JP2020025069A - 酸化物形成用塗布液、酸化物膜の製造方法、及び電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

酸化物形成用塗布液、酸化物膜の製造方法、及び電界効果型トランジスタの製造方法 Download PDF

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Yukiko Abe
由希子 安部
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真二 松本
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雄司 曽根
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定憲 新江
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Abstract

【課題】形成した酸化物膜の特性劣化が抑制された酸化物形成用塗布液を提供する。【解決手段】酸化物形成用塗布液は、アルカリ土類金属の少なくともいずれかである第A元素と、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、イットリ(Y)、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含有する。第A元素の濃度の合計をCAmg/Lとし、第B元素の濃度の合計をCBmg/Lとしたときに、酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(CA+CB)/103mg/L以下であり、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(CA+CB)/103mg/L以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化物形成用塗布液、酸化物膜の製造方法、及び電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)は、ゲート電極に電界をかけ、チャネルの電界により電子又は正孔の流れに関門(ゲート)を設ける原理で、ソース電極とドレイン電極との間の電流を制御するトランジスタである。
前記FETは、その特性から、スイッチング素子、増幅素子などとして利用されている。そして、前記FETは、ゲート電流が低いことに加え、構造が平面的であるため、バイポーラトランジスタと比較して作製及び集積化が容易である。そのため、前記FETは、現在の電子機器で使用される集積回路では必要不可欠な素子となっている。前記FETは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)として、例えば、アクティブマトリックス方式のディスプレイに応用されている。
近年、平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)として、液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、電子ペーパーなどが実用化されている。
これらFPDは、非晶質シリコン、多結晶シリコンなどを活性層に用いたTFTを含む駆動回路により駆動されている。そして、前記FPDは、更なる大型化、高精細化、高画質化、高速駆動性が求められており、それに伴って、キャリア移動度が高く、オン/オフ比が高く、特性の経時変化が小さく、素子間のばらつきが小さいTFTが求められている。
しかしながら、非晶質シリコンや多結晶シリコンには一長一短があり、前記すべての要求を満たすことは困難であった。そこで、これらの要求に応えるため、非晶質シリコンを超える移動度が期待できる酸化物半導体を活性層に用いたTFTの開発が活発に行われている。例えば、半導体層にInGaZnOを用いたTFTが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
一般的に、前記TFTを構成する半導体層やゲート絶縁層はスパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの気相法により形成されている。しかしながら、前記スパッタリング法やCVD法は真空設備が必要であり、装置が高価でコスト面に問題がある。そこで、近年では、スリットコートなど、真空装置が不要な液相法が注目されている。
前記液相法のうち、スリットコートやダイコート、スピンコートなどの塗布法では、塗布液が使用される。たとえば、特許文献1では、多成分系酸化物半導体の前駆体塗布液が開示されている。前記特許文献1では、高粘度から中程度の粘度の塗布液が必要な印刷法によってパターニングが可能で、焼成によって半導体電気特性を有する酸化物半導体膜が得られる前駆体塗布液を開示している。特許文献2では、酸化物半導体の前駆体を含む溶液または分散液を用いて形成された膜を含む半導体層が開示されている。また、前記特許文献2では、ゲート電極またはソース電極・ドレイン電極と、ゲート絶縁層も塗布形成されている。
本発明は、形成した酸化物膜の特性劣化が抑制された酸化物形成用塗布液を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
酸化物形成用塗布液であって、
アルカリ土類金属の少なくともいずれかである第A元素と、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含有し、
前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、
前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、
前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であることを特徴とする。
本発明によると、形成した酸化物膜の特性劣化のない酸化物形成用塗布液を提供することができる。
図1Aは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図1Bは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図1Cは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図1Dは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図2Aは、実施例1、5、10、及び比較例1で作製した電界効果型トランジスタの概略図である。 図2Bは、実施例4、9、11、及び比較例3で作製した電界効果型トランジスタの概略図である。 図2Cは、実施例3、7、8、及び比較例2で作製した電界効果型トランジスタの概略図である。 図2Dは、実施例2、及び6で作製した電界効果型トランジスタの概略図である。 図3は、実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製したキャパシタの概略図である。
本発明者らは、電界効果型トランジスタなどに使用される酸化物膜の形成に、酸化物形成用塗布液を適用することについて鋭意検討を行った。
そうしたところ、酸化物形成用塗布液の塗布工程中に異物が発生したり、前記酸化物形成用塗布液の塗布によって形成された酸化物膜のパターニング工程でのパターン不良が生じたり、前記酸化物形成用塗布液の塗布によって形成された酸化物膜の特性劣化が生じることなどの課題があることを、本発明者らは、見出した。
そこで、前記課題を解決するために、鋭意検討を続けたところ、酸化物形成用塗布液中にNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどの元素がある濃度以上含有されていると、前記課題が生じることを見出した。
更に鋭意検討を続けたところ、酸化物形成用塗布液中におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどの元素を、形成される酸化物膜においてある濃度以下に抑えることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
なお、酸化物形成用塗布液中におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどの元素を、形成される酸化物膜においてある濃度以下に抑えることを目的として、酸化物形成用塗布液の原材料の純度、塗布液の作製条件などを検討している先行文献については、本発明者らの先行文献調査においては、見いだせていない。
(酸化物形成用塗布液)
本発明の酸化物形成用塗布液の一態様は、第A元素と、第B元素とを少なくとも含有し、好ましくは、第C元素を含有し、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
前記第A元素は、アルカリ土類金属の少なくともいずれかである。アルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
前記第B元素は、Ga(ガリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、及びランタノイドの少なくともいずれかである。ランタノイドとしては、例えば、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられる。
前記第C元素は、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、及びTa(タンタル)の少なくともいずれかである。
本発明の酸化物形成用塗布液の一態様は、無機塩、酸化物、水酸化物、金属錯体、及び有機塩の少なくともいずれかである金属源と、溶媒とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記酸化物形成用塗布液の一態様は、前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下である。
より好ましくは、前記酸化物形成用塗布液の一態様は、前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下である。
なお、「(C+C)/10」は、「(C+C)×10−3」と同じである。「(C+C)/10」は、「(C+C)×10−6」と同じである。
前記酸化物形成用塗布液における前記Na、及びKの濃度の合計の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記Na、及びKの濃度の合計は、(C+C)/10mg/L以下であってもよいし、(C+C)/10mg/L以下であってもよい。
前記酸化物形成用塗布液における前記Cr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記Cr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計は、(C+C)/10mg/L以下であってもよいし、(C+C)/10mg/L以下であってもよい。
前記酸化物形成用塗布液における前記Na、及びKの濃度の合計の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記Na、及びKの濃度の合計は、検出限界以下であってもよい。
前記酸化物形成用塗布液における前記Cr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記Cr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計は、検出限界以下であってもよい。
前記酸化物形成用塗布液における前記第A元素の濃度C、前記第B元素の濃度Cは、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma−Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma−Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
前記酸化物形成用塗布液におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma−Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma−Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
前記酸化物形成用塗布液における前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)との原子比(NA:NB)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB=(3〜50)at%:(50〜97)at%
ただし、NA+NB=100at%
前記酸化物形成用塗布液における前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)と、前記第C元素の原子数の合計(NC)との原子比(NA:NB:NC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB:NC=(3〜47)at%:(50〜94)at%:(3〜47)at%
ただし、NA+NB+NC=100at%
前記酸化物形成用塗布液の一態様では、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計(X)は1000mg/kg以下である。更には、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計(Y)は1000mg/kg以下である。
前記酸化物形成用塗布液の一態様では、より好ましくは、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計(X)は1000μg/kg以下である。更には、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計(Y)は1000μg/kg以下である。
前記酸化物膜におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、酸化物膜を酸性溶液に溶解し、その溶液を、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma―Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma―Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
ここで、前記濃度の合計(X)、及び前記濃度の合計(Y)を測定する際の、前記酸化物膜の作製方法の一例は、以下のとおりである。
酸化物形成用塗布液0.6mLをガラス基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートする(たとえば、500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止める)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成する。なお、酸化物膜の作製時にNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuが混入することを防ぐため、たとえば、クラス1000以下のクリーンルームで作業を行うことが好ましい。
また、Na、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuについて、酸化物形成用塗布液における濃度を測定するのではなく、酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜における濃度を測定するのは、形成された酸化物膜中に含まれる濃度が酸化物膜の特性を決めるためである。仮に、塗布液中のNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度を測定しても、塗布液の塗布量によって、形成された酸化物膜中のNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu濃度が変わり、その結果、酸化物膜の特性が変わるため、酸化物膜中の濃度を測定する必要がある。
前記酸化物膜における前記濃度の合計(X)の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、検出限界値であってもよい。また、前記濃度の合計(X)は、1μg/kg以上であってもよいし、10μg/kg以上であってもよいし、100μg/kg以上であってもよい。
前記酸化物膜における前記濃度の合計(Y)の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、検出限界値であってもよい。また、前記濃度の合計(Y)は、1μg/kg以上であってもよいし、10μg/kg以上であってもよいし、100μg/kg以上であってもよい。
前記酸化物形成用塗布液は、例えば、アルカリ土類金属含有化合物(第A元素含有化合物)と、第B元素含有化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくは、第C元素含有化合物を含有し、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
前記酸化物形成用塗布液は、例えば、前記第A元素の無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩のうち少なくともいずれかを含有する。
前記酸化物形成用塗布液は、例えば、前記第B元素の無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩のうち少なくともいずれかを含有する。
前記酸化物形成用塗布液は、例えば、前記第C元素の無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩のうち少なくともいずれかを含有する。
前記無機塩は、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩の少なくともいずれかを含有する。
前記ハロゲン化物は、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物の少なくともいずれかを含有する。
前記有機塩は、例えば、カルボン酸塩、石炭酸、及びそれらの誘導体の少なくともいずれかを含有する
−アルカリ土類金属含有化合物(第A元素含有化合物)−
前記アルカリ土類金属含有化合物(第A元素含有化合物)は、アルカリ土類金属を含有する化合物である。
前記アルカリ土類金属含有化合物(第A元素含有化合物)としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2−エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウムなどが挙げられる。
−第B元素含有化合物−
前記第B元素含有化合物は、前記第B元素を含有する化合物である。
前記第B元素含有化合物としては、例えば、硝酸ガリウム、硝酸スカンジウム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸セリウム、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、硝酸サマリウム、硝酸ユウロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウム、硫酸ガリウム、硫酸スカンジウム、硫酸イットリウム、硫酸ランタン、硫酸セリウム、硫酸プラセオジム、硫酸ネオジム、硫酸サマリウム、硫酸ユウロピウム、硫酸ガドリニウム、硫酸テルビウム、硫酸ジスプロシウム、硫酸ホルミウム、硫酸エルビウム、硫酸ツリウム、硫酸イッテルビウム、硫酸ルテチウム塩化ガリウム、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン、塩化セリウム、塩化プラセオジム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化ユウロピウム、塩化ガドリニウム、塩化テルビウム、塩化ジスプロシウム、塩化ホルミウム、塩化エルビウム、塩化ツリウム、塩化イッテルビウム、塩化ルテチウム、フッ化ガリウム、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジム、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化ユウロピウム、フッ化ガドリニウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウム、臭化ガリウム、臭化スカンジウム、臭化イットリウム、臭化ランタン、臭化プラセオジム、臭化ネオジム、臭化サマリウム、臭化ユウロピウム、臭化ガドリニウム、臭化テルビウム、臭化ジスプロシウム、臭化ホルミウム、臭化エルビウム、臭化ツリウム、臭化イッテルビウム、臭化ルテチウム、ヨウ化ガリウム、ヨウ化スカンジウム、ヨウ化イットリウム、ヨウ化ランタン、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化サマリウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ化ガドリニウム、ヨウ化テルビウム、ヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化エルビウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化イッテルビウム、ヨウ化ルテチウム、トリス(シクロペンタジエニル)ガリウム、スカンジウムイソプロポキシド、酢酸スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、イットリウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸イットリウム、トリス(アセチルアセトナート)イットリウム、トリス(シクロペンタジエニル)イットリウム、ランタンイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ランタン、トリス(アセチルアセトナート)ランタン、トリス(シクロペンタジエニル)ランタン、2−エチルヘキサン酸セリウム、トリス(アセチルアセトナート)セリウム、トリス(シクロペンタジエニル)セリウム、プラセオジムイソプロポキシド、シュウ酸プラセオジム、トリス(アセチルアセトナート)プラセオジム、トリス(シクロペンタジエニル)プラセオジム、ネオジムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ネオジム、トリフルオロアセチルアセトナートネオジム、トリス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ネオジム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)プロメチウム、サマリウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸サマリウム、トリス(アセチルアセトナート)サマリウム、トリス(シクロペンタジエニル)サマリウム、2−エチルヘキサン酸ユウロピウム、トリス(アセチルアセトナート)ユウロピウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ユウロピウム、ガドリニウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ガドリニウム、トリス(アセチルアセトナート)ガドリニウム、トリス(シクロペンタジエニル)ガドリニウム、酢酸テルビウム、トリス(アセチルアセトナート)テルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)テルビウム、ジスプロシウムイソプロポキシド、酢酸ジスプロシウム、トリス(アセチルアセトナート)ジスプロシウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ジスプロシウム、ホルミウムイソプロポキシド、酢酸ホルミウム、トリス(シクロペンタジエニル)ホルミウム、エルビウムイソプロポキシド、酢酸エルビウム、トリス(アセチルアセトナート)エルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)エルビウム、酢酸ツリウム、トリス(アセチルアセトナート)ツリウム、トリス(シクロペンタジエニル)ツリウム、イッテルビウムイソプロポキシド、酢酸イッテルビウム、トリス(アセチルアセトナート)イッテルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)イッテルビウム、シュウ酸ルテチウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ルテチウムなどが挙げられる。
−第C元素含有化合物―
前記第C元素含有化合物は、前記第C元素を含有する化合物である。
前記第C元素含有化合物としては、硝酸アルミニウム、硫酸ハフニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫化チタン、硫酸ジルコニウム、水酸化アルミニウム、りん酸アルミニウム、炭酸ジルコニウム、フッ化アルミニウム、フッ化チタン、フッ化ジルコニウム、フッ化ハフニウム、フッ化ニオブ、フッ化タンタル、塩化アルミニウム、塩化チタン、塩化ジルコニウム、塩化ハフニウム、塩化ニオブ、塩化タンタル、臭化アルミニウム、臭化チタン、臭化ジルコニウム、臭化ハフニウム、臭化ニオブ、臭化タンタル、よう化アルミニウム、よう化チタン、よう化ジルコニウム、よう化ハフニウム、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、酢酸アルミニウム、アセチルアセトンアルミニウム、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム、チタンイソプロポキシド、ビス(シクロペンタジエニル)塩化チタン、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウム、ジルコニウムジ(n−ブトキシド)ビスアセチル汗トナート、テトラキス(アセチルアセトン酸)ジルコニウム、テトラキス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム、ハフニウムブトキシド、ハフニウムイソプロポキシド、テトラキス(2−エチルヘキサン酸)ハフニウム、ハフニウムジ(n―ブトキシド)ビスアセチルアセトナート、テトラキス(アセチルアセトン酸)ハフニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、ニオブエトキシド、2−エチルヘキサン酸ニオブ、ビス(シクロペンタジエニル)塩化ニオブ、タンタルエトキシド、テトラエトシキアセチルアセトナートタンタルなどが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒としては、有機酸、有機酸エステル、芳香族化合物、ジオール、グリコールエーテル、非プロトン性極性溶媒、アルカン化合物、アルケン化合物、エーテル、アルコール、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化物形成用塗布液における前記溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記溶媒としては、前記各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シメン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、テトラリン、デカリン、イソプロパノール、安息香酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2−エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4−ブチロラクトン、メタノール、エタノール、1−ブタノール、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−メトキシエタノール、水などが挙げられる。
(酸化物形成用塗布液の製造方法)
本発明に関する酸化物形成用塗布液の製造方法の一態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第A元素、前記第B元素、及び前記溶媒とを含有する前記酸化物形成用塗布液に関し、前記酸化物形成用塗布液におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度を測定する工程を含む。
また、本発明に関する酸化物形成用塗布液の製造方法の一態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属源と、前記溶媒とを含有する前記酸化物形成用塗布液に関し、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜における前記合計の濃度(X)、及び前記合計の濃度(Y)を測定する工程を含む。
前記酸化物形成用塗布液におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、その塗布液を、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma−Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma−Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
ここで、前記濃度の合計(X)、及び前記濃度の合計(Y)を測定する際の、前記酸化物膜の作製方法の一例は、以下のとおりである。
酸化物形成用塗布液0.6mLをガラス基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートする(たとえば、500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止める)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成する。なお、酸化物膜の作製時にNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuが混入することを防ぐため、クラス1000以下のクリーンルームで作業を行うことが好ましい。
前記酸化物膜におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、酸化物膜を酸性溶液に溶解し、その溶液を、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma―Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma―Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
(酸化物形成用塗布液の評価方法)
本発明に関する酸化物形成用塗布液の評価方法(第一の態様)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第A元素、前記第B元素、及び前記溶媒とを含有する前記酸化物形成用塗布液に関し、前記酸化物形成用塗布液におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度を測定する工程を含む。
また、本発明に関する酸化物形成用塗布液の評価方法(第二の態様)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属源と、前記溶媒とを含有する酸化物形成用塗布液に関し、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜における前記合計の濃度(X)、及び前記合計の濃度(Y)を測定する工程を含む。
前記酸化物形成用塗布液におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、その塗布液を、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma−Optical Emission Spectroscopy)や誘電プラズマ質量分析(ICP−MS:Inductively Coupled Plazma−Mass Spectrometry)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
前記評価方法(第一の態様)では、例えば、前記酸化物形成用塗布液における、前記第A元素の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、前記酸化物塗布液におけるNa、及びKの濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、前記酸化物塗布液におけるCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下である場合に、本発明の酸化物形成用塗布液が得られたと評価する。
ここで、前記濃度の合計(X)、及び前記濃度の合計(Y)を測定する際の、前記酸化物膜の作製方法の一例は、以下のとおりである。
酸化物形成用塗布液0.6mLをガラス基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートする(たとえば、500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止める)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成する。なお、酸化物膜の作製時にNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuが混入することを防ぐため、たとえば、クラス1000以下のクリーンルームで作業を行うことが好ましい。
前記酸化物膜におけるNa、K、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度は、酸化物膜を酸性溶液に溶解し、その溶液を、誘電プラズマ発光分析(ICP−OES:Inductively Coupled Plazma―Optical Emission Spectroscopy)や原子吸光光度法(AAS:Atomic Absorption Spctroscopy)や蛍光X線元素分析法(XRF:X−ray Fluorescence Analysis)などを用いることで測定することができる。
前記評価方法(第二の態様)では、例えば、前記酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が1000mg/kg以下であり、かつ前記前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が1000mg/kg以下である場合に、本発明の酸化物形成用塗布液が得られたと評価する。
(酸化物膜の製造方法)
前記酸化物形成用塗布液を用いた酸化物膜の製造方法の一例について説明する。
前記酸化物膜の製造方法では、前記酸化物形成用塗布液を用いて、塗布、及び熱処理を経て、酸化物膜を得る。
前記酸化物膜の製造方法は、例えば、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記塗布工程としては、被塗物に前記酸化物形成用塗布液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。前記溶液プロセスとしては、例えば、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート、ノズルプリンティングなどが挙げられる。
前記熱処理工程としては、前記被塗物に塗布された前記酸化物形成用塗布液を熱処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記熱処理を行う際には、前記被塗物に塗布された前記酸化物形成用塗布液は、自然乾燥などにより乾燥していてもよい。前記熱処理により、前記溶媒の乾燥、酸化物の焼成などが行われる。
前記熱処理工程では、前記溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、前記酸化物の焼成(以下、「焼成処理」と称する。)とを、異なる温度で行うことが好ましい。即ち、前記溶媒の乾燥を行った後に、昇温して前記酸化物の焼成を行うことが好ましい。前記酸化物の焼成の際には、例えば、前記アルカリ土類金属含有化合物(第A元素含有化合物)、前記第B元素含有化合物、前記第C元素含有化合物の少なくともいずれかの分解が起こる。
前記乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜180℃が挙げられる。前記乾燥においては、低温化のために減圧オーブンなどを使用することが有効である。前記乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30秒間〜1時間が挙げられる。
前記焼成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上450℃未満が好ましく、200℃〜400℃がより好ましい。前記焼成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30分間〜5時間が挙げられる。
なお、前記熱処理工程では、前記乾燥処理及び前記焼成処理を連続して実施してもよいし、複数の工程に分割して実施してもよい。
前記熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被塗物を加熱する方法などが挙げられる。前記熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、大気雰囲気あるいは酸素雰囲気が好ましい。前記大気雰囲気あるいは前記酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、前記酸化物の生成を促進させることができる。
前記熱処理の際には、波長400nm以下の紫外光を前記乾燥処理後の物質に照射することが、前記生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、前記乾燥処理後の物質中に含有される無機物、有機物などの化学結合を切断し、無機物、有機物を分解できるため、効率的に前記酸化物を形成することができる。前記波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。また、前記紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。前記オゾンを前記乾燥処理後の物質に付与することにより、酸化物の生成が促進される。
前記酸化物形成用塗布液では、溶媒中に溶質が均一に溶解しているため、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成した酸化物膜は、均一であり、例えば、形成した酸化物膜をゲート絶縁膜として使用した場合、リーク電流の低い酸化物膜を得ることができる。
前記酸化物形成用塗布液は、前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、前記酸化物塗布液におけるNa、及びKの濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であるため、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成した酸化物膜が絶縁体膜である場合に、Na、Kが原因となるリーク電流が小さく、優れた絶縁膜を提供することができある。
また、前記酸化物形成用塗布液は、前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、前記酸化物塗布液におけるCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であるため、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成した酸化物膜をエッチングする際に、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuが原因となるエッチング残渣の発生がなく、前記酸化物膜の良好なパターニングが可能である。
前記酸化物形成用塗布液を用いて形成した前記酸化物膜は、NaとKの濃度の合計が1000mg/kg以下であるため、前記酸化物膜が絶縁体膜である場合に、Na、Kが原因となるリーク電流が小さく、優れた絶縁膜を提供することができる。
また、前記酸化物形成用塗布液を用いて形成した前記酸化物膜は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの濃度の合計が1000mg/kg以下であるため、前記酸化物膜をエッチングする際に、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuが原因となるエッチング残渣の発生がなく、前記酸化物膜の良好なパターニングが可能である。
(電界効果型トランジスタの製造方法)
以下では、前記酸化物形成用塗布液を用いて作製した酸化物膜(ゲート絶縁層)を用いて電界効果型トランジスタを製造する場合の一例を示す。
前記電界効果型トランジスタは、ゲート絶縁層を少なくとも有し、更に必要に応じて、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層などのその他部材を有する。
−ゲート電極−
前記ゲート電極は、例えば、前記ゲート絶縁層と接し、前記ゲート絶縁層を介して前記半導体層と対向する。
前記ゲート電極としては、前記電界効果型トランジスタにゲート電圧を印加するための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Ti、Al、Au、Ag、Cu等の金属及びこれらの合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−−ゲート電極の形成方法−−
前記ゲート電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ゲート電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
−ソース電極、及びドレイン電極−
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、例えば、前記電界効果型トランジスタから電流を取り出すための電極である。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属及びこれらの合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−−ソース電極、及びドレイン電極の形成方法−−
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
−半導体層−
前記半導体層は、例えば、前記ソース電極及び前記ドレイン電極に隣接して設けられる。
前記半導体層は、チャネル形成領域、ソース領域、及びドレイン領域を有する。前記ソース領域は、前記ソース電極と接する。前記ドレイン領域は前記ドレイン電極と接する。前記ソース領域、及び前記ドレイン領域の比抵抗は、前記チャネル形成領域よりも低いことが好ましい。
前記半導体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン半導体、酸化物半導体などが挙げられる。
前記シリコン半導体としては、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコンなどが挙げられる。
前記酸化物半導体としては、例えば、InGa−Zn−O、In−Zn−O、In−Mg−Oなどが挙げられる。
これらのなかでも、酸化物半導体が好ましい。
−−半導体層の形成方法−−
前記半導体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記半導体層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.5μmがより好ましい。
−ゲート絶縁層−
前記ゲート絶縁層は、例えば、前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられる。
−−酸化物形成用塗布液を用いたゲート絶縁層の形成方法−−
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記『(酸化物膜の製造方法)』において説明したように、前記酸化物形成用塗布液を用いた、スピンコート、ダイコート、インクジェット等の塗布法が好ましい。
前記ゲート絶縁層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜3μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
前記電界効果型トランジスタの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のような構造の電界効果型トランジスタなどが挙げられる。
(1)基板と、前記基板上に形成された前記ゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の間に形成された半導体層とを有する電界効果型トランジスタ。
(2)基板と、前記基板上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成された前記半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極、及び前記半導体層上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ゲート電極とを有する電界効果型トランジスタ。
前記(1)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・ボトムゲート型(図1A)、トップコンタクト・ボトムゲート型(図1B)などが挙げられる。
前記(2)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型(図1C)、トップコンタクト・トップゲート型(図1D)などが挙げられる。
ここで、図1A〜図1Dにおいて、符号21は基板、22はゲート電極、23はゲート絶縁層、24はソース電極、25はドレイン電極、26は酸化物半導体層をそれぞれ表す。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−酸化物形成用塗布液の作製−
シクロヘキシルベンゼン(品番07560−00、関東化学製)1.2mLに、2−エチルヘキサン酸ランタン(品番128−03371、和光純薬製)2.17mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム(品番195−09561、和光純薬製)0.63mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例1における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。クラス1000のクリーンルームとは、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個以下の環境を示す。
次に、図2Aに示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基板91)上にゲート電極92を形成した。具体的には、ガラス基板(基材91)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.6mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約100nmであった。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層93上にソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、ゲート絶縁層93上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。これにより、ソース電極94とドレイン電極95との間にチャネルが形成されるように酸化物半導体層96が形成された。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例1における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約100nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例2)
−酸化物形成用塗布液の作製−
超純水(品番95305−1L、Sigma−Aldrich製)9mLと、エタノール(品番14033−02、関東化学製)9mLに、塩化イットリウム(品番259−00272、和光純薬製)1.51gと、塩化マグネシウム(品番136−03995、和光純薬製)0.02gと、塩化ハフニウム(品番083−06931、和光純薬製)0.10gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、溶媒である水とエタノールについては、SUS304に接触しない状況で使用した。また、実施例2における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
次に、図2Dに示すような、トップコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<電界効果型トランジスタの作製>
−酸化物半導体層の形成−
最初に、ガラス基板(基板91)上に酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、前記基板及び、前記酸化物半導体層上に、ソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、前記基板及び、前記酸化物半導体層上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.6mLを前記基板、前記酸化物半導体層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約118nmであった。
−ゲート電極の形成−
次に、ゲート絶縁層上にゲート電極92を形成した。具体的には、ゲート絶縁層上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例2における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約118nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例3)
−酸化物形成用塗布液の作製−
メタノール(品番25183−08、関東化学製)9mLと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(品番20223−02、関東化学製)9mLと、硝酸ランタン(品番011267、Alfa Aesar製、純度99.99%)1.15gと、硝酸カルシウム(品番030482、Alfa Aesar製、純度99.98%)0.08gと、塩化ジルコニウム(品番265−00672、和光純薬製)0.06gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例3における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
次に、図2Cのような、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
最初にガラス基板(基板91)に、ソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、前記基板上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、In−Ga−Zn系酸化物膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、In−Ga−Zn系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のIn−Ga−Zn系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。これにより、ソース電極94とドレイン電極95との間にチャネルが形成されるように酸化物半導体層96が形成された。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.25mLを前記基板、前記酸化物半導体層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、2,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約127nmであった。
−ゲート電極の形成−
次に、ゲート絶縁層上にゲート電極92を形成した。具体的には、ゲート絶縁層上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例3における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約127nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例4)
−酸化物形成用塗布液の作製−
トルエン(品番40180−79、関東化学製、PrimePureグレード)1.2mLに、スカンジウム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘブタンジオナート)(品番517607、Sigma−Aldrich製)0.54mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8wt%、品番021−09471、和光純薬製)0.41mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例4における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
次に、図2Bのような、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基板91)上にゲート電極92を形成した。具体的には、ガラス基板(基板91)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.25mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、2,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約116nmであった。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、In−Ga−Zn系酸化物膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、In−Ga−Zn系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のIn−Ga−Zn系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層93、及び酸化物半導体層上にソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、ゲート絶縁層93上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。これにより、酸化物半導体96上にチャネルが形成される配置にソース電極94とドレイン電極95が形成された。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例4における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約62nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例5)
−酸化物形成用塗布液の作製−
シクロヘキシルベンゼン(品番07560−00、関東化学製)1.2mLに、2−エチルヘキサン酸ランタン(品番128−03371、和光純薬製)2.17mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム(品番195−09561、和光純薬製)0.63mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例5における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室内のドラフトチャンバー内で行った。ここで使用した一般実験室のドラフトチャンバーは、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例1と同様の方法で、図2Aに示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例1と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(実施例6)
−酸化物形成用塗布液の作製−
超純水(品番95305−1L、Sigma−Aldrich製)9mLと、エタノール(品番14033−02、関東化学製)9mLに、塩化イットリウム(品番259−00272、和光純薬製)1.51gと、塩化マグネシウム(品番136−03995、和光純薬製)0.02gと、塩化ハフニウム(品番083−06931、和光純薬製)0.10gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例6では、前記酸化物形成用塗布液に対する重金属元素(Fe、Cu、Mn、Ni)の影響を確認するため、溶媒である水とエタノールの送液にSUS304の配管を使用した。また、実施例6における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例2と同様の方法で、図2Dに示すような、トップコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例2と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(実施例7)
−酸化物形成用塗布液の作製−
メタノール(品番25183−08、関東化学製)9mLと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(品番20223−02、関東化学製)9mLと、硝酸ランタン(品番128−01732、和光純薬製、純度95%)1.15gと、硝酸カルシウム(品番030482、Alfa Aesar製、純度99.98%)0.08gと、塩化ジルコニウム(品番265−00672、和光純薬製)0.06gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。また、実施例7における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図2Cに示すような、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(実施例8)
−酸化物形成用塗布液の作製−
メタノール(品番25183−08、関東化学製)9mLと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(品番20223−02、関東化学製)9mLと、硝酸ランタン(品番011267、Alfa Aesar製、純度99.99%)1.15gと、硝酸カルシウム(品番036−0745、和光純薬製、純度98%)0.08gと、塩化ジルコニウム(品番265−00672、和光純薬製)0.06gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例8における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図2Cに示すような、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(実施例9)
−酸化物形成用塗布液の作製−
トルエン(品番40180−80、関東化学製、鹿1級グレード)1.2mLに、スカンジウム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘブタンジオナート) (品番517607、Sigma−Aldrich製)0.54mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8wt%、品番021−09471、和光純薬製)0.41mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例9における酸化物形成用塗布液の作製はクラス1000のクリーンルームで行った。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例4と同様の方法で、図2Bに示すような、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例4と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(実施例10)
−酸化物形成用塗布液の作製−
シクロヘキシルベンゼン(品番07560−00、関東化学製)0.6mLに、トルエン(品番40180−79、関東化学製、PrimePureグレード)0.6mLと、サマリウムアセチルアセトナート三水和物(品番93−6226、Strem製)0.20gと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%、品番12−1260、Strem製)0.03mLと、2−エチルヘキサン酸酸化ジルコニウム溶液(Zr含量12wt%、品番269−01116、和光純薬製)0.10mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例10における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室内のドラフトチャンバー内で行った。ここで使用した一般実験室のドラフトチャンバーは、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
次に、図2Aに示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基板91)上にゲート電極92を形成した。具体的には、ガラス基板(基材91)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.6mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約137nmであった。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層93上にソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、ゲート絶縁層93上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。これにより、ソース電極94とドレイン電極95との間にチャネルが形成されるように酸化物半導体層96が形成された。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例1における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約100nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例11)
−酸化物形成用塗布液の作製−
超純水(品番95305−1L、Sigma−Aldrich製)1.0mLと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(品番20223−02、関東化学製)0.3mLと、塩化イットリウム(品番259−00272、和光純薬製)0.02gと、硝酸ランタン(品番011267、Alfa Aesar製、純度99.99%)0.07gと、塩化マグネシウム(品番136−03995、和光純薬製)0.01gと、塩化ジルコニウム(品番265−00672、和光純薬製)0.02gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、実施例11における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室内のドラフトチャンバー内で行った。ここで使用した一般実験室のドラフトチャンバーは、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
次に、図2Bのような、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基板91)上にゲート電極92を形成した。具体的には、ガラス基板(基板91)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記酸化物形成用塗布液0.25mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、2,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。この後、前記酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層93のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、塩酸によるウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ゲート絶縁層93を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約116nmであった。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体層96を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、In−Ga−Zn系酸化物膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、In−Ga−Zn系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のIn−Ga−Zn系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層93、及び酸化物半導体層上にソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、ゲート絶縁層93上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、エッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。これにより、酸化物半導体96上にチャネルが形成される配置にソース電極94とドレイン電極95が形成された。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、図3に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例4における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約62nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(比較例1)
−酸化物形成用塗布液の作製−
シクロヘキシルベンゼン(品番07560−00、関東化学製)1.2mLに、2−エチルヘキサン酸ランタン(品番128−03371、和光純薬製)2.17mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム(品番195−09561、和光純薬製)0.63mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、比較例1における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室で行った。ここで使用した一般実験室は、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例1と同様の方法で、図2Aに示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例1と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(比較例2)
−酸化物形成用塗布液の作製−
メタノール(品番25183−08、関東化学製)9mLと、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(品番20223−02、関東化学製)9mLと、硝酸ランタン(品番128−01732、和光純薬製、純度95%)1.15gと、硝酸カルシウム(品番036−0745、和光純薬製、純度98%)0.08gと、塩化ジルコニウム(品番265−00672、和光純薬製)0.06gとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、比較例2における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室で行った。ここで使用した一般実験室は、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図2Cに示すような、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例3と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
(比較例3)
−酸化物形成用塗布液の作製−
トルエン(品番40180−80、関東化学製、鹿1級グレード)1.2mLに、スカンジウム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘブタンジオナート) (品番517607、Sigma−Aldrich製)0.54mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8wt%、品番021−09471、和光純薬製)0.41mLとを混合し、酸化物形成用塗布液を得た。なお、比較例3における酸化物形成用塗布液の作製は一般実験室で行った。ここで使用した一般実験室は、0.028mの体積中に0.5μm以上の大きさの粒子が約1×10個程度の環境であった。
<電界効果型トランジスタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例4と同様の方法で、図2Bに示すような、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
<絶縁性評価用キャパシタの作製>
次に、前記酸化物形成用塗布液を使用し、実施例4と同様の方法で、図3に示す構造のキャパシタを作製した。
<酸化物形成用塗布液の不純物濃度評価>
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液中のNa、及びKの濃度を原子吸光光度計(品番ZA3300、日立ハイテクサイエンス製)により評価した。また、実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液中のCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度をICP−OES装置(品番ICAP6300−DUO、Thermo Fisher Scientific製)により評価した。これらの結果を表1に示す。表1において、「<」がついた計測値は、その元素の濃度が装置の検出限界以下であることを示す。
なお、前記検出限界は、本評価において前記酸化物形成用塗布液の希釈に使用した溶媒である超純水(品番95305−1L、Sigma−Aldrich製)を原子吸光光度計、及びICP−OES装置において10回繰り返し測定し、得られた濃度値の標準偏差を3倍した値とした。
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液中の第A元素の濃度の合計Cmg/L、及び第B元素の濃度の合計Cmg/LをICP−OES装置(品番ICAP6300−DUO、Thermo Fisher Scientific製)により評価した。それらの結果を表2に示す。
表2より、実施例1〜11の酸化物形成用塗布液から検出されたNaとKの濃度の合計は、第A元素の濃度の合計Cmg/L、及び第B元素の濃度の合計Cmg/Lから算出される値、(C+C)/10mg/L以下であった。一方、比較例1〜3の酸化物形成用塗布液から検出されたNaとKの濃度の合計は、(C+C)/10mg/Lを超えていた。
また、表2より、実施例1〜11の酸化物形成用塗布液から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度の合計は、(C+C)/10mg/L以下であった。一方、比較例1〜3の酸化物形成用塗布液から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度の合計は、(C+C)/10mg/Lを超えていた。
表2より、実施例1〜4、6、8、及び9の酸化物形成用塗布液から検出されたNaとKの濃度の合計は、第A元素の濃度の合計Cmg/L、及び第B元素の濃度の合計Cmg/Lから算出される値、(C+C)/10mg/L以下であった。一方、実施例5、7、10、11、及び比較例1〜3の酸化物形成用塗布液から検出されたNaとKの濃度の合計は(C+C)/10mg/Lを超えていた。
また、表2より、実施例1〜5の酸化物形成用塗布液から検出されたCr、Mn、Fe、Co、及びNiの濃度の合計は、第A元素の濃度の合計Cmg/L、及び第B元素の濃度の合計Cmg/Lから算出される値、(C+C)/10mg/L以下であった。一方、実施例6〜11、及び比較例1〜3の酸化物形成用塗布液から検出されたCr、Mn、Fe、Co、及びNiの濃度の合計は(C+C)/10mg/Lを超えていた。
<酸化物形成用塗布液を用いて形成した酸化物膜の不純物濃度評価>
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液を用いて形成した酸化物膜のNa、及びKの濃度を原子吸光光度計(品番ZA3300、日立ハイテクサイエンス製)により評価した。また、実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液中のCr、Mn、Fe、Co、Ni、及びCuの濃度をICP−OES装置(品番ICAP6300−DUO、Thermo Fisher Scientific製)により評価した。具体的には、実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した酸化物形成用塗布液0.25〜0.60mLをガラス基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(たとえば、500rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止める)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、酸化物膜を形成した。続いて、前記酸化物膜を酸性水溶液に溶かし、その溶液の不純物濃度を原子吸光光度計と、ICP−OES装置で計測し、酸化物膜中のNa、K、Cr、Mn、Fe,Co、Ni、Cuの濃度を算出した。これらの結果を表3に示す。表3において、「<」がついた計測値は、その元素の濃度が装置の検出限界以下であることを示す。
表3において、各元素の検出限界の値が表1よりも50倍程度高い理由は、酸性水溶液を約50倍に希釈した試料を分析したことによる。
また、検出限界の値は、酸化物形成用塗布液の組成や濃度によって変化する可能性がある。そのため、同一元素に関して、ある塗布液における検出値が、他の塗布液では検出限界以下になる場合がある(たとえば表3の実施例1のCoコバルト、“<0.05”mg/kgに対して、実施例5のCoコバルト“0.03”mg/kg)。
表4より、実施例1〜11の酸化物膜から検出されたNaとKの濃度の合計は、1000mg/kg以下であった。一方、比較例1〜3の酸化物膜から検出されたNaとKの不純物濃度の合計は、1000mg/kgを超えていた。
また、表4より、実施例1〜11の酸化物膜から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計は、1000mg/kg以下であった。一方、比較例1〜3の酸化物膜から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Niの不純物濃度の合計は、1000mg/kgを超えていた。
表4より、実施例1〜4、6、及び9の酸化物膜から検出されたNaとKの濃度の合計は、1000μg/kg以下であった。一方、実施例5、7、8、10、11、及び比較例1〜3の酸化物膜から検出されたNaとKの不純物濃度の合計は、1000μg/kgを超えていた。
表4より、実施例1〜5の酸化物膜から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計は、1000μg/kg以下であった。一方、実施例6〜11、及び比較例1〜3の酸化物膜から検出されたCr、Mn、Fe、Co、Niの濃度の合計は、1000μg/kgを超えていた。
<酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜の異物、エッチング残渣評価>
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した電界効果型トランジスタに関してゲート絶縁層形成後、酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜中の異物と、酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜をエッチングした部分のエッチング残渣とを顕微鏡(品番DM8000M、Leica製)で評価した。
顕微鏡での観察条件は、1サンプルにつき、倍率50倍の明視野観察で10箇所、倍率50倍の暗視野観察で10箇所観察した。なお、実施例1〜11、及び比較例1〜3、それぞれにつき、電界効果型トランジスタを12サンプル(12枚の基板)作製し、顕微鏡観察を行った。
表5に、実施例1〜11、及び比較例1〜3それぞれにつき12サンプル作製した電界効果型トランジスタにおいて、顕微鏡観察で酸化物膜中の異物と、エッチング残渣とが確認された数を示す。
表5より、実施例1〜11の酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜には明視野観察において異物は観察されなかった。一方、比較例1〜3の酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜には、明視野観察において異物が観察された。
表5より、実施例1〜11の酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜をエッチングした部分には明視野観察においてエッチング残差は見られなかった。一方、比較例1〜3で形成した酸化物膜をエッチングした部分にはエッチング残差が確認された。なお、エッチング残差とは、意図しない部分に膜などが残っていることを示す。つまり、エッチング残差が確認されたサンプルはパターン不良が発生したといえる。
<酸化物形成用塗布液から形成した酸化物膜の絶縁性の評価>
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製したキャパシタの耐圧を半導体デバイス・パラメータ・アナライザ(B1500A、Agient社製)により測定した。
耐圧試験は、キャパシタの上部下部電極間(オーバーラップ面積6.0×10−5cm)に印加した電圧を徐々に上げていき、電界強度MV/cmに対して電流密度A/cmをプロットしたグラフにおいて、電流密度の変化量が変曲点を迎えるまで行った。前記電流密度の変化量が変曲点を迎えた時点での電界強度MV/cmを耐圧として評価した。
表7に実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製したキャパシタの耐圧評価の結果を示す。表7より、実施例1〜11で作製したキャパシタは耐圧が3MV/cm以上と高く、優れた絶縁性を示した。一方、比較例1〜3で作製したキャパシタは耐圧が1MV/cm未満と低く、絶縁性が悪い。
<電界効果型トランジスタのトランジスタ特性評価>
実施例1〜11、及び比較例1〜3で作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性を、半導体デバイス・パラメータ・アナライザ(B1500A、Agient社製)により評価した。トランジスタ特性は、ドレイン電極95−ソース電極94間電圧(Vds)=+1Vとした場合の、ゲート電極92−ソース電極94間電圧(Vgs)とドレイン電極95−ソース電極94間電流(Ids)との関係(Vgs−Ids)、及びゲート電極92−ソース電極94間電圧(Vgs)とゲート電極92−ソース電極94間電流(Igs)との関係(Vgs−Igs)を測定した。また、Vgs−Ids、及びVgs−Igsを測定する際には、Vgsを以下の二条件で変化させ測定を行った。
(1)Vgs −5V〜+5V (1V Step)
(2)Vgs −30V〜+30V (1V Step)
トランジスタ特性(Vgs−Ids)の評価結果より、飽和領域における電界効果移動度を算出した。また、トランジスタ構造でのゲート絶縁膜の絶縁性の指標として、Vgs=−5Vにおけるゲート電流(Igs)の値を評価した。また、トランジスタのオン状態(例えばVgs=+10V)とオフ状態(例えばVgs=−10V)のIdsの比(on/off比、オン/オフ比)を算出した。また、Vgs印加に対するIdsの立ち上がりの鋭さの指標として、S値を算出した。また、Vgs印加に対するIdsの立ち上がりの電圧値として、閾値電圧(Vth)を算出した。
表6にVgsを−30Vから+30Vの範囲で変化させた場合のトランジスタ特性の評価結果を示す。実施例5、7、8、10、11で作製した電界効果型トランジスタに関しては、Vgsを+30Vまで印加した際にトラジスタに流れるドレイン電流Idsが1mAを超え、半導体が破壊され、測定不能となった。このようにVgsの印加電圧が−30Vから+30Vでは印加電圧が高く、不適切な条件のため、本発明でのトランジスタ特性の評価はVgsの印加電圧―5Vから+5Vで評価を行った。
また、比較例1〜3で作製した電界効果型トランジスタは、Vgsを+30Vまで印加した際にトランジスタに流れるゲート電流Igsが大きく、ゲート絶縁膜が破壊されたため、測定不能となった。
表7にVgsを−5Vから+5Vの範囲で変化させた場合のトランジスタ特性の評価結果を示す。表7より、実施例1〜11で作製した電界効果型トランジスタは移動度が8cm/Vsと高く、ゲート電流が10×10−12A以下と低く、on/off比が10以上と高く、S値が0.5V/decadeと低く、Vthが±5V以内であり、良好なトランジスタ特性を示した。一方、比較例で作製した電界効果型トランジスタは、ゲート電流が10−10A以上と高い値であり、ゲート絶縁膜の絶縁性が低いことがわかる。
Figure 2020025069
Figure 2020025069
Figure 2020025069
Figure 2020025069
Figure 2020025069
Figure 2020025069
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本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 酸化物形成用塗布液であって、
アルカリ土類金属の少なくともいずれかである第A元素と、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含有し、
前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、
前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、
前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であることを特徴とする酸化物形成用塗布液である。
<2> 前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、
前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、
前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下である前記<1>に記載の酸化物形成用塗布液である。
<3> 前記酸化物形成用塗布液が、さらにAl、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<4> 前記酸化物形成用塗布液が、前記第A元素もしくは前記第B元素の無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩のうち少なくともいずれかを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<5> 酸化物形成用塗布液であって、
無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩の少なくともいずれかである金属源と、
溶媒とを含有し、
前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が1000mg/kg以下であり、
前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が1000mg/kg以下であることを特徴とする酸化物形成用塗布液である。
<6> 前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が1000μg/kg以下であり、
前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が1000μg/kg以下である前記<5>に記載の酸化物形成用塗布液である。
<7> 前記無機塩が、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩の少なくともいずれかを含有する前記<5>から<6>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<8> 前記ハロゲン化物が、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物の少なくともいずれかを含有する前記<5>から<7>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<9> 前記有機塩が、カルボン酸塩、石炭酸、及びそれらの誘導体の少なくともいずれかを含有する前記<5>から<8>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<10> 前記溶媒が、有機酸、有機酸エステル、芳香族化合物、ジオール、グリコールエーテル、非プロトン性極性溶媒、アルカン化合物、アルケン化合物、エーテル、アルコール、及び水の少なくともいずれかを含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液を用いて、塗布、及び熱処理を経て、酸化物膜を得ることを特徴とする酸化物膜の製造方法である。
<12> ゲート電極と、
ソース電極及びドレイン電極と、
半導体層と、
ゲート絶縁膜と、
を備える電界効果型トランジスタを製造する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
前記ゲート絶縁層が、酸化物膜を含み、
前記<1>から<10>のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液を用いて酸化物膜を形成することを含むことを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法である。
21 基板
22 ゲート電極
23 ゲート絶縁層
24 ソース電極
25 ドレイン電極
26 半導体層
91 基板
92 ゲート電極
93 ゲート絶縁層
94 ソース電極
95 ドレイン電極
96 半導体層
101 基板
102 下部電極
103 ゲート絶縁層
104 上部電極
特開2014−143403号公報 特開2010−283190号公報
K.Nomura,他5名、「Room−temperature fabrication of transparent flexible thinfilm transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、VOL432、25、NOVEMBER、2004、p.488−492

Claims (12)

  1. 酸化物形成用塗布液であって、
    アルカリ土類金属の少なくともいずれかである第A元素と、ガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含有し、
    前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、
    前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、
    前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であることを特徴とする酸化物形成用塗布液。
  2. 前記第A元素の濃度の合計をCmg/Lとし、前記第B元素の濃度の合計をCmg/Lとしたときに、
    前記酸化物形成用塗布液におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下であり、
    前記酸化物形成用塗布液におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が、(C+C)/10mg/L以下である請求項1に記載の酸化物形成用塗布液。
  3. 前記酸化物形成用塗布液が、さらにAl、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含有する請求項1から2のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  4. 前記酸化物形成用塗布液が、前記第A元素もしくは前記第B元素の無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩のうち少なくともいずれかを含有する請求項1から3のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  5. 酸化物形成用塗布液であって、
    無機塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、金属錯体、及び有機塩の少なくともいずれかである金属源と、
    溶媒とを含有し、
    前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が1000mg/kg以下であり、
    前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が1000mg/kg以下であることを特徴とする酸化物形成用塗布液。
  6. 前記酸化物形成用塗布液を用いて形成された酸化物膜におけるナトリウム(Na)、及びカリウム(K)の濃度の合計が1000μg/kg以下であり、
    前記酸化物膜におけるクロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)の濃度の合計が1000μg/kg以下である請求項5に記載の酸化物形成用塗布液。
  7. 前記無機塩が、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩の少なくともいずれかを含有する請求項5から6のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  8. 前記ハロゲン化物が、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物の少なくともいずれかを含有する請求項5から7のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  9. 前記有機塩が、カルボン酸塩、石炭酸、及びそれらの誘導体の少なくともいずれかを含有する請求項5から8のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  10. 前記溶媒が、有機酸、有機酸エステル、芳香族化合物、ジオール、グリコールエーテル、非プロトン性極性溶媒、アルカン化合物、アルケン化合物、エーテル、アルコール、及び水の少なくともいずれかを含有する請求項5から9のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液を用いて、塗布、及び熱処理を経て、酸化物膜を得ることを特徴とする酸化物膜の製造方法。
  12. ゲート電極と、
    ソース電極及びドレイン電極と、
    半導体層と、
    ゲート絶縁膜と、
    を備える電界効果型トランジスタを製造する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    前記ゲート絶縁層が、酸化物膜を含み、
    請求項1から10のいずれかに記載の酸化物形成用塗布液を用いて酸化物膜を形成することを含むことを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。

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