JP2020030133A - 無機充填剤の分散性評価方法 - Google Patents
無機充填剤の分散性評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020030133A JP2020030133A JP2018156483A JP2018156483A JP2020030133A JP 2020030133 A JP2020030133 A JP 2020030133A JP 2018156483 A JP2018156483 A JP 2018156483A JP 2018156483 A JP2018156483 A JP 2018156483A JP 2020030133 A JP2020030133 A JP 2020030133A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inorganic filler
- dispersibility
- mixed solution
- silica
- rubber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
Description
すなわち本発明は以下の通りである。
前記混合溶液中の前記無機充填剤の状態を目視にて観察する工程と、
を有する、無機充填剤の分散性評価方法。
2.前記混合溶液に対して、レーザー光を照射して、前記無機充填剤の状態を目視にて観察する、前記1に記載の無機充填剤の分散性評価方法。
3.前記無機充填剤がシリカである、前記1または2に記載の無機充填剤の分散性評価方法。
4.前記有機溶媒がトルエンである、前記1〜3のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
5.前記混合溶液に分散剤を添加した後、前記無機充填剤の状態を目視にて観察する、前記1〜4のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
6.超音波を印加して、前記有機溶媒と前記無機充填剤との混合を行う、前記1〜5のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
本発明の無機充填剤の分散性評価方法は、有機溶媒に、無機充填剤を添加および混合して混合溶液を調製する工程と、前記混合溶液中の前記無機充填剤の状態を目視にて観察する工程と、を有する。
本発明で使用される有機溶媒としては、ゴムに対する無機充填剤の分散性を評価するという観点から、非極性である有機溶媒が好ましい。
例えば溶解度パラメータ(SP値)が10(cal/cm3)0.5以下の非極性溶媒が挙げられ、具体的には、トルエン、n−ヘキサン、酢酸ブチル、キシレン、ベンゼン、アセトン、スチレン、低分子量のスチレンブタジエン共重合体や低分子量のポリイソプレンなどの液状ゴム等が挙げられる。なお、溶解度パラメータ(SP値)とは、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値である。
中でも、ゴムに対する無機充填剤の分散性との相関関係が高いという観点から、トルエンが好ましい。
本発明で使用される無機充填剤としては、とくに制限されないが、例えばシリカ、クレー、マイカ、タルク、シラス、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。
中でも本発明では、目視にて観察し、その分散性を良好に評価できるという観点から、シリカが好ましい。
以下、無機充填剤としてシリカを例に取り説明する場合があるが、本発明で使用される無機充填剤はシリカに制限されるものではない。
本発明の無機充填剤の分散性評価方法は、有機溶媒に、無機充填剤を添加および混合して混合溶液を調製する工程を有する。
混合溶液の調製方法としては、従来から公知の各種手段を採用することができる。例えば、ガラス瓶等の透明な容器に有機溶媒および無機充填剤を導入し、超音波を印加する;撹拌子を用いる;ミキサーを用いる;等の方法により、混合溶液を調製することができる。
中でも、超音波を印加して混合溶液を調製する方法が好ましい。無機充填剤として例えばシリカを使用する場合、通常シリカは凝集体を形成しているので、超音波を印加することにより、該凝集体が砕けて有機溶媒に分散し易くなる。
有機溶媒の使用量は、無機充填剤を100質量部としたときに、例えば400〜500000質量部であり、好ましくは900〜50000質量部である。
本発明の無機充填剤の分散性評価方法では、混合溶液に分散剤を添加することができる。
よく知られているように、例えばシリカは水酸基に基づく極性を有しており、通常、ゴム中に分散することは困難である。したがって従来技術では、シリカとゴムとの相互作用を高めるため、分散剤が使用されている。しかし、分散剤の評価、すなわちシリカのゴム中への分散性の評価は、通常、ゴム、シリカおよび分散剤を配合し、各種物性試験、各種機器分析等を行うことが必要であった。これに対し本発明では、有機溶媒およびシリカを含む混合溶液を調製し、これにさらに分散剤を添加し、その混合溶液中のシリカの状態を目視にて観察することで、シリカの分散性に対し分散剤がどの程度寄与するのか、その評価を行うことが可能となる。
分散剤としては、無機充填剤を分散するために通常用いられる分散剤が挙げられ、とくに制限されないが、無機充填剤がシリカの場合は、例えば変性液状スチレン−ブタジエン共重合体(変性液状SBR)、1,3−ジフェニルグアニジン、ステアリルアミン等のアミン化合物、分子内にアルコキシシリル基を持つシランカップリング剤等が挙げられる。
また混合溶液に対する分散剤の添加量としては、とくに制限されないが、ゴムに添加される分散剤の量を想定し、適宜決定すればよい。例えば、混合溶液中、分散剤は0.1〜20質量%程度である。
本発明における無機充填剤の分散性の評価は、混合溶液中の無機充填剤の状態を目視にて観察することにより行われる。
例えば、前記のように混合溶液を調製した後、静置させ、無機充填剤の沈殿が目視にて観察されなかった場合は、無機充填剤の分散性が良好であると評価することができる。具体的には、前記分散剤を添加する形態において、混合溶液に分散剤を添加、混合し、静置した後、無機充填剤の沈殿が目視にて観察されなかった場合は、分散剤の効果が良好に奏されている、と評価することができる。
これとは別に、混合溶液を調製した後、静置させ、無機充填剤の沈殿が目視にて観察された場合は、無機充填剤の分散性が不良であると評価される。
混合溶液にレーザ光を照射し、目視にて観察したときに、混合溶液中をレーザ光が直進した場合は、無機充填剤の分散性が良好であると評価することができる。具体的には、前記分散剤を添加する形態において、混合溶液に分散剤を添加、混合し、静置した後、レーザ光を混合溶液に照射したとき、混合溶液中をレーザ光が直進した場合は、分散剤の効果が良好に奏されている、と評価することができる。
これとは別に、混合溶液を調製し、静置した後、レーザ光を混合溶液に照射したときに混合溶液中をレーザ光が直進せず散乱した場合は、無機充填剤の分散性が不良であると評価される。
100ml容のガラス瓶に、トルエンを50g、シリカを0.5g導入し(トルエン:シリカ=10:0.1)、密閉した後、超音波を印加し、混合溶液を調製した。
得られた混合溶液を、60秒静置した。
静置後、ガラス瓶中のシリカの状態を目視で観察した。
その結果、シリカはガラス瓶中で沈降していることが確認された。
したがってこの場合、シリカのトルエンに対する分散性、ひいてはゴムに対する分散性は不良であると評価された。
例1において、ガラス瓶中に分散剤として末端変性液状SBR(日本ゼオン社製商品名Nipol NS616)を2.5g添加し(トルエン:シリカ:分散剤=10:0.1:0.5)、密閉した後、超音波を印加し、混合溶液を調製した。それ以降は、例1と同様に目視観察を行ったところ、シリカはガラス瓶中で沈降していなかった。
したがってこの場合、分散剤はシリカをトルエン中で良好に分散させる効果が確認されたことから、シリカのゴムに対する分散性は良好となる、と評価された。
例2において、分散剤をアミン化合物(東京化成工業社製商品名ステアリルアミン)に変更したこと以外は、例2を繰り返した。
目視観察の結果、シリカはガラス瓶中で沈降していなかった。
したがってこの場合、分散剤はシリカをトルエン中で良好に分散させる効果が確認されたことから、シリカのゴムに対する分散性は良好となる、と評価された。
例1において、ガラス瓶中のシリカの状態の目視観察を、混合溶液中のレーザ光(波長532±10nm)の進行状態の目視観察に変更したこと以外は、例1を繰り返した。
目視観察の結果、照射したレーザ光は、混合溶液中で散乱していた。
したがってこの場合、シリカのトルエンに対する分散性、ひいてはゴムに対する分散性は不良であると評価された。
例4における照射したレーザ光の進行状態を図2に示す。
例2において、ガラス瓶中のシリカの状態の目視観察を、混合溶液中のレーザ光(波長532±10nm)の進行状態の目視観察に変更したこと以外は、例2を繰り返した。
目視観察の結果、照射したレーザ光は、混合溶液中を直進していた。
したがってこの場合、分散剤はシリカをトルエン中で良好に分散させる効果が確認されたことから、シリカのゴムに対する分散性は良好となる、と評価された。
例5における照射したレーザ光の進行状態を図3に示す。
例3において、ガラス瓶中のシリカの状態の目視観察を、混合溶液中のレーザ光(波長532±10nm)の進行状態の目視観察に変更したこと以外は、例3を繰り返した。
目視観察の結果、照射したレーザ光は、混合溶液中を直進していた。
したがってこの場合、分散剤はシリカをトルエン中で良好に分散させる効果が確認されたことから、シリカのゴムに対する分散性は良好となる、と評価された。
例5における照射したレーザ光の進行状態を図4に示す。
Claims (6)
- 有機溶媒に、無機充填剤を添加および混合して混合溶液を調製する工程と、
前記混合溶液中の前記無機充填剤の状態を目視にて観察する工程と、
を有する、無機充填剤の分散性評価方法。 - 前記混合溶液に対して、レーザー光を照射して、前記無機充填剤の状態を目視にて観察する、請求項1に記載の無機充填剤の分散性評価方法。
- 前記無機充填剤がシリカである、請求項1または2に記載の無機充填剤の分散性評価方法。
- 前記有機溶媒がトルエンである、請求項1〜3のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
- 前記混合溶液に分散剤を添加した後、前記無機充填剤の状態を目視にて観察する、請求項1〜4のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
- 超音波を印加して、前記有機溶媒と前記無機充填剤との混合を行う、請求項1〜5のいずれかに記載の無機充填剤の分散性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018156483A JP2020030133A (ja) | 2018-08-23 | 2018-08-23 | 無機充填剤の分散性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018156483A JP2020030133A (ja) | 2018-08-23 | 2018-08-23 | 無機充填剤の分散性評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020030133A true JP2020030133A (ja) | 2020-02-27 |
Family
ID=69624272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018156483A Pending JP2020030133A (ja) | 2018-08-23 | 2018-08-23 | 無機充填剤の分散性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020030133A (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS621758A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-07 | Ajinomoto Co Inc | 無機質及び有機顔料の表面改質剤 |
JPH08325276A (ja) * | 1995-06-01 | 1996-12-10 | Mitsubishi Materials Corp | 新規アルコキシシラン化合物とその用途 |
JP2015034106A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 信越化学工業株式会社 | オルガノゾル及びその製造方法 |
KR20160046939A (ko) * | 2014-10-20 | 2016-05-02 | 한국원자력연구원 | 질화붕소 나노시트 제조방법 및 이에 따라 제조되는 질화붕소 나노시트 |
JP2017114980A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 花王株式会社 | インクジェット記録用顔料水系分散体の製造方法 |
US20180009969A1 (en) * | 2015-04-07 | 2018-01-11 | Lg Chem, Ltd. | Aerogel-containing composition and insulation blanket prepared using the same |
JP2018004821A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
-
2018
- 2018-08-23 JP JP2018156483A patent/JP2020030133A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS621758A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-07 | Ajinomoto Co Inc | 無機質及び有機顔料の表面改質剤 |
JPH08325276A (ja) * | 1995-06-01 | 1996-12-10 | Mitsubishi Materials Corp | 新規アルコキシシラン化合物とその用途 |
JP2015034106A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 信越化学工業株式会社 | オルガノゾル及びその製造方法 |
KR20160046939A (ko) * | 2014-10-20 | 2016-05-02 | 한국원자력연구원 | 질화붕소 나노시트 제조방법 및 이에 따라 제조되는 질화붕소 나노시트 |
US20180009969A1 (en) * | 2015-04-07 | 2018-01-11 | Lg Chem, Ltd. | Aerogel-containing composition and insulation blanket prepared using the same |
JP2017114980A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 花王株式会社 | インクジェット記録用顔料水系分散体の製造方法 |
JP2018004821A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yousfi et al. | Compatibilization of polypropylene/polyamide 6 blends using new synthetic nanosized talc fillers: Morphology, thermal, and mechanical properties | |
Paran et al. | Microstructure and mechanical properties of thermoplastic elastomer nanocomposites based on PA6/NBR/HNT | |
WO2008004686A1 (fr) | Caoutchouc diénique modifié et composition de caoutchouc le contenant | |
TWI681008B (zh) | 官能化之聚合物組成物及其製造方法 | |
Sahnoune et al. | Effects of functionalized halloysite on morphology and properties of polyamide-11/SEBS-g-MA blends | |
WO2002059193A1 (en) | Rubber composition | |
Chen et al. | Structure and properties of peroxide dynamically vulcanized polypropylene/ethylene–propylene–diene/zinc dimethacrylate composites | |
JP2010018691A5 (ja) | ||
JP2006213866A (ja) | 天然ゴムマスターバッチの製造方法 | |
JP4420096B2 (ja) | シリカ含有天然ゴム組成物の製造方法及びそれによって得られるシリカ含有天然ゴム組成物 | |
Siengchin et al. | Structure and creep response of toughened and nanoreinforced polyamides produced via the latex route: Effect of nanofiller type | |
JP2020030133A (ja) | 無機充填剤の分散性評価方法 | |
JP2021514409A (ja) | ポリマー系の加硫組成物及び組成物の調製方法 | |
Limary et al. | Stability of diblock copolymer/layered silicate nanocomposite thin films | |
WO2003060004A1 (fr) | Composition caoutchoutee | |
US6323260B1 (en) | Process for hydrophobicizing particles and their use in dispersions | |
WO2020175344A1 (ja) | 加硫ゴム組成物 | |
Huang et al. | A novel interface agent for preparation of high gas barrier organic montmorillonite/brominated butyl rubber nanocomposites | |
JP2020050708A (ja) | 共役ジエン系重合体組成物のベール及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法 | |
Shirazi et al. | Investigation of physical and chemical properties of polypropylene hybrid nanocomposites | |
Das et al. | Influence of Layered Silicate on the Self‐Crosslinking of Polychloroprene and Carboxylated Nitrile Rubber | |
ES2398150T3 (es) | Mezcla madre a base de copolímeros de bloque de estireno-butadieno | |
JPH11302459A (ja) | ゴム組成物 | |
JP2002155208A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 | |
Bhadane et al. | Decoupling of reactions in reactive polymer blending for nanoscale morphology control |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210819 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220802 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220920 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230117 |