JP2020026381A - 光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子 - Google Patents

光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐酸性に優れる光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子を提供すること。【解決手段】 屈折率ndが1.70〜1.85であり、B2O3の含有量が5〜35質量%であり、La2O3の含有量が25〜50質量%であり、Al2O3の含有量が1〜20質量%であって、以下の(a)または(b)を満たす光学ガラス;(a)アッベ数νdが42以上50未満であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜2等級である、(b)アッベ数νdが50以上55以下であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜3等級である。【選択図】 なし

Description

本発明は、耐酸性に優れる光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子に関する。
近年、デジタルカメラ等の画像品質および解像度の向上に伴い、低分散性の光学ガラスが求められている。そのような低分散性の光学ガラスは、従来、耐酸性が不十分であった。このため、例えば車載用等の高い耐久性が求められる用途では、さらなる改善が求められる。
特許文献1に開示されている光学ガラスは、低分散性であるが、耐酸性については何ら着目されていない。また、ガラス成分としてフッ素(F)を4%以上含有するため、ガラス熔融時にガラス成分が揮発しやすく、熔融ガラスの組成が安定しないおそれがある。
特開2014−214082号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、耐酸性に優れる光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ガラスを構成する各種ガラス構成成分(以下、ガラス成分という)の含有比率を調整することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)屈折率ndが1.70〜1.85であり、
の含有量が5〜35質量%であり、
Laの含有量が25〜50質量%であり、
Alの含有量が1〜20質量%であって、
以下の(a)または(b)を満たす光学ガラス;
(a)アッベ数νdが42以上50未満であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜2等級である、
(b)アッベ数νdが50以上55以下であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜3等級である。
(2)屈折率ndが1.70〜1.85であり、
アッベ数νdが42〜55であり、
SiOの含有量が5〜20質量%であり、
の含有量が5〜35質量%であり、
Laの含有量が25〜50質量%であり、
Alの含有量が1〜20質量%であり、
Alの含有量に対するBの含有量の質量比[B/Al]が8以下であって、
Fの含有量が外割で2質量%以下である、光学ガラス。
(3)上記(1)または(2)に記載の光学ガラスからなる、光学素子ブランク。
(4)上記(3)に記載の光学素子ブランクからなる、光学素子。
本発明によれば、耐酸性に優れる光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明および本明細書において、光学ガラスのガラス組成は、特記しない限り、酸化物基準で表示する。ここで「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されて光学ガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいい、各ガラス成分の表記は慣習にならい、SiO、TiOなどと記載する。ガラス成分の含有量および合計含有量は、特記しない限り質量基準であり、「%」は「質量%」を意味する。
ガラス成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)等の方法で定量することができる。また、本明細書および本発明において、構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、該成分が不可避的不純物レベルで含まれることを許容する。
また、本明細書では、屈折率は、特記しない限り、ヘリウムのd線(波長587.56nm)における屈折率ndをいう。
アッベ数νdは、分散に関する性質を表す値として用いられるものであり、下式で表される。ここで、nFは青色水素のF線(波長486.13nm)における屈折率、nCは赤色水素のC線(656.27nm)における屈折率である。
νd=(nd−1)/(nF−nC)
以下に、本発明の光学ガラスを第1実施形態と第2実施形態とに分けて説明する。なお、第2実施形態における各ガラス成分の作用、効果は、第1実施形態における各ガラス成分の作用、効果と同様である。したがって、第2実施形態において、第1実施形態に関する説明と重複する事項については適宜省略する。
第1実施形態
本発明の第1実施形態に係る光学ガラスは、
屈折率ndが1.70〜1.85であり、
の含有量が5〜35%であり、
Laの含有量が25〜50%であり、
Alの含有量が1〜20%であって、
以下の(a)または(b)を満たす;
(a)アッベ数νdが42以上50未満であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜2等級である、
(b)アッベ数νdが50以上55以下であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜3等級である、ことを特徴とする。
以下、第1実施形態に係る光学ガラスについて詳しく説明する。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、屈折率ndは1.70〜1.85である。屈折率ndは、1.71〜1.84、または1.72〜1.83とすることもできる。
屈折率ndは、ガラス成分の組成を調整することで制御できる。例えば、相対的に屈折率ndを上げる成分は、Nb、TiO、ZrO、Ta、La、Gd、Yである。相対的に屈折率ndを下げる成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することで屈折率ndを制御できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Bの含有量は5〜35%である。Bの含有量の上限は、好ましくは31%であり、さらには29%、27%、25%の順により好ましい。また、Bの含有量の下限は、好ましくは7%であり、さらには8%、9%、10%の順により好ましい。
の含有量が多すぎると、耐酸性が低下するおそれがある。また、Bの含有量が少なすぎると、ガラスの熱的安定性が低下するおそれがある。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量は25〜50%である。Laの含有量の上限は、好ましくは48%であり、さらには46%、44%、42%の順により好ましい。また、Laの含有量の下限は、好ましくは27%であり、さらには28%、29%、30%の順により好ましい。
Laの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量は1〜20%である。Alの含有量の上限は、好ましくは18%であり、さらには16%、15%、14%の順により好ましい。また、Alの含有量の下限は、好ましくは2%であり、さらには3%、4%、5%の順により好ましい。
Alの含有量が多すぎると、液相温度LTが上昇するおそれがあり、また高分散性となって、所望の光学恒数を有する光学ガラスが得られないおそれがある。また、Alの含有量が少なすぎると、耐酸性が低下するおそれがある。
第1実施形態に係る光学ガラスは、以下の(a)または(b)を満たす。
(a)アッベ数νdが42以上50未満であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜2等級である。
(b)アッベ数νdが50以上55以下であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜3等級である。
上記(a)の場合、アッベ数νdは42以上50未満である。アッベ数νdは、43以上50未満、または44以上50未満とすることもできる。
アッベ数νdは、ガラス成分の組成を調整することで制御できる。相対的にアッベ数νdを低くする成分は、Nb、TiO、ZrO、Taである。相対的にアッベ数νdを高くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KO、La、Gd、Y、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
そして、上記(a)の場合、JOGISに基づく耐酸性は1〜2等級であり、好ましくは1級である。B、Alの含有量を適宜調整することで耐酸性を高めることができる。
なお、耐酸性は、日本光学硝子工業会規格JOGIS06−2009の規定に従って評価する。具体的には、比重に相当する重量の粉末ガラス(粒度425〜600μm)を白金かごに入れ、それを0.01mol/L硝酸水溶液の入った石英ガラス製丸底フラスコ内に浸漬し、沸騰水浴中で60分間処理し、その処理前後での重量減少率Da(%)を測定する。耐酸性重量減少率Daによる等級を表1に示す。
Figure 2020026381
上記(b)の場合、アッベ数νdは50以上55以下である。アッベ数νdは、50以上54.5以下、または50以上54以下とすることもできる。アッベ数νdの制御に関わるガラス成分は、上記(a)の場合と同様である。
そして、上記(b)の場合、JOGISに基づく耐酸性は1〜3等級であり、好ましくは1〜2級であり、より好ましくは1級である。耐酸性の制御に関わるガラス成分は、上記(a)の場合と同様である。また、耐酸性の評価方法も、上記(a)の場合と同様である。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、SiOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには17%、14%、12%の順により好ましい。また、SiOの含有量の下限は、好ましくは5%であり、さらには6%、7%、8%の順により好ましい。SiOの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性、耐失透性および化学的耐久性の低下を抑制できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量に対するBの含有量の質量比[B/Al]の上限は、好ましくは8であり、さらには5、4、3の順により好ましい。また、質量比[B/Al]の下限は、好ましくは0.5であり、さらには0.6、0.7、0.8の順により好ましい。質量比[B/Al]を上記範囲とすることで、耐酸性の低下を抑制し、所望の光学恒数を有する光学ガラスが得られる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおける上記以外のガラス成分の含有量、比率およびガラス特性について、以下に詳述する。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、SiOおよびAlの合計含有量[SiO+Al]の下限は、好ましくは14.5%であり、さらには14.8%、15%、15.1%の順により好ましい。また、合計含有量[SiO+Al]の上限は、好ましくは30%であり、さらには28%、27%、26%の順により好ましい。合計含有量[SiO+Al]を上記範囲とすることで、所望の耐酸性と耐失透性とを両立できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、SiO、BおよびAlの合計含有量[SiO+B+Al]の下限は、好ましくは31.0%であり、さらには31.5%、32%、32.5%の順により好ましい。また、合計含有量[SiO+B+Al]の上限は、好ましくは45%であり、さらには44%、43%、42%の順により好ましい。合計含有量[SiO+B+Al]を上記範囲とすることで、所望の耐酸性と耐失透性とを両立できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/La]の下限は、好ましくは0.19であり、さらには0.20、0.21、0.22の順により好ましい。また、質量比[SiO/La]の上限は、好ましくは0.34であり、さらには0.32、0.31、0.30の順により好ましい。質量比[SiO/La]を上記範囲とすることで、所望の耐酸性と耐失透性とを両立できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量に対するAlの含有量の質量比[Al/La]の下限は、好ましくは0.15であり、さらには0.16、0.17、0.18の順により好ましい。また、質量比[Al/La]の上限は、好ましくは0.40であり、さらには0.39、0.38、0.37の順により好ましい。質量比[Al/La]を上記範囲とすることで、所望の耐酸性と耐失透性とを両立できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量に対するSiO、BおよびAlの合計含有量の質量比[(SiO+B+Al)/La]の下限は、好ましくは0.68であり、さらには0.70、0.72、0.74の順により好ましい。また、質量比[(SiO+B+Al)/La]の上限は、好ましくは1.10であり、さらには1.08、1.06、1.04の順により好ましい。質量比[(SiO+B+Al)/La]を上記範囲とすることで、所望の耐酸性と耐失透性とを両立できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Pの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。また、Pの含有量は少ない方が好ましく、その下限は、好ましくは0%である。Pの含有量は0%でもよい。Pの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐失透性および化耐候性の低下を抑制できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。LiOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。LiOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、NaOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。NaOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。NaOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、KOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。KOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。KOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量[LiO+NaO+KO]の上限は、好ましくは10%であり、さらには5%、4%、3%の順により好ましい。合計含有量[LiO+NaO+KO]の下限は、好ましくは0%である。
LiO、NaOおよびKOは、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、LiO、NaOおよびKOの各含有量およびそれらの合計含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、CsOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには3%、1%、0.5%の順により好ましい。CsOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
CsOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、CsOの含有量は、上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、MgOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。MgOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。MgOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、CaOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。CaOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。CaOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、SrOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。SrOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。SrOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、BaOの含有量の上限は、好ましくは5%であり、さらには4%、3%、2%の順により好ましい。BaOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。BaOの含有量は0%でもよい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]の上限は、好ましくは10%であり、さらには5%、4%、3%の順により好ましい。また、合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]の下限は、好ましくは0%である。
MgO、CaO、SrO、BaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。しかし、これらガラス成分の含有量が多くなると、ガラスの耐酸性、熱的安定性および耐失透性が低下する。そのため、MgO、CaO、SrO、BaOの各含有量およびそれらの合計含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、ZnOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには15%、10%、6%の順により好ましい。ZnOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。ZnOの含有量は0%でもよい。ZnOの含有量の上限を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性および熔解性を改善できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Gdの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには18%、16%、15%の順により好ましい。また、Gdの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%の順により好ましい。Gdの含有量を上記範囲とすることで、原料コストの増大を抑制し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Yの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには18%、15%、13%の順により好ましい。また、Yの含有量の下限は、好ましくは2%であり、さらには4%、5%、6%の順により好ましい。Yの含有量を上記範囲とすることで、所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、ZrOの含有量の上限は、好ましくは12%であり、さらには10%、9%、8%の順により好ましい。また、ZrOの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%の順により好ましい。ZrOの含有量は0%でもよい。ZrOの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、TiOの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには8%、7%、6%の順により好ましい。また、TiOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。TiOの含有量は0%でもよい。TiOの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Nbの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには15%、12%、10%の順により好ましい。また、Nbの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%の順により好ましい。Nbの含有量は0%でもよい。Nbの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、WOの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには8%、7%、6%の順により好ましい。WOの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。WO3の含有量は0%でもよい。WOの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Biの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには8%、7%、6%の順により好ましい。また、Biの含有量は少ない方が好ましく、その下限は好ましくは0%である。Biの含有量は0%でもよい。Biの含有量を上記範囲とすることで、熔融容器(Pt)の浸食を抑制し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Taの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには15%、12%、10%の順により好ましい。また、Taの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%の順により好ましい。である。Taの含有量は0%でもよい。Taの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Scの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Scの含有量の下限は、好ましくは0%である。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、HfOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、HfOの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには0.05%、0.1%の順により好ましい。
Sc、HfOは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、高価な成分である。そのため、Sc、HfOの各含有量は上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Luの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Luの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Luは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、分子量が大きいことから、ガラスの比重を増加させるガラス成分でもある。そのため、Luの含有量は上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、GeOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、GeOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
GeOは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、一般的に使用されるガラス成分の中で、突出して高価な成分である。したがって、ガラスの製造コストを低減する観点から、GeOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、Ybの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Ybの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Ybの含有量が多くなると、ガラスの比重が増大し、ガラスの熱的安定性が低下するおそれがある。したがって、Ybの含有量は上記範囲であることが好ましい。
第1実施形態に係る光学ガラスは、主として上述のガラス成分、すなわち、B、La、Al、SiO、P、LiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Gd、Y、ZrO、TiO、Nb、WO、Bi、Ta、Sc、HfO、Lu、GeOおよびYbで構成されていることが好ましく、上述のガラス成分の合計含有量は、95%よりも多くすることが好ましく、98%よりも多くすることがより好ましく、99%よりも多くすることがさらに好ましく、99.5%よりも多くすることが一層好ましい。
また、第1実施形態に係る光学ガラスは、酸化物ガラスであり、アニオン成分における主成分はO(酸素)である。酸化物基準の全質量に対する外割りでのF(フッ素)の含有量の上限は、好ましくは2%であり、さらには1.5%、1%、0.5%の順により好ましい。Fの含有量は少ない方が好ましく、0%でもよい。Fの含有量が多すぎると、ガラス熔融時にガラス成分が揮発しやすく、熔融ガラスの組成が安定しないおそれがある。
本発明および本明細書において、F(フッ素)の含有量は、ガラスを構成するカチオン成分全てが電荷の釣り合うだけの酸素と結合した酸化物でできていると仮定し、それら酸化物でできたガラス全体の質量を100%として、Fの質量を質量%で表したもの(酸化物基準の質量に対する外割り質量%)である。
なお、本実施形態に係る光学ガラスは、基本的に上記ガラス成分により構成されることが好ましいが、本発明の作用効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することも可能である。また、本発明において、不可避的不純物の含有を排除するものではない。
(その他の成分)
上記成分の他に、上記光学ガラスは、清澄剤としてSb、CeO等を少量含有することもできる。清澄剤の総量(外割添加量)は0%以上、1%未満とすることが好ましく、0%以上0.5%以下とすることがより好ましい。
外割添加量とは、清澄剤を除く全ガラス成分の合計含有量を100%としたときの清澄剤の添加量を質量%で表したものである。
Pb、Cd、As、Th等は、環境負荷が懸念される成分である。そのため、PbO、CdO、As、ThOの含有量は、いずれも0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.05%であることがより好ましく、0〜0.01%であることが一層好ましい。PbO、CdO、As、ThOは、実質的に含まれないことが特に好ましい。
更に、上記光学ガラスは、可視領域の広い範囲にわたり高い透過率が得られる。こうした特長を活かすには、着色性の元素を含まないことが好ましい。着色性の元素としては、Cu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、Er、V等を例示することができる。いずれの元素とも、100質量ppm未満であることが好ましく、0〜80質量ppmであることがより好ましく、0〜50質量ppmであることが更に好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。
また、Ga、Te、Tb等は、導入が不要な成分であり、高価な成分でもある。そのため、質量%表示によるGa、TeO、TbOの含有量は、それぞれ0〜0.1%であることが好ましく、0〜0.05%であることがより好ましく、0〜0.01%であることが更に好ましく、0〜0.005%であることが一層好ましく、0〜0.001%であることがより一層好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。
(ガラス特性)
<ガラスの比重>
第1実施形態に係る光学ガラスの比重は、好ましくは5.00以下であり、さらには4.90以下、4.80以下、4.70以下の順により好ましい。比重は小さいほど好ましく、下限は特に限定されないが、一般的には4.00程度である。相対的に比重を高くする成分は、BaO、La、ZrO、Nb、Taなどである。相対的に比重を低くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOなどである。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
<ガラスの光線透過性>
第1実施形態に係る光学ガラスの光線透過性は、着色度λ80、λ70およびλ5により評価できる。
厚さ10.0mm±0.1mmのガラス試料について波長200〜700nmの範囲で分光透過率を測定し、外部透過率が80%となる波長をλ80、外部透過率が70%となる波長をλ70、外部透過率が5%となる波長をλ5とする。
第1実施形態に係る光学ガラスのλ80は、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは470nm以下であり、さらに好ましくは450nm以下である。
また、λ70は、好ましくは400nm以下であり、より好ましくは395nm以下であり、さらに好ましくは390nm以下である。
λ5は、好ましくは350nm以下であり、より好ましくは345nm以下であり、さらに好ましくは340nm以下である。
(光学ガラスの製造)
第1実施形態に係る光学ガラスは、上記所定の組成となるようにガラス原料を調合し、調合したガラス原料により公知のガラス製造方法に従って作製すればよい。例えば、複数種の化合物を調合し、十分混合してバッチ原料とし、バッチ原料を石英坩堝や白金坩堝中に入れて粗熔解(ラフメルト)する。粗熔解によって得られた熔融物を急冷、粉砕してカレットを作製する。さらにカレットを白金坩堝中に入れて加熱、再熔融(リメルト)して熔融ガラスとし、さらに清澄、均質化した後に熔融ガラスを成形し、徐冷して光学ガラスを得る。熔融ガラスの成形、徐冷には、公知の方法を適用すればよい。
なお、ガラス中に所望のガラス成分を所望の含有量となるように導入することができれば、バッチ原料を調合するときに使用する化合物は特に限定されないが、このような化合物として、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物等が挙げられる。
(光学素子等の製造)
第1実施形態に係る光学ガラスを使用して光学素子を作製するには、公知の方法を適用すればよい。例えば、上記光学ガラスの製造において、熔融ガラスを鋳型に流し込んで板状に成形し、本発明に係る光学ガラスからなるガラス素材を作製する。得られたガラス素材を適宜、切断、研削、研磨し、プレス成形に適した大きさ、形状のカットピースを作製する。カットピースを加熱、軟化して、公知の方法でプレス成形(リヒートプレス)し、光学素子の形状に近似する光学素子ブランクを作製する。光学素子ブランクをアニールし、公知の方法で研削、研磨して光学素子を作製する。
作製した光学素子の光学機能面には使用目的に応じて、反射防止膜、全反射膜などをコーティングしてもよい。
本発明の一態様によれば、上記光学ガラスからなる光学素子を提供することができる。光学素子の種類としては、球面レンズ、非球面レンズ等のレンズ、プリズム、回折格子等を例示することができる。レンズの形状としては、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ等の諸形状を例示することができる。光学素子は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含む方法により製造することができる。加工としては、切断、切削、粗研削、精研削、研磨等を例示することができる。こうした加工を行う際、上記ガラスを使用することにより、破損を軽減することができ、高品質の光学素子を安定して供給することができる。
第2実施形態
本発明の第2実施形態に係る光学ガラスは、
屈折率ndが1.70〜1.85であり、
アッベ数νdが42〜55であり、
SiOの含有量が5〜20%であり、
の含有量が5〜35%であり、
Laの含有量が25〜50%であり、
Alの含有量が1〜20%であり、
Alの含有量に対するBの含有量の質量比[B/Al]が8以下であって、
Fの含有量が外割で2%以下であることを特徴とする。
以下、第2実施形態に係る光学ガラスについて詳しく説明する。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、屈折率ndは1.70〜1.85である。屈折率ndは、1.71〜1.84、または1.72〜1.83とすることもできる。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、アッベ数νdは42〜55である。アッベ数νdは、43〜54.5、または44〜54とすることもできる。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、SiOの含有量は5〜20%である。SiOの含有量の上限は、好ましくは17%であり、さらには14%、12%の順により好ましい。また、SiOの含有量の下限は、好ましくは6%であり、さらには7%、8%の順により好ましい。
SiOの含有量が多すぎると、耐酸性、耐失透性および化学的耐久性が低下するおそれがある。また、SiOの含有量が少なすぎると、ガラスの熔融時に、ガラス原料の熔け残りが生じやすくなる。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、Bの含有量は5〜35%である。Bの含有量の上限は、好ましくは31%であり、さらには29%、27%、25%の順により好ましい。また、Bの含有量の下限は、好ましくは7%であり、さらには8%、9%、10%の順により好ましい。
の含有量が多すぎると、耐酸性が低下するおそれがある。また、Bの含有量が少なすぎると、ガラスの熱的安定性が低下するおそれがある。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量は25〜50%である。Laの含有量の上限は、好ましくは48%であり、さらには46%、44%、42%の順により好ましい。また、Laの含有量の下限は、好ましくは27%であり、さらには28%、29%、30%の順により好ましい。
Laの含有量を上記範囲とすることで、ガラスの耐酸性を改善し、また所望の光学恒数を実現できる。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量は1〜20%である。Alの含有量の上限は、好ましくは18%であり、さらには16%、15%、14%の順により好ましい。また、Alの含有量の下限は、好ましくは2%であり、さらには3%、4%、5%の順により好ましい。
Alの含有量が多すぎると、液相温度LTが上昇するおそれがあり、また高分散性となって、所望の光学恒数を有する光学ガラスが得られない。また、Alの含有量が少なすぎると、耐酸性が低下するおそれがある。
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量に対するBの含有量の質量比[B/Al]は8以下である。質量比[B/Al]の上限は、好ましくは5であり、さらには4、3の順により好ましい。また、質量比[B/Al]の下限は、好ましくは0.5であり、さらには0.6、0.7、0.8の順により好ましい。
質量比[B/Al]が大きすぎると、耐酸性が低下するおそれがある。また、質量比[B/Al]が小さすぎると、所望の光学恒数を有する光学ガラスが得られないおそれがある。
第2実施形態に係る光学ガラスは、酸化物ガラスであり、アニオン成分における主成分はO(酸素)である。そして、酸化物基準の全質量に対する外割りでのF(フッ素)の含有量の上限は2%である。F(フッ素)の含有量の上限は、好ましくは1.5%であり、さらには1%、0.5%の順により好ましい。Fの含有量は少ない方が好ましく、0%でもよい。Fの含有量が多すぎると、ガラス熔融時にガラス成分が揮発しやすく、ガラス組成が安定しないおそれがある。
第2実施形態に係る光学ガラスにおける上記以外のガラス成分の含有量および比率は、第1実施形態と同様とすることができる。
(ガラス特性)
<耐酸性>
第2実施形態に係る光学ガラスにおいて、アッベ数νdが42以上50未満の場合には、JOGISに基づく耐酸性は好ましくは1〜2等級であり、より好ましくは1級である。また、アッベ数νdが50以上55以下の場合には、JOGISに基づく耐酸性は好ましくは1〜3等級であり、より好ましくは1〜2級、さらに好ましくは1級である。JOGISに基づく耐酸性は、第1実施形態と同様に評価できる。
第2実施形態に係る光学ガラスの比重およびガラスの光線透過性は、第1実施形態と同様とすることができる。
また、第2実施形態に係る光学ガラスの製造および光学素子等の製造も、第1実施形態と同様とすることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表2に示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。
[光学ガラスの製造]
まず、ガラスの構成成分に対応する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られる光学ガラスのガラス組成が、表2に示す各組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。こうして得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1200℃〜1450℃で2〜5時間加熱して熔融ガラスとし、攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tgより100℃低い温度(Tg−100℃)〜Tgより30℃高い温度(Tg+30℃)の間の任意の温度で30〜120分間熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスサンプルを得た。
[ガラス成分組成の確認]
得られたガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)で各ガラス成分の含有量を測定し、表2に示す各組成のとおりであることを確認した。
[耐酸性重量減少率Daの測定]
日本光学硝子工業会規格JOGIS06−2009の規定に従い、得られたガラスサンプルを比重に相当する重量の粉末ガラス(粒度425〜600μm)にし、白金かごに入れ、それを0.01mol/L硝酸水溶液の入った石英ガラス製丸底フラスコ内に浸漬し、沸騰水浴中で60分間処理し、その処理前後での重量減少率(%)を測定した。またその重量減少率を等級で評価した。結果を表3に示す。
[光学特性の測定]
得られたガラスサンプルを、さらにガラス転移温度Tg付近で約30分から約2時間アニール処理した後、炉内で降温速度−30℃/時間で室温まで冷却してアニールサンプルを得た。得られたアニールサンプルについて、屈折率nd、アッベ数νd、比重、λ80、λ70およびλ5を測定した。結果を表3に示す。
(i)屈折率ndおよびアッベ数νd
上記アニールサンプルについて、JIS規格 JIS B 7071−1の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nCを測定し、下式に基づきアッベ数νdを算出した。
νd=(nd−1)/(nF−nC)
(ii)比重
比重は、アルキメデス法により測定した。
(iii)λ80、λ70、λ5
上記アニールサンプルを、厚さ10mmで、互いに平行かつ光学研磨された平面を有するように加工し、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定した。光学研磨された一方の平面に垂直に入射する光線の強度を強度Aとし、他方の平面から出射する光線の強度を強度Bとして、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が80%になる波長をλ80とし、分光透過率が70%になる波長をλ70とし、分光透過率が5%になる波長をλ5とした。なお、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。
Figure 2020026381
Figure 2020026381
(実施例2)
実施例1で得られたガラスサンプルを使用し、公知の方法で精密プレス成形用プリフォームを作製した。得られたプリフォームを窒素雰囲気中で加熱、軟化し、プレス成形型で精密プレス成形し、光学ガラスを非球面レンズの形状に成形した。その後、成形した光学ガラスをプレス成形型から取り出し、アニールし、芯取りすることで、非球面レンズが得られた。
(実施例3)
実施例1で得られたガラスサンプルを、切断、研削してカットピースを作製した。カットピースをリヒートプレスによりプレス成形して、光学素子ブランクを作製した。光学素子ブランクを精密アニールし、所要の屈折率になるよう屈折率を精密に調整した後、公知の方法で研削、研磨することで、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ等の各種レンズが得られた。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記に例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成調整を行うことにより、本発明の一態様にかかる光学ガラスを作製できる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。

Claims (4)

  1. 屈折率ndが1.70〜1.85であり、
    の含有量が5〜35質量%であり、
    Laの含有量が25〜50質量%であり、
    Alの含有量が1〜20質量%であって、
    以下の(a)または(b)を満たす光学ガラス;
    (a)アッベ数νdが42以上50未満であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜2等級である、
    (b)アッベ数νdが50以上55以下であって、JOGISに基づく耐酸性が1〜3等級である。
  2. 屈折率ndが1.70〜1.85であり、
    アッベ数νdが42〜55であり、
    SiOの含有量が5〜20質量%であり、
    の含有量が5〜35質量%であり、
    Laの含有量が25〜50質量%であり、
    Alの含有量が1〜20質量%であり、
    Alの含有量に対するBの含有量の質量比[B/Al]が8以下であって、
    Fの含有量が外割で2質量%以下である、光学ガラス。
  3. 請求項1または2に記載の光学ガラスからなる、光学素子ブランク。
  4. 請求項3に記載の光学素子ブランクからなる、光学素子。
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