JP2020025603A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力の新しい供給関係を構築することが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、外枠22と内枠21と前扉23とを含む遊技機枠2と、遊技機枠2の内部に配されている遊技盤1と、遊技機枠2に設けられていて外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて電力を供給可能な電源ユニット190と、を備える。電源ユニット190は、基板状に構成されておらず、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されている。【選択図】図8

Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
遊技機の一例としてパチンコ遊技機は、例えば下記特許文献1に記載されているように、パチンコ遊技機の外郭を構成する遊技機枠と、遊技機枠の内部に配されている遊技盤と、を含んで構成されている。また遊技機枠には、パチンコ遊技機の外部から供給される電源に基づいて、電力を供給可能な電力供給部(電源基板)が設けられている。電力供給部は、遊技機枠に設けられている枠側基板(例えば払出制御基板)と、遊技盤に設けられている盤側基板(例えば遊技制御基板)とに特定電圧(例えば5V電圧)の電力を供給可能である。
特開2001−046683号公報
ところで上記特許文献1に記載されているように、ほとんどのパチンコ遊技機においては、電力供給部から特定電圧の電力が供給される電力ラインは、分岐してから枠側基板又は盤側基板に向かうようになっている。つまり、枠側基板にとっては特定電圧の電力を電力供給部から直接供給され、盤側基板にとっては特定電圧の電力を電力供給部から直接供給されるようになっている。しかしながらこのような電力の供給関係は既にあたりまえのものなっていて、枠側基板と盤側基板の配置によっては、電力の供給関係を改善した方が良い場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、電力の新しい供給関係を構築することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
枠状の基枠部と、前記基枠部の前面側に位置する前枠部とを含む遊技機枠と、
前記遊技機枠の内部に配されている遊技盤と、
前記遊技機枠に設けられていて外部から供給される電源に基づいて電力を供給可能な電力供給部と、を備え、
前記電力供給部は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、電力の新しい供給関係を構築することが可能である。
実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の構造を示す斜視図である。 実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 本形態に係る遊技機の裏側を示す斜視図である。 比較例に係る遊技機の裏側を示す斜視図である。 比較例において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 比較例のインサーキット検査時を説明するための図である。 本形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 本形態のインサーキット検査時を説明するための図である。 当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 第2形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第2形態のインサーキット検査時を説明するための図である。 第3形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第3形態のインサーキット検査時を説明するための図である。 第4形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第5形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第6形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第7形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第8形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。 第9形態において、電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間で供給される電力を説明するための電気回路図である。
1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
なお遊技機枠2において、外枠22を「基枠部」に相当するものと見れば、内枠21及び前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。また遊技機枠2において、外枠22及び内枠21を「基枠部」に相当するものと見れば、前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源ユニット190を備えている。電源ユニット190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
電源ユニット190(電力供給部)は、生成した電力を、先ず払出制御基板170に供給する。そして生成した電力を、払出制御基板170を介して遊技制御基板100と演出制御基板120に供給する。更に生成した電力を、払出制御基板170と遊技制御基板100と演出制御基板120を介してその他の機器に対して供給するようになっている。なお本形態では、電源ユニット190に、バックアップ電源回路が設けられていない。この点については後に詳述する。
また電源ユニット190には、電源スイッチ195が接続されている。電源スイッチ195のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。つまり、電源ユニット190は、電源スイッチ195がON操作されている場合に限り、外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて、各種制御基板に必要な電力を生成して供給することになる。
また電源ユニット190には、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)191が設けられている。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源ユニット190上に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。
図6に示すように、遊技制御基板100(第2制御基板)には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(第2制御手段、所定の制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段、第1制御手段、他の制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。ここで本形態では、払出制御基板170にバックアップ電源回路179が設けられている。この点については、後に詳述する。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。なお上述したように、演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源ユニット190から電力(例えばDC5Vの電力)が供給されるようになっている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、画像制御基板140の画像用入力回路147を介して制御信号を送信する。そして画像用CPU141は、画像制御基板140の画像用出力回路148を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
画像制御基板140には、スピーカ620(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の音声用CPU149を介してスピーカ620から音声、楽曲、効果音等を出力する。なお音声用CPU149は、画像用CPU141からの指令に基づいて、音声制御回路150を介してスピーカ620の音声制御を行う。スピーカ620から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データを画像制御基板140の画像用ROM142に格納しても良い。
なお画像制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたが、画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.電源ユニット
次に図8及び図9に基づいて、本形態における電源ユニット190について説明する。図8には、本形態の電源ユニット190が示されていて、図9には、比較例の電源基板190Xが示されている。以下では、電源ユニット190と電源基板190Xとを比較して説明する。
電源基板190Xは、パチンコ遊技機において電力供給部として一般的に用いられているものである。電力供給部として電源基板190Xを用いる場合、電源基板190Xは、試験対象基板になる。そのため電源基板190Xには、表面実装部品を実装することが認められず、リード線が付いたリード部品(Dip部品)を実装しなければならないという事情がある。またほとんどの電源基板190Xにはバックアップ電源回路が設けられていて、このバックアップ電源回路により、電断時に遊技制御用マイコン101及び払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給できるようになっている。しかしながら、パチンコ遊技機特有のバックアップ電源回路を備える電源基板190Xは、特注品になってしまう。以上のことから、電源基板190Xでは、リード部品を表面実装部品に替えることができず、且つバックアップ電源回路を備えることで、特注品として比較的大きな構成にならざるを得ないという問題点があった。
そこで本形態では、電源基板190Xに替えて、電源ユニット190を用いるようにしている。電源ユニット190は、モジュール化されたものであり、汎用品である。よって、電力供給部として電源ユニット190を用いる場合、電源ユニット190は、試験対象基板にならない。そのため電源ユニット190には、リード部品だけでなく、表面実装部品を実装することが可能である。その結果、従来のリード部品を表面実装部品に替えることで、電源ユニット190を小さく(コンパクトに)構成することが可能である。また電源ユニット190は、汎用品である以上、パチンコ遊技機特有のバックアップ電源回路を備えていない。これにより、電源ユニット190を、更に小さく構成することが可能である。
こうして、図9に示す電源ユニット190と、図10に示す電源基板190Xとの比較から分かるように、電源ユニット190であれば、電源基板190Xよりも小さく構成することが可能である。なお電源基板190Xの場合、近年では入手困難になってきているリード部品を実装しなければならないところ、電源ユニット190であれば、入手困難なリード部品を実装しなくて済むというメリットもある。
次に、電源ユニット190の配置について説明する。図8に示すように、電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されている。電源ユニット190よりも後方には、払出制御基板170が配置されていて、電源ユニット190と払出制御基板170とは、少なくとも一部が前後方向に重なっている。電源ユニット190と払出制御基板170とは、遊技盤1の後方に設けられている透明の外側カバー25よりも、外側に配置されている。よって、払出制御基板170は、遊技盤1ではなく、遊技機枠2(内枠21)に設けられている「枠側基板」ということができる。なお払出制御基板170は、払出制御用マイコン171の視認性を妨げない基板ケース170Aに収容されている。
一方、遊技制御基板100や、上述した演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技盤1の外側カバー25の内部に配置されている。そのため、遊技制御基板100、演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技機枠2ではなく、遊技盤1に設けられている「盤側基板」ということができる。なお遊技制御基板100は、遊技制御用マイコン101の視認性を妨げない基板ケース100Aに収容されている。
こうして、電源ユニット190と払出制御基板170は、遊技盤1よりも外側で、内枠21の後方の下側にて近い距離に配置されている。特に、払出制御基板170は、電源ユニット190に対して一部が前後方向に重なるように配置されているため、配線の接続がし易い位置関係にある。そのため、電源ユニット190と払出制御基板170は、後述するハーネスHN3(図12参照)で接続されている。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、電源ユニット190から先ず払出制御基板170に供給されるようになっている。
ここで電源ユニット190は、図8に示すように、払出制御基板170の直ぐ前方に配置されていて、ほとんどが露出されないようになっている。即ち、パチンコ遊技機PY1を裏側から見たときに、電源ユニット190は払出制御基板170よりも奥に(前方に)隠れて配置されていて、ほとんど視認できないようになっている。従って、電源ユニット190にとっては、直ぐ後方に配置されている払出制御基板170を除き、その他の制御基板とは配線の接続がし難くなっている。
よって本形態では、電源ユニット190と遊技制御基板100とをハーネスで直接接続しないで、払出制御基板170と遊技制御基板100とを、後述するハーネスHN4(図12参照)で接続している。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、電源ユニット190から払出制御基板170に供給された後、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給される。こうして、配線の取り回しを簡易にしつつ、遊技制御基板100にDC5Vの電力を供給することが可能である。
要するに従来では、一般的に、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、払出制御基板170に向かう方と、遊技制御基板100の方に向かう方とに分岐していた。しかしながらこの方法の場合、電源ユニット190が払出制御基板170よりも前方にて隠れるように配置されていると、電源ユニット190と遊技制御基板100との接続がし難い。そこで本形態では、配線の取り回しを簡易にするために、盤側基板である遊技制御基板100は、枠側基板である払出制御基板170を介して、電源ユニット190に接続されている。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、一旦払出制御基板170を介してから、遊技制御基板100に供給されることになり、新しい電力の供給関係が構築されている。
ここで電源ユニット190を小さく構成できる場合のメリットについて説明する。図8に示すように、電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されている。そして図8に示す電源ユニット190であれば、コンパクト化によって、図9に示す電源基板190Xよりも上下方向の長さを短くすることができる。これにより、上下方向の長さが短い電源ユニット190を、パチンコ遊技機PY1の裏側の下側に配置することができる。
ところで、電源ユニット190の前方は、前扉23の下側部分である。前扉23の下側部分は、打球供給皿34(上皿)、下皿35、入力部40k(演出ボタン)、セレクトボタン42k等を備える操作機構部210(図1参照)になっている。よって、上述したように、上下方向の長さが短い電源ユニット190を、パチンコ遊技機PY1の裏側の下側に配置すると、操作機構部210の上下方向の長さを短くして、操作機構部210の上端位置を低くすることができる。これにより、遊技盤1(図4参照)を下側に拡大して、遊技領域6の下端位置を低くすることが可能である。その結果、遊技領域6の拡大により、遊技興趣を向上させることができるというメリットがある。
4.電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間の電気回路
次に、本形態の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DK1について説明する。但し本形態の電気回路DK1を説明する前に、比較例の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DKXについて、図10に基づいて説明する。
図10に示すように、比較例では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN1で接続されている。ハーネスHN1の一端部にあるコネクタCN1は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN1の他端部にあるコネクタCN2は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN1には、電源ユニット190からのDC5V(特定電圧)の電力(以下「通常電源」とも呼ぶ)を供給するための配線h1と、グランド線となる配線h2とが設けられている。なおハーネスHN1には、配線h1及び配線h2以外に、例えば電源ユニット190からのDC12Vの電力を供給するための配線等が設けられているが、それらの説明については省略する。
払出制御基板170において、コネクタCN2と分岐部分j1との間に電力ラインa1(特定電力ライン)がある。電力ラインa1は、コネクタCN2を介して、ハーネスHN1の配線h1に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインa2がある。電力ラインa2は、コネクタCN2を介して、ハーネスHN1の配線h2に接続されている。
電力ラインa1のうちコネクタCN2側に、フィルタ(ノイズ除去手段)NF1が接続されている。フィルタNF1は、2つのコイル(インダクタ)と1つのコンデンサとから構成されていて、所謂3素子型のローパスフィルタである。フィルタNF1において、2つのコイルは電力ラインa1に対して直列的に接続されている。また1つのコイルは、電力ラインa1に対して並列的に接続されている。つまりコンデンサの一方側は電力ラインa1に接続され、コンデンサの他方側はグランドGに接続されている。このフィルタNF1は、電力ラインa1にて供給されるDC5Vの電力から高周波ノイズを除去するものである。
また電力ラインa1のうちフィルタNF1よりも分岐部分j1側には、コンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1は、静電容量が比較的大きい(例えば静電容量が470μFである)電解コンデンサである。なお電解コンデンサは、電解液によって酸化した金属を陽極とし、金属の表面に形成された被膜を誘電体とし、電解液を陰極としたコンデンサである。このコンデンサCA1は、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップしないようにするものである。
また電力ラインa1のうちコンデンサCA1よりも分岐部分j1側には、コンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2は、コンデンサCA1よりも静電容量が小さい(例えば静電容量が0.1μFである)セラミックコンデンサである。なおセラミックコンデンサは、セラミック(金属酸化物焼結体)を誘電体としたコンデンサである。このコンデンサCA2は、電力ラインa1にて通常電源から高周波ノイズを除去するものである。
分岐部分j1から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインc1(第1分岐電力ライン)があり、電力ラインc1は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源(電源ユニット190からのDC5Vの電力)は、配線h1と電力ラインa1と電力ラインc1とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN2で接続されている。ハーネスHN2の一端部にあるコネクタCN3は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN2の他端部にあるコネクタCN4は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN2には、通常電源を供給するための配線h3と、後述するバックアップ電源を供給するための配線h4とが設けられている。なおハーネスHN2には、配線h3及び配線h4以外に、例えば電源ユニット190からのDC12Vの電力を供給するための配線等が設けられているが、それらの説明については省略する。
払出制御基板170には、分岐部分j1からハーネスHN2の配線h3に向かう電力ラインb1があり、電力ラインb1のうち分岐部分j1側に抵抗T1が直列的に接続されている。抵抗T1は、分岐部分j1から抵抗T1へ向かう電流を抑えるものである。また電力ラインb1のうち抵抗T1よりもコネクタCN3側には、ダイオードDO1が接続されている。ダイオードDO1は、当該ダイオードDO1からコネクタCN3側へ向かう電流の流れを許容する一方、当該ダイオードDO1から分岐部分j1側へ向かう電流の流れを規制するものである。このダイオードDO1により、後述するコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1から分岐部分j1へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインb1のうちダイオードDO1よりもコネクタCN3側には、コンデンサCA3が並列的に接続されている。コンデンサCA3は、定格電圧が5.5Vであり、コンデンサCA1,CA2よりも静電容量が非常に大きい(例えば静電容量が0.33Fである)電気2重層コンデンサである。なお電気2重層コンデンサは、活性炭と電解液の界面に発生する電気2重層を動作原理とするコンデンサである。このコンデンサCA3は、電断時に電源ユニット190から通常電源が払出制御基板170のVc端子に供給されなくなると、蓄えている電荷を放出する。これにより、後述する払出制御用マイコン171のVb端子、及び後述する遊技制御用マイコン101のVb端子にDC5Vの電力(以下「バックアップ電源」ともいう)を供給することが可能である。
また電力ラインb1のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN3側には、コンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4は、上述したコンデンサCA2と同様のセラミックコンデンサである。このコンデンサCA4により、電力ラインb1にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインb1のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN3側には、分岐部分j2がある。そして、分岐部分j2から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインb2があり、電力ラインb2は、払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源が、電力ラインb1と電力ラインb2とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、電断時であっても、バックアップ電源に基づいて作動することが可能である。つまり、払出用RAM174に記憶されている払い出しに係る情報が、消去されるのを防ぐことが可能である。
また電力ラインb1は、コネクタCN3を介して配線h3に接続されている。配線h3は、コネクタCN4を介して遊技制御基板100の電力ラインd1に接続されている。電力ラインd1は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源が、電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、電断時であっても、バックアップ電源に基づいて作動することが可能である。つまり、遊技用RAM104に記憶されている遊技に係る情報が、消去されるのを防ぐことが可能である。なお電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とが、「第2分岐電力ライン」に相当する。
また払出制御基板170には、分岐部分j1から延びる電力ラインc2があり、電力ラインc2は、コネクタCN3を介して配線h4に接続されている。配線h4は、コネクタCN4を介して遊技制御基板100の電力ラインd2に接続されている。電力ラインd2は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより、電源ユニット190からDC5Vの電力は、配線h1と電力ラインa1と電力ラインc2と配線h4と電力ラインd2とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、通常時、通常電源(電源ユニット190からのDC5Vの電力)に基づいて作動することが可能である。
以上、比較例の電気回路DKXによれば、図10に示すように、払出制御基板170において、分岐部分j1から延びる電力ラインc1により、通常電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。また分岐部分j1から延びる電力ラインb1により、通常電源をコンデンサCA3に供給して、コンデンサCA3に電荷を貯めておくことが可能である。そして電断時には、分岐部分j1から延びる電力ラインb1と電力ラインb2とにより、バックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。こうして、電力ラインc1と、電力ラインb1及び電力ラインb2との分岐を利用することで、シンプルな回路構成で、払出制御用マイコン171に通常電源とバックアップ電源とを供給することが可能である。
また比較例の電気回路DKXによれば、電断時に、払出制御基板170に設けられているコンデンサCA3は、バックアップ電源を、電力ラインb1と電力ラインb2とを介して払出制御用マイコン171に供給可能であると共に、電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とを介して遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給可能である。即ち、電源基板にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサを設けなくても、バックアップ電源を払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給することができる。従って、電源基板190X(図9参照)に替えて電源ユニット190(図8参照)を用いることができて、新しいバックアップ電源の供給関係を構築することが可能である。
ところで、比較例の電気回路DKXでは、以下の問題点がある。先ず、払出制御基板170を含めて各種制御基板(電子回路基板)においては、製作工程でインサーキット検査が行われるようになっている。インサーキット検査は、基板に電子部品が実装された状態で、インサーキットテスタを用いて、個々の電子部品に信号を送信し、部品点数(抵抗の値、キャパシタの値、インダクタンスの値)に間違いがないか、半田付けのオープンやショートがないか、リードの浮きがないか、ICの動作不良がないかを検査するものである。インサーキット検査は、基板にCPUやワンチップマイコンが取り外された状態で行われる。インサーキット検査が終了すると、基板にCPUやワンチップマイコンを実装して、ファンクションテストが行われるようになっている。なおファンクションテストは、実際に制御基板を動作させて、電子回路基板全体として出力が仕様を満たすか否かを検査するものである。
ここで、図11に示すように、比較例のインサーキット検査時には、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続されて、インサーキットテスタINCから電力が、電力ラインa1と電力ラインb1とを介して、コンデンサCA3に供給される。これにより、コンデンサCA3は電荷を蓄えることになる。しかしながら一旦、コンデンサCA3に蓄えられた電荷はすぐには放出されない。そのため、インサーキット検査が終了した後、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装すると、コンデンサCA3に残った電荷が払出制御用マイコン171に作用し得る。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じるおそれがある。
以上要するに、払出制御基板170にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を搭載した結果、インサーキット検査で残った電荷により、払出制御用マイコン171に不具合が生じるおそれがあった。特にコンデンサCA3は、大きな電荷を蓄えることができる反面、電荷を放出するのに比較的長い時間がかかる電気2重層コンデンサである。よって、コンデンサCA3に電荷が残り易くなり、上述したように払出制御用マイコン171に動作不良が生じるおそれがあった。
そこで本形態の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DK1は、図12に示すように構成されている。なお図12に示す本形態の電気回路DK1において、図10に示す比較例の電気回路DKXの構成と共通する部分については、説明を適宜省略する。
図12に示すように、本形態では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN3で接続されている。ハーネスHN3の一端部にあるコネクタCN5は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN3の他端部にあるコネクタCN6は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN3には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H1と、通常電源と異なるDC5Vの電力を供給するための配線H2と、グランド線となる配線H3とが設けられている。
払出制御基板170において、電力ラインA1と電力ラインA2とが並列的に設けられている。電力ラインA1は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H1に接続されている。これにより、電力ラインA1には、通常電源が配線H1を介して供給される。電力ラインA2は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H2に接続されている。これにより、電力ラインA2には、通常電源と異なるDC5Vの電力が配線H2を介して供給される。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA3がある。電力ラインA3は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H3に接続されている。
電力ラインA1のうちコネクタCN6側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。このフィルタNF1により、電力ラインA1にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。また電力ラインA1のうちフィルタNF1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1により、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップするのを防ぐことが可能である。また電力ラインA1のうちコンデンサCA1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2により、電力ラインA1にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA1には、分岐部分J1から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC1があり、電力ラインC1は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H1と電力ラインA1と電力ラインC1とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常電源に基づいて作動することが可能である。なお電力ラインA1と電力ラインC1とが、「第1特定電力ライン」に相当する。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN4で接続されている。ハーネスHN4の一端部にあるコネクタCN7は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN4の他端部にあるコネクタCN8は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN4には、通常電源を供給するための配線H4と、バックアップ電源を供給するための配線H5とが設けられている。
電力ラインA1は、コネクタCN7を介して配線H4に接続されている。配線H4は、コネクタCN8を介して遊技制御基板100の電力ラインD1に接続されている。電力ラインD1は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H1と電力ラインA1と配線H4と電力ラインD1とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、通常電源に基づいて作動することが可能である。
電力ラインA2のうちコネクタCN6側には、フィルタNF2が接続されている。フィルタNF2は、上述したフィルタNF1と同様のものである。このフィルタNF2により、電源ユニット190から供給されるDC5Vの電力(以下「充電用電力」ともいう)から高周波ノイズを除去することが可能である。なお充電用電力は、通常電源と同じDC5Vの電力であるが、あくまでコンデンサCA3に電荷を蓄えるための電力である。また電力ラインA2のうちフィルタNF2よりもコネクタCN7側には、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。この抵抗T1により、電力ラインA2で供給される充電用電力の電流を抑えることが可能である。また電力ラインA2のうち抵抗T1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。このダイオードDO1により、コンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1からコネクタCN6側へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA2のうちダイオードDO1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA2のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN6側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4により、電力ラインA2にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA2のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN7側には、分岐部分J2がある。この分岐部分J2から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインB1と、コネクタCN7に向かう電力ラインB2とがある。電力ラインB1は、払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA2と電力ラインB1とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。なお電力ラインA2と電力ラインB1とが、「第2特定電力ライン」に相当する。
また電力ラインB2は、コネクタCN7を介して配線H5に接続されている。配線H5は、コネクタCN8を介して遊技制御基板100の電力ラインD2に接続されている。電力ラインD2は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA2と電力ラインB2と配線H5と電力ラインD2とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給することが可能である。なお、コンデンサCA3とダイオードDO1と電力ラインA2と電力ラインB1と電力ラインB2とを含む部分が、本形態の「バックアップ電源回路179(図6参照)」に相当する。
以上、本形態の電気回路DK1によれば、図12に示すように、払出制御基板170において、電力ラインA1及び電力ラインC1(第1特定電力ライン)と、電力ラインA2及び電力ラインB1(第2特定電力ライン)とが、分離した状態で払出制御用マイコン171に向かってそれぞれ延びている。そのため、電力ラインA1により、通常電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。また電力ラインA2により、充電用電力をコンデンサCA3に供給して、コンデンサCA3に電荷を貯めておくことが可能である。そして電断時には、電力ラインA2と電力ラインB1とにより、バックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。
ここで本形態のインサーキット検査時においては、図13に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA1には電力を供給するものの、電力ラインA2及び電力ラインB1には電力を供給しないように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷を蓄えることなく、インサーキット検査を行うことが可能である。そのため、インサーキット検査が終了した後に、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装しても、コンデンサCA3に残った電荷が払出制御用マイコン171に作用するという事態を防ぐことが可能である。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を回避することが可能である。なお本形態のその他の作用効果は、上述した比較例の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図14に示す通りである。図14に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図14に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図15(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図15(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図16(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図17参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図16(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図16(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図18参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図18参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1によれば、図12に示すように、電源ユニット190から遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に通常電源が供給されていないときに(電断時に)、払出制御基板170に設けられているコンデンサCA3が、遊技制御基板100に設けられている遊技制御用マイコン101にバックアップ電源を供給可能である。よって、バックアップ電源の供給源が払出制御基板170であり、バックアップ電源の供給先が遊技制御基板100であるというバックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図12に示すように、払出制御基板170に設けられているコンデンサCA3により、バックアップ電源を払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101の両方に供給することが可能である。よって、電源ユニット190には設けられていないコンデンサCA3(バックアップ電源供給手段)で、複数の制御基板の制御手段(払出制御用マイコン171、遊技制御用マイコン101)に対してバックアップ電源を供給することが可能であり、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図13に示すように、払出制御基板170に対するインサーキット検査時に、電力ラインA2に電力を供給しないことで、コンデンサCA3に電荷を貯めないようにすることが可能である。これにより、インサーキット検査後に払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装したときに、コンデンサCA3に残った電荷が払出制御用マイコン171に作用するのを回避して、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3が、電気2重層コンデンサであるため、電荷を多く蓄えることができる反面、インサーキット検査後に電荷が残り易い。そこで上述したように、払出制御基板170に対するインサーキット検査時に、電力ラインA2に電力を供給しないことで、コンデンサCA3に電荷が残る事態を防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、払出制御基板170にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3が設けられているため、電力供給部としての電源ユニット190にバックアップ電源供給手段を設ける必要がない。そのため、電力供給部を、コンデンサCA3が搭載された特注品の電源基板190X(図9参照)として構成する必要がなく、表面実装部品を実装可能な汎用品のモジュールである電源ユニット190として構成することが可能である。その結果、モジュールである電源ユニット190を、基板である電源基板190Xに比べて、コンパクトに構成することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技機枠2に設けられている電源ユニット190は、DC5Vの電力(通常電源)を、遊技機枠2に設けられている払出制御基板170に供給する。その上で、払出制御基板170は、供給されたDC5Vの電力を、遊技盤1に設けられている遊技制御基板100に供給する。こうして遊技制御基板100は、DC5Vの電力を、電源ユニット190から直接供給されるわけではなく、払出制御基板170を介して供給されるため、電力の新しい供給関係を構築することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に電源ユニット190からDC5Vの電力が供給されていないとき(電断時)には、払出制御基板170に設けられているコンデンサCA3から、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101にバックアップ電源が供給される。こうして、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を電源ユニット190に設けずに、バックアップ電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給することが可能である。なお本形態のその他の作用効果は、上述した比較例の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
次に、第2形態の電気回路DK2について説明する。上記第1形態では、図12に示すように、コンデンサCA3からバックアップ電源が、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、再び払出制御基板170に戻って供給されることはない。これに対して第2形態では、図19に示すように、コンデンサCA3からバックアップ電源が、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、再び払出制御基板170に戻って供給されるように構成されている。
図19に示すように、第2形態の電気回路DK2では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN5で接続されている。ハーネスHN5の一端部にあるコネクタCN9は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN5の他端部にあるコネクタCN10は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN5には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H11と、グランド線となる配線H12とが設けられている。
払出制御基板170において、コネクタCN10と分岐部分J3との間に電力ラインA11(特定電力ライン)がある。電力ラインA11は、コネクタCN10を介して、ハーネスHN5の配線H11に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA14がある。電力ラインA14は、コネクタCN10を介して、ハーネスHN5の配線H12に接続されている。
電力ラインA11のうちコネクタCN10側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。このフィルタNF1により、電力ラインA11にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。また電力ラインA11のうちフィルタNF1よりも分岐部分J3側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1により、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップするのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA11のうちコンデンサCA1よりも分岐部分J3側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2により、電力ラインA11にて通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。分岐部分J3から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC11(第1特定電力ライン)があり、電力ラインC11は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H11と電力ラインA11と電力ラインC11とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN6で接続されている。ハーネスHN6の一端部にあるコネクタCN11は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN6の他端部にあるコネクタCN12は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN6には、バックアップ電源を遊技制御基板100から払出制御基板170に供給するための配線H16と、バックアップ電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H14と、通常電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H15とが設けられている。
払出制御基板170には、分岐部分J3からハーネスHN6の配線H14に向かう電力ラインA12(第2特定電力ライン)があり、電力ラインA12のうち分岐部分J3側に、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。この抵抗T1により、分岐部分J3から抵抗T1へ向かう電流を抑えることが可能である。また電力ラインA12のうち抵抗T1よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。このダイオードDO1により、後述するコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1から分岐部分J3へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA12のうちダイオードDO1よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時には、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA12のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4により、電力ラインA12にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA12は、コネクタCN11を介して配線H14に接続されている。配線H14は、コネクタCN12を介して遊技制御基板100の電力ラインD11に接続されている。電力ラインD11は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA12と配線H14と電力ラインD11とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給することが可能である。
払出制御基板170には、分岐部分J3からハーネスHN6の配線H15に向かう電力ラインA13がある。電力ラインA13は、コネクタCN11を介して配線H15に接続されている。配線H15は、コネクタCN12を介して遊技制御基板100の電力ラインD12に接続されている。電力ラインD12は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源を、配線H11と電力ラインA11と電力ラインA13と配線H15と電力ラインD12とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給することが可能である。
第2形態の電気回路DK2では、遊技制御基板100の電力ラインD11の分岐部分J4から電力ラインD13が分岐している。電力ラインD13は、コネクタCN12を介して配線H16に接続されている。従って、図19に示すように、払出制御基板170と遊技制御基板100とをハーネスHN6で接続している状態に限り、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA12と配線H14と電力ラインD11と電力ラインD13と配線H16と電力ラインB11とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。つまり、バックアップ電源は、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、遊技制御基板100から払出制御基板170へ戻って供給されることで、払出制御用マイコン171のVb端子に供給されるようになっている。
ここで第2形態のインサーキット検査時においては、図20に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA11及び電力ラインA12に電力を供給するように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷が蓄えられつつ、インサーキット検査が行われる。そして、インサーキット検査が終了した後に、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装する。しかしながらこのときには、払出制御基板170は、ハーネスHN6(図19参照)を介して遊技制御基板100に接続されていない状態である。
従って、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が、払出制御基板170から遊技制御基板100を介して払出制御基板170に戻ってくることはなく、払出制御用マイコン171に作用することはない。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を防ぐことが可能である。なおパチンコ遊技機PY1全体の組付け時に、払出制御基板170と遊技制御基板100とをハーネスHN6で接続する段階では、コンデンサCA3に電荷は残っていないため、払出制御用マイコン171に動作不良が生じることはない。
以上詳細に説明したように、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図19に示すように、払出制御基板170(特定制御基板)に設けられているコンデンサCA3は、バックアップ電源を遊技制御基板100(他の基板)に供給可能であると共に、当該払出制御基板170の払出制御用マイコン171(特定制御手段)に供給可能である。よって、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサを電力供給部(電源基板、電源ユニット)に設けることなく、2つの制御基板に対してバックアップ電源を供給することができて、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、払出制御基板170に対して遊技制御基板100を取り外すと、バックアップ電源が、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給されなくなる。更に、バックアップ電源が払出制御基板170から遊技制御基板100を介して当該払出制御基板170に戻って供給されないため、バックアップ電源が、払出制御用マイコン171にも供給されなくなる。よって、遊技制御基板100を取り外すと同時に、遊技制御用マイコン101及び払出制御用マイコン171を初期化することが可能である。つまり、遊技制御基板100を取り外して、遊技に係る制御が停止している(遊技用RAM104では遊技に係る情報がクリアされている)にも拘わらず、払出用RAM174で払い出しに係る情報が残って記憶されている状態を防ぐことが可能である。その結果、遊技制御用マイコン101と払出制御用マイコン171が通常電源によって再び動作するときには、共に初期化されている状態から動作を開始することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図20に示すように、インサーキット検査時には、電力ラインA11と電力ラインA12とにより、DC5Vの電力が供給されて、コンデンサCA3に電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサCA3に電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、払出制御基板170に払出制御用マイコン171を実装するときに、払出制御基板170と遊技制御基板100とを接続しないようにしておく。これにより、コンデンサCA3に残った電荷が、払出制御用マイコン171に作用するのを防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。なお第2形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
<第3形態>
次に、第3形態の電気回路DK3について説明する。上記第1形態では、図12に示すように、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給可能な導通状態と供給不能な非導通状態とを切替不能であった。これに対して第3形態では、図21に示すように、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給可能な導通状態と供給不能な非導通状態とを切替可能なスイッチSW1が設けられている。
図21に示すように、第3形態の電気回路DK3では、電源ユニット190と払出制御基板170(特定制御基板)とが、ハーネスHN7で接続されている。ハーネスHN7の一端部にあるコネクタCN13は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN7の他端部にあるコネクタCN14は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN7には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H21と、グランド線となる配線H22とが設けられている。
払出制御基板170において、コネクタCN14と分岐部分J5との間に電力ラインA21がある。電力ラインA21は、コネクタCN14を介して、ハーネスHN7の配線H21に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA13がある。電力ラインA13は、コネクタCN14を介して、ハーネスHN7の配線H22に接続されている。
電力ラインA21のうちコネクタCN14側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。また電力ラインA21のうちフィルタNF1よりも分岐部分J5側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。また電力ラインA11のうちコンデンサCA1よりも分岐部分J5側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。分岐部分J5から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC21があり、電力ラインC21は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H21と電力ラインA21と電力ラインC21とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171(特定制御手段)は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。なお電力ラインA21が「特定電力ライン」に相当し、電力ラインC21が「通常電力ライン」に相当する。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN8で接続されている。ハーネスHN8の一端部にあるコネクタCN15は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN8の他端部にあるコネクタCN16は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN8には、バックアップ電源を遊技制御基板100から払出制御基板170に供給するための配線H24と、通常電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H25とが設けられている。
払出制御基板170には、分岐部分J5からハーネスHN8の配線H24に向かう電力ラインA22があり、電力ラインA22のうち分岐部分J5側に、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。また電力ラインA22のうち抵抗T1よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。
また電力ラインA22のうちダイオードDO1よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時には、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA22のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。
また電力ラインA22のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN15側には、分岐部分J6がある。分岐部分J6から払出制御用マイコン171のVb端子に向かって電力ラインA23が延びていて、電力ラインA23は払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。但し第3形態では、電力ラインA23は、スイッチSW1が設けられている。スイッチSW1(切替手段)は、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給可能な導通状態(第1状態)と、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態(第2状態)とを切替えるものである。
このスイッチSW1は、手動操作によって、導通状態又は非導通状態を切替可能なトグルスイッチで構成されている。但し、電力ラインA23の導通状態又は非導通状態を切替可能な切替手段は、トグルスイッチのような機械(メカ)的なスイッチSW1に限られるものではない。例えば、MOSFET等の半導体素子を用いた電子制御的なものであっても良く、適宜変更可能である。なお電力ラインA22と電力ラインA23とが、「バックアップ電力ライン」に相当する。
こうして第3形態のパチンコ遊技機PY1が遊技場に設定されている状態では、図21に示すように、スイッチSW1は導通状態になっている。そのため電断時には、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が放出されて、バックアップ電源を電力ラインA22と電力ラインA23とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。
また電力ラインA22は、コネクタCN15を介して配線H24に接続されている。配線H24は、コネクタCN16を介して遊技制御基板100(他の制御基板)の電力ラインD21に接続されている。電力ラインD21は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA22と配線H24と電力ラインD21とを介して、遊技制御用マイコン101(他の制御手段)のVb端子に供給することが可能である。
払出制御基板170には、分岐部分J5からハーネスHN8の配線H25に向かう電力ラインC22がある。電力ラインC22は、コネクタCN15を介して配線H25に接続されている。配線H25は、コネクタCN16を介して遊技制御基板100の電力ラインD22に接続されている。電力ラインD22は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源を、配線H21と電力ラインA21と電力ラインA22と配線H25と電力ラインD22とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給することが可能である。
ここで第3形態のインサーキット検査時においては、図22に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA21及び電力ラインA22に電力を供給するように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷が蓄えられつつ、インサーキット検査が行われる。そして、インサーキット検査が終了した後、スイッチSW1を操作して、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態(図22参照)にする。なおインサーキット検査を行う前から、スイッチSW1を非導通状態にしておいても良い。
こうして、スイッチSW1を非導通状態にしたまま、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装する。これにより、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が、電力ラインA23を介して払出制御用マイコン171に作用することはない。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を防ぐことが可能である。なおパチンコ遊技機PY1全体の組付け前には、スイッチSW1を操作して、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給可能な導通状態(図21参照)にしておく。電断時にバックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給できるようにしておくためである。
以上詳細に説明したように、第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、スイッチSW1において、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態にする。これにより、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給不能になる。よって、意図しないでバックアップ電源が払出制御用マイコン171に供給されてしまう事態を防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
また第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図22に示すように、インサーキット検査時には、電力ラインA22によりDC5Vの電力が供給されて、コンデンサCA3に電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサCA3に電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、払出制御基板170に払出制御用マイコン171を実装するときに、スイッチSW1において、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態にしておく。これにより、コンデンサCA3に残った電荷が、払出制御用マイコン171に作用するのを防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。なお第3形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
<第4形態>
次に、第4形態の電気回路DK4について説明する。上記第1形態では、図12に示すように、払出制御基板170にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられていた。これに対して、第4形態では、図23に示すように、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられている。
図23に示す第4形態の電気回路DK4と、図12に示す第1形態の電気回路DK1とでは、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけである。従って、電源ユニット190からの通常電源は、先ず遊技制御基板100に供給される。その後、遊技制御基板100に供給された通常電源は、払出制御基板170に供給される。また電断時において、遊技制御用マイコン101に通常電源が供給されなくなると、遊技制御基板100に設けられたコンデンサCA3が、遊技制御用マイコン101にバックアップ電源を供給すると共に、払出制御基板170の払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給するようになっている。第4形態の作用効果は、第1形態の作用効果に対して、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけであるため、説明を省略する。
<第5形態>
次に、第5形態の電気回路DK5について説明する。上記第2形態では、図19に示すように、払出制御基板170にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられていた。これに対して、第5形態では、図24に示すように、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられている。
図24に示す第5形態の電気回路DK5と、図19に示す第2形態の電気回路DK2とでは、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけである。従って、電源ユニット190からの通常電源は、先ず遊技制御基板100に供給される。その後、遊技制御基板100に供給された通常電源は、払出制御基板170に供給される。また電断時において、遊技制御用マイコン101に通常電源が供給されなくなると、遊技制御基板100に設けられたコンデンサCA3が、遊技制御用マイコン101にバックアップ電源を供給すると共に、払出制御基板170の払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給するようになっている。第5形態の作用効果は、第2形態の作用効果に対して、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけであるため、説明を省略する。
<第6形態>
次に、第6形態の電気回路DK6について説明する。上記第3形態では、図21に示すように、払出制御基板170にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられていた。これに対して、第6形態では、図25に示すように、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられている。
図25に示す第6形態の電気回路DK5と、図21に示す第3形態の電気回路DK3とでは、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけである。従って、電源ユニット190からの通常電源は、先ず遊技制御基板100に供給される。その後、遊技制御基板100に供給された通常電源は、払出制御基板170に供給される。また電断時において、遊技制御用マイコン101に通常電源が供給されなくなると、遊技制御基板100に設けられたコンデンサCA3が、遊技制御用マイコン101にバックアップ電源を供給すると共に、払出制御基板170の払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給するようになっている。第6形態の作用効果は、第3形態の作用効果に対して、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係を逆にしただけであるため、説明を省略する。
<第7形態>
次に、第7形態の電気回路DK7について説明する。上記第1形態では、図12に示すように、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介して遊技制御基板100に供給されるように構成されていた。これに対して、第7形態では、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介さずに直接、遊技制御基板100に供給されるように構成されている。
図26に示す電気回路DK7において、電源ユニット190と遊技制御基板100とは、ハーネスHN9を介して接続されている。ハーネスHN9の一端部にあるコネクタCN17は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN9の他端部にあるコネクタCN18は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN9には、電源ユニット190からの通常電源(DC5Vの電力)を供給するための配線H6がある。配線H6は、コネクタCN18を介して、遊技制御基板100に設けられている電力ラインD1に接続されていて、電力ラインD1は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。
こうして第7形態の電気回路DK7では、電源ユニット190から通常電源が、払出制御基板170を介さずに、配線H6と電力ラインD1を介して、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給される。なおバックアップ電源は、上記第1形態と同様に、払出制御基板170から遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101のVb端子に供給される。この第7形態では、基板の配置上、遊技制御基板100と電源ユニット190とを接続する方が、遊技制御基板100と払出制御基板170とを接続する場合よりも、接続し易い場合(接続し易い位置関係にある場合)に、第1形態よりも好適に実施することが可能である。第7形態のその他の作用効果は、上述した第1形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。
<第8形態>
次に、第8形態の電気回路DK8について説明する。上記第2形態では、図19に示すように、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介して遊技制御基板100に供給されるように構成されていた。これに対して、第8形態では、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介さずに直接、遊技制御基板100に供給されるように構成されている。
図27に示す電気回路DK8において、電源ユニット190と遊技制御基板100とは、ハーネスHN10を介して接続されている。ハーネスHN10の一端部にあるコネクタCN19は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN10の他端部にあるコネクタCN19は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN10には、電源ユニット190からの通常電源(DC5Vの電力)を供給するための配線H17がある。配線H17は、コネクタCN20を介して、遊技制御基板100に設けられている電力ラインD12に接続されていて、電力ラインD12は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。
こうして第8形態の電気回路DK8では、電源ユニット190から通常電源が、払出制御基板170を介さずに、配線H17と電力ラインD12を介して、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給される。なおバックアップ電源は、上記第2形態と同様に、払出制御基板170から遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101のVb端子に供給される。この第8形態では、基板の配置上、遊技制御基板100と電源ユニット190とを接続する方が、遊技制御基板100と払出制御基板170とを接続する場合よりも、接続し易い場合(接続し易い位置関係にある場合)に、第2形態よりも好適に実施することが可能である。第8形態のその他の作用効果は、上述した第2形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。
<第9形態>
次に、第9形態の電気回路DK9について説明する。上記第3形態では、図21に示すように、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介して遊技制御基板100に供給されるように構成されていた。これに対して、第9形態では、通常電源は、電源ユニット190から払出制御基板170を介さずに直接、遊技制御基板100に供給されるように構成されている。
図28に示す電気回路DK9において、電源ユニット190と遊技制御基板100とは、ハーネスHN11を介して接続されている。ハーネスHN11の一端部にあるコネクタCN21は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN11の他端部にあるコネクタCN22は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN11には、電源ユニット190からの通常電源(DC5Vの電力)を供給するための配線H26がある。配線H26は、コネクタCN22を介して、遊技制御基板100に設けられている電力ラインD22に接続されていて、電力ラインD22は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。
こうして第9形態の電気回路DK9では、電源ユニット190から通常電源が、払出制御基板170を介さずに、配線H26と電力ラインD22を介して、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給される。なおバックアップ電源は、上記第3形態と同様に、払出制御基板170から遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101のVb端子に供給される。この第9形態では、基板の配置上、遊技制御基板100と電源ユニット190とを接続する方が、遊技制御基板100と払出制御基板170とを接続する場合よりも、接続し易い場合(接続し易い位置関係にある場合)に、第3形態よりも好適に実施することが可能である。第9形態のその他の作用効果は、上述した第3形態の作用効果と同様であるため、説明を省略する。
<その他の変形例>
上記第1〜第3形態、及び第7〜第9形態では、電源ユニット190から払出制御用マイコン171に通常電源が供給されていないときに、払出制御基板170のコンデンサCA3は、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101の両方にバックアップ電源を供給できるように構成されていた。しかしながら、払出制御基板170のコンデンサCA3は、払出制御用マイコン171又は遊技制御用マイコン101の何れか一方に、バックアップ電源を供給できるように構成しても良い。
また上記第4〜第6形態では、電源ユニット190から遊技制御用マイコン101に通常電源が供給されていないときに、遊技制御基板100のコンデンサCA3は、遊技制御用マイコン101と払出制御用マイコン171の両方にバックアップ電源を供給できるように構成されていた。しかしながら、遊技制御基板100のコンデンサCA3は、遊技制御用マイコン101又は払出制御用マイコン171の何れか一方に、バックアップ電源を供給できるように構成しても良い。
また上記各形態において、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3は、電気2重層コンデンサであった。しかしながら、バックアップ電源供給手段は、電気2重層コンデンサよりも静電容量が小さいコンデンサ(例えば電解コンデンサ)であっても良い。またバックアップ電源供給手段は、コンデンサ以外で例えば電池であっても良く、適宜変更可能である。但し、万一の発熱に基づく出火の可能性を考慮すると、電池よりもコンデンサの方が安全上好ましい。
また上記各形態において、外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部を、表面実装部品を実装可能な電源ユニット190(モジュール)として構成した。しかしながら、電力供給部を、表面実装部品を実装不能な電源基板として構成しても良い。なお電源ユニット190や電源基板は、遊技球(遊技媒体)の発射を制御する発射制御回路を一体的に組み込んでいるものであっても良い。
また上記各形態において、払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給される通常電源は、DC5V(特定電圧)の電力であった。しかしながら、その他の電圧に基づく電力としても良い。また払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給されるバックアップ電源は、DC5Vの電力であった。しかしながら、その他の電圧に基づく電力としても良い。
また上記各形態において、払出制御基板170又は遊技制御基板100に、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けた。しかしながら、払出制御基板170又は遊技制御基板100という遊技の結果に影響を及ぼす(及ぼすおそれがある)制御基板(主基板)以外に、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けても良い。つまり、演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けても良い。またこの場合に、バックアップ電源を供給する対象を、演出制御用マイコン121、画像用CPU141及び画像用RAM143等にしても良い。
また上記第3形態及び第9形態では、払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給可能な導通状態(第1状態)又は供給不能な非導通状態(第2状態)を切替可能なスイッチSW1(切替手段)を、払出制御基板170に設けた。また第6形態では、遊技制御用マイコン101にバックアップ電源を供給可能な導通状態又は供給不能な非導通状態を切替可能なスイッチSW1を、遊技制御基板100に設けた。しかしながら、払出制御基板170及び遊技制御基板100以外の制御基板に、当該制御基板に設けられている制御手段に対してバックアップ電源を供給可能な導通状態又は供給不能な非導通状態を切替可能な切替手段を設けても良い。
また上記第1〜第3形態、及び第7〜第9形態では、電源ユニット190は、DC5Vの電力(通常電源)を、枠側基板である払出制御基板170を介して、盤側基板である遊技制御基板100に供給した。しかしながら、枠側基板と盤側基板の関係は、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、電源ユニット190は、DC5Vの電力を、枠側基板である発射制御基板(発射制御回路175を実装している基板)を介して、盤側基板である演出制御基板120に供給するようにして良い。また電源ユニット190は、DC5Vの電力に限られず、例えばDC12Vの電力、DC18Vの電力、DC24Vの電力、DC37Vの電力を、枠側基板を介して盤側基板に供給するようにしても良い。なお枠側基板、盤側基板は、集積回路(IC)を実装していない中継基板であっても良い。
また上記各形態で説明した電気回路DK1〜DK9は、あくまで一例であって、適宜変更可能である。またシンプルな回路構成という観点により、図10に示す比較例の電気回路DKXを実施しても良い。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
また本明細書における「所定の制御条件の成立」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
第1制御手段(払出制御用マイコン171)を実装する第1制御基板(払出制御基板170)と、
第2制御手段(遊技制御用マイコン101)を実装する第2制御基板(遊技制御基板100)と、
外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部(電源ユニット190)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記第1制御基板は、前記電力供給部から前記第2制御手段に電力が供給されていないときに、前記第2制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段(コンデンサCA3)を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給部から第2制御基板の第2制御手段に電力が供給されていないときに、第1制御基板に設けられているバックアップ電源供給手段が、第2制御基板に設けられている第2制御手段にバックアップ電源を供給可能である。よって、バックアップ電源の供給源が第1制御基板であり、バックアップ電源の供給先が第2制御基板であるというバックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記バックアップ電源供給手段は、前記電力供給部から前記第1制御手段及び前記第2制御手段に電力が供給されていないときに、前記第1制御手段及び前記第2制御手段にバックアップ電源を供給可能である(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1制御基板に設けられているバックアップ電源供給手段により、バックアップ電源を第1制御手段及び第2制御手段の両方に供給することが可能である。よって、電力供給部に設けられていないバックアップ電源供給手段で、複数の制御基板の制御手段に対してバックアップ電源を供給することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記第1制御基板には、前記電力供給部から特定電圧(DC5V)の電力が供給される特定電力ライン(電力ラインa1)が設けられていて、
前記特定電力ラインには、分岐部分(j1)から前記第1制御手段に向かって延びる第1分岐電力ライン(電力ラインc1)と、前記分岐部分から前記第2制御手段に向かって延びる第2分岐電力ライン(電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1)と、が設けられていて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記第2分岐電力ラインに接続されているコンデンサ(CA3)である(図10参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常時には第1分岐電力ラインにより特定電圧の電力を第1制御手段に供給して、第1制御手段を作動させることが可能である。また、第2分岐電力ラインにより特定電圧の電力をコンデンサに供給して、コンデンサにバックアップ電源としての電荷を貯めておくことが可能である。そして電断時には、第2分岐電力ラインによりコンデンサからバックアップ電源を第2制御手段に供給することが可能である。こうして、分岐した電力ラインを利用することで、シンプルな回路構成で、第2制御手段にバックアップ電源を供給することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記第1制御基板には、前記電力供給部から特定電圧の電力が供給される第1特定電力ライン(電力ラインA1と電力ラインC1)及び第2特定電力ライン(電力ラインA2と電力ラインB1)が設けられていて、
前記第1特定電力ラインと前記第2特定電力ラインは、分離した状態で前記第1制御手段に向かってそれぞれ延びていて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記第2特定電力ラインに接続されているコンデンサ(CA3)である(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1制御基板に対するインサーキット検査時に、第2特定電力ラインに電力を供給しないことで、コンデンサに電荷を貯めないようにすることが可能である。これにより、インサーキット検査後に第1制御手段を第1制御基板に実装したときに、コンデンサに残った電荷が第1制御手段に作用するのを回避して、第1制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A4に記載の遊技機において、
前記コンデンサは、電気2重層コンデンサであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電気2重層コンデンサである場合、電荷を多く蓄えられる反面、インサーキット検査後に電荷が残り易い。そこで上述したように、第1制御基板に対するインサーキット検査時に、第2特定電力ラインに電力を供給しないことで、電気2重層コンデンサに電荷が残る事態を防ぐことが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A1乃至手段A5の何れかに記載の遊技機において、
前記電力供給部(電源ユニット190)は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1制御基板にバックアップ電源供給手段が設けられているため、電力供給部にバックアップ電源供給手段を設ける必要がない。そのため、電力供給部を、バックアップ電源供給手段が搭載された特注品の基板として構成する必要がなくて、表面実装部品を実装可能な汎用品のモジュールとして構成することが可能である。その結果、モジュールである電力供給部を、基板である電力供給部に比べて、コンパクトに構成することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、電源基板(電力供給部)にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段が設けられている。このバックアップ電源供給手段は、電断時に、払出制御用マイコンにバックアップ電源を供給可能であると共に、遊技制御用マイコンにバックアップ電源を供給可能である。しかしながら、バックアップ電源の供給源が電力供給部(例えば電源基板)であり、バックアップ電源の供給先が第1制御基板(例えば払出制御基板)及び第2制御基板(例えば遊技制御基板)という関係は常に同じであった。よって、バックアップ電源の供給関係には改善の余地があった。そこで上記した手段A1〜A6に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、第1制御基板は、電力供給部から第2制御手段に電力が供給されていないときに、第2制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段を備える点で相違している。これにより、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
特定制御手段(払出制御用マイコン171)を実装する特定制御基板(払出制御基板170)と、
前記特定制御基板と異なる他の基板(遊技制御基板100)と、
外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部(電源ユニット190)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記特定制御基板は、前記電力供給部から前記特定制御手段に電力が供給されていないときに、前記特定制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段(コンデンサCA3)を備え、
前記バックアップ電源供給手段は、バックアップ電源を前記他の基板に供給可能である(図19参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定制御基板に設けられているバックアップ電源供給手段は、バックアップ電源を、他の基板に供給可能であると共に当該特定制御基板の特定制御手段に供給可能である。よって、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記バックアップ電源供給手段は、
前記特定制御基板と前記他の基板とが接続されているときに、バックアップ電源を前記特定制御基板から前記他の基板を介して当該特定制御基板に供給することで、バックアップ電源を前記特定制御手段に供給可能である(図19参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定制御基板に対して他の基板を取り外すと、バックアップ電源が、特定制御基板から他の基板に供給されなくなる。更に、バックアップ電源が特定制御基板から払出制御基板を介して特定制御基板に供給されないため、バックアップ電源が特定制御手段に供給されなくなる。よって、他の基板を取り外すと同時に、特定制御手段を初期化することが可能である。つまり、他の基板を取り外しているにも拘わらず、特定制御手段が動作している状態を防ぐことが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記特定制御基板には、前記電力供給部から特定電圧(DC5V)の電力が供給される特定電力ライン(電力ラインA11)が設けられていて、
前記特定電力ラインの分岐部分(J3)から前記特定制御手段に向かって延びる第1特定電力ライン(電力ラインC11)と、前記分岐部分から前記他の基板に向かって延びる第2特定電力ライン(電力ラインA12)と、が設けられていて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記第2特定電力ラインに接続されているコンデンサ(CA3)である(図19参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、インサーキット検査時には、第2特定電力ラインにより特定電圧の電力が供給されて、コンデンサに電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサに電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、特定制御基板に特定制御手段を実装するときに、特定制御基板と他の基板とを接続しないようにしておく。これにより、コンデンサに残った電荷が、特定制御手段に作用するのを防ぐことが可能であり、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機において、
前記コンデンサは、電気2重層コンデンサであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電気2重層コンデンサである場合、電荷を多く蓄えられる反面、インサーキット検査後に電荷が残り易い。そこで上述したように、インサーキット検査後で、特定制御基板に特定制御手段を実装するときに、特定制御基板と他の基板とを接続手段で接続しないようにしておく。これにより、電気2重層コンデンサに残った電荷によって、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B1乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記電力供給部(電源ユニット190)は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定制御基板にバックアップ電源供給手段が設けられているため、電力供給部にバックアップ電源供給手段を設ける必要がない。そのため、電力供給部を、バックアップ電源供給手段が搭載された特注品の基板として構成する必要がなくて、表面実装部品を実装可能な汎用品のモジュールとして構成することが可能である。その結果、モジュールである電力供給部を、基板である電力供給部に比べて、コンパクトに構成することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、電源基板(電力供給部)にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段が設けられている。このバックアップ電源供給手段は、電断時に、払出制御用マイコンにバックアップ電源を供給可能であると共に、遊技制御用マイコンにバックアップ電源を供給可能である。しかしながら、バックアップ電源の供給源が電力供給部(例えば電源基板)であり、バックアップ電源の供給先が払出制御基板や遊技制御基板のような制御基板という関係は常に同じであった。よって、バックアップ電源の供給関係には改善の余地があった。そこで上記した手段B1〜B5に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、特定制御基板は、電力供給部から特定制御手段に電力が供給されていないときに、特定制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段を備え、バックアップ電源供給手段は、バックアップ電源を他の基板に供給可能である点で相違している。これにより、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
特定制御手段(払出制御用マイコン171)を実装する特定制御基板(払出制御基板170)と、
外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部(電源ユニット190)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記特定制御基板は、
前記電力供給部から前記特定制御手段に電力が供給されていないときに、前記特定制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段(コンデンサCA3)と、
前記バックアップ電源供給手段から前記特定制御手段にバックアップ電源を供給可能な第1状態(導通状態)と、前記バックアップ電源供給手段から前記特定制御手段にバックアップ電源を供給不能な第2状態(非導通状態)とを切替可能な切替手段(スイッチSW1)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、切替手段を第2状態にすることで、バックアップ電源供給手段から特定制御手段にバックアップ電源を供給不能になる。これにより、意図しないでバックアップ電源が特定制御手段に供給されてしまう事態を防ぐことが可能であり、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記特定制御基板には、前記電力供給部から特定電圧(DC5V)の電力が供給される特定電力ライン(電力ラインA21)が設けられていて、
前記特定電力ラインの分岐部分(J5)から前記特定制御手段に向かって延びる通常電力ライン(電力ラインC21)と、前記分岐部分から前記切替手段を介して前記特定制御手段に向かって延びるバックアップ電力ライン(電力ラインA22と電力ラインA23)と、が設けられていて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記バックアップ電力ラインのうち前記分岐部分と前記切替手段との間に接続されているコンデンサ(CA3)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、インサーキット検査時には、バックアップ電力ラインにより特定電圧の電力が供給されて、コンデンサに電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサに電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、特定制御基板に特定制御手段を実装するときに、切替手段を第2状態にしておく。これにより、コンデンサに残った電荷が、特定制御手段に作用するのを防ぐことが可能であり、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記コンデンサは、電気2重層コンデンサであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電気2重層コンデンサである場合、電荷を多く蓄えられる反面、インサーキット検査後に電荷が残り易い。そこで上述したように、インサーキット検査後で、特定制御基板に特定制御手段を実装するときに、切替手段を第2状態にしておく。これにより、電気2重層コンデンサに残った電荷によって、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C3の何れかに記載の遊技機において、
他の制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える他の制御基板(遊技制御基板100)を備え、
前記バックアップ電源供給手段は、前記電力供給部から前記特定制御手段に電力が供給されていないときに、前記特定制御手段及び前記他の制御手段にバックアップ電源を供給可能である(図21参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給部から特定制御基板の特定制御手段に電力が供給されていないときに、特定制御基板に設けられているバックアップ電源供給手段が、バックアップ電源を特定制御手段及び他の制御手段の両方に供給することが可能である。よって、1つの制御基板に設けられているバックアップ電源供給手段で、複数の制御基板の制御手段に対してバックアップ電源を供給することが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C1乃至手段C4の何れかに記載の遊技機において、
前記電力供給部(電源ユニット190)は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定制御基板にバックアップ電源供給手段が設けられているため、電力供給部にバックアップ電源供給手段を設ける必要がない。そのため、電力供給部を、バックアップ電源供給手段が搭載された特注品の基板として構成する必要がなくて、表面実装部品を実装可能な汎用品のモジュールとして構成することが可能である。そのため、モジュールである電力供給部を、基板である電力供給部に比べて、コンパクトに構成することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、電源基板(電力供給部)にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段が設けられている。バックアップ電源供給手段は、電断時に、払出制御用マイコンにバックアップ電源を供給可能である。ここで、バックアップ電源供給手段を、電力供給部以外に設けることが考えられる。しかしながら、特定制御手段(例えば払出制御手段)を実装する特定制御基板(例えば払出制御基板)に、バックアップ電源供給手段を実装しようとすると、意図しないでバックアップ電源が特定制御手段に供給されてしまい、特定制御手段に不具合が生じるおそれがある。そこで上記した手段C1〜C5に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、特定制御基板は、電力供給部から特定制御手段に電力が供給されていないときに、特定制御手段にバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段と、バックアップ電源供給手段から特定制御手段にバックアップ電源を供給可能な第1状態と、バックアップ電源から特定制御手段にバックアップ電源を供給不能な第2状態とを切替可能な切替手段と、を備えている点で相違している。これにより、特定制御手段に不具合が生じるのを防ぐことが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠22)と、前記基枠部の前面側に位置する前枠部(内枠21及び前扉23)とを含む遊技機枠(2)と、
前記遊技機枠の内部に配されている遊技盤(1)と、
前記遊技機枠に設けられていて外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部(電源ユニット190)と、
前記遊技機枠に設けられている枠側基板(払出制御基板170)と、
前記遊技盤に設けられている盤側基板(遊技制御基板100)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記電力供給部は、特定電圧(DC5V)の電力を前記枠側基板に供給可能であり、
前記枠側基板は、前記電力供給部から供給された前記特定電圧の電力を前記盤側基板に供給可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に設けられている電力供給部は、特定電圧の電力を遊技機枠に設けられている枠側基板に供給する。その上で、枠側基板は、供給された特定電圧の電力を遊技盤に設けられている盤側基板に供給する。こうして盤側基板は、特定電圧の電力を、電力供給部から直接供給されるわけではなく、枠側基板を介して供給されるため、電力の新しい供給関係を構築することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記枠側基板は、バックアップ電源を供給可能なバックアップ電源供給手段(コンデンサCA3)を備え、
前記盤側基板は、所定の制御手段(遊技制御用マイコン101)を実装していて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記電力供給部から前記制御手段に前記特定電圧の電力が供給されていないときに、前記制御手段にバックアップ電源を供給可能である(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、盤側基板の制御手段に電力供給部から特定電圧の電力が供給されていないときには、枠側基板に設けられているバックアップ電源供給手段から、盤側基板の制御手段にバックアップ電源が供給される。こうして、バックアップ電源供給手段を電力供給部に設けずに、バックアップ電源を枠側基板から盤側基板に供給することが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記枠側基板は、他の制御手段(払出制御用マイコン171)を実装していて、
前記バックアップ電源供給手段は、前記電力供給部から前記他の制御手段及び前記制御手段に前記特定電圧の電力が供給されていないときに、前記他の制御手段及び前記制御手段にバックアップ電源を供給可能である(図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給部に設けられているバックアップ電源供給手段ではなく、枠側基板に設けられているバックアップ電源供給手段によって、枠側基板の他の制御手段及び盤側基板の制御手段の両方に、バックアップ電源を供給することが可能である。こうして、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D2又は手段D3に記載の遊技機において、
前記電力供給部(電源ユニット190)は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、枠側基板にバックアップ電源供給手段が設けられているため、電力供給部にバックアップ電源供給手段を設ける必要がない。そのため、電力供給部を、バックアップ電源供給手段が搭載された特注品の基板として構成する必要がなくて、表面実装部品を実装可能な汎用品のモジュールとして構成することが可能である。その結果、モジュールである電力供給部を、基板である電力供給部に比べて、コンパクトに構成することが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D1乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
前記枠側基板は、遊技媒体(遊技球)の払い出しを制御可能な払出制御基板(170)であり、
前記盤側基板は、遊技の進行を制御可能な遊技制御基板(100)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給部からの特定電圧の電力が、遊技制御基板に直接供給されるわけではなく、払出制御基板を介して遊技制御基板に供給される。従って、配線の取り回しにおいて、電力供給部と遊技制御基板とを接続するよりも、払出制御基板と遊技制御基板とを接続した方が有利な場合には、好適に実施することが可能である。
ところで、特開2001−046683号公報に記載されているように、遊技機枠には、パチンコ遊技機の外部から供給される電源に基づいて、電力を供給可能な電力供給部(電源基板)が設けられている。電力供給部は、遊技機枠に設けられている枠側基板(例えば払出制御基板)と、遊技盤に設けられている盤側基板(例えば遊技制御基板)とに特定電圧(例えば5V電圧)の電力を供給可能である。ここで、ほとんどのパチンコ遊技機においては、電力供給部から特定電圧の電力が供給される電力ラインは、分岐してから枠側基板又は盤側基板に向かうようになっている。つまり、枠側基板にとっては特定電圧の電力を電力供給部から直接供給され、盤側基板にとっては特定電圧の電力を電力供給部から直接供給されるようになっている。しかしながらこのような電力の供給関係は既にあたりまえのものなっていて、枠側基板と盤側基板の配置によっては、電力の供給関係を改善した方が良い場合があった。そこで上記した手段D1〜D5に係る発明は、特開2001−046683号公報に記載の遊技機に対して、電力供給部は、特定電圧の電力を枠側基板に供給可能であり、枠側基板は、電力供給部から供給された特定電圧の電力を盤側基板に供給可能である点で相違している。これにより、電力の新しい供給関係を構築することが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
1…遊技盤
2…遊技機枠
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
170…払出制御基板
171…払出制御用マイコン
190…電源ユニット
CA3…コンデンサ
SW1…スイッチ

Claims (1)

  1. 枠状の基枠部と、前記基枠部の前面側に位置する前枠部とを含む遊技機枠と、
    前記遊技機枠の内部に配されている遊技盤と、
    前記遊技機枠に設けられていて外部から供給される電源に基づいて電力を供給可能な電力供給部と、を備え、
    前記電力供給部は、表面実装部品を実装可能なモジュールとして構成されていることを特徴とする遊技機。

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