JP2020032601A - 樹脂中空骨格部材の製造方法 - Google Patents

樹脂中空骨格部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続繊維材及びランダム材を材料として曲げ強度が高く安価な樹脂中空骨格部材を製造することが可能な樹脂中空骨格部材の製造方法を得る。【解決手段】ランダム繊維部材61で形成された複数のパイプ材118、120、122及び連続繊維シート材106、108が、金型114のキャビティ部116の形状に沿って変形し、かつ一体化されてルーフR/Fが形成されることにより、曲げ強度の高いルーフR/Fを安価に形成することが可能となる。【選択図】図6

Description

本発明は、樹脂中空骨格部材の製造方法に関する。
特許文献1には、繊維材がランダムに配向して形成されたランダム繊維材をコア材とし、繊維材が一方向に配向して形成された連続繊維材をスキン層として接着させた積層体を含んで形成された車両骨格部材に関する技術が開示されている。
国際公開WO2012/105716号公報
一般に、車両骨格部材は、軽量かつ曲げ強度の高い構造が望ましい。このため、車両骨格部材には、軽量化を図る目的で当該車両骨格部材の長手方向に沿って閉断面部(中空部)が設けられているが、曲げ強度の向上については、当該中空部内において、車両骨格部材の長手方向に沿って中空部内を仕切る補強リブが形成されていることが好ましい。
ここで、ランダム繊維材を含む繊維強化樹脂材と連続繊維材を含む繊維強化樹脂材を比較してみると、連続繊維材を含む繊維強化樹脂材は、ランダム繊維材を含む繊維強化樹脂材よりも曲げ強度は高いが、その分高価である。このため、車両骨格部材として連続繊維材を含む繊維強化樹脂材のみで形成するとなると、コストアップは必至である。一方、連続繊維材及びランダム繊維材を材料として樹脂中空骨格部材を製造する方法については前例が無く、一考の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、連続繊維材及びランダム材を材料として曲げ強度が高く安価な樹脂中空骨格部材を製造することが可能な樹脂中空骨格部材の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る樹脂中空骨格部材の製造方法は、一方の型と他方の型とを含んで構成された金型で形成されたキャビティ部内に、繊維材がランダムに配向されたランダム繊維材を含んで形成されると共に中空部が設けられた樹脂製の複数の中空部材を配置する第1工程と、前記キャビティ部内に配置される前記複数の中空部材の外側に、当該複数の中空部材の長手方向に沿って連続して繊維材が配向された連続繊維材がシート状に形成された連続繊維シート材を配置する第2工程と、前記金型が閉じた状態で前記複数の中空部材の各中空部内へ流体を送給することで、前記複数の中空部材及び前記連続繊維シート材を前記キャビティ部の形状に沿って変形させ、かつ一体化させて樹脂中空骨格部材を形成する第3工程と、を有している。
請求項1に記載の本発明に係る樹脂中空骨格部材の製造方法では、一方の型と他方の型とを含んで構成された金型が用いられる。第1工程では、この金型で形成されたキャビティ部内に樹脂製の複数の中空部材を配置する。なお、当該複数の中空部材は、繊維材がランダムに配向されたランダム繊維材を含んで形成されたものである。
また、第2工程では、キャビティ部内に配置される複数の中空部材の外側に、連続繊維シート材を配置する。なお、当該連続繊維シート材は、中空部材の長手方向に沿って連続して繊維材が配向された連続繊維材がシート状に形成されたものである。
さらに、第3工程では、金型が閉じた状態で複数の中空部材の各中空部内へ流体を送給する(いわゆる内圧成形)。これにより、複数の中空部材は、各中空部内の流体による内圧によって外側へ向かってそれぞれ押し広げられ、連続繊維シート材と共にキャビティ部を形成する壁面側へ向かって押圧される。その結果、複数の中空部及び連続繊維シート材は、キャビティ部の形状に沿って変形し、かつ一体化されて樹脂中空骨格部材が形成される。
本発明では、樹脂中空骨格部材として、複数の中空部材を含んで構成されている。中空部材には中空部がそれぞれ設けられているため、当該樹脂中空骨格部材では、軽量化を図ることができる。また、樹脂中空骨格部材において、閉断面部(中空部)を形成するために、複数の中空部材を用い、内圧成形により当該複数の中空部材を一体化させることにより、中空部内に補強リブ(区画壁)を形成することが可能となる。これにより、樹脂中空骨格部材自体の曲げ強度の向上を図ることができる。
さらに、本発明では、樹脂製の複数の中空部及び連続繊維シート材が、金型のキャビティ部の形状に沿って変形し、かつ一体化されて樹脂中空骨格部材が形成されるため、複数の中空部材の外側には連続繊維シート材が設けられることとなる。
ここで、連続繊維シート材は、樹脂中空骨格部材の長手方向に沿って連続して繊維材が配向されており、これにより、ランダム繊維材を含む繊維強化樹脂材と比較すると曲げ強度が高くなっている。一方、ランダム繊維材を含む繊維強化樹脂材は、連続繊維シート材よりも安価である。このため、本発明では、樹脂中空骨格部材を構成する中空部材がランダム繊維材を含んで形成され、中空部材の外側に連続繊維シート材が設けられることにより、曲げ強度の高い樹脂中空骨格部材を安価に形成することが可能となる。
なお、本発明では、「ランダム繊維材」は、ガラスやカーボン等の繊維の長さが100mmよりも短くランダムに配向された繊維材をいい、「連続繊維材」は、樹脂中空骨格部材の長手方向に沿って一方向に連続して配向された繊維材をいう。また、「中空部材の外側」は、中空部材の上面側、下面側、側面側のことである。さらに、「流体」には、空気又は水等の液体が含まれる。また、本発明では、第1工程と第2工程の順番が逆でもよい。
本発明は、曲げ強度の高く安価な樹脂中空骨格部材を製造することができる、という優れた効果を有する。
本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用された車両を斜め前方側から見た斜視図である。 本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフリインフォースメントを斜め前方側から見た斜視図である。 図2で示すA−A線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフリインフォースメントの平面図であり、(B)は、当該ルーフリインフォースメントの正面図である。 (A)は、図4(B)で示すB−B線に沿って切断したときの断面図であり、(B)は(A)の変形例である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフリインフォースメントを成形する前の状態を示す金型の断面図であり、(B)は、(A)で示すC−C線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフリインフォースメントを成形した後の状態を示す金型の断面図であり、(B)は、(A)で示すD−D線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフサイドレールの正面図であり、(B)は、(A)で示すF−F線に沿って切断したときの断面図、(C)は、(A)で示すE−E線に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたフロントサイドメンバを車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図であり、(B)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたロッカを車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図である。 (A)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたフロアクロスメンバを車両上下方向かつ車両前後方向に沿って切断したときの断面図であり、(B)は、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたフロントピラーを車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図である。 本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたバンパリインフォースメントを車両斜め前方側から見た斜視図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る樹脂中空骨格部材の製造方法によって形成された樹脂中空骨格部材について説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、外方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。また、各図においては、図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。
(車両の構成)
まず、車両の構成について説明する。
図1には、車両(車体)10を斜め前方側から見た斜視図が示されている。この図に示されるように、車両10の車体前部12には、車両10を走行させるための電動モーター等の装置(いわゆるパワーユニット)を収容するためのパワーユニットルーム14が設けられている。当該パワーユニットルーム14には、車両10の車両幅方向の両側部において、左右一対のフロントサイドメンバ16が車両骨格部材として車両前後方向に沿ってそれぞれ延在されている。
当該左右一対のフロントサイドメンバ16の前端には、略角筒状に形成され車両前後方向に沿って配置されたクラッシュボックス18が衝撃吸収部材としてそれぞれ結合されている。そして、当該クラッシュボックス18の前端には、車両前端における車両骨格部材として、車両幅方向に沿って延在されたバンパリインフォースメント(以下、「バンパR/F」という)20が結合されている。なお、クラッシュボックス18は必ずしも別途設ける必要はない。また、本実施形態における「結合」には、ボルトやリベット等の締結による結合以外に溶接等による結合も含まれる。
また、左右一対のフロントサイドメンバ16の後端には、パワーユニットルーム14と車室22とを車両前後に区画するダッシュパネル24が結合されている。当該ダッシュパネル24の下端には、ダッシュパネル24が結合されており、当該ダッシュパネル24の下端には、車室22の床部25を構成するフロアパネル26が結合されている。なお、図示はしないが、ダッシュパネル24の下端に、車両幅方向に沿って延在されたダッシュクロスが車両骨格部材として結合されている場合もある。
当該フロアパネル26の車両幅方向の両端には、左右一対のロッカ28が車両骨格部材として車両前後方向に沿ってそれぞれ結合されており、左右一対のロッカ28間には、車両骨格部材としてフロアクロスメンバ30が車両幅方向に沿って複数架け渡されている。
ここで、ロッカ28は、車両10の車体側部32の下端部に設けられている。一方、車体側部32の上端部には、車両骨格部材としてルーフサイドレール34が車両前後方向に沿って延在されている。車体側部32の前端部には、このルーフサイドレール34の前端と連続するようにして、車両前方側へ向かって斜め下方へ傾斜すると共に図示しないフロントシールドガラスの側端を支持する、フロントピラーアッパ36が車両骨格部材として設けられている。
そして、このフロントピラーアッパ36の前端とロッカ28の前端の間には、フロントピラーロア38が車両骨格部材として車両上下方向に沿って延在されている。つまり、フロントピラー40は、簡単にいうと、フロントピラーアッパ36によって上部が構成され、フロントピラーロア38によって下部が構成されている。
また、ロッカ28の車両前後方向の中央部とルーフサイドレール34の間には、車両骨格部材としてセンタピラー42が車両上下方向に沿って架け渡されており、ロッカ28の車両前後方向の後端とルーフサイドレール34の後端の間には、車両骨格部材としてリヤピラー44が車両上下方向に沿って架け渡されている。
そして、ロッカ28、ルーフサイドレール34、フロントピラー40及びセンタピラー42によって輪郭が囲まれた領域は、図示を省略したフロントサイドドアのドア開口部46とされている。また、ロッカ28、ルーフサイドレール34、センタピラー42及びリヤピラー44によって輪郭が囲まれた領域は、同様に図示を省略したリヤサイドドアのドア開口部48とされている。
さらに、車両10の車体後部50には、左右一対のリヤサイドメンバ52が車両骨格部材として車両前後方向に沿って延在されている。また、左右のリヤサイドメンバ52には、荷室の床面を構成するリヤパネル54の左右方向の両端部がそれぞれ接合されており、当該左右のリヤサイドメンバ52の後端には、図示はしないがリヤバンパリインフォースメントが結合されている。
一方、左右一対のルーフサイドレール34間には、図示しないルーフパネルの前端部に相当する位置に、車両骨格部材としてフロントルーフヘッダ56が車両幅方向に沿って架け渡されている。また、左右一対のルーフサイドレール34間におけるルーフパネルの後端部に相当する位置には、車両骨格部材としてリヤルーフヘッダ58が車両幅方向に沿って架け渡されている。さらに、左右一対のルーフサイドレール34間におけるルーフパネルの車両前後方向の中央部に相当する位置には、車両骨格部材としてルーフリインフォースメント(以下、「ルーフR/F」という)60が車両幅方向に沿って架け渡されている。
ところで、左右一対のルーフサイドレール34には、車両幅方向の内側へ向かってそれぞれ張り出すブラケット62がそれぞれ結合されている。このブラケット62に、ルーフR/F60の車両幅方向(長手方向)の両端部がそれぞれ結合されている。なお、フロントルーフヘッダ56とルーフR/F60、ルーフR/F60とリヤルーフヘッダ58の間には、複数のルーフR/F64が左右一対のルーフサイドレール34間に架け渡されているが、これらのルーフR/F64にはブラケット62は設けられていない。
ここで、本実施の形態に係る樹脂中空骨格部材が適用されたルーフR/F60について説明する。
(ルーフR/Fの構成)
以下、本実施の形態に係るルーフR/F60の構成について説明する。
図1に示されるように、左右一対のルーフサイドレール34の間には、車両幅方向に延在するルーフR/F60が配置されている。図2には、ルーフR/F60を斜め前方側から見た斜視図が示されており、この図に示されるように、ルーフR/F60は、車両幅方向に沿って上方側へ向かって緩やかに膨らむカーブを描くように形成されている。
一方、図3には、ルーフR/F60は、車両上下方向かつ車両前後方向(A−A線)に沿って切断したときの断面図が示されている。この図に示されるように、ルーフR/F60は、車両前方側に位置する前壁部66と、車両後方側に位置する後壁部68と、車両上方側に位置する上壁部70と、車両下方側に位置する下壁部72と、を含んで構成されている。
そして、前壁部66、後壁部68、上壁部70及び下壁部72によって囲まれた空間によって閉断面部74が設けられている。この閉断面部74内には、当該閉断面部74を車両前後方向に沿って略均等に3分割する区画壁76、78が設けられており、この区画壁76、78によって、閉断面部74は、さらに閉断面部(中空部)74A、74B、74Cに区画されている。また、閉断面部74A、74B、74Cの内壁面80には、ナイロンやポリエステル等、伸縮性を有する薄膜フィルムで構成された薄膜部82が当該内壁面80と一体に設けられている。
また、ルーフR/F60の上壁部70には、車両前後方向に沿って前方側へ張り出すフランジ部84が設けられると共に、車両前後方向に沿って後方側へ向かって張り出すフランジ部86が設けられている。
一方、前述のように、図1に示される一対のルーフサイドレール34には、車両幅方向の内側へ向かって延びるブラケット62がそれぞれ固定されており、当該ブラケット62によってルーフR/F60の車両幅方向の両端部が固定されるようになっている。
図2に示すブラケット62は、車両前後方向に沿って切断したときの断面形状が上方側を開口とするハット型を成しており、前壁部88、後壁部90及び下壁部92を含んで構成されている。当該前壁部88の上端からは、車両前後方向の前方側へ向かってフランジ部94が張り出しており、当該後壁部90の上端からは、車両前後方向の後方側へ向かってフランジ部96が張り出している。
そして、ブラケット62の下壁部92には、ルーフR/F60の下壁部72が重なり、ブラケット62のフランジ部94、96には、ルーフR/F60のフランジ部84、86がそれぞれ重なるようになっている。
また、ブラケット62の下壁部92には、複数の結合孔98が形成されており、ルーフR/F60の下壁部72には、図示はしないが、当該結合孔98に対応する位置にそれぞれ結合孔が形成されている。さらに、ブラケット62のフランジ部94、96には、複数の結合孔100が形成されており、ルーフR/F60のフランジ部84、86には、当該結合孔100に対応する位置にそれぞれ結合孔102が形成されている。
図3に示されるように、当該結合孔100、102には、ボルト等の締結具104が挿入可能とされており、この締結具104を介して、ルーフR/F60がブラケット62に締結(固定)されるようになっている。なお、図示はしないが、結合孔98(図2参照)も結合孔100、102と同様である。
ここで、ルーフR/F60は、繊維強化樹脂によって成形されており、繊維材がランダムに配向されて形成されたランダム繊維材を含んで構成されている。なお、本実施形態において樹脂材については、熱硬化系でも熱可塑系でもどちらでも使うことが可能である。
また、当該ルーフR/F60において、上壁部70の上部には、フランジ部84、86を含んでルーフR/F60の長手方向に沿って連続して繊維材が配向(いわゆる0°配向)された連続繊維シート材106が設けられている。また、ルーフR/F60の下壁部72の下部にも、上壁部70と同様に、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材108が設けられている。なお、連続繊維シート材106、108は、ガラス繊維(GF)、カーボン繊維(CF)等の繊維材に樹脂材を含浸させたプリプレグ材である。
一方、ルーフR/F60のフランジ部84、86では、結合孔102が形成されている。このため、当該結合孔102の周辺部では、ルーフR/F60の長手方向に対して交叉する方向に沿って連続して繊維材が配向(例えば、90°配向、+45°配向、−45°配向)された連続繊維シート材(図示省略)が、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材106上に積層されてもよい。なお、以下の説明では、0°配向された繊維材に対して交叉する方向に沿って連続して配向された繊維材を便宜上、「交叉配向」という。
このように、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材106上に、繊維材が交叉配向された連続繊維シート材が積層されることによって、結合孔102の周辺部の強度は向上する。
(ルーフR/Fの作用及び効果)
まず、本実施の形態に係るルーフR/F60の製造方法について説明する。なお、説明の便宜上、フランジ部84、86の図示は省略する。
図4(A)には、ルーフR/F60の平面図が示されており、図4(B)には、ルーフR/F60の正面図が示されている。また、図5(A)には、図4(B)に示すB−B線に沿って切断したときの断面図が示されている。さらに、図6(A)には、ルーフR/F60を成形する前の状態を示す金型114の断面図が示されており、図6(B)には、図6(A)に示すC−C線に沿って切断したときの断面図が示されている。また、図7(A)には、ルーフR/F60を成形した後の状態を示す金型114の断面図が示されており、図7(B)には、図7(A)に示すD−D線に沿って切断したときの断面図が示されている。
図6(A)、(B)に示されるように、本実施形態におけるルーフR/F60(図5(A)参照)は、上型(一方の型)110と下型(他方の型)112とを含んで構成された金型114によって成形される。この金型114が閉じた状態で、上型110の内壁面110Aと下型112の内壁面112Aとで空間(以下、「キャビティ部」という)116が形成される。
第1工程では、例えば、図6(B)に示されるように、このキャビティ部116内における下型112の内壁面112A側の所定の位置に、ルーフR/F60(図5(A)参照)の下部の一部を構成する連続繊維シート材108を配置する。そして、この連続繊維シート材108の上に、ルーフR/F60の閉断面部74A、74B、74C(図5(A)参照)を形成するパイプ材(中空部材)118、120、122を配置する。なお、下型112において、パイプ材118、120、122を保持する保持部材がある場合は、当該保持部材によってパイプ材118、120、122は保持される。
ここで、図示はしないが、パイプ材は、ランダム繊維材で形成され、SMC(Sheet Molding Compound)やスタンピング用のシート材(ランダムシート材)を用い、これに内圧をかけて中空部が形成される。このように、内圧をかけるため、ランダム繊維材の内側には、ナイロンやポリエステル等の薄膜フィルムを環状にした薄膜部が設けられるが、所定の径を有する心材に、当該薄膜部をはめてランダムシート材を巻き付けることでパイプ状のランダム繊維材が形成される。
ところで、本実施形態では、図6(A)、(B)に示されるように、パイプ材118、120、122は、金型114の長手方向に対して略直交する幅方向に沿って3本配置される。当該パイプ材118、120、122は略同じ形状とされており、各パイプ材118、120、122には、中空部118A、120A、122Aがそれぞれ設けられている。そして、当該中空部118A、120A、122Aによって閉断面部74A、74B、74C(図7(B)参照)が形成される。
次に、第2工程では、金型114のキャビティ部116内における上型110の内壁面110A側の所定の位置に連続繊維シート材106を配置する。この場合、連続繊維シート材106は、例えば、接着、吸引等により上型110の内壁面110Aから離脱しないように保持される。
そして、第3工程では、金型114が閉じた状態でパイプ材118、120、122の中空部118A、120A、122A内へ流体(空気、液体)が送給される(いわゆる内圧成形)。このとき、パイプ材118、120、122は、中空部118A、120A、122A内の流体による内圧によって外側(金型114の上型110の内壁面110A及び下型112の内壁面112A側)へ向かって押し広げられる。
ここで、図6(B)、図7(B)に示されるように、パイプ材118、120、122の中空部118A、120A、122A内の内圧を等しくすることで、パイプ材118、120、122に作用する力が略均等になる。これにより、ルーフR/F本体124において、閉断面部74内を略均等に3分割する位置に区画壁76、78を形成することができる。
そして、ルーフR/F本体124の閉断面部74内の区画壁76、78において、隣接するパイプ材118とパイプ材120、パイプ材120とパイプ材122が重なることによって板厚が厚くなり、その根元部76A、78Aの角Rを確保し、強度向上を図ることができる。
また、第3工程では、パイプ材118、120、122は、連続繊維シート材106と共に、温調された金型114のキャビティ部116の一部を形成する上型110の内壁面110A側へ向かって押圧されると共に、連続繊維シート材108と共に金型114のキャビティ部116の他部を形成する下型112の内壁面112A側へ向かって押圧される(いわゆるプレス成形)。
その結果、パイプ材118、120、122及び連続繊維シート材106、108は、金型114のキャビティ部116における上型110の内壁面110A及び下型112の内壁面112Aの形状に沿って変形し、かつ一体化され、図7(B)に示されるように、樹脂中空骨格部材としてのルーフR/F60が形成される。
すなわち、図6(B)に示されるパイプ材118、120、122によって、図7(B)に示されるルーフR/F本体124(ルーフR/F60の前壁部66、後壁部68、上壁部70、下壁部72及び区画壁76、78)がそれぞれ形成される。また、図6(B)に示されるパイプ材118の中空部118A、パイプ材120の中空部120A、パイプ材122の中空部122Aによって、図7(B)に示されるルーフR/F60の閉断面部74A、74B、74Cがそれぞれ形成されることとなる。
以上のように、本実施形態では、樹脂中空骨格部材としてのルーフR/F60は、図6(B)に示されるように、複数のパイプ材118、120、122を含んで構成されている。パイプ材118、120、122には中空部118A、120A、122Aがそれぞれ設けられているため、当該ルーフR/F60(図5(A)参照)では、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、図6(B)、図7(B)に示されるように、ルーフR/F60において、中空部(閉断面部74)を形成するために複数のパイプ材118、120、122を用い、内圧成形により当該複数のパイプ材118、120、122を一体化させている。これにより、本実施形態では、ルーフR/F60の中空部(閉断面部74)内に区画壁76、78を形成することが可能となり、ルーフR/F60自体の曲げ強度の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、図5(A)に示されるように、ランダム繊維部材61で形成されたルーフR/F本体124と連続繊維シート材106、108が一体化されることにより、ルーフR/F60において、閉断面部74内に補強リブとしての区画壁76、78が形成された強固な樹脂中空骨格部材とすることができる。
また、本実施形態では、図6(B)、図7(B)に示されるように、ランダム繊維部材61で形成された複数のパイプ材118、120、122及び連続繊維シート材106、108が、金型114のキャビティ部116の形状に沿って変形し、かつ一体化されてルーフR/F60が形成される。つまり、当該ルーフR/F60では、複数のパイプ材118、120、122(ルーフR/F本体124)の外側には、連続繊維シート材106、108が設けられることとなる。
ところで、車両において、衝突等の更なる安全強化に関わる強度向上、操縦安定性等の動的変形を抑制する剛性向上のニーズは昨今も増加している。また、CO2排出削減、省エネルギの観点から軽量化のニーズも高まっている。これらを両立するため、低比重で比強度、比剛性に優れる、強度の高い、ガラス繊維樹脂(GFRP)やカーボン繊維強化樹脂(CFRP)を使った車体骨格構造も採用されてきている。但し、その採用に当たっては、次の課題がある。
1つ目として、GFRPやCFRPによって成形された部材を閉断面構造の車両骨格部材とするためには、車両骨格部材が2部材で構成され、両者をリベット、ボルト、接着剤等で接合アッセンブリー(ASSY)する必要がある。このため、閉断面構造の車両骨格部材を一部材で構成することが望まれる。
2つ目として、車体骨格部材は、閉断面部の形状が大きく、広くなる(偏平)傾向にあり、車体骨格部材に変形等の荷重が負荷された際、閉断面部は弾性変形を起こし、車体骨格部材が長手方向に沿った全断面に亘って塑性変形する前に、車体骨格部材において、断面座屈、割れ、亀裂破壊が生じる可能性が高い。そのため、閉断面部内に仕切リブ(隔壁リブ)を設定することで、車体骨格部材において、設定された高い材料強度を使い切る(効果的に利用する)ことが可能となる。つまり、材料強度を使い切ることができれば、相対的に肉厚を薄くすることができ、軽量化、材料コストの削減に繋げることができる。
3つ目として、車体骨格部材として使用が望まれる、強度が高いGFRPやCFRPの連続繊維材の材料費は高価であるため、使用量を減らしたいという要望がある。また、車両骨格部材に荷重が負荷された際に、その部材に発生する応力は、断面の部位毎に異なった大きさで分布するため、負荷の小さい部位には、材料費が比較的に安価なランダム繊維材を使うことが望ましい。
4つ目として、閉断面部が形成される車両骨格断面を製造する方法として、押し出し工法、両端から入れ子を入れて成形後に引き抜く引抜き工法があるが、これらの工法は長手方向に沿って一定断面であり、ストレート形状である。また、仮に、長手方向に沿って曲率を設けることができたとしても、かなり大きめの一定曲率のものしか作ることはできなかった。このため、車体骨格部材として、設計の自由度を上げ、採用頻度を上げるためには、一定曲率ではなく、任意に曲げられる形状、かつ、閉断面部の可変が可能であることが必要となる。
一方、例えば、ルーフR/Fでは、車両の側突時において、上下方向の曲げ応力が作用した場合、ルーフR/Fの下面側が座屈変形する。このため、ルーフR/Fのように、長手方向の上下曲げの車両骨格部材では、上面と下面を強化する必要がある。また、GFRPやCFRP等の長繊維強化樹脂材は、引張強度よりも圧縮強度が相対的に低いため、ルーフR/Fにおいて、下面側の長繊維材の板厚を上面側よりも厚く設定した方がよい。また、強度の高い長繊維材は、断面高さの略中央部にある中立軸よりもできるだけ離れた位置に配置した方がよい。さらに、ルーフR/Fのように、上下方向の曲げ変形部材においては、上下面(特に下面)の分担荷重が高く、それ以外の前壁、後壁や閉断面部内の仕切りリブ(区画壁)の発生応力は、上下面と比較して相対的に低い応力である。
以上のことから、当該ルーフR/Fにおいて、上下面の中立軸から離れた部位に、ルーフR/Fの長手方向に沿って連続して繊維材が配向された連続繊維材が適し、それ以外の箇所は、比較的に安価なランダム繊維が適している。
しかしながら、ランダム繊維を含むFRPを用いた構成では、母材となる樹脂を軟化させる場合の加熱時において、連続繊維を含むFRPを用いた場合に比べて、車両用骨格部材とFRPとを接着する接着材が流れ易くなる場合がある。このように、接着材が流れ易くなると、車両用骨格部材とFRPとの接着性は低下する。
したがって、本実施形態では、図6(B)、図7(B)に示されるように、ランダム繊維材を含むFRP(以下、「ランダム繊維部材」という)61で形成された複数のパイプ材118、120、122及び連続繊維シート材106、108を含み、流体による内圧成形及び温調された上下型によるプレス成形により、ルーフR/F60を成形している。
前述のように、連続繊維シート材106、108は、長手方向に沿って連続繊維が配向(0°配向)されているため、連続繊維シート材106、108は、ランダム繊維部材61と比較すると、曲げ強度が高くなっている。一方、ランダム繊維部材61は、連続繊維シート材106、108よりも安価である。
したがって、本実施形態では、ルーフR/F本体124を構成する複数のパイプ材118、120、122がランダム繊維部材61で形成され、複数のパイプ材118、120、122の外側に連続繊維シート材106、108が設けられることにより、曲げ強度の高いルーフR/F60を安価に形成することが可能となる。
特に、ルーフR/F60は、車両10の側面衝突時において、衝撃荷重が入力されると、ルーフR/F60の下面60B側には、圧縮力が作用し、これによってルーフR/F60の折れが発生する可能性がある。このため、車両10の側面衝突時にルーフR/F60の強度に大きく作用する外側の上面60A、下面60B側を、それぞれ曲げ方向に連続繊維を配向させた連続繊維シート材106、108とする。
なお、図3では、連続繊維シート材108の板厚は、連続繊維シート材106の板厚と略同じに設定されているが、前述のように、ルーフR/F60では、連続繊維シート材108の板厚は、連続繊維シート材106よりも厚くなるように設定された方がよい。また、ルーフR/F60において、車両10の側面衝突時に比較的大きな力が作用しない閉断面部74A、74B、74Cは、ランダム繊維部材61で形成されたパイプ材118、120、122によって形成される。
なお、本実施形態では、ルーフR/F60において、パイプ材118、120、122を3本用い、区画壁76、78を形成すると共に、閉断面部74A、74B、74Cが形成されている。しかし、樹脂中空骨格部材において、閉断面部が形成されると共に、当該閉断面部内に補強リブを設けることができればよいため、これに限るものではない。例えば、パイプ材を2本用いた場合は、図5(B)に示されるように、樹脂中空骨格部材126の閉断面部128内には、補強リブ130が1本設けられることになる。
また、ルーフR/F60において、閉断面部74は車両前後方向に沿って略均等に3分割されているが、必ずしも均等に分割されなくてもよい。また、パイプ材118、120、122は、略同じ形状とされているが、必ずしも同じ形状である必要はない。
さらに、本実施形態では、中空部118A、120A、122A内には、伸縮性を有するフィルム製の薄膜部82が設けられている。これにより、中空部118A、120A、122A内に流体が供給された場合、薄膜部82により流体の漏れは抑制され、パイプ材118、120、122に効率良く内圧が作用することとなる。しかしながら、パイプ材118、120、122は、繊維強化樹脂によって成形されているため、当該薄膜部82は必ずしも必要ではない。
また、本実施形態では、図5(B)に示されるように、金型114が上型110と下型112を含んで構成され、下型112に対して上型110が上下方向に沿って動作する金型114で内圧成形するため、樹脂中空骨格部材の断面を可変にしたり、さらに強度が必要な箇所に局所的に連続繊維シート材を追加したりすることも可能である。
さらに、本実施形態では、連続繊維シート材106、108は、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材が用いられているが、これに限るものではない。例えば、連続繊維材が交叉配向された連続繊維シート材が用いられてもよいし、これらが積層された連続繊維シート材が用いられてもよい。
また、本実施形態では、第1工程の次に第2工程の作業を行うようになっているが、第2工程の次に第1工程の作業を行ってもよい。また、図6(B)に示されるように、金型114は上型110と下型112を含んで上下に分割されて構成されているが、これに限るものではない。例えば、図示はしないが、左右に分割して構成された金型を用いてもよい。また、これらの金型では、一方の型が他方の型に対して直線移動するようになっているが、これに限るものではない。例えば、一方の型が他方の型に対して、回動移動するように構成された金型でもよい。
(本実施形態の変形例)
以上の本実施形態では、樹脂中空骨格部材として、ルーフR/F60を例に挙げて説明したが、本実施形態における樹脂中空骨格部材は、ルーフR/F60に限るものではない。例えば、図1に示すフロントサイドメンバ16、リヤサイドメンバ52、フロアクロスメンバ30、フロントピラー40、ルーフサイドレール34、ロッカ28及びバンパR/F20等に適用可能とされる。
以下、それぞれ簡単に説明する。
(ルーフサイドレール)
図4(B)に示されるように、ルーフR/F60では、車両幅方向(長手方向)に沿って高さ方向(幅方向)の寸法が略一定となっているが、これに限るものではない。本実施形態では、図6(B)、図7(B)に示されるように、内圧成形により、パイプ材118、120、122の中空部118A、120A、122A内を外側へ向かって押し広げ、当該パイプ材118、120、122を金型114のキャビティ部116の形状に沿って変形させる。このため、外形において特に限定されるものではなく、樹脂中空骨格部材において、長手方向に沿って幅方向の寸法が変わるように設定されてもよい。
例えば、図8(A)には、ルーフサイドレール34の正面図が示されている。この図に示されるように、ルーフサイドレール34では、車両前後方向の略中央部34Aから車両前後方向の両端部34Bへ向かうにつれて徐々に高さ方向の寸法が大きくなるように設定されている。
つまり、ルーフサイドレール34の車両前後方向の略中央部34Aでは、図8(C)に示されるように、高さ方向の寸法がH1となっており、ルーフサイドレール34の車両前後方向の両端部34Bでは、図8(B)に示されるように、高さ方向の寸法はH2(>H1)となっている。
このように、ルーフサイドレール34では、当該ルーフサイドレール34の車両前後方向の両端部34Bにおける高さ方向の寸法を、当該ルーフサイドレール34の車両前後方向の中央部34Aよりも大きくすることにより、断面係数を大きくして曲げ強度がより高くなるように設定することができる。
(フロントサイドメンバ)
図9(A)には、フロントサイドメンバ16を車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図が示されている。この図に示されるように、フロントサイドメンバ16は、車両幅方向の外側に位置する外壁部132と、車両幅方向の外側に位置する内壁部134と、車両上方側に位置する上壁部136と、車両下方側に位置する下壁部138と、を含んで構成されている。
そして、外壁部132、内壁部134、上壁部136及び下壁部138によって囲まれた空間によって閉断面部140が設けられており、当該閉断面部140内には、車両上下方向に沿って3分割する区画壁142、144が設けられている。
ここで、フロントサイドメンバ16は、ランダム繊維部材61を含んで形成されている。また、フロントサイドメンバ16の外壁部132の車両幅方向の外側には、当該フロントサイドメンバ16の長手方向に沿って配向(0°配向)された連続繊維シート材146が設けられている。さらに、フロントサイドメンバ16の内壁部134の車両幅方向の内側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材148が設けられている。また、フロントサイドメンバ16の上壁部136の上側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材150が設けられ、フロントサイドメンバ16の下壁部138の下側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材152が設けられている。
なお、連続繊維シート材146、148、150、152の板厚は、同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよい。例えば、連続繊維シート材146、148の板厚を連続繊維シート材150、152の板厚よりも厚くしてもよい。この場合、フロントサイドメンバ16において、車両幅方向の曲げ強度をより向上させることができる。さらに、連続繊維シート材146、148において、連続繊維シート材146の板厚を連続繊維シート材148の板厚よりも厚くしてもよい。
また、連続繊維シート材150、152の板厚を連続繊維シート材の板厚よりも厚くすることで、フロントサイドメンバ16において、車両上下方向の曲げ強度をより向上させることができる。つまり、本実施形態では、フロントサイドメンバ16の仕様に応じて、連続繊維シート材146、148、150、152の板厚は適宜変更可能となる。
また、ここでは、フロントサイドメンバ16について説明したが、リヤサイドメンバ52もこれと同様である。
(ロッカ)
図9(B)には、ロッカ28を車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図が示されている。この図に示されるように、ロッカ28は、ランダム繊維部材61を含んで形成されており、図9(A)に示すフロントサイドメンバ16と同様に、外壁部154と、内壁部156と、上壁部158と、下壁部160と、を含んで構成されている。
そして、外壁部154、内壁部156、上壁部158及び下壁部160によって囲まれた空間によって閉断面部162が設けられており、当該閉断面部162内には、車両上下方向に沿って3分割する区画壁164、166が設けられている。
また、外壁部154の車両幅方向の外側には、ロッカ28の長手方向に沿って配向(0°配向)された連続繊維シート材168が設けられ、内壁部156の車両幅方向の内側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材170が設けられている。これにより、当該ロッカ28において、車両幅方向の曲げ強度を向上させることができる。
(フロアクロスメンバ)
図10(A)には、フロアクロスメンバ30を車両上下方向かつ車両前後方向に沿って切断したときの断面図が示されている。この図に示されるように、フロアクロスメンバ30は、ランダム繊維部材61を含んで形成されており、車両前方側に位置する前壁部172と、車両後方側に位置する後壁部174と、車両上方側に位置する上壁部176と、車両下方側に位置する下壁部178と、を含んで構成されている。
そして、前壁部172、後壁部174、上壁部176及び下壁部178によって囲まれた空間によって閉断面部180が設けられており、当該閉断面部180には、車両幅方向に沿って3分割する区画壁182、184が設けられている。
また、フロアクロスメンバ30は、上壁部176の上側には、フロアクロスメンバ30の長手方向に沿って配向(0°配向)された連続繊維シート材186が設けられており、下壁部178の下側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材188が設けられている。これにより、当該フロアクロスメンバ30において、車両上下方向の曲げ強度を向上させることができる。
(フロントピラー)
図10(B)には、フロントピラー40を車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断したときの断面図が示されている。この図に示されるように、フロントピラー40は、ランダム繊維部材61を含んで形成されており、車両幅方向の外側に位置する外壁部190と、車両幅方向の外側に位置する内壁部192と、車両上方側に位置する上壁部194と、車両下方側に位置する下壁部196と、を含んで構成されている。
そして、外壁部190、内壁部192、上壁部194及び下壁部196によって囲まれた空間によって閉断面部198が設けられており、当該閉断面部198内には、車両上下方向に沿って2分割する区画壁200が設けられている。
また、フロントピラー40は、外壁部190の車両幅方向の外側に、フロントピラー40の長手方向に沿って配向(0°配向)された連続繊維シート材202が設けられており、内壁部192の車両幅方向の内側には、連続繊維材が0°配向された連続繊維シート材204が設けられている。これにより、当該フロントピラー40において、車両幅方向の曲げ強度を向上させることができる。
(バンパR/F)
図1に示すバンパR/F20は、左右一対のフロントサイドメンバ16間では、車両幅方向に沿って延在されており、当該フロントサイドメンバ16の車両幅方向の外側では、車両幅方向の外側へ向かうにつれて後方側へ向かって傾斜している。
当該バンパR/F20は、車両前後方向の略中央部20Aでは、高い曲げ強度が必要とされるため、車両前後方向に沿った断面形状を大きくした方がよい。一方、バンパR/F20の車両幅方向の両端部20Bでは、他部品との干渉を抑制するため、車両前後方向に沿った断面形状は小さくなってしまう。
このようなバンパR/F20の形状であっても本実施形態における樹脂中空骨格部材では適用可能とされる。具体的に説明すると、図11に示されるように、バンパR/F20は、車両前方側に位置する前壁部206と、車両後方側に位置する後壁部208と、車両上方側に位置する上壁部210と、車両下方側に位置する下壁部212と、を含んで構成されている。
当該前壁部206、後壁部208、上壁部210及び下壁部212によって囲まれた空間によって閉断面部214が設けられており、当該閉断面部214は、車両上下方向に沿って3分割する区画壁216、218により、閉断面部220、222、224に区画されている。
そして、バンパR/F20の中央部20Aでは、閉断面部214は車両前後方向に沿った寸法が大きくなるように形成されており、バンパR/F20の端部20Bでは、車両前後方向に沿った寸法は小さくなるように形成されている。
すなわち、ここでは、一つのバンパR/F20において、車両幅方向に沿って閉断面部214の形状を変えることが可能となる。これにより、バンパR/F20において、車両幅方向に沿った位置で曲げ強度を変えることが可能となる。さらに、ここでは、図示はしないが、前壁部206、後壁部208、上壁部210及び下壁部212に連続繊維シート材を設けることによって、さらに設計の自由度が向上する。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両
16 フロントサイドメンバ(樹脂中空骨格部材)
20 バンパリインフォースメント(樹脂中空骨格部材)
28 ロッカ(樹脂中空骨格部材)
30 フロアクロスメンバ(樹脂中空骨格部材)
34 ルーフサイドレール(樹脂中空骨格部材)
40 フロントピラー(樹脂中空骨格部材)
52 リヤサイドメンバ(樹脂中空骨格部材)
60 ルーフリインフォースメント(ルーフR/F、樹脂中空骨格部材)
61 ランダム繊維部材
106 連続繊維シート材
108 連続繊維シート材
110 上型(一方の型)
112 下型(他方の型)
114 金型
116 キャビティ部
118 パイプ材(中空部材)
118A 中空部
120 パイプ材(中空部材)
120A 中空部
122 パイプ材(中空部材)
122A 中空部
124 ルーフR/F本体(樹脂中空骨格部材)
126 樹脂中空骨格部材
146 連続繊維シート材
148 連続繊維シート材
150 連続繊維シート材
152 連続繊維シート材
168 連続繊維シート材
170 連続繊維シート材
186 連続繊維シート材
188 連続繊維シート材
202 連続繊維シート材
204 連続繊維シート材

Claims (1)

  1. 一方の型と他方の型とを含んで構成された金型で形成されたキャビティ部内に、繊維材がランダムに配向されたランダム繊維材を含んで形成されると共に中空部が設けられた樹脂製の複数の中空部材を配置する第1工程と、
    前記キャビティ部内に配置される前記複数の中空部材の外側に、当該複数の中空部材の長手方向に沿って連続して繊維材が配向された連続繊維材がシート状に形成された連続繊維シート材を配置する第2工程と、
    前記金型が閉じた状態で前記複数の中空部材の各中空部内へ流体を送給することで、前記複数の中空部材及び前記連続繊維シート材を前記キャビティ部の形状に沿って変形させ、かつ一体化させて樹脂中空骨格部材を形成する第3工程と、
    を有する樹脂中空骨格部材の製造方法。
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