JP2020025518A - 粒子捕捉用チャンバ及び粒子捕捉方法 - Google Patents

粒子捕捉用チャンバ及び粒子捕捉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の粒子捕捉用ウェルが1つの面に設けられたチップを用いた粒子捕捉において、より多くのウェルに粒子を捕捉するための技術を提供すること。【解決手段】本技術は、二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給流路部と、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉するウェルを複数含む粒子捕捉領域を有し且つ前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部と、を備えており、前記粒子捕捉部に、前記二つの空間を連通する連通流路が設けられており、前記連通流路が、前記粒子捕捉領域の下流にある、粒子捕捉用チャンバを提供する。【選択図】図2A

Description

本技術は、粒子捕捉用チャンバ及び粒子捕捉方法に関する。より詳細には、単一細胞解析のために用いられる粒子捕捉用チャンバ及び粒子捕捉方法に関する。
単一細胞解析技術に注目が集まっている。単一細胞解析技術では、平面上に配列した多数のマイクロウェルの夫々に細胞を一つずつ捕獲すること、並びに、夫々の細胞の形態を個々に観察して各細胞の特徴を分析すること及び/又は夫々の細胞の試薬との反応を例えば蛍光などを指標として分析することが行なわれうる。
これまでに、単一細胞解析を行うための技術がいくつか提案されている。例えば、下記特許文献1には、複数のマイクロチャンバーを備えた細胞展開領域部が形成されたマイクロチャンバーチップと、前記マイクロチャンバーと一体に設けられ、前記複数のマイクロチャンバー上に平面方向に広がる流路を形成する流路形成枠体と、前記流路形成枠体に設けられ、前記マイクロチャンバー上の流路に細胞懸濁液を流入させる入口部と、前記流路形成枠体に設けられ、前記マイクロチャンバー上の流路から細胞懸濁液を流出させる出口部と、を有する細胞展開用デバイスが記載されている。前記細胞展開用デバイスの前記細胞展開領域部は、細胞懸濁液が平均的速度で流れる領域を第1領域、前記第1領域より細胞懸濁液が速く流れる領域を第2領域、及び前記第1領域より細胞懸濁液が遅く流れる領域を第3領域を有し、前記第2領域に対応する位置に形成されたマイクロチャンバーの深さが前記第1領域に対応する位置に形成されたマイクロチャンバーよりも深く、且つ、前記第3領域に対応する位置に形成されたマイクロチャンバーの深さが記第1領域に対応する位置に形成されたマイクロチャンバーよりも浅い(請求項1)。
特開2015−122987号公報
単一細胞解析を行うために、複数の細胞捕捉用ウェルが1つの面に設けられたチップを用いて細胞捕捉を行う場合がある。解析対象となる細胞の数を増やすためには、当該細胞捕捉において、より多くウェルに細胞が捕捉されることが望ましい。すなわち、細胞捕捉の際に、細胞を前記面のより広い範囲にわたって分散させることが望ましい。
本技術は、複数の細胞捕捉用ウェルが1つの面に設けられたチップを用いた細胞捕捉において、当該面のより広い範囲に細胞を分散させてより多くのウェルに細胞を捕捉するための技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の粒子捕捉用チャンバ及び粒子捕捉方法によって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本技術は、二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給流路部と、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉するウェルを複数含む粒子捕捉領域を有し且つ前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部と、を備えており、前記粒子捕捉部に、前記二つの空間を連通する連通流路が設けられており、前記連通流路が、前記粒子捕捉領域の下流にある粒子捕捉用チャンバを提供する。
本技術の一つの実施態様に従い、前記粒子捕捉領域の下流且つ前記連通流路の上流に、前記連通流路と前記粒子捕捉領域との間の流体通過断面を狭めるための凸部が設けられていてよい。
本技術の一つの実施態様に従い、前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が少なくとも一つ設けられており、当該吸引用流路部が、前記粒子捕捉領域を挟んで前記流体供給流路部と向かい合うように配置されていてよい。
本技術の他の実施態様に従い、前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が二つ設けられており、当該二つの吸引用流路部が向かい合うように配置されていてもよい。
前記連通流路は、前記粒子が通過できる寸法を有するものであってよい。
前記ウェル内に孔が設けられていてよく、当該孔を介して前記吸引が行われてよい。
前記連通流路の断面積は、前記孔の断面積よりも大きくてよい。
前記連通流路は複数設けられていてよく、当該複数の連通流路が、前記一方の空間と前記流体供給流路部との接続面に対して放射状に広がるように並んでいてよい。
前記連通流路は複数設けられていてよく、当該複数の連通流路が、前記流体供給流路部の軸に対して対称に配置されていてよい。
前記凸部は、1つの筋を形成するように構成されていてよく、当該1つの筋が、前記流体供給流路部から前記連通流路に向かう流れの方向を変更するように配置されていてよい。
前記凸部は、前記粒子捕捉用チャンバの底面又は前記粒子捕捉部の前記ウェルが形成されている面に設けられていてよい。
また、本技術は、二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給工程と、前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部に設けられた粒子捕捉領域中の複数のウェル内に、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉する粒子捕捉工程とを含み、前記粒子捕捉工程において、前記粒子捕捉領域の下流にあり且つ前記二つの空間を連通する連通流路を前記流体が通過する、粒子捕捉方法も提供する。
本技術により、複数の粒子捕捉用ウェルが1つの面に設けられたチップを用いた粒子捕捉において、より多くのウェルに粒子を分散させて捕捉することができる。
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に限定されず、本明細書内に記載されたいずれかの効果であってもよい。
粒子捕捉用チャンバの一例を示す図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の模式図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の斜視図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバを構成する部材が積層された状態の一例を示す図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の模式図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の模式図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の斜視図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の模式図である。 本技術に従う粒子捕捉用チャンバの一例の模式図である。 比較例1における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 比較例1におけるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例1における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 実施例1におけるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例2における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 実施例2におけるシミュレーションの結果を示す図である。 比較例2における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 比較例2におけるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例3における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 実施例3におけるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例4における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 実施例4におけるシミュレーションの結果を示す図である。 比較例3における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 比較例3におけるシミュレーションの結果を示す図である。 実施例5における粒子の流れのシミュレーションのために用いられた粒子捕捉用チャンバの構造を示す図である。 実施例5におけるシミュレーションの結果を示す図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態であり、本技術の範囲はこれらの実施形態のみに限定されるものでない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(粒子捕捉用チャンバ)
(1)関連技術の説明
(2)第1の実施形態の第1の例(連通流路を有する粒子捕捉用チャンバ)
(3)第1の実施形態の第2の例(連通流路及び凸部を有する粒子捕捉用チャンバ)
(4)第1の実施形態の第3の例(連通流路及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
(5)第1の実施形態の第4の例(連通流路、凸部、及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
2.第2の実施形態(粒子捕捉方法)
3.実施例
1.第1の実施形態(粒子捕捉用チャンバ)
(1)関連技術の説明
複数のウェルが1つの面に設けられた粒子捕捉用チップを含む粒子捕捉用チャンバの一例として、例えば図1に示されるとおりのチャンバを挙げることができる。図1を参照して、当該粒子捕捉用チャンバの構造を説明し、次に、当該粒子捕捉用チャンバを用いた粒子捕捉処理を説明する。
図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100は、その内部の空間を2つの空間に区切る粒子捕捉部101を備えている。粒子捕捉部101は、粒子捕捉面102とその反対側を向いている面103とを有する。粒子捕捉面102には粒子捕捉領域104が設けられており、粒子捕捉領域104は複数のウェル105を含む。ウェル105は、粒子を内部に収容できるような寸法を有する。ウェル105夫々の底部に、孔106が設けられている。孔106は、ウェルの底部から、粒子捕捉面102と反対側の面103へと貫通している。孔106は、粒子が通過しないような寸法を有する。
粒子捕捉用チャンバ100は、粒子108に対して重力が矢印107の方向に作用するように配置されている。すなわち、粒子108は矢印107の方向に沈降する。そこで、粒子捕捉部101により区切られた二つの空間のうち、下側の空間を粒子の沈降側の空間109といい、上側の空間を当該沈降側の空間と反対側の空間110という。
粒子捕捉用チャンバ100は、吸引用流路部111、第一の流体供給流路部112、第二の流体供給流路部113、及び流体排出流路部114を備えられている。吸引用流路部111及び第二の流体供給流路部113が、反対側の空間110に接続されている。第一の流体供給流路部112及び流体排出流路部114が、沈降側の空間109に接続されている。
吸引用流路部111、第一の流体供給流路部112、第二の流体供給流路部113、及び流体排出流路部114にはそれぞれ、バルブ121、122、123、及び124が備えられている。
なお、図1は、粒子がウェル105内に捕捉されている状態の一例の模式図であり、粒子捕捉処理の前には粒子はウェル105内に存在しなくてよい。
粒子捕捉用チャンバ100を用いた粒子捕捉は例えば以下のとおりに行われる。
第一の流体供給流路部112には、粒子を含んだ流体を蓄える容器(図示せず)が接続されている。第一の流体供給流路部112上に設けられたポンプ(図示せず)を駆動させることによって、当該粒子を含んだ流体が、当該容器から第一の流体供給流路部112を通って粒子捕捉用チャンバ100の沈降側の空間109内に供給される。
吸引用流路部111には、ポンプ(図示せず)が接続されている。当該ポンプを駆動させて吸引用流路部111を介した吸引を行うことによって、粒子捕捉用チャンバ100内の流体が、吸引用流路部111を通って反対側の空間110から外に出るように吸引される。
粒子捕捉用チャンバ100による粒子捕捉は、例えば、第一の流体供給流路部112からの粒子含有流体の供給及び吸引用流路部111からの流体の吸引を同時に実施することで行われうる。すなわち、粒子は、第一の流体供給流路部112から沈降側の空間109内に入り、そして、沈降側の空間109内を上昇する。粒子はさらに沈降側の空間109内を上昇し、ウェル105内に入る。粒子はウェル105内を上昇し、そして、孔106の入り口と接触する。このように、孔106を介した吸引が行われる。孔106は粒子が通過できない寸法を有するので、粒子は孔106の入り口でその移動を停止する。このようにして、粒子がウェル105内に捕捉される。
粒子捕捉用チャンバ100を用いた粒子捕捉において、粒子は吸引によってウェル105内に誘導されるので、各ウェル内に1つの粒子が捕捉される可能性が高められる。
また、ウェル105内に捕捉されなかった粒子は、重力の作用によって沈降側の空間109の底に沈降する。そのため、ウェル105内に捕捉されなかった粒子が粒子捕捉部101のウェル付近に留まることが抑制され、及び/又は、既に粒子を捕捉したウェルにさらに粒子が入ることが抑制される。例えば、ウェル105内に捕捉された粒子を例えば粒子捕捉用チャンバ100の下側に配置された顕微鏡によって観察する場合、捕捉されなかった粒子はウェル105から離れた位置に存在するので、観察の邪魔にならない。
また、チャンバ100の沈降側の空間109の底に沈降した粒子は、例えば第一の流体供給流路部112からの流体の導入及び流体排出流路部114からの流体の吸引を同時に行うことで、チャンバ100の外に排出することができる。
前記沈降した粒子をチャンバ100の外に排出した後に、例えば第二の流体供給流路部113からの流体の導入及び流体排出流路部114からの流体の吸引を同時に行うことで、ウェル105内に捕捉された粒子がウェル105から追い出される。そして、当該導入及び吸引をさらに継続することで、粒子を流体排出流路部114を通ってチャンバ外に回収することもできる。
以上のとおり、粒子捕捉用チャンバ100は、各ウェルに一つの粒子が捕捉されるので、単一細胞解析に適している。また、各ウェルに捕捉された細胞を回収することも可能である。
粒子捕捉用チャンバ100を用いた粒子捕捉により、上記のとおり、ウェル105のそれぞれに1つの粒子が捕捉される。観察対象となる粒子の数を増やすためには、より多くのウェル105に1つの粒子が捕捉されることが必要である。しかしながら、粒子捕捉を行った場合に、粒子捕捉領域104のうちの中央部分において粒子が集中して捕捉され、その周囲では粒子が捕捉されないことがある。そのため、より多くのウェルに粒子を捕捉するためには、粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を分散させることが望ましい。
また、上記のとおりの粒子が中央部分へ集中するという現象は、特には沈降側の空間109の高さhが小さい(すなわち、沈降側の空間109が薄い)場合に起こりやすい。一方で、高倍率でウェル内を観察する場合には顕微鏡対物レンズのワーキングディスタンスは小さいので、このような観察にとって沈降側の空間109の高さは小さいことが望ましい。そこで、沈降側の空間109の高さが小さい場合であっても、粒子を粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を分散させることが望ましい。
そこで、本技術は、粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を分散させて、より多くのウェルに粒子を捕捉するための技術を提供する。
(2)第1の実施形態の第1の例(連通流路を有する粒子捕捉用チャンバ)
本技術の粒子捕捉用チャンバは、二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給流路部と、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉するウェルを複数含む粒子捕捉領域を有し且つ前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部と、を備えている。さらに、前記粒子捕捉部に、前記二つの空間を連通する連通流路が設けられており、当該連通流路が前記粒子捕捉領域の下流にある。当該連通流路が設けられていることによって、粒子を粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって分散させることができ、より多くのウェルに粒子を捕捉することができる。
以下で、図2Aを参照して本技術の粒子捕捉用チャンバを説明する。
図2Aは、本技術の粒子捕捉用チャンバの一例を示す模式図である。図2Aに記載の粒子捕捉用チャンバ200は、連通流路150が設けられていること以外は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100と同じである。
すなわち、粒子捕捉用チャンバ200は、その内部の空間を2つの空間に区切る粒子捕捉部101を備えている。粒子捕捉部101は、粒子捕捉面102とその反対側を向いている面103とを有する。粒子捕捉面102には粒子捕捉領域104が設けられており、粒子捕捉領域104は複数のウェル105を含む。ウェル105は、粒子を内部に収容できるような寸法を有する。ウェル105夫々の底部に、孔106が設けられている。孔106は、ウェルの底部から、粒子捕捉面102と反対側の面103へと貫通している。孔106は、粒子が通過しないような寸法を有する。
また、粒子捕捉用チャンバ200は、吸引用流路部111、第一の流体供給流路部112、第二の流体供給流路部113、及び流体排出流路部114が備えられている。第一の流体供給流路部112及び流体排出流路部114が、チャンバ内の2つの空間のうちの一方の空間である沈降側の空間109に接続されている。吸引用流路部111及び第二の流体供給流路部113が、チャンバ内の2つの空間のうちの他方の空間である反対側の空間110に接続されている。吸引用流路部111と第一の流体供給流路部112とは向かい合うように配置されている。吸引用流路部111と第一の流体供給流路部112との間に粒子捕捉領域104が位置している。
連通流路150は、粒子捕捉部101に設けられており、沈降側の空間109とその反対側の空間110とを連通している。連通流路150は、好ましくは粒子が通過することができる寸法を有してよい。連通流路150がそのような寸法を有することが、粒子捕捉領域104のより広い領域に粒子を分散させることに寄与する。
好ましくは、連通流路150の断面積は、孔106の断面積よりも大きい。連通流路150がこのような断面積を有することが、連通流路150への流れを形成することに寄与し、さらには、粒子捕捉領域104のより広い領域に粒子を分散させて捕捉することに寄与する。本技術において、断面積とは横断面積を意味してよい。例えば連通流路150の断面積は、連通流路150内の流体の進行方向に対して垂直方向の横断面積であってよい。孔106の断面積も、同様に、孔106内の流体の進行方向に対して垂直方向の横断面積であってよい。
連通流路150の数は、例えば連通流路150の断面積及び粒子捕捉領域104の形状などの要因に応じて当業者により適宜選択されてよい。連通流路150の数は例えば1〜20であり、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜8でありうる。連通流路150の横断面の形状は、例えば円形、楕円形、又は矩形であってよい。
複数の連通流路を有する粒子捕捉用チャンバの例を図2Bに示す。図2Bは、本技術に従う粒子捕捉用チャンバの斜視図である。図2Bに示されるとおり、例えば4つの連通流路150が、粒子捕捉領域104の下流に設けられていてよい。
複数の連通流路150が粒子捕捉部101に設けられている場合、複数の連通流路150は、チャンバ100内の沈降側の空間109と第一の流体供給流路部112との接続面155に対して放射状に広がるように並んでいてよい。複数の連通流路150を接続面155に対して放射状に配置することで、粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を捕捉することができる。
図2Bにおいて、4つの連通流路150が、第一の流体供給流路部112と沈降側の空間109との接続面155に対して放射状に広がるように並んでいる。複数の連通流路は、このように放射状に配置されていてよい。
複数の連通流路150は、第一の流体供給流路部112の軸に対して対称に配置されていてよい。複数の連通流路150を当該軸に対して対称に配置することで、粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を捕捉することができる。
図2Bにおいて、4つの連通流路150は、第一の流体供給流路部112の軸Xに対して対称に配置されている。複数の連通流路は、このように前記軸に対して対称に配置されていてよい。
連通流路150は、粒子捕捉領域104の下流にある。本技術において、「下流」とは、粒子捕捉を行っている状態における粒子捕捉用チャンバ内の流れの下流を意味する。本技術における「粒子捕捉領域の下流」に関して以下でさらに説明する。
粒子捕捉用チャンバ200により粒子捕捉を行っている状態において、例えば第一の流体供給流路部112から沈降側の空間109内に流体が導入され且つ吸引用流路部111を介した吸引が行われる。
当該流体導入及び当該吸引によって、沈降側の空間109内の導入された流体は、粒子捕捉領域104のウェル105及び孔106を通過して、反対側の空間110へと流れる。
連通流路150は、第一の流体供給流路部112から見て粒子捕捉領域104の奥に配置されている。前記流体導入及び前記吸引によって、沈降側の空間109内の導入された流体の一部は、粒子捕捉領域104でウェル105及び孔106を通過せずに、粒子捕捉領域104を超えて連通流路150へ向かい、連通流路150を通過して反対側の空間110へと流れる。すなわち、前記流体導入及び前記吸引によって、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。連通流路150を通過する流れに関して、粒子捕捉領域104は連通流路150に対して上流に位置していると言え、連通流路150は粒子捕捉領域104の下流に位置していると言える。このように、連通流路150は粒子捕捉領域104の下流にある。
粒子捕捉用チャンバ200を用いた粒子捕捉は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100を参照して上記「(1)関連技術の説明」において説明されたとおりに行われてよい。すなわち、第一の流体供給流路部112からの粒子含有流体の供給及び吸引用流路部111からの流体の吸引を同時に実施することで行われうる。すなわち、粒子捕捉のために、ウェル105内の孔106を介して吸引が行われる。これにより、上記で述べたとおりに、粒子がウェル105内に捕捉される。
前記供給及び前記吸引を行う場合に、上記で述べたとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。前記供給及び前記吸引を行う場合に、連通流路150を通過する流れが形成されることで、粒子が粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって分散される。これにより、連通流路150が無い場合と比べて、粒子捕捉領域104内のより多くのウェルに粒子を捕捉することができる。
粒子捕捉用チャンバ200の構成要素のうち、連通流路150以外の構成について以下で説明する。
第一の流体供給流路部112は、上記のとおりチャンバ内の2つの空間のうちの一方の空間である沈降側の空間109に接続されている。吸引用流路部111は、チャンバ内の2つの空間のうちの他方の空間である反対側の空間110に接続されている。吸引用流路部111と第一の流体供給流路部112とが向かい合うように配置されていることで、粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を捕捉することができる。
また、図2Bに示されるとおり吸引用流路部111の数は1つであってよく、又は、2つ以上の吸引用流路部111が設けられていてもよい。すなわち、本技術の粒子捕捉用チャンバは、少なくとも一つの吸引用流路部を設けられていてよい。粒子捕捉領域104のより広い範囲にわたって粒子を捕捉するために、少なくとも一つの吸引用流路部のうちの1つ以上が第一の流体供給流路部と向かい合うように配置されていることが望ましい。
粒子捕捉領域104は、複数のウェル105を含む。ウェル105の数の下限値は例えば2、特には10、より特には100、より特には500、さらにより特には1,000でありうる。ウェル105の数の上限値は、例えば1,000,000、特には800,000、より特には600,000、より特には500,000、さらにより特には100,000でありうる。ウェル105の数の範囲は、上記下限値及び上限値のいずれかから選択された値により定められる範囲であってよく、例えば2〜1,000,000、特には10〜800,000、より特には100〜600,000、さらにより特には500〜500,000でありうる。
粒子捕捉領域104の厚みは、例えばウェルの深さ及び孔の深さ並びに板状部分の材料の強度などにより当業者により適宜設定されうる。当該厚みは、例えば10μm〜1000μm、好ましくは15μm〜500μm、より好ましくは20μm〜200μmでありうる。
本技術において、ウェル105は、粒子の沈降側に向かって開口していてよい。すなわち、ウェル105の口が、粒子の沈降側を向いていてよい。これにより、粒子の沈降側とは反対側に吸引することで、粒子がウェル内に捕捉される。
本技術において、ウェルのそれぞれが、一つの粒子を捕捉可能であるような形状を有しうる。例えば、ウェルの入り口は例えば円形、楕円形、多角形、例えば三角形、四角形(例えば矩形、正方形、平行四辺形、及びひし形など)、五角形、及び六角形などでありうる。本技術において、ウェルの入り口とは、粒子捕捉面102におけるウェルの開口部をいう。ウェルの入り口の形状は、例えば、捕捉されるべき粒子がウェル内に入ることは可能であるが、捕捉されるべきでない粒子がウェル内に入ることが可能でないように設計されうる。
本技術において、ウェル105は、粒子捕捉面102に、特には粒子捕捉領域104内に規則的に配置されうる。規則的なウェルの配置によって、目的の粒子が捕捉されているウェルの位置を特定することがより容易になる。その結果、例えばウェルによって捕捉された粒子の取り出し及び/又は観察をより容易に行なうことが可能となる。例えば、前記ウェルは所定の間隔で一列に又は複数列に粒子捕捉面に配置され、又は、前記ウェルは所定の間隔で格子状に粒子捕捉面に配置されうる。前記間隔は、例えば施与される粒子の数及び捕捉されるべき粒子の数などによって、当業者により適宜選択されうる。前記間隔は、例えば20μm〜300μm、好ましくは30μm〜250μm、より好ましくは40μm〜200μm、さらにより好ましくは50μm〜150μmでありうる。例えばウェルが格子状に配置される場合、粒子捕捉面上のX方向及びY方向に上記例示された間隔でウェルが配置されうる。
本技術において、孔106の入り口の形状として、任意の形状が採用されてよい。本技術において、孔の入り口とは、孔106が設けられたウェル壁面(特にはウェル底部)における孔の開口部をいう。孔の入り口の形状は例えば円形、楕円形、多角形、例えば三角形、四角形(例えば矩形、正方形、平行四辺形、及びひし形など)、五角形、又は六角形などでありうる。本技術において、孔の入り口の形状は、好ましくは四角形、より好ましくは矩形又は正方形、さらにより好ましくは矩形でありうる。
本技術において、各ウェルに設けられる孔の数は、例えば1〜10、特には1〜5、より特には1〜3でありうる。製造の容易さの観点から、各ウェルに設けられる孔の数は1又は2、特には1でありうる。
本技術において、孔106の入り口は、捕捉されるべき粒子が吸引により孔を通過して反対側の空間へ進行することを防ぐような寸法を有しうる。例えば、孔の入り口の最小寸法は、捕捉されるべき粒子の寸法より小さくてよい。
例えば孔の入り口の形状が矩形である場合、捕捉されるべき粒子の寸法(例えば粒子の直径など)よりも小さい寸法を、当該矩形の短辺又は長辺、特には当該矩形の短辺が有しうる。例えば、当該矩形の短辺の長さは、捕捉されるべき粒子の寸法(例えば粒子の直径)の0.9倍以下、特には0.8倍以下、より特には0.7倍以下、さらにより特には0.6倍以下でありうる。当該矩形の短辺の長さは、吸引に支障がないように設定される必要もあり、例えば捕捉されるべき粒子の寸法の0.01倍以上、特には0.1倍以上、より特には0.3倍以上でありうる。
例えば孔106の入り口の形状が円形である場合、捕捉されるべき粒子の寸法(例えば粒子の直径など)よりも小さい直径を、当該孔が有しうる。例えば、当該円形の直径は、捕捉されるべき粒子の寸法(例えば粒子の直径)の0.8倍以下、特には0.7倍以下、より特には0.6倍以下でありうる。当該直径は、吸引に支障がないように設定される必要もあり、例えば捕捉されるべき粒子の寸法の0.01倍以上、特には0.1倍以上、より特には0.3倍以上でありうる。
このような孔の形状によって、粒子の損傷を抑制しつつ、粒子を捕捉することが可能となりうる。
本技術において、好ましくは孔の入り口の形状は矩形である。矩形の長辺の長さは、好ましくは当該矩形の短辺の長さの1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上、さらにより好ましくは1.5倍以上でありうる。また、矩形の長辺の長さは、好ましくは当該矩形の短辺の長さの例えば5倍以下、より好ましくは4倍以下、より好ましくは3倍以下、さらにより好ましくは2.5倍以下でありうる。当該孔をこのようなスリット形状とすることで、粒子がウェル内に捕捉されるときの粒子への損傷が抑制されうる。このようなスリット形状は、粒子が細胞である場合に特に好ましい。孔の入り口が当該スリット形状を有することにより、細胞が孔を通過することを防ぎつつ、細胞への損傷が抑制される。
例えば、孔の入り口の形状は、短辺が1μm〜10μm、特には2μm〜8μmであり、且つ、長辺が5μm〜20μm、特には6μm〜18μmのスリット形状でありうる。
孔の深さ(すなわち、ウェル底面から粒子捕捉面と反対側の面までの距離)は、好ましくは5μm〜100μm、より好ましくは10μm〜80μm、さらにより好ましくは20μm〜50μmでありうる。
沈降側の空間109の高さ(底面161から粒子捕捉面102までの距離)は、例えば50μm〜2000μmであってよく、好ましくは70μm〜1500μmであり、より好ましくは100μm〜1000μmでありうる。
粒子捕捉部101(特にはウェルが形成される部分)を製造するために、例えば光造形プリンタ又は高精細3Dプリンタを用いた3D光造形方法、PDMS樹脂の成形による造形方法、ガラスをレーザーにより直接加工する方法、又は半導体プロセスによりSiOメンブレンを加工する方法が用いられてよい。これらの方法を実施するための装置は当業者により適宜選択されてよく、例えば3D光造形法のために用いられる装置として、例えばACCULAS(商標)シリーズの光造形プリンタを挙げることができる。3D光造形に用いられる樹脂は、当業者により適宜選択されてよい。当該樹脂は、例えばアクリル系オリゴマー、アクリル系モノマー、エポキシ系オリゴマー、及びエポキシ系モノマーから選ばれる1又は2以上を含む光硬化性樹脂組成物であり、例えば紫外線硬化性樹脂組成物でありうる。光造形プリンタを用いて当該樹脂組成物を硬化させて、粒子捕捉部101が形成されうる。これらの手法により、所望の形状を有するウェル105、孔106、及び連通流路150を、粒子捕捉部101に設けることができる。
粒子捕捉用チャンバ200の他の部分の材料(特にはチャンバ200内部の空間を規定する壁面を形成する材料及びチャンバ200内部の空間に接続された流路の壁面を形成する材料)は、当業者により適宜選択されてよい。例えば、当該材料は、粒子が細胞である場合、細胞への毒性がない材料であることが好ましい。また、捕捉された粒子の蛍光観察を行う場合は、許容範囲以上の自家蛍光を発しない材料を用いることが好ましい。また、ウェル内の粒子に捕捉された粒子の観察を可能とする材料を用いることが好ましい。粒子の観察のために、例えばチャンバの少なくとも一部、特にはチャンバの沈降側の空間109の底部が、透明な材料で形成されうる。
粒子捕捉用チャンバ200の他の部分の材料として、例えばマイクロ流路の技術分野において一般的に用いられる材料を用いることができる。当該材料として、例えばガラス、例えば硼珪酸ガラス又は石英ガラスなど;プラスチック樹脂、例えばアクリル系樹脂、シクロオレフィンポリマー、及びポリスチレンなど;又はゴム素材、例えばPDMSなどを挙げることができる。本技術の粒子捕捉用チャンバが、複数の部材から構成される場合、当該複数の部材は同じ材料から形成されてもよく、又は、異なる材料から形成されてもよい。好ましくは、粒子捕捉用チャンバ100の底面(すなわち沈降側空間109の底面)は透明な材料から形成される。これにより、底面を透過してウェル105内の粒子を観察することができる。
例えば、複数のPDMS流路シートを積層することによって、粒子捕捉用チャンバ100が形成されうる。当該複数のPDMS流路シートのそれぞれには、当該複数のPDMS流路シートを積層したときにチャンバ100内部の空間及び当該空間に接続された流路が形成されるように穴が開けられている。また、当該空間の内部が粒子捕捉部101によって上下2つの空間に区切られるように、粒子捕捉部101は当該複数のPDMS流路シートの間に挟まれる。
各PDMS流路シートは、例えばCAD図面を作図し、光造形で原版を作製し、そしてPDMS転写を行うことによって製造されうる。当該原版上に直上からPDMS液を垂らし、そして、大気圧及び表面張力のバランスによって平坦な薄膜が形成される。気泡除去のために減圧チャンバに入れて脱気を行うことで、より平坦でより薄い薄膜を作成することもできる。当該薄膜は、例えば減圧脱泡後に、例えば200℃で90分間ベーク炉で熱硬化されてよい。熱硬化後に、硬化物はハサミで所定のサイズに整形されうる。チャンバ100内部の空間(沈降側の空間109及びその反対側の空間110)を形成するために、例えば直径6mmの生検トレパンを用いて穴がPDMS流路シートに開けられてよい。また、各流路シート層が積層されたときに流体を上下に流すための穴は、例えば直径1.5mmの生検トレパンにより開けられてよい。各流路シート層は、所定の穴及び流路が形成されたのちに、中性洗剤を用いて超音波洗浄し、そして、リンス後によく乾燥される。
以上のとおりにして得られた複数のPDMS流路シート及び粒子捕捉部を積層し、且つ、例えばスライドガラス及びアクリル板によって上下から挟むことで、粒子捕捉用チャンバ100が形成される。これらの構成要素を例えばロ型金具をねじにより固定することで、積層された状態が固定されてよい。
例えば図2Cの模式図に示されるとおり、スライドガラス層1上に、所定の流路及びチャンバ内空間が形成されたPDMS流路シート2、粒子捕捉部としての粒子捕捉用チップ3、所定の流路及びチャンバ内空間が形成されたPDMS流路シート4、及びアクリル板5を積層し、そして、これらの層を固定することによって、粒子捕捉用チャンバ100が形成されてよい。捕捉された粒子の観察は、例えばスライドガラス層1の下に配置された倒立顕微鏡6により行われてよい。スライドガラス層1は透明であるので、スライドガラス層を透過して、ウェル内に捕捉された粒子を倒立顕微鏡6により観察することができる。
本技術に従う粒子捕捉用チャンバ100の各構成要素の寸法の一例は以下のとおりである。沈降側の空間109の底面から粒子捕捉面までの距離は例えば0.1μmである。粒子捕捉部101中の粒子捕捉領域104は、2500個のウェルを有する。ウェルの形状は四角柱状であり、その横断面が30μm×20μmであり且つ深さが20μmである。孔106は、スリット形状(矩形)を有し、その入り口は10μm×5μmの矩形であり且つ深さは30μmである。粒子捕捉部101の厚み(粒子捕捉面からその反対側の面までの距離)は50μmである。
本技術において、粒子は、例えば、一つずつ捕捉することが求められるものである。粒子として例えば、細胞、微生物、生体由来固形成分、及びリポソームなどの生物学的微小粒子、並びに、ラテックス粒子、ゲル粒子、及び工業用粒子などの合成粒子などを挙げることができるがこれらに限定されない。前記細胞には、動物細胞および植物細胞が含まれうる。動物細胞として、例えば腫瘍細胞及び血液細胞を挙げることができる。前記微生物には、大腸菌などの細菌類、イースト菌などの菌類などが含まれうる。前記生体由来固形成分として、例えば、生体中で生成される固形物結晶類を挙げることができる。前記合成粒子は、例えば有機若しくは無機高分子材料又は金属などからなる粒子でありうる。有機高分子材料には、ポリスチレン、スチレン・ジビニルベンゼン、及びポリメチルメタクリレートなどが含まれうる。無機高分子材料には、ガラス、シリカ、及び磁性体材料などが含まれうる。金属には、金コロイド及びアルミなどが含まれうる。また、本技術において、粒子は、例えば二つ又は三つなどの複数の粒子の結合物であってもよい。
本技術において、流体は液体及び気体を包含する。好ましくは、流体は液体である。液他の種類は、粒子の種類に応じて当業者により適宜選択されてよい。粒子が例えば細胞である場合、液体として、例えば水、水溶液(例えば緩衝液)、又は培養液が用いられてよい。
(3)第1の実施形態の第2の例(連通流路及び凸部を有する粒子捕捉用チャンバ)
本技術の一つの好ましい実施態様に従い、粒子捕捉用チャンバは、前記粒子捕捉領域の下流且つ前記連通流路の上流に、前記連通流路と前記粒子捕捉領域との間の流体通過断面を狭めるための凸部が設けられていてもよい。以上で説明した連通流路に加えて当該凸部が設けられていることによって、本技術の粒子捕捉用チャンバは、粒子を粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって分散させて捕捉することができる。以下で、図3Aを参照してこの実施態様に従う粒子捕捉用チャンバを説明する。
図3Aは、本技術の粒子捕捉用チャンバの一例を示す模式図である。図3Aに記載の粒子捕捉用チャンバ300Aは、連通流路150及び凸部160が設けられていること以外は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100と同じである。
すなわち、粒子捕捉用チャンバ300は、その内部の空間を2つの空間に区切る粒子捕捉部101を備えている。粒子捕捉部101は、粒子捕捉面102とその反対側を向いている面103とを有する。粒子捕捉面102には粒子捕捉領域104が設けられており、粒子捕捉領域104は複数のウェル105を含む。ウェル105は、粒子を内部に収容できるような寸法を有する。ウェル105夫々の底部に、孔106が設けられている。孔106は、ウェルの底部から、粒子捕捉面102と反対側の面103へと貫通している。孔106は、粒子が通過しないような寸法を有する。その他の構成についても、図1を参照して説明したとおりであるので、その他の構成についての説明は省略する。
連通流路150が、粒子捕捉部101に設けられている。連通流路150は、図2A及び図2Bを参照して上記で説明したとおりであるので、その詳細についての説明は省略する。
連通流路150と粒子捕捉領域104との間の流体通過断面を狭めるための凸部160Aが、粒子捕捉領域104の下流且つ連通流路150の上流に設けられている。本技術において「粒子捕捉領域の下流」とは上記で述べた通りである。本技術における「上流」とは、粒子捕捉を行っている状態における粒子捕捉用チャンバ内の流れの上流を意味する。本技術における「連通流路の上流」に関して以下でさらに説明する。
粒子捕捉用チャンバ300Aにより粒子捕捉を行っている状態において、例えば第一の流体供給流路部112から沈降側の空間109内に流体が導入され且つ吸引用流路部111による吸引が行われる。当該流体導入及び当該吸引によって、上記で図2Aを参照して説明したとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。連通流路150を通過する流れに沿って、粒子捕捉領域104、凸部160A、及び連通流路150がこの順に並んで配置されている。すなわち、凸部160Aは、粒子捕捉領域104の下流且つ連通流路150の上流に設けられている。
凸部160Aは、図3Aにおいて、沈降側の空間109の底面161に設けられている。本技術において、図3Bに示されるとおり、凸部160Bが、粒子捕捉部101の粒子捕捉面102に設けられていてもよい。このように、凸部160A及び160Bは、粒子捕捉領域104と連通流路150との間のいずれかの位置において、流体通過断面を狭めるように設けられていてよい。
凸部160A及び160Bは、1つの筋を形成するように構成されていてよく、当該1つの筋が、前記流体供給流路部から前記連通流路に向かう流れの方向を変更するように配置されていてよい。当該1つの筋は、曲線状であってよく又は直線状であってもよい。
例えば、図3Cに示されるとおり、当該1つの筋は、粒子捕捉用チャンバ300Aを上から見た場合に、吸引用流路部111に最も近いウェルと連通流路150とを結ぶ直線と交差するように設けられていてよい。特には、当該1つの筋は、粒子捕捉用チャンバ300Aを上から見た場合に、吸引用流路部111に最も近いウェルと連通流路150とを結ぶ直線の全てと交差するように設けられていてよい。
本技術の他の実施態様に従い、2つ又はそれ以上の筋を形成するように凸部が設けられていてもよい。
凸部が粒子捕捉面102に設けられる場合は、当該凸部は、例えば上記で述べた粒子捕捉部101の製造方法(特には3D光造形方法)により、粒子捕捉面102上に形成されうる。凸部が沈降側の空間109の底面161に設けられる場合は、例えば3D光造形方法により当該凸部が底面161上に形成される。
凸部160A及び160Bの高さは、例えば沈降側の空間109の高さの例えば0.5倍〜0.99倍、好ましくは0.8倍〜0.98倍、より好ましくは0.9倍〜0.97倍でありうる。すなわち、凸部160A又は160Bによって、連通流路150に向かう流れの流体通過断面が、0.5倍〜0.01倍、好ましくは0.2倍〜0.02倍、より好ましくは0.1倍〜0.03倍に狭められうる。例えば、沈降側の空間109の高さが0.1mmである場合、凸部160A及び160Bの高さは0.095mmであってよい。凸部160A及び160Bの高さは、連通流路150を通る流体の量を制御するために、当業者により適宜設定されてよい。
本技術の粒子捕捉用チャンバに凸部160A又は160Bが設けられる場合、沈降側の空間109の高さh(底面161から粒子捕捉面102までの距離)は、好ましくは50μm〜500μm、より好ましくは60μm〜300μm、さらにより好ましくは70μm〜250μmでありうる。このような高さを有する空間内に凸部を設けることで、凸部による連通流路への流量制御効果がより効果的に発揮される。
粒子捕捉用チャンバ300A又は300Bを用いた粒子捕捉は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100を参照して上記「(1)関連技術の説明」において説明したとおりに行われてよい。すなわち、第一の流体供給流路部112からの粒子含有流体の供給及び吸引用流路部111からの流体の吸引を同時に実施することで行われうる。これにより、上記で述べたとおりに、粒子がウェル105内に捕捉される。
前記供給及び前記吸引を行う場合に、上記で述べたとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。前記供給及び前記吸引を行う場合に、連通流路150を通過する流れが形成されることで、粒子が粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって分散される。さらに、凸部160が設けられていることによって、粒子はさらに分散する。これにより、連通流路150及び凸部160が無い場合と比べて、粒子捕捉領域104内のより多くのウェルに粒子を捕捉することができる。
(4)第1の実施形態の第3の例(連通流路及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
本技術の一つの好ましい実施態様に従い、粒子捕捉用チャンバの前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が二つ設けられており、当該二つの吸引用流路部が向かい合うように配置されている。粒子捕捉処理において当該二つの吸引用流路部の両方を介した吸引を行うことで、本技術の粒子捕捉用チャンバは、粒子を粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって分散させて捕捉することができる。以下で、図4を参照してこの実施態様に従う粒子捕捉用チャンバを説明する。
図4は、本技術の粒子捕捉用チャンバの一例を示す模式図である。図4に記載の粒子捕捉用チャンバ400は、連通流路150が設けられていること及び第二の流体供給流路部113が第二の吸引用流路として利用可能であること以外は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100と同じである。
すなわち、粒子捕捉用チャンバ400は、その内部の空間を2つの空間に区切る粒子捕捉部101を備えている。粒子捕捉部101は、粒子捕捉面102とその反対側を向いている面103とを有する。粒子捕捉面102には粒子捕捉領域104が設けられており、粒子捕捉領域104は複数のウェル105を含む。ウェル105は、粒子を内部に収容できるような寸法を有する。ウェル105夫々の底部に、孔106が設けられている。孔106は、ウェルの底部から、粒子捕捉面102と反対側の面103へと貫通している。孔106は、粒子が通過しないような寸法を有する。
粒子捕捉用チャンバ400は、第一の吸引用流路部111、第一の流体供給流路部112、第二の流体供給流路部113、及び流体排出流路部114が備えられている。第二の流体供給流路部113が、第二の吸引用流路部としても利用可能である。すなわち、第一の吸引用流路部111及び第二の流体供給流路部(第二の吸引用流路部)113が、向かい合うように配置されている。
その他の構成については、図1を参照して説明したとおりであるので、その他の構成についての説明は省略する。
連通流路150が、粒子捕捉部101に設けられている。連通流路150は、図2A及び図2Bを参照して上記で説明したとおりであるので、その詳細についての説明は省略する。
二つの吸引用流路部からの吸引を行う本実施態様において、沈降側の空間109の高さh(底面161から粒子捕捉面102までの距離)は、例えば50μm〜2000μmであってよく、好ましくは100μm〜1500μmであり、より好ましくは200μm〜1000μmでありうる。
粒子捕捉用チャンバ400を用いた粒子捕捉は、第一の流体供給流路部112からの粒子含有流体の供給及び第一の吸引用流路部111及び第二の流体供給流路部(第二の吸引用流路部)113の両方を介した吸引を同時に実施することにより行われる。これにより、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100に関して上記「(1)関連技術の説明」説明したように、粒子がウェル105内に捕捉される。
前記供給及び前記吸引を行う場合に、上記で述べたとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。前記供給及び前記吸引を行う場合に、連通流路150を通過する流れが形成されることで、粒子が粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって分散される。さらに、前記吸引が二方向から行われることによって、粒子捕捉領域104上のさらにより広い範囲にわたって粒子が捕捉される。
(5)第1の実施形態の第4の例(連通流路、凸部、及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
本技術の一つの好ましい実施態様に従い、粒子捕捉用チャンバは、以上で説明した連通う流路、凸部、及び二つの吸引用流路部を全て備えていてもよい。これらによって、本技術の粒子捕捉用チャンバは、粒子を粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって分散させて捕捉することができる。以下で、図5を参照してこの実施態様に従う粒子捕捉用チャンバを説明する。
図5は、本技術の粒子捕捉用チャンバの一例を示す模式図である。図5に記載の粒子捕捉用チャンバ500は、連通流路150及び凸部160が設けられていること並びに第二の流体供給流路部113が第二の吸引用流路として利用可能であること以外は、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100と同じである。
連通流路150が、粒子捕捉部101に設けられている。連通流路150は、図2A及び図2Bを参照して上記で説明したとおりであるので、その詳細についての説明は省略する。
連通流路150と粒子捕捉領域104との間の流体通過断面を狭めるための凸部160が、粒子捕捉領域104の下流且つ連通流路150の上流に設けられている。凸部160は、図3A及び図3Bを参照して説明したとおりのであるので、その詳細についての説明は省略する。
なお、この実施態様において、沈降側の空間109の高さh(底面161から粒子捕捉面102までの距離)は、好ましくは50μm〜500μm、より好ましくは60μm〜300μm、さらにより好ましくは70μm〜250μmでありうる。このような高さを有する空間内に凸部を設けることで、凸部による連通流路への流量制御効果がより効果的に発揮される。
粒子捕捉用チャンバ500は、第一の吸引用流路部111、第一の流体供給流路部112、第二の流体供給流路部113、及び流体排出流路部114が備えられている。第二の流体供給流路部113は、第二の吸引用流路部としても利用可能である。
粒子捕捉用チャンバ500を用いた粒子捕捉は、第一の流体供給流路部112からの粒子含有流体の供給及び第一の吸引用流路部111及び第二の流体供給流路部(第二の吸引用流路部)113の両方を介した吸引を同時に実施することにより行われる。これにより、図1に記載の粒子捕捉用チャンバ100に関して上記「(1)関連技術の説明」において説明したように、粒子がウェル105内に捕捉される。
前記供給及び前記吸引を行う場合に、上記で述べたとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。前記供給及び前記吸引を行う場合に、連通流路150を通過する流れが形成されることで、粒子が粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって分散される。さらに、凸部160が設けられていることによって、粒子はさらに分散する。さらに、前記吸引が二方向から行われることによって、粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって粒子が捕捉される。このように、粒子捕捉用チャンバ500を用いた粒子捕捉において、粒子捕捉領域104上のより広い範囲にわたって粒子が分散するので、より多くのウェルに粒子が捕捉される。
2.第2の実施形態(粒子捕捉方法)
本技術の粒子捕捉方法は、例えば以上で説明した本技術に従う粒子捕捉用チャンバ200、300A、300B、400、及び500のいずれかを用いて行われてよい。
本技術の粒子捕捉方法は、二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給工程、及び、前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部に設けられた粒子捕捉領域中の複数のウェル内に、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉する粒子捕捉工程を含む。これらの工程は、好ましくは同時に行われる。
前記粒子捕捉工程において、前記流体は、前記粒子捕捉領域の下流にあり且つ前記二つの空間を連通する連通流路も通過する。当該連通流路を前記流体が通過することによって、粒子が粒子捕捉領域上のより広い範囲にわたって分散する。これにより、連通流路が無い場合と比べて、粒子を粒子捕捉領域内のより多くのウェルに捕捉することができる。
上記1.の「(2)第1の実施形態の第1の例(連通流路を有する粒子捕捉用チャンバ)」において説明した図2Aに記載の粒子捕捉用チャンバ200を参照して、これらの工程の詳細を以下で説明する。
前記流体供給工程において、粒子含有流体が、第一の流体供給流路部112から粒子捕捉用チャンバ100の沈降側の空間109内に導入される。前記粒子捕捉工程において、吸引用流路部111を介した吸引が行われる。前記流体の導入及び前記吸引を行うことで、粒子は、第一の流体供給流路部112から粒子捕捉用チャンバ100内に入り、そして、沈降側の空間109内を上昇する。粒子はさらに沈降側の空間109内を上昇し、ウェル105内に入る。粒子はウェル105内を上昇し、そして、孔106の入り口と接触する。孔106は粒子が通過できない寸法を有するので、粒子は孔106の入り口で移動を停止する。このようにして、粒子がウェル105内に捕捉される。
前記吸引によって、上記で述べたとおり、ウェル105内を通過する流れだけでなく、連通流路150を通過する流れも形成される。連通流路250を通過する流れが形成されることで、粒子が粒子捕捉領域104上のより広い範囲わたって分散される。これにより、連通流路150が無い場合と比べて、粒子捕捉領域104内のより多くのウェルに粒子を捕捉することができる。
本技術の一つの実施態様に従い、前記粒子捕捉工程において、連通流路へ向かう流れは、粒子捕捉領域の下流且つ連通流路の上流に配置された凸部によって、その流体通過断面が狭められてよい。このように流体通過断面が狭められることで、粒子が粒子捕捉領域上のより広い範囲わたって分散し、より多くのウェルに粒子が捕捉される。
当該凸部は、上記1.の「(3)第1の実施形態の第2の例(連通流路及び凸部を有する粒子捕捉用チャンバ)」において説明した凸部160A又は160Bであるので、当該凸部についての説明は省略する。
本技術の他の実施態様に従い、前記粒子捕捉工程において、前記他方の空間に向かい合うように配置された二つの吸引用流路部の両方を介した吸引が行われてもよい。このように吸引を行うことで、粒子が粒子捕捉領域上のより広い範囲わたって分散し、より多くのウェルに粒子が捕捉される。
当該二つの吸引用流路部は、上記1.の「(4)第1の実施形態の第3の例(連通流路及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)」において説明したとおりであるので、当該二つの吸引用流路部についての説明は省略する。
本技術のさらに他の実施態様に従い、前記粒子捕捉工程において、連通流路へ向かう流れは、粒子捕捉領域の下流且つ連通流路の上流に配置された凸部によってその流体通過断面が狭められ、且つ、前記他方の空間に向かい合うように配置された二つの吸引用流路部の両方を介した吸引が行われてよい。粒子捕捉工程がこのように行われることによって、粒子が粒子捕捉領域上のさらにより広い範囲わたって分散し、さらにより多くのウェルに粒子が捕捉される。
このような粒子捕捉工程は、上記1.の「(5)第1の実施形態の第4の例(連通流路、凸部、及び二つの吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)」において説明したとおりであるので、当該粒子捕捉工程についての説明は省略する。
3.実施例
(1)比較例1
図1に示された粒子捕捉用チャンバ100と同様の粒子捕捉用チャンバ中の粒子の流れをシミュレーションした。当該シミュレーションに用いられた粒子捕捉用チャンバの構造は図6Aに示されるとおりであった。
図6Aに示される粒子捕捉用チャンバ600は、当該チャンバ内を2つの空間(沈降側の空間609及びその反対側の空間610)に区切る粒子捕捉部601を有する。粒子捕捉部601は、529個のウェルが配置された粒子捕捉領域604を有する。正方形の粒子捕捉領域604内には、1列に23個のウェルが並んでおり、且つ、1行に23個にウェルが並んでいる。すなわち、23×23=529個のウェルが粒子捕捉領域604内に規則的に並んでいる。ウェルとウェルの間隔はいずれも80μmである。各ウェルは、粒子捕捉部601の粒子捕捉面に、粒子の沈降側を向くように配置されている。各ウェルの底部には、粒子捕捉面と反対側の面へと貫通している孔がある。
沈降側の空間609の高さは、100μmである。また、その沈降側の空間609と反対側の空間610の高さは、700μmである。沈降側の空間609には、流体供給流路部612が接続されている。反対側の空間610には、吸引用流路部611が接続されている。
流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ供給し且つ吸引用流路部611を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーション結果を図6Bに示す。図6B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図6Bに示されるとおり、前記供給及び前記吸引の結果、粒子が粒子捕捉領域604のうち中央部分に集中したことが分かる。
(2)実施例1(連通流路を有する粒子捕捉用チャンバ)
比較例1のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ600に連通流路650を追加した粒子捕捉用チャンバ700中の流れを、比較例1と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ700の構造が、図7Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ700は、4つの連通流路650が追加されていること以外は、図6Aにおける粒子捕捉用チャンバ600と同じである。連通流路650は、沈降側の空間609と反対側の空間610とを連通するように粒子捕捉部601に設けられており、且つ、粒子捕捉領域604の下流に設けられている。また、4つの連通流路650は、流体供給流路部612と沈降側の空間609との接続面に対して放射状に広がるように並んでおり、且つ、流体供給流路部612の軸に対して対称に配置されている。
粒子捕捉用チャンバ700の流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ導入し且つ吸引用流路部611を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーション結果を図7Bに示す。図7B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図7Bに示されるとおり、粒子が、比較例1におけるシミュレーション結果と比べて、粒子捕捉領域604のうちのより広い範囲にわたって分散されている。よって、連通流路650を設けることによって、粒子捕捉領域604のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
なお、本シミュレーションにおいて、粒子は質点として計算されているので、ウェル内に捕捉される粒子だけでなく孔を通過した粒子も存在するようなシミュレーション結果が得られる。しかしながら、本シミュレーション結果から、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散することを確認できるので、本シミュレーション結果は、より多くのウェルに粒子が捕捉されることを裏付けるものである。以下の他のシミュレーション結果についても同様である。
(3)実施例2(連通流路及び凸部を有する粒子捕捉用チャンバ)
比較例1のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ600に連通流路650及び凸部660を追加した粒子捕捉用チャンバ800中の粒子の流れを、比較例1と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ800の構造が、図8Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ800は、4つの連通流路650及び凸部660が追加されていること以外は、図6A中の粒子捕捉用チャンバ600と同じである。
連通流路650は、図7A中の連通流路650と同じである。
凸部660によって、連通流路650と粒子捕捉領域604との間の流体通過断面が狭められている。凸部660は、チャンバ底面に1つの筋を形成するように設けられている。
粒子捕捉用チャンバ800の流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ導入し且つ吸引用流路部611を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーションの結果が図8Bに示されている。図8B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図8Bに示されるとおり、粒子が、比較例1におけるシミュレーション結果と比べて、粒子捕捉領域604のうちのより広い範囲にわたって分散されている。よって、連通流路650及び凸部660を設けることによって、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
また、図7Bに示される結果と図8Bに示される結果とを比較すると、後者において、粒子捕捉領域604中のより広い範囲にわたって粒子が分散されている。よって、連通流路だけでなく凸部も設けることによって、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
また、図7Bに示される結果では粒子の一部が連通流路を通過していたが、図8Bに示される結果では連通流路を通過する粒子はなかった。そのため、連通流路に加えて凸部を設けることによって、粒子が連通流路を通過することを防ぐことができると分かる。
(4)比較例2
比較例1のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ600の粒子捕捉領域を変更した粒子捕捉用チャンバ900中を流れる粒子の流れを、比較例1と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ900の構造が、図9Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ600においては、ウェルとウェルの間隔がいずれも80μmであったのに対し、粒子捕捉用チャンバ900において、ウェルとウェルの間隔がいずれも160μmである。そのため、粒子捕捉領域904は、図6A中の粒子捕捉領域604がより大きい。粒子捕捉用チャンバ900は、粒子捕捉領域の相違を除き、図6A中の粒子捕捉用チャンバ600と同じである。
流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ導入し且つ吸引用流路部611を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーションの結果が図9Bに示されている。図9B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図9Bに示されるとおり、粒子は、粒子捕捉領域904のうち、中央部分に集中した。
(5)実施例3(2つの向かい合う吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
比較例2のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ900に、連通流路が追加され且つ1つの吸引用流路部が追加された粒子捕捉用チャンバ1000中を流れる粒子の流れを、比較例2と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ1000の構造が、図10Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ1000は、6つの連通流路1050が設けられていること及び2つの吸引用流路部611及び1070が向かい合うように反対側の空間に接続されていること以外は、図9Aにおける粒子捕捉用チャンバ900と同じである。
6つの連通流路650は、流体供給流路部612と沈降側の空間609との接続面に対して放射状に広がるように並んでおり、且つ、流体供給流路部612の軸に対して対称に配置されている。
流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ導入し且つ向かい合う2つの吸引用流路部611及び1070の両方から吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーションの結果が図10Bに示されている。図10B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図10Bに示されるとおり、比較例2におけるシミュレーション結果と比べて、粒子捕捉領域904のうちのより広い範囲にわたって粒子が到達した。よって、連通流路を設け且つ向かい合う2つの吸引用流路から吸引を行うことによって、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
(6)実施例4(連通流路及び凸部を有し且つ2つの向かい合う吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバ)
比較例2のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ900に、連通流路、凸部、及び1つの吸引用流路部を追加された粒子捕捉用チャンバ1100中を流れる粒子の流れを、比較例2と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ1100の構造が、図11Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ1100は、6つの連通流路1050及び凸部1160が設けられていること並びに2つの吸引用流路部611及び1070が向かい合うように反対側の空間に接続されていること以外は、図9Aにおける粒子捕捉用チャンバ900と同じである。
連通流路1050は、図10A中の連通流路1050と同じである。
吸引用流路部1070は、図10A中の吸引用流路部1070と同じである。
凸部1160によって、連通流路650と粒子捕捉領域904との間の流体通過断面が狭められている。凸部1160は、チャンバ底面に1つの筋を形成するように設けられている。
流体供給流路部612から粒子含有流体を沈降側の空間609へ導入し且つ向かい合う2つの吸引用流路部の両方から吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーションの結果が図11Bに示されている。図11B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。図11Bに示されるとおり、比較例2におけるシミュレーション結果と比べて、粒子捕捉領域904のうちのより広い範囲にわたって粒子が到達した。よって、連通流路及び凸部を設け且つ2方向から吸引することによって、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
また図10Bに示される結果と、図11Bに示される結果とを比較すると、後者において、粒子捕捉領域904中のより広い範囲にわたって、粒子が到達していた。よって、凸部を設けることによって、粒子捕捉領域のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
また図10Bに示される結果では、粒子の一部が連通流路に到達していたが、図11Bに示される結果では、連通流路に到達した粒子はなかった。そのため、連通流路に加えて凸部を設けることによって、粒子が連通流路を通過することを防ぐことができると分かる。
(7)実施例5(異なる位置に設けられた凸部を有する粒子捕捉用チャンバの比較)
実施例2のシミュレーションにおいて用いられた粒子捕捉用チャンバ800において、凸部は、チャンバ800の底面に設けられている。凸部が、粒子捕捉部の粒子捕捉面に設けられている場合についても、粒子捕捉のシミュレーションを行った。その結果、凸部が底面に設けられている場合と、粒子捕捉面に設けられている場合とで、粒子捕捉領域中における粒子の分散の程度は同程度であった。よって、凸部は、チャンバの底面及び粒子捕捉面のいずれに設けられていてもよいことが分かる。
(8)比較例3
図1に示された粒子捕捉用チャンバ100と同様の粒子捕捉用チャンバ中の粒子の流れをシミュレーションした。当該シミュレーションに用いられた粒子捕捉用チャンバの構造は図12Aに示されるとおりであった。
図12Aに示される粒子捕捉用チャンバ1200は、当該チャンバ内を2つの空間(沈降側の空間1209及びその反対側の空間1210)に区切る粒子捕捉部1201を有する。粒子捕捉部1201は、529個のウェルが配置された粒子捕捉領域1204を有する。正方形の粒子捕捉領域1204内には、1列に23個のウェルが並んでおり、且つ、1行に23個のウェルが並んでいる。すなわち、23×23=529個のウェルが粒子捕捉領域1204内に並んでいる。ウェルとウェルの間隔はいずれも160μmである。各ウェルは、粒子捕捉部1201の粒子捕捉面に、粒子の沈降側を向くように配置されている。各ウェルの底部には、粒子捕捉面と反対側の面へと貫通している孔がある。
沈降側の空間1209の高さは、700μmである。また、その沈降側の空間1209と反対側の空間1210の高さも、700μmである。沈降側の空間1209には、流体供給流路部1212が接続されている。反対側の空間1210には、吸引用流路部1211が接続されている。
流体供給流路部1212から粒子含有流体を沈降側の空間1209へ供給し且つ吸引用流路部1211を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーション結果を図12Bに示す。図12B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。
(9)実施例6(連通流路及び2つの向かい合う吸引用流路部を有する粒子捕捉用チャンバを有する粒子捕捉用チャンバ)
比較例3のシミュレーションにおいて用いた粒子捕捉用チャンバ1200に連通流路1250及び吸引用流路部1270を追加した粒子捕捉用チャンバ1300中の流れを、比較例3と同様にシミュレーションした。
粒子捕捉用チャンバ1300の構造が、図13Aに示されている。粒子捕捉用チャンバ1300は、6つの連通流路1250及び1つの吸引用流路部1270が追加されていること以外は、図12Aにおける粒子捕捉用チャンバ1200と同じである。連通流路1250は、沈降側の空間1209と反対側の空間1210とを連通するように粒子捕捉部1201に設けられており、且つ、粒子捕捉領域1204の下流に設けられている。また、6つの連通流路1250は、流体供給流路部1212と沈降側の空間1209との接続面に対して放射状に広がるように並んでおり、且つ、流体供給流路部1212の軸に対して対称に配置されている。
粒子捕捉用チャンバ1200の流体供給流路部1212から粒子含有流体を沈降側の空間1209へ導入し且つ吸引用流路部1211及び1270を介した吸引を行った場合の粒子の流れをCOMSOL Multiphysics v5.1を用いてシミュレーションした。シミュレーション結果を図13Bに示す。図13B中の上図及び下図はそれぞれ、シミュレーション結果の斜視図及び上面図である。実施例6のシミュレーション結果と比較例3のシミュレーション結果とを比較すると、前者のほうが、粒子捕捉領域1204のうちのより広い範囲にわたって粒子が分散されている。よって、連通流路1250を設けること及び向かい合う2つの吸引用流路部1211及び1270によって、粒子捕捉領域1204のより広い範囲にわたって粒子が分散され、より多くのウェルに粒子が捕捉されることが分かる。
以上で説明した本技術に関して、当業者は、本技術及びその均等物の範囲内において、種々の変更、コンビネーション、サブコンビネーション、又は代替が、例えば設計上の要請又は他の要因などに応じて可能であることを理解する。
なお、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
〔1〕二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給流路部と、
他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉するウェルを複数含む粒子捕捉領域を有し且つ前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部と、
を備えており、
前記粒子捕捉部に、前記二つの空間を連通する連通流路が設けられており、
前記連通流路が、前記粒子捕捉領域の下流にある、
粒子捕捉用チャンバ。
〔2〕前記粒子捕捉領域の下流且つ前記連通流路の上流に、前記連通流路と前記粒子捕捉領域との間の流体通過断面を狭めるための凸部が設けられている、〔1〕に記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔3〕前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が少なくとも一つ設けられており、当該吸引用流路部が、前記粒子捕捉領域を挟んで前記流体供給流路部と向かい合うように配置されている、〔1〕又は〔2〕に記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔4〕前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が二つ設けられており、当該二つの吸引用流路部が向かい合うように配置されている、〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔5〕前記連通流路が、前記粒子が通過できる寸法を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔6〕前記ウェル内に孔が設けられており、当該孔を介して前記吸引が行われる、〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔7〕前記連通流路の断面積が、前記孔の断面積よりも大きい、〔1〕〜〔6〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔8〕前記連通流路が複数設けられており、当該複数の連通流路が、前記一方の空間と前記流体供給流路部との接続面に対して放射状に広がるように並んでいる、〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔9〕前記連通流路が複数設けられており、当該複数の連通流路が、前記流体供給流路部の軸に対して対称に配置されている、〔1〕〜〔8〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔10〕前記凸部が、1つの筋を形成するように構成されており、当該1つの筋が、前記流体供給流路部から前記連通流路に向かう流れの方向を変更するように配置されている、〔2〕〜〔9〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔11〕前記凸部が、前記粒子捕捉用チャンバの底面又は前記粒子捕捉部の前記ウェルが形成されている面に設けられている、〔2〕〜〔10〕のいずれか一つに記載の粒子捕捉用チャンバ。
〔12〕二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給工程と、
前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部に設けられた粒子捕捉領域中の複数のウェル内に、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉する粒子捕捉工程と
を含み、
前記粒子捕捉工程において、前記粒子捕捉領域の下流にあり且つ前記二つの空間を連通する連通流路を前記流体が通過する、
粒子捕捉方法。
200 粒子捕捉用チャンバ
101 粒子捕捉部
102 粒子捕捉面
103 粒子捕捉面と反対側の面
104 粒子捕捉領域
105 ウェル
106 孔



Claims (12)

  1. 二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給流路部と、
    他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉するウェルを複数含む粒子捕捉領域を有し且つ前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部と、
    を備えており、
    前記粒子捕捉部に、前記二つの空間を連通する連通流路が設けられており、
    前記連通流路が、前記粒子捕捉領域の下流にある、
    粒子捕捉用チャンバ。
  2. 前記粒子捕捉領域の下流且つ前記連通流路の上流に、前記連通流路と前記粒子捕捉領域との間の流体通過断面を狭めるための凸部が設けられている、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  3. 前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が少なくとも一つ設けられており、当該吸引用流路部が、前記粒子捕捉領域を挟んで前記流体供給流路部と向かい合うように配置されている、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  4. 前記他方の空間に、前記吸引のために用いられる吸引用流路部が二つ設けられており、当該二つの吸引用流路部が向かい合うように配置されている、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  5. 前記連通流路が、前記粒子が通過できる寸法を有する、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  6. 前記ウェル内に孔が設けられており、当該孔を介して前記吸引が行われる、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  7. 前記連通流路の断面積が、前記孔の断面積よりも大きい、請求項6に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  8. 前記連通流路が複数設けられており、当該複数の連通流路が、前記一方の空間と前記流体供給流路部との接続面に対して放射状に広がるように並んでいる、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  9. 前記連通流路が複数設けられており、当該複数の連通流路が、前記流体供給流路部の軸に対して対称に配置されている、請求項1に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  10. 前記凸部が、1つの筋を形成するように構成されており、当該1つの筋が、前記流体供給流路部から前記連通流路に向かう流れの方向を変更するように配置されている、請求項2に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  11. 前記凸部が、前記粒子捕捉用チャンバの底面又は前記粒子捕捉部の前記ウェルが形成されている面に設けられている、請求項2に記載の粒子捕捉用チャンバ。
  12. 二つの空間に区切られたチャンバ内の一方の空間に粒子を含んだ流体を供給する流体供給工程と、
    前記チャンバを前記二つの空間に区切る粒子捕捉部に設けられた粒子捕捉領域中の複数のウェル内に、他方の空間からの吸引によって粒子を捕捉する粒子捕捉工程と
    を含み、
    前記粒子捕捉工程において、前記粒子捕捉領域の下流にあり且つ前記二つの空間を連通する連通流路を前記流体が通過する、
    粒子捕捉方法。




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