JP2020028922A - 刃先位置検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定装置を1個だけ使用して、工作機械の旋回軸(第4軸、第5軸)の割出角度の制限を広げて、X、Y、Z方向の刃先位置の誤差量を求めることができる刃先位置検出方法を提供する。【解決手段】 測定装置を1つの回転軸を持ちその回転軸が機械のX、Y、Z方向のうちの1つと一致する旋回テーブル上に設置して、基準となる機械姿勢の基準工具で測定装置の原点を設定する。加工する機械姿勢の加工工具の外周上の点を測定装置の指令された位置になるよう移動指令をして、移動指令点と実際の位置決め点との差を測定する。旋回テーブルの回転軸上にある工具の最下点と、旋回テーブルの回転軸と直交する面内にある工具外周を2箇所以上とを測定して求まる工具中心点の2方向の誤差量より、X、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を求める。【選択図】 図14

Description

この発明は、刃先位置検出方法に関し、特に、回転工具主軸側に旋回軸を持つ工作機械において、旋回軸割出による工具の刃先位置決め誤差量の測定に適用する刃先位置検出方法に関する。
多軸の工作機械で、回転工具主軸側に1つ又は2つの旋回軸(第4軸、第5軸)を持つ機械において、それぞれの旋回軸を任意の角度に割出した状態で加工を行う場合がある。このとき基準となる工具割出姿勢と、加工時の工具割出姿勢では同じ座標値に刃先を位置決めするよう指令しても、旋回軸の割出誤差や組付け誤差により刃先位置決め誤差が発生することがある。この刃先位置決め誤差を少なくするため、例えば旋回軸を90度毎に割出して割出誤差量や組付け誤差量を測定し刃先位置決めの補正量を決定するが、この測定と加工に使用する工具の工具長や工具形状の違い、機械の熱変形等によって十分な位置決め精度が得られない場合がある。
そこで、基準姿勢の基準工具と第4軸、第5軸を任意の角度に割出した各加工姿勢の加工工具で、刃先位置のX、Y、Z方向の誤差を測定し補正することでさらなる高精度化を図ることがある。
このときに使用する測定装置に、2つのタワーを持ち一方が発光部でもう一方が受光部の非接触式のものがあり、その間に測定対象となる工具を位置決めする。この測定装置を機械のZ軸を回転軸とする1軸旋回テーブル上に設置して、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と直交する面内にくるように測定装置を割出して測定し、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と平行になる面内にくるように測定装置を割出して測定する手順により誤差量を決定することができる。
特許第6193790号公報 特開2017−124485合公報 特許第3305216号公報
前述した機械旋回軸(第4軸、第5軸)の割出角度により、工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線が平行な面内にある状態で、測定対象の工具と測定装置が干渉する場合があり、この場合X、Y、Z方向すべての誤差量を測定することができる旋回軸(第4軸、第5軸)の割出範囲が大きく制限される。
測定装置を2個使用することで上記課題は解決できるが、ユニットの大型化とコストアップとなる。
この発明の目的は、測定装置を1個だけ使用して、工作機械の旋回軸(第4軸、第5軸)の割出角度の制限を広げて、X、Y、Z方向の刃先位置の誤差量を求めることができる刃先位置検出方法を提供することにある。
この発明の刃先位置検出方法は、2つのタワーを持ち一方が発光器で、もう一方が受光器であり、それぞれの軸線が一致するように向かい合って配置された測定装置を使用して、基準となる機械姿勢の基準工具と加工する機械姿勢の加工工具との間のX、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を決定する方法であって、測定装置を1つの回転軸を持ちその回転軸が機械のX、Y、Z方向のうちの1つと一致する旋回テーブル上に設置して、基準となる機械姿勢の基準工具で測定装置の原点を設定して、加工する機械姿勢の加工工具の外周上の点を測定装置の指令された位置になるよう移動指令をして、移動指令点と実際の位置決め点との差を測定し、旋回テーブルの回転軸上にある工具の最下点と、旋回テーブルの回転軸と直交する面内にある工具外周の2箇所以上とを測定して求まる工具中心点の2方向の誤差量より、X、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を求めることを特徴とするものである。
測定装置を1個として、これを工作機械のテーブル上に設置した1軸旋回テーブルに搭載し、工具と測定装置が干渉しない範囲において、工具外周の任意の部分を2箇所以上測定する。そして、得られた測定値と、工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線のなす角度とより刃先位置決めの誤差量を算出する。これにより、機械旋回軸(第4軸、第5軸)の割出範囲の制限を少なくすることができ、測定装置を1個だけ使用して、刃先位置の誤差量を求めることができる。
工具外周を2箇所以上測定して工具中心点の2方向の誤差量を求める方法としては、以下の算出方法1から4までがある。
算出方法1(請求項2):工具外周を90°間隔の2箇所測定し、一方の発光器−受光器の軸線をX'軸、もう一方の発光器−受光器の軸線をY'軸としてそれぞれ測定して、発光器−受光器の各軸線と、それと同じ平面内にある機械軸のなす角度とより、工具中心点の2方向の誤差量を求める。
算出方法2(請求項3):工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線とが直交する状態で工具外周を測定して第1方向の誤差量を求め、測定装置の発光器−受光器の軸線とが工具外周に任意の角度θで接する1箇所を測定し、それぞれ測定した結果とθより、第2方向の誤差量を求める。θのmは、例えば1(1回の計測)とされるが、n回の計測を行って、平均を用いるようにしてもよい。
算出方法3(請求項4):工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線とが直交する状態で工具外周を測定して第1方向の誤差量を求め、加工姿勢の加工工具の工具半径で示される円に任意の角度θ1とθ2で接する直線の傾きをそれぞれ求め、これらの接線に測定装置の発光器−受光器の軸線とが平行になるように測定装置を設置して、角度θ1とθ2で接する直線の接点を測定位置として測定したそれぞれの結果を反映した円を作成し、θ1、θ2に対応する各円の角度θ1の点とθ2の点とを通る前記傾きの各直線の交点と、加工姿勢の加工工具の中心位置が基準姿勢の基準工具と一致すると仮定した場合の角度θ1、θ2での加工工具の工具半径で示される円の外周に接する各直線の交点とを求め、各交点の差分のうち第1方向と直交する方向の誤差量を第2方向の誤差量とする。
算出方法4(請求項5):工具外周を、測定装置の発光器−受光器の軸線が工具外周に任意の角度θnで接する3箇所以上で測定し、それぞれの測定結果を反映した円弧を作成し、円周上の角度θnの点をそれぞれ求め、最小二乗法により工具中心点の2方向の誤差量を求める。
この発明の刃先位置検出方法によれば、測定装置使用個数を1個だけとして、X、Y、Z方向の刃先位置の誤差量を適切に求めることができる。
図1は、この発明の刃先位置検出方法が適用される工作機械の1例を示す斜視図である。 図2は、基準姿勢にある基準工具を示す図である。 図3は、基準姿勢の基準工具を撮像した画像である。 図4は、加工工具の加工姿勢の1例を示す図である。 図5は、測定装置の画角に刃先R全体が入る工具を撮像した画像と最下点の出力値を示す図である。 図6は、測定装置の画角に刃先R全体が入る工具を撮像した画像と径方向頂点の出力値を示す図である。 図7は、測定装置の画角に刃先R全体が入らない工具を撮像した画像と最下点の出力値を示す図である。 図8は、測定装置の画角に刃先R全体が入らない工具を撮像した画像と径方向頂点の出力値を示す図である。 図9は、測定装置の概略を示す斜視図である。 図10は、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と直交する面内にある場合を示す斜視図である。 図11は、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と平行な面内にある場合を示す斜視図である。 図12は、工具と測定装置とが干渉している場合を示す斜視図である。 図13は、従来の刃先位置検出方法の測定手順を示すフローチャートである。 図14は、この発明の刃先位置検出方法の測定手順を示すフローチャートである。 図15は、この発明の刃先位置検出方法における算出方法を説明するための図で、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と直交する面内にある場合の測定装置基準割出角度を示す図である。 図16は、この発明の刃先位置検出方法における算出方法を説明するための図で、工具回転軸が測定装置の発光器−受光器の軸線と平行な面内にある場合の測定装置基準割出角度を示す図である。 図17は、この発明の刃先位置検出方法における算出方法を説明するための図で、測定装置第n割出角度Δθnが負の場合を示す図である。 図18は、この発明の刃先位置検出方法における算出方法を説明するための図で、測定装置第n割出角度Δθnが正の場合を示す図である。 図19は、この発明の刃先位置検出方法における算出方法を説明するための図で、半径Rの円の円周上で角度θmの位置にある点で接する直線を示している。 図20の(a)は、中心(0,0)、半径Ra1の円周上のθm1に位置する点(16.1)を通る直線(17.0)(図19参照)と同じ傾きを持つ直線(17.1)を示す図。図20の(b)は、中心(0,0)、半径Ra2の円周上のθm2に位置する点(16.2)を通る直線(17.0)(図19参照)と同じ傾きを持つ直線(17.2)を示す図。図20の(c)は、中心(0,0)、半径Rの円にθm1の位置にある点(16.3)で接する直線(17.3)を示す図。図20の(d)は、中心(0,0)、半径Rの円にθm2の位置にある点(16.4)で接する直線(17.4)を示す図。図20の(e)は、図20の(a)から(d)までの各直線を1つの図に表したもの。
以下、図1から図20までを参照して、この発明の刃先位置検出方法の実施形態について説明する。
図1は、この発明の刃先位置検出方法が適用される工作機械の1例であるマシニングセンタ(20)を示すもので、マシニングセンタ(20)において、床上に設置されたベッド(21)上にテーブル(22)がX軸(前後)方向に移動位置決め可能に載置されている。ベッド(21)両脇の床上にコラム(23)が立設されている。コラム(23)にクロスレール(24)がZ軸方向移動可能に取り付けられており、このクロスレール(24)に主軸頭(25)がY軸方向移動可能に設けられている。主軸頭(25)の主軸先端には、チャック(26)を介して加工工具としてのボールエンドミル(5)が取り付けられている。
マシニングセンタ(20)のテーブル上には、刃先位置検出のために使用される測定装置(1)がZ軸を回転軸とする旋回テーブル(2)に支持されて載置されている。
主軸頭(25)は、回転工具主軸側に旋回軸を持つものとされており、図4に示すように、主軸頭(25)を旋回させる第4軸および第5軸を有している。図4は、第5軸の旋回角度がθbである加工姿勢にある加工工具(5)を示している。
測定装置(1)は、図9に拡大して示すように、2つのタワー(1a)(1b)を持ち、一方(1a)が発光器でもう一方(1b)が受光器であり、受光器にカメラを用い、それぞれの軸線(9)が一致するように向かい合って配置された撮像式のものとされている。
以下では、旋回テーブル(2)に搭載された測定装置(1)を1個使用して、加工工具(ボールエンドミル)(5)の工具中心位置の(X,Y)=(a,b)を測定する場合を説明する。
測定装置(1)を機械テーブル(22)上に設置した旋回テーブル(2)に取付ける。初期状態として測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)がX軸に平行になるようにする。基準姿勢(工具軸がZ軸と一致)の基準工具(3)(図2参照)で測定装置画角中心(4)に基準工具の先端が来るように位置決めし(図3参照)、その位置(機械座標値)を測定装置(1)の基準点とする。
加工用の工具(5)を取付け、加工姿勢(図4参照)に割出し、あらかじめ設定されたパラメータで算出された補正量を加えて、工具最下点が測定装置画角中心(4)に位置決めするように機械を移動させる。測定装置(1)は、図7に示すように、工具最下点位置と測定装置画角中心(4)との距離(7.3)、(8.3)を測ることができ、この測定値が位置決め誤差量となる。工具最下点の位置決めは測定装置画角中心(4)以外でもよく、移動指令した画角内の位置と計測された工具最下点位置の相対差が位置決め誤差量となる。また、図8に示すように、工具の径方向頂点についても同様の測定を行うことができ、工具径方向頂点位置と測定装置画角中心(4)との距離(7.4)、(8.4)を測ることができる。
なお、図5および図6は、測定装置画角内にボールエンドミルのR部全体が入る場合を示し、図7および図8は、測定装置画角内にボールエンドミルのR部全体が入らない場合を示している。以下では、図7および図8を参照して説明するが、図5および図6となる場合には、距離(7.3)、(8.3)を図5の距離(7.1)、(8.1)に、距離(7.4)、(8.4)を図6の距離(7.2)、(8.2)にそれぞれ置き換えるだけでよい。
図4に示すような軸構成の機械で第5軸の割出角度θbが小さい時、測定装置(1)と加工工具(5)とは干渉しないため図13で示す[手順1]で測定することができる。
手順1は、従来から行われている刃先位置検出方法で、以下のようなステップで刃先位置の誤差量が求められる。
まず、工具回転軸(10)が測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)と直交する面内に位置する状態(図15参照)で、測定装置(1)の基準の割出を行い、基準割出角度をθsとする(ステップ1(S1))。工具回転軸(10)が測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)と直交する面内に位置する状態を図10(斜視図)および図15(平面図)に示す。図10において、工具回転軸(10)は、各タワー(1a)の他方タワー(1b)に対向する面(1c)に平行な面内に位置している。
次いで、基準割出における測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)をX’軸と設定し、これと直交する軸をY’軸と設定する(ステップ2(S2))。
次いで、工具最下点を計測し、Z方向の誤差とする(ステップ3(S3))。
次いで、工具径方向頂点又は工具最下点計測時のXs方向を計測して、そのY’方向の誤差βとする(ステップ4(S4))。
次いで、測定装置(1)の割出を行う。この割出(第1割出)は、工具回転軸(10)が測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)と平行な面内に位置する状態で行い、第1割出角度θs±90°とする(ステップ5(S5))。工具回転軸(10)が測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)と平行な面内に位置する状態を図11(斜視図)および図16(平面図)に示す。図11において、工具回転軸(10)は、各タワー(1a)(1b)の側面(1d)に平行な面内に位置している。
次いで、径方向頂点又は工具両側面を計測し、X’方向の誤差αとする(ステップ6(S6))。
次いで、基準割出角度θsより、後述する式1を用い、XY座標系の誤差量(X,Y)=(a,b)を求める(ステップ7(S7))。
ここで、第5軸の割出角度θbが大きい時、図12に示すように、測定装置(1)と加工工具(5)とが符号(11)で示す丸印の箇所で干渉し、図13で示す[手順1]では測定することはできないという問題が生じる。
この場合には、この発明の刃先位置検出方法の実施形態である図14で示す[手順2]で測定する。
まず、工具回転軸(10)が測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)と直交する面内に位置する状態で、測定装置(1)の基準の割出を行い、基準割出角度をθsとする(ステップ1(S1))。
次いで、基準割出における測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)をX’軸と設定し、これと直交する軸をY’軸と設定する(ステップ2(S2))。
次いで、工具最下点を計測し、Z方向の誤差とする(ステップ3(S3))。
ここまでは、手順1と同様で、ここで、基準割出角度で計測するかどうかを判定する(ステップ4(S4))。
基準割出角度での計測は、工具径方向頂点を計測し、Y’方向の誤差β’とすることで行う(ステップ5(S5))。この後、ステップ6(S6)に移る。後述するように、算出方法1および4では、基準割出角度での計測は必須ではなく、算出方法1および4の場合は、ステップ5(S5)を実行せずにステップ6(S6)に移る。ステップ6(S6)では、測定回数nを決定する。
次いで、加工工具(5)と測定装置(1)とが干渉しない範囲で測定装置割出(第n割出)を行う(ステップ7(S7))。
次いで、工具径方向頂点を計測し、測定結果(7.4)を記録する(ステップ8(S8))。
次いで、測定回数≧nを判定し、測定回数<nであれば、ステップ7(S7)の第n割出に戻り、測定回数≧nであれば、ステップ10(S10)に移る(ステップ9(S9))。
ステップ10(S10)では、算出方法1〜4のいずれかでXY座標系の誤差量(X,Y)=(a,b)を求める。
こうして、[手順2]で測定した結果よりX、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を算出する。
ステップ10(S10)の刃先位置決め誤差量の算出に際しては、計測回数、工具回転軸(10)と測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)の関係により、以下に示す計算式を用いた4つの算出方法を採ることができる。
[計算式]
基準割出角度θsを用い、[式1]により計測座標系での測定結果(X’,Y’)=(α,β)から機械座標系でのX、Y方向の刃先位置決め誤差量(X,Y)=(a,b)を決定することができる。
式1
Figure 2020028922
XY平面において半径Rの円の中心が(X,Y)=(0,0)の場合、この円の円周上で角度θmの位置にある点で接する直線は[式2]で表すことができる。
式2
Figure 2020028922
XY平面において半径Rの円の中心が(X,Y)=(α,β)の場合、この円の円周上で角度θmの位置にある点で接する直線は[式3]で表すことができる。
式3
Figure 2020028922
式2、式3で表される直線の傾きが同じ場合、2直線間の最短距離γは[式4]で表すことができる。
式4
Figure 2020028922
以下に、図15から図20までを参照して、算出方法1から4までを説明する。
[算出方法1]は、図17に示すθnをθ1とし、図18に示すθnをθ2として、次のようにする。
計測回数を2回、基準割出角θsからの角度移動量Δθ1とΔθ2がΔθ1+Δθ2=90となるようにする。
第1割出角度の測定装置(1)の発光器−受光器の軸線(9)をY’軸、第2割出角度の測定装置の発光器−受光器の軸線(9)をX’軸とする。
第1割出角度θm1=θs+Δθ1、測定するボールエンドミルの半径をRとして、測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行う。測定結果(7.4)をX’軸方向の誤差量α’とする。
第2割出角度θm2=θs+Δθ2とし、第1割出角度と同様の測定を行い、測定結果(7.4)をY’軸方向の誤差量β’とする。
θs=θs+Δθ2、α=α’、β=β’として、[式1]よりXY方向誤差(X,Y)=(a,b)を求める。
[算出方法2]は、次のようにする。
基準割出角度θsでの径方向頂点計測と、基準割出角度θsからの角度移動量Δθnでの測定回数nを1とする。
基準割出角度θsで、測定するボールエンドミルの半径をRとして、測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行う。計測結果(7.4)をY’軸方向の誤差量βsとする。
第n割出角度(15)をθmn=90+Δθとし、測定するボールエンドミルの半径をRとして、測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行う。測定結果(7.4)をγnとする。
[式4]を変形し、θm=θmn、γ=γnとすると[式5]となり、X’軸方向の誤差量αが求まる。
式5
Figure 2020028922
θs=θs、α=α、β=βsとして、[式1]よりXY方向誤差(X,Y)=(a,b)を求める。
測定回数nを2回以上として平準化してもよい。
[算出方法3]は、次のようにする。
基準割出角度θsでの径方向頂点計測と、基準割出角度θsからの角度移動量Δθnでの測定回数n を2とする。
基準割出角度θsで、測定するボールエンドミルの半径をRとして、測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行う。計測結果(7.4)をY’軸方向の誤差量βsとする。
n=1の時を第1割出、角度(15)をθm1(θ1)=90+Δθ1とし、測定するボールエンドミルの半径をRとする。X’Y’平面に投影した基準工具(3)の円の中心を(X’,Y’)=(0,0)とし、加工姿勢の加工工具(5)の円の中心が(X’,Y’)=(α,β)にある場合、半径Rの円周上で角度θmnに位置する点(16.0)で接する直線(17.0)は[式3]となる。第1割出角度θ1で測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行い、測定結果(7.2)(又は(7.4))をRに加算しRa1とする。このときX’Y’平面にて、中心(X’,Y’)=(0,0)で半径Ra1の円周上で角度θm1(θ1)に位置する点(16.1)(X’,Y’)=(xm1,ym1)を上記直線と同じ傾きの直線(17.1)が通過するとして(図20(a)参照)、[式3]のx、yに代入しα、βの方程式にする。
n=2の時を第1割出、角度(15)をθm2(θ2)=90+Δθ2とし、測定するボールエンドミルの半径をRとする。X’Y’平面に投影した基準工具(3)の円の中心を(X’,Y’)=(0,0)とし、加工姿勢の加工工具(5)の円の中心が(X’,Y’)=(α,β)にある場合、半径Rの円周上で角度θmnに位置する点(16.0)で接する直線(17.0)は[式3]となる。第2割出角度θ2で測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行い、測定結果(7.2)(又は(7.4))をRに加算しRa2とする。このときX’Y’平面にて、中心(X’,Y’)=(0,0)で半径Ra2の円周上で角度θm2(θ2)に位置する点(16.2)(X’,Y’)=(xm2,ym2)を上記直線と同じ傾きの直線(17.2)が通過するとして(図20(b)参照)、[式3]のx、yに代入しα、βの方程式にする。この2直線の連立方程式の解が2直線の交点(αm,βm)となる。
さらに、中心(X’,Y’)=(0,0)で半径Rの円に角度θm1(点(16.3))、θm2(点(16.4))で接する直線(17.3)、(17.4)の方程式を作成し(図20(c)(d)参照)、2直線の交点(α0,β0)を求める(図20(e)参照)。それぞれで求められた差分[αm−α0]がX’方向の誤差量αとなる。θs=θs、α=α、β=βsとして、[式1]よりXY方向誤差(X,Y)=(a,b)を求める。
[算出方法4]は、図17および図18を参照して(Δθnが任意の値)、次のようにする。
基準割出角度θsからの角度移動量Δθnでの測定回数n を3回以上とする。基準割出角度θsでの径方向頂点計測を行わなくてもよい。
n=1の時を第1割出角度θm1とする。測定するボールエンドミルの半径をRとして、第1割出角度θ1で測定装置画角中心(4)に加工姿勢の加工工具(5)の径方向頂点が位置するように移動指令をして測定を行う。測定結果(7.2)(又は(7.4))をRに加算しRa1とする。このとき中心(X’,Y’)=(0,0)で半径Ra1の円周上で角度θm1に位置する点(16)を求める。
割出角度θmを変更しながら同様の手順で点を求め、この操作を3回以上行う。これらの点群より、最小二乗法を用いて求められる円の中心座標が基準工具(3)との位置決め誤差量(X’,Y’)=(α,β)となる。基準割出角度θsとして、[式1]よりXY方向誤差(X,Y)=(a,b)を求める。
上記の算出方法の1から4までのいずれを用いても刃先位置検出に必要な誤差量を求めることができる。
なお、使用する測定装置(1)はレーザー式でもよい。この場合あらかじめ測定されたレーザーの機械位置を目標値として移動指令をして、レーザーを遮った時の機械位置との差が撮像式で得られた測定結果(7.4)と同じであるとして計算する。
(1)…測定装置
(1a)…タワー(発光器)
(1b)…タワー(受光器)
(2)…旋回テーブル
(3)…基準姿勢の基準工具
(5)…加工姿勢の加工工具
(10)…工具回転軸
(12)…測定装置基準割出時の測定装置の発光器−受光器の軸線

Claims (5)

  1. 2つのタワーを持ち一方が発光器で、もう一方が受光器であり、それぞれの軸線が一致するように向かい合って配置された測定装置を使用して、基準となる機械姿勢の基準工具と加工する機械姿勢の加工工具との間のX、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を決定する刃先位置検出方法であって、
    測定装置を1つの回転軸を持ちその回転軸が機械のX、Y、Z方向のうちの1つと一致する旋回テーブル上に設置して、基準となる機械姿勢の基準工具で測定装置の原点を設定して、加工する機械姿勢の加工工具の外周上の点を測定装置の指令された位置になるよう移動指令をして、移動指令点と実際の位置決め点との差を測定し、旋回テーブルの回転軸上にある工具の最下点と、旋回テーブルの回転軸と直交する面内にある工具外周の2箇所以上とを測定して求まる工具中心点の2方向の誤差量より、X、Y、Z方向の刃先位置決め誤差量を求めることを特徴とする刃先位置検出方法。
  2. 工具外周を90°間隔の2箇所測定し、一方の発光器−受光器の軸線をX'軸、もう一方の発光器−受光器の軸線をY'軸としてそれぞれ測定して、発光器−受光器の各軸線と、それと同じ平面内にある機械軸のなす角度とより、工具中心点の2方向の誤差量を求める請求項1に記載の刃先位置検出方法。
  3. 工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線とが直交する状態で工具外周を測定して第1方向の誤差量を求め、測定装置の発光器−受光器の軸線とが工具外周に任意の角度θで接する1箇所を測定し、それぞれ測定した結果とθより、第2方向の誤差量を求める請求項1に記載の刃先位置検出方法。
  4. 工具回転軸と測定装置の発光器−受光器の軸線とが直交する状態で工具外周を測定して第1方向の誤差量を求め、加工姿勢の加工工具の工具半径で示される円に任意の角度θ1とθ2で接する直線の傾きをそれぞれ求め、これらの接線に測定装置の発光器−受光器の軸線とが平行になるように測定装置を設置して、角度θ1とθ2で接する直線の接点を測定位置として測定したそれぞれの結果を反映した円を作成し、θ1、θ2に対応する各円の角度θ1の点とθ2の点とを通る前記傾きの各直線の交点と、加工姿勢の加工工具の中心位置が基準姿勢の基準工具と一致すると仮定した場合の角度θ1、θ2での加工工具の工具半径で示される円の外周に接する各直線の交点とを求め、各交点の差分のうち第1方向と直交する方向の誤差量を第2方向の誤差量とする請求項1に記載の刃先位置検出方法。
  5. 工具外周を、測定装置の発光器−受光器の軸線が工具外周に任意の角度θnで接する3箇所以上で測定し、それぞれの測定結果を反映した円弧を作成し、円周上の角度θnの点をそれぞれ求め、最小二乗法により工具中心点の2方向の誤差量を求める請求項1に記載の刃先位置検出方法。
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