JP2020024284A - 回折光学素子、多面付け体、多面付け体の検査方法、光照射装置、光照射装置の調整方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、回折光学素子は、レーザの様な平行光源、LEDの様な拡散光源のいずれにも対応可能であり、また、紫外光から可視光、赤外線までの広い範囲の波長に対して適用可能である。
検査において、検査光の照射スポット径を回折格子が配置されている領域よりも十分に小さくした上で、検査装置等の精度を高くすることにより回折光学素子の回折格子が配置されている領域に適切に検査光が当てられていることを、ある程度保証することが可能である。しかし、その場合、回折光学素子上に配置されている回折格子のごく一部しか検査されないこととなり、十分な検査を行なうことができなかった。
図1は、第1実施形態における回折光学素子10の平面図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本実施形態の回折光学素子10は、周辺領域10aと、第1回折格子領域10bと、第2回折格子領域10cとを備えている。
周辺領域10aは、回折格子が構成されていない領域であり、回折光学素子10の周辺に形成された枠形状の領域である。
第1回折格子領域10bは、回折格子が多数配列された領域であり、この回折光学素子10が本来必要とする光の整形作用を備え、入射した光を整形して出射する領域である。
第2回折格子領域10cは、第1回折格子領域の外周に設けられた枠形状の領域である。第2回折格子領域10cについても、入射した光を整形して出射するが、第1回折格子領域10bとは異なる形態に光を整形して出射するように回折格子が構成されている。この第1回折格子領域10bと第2回折格子領域10cとの違いについては、後述する。
図3は、図2の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。
図4は、回折光学素子を模式的に示した断面図である。
図5は、回折光学素子を説明する図である。
第1回折格子領域10b及び第2回折格子領域10cに形成されている回折格子は、例えば、図2に示したA,B,C,Dのそれぞれの位置において深さが異なっている。すなわち、第1回折格子領域10b及び第2回折格子領域10cに形成されている回折格子は、4段階の高さの異なる多段階形状により構成されている。そして、第1回折格子領域10b及び第2回折格子領域10cに形成されている回折格子は、通常、異なる周期構造を持つ複数の領域(部分周期構造:例えば、図2のE,F領域)を有している。図4では、部分周期構造の一部を抽出して示している。
回折光学素子10は、図3に示すような複雑な形状をしているが、簡略化して模式的に示すと、図4に示すように、断面形状において複数の凸部11aが並んで配置されている高屈折率部11を備えている。
なお、光源部20と回折光学素子10とを組み合わせることにより、光を整形した状態で照射可能な光照射装置とすることができる。
回折光学素子10は、例えば、3mm×3mm程度の非常に小さなサイズに構成されることから、製造過程では、回折光学素子10を等間隔で多数並べて配置した多面付け体100として取り扱われる。なお、図6では、説明のために4×4の合計16個の回折光学素子10を配置した例を示したが、実際にはより多くの回折光学素子10を配列する。多面付け体100の形態で製造及び検査を行った後、多面付け体100を切断して回折光学素子10単体としてもよいし、多面付け体100の形態のまま光源を含む光源部の多面付け体(不図示)と接合した後、切断して光照射装置の形態としてもよい。
本実施形態の検査装置は、光源部20と、カメラ30と、制御部40とを備えている。
図9は、第1回折格子領域10bへ検査光が適切に当たっている状態でスクリーン500に投影される投影パターンを示す図である。
図8に示すように、検査光の照射スポットSが第1回折格子領域10b内に適切に当てて(照射工程)検査を行なうと、例えば、図9に示すような第1投影パターン23が投影される。本実施形態では、図9に示すような多数のドット状の光が矩形の範囲に多数配列されたパターンとした。このような微細なランダムドットを多数投影するパターンでは、ランダムドットは、それぞれの位置が既知である。したがって、この第1投影パターン23がどのように投影されたか、すなわち、どのように位置が変化しているかを、撮影して解析することにより、立体検出や測距を行うことが可能である。なお、第1投影パターン23は、用途に応じて設計されるものであることから、上述したドット状のものに限らず、どのような形態であってもよい。この図9のようにスクリーン500に投影されるパターンをカメラ30によって撮影し、制御部40で適切なパターンが投影されているか否かの評価(投影パターン確認工程)を行なう。
図10は、第1回折格子領域10bから検査光の照射スポットSが一部外れて当たっている状態を示す図である。
図11は、第1回折格子領域10bから検査光の照射スポットSが一部外れて当たっている状態でスクリーン500に投影される投影パターンを示す図である。
例えば、図10に示すように検査光の照射スポットSが第1回折格子領域10bから一部が外れると、その外れた範囲の検査光は第2回折格子領域10cに当たることになる。ここで、第2回折格子領域10cは、第1回折格子領域10bが投影する第1投影パターン23とは異なる第2投影パターンとして位置ずれ検知投影パターン24を投影するように構成されている。したがって、スクリーン500上に投影される投影パターンをカメラ30で撮影する通常の検査工程中に、この位置ずれ検知投影パターン24が検出されれば、検査光が正しい位置に照射されていないことを容易に把握することができる。
なお、上記説明では、多面付け体100の検査について主に説明を行なったが、単体の回折光学素子10を検査する場合においても、検査光が適切な位置に照射されていることを把握することは必要であることから、同様に本発明を適用することができる。
図12は、第2実施形態の回折光学素子10において、第1回折格子領域10bへ検査光が適切に当たっている状態でスクリーン500に投影される投影パターンを示す図である。この図12は、検査光の照射スポットSの位置が先に示した図8の位置にある場合に相当するが、第2実施形態では、投影されるパターンが第1実施形態と異なっている。
第2実施形態の回折光学素子10は、投影される投影パターンが異なるように回折格子が構成されている他は、第1実施形態と同様な構成をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
位置基準パターン25は、第1投影パターン23とは別の投影パターンであって、投影パターンにおける位置を特定するパターンである。位置基準パターン25は、カメラのレンズが持つ歪曲収差の量を正確に取得し、その取得した歪曲収差の量に基づいて、撮影画像に対する補正量を演算して、撮影画像に補正を行い、歪曲収差のない投影パターンの補正画像を生成するために用いることができる。
位置基準パターン25を第1投影パターン23の周囲に配置することにより、本来必要な第1投影パターン23には影響を与えず、かつ、正確な補正処理が可能となる。特に、位置基準パターン25を第1投影パターン23の投影範囲の外形形状に沿って配置すると、より正確な補正処理が可能である。
先の図10のように検査光の照射スポットSが第1回折格子領域10bから一部が外れると、その外れた範囲の検査光は第2回折格子領域10cに当たる。ここで、第2実施形態の第2回折格子領域10cは、第1回折格子領域10bが投影する第1投影パターン23とは異なる第2投影パターンとして位置ずれ検知投影パターン24を投影するが、その投影パターンは、位置基準パターン25と同一のパターンを位置基準パターン25に重ねて投影する。これにより、図13に示すように、投影される投影パターン自体は先の図12の場合と同じであるが、位置基準パターン25に位置ずれ検知投影パターン24が重なることにより、位置基準パターン25の輝度が高く観察される。なお、図13では、位置基準パターン25の輝度が高くなっていることを、図中では線を図12よりも太くして表現している。したがって、スクリーン500上に投影される投影パターンをカメラ30で撮影する通常の検査工程中に、この位置基準パターン25の輝度が高く観察されれば、検査光が正しい位置に照射されていないことを容易に把握することができる。
図14は、第3実施形態における回折光学素子10の平面図である。
第3実施形態は、第1実施形態における第2回折格子領域10cを4種類に分けて構成した点の他は、第1実施形態と同様な構成をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2回折格子領域10c−1は、図14において、第1回折格子領域10bの右辺に沿って配置されている。
第2回折格子領域10c−2は、図14において、第1回折格子領域10bの下辺に沿って配置されている。
第2回折格子領域10c−3は、図14において、第1回折格子領域10bの左辺に沿って配置されている。
第2回折格子領域10c−4は、図14において、第1回折格子領域10bの上辺に沿って配置されている。
これら4種類の第2回折格子領域10c−1、10c−2、10c−3、10c−4は、それぞれから投影される位置ずれ検知投影パターン24の位置が異なっている。
第2回折格子領域10c−1には、図15において、第1投影パターン23の右側に位置ずれ検知投影パターン24−1を投影する回折格子が構成されている。
第2回折格子領域10c−2には、図15において、第1投影パターン23の下側に位置ずれ検知投影パターン24−2を投影する回折格子が構成されている。
第2回折格子領域10c−3には、図15において、第1投影パターン23の左側に位置ずれ検知投影パターン24−3を投影する回折格子が構成されている。
第2回折格子領域10c−4には、図15において、第1投影パターン23の上側に位置ずれ検知投影パターン24−4を投影する回折格子が構成されている。
図16は、第4実施形態の光照射装置1の分解斜視図である。
光照射装置1は、回折光学素子10と、発光素子(光源)51と、基板52と、ホルダ53とを備えている。
回折光学素子10は、上述した第1実施形態から第3実施形態のいずれかと同様な構成を備えている。
発光素子51は、赤外光、青色光等を発光し、その光を回折光学素子10に光を投影する。発光素子51としては、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)等のレーザ光源を用いてもよいし、LED(発光ダイオード)を用いてもよい。発光素子51は、基板52上に実装されている。なお、発光素子51の形態によっては、配線を用いて基板52と接続することもできる。本実施形態では、発光素子51は、波長が850nmの光を発光する垂直共振器面発光レーザとした。
ホルダ53は、その中央が、貫通した開口部となっている。ホルダ53は、回折光学素子10の周縁部が載せられる頂部を備えている。そして、この頂部の上に、接着材を介して回折光学素子10が載せられて固定されている。なお、本実施形態のホルダ53の頂部は、平面で構成されているが、溝をさらに設けてもよい。
ホルダ53は、その背面側(図16中の下側)に、不図示の接着材等を用いて、基板52に取り付けられている。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
10 回折光学素子
10a 周辺領域
10b 第1回折格子領域
10c 第2回折格子領域
11 高屈折率部
11a 凸部
11b 側壁部
12 凹部
13 空間
14 低屈折率部
15 回折層
20 光源部
21 光
22 照射領域
23 第1投影パターン
24 検知投影パターン
25 位置基準パターン
30 カメラ
40 制御部
51 発光素子
52 基板
53 ホルダ
100 多面付け体
500 スクリーン
S 照射スポット
Claims (9)
- 光を整形する回折光学素子であって、
入射した光を回折して出射することにより投影される投影パターンとして第1投影パターンを投影する回折格子が構成されている第1回折格子領域と、
前記第1回折格子領域の外周領域の少なくとも一部に設けられ、入射した光を回折して出射することにより投影される投影パターンとして少なくとも一部が前記第1投影パターンとは異なる第2投影パターンを投影する第2回折格子領域と、
を備え、
第2投影パターンは、前記第1回折格子領域に照射されるべき光が位置ずれにより前記第2回折格子領域に照射されていることを判別可能な位置ずれ検知投影パターンを含む回折光学素子。 - 請求項1に記載の回折光学素子において、
前記第2回折格子領域は、入射した光がずれた方向とずれた量との少なくとも一方に応じて前記第2投影パターンが変化するように構成されていること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項2に記載の回折光学素子において、
前記第2回折格子領域は、回折格子の構成が異なる複数の領域にさらに分けて構成されていること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の回折光学素子において、
前記第1回折格子領域が投影する前記第1投影パターンは、
主投影パターンと、
前記主投影パターンとは別の投影パターンであって、投影パターンにおける位置を特定する位置基準パターンと、
を投影する回折格子を備えており、
前記第2回折格子領域が投影する前記位置ずれ検知投影パターンは、少なくとも前記位置基準パターンに重ねて光を投影することにより前記位置基準パターンの輝度を高くすること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の回折光学素子において、
前記第2回折格子領域が投影する前記第2投影パターンは、前記位置ずれ検知投影パターンに加えて前記第1投影パターンと同様な投影パターンを投影すること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の回折光学素子が多面付けされた多面付け体。
- 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の回折光学素子が多面付けされた多面付け体の検査方法であって、
多面付けされた前記回折光学素子の少なくとも1つの前記第1回折格子領域へ検査光源から検査光を照射する照射工程と、
前記照射工程によって回折光学素子から投影される投影パターンを確認する投影パターン確認工程と、
多面付けされた他の前記第1回折格子領域へ検査光を照射する位置に前記検査光源と多面付け体との相対的な位置を移動する移動工程と、
を有し、
前記投影パターン確認工程において、前記位置ずれ検知投影パターンに基づいて前記検査光の位置ずれについても検出を行ない、
前記検査光の位置ずれの検出結果に基づいて前記移動工程における移動量を補正する補正工程を備える多面付け体の検査方法。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の回折光学素子と、
前記回折光学素子に光を照射する光源部と、
を備えた光照射装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の回折光学素子と、
前記回折光学素子に光を照射する光源部と、
を備えた光照射装置を調整する調整方法であって、
前記光源部から光を照射する照射工程と、
前記照射工程によって回折光学素子から投影される投影パターンを確認する投影パターン確認工程と、
前記位置ずれ検知投影パターンに基づいて前記光源部からの光の位置ずれを検出する位置ずれ検出工程と、
前記位置ずれ検出工程における位置ずれの検出結果に応じて前記回折光学素子と前記光源部との相対的な位置を修正する修正工程と、
を備える光照射装置の調整方法。
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