以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下の実施形態は、可能な限り組み合わせることができる。
<実施形態1>
<システム概要>
図1は、本実施形態に係る荷物管理システム1の概略構成を示す図である。荷物管理システム1は、荷物の配送作業を依頼する者と荷物の配送作業を依頼された者との間で当該依頼者の指定する車両10の荷室(トランク・ルーム)を共有(シェア)することで、当該荷室を受け渡し場所とする配送サービスにおいて荷物を管理するシステムである。したがって、「荷物の配送作業を依頼する者」及び「荷物の配送作業を依頼された者」は、それぞれ車両10の荷室を利用するユーザであるが、両者を区別するために、前者を「依頼ユーザ」と称し、後者を「配送ユーザ」と称する。また、上記荷室は、配送される荷物を配置可能であって、後述するように車載装置10Aによって施解錠されるように構成される、車両10内の所定領域である。当該荷室は、車両10の運転者等が搭乗する車室とは、互いにアクセスが不可能となるように区切られた領域である。
図1の例では、荷物管理システム1は、車両10に設置される車載装置10A、配送ユーザ端末200、依頼ユーザ端末50、センタサーバ400、配送管理サーバ500A、500Bを含む。車載装置10A、配送ユーザ端末200、依頼ユーザ端末50、センタサーバ400、及び配送管理サーバ500A、500Bは、ネットワークN1によって相互に接続される。なお、ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、WiFi等の無線通信網を含んでもよい。また、車載装置10Aは、近距離無線通信等を含むネットワークN2を介して、配送ユーザが使用する端末である配送ユーザ端末200に接続される。なお、荷物管理システム1には、例示的に2つの配送管理サーバ500A、500Bが含まれているが、配送管理サーバは3台以上含まれてもよい。また、本明細書において配送管
理サーバについて総括的に言及する場合には、その参照番号を500とする。
配送管理サーバ500は、依頼ユーザが使用する端末である依頼ユーザ端末50から、配送の対象となる物品(以下、荷物とも言う)の登録を受け付ける。依頼ユーザは、例えば、電子商取引事業者により開設された商品購入サイトで購入した物品を荷物として配送ユーザに配送してもらう場合に、依頼ユーザ端末50にインストールされた荷物管理システム1によるサービスを利用するためのアプリケーション(以下、所定のアプリともいう)によって、その荷物に関する配送情報を、配送管理サーバ500に登録することができる。配送情報は、後述の図5に示すように、依頼ユーザの識別情報や、配送のスケジュール情報等を含む。依頼ユーザの識別情報は、配送管理サーバ500においては、依頼ユーザに紐付けられている車両10にも予め対応付けられており、車両10を含む、自己(依頼ユーザ)に関連する配送場所の候補から依頼ユーザは利用する配送場所を適宜選択し、それも配送情報に含められる。なお、以降の説明においては、依頼ユーザの配送場所を車両10としてその説明を進めるものとする。更に、配送情報には、荷物のステータスに関する情報も含む。当該ステータス情報としては、荷物の配送が完了したか否か等の情報が例示できる。
また、図1に示す配送管理サーバ500Aと配送管理サーバ500Bは、異なる配送事業者によって管理されているものとする。したがって、配送管理サーバ500Aで管理されている配送情報に従った荷物の配送は、配送管理サーバ500Bで管理されている配送情報に従った荷物の配送を行う配送事業者とは異なる配送事業者によって行われる。配送管理サーバ500A、500Bを管理する各配送事業者に属する配送ユーザを区別して表す場合には、以降、それぞれ配送ユーザA、配送ユーザBのように添え字を付して表すこととする。
配送管理サーバ500は、依頼ユーザ端末50から荷物の配送の依頼を受付けると、その配送場所が車両10である場合、荷物を収容する車両10を施解錠する(「荷物を収容する車両10の荷室を施解錠する」ともいう。)ための認証情報を配送ユーザ端末200に送信するように、センタサーバ400に要求する。当該要求は、配送ユーザ端末200からの要求を起点として行われる。センタサーバ400は、配送情報に含まれる依頼ユーザの識別情報に基づいて、依頼ユーザの識別情報に対応付けられた車両10の認証情報を、配送管理サーバ500を介して配送ユーザ端末200に送信する。配送ユーザは、その配送ユーザ端末200で受信した認証情報を使用して車両10の荷室を施解錠することで、荷物を配送するために車両10の荷室にアクセスすることができる。ここで、認証情報は、配送ユーザ端末200から近距離無線通信によって車載装置10Aに転送され、車載装置10Aによる認証処理を受けることで、車載装置10Aに車両10の荷室の施解錠処理を実行させるデジタル情報である。また、車両10の荷室の施解錠処理とは、荷物を収容する車両10の荷室のドアを、詳細を後述する車載装置10Aによって施解錠する処理である。
図2は、本実施形態に係る荷物管理システム1を構成する車載装置10A、配送ユーザ端末200、依頼ユーザ端末50、配送管理サーバ500、センタサーバ400のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。図2に基づいて、車載装置10A、配送ユーザ端末200、依頼ユーザ端末50、配送管理サーバ500、センタサーバ400のハードウェア構成及び機能構成について説明する。
車載装置10Aは、キーユニット100、施解錠装置300、撮影装置11、画像記憶部12、報知部13、を含んで構成される。キーユニット100は、スマートキーの電子キー(以下、携帯機)と同様の無線インターフェースを有しており、車載装置10Aが有する施解錠装置300と通信を行うことで、物理的な鍵を用いることなく車両10の荷室
や車室の施解錠(以下、荷室と車室を区別する必要が無い場合には、単に「車両10の施解錠」と言う場合もある)を行うことができる。また、キーユニット100は、配送ユーザ端末200等の携帯端末と近距離無線通信を行い、配送ユーザ端末200を認証処理した結果に基づいて、自身が車両10の電子キーとして振る舞うか否かを決定する。
配送ユーザ端末200は、荷物の配送のために車両10の荷室にアクセスする際に、当該荷室の施解錠をするための認証情報を、上記の通り配送管理サーバ500を介してセンタサーバ400に発行してもらう。そして、配送ユーザ端末200からキーユニット100に送信された認証情報は、キーユニット100に予め記憶された認証情報と照合される。その認証処理が成功すると、配送ユーザ端末200は、車載装置10Aを正当に作動させる端末として認証される。配送ユーザ端末200が認証されると、キーユニット100は、キーユニット100に予め記憶され、認証情報と対応付けられた車両10のキーIDを、施錠信号または解錠信号とともに施解錠装置300に送信する。なお、以下の説明において、施錠信号と解錠信号を施解錠信号と総称する。施解錠信号という用語は、施錠信号と解錠信号の少なくともいずれかを表す。施解錠装置300は、キーユニット100から受信したキーIDが、施解錠装置300に予め格納されるキーIDと一致する場合に車両10を施解錠する。キーユニット100および施解錠装置300は、車両10に搭載されるバッテリから供給される電力で動作する。なお、キーユニット100に予め記憶されるキーIDは、認証情報によって暗号化されたものであってもよい。この場合、キーユニット100は、配送ユーザ端末200の認証処理が成功すると、キーIDを認証情報によって復号してから施解錠装置300に送信すればよい。
ここで、施解錠装置300の詳細について説明する。施解錠装置300は、車両10の車室や荷室のドアを施錠および解錠するための装置である。例えば、車両10に対応する携帯機から、高周波(Radio Frequency,以下、RFと称する)帯の電波を介して送信さ
れる施錠信号および解錠信号に応じて、車両10のドアを施錠および解錠する。また、携帯機を検索するための、低周波(Low Frequency,以下、LFと称する)帯の電波を送信
する機能を有している。
本実施形態では、上記の携帯機の代わりに、キーユニット100が施解錠装置300との間でRF帯およびLF帯の電波を送受信することで、車両10のドアの施解錠を制御する。以降、断りがない限り、施解錠装置300の通信先をキーユニット100に限定して説明を行う。
施解錠装置300は、LF送信機301、RF受信機302、照合ECU303、ボディECU304、ドアロックアクチュエータ305、ドアスイッチ306を含んで構成される。LF送信機301は、キーユニット100を検索(ポーリング)するための低周波数帯(例えば、100KHz〜300KHz)の電波を送信する手段である。LF送信機301は、例えば、車室内のセンターコンソールやハンドルの近傍に内蔵される。RF受信機302は、キーユニット100から送信された高周波数帯(例えば、100MHz〜1GHz)の電波を受信する手段である。RF受信機302は、車室内のいずれかの場所に内蔵される。
照合ECU303は、キーユニット100からRF帯の電波を介して送信された信号(施錠信号または解錠信号)に基づいて、車両10の車室や荷室のドアを施錠および解錠する制御を行うコンピュータである。照合ECU303は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
照合ECU303は、キーユニット100から送信された施解錠信号が、正当な装置から送信されたものであることを認証する。具体的には、施解錠信号に含まれるキーIDが
、照合ECU303が有する不図示の記憶部に予め記憶されたキーIDと一致するか否かを判定する。そして、照合ECU303は、この判定の結果に基づいて、ボディECU304に解錠指令または施錠指令を送信する。この解錠指令または施錠指令は、CAN(Controller Area Network)等の車内ネットワークを介して送信される。
図3は、車両10における各装置の配置を示した概略図である。ドアロックアクチュエータ305は、車両10のドア(乗車空間たる車室への乗り降りの際に開閉される車室ドアや、荷室15への荷物の積み卸しの際に開閉される荷室ドア16)を施錠及び解錠するアクチュエータである。ドアロックアクチュエータ305は、ボディECU304から送信された信号に基づいて動作する。なお、ドアロックアクチュエータ305は、車両10における車室ドアと荷室ドア16とを独立して施錠及び解錠することができるように構成されてもよい。図3には、荷室ドア16を施錠及び解錠するドアロックアクチュエータ305を示している。図3におけるハッチングの範囲は、撮影装置11によって撮影される範囲である。
ドアスイッチ306は、車両10のドアが開扉されているときにONとなる一方で、該車両10のドアが閉扉されているときにOFFになるスイッチである。図3には、荷室ドア16の開閉を検知するドアスイッチ306を示している。このドアスイッチ306のON/OFF信号は、ボディECU304に入力される。なお、ドアスイッチ306は、本発明に係わる「検知手段」に相当する。
ボディECU304は、車両10のボディ制御を行うコンピュータである。図4は、ボディECU304の構成の一例を概略的に示すブロック図である。ボディECU304は、施解錠処理部3041と、変化判別処理部3042と、撮影処理部3043と、報知処理部3044とを備える。施解錠処理部3041は、照合ECU303から受信した解錠指令または施錠指令に基づいてドアロックアクチュエータ305を制御することで、車両10の車室ドアや荷室ドア16の解錠および施錠を同時に又は独立して行う機能を有している。なお、照合ECU303とボディECU304とは一体のものであってもよい。変化判別処理部3042、撮影処理部3043、報知処理部3044については後述する。
次に、キーユニット100について説明する。キーユニット100は、車両10の車室内の所定の位置(例えばグローブボックス内)に配置された装置である。キーユニット100は、配送ユーザ端末200等と近距離無線通信を行って該配送ユーザ端末200を認証する機能と、この認証結果に基づいて、RF帯の電波を用いて施解錠信号を送信する機能を有している。キーユニット100は、LF受信機101、RF送信機102、近距離通信部103、制御部104を有して構成される。
LF受信機101は、施解錠装置300から、LF帯の電波を介して送信されたポーリング信号を受信する手段である。LF受信機101は、LF帯の電波を受信するためのアンテナ(以下、LFアンテナ)を有している。RF送信機102は、RF帯の電波を介して、施解錠装置300に対して施解錠信号を送信する手段である。
近距離通信部103は、配送ユーザ端末200と通信を行う手段である。近距離通信部103は、所定の無線通信規格を用いて、近距離(車室内と車室外で通信が行える程度)における通信を行う。本実施形態では、近距離通信部103は、Bluetooth(登録商標)LowEnergy規格(以下、BLE)によるデータ通信を行う。BLEとは、Bluetoothによる低電力通信規格であり、機器同士のペアリングを必要とせず、相手を検知することですぐに通信を開始できるという特徴を有する。なお、本実施形態ではBLEを例示するが、他の無線通信規格も利用可能である。例えば、NFC(Near Field Communication)、UWB(Ultra Wideband)、WiFi(登録商標)などを利用す
ることもできる。
制御部104は、近距離通信部103を介して配送ユーザ端末200と近距離無線通信を行い、配送ユーザ端末200を認証する制御と、認証結果に基づいて施解錠信号を送信する制御を行うコンピュータである。制御部104は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
制御部104は、記憶部1041および認証部1042を有している。記憶部1041には、キーユニット100を制御するための制御プログラムが記憶されている。制御部104は、記憶部1041に記憶されている制御プログラムを不図示のCPUによって実行することで、認証部1042を含む種々の機能を実現してもよい。例えば、制御部104は、施解錠装置300からLF帯の電波として送信されたポーリング信号をLF受信機101を介して受信する機能、施解錠装置300にRF帯の電波として施解錠信号をRF送信機102を介して送信する機能、近距離通信部103を介して行う配送ユーザ端末200との通信を処理する機能、認証部1042による配送ユーザ端末200の認証が成功した場合に施解錠信号を生成する機能等を実現する。
認証部1042は、配送ユーザ端末200から送信された施錠要求または解錠要求(以下、施解錠要求と総称する)に含まれる認証情報に基づいて、配送ユーザ端末200の認証を行う。具体的には、記憶部1041に記憶された認証情報と、配送ユーザ端末200から送信された認証情報とを比較し、これらが所定の関係にある場合に、認証成功と判断する。双方の認証情報が所定の関係を満たさない場合、認証失敗と判断する。ここで、所定の関係とは、記憶部1041に記憶された認証情報と、配送ユーザ端末200から送信された認証情報とが一致する場合のほか、2つの認証情報を用いた所定の暗号化・複合化等の処理結果が一致する場合、2つの認証情報の一方に復号処理を行った結果が他方に一致する場合等を含む。
認証部1042が配送ユーザ端末200の認証に成功した場合、配送ユーザ端末200から受信した要求に応じて生された施解錠信号がRF送信機102を介して施解錠装置300へ送信される。以降、説明の必要に応じて、キーユニット100に記憶される認証情報を装置認証情報、配送ユーザ端末200等から送信される認証情報を端末認証情報と称するものとする。
また、キーユニット100は、施解錠信号とともに、上記のキーIDを施解錠装置300に送信する。キーIDは、平文の状態で予めキーユニット100に記憶されていてもよいし、配送ユーザ端末200等に固有な暗号によって暗号化した状態で記憶されていてもよい。キーIDが暗号化した状態で記憶される場合、配送ユーザ端末200等から送信された認証情報によって暗号化されたキーIDを復号し、本来のキーIDを得るようにしてもよい。
次に、撮影装置11は、車両10の荷室15内に設けられており、荷室15内を撮影する。撮影装置11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはC
MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を
用いて撮影を行うカメラである。撮影により得られる画像は、静止画または動画の何れであってもよいが、本実施形態では撮影装置11が動画を撮影するものとする。なお、撮影装置11は、キーユニット100及び施解錠装置300と同様に、車両10に搭載されるバッテリから供給される電力で動作する。
画像記憶部12は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドラ
イブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等によって、撮影装置11に
より撮影された動画データや、動画から抜き出した静止画データ等の画像データを記憶する。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。報知部13は、後述する変化判別処理における処理結果に基づいて所定の報知処理を行う。所定の報知処理については後述する。
このように、車載装置10Aは、配送ユーザ端末200から送信された認証情報を起点として、キーユニット100による認証処理を経て施解錠装置300を作動させて、車両10の車室や荷室を施解錠する一連の処理を実行する。
次に、配送ユーザ端末200について説明する。配送ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)といった小型のコンピュータである。なお、配送ユーザ端末200は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークN1を介して配送管理サーバ500に接続される、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)であってもよい。配送ユーザ端末200は、近距離通信部201、通信部202、制御部203、入出力部204を有して構成される。
近距離通信部201は、キーユニット100の近距離通信部103と同一の通信規格によって、キーユニット100との間で通信を行う手段である。近距離通信部201とキーユニット100との間に形成されるネットワークが、図1においてN2で表されている。そして、通信部202は、配送ユーザ端末200をネットワークN1に接続するための通信手段である。本実施形態では、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信サービスを利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えば配送
管理サーバ500等)と通信を行うことができる。
制御部203は、配送ユーザ端末200の制御を司るコンピュータである。制御部203は、例えば、上述した端末認証情報を取得する処理、取得された端末認証情報を含む施解錠要求を生成する処理、生成された施解錠要求をキーユニット100に送信する処理などを行う。なお、制御部203は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されており、記憶手段(ROM等)に記憶されたプログラムをCPU(いずれも不図示)によって実行させることで上記した各種処理を行うための機能が実現される。
また、制御部203は、入出力部204を介して配送ユーザとのインタラクションを行う。入出力部204は、配送ユーザが行った入力操作を受け付け、配送ユーザに対して情報を提示する手段である。具体的には、タッチパネルとその制御手段、液晶ディスプレイとその制御手段から構成される。タッチパネル及び液晶ディスプレイは、本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。
制御部203は、入出力部204に操作画面を表示し、配送ユーザが行った操作に応じた施解錠要求を生成する。例えば、制御部203は、タッチパネルディスプレイに、解錠を行うためのアイコン、施錠を行うためのアイコン等を出力し、配送ユーザによって行われた操作に基づいて、解錠要求ないし施錠要求を生成する。なお、配送ユーザが行う操作は、タッチパネルディスプレイを介したものに限られない。例えば、ハードウェアスイッチ等によるものであってもよい。
また、制御部203は、センタサーバ400から端末認証情報を取得する処理を行う。なお、端末認証情報は、施解錠装置300がキーユニット100を認証するための情報(キーID)ではなく、キーユニット100が配送ユーザ端末200を認証するための情報(例えば、車両10に搭載されるキーユニット100に固有の認証情報に対応する認証情
報)である。具体的には、制御部203が、通信部202を介して、端末認証情報の発行要求を、配送管理サーバ500を介してセンタサーバ400に送信する。ここでいう「端末認証情報の発行要求」には、配送ユーザ端末200の識別情報とキーユニット100に固有な端末認証情報の発行を要求する信号とが含まれる。端末認証情報の発行要求を受信したセンタサーバ400は、車両10に搭載されているキーユニット100に固有な端末認証情報を取得し、取得した端末認証情報を配送ユーザ端末200に送信する。これにより、配送ユーザ端末200上において、車両10を解錠する操作が可能になる。なお、配送ユーザ端末200が端末認証情報を有していない場合、操作画面からの施錠操作及び解錠操作は不可能となる。
本実施形態において配送ユーザ端末200が取得する端末認証情報は、配送ユーザの配送作業の終了に伴う荷室ドア16の施錠をトリガにして無効化される、ワンタイムキーである。例えば、センタサーバ400から送信される端末認証情報が配送ユーザ端末200によって受信されたタイミングで、該端末認証情報が配送ユーザ端末200の記憶部(不図示)に記憶され、その後、配送作業の終了に伴う荷室ドア16の施錠が行われた際にキーユニット100から送信される施錠通知が配送ユーザ端末200によって受信されたタイミングで、該端末認証情報が上記の記憶部から消去される。
なお、配送ユーザ端末200の記憶部に記憶された端末認証情報が消去されるタイミングは、上記した例に限定されるものではなく、センタサーバ400から送信される端末認証情報を配送ユーザ端末200が受信した時点(又は、センタサーバ400が配送ユーザ端末200へ向けて端末認証情報を送信した時点)から所定時間が経過したタイミングであってもよい。また、端末認証情報は、上記したようなワンタイムキーに限定されるものではなく、所定の時間帯のみ有効となる限定的なキーであってもよい。そして、端末認証情報がワンタイムキーであるか、又は限定的なキーであるかにかかわらず、該端末認証情報に対応する装置認証情報が、キーユニット100に事前に記憶されるものとする。
次に、依頼ユーザ端末50について説明する。依頼ユーザ端末50も、上記配送ユーザ端末200と同様に、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)といった小型のコンピュータであってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。依頼ユーザ端末50は、通信部51、制御部52、入出力部53、近距離通信部54を有して構成される。
通信部51は、機能的には上記通信部202と同等の、ネットワークN1に接続するための通信手段である。制御部52は、依頼ユーザ端末50の制御を司るコンピュータである。制御部52は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されており、記憶手段(ROM等)に記憶されたプログラムをCPU(いずれも不図示)によって実行させることで各種処理を行うための機能が実現される。この入出力部53も、機能的には上記入出力部204と同様の、依頼ユーザが行った入力操作を受け付け、依頼ユーザに対して情報を提示する手段である。
近距離通信部54は、キーユニット100の近距離通信部103と同一の通信規格によって、キーユニット100との間で通信を行う手段である。制御部52がセンタサーバ400から端末認証情報を取得する処理を行いその端末認証情報を近距離通信部54を介してキーユニット100に近距離無線通信により送信することで、依頼ユーザ端末50から施解錠装置300を作動させる。
次に、配送管理サーバ500について説明する。配送管理サーバ500は、一般的なコンピュータの構成を有しており、上述のように、荷物管理システム1に複数の配送事業者が参加する場合には、各配送事業者が自己用の管理サーバとして少なくとも1つの配送管
理サーバを準備する。配送管理サーバ500は、CPU(Central Processing Unit)や
DSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ(不図示)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶部(不図示)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等の補助記憶部(不図示)を有するコンピュータである。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。補助記憶部には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
更に、配送管理サーバ500は、通信部501を有する。通信部501は、他の装置と接続し、配送管理サーバ500と他の装置(例えば、センタサーバ400や配送ユーザ端末200等)との間の通信を行う。通信部501は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークN1に接続される。
更に、配送管理サーバ500は、上述した配送情報を格納する配送管理DB(データベース)503を有している。配送管理DB503は、上記の補助記憶部に配送情報が格納されて形成されており、そこでは依頼ユーザと配送情報の紐付けが行われている。配送管理DB503は、プロセッサによって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部に記憶されるデータを管理することで構築される。配送管理DB503は、例えば、リレーショナルデータベースである。
ここで、配送管理DB503に格納される配送情報の構成について、図5に基づいて説明する。図5は配送情報のテーブル構成を例示し、配送情報テーブルは、依頼ユーザID、配送日時、配送場所、配送ステータス、荷物属性の各フィールドを有する。依頼ユーザIDフィールドには、依頼ユーザを特定するための識別情報が入力される。配送日時フィールドには、荷物が配送される日時を表す情報が入力され、特に、配送時間に関しては、特定の時間が入力されてもよいし、配送が求められる特定の時間帯が入力されてもよい。配送ステータスフィールドには、配送ユーザによる荷物の配送が完了したか否かを表す情報が入力される。例えば、荷物の配送が完了している場合には「完了」と入力され、当該配送が完了していない場合には「未完了」と入力される。荷物属性フィールドには、例えば、荷物に関する、重さや大きさ等の属性情報が入力される。
そして、配送管理サーバ500では、上述したプロセッサによるプログラムの実行により、機能部として制御部502が形成される。制御部502は、配送管理DB503への配送情報の登録や更新等の管理制御を行う。例えば、依頼ユーザがその依頼ユーザ端末50を介して荷物の配送を依頼すると、その依頼ユーザの識別情報に、配送日時、配送場所等を紐付けて、当該依頼ユーザに対応する配送情報を生成し、配送管理DB503に格納する。また、配送情報生成後に、依頼ユーザから、配送日時や配送場所の情報変更の通知があった場合には、その変更に合わせて格納されている配送情報を更新する。また、制御部502は、通信部501を介して配送ユーザ端末200と通信を行い、配送情報に含まれる、荷物のステータスに関する情報の更新も行う。例えば、配送ユーザが入出力部204を介して入力したステータス情報(例えば、配送の完了を表す情報)をその配送ユーザ端末200から受け取り、対応する配送情報を更新する。
また、配送管理DB503には、依頼ユーザと、対応する配送場所としての車両10とを紐付けた車両管理情報も格納される。車両管理情報の構成について、図6に基づいて説明する。図6は車両管理情報のテーブル構成を例示し、車両管理情報テーブルは、依頼ユーザIDフィールド、依頼ユーザが配送場所として車両10を選択したときに、配送ユーザがその車両10を発見可能となるように、車両10を識別するための情報(車種、車両の色、ナンバー)が入力される、車種フィールド、色フィールド、ナンバーフィールドを有する。更に、車両管理情報テーブルは、車両10が配置されている位置情報が入力される車両位置フィールドも有する。車両10の位置情報は、依頼ユーザからの依頼ユーザ端末50を介した入力により取得されてもよく、また、後述の図12、図13に示すように車両10に設けられたデータ通信装置350を介してセンタサーバ400が把握している車両10の位置情報をセンタサーバ400から取得してもよい。
そして、制御部502は、依頼ユーザに紐付けられた配送情報と車両管理情報に基づいて、配送ユーザが荷物を車両10に配送できるように、その配送ユーザ端末200に対して配送の指示を送信する。なお、この配送の指示は、一度ではなく複数回にわたって配送ユーザ端末200に送信してもよい。例えば、予定の配送日の前日に、翌日の配送に関連する配送指示をまとめて配送ユーザ端末200に送信し、配送の当日には再度配送指示を送信してもよい。なお、再度の送信の際に、配送情報または車両管理情報に更新があった場合にはその更新内容を反映させる。
配送管理サーバ500の各機能構成素のいずれか、又はその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。また、配送管理サーバ500で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
次に、センタサーバ400について説明する。センタサーバ400も、一般的なコンピュータの構成を有しており、基本的なハード構成は配送管理サーバ500と同じであり、不図示のプロセッサ、主記憶部、補助記憶部を有する。したがって、補助記憶部に格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。また、センタサーバ400も通信部401を有しており、通信部401は、機能的には上記配送管理サーバ500の有する通信部501と同等のものであり、センタサーバ400と他の装置(例えば、配送管理サーバ500等)との間の通信を行う。
更に、センタサーバ400は、その補助記憶部に、各種情報を格納するユーザ情報DB403、認証情報DB404を有している。これらのデータベース(DB)は、プロセッサによって実行されるデータベース管理システムのプログラムが、補助記憶部に記憶されるデータを管理することで構築される。ユーザ情報DB403、認証情報DB404は、例えば、リレーショナルデータベースである。
そして、ユーザ情報DB403は、車両10を利用するユーザ(例えば、荷物を車両10に配送等する配送ユーザや、配送された荷物を回収する依頼ユーザ)の識別情報と、対応するパスワード等を格納する。
認証情報DB404は、上記の端末認証情報に相当する、車両10の認証情報を格納する。車両10の認証情報は、車両10の識別情報(キーID)に対応づけられた情報であり、例えば、車載装置10Aが有するキーユニット100に固有の識別情報とすることができる。また、認証情報DB404は、車両10の認証情報の他、当該認証情報の有効期間(有効時間帯を含む)、当該認証情報の失効有無等の情報を格納してもよい。認証情報の有効期間は、認証情報とともに配送ユーザ端末200に送信されてもよい。配送ユーザ
端末200は、認証情報の有効期間を受信すると、有効期間を経過した認証情報を削除して失効させることができる。また、認証情報の失効有無は、認証情報が、配送ユーザ端末200に送信されて有効な状態であるか、有効期間を経過して失効中であるかの状態を表す。後述する認証情報管理部4021が、認証情報が配送ユーザ端末200に送信されて有効な状態である場合には、認証情報が有効期間が重なって発行されないようにすることで、認証情報の重複発行を回避することができる。
また、センタサーバ400では、上述したプロセッサによるプログラムの実行により、機能部として制御部402が形成される。制御部402は、配送ユーザ端末200等への認証情報の発行に関連する制御を行う。詳細には、制御部402は、機能部として認証情報管理部4021、施解錠制御部4022を含む。
認証情報管理部4021は、車両10を施解錠するための認証情報の発行を管理する。詳細には、認証情報管理部4021は、配送ユーザ端末200から配送管理サーバ500を介して、車両10を施解錠するための認証情報の送信要求を受付ける。認証情報管理部4021は、認証情報の送信要求とともに、認証情報の送信先である配送ユーザ端末200の情報を受信する。認証情報管理部4021は、キーユニット100に対応する認証情報(端末認証情報)を、配送管理サーバ500を介して配送ユーザ端末200に送信する。認証情報管理部4021は、有効期間の情報を含む認証情報を生成してもよい。車載装置10Aのキーユニット100は、有効期間の情報を含む認証情報を受信しても有効期間を経過している場合には、認証情報が失効したものとして、車両10の施解錠を実行しないようにする。
次に、本実施形態に係るボディECU304について詳述する。撮影処理部3043は、車両10における荷室ドア16の開閉に伴ってドアスイッチ306から出力されるON/OFF信号に基づいて、撮影装置11を制御することで、車両10の荷室15内を動画撮影する。詳細には、撮影処理部3043は、荷室ドア16が閉扉状態から開扉状態へ移行することに伴ってドアスイッチ306がOFF状態からON状態へ切り替わったときに、撮影装置11に動画撮影を開始させ、その後、荷室ドア16が開扉状態から閉扉状態へ移行することに伴ってドアスイッチ306がON状態からOFF状態へ切り替わったときに、撮影装置11に動画撮影を終了させる。さらに、撮影処理部3043は、撮影装置11によって撮影された動画を、画像データとして画像記憶部12に記憶させる。このようにボディECU304が撮影装置11を制御し、画像記憶部12に画像を記憶させることにより、本発明に係わる「制御装置」として機能する。
撮影装置11による撮影は、配送ユーザが、配送ユーザ端末200で受信した認証情報を用いて車両10の荷室15を施解錠した場合に行う。すなわち、配送ユーザがワンタイムキーを使用して荷室15を施解錠した場合に、施解錠処理部3041が撮影処理部3043に対してその旨の信号を送り、その信号を受けた撮影処理部3043が、撮影装置11を制御して動画を撮影させる。一方、依頼ユーザが依頼ユーザ端末50に記憶されている認証情報を使用して車両10の荷室15を施解錠した場合には、施解錠処理部3041は、撮影処理部3043に対して荷室15を施解錠したことを示す信号を送らない。そのため、依頼ユーザが荷室15を施解錠しても、撮影装置11による動画の撮影は行われない。なお、依頼ユーザによる荷室15の施解錠時においても、配送ユーザのときと同様にして撮影装置11による撮影を行うように構成することも可能である。
変化判別処理部3042は、撮影装置11によって撮影された画像に基づいて、荷物が持ち去られたか否かを判別する処理(以下、「変化判別処理」とも言う。)を行う。なお、変化判別処理部3042が変化判別処理を行うことにより、本発明に係わる「判別部」が実現される。この変化判別処理は、例えば、撮影装置11による撮影が終了して画像が
画像記憶部12に記憶されたことをトリガとして開始される。変化判別処理において、変化判別処理部3042は、車両10における荷室ドア16が閉扉状態から開扉状態へ移行した直後(すなわち、ドアスイッチ306からボディECU304に入力される信号がOFF状態からON状態に変化した直後)の画像(以下、「基準画像」と称する。)と、その後に車両10における荷室ドア16が開扉状態から閉扉状態へ移行した直後(すなわち、ドアスイッチ306からボディECU304に入力される信号がON状態からOFF状態に変化した直後)の画像(以下、「比較画像」と称する。)とを画像記憶部12に記憶されている動画から抜き出して、両画像を比較する。なお、基準画像及び比較画像は、画像記憶部12に記憶させておいてもよいし、撮影処理部3043の不図示のメモリに記憶させておいてもよい。
撮影処理部3043は、ドアスイッチ306からの信号がOFF状態からON状態へ変化する時点から、ON状態からOFF状態へ変化する時点までの期間、撮影装置11に動画を撮影させるため、変化判別処理部3042は、撮影装置11に撮影された動画の開始時点の画像を基準画像とし、終了時点の画像を比較画像として、両画像を比較していると言える。なお、荷室15が解錠されてからドアスイッチ306がON状態になるまでの間は、荷室ドア16が閉扉されている状態であるため、配送ユーザは荷室15にアクセスできない。したがって、荷室15が施錠されてからドアスイッチ306がON状態になるまでは、荷室15内の状態に変化はないと考えられるため、基準画像は、荷室15が解錠されたときの荷室15内を表す画像であるともいえる。すなわち、基準画像は、荷室15が解錠されるタイミングと関連するタイミングに撮影された画像であるといえる。また、ドアスイッチ306がOFF状態になってから荷室15が施錠されるまでの間は、荷室ドア16が閉扉されている状態であるため、配送ユーザは荷室15にアクセスできない。したがって、ドアスイッチ306がOFF状態になってから荷室15が施錠されるまでは、荷室15内の状態に変化はないと考えられるため、比較画像は、荷室15が施錠されたときの荷室15内を表す画像であるともいえる。すなわち、比較画像は、荷室15が施錠されるタイミングと関連するタイミングに撮影された画像であるといえる。また、基準画像及び比較画像、画像記憶部12に記憶された動画は、配送ユーザ端末200からの要求に応じて施解錠装置300が荷室15(所定領域)を施解錠したことに伴って荷室15の内部を撮影装置11に撮影させた画像であるともいえる。
変化判別処理部3042は、基準画像と、比較画像とを比較し、基準画像における荷室15内に既に存在していた荷物(以下、先行荷物と称する場合がある)が、比較画像における荷室15内に存在していないことを検出すると、荷室15内から先行荷物が持ち去られたと判別する。また、変化判別処理部3042は、基準画像と、比較画像とを比較した結果、基準画像と比較画像とで変化がない場合には、配送すべき荷物が配送されなかった、すなわち、配送ユーザによって荷物が持ち去られたと判別する。なお、変化判別処理部3042は、基準画像における荷室15内に存在していない物体が、比較画像における荷室15内に存在していることを検出すると、配送ユーザにより荷物が配送されたと判別してもよい。変化判別処理部3042における判別方法については、荷室15において荷物の出し入れがあったことを基準画像及び比較画像に基づいて判別可能な方法であればよく、その方法については問わない。
変化判別処理部3042は、変化判別処理において荷物が持ち去られたと判別した場合に、荷物の持ち去りがあったときの基準画像及び比較画像として、この基準画像及び比較画像を画像記憶部12に記憶させる。なお、変化判別処理部3042は、変化判別処理において配送ユーザによって荷物が配送されたと判別した場合には、画像記憶部12に記憶した動画、基準画像及び比較画像(以下、これらをまとめて記憶画像データとも言う。)を画像記憶部12から削除してもよいし、動画だけを画像記憶部12から削除してもよい。また、画像記憶部12の記憶容量に余裕がある限り記憶画像データを画像記憶部12に
記憶させておき、記憶容量に余裕がなくなると、古い順から記憶画像データを削除してもよい。
さらに、変化判別処理部3042は、変化判別処理において荷物が持ち去られたと判別した場合に、報知処理部3044にその旨の信号を送る。報知処理部3044は、変化判別処理部3042からの信号を受けると、所定の報知処理を行う。ここでいう「所定の報知処理」は、例えば、車両10に搭載された報知部13を作動させる処理である。すなわち、報知部13は、荷物の持ち去りを示す信号(以下、持ち去り信号とも言う。)を報知処理部3044から受けることにより作動する。報知部13が作動することにより、荷物が持ち去られたことが周囲に報知される。この報知には、音による警告(クラクションを鳴らす、または、荷物が持ち去られた旨の音声を流すことを含む)や、ランプ類の点灯若しくは点滅等を含むことができる。これにより、荷物を持ち去ろうとする配送ユーザに対して警告したり、車両10の近くにいる第三者に対して荷物の持ち去りを報知したりできる。また、後述の図12、図13に示すように車両10に設けられたデータ通信装置350を介してセンタサーバ400や依頼ユーザ端末50に持ち去り信号を送ってもよい。このように報知処理部3044が所定の報知処理を行うことにより、本発明に係わる「報知部」が実現される。
図7は、荷物の持ち去りを判別するための動画を撮影及び記憶する処理の流れを示したフローチャートである。以下では、荷物の持ち去りを判別するために画像を撮影し、その画像を記憶させる処理を撮影処理とも言う。ステップS101では、撮影処理部3043が、ドアスイッチ306からの信号がOFF状態からON状態へ変化したか否か判定する。本ステップS101では、撮影処理部3043が、撮影装置11による撮影の開始タイミングであるか否か判定している。ステップS101で否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS101で肯定判定がなされた場合には、ステップS102へ進んで、撮影処理部3043が撮影装置11を制御することにより動画の撮影を開始する。次に、ステップS103では、撮影処理部3043が、ドアスイッチ306からの信号がON状態からOFF状態へ変化したか否か判定する。本ステップS103では、撮影処理部3043が、撮影装置11による動画の撮影の終了タイミングであるか否か判定している。ステップS103で否定判定がなされた場合には、撮影装置11による動画の撮影が継続され、一方、肯定判定がなされた場合には、ステップS104へ進む。
ステップS104では、撮影処理部3043が、撮影装置11を制御して動画の撮影を終了させると共に、撮影装置11が撮影した動画を画像記憶部12に記憶させる。そして、撮影処理部3043は、撮影が終了した旨の信号を変化判別処理部3042に送る。なお、撮影処理部3043が、撮影装置11に静止画を撮影させる場合には、ステップS102において動画の撮影を開始させる代わりに、静止画を撮影させてこの静止画を画像記憶部12に記憶させ、更に、ステップS104において動画の撮影を終了させる代わりに静止画を撮影させてこの静止画を画像記憶部12に記憶させる。
次に、画像記憶部12に記憶された画像に基づいて、荷物の持ち去りがあったか否か判別する変化判別処理について説明する。図8は、変化判別処理のフローを示したフローチャートである。本実施形態に係る変化判別処理は、車載装置10Aによって実行される。ステップS105では、変化判別処理部3042が、画像記憶部12に動画が記憶されたか否か判定する。ステップS105で否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS105で肯定判定がなされた場合には、ステップS106へ進む。ステップS106では、変化判別処理部3042が、画像記憶部12に記憶されている動画から、基準画像及び比較画像を抜き出す。なお、撮影処理部3043が撮影装置11に静止画を撮影させる場合には、ステップS105において、変化判別処理部30
42が、画像記憶部12に基準画像及び比較画像が記憶されたか否か判定し、ステップS106を省略する。
そして、ステップS107において、変化判別処理部3042が、基準画像と比較画像を比較し、ステップS108において、荷物の持ち去りがあったか否か判定する。ステップS108において否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS108において肯定判定がなされた場合には、ステップS109へ進み、変化判別処理部3042は、報知処理部3044へ対して持ち去り信号を送って本フローチャートを終了させる。変化判別処理部3042から持ち去り信号を受けた報知処理部3044は、所定の報知処理を実行する。
このように変化判別処理部3042によって、荷物が持ち去られたと判別されたときの、荷物管理システム1の動作について図9に基づいて説明する。図9に示すフローでは、依頼ユーザからの配送依頼に従いその荷物を配送するために、配送ユーザが車両10の近くに到達したときに、S11の処理、すなわち、配送ユーザ端末200から配送管理サーバ500を介してセンタサーバ400に認証情報の発行要求が実行される。そして、センタサーバ400は、配送情報に含まれる依頼ユーザの識別情報に基づいて、依頼ユーザの識別情報に対応付けられた車両10の認証情報を発行する(S12の処理)。
そして、S13では、発行された認証情報が、配送管理サーバ500を介して配送ユーザ端末200に送信される。このようにしてセンタサーバ400から送信された認証情報が配送ユーザ端末200によって受信されると、該配送ユーザ端末200による車両10の荷室15の施解錠操作が可能になる。
次に、S21〜S24では、配送ユーザ端末200を用いて車両10の荷室15を解錠するための処理が行われる。S21からS24の処理が行われるにあたり、配送ユーザ端末200は、配送ユーザによって、車両10のキーユニット100と配送ユーザ端末200との間の近距離無線通信が成立する位置に移動させられているものとする。
配送ユーザが配送ユーザ端末200の入出力部204を介して車両10を解錠する操作を行うと、S21において、配送ユーザ端末200が、キーユニット100に対して認証情報を含む解錠要求を送信する。そして、配送ユーザ端末200から送信された解錠要求がキーユニット100によって受信されると、S22において、キーユニット100が、解錠要求に含まれる認証情報(端末認証情報)と記憶部1041に記憶された認証情報(装置認証情報)とを比較することで、認証処理が行われる。両認証情報の認証に成功すると、S23において、キーユニット100が、施解錠装置300に対して、解錠信号及びキーIDを送信する。キーユニット100から送信された解錠信号及びキーIDが施解錠装置300によって受信されると、S24において、施解錠装置300が、受信したキーIDに基づいて認証処理を行う。この結果、認証に成功した場合、車両10の荷室15が解錠される。なおこの際、施解錠装置300は、キーユニット100に対してアンサーバック等を行ってもよい。
S31〜S38では、配送ユーザ端末200を用いて車両10を施錠するための処理、及び当該施錠に関連する処理が行われる。配送ユーザが解錠処理により荷室ドア16を開扉させ、所定の配送作業を行った後に、荷室ドア16を閉扉させ、配送ユーザ端末200の入出力部204を介して車両10を施錠する操作を行うと、S31において、配送ユーザ端末200が、キーユニット100に対して認証情報を含む施錠要求を送信する。配送ユーザ端末200から送信された施錠要求がキーユニット100によって受信されると、S32において、キーユニット100が、配送ユーザ端末200から送信された施錠要求に含まれる認証情報(端末認証情報)と記憶部1041に記憶された認証情報(装置認証
情報)とを比較することで、認証処理が行われる。両認証情報の認証に成功すると、S33において、キーユニット100が、施解錠装置300に対して施錠信号及びキーIDを送信する。キーユニット100から送信された施錠信号及びキーIDが施解錠装置300によって受信されると、S34において、施解錠装置300が、受信したキーIDに基づいて認証処理を行う。この結果、認証に成功した場合、車両10の荷室15が施錠される。また、キーユニット100は、施解錠装置300に対する施錠信号を送信した後に、配送ユーザ端末200に対して施錠が完了した旨の通知(施錠通知)を送信する(S35の処理)。これにより、配送ユーザ端末200のタッチパネルスクリーン上に、施錠が完了した旨の通知が出力される。
当該施錠通知により配送ユーザが荷物の配送を完了したことを確認すると、配送ユーザは配送ユーザ端末200の入出力部204を介して、配送管理サーバ500に格納されている配送情報における配送ステータスを更新するために、最新の配送ステータス、すなわち配送が完了した旨のステータスの入力を行う(S36の処理)。これにより、配送ユーザ端末200から、最新の配送ステータスが配送管理サーバ500に送信される(S37の処理)。この結果、最新の配送ステータスを受け取った配送管理サーバ500においては、制御部502が配送情報を更新する(S38の処理)。なお、配送ステータスの更新については、配送ユーザ自身がそのための情報を入力する代わりに、配送ユーザ端末200がキーユニット100から施錠通知を受け取ると、続いて配送ユーザ端末200が配送管理サーバ500に対して配送ステータスが配送完了となるように更新指令を出してもよい。なお、今回の配送作業に配送ユーザ端末200で使用された認証情報がワンタイムキーである場合は、配送ユーザ端末200がS35の処理で施錠通知を受け取ったタイミングで、前述のS13で取得された認証情報が無効化されてもよい。すなわち、配送ユーザ端末200の記憶部に記憶されている認証情報が、配送ユーザ端末200が施錠通知を受け取ったタイミングで、配送ユーザ端末200から消去されてもよい。
S24において車両10の荷室15が解錠されると、S41において、施解錠装置300が図7に示した撮影処理を行い、さらに、S42において、施解錠装置300が図8に示した変化判別処理を行う。すなわち、S24において車両10の荷室ドアが解錠された後、配送ユーザが荷室ドア16を開扉させ、ドアスイッチ306がOFF状態からON状態に変化すると、施解錠装置300は、撮影装置11に対して撮影を開始させる。この撮影は、配送ユーザが荷室ドア16を閉扉させ、ドアスイッチ306がON状態からOFF状態になるまで継続される。ドアスイッチ306がON状態からOFF状態になると、変化判別処理が実行される。施解錠装置300は、画像記憶部12から基準画像及び比較画像を抜き出し、両画像を比較する。両画像を比較した結果、荷物が持ち去られたと判別した場合には、所定の報知処理が実行される。
なお、変化判別処理において荷物の持ち去りがあったと判別された場合であっても、依頼ユーザが荷物の確認をした結果、実際には荷物の持ち去りがない場合も考えられる。すなわち、変化判別処理において判別に誤りが生じる場合もある。これに対して、変化判別処理部3042は、今回の判別の誤りの原因となった基準画像と比較画像との相違点は、今後の変化判別処理における判別に影響を与えないように学習してもよい。これにより、変化判別処理における判別精度を高めることができる。依頼ユーザは、依頼ユーザ端末50の入出力部204を操作することにより、通信部202を介して車載装置10Aに対して、今回の判別が誤りであった旨の信号を送る。この信号により変化判別処理部3042は、上記の学習を行う。学習結果は、不図示のメモリに記憶される。
以上説明したように本実施形態によれば、車両10の荷室15を荷物の受け渡し場所として利用する荷物管理システム1において、荷物の持ち去りがあった場合には、報知することによりセキュリティの向上に寄与することができる。また、撮影装置11により撮影
された画像を画像記憶部12に記憶させることにより、荷物の持ち去りの証拠を残しておくことができる。
<実施形態1の変形例1>
上記実施形態1では、ドアスイッチ306のON/OFF状態が変化したタイミングの画像を、基準画像及び比較画像に設定しているが、他のタイミングにおける画像を基準画像及び比較画像に設定することもできる。すなわち、基準画像は、荷室15が解錠されたときと同じ状態の荷室15を撮影した画像であればよく、比較画像は、荷室15が施錠されたときと同じ状態の荷室15を撮影した画像であればよい。なお、以下では、基準画像に設定する画像を撮影するタイミングを第一タイミングと言う場合があり、比較画像に設定する画像が撮影するタイミングを第二タイミングと言う場合がある。第一タイミングは、荷室15が解錠されるタイミングと関連するタイミングであり、第二タイミングは、荷室15が施錠されるタイミングと関連するタイミングである。第一タイミングは、本発明に係る解錠関連タイミングに相当し、第二タイミングは、本発明に係る施錠関連タイミングに相当する。撮影装置11が第一タイミング及び第二タイミングにおいて静止画を撮影する場合には、第一タイミング及び第二タイミングにおいて撮影処理部3043が撮影装置11に静止画を撮影させ、基準画像及び比較画像を画像記憶部12に記憶させる。変化判別処理部3042は、画像記憶部12に記憶されている基準画像及び比較画像に基づいて、変化判別処理を実行する。
例えば、ドアロックアクチュエータ305が荷室15を解錠したタイミングを第一タイミングとしてもよい。この場合、ボディECU304の施解錠処理部3041が、ドアロックアクチュエータ305へ解錠信号を送った時点を第一タイミングとする。荷室15が解錠された場合には、その後に荷室ドア16が開扉すると推定できる。荷室15が施錠されている間には外部から荷室15へのアクセスは困難であるため、少なくとも荷室15が解錠されるまでは、前回の荷室ドア16の閉扉時の荷室15内の状態が維持されていると考えられる。そして、荷室15が解錠された後であれば、荷室ドア16の開扉が可能となるため、荷物の持ち去りも可能となる。したがって、ドアロックアクチュエータ305が荷室15を解錠したタイミングを第一タイミングに設定することにより、荷室15内の荷物の出し入れが行われる前の荷室15内の状態に基づいた変化判別処理が可能となる。
また、例えば、ドアロックアクチュエータ305が荷室15を施錠したタイミングを第二タイミングとしてもよい。この場合、ボディECU304の施解錠処理部3041が、ドアロックアクチュエータ305へ施錠信号を送った時点を第二タイミングとする。荷室15が施錠された場合には、その後に、現在の配送ユーザによって荷室ドア16が開扉されることはないと推定できる。すなわち、荷室15が施錠された後は、次に来る配送ユーザが荷室ドア16を開扉するまでは荷室15内の状態は変化しないと考えられる。したがって、ドアロックアクチュエータ305が荷室15を施錠したタイミングは、荷室15内の荷物の配置が確定するタイミングとも言える。このタイミングを第二タイミングに設定することにより、現在の配送ユーザによる荷物の出し入れが行われた後の荷室15内の状態に基づいた変化判別処理が可能となる。
ドアロックアクチュエータ305が荷室15を解錠したタイミングを第一タイミングとし、ドアロックアクチュエータ305が荷室15を施錠したタイミングを第二タイミングとした場合に、変化判別処理部3042によって荷物が持ち去られたと判別されたときの、荷物管理システム1の動作について図10に基づいて説明する。なお、図10において、図9に示したフローと同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。S24において車両10の荷室15が解錠されると、S43において、施解錠装置300が撮影装置11に対して動画の撮影を開始させ、S34において車両10の荷室15が施錠されると、S44において、施解錠装置300が撮影装置11に対して動画の撮影を終了させる
と共に、動画を画像記憶部12に記憶させる。さらに、S45において、施解錠装置300が図8に示した変化判別処理を行う。
また、例えば、キーユニット100から施解錠装置300に解錠信号が送られてきたタイミングを第一タイミングとしてもよいし、キーユニット100から施解錠装置300に施錠信号が送られてきたタイミングを第二タイミングとしてもよい。
また、例えば、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201とが近距離通信可能となったタイミングを第一タイミングとしてもよい。この場合、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201とが近距離通信可能な状態である場合に、キーユニット100の制御部104がその旨の信号をRF送信機102を介して施解錠装置300に送るように構成しておく。更に、この信号を、照合ECU303からボディECU304の変化判別処理部3042に送るように構成しておく。ここで、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201との間で行われる近距離通信には、キーユニット100と配送ユーザ端末200との距離が比較的短い範囲で通信可能な規格のものが利用されるため、キーユニット100と配送ユーザ端末200とがある程度離れると電波強度が低下して通信できなくなる。したがって、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201とが通信可能となったときには、配送ユーザが車両10に接近していると推定できる。この状態であれば、その後に荷室ドア16が開閉されたり、荷室15内に荷物が配置されたりするため、荷室15の状態が変化する前の上記近距離通信が可能となったタイミングを第一タイミングに設定する。
また、例えば、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201とが近距離通信可能な状態から近距離通信可能でない状態に移行したタイミングを第二タイミングとしてもよい。この場合、キーユニット100の近距離通信部103と、配送ユーザ端末200の近距離通信部201とが、近距離通信可能な状態から近距離通信可能でない状態に移行した場合に、キーユニット100の制御部104がその旨の信号をRF送信機102を介して施解錠装置300に送るように構成しておく。更に、この信号を、照合ECU303からボディECU304の変化判別処理部3042に送るように構成しておく。近距離通信可能な状態から近距離通信可能でない状態に移行した場合には、配送ユーザ端末200を所持した配送ユーザが車両10から離れていったと考えることができ、これ以降、荷物の出し入れがないと推定できる。このように、近距離通信可能な状態から近距離通信可能でない状態に移行した場合には、荷室15内の状態がこれ以降に変化しないので、このタイミングを第二タイミングに設定する。
また、撮影処理部3043は、撮影装置11を制御して、所定の間隔で静止画を撮影させてもよい。この場合、第一タイミング及び第二タイミングを依頼ユーザが決定してもよいし、荷室ドア16の開扉直前若しくは直後の撮影タイミングを第一タイミングとし、荷室ドア16の閉扉直前若しくは直後の撮影タイミングを第二タイミングとしてもよい。
<実施形態1の変形例2>
撮影装置11は、荷室15内の広い範囲を撮影可能な位置に設けることが望ましい。図3に示した例における撮影装置11は、車両10の前後方向において荷室15の中央付近で、且つ、車両10の左右方向において荷室15の中央付近の荷室15の天井に設けられている。撮影装置11を設ける位置については、図3に示した例に限らず、荷室15の全体を撮影可能な位置であればよい。ここで、撮影装置11に近接して荷物が配置された場合には、その荷物によって撮影装置11に死角が生じることもあるため、変化判別処理の精度が低下する虞がある。例えば、撮影装置11の死角に荷物が配置されたり、死角に配置された荷物が持ち去られたりしても、撮影装置11に撮影された画像によっては判別す
ることができなくなる。
そこで、撮影装置11を、荷室ドア16に取り付けてもよい。図11は、荷室ドア16の荷室15内側に撮影装置11を取り付けたときの図である。図11におけるハッチングの範囲は、撮影装置11によって撮影される範囲である。この場合、荷室ドア16が開扉したときに撮影装置11が荷室15内全体を撮影可能なように撮影装置11を配置する。そうすると、荷室ドア16が開扉した状態では、図3に示した場合と比較して、撮影装置11と荷室15内との距離が長くなることにより撮影装置11と荷物との距離が長くなるため、例え同じ大きさの荷物が荷室15内に配置されたとしても、撮影装置11の死角が減少する。したがって、変化判別処理の精度をより高めることができる。この場合、荷室15の解錠時点から施錠時点までを動画で撮影しておき、荷室ドア16が開扉された直後に撮影された動画から基準画像を抜き出し、荷室ドア16が閉扉された直前に撮影された動画から比較画像を抜き出す。
<実施形態2>
実施形態1では、車両10における変化判別処理部3042が、変化判別処理を実行しているが、本実施形態では、センタサーバ400が、変化判別処理を実行する。図12は、本実施形態に係る荷物管理システム1の概略構成を示す図である。図13は、本実施形態に係る荷物管理システム1を構成する車載装置10A、配送ユーザ端末200、依頼ユーザ端末50、配送管理サーバ500、センタサーバ400のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。実施形態1と異なる点について主に説明する。
車載装置10Aには、データ通信装置350が備わる。データ通信装置350は、ネットワークN1を介してセンタサーバ400に接続され、センタサーバ400とデータの受け渡しが可能な通信装置である。データ通信装置350は、通信部351及び制御部352を有して構成される。通信部351は、車載装置10AをネットワークN1に接続するための通信手段である。本実施形態では、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信サービスを利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例
えばセンタサーバ400等)と通信を行うことができる。
制御部352は、データ通信装置350の制御を司るコンピュータである。制御部352は、例えば、画像記憶部12に記憶された画像データをセンタサーバ400に送信する処理などを行う。なお、制御部352は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されており、記憶手段(ROM等)に記憶されたプログラムをCPU(いずれも不図示)によって実行させることで上記した各種処理を行うための機能が実現される。撮影装置11により撮影された動画が画像記憶部12に記憶されると、画像データをセンタサーバ400へ送るように、施解錠処理部3041が、制御部352へ信号を送る。この画像データを制御部352がボディECU304を介して受け取り、更に、制御部352は、通信部351を介してセンタサーバ400へ向けて画像データを送る。この画像データは、依頼ユーザの識別情報と関連付けて送られる。
センタサーバ400の通信部401が画像データを受けると、センタサーバ400の制御部402は、画像データを画像記憶部405に記憶させる。画像記憶部405は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等によって画像データを記憶する。センタサーバ400の制御部402は、変化判別処理部4023及び報知処理部4024を更に有して構成される。変化判別処理部4023は、画像記憶部405に記憶された画像データに基づいて変化判別処理を行う。この変化判別処理は、実施形態1で説明した車載装置10Aによる変化判別処理と同様にして行われる。すなわち、変化判別処理部4023は、動画から基準画像及び比較画像を抜き出して両画像を比較し、荷物が持ち去られたか否かを判別する。
したがって、施解錠装置300のボディECU304には、必ずしも変化判別処理部3042を備える必要はない。また、ボディECU304の撮影処理部3043が、第一タイミング及び第二タイミングで撮影した静止画のみを基準画像及び比較画像として画像記憶部12に記憶させたり、動画から第一タイミング及び第二タイミングで抜き出した画像のみを基準画像及び比較画像として画像記憶部12に記憶させたりしてもよい。この場合、データ通信装置350を介してセンタサーバ400へ送るのは、基準画像及び比較画像になるため、動画を送信するのと比較して送信量が少なくて済む。
変化判別処理部4023は、変化判別処理において荷物が持ち去られたと判別した場合に、報知処理部4024へその旨の信号を送る。報知処理部4024は、変化判別処理部4023からの信号を受けると、所定の報知処理を行う。ここでいう「所定の報知処理」は、例えば、(1)持ち去り信号を車載装置10Aへ送信して車両10に搭載された報知部13を作動させる処理、(2)持ち去り信号を配送ユーザ端末200へ送信する処理、(3)持ち去り信号を依頼ユーザ端末50へ送信する処理、のうち、少なくとも1つの処理を含む。
(1)では、報知処理部4024が持ち去り信号を、通信部401を介してデータ通信装置350の通信部351へ送る。データ通信装置350の通信部351がこの持ち去り信号を受けると、制御部352がボディECU304の報知処理部3044へ持ち去り信号を送る。持ち去り信号を受け取った報知処理部3044は、実施形態1と同様の報知処理を行う。
(2)では、報知処理部4024が持ち去り信号を、通信部401を介して配送ユーザ端末200へ送る。配送ユーザ端末200の通信部202がこの持ち去り信号を受けると、制御部203が入出力部204に対して、荷物の持ち去りに関する警告を表示させる。なお、入出力部204には、タッチパネルディスプレイ以外に、音や振動で荷物の持ち去りを警告する手段を設けてもよい。このようにして、荷物を持ち去ろうとする配送ユーザに対して、荷物を持ち去らないように警告することができる。
(3)では、報知処理部4024が持ち去り信号を、通信部401を介して依頼ユーザ端末50へ送る。依頼ユーザ端末50の通信部51がこの持ち去り信号を受けると、制御部52が入出力部53に対して、荷物の持ち去りに関する警告を表示させる。なお、入出力部53には、タッチパネルディスプレイ以外に、音や振動で荷物の持ち去りを警告する手段を設けてもよい。このようにして、依頼ユーザ端末50を所持している依頼ユーザに対して、荷物が持ち去られたことを警告することができる。また、報知処理部4024は、持ち去り信号と合わせて基準画像及び比較画像を依頼ユーザ端末50に送ってもよい。更に、タッチパネルディスプレイに基準画像及び比較画像を表示させてもよい。
図14は、荷物の持ち去りを判別するときのセンタサーバ400における変化判別処理の流れを示したフローチャートである。本実施形態では、センタサーバ400において変化判別処理が行われる。
ステップS201では、変化判別処理部4023が、画像記憶部405に動画が記憶されたか否か判定する。ステップS201で否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS201で肯定判定がなされた場合には、ステップS202へ進んで、変化判別処理部4023は、画像記憶部405に記憶されている動画から、基準画像及び比較画像を抜き出す。なお、車載装置10Aからセンタサーバ400に基準画像及び比較画像が送られる場合には、ステップS201において、変化判別処理部4023が、画像記憶部405に基準画像及び比較画像が記憶されたか否か判定し、ステッ
プS202を省略する。そして、ステップS203において、変化判別処理部4023が、基準画像と比較画像を比較し、ステップS204において、荷物の持ち去りがあったか否か判定する。ステップS204において否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS204において肯定判定がなされた場合には、ステップS205へ進み、変化判別処理部4023は、報知処理部4024へ対して持ち去り信号を送って本フローチャートを終了させる。変化判別処理部4023から持ち去り信号を受けた報知処理部4024は、所定の報知処理を実行する。
このように変化判別処理部4023によって、荷物が持ち去られたと判別されたときの、荷物管理システム1の動作について図15に基づいて説明する。S11からS13、S21からS24、S31からS38までの処理は、図9に示したフローと同じため説明を省略すると共に、一部は図示も省略する。
S24において車両10の荷室15が解錠された後、撮影処理が行われる。すなわち、配送ユーザが荷室ドア16を開扉させ、その後に荷室ドア16が閉扉されるまでの間、施解錠装置300は、撮影装置11によって動画を撮影させる。荷室ドア16が閉扉されて動画の撮影が終了すると、施解錠装置300が動画を画像記憶部12に記憶させる(S51の処理)。そうすると、施解錠装置300からデータ通信装置350に画像データが送られ(S52の処理)、さらに、データ通信装置350からセンタサーバ400に画像データが送られる(S53の処理)。センタサーバ400が画像データを受信して、この画像データが画像記憶部405に記憶されると、センタサーバ400において変化判別処理(図14に示した処理)が行われる(S54の処理)。そして、変化判別処理においてセンタサーバ400が、荷物が持ちさられたと判別した場合には、センタサーバ400がデータ通信装置350へ持ち去り信号を送り(S55の処理)、さらに、データ通信装置350から施解錠装置300へ持ち去り信号が送られる(S56の処理)。そして、施解錠装置300では、音などによって荷物の持ち去りを報知する(S57の処理)。S57では、上記(1)の報知処理が行われる。
以上説明したように本実施形態によれば、車両10の荷室15を荷物の受け渡し場所として利用する荷物管理システム1において、荷物の持ち去りがあった場合には、それをセンタサーバ400が検知するため、セキュリティの向上に寄与することができる。
なお、本実施形態では、ワンタイムキーが有効となっている期間をセンタサーバ400が車載装置10Aに通知し、その期間の開始時点を第一タイミングとしてもよいし、その期間の終了時点を第二タイミングとして動画を撮影してもよい。
また、報知処理部4024が持ち去り信号を受けると、報知処理部4024が上記以外の他の措置を取るようにてもよい。この措置には、警察、配送管理サーバ500を管理する管理人、センタサーバ400を管理する管理人などへの報知が含まれる。この場合には、配送管理サーバ500やセンタサーバ400にこれらの機能を持たせておく。例えば、センタサーバ400の報知処理部4024が持ち去り信号を受けた場合に、通信部401を介して配送管理サーバ500へ向けて持ち去り信号を送ってもよい。この持ち去り信号を配送管理サーバ500の通信部501が受けると、配送管理サーバ500の制御部502が報知処理を行ってもよい。
なお、本実施形態では、センタサーバ400が変化判別処理を行っているが、同じ機能を配送管理サーバ500または依頼ユーザ端末50に持たせることもできる。また、配送管理サーバ500または依頼ユーザ端末50に画像を記憶する機能を持たせることもできる。すなわち、配送管理サーバ500または依頼ユーザ端末50が、画像データを記憶する画像記憶部、変化判別処理を実行する変化判別処理部、荷物の持ち去りがあったと判別
されときに報知する報知処理部を備えていてもよい。例えば、車載装置10Aのデータ通信装置350から送られる画像データを、配送管理サーバ500の通信部501、または、依頼ユーザ端末50の通信部51が受けるように構成しておいてもよい。
また、実施形態1のように車載装置10Aが変化判別処理を行い、荷物が持ち去れたと判別された場合に、持ち去り信号をデータ通信装置350を介してセンタサーバ400へ送り、センタサーバ400の報知処理部4024が所定の報知処理を行ってもよい。この場合、センタサーバ400に変化判別処理部4023を備える必要はなく、施解錠装置300が変化判別処理部3042を備える。
<実施形態2の変形例1>
センタサーバ400の変化判別処理部4023は、変化判別処理において荷物が持ち去られたと判別した場合に、基準画像及び比較画像を画像記憶部405に記憶させる一方で、報知処理部4024にその旨の信号を送ることまではしなくてもよい。例え荷物が持ちされたとしても、そのときには報知せずに、基準画像及び比較画像を画像記憶部405に記憶させるだけに止めておく。この場合、報知処理部4024を備える必要はない。その後、依頼ユーザ、警察、配送管理サーバ500を管理する管理人、センタサーバ400を管理する管理人などからの要求に応じて、基準画像及び比較画像を表示する。この表示のためのディスプレイをセンタサーバ400に接続できるようにセンタサーバ400を構成しておいてもよい。センタサーバ400の画像記憶部405や配送管理サーバ500の不図示の画像記憶部に画像データを保存しておくことにより、荷物の持ち去りに関する証拠を記憶しておくことができる。また、センタサーバ400は、依頼ユーザ端末50からの要求に応じて、基準画像及び比較画像を依頼ユーザ端末50に送ってもよい。
また、センタサーバ400の画像記憶部405または車載装置10Aの画像記憶部12に画像データを記憶しておき、依頼ユーザなどからの要求があった場合に、変化判別処理を行ってもよい。すなわち、依頼ユーザなどが荷物の持ち去りに関して不審に思ったときに、変化判別処理を行って、荷物の持ち去りがあったか否か判別してもよい。この要求は、依頼ユーザ端末50において依頼ユーザが入出力部53を操作することによって行う。例えば、依頼ユーザは、依頼ユーザ端末50のタッチアップディスプレイに表示された所定のアイコンをクリックすることにより、この要求を行う。この要求は、通信部51を介して、車載装置10Aまたはセンタサーバ400に送られる。センタサーバ400または車載装置10Aは、この要求を受けた後、基準画像及び比較画像を比較することで変化判別処理を行う。同様に、配送管理サーバ500や、依頼ユーザ端末50に画像データを記憶する機能を持たせておき、これらに画像データを記憶させておいてもよい。そして、変化判別処理の判別結果を車載装置10Aまたはセンタサーバ400が依頼ユーザ端末50に送り、この判別結果をタッチアップディスプレイに表示させてもよい。
<実施形態3>
本実施形態は、図12及び図13に示した荷物管理システム1に基づいて説明する。ただし、図1及び図2に示した荷物管理システム1であっても同様に適用できる。本実施形態では、前回の配送時の比較画像を、今回の配送時の基準画像として設定する。すなわち、前回の配送における第二タイミングに相当する時点から今回の配送の第一タイミングに相当する時点までは荷室15内の状態に変化がないものと仮定して、前回の配送の第二タイミングで撮影された画像を、今回の配送の基準画像として用いる。この場合、第二タイミングで静止画を撮影するだけであってもよく、上記実施形態と同様に第一タイミングから第二タイミングまで動画を撮影し、その動画を少なくとも画像記憶部12に記憶した上で、動画における第二タイミングから静止画を抜き出し、第一タイミングに相当する時点からは静止画を抜き出さなくてもよい。変化判別処理における条件については、上記実施形態と同様に考えることができる。このようにして、処理の簡略化が可能となる。
例えば、図14に示したフローチャートのステップS202において、変化判別処理部4023が、画像記憶部405に記憶されている動画から、基準画像及び比較画像を抜き出す代わりに、比較画像のみを抜き出して画像記憶部405に記憶させる。また、ステップS203において、変化判別処理部4023は、前回の変化判別処理において画像記憶部405に記憶させた比較画像を、今回の変化判別処理における基準画像として、今回の変化判別処理において画像記憶部405に記憶させた比較画像と比較する。ステップS203において比較が終了すると、変化判別処理部4023は、今回の変化判別処理における比較画像に、次回の基準画像とする旨の情報を付加して、この画像を画像記憶部405に記憶させておく。なお、変化判別処理が初めて行われるとき、または、後述する基準画像がリセットされたときなどは、基準画像が存在しないため、この場合には、上記実施形態2と同様にして基準画像を得てもよい。
<実施形態3の変形例1>
前回の配送から今回の配送の間に、依頼ユーザによって荷室15から先行荷物が取り出される場合もある。この場合には、前回の配送時の比較画像を、今回の配送時の基準画像として設定することができない。以下、前回の配送と今回の配送との間に、依頼ユーザによって車両10の荷室ドア16が開閉された場合について説明する。依頼ユーザによって先行荷物が取り出されている場合には、前回の配送における第二タイミングに相当する時点の荷室15内の状態と、今回の配送における第一タイミングに相当する時点の荷室15内の状態と、が異なるため、前回の配送における比較画像が、今回の配送の荷室15の解錠時や荷室ドア16の開扉時における荷室15内の状態を表しているとは言えない。
そこで、本変形例では、依頼ユーザにより荷室ドア16が開閉された場合に、依頼ユーザに荷物を取り出したか否かを問い合わせ、依頼ユーザから荷物を取り出したと回答があった場合には、その後の配送において第一タイミングで撮影された画像を基準画像に設定する。一方、荷物を取り出していないと回答があった場合には、その後の配送時の基準画像には、前回の配送時の比較画像を利用する。
依頼ユーザ端末50に記憶されている認証情報は、配送ユーザ端末200に送信される認証情報とは異なる。したがって、キーユニット100の認証部1042は、施解錠要求があった場合に、その施解錠要求は依頼ユーザ端末50が行ったものなのか又は配送ユーザ端末200が行ったものなのか判別できる。また、キーユニット100から施解錠装置300に施解錠信号と共に送られるキーIDも、配送ユーザ端末200からの施解錠要求時と依頼ユーザ端末50からの施解錠要求時とで異なる。したがって、施解錠装置300は、施解錠要求があった場合に、その施解錠要求は依頼ユーザ端末50が行ったものなのか又は配送ユーザ端末200が行ったものなのか判別できる。
ボディECU304は、依頼ユーザ端末50から施解錠要求があった場合に、データ通信装置350を介してセンタサーバ400へ、依頼ユーザ端末50から施解錠要求があったことを通知する信号を送る。この信号を受けたセンタサーバ400の変化判別処理部4023は、通信部401を介して、依頼ユーザ端末50へ荷物を取り出したか否かを問い合わせる信号(以下、問い合わせ信号ともいう。)を送る。この問い合わせ信号を依頼ユーザ端末50の通信部51が受けると、制御部52は入出力部53に荷物を取り出したか否かを示す画像を表示させる。例えば、荷物を取り出したことを示すアイコンと、荷物を取り出していないアイコンとをタッチアップディスプレイに表示させ、さらに、依頼ユーザに対して何れかのアイコンをクリックするように促す文章をタッチアップディスプレイに表示させる。この問い合わせに対して依頼ユーザが入出力部53を操作して回答を入力すると、制御部52が通信部51を介して、その回答をセンタサーバ400へ送る。センタサーバ400の変化判別処理部4023は、荷物を取り出したと依頼ユーザ端末50か
ら回答があった場合に、画像記憶部405に記憶されている前回の配送における比較画像をリセット(消去)する。なお、上記問い合わせは、施解錠装置300から依頼ユーザ端末50へしてもよい。この場合、ボディECU304は、依頼ユーザ端末50から施解錠要求があった場合に、データ通信装置350を介して、依頼ユーザ端末50に対し荷物を取り出したか否か問い合わせる信号を送る。また、依頼ユーザが入出力部53を操作して入力した回答は、制御部52が通信部51を介して、データ通信装置350へ送る。その回答に基づいて、ボディECU304は、画像記憶部12に記憶されている前回の配送における比較画像をリセットする。
依頼ユーザによって、荷物を取り出したと回答があったときの、荷物管理システム1の動作について図16に基づいて説明する。図16におけるS1001〜S1004では、依頼ユーザ端末50を用いて車両10の荷室15を解錠するための処理が行われる。S1001からS1004の処理が行われるにあたり、依頼ユーザ端末50は、依頼ユーザによって、車両10のキーユニット100と依頼ユーザ端末50との間の近距離無線通信が成立する位置に移動させられているものとする。
依頼ユーザが依頼ユーザ端末50の入出力部53を介して車両10を解錠する操作を行うと、S1001において、依頼ユーザ端末50が、キーユニット100に対して認証情報を含む解錠要求を送信する。そして、依頼ユーザ端末50から送信された解錠要求がキーユニット100によって受信されると、S1002において、キーユニット100が、解錠要求に含まれる認証情報(端末認証情報)と記憶部1041に記憶された認証情報(装置認証情報)とを比較することで、認証処理が行われる。両認証情報の認証に成功すると、S1003において、キーユニット100が、施解錠装置300に対して、解錠信号及びキーIDを送信する。キーユニット100から送信された解錠信号及びキーIDが施解錠装置300によって受信されると、S1004において、施解錠装置300が、受信したキーIDに基づいて認証処理を行う。この結果、認証に成功した場合、車両10の荷室15が解錠される。
車両10の荷室15が解錠されると、施解錠装置300は、データ通信装置350を介して、解錠を通知する信号(以下、解錠通知ともいう)をセンタサーバ400へ送る。解錠通知を受けたセンタサーバ400は、依頼ユーザに対して、荷物を取り出したか否かを問い合わせる(S1007の処理)。この問い合わせの信号はセンタサーバから依頼ユーザ端末50へ送られ(S1008の処理)、この問い合わせの信号を受けた依頼ユーザ端末は、タッチアップディスプレイに荷物を取り出したか否かの回答を促す映像を表示させる(S1009の処理)。この問い合わせに対する回答が入力されると(S1010の処理)、この回答に応じた信号が依頼ユーザ端末50からセンタサーバ400へ送られる(S1011の処理)。そして、荷物を取り出した旨の回答をセンタサーバ400が受けると、センタサーバ400に記憶されている基準画像(前回の比較画像)がリセットされる。なお、新たな基準画像を撮影するタイミングは、今回の配送時における第一タイミングに相当するタイミングあってもよく、また、依頼ユーザが入出力部53を操作して上記回答を入力した後で且つ今回の配送の第一タイミングに相当するタイミングよりも前の何れのタイミングであってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、前回の比較画像を今回の基準画像として利用できるため、変化判別処理の簡略化が可能となる。また、依頼ユーザが荷室15から荷物を取り出した場合には、今回の基準画像を新たに撮影するため、荷室15内から荷物が持ち去られたか否か判別する際の精度が低下することを抑制できる。
<実施形態4>
本実施形態は、図12及び図13に示した荷物管理システム1に基づいて説明する。本
実施形態において、荷室15からの荷物の持ち去りがあったと判別するのは、配送管理サーバ500を利用している配送業者、または、依頼ユーザ端末50を利用している依頼ユーザである。ここでいう配送業者は、配送ユーザ端末200を利用している配送ユーザとは異なり、配送ユーザが正しく配送を行っているか否かを監視するユーザである。このユーザを以下では、配送管理ユーザとも言う。
このように配送管理ユーザまたは依頼ユーザが荷物の持ち去りがあったか否かを確認するときの、荷物管理システム1の動作について図17に基づいて説明する。S11からS13、S21からS24、S31からS38までの処理は、図9に示したフローと同じであり、S51からS53までの処理は、図15に示したフローと同じであるため説明を省略すると共に、一部は図示も省略する。S53においてセンタサーバ400が画像データを受けると、センタサーバ400は、この画像データを配送管理サーバ500へ送る(S61の処理)。画像データを受け取った配送管理サーバ500は、該配送管理サーバ500が備える不図示の記憶部に画像データを記憶させる(S62の処理)。この画像データは、配送管理ユーザからの要求によって配送管理サーバ500に備わる不図示のディスプレイに配送管理サーバ500が表示させる(S63の処理)。なお、このディスプレイは、例えば、配送管理サーバ500とネットワークN1を介して接続されるパーソナルコンピュータや携帯端末などが備えるディスプレイであってもよい。
また、センタサーバ400は、配送管理サーバ500から要求があった場合に限り、画像データを配送管理サーバ500へ送るようにしてもよい。同様に、施解錠装置300は、センタサーバ400から要求があった場合に限り、画像データをセンタサーバ400へ送るようにしてもよい。配送管理ユーザは、S63の処理でディスプレイに表示される画像を見て、配送ユーザが正しく配送を行っているか否か確認することができる。
また、センタサーバ400は、データ通信装置350を介して受け取った画像データを依頼ユーザ端末50へ送ることもできる(S70の処理)。画像データを受け取った依頼ユーザ端末50は、該依頼ユーザ端末50が備える不図示の記憶部に画像データを記憶させる(S71の処理)。この画像データは、依頼ユーザからの要求によって依頼ユーザ端末50の入出力部53に表示される(S72の処理)。依頼ユーザは、この画像を見て荷物の持ち去りがあったか否か判別することができる。なお、センタサーバ400は、依頼ユーザ端末50から要求があった場合に限り、画像データを依頼ユーザ端末50へ送るようにしてもよい。S61からS63までの処理と、S70からS72までの処理とは、何れか一方のみ行ってもよく、両方行ってもよい。S52、S53、S61、S70において送信される画像データは、基準画像及び比較画像だけであってもよく、基準画像及び比較画像に更に動画加えもよく、動画だけであってもよい。
このように本実施形態によれば、荷室15から荷物が持ち去られたか否かを配送管理ユーザまたは依頼ユーザが判別するため、センタサーバ400や施解錠装置300に変化判別処理部を設ける必要がない。したがって、荷物管理システム1の簡略化が可能となる。また、画像データは、車載装置10A、センタサーバ400、配送管理サーバ500、依頼ユーザ端末50の1つ以上に記憶されているため、荷物が持ち去られた場合であっても、持ち去りの証拠を残しておくことができる。
<実施形態5>
本実施形態は、図12及び図13に示した荷物管理システム1に基づいて説明する。本実施形態では、変化判別処理をセンタサーバ400が行う。そして、センタサーバ400によって、荷物が持ち去られたと判別された場合には、依頼ユーザ端末50に対して画像データ及び持ち去り信号を送る。さらに、依頼ユーザ端末50が、依頼ユーザに対して報知する。
このように依頼ユーザ端末50が依頼ユーザに対して報知するときの、荷物管理システム1の動作について図18に基づいて説明する。S11からS13、S21からS24、S31からS38までの処理は、図9に示したフローと同じため説明を省略すると共に、一部は図示も省略する。また、S51からS53までの処理は、図17に示したフローと同じため説明を省略する。センタサーバ400がデータ通信装置350から送られた画像データを受けて、この画像データが画像記憶部405に記憶されると、センタサーバ400が変化判別処理(図14に示した処理)を行う(S81の処理)。そして、変化判別処理において荷物が持ち去られたと判別された場合には、センタサーバ400から依頼ユーザ端末50へ、持ち去り信号及び画像データが送られる(S82の処理)。持ち去り信号及び画像データを受け取った依頼ユーザ端末50は、該依頼ユーザ端末50が備える不図示のメモリに画像データを記憶させる(S83の処理)と共に、依頼ユーザ端末50のディスプレイに荷物の持ち去りがあった旨を表示することで、依頼ユーザに報知する(S84の処理)。S84の処理において、依頼ユーザ端末50は、更に基準画像及び比較画像をディスプレイに表示させてもよい。
このように本実施形態によれば、荷室15から荷物が持ち去られたか否かをセンタサーバ400が判別し、荷物の持ち去りがあった場合には、依頼ユーザに対して速やかに報知される。そのため、依頼ユーザによる荷物の確認を促すことができる。
<実施形態6>
本実施形態は、図12及び図13に示した荷物管理システム1に基づいて説明する。本実施形態では、変化判別処理を配送管理サーバ500が行い、荷物が持ち去られたと判別された場合には、配送ユーザ端末200に対して持ち去り信号を送る。そして、配送ユーザ端末200が配送ユーザに対して報知する。図19は、配送管理サーバ500の構成の一例を概略的に示すブロック図である。配送管理サーバ500の制御部502は、図13に示したセンタサーバ400の変化判別処理部4023と同様に変化判別処理を行う変化判別処理部5021を含み、さらに、図13に示したセンタサーバ400の報知処理部4024と同様に所定の報知処理を行う報知処理部5022を含んでいる。また、配送管理サーバ500は、図13に示したセンタサーバ400の画像記憶部405と同様に画像データを記憶する画像記憶部504を含んでいる。なお、本実施形態に係るセンタサーバ400は、必ずしも変化判別処理部4023、報知処理部4024、画像記憶部405を備える必要はない。
配送ユーザ端末200が配送ユーザに対して報知するときの、荷物管理システム1の動作について図20に基づいて説明する。S11からS13、S21からS24、S31からS38までの処理は、図9に示したフローと同じため説明を省略すると共に、一部は図示も省略する。また、S51からS52までの処理は、図17に示したフローと同じため説明を省略する。データ通信装置350は、画像データを配送管理サーバ500へ送る(S91の処理)。なお、画像データはセンタサーバ400を介して配送管理サーバ500へ送ってもよい。配送管理サーバ500の通信部501がデータ通信装置350から送られた画像データを受けると、この画像データを制御部502が配送管理サーバ500の画像記憶部504に記憶させる。画像データが画像記憶部504に記憶されると、配送管理サーバ500の制御部502が変化判別処理を行う(S92の処理)。変化判別処理は、図14に示した処理においてセンタサーバ400の変化判別処理部4023を変化判別処理部5021に置き換え、センタサーバ400の報知処理部4024を報知処理部5022に置き換え、センタサーバ400の画像記憶部405を画像記憶部504に置き換えればよい。そして、変化判別処理において変化判別処理部5021が、荷物の持ち去りがあった判別した場合には、報知処理部5022が所定の報知処理を行う。この所定の報知処理により、配送管理サーバ500から配送ユーザ端末200へ、持ち去り信号が送られる(S93の処理)。持ち去り信号を受け取った配送ユーザ端末200は、配送ユーザ端末
200のタッチアップディスプレイに荷物の持ち去りがあった旨を表示することで配送ユーザに報知する(S94の処理)。
ここで、変化判別処理において判別を誤る場合も考えられる。すなわち、配送ユーザが荷物を持ち去っていないにもかかわらず、持ち去ったと判別される場合もある。これは、比較画像に先行荷物が写っていない場合や、今回配送した荷物が写っていない場合であると考えることができる。例えば、先行荷物が今回配達する荷物の死角に入っている場合には、誤った判別がなされる虞がある。このような場合には、配送ユーザが荷室ドア16を再度開扉し、荷物の位置を移動させることにより、全ての荷物が撮影装置11によって撮影されるように調整してもよい。その後に、比較画像を再度取得して変化判別処理を再度実行してもよい。この場合、配送ユーザが配送ユーザ端末200を操作して配送管理サーバ500に対して再度の変化判別処理の実行を要求する。すなわち、上記報知に伴って配送ユーザ端末200の入出力部204に表示される所定のアイコンを配送ユーザがクリックすると、制御部203が通信部202を介して配送管理サーバ500へ変化判別処理を再度行うことを要求する旨の信号を送る(S95の処理)。また、配送ユーザは、荷室ドア16を再度開扉して荷物を移動させる。これに伴い、施解錠装置300は、動画撮影を再度行う(S96の処理)。なお、S96では、S51と同じ処理が行われている。新たに得られた画像データは、データ通信装置350を介して配送管理サーバ500へ送られる(S97、S98の処理)。配送管理サーバ500の通信部501がデータ通信装置350から送られた画像データを受けると、この画像データを制御部502が配送管理サーバ500の画像記憶部504に記憶させる。そして、配送管理サーバ500が変化判別処理を再度行う。このときの変化判別処理では、図14に示した処理におけるステップS203において、前回の荷室ドア16の開閉時、すなわちS51の処理の第一タイミングで撮影された画像を基準画像とし、今回の荷室ドア16の開閉時、すなわちS96の処理の第二タイミングで撮影された画像を比較画像とする。
このように本実施形態によれば、荷室15から荷物が持ち去られたか否かを配送管理サーバ500が判別し、荷物の持ち去りがあった場合には、配送ユーザに対して速やかに報知される。また、報知を受けた配送ユーザが荷物の位置を調整した後に再度の変化判別処理を要求することにより、変化判別処理における誤った判別を正すことができる。
<実施形態7>
本実施形態は、図12及び図13に示した荷物管理システム1に基づいて説明する。ただし、図1及び図2に示した荷物管理システム1であっても同様に適用できる。本実施形態では、荷室15の床面に荷物の質量を検出するシート151を設け、荷物の持ち去りがあったか否かを判別するときに、上記実施形態で説明した基準画像と比較画像との比較(以下、単に画像の比較ともいう。)に加えて、荷室15内の荷物の質量の変化も加味して判別を行う。ここで、図21は、シート151の概略構成を示す図である。図21において、第一荷物15Aは配送ユーザAによって配置された荷物(先行荷物)であり、第二荷物15Bは配送ユーザBによって配置された荷物である。
シート151は、荷室15の床面の全面に敷かれており、所定の領域毎にシートにかかる圧力を検出する。これにより、荷物が配置されている領域、荷物の大きさ、荷物の質量を、荷物毎に検出することができる。シート151は、荷物が配置されている領域、荷物の大きさ、荷物の質量に応じた信号を、ボディECU304に送る。したがって、ボディECU304は、荷室15内に配置されている荷物の個数や大きさ、質量を把握することができる。なお、本実施形態では荷物の質量を検出することができればよいため、シート151に代えて、例えば車両10の高さの変化をセンサ等によって検出し、この車両10の高さの変化に基づいて荷物の質量を検出してもよい。このセンサは、例えば、サスペンションの沈み込み量の変化を検出することにより、車両10の高さの変化を検出してもよ
い。なお、本実施形態においてはシート151が、本発明における質量検出部に相当する。
第一荷物15Aが配置されている状態で第二荷物15Bを配置した場合には、荷室15内の荷物の総質量が、第二荷物15Bの質量分だけ増加する。したがって、第一タイミングから第二タイミングまでの間に、第二荷物15Bの質量分の増加が検出されなければ、荷物の持ち去りがあったと考えることができ、一方、第二荷物15Bの質量分の増加が検出されれば、荷物の持ち去りがなかったと考えることができる。ただし、配送ユーザが第二荷物15Bの代わりに、同じ質量の荷物を配置することも考えられるため、質量の比較のみによって荷物の持ち去りに関する判別を行うのではなく、画像の比較結果も合わせて、荷物の持ち去りに関する判別を行う。
配送管理サーバ500の配送管理DB503に格納される配送情報に、荷物の質量の情報を含ませておく。荷物の質量は、依頼ユーザまたは配送業者によって測定され、属性情報として図5に示した荷物属性フィールドに入力される。例えば、配送管理サーバ500が依頼ユーザ端末50から荷物の登録を受け付けるときに、依頼ユーザ端末50から配送管理サーバ500に対して荷物の質量の情報を送る。なお、本実施形態においては配送管理DB503が、本発明における質量取得部に相当する。この配送管理DB503に格納されている荷物の質量と、シート151によって検出される荷室15の荷物の総質量の増加分とを、センタサーバ400の変化判別処理部4023が比較し、両者に差がない、若しくは差があったとしても誤差の範囲内であると考えられる場合には、荷物の持ち去りがなかったと判別し、差がある、若しくは差が誤差の範囲外であると考えられる場合には、荷物の持ち去りがあったと判別する。変化判別処理部4023は、画像の比較結果と、質量の比較結果と、が同じ場合にはその比較結果を採用する。すなわち、画像の比較結果により荷物の持ち去りがあったと判別し、且つ、質量の比較結果により荷物の持ち去りがあったと判別した場合に限り、持ち去り信号を報知処理部4024へ送る。なお、変化判別処理部4023は、画像の比較結果と、質量の比較結果と、が異なる場合にはその旨の信号を報知処理部4024に送り、報知処理部4024がその信号に応じた報知処理を行ってもよい。
図22は、荷物の持ち去りを判別するための荷物の質量を検出する処理の流れを示したフローチャートである。本フローチャートは、撮影処理と並行して行われる。以下では、荷物の持ち去りを判別するために荷物の質量を算出する処理を質量算出処理とも言う。ステップS401では、ボディECU304が、ドアスイッチ306からの信号がOFF状態からON状態へ変化したか否か判定する。本ステップS401では、ボディECU304が、シート151による荷物の質量の検出タイミングであるか否か判定している。ステップS401で否定判定がなされた場合には、本フローチャートを終了させる。一方、ステップS401で肯定判定がなされた場合には、ステップS402へ進んで、ボディECU304がシート151を制御することにより荷物の質量を検出する。このときに検出される質量は、荷室15内の荷物の総質量である。この荷物の質量は、ボディECU304が不図示の記憶部に記憶させる。次に、ステップS403では、ボディECU304が、ドアスイッチ306からの信号がON状態からOFF状態へ変化したか否か判定する。本ステップS403では、ボディECU304が、シート151による荷物の質量の検出タイミングであるか否か判定している。ステップS403で否定判定がなされた場合には、再度ステップS403が実行される。一方、ステップS403で肯定判定がなされた場合には、ステップS404へ進んで、ボディECU304がシート151を制御することにより荷物の質量を検出する。このときに検出される質量は、荷室15内の荷物の総質量である。この荷物の質量は、ボディECU304が不図示のメモリに記憶させる。ステップS405では、ステップS404で検出された質量から、ステップS402で検出された質量を減算することにより、今回の配送時に荷室15内で増加した質量が算出される。こ
のときに算出される今回の配送時に荷室15内で増加した質量は、ボディECU304が不図示の記憶部に記憶させる。なお、荷物の持ち去りがあった場合には、この質量は負の値になり得る。
今回の配送時に荷室15内で増加した質量が算出されメモリに記憶されると、この増加した質量(以下、比較質量ともいう。)をセンタサーバ400へ送るように、ボディECU304が、データ通信装置350の制御部352へ信号を送る。この比較質量を制御部352がボディECU304を介して受け取り、更に、制御部352は、通信部351を介してセンタサーバ400へ向けて比較質量を送る。この比較質量は、依頼ユーザの識別情報と関連付けて送られる。 センタサーバ400の通信部401が比較質量を受けると、センタサーバ400の制御部402は、比較質量を不図示の記憶部に記憶させる。
次に、本実施形態に係る変化判別処理について説明する。図23は、変化判別処理のフローを示したフローチャートである。図14に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。本実施形態に係る変化判別処理は、センタサーバ400によって実行される。
図23に示したフローチャートでは、ステップS203の後にステップS501が処理される。ステップS501では、荷物の持ち去りがなかったか否か判定する。ステップS501において否定判定がなされた場合には、ステップS505へ進む。一方、ステップS501において肯定判定がなされた場合には、ステップS502へ進み、変化判別処理部4023は、配送管理サーバ500から荷物の質量のデータを取得する。センタサーバ400の制御部402は、通信部401を介して配送管理サーバ500に対して、配送管理DB503に格納されている荷物の質量データを要求する信号を送る。この信号は、依頼ユーザの識別情報と関連付けて送られる。この信号を通信部501を介して受けた配送管理サーバ500の制御部502は、該当する荷物の質量(以下、基準質量ともいう。)を配送管理DB503から抽出し、センタサーバ400へ送る。センタサーバ400の通信部401が基準質量を受けると、センタサーバ400の制御部402は、基準質量を不図示の記憶部に記憶させる。
ステップS503では、変化判別処理部4023が、基準質量と比較質量とを比較し、基準質量と比較質量との差がない、若しくは差があったとしても誤差の範囲内であると考えられる場合には、荷物の持ち去りがなかったと判別する。ステップS504では、変化判別処理部4023が、荷物の持ち去りがなかったか否か判定する。ステップS504で肯定判定がなされた場合には、画像の比較及び質量の比較において荷物の持ち去りがなかったと判別されているため、このままフローチャートを終了させる。一方、ステップS504で否定判定がなされた場合にはステップS505へ進む。ステップS505では、画像の比較及び質量の比較の少なくとも一方の比較において荷物の持ち去りがあったと判別されているため、報知処理部4024へ対して持ち去り信号を送って本フローチャートを終了させる。変化判別処理部4023から持ち去り信号を受けた報知処理部4024は、所定の報知処理を実行する。
なお、図23に示したフローチャートでは、画像の比較及び質量の比較の少なくとも一方の比較において荷物の持ち去りがあったと判別されている場合に、報知処理部4024が所定の報知処理を実行しているが、これに代えて、画像の比較及び質量の比較の両比較において荷物の持ち去りがあったと判別されている場合に、報知処理部4024が所定の報知処理を実行してもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、画像及び質量に基づいて荷物の持ち去りを判別するため、誤判別が生じることを抑制できる。