JP2020036472A - 電線束の止水方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電線束の止水性に優れ、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる電線束の止水方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、上記電線束の一方の端を含む端部領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程とを備える。【選択図】なし
Description
本発明は、電線束の止水方法に関する。
複数の絶縁電線を結束体や粘着テープ等で束ねたワイヤハーネス等の電線束が自動車や自動二輪車等に用いられている。電線束を構成する絶縁電線は、線状の導体と、この導体を被覆する絶縁層とを備える。この電線束の末端や中間部にある電線同士の接続部位(ジョイント部)は、導体が露出する領域である。
従って、この電線束は、電気的な不具合が生じることを防止するため、十分な防水性を有することが要求される。具体的には、電線束は、末端や接続領域等からの電線内部への水の浸入を防ぐと共に、仮に電線内部に水が浸入した場合であってもこの水に起因して電気的な不具合が生じないよう適切な箇所で止水することが望まれる。
止水性を高めるために、例えば複数の導体を露出させた部分で複数の導体同士を溶接し、さらにシリコーンを塗布したテープ又は熱収縮チューブによってこの溶接部分を被覆する技術が発案されている(特開2004−72943号公報参照)。
しかしながら、上記公報に記載の止水構造によると、複数の導体同士を溶接することでこれらの導体間の隙間を閉塞することはできるが、溶接後の複数の導体の外周面に上記テープ等が確実に被着していないと複数の導体の外周面を伝って水が浸入するおそれがある。
一方、従来の熱可塑性接着剤を用いた電線束の止水方法においては、加熱により液状化させた熱可塑性接着剤を毛細管現象により導体間まで浸透させており、熱可塑性接着剤を導体間まで浸透させるための所定の時間を設けなければならなかった。このため、熱可塑性接着剤を用いた電線束の止水方法では生産性が低くなってしまうおそれがある。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、電線束の止水性に優れ、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる電線束の止水方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、上記電線束の一方の端を含む端部領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程とを備える。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、上記電線束の一方の端を含む端部領域よりも中央側の所望の領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮チューブを被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程とを備える。
本発明の電線束の止水方法は、電線束の止水性に優れ、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、上記電線束の一方の端を含む端部領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程とを備える。
本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、止水材となるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程で、熱可塑性である液状の上記止水材を露出された導体間に付着させた後に浸透させ、次に、抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程で、抵抗溶接で発生した熱により上記止水材をより浸透させる。また、上記熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程で、熱可塑性の上記止水材が導体間にさらに浸透し、熱収縮キャップと露出された導体との隙間が埋められる。このように、本発明の一態様に係る電線束の止水方法では、各工程ごとで導体間への止水材の浸透が促進される。従って、本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、電線束の端部の止水性に優れるとともに、導体間への止水材の浸透性を向上することで止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。また、この電線束の止水方法は、電線束の端部の導体の露出部位に被覆した熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、電線束の端部の導体の露出部位の止水性を高めることができる。
本発明の他の一態様に係る電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、上記電線束の一方の端を含む端部領域よりも中央側の所望の領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮チューブを被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程とを備える。
本発明の他の一態様に係る電線束の止水方法は、止水材となるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程で、熱可塑性である液状の上記止水材を露出された導体間に付着させた後に浸透させ、次に、抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程で、抵抗溶接で発生した熱により上記止水材をより浸透させる。また、上記熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程で、熱可塑性の上記止水材が導体間にさらに浸透し、熱収縮チューブと露出された導体との隙間が埋められる。このように、本発明の一態様に係る電線束の止水方法では、各工程ごとで導体間への止水材の浸透が促進される。従って、本発明の一態様に係る電線束の止水方法は、電線束の端部の止水性に優れるとともに、導体間への止水材の浸透性を向上することで止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。また、電線束の止水方法は、導体の露出部位に被覆した熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、電線束の所望の部位の露出部位の止水性を高めることができる。
ここで、「熱収縮チューブ」とは、加熱により径方向に収縮する性質を有するチューブであり、通常その両端が開口しており、ワイヤーハーネス等上の電線露出部の防水等に用いられるものを言う。また、「熱収縮キャップ」とは、加熱により径方向に収縮する性質を有するキャップであり、その一端が熱収縮等により閉じられているものを言い、ワイヤーハーネス等の末端の電線露出部の防水等に用いられる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の電線束の止水方法の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
以下、本発明の電線束の止水方法の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
<電線束の止水方法>
[第1実施形態]
図1〜図6を参照して、本発明の第1施形態に係る止水方法について説明する。本発明の第1実施形態の電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を備える絶縁電線の束である電線束の止水方法である。電線束の止水方法は、剥離工程と、塗布工程と、熱圧着工程と、被覆工程と、熱収縮工程とを備える。
[第1実施形態]
図1〜図6を参照して、本発明の第1施形態に係る止水方法について説明する。本発明の第1実施形態の電線束の止水方法は、複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を備える絶縁電線の束である電線束の止水方法である。電線束の止水方法は、剥離工程と、塗布工程と、熱圧着工程と、被覆工程と、熱収縮工程とを備える。
(電線束)
図1は、電線束の止水方法の対象となる電線束の例を示す図である。図1の電線束1は、絶縁電線2を複数束ねたものである。また、各絶縁電線2は、複数の導体4及びこれらの導体4を被覆する絶縁層3を備える。
図1は、電線束の止水方法の対象となる電線束の例を示す図である。図1の電線束1は、絶縁電線2を複数束ねたものである。また、各絶縁電線2は、複数の導体4及びこれらの導体4を被覆する絶縁層3を備える。
導体は線状に形成される。導体としては、通電できる限りその具体的構成は特に限定されないが、錫メッキ軟銅線等の軟銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線などが挙げられる。
(絶縁層)
絶縁層3は絶縁性及び可撓性を有する。絶縁層3は、複数の導体、より詳しくは複数の導体の束を被覆している。絶縁層3の主成分としては、例えばポリビニルホルマール、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の合成樹脂が挙げられる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分を指す。
絶縁層3は絶縁性及び可撓性を有する。絶縁層3は、複数の導体、より詳しくは複数の導体の束を被覆している。絶縁層3の主成分としては、例えばポリビニルホルマール、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の合成樹脂が挙げられる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分を指す。
[剥離工程]
本工程では、電線束1の一方の端を含む端部領域における絶縁層3を剥離する。図2は、剥離工程後の電線束1の模式的側面図である。図2に示すように、剥離工程では、複数の導体4が絶縁層3によって被覆された電線束1の軸方向の一端部における絶縁層3を剥離する。剥離工程では、電線束1の軸方向の一端部において、全ての絶縁電線2について、複数の導体4を覆う絶縁層3を完全に、つまり全周に亘って、剥離する。これにより、図2に示すように、電線束1の軸方向の一端部に絶縁層3が存在しない露出部位P1が形成される。上記剥離工程における絶縁層3の剥離方法としては、例えばストリッパー等の工具による皮剥ぎが挙げられる。このようにして電線束1の端部領域に、複数の絶縁電線2の導体4の露出部位P1が形成される。
本工程では、電線束1の一方の端を含む端部領域における絶縁層3を剥離する。図2は、剥離工程後の電線束1の模式的側面図である。図2に示すように、剥離工程では、複数の導体4が絶縁層3によって被覆された電線束1の軸方向の一端部における絶縁層3を剥離する。剥離工程では、電線束1の軸方向の一端部において、全ての絶縁電線2について、複数の導体4を覆う絶縁層3を完全に、つまり全周に亘って、剥離する。これにより、図2に示すように、電線束1の軸方向の一端部に絶縁層3が存在しない露出部位P1が形成される。上記剥離工程における絶縁層3の剥離方法としては、例えばストリッパー等の工具による皮剥ぎが挙げられる。このようにして電線束1の端部領域に、複数の絶縁電線2の導体4の露出部位P1が形成される。
上記露出部位P1は、電線束1の軸方向の一方の端を含む端部領域における絶縁層3が剥離されることで形成される。電線束1における露出部位P1では、複数の導体4を覆う絶縁層3が完全に剥離されている。換言すると、電線束1は、各絶縁電線2の絶縁層3が存在しない非存在領域が形成されており、この非存在領域が露出部位P1を構成している。
露出部位P1の軸方向長さLの下限としては、5mmが好ましく、10mmがより好ましい。一方、露出部位P1の軸方向長さLの上限としては、30mmが好ましく、20mmがより好ましい。上記軸方向長さLが上記下限に満たないと、次工程である塗布工程で形成されるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6の形成が容易でなくなるおそれがある。逆に、上記軸方向長さLが上記上限を超えると、露出部位P1が不必要に大きくなり、電線束1の強度が低下するおそれや、上記ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の使用量が不必要に多くなるおそれがある。電線束1は、絶縁層3の一端部が剥離され、複数の導体4が露出した露出部位P1を有する。
[塗布工程]
塗布工程では、上記剥離工程による絶縁層3の剥離後の導体4の露出部位P1にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する。図3は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における塗布工程を説明するための電線束及び液槽の概略図である。第1実施形態における塗布工程では、露出部位P1に露出した各導体4の外周面に加温されたポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aに浸漬して含浸させる。具体的には、図3に示すように、加温された液状のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aが溜められた液槽5に露出部位P1を浸漬させて、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを露出部位P1の導線間に浸透させる。すなわち、第1実施形態における塗布工程は、止水材となる熱可塑特性を有する液状のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを供給して電線束1の端部領域の絶縁層3が剥離されて露出した各導体4に上記止水材を付着させて、各導体4間に浸透させる工程である。
塗布工程では、上記剥離工程による絶縁層3の剥離後の導体4の露出部位P1にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する。図3は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における塗布工程を説明するための電線束及び液槽の概略図である。第1実施形態における塗布工程では、露出部位P1に露出した各導体4の外周面に加温されたポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aに浸漬して含浸させる。具体的には、図3に示すように、加温された液状のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aが溜められた液槽5に露出部位P1を浸漬させて、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを露出部位P1の導線間に浸透させる。すなわち、第1実施形態における塗布工程は、止水材となる熱可塑特性を有する液状のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを供給して電線束1の端部領域の絶縁層3が剥離されて露出した各導体4に上記止水材を付着させて、各導体4間に浸透させる工程である。
ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aは、導体4との接着性に優れる。ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの連続使用温度の最高温度における剪断速度1s−1での粘度の下限としては、100Pa・sであり、150Pa・sがより好ましい。上記ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aは、連続使用温度の最高温度における剪断速度1s−1での粘度が高いことで、使用環境下での流動が抑制され、十分な止水性が維持される。上記粘度が上記下限に満たないと、複数の導体4間に浸透したポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用環境下で流動しやすく止水性が不十分となるおそれがある。なお、上記連続使用温度の最高温度は、例えば80℃以上125℃以下の範囲内に存在しており、例えば125℃とすることができる。なお、「連続使用温度の最高温度」とは、電線束の通常の用法に基づいて連続的に使用された場合に想定される最高温度をいう。「剪断速度1s−1での粘度」とは、回転式レオメーターを用いて測定される粘度をいい、例えばアントンパール社製の「MCR302」を用い、治具PP−12を使用して測定した値をいう。なお、剪断速度は、回転子の形状及び回転速度により定められ、回転式レオメーターが自動的に設定するようになっている。
上記ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の上記熱収縮工程の熱収縮温度における剪断速度1s−1での粘度が10Pa・s以下である。電線束の止水方法は、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの上記熱収縮工程の熱収縮温度における剪断速度1s−1での粘度が10Pa・s以下であるので、上記熱収縮工程でポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを複数の導体4の外周面に密着させつつこれらの導体4間の隙間に容易に浸透させることができ、電線束の止水性に優れ、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。
上記塗布工程では、電線束1の一方の端を含む端部領域における露出部位P1に露出した全ての導体4の外周面を被覆可能な量のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを含浸させる。また、上記塗布工程では、下記図5に示すように、露出部位Pに加え、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを露出部位P1に連続する絶縁層3の外周面にも塗布することが好ましい。上記塗布工程におけるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、上記浸漬以外にも滴下、吹付け等の方法を用いることができる。浸漬等が挙げられる。
図4は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における塗布工程後の電線束1の模式的断面図である。本実施形態において、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6は、露出部位P1における最外層を構成している。ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6は、図2に示すように、露出部位P1に露出する全ての導体4の外周面を被覆しており、かつこれら全ての導体4間の隙間に浸透している。電線束1は、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6が複数の導体4間の隙間に浸透することで優れた止水性を有する。
ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6は、露出部位P1の軸方向の全域に亘って複数の導体4を被覆することが好ましい。また、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6は、露出部位P1に露出する複数の導体4に加え、露出部位Pに連続する絶縁層3の外周面を被覆することが好ましい。電線束1は、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6が露出部位P1に露出する複数の導体4に加え、露出部位Pに連続する絶縁層3の外周面を被覆することで、露出部位P1からの水の浸入を防止することができ、防水性を高めることができる。
[熱圧着工程]
熱圧着工程では、上記塗布工程後の露出部位P1における導体4同士を抵抗溶接により熱圧着する。抵抗溶接では電圧を印加しながら導体4同士を加圧する。上記熱圧着工程では、電線束1を止水材となるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aに含浸後に圧着する事で、圧着の時に発生する熱を利用してポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの硬化を促進できる。すなわち、熱圧着工程では、各絶縁電線2の一端部の露出された複数の導体4同士を抵抗溶接して、抵抗溶接により発生した熱で上記止水材を浸透させる。
熱圧着工程では、上記塗布工程後の露出部位P1における導体4同士を抵抗溶接により熱圧着する。抵抗溶接では電圧を印加しながら導体4同士を加圧する。上記熱圧着工程では、電線束1を止水材となるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aに含浸後に圧着する事で、圧着の時に発生する熱を利用してポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの硬化を促進できる。すなわち、熱圧着工程では、各絶縁電線2の一端部の露出された複数の導体4同士を抵抗溶接して、抵抗溶接により発生した熱で上記止水材を浸透させる。
[被覆工程]
被覆工程は、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを嵌着する。上記熱圧着工程直後に被覆工程を行うことで、抵抗溶接により発生した残熱で、熱収縮キャップの熱収縮が促進される。図5は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における被覆工程を説明するための電線束の斜視図である。上記被覆工程では、露出部位P1の軸方向の全長に亘って延在するよう露出部位P1に熱収縮キャップ7を被覆する。上記被覆工程では、露出部位P1に加え、露出部位P1に連続する絶縁層3の外周面に熱収縮キャップ7を被覆することが好ましい。
被覆工程は、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを嵌着する。上記熱圧着工程直後に被覆工程を行うことで、抵抗溶接により発生した残熱で、熱収縮キャップの熱収縮が促進される。図5は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における被覆工程を説明するための電線束の斜視図である。上記被覆工程では、露出部位P1の軸方向の全長に亘って延在するよう露出部位P1に熱収縮キャップ7を被覆する。上記被覆工程では、露出部位P1に加え、露出部位P1に連続する絶縁層3の外周面に熱収縮キャップ7を被覆することが好ましい。
熱収縮キャップ7は、露出部位P1における最外層を構成している。熱収縮キャップ7は、露出部位P1の軸方向の両端に亘って延在している。また、熱収縮キャップ7は、露出部位P1に加え、露出部位P1に連続する絶縁層3の外周面を被覆していることが好ましい。これにより、電線束1は、露出部位P1からの水の浸入を防止することができ、防水性を高めることができる。なお、電線束1は、熱収縮キャップ7によって露出部位P1からの水の浸入を防止することができるので、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6が露出部位P1の軸方向の一部分のみに存在していてもよい。
熱収縮キャップ7の主成分としては、例えばフッ素樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーンなどの合成樹脂が挙げられる。
熱収縮キャップ7は、例えば上記合成樹脂をキャップ状に押出し、電離放射線の照射等によって架橋したうえ、キャップの内部に圧縮空気を送り込んで拡径し、この拡径状態でキャップを冷却固定することで形成することができる。
[熱収縮工程]
熱収縮工程は、上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる。図6は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における熱収縮工程後の止水処理電線束を示す模式的側面図である。上記熱収縮工程では、上記被覆工程で被覆された熱収縮キャップ7を熱収縮させると共に、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを複数の導体4の外周面に密着させつつこれらの導体4間の空隙に浸透させる。当該電線束の止水方法は、導体の露出部位に被覆した熱収縮キャップ7を熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、露出部位P1の防水性を高めることができる。すなわち、上記熱収縮工程は、熱収縮キャップ7を各絶縁電線2の一端部に被せ、熱収縮キャップ7に熱を加えることにより、熱収縮キャップ7を収縮させるとともに、止水材となる熱可塑性接着剤であるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aが露出部位P1の複数の導体4の間にさらに浸透する。そして、止水材により熱収縮キャップ7と露出された各絶縁電線2の一端部の複数の導体4の隙間を埋めることで、各絶縁電線2間を止水する工程である。
熱収縮工程は、上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる。図6は、第1実施形態に係る電線束の止水方法における熱収縮工程後の止水処理電線束を示す模式的側面図である。上記熱収縮工程では、上記被覆工程で被覆された熱収縮キャップ7を熱収縮させると共に、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを複数の導体4の外周面に密着させつつこれらの導体4間の空隙に浸透させる。当該電線束の止水方法は、導体の露出部位に被覆した熱収縮キャップ7を熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、露出部位P1の防水性を高めることができる。すなわち、上記熱収縮工程は、熱収縮キャップ7を各絶縁電線2の一端部に被せ、熱収縮キャップ7に熱を加えることにより、熱収縮キャップ7を収縮させるとともに、止水材となる熱可塑性接着剤であるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aが露出部位P1の複数の導体4の間にさらに浸透する。そして、止水材により熱収縮キャップ7と露出された各絶縁電線2の一端部の複数の導体4の隙間を埋めることで、各絶縁電線2間を止水する工程である。
上記熱収縮工程の熱収縮温度におけるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの剪断速度1s−1での粘度の上限としては、10Pa・sであり、2Pa・sが好ましく、1Pa・sがより好ましい。ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aは、上記熱収縮温度における剪断速度1s−1での粘度が低いことによって、複数の導体4の外周面に密着しつつこれらの導体4間の隙間に十分に浸透する。上記粘度が上記上限を超えると、上記熱収縮温度での又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの複数の導体4間の隙間への浸透性が不十分となるおそれがある。なお、「熱収縮チューブ又は熱収縮キャップの熱収縮温度」とは、熱収縮チューブ又は熱収縮キャップを熱収縮させるために加熱する温度をいう。
上記熱収縮工程における熱収縮温度としては、例えば上記連続使用温度の最高温度よりも25℃以上高い温度とすることができる。また、上記熱収縮工程における加熱時間としては、例えば2分以上15分以下とすることができる。
図6に示すように、止水処理された電線束10は、絶縁層3の一端部が剥離され、複数の導体4が露出した露出部位を有し、露出部位P1にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6と、このポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6を被覆する熱収縮キャップ7とを備える。止水処理された電線束10は、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6を被覆する熱収縮キャップ7を備えるので、露出部位Pの防水性を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る電線束の止水方法によれば、各工程ごとで導体間への止水材の浸透が促進される。従って、当該電線束の止水方法は、電線束の端部の止水性に優れるとともに、導体間への止水材の浸透性を向上することで止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。また、電線束の止水方法は、電線束の端部の導体の露出部位に被覆した熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、電線束の端部の導体の露出部位の止水性を高めることができる。
[第2実施形態]
[第2実施形態]
<電線束の止水方法>
第2実施形態の電線束の止水方法は、上述の熱収縮キャップ7に替えて熱収縮チューブ8を用いる以外、上記第1実施形態の電線束の止水方法と同様の手順で行うことができる。
第2実施形態の電線束の止水方法は、上述の熱収縮キャップ7に替えて熱収縮チューブ8を用いる以外、上記第1実施形態の電線束の止水方法と同様の手順で行うことができる。
図7〜図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る電線束の止水方法について説明する。本発明の第2実施形態に係る止水方法は、複数の導体4及びこれらの導体4を被覆する絶縁層3を有する複数の絶縁電線2の束からなる電線束1の止水方法であって、上記電線束1の一方の端を含む端部領域よりも中央側の所望の領域における絶縁層3を剥離する剥離工程と、上記剥離工程による剥離後の導体2の露出部位P2にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記露出部位P2における導体4同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、上記熱圧着工程直後の上記露出部位P2に熱収縮チューブ8を被覆する被覆工程と、上記被覆工程後の上記熱収縮チューブ8を熱収縮させる熱収縮工程とを備えるので、露出部位P2の防水性を高めることができる。
(剥離工程)
上記剥離工程では、複数の導体4が絶縁層3によって被覆された電線束1の軸方向の一部分において絶縁層3を剥離する。図7は、第2実施形態に係る電線束の止水方法にける剥離工程後の電線束用基材の模式的側面図である。上記剥離工程では、電線束1の軸方向の一部分において複数の導体4を覆う絶縁層3を完全に、つまり全周に亘って、剥離する。これにより、図7に示すように、電線束1の軸方向の一部分に絶縁層3が存在しない露出部位Pが形成される。上記剥離工程における絶縁層3の剥離方法としては、例えばストリッパー等の工具による皮剥ぎが挙げられる。
上記剥離工程では、複数の導体4が絶縁層3によって被覆された電線束1の軸方向の一部分において絶縁層3を剥離する。図7は、第2実施形態に係る電線束の止水方法にける剥離工程後の電線束用基材の模式的側面図である。上記剥離工程では、電線束1の軸方向の一部分において複数の導体4を覆う絶縁層3を完全に、つまり全周に亘って、剥離する。これにより、図7に示すように、電線束1の軸方向の一部分に絶縁層3が存在しない露出部位Pが形成される。上記剥離工程における絶縁層3の剥離方法としては、例えばストリッパー等の工具による皮剥ぎが挙げられる。
(塗布工程)
上記塗布工程では、露出部位P2に露出した複数の導体4の外周面に加温したポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを塗布する。図8は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における塗布工程後の電線束を示す模式的側面図である。上記塗布工程では、露出部位Pに露出した全ての導体4の外周面を被覆可能な量のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを塗布する。
上記塗布工程では、露出部位P2に露出した複数の導体4の外周面に加温したポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを塗布する。図8は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における塗布工程後の電線束を示す模式的側面図である。上記塗布工程では、露出部位Pに露出した全ての導体4の外周面を被覆可能な量のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを塗布する。
上記塗布工程では、図8に示すように、露出部位P2に加え、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを露出部位P2に連続する絶縁層3の外周面にも塗布することが好ましい。上記塗布工程におけるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば滴下、吹付け等が挙げられる。すなわち、第2実施形態における塗布工程は、止水材となる熱可塑特性を有する液状のポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを供給して電線束1の所望の領域における絶縁層3が剥離されて露出した各導体4に付着させて、上記止水材を各導体4間に浸透させる工程である。
(熱圧着工程)
熱圧着工程では、上記塗布工程後の露出部位P2における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する。すなわち、熱圧着工程では、各絶縁電線2の所望の領域の露出された複数の導体4同士を抵抗溶接して、抵抗溶接により発生した熱で上記止水材を浸透させる。
熱圧着工程では、上記塗布工程後の露出部位P2における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する。すなわち、熱圧着工程では、各絶縁電線2の所望の領域の露出された複数の導体4同士を抵抗溶接して、抵抗溶接により発生した熱で上記止水材を浸透させる。
(被覆工程)
被覆工程では、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮チューブを被覆する。上記被覆工程では、露出部位Pの軸方向の両端に亘って延在するよう露出部位Pに熱収縮チューブ8を被覆する。図9は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における被覆工程後の電線束を示す模式的側面図である。上記被覆工程では、図9に示すように、露出部位P2に加え、露出部位Pに連続する絶縁層3の外周面も熱収縮チューブ8によって被覆することが好ましい。
被覆工程では、上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮チューブを被覆する。上記被覆工程では、露出部位Pの軸方向の両端に亘って延在するよう露出部位Pに熱収縮チューブ8を被覆する。図9は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における被覆工程後の電線束を示す模式的側面図である。上記被覆工程では、図9に示すように、露出部位P2に加え、露出部位Pに連続する絶縁層3の外周面も熱収縮チューブ8によって被覆することが好ましい。
(熱収縮工程)
上記熱収縮工程では、上記被覆工程で被覆された熱収縮チューブ8を熱収縮させると共に、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを複数の導体4の外周面に密着させつつこれらの導体4間の空隙に浸透させる。図10は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における熱収縮工程後の止水処理電線束を示す模式的側面図である。
上記熱収縮工程では、上記被覆工程で被覆された熱収縮チューブ8を熱収縮させると共に、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aを複数の導体4の外周面に密着させつつこれらの導体4間の空隙に浸透させる。図10は、第2実施形態に係る電線束の止水方法における熱収縮工程後の止水処理電線束を示す模式的側面図である。
図8〜図10に示すように、止水処理された電線束20は、絶縁層3の所望の部位が剥離され、複数の導体4が露出した露出部位P2にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6と、このポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6を被覆する熱収縮チューブ8とを備える。止水処理された電線束20は、ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層6を被覆する熱収縮チューブ8を備えるので、露出部位P2の防水性を高めることができる。すなわち、上記熱収縮工程は、熱収縮チューブ8を各絶縁電線2の所望の領域に被せられた熱収縮チューブ8に熱を加えることにより、熱収縮チューブ8が収縮するとともに、止水材となる熱可塑性接着剤であるポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体6aが露出部位P2の複数の導体4の間にさらに浸透する。そして、上記止水材により熱収縮チューブ8と各絶縁電線2の所望の領域の露出された複数の導体4との隙間を埋めることで、各絶縁電線2間を止水する工程である。
本発明の第2実施形態に係る電線束の止水方法によれば、各工程ごとで導体間への止水材の浸透が促進される。電線束の所望の部位の止水性に優れるとともに、導体間への止水材の浸透性を向上することで、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できる。また、電線束の止水方法は、導体の露出部位に被覆した熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程を備えるので、電線束の所望の部位の露出部位の止水性を高めることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
自動車用ワイヤハーネスは、複数の電線束を収束して構成されるが、当該電線束の止水方法は、アース端子との接続部等から絶縁層内に水が浸入するおそれがある自動車用ワイヤハーネスの止水方法に好適に用いることができる。自動車用ワイヤハーネスは、例えば上記第1実施形態に係る電線束の止水方法と上記第2実施形態に係る電線束の止水方法とを組み合わせて用いることもできる。
以上のように、本発明の電線束は、電線束の止水性に優れ、止水処理に要する時間を短縮して生産性を向上できるので自動車用ワイヤハーネスを構成する電線束に好適に用いられる。
1 電線束
2 絶縁電線
3 絶縁層
4 導体
5 液槽
6a ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体
6 ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層
7 熱収縮キャップ
8 熱収縮チューブ
10 電線束
20 電線束
P1 露出部位
P2 露出部位
2 絶縁電線
3 絶縁層
4 導体
5 液槽
6a ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体
6 ポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の層
7 熱収縮キャップ
8 熱収縮チューブ
10 電線束
20 電線束
P1 露出部位
P2 露出部位
Claims (2)
- 複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、
上記電線束の一方の端を含む端部領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、
上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、
上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、
上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮キャップを被覆する被覆工程と、
上記被覆工程後の上記熱収縮キャップを熱収縮させる熱収縮工程と
を備える電線束の止水方法。 - 複数の導体及びこれらの導体を被覆する絶縁層を有する複数の絶縁電線の束からなる電線束の止水方法であって、
上記電線束の一方の端を含む端部領域よりも中央側の所望の領域における絶縁層を剥離する剥離工程と、
上記剥離工程による剥離後の導体の露出部位にポリアミド又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を塗布する塗布工程と、
上記塗布工程後の上記露出部位における導体同士を抵抗溶接により熱圧着する熱圧着工程と、
上記熱圧着工程直後の上記露出部位に熱収縮チューブを被覆する被覆工程と、
上記被覆工程後の上記熱収縮チューブを熱収縮させる熱収縮工程と
を備える電線束の止水方法。
Priority Applications (1)
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JP2018161886A JP2020036472A (ja) | 2018-08-30 | 2018-08-30 | 電線束の止水方法 |
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2018
- 2018-08-30 JP JP2018161886A patent/JP2020036472A/ja active Pending
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