本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明の美容器において、複数の当接部の内の一部が肌に当接して移動させると回転する回転体であり得る。この場合、この美容器は回転体が肌に当接して回転しながら移動することによるマッサージ効果を発揮することができる。また、この美容器は回転体によって肌の薄い部分に負担をかけずにマッサージをすることができる。
また、本発明の美容器において、複数の当接部の内の隣り合う2個の当接部を肌に同時に当接させて移動させ得る。この場合、この美容器は、隣り合う2個の当接部によってマッサージ効果と電気的刺激による美容効果とを発揮することができる。
また、本発明の美容器において、把持部は非導電性であり得る。この場合、この美容器は把持部の材質及びデザインの自由度を高くすることができる。
次に、本発明の美容器について、実施例1〜3を利用して説明する。
<実施例1>
実施例1の美容器は、図1〜図4に示すように、本体部1と2個の回転体(第1回転体2A、第2回転体2B)とから構成されている。本体部1は、図1に示す正面視において、上端部が第1凸部3、第2凸部4、及び第1凸部3と第2凸部4の間に位置する第1凹部5で形成されている。なお、実施例1の美容器の説明において上下及び左右は、図1で示す美容器の正面視における上下及び左右である(以下、同じ。)。
第1凸部3は、正面視において、本体部1の上端部の左側で上方に突出している。この第1凸部3は、正面視において、上端の角部3Aを境にして、左側に左上方向を向いた左傾斜面3Bと、右側に右上方向を向いた右傾斜面3Cとを有している。左傾斜面3B及び右傾斜面3Cは、正面視において、外縁が外方向に僅かに湾曲している。
第2凸部4は、正面視において、本体部1の上端部の右側で上方に突出している。第2凸部4は、正面視において、外縁が略同じ曲率であり、第1凸部3の左傾斜面3Bの外縁及び右傾斜面3Cの外縁よりも大きい曲率で湾曲している。
第1凹部5は、正面視において、下方向に凹んで湾曲している。この第1凹部5は、正面視において、外縁が略同じ曲率であり、第2凸部4の外縁よりも大きい曲率で湾曲している。
第1凸部3の右傾斜面3C、第2凸部4、及び第1凹部5は、図3及び図5に示すように、厚さ方向において、上方に向けて突出した湾曲面で形成されている。なお、実施例1の美容器の説明において厚さ方向は、図1において紙面に対して直交する奥行き方向である(以下同じ。)。第1凸部3の左傾斜面3Bは、図2及び図4に示すように、厚さ方向において、第1回転体2A及び第2回転体2Bが取り付けられている部分を除いて、略平面で形成されている。本体部1は第1凸部3の左傾斜面3Bから突出する後述する2本の回転軸(第1回転軸6A、第2回転軸6B)の夫々に第1回転体2A及び第2回転体2Bが回転自在に取り付けられている。
本体部1は、図1に示すように、正面視において、第1凸部3の左傾斜面3Bに連続した左側面部が右方向に凹んで湾曲している。左側面部は、図1及び図4に示すように、突出部20Aと周縁部20Bとから形成されている。突出部は、左側面部の厚さ方向の中央部であり、外方向に突出して上下方向に延びている。周縁部20Bは、突出部20Aの厚さ方向の両側に連続して上下方向に延びており、突出部20Aの下端部に連続している。左側面部の突出部20A及び周縁部20Bは、厚さ方向において、外方向に突出した湾曲面で形成されている。
本体部1は、図1に示すように、正面視において、第2凸部4の右端部に連続した右側面部が右方向に突出して湾曲している。この右側面部は、正面視において、外縁が左側面部の外縁よりも大きい曲率で湾曲している。本体部1は、正面視において、下方に向けて徐々に左右幅が狭くなり、右側面部の下端部と左側面部の下端部とが連結されている。つまり、本体部1の下端部は、正面視において、左下方に向けて丸く尖った形状になっている。右側面部は、図2に示すように、厚さ方向において、右方向に突出した湾曲面で形成されている。
このような外形である本体部1は、図9に示すように、第1シェル10、第2シェル20、第3シェル30、コア部40、及び電源ユニット50を具備した電流供給部を備えている。本体部1は、第1シェル10、第2シェル20、第3シェル30及びソーラーカバー60のレンズ部60Aによって外殻が形成されている。第1シェル10、第2シェル20、第3シェル30及びソーラーカバー60のレンズ部60Aは美容器の外縁部を構成している。
第1シェル10は本体部1の上端部の外殻を形成している。詳しくは、第1シェル10は、図5に示すように、第1凸部3の左端部を除いた部分、第2凸部4、及び第1凹部5の外殻を形成している。このため、第1シェル10は、本体部1の第1凸部3の左傾斜面から突出する2本の回転軸6A,6Bの内、右側(第1凸部3の上端側)で突出する第1回転軸6Aを挿通する開口形状が円形の第1挿通孔10Aが形成されている。また、第1シェル10は、左側端部に半円状の切欠きが形成されている。この切欠きは、第2シェル20に形成された後述する半円状の切欠きに合わせられ、本体部1の第1凸部3の左傾斜面3Bから突出する2本の回転軸6A,6Bの内、左側で突出する第2回転軸6Bを挿通する第2挿通孔10Bを形成する。第2挿通孔10Bも開口形状が円形である。
また、第1シェル10は、図5,図9及び図13に示すように、内面に連続して突出した一対の端子(第1端子11、第2端子12)が設けられている。第1端子11と第2端子12とは、平板状であり、第1シェル10の内面側の基端部13が連結されている。第1端子11及び第2端子12の先端部は、第1シェル10の内面から突出する方向に長く延びた平板長方形状であり、厚さ方向に貫通した螺子用挿通孔11A,12Aが形成されている。各螺子用挿通孔11A,12Aは、第1端子11及び第2端子12を後述するコア部40の第1挿入孔40A及び第2挿入孔40Bに挿入した状態でコア部40にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通し、第1シェル10がコア部40に固定される(図7及び図9参照)。第1シェル10は、樹脂製であり、全面に導電性めっき膜が形成されている。この第1シェル10の外面は肌に当接する当接部を構成している。
第2シェル20は、図1,図4及び図5に示すように、本体部1の上端部の第1凸部3の左端部と左側面部の外殻を形成している。第2シェル20は、図5に示すように、上端部に半円状の切欠きが形成されている。この切欠きは、上述したように、第1シェル10に形成された半円状の切欠きに合わせられ、第2回転軸6Bを挿通する第2挿通孔10Bを形成する。
また、第2シェル20は、図5,図9及び図13に示すように、内面に連続して突出した一対の端子(第3端子21、第4端子22)が上下方向に離れて設けられている。第3端子21及び第4端子22は、第2シェル20の内面から突出する方向に長く延びた平板長方形状であり、厚さ方向に貫通した螺子用挿通孔21A,22Aが形成されている。各螺子用挿通孔21A,22Aは、第3端子21及び第4端子22を後述するコア部40の第3挿入孔40C及び第4挿入孔40Dに挿入した状態でコア部40にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通し、第2シェル20がコア部40に固定される(図8及び図9参照)。第2シェル20は、樹脂製であり、全面に導電性めっき膜が形成されている。この第2シェル20は肌に当接する当接部を構成している。
第3シェル30は、図1及び図9に示すように、第1シェル10より下側であり第2シェル20より右側に取付けられる。この第3シェル30は、本体部1の正面側及び背面側の中央部、及び右側面部の下側の外殻を形成している。第3シェル30は、図5及び図6に示すように、対向する内面の夫々に上下方向に平行に延びた2本のリブ31が設けられている。各リブ31は、上部において第3シェル30の内面から突出する高さが低い第1リブ31Aと、第1リブ31Aの下端から第3シェル30の下端部まで延び、第1リブ31Aよりも内面から突出する高さが高い第2リブ31Bとを有している。第2リブ31Bは上端に第1リブ31Aとの間に間隔を設けて上方に延びる係止部32を有している。また、第3シェル30は本体部1の第1凸部3の下方に位置する対向する内面の夫々に右下方向に傾斜して延びる1本の係止凸部33が設けられている。第3シェル30は、樹脂製であり、表面に非導電性塗装膜が形成されている。第3シェル30は美容器を使用する際に使用者が把持する把持部である。
ソーラーカバー60は、図1に示すように、後述するレンズ部60Aが本体部1の右側面部の上側の外殻を形成している。レンズ部60Aは透光性を有する樹脂製である。
各回転体2A,2Bは、図1〜図5に示すように、先端側が半球状であり、後端側(本体側)が先端側の半球状部分の曲率よりも小さい曲面で本体部1側に向かうにつれて回転軸6A,6B側に徐々に外径が小さくなり、本体部1側の端部に円形状の開口が形成されている。各回転体2A,2Bは開口に連通して回転軸6A,6Bなどを収納する収納空間が内部に形成されている。各回転体2A,2Bの表面は多数の三角形状の平面から構成されている。また、各回転体2A,2Bは、樹脂製であり、全面に導電性めっき膜が形成されている。各回転体2A,2Bは肌に当接する当接部を構成している。
コア部40は、図9及び図13に示すように、本体部1の内側に位置し、第1シェル10、第2シェル20、第3シェル30、電源ユニット50、及び2個の回転体(第1回転体2A、第2回転体2B)の夫々を軸支する2本の回転軸(第1回転軸6A、第2回転軸6B)が取り付けられる。コア部40は、電源ユニット50及び各回転軸6A,6Bを取り付ける部分を除いて、本体部1の外形に略相似形状である。
また、コア部40は電源ユニット50と各当接部(第1シェル10、第2シェル20、及び各回転体)との間を電気的に連通する導電通路を内蔵している。電源ユニット50と導電通路とから電流供給部が構成されている。
コア部40は、図5,図9及び図10に示すように、両外側面の夫々に上下方向に平行に延びる2本の溝部43が形成されている。これら溝部43は上端部に第3シェル30の夫々の内面に設けられた2本の各リブ31の上端に設けられた係止部32が係止する被係止部43Aを有している(図16参照)。これら溝部43は下端部が下方に開口している。これら溝部43は、コア部40の下方から第3シェル30をスライドさせて第3シェル30をコア部40に取り付ける際、各溝部43の下端部から第3シェル30の各リブ31が挿入される。各リブ31が各溝部43に収納されると、図16に示すように、各リブ31の上端部の係止部32が各溝部43の被係止部43Aに係止するため、第3シェル30の上端部が外方向に離れる方向に開くことが防止される。また、コア部40は、第3シェル30が取付けられた際に第3シェル30の係止凸部33が係止する被係止凸部44が両外側面の夫々に設けられている。
コア部40は、図9に示すように、厚さ方向に2分割されており、第1コア部41と第2コア部42とから構成されている。コア部40の厚さ方向において第2コア部42よりも第1コア部41の方が厚く形成されている。第1コア部41と第2コア部42とは2枚の両面テープT1と7個の螺子S1によって内側面同士が向き合うように当接した状態で一体化される。第1コア部41と第2コア部42とが一体化されたコア部40は、図7及び図8に示すように、第1シェル10の第1端子11及び第2端子12が挿入される第1挿入孔40A及び第2挿入孔40Bが上端部に形成され、第2シェル20の第3端子21及び第4端子22が挿入される第3挿入孔40C及び第4挿入孔40Dが左側部に形成されている。
第1コア部41は、図9及び図10に示すように、本体部1の第1凸部3の内側に位置する部位の2か所に第1回転軸6Aのシャフト及び第2回転軸6Bのシャフトが挿通して各回転軸6A,6Bが取り付けられる筒状の第1回転軸取付部41A及び第2回転軸取付部41Bを有している。第1コア部41は、第2コア部42と一体化されると第1〜第4挿入孔40A,40B,40C,40Dを構成する溝部45A,45B,45C,45Dが内側面に形成されている。第1コア部41は後述する第3導電板73の屈曲部が嵌まり込む凹部46が内側面に形成されている。第1コア部41は螺子S1がねじ込まれる7個のねじ孔H1が内側面の所定の位置に形成されている。第1コア部41は内側面の所定の位置から5個の円柱状の凸部C1が突出している。
第2コア部42は、図11に示すように、第1コア部41に設けられた第1回転軸取付部41A及び第2回転軸取付部41Bの下部側を収納する凹部42A,42Bが形成されている。第2コア部42は、第1コア部41と一体化されると第2〜第4挿入孔40B,40C,40Dを構成する溝部47B,47C,47Dが内側面に形成されている。第2コア部42は後述する第1〜4導電板71,72,73,74が嵌まり込む凹部48A,48B,48C,48Dが内側面に形成されている。第2コア部42は、図9及び図11に示すように、第1コア部41の7個のねじ孔H1に対応して、外面側に螺子S1の頭部が収納される収納空間に連通し、螺子S1の軸部が挿通する挿通孔H2が所定の位置に形成されている。第2コア部42は、図11に示すように、第1コア部41の内側面から突出した5個の凸部C1に対応して、これら凸部C1の先端部が挿入される凹部D1が形成されている。
電源ユニット50は、図9及び図12に示すように、ソーラーカバー60、第1両面テープ61、太陽電池パネル62、プラス側端子63A、マイナス側端子63B、第2両面テープ64、ホルダ65、及び2個の通電用螺子66A,66Bを有している。
ソーラーカバー60は、レンズ部60A、レンズ部60Aの上端から上方向に延びる第1連結部60B、及びレンズ部60Aの下端から下方向に延びる第2連結部60Cを具備している。レンズ部60Aは本体部1の右側面部の上側を構成している。レンズ部60Aは、図17に示すように、奥行き方向(図17において上下方向)で右方向に突出した凸レンズ状であるため、集光性を高めて太陽電池パネル62の起電力を増加している。第1連結部60B及び第2連結部60Cは、図9及び図12に示すように、螺子S2の軸部を挿通する挿通孔が形成されている。
第1両面テープ61は、上下方向(図9において左右方向)に長い帯状であり、中央に上下方向に長く、上下端が円弧状の中央開口が形成されている。第1両面テープ61は、外側面(図9において上面)がソーラーカバー60のレンズ部60Aの内側面(図9において下面)に貼り付けられ、内側面がホルダ65の収納凹部65Aの外周縁部に貼り付けられる。このように、ソーラーカバー60は第1両面テープ61によってホルダ65に固定されるとともに、第1両面テープ61によって外部から太陽電池パネル62側に液体が侵入することを防止している。
太陽電池パネル62は表裏面が上下方向に長い長方形状の平板である。太陽電池パネル62は、上端部(図9において左側端部)がプラス電極であり、下端部(図9において右側端部)がマイナス電極である。プラス側端子63Aは太陽電池パネル62のプラス電極に接続され、マイナス側端子63Bはマイナス電極に接続される。プラス側端子63A及びマイナス側端子63Bは同じ形状である。プラス側端子63A及びマイナス側端子63Bは、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。これら端子は、図9及び図12に示すように、第1〜第4片部を有している。第1片部は太陽電池パネル62の上下端面のいずれかに当接する。第2片部は第1片部に直交する方向に折り曲げられて太陽電池パネル62の背面に当接する。第3片部は第2片部に直交する方向に折り曲げられて第1片部と反対方向に延びている。第4片部は第3片部に直交する方向に折り曲げられて第2片部と隙間を有して延びている。第4片部は後述する第1導電板71又は第4導電板74をホルダ65に取り付ける通電用螺子66A,66Bの軸部の先端面から突出した凸部が挿通する挿通孔が形成されている。
第2両面テープ64は、図9に示すように、太陽電池パネル62と略同じ幅であり、太陽電池パネル62よりも短い帯状である。第2両面テープ64は、外側面(図9において上面)が太陽電池パネル62の裏面(図9において下面)に貼り付けられ、内側面がホルダ65の太陽電池パネル62が収納される収納凹部65Aの底面に貼り付けられる。このように、太陽電池パネル62は第2両面テープ64によってホルダ65に固定される。
ホルダ65は、図9及び図12に示すように、本体部65B、第1連結部65C,第2連結部65D、第1連結片65E、第2連結片65Fを有している。本体部65Bは外形が略四角柱形状である。第1連結部65Cは本体部65Bの上端から上方向に延びている。第2連結部65Dは本体部65Bの下端から下方に延びている。第1連結片65Eは本体部65Bの中央部の裏面から突出している。第2連結片65Fへ本体部65Bの下端部の裏面から第2連結部65Dの裏面にかけて突出している。
本体部65Bは表面に太陽電池パネル62を収納する収納凹部65Aが形成されている。収納凹部65Aは、上端部にプラス側端子63Aを収納する上側凹部65Gが形成され、下端部にマイナス側端子63Bを収納する下側凹部65Hが形成されている。上側凹部65G及び下側凹部65Hは、図12に示すように、左右方向に貫通する螺子孔が形成されている。収納凹部65Aに収納された太陽電池パネル62の表面とホルダ65の収納凹部65Aの外周縁部とは略面一になる。
ホルダ65の第1連結部65C及び第2連結部65Dは、ソーラーカバー60の第1連結部60B及び第2連結部60Cに形成された挿通孔に対応させて螺子孔が形成されている。ソーラーカバー60の第1連結部60B及び第2連結部60Cに形成された挿通孔を軸部が挿通する螺子S2をホルダ65の第1連結部65C及び第2連結部65Dに形成された螺子孔にねじ込むことによっても、ソーラーカバー60は本体部65Bに固定されている。
第1連結片65E及び第2連結片65Fの夫々は、奥行き方向に貫通した凸部用挿通孔H3と螺子用挿通孔H4が形成されている。凸部用挿通孔H3は第1コア部41の内側面から突出する凸部C1を挿通する。螺子用挿通孔H4は第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通する。
導電通路は、図9,及び図12〜図14に示すように、2個の通電用螺子66A,66B、第1〜第4導電板71,72,73,74、第1シェル10の第1端子11及び第2端子12、第2シェル20の第3端子21及び第4端子22、第1回転軸6A及び第2回転軸6Bによって構成されている。
通電用螺子66A,66Bは、金属製であり、軸部の先端面から突出した凸部を有している。凸部の径は軸部の径よりも小さい。通電用螺子66Aは、第1導電板71をホルダ65に取り付ける際、第1導電板71に形成された挿通孔を挿通し、ホルダ65の上側凹部65G(図12参照)に形成された螺子孔にねじ込まれる。また、通電用螺子66Bは、第4導電板74をホルダ65に取り付ける際、第4導電板74に形成された挿通孔を挿通し、ホルダ65の下側凹部65H(図12参照)の夫々に形成された螺子孔にねじ込まれる。通電用螺子66A,66Bの夫々が螺子孔にねじ込まれると、図12に示すように、ホルダ65の上側凹部65G及び下側凹部65H内に通電用螺子66A,66Bの先端面から突出した凸部が露出し、前述したように、プラス側端子63A及びマイナス側端子63Bの第4片部に形成された挿通孔に凸部が挿通し、通電用螺子66A,66Bの軸部の先端面と第4片部とが接触する。このため、プラス側端子63Aと通電用螺子66A、及びマイナス側端子63Bと通電用螺子66Bは電気的に連結された状態になる。
第1導電板71は、図9,図12及び図13に示すように、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第1導電板71は第1片部71Aと第2片部71Bとを有している。第1片部71Aは通電用螺子66Aの軸部が挿通する挿通孔が形成されている。第1導電板71は、第1片部71Aの挿通孔に軸部を挿通した通電用螺子66Aを電源ユニット50のホルダ65の上側凹部65Gに形成された螺子孔にねじ込むことによって、通電用螺子66Aの頭部と第1片部71Aとが接触する。このため、通電用螺子66Aと第1導電板71は電気的に連結された状態になる。第2片部71Bは第1片部71Aに直交する方向に折り曲げられて第1コア部41と第2コア部42との間に挟まれる。つまり、第1導電板71は第2片部71Bの左側がコア部40に形成された第1挿入孔40Aの奥側に位置してコア部40に内蔵される。第2片部71Bの左側と第1コア部41に設けられた溝部45Aの内側面との間には第1シェル10の第1端子11が挿入される隙間が形成されている。第2片部71Bは第1挿入孔40Aの奥側に位置する左側に螺子用挿通孔H5が形成されている。この螺子用挿通孔H5は第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通する。
第2導電板72は一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第2導電板72は左右方向に延びて第1コア部41と第2コア部42との間に挟まれる。つまり、第2導電板72はコア部40に内蔵される。第2導電板72は右端部がコア部40に形成された第2挿入孔40Bの奥側に位置している。第2導電板72の右端部と第1コア部41に設けられた溝部45Bの内側面との間には第1シェル10の第2端子12が挿入される隙間が形成されている。第2導電板72は、第2挿入孔40Bの奥側に位置する右端部に螺子用挿通孔H5が形成されている。この螺子用挿通孔H5は第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通する。第2導電板72は螺子用挿通孔H5よりも左側に第1コア部41の内側面から突出する凸部C1を挿通する凸部用挿通孔H6が形成されている。第2導電板72は左端部に半円弧状に湾曲した連結部72Aを有している。この連結部72Aは第1コア部41の第2回転軸取付部41Bに挿通した第2回転軸6Bのシャフト81の基端部の外周面に接触する。このため、第2導電板72と第2回転軸取付部41Bに挿通された第2回転軸6Bのシャフト81とは電気的に連結された状態になる。
第3導電板73は一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第3導電板73は、上部に半円弧状に湾曲した連結部73A、第1コア部41の内側面に形成された凹部に嵌り込む屈曲部73Bを有した中間部、及び第3挿入孔40Cの奥側に位置する下端部73Cを有している。第3導電板73は第1コア部41と第2コア部42との間に挟まれる。つまり、第3導電板73はコア部40に内蔵される。連結部73Aは第1コア部41の第1回転軸取付部41Aに挿通した第1回転軸6Aのシャフト81の基端部の外周面に接触する。このため、第3導電板73と第1回転軸取付部41Aに挿通された第1回転軸6Aのシャフト81とは電気的に連結された状態になる。第3導電板73は、図15に示すように、中間部の屈曲部73Bが第1コア部41の内側面に形成された凹部46に嵌り込む。また、凹部46は、屈曲部73Bを嵌め込んだ状態で、屈曲部73Bとの間に空間Sを有する深さに形成されている。この空間Sは、第3導電板73に応力がかかり、仮にその応力によって第3導電板73が曲がったとしても、凹部46と屈曲部73Bとが当接して屈曲部73Bが第1コア部41から浮き上がることを防止し、第3導電板73が第2導電板72に接触しようとする動きを抑制する。このため、図12に示す正面視において第2導電板72と交差しても第2導電板72とは接触しない。つまり、第3導電板73と第2導電板72とは電気的に連結していない。図13に示すように、第3導電板73の下端部と第1コア部41に設けられた溝部45Cの内側面との間には、第2シェル20の第3端子21が挿入される隙間が形成されている。第3導電板73は、図12及び図13に示すように、第3挿入孔40Cの奥側に位置する下端部に螺子用挿通孔H5が形成されている。この螺子用挿通孔H5は第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通する。また、第3導電板73は、螺子用挿通孔H5よりも上側であり、屈曲部73Bより下側の中間部に第1コア部41の内側面から突出する凸部C1を挿通する凸部用挿通孔H6が形成されている。
第4導電板74は、図9,図12及び図13に示すように、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第4導電板74は第1〜第4片部74A,74B,74C,74Dを有している。第1片部74Aは通電用螺子66Bの軸部が挿通する挿通孔が形成されている。第4導電板74は、第1片部74Aの挿通孔に軸部を挿通した通電用螺子66Bを電源ユニット50のホルダ65の下側凹部65Hに形成された螺子孔にねじ込むことによって、通電用螺子66Bの頭部と第1片部74Aとが接触する。このため、通電用螺子66Bと第4導電板74は電気的に連結された状態になる。第2片部74Bは第1片部74Aに直交する方向に折り曲げられてホルダ65の第2連結部65Dより上側を左右方向に延びている。第3片部74Cは第2片部74Bに直交する方向に折り曲げられてホルダ65の第2連結部65Dより左側であり、コア部40の右側を上下方向に延びている。第4片部74Dは第3片部74Cに直交する方向に折り曲げられて第1コア部41の内側面に沿って左右方向に延びている。第4片部74Dの先端部はコア部40に形成された第4挿入孔40Dの奥側に位置している。第4片部74Dの先端部と第1コア部41に設けられた溝部45Dの内側面との間には第2シェル20の第4端子22が挿入される隙間が形成されている。第4片部74Dは第4挿入孔40Dの奥側に位置する先端部に螺子用挿通孔H5が形成されている。この螺子用挿通孔H5は第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部が挿通する。第4導電板74は螺子用挿通孔H5よりも右側に第1コア部41の内側面から突出する凸部C1を挿通する凸部用挿通孔H6が形成されている。
コア部40に取り付けられる第1回転軸6A及び第2回転軸6Bの夫々は、図9及び図14に示すように、シャフト81、ベアリングホルダ82、ベアリングホルダ82の両端部に配置される一対のベアリング83、及びシャフト81の先端部に取り付けられ、ベアリング83及びベアリングホルダ82のシャフト81からの抜け止めをするCリング84から構成されている。シャフト81は金属製である。また、シャフト81は、中間部に鍔部が形成され、鍔部よりも先端側がベアリング83を内蔵したベアリングホルダ82を回転自在に軸支している。ベアリングホルダ82は導電性を有する樹脂製である。このため、シャフト81とベアリングホルダ82は電気的に連結された状態になる。
第1回転軸6A及び第2回転軸6Bの夫々に取り付けられる第1回転体2A及び第2回転体2Bは、図9及び図14に示すように、外殻を形成する回転体本体91、回転体本体91内に収納される第1コア92及び第2コア93とから構成されている。回転体本体91は全面に導電性めっき膜が形成されている。第1コア92及び第2コア93も全面に導電性めっき膜が形成されている。各回転体2A,2Bは、第1回転軸6A及び第2回転軸6Bの夫々のベアリングホルダ82の外周面に突出した爪部が第2コア93に係止して、抜け止め状態となり、各シャフト81に対して回転自在に取り付けられる。
電源ユニット50が取り付けられ、第1〜第4導電板71,72,73,74を内蔵したコア部40に、第1シェル10、第2シェル20、第1回転体2A及び第2回転体2Bが取り付けられる。詳しくは、コア部40の第1挿入孔40A及び第2挿入孔40Bの夫々に第1シェル10の第1端子11及び第2端子12の夫々を挿入し、コア部40の第3挿入孔40C及び第4挿入孔40Dの夫々に第2シェル20の第3端子21及び第4端子22の夫々を挿入して、第1シェル10と第2シェル20をコア部40に取り付けた後に各回転体2A,2Bの夫々の開口から第1回転軸6A及び第2回転軸6Bを挿入して各回転体2A,2Bを各回転軸6A,6Bに取付ける。
このようにコア部40に第1シェル10、第2シェル20、及び各回転体2A,2Bを取り付けると、図13及び図14に示すように、第1導電板71の第2片部71Bの左側と第1コア部41に設けられた第1挿入孔40Aを構成する溝部45Aの内側面との間の隙間に第1シェル10の第1端子11が挿入される。また、第2導電板72の右端部と第1コア部41に設けられた第2挿入孔40Bを構成する溝部45Bの内側面との間の隙間に第1シェル10の第2端子12が挿入される。この状態で、第1導電板71の第2片部71Bの左側に形成された螺子用挿通孔H5と第1シェル10の第1端子11に形成された螺子用挿通孔H5とが重なり、第2導電板72の右端部に形成された螺子用挿通孔H5と第1シェル10の第2端子12に形成された螺子用挿通孔H5とが重なり合う。第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部がこれら重なり合った夫々の螺子用挿通孔H5を挿通し、第1シェル10がコア部40に固定されるとともに、第1導電板71、第1シェル10、第2導電板72、第2回転軸6B、及び第2回転体2Bは、電気的に連結された状態になる。つまり、第1導電板71が通電用螺子66A及びプラス側端子63Aを介して太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結しているため、第1シェル10及び第2回転体2Bは太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結している。
また、第3導電板73の下端部と第1コア部41に設けられた第3挿入孔40Cを構成する溝部45Cの内側面との間の隙間に第2シェル20の第3端子21が挿入される。また、第4導電板74の第4片部の先端部と第1コア部41に設けられた第4挿入孔40Dを構成する溝部45Dの内側面との間の隙間に第2シェル20の第4端子22が挿入される。この状態で、第3導電板73の下端部に形成された螺子用挿通孔H5と第2シェル20の第3端子21に形成された螺子用挿通孔H5とが重なり、第4導電板74の第4片部の先端部に形成された螺子用挿通孔H5と第2シェル20の第4端子22に形成された螺子用挿通孔H5が重なり合う。第2コア部42を挿通して第1コア部41にねじ込まれる螺子S1の軸部がこれら重なり合った夫々の螺子用挿通孔H5を挿通し、第2シェル20がコア部40に固定されるとともに、第1回転体2A、第1回転軸6A、第3導電板73、第2シェル20、及び第4導電板74は、電気的に連結された状態になる。つまり、第4導電板74が通電用螺子66B及びマイナス側端子63Bを介して太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結しているため、第2シェル20及び第1回転体2Aは太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結している。
以上説明したように、この美容器は、図12〜図14に示すように、太陽電池パネル62のプラス電極、プラス側端子63A、通電用螺子66A、第1導電板71、第1端子11、基端部13、第1シェル10、第2端子12、第2導電板72、第2回転軸6B、及び第2回転体2Bが電気的に連結されている。また、この美容器は、太陽電池パネル62のマイナス電極、マイナス側端子63B、通電用螺子66B、第4導電板74、第4端子22、第2シェル20、第3端子21、第3導電板73、第1回転軸6A、及び第1回転体2Aが電気的に連結されている。
この美容器は、コア部40に第1シェル10、第2シェル20、第1回転体2A及び第2回転体2Bが取り付けた後に、コア部40の下方から第3シェル30をスライドさせて第3シェル30をコア部40に取り付ける。この際、第3シェル30の各リブ31をコア部40の各溝部43の下端部から挿入させて、各リブ31を各溝部43に収納すると、図16に示すように、各リブ31の上端部の係止部32が各溝部43の被係止部43Aに係止するため、第3シェル30の上端部が外方向に離れる方向に開くことが防止される。また、第3シェル30の対向する内面の夫々に設けられた係止凸部33がコア部40の両外側面の夫々に設けられた被係止凸部44に係止して固定される。
このような構成を有する美容器は、第3シェル30が使用者の把持する把持部を構成し、第1シェル10、第2シェル20、及び各回転体2A,2Bが肌に当接する当接部を構成する。
この美容器は以下に説明するように使用することができる。
図18及び図19に示すように、第3シェル30を把持して第1シェル10の外縁部をあご先に当接させ、第1回転体2Aを口元に当接させた状態からフェイスラインに沿って往復移動させる。すると、第1シェル10が肌を擦るように移動して肌を引き上げたり、押し流したりするマッサージ効果を発揮する。つまり、第1シェル10がエステの技法でいうフリクション(すくい上げる)とニーディングを再現し、肌にぐいっと入り込み、広く深く圧をかけながら肌を引き上げることができる。また、第1回転体2Aが肌の薄い口元に負担をかけずにマッサージをすることができる。
さらに、上述したように、第1シェル10が、基端部13、第1端子11、第1導電板71、通電用螺子66A、及びプラス側端子63Aを介して太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結し、第1回転体2Aが、第1回転軸6A、第3導電板73、第3端子21、第2シェル20、第4端子22、第4導電板74、通電用螺子66B、及びマイナス側端子63Bを介して太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結している。このため、第1シェル10と第1回転体2Aとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
なお、図18において、第3シェル30を濃い灰色で示し、第1シェル10、第2シェル20、第1回転体2A及び第2回転体2Bを薄い灰色で示している(図20、図22、図24、図25において同じ。)。
また、図20及び図21に示すように、第3シェル30を把持して第2シェル20の外縁部を頬に当接させて、第2回転体2Bを目元に当接させた状態で口角横から耳の前までを往復移動させる。すると、第2シェル20が肌を擦るように移動して肌を引き上げたり、押し流したりするマッサージ効果を発揮する。つまり、第2シェル20がエステの技法でいうフリクション(すくい上げる)とニーディングを再現し、肌にぐいっと入り込み、広く深く圧をかけながら肌を引き上げることができる。また、第2回転体2Bが肌の薄い目元に負担をかけずにマッサージをすることができる。
さらに、上述したように、第2シェル20が、第4端子22、第4導電板74、通電用螺子66B、及びマイナス側端子63Bを介して太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結し、第2回転体2Bが、第2回転軸6B、第2導電板72、第2端子12、基端部13(第1シェル10)、第1端子11、第1導電板71、通電用螺子66A、及びプラス側端子63Aを介して太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結している。このため、第2シェル20と第2回転体2Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、図22及び図23に示すように、第3シェル30を把持して第1回転体2Aと第2回転体2Bをあご先から耳横へ向けて肌に当接させながらフェイスラインに沿って往復移動させる。すると、第1回転体2Aと第2回転体2Bとが肌を摘み上げて血流を促進するマッサージ効果を発揮する。また、上述したように、第1回転体2Aが、第1回転軸6A、第3導電板73、第3端子21、第2シェル20、第4端子22、第4導電板74、通電用螺子66B、及びマイナス側端子63Bを介して太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結し、第2回転体2Bが、第2回転軸6B、第2導電板72、第2端子12、基端部13(第1シェル10)、第1端子11、第1導電板71、通電用螺子66A、及びプラス側端子63Aを介して太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結している。このため、第1回転体2Aと第2回転体2Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、図24に示すように、第3シェル30を把持して第2シェル20の外縁部と第2回転体2Bをおでこに当接させて斜め上下方向に往復移動させる。この場合も、第2シェル20と第2回転体2Bがおでこをマッサージするとともに電気的刺激による美容効果を発揮する。また、図25に示すように、第3シェル30を把持して第1回転体2Aと第2回転体2Bを首に当接させて耳の下から鎖骨へ向かい首筋に沿って往復移動させる。この場合も、第1回転体2Aと第2回転体2Bが首をマッサージするとともに電気的刺激による美容効果を発揮する。
このように、この美容器は、第1シェル10と第2回転体2Bが太陽電池パネル62のプラス電極に電気的に連結し、第2シェル20と第1回転体2Aが太陽電池パネル62のマイナス電極に電気的に連結している。つまり、4つの当接部が並んだ順(第1シェル10、第1回転体2A、第2回転体2B、第2シェル20)にプラスとマイナスの電位になっている。このため、第1シェル10と第1回転体2Aを肌に同時に当接させてマッサージをする第1マッサージパターン、第1回転体2Aと第2回転体2Bを肌に同時に当接させてマッサージをする第2マッサージパターン、及び第2回転体2Bと第2シェル20を肌に同時に当接させてマッサージをする第3マッサージパターンのいずれの場合も肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、各当接部(第1シェル10、第2シェル20、及び各回転体2A,2B)を上述した第1〜第3マッサージパターンで肌に当接させてマッサージすることができるため、マッサージ効果が異なるマッサージを顔全体に対して行うことができる。
以上説明したように、実施例1の美容器は、使用者が把持する第3シェル30と、肌の離れた位置に同時に当接する複数の当接部(第1シェル10と第1回転体2A、第2シェル20と第2回転体2B、又は第1回転体2Aと第2回転体2B)と、肌に同時に当接する複数の当接部の間において肌を流れる電流を供給する電流供給部(電源ユニット50、導電通路(2個の通電用螺子66A,66B、第1〜第4導電板71,72.73、74、第1シェル10の第1端子11及び第2端子12、第2シェル20の第3端子21及び第4端子22、第1回転軸6A及び第2回転軸6B))とを備えている。また、当接部の第1シェル10と第2シェル20は美容器の外縁部である。
実施例1の美容器は、使用者が第3シェル30を把持して、複数の当接部を肌の離れた位置に同時に当接させると、これら当接部の間において電流が肌を流れる。また、この美容器は当接部の第1シェル10と第2シェル20が外縁部であり、肌を擦るようにこの外縁部である第1シェル10と第2シェル20を移動させることによって、肌を押し流したり、引き上げたりするマッサージ効果を発揮するとともに、肌に同時に当接させた複数の当接部の間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果を発揮することができる。このように、この美容器は、把持部と当接部との間において人体に電流を流すものではないため、把持部の素材やデザインの制約を少なくすることができる。
したがって、実施例1の美容器は、電気的刺激による美容効果を発揮することができるとともに、素材やデザインの自由度を高くすることができる。
実施例1の美容器において、複数の当接部の内の一部が肌に当接して移動させると回転する第1回転体2A及び第2回転体2Bである。このため、この美容器は第1回転体2A及び第2回転体2Bが肌に当接して回転しながら移動することによるマッサージ効果を発揮することができる。また、この美容器は第1回転体2A及び第2回転体2Bによって肌の薄い部分に負担をかけずにマッサージをすることができる。
また、実施例1の美容器において、複数の当接部の内の隣り合う2個の当接部(第1シェル10と第1回転体2A、第1回転体2Aと第2回転体2B、第2回転体2Bと第2シェル20)を肌に同時に当接させて移動させる。このため、この美容器は、隣り合う2個の当接部によってマッサージ効果と電気的刺激による美容効果とを発揮することができる。
また、実施例1の美容器において、把持部である第3シェル30は非導電性である。このため、導電性を有する把持部にする場合に比べて、この美容器は把持部の材質及びデザインの自由度を高くすることができる。つまり、把持部を導電性にする場合、把持部を銀メッキ等したり、導電性物質で形成したりする必要があるため、材質が限られたり、色をつけることが困難だったりするが、この美容器の把持部は非導電性であるため、材質及びデザインの自由度が高い。
<実施例2>
実施例2の美容器は、図26〜図30に示すように、本体部101と2個の回転体(第1回転体102A、第2回転体102B)とから構成されている。本体部101は、図26に示す正面図において、把持部101Aと把持部101Aの上端から二股状に分岐した分岐部101Bとを有している。両分岐部101Bの先端の夫々に回転体(第1回転体102A及び第2回転体102B)が回転自在に取り付けられている。なお、実施例2の美容器の説明において上下及び左右は、図26で示す美容器の正面視における上下及び左右である(以下同じ。)。
本体部101は、図28に示すように、第1シェル110、第2シェル120、コア部140、及び電流供給部109を備えている。本体部101は、第1シェル110、第2シェル120、及びソーラーカバー160のレンズ部160Aによって外殻が形成されている。
第1シェル110とソーラーカバー160のレンズ部160Aは本体部101の表面側(図26において示されている側)の外殻を形成している。第1シェル110は、上部の左右中央部に、内周形状が上下方向に長い略楕円形状であり、ソーラーカバー160のレンズ部160Aの上端部が係止する係止段部110Aを有する開口部110Bが形成されている。第2シェル120は本体部101の裏面側の外殻を形成している。第1シェル110と第2シェル120は、樹脂製であり、表面に非導電性塗装膜が形成されている。ソーラーカバー160のレンズ部160Aは、第1シェル110の開口部110Bに取り付けられ、本体部101の表面側の一部の外殻を形成している。ソーラーカバー160のレンズ部160Aは透光性を有する樹脂製である。
各回転体102A,102Bは、図26〜図30に示すように、先端側が半球状であり、後端側(本体側)が先端側の半球状部分の曲率よりも小さい曲面で本体側に向かうにつれて回転軸106A,106B側に徐々に外径が小さくなり、本体部101側の端部に円形状の開口が形成されている。各回転体102A,102Bは開口に連通して回転軸106A,106Bなどを収納する収納空間が内部に形成されている。各回転体102A,102Bの表面は多数の三角形状の平面から構成されている。また、各回転体102A,102Bは、樹脂製であり、全面に導電性めっき膜が形成されている。各回転体102A,102Bは肌に当接する当接部を構成している。
コア部140は、第2シェル120の内面に沿った形状であり、全体的に表面側が開放して収納凹部を形成している。また、コア部140は上部に本体部101の分岐部101Bの内部構造となる一対の筒部141が設けられている。コア部140は電流供給部109、台座部材142、及び錘部材143を内蔵している。台座部材142は太陽電池パネル162がソーラーカバー160のレンズ部160Aの直下に位置するように太陽電池パネル162を支持する。錘部材143はコア部140の下部に螺子S1によって固定される。
ソーラーカバー160は、図28に示すように、レンズ部160A、レンズ部160Aの裏面側で外周方向に延びる鍔部160B、及び鍔部160Bの下端部から下方向に延びる連結部160Cを具備している。連結部160Cは螺子S1の軸部が挿通する挿通孔が形成されている。レンズ部160Aの上端部に第1シェル110の開口部110Bの係止段部110Aに係止する被係止部160Dを構成している。被係止部160Dは被係止部160D以外のレンズ部160Aよりも薄肉に形成されている。
ソーラーカバー160は、レンズ部160Aの上端部の被係止部160Dを第1シェル110の開口部110Bの係止段部110Aに両面テープ160Eを介して係止し、連結部160Cの挿通孔に軸部を挿通させた螺子S1を第1シェル110にねじ込むことによって第1シェル110に取り付けられる。この際、ソーラーカバー160の鍔部160Bと第1シェル110の開口部110Bの開口周縁部との間にシールリング161が挟み込まれる。
電流供給部109は、図28〜図30に示すように、太陽電池パネル162と導電通路とから構成される。太陽電池パネル162は表裏面が上下方向に長い長方形状の平板である。太陽電池パネル162は、上端部がプラス電極であり、下端部がマイナス電極である。導電通路は、第1導線171及び第2導線172、第1回転軸106A及び第2回転軸106Bによって構成されている。第1導線171は太陽電池パネル162のプラス電極に連結されている。第2導線172は太陽電池パネル162のマイナス電極に連結されている。第1導線171及び第2導線172は先端部に金属製の丸ワッシャー173が接続されている。
第1回転軸106A及び第2回転軸106Bの夫々は、図28及び図30に示すように、シャフト181、軸受け部材182を有している。シャフト181は金属製である。また、シャフト181は中間部に鍔部が形成されている。シャフト181は基端面に螺子孔が形成されている。シャフト181は鍔部より基端側がコア部140の上部に設けられた筒部141に挿入される。シャフト181は鍔部より基端側が筒部141に挿入された状態で基端面の螺子孔に第1導線171又は第2導線172の先端部に接続された丸ワッシャー173を軸部が挿通した金属製の螺子S2がねじ込まれている。丸ワッシャー173の外径はコア部140の筒部141の内径よりも大きい。このため、シャフト181は筒部141から抜け出ることが防止された状態でコア部140の筒部141に取り付けられる。シャフト181は鍔部よりも先端側が軸受け部材182を回転自在に軸支している。軸受け部材182は導電性を有する樹脂製である。このため、シャフト181と軸受け部材182は電気的に連結された状態になる。図示しないCリングが軸受け部材182を挿通したシャフト181の先端部に取り付けられ、軸受け部材182のシャフト181からの抜け止めされている。
第1回転軸106A及び第2回転軸106Bの夫々に取り付けられる第1回転体102A及び第2回転体102Bは、図30に示すように、外殻を形成する回転体本体191、回転体本体191内に収納される第1コア192及び第2コア193とから構成されている。回転体本体191は全面に導電性めっき膜が形成されている。第1コア192及び第2コア193も全面に導電性めっき膜が形成されている。各回転体102A,102Bは、第1回転軸106A及び第2回転軸106Bの夫々の軸受け部材182の外周面に突出した爪部が第2コア193に係止して、抜け止め状態となり、各シャフト181に対して回転自在に取り付けられる。第1回転体102Aは第1回転軸106A及び第1導線171を介して太陽電池パネル162のプラス電極に電気的に連結されている。また、第2回転体102Bは第2回転軸106B及び第2導線172を介して太陽電池パネル162のマイナス電極に電気的に連結されている。
この美容器は、次に説明するように組み立てられる。
先ず、ソーラーカバー160を取り付けた第1シェル110と、電流供給部109、台座部材142、及び錘部材143を内蔵し、各筒部141に第1導線171又は第2導線172を連結した各シャフト181を取り付けたコア部140とを4本の螺子S3を利用して合体させる。次に、第2シェル120の後端に設けられた図示しない爪部をコア部140の係止部に係止し、第1シェル110の外殻縁と第2シェル120の外殻縁を合わせる。次に、コア部140の各筒部141の外周縁を覆う第1シェル110と第2シェル120の各端部にキャップ部材150を嵌め込んで第2シェル120をコア部140と第1シェル110とに取り付ける。次に、キャップ部材150よりも突出したシャフト181の先端部に軸受け部材182を挿入し、Cリングをシャフト181の先端に取り付けて軸受け部材182をシャフト181に対して回転自在に取り付ける。そして、各軸受け部材182に各回転体102A,102Bを取り付けて組み立てを完了する。
このような構成を有する美容器は、第1回転体102A及び第2回転体102Bが肌に当接する当接部を構成する。この美容器は第1回転体102A及び第2回転体102Bを肌に当接させて往復移動させる。すると、第1回転体102Aと第2回転体102Bとが肌を摘み上げて血流を促進するマッサージ効果を発揮する。また、第1回転体102Aが太陽電池パネル162のプラス電極に電気的に連結し、第2回転体102Bが太陽電池パネル162のマイナス電極に電気的に連結しているため、第1回転体102Aと第2回転体102Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
以上説明したように、実施例2の美容器は、使用者が把持する把持部101Aと、肌の離れた位置に同時に当接する第1回転体102A及び第2回転体102Bと、第1回転体102Aと第2回転体102Bとの間において肌を流れる電流を供給する電流供給部109(太陽電池パネル162と導電通路(第1導線171及び第2導線172、第1回転軸106A及び第2回転軸106B))とを備えている。
実施例2の美容器は、使用者が第1シェル110及び第2シェル120によって外殻を構成した把持部101Aを把持して、第1回転体102A及び第2回転体102Bを肌の離れた位置に同時に当接させると、第1回転体102Aと第2回転体102Bとの間において電流が肌を流れる。このように、この美容器は、第1回転体102A及び第2回転体102Bを肌に同時に当接させながら移動することによってマッサージ効果を発揮するとともに、第1回転体102Aと第2回転体102Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果を発揮することができる。このようにこの美容器は、把持部101Aと第1回転体102A及び第2回転体102Bとの間において人体に電流を流すものではないため、把持部101Aの素材やデザインの制約を少なくすることができる。
したがって、実施例2の美容器は、電気的刺激による美容効果を発揮することができるとともに、素材やデザインの自由度を高くすることができる。
当接部は肌に当接して移動させると回転する第1回転体102A及び第2回転体102Bであり、第1回転体102Aと第2回転体102Bとは隣り合って配置されている。このため、この美容器は第1回転体102A及び第2回転体102Bが肌に当接して回転しながら移動することによって肌を摘み上げて血流を促進するマッサージ効果を発揮することができる。
<実施例3>
実施例3の美容器は、図31に示すように、回転体を備えておらず、図31に示す正面視において、実施例1の美容器の本体部の第1凸部に相当する部分が角部を有しておらず滑らかに湾曲している点を除いて実施例11の美容器の本体部と略同じ外形状をしている。
つまり、この美容器は、正面視において、上端部が第1凸部203、第2凸部204、及び第1凸部203と第2凸部204の間に位置する第1凹部205で形成されている。なお、実施例3の美容器の説明において上下及び左右は、図31で示す美容器の正面視における上下及び左右である(以下、同じ。)。
第1凸部203は、正面視において、上端部の左側で上方に突出しており、外縁が略同じ曲率で湾曲している。第2凸部204は、正面視において、上端部の右側で上方に突出しており、外縁が略同じ曲率であり、第1凸部203の外縁よりも大きい曲率で湾曲している。第1凹部205は、正面視において、下方向に凹んで湾曲している。この第1凹部205は、正面視において、外縁が略同じ曲率であり、第2凸部204の外縁よりも大きい曲率で湾曲している。
この美容器は、正面視において、第1凸部203の左端部に連続した左側面部が右方向に凹んで湾曲している。また、この美容器は、正面視において、第2凸部204の右端部に連続した右側面部が右方向に突出して湾曲している。また、この美容器は、正面視において、下方に向けて徐々に左右幅が狭くなり、右側面部の下端部と左側面部の下端部とが連結されている。つまり、この美容器の下端部は、正面視において、左下方に向けて丸く尖った形状になっている。
このような外形である美容器は、第1シェル210、第2シェル220、第3シェル230、第4シェル240、及び第5シェル250によって外殻が形成されている。第1シェル210、第2シェル220、第3シェル230、及び第4シェル240は美容器の外縁部を構成している。
第1シェル210は、第1凸部203、第1凹部205の左側、及び左側面部の上側の外郭を形成している。第2シェル220は左側面部の下側の外郭を形成している。第3シェル230は右側面部の下側の外郭を形成している。第4シェル240は第2凸部204、第1凹部205の右側、及び右側面部の上側の外郭を形成している。第1〜第4シェル210,220,230,240は、樹脂製であり、全面に導電性めっき膜が形成されている。第1〜第4シェル210,220,230,240は肌に当接する当接部を構成している。第5シェル250は、正面側及び背面側の中央部(第1シェル210、第2シェル220、第3シェル230、及び第4シェル240で囲まれた部分)の外郭を形成している。第5シェル250は、樹脂製であり、表面に非導電性塗装膜が形成されている。第5シェル250は美容器を使用する際に使用者が摘むようにして把持する把持部である。
この美容器は充電可能なバッテリーを有する電流供給部を内蔵している。電流供給部は、第1シェル210及び第3シェル230をバッテリーのプラス電極に電気的に連結し、第2シェル220及び第4シェル240をバッテリーのマイナス電極に電気的に連結している。つまり、この美容器は、第1〜第4シェル210,220,230,240をプラス電極とマイナス電極に交互に電気的に連結した状態になっている。
この美容器は以下に説明するように使用することができる。
この美容器は、正面側及び背面側の第5シェル250を摘むように把持して、図31に示すように、第1凹部205を中心にして第1シェル210と第4シェル240を肌に同時に当接させて往復移動させる。すると、第1シェル210と第4シェル240が肌を擦るように移動して肌を引き上げたり、押し流したりするマッサージ効果を発揮する。また、第1シェル210がバッテリーのプラス電極に電気的に連結し、第4シェル240がバッテリーのマイナス電極に電気的に連結しているため、第1シェル210と第4シェル240との間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。なお、図31に示される一点鎖線は各当接部に当接する肌を模式的に示すものである。
また、この美容器は、正面側及び背面側の第5シェル250を摘むように把持して、左側面部の上下中央部を中心にして第1シェル210と第2シェル220を肌に同時に当接させて往復移動させる。すると、第1シェル210と第2シェル220が肌を擦るように移動して肌を引き上げたり、押し流したりするマッサージ効果を発揮する。また、第1シェル210がバッテリーのプラス電極に電気的に連結し、第2シェル220がバッテリーのマイナス電極に電気的に連結しているため、第1シェル210と第2シェル220との間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、この美容器は、正面側及び背面側の第5シェル250を摘むように把持して、右側面部の上下中央部を中心にして第3シェル230と第4シェル240を肌に同時に当接させて往復移動させる。すると、第3シェル230と第4シェル240が肌を擦るように移動して肌を引き上げたり、押し流したりするマッサージ効果を発揮する。また、第3シェル230がバッテリーのプラス電極に電気的に連結し、第4シェル240がバッテリーのマイナス電極に電気的に連結しているため、第3シェル230と第4シェル240との間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、この美容器は、正面側及び背面側の第5シェル250を摘むように把持して、図32に示すように、第2シェル220と第3シェル230の下端部で形成された丸く尖った部分を肌に押し込む。すると、この下端部がつぼ押しのマッサージ効果を発揮する。また、第2シェル220がバッテリーのマイナス電極に電気的に連結し、第3シェル230がバッテリーのプラス電極に電気的に連結しているため、第2シェル220と第3シェル230との間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
このように、この美容器は、第1シェル210と第3シェル230がバッテリーのプラス電極に電気的に連結し、第2シェル220と第4シェル240がバッテリーのマイナス電極に電気的に連結している。つまり、4つの当接部が並んだ順(第1シェル210、第2シェル220、第3シェル230、第4シェル240)にプラスとマイナスの電位になっている。このため、第1シェル210と第2シェル220を肌に同時に当接させてマッサージをする第1マッサージパターン、第2シェル220と第3シェル230を肌に同時に当接させてマッサージをする第2マッサージパターン、第3シェル230と第4シェル240を同時に当接させてマッサージをする第3マッサージパターン、第4シェル240と第1シェル210を同時に当接させてマッサージをする第4マッサージパターンのいずれの場合も肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、各当接部(第1シェル210、第2シェル220、第3シェル230、及び第4シェル240)を上述した第1〜第4マッサージパターンで肌に当接させてマッサージすることができるため、マッサージ効果が異なるマッサージを顔全体に対して行うことができる。
以上説明したように、実施例3の美容器は、使用者が把持する第5シェル250と、肌の離れた位置に同時に当接する複数の当接部(第1シェル210と第2シェル220、第2シェル220と第3シェル230、第3シェル230と第4シェル240、又は第4シェル240と第1シェル210)と、肌に同時に当接する複数の当接部の間において肌を流れる電流を供給する電流供給部とを備えている。また、当接部の第1〜第4シェル210,220,230,240は美容器の外縁部である。
実施例3の美容器は、使用者が第5シェル250を摘むように把持して、複数の当接部を肌の離れた位置に同時に当接させると、これら当接部の間において電流が肌を流れる。また、この美容器は当接部の第1〜第4シェル210,220,230,240が外縁部であり、肌を擦るようにこれらの外縁部である第1〜第4シェル210,220,230,240を移動させることによって、肌を押し流したり、引き上げたりするマッサージ効果を発揮するとともに、肌に同時に当接させた複数の当接部の間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果を発揮することができる。このように、この美容器は、把持部と当接部との間において人体に電流を流すものではないため、把持部の素材やデザインの制約を少なくすることができる。
したがって、実施例3の美容器は、電気的刺激による美容効果を発揮することができるとともに、素材やデザインの自由度を高くすることができる。
また、実施例3において、複数の当接部の内の隣り合う2個の当接部(第1シェル210と第2シェル220、第2シェル220と第3シェル230、第3シェル230と第4シェル240、又は第4シェル240と第1シェル210)を肌に同時に当接させて移動させる。このため、この美容器は、隣り合う2個の当接部によってマッサージ効果と電気的刺激による美容効果とを発揮することができる。
また、実施例3の美容器において、把持部である第5シェル250は非導電性である。このため、導電性を有する把持部にする場合に比べて、この美容器は把持部の材質及びデザインの自由度を高くすることができる。つまり、把持部を導電性にする場合、把持部を銀メッキ等したり、導電性物質で形成したりする必要があるため、材質が限られたり、色をつけることが困難だったりするが、この美容器の把持部は非導電性であるため、材質及びデザインの自由度が高い。
<実施例4>
実施例4の美容器を図33〜図35によって説明する。
本実施例の美容器は、第1回転体302A及び第2回転体302Bが把持部301Aに対して上下に変位する点で、実施例2とは相違する。なお、実施例2と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施例4の美容器は、実施例2と同様、本体部301と2個の回転体(第1回転体302A、第2回転体302B)とから構成されている。本体部301は、実施例2と同様、把持部301Aと、把持部301Aの端部から二股状に分岐した分岐部301Bとを有し、両分岐部301Bの先端の夫々に第1回転体302A及び第2回転体302Bが回転自在に取り付けられている。分岐部301Bは、把持部301Aに備えられた旋回シャフト461に旋回自在に取り付けられている。これにより、分岐部301Bは上下方向に変位する。
実施例4の美容器の説明における上下及び左右は、実施例2と同様とする。すなわち、ソーラーカバー360を正面に見た状態で、第1回転体302A及び第2回転体302Bを上側に位置させたときの上下及び左右とする。
本体部301は、図34に示すように、第1シェル310、第2シェル320、コア部340、及び電流供給部309を備えている。本体部301は、第1シェル310、第2シェル320、ソーラーカバー360のレンズ部360A、及び分岐カバー470によって外殻が形成されている。第2シェル320は、分岐部301Bを間にして上下に分割されている。第2シェル320は、上側分割シェル体320Aと下側分割シェル体320Bとを有している。第1シェル310、コア部340、及び下側分割シェル体320Bは、螺子S36により固定される。上側分割シェル体320Aは、下側分割シェル体320Bに係止することで固定される。コア部340と第1シェル310との間には、パッキン494が介在している。
ソーラーカバー360は、実施例2と同様、レンズ部360A、鍔部360B、連結部360C、及び被係止部360Dを具備している。ソーラーカバー360は、実施例2と同様、螺子S37により両面テープ360Eを介して第1シェル310に取り付けられる。ソーラーカバー360の鍔部360Bと第1シェル310の開口部310Bの開口周縁部との間にシールリング361が挟み込まれる。
コア部340は、電流供給部309及び錘部材343を内蔵している。錘部材343はコア部340の下部に螺子S31によって固定される。電流供給部309は、太陽電池パネル362と導電通路とから構成される。太陽電池パネル362は上下方向に長い長方形状の平板であり、プラス電極とマイナス電極とが備えられている。導電通路については後ほど詳しく説明する。
コア部340には、旋回シャフト461を旋回自在に保持するベース部460が取り付けられている。
ベース部460は、金属製であって、全体として上下方向に長い板状をなしている。ベース部460の上下方向の寸法は、太陽電池パネル362の上下方向の寸法より大きい。ベース部460は、コア部340を間にして太陽電池パネル362と重なる位置に配される。
ベース部460の螺子孔には、太陽電池パネル362から延びた第1導線471及び第2導線472の端部に接続された丸ワッシャー473を軸部が挿通した金属製の螺子S35がねじ込まれる。
ベース部460は、旋回シャフト461を保持する一対のシャフト受け部462を有している。各シャフト受け部462には、旋回シャフト461の端部が挿入される穴部が形成されている。
旋回シャフト461は、一対のアーム軸受466に挿入されている。一対のアーム軸受466の外周側には、分岐部301Bを付勢する一対のねじりばね467が装着されている。一対のねじりばね467は、分岐部301Bが基準位置から離れる方向に旋回した場合に、分岐部301Bを基準位置側に復帰させる付勢力を生じさせる。一対のねじりばね467の間にはワッシャー423が配され、一対のねじりばね467が互いに接しないようにされる。各ねじりばね467の一端は、ベース部460に形成された一対の固定孔499Aに嵌入される。
ベース部460には、ねじりばね467の位置を調節するアジャスタ463が取り付けられている。アジャスタ463は、螺子S32によってベース部460に固定される。アジャスタ463の取り付け位置は、ベース部460に対して前後方向にずらすことができる。
アジャスタ463にはベース部460の固定孔499Aに挿通されたねじりばね467の一端部が嵌入される固定孔499Bが形成されている。ねじりばね467の一端部の前後方向の位置は、アジャスタ463の取り付け位置により調節される。ねじりばね467の一端部の前後方向の位置を調節することにより、分岐アーム464の基準位置を調節することができる。
ベース部460には、分岐部301Bが基準位置から最大旋回角度まで旋回したときに、分岐アーム464が弾性的に当接するクッション422が取り付けられている。
分岐部301Bは、分岐アーム464と、第1回転軸430A及び第2回転軸430Bと、分岐カバー470とを備えている。
分岐アーム464は、金属製であって、アーム軸受466が取り付けられる一対のタブ部465を有している。一対のタブ部465は、ベース部460の一対のシャフト受け部462の間に配置される。一対のタブ部465の外縁は、分岐部301Bが最大旋回角度まで旋回したときにクッション422を介してベース部460に当たり、それ以上の旋回を制限する。
分岐アーム464には、第1回転軸430Aの第1シャフト481A及び第2回転軸430Bの第2シャフト481Bが取り付けられる一対のシャフト取付部468が備えられている。各シャフト取付部468には螺子穴が形成され、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bが螺子S43により固定される。
第1回転軸430A及び第2回転軸430Bの夫々は、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bと、軸受け部材482とを有している。
第1シャフト481A及び第2シャフト481Bは金属製である。第1シャフト481A及び第2シャフト481Bは、分岐アーム464に固定される固定部431と、軸受け部材482に挿入される挿入部432とを有している。固定部431には、螺子孔が形成されている。固定部431は、螺子S43によって分岐アーム464に固定される。固定部431は、筒部341の内側に配される。固定部431には、導電通路の第1平型導体502A又は第2平型導体502Bが電気的に接続される。この点については、導電通路の説明において詳しく説明する。
第1シャフト481A及び第2シャフト481Bの挿入部432は、軸受け部材482を回転自在に軸支している。軸受け部材482は導電性を有する樹脂製である。このため、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bと軸受け部材482とは電気的に連結された状態になる。
軸受け部材482を挿通した第1シャフト481A及び第2シャフト481Bの先端部には、Eリング520が取り付けられている。これにより、軸受け部材482が第1シャフト481A及び第2シャフト481Bから抜け止めされている。Eリング520と軸受け部材482との間には、スペーサ521が配されている。
第1回転軸430A及び第2回転軸430Bの夫々に取り付けられる第1回転体302A及び第2回転体302Bは、実施例2と同様の構成を有し、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bに対して回転自在に取り付けられる。
分岐カバー470は、第1分岐カバー470F及び第2分岐カバー470Sを組み合わせてなる。分岐カバー470と分岐アーム464とは螺子S44により固定される。分岐カバー470は、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bが挿通される一対の筒部341を備えている。一対の筒部341は、ともに円筒状をなしている。
第1分岐カバー470Fは、筒部341を構成する一対の第1筒部341Fを備えている。第2分岐カバー470Sは、筒部341を構成する一対の第2筒部341Sを備えている。第1筒部341F及び第2筒部341Sは半円筒状をなしている。
筒部341には、合成樹脂製の円筒状をなすキャップ部材350が嵌着される。これにより、第1分岐カバー470Fと第2分岐カバー470Sとが合わさった状態に保持される。キャップ部材350と後述する軸受け部材482との間には、軸受け部材482の磨耗を防ぐべくOリング522が挟み込まれている。
さて、導電通路は、第1導線471及び第2導線472、第1平型導体502A、第2平型導体502B、第1回転軸430A及び第2回転軸430Bによって構成されている。第1導線471は太陽電池パネル362のプラス電極に連結されている。第2導線472は太陽電池パネル362のマイナス電極に連結されている。第1導線471及び第2導線472は、先端部に金属製の丸ワッシャー473が接続されている。
第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、薄くて平らな配線部材である。第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、例えばフラットケーブル(FC)やフレキシブル配線板(FPC)等を用いることができる。第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、フラットな面に沿って曲げが容易なフレキシブル性を有している。
第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、図34及び図35に示すように、絶縁性を有するフィルム507により一枚の帯状に形成されている。第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、ベース部460の板面に沿って配される。第1平型導体502Aの端子部503は、第1導線471の端部に接続された丸ワッシャー473を軸部が挿通した金属製の螺子S35により、第1導線471に電気的に接続されている。第2平型導体502Bの端子部503は、第2導線472の端部に接続された丸ワッシャー473を軸部が挿通した金属製の螺子S35により、第2導線472に電気的に接続されている。
第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、分岐アーム464とねじりばね467との間を通って、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bに延びる。第1平型導体502A又は第2平型導体502Bの端子部503は、第1シャフト481A及び第2シャフト481Bの固定部431と分岐アーム464との間に配される。
固定部431は、第1平型導体502A又は第2平型導体502Bと接続する接続面505を有している。接続面505は、分岐アーム464の板面に沿う平らな面である。接続面505は、第1平型導体502A又は第2平型導体502Bの端子部503と面接触する。
第1平型導体502Aの端子部503と分岐アーム464との間、及び第2平型導体502Bの端子部503と分岐アーム464との間には、絶縁シート504が配される。絶縁シート504は方形状をなし、第1平型導体502Aの端子部503と分岐アーム464との間、及び第2平型導体502Bの端子部503と分岐アーム464との間を絶縁する。
第1シャフト481Aの固定部431の螺子孔には、第1平型導体502Aを軸部が挿通した金属製の螺子S43がねじ込まれる。第2シャフト481Bの固定部431の螺子孔には、第2平型導体502Bを軸部が挿通した金属製の螺子S43がねじ込まれる。これにより、第1平型導体502Aと第1シャフト481Aとが電気的に接続され、第2平型導体502Bと第2シャフト481Bとが電気的に接続された状態になる。なお、第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、フィルム507により螺子S36と絶縁される。
第1回転体302Aは、第1回転軸430A、第1平型導体502A及び第1導線471を介して太陽電池パネル362のプラス電極に電気的に連結されている。また、第2回転体302Bは、第2回転軸430B、第2平型導体502B及び第2導線472を介して太陽電池パネル362のマイナス電極に電気的に連結されている。
このような構成を有する美容器は、実施例2と同様、第1回転体302A及び第2回転体302Bが肌に当接する当接部を構成する。この美容器は、第1回転体302A及び第2回転体302Bを肌に当接させて往復移動させる。すると、第1回転体302Aと第2回転体302Bとが肌を摘み上げて血流を促進するマッサージ効果を発揮する。また、第1回転体302Aが太陽電池パネル362のプラス電極に電気的に連結し、第2回転体302Bが太陽電池パネル362のマイナス電極に電気的に連結しているため、第1回転体302Aと第2回転体302Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果も発揮することができる。
また、この美容器は、第1回転体302A及び第2回転体302Bを肌に当接させて往復移動させると、分岐部301Bが上下に旋回する。導電通路の第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、分岐部301Bの旋回に伴って屈曲する。ここで、仮に、導電通路の屈曲部分が線状の導線である場合、屈曲の形が自由であるために、導線がねじりばね467等の付勢部材に接触する虞がある。しかしながら、本実施例では、導電通路の屈曲部分が第1平型導体502A及び第2平型導体502Bであるから、屈曲の形が一定の形に定められる。第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、ベース部460の板面、及び分岐アーム464の板面に沿った状態を維持し、表裏の一方の面が内側、他方の面が外側に位置する形に屈曲する。これにより、第1平型導体502A及び第2平型導体502Bがねじりばね467等の付勢部材に接触することを防ぎ、もってそれによる断線を防ぐことができる。
以上説明したように、実施例4の美容器は、使用者が把持する把持部301Aと、肌の離れた位置に同時に当接する第1回転体302A及び第2回転体302Bと、第1回転体302Aと第2回転体302Bとの間において肌を流れる電流を供給する電流供給部309(太陽電池パネル362と導電通路(第1導線471及び第2導線472、第1平型導体502A、第2平型導体502B、第1回転軸430A及び第2回転軸430B))とを備えている。
実施例4の美容器は、使用者が第1シェル310及び第2シェル320によって外殻を構成した把持部301Aを把持して、第1回転体302A及び第2回転体302Bを肌の離れた位置に同時に当接させると、第1回転体302Aと第2回転体302Bとの間において電流が肌を流れる。この美容器は、第1回転体302A及び第2回転体302Bを肌に同時に当接させながら移動することによってマッサージ効果を発揮するとともに、第1回転体302Aと第2回転体302Bとの間において肌に電流が流れて電気的刺激による美容効果を発揮することができる。この美容器は、把持部301Aと第1回転体302A及び第2回転体302Bとの間において人体に電流を流すものではないため、把持部301Aの素材やデザインの制約を少なくすることができる。
したがって、実施例4の美容器は、実施例2の美容器と同様、電気的刺激による美容効果を発揮することができるとともに、素材やデザインの自由度を高くすることができる。また、実施例2の美容器と同様、当接部は肌に当接して移動させると回転する第1回転302A及び第2回転体302Bであり、第1回転体302Aと第2回転体302Bとは隣り合って配置されている。このため、美容器は第1回転体302A及び第2回転体302Bが肌に当接して回転しながら移動することによって肌を摘み上げて血流を促進するマッサージ効果を発揮することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1及び3に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1及び3では4個の当接部を備えていたが、当接部は4個以外の複数個であってもよい。
(2)実施例1では2個の回転体を備えていたが、回転体を備えなくてもよい。
(3)実施例1では4個の当接部の内の真ん中の2個が回転体であったが、回転体の配置は真ん中でなくてもよい。
(4)実施例1では2個の回転体を備えていたが、1個又は3個以上の回転体を備えていてもよい。
(5)本体部と回転体の形態は実施例1の形態に限らない。
(6)美容器の形態は実施例3の形態に限らない。
(7)実施例4では、導電通路が第1平型導体502A及び第2平型導体502Bを備えていたが、導電通路はいずれか一方のみを備えても良い。例えば図36に示すように、美容器が第1平型導体502Aのみを有するものとしてもよい。この場合、ベース部460及び分岐アーム464が、第2導線472と第2回転軸430Bとの間を接続する。すなわち第2導線472、ベース部460、分岐アーム464、第2回転軸430Bにより、第2回転体302Bが太陽電池パネル362のマイナス電極に電気的に接続される。ベース部460のシャフト受け部462と分岐アーム464のタブ部465とを、一対のアーム軸受466を導電性とすることで電気的に接続してもよい。第1平型導体502A側のみに絶縁シート504を配し、分岐アーム464と第2回転軸430Bとを直接当接させて電気的に接続してもよい。
(8)実施例4では、分岐アーム464が金属製であったが、分岐アームは合成樹脂製であってもよい。このような構成によれば、絶縁シート504を省略することができる。
(9)実施例4では、導電通路が第1平型導体502A及び第2平型導体502Bを備えていたが、第1平型導体502A及び第2平型導体502Bのかわりに、ベース部460及び分岐アーム464を分割した形態の板状導電部材を用いても良い。例えば図37に示すように、美容器が、ベース部460を左右に分割してなる第1ベース部460A及び第2ベース部460Bと、分岐アーム464を分割した形態の第1アーム464A及び第2アーム464Bを有してもよい。この場合、第1ベース部460Aと第2ベース部460Bとは互いに絶縁され、第1アーム464Aと第2アーム464Bとは互いに絶縁される。第1導線471、第1ベース部460A、第1アーム464A、第1回転軸430Aにより、第1回転体302Aを太陽電池パネル362のプラス電極に電気的に接続される。第2導線472、第2ベース部460B、第2アーム464B、第2回転軸430Bにより、第2回転体302Bを太陽電池パネル362のマイナス電極に電気的に接続される。
(10)実施例4では、第1回転体302A及び第2回転体302Bは、球形状をなしているが、回転体の形状は任意に変更してもよい。例えば図38に示すように、美容器は、外形が円柱状をなす第1回転体602A及び第2回転体602Bを備えていてもよい。
(11)実施例4では、第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、絶縁性を有するフィルム507により一枚の帯状に形成されているが、第1平型導体502A及び第2平型導体502Bは、絶縁性を有するフィルムでそれぞれ被覆し、別体の帯状に形成してもよい。