JP2020032146A - 医療デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】生体内に造影剤を投与することなく、血管等の生体管腔の造影を可能にする医療デバイスを提供する。【解決手段】医療デバイス100は、先端111および基端113を備える長尺状のシャフト110と、シャフトよりも軸直交断面の面積が小さく形成された造影部材120と、を備え、シャフトには、複数の造影部材が接続されており、造影部材の各々は、シャフトの先端よりも先端側へ展開可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、血管等の生体管腔の造影に使用される医療デバイスに関する。
従来から、冠動脈に形成された狭窄部や閉塞部に対する処置方法として、バルーンカテーテル等を利用して狭窄部や閉塞部を押し広げて拡張させる経皮的冠動脈形成術(PCI)が行われている。術者は、PCIにおいて、冠動脈に造影剤を投与し、X線透視下で狭窄部や閉塞部を確認する。
ところで、腎機能が低い患者に対してPCIを行うと、造影剤の副作用により造影剤腎症に陥り、場合によっては透析が必要になることもある。その原因は、確定されていないが、造影剤が腎臓に流れ込み、腎血管が収縮し、腎血流量や糸球体濾過量が低下するために、腎虚血が引き起こされる血管性の要因が考えられている。さらに、造影剤は尿細管細胞に対して直接的な細胞毒性を示すことも知られている。
このため、造影剤の腎臓への流入を抑制するための種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、PCIを行うために冠動脈に造影剤を放出した後、冠静脈を通って冠静脈洞に流れる造影剤を、右心房に挿入したデバイスにより吸引して外部へ排出する方法が記載されている。
米国特許第7300429号明細書
特許文献1の方法によれば、患者の体内に投与した造影剤を吸引して体外へ排出するため、腎臓への造影剤の流入量を低減し得るが、造影剤とともに血液を吸引するため、患者が虚血状態に陥る可能性がある。また、体内に投与した造影剤の全てを回収することは困難であるため、腎臓に与える造影剤の影響も懸念される。
本発明は、上記のような課題を鑑みてなされたものであり、生体内に造影剤を投与することなく、血管等の生体管腔の造影を可能にする医療デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る医療デバイスは、先端および基端を備える長尺状のシャフトと、前記シャフトよりも軸直交断面の面積が小さく形成された造影部材と、を備え、前記シャフトには、複数の前記造影部材が接続されており、前記造影部材の各々は、前記シャフトの前記先端よりも先端側へ展開可能である。
術者は、患者の生体管腔内に医療デバイスを挿入し、シャフトに接続された複数の造影部材をシャフトの先端よりも先端側へ展開することにより、生体管腔に沿って各造影部材を配置することができる。術者は、生体管腔内に配置された各造影部材をX線透視下において確認することにより、生体管腔の走行を把握することができる。そのため、術者は、医療デバイスを使用することにより、生体管腔を造影する際に造影剤を患者の体内に投与
する必要がなくなる。したがって、造影剤の投与に伴う患者の負担を効果的に低減することができる。
第1実施形態に係る医療デバイスの全体構成を簡略化して示す図である。 第1実施形態に係る医療デバイスのシャフトの先端付近を拡大して示す図である。 図2に示す3−3線に沿う医療デバイスの断面図である。 図2に示す4−4線に沿う医療デバイスの断面図である。 第1実施形態に係る医療デバイスを生体管腔内で移動させる際の造影部材の配置形態を例示する図である。 第1実施形態に係る医療デバイスの使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る医療デバイスの使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る医療デバイスの使用例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る医療デバイスを生体管腔内に挿入する際の様子を示す図であって、図7に示す9−9線に沿う断面図である。 第2実施形態に係る医療デバイスのシャフトの先端付近を拡大して示す図である。 図10に示す11−11線に沿う医療デバイスの断面図である。 図10に示す12−12線に沿う医療デバイスの断面図である。 第2実施形態に係る医療デバイスのシャフトの先端付近を拡大して示す図である。 図13に示す14−14線に沿う医療デバイスの断面図である。 第3実施形態に係る医療デバイスのシャフトの先端付近を拡大して示す図である。 図15に示す16−16線に沿う医療デバイスの断面図である。 医療デバイスを生体管腔内で移動させる際の造影部材の配置形態を例示する図である。 医療デバイスを生体管腔内で移動させる際の造影部材の配置形態を例示する図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図9を参照して、第1実施形態に係る医療デバイス100を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図5は、医療デバイス100の各部の説明に供する図であり、図6〜図9は、医療デバイス100の使用例の説明に供する図である。図3は、図2に示す3−3線に沿う断面図であり、図4は、図2に示す4−4線に沿う断面図である。図4は、中実構造のシャフト110の断面図を示している。
図1を参照して、本明細書では、医療デバイス100において生体内に挿入される側(矢印X1で示す側)を「先端側」とし、医療デバイス100において操作補助部材150が配置された側(矢印X2で示す側)を「基端側」とする。また、医療デバイス100のシャフト110が延伸する方向(図中の矢印X1−X2方向)を「軸方向」とする。また、明細書内で説明する軸直交断面は、矢印X1−X2方向と直交する方向におけるシャフ
ト110または造影部材120の断面を意味する。
本実施形態に係る医療デバイス100は、生体管腔(例えば、冠動脈)の造影を可能にするデバイスとして構成している(図6〜図8を参照)。
図1、図2、図3に示すように、医療デバイス100は、先端111および基端113を備える長尺状のシャフト110と、シャフト110に接続された複数の造影部材120と、シャフト110の基端113に接続された操作補助部材150と、を有している。
<シャフト>
図1、図2に示すように、シャフト110は、先端111と基端113との間に延在する中間部115を備える棒状の部材で構成している。造影部材120は、シャフト110の先端111付近に接続している。
シャフト110は、本実施形態では、シャフト110の先端111とシャフト110の基端113との間の所定の範囲(シャフト110の軸方向の所定の範囲)に形成された溝部116と、溝部116よりも基端側に形成された中実部115aと、を有している。
中実部115aは、中間部115のうち溝部116が形成された部分を除いた部分で形成されている。つまり、中間部115は、シャフト110の先端111付近に形成された溝部116と、溝部116よりも基端側に延在する中実部115aとにより形成されている。
図2に示すように、溝部116は、シャフト110の軸方向の先端111側から基端113側に向けて、軸直交断面の面積が徐々に小さくなる形状を有している。溝部116の先端は、溝部116の外部に臨んで開口するシャフト110の先端開口部112を形成している。シャフト110の先端開口部112を囲む溝部116の外周縁は、シャフト110の先端面111aを形成している。なお、溝部116の具体的な形状、軸方向の長さ等は特に限定されない。
本実施形態では、複数の造影部材120のうちの少なくとも一つが、溝部116においてシャフト110と接続されている。より具体的には、図2に示すように、複数の造影部材120は、造影部材120の基端123が溝部116内に配置されている。
図3には、図2に示す3−3線部分におけるシャフト110の軸直交断面を示している。シャフト110は、軸直交断面上において、円形を呈する外周面110aおよび内周面110bを有している。
シャフト110は、シャフト110の先端111から基端113まで略同一の大きさの外径D1を備える長尺部材で構成している。シャフト110の外径D1は、特に限定されないが、医療デバイス100を冠動脈で使用するデバイスとして構成する場合、例えば、0.3mm〜2.0mmであり、好ましくは、1.0mm〜1.5mmである。シャフト110は、外径D1が上記のような寸法で形成されることにより、既存のガイディングカテーテル210やガイドワイヤ220を利用して冠動脈内への送達を円滑に行うことができる(図7、図9を参照)。
シャフト110の軸方向の長さ(先端111から基端113までの長さ)は、特に限定されないが、医療デバイス100を冠動脈で使用するデバイスとして構成する場合、例えば、600mm〜1800mmであり、好ましくは、850mm〜1200mmである。
図4には、図2に示す4−4線部分におけるシャフト110の軸直交断面を示している。シャフト110の中実部115aでは、シャフト110を形成する構成材料が軸直交断面上における全範囲に亘って存在する。つまり、シャフト110の中実部115aには、中空状の内腔が存在しない。
シャフト110の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、またはこれらのうちの2種以上を組み合わせたものを使用することができる。
<造影部材>
図2には、造影部材120の各々が展開した状態を簡略的に図示している。図2に示すように、シャフト110の先端111付近には、複数の造影部材120が接続されている。造影部材120の各々は、シャフト110の先端111よりも先端側へ展開可能である。
造影部材120は、造影部材120が展開した際にシャフト110の先端111よりも先端側に配置される先端121と、溝部116内に配置された基端123と、を有している。
造影部材120は、例えば、シャフト110の外周面110a、先端面111a、シャフト110の壁部内部(中実部115aの内部)に接続することも可能である。また、造影部材120のシャフト110と接続される部分は、基端123のみに限定されることはなく、造影部材120の任意の部分をシャフト110に対して接続することができる。
図2に示すように、造影部材120は、第1造影部材130と、第1造影部材130よりも先端側へ展開可能な第2造影部材140と、を有している。本明細書では、第1造影部材130と第2造影部材140の共通部分を説明する場合、総称である「造影部材120」を用いる。
各造影部材130、140が展開した際、第2造影部材140の先端は、第1造影部材130の先端よりも、シャフト110の先端111を基準にして、より先端側に配置される(図2、図8を参照)。一般的に、血管径は、血管が抹消に向かうにつれて細くなるため、造影部材120が複数存在することにより、血管の抹消側への造影部材120の到達性は低くなる。しかし、このような場合においても、医療デバイス100は、シャフト110の先端111よりも先端側の領域において展開される造影部材120の数が先端側で基端側よりも少なくなるため、造影部材120が血管のより抹消側に到達できるようになる。
医療デバイス100が第1造影部材130と第2造影部材140を備える場合において、第1造影部材130と第2造影部材140が展開した際、第2造影部材140が第1造影部材130よりも先端側に展開されるようにするために、例えば、第1造影部材130の基端と、第1造影部材130よりも軸方向の長さが長く形成された第2造影部材140の基端をシャフト110の軸方向の同一の位置に接続する配置形態を採用することができる。
第1造影部材130と第2造影部材140が展開した際、第2造影部材140が第1造影部材130よりも先端側に展開されるようにするための具体的な配置形態は特に限定されない。例えば、同一の長さを備える第1造影部材130と第2造影部材140を使用し、第2造影部材140のシャフト110に対する接続位置を、第1造影部材13
0のシャフト110に対する接続位置よりも先端側にずらすことにより、第2造影部材140を第1造影部材130よりも先端側に展開可能に構成することも可能である。
なお、「第2造影部材140が第1造影部材130よりも先端側に展開可能である」とは、各造影部材130、140が展開した際、第2造影部材140の先端が第1造影部材130の先端よりも先端側に配置可能であることを意味する。
また、本実施形態では、造影部材120は、第1造影部材130と、第2造影部材140を備える例を説明したが、例えば、造影部材120は、展開した際の造影部材の先端位置が同一となる一種類の造影部材のみを備えていてもよいし、展開した際の造影部材の先端の位置が各々異なる三種類以上の造影部材を備えていてもよい。また、一つの医療デバイス100に備えられる造影部材120の本数や、第1造影部材130と第2造影部材140の割合等も特に限定されない。
造影部材120は、造影剤を含有する合成樹脂からなる造影糸で構成している。図3に示すように、造影部材120の軸直交断面の形状は、円形である。
造影部材120は、シャフト110よりも軸直交断面の面積が小さく形成されている。前述したように、シャフト110は軸直交断面の形状が円形であり、造影部材120も軸直交断面の形状が円形である。そのため、本実施形態では、造影部材120の外径D2の寸法がシャフト110の外径D1よりも小さい。なお、後述する内腔417、517が形成されたシャフト410、510(図14、図16を参照)の軸直交断面の面積は、内腔417、517の断面積を含むシャフト全体の軸直交断面の面積を意味する。
造影部材120の軸方向の長さ(直線状に延ばした状態における先端121から基端123までの長さ)は、特に限定されないが、医療デバイス100を冠動脈で使用するデバイスとして構成する場合、例えば、30mm〜400mmであり、好ましくは、100mm〜300mmである。また、本実施形態のように、長さの異なる二つの造影部材130、140を用いる場合、各造影部材130、140の各々は、上記の30mm〜400mmの任意の範囲の寸法で形成することができる。
第1造影部材130が展開した際、第1造影部材130がシャフト110の先端111から先端側に突出する部分の長さは、例えば、30mm〜70mmにすることができる。また、第2造影部材140が展開した際、第2造影部材140がシャフト110の先端111から先端側に突出する部分の長さは、例えば、100mm〜300mmとすることができる。
造影部材120の外径D2は、特に限定されないが、医療デバイス100を冠動脈で使用するデバイスとして構成する場合、例えば、0.001mm〜0.3mmであり、好ましくは、0.003mm〜0.01mmである。造影部材120が細いと、冠動脈に送達された際に造影部材120は血流に沿って受動的に展開されるようになる。一方、造影部材120が細すぎると、不意の力が作用した際に造影部材120が破断しやすくなる。造影部材120の外径D2が上記のような寸法で形成されることにより、強度を保ちつつ、造影部材120が血流に沿って受動的に展開されることが可能となる。
なお、造影部材120に用いられる造影糸は、モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってよい。
図5には、医療デバイス100を生体管腔内で移動させる際の造影部材120の配置形態を例示している。
医療デバイス100を生体管腔内で移動させる際、造影部材120には、所定の折り返し部128を形成することができる。折り返し部128は、シャフト110に固定された造影部材120の基端123よりも先端側に位置する所定の部位をシャフト110の基端113側に折り返すことで形成することができる。
術者は、医療デバイス100を生体管腔内で移動させる際、造影部材120に折り返し部128が形成された状態でガイディングカテーテル210のシャフト211の内腔211aに沿って医療デバイス100を移動させることができる(図7、図9を参照)。医療デバイス100は、医療デバイス100の移動前に造影部材120に折り返し部128が形成されていることにより、移動中に、造影部材120に無理な力が作用して絡まる、切れるなどの不都合が発生するリスクを低減できる。
造影部材120は、医療デバイス100の未使用の状態(製品出荷段階、保管状態等)や、医療デバイス100の送達を開始する前の状態等において、図2に示す折り返し部128が形成された状態を維持するようにするために、剥離可能なシール材や水溶性の接着剤を使用してシャフト110の外周面110aに固定することができる。
図3に示すように、造影部材120の外表面には、撥水性を備える被覆層126を設けることができる。被覆層126は、造影部材120への血液等の体液の付着を防止する目的で設けている。被覆層126は、例えば、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)で構成することができる。なお、シャフト110の外周面110aや内周面110bにも被覆層126と同様のコーティングを施してもよい。
造影部材120を構成する造影糸は、造影剤(放射線不透過剤)を含有する合成樹脂からなる。造影剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができる。また、合成樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
合成樹脂中における造影剤の含有量は、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。例えば、造影剤の含有量が20質量%未満であると、造影性能が不足する。また、造影剤の含有量が80質量%以上になると、繊維状に加工した合成樹脂が硬くなり、柔軟性が不足する可能性がある。そのため、造影剤の含有量は、例示した上記のような範囲に調整することが好ましい。なお、合成樹脂中における造影剤の含有量は、造影部材120ごとに異なっていてもよい。
造影糸の強力(一定方向の荷重を加えた際に破断するのに必要な力)は、製造時における破断を防止する観点より、例えば、500cN以上であることが好ましい。
造影糸の柔軟性を示す指標として、例えば、ヤング率は0.5〜25cN/dtexであることが好ましく、1.0〜18cN/dtexであることがより好ましく、1.5〜12cN/dtexであることがさらに好ましい。
造影糸は、モノフィラメントの場合、繊度が1000〜20000dtexであることが好ましい。また、造影糸は、モノフィラメントの場合、単繊度が20〜400dtexであることが好ましく、総繊度が1000〜20000dtexであることが好ましい。
<操作補助部材>
図1に示すように、操作補助部材150は、シャフト110の基端113に接続してい
る。操作補助部材150は、例えば、公知のカテーテルデバイスに備えられるカテーテルハブで構成することができる。操作補助部材150は、シャフト110の基端113からの着脱ができないように一体的に取り付けてもよいし、シャフト110に対して着脱可能に取り付けてもよい。
術者は、医療デバイス100に操作補助部材150が設けられることにより、操作補助部材150を手指で把持しながら医療デバイス100を操作することが可能になる。また、医療デバイス100の送達に使用するガイディングカテーテル210のシャフト211の内腔211aに医療デバイス100のシャフト110を挿入した際(図9を参照)、ガイディングカテーテル210のハブ(図示省略)に対して操作補助部材150が引っ掛かるようになるため、医療デバイス100が基端まで完全にガイディングカテーテル210に入り込むことを防止できる。
<医療デバイスの製造手順例>
医療デバイス100は、例えば、下記のような手順で製造することができる。なお、以下に説明する手順は一例であり、説明した内容のみに医療デバイス100の製造方法が限定されることはない。
作業者は、所定の樹脂材料を押出成形し、所定の長さを有する中実な丸棒を製造する。製造された中実な丸棒はシャフト110として用いられる。作業者は、所定の造影剤と所定の合成樹脂を混合し、押出成形により細径な造影部材(造影糸)120を製造する。作業者は、複数の造影部材120を束ねて、各造影部材120の基端123の位置を揃える。次に、作業者は、シャフト110の先端111付近の肉部を先端面111a側から軸方向の一定の範囲だけ取り除いて、溝部116を形成する。次に、術者は、各造影部材120を、造影部材120の基端123側から溝部116内に挿入する。次に、術者は、造影部材120の基端123を溝部116内に配置し、固定する。固定方法としては、例えば、光硬化性樹脂等の合成樹脂を接着材として使用して溝部116内に充填する方法や、熱融着等の方法を採用することができる。なお、操作補助部材150は、シャフト110に造影部材120を接続する前およびシャフト110に造影部材120を接続した後の任意の製造段階でシャフト110に取り付けることができる。
<医療デバイスの使用例>
次に、図6〜図9を参照して、医療デバイス100の使用例を説明する。ここでは、冠動脈の主管部Mから末梢側に分岐した分枝部b1、b2付近の血管造影を行う際の手順を説明する。なお、公知の手技手順および公知の医療器具についての説明は適宜省略する。
図6に示すように、術者は、主管部Mに先行して挿入されたガイドワイヤ220に沿わせてガイディングカテーテル210のシャフト211の先端を冠動脈の入り口付近まで送達する。術者は、ガイディングカテーテル210のシャフト211の先端を所定の位置にエンゲージさせる。
次に、術者は、ガイディングカテーテル210のシャフト211の内腔211aに医療デバイス100のシャフト110および造影部材120を挿入する。術者は、ガイディングカテーテル210のシャフト211の先端付近まで医療デバイス100のシャフト110の先端111を移動させる。術者は、図5、図9に示すように、造影部材120に折り返し部128を形成した状態で医療デバイス100を移動させる。
ガイディングカテーテル210としては、例えば、シャフト211の内径が1.2mm〜2.0mmを有し、かつ、シャフト211の外径が1.3mm〜2.0mmを有するものを使用することができる。
図7に示すように、術者が、ガイディングカテーテル210のシャフト211の先端開口部から、医療デバイス100のシャフト110の先端111から軸方向の一定の範囲(例えば、数cm)を突出させると、図8に示すように、冠動脈の血流に沿って、造影部材120がシャフト110の先端111よりも先端側へ受動的に展開される。この時、ガイディングカテーテル210の基端から生理食塩水等を注入して展開を補助することが可能である。造影部材120は、主管部Mから分枝部b1および分枝部b2へ広がる。術者は、X線画像装置により取得されたX線透視画像に基づいて、主管部Mおよび各分枝部b1、b2に沿って広がった造影部材120の配置状態を確認することができる。術者は、造影部材120の配置状態を確認することにより、患者に造影剤を投与することなく、主管部Mおよび各分枝部b1、b2の血管走行を確認することができる。
例えば、CTOなど複雑病変の治療を行う場合や、OCT用カテーテルやOFDI用カテーテルなどにより診断画像の取得を行う場合には、高頻度に造影剤が投与される場合が多く、造影剤の使用量を低減させることが難しいため、造影剤の投与による患者の負担が大きくなる。術者は、本実施形態に係る医療デバイス100を使用することにより、上記のような各手技においても造影剤を投与する必要がなくなるため、患者に掛かる負担を効果的に低減することができる。
また、患者に造影剤を投与した際の造影画像を取得し、その造影画像に基づいて造影剤の投与をシミュレートした仮想画像を生成する医療システムなどを利用することにより、手技中に患者へ投与する造影剤の投与量の低減を図ることも可能である。しかしながら、このようなシステムでは、仮想画像の情報と、リアルタイムでの情報との間に僅かながらにもズレが発生し得るため、血管走行に関する正確な情報を取得することができない虞がある。本実施形態に係る医療デバイス100を使用した手技によれば、術者は、リアルタイムで造影画像を取得および確認することができるため、上記のような医療システムを利用した場合よりも、より正確な情報をリアルタイムで取得することが可能になる。
また、本実施形態に係る造影部材120は、展開された際に、シャフト110の先端111よりも先端側の異なる位置まで延在する第1造影部材130と第2造影部材140と、を備えている。医療デバイス100の先端側の造影部材120の数が少ないため、術者は、医療デバイス100を血管径が細い抹消側まで到達させることが可能になる。
本実施形態に係る医療デバイス100の作用効果を説明する。
医療デバイス100は、先端111および基端113を備える長尺状のシャフト110と、シャフト110よりも軸直交断面の面積が小さく形成された造影部材120と、を備えている。そして、シャフト110には、複数の造影部材120が接続されており、造影部材120の各々は、シャフト110の先端111よりも先端側へ展開可能である。
術者は、患者の生体管腔(例えば、冠動脈)内に医療デバイス100を挿入し、シャフト110に接続された複数の造影部材120の各々をシャフト110の先端111よりも先端側へ展開することにより、生体管腔に沿って各造影部材120を配置することができる。術者は、造影部材120の配置状態をX線透視下において確認することにより、生体管腔の走行を把握することができる。そのため、術者は、医療デバイス100を使用することにより、生体管腔を造影する際に造影剤を患者の体内に投与する必要がなくなる。したがって、造影剤の投与に伴う患者の負担を効果的に低減することができる。
また、シャフト110は、シャフト110の先端111とシャフト110の基端113との間の所定の範囲に形成された溝部116と、溝部116よりも基端側に形成された中
実部115aと、を有している。複数の造影部材120のうちの少なくとも一つは、溝部116においてシャフト110と接続されている。
医療デバイス100を製造する作業者は、シャフト110の先端111に形成した溝部116に複数の造影部材120を配置および接続する簡便な作業により、シャフト110と複数の造影部材120とが一体化された医療デバイス100を製造することができる。また、シャフト110の溝部116よりも基端側の部分は、内腔が形成されていない中実部115aを構成しているため、医療デバイス100は、生体管腔内で移動させる際のシャフト110のプッシャビリティが向上したものとなる。
また、複数の造影部材120は、第1造影部材130と、第1造影部材130よりも先端側へ展開可能な第2造影部材140と、を有している。医療デバイス100の先端側の造影部材120の数が少ないため、術者は、医療デバイス100を血管径が細い抹消側まで到達させることが可能になる。
また、造影部材120の外表面には撥水性を備える被覆層126が設けられている。造影部材120は、血液の付着により、隣接する造影部材120と一体化しやすくなるが、撥水性を備える被覆層126が設けられた造影部材120は、血液が付着しにくいため、隣接する造影部材120と一体化しにくい。
また、造影部材120は、造影剤を含有する合成樹脂からなる造影糸であり、造影糸の軸直交断面の形状は、円形である。また、造影糸の外径は、0.001〜0.03mmである。医療デバイス100の造影部材120として軸直交断面の形状が円形であり、外径が0.001〜0.03mmの造影糸を使用することにより、医療デバイス100の細径化を図りつつ、造影部材120の柔軟性を高めることができる。造影部材120は、柔軟性が高められることにより、冠動脈の血流に沿って受動的に展開される。
次に、本発明の他の実施形態に係る医療デバイスを説明する。以下の各実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、各実施形態の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
(第2実施形態)
図10には、第2実施形態に係る医療デバイスのシャフト310の先端311付近を拡大して示し、図11には、図10に示す11−11線部分の軸直交断面図を示し、図12には、図10に示す12−12線部分の軸直交断面図を示す。図12は、中実構造のシャフト310の断面図を示している。
第2実施形態に係る医療デバイスは、シャフト310の構造が第1実施形態に係る医療デバイス100と相違する。
シャフト310は、図10、図12に示すように、シャフト310の先端311からシャフト310の基端(図示省略)の間に内腔が形成されていない中実構造を有している。つまり、シャフト310の先端311と基端との間に延びる中実部315aには、前述した溝部116(図2を参照)や、中空状の内腔が形成されていない。
図11に示すように、第2実施形態に係る医療デバイスに備えられる複数の造影部材120のうちの少なくとも一つは、シャフト310の先端面311aに接続されている。本実施形態では、全ての造影部材120の基端123が先端面311aに接続されている。ただし、造影部材120は、シャフト310の外周面310aや、中実部315aの内部
に接続してもよい。
シャフト310の先端面311aは、図10に示すように凹凸のない平坦な面で形成している。ただし、シャフト310の先端面311aの形状は特に限定されず、例えば、先端側に向けて湾曲しつつ、テーパ状(先細りした形状)に突出した形状等であってもよい。
第2実施形態に係る医療デバイスは、前述した第1実施形態に係る医療デバイス100と同様に、シャフト310に接続された複数の造影部材120の各々をシャフト310の先端311よりも先端側へ展開することにより、生体管腔に沿って各造影部材120を配置することができる。術者は、第2実施形態に係る医療デバイスを使用することにより、生体管腔を造影する際に造影剤を患者の体内に投与する必要がなくなる。したがって、造影剤の投与に伴う患者の負担を効果的に低減することができる。
また、第2実施形態に係る医療デバイスは、シャフト310が、シャフト310の先端311からシャフト310の基端の間に内腔が形成されていない中実構造を有している。そして、複数の造影部材120のうちの少なくとも一つは、シャフト310の先端面311aに接続されている。第2実施形態に係る医療デバイスは、シャフト310が中実構造を備えるため、第1実施形態に係る医療デバイス100と比較してシャフト310のプッシャビリティが向上されたものとなる。また、第2実施形態に係る医療デバイスは、シャフト310の先端面311aにより多くの造影部材120を接続することができるため、医療デバイスの造影性を向上させることができる。
(第3実施形態)
図13には、第3実施形態に係る医療デバイスのシャフト410の先端411付近を拡大して示し、図14には、図13に示す14−14線部分の軸直交断面図を示す。図14は、中空構造のシャフト410の先端411よりも先端側での断面図を示している。
第3実施形態に係る医療デバイスは、シャフト410の構造が第1実施形態に係る医療デバイス100と相違する。
シャフト410は、シャフト410の先端411からシャフト410の基端(図示省略)に連なる内腔417が形成された中空構造を有している。
図14に示すように、第3実施形態に係る医療デバイスに備えられる複数の造影部材120のうちの少なくとも一つは、シャフト410の先端面411a、シャフト410の外周面410a、シャフト410の内周面410b、およびシャフト410の壁部内部(管壁内部)のうちの少なくとも一つと接続される。本実施形態では、シャフト410の先端面411a、シャフト410の外周面410a、シャフト410の内周面410b、およびシャフト410の壁部内部の全てに、各造影部材120を接続している。なお、図14において、シャフト410の壁部内部に接続された造影部材120は、図示の都合上、破線で示している。
第3実施形態に係る医療デバイスを使用して生体管腔を造影する際、シャフト410の先端411よりも基端側でシャフト410の内周面410bや壁部内部に接続された各造影部材120は、図13に示すように、シャフト410の先端開口部412を介してシャフト410の外部に導出される。
各造影部材120においてシャフト410と接続される箇所は、例えば、造影部材120の基端123である。なお、造影部材120が接続されるシャフト410の軸方向の位
置は、特に限定されない。
第3実施形態に係る医療デバイスは、前述した第1実施形態に係る医療デバイス100と同様に、シャフト410に接続された複数の造影部材120の各々をシャフト410の先端411よりも先端側へ展開することにより、生体管腔に沿って各造影部材120を配置することができる。術者は、第3実施形態に係る医療デバイスを使用することにより、生体管腔を造影する際に造影剤を患者の体内に投与する必要がなくなる。したがって、造影剤の投与に伴う患者の負担を効果的に低減することができる。
また、第3実施形態に係る医療デバイスは、シャフト410が、シャフト410の先端411からシャフト410の基端に連なる内腔417が形成された中空構造を有している。そして、複数の造影部材120のうちの少なくとも一つは、シャフト410の先端面411a、シャフト410の外周面410a、シャフト410の内周面410b、およびシャフト410の壁部内部のうちの一つと接続されている。第3実施形態に係る医療デバイスは、シャフト410が中空構造を備えるため、第1実施形態に係る医療デバイス100と比較してシャフト410の柔軟性が向上する。したがって、第3実施形態に係る医療デバイスは、生体管腔に対する追従性が高められるため、生体管腔の湾曲部等に沿って円滑に移動することが可能になる。また、第3実施形態に係る医療デバイスは、シャフト410に内腔417が形成されているため、術者は、当該医療デバイスを使用する際、シャフト410の内腔417に他の医療器具(例えば、ガイドワイヤやバルーンカテーテル等)を挿入することが可能になる。すなわち、ガイディングカテーテル内で第3実施形態に係る医療デバイスを他の医療器具と別々に並走させなくてよいため、第3実施形態に係る医
療デバイスのシャフト410の外径を、第1実施形態に係る医療デバイス100よりも大きくすることができる。
(第4実施形態)
図15には、第4実施形態に係る医療デバイスのシャフト510の先端511付近を拡大して示し、図16には、図15に示す16−16線部分の軸直交断面図を示す。図16は、中空構造のシャフト510の断面図を示している。
第4実施形態に係る医療デバイスは、シャフト510の構造が第1実施形態に係る医療デバイス100と相違する。
図15、図16に示すように、第4実施形態に係る医療デバイスのシャフト510は、複数の造影部材120と、所定の被覆部材560とにより形成されている。
複数の造影部材120の各々は、図16に示すように、密に束ねて配置されている。被覆部材560は、各造影部材120を束ねて固定している。
被覆部材560としては、図15に示すように、先端面511a、先端開口部512、中間部515に形成された内腔517、外周面510a、内周面510b、基端開口部(図示省略)が形成された樹脂材料からなる中空状の熱収縮チューブを用いることができる。
医療デバイスの製造に際し、被覆部材560は、各造影部材120の外周(束状に配置された複数の造影部材120の最も外側に配置された各造影部材120の外表面)を覆うように配置した状態で、被覆部材560の外周側から熱が付与される。被覆部材560は、付与された熱により収縮し、各造影部材120に対して密着し、各造影部材120と接続される。熱収縮チューブとしては、例えば、第1実施形態においてシャフト110の構成材料として例示したものと同様の材料で構成されたものを用いることができる。
被覆部材560は、被覆部材560の先端511よりも先端側へ造影部材120を展開することができるように、被覆部材560の先端511が造影部材120の先端121よりも基端側に配置されている。また、被覆部材560の基端(図示省略)は、例えば、造影部材120の基端(図示省略)を造影部材120の外周に沿って覆うことができるように、造影部材120の基端と軸方向に重なる位置に配置することができる。
なお、被覆部材560と造影部材120との固定は、接着材や融着などで行ってもよい。また、被覆部材560は、各造影部材120の外周側に配置された状態で、各造影部材120を固定することが可能な限り、材質、軸直交断面の形状、軸方向の長さ等は特に限定されない。なお、各造影部材120は、必ずしも密に配置されていなくてもよく、各造影部材120の間に多少の隙間が形成されていてもよい。
第4実施形態に係る医療デバイスは、前述した第1実施形態に係る医療デバイス100と同様に、シャフト510に接続された複数の造影部材120の各々をシャフト510の先端511よりも先端側へ展開することにより、生体管腔に沿って各造影部材120を配置することができる。術者は、第4実施形態に係る医療デバイスを使用することにより、生体管腔を造影する際に造影剤を患者の体内に投与する必要がなくなる。したがって、造影剤の投与に伴う患者の負担を効果的に低減することができる。
また、第4実施形態に係る医療デバイスは、シャフト510が複数の造影部材120と、複数の造影部材120の外周の少なくとも一部を覆うように配置され、複数の造影部材120を束ねた状態で固定する被覆部材560とにより形成されている。医療デバイスに備えられる複数の造影部材120は、密に配置されている。それにより、シャフト510の軸直交断面上における単位面積当たりの造影部材120の本数を増加させることができるため、医療デバイスの造影性をより一層向上させることができる。
(その他の実施形態)
医療デバイスのシャフトは、例えば、中実かつ細径な長尺部材を複数本撚り合わせたもので構成することも可能である。シャフトは、このように構成される場合、中実構造を実現しつつ、シャフトの柔軟性を高めることが可能になる。
(医療デバイスを生体管腔内で移動させる際の造影部材の配置例)
図17、図18には、医療デバイス100を送達する際の造影部材120の配置例を示す。なお、以下では、第1実施形態に係る医療デバイス100における造影部材120の配置例を説明するが、ここで説明する配置例は、前述した各実施形態に係る医療デバイスについても同様に適用することが可能である。
図17に示すように、造影部材120は、医療デバイス100を生体管腔内で移動させる際、シャフト110の基端側へ造影部材120を折り返す折り返し部128と、折り返し部128よりも基端側の位置で、造影部材120を軸方向の先端側および基端側に複数回に亘って折り返すように形成された折り返し部129と、を有するように配置することができる。医療デバイス100は、上記のように造影部材120が配置されることにより、造影部材120がシャフト110の基端113側に延在する長さを短くすることができる。そのため、造影部材120が冠動脈の血流に沿って受動的に展開されやすくなる。
図17に示す造影部材120の配置形態において、折り返し部129を形成する具体的な位置や、折り返し部129における造影部材120の折り返し数等は特に限定されない。
図18に示すように、造影部材120は、医療デバイス100を生体管腔内で移動させる際、シャフト110の外周面110aに造影部材120を巻き付けることができる。図18に示す造影部材120の配置形態を採用することにより、造影部材120がシャフト110の基端113側に延在する長さを短くすることができる。そのため、造影部材120が冠動脈の血流に沿って受動的に展開されやすくなる。
図18に示す造影部材120の配置形態において、造影部材120をシャフト110に巻付ける回数や、巻き付ける方向等は特に限定されない。
なお、造影部材120の配置形態として図17、図18に示す配置形態を採用する場合、各造影部材120が折り返された状態や巻き付けられた状態を維持するために、剥離可能なシール材や水溶性の接着剤を使用して、各造影部材120をシャフト110の外周面110aに固定することが可能である。
以上、実施形態を通じて本発明に係る医療デバイスを説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
医療デバイスは、実施形態において説明した手技(PCI)のみにその用途が限定されることはなく、その他の手技(例えば、下肢病変や心構造疾患等の冠動脈以外のインターベンション手技、血管以外の生体管腔に対する手技等)にも広く適用することが可能である。
また、医療デバイスは、シャフトと、シャフトに接続された複数の造影部材と、を備え、造影部材の各々がシャフトの先端よりも先端側へ展開可能である限り、具体的な構成は限定されない。例えば、造影部材は、シャフトよりも軸直交断面の面積が小さく、かつ、造影性を備えるものであれば特に限定されず、造影糸(造影剤を含有する合成繊維)以外のもので構成してもよい。例えば、造影部材およびシャフトは、軸直交断面の形状が円形である必要はなく、矩形、楕円形、その他の形状等であってもよい。また、造影部材は、造影部材ごとに、断面形状、材質、長さ、シャフトに対する接続位置、接続方法等が異なっていてもよい。
また、医療デバイスは、各実施形態において説明した付加的な部材の使用の省略、および、各実施形態において特に説明のなかった付加的な部材の追加等は適宜行い得る。
100 医療デバイス、
110、310、410、510、511 シャフト、
110a、310a、410a シャフトの外周面、
110b、410b シャフトの内周面、
111、311、411 シャフトの先端、
111a、311a、411a シャフトの先端面、
112、412 シャフトの先端開口部、
113 シャフトの基端、
115 シャフトの中間部、
115a、315a 中実部、
116 溝部、
116a 溝部の基端、
120 造影部材、
121 造影部材の先端、
123 造影部材の基端、
126 被覆層、
128、129 折り返し部、
130 第1造影部材、
140 第2造影部材、
150 操作補助部材、
210 ガイディングカテーテル、
220 ガイドワイヤ、
417 シャフトの内腔、
560 被覆部材、
D1 シャフトの外径、
D2 造影部材の外径、
S 狭窄部、
M 主管部、
b1、b2 分枝部。

Claims (8)

  1. 先端および基端を備える長尺状のシャフトと、
    前記シャフトよりも軸直交断面の面積が小さく形成された造影部材と、を備え、
    前記シャフトには、複数の前記造影部材が接続されており、
    前記造影部材の各々は、前記シャフトの前記先端よりも先端側へ展開可能である、医療デバイス。
  2. 前記シャフトは、前記先端と前記基端との間の所定の範囲に形成された溝部と、前記溝部よりも基端側に形成された中実部と、を有し、
    前記複数の造影部材のうちの少なくとも一つは、前記溝部において前記シャフトと接続されている、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記シャフトは、前記先端から前記基端の間に内腔が形成されていない中実構造を有し、
    前記複数の造影部材のうちの少なくとも一つは、前記シャフトの先端面に接続されている、請求項1に記載の医療デバイス。
  4. 前記シャフトは、前記先端から前記基端に連なる内腔が形成された中空構造を有し、
    前記複数の造影部材のうちの少なくとも一つは、前記シャフトの先端面、前記シャフトの外周面、前記シャフトの内周面、および前記シャフトの壁部内部のうちの少なくとも一つと接続されている、請求項1に記載の医療デバイス。
  5. 前記シャフトは、前記複数の造影部材と、前記複数の造影部材の外周の少なくとも一部を覆うように配置され、前記複数の造影部材を束ねた状態で固定する被覆部材とにより形成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
  6. 前記複数の造影部材は、第1造影部材と、前記第1造影部材よりも先端側へ展開可能な第2造影部材と、を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  7. 前記造影部材の外表面には撥水性を備える被覆層が設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 前記造影部材は、造影剤を含有する合成樹脂からなる造影糸であり、
    前記造影糸の軸直交断面の形状は、円形であり、
    前記造影糸の外径は、0.001〜0.03mmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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