JP2020026477A - 光アップコンバージョン組成物、フィルム及び光アップコンバージョン方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現する光アップコンバージョン組成物、フィルム及び光アップコンバージョン方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、光を吸収して励起三重項状態となる増感部位と、この増感部位からの三重項エネルギー移動を受けて励起三重項状態を生じ、さらにその励起三重項間衝突によって励起一重項状態となる発光部位と、液晶相を発現させるメソゲン部位とを有する成分を含有する光アップコンバージョン組成物である。上記成分として、上記増感部位を含む第1化合物と、上記発光部位を含む第2化合物と、上記メソゲン部位を含む第3化合物とを含有することが好ましい。上記第1化合物、上記第2化合物及び上記第3化合物のうちの少なくともいずれかが重合性基を有することが好ましい。【選択図】図4

Description

本発明は、光アップコンバージョン組成物、フィルム及び光アップコンバージョン方法に関する。
光アップコンバージョンとは長波長光を短波長光に変換する方法である。光アップコンバージョン組成物の用途としては、例えば有機太陽電池などが挙げられる。有機太陽電池において自由電荷担体を発生させるのは、太陽光のうちの紫外光及び青色光である。そこで、有機太陽電池に光アップコンバージョン組成物を用いることにより、赤色光などの長波長光を青色光などの短波長光に変換し、有機太陽電池の光電変換効率を高めることが期待されている。
光アップコンバージョンの従来の方式としては、(1)強力なパルスレーザーを用いた二光子吸収、(2)非線形光学結晶とコヒーレント光源とを用いた第二高調波発生、(3)希土類元素の二段階励起を用いるものが挙げられる。これらの方式はコヒーレントな非常に強い入射光(レーザー)を必要とし、また、光アップコンバージョン効率は0.2%以下と非常に低い値であった。これらは、レーザーの波長変換光学素子などとして用いられているが、非常に強いコヒーレント光を必要とするため、有機太陽電池には利用できない。これに対して、2003年に初めて報告された二種類の光機能分子と三重項−三重項消滅(triplet−triplet annihilation(TTA))とを用いる方式は、入射光強度の低い非コヒーレント光に対し、1%以上の光アップコンバージョンを行える方法として注目を集めている。具体的には、長波長の光を吸収し効率的に三重項を生成する増感剤(sensitizer)と、増感剤から三重項間エネルギー移動(triplet−triplet energy transfer(TTET))で長寿命の励起三重項を生じ、さらにその励起三重項間衝突によって励起一重項を生成して蛍光を発する発光剤(emitter)という役割分担させた二種類の要素を組み合わせている。
上記二種類の要素を組み合わせる方法として、これまで、この二種類の要素を混合させた溶液系について検討されている(国際公開第2014/136619号参照)が、光アップコンバージョン効率は低いものに留まっており、光アップコンバージョン効率の向上が求められている。加えて、励起三重項状態は空気中や溶液中の酸素によって消光され、失活するため、溶液系では、溶存酸素を除く脱気処理を必要とする。そのため、実用化のためにはフィルム化が必須である。フィルム化の検討は、これまで、高分子へ低分子を分散させる方法などが検討されているが、この方法では、やはり光アップコンバージョン効率が低いという不都合がある。
国際公開第2014/136619号
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現する光アップコンバージョン組成物、この光アップコンバージョン組成物から形成されたフィルム、及びこのフィルムを用いる光アップコンバージョン方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、光アップコンバージョン組成物中に、液晶相を発現させるメソゲン部位を含有させることで、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現する光アップコンバージョン組成物が得られることが明らかとなった。さらに、この組成物からハイパーブランチポリマーを形成させることによっても、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現する光アップコンバージョン組成物及びフィルムが得られることが明らかとなった。
上記課題を解決するためになされた発明は、光を吸収して励起三重項状態となる増感部位(以下、「増感部位(X)」ともいう)と、この増感部位(X)からの三重項エネルギー移動を受けて励起三重項状態を生じ、さらにその励起三重項間衝突によって励起一重項状態となる発光部位(以下、「発光部位(Y)」ともいう)と、液晶相を発現させるメソゲン部位(以下、「メソゲン部位(Z)」ともいう)とを有する成分(以下、「[I]成分」ともいう)を含有する光アップコンバージョン組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該光アップコンバージョン組成物から形成されたフィルムである。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、当該フィルムに光を照射する工程を備える光アップコンバージョン方法である。
本発明の光アップコンバージョン組成物、フィルム及び光アップコンバージョン方法によれば、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現することができる。また、本発明の光アップコンバージョン組成物によれば、容易にフィルム化が可能なため、従来の溶液系で行っていた溶存酸素を除く脱気処理を不要とすることができる。
ハイパーブランチポリマーの分岐構造を示す概念図である。 ハイパーブランチポリマーの製造方法を示す概念図である。 ハイパーブランチポリマーの重合反応を示す概念図である。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U1)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。 実施例の光アップコンバージョン組成物(U2)の分光特性を示すチャートである。
<光アップコンバージョン組成物>
当該光アップコンバージョン組成物は、[I]成分を含有する。当該光アップコンバージョン組成物は、[I]成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、溶媒等の任意成分を含有していてもよい。
当該光アップコンバージョン組成物は、増感部位(X)と発光部位(Y)とメソゲン部位(Z)とを有する[I]成分を含有することで、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現することができる。当該光アップコンバージョン組成物が上記構成を備えることで上記効果を奏する理由については必ずしも明らかではないが、例えば[I]成分中のメソゲン部位(Z)が発現させる液晶相により、増感部位(X)と発光部位(Y)とが効率的に衝突を行うことができること等が考えられる。
[[I]成分]
[I]成分は、増感部位(X)と、発光部位(Y)と、メソゲン部位(Z)とを有する。[I]成分における増感部位(X)、発光部位(Y)及びメソゲン部位(Z)のそれぞれの含有形態は特に限定されず、化合物の形態でも、ポリマーにおける構造単位の形態でも、それらの両方の形態でもよい。[I]成分は、(X)〜(Z)の各部位をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。以下、(X)〜(Z)の各部位について説明する。
(増感部位(X))
増感部位(X)は、光を吸収して励起三重項状態となる部位である。
増感部位(X)は、光エネルギーを吸収して、発光部位(Y)に光エネルギーを移動させることができるものであれば特に限定されず、例えば公知の光増感剤等を用いて形成することができる。増感部位(X)を与える化合物としては、光エネルギーを効率よく移動できる観点から、有機金属錯体が好ましい。ここで、「有機金属錯体」とは、金属−炭素結合を有する有機金属化合物と、配位結合を有する金属錯体との両者を含む。配位結合を有する金属錯体は、金属と、これに配位する配位子とを含む。
有機金属錯体を構成する金属としては、特に限定されないが、例えばLi、Mg、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb等が挙げられる。これらの中で、Pt及びPdが好ましく、Pdがより好ましい。
有機金属錯体における配位子としては、例えばoctaethylporphyrin等のポルフィリン又はその置換体;tetra−tert−butyl phthalocyanine等のフタロシアニン又はその置換体;tetra−tert−butyl naphthalocyanine等のナフタロシアニン又はその置換体などが挙げられる。
置換体における置換基としては、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基等の鎖状炭化水素基などの炭化水素基;カルボキシメチル基、カルボキシエチル基等のカルボキシアルキル基などの酸基を有する炭化水素基などが挙げられる。
有機金属錯体における配位子としては、これらの中で、ポルフィリン又はその置換体及びフタロシアニン又はその置換体が好ましく、ポルフィリン又はその置換体がより好ましく、ポルフィリンの置換体がさらに好ましい。
有機金属錯体としては、Pd錯体及びPt錯体が好ましく、Pd錯体がより好ましく、
ポルフィリン又はその置換体を配位子とするPd錯体、フタロシアニン又はその置換体を配位子とするPd錯体及びナフタロシアニン又はその置換体を配位子とするPd錯体がさらに好ましく、ポルフィリンの置換体を配位子とするPd錯体が特に好ましい。
当該光アップコンバージョン組成物の全固形分中の増感部位(X)の含有割合の下限としては、1×10−5mol/kgが好ましく、1×10−4mol/kgがより好ましく、1×10−3mol/kgがさらに好ましく、3×10−3mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1×10−1mol/kgが好ましく、5×10−2mol/kgがより好ましく、1×10−2mol/kgがさらに好ましい。光アップコンバージョン組成物の「全固形分」とは、溶媒以外の成分の総和をいう。
(発光部位(Y))
発光部位(Y)は、増感部位(X)からの三重項エネルギー移動を受けて励起三重項状態を生じ、さらにその励起三重項間衝突によって励起一重項状態となる部位である。
発光部位(Y)は、エネルギーを受けて励起一重項状態となることができるものであれば特に限定されないが、発光部位(Y)を与える化合物としては、例えば縮合多環系芳香族化合物等が挙げられる。「縮合多環系芳香族化合物」とは、少なくとも1個の縮合芳香環を有する化合物をいう。
縮合芳香環としては、例えばナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ペリレン環、フルオレン環等の縮合芳香族炭素環;ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、キノリン環等の縮合芳香族複素環などが挙げられる。これらの中で、縮合芳香族炭素環が好ましく、アントラセン環がより好ましい。
縮合芳香環は、置換基を有していてもよい。縮合芳香環の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基等のアルキル基などの鎖状炭化水素基;シクロプロピル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基などの脂環式炭化水素基などが挙げられる。
また、縮合芳香環には、例えばシクロブタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環等の脂環;ピペリジン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロフラン環等の脂肪族複素環などが縮環していてもよい。
縮合多環系芳香族化合物としては、3〜8個の芳香環を含むものが好ましい。
縮合多環系芳香族化合物としては、例えばアントラセン骨格、テトラセン骨格、ペンタセン骨格、ペリレン骨格、フルオレン骨格、ベンゾチオフェン骨格等を有する化合物などが挙げられる。これらの中で、アントラセン骨格を有する化合物が好ましい。
縮合多環系芳香族化合物の具体例としては、9−(3−メチル−4−アリロキシフェニル)−10−(3−メチル−4−アリロキシフェニルメチル)アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、ルブレン等が挙げられる。これらの中で、9−(3−メチル−4−アリロキシフェニル)−10−(3−メチル−4−アリロキシフェニルメチル)アントラセンが好ましい。
当該光アップコンバージョン組成物の全固形分中の発光部位(Y)の含有割合の下限としては、1×10−3mol/kgが好ましく、1×10−2mol/kgがより好ましく、5×10−2mol/kgがさらに好ましく、1×10−1mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1mol/kgが好ましく、7×10−1mol/kgがより好ましく、5×10−1mol/kgがさらに好ましい。
当該光アップコンバージョン組成物中の増感部位(X)のモル数に対する発光部位(Y)のモル数の比(発光部位(Y)(mol)/増感部位(X)(mol))の下限としては、1が好ましく、10がより好ましく、30がさらに好ましい。上記比の上限としては、1,000が好ましく、100がより好ましく、70がさらに好ましい。
(メソゲン部位(Z))
メソゲン部位(Z)は、液晶相を発現させる部位である。
液晶相としては、例えばネマチック相、スメクチック相、ディスコチック相、コレステリック相等が挙げられる。
メソゲン部位(Z)は、液晶相を発現させることができるものであれば特に限定されず、例えば公知の液晶組成物、重合性液晶モノマー等を用いて形成することができる。
当該光アップコンバージョン組成物の全固形分に対するメソゲン部位(Z)の含有割合の下限としては、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましく、92質量%がさらに好ましい。
当該光アップコンバージョン組成物における増感部位(X)及び発光部位(Y)の合計質量に対するメソゲン部位(Z)の質量の比(メソゲン部位(kg)/(増感部位(X)(kg)+発光部位(Y)(kg))の下限としては、3が好ましく、5がより好ましく、7がさらに好ましい。上記比の上限としては、20が好ましく、15がより好ましく、11がさらに好ましい。
当該光アップコンバージョン組成物の態様としては、例えば以下の組成物(U1)、(U2)等が挙げられる。
光アップコンバージョン組成物(U1):[I]成分として、増感部位(X)を含む第1化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)と、発光部位(Y)を含む第2化合物(以下、「化合物(B)」ともいう)と、メソゲン部位(Z)を含む第3化合物(以下、「化合物(C)」ともいう)とを含有する。
光アップコンバージョン組成物(U2):[I]成分として、増感部位(X)を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)、発光部位(Y)を含む第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、メソゲン部位(Z)を含む第3構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)のうちの少なくともいずれかを有するハイパーブランチポリマーを含有する。
以下、光アップコンバージョン組成物(U1)及び(U2)について説明する。
<光アップコンバージョン組成物(U1)>
光アップコンバージョン組成物(U1)は、[I]成分として、化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)とを含有する。光アップコンバージョン組成物(U1)は、本発明の効果を損なわない範囲において、化合物(A)〜(C)以外に、他の成分を含有していてもよい。
以下、化合物(A)〜(C)について説明する。
[化合物(A)]
化合物(A)は、増感部位(X)を含む化合物である。化合物(A)の分子量は、通常200以上2,000以下であり、300以上1,000以下が好ましい。
化合物(A)としては、公知の光増感剤を用いることができ、例えばポルフィリン若しくはその置換体、フタロシアニン若しくはその置換体又はナフタロシアニン若しくはその置換体を配位子とするPd錯体若しくはPt錯体等の有機金属錯体などが挙げられる。
化合物(A)は、1又は複数の重合性基を有していてもよい。「重合性基」とは、重合反応に関与する基を意味する。化合物(A)の重合性基としては、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アリルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。化合物(A)の重合性基としては、ビニル基が好ましい。
化合物(A)が重合性基を有する場合、重合性基の数としては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、2が特に好ましい。重合性基を有する化合物(A)としては、例えばPalladium(II)protoporphyrinIX等が挙げられる。
光アップコンバージョン組成物(U1)の全固形分中の化合物(A)の含有割合の下限としては、1×10−5mol/kgが好ましく、1×10−4mol/kgがより好ましく、1×10−3mol/kgがさらに好ましく、3×10−3mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1×10−1mol/kgが好ましく、5×10−2mol/kgがより好ましく、1×10−2mol/kgがさらに好ましい。
[化合物(B)]
化合物(B)は、発光部位(Y)を含む化合物である。化合物(B)の分子量は、通常100以上2,000以下であり、200以上700以下が好ましい。
化合物(B)としては、例えばアントラセン骨格、テトラセン骨格、ペンタセン骨格、ぺリレン骨格、フルオレン骨格、ベンゾチオフェン骨格等を有する縮合多環系芳香族化合物などが挙げられる。
化合物(B)は、1又は複数の重合性基を有していてもよい。化合物(B)の重合性基としては、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アリルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。化合物(B)の重合性基としては、アリル基及びアリルオキシ基が好ましい。
化合物(B)が重合性基を有する場合、重合性基の数としては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、2が特に好ましい。重合性基を有する化合物(B)としては、例えば9−(3−メチル−4−アリロキシフェニル)−10−(3−メチル−4−アリロキシフェニルメチル)アントラセン等が挙げられる。
光アップコンバージョン組成物(U1)の全固形分中の化合物(B)の含有割合の下限としては、1×10−3mol/kgが好ましく、1×10−2mol/kgがより好ましく、5×10−2mol/kgがさらに好ましく、1×10−1mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1mol/kgが好ましく、7×10−1mol/kgがより好ましく、5×10−1mol/kgがさらに好ましい。
光アップコンバージョン組成物(U1)中の化合物(A)のモル数に対する化合物(B)のモル数の比(化合物(B)(mol)/化合物(A)(mol))の下限としては、1が好ましく、10がより好ましく、30がさらに好ましい。上記比の上限としては、1,000が好ましく、100がより好ましく、70がさらに好ましい。
[化合物(C)]
化合物(C)は、メソゲン部位(Z)を含む化合物である。化合物(C)は、高分子、中分子及び低分子のいずれでもよく、また、これらの混合物でもよい。
化合物(C)としては、公知の液晶組成物、公知の重合性液晶モノマー等を用いることができる。「液晶組成物」とは、液晶性を示す特性を有する組成物をいう。「重合性液晶モノマー」とは、1又は複数の重合性基を有し、かつ液晶性を示す化合物をいう。
(液晶組成物)
液晶組成物としては、例えばシアノビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系等の液晶組成物が挙げられる。液晶組成物の市販品としては、例えばメルク社の「E8」、「E43」、「E44」等が挙げられる。
(重合性液晶モノマー)
重合性液晶モノマーが有する重合性基としては、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アリルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中で、光重合性基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶モノマーが重合した後に示す液晶相としては、例えばネマチック相、スメクチック相、ディスコチック相、コレステリック相等が挙げられる。これらの中で、ネマチック相が好ましい。重合性液晶モノマーの市販品としては、例えばメルク社の「RMM141C」、「RMM256C」等が挙げられる。
光アップコンバージョン組成物(U1)は、化合物(C)として、液晶組成物及び重合性液晶モノマーを含有することが好ましい。光アップコンバージョン組成物(U1)が液晶組成物及び重合性液晶モノマーを両方含有すると、光アップコンバージョン組成物(U1)を、重合性液晶モノマーを重合させて用いる場合、液晶相中に高分子ネットワークが形成され、小さな液晶の体積空間が生み出されることで、この空間に閉じ込められた増感部位(X)と発光部位(Y)とがより効率的に衝突を行うことができ、その結果、光アップコンバージョン効率がより向上すると考えられる。
光アップコンバージョン組成物(U1)が化合物(C)として液晶組成物及び重合性液晶モノマーを含有する場合、液晶組成物の質量に対する重合性液晶モノマーの質量の比(重合性液晶モノマー(kg)/液晶組成物(kg))の下限としては、0.5/9.5が好ましく、1/8がより好ましく、2/7がさらに好ましく、3/6が特に好ましい。上記比の上限としては、例えば4/5である。光アップコンバージョン組成物(U1)を、重合性液晶モノマーを重合させて用いる場合、光アップコンバージョン効率は、重合性液晶モノマーの質量比が一定値までは増大するほど高くなる傾向があるが、この理由として、重合性液晶モノマーの質量比を増大させるほど、重合性液晶モノマーの重合により液晶相中に形成される高分子ネットワークの割合が高くなり、より小さな液晶の体積空間が生み出されることから、この空間に閉じ込められた増感部位(X)と発光部位(Y)とがより効率的に衝突を行うことができるためと考えられる。
光アップコンバージョン組成物(U1)の全固形分に対する化合物(C)の含有割合の下限としては、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましく、92質量%がさらに好ましい。
光アップコンバージョン組成物(U1)における化合物(A)及び化合物(B)の合計質量に対する化合物(C)の質量の比(化合物(C)(kg)/(化合物(A)(kg)+化合物(B)(kg))の下限としては、3が好ましく、5がより好ましく、7がさらに好ましい。上記比の上限としては、20が好ましく、15がより好ましく、11がさらに好ましい。
光アップコンバージョン組成物(U1)において、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)の少なくともいずれかが重合性基を有することが好ましく、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)が重合性基を有することがより好ましく、化合物(A)及び化合物(B)が複数の重合性基を有し、化合物(C)が1又は複数の重合性基を有することがさらに好ましく、化合物(A)及び化合物(B)が2個の重合性基を有し、化合物(C)が1又は複数の重合性基を有することが特に好ましい。また、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)のうちの重合性基を有する化合物は、ハイパーブランチポリマーを形成しうるものとすることができる。
[他の成分]
光アップコンバージョン組成物(U1)は、他の成分として、例えば溶媒、重合開始剤、界面活性剤、2色性色素等の色素、微粒子等を含有していてもよい。
(溶媒)
溶媒としては、特に限定されず、例えば有機溶媒、水等が挙げられる。
有機溶媒の具体例としては、例えば
アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;
クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;
エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒などが挙げられる。これらの中で、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン及びアニソールが好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。
(重合開始剤)
光アップコンバージョン組成物(U1)は重合開始剤を含有していてもよいが、化合物(A)〜(C)が光重合性基を有する場合、光アップコンバージョン組成物(U1)は重合開始剤を含有していなくてもよい。
重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾニトリル系、Dimethyl 2,2’−Azobis(isobutyrate)(MAIB)等のアゾエステル系、アゾアミド系、アゾアミジン系、アゾイミダゾリン系等のアゾ重合開始剤を使用することができる。アゾ重合開始剤は熱及び光により分解し、フリーラジカルを発生するアゾ基(R−N=N−R)を持った化合物であり、この反応性に富んだフリーラジカルを利用し、各種ビニル系モノマーの重合などに使用される。
[光アップコンバージョン組成物(U1)の調製方法]
光アップコンバージョン組成物(U1)は、例えば化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)並びに必要に応じて他の成分を混合することにより調製することができる。この調製において、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いて混合してもよく、得られた混合物から溶媒を除去して固形分のみとしてもよい。光アップコンバージョン組成物(U1)によれば、従来の溶液系で行っていた溶存酸素を除く脱気処理を不要とすることができる。
光アップコンバージョン組成物(U1)の固形分濃度の下限としては、1質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。上記固形分濃度は、100質量%であってもよい。
光アップコンバージョン組成物(U1)は、化合物(A)、化合物(B)及び化合物(C)を、高分子マトリクス中に分散したものや、高分子ゲル化したものや、マイクロカプセル化したものでもよい。
<光アップコンバージョン組成物(U2)>
光アップコンバージョン組成物(U2)は、[I]成分として、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)の少なくともいずれかを有するハイパーブランチポリマー(以下、「ハイパーブランチポリマー(P)」ともいう)を含有する。光アップコンバージョン組成物(U2)は、ハイパーブランチポリマー(P)以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含有していてもよい。光アップコンバージョン組成物(U2)は、増感部位(X)、発光部位(Y)及びメソゲン部位(Z)のうち、ハイパーブランチポリマー(P)が有していない部位について、例えばこれらの部位を含む化合物等を他の成分として含有する。
光アップコンバージョン組成物(U2)は、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)の少なくともいずれかを有するハイパーブランチポリマー(P)を含有することで、構造単位(I)中の増感部位(X)と、構造単位(II)中の発光部位(Y)とが濃縮・固定化され、より効率的に拡散・衝突を行うことができ、その結果、光アップコンバージョン効率がより向上すると考えられる。
以下、ハイパーブランチポリマー(P)について説明する。
[ハイパーブランチポリマー(P)]
「ハイパーブランチポリマー」とは、多数の枝からなる樹木状の多分岐高分子であって、分子構造は必ずしも規則的ではないものをいう。ハイパーブランチポリマー(P)は、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)の少なくともいずれかを有する。ハイパーブランチポリマー(P)は、構造単位(I)〜(III)以外にも、他の構造単位を有していてもよい。ハイパーブランチポリマー(P)は、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)を有することが好ましい。以下、各構造単位について説明する。
(構造単位(I))
構造単位(I)は、増感部位(X)を含む構造単位である。構造単位(I)を与える化合物としては、例えば重合性基を有する化合物(A)等が挙げられ、複数の重合性基を有する化合物(A)が好ましい。
ハイパーブランチポリマー(P)が構造単位(I)を有する場合、構造単位(I)の含有割合の下限としては、1×10−5mol/kgが好ましく、1×10−4mol/kgがより好ましく、1×10−3mol/kgがさらに好ましく、3×10−3mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1×10−1mol/kgが好ましく、5×10−2mol/kgがより好ましく、1×10−2mol/kgがさらに好ましい。
(構造単位(II))
構造単位(II)は、発光部位(Y)を含む構造単位である。構造単位(II)を与える化合物としては、例えば重合性基を有する化合物(B)等が挙げられ、複数の重合性基を有する化合物(B)が好ましい。
ハイパーブランチポリマー(P)が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、1×10−3mol/kgが好ましく、1×10−2mol/kgがより好ましく、5×10−2mol/kgがさらに好ましく、1×10−1mol/kgが特に好ましい。上記含有割合の上限としては、1mol/kgが好ましく、7×10−1mol/kgがより好ましく、5×10−1mol/kgがさらに好ましい。
ハイパーブランチポリマー(P)が構造単位(I)及び構造単位(II)を有する場合、構造単位(I)のモル数に対する構造単位(II)のモル数の比(構造単位(II)(mol)/構造単位(I)(mol))の下限としては、1が好ましく、10がより好ましく、30がさらに好ましい。上記比の上限としては、1,000が好ましく、100がより好ましく、70がさらに好ましい。
(構造単位(III))
構造単位(III)は、メソゲン部位(Z)を含む構造単位である。構造単位(III)を与える化合物としては、例えば化合物(C)としての重合性液晶モノマー等が挙げられる。
ハイパーブランチポリマー(P)が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましく、92質量%がさらに好ましい。
ハイパーブランチポリマー(P)が構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)を有する場合、構造単位(I)及び構造単位(II)の合計質量に対する構造単位(III)の質量の比(構造単位(III)(kg)/(構造単位(I)(kg)+構造単位(II)(kg))の下限としては、3が好ましく、5がより好ましく、7がさらに好ましい。上記比の上限としては、20が好ましく、15がより好ましく、11がさらに好ましい。
(他の構造単位)
他の構造単位としては、例えば公知の架橋剤に由来する構造単位(但し、構造単位(I)〜(III)に該当するものを除く)等が挙げられる。「架橋剤」とは、複数の重合性基を有する化合物をいう。架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、ビニルアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、テレフタル酸ジビニル等の複数の重合性基を有する芳香族炭化水素;ジ(ビニロキシ)ベンゼン、ジ(アリロキシ)ベンゼン、ジ(ビニロキシ)ナフタレン等の複数の重合性基を有する芳香族ジビニルエーテルなどの芳香族系化合物、2−ビニロキシ−5−ビニロキシメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]へプタン等の脂環ジビニルエーテルなどの複数の重合性基を有する脂環エーテルなどの脂肪族系化合物などが挙げられる。
ハイパーブランチポリマー(P)が他の構造単位を有する場合、ハイパーブランチポリマー(P)における他の構造単位の含有割合の上限としては、30質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。
ハイパーブランチポリマー(P)は、例えば光アップコンバージョン組成物(U1)において、ハイパーブランチポリマーを形成しうる重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有する化合物(B)、重合性基を有する化合物(C)等を重合させることにより形成することができる。従って、光アップコンバージョン組成物(U2)は、光アップコンバージョン組成物(U1)において、重合性基を有する化合物(A)〜(C)を重合させることにより、ハイパーブランチポリマーを形成することによって得ることができる。
図1は、ハイパーブランチポリマーの分岐構造を示す概念図である。また、AB型モノマーの自己縮合によるハイパーブランチポリマーの構造を図2に示す。
図2に示すように、AB型モノマーの重合は枝分かれの繰り返しにより成長し、形成された構造単位は、2つのB官能基が両方とも反応したデンドリティックユニット、2つのB官能基のうち片方だけ反応したリニアユニット、2つのB官能基が両方とも未反応のターミナルユニットの3種に分けられる。ハイパーブランチポリマーは、重合中に枝分かれを繰り返しながら成長していくことが大きな特徴である。
また、最近では、AB型等のAB型モノマーの重縮合だけでなく、図3に示すように、1分子中に開始剤部位をもつビニル化合物(図3中のA−B)の連鎖重合でもハイパーブランチポリマーが得られることが示されている。
ハイパーブランチポリマーには、既存の線状高分子とは異なるいくつかの特性がある。まず、分子量が同じ線状高分子と比較して、一般にハイパーブランチポリマーは粘度が低い。また、結晶性が高い線状高分子に対応するハイパーブランチポリマーは、溶解性が改善され、非晶性となる点も特徴であり、材料設計に向けて有用な場合も多い。さらに、ハイパーブランチポリマーは末端官能基が多いため、多くの機能原子団を導入したい分子設計には有用な骨格となる。
このように、ハイパーブランチポリマーは、有用な特性をもつ分岐高分子であり、簡便に合成できるために研究開発の意義は大きい。ハイパーブランチポリマーは耐熱性高分子材料や、液晶素材などの用途に活用できる。
(重合方法)
ハイパーブランチポリマー(P)を形成させるための重合は、重合性基を有する化合物を重合させることができる公知の方法により行うことができる。具体的には、熱重合、光重合等が挙げられ、重合の容易さの観点から、光重合が好ましい。
光重合は、通常、乾燥被膜に光を照射することにより実施される。照射する光としては、具体的には、例えば可視光、紫外光及びレーザー光からなる群より選択される光、活性電子線等が挙げられる。これらの中でも、重合反応の進行を制御し易い点、及び光重合装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましい。また、重合時に、適切な冷却手段により乾燥被膜を冷却しながら、光照射することで、重合温度を制御することもできる。
[他の成分]
光アップコンバージョン組成物(U2)は、ハイパーブランチポリマー(P)以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば増感部位(X)、発光部位(Y)及びメソゲン部位(Z)のうち、ハイパーブランチポリマー(P)が有していない部位を含む化合物(化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)等)、光アップコンバージョン組成物(U1)の化合物(C)として例示した公知の液晶組成物、光アップコンバージョン組成物(U1)の他の成分として例示した成分と同様の成分等が挙げられる。
[光アップコンバージョン組成物(U2)の調製方法]
光アップコンバージョン組成物(U2)は、例えばハイパーブランチポリマー(P)及び必要に応じて他の成分を混合することにより調製することができる。この調製において、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いて混合してもよく、得られた混合物から溶媒を除去して固形分のみとしてもよい。また、光アップコンバージョン組成物(U2)は、例えば光アップコンバージョン組成物(U1)として、ハイパーブランチポリマーを形成しうる重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有する化合物(B)、重合性基を有する化合物(C)等を含有する組成物を用い、これらの重合性基を有する化合物を重合させることにより、ハイパーブランチポリマー(P)を形成させることによっても調製することができる。光アップコンバージョン組成物(U2)によれば、従来の溶液系で行っていた溶存酸素を除く脱気処理を不要とすることができる。
光アップコンバージョン組成物(U2)の固形分濃度の下限としては、1質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。上記固形分濃度は、100質量%であってもよい。
<他の光アップコンバージョン組成物>
当該光アップコンバージョン組成物の態様としては、光アップコンバージョン組成物(U1)及び(U2)以外にも、以下に示す他の光アップコンバージョン組成物等が挙げられる。(下記ポリマーは、ハイパーブランチポリマー(P)を除く。)
・[I]成分として、化合物(A)と、化合物(B)と、構造単位(III)を有するポリマーとを含有する。
・[I]成分として、化合物(A)と、構造単位(II)を有するポリマーと、化合物(C)とを含有する。
・[I]成分として、構造単位(I)を有するポリマーと、化合物(B)と、化合物(C)とを含有する。
・[I]成分として、化合物(A)と、構造単位(II)及び構造単位(III)を有するポリマーとを含有する。
・[I]成分として、構造単位(I)及び構造単位(III)を有するポリマーと、化合物(B)とを含有する。
・[I]成分として、構造単位(I)及び構造単位(II)を有するポリマーと、化合物(C)とを含有する。
・[I]成分として、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)を有するポリマーを含有する。
当該光アップコンバージョン組成物は、溶液、ゲル、フィルム等の種々の形態により光アップコンバージョン方法に用いることができる。これらの中で、フィルムとして用いることが好ましい。
[フィルム]
本発明のフィルムは、当該光アップコンバージョン組成物から形成されたフィルムである。
当該フィルムは、例えば上述の光アップコンバージョン組成物(U1)において、光アップコンバージョン組成物(U1)の混合に溶媒を使用した場合には、この混合物を金属製バンド等に流延し、溶媒を乾燥除去してフィルムを得る方法である溶媒キャスト法により、溶媒を除去し、重合性基を有する化合物を重合させた後に固体膜とすることにより、又はハイパーブランチポリマー(P)を含有する光アップコンバージョン組成物(U2)を固体膜とすることにより作製することができる。
当該フィルムによれば、上述の当該光アップコンバージョン組成物を用いており、また、固体膜とすることにより、増感部位(X)、発光部位(Y)等の配置がより濃縮・固定化されるため、より高い光アップコンバージョン効率を実現することができる。また、当該フィルムによれば、従来の溶液系で必要であった溶存酸素を除く脱気処理を行うことが不要となる。
<光アップコンバージョン方法>
本発明の光アップコンバージョン方法は、当該フィルムに光を照射する工程を備える。これにより、照射光の波長よりも短い波長の光、すなわち照射光のエネルギーよりも高いエネルギーの光を発生させることができる。
照射光源としては、例えばLED、Xeランプ、レーザー、太陽等が挙げられる。照射光の波長としては、例えば近赤外光として800nm以上2,500nm以下、可視光として400nm以上800nm以下、紫外光として250nm以上400nm以下である。照射光としては、可視光が好ましく、450nm以上600nm以下の波長の可視光がより好ましく、500nm以上560nm以下の可視光がさらに好ましい。
以下に、実施例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<光アップコンバージョン組成物(U1)の調製>
[実施例1]
テトラヒドロフラン1mLに、下記式(X−1)で表されるPalladium(II)protoporphyrinIX(Pd(II)PPIX)(増感剤色素)0.269mg(増感部位(X)のモル数として4.02×10−7mol)、下記式(Y−1)で表されるアントラセン化合物(旭有機材社の「BIOC−ANT−AE」)(発光体色素)9.73mg(発光部位(Y)のモル数として2.01×10−5mol)並びにネマチック液晶(メルク社の「E8」)60mg及び重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)30mgを溶解させ、全成分を混合した。その後、混合したものを30℃のホットプレート上で加熱させ、テトラヒドロフランを除去することにより、光アップコンバージョン組成物(U1−1)を調製した。
Figure 2020026477
Figure 2020026477
[実施例2]
ネマチック液晶(メルク社の「E8」)を70mg、重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)を20mg使用した以外は、実施例1と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−2)を調製した。
[実施例3]
ネマチック液晶(メルク社の「E8」)を80mg、重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)を10mg使用した以外は、実施例1と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−3)を調製した。
[実施例4]
Palladium(II)protoporphyrinIX(Pd(II)PPIX)(増感剤色素)を0.54mg(増感部位(X)のモル数として8.04×10−7mol)、アントラセン化合物(旭有機材社の「BIOC−ANT−AE」)(発光体色素)を19.46mg(発光部位(Y)のモル数として4.02×10−5mol)、ネマチック液晶をメルク社の「E44」75mg、重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)を5mg使用した以外は、実施例1と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−4)を調製した。
[実施例5]
ネマチック液晶(メルク社の「E44」)を70mg、重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)を10mg使用した以外は、実施例4と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−5)を調製した。
[実施例6]
ネマチック液晶(メルク社の「E44」)を65mg、重合性液晶モノマー(メルク社の「RMM141C」)を15mg使用した以外は、実施例4と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−6)を調製した。
[実施例7]
液晶種をネマチック液晶(メルク社の「E44」)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U1−7)を調製した。
[比較例1]
テトラヒドロフラン1mLに、上記式(X−1)で表されるPalladium(II)protoporphyrinIX(Pd(II)PPIX)(増感剤色素)0.269mg(増感部位のモル数として4.02×10−7mol)及び上記式(Y−1)で表されるアントラセン化合物(旭有機材社の「BIOC−ANT−AE」)(発光体色素)9.73mg(発光部位のモル数として2.01×10−5mol)を溶解させ、発光部位:増感部位=50:1(mol)となるように混合した。その後、混合したものを30℃のホットプレート上で加熱させ、テトラヒドロフランを除去することにより、光アップコンバージョン組成物(CU1−1)を調製した。
<評価>
[分光特性評価]
上記調製した光アップコンバージョン組成物(U1)について、この組成物を2枚のスライドガラスとPETフィルムをスペーサーとして用いて挟み込み、測定用サンプルを作製し、蛍光スペクトルの測定を行った。励起波長λexc=515nm、548nm、567nmにおける蛍光スペクトル波長について、測定結果を図4〜図9に示す。図4及び図5において、1は実施例1、2は実施例2、3は実施例3、4は比較例1の組成物についての548nm及び567nmにおける分光特性評価の結果を示す。図6〜図8において、1は実施例4、2は実施例5、3は実施例6の組成物についての515nm、548nm及び567nmにおける分光特性評価結果を示す。図9において、1は実施例1、2は実施例7の組成物についての548nmにおける分光特性評価結果を示す。
図4〜図9の結果からわかるように、当該光アップコンバージョン組成物によれば、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現できる。
<光アップコンバージョン組成物(U2)の調製>
[実施例8]
実施例1で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−1)に365nmの波長の光を30分間照射させ、光重合によりハイパーブランチポリマー化させることにより、光アップコンバージョン組成物(U2−1)を調製した。
[実施例9]
実施例2で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−2)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−2)を調製した。
[実施例10]
実施例3で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−3)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−3)を調製した。
[実施例11]
実施例4で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−4)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−4)を調製した。
[実施例12]
実施例5で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−5)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−5)を調製した。
[実施例13]
実施例6で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−6)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−6)を調製した。
[実施例14]
実施例7で得られた光アップコンバージョン組成物(U1−7)を使用した以外は、実施例8と同様にして、光アップコンバージョン組成物(U2−7)を調製した。
[比較例2]
比較例1で得られた光アップコンバージョン組成物(CU1−1)からは、光重合による光アップコンバージョン組成物を調製することはできなかった。
<評価>
[分光特性評価]
上記調製した光アップコンバージョン組成物(U2)について、フィルム状にし、蛍光スペクトルの測定を行った。励起波長λexc=515nm、548nm、567nmにおける蛍光スペクトル波長について、測定結果を図10〜図16に示す。図10〜図12において、1は実施例8、2は実施例9、3は実施例10の組成物についての515nm、548nm及び567nmにおける分光特性評価の結果を示す。図13〜図15において、1は実施例11、2は実施例12、3は実施例13の組成物についての515nm、548nm及び567nmにおける分光特性評価結果を示す。図16において、1は実施例8、2は実施例14の組成物についての548nmにおける分光特性評価結果を示す。
図10〜図16の結果からわかるように、当該光アップコンバージョン組成物によれば、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現できる。
本発明の光アップコンバージョン組成物、フィルム及び光アップコンバージョン方法によれば、従来よりも高い光アップコンバージョン効率を実現することができる。また、本発明の光アップコンバージョン組成物によれば、容易にフィルム化が可能なため、従来の溶液系で行っていた溶存酸素を除く脱気処理を不要とすることができる。

Claims (15)

  1. 光を吸収して励起三重項状態となる増感部位と、この増感部位からの三重項エネルギー移動を受けて励起三重項状態を生じ、さらにその励起三重項間衝突によって励起一重項状態となる発光部位と、液晶相を発現させるメソゲン部位とを有する成分
    を含有する光アップコンバージョン組成物。
  2. 上記成分として、上記増感部位を含む第1化合物と、上記発光部位を含む第2化合物と、上記メソゲン部位を含む第3化合物とを含有する請求項1に記載の光アップコンバージョン組成物。
  3. 上記第1化合物、上記第2化合物及び上記第3化合物のうちの少なくともいずれかが重合性基を有する請求項2に記載の光アップコンバージョン組成物。
  4. 上記第1化合物、上記第2化合物及び上記第3化合物のうちの重合性基を有する化合物がハイパーブランチポリマーを形成しうる請求項3に記載の光アップコンバージョン組成物。
  5. 上記第1化合物、上記第2化合物及び上記第3化合物が重合性基を有する請求項3又は請求項4に記載の光アップコンバージョン組成物。
  6. 上記第1化合物及び上記第2化合物が複数の重合性基を有し、上記第3化合物が1又は複数の重合性基を有する請求項5に記載の光アップコンバージョン組成物。
  7. 上記成分として、ハイパーブランチポリマーを含有し、
    上記ハイパーブランチポリマーが、上記増感部位を含む第1構造単位、上記発光部位を含む第2構造単位及び上記メソゲン部位を含む第3構造単位のうちの少なくともいずれかを有する請求項1に記載の光アップコンバージョン組成物。
  8. 上記ハイパーブランチポリマーが、上記第1構造単位、上記第2構造単位及び上記第3構造単位を有する請求項7に記載の光アップコンバージョン組成物。
  9. 上記発光部位が縮合多環系芳香族化合物に由来する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光アップコンバージョン組成物。
  10. 上記縮合多環系芳香族化合物がアントラセン骨格を有する請求項9に記載の光アップコンバージョン組成物。
  11. 上記増感部位がパラジウム錯体に由来する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光アップコンバージョン組成物。
  12. 上記液晶相が、ネマチック相、スメクチック相、ディスコチック相及びコレステリック相のいずれかである請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の光アップコンバージョン組成物。
  13. 溶媒をさらに含有する請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光アップコンバージョン組成物。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の光アップコンバージョン組成物から形成されたフィルム。
  15. 請求項14に記載のフィルムに光を照射する工程
    を備える光アップコンバージョン方法。
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