照射される。
<<光照射部102>>
光源から出射した照射光は、光照射部102を通して被検体に向けて照射される。光照射部は、例えば、光を反射するミラーや光を拡大するレンズ、光を拡散させる拡散板などの光学部材で構成される。また、この他にも、光ファイバ、バンドル光ファイバ、鏡筒とミラーの組み合わせなどを用いることもできる。光源から発せられた照射光を被検体に所望の形状で照射可能なものであれば、光照射部にはどのようなものを用いてもよい。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が、被検体への診断領域を広げられるという観点で好ましい。
なお、被検体表面に沿って光照射部を移動させるための走査機構を設けてもよい。また、光源から直接、所望の形状のパルス光を照射可能である場合、光照射部を必ずしも用いる必要はない。
<<筐体111>>
筐体111は、被検体103が挿入される筐体である。被検体103は、筐体111の上部に設けられている挿入口110から挿入される。
なお、被検体に照射されるパルス光が被検者や操作者の目に入射しないよう、筐体は遮光部材で作成されていることが望ましい。例えば、ステンレス鋼やアルミ、20mm以上
の厚みのある光散乱体の入ったプラスチック、遮光布が張られたガラス板やプラスチック板などを好適に用いることができる。
また、挿入口から漏れる照射光を遮光するためのゴムや遮光布を挿入口に設けるようにしてもよい。例えば、中心から放射状に切り込みが入ったゴムを挿入口に設けるようにしてもよい。ゴムで遮光部材を作成すると、被検体の挿入が簡便であり、かつ、ゴムが被検体形状に沿ってカーブするため、良好な遮光性能を得ることができる。なお、遮光部材の色は、黒色や青色など、700nm以上の波長の光を吸収する色であることが望ましい。このようにすることで、外部に漏れる光を弱めることができる。
<<保持部104>>
保持部104は、筐体の内部に挿入された被検体を固定する手段(被検体保持部)である。これにより、挿入された被検体を筐体内で保持することができる。本実施形態では、保持部104は、手の甲側から被検体である指を挟む、複数のクリップ状の部材104a(以下、クリップ式保持部)で構成される。
このように保持部が手の甲の少なくとも一部と接触して手を固定することにより、測定対象である手の掌側の血流の阻害を避けるという効果を得ることができる。
また、保持部が音響波の伝播経路上にあると、音響波が反射ないし屈折し、測定画像のコントラストを低下させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、音響波の伝播経路を避けてクリップ式保持部104aを配置する。クリップ式保持部104aの詳細な構造については後述する。
<<探触子106>>
探触子106は、被検体内部で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する手段であり、複数の音響素子の集合からなる。音響波受信部は、音響波検出器、音響波受信器、トランスデューサとも呼ばれる。なお、本発明における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。
生体から発生する音響波は、100KHzから100MHzの超音波であるため、探触子106が有する音響素子には、上記の周波数帯を受信できる素子を用いる。具体的には、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどを用いることができる。
また、探触子106には、感度が高く、周波数帯域が広いものを用いることが望ましい。具体的にはPZT(圧電セラミックス)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、CMUT(容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ)、ファブリペロー干渉計を用いたものなどが挙げられる。ただし、ここに挙げたものだけに限定されず、探触子としての機能を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。
また、探触子106は、複数の音響素子が配列されたものであってもよい。複数の位置で同時に音響波を受信することで、測定時間を短縮することができ、被検体の振動などの影響を低減することができる。これらの音響素子は、被検体で発生する光音響波を効率よく受信できるように位置および向きが調整されたものであることが好ましい。例えば、音響素子は、一次元、二次元および三次元配列で探触子上に並べて保持される。本実施形態では、探触子上の音響素子は二次元配列であるものとする。
また、探触子106と被検体103との間には、音響インピーダンスを整合させるための部材(音響整合材)が配置される。本実施形態では、音響整合材として、筐体の中に貯留された水105を用いる。もちろん、音響整合材は水以外であってもよい。
<<信号処理部107>>
信号処理部107は、取得した電気信号(以下、光音響信号)を増幅してデジタル信号に変換する手段である。信号処理部107は、典型的には、増幅器、A/D変換器、FP
GA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。探触子106から得
られる信号が複数である場合は、同時に複数の信号を処理できることが望ましい。なお、本明細書における光音響信号とは、探触子106で得られたアナログの電気信号と、信号処理機構によって変換されたデジタル信号の双方を含む概念である。
<<画像生成部108>>
画像生成部108は、光音響信号を処理し、被検体内部の光学特性を表す画像(二次元または三次元画像)を再構成する手段(情報取得部)である。再構成の手法としては、フーリエ変換法、ユニバーサルバックプロジェクション法(UBP法)やフィルタードバックプロジェクション法などがあるが、どのような手法を用いてもよい。
また、複数波長の照射光を照射して得られた光音響信号を処理することで、被検体内の機能情報(酸素飽和度など)を算出するようにしてもよい。
<<表示部109>>
表示部109は、画像生成部108で生成された画像を表示する手段である。表示される画像は、典型的にはMIP(Maximum Intensity Projection)画像や、スライス画像であるが、他の方法によって表示を行ってもよい。例えば、3D画像を異なる複数の方向から表示してもよい。また、表示画像の傾きや表示領域、ウインドウレベル、ウインドウ幅などを利用者が変更できるようにしてもよい。
また、表示部109は、再構成前のデジタル信号データを表示するようにしてもよいし、異なる複数の情報を表示するようにしてもよい。例えば、被検体内の初期音圧分布、吸収係数分布、ヘモグロビン濃度、グルコース濃度、分子プローブ濃度などを並列表示、重畳表示、同期表示するようにしてもよい。
光音響信号に基づいて生成された画像は、光の照射位置と探触子位置の相対関係によって、解像度およびコントラストが変化する。一般的に良好な画像が得られる範囲は、音響波が発生する範囲と、探触子が音響波を受信できる範囲とが重なる部分である。
発生した音響波が受信できない位置ないし向きに探触子がある場合、対応する領域については画像を生成することができない。同様に、探触子が向いている領域に光が照射されない場合も、当該領域については画像を生成することができない。このため、探触子が音響波を受信できる領域と、光が照射される領域は重なっていることが好ましい。すなわち、画像化領域を大きくするためには、照射光が照射される領域と、探触子が音響波を受信できる領域を広くする必要がある。
このため、光照射部や探触子を走査可能な構成としてもよい。光照射部や探触子を走査させる場合、光音響信号とともに、音響波を受信した位置に関する情報を画像生成部108に送信し、画像生成部108が、当該音響波の受信位置に関する情報を用いて、被検体内の特性情報を算出する。
<保持部の詳細>
次に、第一の実施形態における保持部104の詳細について説明する。
本実施形態では、保持部104として、複数のクリップ式保持部104aを用いる。本実施形態では、被検体は人差し指である。被検体は、測定を所望する領域が探触子106の中心に来るように、挿入口110から筐体に挿入される。本実施形態では、被検体の先端(第一関節付近)と、被検体の根本(指の付け根)を、それぞれクリップ式保持部104aによって固定する。
クリップ式保持部104aの構造を、図2を参照しながら説明する。
本実施形態では、クリップ式保持部104aは、15mm程度の幅を持つ二つの爪からなり、被検体を両側から挟んで固定できる構造となっている。また、片方の爪が、モータ
112によって平行に移動可能な構成となっている。測定を行う際は、固定された側の爪に指を沿わせたのち、もう片側の爪を移動させ、指を挟持する。
なお、爪の移動は、操作者が行ってもよいし、自動で行うようにしてもよい。また、自動で行う際は、圧迫力に応じて移動を停止させてもよい。例えば、指に400mPa以上の力が加わると血流が阻害されるため、圧迫力が400mPaになった時点で移動を終了させるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、平行移動する爪が被検体を圧迫する構成について述べたが、他の方法によって被検体を圧迫するようにしてもよい。例えば、図3のような機構を用いてもよい。図3の例では、ばねの作用によって、爪が通常開くようになっており、爪に被検体を押し付けると、両側の爪が閉じる構造となっている。なお、閉じた爪が測定中に開かないように、閉じた状態を維持できることが好ましい。
なお、保持部は、被検体の先端と被検体の付け根の双方を保持するものであることが好ましい。本実施形態では、人差し指の第一関節と、付け根部分の二箇所を保持する。このように、被検体を少なくとも二箇所以上で固定することで、被検体の揺動を少なくすることができる。
<被検体の測定例>
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって得られる効果について、被検体である指を測定する方法を説明しながら述べる。
まず、挿入された指をクリップ式保持部104aによって保持する。次に、光源101から発せられたパルス光を指に照射する。指の内部を伝搬した光のエネルギーの一部が血液などの光吸収体に吸収されると、熱膨張によって当該光吸収体から音響波が発生する。この、生体内で発生した光音響波は、探触子106上の複数の音響素子によって受信される。
ここでは、波長797nmのパルス光を10Hzで被検体に照射し、20MHzのサンプリングレートで、光音響信号を2048点分取得する例を挙げる。なお、本例では、探触子として、平面型の2Dアレイ探触子であって、1mm角の素子が縦30個、横20個に配列されたものを用いた。なお、探触子の真横には被検体の中心が位置するようにした。
探触子106で受信された信号は、信号処理部107を経由し、デジタル化および増幅され、画像生成部108で解析される。
画像化を行う範囲は、音響波が発生する範囲と、探触子が音響波を受信できる範囲とが重なる範囲であることが好ましい。光照射部102から照射される光は、探触子106の中心が向く方向にある被検体の表面に当たり、被検体内部へと拡散される。具体的には、直径約20mmの円形に照射される。このため、音響波が発生する範囲は、探触子の中心から直径20mmの範囲となる。本例では、縦30mm、横20mmの平面状の探触子を用いるため、発生した音響波を漏れなく取得することができる。
解析結果は、生体内の特性情報(例えば、初期音圧分布や吸収係数分布)を表す画像データに変換され、表示部109を通して出力される。画像は、例えば、三次元データであってもよいし、二次元データであってもよい。画像作成の範囲やボクセルピッチは、操作者もしくは測定プロファイルによって決定される。
以上に説明した構成によると、挿入された指を固定することで、指の血管をより鮮明に画像化できることが確認できた。第一の実施形態に係る光音響測定装置は、保持部が、被検体内で発生した音響波の伝播を阻害しない位置に配置されるため、取得した情報の精度
を向上させることができる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態は、被検体である指を、第一の実施形態とは異なる方法で固定する実施形態である。
図4は、第二の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第二の実施形態は、保持部104が、クリップ式保持部104a、押し当て式保持部104b、突き当て式保持部104cの三つによって構成される。
図5(A)は、挿入された指をY軸方向から見た図であり、図5(B)は、挿入された指をX軸方向から見た図である。本実施形態では、指の付け根において、クリップ式保持部のかわりに、押し当て式保持部104bを用いる。また、被検体の先端位置を規定するために、突き当て式保持部104cを配置する。
押し当て式保持部104bは、スポンジ状の素材からなってもよいし、プラスチックのように固い素材からなってもよい。柔らかい素材を用いる場合、指の形状にあわせて変化するものが好ましい。また、固い素材を用いる場合、指の形状に合う形状であることが好ましい。指の形状に沿って湾曲させることで、位置合わせが容易になり、測定を開始するまでの時間を短縮することができる。
押し当て式保持部を用いることで、クリップ式保持部を移動させるための動力や、クリップ機構が必要なくなり、装置を簡素化することができる。
なお、被検体の固定の観点からは、押し当て式保持部は、プラスチックや金属のように弾力がない部材で構成することが望ましいが、被検者安楽の観点からは、スポンジやゴムのように弾力がある部材で構成することが望ましい。また、これらを組み合わせ、例えば、プラスチックを母材とし、被検体に接触する部分にゴム材を配置するなどしてもよい。
また、第二の実施形態においては、被検体の先端をクリップ式保持部102aによってさらに固定する。
第二の実施形態では、突き当て式保持部103cが設けられているため、被検体のY軸方向に対する位置ずれを防ぐことができる。
また、突き当て式保持部103cは、被検体が挿入されたことを感知するセンサとしても利用できる。例えば、被検体が挿入されたことを、電気センサ、圧力センサ、変位センサなどによって検知するようにしてもよい。また、被検体の挿入を検知した際に、クリップ式保持部104aの移動を開始するようにしてもよい。
また、突き当て式保持部103cに、被検体を挿入する位置を示すインジケータを設け、挿入の目安にすることもできる。この場合、インジケータが見えるように、筐体内に照明を設置するとよい。筐体内に照明を設け、筐体の内部を被検者に見せることで、被検者の不安を軽減することができる。なお、インジケータは、蛇の目や×マーク、凹みなど、被検者が認識しやすいものであることが望ましい。
第二の実施形態によると、押し当て式保持部103bを併用することで、装置構成を簡素化することができる。また、突き当て式保持部103cを併用することで、被検体の揺動を抑え、さらに、被検体を固定する時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、突き当て式保持部103cの位置を固定としたが、突き当て式保持部103cを、被検体の挿入方向に沿って移動可能な構成としてもよい。このようにすることで、被検者に合わせて挿入深さを調整できるようになり、探触子に対する位置合わせが容易になる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、第二の実施形態におけるクリップ式保持部104aを、負圧によって指を固定する吸引式保持部104dに置き換えた実施形態である。
図6は、第三の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。また、図7は、図6をY軸下方向から見た図である。
第三の実施形態では、クリップ式保持部104aのかわりに、吸引式保持部104dを配置する。
吸引式保持部104dは、吸引器200によって発生させた負圧を被検体の先端に伝達し、被検体を引きつけて固定する手段である。吸引式保持部104dは、被検体を吸引しやすいように被検体の形状に湾曲していることが好ましい。このように、被検体の形状に似せた形状とすることで、低い負圧で強く被検体を固定できる。
吸引器200は、被検体を持続的に吸引する負圧を発生させる手段である。負圧は、被検体に痕が付かない程度の低圧力であることが望ましい。
なお、音響整合材を用いる場合、被検体を固定する際に、音響整合剤も同時に吸引される場合がある。このような場合、吸引された音響整合材を筐体内に循環させる構成を有することが好ましい。これにより、音響整合材を補充することなく、被検体を固定し続けることができる。
第三の実施形態では、手の甲側から被検体を固定するため、探触子へ伝播する音響波の伝播経路を遮断しないという利点がある。また、被検体の先端を固定するため、第一の実施形態と同様に、被検体の揺動を防止し、取得した情報の精度を向上させることができる。
なお、第三の実施形態では、被検体の先端(爪部分)のみを吸引によって固定しているが、指の他の部分を吸引するようにしてもよい。
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、可動する部材を用いず、被検体である指に沿って湾曲した部材のみを用いて、挿入された指を固定する実施形態である。
図8は、第四の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第四の実施形態では、第二の実施形態と同様に、押し当て式保持部を用いて指を固定するが、突き当て式保持部103cを用いないという点と、押し当て式保持部が、指に沿うような細長い形状となっているという点において第二の実施形態と相違する。本実施形態における押し当て式保持部を、符号104b’を用いて表す。
本実施形態に係る押し当て式保持部104b’は、厚みのある板形状をなした部材であり、筐体内部の壁に沿って配置されている。また、被検体である指が挿入される方向に溝が設けられている。
溝の形状について、図9を参照しながら説明する。溝は、図9(A)に示したような、V型の形状であってもよいし、図9(B)に示したような、被検体の形状に合うような略半円柱型の形状であってもよい。また、被検体が載るような台座型の形状であってもよい。また、指を保持するための凹凸の深さは、被検体の形状に応じて適切な値とすればよい。
また、Y軸方向の溝の長さは、図10(A)に示したように、指の長さに対応した長さとしてもよいし、図10(B)に示したように、全体に亘るものであってもよい。指の長さに対応させる場合、その長さは50〜80mm程度であることが好ましい。
なお、指を保持する手段は溝に限られず、例えば、図9(C)に示したような突起であってもよい。突起は、垂直に突出する形状であってもよいし、山型に広がる形状であってもよい。また、溝と突起の組み合わせを用いてもよい。また、突起は、別個に形成してもよいし、一体形成してもよい。また、突起とそれ以外の部材は異なる素材であってもよい。また、突き当て式保持部を、溝や突起で囲まれた領域に配置してもよい。また、溝が指の長さ程度である場合、溝の先端部分の壁を突き当て式保持部として利用してもよい。
第四の実施形態に係る押し当て式保持部の一例として、例えば、厚み15mmの白いプラスチック板に、短辺10mm、長辺20mm、深さ10mm、長さ80mmの略台形型の溝を形成したものが挙げられる。このように形成した部材を、挿入口の下に溝が来るように配置する。
なお、押し当て式保持部に使用する部材は、被検体が押し当てられた際の圧力によりたわまない程度の強度を持つ部材であればよい。また、照射光を被検体に多く入射させるために、散乱体が含まれる部材を用いることが好ましい。
また、突起を用いた例として、例えば、横10mm、縦80mm、厚さ1mmのゴムを突起とし、挿入口から下に10mm間隔で平行にプラスチック板上に配置したものが挙げられる。加えて、ゴムは被検体側に5mm程度広くなるように配置する。このようにすると、指をゴムの突起間に押し当てると、ゴムが曲がり、指の形状に沿うように伸びて指を挟みこむ。指が押し当てられている板は固いため、指が動きにくくなり、位置を固定することができる。
このように、第四の実施形態では、押し当て式保持部のみを用いて被検体を固定するため、クリップ式保持部104aを用いた場合と比較して、装置構成を簡素化し、コストを低減させることができる。
(第五の実施形態)
第五の実施形態は、第四の実施形態と同様の保持部を用いて被検体を固定するが、手の裏側(すなわち甲側)から照射光を照射するという点において相違する。
図11は、第二の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。また、図12は、図11をY軸下方向から見た図である。
第五の実施形態では、押し付け式保持部104b’として、直径20mmの略半円柱形の溝を持つ透明なアクリル板を用い、第四の実施形態と同様に、被検体を押し当てて固定する。
第五の実施形態では、照射光を保持部側から照射するため、照射光を吸収しない部材で押し付け式保持部104b’を形成することが好ましい。保持部材が光を吸収すると、音響波が発生してしまい、また、被検体に照射される光量が低下してしまい、結果として、生成された画像のコントラストが低下してしまうためである。
近赤外光である照射光を吸収しづらい部材として、例えばアクリル板を好適に用いることができるが、透明なプラスチック、ガラス、ポリメチルペンテンなど、圧力に耐性があり、かつ、照射光を透過させる素材であれば、どのようなものを用いてもよい。
また、本実施形態では、光照射部を移動させるための走査機構201と、駆動部200を用いる。光照射部は、不図示の制御部によって、位置の制御が行われる。
具体的な移動方法は、光を照射する際に光照射部を停止させ、次の発光までに移動させる方法(ステップアンドリピート)であってもよいし、光を照射しながら連続的に移動する方法であってもよい。例えば、被検体の上部から発光タイミングごとに1mm程度の間隔が開くように制御してもよい。
また、第五の実施形態では、画像生成部が、光音響信号と、対応する音響波を受信した位置をメモリに記録し、画像生成時に使用する。
なお、押し付け式保持部104b’の光照射部側に、光を散乱させるための拡散板を設置してもよい。このようにすることで、照射光が手の側面に回り込みやすくなるため、被検体に入射する照射光の光量を増加させることができる。なお、被検体に近い位置に拡散板を設置すると、照射光が効率よく手の側面に回り込むが、拡散板は油などの汚れに弱いため、被検体と接触しない位置に設置することが好ましい。
また、押し当て式保持部の部材に光散乱体を混ぜることで、拡散板の機能を持たせるようにしてもよい。
第五の実施形態によると、光照射部を走査させることで、広範囲に照射光を照射させることができ、広い範囲から情報を取得することができる。
なお、光照射部102は、指に沿った方向(図中Y軸方向)にのみ移動可能な構成としてもよいし、図12に示したように、さらに横方向(図中Z軸方向)に移動可能な構成としてもよい。
(第六の実施形態)
第六の実施形態は、第一ないし第五の実施形態で例示したような平面型の探触子ではなく、アーク型探触子を用いた実施形態である。また、第六の実施形態は、光照射部102と探触子106の双方を移動可能とした実施形態である。
図13は、第二の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。また、図14は、図13をY軸下方向から見た図である。
図14に示したように、アーク型探触子は、略半円柱形状をなす探触子であり、音響素子がそれぞれ円の中心に向くように配置された探触子である。音響素子が半円柱の曲率中心を向いているため、中心付近から発生する音響波を感度よく受信することができる。
具体的に説明する。
音響素子は、音響波の到来方向が正面に近いほど高周波数領域応答が良くなるため、音響波の入射角が正面に近いほど、より高い解像度で特性情報を画像化することができる。加えて、音響波を受信した複数の素子の位置が立体角で大きい、すなわち開口が広いほど、情報が高解像度になる。このため、アーク型探触子は、その曲率中心付近において、高解像度で情報を取得することができる。
なお、曲率中心から離れるにしたがって、解像度は劣化する。本実施形態では、この解像度が、最大解像度の半分以上となる領域を高解像度領域と称するが、解像度の閾値は所定値以上であればよく、例示したもの以外であってもよい。
探触子106は、その中心が被検体の中心と一致するように配置される。すなわち、押し当て式保持部の溝の中心に探触子の中心が来るように配置される。
アーク探触子の一例として、例えば、素子数が64個、素子の大きさが2mm角、半径が60mmのものを用いることができる。本実施形態における探触子は、64個の素子が一列に並んだものであるため、音響波を受信できる縦方向の範囲が狭い。そこで、本実施形態では、被検体の長手方向の上部から下部に向かって探触子を走査しながら音響波を受信する。
本実施形態では、光照射部102が探触子106の下部に取り付けられ、探触子とともに移動する構成となっている。また、光照射部は、探触子の曲率中心付近に光を照射する配置となっている。これにより、探触子の位置にかかわらず、常に感度良く音響波を受信することができる。
なお、走査機構201およびモータ200については、第五の実施形態と同様のものを用いる。また、移動の方法についても、第五の実施形態と同様とすることができる。
このように、探触子106と光照射部102を同時に動かしながら測定を行うことで、広い範囲から情報を取得することができる。また、アーク型探触子を用いることで、より高い解像度で情報を取得することができる。
なお、本実施形態では、アーク型探触子を用いたが、略半球面形状を持つお椀型の探触子を用いてもよいし、複数の平面探触子をフォーカス位置に向けて並べたものを用いてもよい。また、本実施形態では、音響素子を一列に配置した探触子を用いたが、音響素子が二次元あるいは三次元的に配置された探触子を用いてもよい。このような探触子を用いることで、受信素子の開口角が拡大し、画像のコントラストおよび解像度を向上させることができる。
(第七の実施形態)
第七の実施形態は、第六の実施形態に係る光音響測定装置に、筐体内を撮像するカメラを配置し、筐体の外部から被検体の状態を確認可能とした実施形態である。
図15は、第七の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第七の実施形態では、筐体内にカメラ300を配置する。
カメラ300は、被検体の固定具合、位置、測定範囲を決めるために用いられるデジタルカメラであり、筐体内において、被検体を撮像できる向きに配置される。また、カメラ300が撮像した画像もしくは動画は表示部109に出力される。
これにより、被検者や操作者が、被検体の状態を確認しながら、被検体を撮像に適した位置へ移動させることができる。前述したように、アーク型探触子は、その曲率中心付近において高解像度で情報を取得することができる。そこで、映像を確認しながら、測定を所望する部位と、被検体上の高解像度領域(すなわち、探触子の中心が走査によって通過する領域)との位置合わせを行うことができる。
画像を通して高解像度領域を確認する方法として、いくつかの方法がある。例えば、押し当て式保持部に、高解像度領域を表すインジケータを描画し、被検体が当該インジケータの内側に来るように移動させてもよい。この他にも、表示される画像に、インジケータを重畳表示(符号301)してもよいし、カメラと被検体との間に透明な板を配置し、当該板にインジケータを描画してもよい。なお、保持部にインジケータを描画する場合、照射光によって音響波が発生しないインクやテープを用いることが好ましい。例えば、照射光の波長が797nmである場合、当該波長の光を吸収しない、赤い油性マジックを使用するようにしてもよい。
また、第七の実施形態では、画像を見ながら走査範囲の指定を行えるように装置を構成した。第六の実施形態では、可動範囲すべてについて測定を行ったが、被検体の一部についてのみ測定を行いたい場合、不必要な領域を走査することで測定時間が長くなり、被検体の揺動を招くおそれがある。そこで、表示部を通して、走査する範囲を指定可能にし、指定された範囲のみを走査するようにする。範囲指定は、例えばGUIを用いて行ってもよいし、座標や範囲を数値で入力するようにしてもよい。また、座標についての情報は、画面上に重畳表示してもよいし、保持部材にマークすることで示してもよい。また、点を指定するとその点の座標を返すようにしてもよい。
このように、第七の実施形態では、カメラによって撮像された画像を見ながら被検体の位置を調整することができるため、所望する部位を精度よく測定することができる。また、走査範囲を指定可能とすることで、測定時間を短縮することができる。
なお、カメラに被検体を認識する機能を付加し、あらかじめ設定された範囲に被検体が挿入された場合に、測定を自動で開始するようにしてもよい。また、筐体内に照明を配置し、明るさを確保するようにしてもよい。
(第八の実施形態)
第一ないし第七の実施形態では、人の指を被検体とした。これに対し、第八の実施形態は、手首より先の部分(手のひら全体)を被検体とした実施形態である。
図16は、第八の実施形態に係る光音響測定装置の構成図である。
第八の実施形態では、複数のクリップ式保持部104aを用いて、挿入された手の複数の指を保持し、さらに、押し当て式保持部104bを用いて手首を一箇所保持する。また、突き当て式保持部104cを用いて、挿入される手の深さ位置を調節する。
図17を参照しながら、第八の実施形態における保持部について説明する。本実施形態では、押し当て式保持部104bを手首の甲側に配置し、手首が動かないように、両脇を包むように保持する。押し当て式保持部は、プラスチックのように固い部材であってもよいし、ゴムやスポンジのように柔らかく、押し当てると形状が変わるものであってもよい。例えば、柔らかく、手首と摩擦の高いスポンジを好適に用いることができる。
また、本実施形態では、指の先端が挿入される予想位置に、複数のクリップ式保持部104aを配置する。また、手の挿入深さを規定するために、一部の指の先端に、突き当て式保持部104cを配置する。すなわち、被検者は挿入口から手を挿入し、各指に対応するクリップ式保持部104aの間に指を置き、指が付き当て式保持部104cに当たるまで挿入する。そして、押し当て式保持部104b付近に手頸をおいて、手全体を固定する。
また、本実施形態では、探触子106として、お椀型の探触子を使用する。本例のように、被検体が大きく、測定範囲が広い場合、高解像度領域を大きく取れる、お椀型の探触子を用いることが好ましい。例えば、直径150mm略半球状の保持部材を用い、探触子の回転中心を中心軸として、直径1mmの素子をらせん状に配置したものを用いるようにしてもよい。探触子は、被検体を高解像度領域に含むように、被検体から約75mm離れた位置に配置される。音響素子は半球の曲率中心に向いて配置されており、アーク型探触子のように、高解像度領域を持つ。
本実施形態では、測定対象領域が広いため、二次元方向に移動可能な走査機構201を用いて探触子106を移動させる。例えば、被検体に向かって右に移動した後に下へと移動し、左へ移動し、再度下へ移動するといったように、ストライプ状に走査するようにしてもよい。なお、走査の順序はどのようなものであってもよい。例えば、らせん状に探触子を移動させながら測定を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、図18に示すように、探触子106の中心位置に穴を設け、当該位置から照射光を照射する構成とした。例えば、照射光の半径は、高解像度領域をカバーできるように、直径40mmとすることができる。
以上説明したように、第八の実施形態によると、お椀状の探触子と走査手段とを組み合わせることで、より広い範囲に対して測定を行うことができる。
なお、本実施形態では、片手を測定対象としたが、もう片方の手を測定する場合、左右対称になるように保持部を配置すればよい。例えば、右手用と左手用の二種類の保持部を
持つ筐体を各々作成してもよいし、一つの筐体に二種類の保持部を作成してもよい。また、左右の手をどちらも一つの保持部で固定できるような配置としてもよい。
(変形例)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、前述した手段の少なくとも一部を含む光音響装置として実施することもできる。また、当該光音響装置の制御方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態の説明では、挿入された手や指を被検体とし、掌側を測定対象とする例を挙げたが、被検体や測定対象は例示したものに限られない。被検体を保持する手段が、被検体の、音響波検出器に対向していない面に接触するものであれば、被検体の血流の阻害を避けるという本発明の効果を得ることができる。なお、被検体を保持する手段は、必ずしも、被検体の、音響波検出器に対向していない面のみに接触する必要はない。被検体の、音響波検出器に対向している面のうち、少なくとも一部(好ましくは、高解像度領域や、操作者が測定を所望する領域)を避けるように配置されれば、発明の効果を得ることができる。
また、筐体の外部に、被検体である手や指を挿入する際の挿入位置や挿入方向を示したインジケータを設けてもよい。インジケータは、文字や図形が描画されたものであってもよいし、凹凸であってもよい。また、インジケータは、筐体内部にある保持部(クリップ式保持部、押し当て式保持部、突き当て式保持部、吸引式保持部)の位置を説明するものであってもよい。
101・・・光源、102・・・光照射部、104・・・保持部、106・・・探触子、107・・・信号処理部、108・・・画像生成部、111・・・筐体

Claims (9)

  1. 被検体である手の少なくとも一部を挿入する挿入口を有する筐体と、
    前記筐体に挿入された被検体を保持する被検体保持部と、
    前記被検体に対して光を照射する光照射手段と、
    前記光に起因して被検体内で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波受信器と、
    前記電気信号に基づいて、前記被検体内の情報を生成する情報取得部と、
    を有し、
    前記被検体保持部は、前記被検体表面の、前記音響波受信器に対向していない部分に接触することで前記被検体を保持する
    ことを特徴とする、光音響装置。
  2. 前記筐体に挿入された被検体を撮像する撮像手段と、
    前記撮像された画像を出力する出力手段と、をさらに有し、
    前記出力手段が出力する画像は、前記被検体上の領域のうち、所定値以上の感度で音響波の受信が可能である領域が示された画像である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記被検体保持部は、前記被検体の挿入深さを規定する部材であって、深さ方向に可動する部材を有する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の光音響装置。
  4. 前記被検体保持部は、挿入された被検体を二箇所以上の位置で保持する
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響装置。
  5. 前記被検体保持部が、前記被検体を保持する位置のうち少なくとも一箇所は、前記情報取得部が被検体内の情報を生成する領域の外にある
    ことを特徴とする、請求項4に記載の光音響装置。
  6. 前記被検体保持部は、挟持によって被検体を固定する部材と、接触のみによって被検体を固定する部材と、からなる
    ことを特徴とする、請求項4または5に記載の光音響装置。
  7. 前記被検体保持部は、少なくとも指の先端または指の付け根を保持する
    ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の光音響装置。
  8. 前記筐体は、被検体である指の挿入位置および挿入方向を示した図形ないし文字を有する
    ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の光音響装置。
  9. 前記被検体保持部は、前記被検体である前記手の甲と接触することで前記被検体を保持する
    ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の光音響装置。
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