JP2020030196A - 棒体表面処理装置の位置調整装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、丸棒材の直径が変わった場合、丸棒材の周面とセンサーとの距離及びセンサーの丸棒材周面に対する相対位置を容易に所定の位置関係に変更可能にした棒体表面処理装置の位置調整装置に関する。
更に詳しくは、丸棒材の直径が変更された場合、丸棒材の直径を入力することにより自動的に丸棒材の周面と二次元画像センサーとの距離及び丸棒材周面に対する位置が自動的に変更されるようにした棒体表面処理装置の位置調整装置に関する。
なお、本明細書において、棒体表面処理とは、物体の表面に作用させて処理する場合の他、物体の表面の画像を撮像するなど表面に直接作用しないが表面に関する情報を取得すること等をも含む概念である。
第2の従来技術として、円筒外形を有し、長手方向に連続する被検査体の外壁面の欠陥を検出するための欠陥検査装置であって、前記被検査体をリング内に走行させて、前記外壁面を照明するための少なくとも1台のリング状照明装置と、前記被検査体からの反射光を撮像するために前記被検査体の中心軸に対して同心円状に配置した少なくとも3台の撮像装置と、前記撮像装置からの出力信号を2値化することにより欠陥を検出する画像棒体表面処理装置とを備える、円筒外形を有する被検査体の外壁欠陥検査装置が知られている(特許文献2)。
第2の従来技術において、棒材の直径が変更された場合、撮像装置と棒材表面との距離が一定になるようその位置を調整する必要があるが、調整手段については何ら開示が無く、第1の従来技術同様に手作業で行われるため、第1の従来技術と同様の問題がある。
大きさが異なる棒材の軸線が前記軸線に対し直交する直線上に位置されるように保持する位置決め台上に支持された前記棒材の周囲に配置した処理装置によって、前記棒材の周面に対し所定の処理を実行するようにした棒体表面処理装置の位置調整装置であって、
前記処理装置は支持装置上に設置され、
前記支持装置は、
前記軸線に対し直交方向に移動可能な基盤と、
前記基盤に対し回動自在に取り付けられ、前記棒材の周りを回動する環状体と、
前記環状体の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤に取り付けられ、前記位置決め台上に保持された棒材の周囲に配置された前記処理装置と、
前記環状体と前記処理装置を連結する連結手段と、を含む
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記処理装置は複数である
ことを特徴とする第1の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記処理装置はセンサーである
ことを特徴とする第1又は第2の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
大きさが異なる棒材の軸線が、前記棒材の軸線に対し直交する直線上に位置されるように保持する位置決め台上に支持された前記棒材の周囲に配置した複数のセンサーによって、前記棒材の周面情報を取得するようにした棒材表面処理装置の位置調整装置であって、
前記複数のセンサーは支持装置上に設置され、
前記支持装置は、
前記直線と平行に、かつ前記軸線に対し直交方向に移動可能な基盤と、
前記基盤に回動自在に取り付けられ、前記棒材の周りを回動する環状体と、
前記位置決め台上に保持された棒材の周囲に配置され、前記環状体の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤に取り付けられ、前記複数のセンサーがそれぞれ取り付けられた複数のセンサーの処理装置取付装置と、
前記環状体と前記複数のセンサーの処理装置取付装置を連結する連結手段、を含む
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置である。
さらに、
前記位置決め台上の前記棒材の寸法入力装置と、
前記寸法入力装置に入力された寸法に基づいて、前記基盤の基盤基準位置からの移動量、及び前記環状体の回転基準位置からの回動量を演算する演算装置と、
前記演算装置の演算結果に基づいて前記基盤を前記軸線に対し直角方向に前記移動量分を移動させる第1アクチュエーターと、
前記演算装置の演算結果に基づいて前記環状体を前記回転基準位置に対して前記回動量分を回動させる第2アクチュエーターと、を含み、
前記基盤の前記軸線に対する直角方向への移動によって、前記環状体の環状体中心の位置が前記位置決め台上の前記棒材の軸線と一致されると共に、前記位置決め台上の前記棒材の周面と前記処理装置取付装置上の処理装置との距離が同一となるよう位置調整される
ことを特徴とする第1乃至第4の発明の何れかの棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記位置決め台が周面にV溝を有し、前記環状体の前後に配置された一対のV溝ローラーである
ことを特徴とする第1乃至第5の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記センサーが二次元画像センサーであることを特徴とする第3乃至第6の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記環状体が所定の直径に形成された円形であることを特徴とする第1乃至第7の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記基盤が鉛直方向に移動可能に設けられ、前記環状体が鉛直面内において回転自在に前記基盤に支持されている
ことを特徴とする第1乃至8の発明の何れかの棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記環状体と前記処理装置取付装置は長さ調整可能な連結手段によって連結されている
ことを特徴とする第4乃至第9の発明の何れかの棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記センサーは前記環状体の中心にから放射状に延在する放射直線に沿って接離するよう移動可能に設けられている
ことを特徴とする第3乃至第10の発明の何れかの棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記放射直線は等角度で複数設けられている
ことを特徴とする第11の発明の棒体表面処理装置の位置調整装置である。
前記第1アクチュエーター、及び前記第2アクチュエーターはサーボモーターを含む
ことを特徴とする第5乃至第12の発明の何れかの棒体表面処理装置の位置調整装置である。
大きさが異なる丸棒材の軸線が、前記軸線に対し直交する直線上に位置されるように保持する位置決め台上に支持された前記丸棒材の周囲に配置した複数のセンサーによって、前記丸棒材の周面情報を取得するようにした棒材表面検査装置に用いる複数のセンサーの位置調整装置であって、
前記複数のセンサーは二次元画像センサーであって、支持装置上に設置され、
前記支持装置は、
前記直線に対し平行に、かつ前記丸棒材の軸線に対し直交する方向に移動可能な基盤と、
前記基盤に取り付けられ、前記丸棒材の周りに回動自在に配置された円形の環状体と、
前記位置決め台上に保持された丸棒材の周囲に配置され、前記環状体の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤に配置された複数のセンサーの処理装置取付装置と、
前記環状体と前記複数のセンサーの処理装置取付装置をそれぞれ連結する連結手段と、
前記位置決め台上の丸棒材の直径の寸法入力装置と、
前記寸法入力装置に入力された直径に基づいて、前記基盤の基盤基準位置からの移動量、及び前記環状体の回転基準位置からの回動量を演算する演算装置と、
前記演算装置の演算結果に基づいて、前記基盤を前記基盤基準位置から前記移動量に相当する移動をさせる第1アクチュエーターと、
前記演算装置の演算結果に基づいて、前記環状体を回転基準位置から前記回動量に相当する量を回動させる第2アクチュエーターと、を含み、
前記寸法入力装置への直径の入力に基づく前記基盤の移動によって、前記環状体の中心位置が前記位置決め台上の丸棒材の軸線と一致されると共に、前記環状体の回動によって前記位置決め台上の丸棒材の周面と前記複数のセンサーの処理装置取付装置上の前記二次元画像センサーとの距離が同一となるよう位置調整される
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置である。
環状体116と処理装置取付装置118を連結する連結手段122と、を含んでいる。
さらに、位置決め台108上の棒材106の寸法入力装置124と、
寸法入力装置124に入力された寸法に基づいて、基盤114の基盤基準位置SRPからの移動量、及び環状体116の回転基準位置RRPからの回動量を演算する演算装置126と、
前記演算装置126の演算結果に基づいて基盤114を軸線SLに対し直角方向に前記移動量に相当する分を移動させる第1アクチュエーター128と、
演算装置126の演算結果に基づいて環状体116を回転基準位置RRPに対して回動量に相当する分、回動させる第2アクチュエーター132と、を含み、
基盤114の軸線SLに対し直角方向への移動によって、環状体116の環状体中心RCの位置が位置決め台108上の棒材106の棒線SLと一致されると共に、位置決め台108上の棒材106の周面と処理装置取付装置118上の処理装置102との距離が同一となるよう位置調整されるようにした棒体表面処理装置の位置調整装置であることが好ましい。
丸棒材106Rは、鉄、アルミ等の金属、樹脂、木材等によって成型され、軸線SLに沿って所定の長さを有する棒材である。本実施例1においては、圧延成型された後の鉄製の丸棒材106Rである。丸棒材106Rであるから、中空丸棒材及び中実丸棒材の両方を含んでいる。所定の長さとは、所定の長さに切断された場合、及び、連続して成型されている場合を含んでいる。しかしながら、棒材106は、丸棒材106Rに限らず、断面が四角形等の多角形、楕円形、その他の形状も用いることができる。
位置決め台108は、棒材106を所定の状態に保持すると共に、棒材106の大きさが変わった場合、当該棒材106の軸線SLを当該軸線SLと直交する直線PL上に位置させる機能を有する。本実施例1において位置決め台108は、丸棒材106Rを水平に保持すると共に、丸棒材106Rが搬送される場合であっても、当該水平状態を維持し、さらに丸棒材106Rの直径が変わった場合、当該丸棒材106Rの軸線SLが鉛直線たる直線PL上に位置される機能を有する。しかし、棒材106は、水平方向の他、垂直上方又は下方、若しくは斜め上向き又は斜め下向きに搬送されてもよい。実施例1において位置決め台108は、所定の距離をもって配置された一対のV溝ローラー136によって構成されている。一対のV溝ローラー136を構成する前V溝ローラー136Fは、丸棒材106Rの進行方向において、フレーム110の前位に、及び後V溝ローラー136Bは丸棒材106Rの進行方向の後位に配置されている。前V溝ローラー136F、及び後V溝ローラー136Bは同一構成を有するので、前V溝ローラー136Fを代表して説明し、後V溝ローラー136Bには同一符号及びFをBに換えて表示することで説明を省略する。また特に必要がある場合、前V溝ローラー136F、後V溝ローラー136Bとして使い分けるが、区別の必要が無い場合は、V溝ローラー136、V溝142として説明する。
前V溝ローラー136Fの前V溝142F及び後V溝ローラー136Bの後V溝142Bに丸棒材106Rが載置された場合、当該丸棒材106Rの軸線SLは水平状態となる。前V溝ローラー136F及び/又は後V溝ローラー136Bが駆動手段(図示せず)によって、図4において同一の時計方向へ回転された場合、丸棒材106Rは矢印Dによって示す右方向へ所定の速度で搬送される。図5に示すように、丸棒材106Rが当初の直径d0から大径の直径d1に変わった場合、丸棒材106Rは前V溝142F及び後V溝142Bを形成する左斜面138L、右斜面138Rとの接点が上方にずれることから、その軸線SLは軸線SL1から上方の軸線SL2に移動する。これに伴って、水平回転軸線HAL1と軸線SL1との距離L1は、水平回転軸線HAL2と軸線SL2の距離L2に変わり長くなる。一方、V溝ローラー136の左斜面138Lと右斜面138Rは、中心線CLに対し対称に配置されているから、丸棒材106Rの軸線SLはそれらの中央に位置され、V溝142の中心線CLに重なる直線PL上に位置する。換言すれば、丸棒材106Rの軸線SLは、当該軸線SLと直交する直線PL上に常に位置することになる。本実施例1においては、V溝ローラー136は水平回転軸線HAL回りに回転自在であるから、V溝142の中心線である直線PLは水平回転軸線HALと直交する鉛直線である。なお、位置決め台108は、前V溝ローラー136F及び/又は後V溝ローラー136Bに換えてVブロックであってもよいが、棒材106が摺動されるので、耐久性を考慮するとV溝ローラー136が好ましい。
フレーム110は、支持装置112を支持する機能を有する。本実施例1において、フレーム110は、上枠板110U、下枠板110S、左枠板110L、及び右枠板110Rによって、正面視及び背面視において大凡正方形であって、検査する棒材106の軸線SL方向において所定の幅を有する四角リング型に形成されている。従って、フレーム110は、上枠板110U、下枠板110S、左枠板110L、及び右枠板110Rに囲われた四角い設置空間120を形成する。設置空間120内に棒材106が横たえられ、フレーム110に支持装置112が取り付けられる。
支持装置112は、複数のセンサー102S、具体的には画像センサー102iを棒材106の周面106Pの画像を取得するに適当な位置に支持する機能を有し、棒材106の軸線SLに対し直交方向に移動可能な基盤114と、棒材106の周りに回動自在に基盤114に取り付けられた環状体116と、位置決め台108上に保持された棒材106の周囲に配置され、環状体116の中心に対し放射方向に移動可能に基盤114に取り付けられた複数の処理装置取付装置118と、環状体116と複数の処理装置取付装置118を連結する連結手段122を含んでいる。基盤114は、フレーム110に所定の方向に移動可能に設けられている。
基盤114は、環状体116及び処理装置取付装置118を支持すると共に、環状体116の環状体中心RCと棒材106の軸線SLが一致するように環状体116を移動させる機能を有する。本実施例1において基盤114は、略矩形の平板であって、丸棒材106Rの軸線SLに対し直交する所定の方向、具体的には直線PLと平行に移動可能に、フレーム110に直交方向案内装置148を介して取付けられている。換言すれば、基盤114は直交方向案内装置148に案内されつつ軸線SLに対し直交し、かつ直線PLに対し平行に移動される。
基盤114は、金属、樹脂、木材、FRP等の材料を用いて構成できるが、精度、耐久性等を考慮すると金属材料が好ましい。基盤114にはその中央に環状体116が装着される、所定の直径を有する円形の装着穴152が形成されている。
装着穴152は画像センサー102iの位置を制御するための環状体116を回転自在に保持する機能を有し、本実施例1においては、円形の貫通孔である。換言すれば、検査対象としての棒材106が貫通されると共に、環状体116が回転自在に保持される機能を有する。装着穴152は基盤114の全高Hの中央を通る水平線HLと、幅Wの中央を通る鉛直線VLとの装着穴中心152Cを中心とする所定直径Dに形成された貫通穴である。後述するように、装着穴152には環状体116が回転自在に装着される。装着穴152の周囲には処理装置取付装置118が配置される矩形の処理装置穴154が装着穴中心152Cを点対称として4つ形成されている。しかし、処理装置穴154は、画像センサー102iの大きさとの関係において設けなくとも良い場合がある。
処理装置穴154は、処理装置102及び処理装置取付装置118の一部が貫通して配置される機能を有する。本実施例1において、処理装置穴154は大凡矩形であって、第1センサー用穴1541と第4センサー用穴1544が装着穴中心152Cに対し点対称に形成され、第2センサー用穴1542と第5センサー用穴1545が装着穴中心152Cに対し点対称に形成されている。第1センサー用穴1541と第4センサー用穴1544は、装着穴中心152Cを通り、水平線HLに対し右側に60度の角度で傾斜する第1配置線SL1に沿って形成されている。第2センサー用穴1542と第5センサー用穴1545は、装着穴中心152Cを通り、水平線HLに対し左側に60度の角度で傾斜する第2配置線SL2に沿って形成されている。なお、処理装置穴154は、処理装置102及び処理装置取付装置118の移動に不都合がなければ設ける必要はない。
環状体116は、棒材106の寸法の変更に伴って、処理装置取付装置118、従って複数の処理装置102の棒材106の周面106Pに対し、適切な位置へ一斉に移動させる機能を有し、基盤114に対し回転自在に取り付けられる。本実施例1において、環状体116は大凡所定の直径を有する円形リング型に形成され、環状体中心RCを同一とする所定の直径RD1で形成された外周116P、及び所定直径RD2で穿孔された貫通孔156を有すると共に、棒材106の軸線SL方向に所定の厚みTを有する円形筒型に形成されている。さらに、環状体116の棒材106の入り側の外周には耳たぶ状に6つのフランジ1581〜1586が等角度で形成されている。環状体116の棒材106の入り側の内周端部はテーパー状に面取りされている。フランジ1581〜1586にはそれぞれ、取付穴1621〜1826が等角度で形成されている。取付穴1621〜1826は、後述する連結手段122の一端が後述する第1取付ピン244によって取り付けられる。このように形成された環状体116は、装着穴152に一部が挿入され、装着穴152の中心である装着穴中心152Cと環状体116の環状体中心RCが同心状態にされて、軸受164を介して基盤114に回転自在に支持されている。換言すれば、装着穴中心152Cを丸棒材106Rの軸線SLに一致させることにより、環状体116の環状体中心RCに一致させることができる。
直交方向案内装置148は、基盤114が移動される際に所定の経路を移動するように案内する機能、本実施例1においては、基盤114が棒材106の軸線SLに対し直交し、かつ直線PLと平行する上下方向に直線的に案内する機能を有する。本実施例1において直交方向案内装置148は、基盤114の左端部に相対して配置された左直交方向案内装置148Lと、基盤114の右端部に相対して配置された右直交方向案内装置148Rにより構成されている。しかし、直交方向案内装置148は、その機能が満足されれば左右一対でなくとも、1又は3以上であってもよい。
左ガイドレール取付体166Lは、左ガイドレール168Lをフレーム110に対し固定状態に支持する機能を有する。本実施例1において左ガイドレール取付体166Lは、フレーム110の横方向に幅広の縦長矩形の板状体であり、上端面に矩形板状の左基盤174Lがその長手に対し直角をなすように溶接等により固定されている。左基盤174Lは上枠板110Uの下面にボルト等によって固定され、左ガイドレール取付体166Lは鉛直下方へ延在しているが、下端と下枠板110Sとの間には隙間がある。左ガイドレール取付体166Lの下端を下枠板110Sに固定することも出来るが、後付けする場合、本実施例1のように片持ち構造にした方が組み立てに便利である。左ガイドレール取付体166Lの背面(棒材106の進行方向後位)側にはその略全長に亘ってフレーム110の奥行き方向に所定の幅を有する左補強板176Lが固定されている。左補強板176Lの上端は上枠板110Uに固定されている。左補強板176Lは、左ガイドレール取付体166Lの上下方向の剛性を高め、実質的に左ガイドレール取付体166Lがフレーム110の奥行き方向において湾曲しないように機能する。また、左ガイドレール取付体166Lと右ガイドレール168Rの下端は断面が四角形の連結体178によって連結され、左ガイドレール取付体166Lと右ガイドレール168Rが平行を維持されるように構成される。
左ガイドレール168Lは、左滑動体172Lを直線的に滑動自在に保持する機能を有する。本実施例1において左ガイドレール168Lは、図8(D)に示すように、断面形状が中央がくびれた鼓型、かつ所定の長さを有する直棒状であり、左ガイドレール取付体166Lの中央部の左取付体中心線CLL上に固定されている。したがって、中心線CLLは鉛直線であり、直線PLと平行に配置されている。
左滑動体172Lは、左ガイドレール168L上を滑動する機能を有し、本実施例1においては、左ガイドレール168Lの鼓型の断面形状に嵌まり合うことにより、左ガイドレール168Lから脱落しない状態で当該左ガイドレール168Lに沿って滑動可能に設けられている。本実施例1において、左滑動体172Lは第1左滑動体172L1と第2左滑動体172L2の2つ用いられているが、一つ、又は三つ以上であっても良い。これら第1左滑動体172L1と第2左滑動体172L2の背面に基盤114が固定される。なお、特に必要が無い場合、第1左滑動体172L1と第2左滑動体172L2を総称して左滑動体172Lと称する。
処理装置取付装置118は、処理装置102を棒材106に対し所定の位置に設置する機能を有する。本実施例1において処理装置取付装置118は処理装置102たる6個の画像センサー102iを個別に取り付けるため6組設けられている。よって、画像センサー102iが10個である場合、10組の処理装置取付装置118が設けられる。換言すれば、処理装置取付装置118は処理装置102の数に対応して設けられている。本実施例1において処理装置取付装置118は、環状体116の環状体中心RCに対して等角度に配置されている。本実施例1において、処理装置取付装置118は6つ設けられているので、60度角度毎に配置されている。しかし、検査の目的によっては、等角度で無くとも良い。本実施例1において処理装置取付装置118は、半径方向案内装置182、及び処理装置取付体184を含んでいる。6個の処理装置取付装置118は基本的には同一構成であるので、図1において上方右側の処理装置取付装置118を代表して説明し、他の処理装置取付装置118の説明は省略する。必要がある場合、上方右側の処理装置取付装置118を第1処理装置取付装置1181と標記し、反時計回りに第6処理装置取付装置1186まで順番に繰り上げて説明し、格別に説明の必要が無い場合は総称の処理装置取付装置118を用いて説明する。処理装置取付装置118を構成する部材についても同様である。
半径方向案内装置182は、基盤114に固定され、処理装置取付体184、したがって処理装置102を棒材106の軸線SL、したがって環状体116の環状体中心RCから半径方向に直線的に案内する機能を有する。本実施例1において半径方向案内装置182は、基盤114の棒材106の進行方向前位側に固定され、少なくとも半径方向案内レール186、及び半径方向滑動体188を含んでいる。
半径方向案内レール186は、半径方向滑動体188を環状体116の環状体中心RCを通り、半径方向に延在する放射線たる第1配置線SL1、第2配置線SL2、及び水平線HLに対し平行に、基盤114の棒材106の進行方向前位側に固定されている。図1において、第1案内レール1861と第4案内レール1864が第1配置線SL1に沿って、軸線SL(環状体中心RC)を中心として点対称に配置されている。第2案内レール1862と第5案内レール1865が軸線SL(環状体中心RC)を中心として点対称に配置されている。第3案内レール1863と第6案内レール1866が軸線SL(環状体中心RC)を中心として点対称に配置されている。半径方向案内レール186も左ガイドレール168Lと同様に、断面が鼓型に形成され、半径方向滑動体188が脱落しないように構成されている。本実施例1において、半径方向案内レール186は、6本であるので、それらが環状体116の中心から大凡放射状に基盤114に固定されている。
半径方向滑動体188は、半径方向案内レール186に嵌め合わされ、当該半径方向案内レール186から脱落できないと共に、ガタつきが無い状態で滑動できる機能を有する。本実施例1において半径方向滑動体188は、断面が門形の立方体状に形成されている。図9(A)に示すように、半径方向滑動体188の天面188Tに処理装置取付体184が固定される。したがって、半径方向滑動体188は基盤114の棒材106の進行方向前位側において、軸線SL(環状体中心RC)から放射方向に直線的に移動可能に配置されている。
処理装置取付体184は、処理装置102が取り付けられると共に、環状体116と連結する連結手段122の一端が取り付けられる機能を有する。本実施例1において処理装置取付体184は、取付台基板192、処理装置取付基板194、処理装置取付位置調整装置196、及び処理装置位置微調整装置198を含んでいる。
取付台基板192は、半径方向滑動体188に取り付けられると共に、処理装置取付基板194が取り付けられる機能を有し、本実施例1においては、処理装置取付板202、半径方向滑動体188への固定ブロック204を含んでいる。処理装置取付板202は処理装置取付基板194と面接触し、当該処理装置取付基板194の固定姿勢を規制する機能を有し、矩形であって、丸棒材106Rの軸線SLと平行に配置され、処理装置穴154に相対する場合には、当該処理装置穴154に貫通されて配置される。また、処理装置取付位置調整装置196を構成する弧状長穴208L,208Rが穿孔されている。固定ブロック204は、軸線SLに対して直交する面内に位置する半径方向部204Rと、軸線SLと平行な被取付部204FによってL字型形成され、半径方向部204Rは半径方向滑動体188の天面188Tに固定され、被取付部204Fには処理装置取付板202が固定される。半径方向部204Rの一端には、連結取付部206が形成され、連結手段122の一端が第2取付ピン246によって回動自在に取り付けられている。
処理装置取付基板194は、処理装置102が取り付けられる機能を有し、本実施例1においては、処理装置取付板202とほぼ同じ大きさに形成された矩形平板であり、一面が処理装置取付板202の一面に面接触された状態において、後述する円柱ピン214回りに回動可能に嵌合されると共に、処理装置取付位置調整装置196によって固定される。したがって、処理装置取付基板194は軸線SLに対し平行に配置される。
処理装置取付位置調整装置196は、処理装置取付基板194の処理装置取付板202に対する位置を変更し、かつ、所定の位置において固定する機能を有する。本実施例1において、処理装置取付位置調整装置196は、処理装置取付板202に形成された、弧状の第1調整長穴208L、第2調整長穴208R、それら長穴を貫通し、先端が処理装置取付基板194にねじ込まれ、処理装置取付板202を処理装置取付基板194に圧接させて固定するボルト212L1、212L2、212R1、212R2によって構成されている。
処理装置取付板202の中央には円柱ピン214が立設され、処理装置取付基板194の中央に形成された円形穴(図示せず)に嵌合している。したがって、処理装置取付基板194を円柱ピン214周りに回動させることにより、処理装置102の大凡の位置を調整した後、ボルト212L1、212L2、212R1、212R2を締め付けることにより、適当な姿勢において固定することができる。
処理装置位置微調整装置198は、前記円柱ピン214周りの回動位置を微調整する機能を有する。本実施例1において処理装置位置微調整装置198は、処理装置取付板202に形成された円形穴216、被動部218、及び第1押動装置222、第2押動装置224によって構成されている。
被動部218は、第1押動装置222と第2押動装置224からの相反する方向から押動され、それらの力が釣り合った位置に保持される機能を有する。本実施例1において被動部218は、処理装置取付基板194の裏面における円形穴、換言すれば円柱ピン214から偏心した位置において突出する六角柱に形成され、円形穴216を貫通して処理装置取付装置118の裏面側へ所定量突出している。被動部218は、第1押動装置222、第2押動装置224からの力を受けることができれば平面でなくとも良いが、平面の方が力を受ける面積が大きく好ましい。平面で力を受けることができる場合、六角柱の他、四角柱であっても良い。
第1押動装置222は、被動部218を押動し、その位置を移動させる機能を有する。本実施例1において第1押動装置222は、処理装置取付板202の裏面の被動部218の側方に固定された第1ネジブロック226、第1ネジブロック226にねじ込まれた第1ネジ体228、第1ネジ体228に螺合された第1ロックナット232によって構成されている。第1ネジ体228は、第1ネジブロック226に螺合され、先端228Tは被動部218の第1受面2181に当接されている。第1ロックナット232は、第1ネジ体228に螺合され、第1ネジブロック226の側面に圧接されることにより、第1ネジ体228を第1ネジブロック226に固定する。第1ネジ体228の後端には第1つまみ228Hが形成され、第1ネジ体228を手動で回すことができる。
第2押動装置224は、被動部218を押動し、その位置を移動させる機能を有する。本実施例1において第2押動装置224は、被動部218の第1押動装置222に対し反対側の側方に固定された第2ネジブロック234、第2ネジブロック234にねじ込まれた第2ネジ体236、第2ネジ体236に螺合された第2ロックナット238によって構成されている。第2ネジ体236は、第2ネジブロック234に螺合され、先端236Tは被動部218の第1受面2181に対し反対側の第2受面2182に当接されている。第2ロックナット238は、第2ネジ体236に螺合され、第2ネジブロック234の側面に圧接されることにより、第2ネジ体236を第2ネジブロック234に固定する。第2ネジ体236の後端には第2つまみ236Hが形成され、第2ネジ体236を手動で回すことができる。
処理装置位置微調整装置198は、第1ネジ体228、第2ネジ体236を回し、被動部218の位置を調整して処理装置取付板202の円柱ピン214回りの回動位置を設定し、結果として処理装置102、したがって画像センサー102iの位置を調整する。画像センサー102iの位置を調整する場合、第1ロックナット232、及び第2ロックナット238を緩めた後、例えば、第1ネジ体228を更にねじ込む場合には、第2ネジ体236を緩め方向に回して第1ネジ体228の先端228Tと第2ネジ体236の先端236Tとで挟むことによって被動部218の位置を定めた後、それぞれ第1ロックナット232、及び第2ロックナット238を締め付けて第1ネジ体228、第2ネジ体236の位置を固定する。この場合当然のことながら、位置調整前に、ボルト212L1、212L2、212R1、212R2を緩め、位置調整後にそれらを締め付ける。
処理装置102は、棒材106の周面を処理する機能を有する。処理とは、周面に直接作用する場合の他、周面の状態を取得する等、間接的に処理する場合を含む広い概念である。本実施例1において処理装置102はセンサー102Sであり、棒材106の周面の状況を検出する機能を有する、前述したように、本実施例1におけるセンサー102は画像センサー102iであり、丸棒材106Rの周面106Pの疵等を検査するため二次元画像センサーが用いられている。しかし、センサー102Sは画像センサー102iに限らず、測長センサー、ダイヤルゲージ等を採用することが出来る。本実施例1の画像センサー102iは、投光部102Pから撮影光を丸棒材106Rに投射し、丸棒材106Rからの反射光を受光部102Rによって受光する形式の公知の画像センサーであり、環状体中心RCを中心として等角度で配置された第1処理装置取付装置1181〜第6処理装置取付装置1186の全ての処理装置取付装置118にそれぞれ画像センサー102iが取り付けられている。画像センサー102iは、図9(B)に示す状態で同図(A)における処理装置取付基板194の下面に固定されている。以下の説明において、個別に説明する場合は第1画像センサー1021〜第6画像センサー1026を用い、個別に説明の必要が無い場合、総称の画像センサー102iを用いて説明する。第1画像センサー1021の投光部102Pと受光部102Rの中心、及び第4画像センサー1024の投光部102Pと受光部102Rの中心は、第1配置線SL1上に位置するように設定されている。同様に第2画像センサー1022と第5画像センサー1025の投光部102Pと受光部102Rの中心は第2配置線SL2上に位置するように、第3画像センサー1023と第6画像センサー1026の投光部102Pと受光部102Rの中心は水平線HL上に位置するように設定されている。第1画像センサー1021と第2画像センサー1022は、軸線SLに対しては基盤114と同一平面内の画像を取得する位置関係に配置され、第3画像センサー1023と第6画像センサー1026は、それらよりも丸棒材106Rの進行方向上流側の軸線SLに相対され、第4画像センサー1024と第5画像センサー1025は更に上流側の軸線SLに相対して配置されている。このようにずらして配置することにより、他の画像センサー102iの影響を回避することができる。なお、画像センサー102iからの取得画像の状況によって、処理装置位置微調整装置198を用いて微調整を行うことができる。
連結手段122は、環状体116と処理装置取付装置118とを連結し、環状体116が回転された場合、当該回転動を処理装置取付装置118に伝達し、結果として処理装置102、したがって画像センサー102iの位置を一斉に変更する機能を有する。本実施例1において、連結手段122は、両端にロッドエンド122A、122Bを有すると共に中間に長さ調整機構242を有する棒体であり、一方のロッドエンド122Aは環状体116に形成された取付穴162に第1取付ピン244によって回動自在に取付けられ、他方のロッドエンド122Bは連結取付部206から突出する第2取付ピン246に回動自在に取り付けられている。長さ調整機構242は、ネジとロックナットで構成された公知の棒状ロッドにおける長さ調整機構である。なお、連結手段122は6セットあるので、それらを構成する部品を個別に説明する場合、その数字に続いて数字1〜6を付加して表示し、説明を省略する。
処理装置位置自動設定装置252は、位置決め台108上の棒材106の寸法に合わせて棒材106の周面と処理装置102との関係を自動的に設定する機能を有する。詳細には、処理装置位置自動設定装置252は、棒材106の寸法に合わせて基盤114の基盤基準位置h0(図17)に対する位置、及び環状体116の環状体基準位置x0(図16)に対する回転位置を演算し、当該演算した位置に基盤114を移動させると共に、演算結果に基づいて環状体116を所定量回転させる機能を有する。本実施例1において、処理装置位置自動設定装置252は、寸法入力装置124、演算装置126、第1アクチュエーター128、及び第2アクチュエーター132を含んでいる。
寸法入力装置124は、位置決め台108上の棒材106の寸法を演算可能な数値情報として入力する機能を有する。本実施例1において、寸法入力装置124はキーボードであるが、後述する演算装置126はコンピューターによって構成されることから、当該コンピューターにおいて演算するために数値化できる手段であれば、音声入力装置、光学スキャン装置、磁気スキャン装置等を用いることができる。また、本実施例1において、棒材106は丸棒材106Rであるので、寸法入力装置124によって、当該丸棒材106Rの直径又は半径が入力される。後述するように、演算式においては直径を用いるため、半径を入力する場合には、直径に計算した後、演算式にて演算する必要がある。
演算装置126は、寸法入力装置124に入力された寸法に基づいて、基盤114の棒材106の軸線SLに対する位置、したがって、第1アクチュエーター128の移動量、及び棒材106と画像センサー102iとの距離を所定値に保つための環状体116の回転量、したがって、第2アクチュエーター132の移動量を演算する機能を有する。演算装置126は、本実施例1においてはパーソナルコンピュータが用いられ、その機能はプログラムによって達成されるので、機能毎にブロック化してハードウエアとして説明する。演算装置126は、寸法入力装置124に入力された直径に基づいて、基盤114の基準位置SPからの距離を所定の演算式に基づいて演算する基盤位置演算装置256Hと、当該基盤位置演算装置256Hの演算結果に基づいて第1アクチュエーター128の駆動を制御する基盤位置制御装置256HD、及び環状体116の回動量Rに基づいて第2アクチュエーター132の基準位置x0からの移動量を演算する回転位置演算装置256R、及び当該回転位置演算装置256Rの演算結果に基づいて第2アクチュエーター132の駆動を制御する回転位置制御装置256RD、を含んでいる。
第1アクチュエーター128は、基盤114を左ガイドレール168L、右ガイドレール168Rに案内させつつ、棒材106の軸線SLに対する直交方向、かつ直線PLと平行に、基盤位置制御装置256HDの制御に基づいて所定の位置まで移動させる機能を有する。本実施例1において第1アクチュエーター128は、少なくとも第1サーボモーター258、スベリネジ262、及び伝導部264を含んでいる。
第2アクチュエーター132は、環状体116をその環状体軸心RCを中心に所定角度回動させる機能を有する。本実施例1において第2アクチュエーター132は第2サーボモーター288であり、例えば第2モーター292とアブソリュート型の第2エンコーダー294によって構成され、第2モーター292の回転によって、出力軸296がシリンダー298に対して出入りする構成になっている。第2アクチュエーター132は、基盤114に対し棒材106の進行方向の下流側に配置され、シリンダー298の先端部が基盤114に固定されたブラケット302に対し支軸299によって回動自在に取り付けられている。出力軸296は環状体116から半径方向に突出する受け部304に枢支ピン310によって回転自在に取り付けられている。この構成によって、第2サーボモーター288によって出力軸296がシリンダー298に対し出入りされ、受け部304を介して環状体116が所定方向に所定角度回転される。
表面検査装置306は、センサー102、本実施例1においては第1画像センサー1021〜第6画像センサー1026の6つの画像センサー102iからの画像情報を用いて、丸棒材106Rの周面に異常な疵がないかを自動的に検査する機能を有する。本実施例1において、第1画像センサー1021〜第6画像センサー1026からの画像情報はコンピューター308に入力され、所定のプログラムによって基準画像と比較され、異常疵の有無が判断され、表示器312に表示され、デジタル情報として出力装置314に出力され、又は磁気的・光学的な記憶装置316に記憶等される。
基準位置出し装置322は、演算装置126において用いる基盤114の基盤基準位置VRP、したがって第1アクチュエーター128を初期基準位置h0に位置させるために用いる基盤位置出し装置324と、環状体116を基準回転位置RRP、したがって第2アクチュエーター132を第2基準位置y0に位置させるために用いる環状体位置出し装置326を含んでいる。
基盤位置出し装置324は、基盤114を基盤基準位置VRPに設定する機能を有する。本実施例1において基盤位置出し装置324は、手回し体280、突当体290、及びアンビル300によって構成されている。手回し体280は、ネジ体276を手回しできる機能を有する。手回し体280は、ネジ体276の上端部、換言すれば、被動歯付きプーリー284の上方の端面にネジ体276と同軸になるよう固定され、上面に六角穴が設けられている。手回し体280の六角穴に六角レンチを挿入し、当該六角レンチを回転させることでネジ体276を回転させることができる。この回転によって駒278を上方へ移動させて、基盤114の上端部に固定した突当体290を上枠板110Uの下面に固定したアンビル300に突き当てて、基盤114を基盤基準位置VRPに設定する。基盤基準位置VRPにおける第1アクチュエーター128の第1エンコーダー268の絶対位置を初期絶対位置として定めることにより、環状体中心RCの初期基準位置h0迄の移動量を演算により求めることができる。したがって、当該初期絶対位置たる基盤基準位置VRPから基盤114を所定量下方へ移動させることにより、環状体中心RCを図17に示す初期基準位置h0へ移動させることができる。換言すれば、第1モーター266を駆動して基盤114の位置が初期基準位置h0に達したことを、第1エンコーダー268からの信号によって判断し、当該位置において第1モーター266の回転を停止する。これによって、環状体中心RCが初期基準位置h0に重なり、基盤114、したがって環状体116の上下方向の位置だしが終了する。
環状体位置出し装置326は、環状体116を基準回転位置RRPに位置させる機能を有する。本実施例1において、環状体位置出し装置326は環状体116から半径方向へ突出する位置出し片328と、環状体位置決めブロック332を含んでいる。位置出し片328は、環状体116から半径方向へ片持ち状態で突出する板状片であり、位置決めブロック332が突き当てられる一辺は、環状体116の環状体中心RCから半径方向に延びる放射線RL上に位置されている。環状体位置決めブロック332は、位置決め時に基盤114の所定位置に取り付けられるブロックであり、その先端へ位置出し片328が当接された環状体116の位置が基準回転位置RRPである。基準回転位置RRPは基盤基準位置VRPに相対することから、検査対象の丸棒材106Rの最大直径よりも僅かに大径に対応した位置である。したがって、基準回転位置RRPにおいて、処理装置取付装置118、したがって画像センサー102iは環状体116の環状体中心RCから最も離れた位置に設定される。これによって、環状体116、しがたって画像センサー102i及び第2アクチュエーター132の位置出しが終了する。基準回転位置RRPにおける第2アクチュエーター132の出力軸296の第2エンコーダー294の絶対位置を初期絶対位置y0として定めることにより、第2アクチュエーター132の出力軸296の移動量による環状体116の回動量を演算により求めることができる。
図16に示すように、環状体116の環状体中心RCと基盤114の装着穴152の装着穴中心152Cは重なり合っている。また、位置決め台108の中心線CLと丸棒材106Rの軸線SLが位置する直線PLは同一の鉛直線であり、装着穴中心152Cを通る鉛直線である。これにより、丸棒材106Rの軸線SLと環状体116の環状体中心RCを合致させるには、装着穴152の装着穴中心152Cの高さ位置を丸棒材106Rの軸線SLの高さ位置に合致させれば良い。換言すれば、基盤114の高さ位置を調整することにより、丸棒材106Rの軸線SLと環状体116の環状体中心RCとを重ね合わせることが出来る。
位置決め台108上に載置された丸棒材106Rの軸線SLの基準高さ位置h0からの移動量Δhは、V溝142の角度をθ、丸棒材106Rの直径をφとすると、数1によって表される。数1において、丸棒材106R以外の変数は定数である。
最初に基盤114と環状体116の基準位置出しを前述のように行う。
まず第1アクチュエーター128と第2アクチュエーター132のブレーキを解除した後に基準位置出しを行う。すなわち、第1アクチュエーター128と第2アクチュエーター132とも手動で作動させることができる状態である。基盤114の基準位置出しは、出力軸272S先端の手回し体280の六角ネジ穴(図示せず)に六角レンチを嵌合させてネジ体276を手動で回転させ、基盤114を上昇させて上端の突当体290をアンビル300に突き当てて基盤114を基盤基準位置VRPに位置させ、基準位置出しを行う(図16)。同様に第2アクチュエーター132を手回しし、環状体116と一体に設けられた位置出し片328を環状体位置決めブロック332に突き当てることにより、環状体116を回転基準位置RRPに位置させ、従って画像センサー102iの基準位置出しを行う(図16)。したがって、基盤114及び環状体116の基準位置は、適用対象の丸棒材106Rの直径よりも大径の状態になる。
実施例2は、棒材106が、断面正四角形の四角棒材106Sとした実施例であり、実施例1と同一機能部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。本実施例2において、V溝ローラー136は、V溝142の角度が90度に形成され、四角棒材106Sの寸法が変わった場合であっても、上下左右面の位置が同一量増加又は減少するようにしてある。また、V溝ローラー136上の四角棒材106Sの重心GがV溝142の中心線CL上に位置するように、その左右側面を案内する左ガイド342L、及び右ガイド342Rによって案内されるようになっている。処理装置取付装置118、したがって、各画像センサー102iは、四角棒材106Sの各面に対応して対応する面に対し直角方向に移動可能に配置されている。したがって、環状体116が回転された場合、各画像センサー102iは各面に対して直角をなす方向に接近、又は離隔される。四角棒材106Sの寸法が変更された場合、四角形の場合、下面も上方に移動する。しかし、四角棒材106Sの重心Gと環状体116の環状体中心RCを重ね合わせることにより、画像センサー102iと各面との距離を一定することが容易にできる。このように、本願発明は、四角棒材106Sの検査等にも用いることができる。四角棒材106Sの寸法が変更された場合、実施例1と同様に、四角棒材106Sの重心Gと環状体116の環状体中心RCとを基盤114を移動させて一致させる。一方、環状体116を回転させて画像センサー102iと四角棒材106Sの周面との距離を所定の距離に調整する。
実施例3は、処理装置102として、センサー102Sに換えてレーザー刻印装置344に置き換えられた例であり、実施例1と同一機能部には同一符号を付して説明を省略する。レーザー刻印装置344は、本実施例3においては、丸棒材106Rの真上に配置した1つであるが複数設けることもできる。レーザー刻印装置344は、棒材106の寸法に合わせて周面から所定の距離に配置する必要がある。刻印対象の丸棒材106Rの寸法が変更された場合、実施例1と同様に、丸棒材106Rの軸線SLと環状体116の環状体中心RCとを基盤114を移動させて一致させる。一方、環状体116を回転させてレーザー刻印装置344と丸棒材106Rの周面との距離を所定の距離に調整する。
PL 直線
VRP 基盤基準位置
RC 環状体中心
RRP 回転基準位置
102 処理装置
102S センサー
102i 二次元画像センサー
106 棒材
106R 丸棒材
106P 周面
108 位置決め台
112 支持装置
114 基盤
116 環状体
118 処理装置取付装置
122 連結手段
124 寸法入力装置、
126 演算装置
128 第1アクチュエーター
132 第2アクチュエーター
136 ローラー
142V 溝
Claims (14)
- 大きさが異なる棒材(106)の軸線(SL)が前記軸線(SL)に対し直交する直線(PL)上に位置されるように保持する位置決め台(108)上に支持された前記棒材(106)の周囲に配置した処理装置(102)によって、前記棒材(106)の周面(106P)に対し所定の処理を実行するようにした棒体表面処理装置の位置調整装置であって、
前記処理装置(102)は支持装置(112)上に設置され、
前記支持装置(112)は、
前記軸線(SL)に対し直交方向に移動可能な基盤(114)と、
前記基盤(114)に対し回動自在に取り付けられ、前記棒材(106)の周りを回動する環状体(116)と、
前記環状体(116)の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤(114)に取り付けられ、前記位置決め台(108)上に保持された棒材(106)の周囲に配置された前記処理装置(102)と、
前記環状体(116)と前記処理装置(102)を連結する連結手段(122)と、を含む
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記処理装置(102)は複数である
ことを特徴とする請求項1に記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記処理装置(102)はセンサー(102S)である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 大きさが異なる棒材(106)の軸線(SL)が、前記棒材(106)の軸線(SL)に対し直交する直線(PL)上に位置されるように保持する位置決め台(108)上に支持された前記棒材(106)の周囲に配置した複数のセンサー(102S)によって、前記棒材(106)の周面情報を取得するようにした棒材表面処理装置の位置調整装置であって、
前記複数のセンサー(102S)は支持装置(112)上に設置され、
前記支持装置(112)は、
前記直線(PL)と平行に、かつ前記軸線(SL)に対し直交方向に移動可能な基盤(114)と、
前記基盤(114)に回動自在に取り付けられ、前記棒材(106)の周りを回動する環状体(116)と、
前記位置決め台(108)上に保持された棒材(106)の周囲に配置され、前記環状体(116)の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤(114)に取り付けられ、前記複数のセンサー(102S)がそれぞれ取り付けられた複数のセンサーの処理装置取付装置(118)と、
前記環状体(116)と前記複数のセンサーの処理装置取付装置(118)を連結する連結手段(122)、を含む
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置。 - さらに、
前記位置決め台(108)上の前記棒材(106)の寸法入力装置(124)と、
前記寸法入力装置(124)に入力された寸法に基づいて、前記基盤(114)の基盤基準位置(VRP)からの移動量、及び前記環状体(116)の回転基準位置(RRP)からの回動量を演算する演算装置(126)と、
前記演算装置(126)の演算結果に基づいて前記基盤(114)を前記軸線(SL)に対し直角方向に前記移動量分を移動させる第1アクチュエーター(128)と、
前記演算装置(126)の演算結果に基づいて前記環状体(116)を前記回転基準位置(RRP)に対して前記回動量分を回動させる第2アクチュエーター(132)と、を含み、
前記基盤(114)の前記軸線(SL)に対する直角方向への移動によって、前記環状体(116)の環状体中心(RC)の位置が前記位置決め台(108)上の前記棒材(106)の軸線(SL)と一致されると共に、前記位置決め台(108)上の前記棒材(106)の周面と前記処理装置取付装置(118)上の処理装置(102)との距離が同一となるよう位置調整される
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記位置決め台(108)が周面にV溝(142)を有し、前記環状体(116)の前後に配置された一対のV溝ローラー(136)である
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記センサー(102S)が二次元画像センサー(102i)であることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。
- 前記環状体(116)が所定の直径に形成された円形であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。
- 前記基盤(114)が鉛直方向に移動可能に設けられ、前記環状体(116)が鉛直面内において回転自在に前記基盤(114)に支持されている
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記環状体(116)と前記処理装置取付装置(118)は長さ調整可能な連結手段(122)によって連結されている
ことを特徴とする請求項4乃至9の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記センサー(102S)は前記環状体(116)の環状体中心(RC)から放射状に延在する放射直線に沿って接離するよう移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項3乃至10の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記放射直線は等角度で複数設けられている
ことを特徴とする請求項11に記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 前記第1アクチュエーター(128)、及び前記第2アクチュエーター(132)はサーボモーターを含む
ことを特徴とする請求項5乃至12の何れかに記載した棒体表面処理装置の位置調整装置。 - 大きさが異なる丸棒材(106R)の軸線(SL)が、前記軸線(SL)に対し直交する直線(PL)上に位置されるように保持する位置決め台(108)上に支持された前記丸棒材(106R)の周囲に配置した複数のセンサー(102S)によって、前記丸棒材(106R)の周面情報を取得するようにした棒材表面検査装置の位置調整装置であって、
前記複数のセンサー(102S)は二次元画像センサー(102i)であって、支持装置(112)上に設置され、
前記支持装置(112)は、
前記直線(PL)に対し平行に、かつ前記丸棒材(106R)の軸線(SL)に対し直交する方向に移動可能な基盤(114)と、
前記基盤(114)に取り付けられ、前記丸棒材(106R)の周りに回動自在に配置された円形の環状体(116)と、
前記位置決め台(108)上に保持された丸棒材(106R)の周囲に配置され、前記環状体(116)の中心に対し放射方向に移動可能に前記基盤(114)に配置された複数のセンサーの処理装置取付装置(118)と、
前記環状体(116)と前記複数のセンサーの処理装置取付装置(118)をそれぞれ連結する連結手段(122)と、
前記位置決め台(108)上の丸棒材(106R)の直径の寸法入力装置(124)と、
前記寸法入力装置(124)に入力された直径に基づいて、前記基盤(114)の基盤基準位置(VRP)からの移動量、及び前記環状体(116)の回転基準位置(RRP)からの回動量を演算する演算装置(126)と、
前記演算装置(126)の演算結果に基づいて、前記基盤(114)を前記基盤基準位置(VRP)から前記移動量に相当する移動をさせる第1アクチュエーター(128)と、
前記演算装置(126)の演算結果に基づいて、前記環状体(116)を回転基準位置(RRP)から前記回動量に相当する量を回動させる第2アクチュエーター(132)と、を含み、
前記寸法入力装置(124)への直径の入力に基づく前記基盤(114)の移動によって、前記環状体(116)の中心位置が前記位置決め台(108)上の丸棒材(106R)の軸線(SL)と一致されると共に、前記環状体(116)の回動によって前記位置決め台(108)上の丸棒材(106R)の周面と前記複数のセンサー(102S)の処理装置取付装置(118)上の前記二次元画像センサー(102i)との距離が同一となるよう位置調整される
ことを特徴とする棒体表面処理装置の位置調整装置。
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