1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
なお遊技機枠2において、外枠22を「基枠部」に相当するものと見れば、内枠21及び前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。また遊技機枠2において、外枠22及び内枠21を「基枠部」に相当するものと見れば、前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。
図1〜図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ620、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源ユニット190を備えている。電源ユニット190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
電源ユニット190(電力供給部)は、生成した電力を、先ず払出制御基板170に供給する。そして生成した電力を、払出制御基板170を介して遊技制御基板100と演出制御基板120に供給する。更に生成した電力を、払出制御基板170と遊技制御基板100と演出制御基板120を介してその他の機器に対して供給するようになっている。なお本形態では、電源ユニット190に、バックアップ電源回路が設けられていない。この点については後に詳述する。
また電源ユニット190には、電源スイッチ195(電力切替部)が接続されている。電源スイッチ195は、外部から供給されるAC24Vの電源に基づいて電力を供給可能な投入状態、又は電力を供給不能な遮断状態に切替可能なものである。つまり、電源スイッチ195は、ON操作又はOFF操作により、電源の投入又は電源の遮断を切替えるものであり、電源スイッチ195がON操作されると投入状態になり、電源スイッチ195がOFF操作されると遮断状態になる。
また電源ユニット190には、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)191が設けられている。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源ユニット190上に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106の他、後述する設定値情報記憶部107とベース情報記憶部108とが設けられている。また遊技制御基板100には、図8に示すように、7セグ表示器300と設定キーシリンダ180とが設けられている。7セグ表示器300と設定キーシリンダ180については後に詳述する。
遊技制御基板100には、図6に示すように、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、および排出口センサ18aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
排出口センサ18aは、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口(図示省略)内に設けられて、排出口を通過した遊技球を検出するものである。排出口は、内枠21の下端部に設けられていて、遊技領域6に打ち込まれた遊技球は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、アウト口19の何れかに入球した後、最終的に排出口を通過するようになっている。従って、排出口を通過した遊技球を排出口センサ18aで検出することにより、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球を検出することが可能である。なお、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球の数を、総発射球数と呼ぶことができる。また総発射級数は、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。ここで本形態では、払出制御基板170にバックアップ電源回路179が設けられている。この点については、後に詳述する。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。演出用RAM124には、後述する設定値フラグ125が設けられている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。上述したように、演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源ユニット190から電力(例えばDC5Vの電力)が供給されるようになっている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、画像制御基板140の画像用入力回路147を介して制御信号を送信する。そして画像用CPU141は、画像制御基板140の画像用出力回路148を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
画像制御基板140には、スピーカ620(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の音声用CPU149を介してスピーカ620から音声、楽曲、効果音等を出力する。なお音声用CPU149は、画像用CPU141からの指令に基づいて、音声制御回路150を介してスピーカ620の音声制御を行う。スピーカ620から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データを画像制御基板140の画像用ROM142に格納しても良い。
なお画像制御基板140にスピーカ620の音声制御を行わせたが、画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ620の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
また図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6及び図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6及び図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.電源ユニット
次に図8及び図9に基づいて、本形態における電源ユニット190について説明する。図8には、本形態の電源ユニット190が示されていて、図9には、比較例の電源基板190Xが示されている。以下では、電源ユニット190と電源基板190Xとを比較して説明する。
電源基板190Xは、パチンコ遊技機において電力供給部として一般的に用いられているものである。電力供給部として電源基板190Xを用いる場合、電源基板190Xは、試験対象基板になる。そのため電源基板190Xには、表面実装部品を実装することが認められず、リード線が付いたリード部品(Dip部品)を実装しなければならないという事情がある。またほとんどの電源基板190Xにはバックアップ電源回路が設けられていて、このバックアップ電源回路により、電断時に遊技制御用マイコン101及び払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給できるようになっている。しかしながら、パチンコ遊技機特有のバックアップ電源回路を備える電源基板190Xは、特注品になってしまう。以上のことから、電源基板190Xでは、リード部品を表面実装部品に替えることができず、且つバックアップ電源回路を備えることで、特注品として比較的大きな構成にならざるを得ないという問題点があった。
そこで本形態では、電源基板190Xに替えて、電源ユニット190を用いるようにしている。電源ユニット190は、モジュール化されたものであり、汎用品である。よって、電力供給部として電源ユニット190を用いる場合、電源ユニット190は、試験対象基板にならない。そのため電源ユニット190には、リード部品だけでなく、表面実装部品を実装することが可能である。その結果、従来のリード部品を表面実装部品に替えることで、電源ユニット190を小さく(コンパクトに)構成することが可能である。また電源ユニット190は、汎用品である以上、パチンコ遊技機特有のバックアップ電源回路を備えていない。これにより、電源ユニット190を、更に小さく構成することが可能である。
こうして、図8に示す電源ユニット190と、図9に示す電源基板190Xとの比較から分かるように、電源ユニット190であれば、電源基板190Xよりも小さく構成することが可能である。なお電源基板190Xの場合、近年では入手困難になってきているリード部品を実装しなければならないところ、電源ユニット190であれば、入手困難なリード部品を実装しなくて済むというメリットもある。
次に、電源ユニット190の配置について説明する。図8に示すように、電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されている。電源ユニット190よりも後方には、払出制御基板170が配置されていて、電源ユニット190と払出制御基板170とは、少なくとも一部が前後方向に重なっている。電源ユニット190と払出制御基板170とは、遊技盤1の後方に設けられている透明の外側カバー25よりも、外側に配置されている。よって、払出制御基板170は、遊技盤1ではなく、遊技機枠2(内枠21)に設けられている「枠側基板」ということができる。なお払出制御基板170は、払出制御用マイコン171の視認性を妨げない払出制御基板ケース170Aに収容されている。
一方、遊技制御基板100や、上述した演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技盤1の外側カバー25の内部に配置されている。そのため、遊技制御基板100、演出制御基板120、サブドライブ基板162、画像制御基板140は、遊技機枠2ではなく、遊技盤1に設けられている「盤側基板」ということができる。なお遊技制御基板100は、遊技制御用マイコン101の視認性を妨げない遊技制御基板ケース100Aに収容されている。
こうして、電源ユニット190と払出制御基板170は、遊技盤1よりも外側で、内枠21の後方の下側にて近い距離に配置されている。特に、払出制御基板170は、電源ユニット190に対して一部が前後方向に重なるように配置されているため、配線の接続がし易い位置関係にある。そのため、電源ユニット190と払出制御基板170は、後述するハーネスHN3(図12参照)で接続されている。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、電源ユニット190から先ず払出制御基板170に供給される。
ここで電源ユニット190は、図8に示すように、払出制御基板170の直ぐ前方に配置されていて、ほとんどが露出されないようになっている。即ち、パチンコ遊技機PY1を裏側から見たときに、電源ユニット190は払出制御基板170よりも奥に(前方に)隠れて配置されていて、ほとんど視認することができない。従って、電源ユニット190にとっては、直ぐ後方に配置されている払出制御基板170を除き、その他の制御基板とは配線の接続がし難くなっている。
よって本形態では、電源ユニット190と遊技制御基板100とをハーネスで直接接続しないで、払出制御基板170と遊技制御基板100とを、後述するハーネスHN4(図12参照)で接続している。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、電源ユニット190から払出制御基板170に供給された後、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給される。こうして、配線の取り回しを簡易にしつつ、遊技制御基板100にDC5Vの電力を供給することが可能である。
要するに従来では、電源ユニット190(電源基板190X)で生成されたDC5Vの電力を、払出制御基板170に向かう方と、遊技制御基板100に向かう方とに分岐させる方法が一般的である。しかしながらこの方法では、図8に示すように、電源ユニット190が払出制御基板170よりも前方にて隠れるように配置されている場合に、電源ユニット190と遊技制御基板100との接続がし難い。そこで本形態では、配線の取り回しを簡易にするために、盤側基板である遊技制御基板100を、枠側基板である払出制御基板170を介して、電源ユニット190に接続している。これにより、電源ユニット190で生成されたDC5Vの電力は、一旦払出制御基板170を介してから、遊技制御基板100に供給されることになり、新しい電力の供給関係が構築されている。
ここで電源ユニット190を小さく構成できる場合のメリットについて説明する。図8に示すように、電源ユニット190は、内枠21の後方の下側に配置されている。そして図8に示す電源ユニット190であれば、コンパクト化によって、図9に示す電源基板190Xよりも上下方向の長さを短くすることができる。これにより、上下方向の長さが短い電源ユニット190を、パチンコ遊技機PY1の裏側の下側に配置することができる。
ところで、電源ユニット190の前方は、前扉23の下側部分である。前扉23の下側部分は、打球供給皿34(上皿)、下皿35、入力部40k(演出ボタン)、セレクトボタン42k等を備える操作機構部210(図1参照)になっている。よって、上述したように、上下方向の長さが短い電源ユニット190を、パチンコ遊技機PY1の裏側の下側に配置すると、操作機構部210の上下方向の長さを短くして、操作機構部210の上端位置を低くすることができる。これにより、遊技盤1(図4参照)を下側に拡大して、遊技領域6の下端位置を低くすることが可能である。その結果、遊技領域6の拡大により、遊技興趣を向上させることができるというメリットがある。
4.電源ユニットと払出制御基板と遊技制御基板との間の電気回路
次に、本形態の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DK1(図12参照)について説明する。但し本形態の電気回路DK1を説明する前に、比較例の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DKXについて、図10に基づいて説明する。
図10に示すように、比較例では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN1で接続されている。ハーネスHN1の一端部にあるコネクタCN1は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN1の他端部にあるコネクタCN2は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN1には、電源ユニット190からのDC5V(特定電圧)の電力(以下「通常電源」とも呼ぶ)を供給するための配線h1と、グランド線となる配線h2とが設けられている。なおハーネスHN1には、配線h1及び配線h2以外に、例えば電源ユニット190からのDC12Vの電力を供給するための配線等が設けられているが、それらの説明については省略する。
払出制御基板170において、コネクタCN2と分岐部分j1との間に電力ラインa1(特定電力ライン)がある。電力ラインa1は、コネクタCN2を介して、ハーネスHN1の配線h1に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインa2がある。電力ラインa2は、コネクタCN2を介して、ハーネスHN1の配線h2に接続されている。
電力ラインa1のうちコネクタCN2側に、フィルタ(ノイズ除去手段)NF1が接続されている。フィルタNF1は、2つのコイル(インダクタ)と1つのコンデンサとから構成されていて、所謂3素子型のローパスフィルタである。フィルタNF1において、2つのコイルは電力ラインa1に対して直列的に接続されている。また1つのコイルは、電力ラインa1に対して並列的に接続されている。つまりコンデンサの一方側は電力ラインa1に接続され、コンデンサの他方側はグランドGに接続されている。このフィルタNF1は、電力ラインa1にて供給されるDC5Vの電力から高周波ノイズを除去するものである。
また電力ラインa1のうちフィルタNF1よりも分岐部分j1側には、コンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1は、静電容量が比較的大きい(例えば静電容量が470μFである)電解コンデンサである。なお電解コンデンサは、電解液によって酸化した金属を陽極とし、金属の表面に形成された被膜を誘電体とし、電解液を陰極としたコンデンサである。このコンデンサCA1は、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップしないようにするものである。
また電力ラインa1のうちコンデンサCA1よりも分岐部分j1側には、コンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2は、コンデンサCA1よりも静電容量が小さい(例えば静電容量が0.1μFである)セラミックコンデンサである。なおセラミックコンデンサは、セラミック(金属酸化物焼結体)を誘電体としたコンデンサである。このコンデンサCA2は、電力ラインa1にて通常電源から高周波ノイズを除去するものである。
分岐部分j1から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインc1(第1分岐電力ライン)があり、電力ラインc1は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源(電源ユニット190からのDC5Vの電力)は、配線h1と電力ラインa1と電力ラインc1とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN2で接続されている。ハーネスHN2の一端部にあるコネクタCN3は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN2の他端部にあるコネクタCN4は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN2には、通常電源を供給するための配線h3と、後述するバックアップ電源を供給するための配線h4とが設けられている。なおハーネスHN2には、配線h3及び配線h4以外に、例えば電源ユニット190からのDC12Vの電力を供給するための配線等が設けられているが、それらの説明については省略する。
払出制御基板170には、分岐部分j1からハーネスHN2の配線h3に向かう電力ラインb1があり、電力ラインb1のうち分岐部分j1側に抵抗T1が直列的に接続されている。抵抗T1は、分岐部分j1から抵抗T1へ向かう電流を抑えるものである。また電力ラインb1のうち抵抗T1よりもコネクタCN3側には、ダイオードDO1が接続されている。ダイオードDO1は、当該ダイオードDO1からコネクタCN3側へ向かう電流の流れを許容する一方、当該ダイオードDO1から分岐部分j1側へ向かう電流の流れを規制するものである。このダイオードDO1により、後述するコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1から分岐部分j1へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインb1のうちダイオードDO1よりもコネクタCN3側には、コンデンサCA3が並列的に接続されている。コンデンサCA3は、定格電圧が5.5Vであり、コンデンサCA1,CA2よりも静電容量が非常に大きい(例えば静電容量が0.33Fである)電気2重層コンデンサである。なお電気2重層コンデンサは、活性炭と電解液の界面に発生する電気2重層を動作原理とするコンデンサである。このコンデンサCA3は、電断時に電源ユニット190から通常電源が払出制御基板170のVc端子に供給されなくなると、蓄えている電荷を放出する。これにより、後述する払出制御用マイコン171のVb端子、及び後述する遊技制御用マイコン101のVb端子にDC5Vの電力(以下「バックアップ電源」ともいう)を供給することが可能である。
また電力ラインb1のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN3側には、コンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4は、上述したコンデンサCA2と同様のセラミックコンデンサである。このコンデンサCA4により、電力ラインb1にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインb1のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN3側には、分岐部分j2がある。そして、分岐部分j2から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインb2があり、電力ラインb2は、払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源が、電力ラインb1と電力ラインb2とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、電断時であっても、バックアップ電源に基づいて作動することが可能である。つまり、払出用RAM174に記憶されている払い出しに係る情報が、消去されるのを防ぐことが可能である。
また電力ラインb1は、コネクタCN3を介して配線h3に接続されている。配線h3は、コネクタCN4を介して遊技制御基板100の電力ラインd1に接続されている。電力ラインd1は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源が、電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、電断時であっても、バックアップ電源に基づいて作動することが可能である。つまり、遊技用RAM104に記憶されている遊技に係る情報が、消去されるのを防ぐことが可能である。なお電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とが、「第2分岐電力ライン」に相当する。
また払出制御基板170には、分岐部分j1から延びる電力ラインc2があり、電力ラインc2は、コネクタCN3を介して配線h4に接続されている。配線h4は、コネクタCN4を介して遊技制御基板100の電力ラインd2に接続されている。電力ラインd2は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより、電源ユニット190からDC5Vの電力は、配線h1と電力ラインa1と電力ラインc2と配線h4と電力ラインd2とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、通常時、通常電源(電源ユニット190からのDC5Vの電力)に基づいて作動することが可能である。
以上、比較例の電気回路DKXによれば、図10に示すように、払出制御基板170において、分岐部分j1から延びる電力ラインc1により、通常電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。また分岐部分j1から延びる電力ラインb1により、通常電源をコンデンサCA3に供給して、コンデンサCA3に電荷を貯めておくことが可能である。そして電断時には、分岐部分j1から延びる電力ラインb1と電力ラインb2とにより、バックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。こうして、電力ラインc1と、電力ラインb1及び電力ラインb2との分岐を利用することで、シンプルな回路構成で、払出制御用マイコン171に通常電源とバックアップ電源とを供給することが可能である。
また比較例の電気回路DKXによれば、電断時に、払出制御基板170に設けられているコンデンサCA3は、バックアップ電源を、電力ラインb1と電力ラインb2とを介して払出制御用マイコン171に供給可能であると共に、電力ラインb1と配線h3と電力ラインd1とを介して遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給可能である。即ち、電源基板にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサを設けなくても、バックアップ電源を払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給することができる。従って、電源基板190X(図9参照)に替えて電源ユニット190(図8参照)を用いることができて、新しいバックアップ電源の供給関係を構築することが可能である。
ところで、比較例の電気回路DKXでは、以下の問題点がある。先ず、払出制御基板170を含めて各種制御基板(電子回路基板)においては、製作工程でインサーキット検査が行われるようになっている。インサーキット検査は、基板に電子部品が実装された状態で、インサーキットテスタを用いて、個々の電子部品に信号を送信し、部品点数(抵抗の値、キャパシタの値、インダクタンスの値)に間違いがないか、半田付けのオープンやショートがないか、リードの浮きがないか、ICの動作不良がないかを検査するものである。インサーキット検査は、基板にCPUやワンチップマイコンが取り外された状態で行われる。インサーキット検査が終了すると、基板にCPUやワンチップマイコンを実装して、ファンクションテストが行われるようになっている。なおファンクションテストは、実際に制御基板を動作させて、電子回路基板全体として出力が仕様を満たすか否かを検査するものである。
ここで、図11に示すように、比較例のインサーキット検査時には、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続されて、インサーキットテスタINCから電力が、電力ラインa1と電力ラインb1とを介して、コンデンサCA3に供給される。これにより、コンデンサCA3は電荷を蓄えることになる。しかしながら一旦、コンデンサCA3に蓄えられた電荷はすぐには放出されない。そのため、インサーキット検査が終了した後、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装すると、コンデンサCA3に残った電荷が払出制御用マイコン171に作用し得る。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じるおそれがある。
以上要するに、払出制御基板170にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を搭載した結果、インサーキット検査で残った電荷により、払出制御用マイコン171に不具合が生じるおそれがあった。特にコンデンサCA3は、大きな電荷を蓄えることができる反面、電荷を放出するのに比較的長い時間がかかる電気2重層コンデンサである。よって、コンデンサCA3に電荷が残り易くなり、上述したように払出制御用マイコン171に動作不良が生じるおそれがあった。
そこで本形態の電源ユニット190と払出制御基板170と遊技制御基板100との間の電気回路DK1は、図12に示すように構成されている。なお図12に示す本形態の電気回路DK1において、図10に示す比較例の電気回路DKXの構成と共通する部分については、説明を適宜省略する。
図12に示すように、本形態では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN3で接続されている。ハーネスHN3の一端部にあるコネクタCN5は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN3の他端部にあるコネクタCN6は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN3には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H1と、通常電源と異なるDC5Vの電力を供給するための配線H2と、グランド線となる配線H3とが設けられている。
払出制御基板170において、電力ラインA1と電力ラインA2とが並列的に設けられている。電力ラインA1は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H1に接続されている。これにより、電力ラインA1には、通常電源が配線H1を介して供給される。電力ラインA2は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H2に接続されている。これにより、電力ラインA2には、通常電源と異なるDC5Vの電力が配線H2を介して供給される。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA3がある。電力ラインA3は、コネクタCN6を介して、ハーネスHN3の配線H3に接続されている。
電力ラインA1のうちコネクタCN6側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。このフィルタNF1により、電力ラインA1にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。また電力ラインA1のうちフィルタNF1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1により、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップするのを防ぐことが可能である。また電力ラインA1のうちコンデンサCA1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2により、電力ラインA1にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA1には、分岐部分J1から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC1があり、電力ラインC1は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H1と電力ラインA1と電力ラインC1とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常電源に基づいて作動することが可能である。なお電力ラインA1と電力ラインC1とが、「第1特定電力ライン」に相当する。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN4で接続されている。ハーネスHN4の一端部にあるコネクタCN7は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN4の他端部にあるコネクタCN8は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN4には、通常電源を供給するための配線H4と、バックアップ電源を供給するための配線H5とが設けられている。
電力ラインA1は、コネクタCN7を介して配線H4に接続されている。配線H4は、コネクタCN8を介して遊技制御基板100の電力ラインD1に接続されている。電力ラインD1は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H1と電力ラインA1と配線H4と電力ラインD1とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給される。その結果、遊技制御用マイコン101は、通常電源に基づいて作動することが可能である。
電力ラインA2のうちコネクタCN6側には、フィルタNF2が接続されている。フィルタNF2は、上述したフィルタNF1と同様のものである。このフィルタNF2により、電源ユニット190から供給されるDC5Vの電力(以下「充電用電力」ともいう)から高周波ノイズを除去することが可能である。なお充電用電力は、通常電源と同じDC5Vの電力であるが、あくまでコンデンサCA3に電荷を蓄えるための電力である。また電力ラインA2のうちフィルタNF2よりもコネクタCN7側には、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。この抵抗T1により、電力ラインA2で供給される充電用電力の電流を抑えることが可能である。また電力ラインA2のうち抵抗T1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。このダイオードDO1により、コンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1からコネクタCN6側へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA2のうちダイオードDO1よりもコネクタCN7側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA2のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN6側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4により、電力ラインA2にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA2のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN7側には、分岐部分J2がある。この分岐部分J2から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインB1と、コネクタCN7に向かう電力ラインB2とがある。電力ラインB1は、払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA2と電力ラインB1とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。なお電力ラインA2と電力ラインB1とが、「第2特定電力ライン」に相当する。
また電力ラインB2は、コネクタCN7を介して配線H5に接続されている。配線H5は、コネクタCN8を介して遊技制御基板100の電力ラインD2に接続されている。電力ラインD2は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより電断時に、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA2と電力ラインB2と配線H5と電力ラインD2とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給することが可能である。なお、コンデンサCA3とダイオードDO1と電力ラインA2と電力ラインB1と電力ラインB2とを含む部分が、本形態の「バックアップ電源回路179(図6参照)」に相当する。
以上、本形態の電気回路DK1によれば、図12に示すように、払出制御基板170において、電力ラインA1及び電力ラインC1(第1特定電力ライン)と、電力ラインA2及び電力ラインB1(第2特定電力ライン)とが、分離した状態で払出制御用マイコン171に向かってそれぞれ延びている。そのため、電力ラインA1により、通常電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。また電力ラインA2により、充電用電力をコンデンサCA3に供給して、コンデンサCA3に電荷を貯めておくことが可能である。そして電断時には、電力ラインA2と電力ラインB1とにより、バックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給することが可能である。
ここで本形態のインサーキット検査時においては、図13に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA1には電力を供給するものの、電力ラインA2及び電力ラインB1には電力を供給しないように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷を蓄えることなく、インサーキット検査を行うことが可能である。そのため、インサーキット検査が終了した後に、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装しても、コンデンサCA3に残った電荷が払出制御用マイコン171に作用するという事態を防ぐことが可能である。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を回避することが可能である。なお本形態のその他の作用効果は、上述した比較例の作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図14に示す通りである。図14に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図14に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図15(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図15(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりである否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定し得る。大当たり判定テーブルは、図16(A)から図16(F)に示すように、設定値の各々に対応して設けられている。本形態では、設定値として「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、又は「6」の6種類が設けられている。
設定値は、大当たり判定処理で大当たりと判定される確率(「大当たり判定確率」と適宜呼ぶ)を定めるパラメータである。設定値は、後述するように、遊技場の従業員等によって設定される。図16(A)〜図16(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルとがある。なお設定値の種類、及び大当たり判定テーブルの種類は、6種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
図16(A)〜図16(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、大当たり又はハズレと判定される大当たり乱数値が振り分けられている。本パチンコ遊技機PY1は、設定値に対応した大当たり判定テーブルを用いて、大当たり又はハズレの何れかであるかを判定する。なお本形態では、小当たりに当選することがないように設定されているが、小当たりに当選することがあるように設定しても良い。また大当たりと判定される確率や、大当たりと判定される大当たり乱数値の振り分け方は、図16(A)〜図16(F)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
本形態では図16(A)〜図16(F)に示すように、各々の設定値において、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルの方が、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定され易いように設定されている。更に、通常確率状態又は高確率状態の遊技状態において、同一の遊技状態であれば、設定値が高く設定されるほど、大当たりと判定され易いように設定されている。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図18参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図17(B)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図17(C)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図19参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図19参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.設定値の変更方法及び確定方法
次に、設定値の変更方法について説明する。本形態では、設定値を変更するためには、設定変更モードに移行する必要がある。その設定変更モードに移行するためには、3つの条件が必要である。1つ目の条件は、電源投入時であることである。即ち、電源スイッチ195をOFF操作からON操作に切替えることで、遮断状態から投入状態に切替えることである。2つ目の条件は、RAMクリアスイッチ191を押下操作していることである。3つ目の条件は、後述する設定キーシリンダ180が、回転位置にあることである。以下では、設定キーシリンダ180について図20に基づいて説明する。
設定キーシリンダ180(移行操作手段)は、図20(A)(B)に示すように、遊技制御基板100上に設けられていて、鍵としての設定キー(図示省略)が挿入できるようになっている。設定キーシリンダ180は、挿入された設定キーを回転操作することで、図20(B)に示す待機位置(初期位置)と、その待機位置から90度回転した回転位置(移動位置)との間で移動(回転)可能になっている。なお設定キーシリンダ180は、初期状態では待機位置になっていて、専用の設定キーを用いなければ、回転位置へ移動できないように構成されている。
設定キーシリンダ180は、図20(A)に示すように、遊技制御基板100に直接組付けられている略立方体状のベース部180bと、ベース部180bから後方に延びる円柱状の円柱部180cとを備えている。ベース部180bと円柱部180cは、黒色の合成樹脂で構成されていて、円柱部180cに設定キーを挿通可能な挿通穴が形成されている。
ここで遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bには、設定キーシリンダ180の位置に対応して切り欠かれた露出部100Cが形成されている。露出部100Cは、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dと略同じ大きさの円形に形成されている。そのため、遊技制御基板100が遊技制御基板ケース100Aに収容された状態では、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dだけが、露出部100Cから露出するようになっている。
更に、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dは、遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bと、略同一平面を形成している。つまり後面180dは、遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bに対して突出したり、引っ込んだりしているわけではない。こうして、円柱部180cの後面180dを遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bから突出させないことで、後面180dの角部分が破損し易くなるのを防ぐことが可能である。そして、後面180dを遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bと同一平面にすることで、露出部100Cと後面180dとの隙間をほぼ無くして、遊技制御基板ケース100Aの中に異物が侵入しないようにすることが可能である。その結果、設定キーシリンダ180に対する不正や、遊技制御基板100に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
また遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bのうち、設定キーシリンダ180に対応する位置には、後方に延びる周壁部100Dが形成されている。周壁部100Dは、設定キーシリンダ180の円柱部180c及びベース部180bの後端部を囲むように、矩形状の周壁になっている。この周壁部100Dにより、例えば針金等が遊技制御基板ケース100Aの内部に侵入して、円柱部180cの周囲に不正に接触するのを防ぐことが可能である。また、不正な磁気の影響によって、後述する設定キーシリンダ180の内部に設けられた設定キーシリンダスイッチ180aの状態が切替えられる事態を生じ難くすることが可能である。
ここで図20(A)(B)に示すように、遊技制御基板100上には、設定値を表示可能な7セグ表示器300(表示手段)が設けられている。そして7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によって実行されている。なお7セグ表示器300が、例えば演出制御基板120上ではなく、遊技制御基板100上に設けられているのは、以下の理由に基づく。即ち、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)は、適正動作を確かめる試験の検査対象になっているところ、その遊技制御基板100によって設定値の表示が制御されれば、設定値の表示の信頼性が担保できるからである。
図21に示すように、7セグ表示器300は、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」〜「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1〜LB8、LB9〜LB16、LB17〜LB24、LB25〜LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグ(7セグ表示器300)を用いることで、表示手段を安価に構成することが可能である。
本形態では、「1」〜「6」までの何れかの設定値は、7セグ表示器300の第4表示領域340で表示される。また設定値が表示されるときには、第4表示領域340の点灯部分LB25〜LB32が、設定値の数字を表すように点灯態様(発光し続ける発光態様)で発光する。なお第4表示領域340で設定値が表示されているときには、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330には何も表示されない。
次に、設定値を変更する場合に7セグ表示器300での表示態様と、演出手段(画像表示装置50、スピーカ620、枠ランプ212及び盤ランプ54)での演出態様について説明する。本形態では、上述したように設定値を変更するためには、3つの条件を満たして(所定の移行条件の成立に基づいて)、設定変更モードに移行する必要がある。具体的には、設定キーを用いて設定キーシリンダ180を待機位置から90度回転した回転位置にしておき、且つRAMクリアスイッチ191を押下操作した状態で、電源スイッチ195をOFF操作からON操作に切替える。これら3つの条件を満たす操作を、以下では「設定変更モード移行操作」と呼ぶことにする。設定変更モード移行操作は、一般的に遊技場の従業員が行うものであって、パチンコ遊技機PY1の裏側(図8参照)を視認できない遊技者には行うことが不可能なものである。
図22(A)に示すように、設定変更モード移行操作を行って、設定変更モードに移行すると、図22(B)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、電源投入される前に設定されていた設定値(例えば「1」)が表示されるようになっている。つまり、前回の遊技中に設定されていた設定値の情報(以下「設定値情報」)は、遮断状態になっても消去されない。そのため、電源投入時に設定変更モード移行操作を行うと、記憶されている設定値情報に基づいて、前回の遊技中に設定されていた設定値が7セグ表示器300に表示される。
また設定変更モードに移行すると、図22(B)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定変更中」の文字を示す設定変更中画像SHが表示される。この設定変更中画像SHの表示の開始により、設定値の変更を行う遊技場の従業員(以下「設定変更者」と呼ぶ)に、設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また設定変更中画像SHは、設定変更モードが終了するまで表示画面50aに表示され続ける。そのため設定変更者は、設定変更中画像SHを見ることで、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
また設定変更モードに移行すると、図22(B)に示すように、スピーカ620から、「設定変更可能です」という音声が出力される。この「設定変更可能です」という音声の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを聴覚的に把握させることが可能である。また「設定変更可能です」という音声は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで繰り返し出力される。そのため設定変更者は、「設定変更可能です」という音声を聞き続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
また設定変更モードに移行すると、図22(B)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特別な第1発光態様で発光する。この第1発光態様での発光の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また枠ランプ212及び盤ランプ54での第1発光態様の発光は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで継続する。そのため設定変更者は、第1発光態様の発光を見続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
ここで本形態では、設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、設定値を変更できるようになっている。具体的には、RAMクリアスイッチ191を押下操作する度に、「1」⇒「2」⇒「3」⇒「4」⇒「5」⇒「6」の順番に、設定値を1つずつ上昇させることが可能である。そして設定値が「6」であるときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、設定値が「1」に戻るようになっている。
こうして、設定値の切替えを行うための操作手段として、既存のRAMクリアスイッチ191を用いていて、専用の操作手段を新たに設けたわけではない。従来では、RAMクリアスイッチ191は、電源投入時に遊技用RAM104及び払出用RAM174の記憶情報を消去するためだけに用いられていて、電源投入時以外には用いられないものであった。よって本形態のように、RAMクリアスイッチ191によって、設定値の切替えを行うための操作手段と、遊技用RAM104等の記憶情報を消去するための操作手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。なお設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ191を押下操作しても、押下操作したタイミングで遊技用RAM104等の記憶情報が消去されるわけではない。
図22(B)に示すように、設定変更モードに移行したときに例えば7セグ表示器300に設定値「1」が表示された後、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(C)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、設定値「2」が表示される。つまり設定値「1」の表示から、設定値「2」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「2」に切替わったことを把握することが可能である。
またRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(C)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、設定変更中画像SHの上から重ねて、上向きの矢印を示す設定値変更画像YGが表示される。この設定値変更画像YGの表示により、設定変更者に設定値が変更(上昇)したことを把握させることが可能である。なお設定値変更画像YGは、RAMクリアスイッチ191を押下操作してから数秒間だけ表示された後に非表示になり、表示画面50aには再び設定変更中画像SHだけが表示されることになる。
またRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(C)に示すように、スピーカ620から、「設定値が変更されました」という音声が出力される。この「設定値が変更されました」という音声により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお「設定値が変更されました」という音声は、1回だけ出力されて、その後には上述したように「設定変更可能です」という音声の繰り返しに切替わることになる。
またRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(C)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54は、特別な第2発光態様で発光する。この第2発光態様での発光により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお第2発光態様での発光は、RAMクリアスイッチ191を押下操作してから数秒間だけ実行されて、その後には上述したように第1発光態様での発光に戻ることになる。
続いて、図22(C)に示すように7セグ表示器300に設定値「2」が表示された状態で、RAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(D)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、設定値「3」が表示される。つまり設定値「2」の表示から、設定値「3」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「3」に切替わったことを把握することが可能である。
また図22(D)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには設定値変更画像YGが表示され、スピーカ620から「設定値が変更されました」という音声が出力され、枠ランプ212及び盤ランプ54が特別な第2発光態様で発光する。これらにより、設定変更者に再び設定値が変更したことを把握させることが可能である。
ところで、設定変更モードにおいてRAMクリアスイッチ191が押下操作されるとき、設定変更者は基本的にパチンコ遊技機PY1の裏側(図8参照)に向かい合っていて、7セグ表示器300を見ている。そのため、設定変更者にとっては、表示画面50aでの設定値変更画像YGの表示と、枠ランプ212及び盤ランプ54での特別な第2発光態様での発光を把握し難い。よって、設定値変更画像YGの表示と、特別な第2発光態様での発光は、主に本パチンコ遊技機PY1の周囲にいる遊技場の従業員に向けて、設定値が変更されたことを報知する意味になる。このようにして、周囲の遊技場の従業員が、設定値の変更を把握できることで、不正に設定値が変更されていないことを把握することが可能である。
次に、設定値の確定方法について説明する。設定値を確定するためには、設定変更モードにおいて、設定キーを用いて設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる必要がある。これにより、設定変更モードが終了して、設定変更モードにおいて最後に表示されていた設定値が確定されることになる。なお設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる操作を、「設定確定操作」と適宜呼ぶことにする。
設定確定操作が行われると、図22(F)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定値を確定しました」の文字を示す設定値確定画像SKが表示される。この設定値確定画像SKの表示により、設定値が確定したことを設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に把握させることが可能である。なお設定値確定画像SKは、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ表示された後、非表示になる。
また設定確定操作が行われると、図22(F)に示すように、スピーカ620から、「設定値を確定しました」という音声が出力される。この「設定値を確定しました」という音声により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお「設定値を確定しました」という音声は、設定確定操作されたタイミングで1回だけ出力される。
また設定確定操作が行われると、図22(F)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特別な第3発光態様で発光する。この第3発光態様での発光により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお第3発光態様での発光は、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ実行された後、終了する。
ここで本形態では、設定確定操作を行って設定変更モードが終了すると、7セグ表示器300にて点灯態様(変更可能態様)で表示されていた設定値(例えば図22(D)に示す「3」)が見えなくなる。つまり、設定値が非表示(非表示態様)になる。そして7セグ表示器300では替わりに、後述する初期表示(図22(F)参照)が実行される。こうして設定変更者には、点灯態様で表示されていた設定値が非表示態様になることで、設定値の確定を把握させることが可能である。更に、設定値が確定された後に設定値が表示されないことで、確定された設定値を周囲に気付かれ難くすることが可能である。
こうして設定値が確定されると、図22(F)に示すように、7セグ表示器300での初期表示として、第1表示領域310から第4表示領域340までの全ての点灯部分LB1〜LB32(図21参照)が点灯する。こうして全ての点灯部分LB1〜LB32が点灯することで、設定確定操作を行った設定変更者に対して、初期表示の実行を分かり易く示すことが可能である。
7セグ表示器300での初期表示の意味は、以下の通りである。7セグ表示器300は、上述したように設定値を表示する他、後述するようにベースも表示するようになっている。しかしながら、7セグ表示器300で表示される設定値又はベースは、その7セグ表示器300が正常に機能していることを前提とするものであって、7セグ表示器300自体に故障や不具合、或いは不正な改造が施されている可能性が完全にないわけではない。
そこで本形態では、設定変更モードが終了すると、自動的に7セグ表示器300で初期表示が実行される。これにより、設定変更者は、7セグ表示器300が正常に機能していることを把握することが可能である。つまり、設定変更モードで表示されていた設定値は正しい値であったことを確認することが可能である。更に、初期表示の後に表示されるベースも正しく表示されるだろうと認識することが可能である。なお電源投入時に設定変更モードに移行しない場合には、電源投入後すぐに7セグ表示器300にて初期表示が実行されることになる。
ところで本形態では、設定確定操作によって、設定キーシリンダ180が待機位置まで回転操作される前に、設定変更モードが終了するように構成されている。具体的には、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置の方へ移動し始めた瞬間に、設定変更モードが終了して、設定値が確定するようになっている。そこで以下では、設定キーシリンダ180の内部に設けられている設定キーシリンダスイッチ180aの構成と、遊技制御用マイコン101の周りの電気回路の構成を説明しつつ、設定値の確定タイミングについて詳細に説明する。
図23に示すように、遊技制御用マイコン101には入力端子P14(図24(A)(B)(C)参照)が設けられている。入力端子P14は、信号ラインE1から、「H」レベル(上限閾値電圧よりも高い電圧)又は「L」レベル(下限閾値電圧よりも低い電圧)の何れかのスイッチ信号を入力するようになっている。なお遊技制御用マイコン101は、信号ラインE1から「H」レベルのスイッチ信号(第1信号)を入力すれば、設定キーシリンダスイッチ180aがONであると判断し、信号ラインE1から「L」レベルのスイッチ信号(第2信号)を入力すれば、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFであると判断する。
信号ラインE1は、設定キーシリンダスイッチ180aの端子s1に接続されている。信号ラインE1のうち分岐部分Q1からグランドGに向かって延びるグランドラインE4が設けられている。グランドラインE4には、抵抗T2が直列的に接続されていて、抵抗T2によって信号ラインE1からグランドラインE4の方へ電流を流れ難くしている。このようにして、入力端子P14から延びる信号ラインE1を、設定キーシリンダスイッチ180aに接続しつつ、設定キーシリンダスイッチ180aと入力端子P14との間にある分岐部分Q1にてグランドラインE4を接続している。そして、抵抗T2をプルダウン抵抗にしている。よって、信号ラインE1では、設定キーシリンダスイッチ180aを介してDC5Vの電力が供給されない限り、スイッチ信号のレベルを「L」レベルになるようにしている。
設定キーシリンダスイッチ180aには、端子s2が設けられている。端子s2には電力ラインE2が接続されていて、電力ラインE2にはDC5Vの電力が供給されている。なお図23において、符号Vcは、DC5Vの電力が供給されていることを意味している。電力ラインE2には、抵抗T3が直列的に接続されている。また設定キーシリンダスイッチ180aには、端子s3が設けられている。端子s3には、グランドGに向かって延びるグランドラインE3が接続されている。
ここで設定キーシリンダスイッチ180aには、切替片s4が設けられている。切替片s4の一端部は、端子s1に接続されている。一方、切替片s4の他端部は、設定変更者が設定キーを用いた回転操作によって、端子s2又は端子s3に接触可能になっている。こうして、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときには、切替片s4は端子s3に接触していて(図23の実線参照)、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときには、切替片s4は端子s2に接触している(図24(A)参照)。
次に、設定値の確定タイミングを図24(A)(B)(C)に基づいて説明する。図24(A)は、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときの設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。このときには、端子s1と端子s2とが導通状態になっていて、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給される。これにより、信号ラインE1から遊技制御用マイコン101の入力端子P14に、「H」レベルのスイッチ信号が入力される。こうして、遊技制御用マイコン101の入力端子P14に「H」レベルのスイッチ信号が入力されている間は、設定変更モードになる。
そして、設定変更者が、設定確定操作によって、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる。図24(B)は、設定キーシリンダ180が回転位置から回転し始めた瞬間の設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。図24(B)に示すように、切替片s4が端子s2から離れると、端子s1と端子s2とが非導通状態になる。そのため、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給されなくなる。このとき、入力端子P14に接続されている信号ラインE1は、分岐部分Q1にてグランドラインE4に接続されているため、スイッチ信号は「H」レベルから「L」レベルに切替わる。つまり、遊技制御用マイコン101の入力端子P14に、「L」レベルのスイッチ信号が入力される。その結果、設定変更モードが終了して、設定値が確定されることになる。
なお図24(C)は、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときの設定キーシリンダスイッチ180aの状態を示す図である。設定変更者が、設定確定操作によって、設定キーシリンダ180を待機位置まで完全に回転させると、切替片s4が端子s3に接触する。このときには上記と同様、電力ラインE2に供給されているDC5Vの電力が、設定キーシリンダスイッチ180aを介して、信号ラインE1に供給されないため、スイッチ信号は「L」レベルのままである。
以上の説明から分かるように、設定値の確定タイミングは、図24(B)に示すタイミングであり、設定キーシリンダ180が回転位置から回転し始めた途端に、設定変更モードが終了する。そのため設定変更者は、設定確定操作を開始するとすぐに、設定変更モードで7セグ表示器300に表示されていた設定値(例えば図22(D)に示す設定値「3」)を非表示にすることが可能である(図22(F)参照)。言い換えると、設定キーシリンダ180が待機位置へ回転し終える前に、7セグ表示器300で設定値を見えないようにすることが可能である。こうして、7セグ表示器300で表示されていた設定値をできるだけ早く非表示にすることで、確定された設定値が周囲に把握されてしまう危険性をできるだけ少なくすることが可能である。
また遊技場の開店前に忙しい遊技場の従業員(設定変更者)が設定確定操作を行ったときに、不注意又は不慣れな操作で設定キーシリンダ180を正しく待機位置まで回転させないおそれがある。しかしながら、仮にこのような事態が生じても、遊技制御用マイコン101に入力されるスイッチ信号は「H」レベルから「L」レベルに切替わるため(図24(A)(B)参照)、設定値を確定して非表示にすることが可能である。よって、設定変更者による不注意又は不慣れな操作であっても、設定変更モードを終了させることが可能であると共に、7セグ表示器300で設定値が表示され続ける事態を防ぐことが可能である。
その一方で、設定キーシリンダ180を待機位置(図24(C)参照)から回転位置(図24(A))までしっかりと回転操作しなければ、スイッチ信号が「L」レベルから「H」レベルに切替わらずに、設定変更モードに移行しない。つまり、設定変更者の不慣れな操作や振動等によって、設定キーシリンダ180が待機位置から中途半端に回転操作された場合、スイッチ信号が「H」レベルにならないため、設定変更モードに移行することができない。こうして、設定変更者が設定キーシリンダ180を回転位置まで確実に回転操作したときにだけ、設定値の変更ができるようにして、意図せずに設定変更モードに移行するのを防ぐことが可能である。
ところで、図20(A)(B)に示すように、設定キーシリンダ180は、7セグ表示器300よりも左方に配置されている。言い換えると、パチンコ遊技機PY1の裏側で(図8参照)、設定変更者から見た場合には、設定キーシリンダ180が7セグ表示器300よりも右方に配置されている。これは、以下の理由に基づく。即ち、ほとんどの設定変更者は、設定確定操作を行う際に、利き手である右手で設定キーを操作しようとする。このとき仮に、設定変更者から見て、設定キーシリンダ180が7セグ表示器300よりも左方にあると、設定変更者の右手が7セグ表示器300に被ってしまい、確定直前の設定値(非表示になる直前の設定値)が見え難くなってしまう。
そこで本形態では、設定変更者から見た場合には、設定キーシリンダ180を7セグ表示器300よりも右方に配置することで、設定確定操作を行う設定変更者の右手が7セグ表示器300に被らないようにしている。その結果、非表示になる直前の設定値が見えなくて、何の設定値が確定されたのかが分からなくなる事態を防ぐことが可能である。
続いて、図23に示すLEDドライバ350について説明する。LEDドライバ350は、7セグ表示器300の内部に一体的に組み込まれているものであり、遊技制御基板100上に実装されているわけではない。こうして、LEDドライバ350を組み込んだ汎用品の7セグ表示器300を用いることで、遊技制御基板100上にLEDドライバを実装するためのスペースが不要になる。その結果、遊技制御基板100に対する設計変更の負担を小さくしつつ、7セグ表示器300の表示制御を行うことが可能である。
図23に示すように、遊技制御用マイコン101には、シリアルデータ送信端子TX3が設けられている。またLEDドライバ350には、シリアルデータ受信端子RXDが設けられている。シリアルデータ送信端子TX3とシリアルデータ受信端子RXDとは、シリアルデータラインE5で接続されている。よって、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータラインE5を介してシリアルデータを送信することで、LEDドライバ350の駆動を制御することが可能である。その結果、7セグ表示器300にて設定値の表示制御、初期表示、及び後述するベースの表示制御を行うことが可能である。このようにして、シリアル通信で表示制御を行うことにより、パラレル通信で表示制御を行う場合に比べて、遊技制御基板100上の配線を簡素化することが可能である。その結果、遊技制御基板100に対する設計変更の負担を一層小さくすることが可能である。
なお図23に示すように、シリアルデータラインE5には、ダンピング抵抗T4が直列的に接続されている。このダンピング抵抗T4により、シリアルデータラインE5でのノイズを減衰させることが可能である。またLEDドライバ350には、RST端子が設けられている。RST端子には、リセット信号ラインE6が接続されている。リセット信号ラインE6は、電源ユニット190から払出制御基板170を介してリセット信号が送信されるラインであり、このリセット信号ラインE6には、コンデンサCA5が並列的に接続されている。このコンデンサCA5により、静電気等の影響でリセット信号が「H」レベルであるにも拘わらず、「L」レベルにドロップするような事態を防ぐことが可能である。
次に、パチンコ遊技機PY1に、設定値を示す情報(以下「設定値情報」と呼ぶ)が記憶されていない場合について説明する。設定値情報は、設定変更モードで設定値が変更される度に、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107(図6参照)に記憶されるものである。但し、パチンコ遊技機PY1が生産工場から出荷(工場出荷)される際には、設定値情報記憶部107には、設定値情報が記憶されていない。つまり設定値が何も設定されていない状態になっている。
本パチンコ遊技機PY1では、設定値が何も設定されていない状態で電源投入を行った場合に、エラーモードに移行し得るようにしている。なお設定値が何も設定されていない状態でも、設定変更モード移行操作を行えば、エラーモードではなく、設定変更モードに移行する。エラーモードは、パチンコ遊技機PY1にて遊技が不可能なモードであり、電源スイッチ195をOFF操作して電源を遮断しない限り、解除されないようになっている。
エラーモードであるときには、図25(A)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340にて、点灯部分LB25、LB28、LB29、LB30、LB31(図21参照)が、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。この発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。なおエラー点灯態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
またエラーモードであるときには、図25(B)に示すように、表示画面50aに、「設定値が設定されていません 設定変更モード移行操作を行って下さい」の文字を示す操作示唆画像SEが表示される。この操作示唆画像SEの表示により、遊技場の従業員等には、設定値を設定しなければならない状況を把握させることが可能である。なお操作示唆画像SEの表示は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
またエラーモードであるときには、図25(B)に示すように、スピーカ620から、特殊なエラー音が出力される。またこのときには、図25(B)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特殊なエラー発光態様で発光する。これらエラー音の出力と、エラー発光態様での発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していることを把握させることが可能である。なおエラー音の出力及びエラー発光態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
ここで本形態では、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報は、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたときでも、消去されない。従って、工場出荷後に設定変更モード移行操作を行って、設定値情報記憶部107に設定値情報を一旦記憶させれば、その後に設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されていないという事態は生じない。よってこの場合には、次回以降の電源投入時でエラーモードに移行することはない。要するに、エラーモードに移行するのは、一度も設定値が設定されていない状態で、電源投入時に設定変更モード移行操作を行わなかった場合である。このようにして、単にRAMクリアスイッチ191が押下操作された場合や、電源が投入されていない場合(遮断状態)でも、設定値情報を消去しないことで、不必要にエラーモードに移行するのを防ぐことが可能である。
8.ベースの表示
次に、図26及び図27に基づいて、ベースの表示について説明する。本形態では、7セグ表示器300にてベースを表示可能である。ベースは、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数)に対して遊技者が獲得した賞球数(総賞球数)の割合のことである。7セグ表示器300にて、ベースを確認することで、本パチンコ遊技機PY1に不正な改造が施されていたり、故障や不具合が生じていることを把握することが可能である。
本形態では、ベースは、総発射球数が60000発に達する度に、新たに演算されるようになっている。そして、60000発に達する度に演算されたベースの情報(ベース情報)は、遊技用RAM104のベース情報記憶部108(図6参照)に順次記憶されていく。但し、現在演算中のベース(以下「現在ベース」と呼ぶ)の情報と、現在ベースの演算を開始する前で総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「1回前ベース」と呼ぶ)の情報と、1回前ベースの前に総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「2回前ベース」と呼ぶ)の情報と、2回前ベースの前に総発射球数が60000発に達したときに演算されたベース(以下「3回前ベース」と呼ぶ)の情報までが、ベース情報記憶部108に記憶される。こうして7セグ表示器300では、ベース情報記憶部108に記憶されている現在ベースの情報と、1回前ベースの情報と、2回前ベースの情報と、3回前ベースの情報とに基づいて、現在ベースと、1回前ベースと、2回前ベースと、3回前ベースとが表示され得る。
ベースの表示の開始は、設定変更モードに移行したか否か、即ち設定変更モード移行操作を行ったか否かでタイミングが異なる。設定変更モード移行操作を行った場合には、上述したように電源投入後に設定変更モードに移行する。この場合、設定変更モードが終了して7セグ表示器300で初期表示が実行された後に、ベースの表示が開始される。一方、設定変更モード移行操作を行わずに電源投入した場合には、電源投入後すぐに7セグ表示器300で初期表示が実行された後に、ベースの表示が開始される。なお何れの場合であっても、7セグ表示器300で初期表示を経て、ベースの表示が開始される点は変わらない。
図26(A)に示すように、7セグ表示器300で初期表示が開始されると、その初期表示は予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、初期表示の終了に伴って、図26(B)に示すように、現在ベースの表示が開始される。ここで現在ベースが表示される場合には、現在ベース(例えば「36」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示(%表示)される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「bL.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様(発光し続ける態様)で発光する。即ち、「bL.」の点灯態様の発光を見れば、現在ベースが表示されていることを意味している。
図26(B)に示す現在ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、現在ベースの表示の終了時に、ベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されていれば、図26(C)に示すように、1回前ベースの表示が開始される。ここで1回前ベースが表示される場合には、1回前ベース(例えば「37」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b1.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b1.」の点灯態様の発光を見れば、1回前ベースが表示されていることを意味している。
図26(C)に示す1回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、1回前ベースの表示の終了時に、ベース情報記憶部108に2回前ベースの情報が記憶されていれば、図26(D)に示すように、2回前ベースの表示が開始される。ここで2回前ベースが表示される場合には、2回前ベース(例えば「35」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b2.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b2.」の点灯態様の発光を見れば、2回前ベースが表示されていることを意味している。
図26(D)に示す2回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、2回前ベースの表示の終了に伴って、ベース情報記憶部108に3回前ベースの情報が記憶されていれば、図26(E)に示すように、3回前ベースの表示が開始される。ここで3回前ベースが表示される場合には、3回前ベース(例えば「38」)は7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340とで2桁で表示される。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b3.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点灯態様で発光する。即ち、「b3.」の点灯態様の発光を見れば、3回前ベースが表示されていることを意味している。
図26(D)に示す3回前ベースの表示は、予め定められた特定時間(本形態では4.8秒)だけ実行される。その後、3回前ベースの表示の終了に伴って、再び、図26(B)に示すように、現在ベースの表示が開始される。以後、予め定められた特定時間毎に、図26(B)に示す現在ベース表示と、図26(C)に示す1回前ベースの表示と、図26(D)に示す2回前ベースの表示と、図26(E)に示す3回前ベースの表示とが繰り返し実行される。なお現在ベースと1回前ベースと2回前ベースと3回前ベースとは、1%を基準の単位として表示されているが、例えば5%を基準の単位として表示しても良く、適宜変更可能である。
ところで、図26(C)ではベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されている場合に、1回前ベースが表示される場合を示した。これに対して、ベース情報記憶部108に1回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図27(C)に示す表示が実行される。即ち、図27(C)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31(図21参照)が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b1.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様(発光と消灯を繰り返す態様)で発光する。こうして、「b1.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、1回前ベースが未だ表示不能であることを示している。
以下同様に、ベース情報記憶部108に2回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図27(D)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b2.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様で発光する。こうして、「b2.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、2回前ベースが未だ表示不能であることを示している。
またベース情報記憶部108に3回前ベースの情報が記憶されていない場合には、図27(E)に示すように、7セグ表示器300の第3表示領域330と第4表示領域340では、「−−」を示すように点灯部分LB23、LB31が点灯態様で発光する。そして、第1表示領域310と第2表示領域320では、「b3.」を示すように点灯部分LB1〜LB16が点滅態様で発光する。こうして、「b3.」の点滅態様の発光と「−−」の表示により、3回前ベースが未だ表示不能であることを示している。
9.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図28〜図38に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、図39〜図44に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、遊技用ROM103から図28に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である
図28に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図15に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図29に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101はまず、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S010)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、RAMクリアスイッチ191がONであり(押下操作されていて)、且つ設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S011)。即ち、設定変更モード移行操作が実行されているか否かを判定する。設定変更モード移行操作が実行されていれば(S011でYES)、後述する設定変更モード処理(S012)を経て、ステップS013に進む。
一方、ステップS011で設定変更モード移行操作が実行されていないと判定すれば(S011でNO)、続いて、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているか否かを判定する(S016)。設定値情報が記憶されていなければ(S016でNO)、未だ一度も設定値が設定されていないことになり、後述するエラーモード処理(S021)に進む。これに対して、設定値情報が記憶されていれば(S016でYES)、次に、RAMクリアスイッチ191がONであるか否かを判定する(S017)。要するにステップS017の処理は、設定変更モードには移行しないものの、RAMクリアスイッチ191を押下操作した状況か否かを判定する処理である。RAMクリアスイッチ191がONであれば(S017でYES)、ステップS013に進む。
これに対して、RAMクリアスイッチ191がONでなければ(S017でNO)、続いて、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S018)。要するにステップS018の処理は、設定変更モードに移行しないものの、設定キーシリンダ180が回転状態になっている状況か否かを判定する処理である。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S018でYES)、後述する設定値確認モード処理を実行して(S019)、ステップS020に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S018でNO)、電源投入時に、RAMクリアスイッチ191を押下操作しておらず、且つ設定キーシリンダ180を回転状態にしていないことになる。この場合には、ステップS019の設定確認モード処理を実行することなく、ステップS020に進む。ステップS020に進むと、後述する電断復旧時処理を実行して、ステップS022に進む。
ステップS013では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする(S013)。但しこのときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報と、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報、1回前ベースの情報、2回前ベースの情報、3回前ベースの情報)についてはクリアしない。
こうして、電源投入時にRAMクリアスイッチ191の押下操作があっても、設定値情報がクリアされないことで、電断前に設定されていた設定値で遊技を再開することが可能である。つまり、電源投入の度に設定変更モードに移行して設定値を設定しなくても、遊技を行うことが可能である。また、電源投入時にRAMクリアスイッチ191の押下操作があっても、ベースに係わる情報がクリアされないことで、7セグ表示器300にて電断前と同じ現在ベース、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベースを表示することが可能である。
ステップS013の後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S014)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S015)、ステップS022に進む。ステップS022では、その他の電源投入時処理として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[設定変更モード処理]図30に示すように、設定変更モード処理(S012)では、遊技制御用マイコン101はまず、演出制御基板120に対して、設定変更モードへの移行を通知するための設定モード移行コマンドを送信する(S030)。そして、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているかを判定する(S031)。設定値情報が記憶されていれば(S031でYES)、電断前に設定値が設定されているため、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S032)(図22(B)参照)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から設定値を表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして設定変更者は、設定変更モード移行操作を行った直後に、電断前に設定されていた設定値を7セグ表示器300にて把握することが可能である。ステップS032の後、演出制御基板120に対して、現時点での設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信して(S033)、ステップS034に進む。これに対して、ステップS031で、設定値情報が記憶されていなければ(S031でNO)、ステップS032及びS033をパスして、ステップS034に進む。
ステップS034では、RAMクリアスイッチ191がONであるか否かを判定する。つまり、設定変更モードでRAMクリアスイッチ191が押下操作された状況か否かを判定する。ONであれば(S034でYES)、設定値を1つ繰り上げるために、新しい設定値情報を設定値情報記憶部107に記憶する(S035)。なお設定値が「6」であるとき、RAMクリアスイッチ191が押下操作された場合には、設定値が「1」であることを示す設定値情報が記憶されることになる。続いて、新しい設定値情報に基づいて、設定値を7セグ表示器300に表示する(図22(C)(D)参照)。これにより設定変更者には、設定値が繰り上がったことを把握させることが可能である。
続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、設定値が変更されたことを通知するための設定値変更コマンドを送信すると共に(S037)、1つ繰り上がった設定値の情報(設定値情報)を通知するための設定値指定コマンドを送信して(S038)、ステップS039に進む。ステップS039では、設定キーシリンダスイッチがOFFであるか否かを判定する。即ち、設定確定操作が行われたか否かを判定する。OFFでなければ(S039でNO)、未だ設定変更モードを終了させるタイミングでないため、ステップS034に戻る。一方、OFFであれば(S039でYES)、演出制御基板120に対して、設定変更モードの終了を通知するための設定モード終了コマンドを送信する(S040)。そして、7セグ表示器300で表示していた設定値を非表示態様にして(S041)、上述したステップS013(図29参照)に進む。こうして、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFになるとすぐに、7セグ表示器300では設定値が見えなくなって、周囲に確定した設定値を把握させ難くすることが可能である。ステップS013以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
[設定値確認モード処理]図31に示すように、設定値確認モード処理(S019)では、遊技制御用マイコン101はまず、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S050)。続いて、7セグ表示器300で設定値の表示を開始してから一定時間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S051でNO)、ステップS051の処理を繰り返すことになり、7セグ表示器300での設定値の表示が継続する。一方、経過していれば(S051でYES)、7セグ表示器300にて表示していた設定値を非表示態様にして(S052)、後述するステップS020(図32の電断復旧時処理参照)に進む。以上、設定値確認モード処理(S019)では、上述した設定変更モード処理(S012)と異なり、設定値の変更を行うことはなくて、単に現時点での設定値を7セグ表示器300で表示するだけである。
[電断時復旧処理]図32に示すように、電断時復旧処理(S020)では、遊技制御用マイコン101はまず、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S060)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図38参照)でONにされるフラグである。電源断フラグがONでなければ(S060でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS065に進む。
一方、電源断フラグがONであれば(S060でYES)、遊技用RAM104のチェックサムを算出して(S061)、これを電断時に格納(記憶)しておいた遊技用RAM104のチェックサム(図38のステップS161参照)と一致するか否かを判定する(S062)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S062でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が異常であると判断し、ステップS065に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S062でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS063に進む。
ステップS063では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S064)、上述したステップS022(図29参照)に進む。ステップS022以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
一方、ステップS065では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする。このときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報と、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報、1回前ベースの情報、2回前ベースの情報、3回前ベースの情報)についてはクリアしない。但し、ステップS065に進む場合は、正常に電源が遮断されていない可能性がある場合や、チェックサムの値が一致せずに遊技用RAM104の記憶内容が異常である可能性がある場合である。よって、ステップS065の処理の替わりに、設定値情報及びベースに係わる情報もクリアするようにしても良い。そしてこの場合には、設定値情報をクリアした後に、初期値の設定値として例えば「1」を示す設定値情報を設定値情報記憶部107に新たに記憶するようにしても良い。なおステップS065の処理において、遊技用RAM104にセットされている電源断フラグがONであれば、電源断フラグはOFFにされる。
ステップS065の後、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S066)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S067)、上述したステップS022(図29参照)に進む。
[エラーモード処理]図33に示すように、エラーモード処理(S021)では、遊技制御用マイコン101はまず、7セグ表示器300の第4表示領域340にて「E」(図25参照)の文字を示すためのエラー表示処理を実行する(S080)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から「E」の文字を示すためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。これにより、7セグ表示器300の第4表示領域340では、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。こうして遊技場の従業員等には、7セグ表示器300で「E」の文字を見せることで、エラーモードへの移行を把握させることが可能である。
続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、エラーモードへの移行を通知するためのエラーコマンドを送信する(S081)。その後は、電源投入時処理(S001、図29参照)に戻ることなく、ループ処理を行う。こうして、エラーモードに移行した場合には、電源を遮断するまでエラーモードが継続する。よって、次回の電源投入時に設定変更モードに移行して、設定値を設定しなければ、遊技を開始することができないようになっている。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図34に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ18a(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なおセットされた賞球コマンドは、払出制御基板170に送信される。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図15(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図15(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を、設定値情報が示す設定値に基づく大当たり判定テーブル(図16(A)〜(F)参照)、当たり種別判定テーブル(図14参照)、リーチ判定テーブル(図17(A)参照)、特図変動パターン判定テーブル(図18参照)を用いて判定する。なお図16(A)〜(F)に示す大当たり判定テーブルを用いて大当たりであるかを判定する大当たり判定処理が、「入球口への入球に基づいて行う判定処理」に相当する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図14参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数、普通図柄当たり判定テーブル(図17(B)参照)を用いて判定すると共に、普通図柄変動パターン選択テーブル(図17(C)参照)を用いて遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を選択する。そして、普図抽選の判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図19参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理を行う(S106)。そして、後述するベース演算処理(S107)、ベース表示処理(S108)、電源断監視処理(S109)を実行して、本処理を終える。
[ベース演算処理]図35に示すように、ベース演算処理(S107)では、遊技制御用マイコン101はまず、発射球数カウント処理を実行する(S110)。発射球数カウント処理(S110)では、排出口センサ18aからの検出信号に基づいて、遊技用RAM104に設けられている発射球数カウンタの値を増加させる。次に、総賞球数カウント処理を実行する(S111)。総賞球数カウント処理(S111)では、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10aからの検出信号に基づいて、遊技用RAM104に設けられている総賞球数カウンタの値を、賞球数に応じた値だけ増加させる。続いて、現在ベース演算処理を実行する(S112)。現在ベース演算処理(S112)では、総賞球数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除算して100倍することで、現在ベース(%)を演算する。そして演算した現在ベースの情報(現在ベース情報)をベース情報記憶部108に記憶する。
ステップS112の後、発射球数が60000発に到達したか否か、即ち発射球数カウンタの値が60000以上であるか否かを判定する(S113)。60000発に到達していなければ(S113でNO)、本処理を終える。一方、60000発に到達していれば(S113でYES)、ベース情報記憶部108に記憶されているベース情報をシフトして記憶する(S114)。
具体的には、3回目前ベースの情報(3回前ベース情報)の記憶があれば、その3回目前ベース情報をクリアする。また2回前ベースの情報(2回前ベース情報)の記憶があれば、その2回前ベース情報を3回前ベース情報として記憶する。また1回前ベースの情報(1回前ベース情報)の記憶があれば、その1回前ベース情報を2回前ベース情報として記憶する。また現在ベースの情報(現在ベース情報)は、1回前ベース情報として記憶する。
ステップS114の後、発射球数カウンタの値をクリアすると共に(S115)、総賞球数カウンタの値をクリアして(S116)、本処理を終える。こうして、発射球数が60000発に達する度に、発射球数及び総賞球数がリセットされて、現在ベースの演算がなされることになる。
[ベース演表示処理]図36に示すように、ベース表示処理(S108)では、遊技制御用マイコン101はまず、初期表示終了フラグがONであるか否かを判定する(S120)。初期表示フラグは、7セグ表示器300での初期表示が終了したことを示すフラグである。初期表示終了フラグがONでなければ(S120でNO)、7セグ表示器300で初期表示を実行するための初期表示処理を実行する(S121)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、7セグ表示器300の全ての点灯部分LB1〜LB32を点灯させるためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして図22(F)に示すように、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300自体に故障や不具合、或いは不正な改造が施されていないことを確認することが可能である。
続いて、7セグ表示器300で初期表示の開始をしてから特定時間(本形態では4.8秒)が経過したか否かを判定する(S122)。経過してなければ(S122でNO)、未だ7セグ表示器300での初期表示を継続させるため、本処理を終える。一方、経過していれば(S122でYES)、7セグ表示器300での初期表示を終了させるタイミングであり、現在ベース表示フラグをONにする(S123)。現在ベース表示フラグは、7セグ表示器300で現在ベースを表示することを示すフラグである。ステップS123の後、初期表示終了フラグをONにして(S124)、本処理を終える。
ステップS120で、初期表示フラグがONである場合には(S120でYES)、ステップS125に進み、現在ベース表示フラグがONであるか否かを判定する(S125)。現在ベース表示フラグがONであれば(S125でYES)、7セグ表示器300で現在ベースを表示するための現在ベース表示処理を実行する(S126)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点灯態様での「bL.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で現在ベースを表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして図26(B)に示すように、7セグ表示器300で現在ベースを把握することができて、パチンコ遊技機PY1に故障や不具合、或いは不正な改造が施されているか否かを確認することが可能である。
続いて、7セグ表示器300で現在ベースの表示を開始してから特定時間(本形態では4.8秒)が経過したか否かを判定する(S127)。経過してなければ(S127でNO)、未だ7セグ表示器300での現在ベースの表示を継続させるため、本処理を終える。一方、経過していれば(S127でYES)、7セグ表示器300での現在ベースの表示を終了させるタイミングであり、1回前ベース表示フラグをONにする(S128)。1回前ベース表示フラグは、1回前ベースの表示タイミングになっていることを示すフラグである。ステップS128の後、現在ベース表示フラグをOFFにして(S129)、本処理を終える。
ステップS125で、現在ベース表示フラグがONでない場合には(S125でNO)、図37に示すステップS130に進み、1回前ベース表示フラグがONであるか否かを判定する。1回前ベース表示フラグがONであれば(S130でYES)、続いて、ベース情報記憶部108に1回前ベース情報の記憶があるか否かを判定する(S131)。記憶があれば(S131でYES)、7セグ表示器300で1回前ベースを表示するための1回前ベース表示処理を実行する(S132)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点灯態様での「b1.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で1回前ベースを表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして7セグ表示器300では、現在ベースだけでなく、図26(C)に示すように、1回前ベースも把握することができて、パチンコ遊技機PY1に故障や不具合、或いは不正な改造が施されているか否かをより正確に判断することが可能である。
一方、ステップS131において、1回前ベース情報の記憶がないと判定すれば(S131でNO)、1回前ベース非表示処理を実行する(S134)。この1回前ベース非表示処理(S134)では、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点滅態様での「b1.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で点灯態様での「−−」を表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。このときには図27(C)に示すように、7セグ表示器300で1回前ベースを未だ把握できないことになる。
続いて、1回前ベース表示処理(S132)又は1回前ベース非表示処理(S134)を開始してから特定時間(本形態では4.8秒)が経過したか否かを判定する(S135)。経過してなければ(S135でNO)、未だ1回前ベース表示処理(S132)又は1回前ベース非表示処理(S134)を継続させるため、本処理を終える。一方、経過していれば(S135でYES)、2回前ベース表示フラグをONにする(S136)。2回前ベース表示フラグは、2回前ベースの表示タイミングになっていることを示すフラグである。ステップS136の後、1回前ベース表示フラグをOFFにして(S137)、本処理を終える。
ステップS130で、1回前ベース表示フラグがONでない場合には(S130でNO)、ステップS138に進み、2回前ベース表示フラグがONであるか否かを判定する。2回前ベース表示フラグがONであれば(S138でYES)、続いて、ベース情報記憶部108に2回前ベース情報の記憶があるか否かを判定する(S139)。記憶があれば(S139でYES)、7セグ表示器300で2回前ベースを表示するための2回前ベース表示処理を実行する(S140)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点灯態様での「b2.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で2回前ベースを表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして7セグ表示器300では、現在ベースと1回前ベースだけでなく、図26(D)に示すように、2回前ベースも把握することができて、パチンコ遊技機PY1に故障や不具合、或いは不正な改造が施されているか否かをより正確に判断することが可能である。
一方、ステップS139において、2回前ベース情報の記憶がないと判定すれば(S139でNO)、2回前ベース非表示処理を実行する(S141)。この2回前ベース非表示処理(S141)では、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点滅態様での「b2.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で点灯態様での「−−」を表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。このときには図27(D)に示すように、7セグ表示器300で2回前ベースを未だ把握できないことになる。
続いて、2回前ベース表示処理(S140)又は2回前ベース非表示処理(S141)を開始してから特定時間(本形態では4.8秒)が経過したか否かを判定する(S142)。経過してなければ(S142でNO)、未だ2回前ベース表示処理(S140)又は2回前ベース非表示処理(S141)を継続させるため、本処理を終える。一方、経過していれば(S142でYES)、3回前ベース表示フラグをONにする(S143)。3回前ベース表示フラグは、3回前ベースの表示タイミングになっていることを示すフラグである。ステップS143の後、2回前ベース表示フラグをOFFにして(S144)、本処理を終える。
ステップS138で、2回前ベース表示フラグがONでない場合には(S138でNO)、ステップS145に進み、3回前ベース表示フラグがONであるか否かを判定する。なおステップS145にて、3回前ベース表示フラグがONでないと判定されることは実質的にない。つまりステップS145に進むと、3回前ベース表示フラグがONであるため、必ずステップS146に進む。ステップS146では、ベース情報記憶部108に3回前ベース情報の記憶があるか否かを判定する。記憶があれば(S146でYES)、7セグ表示器300で3回前ベースを表示するための3回前ベース表示処理を実行する(S147)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点灯態様での「b3.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で3回前ベースを表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして7セグ表示器300では、現在ベースと1回前ベースと2回前ベースだけでなく、図26(E)に示すように、3回前ベースも把握することができて、パチンコ遊技機PY1に故障や不具合、或いは不正な改造が施されているか否かをより正確に判断することが可能である。
一方、ステップS146において、3回前ベース情報の記憶がないと判定すれば(S146でNO)、3回前ベース非表示処理を実行する(S148)。この3回前ベース非表示処理(S148)では、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子TX3(図23参照)から、第1表示領域310及び第2表示領域320で点滅態様での「b3.」を表示し、第3表示領域330及び第4表示領域340で点灯態様での「−−」を表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。このときには図27(E)に示すように、7セグ表示器300で3回前ベースを未だ把握できないことになる。
続いて、3回前ベース表示処理(S147)又は3回前ベース非表示処理(S147)を開始してから特定時間(本形態では4.8秒)が経過したか否かを判定する(S149)。経過してなければ(S149でNO)、未だ3回前ベース表示処理(S147)又は3回前ベース非表示処理(S148)を継続させるため、本処理を終える。一方、経過していれば(S149でYES)、現在ベース表示フラグをONにする(S150)。これにより、次回のベース表示処理(S108)にて、7セグ表示器300で現在ベースの表示が開始される。ステップS150の後、3回前ベース表示フラグをOFFにして(S151)、本処理を終える。
[電源断監視処理]電源断監視処理(S109)では、図38に示すように、遊技制御用マイコン101はまず、電源断信号を入力したか否かを判定し(S160)、入力していなければ(S160でNO)、本処理を終える。電源断信号は、監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと、電源ユニット190から出力される信号である。電源断信号の入力があれば(S160でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104に格納するとともに(S161)、電源断フラグをONする(S162)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S163)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(S005、図34参照)に戻ることなくループ処理を行う。
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図39〜図44に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ制御メイン処理]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
図39に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S1001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124の内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S1002)、ステップS1003に進む。
一方、ステップS1001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S1011でYES)、遊技制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、演出制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S1002)、ステップS1003に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S1011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
ステップS1004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S1005)。乱数シード更新処理(S1005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S1005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S1006)。コマンド送信処理(S1006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S1007)。以降、ステップS1004〜S1007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S1008)、1msタイマ割り込み処理(S1009)および10msタイマ割り込み処理(S1010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S1008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S1009、S1010)に優先して実行される処理である。図40に示すように、受信割り込み処理(S1008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S1101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S1009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図41に示すように、1msタイマ割り込み処理(S1009)ではまず、入力処理を行う(S1201)。入力処理(S1201)では、入力部検知センサ40a(図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S1202)。ランプデータ出力処理(S1202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ212や盤ランプ54を発光させるべく、セットされたランプデータ(枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御するデータ)をサブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162が枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御することで、後述するように、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様(図22(B)(E)参照)、特別な第2発光態様(図22(C)(D)参照)、特別な第3発光態様(図22(F)参照)、特殊なエラー発光態様(図25(D)参照)で発光させることが可能である。
次いで、駆動制御処理(S1203)を行う。駆動制御処理(S1203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S1204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S1010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S1010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S1302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1303)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声データ(スピーカ620からの音声を出力する制御データ)を作成したり、画像制御基板140に音声データを出力する音声制御処理を実行する(S1304)。この音声制御処理(S1304)により、後述するように、「設定変更可能です」という音声(図22(B)(E)参照)、「設定値が変更されました」という音声(図22(C)(D)参照)、「設定値を確定しました」という音声、特殊なエラー音(図25(B)参照)がスピーカ620から出力される。その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1305)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図43に示すように、受信コマンド解析処理(S1301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S1401)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S1402)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S1403)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S1404)。変動演出終了処理(S1404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1405)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1406)。オープニング演出選択処理(S1406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1407)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1408)。ラウンド演出選択処理(S1408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1409)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1410)。エンディング演出選択処理(S1410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定値指定コマンドを受信したか否か判定し(S1411)、受信していれば設定値フラグ変更処理を行う(S1412)。設定値フラグ変更処理(S1412)では、設定値指定コマンドに含まれている設定値の情報に基づいて、演出用RAM124の設定値フラグ125を設定する。例えば、設定値指定コマンドに設定値「1」の情報が含まれていれば、設定値フラグ125を「1」に設定する。これにより、演出制御用マイコン121は、現時点での設定値を把握することが可能であり、画像表示装置50等の演出手段で設定値を示唆する示唆演出を実行可能である。なお上述したステップS1002(図39参照)で演出用RAM124の初期化が実行されたときには、設定値フラグ125の内容は消去される。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定モード移行コマンドを受信したか否か判定し(S1413)、受信していれば設定モード移行演出処理を行う(S1414)。設定モード移行演出処理(S1414)では、図22(B)に示す設定変更中画像SHを表示するための設定モード移行演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定モード移行演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに設定変更中画像SHを表示する。
また設定モード移行演出処理(S1414)では、「設定変更可能です」という音声(図22(B)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU149は、スピーカ620から「設定変更可能です」という音声を出力させる。また設定モード移行演出処理(S1414)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様(図22(B)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様で発光させる。以上により、設定変更中画像SHの表示と、「設定変更可能です」という音声と、特別な第1発光態様での発光とにより、設定変更者には、設定変更モードに移行して任意に設定値を変更できる状況であることを把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定値変更コマンドを受信したか否か判定し(S1415)、受信していれば設定値変更演出処理を行う(S1416)。設定値変更演出処理(S1416)では、図22(C)や図22(D)に示す設定値変更画像YGを表示するための設定値変更演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定値変更演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて設定変更中画像SHの上から重ねて(レイヤー状に)設定値変更画像YGを表示する。
また設定値変更演出処理(S1416)では、「設定値が変更されました」という音声(図22(C)又は図22(D)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU149は、スピーカ620から「設定値が変更されました」という音声を出力させる。また設定値変更演出処理(S1416)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第2発光態様(図22(C)又は図22(D)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第2発光態様で発光させる。以上により、設定値変更画像YGの表示と、「設定値が変更されました」という音声と、特別な第2発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が変更された状況を把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定モード終了コマンドを受信したか否か判定し(S1417)、受信していれば設定モード終了演出処理を行う(S1418)。設定モード終了演出処理(S1418)では、図22(F)に示す設定値確定画像SKを表示するための設定値確定演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定値確定演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて図22(E)に示す設定変更中画像SHの表示から、図22(F)に示す設定値確定画像SKの表示に切り替える。
また設定モード終了演出処理(S1418)では、「設定値を確定しました」という音声(図22(F)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU149は、スピーカ620から「設定値を確定しました」という音声を出力させる。また設定モード終了演出処理(S1418)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第3発光態様(図22(F)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第3発光態様で発光させる。以上により、設定値確定画像SKの表示と、「設定値を確定しました」という音声と、特別な第3発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が確定された状況を把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエラーコマンドを受信したか否か判定し(S1419)、受信していればエラーモード報知処理を行う(S1420)。エラーモード報知処理(S1420)では、図25(B)に示す操作示唆画像SEを表示するための操作示唆演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、操作示唆演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて図25(B)に示す操作示唆画像SEを表示する。
またエラーモード報知処理(S1420)では、特殊なエラー音(図25(B)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU149は、スピーカ620から特殊なエラー音を出力させる。またエラーモード報知処理(S1420)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特殊なエラー発光態様(図25(B)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特殊なエラー発光態様で発光させる。以上により、操作示唆画像SEの表示と、特殊なエラー音と、特殊なエラー発光態様での発光とにより、遊技場の従業員に、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S1421)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S1301)を終える。
[変動演出開始処理]図44に示すように、変動演出開始処理(S1402)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S1501)。変動開始コマンドには、変動パターン(図18参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S1502)。そして、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S1503)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、設定値を示唆する示唆演出の有無、示唆演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出選択処理を行う(S1504)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。次いで、選択した変動演出パターンに応じて駆動データを設定するための駆動データ設定処理を実行する(S1505)。
その後、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1506)、変動演出開始処理(S1402)を終了する。ステップS1506でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出を行う。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1によれば、設定変更モードへの移行と設定値の確定(設定変更モードの終了)とを、共に設定キーシリンダ180への操作を条件としている。よって、設定値を確定するための専用の操作手段を新たに設けずに、設定値を確定することが可能である。言い換えると、設定変更モードを開始するための操作手段と、設定変更モードを終了するための操作手段とを設定キーシリンダ180によって兼用することで、部品点数の削減を図ることできると共に、操作方法が複雑になるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定変更モードに移行する場合には、設定キーシリンダ180を回転位置まで十分に回転操作させておく必要がある。これにより、意図せずに設定変更モードに移行してしまうのを防ぐことが可能である。その一方で、設定変更モードを終了させる場合には、或る設定値が選択されている状態で(例えば図22(D)参照)、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ完全に戻す前に、当該設定値が確定される。従って、設定値の確定タイミングをできるだけ早くすることが可能である。また仮に設定変更者が不注意又は不慣れによって設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ完全に戻さなくても、設定値を確定できるため、設定変更者の不注意又は不慣れにも対応することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定キーシリンダ180を回転位置まで十分に回転操作しなければ設定変更モードに移行せず、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ戻すとすぐに設定値が確定される電気回路を、図23に示すように、電力ラインE2、信号ラインE1、設定キーシリンダスイッチ180a、グランドラインE4によって、簡易に実現することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定値が確定すると(設定変更モードが終了すると)、図22(E)に示す状態から図22(F)に示すように、表示画面50aでは、設定変更中画像SHが表示されている状況から、設定値確定画像SKの表示に切替わる。またスピーカ620から「設定変更可能です」という音声が繰り返し出力されている状況から、「設定値を確定しました」という音声が出力される。更に枠ランプ212及び盤ランプ54が特別な第2発光態様で発光し続けている状況から、特別な第3発光態様での発光に切替わる。以上の演出態様の変化によって、設定変更者は、仮に設定キーシリンダ180が待機位置へ完全に戻る前であっても、設定値が正しく確定されたことを把握することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定値が確定すると、図22(F)に示すように、7セグ表示器300が正常であることを示す初期表示が実行される。この初期表示により、表示されていた設定値が正しいものであったことを確認することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入時に設定変更モード移行操作を行った場合に限り、設定値を変更可能な設定変更モードに移行することができる。従って、特別図柄の変動表示中(遊技中)に設定キーシリンダ180が操作されても、設定変更モードに移行不可能である。そのため、遊技者等が遊技中に不正に設定変更モードに移行して、設定値を決定するのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定キーシリンダ180が回転位置まで回転操作されていて、且つ電源スイッチ195を遮断状態から投入状態に切替えることに基づいて、設定変更モードに移行できる。よって、電源スイッチ195を操作可能な遊技場の従業員に限り、設定変更モードに移行して、設定値を決定することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、7セグ表示器300では、図22(B)〜図22(D)に示すように、設定値が点灯態様で発光している間は、当該設定値の変更が可能である。そして、設定値が確定すると、図22(F)に示すように、点灯態様であった設定値が非表示態様に変更される(表示されなくなる)。こうして、設定値の表示態様の変更により、設定値の確定を把握することが可能である。そして、設定値が確定された後には、その設定値を見えないようにすることで、確定された設定値が周囲には把握されてしまう危険性をできるだけ少なくすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図26(B)(C)(D)(E)に示すように、7セグ表示器300にてベースが表示される。従って、7セグ表示器300に表示されたベースを見ることで、遊技者に過剰な利益又は不利益を与え得るパチンコ遊技機PY1であるかを容易に判断することが可能である。更に、この7セグ表示器300には、図22(B)(C)(D)に示すように、設定値も表示され得る。こうして、設定値を表示する表示手段と、ベースを表示する表示手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、設定値の表示と、ベースの表示の両方を同時に行うわけではなく、何れか一方のみを行う。これにより、遊技制御用マイコン101の処理負担が大きくなり過ぎるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定変更モードが終了すると(設定値が確定すると)、7セグ表示器300では、図26(A)に示す初期表示を経て、図26(B)(C)(D)(E)に示すベース(現在ベース、1回前ベース、2回前ベース、3回前ベース)が表示される。そのため、初期表示を見た遊技場の従業員等には、7セグ表示器300において、設定値の表示だけでなく、ベースの表示も正しく行われると認識させることが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、図22(B)(C)(D)に示すように、7セグ表示器300に設定値を直接的に示すことがある一方、画像表示装置50の表示画面50a及びスピーカ620を用いて設定値を直接的に示すことがなかった。これに対して、図45に示す変形例のように、画像表示装置50の表示画面50a及びスピーカ620を用いて設定値を直接的に示すことがあるようにしても良い。
即ち、設定変更モード移行操作を行うと、図45(B)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、電源投入される前に設定されていた設定値(例えば「1」)が表示されて、画像表示装置50の表示画面50aには、設定変更中画像SHの上から上記設定値(例えば「1」)を示す初期設定値画像YG1が表示される。この初期設定値画像YG1により、設定変更者や周囲の遊技場の従業員に、より分かり易く電源投入される前に設定されていた設定値を把握させることが可能である。なおこの変形例では、遊技制御用マイコン101が図30に示すステップS033にて設定値指定コマンドを送信し、演出制御用マイコン121がその設定値指定コマンドを受信することに基づいて、初期設定値画像YG1の表示制御を実行すれば良い。
その後、RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、図45(C)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、設定値「2」が表示されて、画像表示装置50の表示画面50aには、設定変更中画像SHの上から設定値「2」を示す変更設定値画像YG2が表示される。またこのときには、スピーカ620から、「設定値が「2」に変更されました」という音声が出力される。これら変更設定値画像YG2の表示と、スピーカ620からの音声とにより、設定変更者や周囲の遊技場の従業員に、より分かり易く変更した設定値を把握させることが可能である。なおこの変形例では、遊技制御用マイコン101が図30に示すステップS037にて設定値指定コマンドを送信し、演出制御用マイコン121がその設定値指定コマンドを受信することに基づいて、変更設定値画像YG2の表示制御と、「設定値が「2」に変更されました」という音声制御を実行すれば良い。
続いて、RAMクリアスイッチ191が押下操作された場合には、図45(D)に示すように、表示画面50aにて設定値「3」を示す変更設定値画像YG3が表示されると共に、スピーカ620から「設定値が「3」に変更されました」という音声が出力されることになり、設定値の報知が「2」から「3」に変わること以外、上記した図45(C)に示す場合と同様である。
その後、設定確定操作が行われると、図45(E)に示す状態から図45(F)に示すように、7セグ表示器300では初期表示が実行されて、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定値を「3」に確定しました」の文字を示す設定値確定報知画像SLが表示される。またこのときには、スピーカ620から、「設定値を「3」に確定しました」という音声が出力される。これら設定値確定報知画像SLの表示と、スピーカ620からの音声とにより、設定変更者や周囲の遊技場の従業員に、より分かり易く確定した設定値を把握させることが可能である。なおこの変形例では、遊技制御用マイコン101が図30に示すステップS040にて設定モード終了コマンドを送信し、演出制御用マイコン121がその設定モード終了コマンドを受信することに基づいて、設定値確定報知画像SLの表示制御と、「設定値を「3」に確定しました」という音声制御を実行すれば良い。
以上、図45に示す変形例では、電源投入される前に設定されていた設定値、変更した設定値、及び確定した設定値を把握し易いメリットがある。その一方で、遊技場の従業員以外に設定値が把握される危険性が高くなるというデメリットがある。なお枠ランプ212や盤ランプ54等の発光手段を用いて、電源投入される前に設定されていた設定値、変更した設定値、及び確定した設定値を報知するようにしても良い。
また上記形態では、設定確定操作を行うと、図22(D)に示すように7セグ表示器300にて点灯態様(変更可能態様)で表示されていた設定値が非表示態様になって、替わりに図22(F)に示すように初期表示が実行された。これに対して、図46に示す変形例のように、設定確定操作を行うと、点灯態様で表示されていた設定値が非表示態様以外の表示態様に変更するようにしても良い。
即ち、図46(A)に示すように、設定変更モードにおいて、7セグ表示器300の第4表示領域340にて例えば「3」を示す設定値が点灯態様で表示されているものとする。このときに設定確定操作が行われると、図46(B)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340にて「3」を示す設定値が点滅態様(発光と消灯を繰り返す態様)で発光するようにしても良い。これにより設定変更者には、どの設定値で確定したかをより分かり易く示すことが可能である。そして、設定値が点滅態様で所定時間(例えば5秒)だけ表示された後に、図46(C)に示すように、設定値が非表示態様になって、7セグ表示器300で初期表示が実行されるようにしても良い。なお図46に示す変形例では、設定変更モード中に示される設定値の表示態様を点灯態様とし、設定確定操作が行われたとき示される設定値の表示態様を点滅態様としたが、これらの表示態様は一例であって、適宜変更可能である。
また上記形態では、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、設定値を表示する場合にはベースを表示しないで、ベースを表示する場合には設定値を表示しないようにした。しかしながら、図47に示す変形例のように、7セグ表示器300において、例えば第1表示領域310及び第2表示領域320にベースを表示して、例えば第4表示領域340に設定値を表示するようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員は、設定値とベースの両方を同時に把握することが可能である。なお第1表示領域310から第4表示領域340のうち、どの表示領域に設定値又はベースを表示するかは適宜変更可能である。
また上記形態では、1つの7セグ表示器300において、設定値及びベースを表示できるようにした。これに対して、図48に示す変形例のように、設定値を表示する表示手段と、ベースを表示する表示手段とを別々に設けても良い。例えば、図48(A)に示すように、第1表示手段(7セグ表示器)300Aの第4表示領域340にて設定値を表示するようにして、第2表示手段(7セグ表示器)300Bの第3表示領域330及び第4表示領域340にてベースを表示するようにしても良い。なお設定値又はベースを表示する表示手段は、7セグ表示器に限られるものではなく、その他のセグメント表示器や、画像表示装置50の表示画面50a、サブ液晶表示装置等であっても良い。
また上記形態では、図12に示すように、コンデンサCA3からのバックアップ電源が、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、再び払出制御基板170に戻って供給されることはない。これに対して図49に示す変形例では、コンデンサCA3からのバックアップ電源が、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、再び払出制御基板170に戻って供給されるように構成されている。
図49に示すように、この変形例の電気回路DK2では、電源ユニット190と払出制御基板170とが、ハーネスHN5で接続されている。ハーネスHN5の一端部にあるコネクタCN9は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN5の他端部にあるコネクタCN10は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN5には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H11と、グランド線となる配線H12とが設けられている。
払出制御基板170において、コネクタCN10と分岐部分J3との間に電力ラインA11(特定電力ライン)がある。電力ラインA11は、コネクタCN10を介して、ハーネスHN5の配線H11に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA14がある。電力ラインA14は、コネクタCN10を介して、ハーネスHN5の配線H12に接続されている。
電力ラインA11のうちコネクタCN10側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。このフィルタNF1により、電力ラインA11にて供給される通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。また電力ラインA11のうちフィルタNF1よりも分岐部分J3側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。このコンデンサCA1により、通常電源における電流の変動(負荷)が大きくなったときにDC5Vの電圧がドロップするのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA11のうちコンデンサCA1よりも分岐部分J3側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。このコンデンサCA2により、電力ラインA11にて通常電源から高周波ノイズを除去することが可能である。分岐部分J3から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC11(第1特定電力ライン)があり、電力ラインC11は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H11と電力ラインA11と電力ラインC11とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN6で接続されている。ハーネスHN6の一端部にあるコネクタCN11は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN6の他端部にあるコネクタCN12は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN6には、バックアップ電源を遊技制御基板100から払出制御基板170に供給するための配線H16と、バックアップ電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H14と、通常電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H15とが設けられている。
払出制御基板170には、分岐部分J3からハーネスHN6の配線H14に向かう電力ラインA12(第2特定電力ライン)があり、電力ラインA12のうち分岐部分J3側に、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。この抵抗T1により、分岐部分J3から抵抗T1へ向かう電流を抑えることが可能である。また電力ラインA12のうち抵抗T1よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。このダイオードDO1により、後述するコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)で蓄えられた電荷が、ダイオードDO1から分岐部分J3へ向かうのを防ぐことが可能である。
また電力ラインA12のうちダイオードDO1よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時には、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA12のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN11側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。このコンデンサCA4により、電力ラインA12にて供給されるバックアップ電源から高周波ノイズを除去することが可能である。
また電力ラインA12は、コネクタCN11を介して配線H14に接続されている。配線H14は、コネクタCN12を介して遊技制御基板100の電力ラインD11に接続されている。電力ラインD11は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA12と配線H14と電力ラインD11とを介して、遊技制御用マイコン101のVb端子に供給することが可能である。
払出制御基板170には、分岐部分J3からハーネスHN6の配線H15に向かう電力ラインA13がある。電力ラインA13は、コネクタCN11を介して配線H15に接続されている。配線H15は、コネクタCN12を介して遊技制御基板100の電力ラインD12に接続されている。電力ラインD12は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源を、配線H11と電力ラインA11と電力ラインA13と配線H15と電力ラインD12とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給することが可能である。
この変形例の電気回路DK2では、遊技制御基板100の電力ラインD11の分岐部分J4から電力ラインD13が分岐している。電力ラインD13は、コネクタCN12を介して配線H16に接続されている。従って、図49に示すように、払出制御基板170と遊技制御基板100とをハーネスHN6で接続している状態に限り、コンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA12と配線H14と電力ラインD11と電力ラインD13と配線H16と電力ラインB11とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。つまり、バックアップ電源は、払出制御基板170から遊技制御基板100に供給された後、遊技制御基板100から払出制御基板170へ戻って供給されることで、払出制御用マイコン171のVb端子に供給されるようになっている。
ここで、インサーキット検査時においては、図50に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA11及び電力ラインA12に電力を供給するように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷が蓄えられつつ、インサーキット検査が行われる。そして、インサーキット検査が終了した後に、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装する。しかしながらこのときには、払出制御基板170は、ハーネスHN6(図49参照)を介して遊技制御基板100に接続されていない状態である。
従って、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が、払出制御基板170から遊技制御基板100を介して払出制御基板170に戻ってくることはなく、払出制御用マイコン171に作用することはない。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を防ぐことが可能である。なおパチンコ遊技機PY1全体の組付け時に、払出制御基板170と遊技制御基板100とをハーネスHN6で接続する段階では、コンデンサCA3に電荷は残っていないため、払出制御用マイコン171に動作不良が生じることはない。
以上詳細に説明したように、この変形例の電気回路DK2によれば、図49に示すように、払出制御基板170(特定制御基板)に設けられているコンデンサCA3は、バックアップ電源を遊技制御基板100(他の基板)に供給可能であると共に、当該払出制御基板170の払出制御用マイコン171(特定制御手段)に供給可能である。よって、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサを電力供給部(電源基板、電源ユニット)に設けることなく、2つの制御基板に対してバックアップ電源を供給することができて、バックアップ電源の新しい供給関係を構築することが可能である。
またこの変形例の電気回路DK2によれば、払出制御基板170に対して遊技制御基板100を取り外すと、バックアップ電源が、遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101に供給されなくなる。更に、バックアップ電源が払出制御基板170から遊技制御基板100を介して当該払出制御基板170に戻って供給されないため、バックアップ電源が、払出制御用マイコン171にも供給されなくなる。よって、遊技制御基板100を取り外すと同時に、遊技制御用マイコン101及び払出制御用マイコン171を初期化することが可能である。つまり、遊技制御基板100を取り外して、遊技に係る制御が停止している(遊技用RAM104では遊技に係る情報がクリアされている)にも拘わらず、払出用RAM174で払い出しに係る情報が残って記憶されている状態を防ぐことが可能である。その結果、遊技制御用マイコン101と払出制御用マイコン171が通常電源によって再び動作するときには、共に初期化されている状態から動作を開始することが可能である。
またこの変形例の電気回路DK2によれば、図50に示すように、インサーキット検査時には、電力ラインA11と電力ラインA12とにより、DC5Vの電力が供給されて、コンデンサCA3に電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサCA3に電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、払出制御基板170に払出制御用マイコン171を実装するときに、払出制御基板170と遊技制御基板100とを接続しないようにしておく。これにより、コンデンサCA3に残った電荷が、払出制御用マイコン171に作用するのを防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。なおその他の作用効果は、上記した本形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
また上記形態では、図12に示すように、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給可能な導通状態と供給不能な非導通状態とを切替不能であった。これに対して、図51に示す変形例では、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給可能な導通状態と供給不能な非導通状態とを切替可能なスイッチSW1が設けられている。
図51に示すように、この変形例の電気回路DK3では、電源ユニット190と払出制御基板170(特定制御基板)とが、ハーネスHN7で接続されている。ハーネスHN7の一端部にあるコネクタCN13は、電源ユニット190に接続され、ハーネスHN7の他端部にあるコネクタCN14は、払出制御基板170に接続されている。ハーネスHN7には、電源ユニット190からDC5Vの電力(通常電源)を供給するための配線H21と、グランド線となる配線H22とが設けられている。
払出制御基板170において、コネクタCN14と分岐部分J5との間に電力ラインA21がある。電力ラインA21は、コネクタCN14を介して、ハーネスHN7の配線H21に接続されている。また払出制御基板170において、グランドGに接続されている電力ラインA13がある。電力ラインA13は、コネクタCN14を介して、ハーネスHN7の配線H22に接続されている。
電力ラインA21のうちコネクタCN14側に、比較例で説明したフィルタNF1(図10参照)と同様のフィルタNF1が接続されている。また電力ラインA21のうちフィルタNF1よりも分岐部分J5側には、比較例で説明したコンデンサCA1(図10参照)と同様のコンデンサCA1が並列的に接続されている。また電力ラインA11のうちコンデンサCA1よりも分岐部分J5側には、比較例で説明したコンデンサCA2(図10参照)と同様のコンデンサCA2が並列的に接続されている。分岐部分J5から払出制御用マイコン171に向かう電力ラインC21があり、電力ラインC21は、払出制御用マイコン171のVc端子に接続されている。これにより通常電源は、配線H21と電力ラインA21と電力ラインC21とを介して、払出制御用マイコン171のVc端子に供給される。その結果、払出制御用マイコン171(特定制御手段)は、通常時、通常電源に基づいて作動することが可能である。なお電力ラインA21が「特定電力ライン」に相当し、電力ラインC21が「通常電力ライン」に相当する。
払出制御基板170と遊技制御基板100とは、ハーネスHN8で接続されている。ハーネスHN8の一端部にあるコネクタCN15は、払出制御基板170に接続され、ハーネスHN8の他端部にあるコネクタCN16は、遊技制御基板100に接続されている。ハーネスHN8には、バックアップ電源を遊技制御基板100から払出制御基板170に供給するための配線H24と、通常電源を払出制御基板170から遊技制御基板100に供給するための配線H25とが設けられている。
払出制御基板170には、分岐部分J5からハーネスHN8の配線H24に向かう電力ラインA22があり、電力ラインA22のうち分岐部分J5側に、比較例で説明した抵抗T1(図10参照)と同様の抵抗T1が直列的に接続されている。また電力ラインA22のうち抵抗T1よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したダイオードDO1(図10参照)と同様のダイオードDO1が接続されている。
また電力ラインA22のうちダイオードDO1よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したコンデンサCA3(図10参照)と同様のコンデンサCA3(電気2重層コンデンサ)が並列的に接続されている。これにより電断時には、コンデンサCA3が蓄えている電荷を放出することで、バックアップ電源を供給することが可能である。また電力ラインA22のうちコンデンサCA3よりもコネクタCN15側には、比較例で説明したコンデンサCA4(図10参照)と同様のコンデンサCA4が並列的に接続されている。
また電力ラインA22のうちコンデンサCA4よりもコネクタCN15側には、分岐部分J6がある。分岐部分J6から払出制御用マイコン171のVb端子に向かって電力ラインA23が延びていて、電力ラインA23は払出制御用マイコン171のVb端子に接続されている。但し第3形態では、電力ラインA23には、スイッチSW1が設けられている。スイッチSW1(切替手段)は、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給可能な導通状態(第1状態)と、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態(第2状態)とを切替えるものである。
このスイッチSW1は、手動操作によって、導通状態又は非導通状態を切替可能なトグルスイッチで構成されている。但し、電力ラインA23の導通状態又は非導通状態を切替可能な切替手段は、トグルスイッチのような機械(メカ)的なスイッチSW1に限られるものではない。例えば、MOSFET等の半導体素子を用いた電子制御的なものであっても良く、適宜変更可能である。なお電力ラインA22と電力ラインA23とが、「バックアップ電力ライン」に相当する。
こうして、この変形例のパチンコ遊技機PY1が遊技場に設定されている状態では、図51に示すように、スイッチSW1は導通状態になっている。そのため電断時には、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が放出されて、バックアップ電源を電力ラインA22と電力ラインA23とを介して、払出制御用マイコン171のVb端子に供給することが可能である。
また電力ラインA22は、コネクタCN15を介して配線H24に接続されている。配線H24は、コネクタCN16を介して遊技制御基板100(他の制御基板)の電力ラインD21に接続されている。電力ラインD21は、遊技制御用マイコン101のVb端子に接続されている。これにより、電断時にコンデンサCA3からのバックアップ電源を、電力ラインA22と配線H24と電力ラインD21とを介して、遊技制御用マイコン101(他の制御手段)のVb端子に供給することが可能である。
払出制御基板170には、分岐部分J5からハーネスHN8の配線H25に向かう電力ラインC22がある。電力ラインC22は、コネクタCN15を介して配線H25に接続されている。配線H25は、コネクタCN16を介して遊技制御基板100の電力ラインD22に接続されている。電力ラインD22は、遊技制御用マイコン101のVc端子に接続されている。これにより通常電源を、配線H21と電力ラインA21と電力ラインA22と配線H25と電力ラインD22とを介して、遊技制御用マイコン101のVc端子に供給することが可能である。
ここで、インサーキット検査時においては、図52に示すように、払出制御基板170から払出制御用マイコン171が取り外された状態で、払出制御基板170にインサーキットテスタINCが接続される。このときインサーキットテスタINCは、電力ラインA21及び電力ラインA22に電力を供給するように制御する。これにより、コンデンサCA3に電荷が蓄えられつつ、インサーキット検査が行われる。そして、インサーキット検査が終了した後、スイッチSW1を操作して、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態(図22参照)にする。なおインサーキット検査を行う前から、スイッチSW1を非導通状態にしておいても良い。
こうして、スイッチSW1を非導通状態にしたまま、払出制御用マイコン171を払出制御基板170に実装する。これにより、コンデンサCA3に蓄えられた電荷が、電力ラインA23を介して払出制御用マイコン171に作用することはない。その結果、払出制御用マイコン171に動作不良が生じる事態を防ぐことが可能である。なおパチンコ遊技機PY1全体の組付け前には、スイッチSW1を操作して、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給可能な導通状態(図51参照)にしておく。電断時にバックアップ電源を払出制御用マイコン171に供給できるようにしておくためである。
以上詳細に説明したように、この変形例の電気回路DK3によれば、スイッチSW1において、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態にする。これにより、コンデンサCA3から払出制御用マイコン171にバックアップ電源を供給不能になる。よって、意図しないでバックアップ電源が払出制御用マイコン171に供給されてしまう事態を防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
また、この変形例の電気回路DK2によれば、図52に示すように、インサーキット検査時には、電力ラインA22によりDC5Vの電力が供給されて、コンデンサCA3に電荷が貯められる。そのため、インサーキット検査の直後には、コンデンサCA3に電荷が残ってしまう。そこで、インサーキット検査後で、払出制御基板170に払出制御用マイコン171を実装するときに、スイッチSW1において、電力ラインA23にてバックアップ電源が供給不能な非導通状態にしておく。これにより、コンデンサCA3に残った電荷が、払出制御用マイコン171に作用するのを防ぐことが可能であり、払出制御用マイコン171に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。なおその他の作用効果は、上記した本形態の作用効果と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
また上記形態では、図24(A)に示すように、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときに、遊技制御用マイコン101に「H」レベルのスイッチ信号が入力され、図24(B)に示すように、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置への操作途中であるときに、スイッチ信号が「H」レベルから「L」レベルに切替わり、図24(C)に示すように、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときに、遊技制御用マイコン101に「L」レベルのスイッチ信号が入力されるようにした。しかしながら、図53に示す変形例のように、上記形態のスイッチ信号における「H」レベルと「L」レベルとの関係を逆にしても良い。
即ち、図53(A)に示すように、設定キーシリンダ180が待機位置にあるときに、遊技制御用マイコン101に「H」レベルのスイッチ信号が入力され、図53(B)に示すように、設定キーシリンダ180が待機位置から回転位置への操作途中であるときに、スイッチ信号が「H」レベルから「L」レベルに切替わり、図53(C)に示すように、設定キーシリンダ180が回転位置にあるときに、遊技制御用マイコン101に「L」レベルのスイッチ信号が入力されるようにしても良い。
但し、図53に示す変形例では、設定キーシリンダ180を待機位置から回転し始めるとすぐに、図53(B)に示すように、スイッチ信号が「H」レベルから「L」レベルに切替わって、設定変更モードに移行することになる。この場合、設定変更者の不慣れな操作や振動によって、意図せずに設定変更モードに移行し易くなってしまう。よって、上記形態(図24参照)の方が、意図せずに設定変更モードに移行するのを防ぐことができるという点で好ましい。また図53に示す変形例では、設定変更モードを終了させる場合、図53(A)に示すように、設定キーシリンダ180を待機位置まで十分に回転操作しなければ、設定値を確定することができない。この場合、設定変更者が待機位置まで十分に回転操作をするのを忘れると、7セグ表示器300に設定値が表示され続けるため、設定値が周囲に把握される危険性が高くなってしまう。よって、上記形態(図22(E)(F)参照)の方が、設定キーシリンダ180を回転位置から回転し始めるとすぐに、設定変更モードが終了して、7セグ表示器300で設定値が見えなくなる(非表示態様になる)という点で好ましい。
また上記形態では、図23に示すように、通常時(設定キーシリンダ180が待機位置にあるとき)に、抵抗T2をプルダウン抵抗として機能させて、遊技制御用マイコン101に「L」レベルのスイッチ信号(第2信号)が入力された。そして、設定変更モードであるときに、遊技制御用マイコン101に「H」レベルのスイッチ信号(第1信号)が入力されるようにした。しかしながら、通常時に所定の抵抗をプルアップ抵抗として機能させて、遊技制御用マイコン101に「H」レベルのスイッチ信号(第1信号)が入力されて、設定変更モードであるときに、遊技制御用マイコン101に「L」レベルのスイッチ信号(第2信号)が入力されるようにしても良い。但しこの場合でも、設定キーシリンダ180が回転位置まで十分に回転操作されていないと設定変更モードに移行できず、設定キーシリンダ180が回転位置から回転し始めるとすぐに設定変更モードが終了すると良い。
また上記形態では、設定変更モードへの移行と、設定値の確定とを行うことが可能な移行操作手段が、回転操作可能な設定キーシリンダ180であった。しかしながら、直動操作可能な操作手段や、スイッチ式の操作手段等、その他の移行操作手段を用いて、設定変更モードへの移行と、設定値の確定とを行うことができるようにしても良い。
また上記形態では、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転し始めるとすぐに、設定キーシリンダスイッチ180aがONからOFFに切替わって(図24(A)(B)参照)、設定変更モードが終了するようになっていた。しかしながら、その他のタイミングで設定変更モードが終了するようにしても良い。例えば、設定キーシリンダ180を回転位置と待機位置との間の中間位置まで回転操作すると、設定キーシリンダスイッチ180aがONからOFFに切替わるようにしても良い。また、設定キーシリンダ180を待機位置まで完全に回転操作しないと、設定キーシリンダスイッチ180aがONからOFFに切替わらないようにしても良い。
また上記形態では、設定変更モードに移行すると、図22(B)に示すように、表示画面50aにて設定変更中画像SHを表示し、スピーカ620から「設定変更可能です」という音声を出力し、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様で発光させた。しかしながら、その他の演出態様によって、設定変更モードに移行していること(設定値が変更可能な状況であること)を報知(示唆)するようにしても良い。例えば、スピーカ620から特殊なアラーム音を出力させたり、表示画面50aに特殊なキャラクタ画像を表示することで、設定変更モードに移行していることを報知しても良い。
また上記形態では、設定変更モード中にRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、図22(C)に示すように、表示画面50aにて設定値変更画像YGを表示し、スピーカ620から「設定値が変更されました」という音声を出力し、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第2発光態様で発光させた。しかしながら、その他の演出態様によって、設定値が変更されたことを報知(示唆)するようにしても良い。例えば、スピーカ620から、設定値に応じた音高(音の高さ)を示す効果音を出力したり、表示画面50aに設定値に応じた背景画像を表示することで、設定値が変更されたことを報知しても良い。
また上記形態では、設定確定操作が行われると、図22(F)に示すように、表示画面50aにて設定値確定画像SKを表示し、スピーカ620から「設定値を確定しました」という音声を出力し、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第3発光態様で発光させた。しかしながら、その他の演出態様によって、設定値が正しく確定されたことを報知(示唆)しても良い。例えば、スピーカ620から特殊なサウンド音を出力させたり、表示画面50aに特殊なエフェクト画像を表示することで、設定値が正しく確定されたことを報知しても良い。
また上記形態では、設定変更モードに移行した後、7セグ表示器300では、設定値の表示、初期表示、ベースの表示が順番に行われるようになっていた。しかしながら、これらの表示の順番は適宜変更可能である。例えば、初期表示が最初に開始されて、続いて、設定変更モードの開始に伴って設定値が表示されて、設定変更モードが終了するとベースが表示されるようにしても良い。なお上記形態では、初期表示として、7セグ表示器300での全ての点灯部分LB1〜LB32を点灯させるようにしたが、その他の発光態様(点灯態様)であっても良く、適宜変更可能である。
また上記形態では、設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ191を押下操作する度に、設定値を変更可能にした。しかしながら、RAMクリアスイッチ191以外の操作手段への操作により、設定値を変更できるようにしても良い。
また上記形態では、設定変更モードへ移行するための条件を、設定キーシリンダ180を回転位置にしておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作した状態で、電源スイッチ195をON操作に切替えることであった。しかしながら、設定変更モードへ移行するための条件は、適宜変更可能である。例えば、遊技機枠2が開放(内枠21が外枠に対して開放、又は前扉23が内枠21に対して開放)していることと、客待ち状態であること(特別図柄が変動表示しておらず且つ大当たり遊技が実行されていないこと)としても良い。なお遊技中(特別図柄の変動表示中又は大当たり遊技の実行中)に、設定変更モードに移行して、設定値を変更できるようにしても良い。
また上記形態では、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転操作すると、設定変更モードを終了させることが可能であった。しかしながら、設定キーシリンダ180以外の操作手段を用いて、設定変更モードを終了させることができるようにしても良い。
また上記形態では、7セグ表示器300に、遊技状態毎に区分けして演算していないベースを表示した。しかしながら、遊技状態毎に区分けして演算したベースを表示しても良い。即ち、7セグ表示器300には、通常遊技状態でのベース、高確率状態且つ時短状態でのベース、通常確率状態且つ時短状態でのベース、大当たり遊技状態でのベースを表示できるようにしても良い。
また上記形態では、排出口センサ18aによる検出に基づいて、発射球数をカウントした。しかしながら、発射球数を検出するための方法は、適宜変更可能である。例えば、第1始動口センサ11aによる検出と、第2始動口センサ12aによる検出と、一般入賞口センサ10aによる検出と、大入賞口センサ14aによる検出とに基づいて、発射球数をカウントするようにしても良い。
また上記形態では、7セグ表示器300にベースを表示可能にした。しかしながら、7セグ表示器300に、ベース以外でパチンコ遊技機PY1の性能に係る情報を表示可能にしても良い。例えば、パチンコ遊技機PY1の性能に係る情報として、出玉(総賞球数−発射球数)、又は出率を表示しても良い。出率は、電源が投入された時点から現時点までに獲得した総賞球数のうち役物の作動に基づいて獲得した賞球数の割合である。そして出率の中には、役物比率と連続役物比率とがある。役物比率は、総賞球数のうち、普通電動役物(電チュー12D)及び特別電動役物(大入賞装置14D)を含む全ての役物の作動に基づいて獲得した賞球数(役物賞球数)の割合である。連続役物比率は、総賞球数のうち、特別電動役物を連続して作動させることに基づいて獲得した賞球数(連続役物賞球数)の割合のことである。つまり連続役物比率は、総賞球数のうち、大当たり遊技の実行のみに基づいて獲得した賞球数の割合のことである。
また上記形態では、図12に示すように、払出制御基板170にバックアップ電源を供給可能なコンデンサCA3が設けられていた。これに対して、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサを設けても良い。また図49に示す変形例でも、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサを設けても良い。また図51に示す変形例でも、遊技制御基板100にバックアップ電源を供給可能なコンデンサを設けても良い。これら場合、図12、図49、図51において説明した払出制御基板170と遊技制御基板100との関係が逆になり、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101との関係が逆になるだけである。
また上記形態では、電源ユニット190から払出制御用マイコン171に通常電源が供給されていないときに、払出制御基板170のコンデンサCA3は、払出制御用マイコン171と遊技制御用マイコン101の両方にバックアップ電源を供給できるように構成されていた。しかしながら、払出制御基板170のコンデンサCA3は、払出制御用マイコン171又は遊技制御用マイコン101の何れか一方に、バックアップ電源を供給できるように構成しても良い。
また上記形態において、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3は、電気2重層コンデンサであった。しかしながら、バックアップ電源供給手段は、電気2重層コンデンサよりも静電容量が小さいコンデンサ(例えば電解コンデンサ)であっても良い。またバックアップ電源供給手段は、コンデンサ以外で例えば電池であっても良く、適宜変更可能である。但し、万一の発熱に基づく出火の可能性を考慮すると、電池よりもコンデンサの方が安全上好ましい。
また上記形態において、外部から供給される電源(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能な電力供給部を、表面実装部品を実装可能な電源ユニット190(モジュール)として構成した。しかしながら、電力供給部を、表面実装部品を実装不能な電源基板として構成しても良い。なお電源ユニット190や電源基板は、遊技球(遊技媒体)の発射を制御する発射制御回路を一体的に組み込んでいるものであっても良い。
また上記形態において、払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給される通常電源は、DC5V(特定電圧)の電力であった。しかしながら、その他の電圧に基づく電力としても良い。また払出制御用マイコン171及び遊技制御用マイコン101に供給されるバックアップ電源は、DC5Vの電力であった。しかしながら、その他の電圧に基づく電力としても良い。
また上記各形態において、払出制御基板170又は遊技制御基板100に、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けた。しかしながら、払出制御基板170又は遊技制御基板100という遊技の結果に影響を及ぼす(及ぼすおそれがある)制御基板(主基板)以外に、バックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けても良い。つまり、演出制御基板120、画像制御基板140、サブドライブ基板162にバックアップ電源供給手段としてのコンデンサCA3を設けても良い。またこの場合に、バックアップ電源を供給する対象を、演出制御用マイコン121、画像用CPU141及び画像用RAM143等にしても良い。
また上記形態では、電源ユニット190は、DC5Vの電力(通常電源)を、枠側基板である払出制御基板170を介して、盤側基板である遊技制御基板100に供給した。しかしながら、枠側基板と盤側基板の関係は、払出制御基板170と遊技制御基板100との関係に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、電源ユニット190は、DC5Vの電力を、枠側基板である発射制御基板(発射制御回路175を実装している基板)を介して、盤側基板である演出制御基板120に供給するようにして良い。また電源ユニット190は、DC5Vの電力に限られず、例えばDC12Vの電力、DC18Vの電力、DC24Vの電力、DC37Vの電力を、枠側基板を介して盤側基板に供給するようにしても良い。なお枠側基板、盤側基板は、集積回路(IC)を実装していない中継基板であっても良い。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて判定処理(大当たり判定処理)を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記判定処理で大当たりと判定される確率が異なる複数(6種類)の設定値(「1」〜「6」)が設けられていて(図16(A)〜(F)参照)、
操作(回転操作)に基づいて設定変更モードに移行させることが可能な移行操作手段(設定キーシリンダ180)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードであるときに前記複数の設定値の中から選択されている一の設定値を、前記移行操作手段への操作(設定確定操作)に基づいて確定することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にどの設定値が設定されているのか(大当たりと判定される確率がどのくらいなのか)を推測させながら遊技させることが可能であり、斬新な印象を与えることが可能である。また設定変更モードへの移行と設定値の確定とを、共に移行操作手段への操作を条件としている。よって、設定値を確定するための専用の操作手段を設けずに、設定値を確定することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記移行操作手段は、
所定の初期位置(待機位置)から移動位置(回転位置)まで操作可能なものであり、
前記移動位置まで操作されていることに基づいて、前記設定変更モードに移行させることが可能であり、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードであるときに前記複数の設定値の中から選択されている一の設定値を、前記移行操作手段が前記移動位置から前記初期位置へ操作されている途中で(回転位置から待機位置の方へ回転し始めるとすぐに)、確定することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定変更モードで一の設定値が選択されている状態で、移行操作手段を移動位置から初期位置へ完全に戻す前に、当該設定値が確定される。従って、設定値の確定タイミングをできるだけ早くすることが可能である。また仮に不注意で移行操作手段を移動位置から初期位置へ完全に戻さなくても、設定値を確定できるため、移行操作手段を操作する人の不注意にも対応することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
所定電圧(DC5V)の電力が供給される電力ライン(E2)と、
前記遊技制御手段に接続されている信号ライン(E1)と、
前記移行操作手段が前記初期位置にあるときにグランド(G)に接続する一方、前記移行操作手段が前記移動位置にあるときに前記電力ラインに接続する切替手段(設定キーシリンダスイッチ180a)と、を備え、
前記信号ラインは、
前記切替手段に接続されていて、
前記切替手段と前記遊技制御手段との間の分岐部分(Q1)からグランド(G)に向かうグランドライン(E4)を備え(図23参照)、
前記遊技制御手段は、
前記移行操作手段が前記移動位置まで操作されているときに前記信号ラインから第1信号(「H」レベルのスイッチ信号)を入力することに基づいて、前記設定変更モードに移行可能であり、
前記移行操作手段が前記移動位置から前記初期位置へ操作されているときの途中で第2信号(「L」レベルのスイッチ信号)を入力することに基づいて、前記設定値を確定することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、移行操作手段を移動位置から初期位置の方へ戻すとすぐに設定値が確定される電気回路を、電力ラインと、信号ラインと、切替手段と、グランドラインとによって、簡易に実現することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2又は手段A3に記載の遊技機において、
所定の演出手段(画像表示装置50、スピーカ620、枠ランプ212及び盤ランプ54)で実行する演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、
前記移行操作手段が前記移動位置から前記初期位置へ操作されている途中で前記設定値が確定されると、前記演出手段での演出態様を変更可能(設定値確定画像SKを表示可能、「設定値を確定しました」という音声を出力可能、特別な第3発光態様で発光可能)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定値が確定されると、演出手段での演出態様が変更される。そのため、設定値を決定する人は、仮に移行操作手段が初期位置へ完全に戻る前であっても、設定値が正しく確定されたことを把握することが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
前記設定値を表示可能な表示手段(7セグ表示器300)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記移行操作手段が前記移動位置から前記初期位置へ操作されている途中で前記設定値が確定されると、前記表示手段で当該表示手段が正常であることを示す初期表示(図22(F)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定値が確定されると、表示手段が正常であることを示す初期表示が実行され得る。この初期表示により、表示されていた設定値は正しいものであったことを確認することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、通常確率状態において、大当たりと判定される確率は画一的に定まっている。また高確率状態において、通常確率状態よりも大当たりと判定される確率は高いものの、その確率は画一的に定まっている。よって遊技者には、大当たりと判定される確率を常に把握させながら遊技させていることになり、斬新な遊技を提供するには改善の余地があった。そこで手段A1〜A5に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、操作に基づいて設定変更モードに移行させることが可能な移行操作手段を備え、遊技制御手段は、設定変更モードであるときに複数の設定値の中から選択されている一の設定値を、移行操作手段への操作に基づいて確定する点で相違している。これにより、斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて判定処理(大当たり判定処理)を行うと、その判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記判定処理で大当たりと判定される確率が異なる複数(6種類)の設定値(「1」〜「6」)が設けられていて(図16(A)〜(F)参照)、
操作(回転操作)に基づいて前記複数の設定値の中から一の設定値を選択可能な設定変更モードに移行させることが可能な移行操作手段(設定キーシリンダ180)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記識別図柄の変動表示中に前記移行操作手段が操作されても、前記設定変更モードに移行不能にすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にどの設定値が設定されているのか(大当たりと判定される確率がどのくらいなのか)を推測させながら遊技させることが可能であり、斬新な印象を与えることが可能である。また識別図柄の変動表示中(遊技中)に移行操作手段が操作されても、設定変更モードに移行不能である。そのため、遊技者等が遊技中に不正に設定変更モードに移行して、設定値を決定するのを防ぐことが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記移行操作手段は、所定の初期位置(待機位置)から移動位置(回転位置)まで操作可能なものであり、
外部から供給される電源(AC24Vの電源)に基づいて電力を供給可能な投入状態、又は電力を供給不能な遮断状態に切替可能な電力切替部(電源スイッチ195)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記移行操作手段が前記移動位置まで操作されていて且つ前記電力切替部が前記遮断状態から前記投入状態に切替えられることに基づいて、前記設定変更モードに移行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、移行操作手段が移動位置まで操作されていて、且つ電力切替部を遮断状態から投入状態に切替えることに基づいて、設定変更モードに移行できる。よって、電力切替部を操作可能な遊技場の従業員に限り、設定変更モードに移行して、設定値を決定することが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードに移行した後に、前記移行操作手段が前記移動位置から操作されること(設定確定操作)に基づいて、前記設定変更モードを終了させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、移行操作手段が移動位置まで操作されていることに基づいて設定変更モードに移行し、移行操作手段が移動位置から操作されることに基づいて設定変更モードが終了する。こうして、設定変更モードを開始するための操作手段と、設定変更モードを終了するための操作手段とを兼用することで、部品点数を削減できると共に、操作方法が複雑になるのを回避することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードに移行した後に、前記移行操作手段が前記移動位置から前記初期位置へ操作されている途中で(回転位置から待機位置の方へ回転し始めるとすぐに)、前記設定変更モードを終了させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定変更モードで一の設定値が選択されている状態で、移行操作手段を移動位置から初期位置へ完全に戻す前に、設定変更モードが終了する。従って、設定変更モードの終了タイミングをできるだけ早くすることが可能である。また仮に不注意で移行操作手段を移動位置から初期位置へ完全に戻さなくても、設定変更モードを終了させることができるため、移行操作手段を操作する人の不注意にも対応することが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B3又は手段B4に記載の遊技機において、
前記設定値を表示可能な表示手段(7セグ表示器300)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードが終了すると、前記表示手段で当該表示手段が正常であることを示す初期表示(図22(F)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定変更モードが終了すると、表示手段が正常であることを示す初期表示が実行され得る。この初期表示により、表示されていた設定値は正しいものであったことを確認することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、通常確率状態において、大当たりと判定される確率は画一的に定まっている。また高確率状態において、通常確率状態よりも大当たりと判定される確率は高いものの、その確率は画一的に定まっている。よって遊技者には、大当たりと判定される確率を常に把握させながら遊技させていることになり、斬新な遊技を提供するには改善の余地があった。そこで手段B1〜B5に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、操作に基づいて複数の設定値の中から一の設定値を選択可能な設定変更モードに移行させることが可能な移行操作手段を備え、遊技制御手段は、識別図柄の変動表示中に移行操作手段が操作されても、設定変更モードに移行不能にする点で相違している。これにより、斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて判定処理(大当たり判定処理)を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記判定処理で大当たりと判定される確率が異なる複数(6種類)の設定値(「1」〜「6」)が設けられていて(図16(A)〜(F)参照)、
前記複数の設定値の中から選択されている一の設定値を表示可能な表示手段(7セグ表示器300)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記表示手段にて、前記設定値の変更が可能であることを示す変更可能態様(点灯態様)で当該設定値を表示した後、前記設定値が確定されたことに基づいて前記変更可能態様から表示態様を変更する(図22(D)(E)(F)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にどの設定値が設定されているのか(大当たりと判定される確率がどのくらいなのか)を推測させながら遊技させることが可能であり、斬新な印象を与えることが可能である。また表示手段では、設定値が変更可能態様で表示された後に、当該設定値が確定すると、変更可能態様から表示態様が変更される。これにより、設定値の確定を把握することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記表示手段にて、前記設定値が確定されたことに基づいて前記変更可能態様から当該設定値が表示されない非表示態様に変更する(図22(D)(E)(F)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示手段では、設定値が確定すると、変更可能態様から当該設定値が表示されない非表示態様に変更する。つまり設定値が確定された後に、その設定値が表示され続けるわけではない。これにより、確定された設定値が周囲に把握されてしまう危険性をできるだけ少なくすることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記表示手段にて、前記変更可能態様から前記非表示態様に変更した後、当該遊技機の性能に係る情報(ベース)を表示可能である(図26(B)(C)(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示手段では、変更可能態様から非表示態様に変更した後、当該遊技機の性能に係る情報が表示される。よって、確定された設定値が周囲に把握されないようにしつつ、当該遊技機が正常に動作しているものであるかを確認することが可能である。そして、設定値を表示するための表示手段と、遊技機の性能に係る情報を表示するための表示手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当該遊技機の性能に係る情報として、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数に対して遊技者が獲得した総賞球数の割合であるベースを表示可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示手段にてベースを見ることで、遊技者に過剰な利益又は不利益を与え得る遊技機であるかを容易に判断することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、通常確率状態において、大当たりと判定される確率は画一的に定まっている。また高確率状態において、通常確率状態よりも大当たりと判定される確率は高いものの、その確率は画一的に定まっている。よって遊技者には、大当たりと判定される確率を常に把握させながら遊技させていることになり、斬新な遊技を提供するには改善の余地があった。そこで手段C1〜C4に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、表示手段にて、設定値の変更が可能であることを示す変更可能態様で当該設定値を表示した後、設定値が確定されたことに基づいて変更可能態様から表示態様を変更する点で相違している。これにより、斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
入球口(第1始動口11、第2始動口12)への入球に基づいて判定処理(大当たり判定処理)を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記判定処理で大当たりと判定される確率が異なる複数(6種類)の設定値(「1」〜「6」)が設けられていて(図16(A)〜(F)参照)、
前記遊技制御手段は、
所定の表示手段(7セグ表示器300)にて前記複数の設定値の中から選択されている一の設定値を表示可能であると共に、
前記表示手段にて当該遊技機の性能に係る情報(ベース)を表示可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者にどの設定値が設定されているのか(大当たりと判定される確率がどのくらいなのか)を推測させながら遊技させることが可能であり、斬新な印象を与えることが可能である。また表示手段で設定値を見れば、現時点での設定値を把握することが可能であり、表示手段で遊技機の性能に係る情報を見れば、当該遊技機が正常に動作しているものであるかを確認することが可能である。そして、設定値を表示する表示手段と、遊技機の性能に係る情報を表示する表示手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記表示手段にて、前記設定値を表示する場合には前記遊技機の性能に係る情報を表示しないで(図22(B)(C)(D)参照)、前記遊技機の性能に係る情報を表示する場合には前記設定値を表示しない(図26(B)(C)(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技制御手段は、表示手段において設定値の表示と、遊技機の性能に係る情報の表示の両方を同時に行うわけではなく、何れか一方のみを行う。これにより、遊技制御手段の処理負担が大きくなり過ぎるのを回避することが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当該遊技機に電力が供給されたときに所定の移行条件の成立(設定変更モード移行操作)に基づいて、前記複数の設定値の中から一の設定値を選択可能な設定変更モードに移行可能であり、
前記設定変更モードでは前記表示手段にて前記設定値を表示可能である一方、前記遊技機の性能に係る情報を表示しないで(図22(B)(C)(D)参照)、
前記設定変更モードが終了すると前記表示手段にて前記遊技機の性能に係る情報を表示可能である一方、前記設定値を表示しない(図26(B)(C)(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、当該遊技機に電源が投入された後に、設定変更モードに移行すると、設定値が表示される。この場合、その後に設定変更モードが終了すると、遊技機の性能に係る情報が表示されて、設定値が表示されない。こうして、当該遊技機に電源が投入された後の僅かな期間だけ、表示手段に設定値が表示され得ることで、設定値が周囲に把握されてしまう危険性をできるだけ少なくすることが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D3に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更モードが終了すると、前記表示手段で当該表示手段が正常であることを示す初期表示(図22(F)参照)を実行可能であり、
前記初期表示を実行した後に、前記表示手段で前記遊技機の性能に係る情報(ベース)を表示可能である(図26(B)(C)(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、設定変更モードが終了すると、表示手段が正常であることを示す初期表示が実行され得る。この初期表示により、表示されていた設定値が正しいものであったことを確認することが可能である。そして初期表示の後に遊技機の性能に係る情報が表示され得る。これにより、遊技機の性能に係る情報が正しく表示されていると認識することが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D1乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当該遊技機の性能に係る情報として、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数に対して遊技者が獲得した総賞球数の割合であるベースを表示可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、表示手段にてベースを見ることで、遊技者に過剰な利益又は不利益を与え得る遊技機であるかを容易に判断することが可能である。
ところで、特開2001−046601号公報に記載の遊技機では、通常確率状態において、大当たりと判定される確率は画一的に定まっている。また高確率状態において、通常確率状態よりも大当たりと判定される確率は高いものの、その確率は画一的に定まっている。よって遊技者には、大当たりと判定される確率を常に把握させながら遊技させていることになり、斬新な遊技を提供するには改善の余地があった。そこで手段D1〜D5に係る発明は、特開2001−046601号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、所定の表示手段にて複数の設定値の中から選択されている一の設定値を表示可能であると共に、表示手段にて当該遊技機の性能に係る情報を表示可能である点で相違している。これにより、斬新な印象を与えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。