JP2020023974A - エンジン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気圧力センサの故障や誤作動を防止する。【解決手段】エンジン装置1は、シリンダヘッド2の排気側面に設けられる排気マニホールド4と、排気マニホールド4内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ151を備える。排気圧力センサ151はシリンダヘッド2に取り付けられる。排気マニホールド4と排気圧力センサ151は、シリンダヘッド2内に設けた排気圧力検出経路153を介して接続されている。【選択図】図20

Description

本願発明は、排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置に関するものである。
従来、排気ガス経路内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えたエンジン装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。排気圧力センサは熱に弱いため、排気ガスの熱や、排気ガス径路を形成する部品の熱が許容範囲を超えて排気圧力センサに伝わらないように、排気圧力検出用の配管を介して、排気ガス経路と排気圧力センサが接続される。
特開2015−117585号公報 特許2015−183549号公報
本願発明は、排気圧力センサの故障や誤作動を防止することを技術的課題としている。
本願発明のエンジン装置は、シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、該排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置において、前記排気圧力センサは前記シリンダヘッドに取り付けられ、前記排気マニホールドと前記排気圧力センサは、前記シリンダヘッド内に設けた排気圧力検出経路を介して接続されるものである。
本願発明のエンジン装置において、例えば、前記排気圧力検出経路と前記排気マニホールドとをつなぐ排気圧力検出用配管を備えるようにしてもよい。
本願発明のエンジン装置において、例えば、前記シリンダヘッド内で、前記排気圧力検出経路の近傍に冷却水経路が設けられているようにしてもよい。
本願発明のエンジン装置は、シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、該排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置であって、前記排気圧力センサは前記シリンダヘッドに取り付けられ、前記排気マニホールドと前記排気圧力センサは、前記シリンダヘッド内に設けた排気圧力検出経路を介して接続されるようにしたので、排気マニホールドから排気圧力センサに伝わる熱をシリンダヘッドで拡散でき、排気圧力センサの故障や誤作動を防止できる。
エンジン装置の一実施形態の概略正面図である。 同実施形態の概略背面図である。 同実施形態の概略左側面図である。 同実施形態の概略右側面図である。 同実施形態の概略平面図である。 二段過給機周辺を拡大して示す概略左側面図である。 同二段過給機周辺を拡大して示す概略正面図である。 同二段過給機周辺を拡大して示す概略背面図である。 シリンダヘッドカバーを一部切り欠いて低圧段過給機周辺を拡大して示す概略平面図である。 同低圧段過給機の取付構造を説明するための概略斜視図である。 排気ガス浄化装置を支持する支持台周辺を拡大して示す概略正面図である。 同支持台周辺を拡大して示す概略左側面図である。 同支持台周辺を拡大して示す概略右側面図である。 同支持台周辺を拡大して示す概略平面図である。 同支持台と排気ガス浄化装置の取付け構造を説明するための概略的な分解斜視図である。 同支持台と排気ガス浄化装置を図14のA−A位置断面で示す概略左側面図である。 シリンダヘッド周辺を拡大して示す概略正面図である。 同シリンダヘッドの前部周辺を拡大して示す概略平面図である。 同シリンダヘッドの前部周辺を拡大して示す概略左側面図である。 同シリンダヘッドの前部及びEGRクーラを一部切り欠いて示す概略斜視図である。 シリンダヘッドにおける排気流路及び吸気流路の構成を示す概略的な平面視断面図である。 シリンダヘッド前部周辺のワイヤハーネスの配置を示す概略正面図である。 シリンダヘッド前部周辺のワイヤハーネスの配置を示す概略平面図である。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図5を参照しながら、エンジン装置の一例としてのエンジン1の全体構造について説明する。この実施形態では、エンジン1はディーゼルエンジンで構成される。エンジン1なお、以下の説明では、クランク軸5と平行な両側部(クランク軸5を挟んで両側の側部)を左右、フライホイールハウジング7設置側を前側、冷却ファン9設置側を後側と称して、これらを便宜的に、エンジン1における四方及び上下の位置関係の基準としている。
図1〜図5に示すように、エンジン1におけるクランク軸5と平行な一側部に吸気マニホールド3を、他側部に排気マニホールド4を配置している。実施形態では、シリンダヘッド2の右側面に吸気マニホールド3がシリンダヘッド2と一体に成形されている。シリンダヘッド2の左側面に排気マニホールド4が設置されている。シリンダヘッド2は、クランク軸5とピストン(図示省略)が内蔵されたシリンダブロック6上に搭載されている。
シリンダブロック6の前後両側面から、クランク軸5の前後先端側を突出させている。エンジン1におけるクランク軸5と交差する一側部(実施形態ではシリンダブロック6の前側面側)に、フライホイールハウジング7が固着されている。フライホイールハウジング7内にフライホイール8が配置されている。フライホイール8はクランク軸5の前端側に固着されていて、クランク軸5と一体的に回転するように構成されている。作業機械(例えば油圧ショベルやフォークリフト等)の作動部に、フライホイール8を介してエンジン1の動力を取り出すように構成されている。エンジン1におけるクランク軸5と交差する他側部(実施形態ではシリンダブロック6の後側面側)に、冷却ファン9が設けられている。クランク軸5の後端側からベルト10を介して冷却ファン9に回転力を伝達するように構成されている。
シリンダブロック6の下面に、オイルパン11が配置されている。オイルパン11内には潤滑油が貯留されている。オイルパン11内の潤滑油は、シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分であってシリンダブロック6の右側面側に配置された潤滑油ポンプ(図示省略)にて吸引され、シリンダブロック6の右側面に配置されたオイルクーラ13並びにオイルフィルタ14を介して、エンジン1の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油は、その後オイルパン11に戻される。潤滑油ポンプはクランク軸5の回転にて駆動するように構成されている。
図4に示すように、エンジン1の右側部には、シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分に、燃料を供給するための燃料供給ポンプ15が取り付けられる。燃料供給ポンプ15は、EGR装置24の下方に配置される。また、シリンダヘッド2の吸気マニホールド3と燃料供給ポンプ15の間には、コモンレール16が配置される。コモンレール16は、シリンダブロック6の右側面の上部前寄り部位に固定されている。シリンダヘッドカバー18で覆われているシリンダヘッド2上面部に、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブを有する4気筒分の各インジェクタ(図示省略)が設けられている。
各インジェクタが、燃料供給ポンプ15及び円筒状のコモンレール16を介して、作業車両に搭載される燃料タンク(図示省略)が接続されている。燃料タンクの燃料が燃料供給ポンプ15からコモンレール16に圧送され、高圧の燃料がコモンレール16に蓄えられる。各インジェクタの燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール16内の高圧の燃料が各インジェクタからエンジン1の各気筒に噴射される。
図2及び図5に示すように、シリンダヘッド2上面部に設ける吸気弁及び排気弁(図示省略)などを覆うシリンダヘッドカバー18上面に、エンジン1の燃焼室などからシリンダヘッド2上面側に漏れ出たブローバイガスを取り入れるブローバイガス還元装置19が設けられている。ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口が、還元ホース68を介して、二段過給機30の吸気部に連通される。ブローバイガス還元装置19内にて潤滑油成分が除去されたブローバイガスは、二段過給機30等を介して、吸気マニホールド3に戻される。
図3に示すように、エンジン1の左側部では、フライホイールハウジング7にエンジン始動用スタータ20が取り付けられている。エンジン始動用スタータ20は排気マニホールド4の下方に配置される。エンジン始動用スタータ20は、シリンダブロック6とフライホイールハウジング7との連結部の下方となる位置で、フライホイールハウジング7の後側面の左側部位に取り付けられる。
図2に示すように、シリンダブロック6の後側面の左寄り部位には、冷却水潤滑用の冷却水ポンプ21が配置されている。また、冷却水ポンプ21の左側方に、エンジン1の動力にて発電する発電機としてのオルタネータ12が設けられている。クランク軸5の前端側からベルト10を介して、冷却ファン9とオルタネータ12と冷却水ポンプ21に回転動力を伝達する。作業車両に搭載されるラジエータ(図示省略)内の冷却水が、冷却水ポンプ21の駆動にて、冷却水ポンプ21に供給される。そして、シリンダヘッド2内及びシリンダブロック6内に冷却水が供給され、エンジン1が冷却される。
図3に示すように、冷却水ポンプ21は、排気マニホールド4よりも低い高さ位置に配置されており、ラジエータの冷却水出口と連通される冷却水入口管22が、シリンダブロック6の左側面であって冷却水ポンプ21と略同一高さ位置に固設される。一方、ラジエータの冷却水入口と連通される冷却水出口管23は、図2及び図5に示すように、シリンダヘッド2の上面の後部右寄り部位に固設されている。シリンダヘッド2は、その右後角部に冷却水排水部35を有しており、冷却水排水部35の上面に冷却水出口管23が設置される。
図4及び図5に示すように、EGR装置24は、シリンダヘッド2の右側方に配置されている。EGR装置24は、エンジン1の再循環排気ガス(排気マニホールド4からのEGRガス)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド3に供給する中継管路としてのコレクタ25と、エアクリーナにコレクタ25を連通させる吸気スロットル部材26と、排気マニホールド4にEGRクーラ27を介して接続する還流管路の一部となる再循環排気ガス配管28と、再循環排気ガス配管28にコレクタ25を連通させるEGRバルブ部材29とを有している。
この実施形態では、EGR装置24のコレクタ25は、シリンダヘッド2と一体成形されてシリンダヘッド2の右側面を構成している吸気マニホールド3の右側面に連結している。すなわち、シリンダヘッド2の右側面に設けられる吸気マニホールド3の入口開口部に、コレクタ25の出口開口部が連結される。また、再循環排気ガス配管28のEGRガス入口は、シリンダヘッド2の右側面の前寄り部位で、シリンダヘッド2内に設けられるEGRガス通路のEGRガス出口に連結される。コレクタ25が吸気マニホールド3に取り付けられ、再循環排気ガス配管28がシリンダヘッド2に取り付けられることで、EGR装置24はシリンダヘッド2に固定される。
EGR装置24では、吸気マニホールド3と新気導入用の吸気スロットル部材26とがコレクタ25を介して連通接続されている。コレクタ25には、再循環排気ガス配管28の出口側につながるEGRバルブ部材29が連通接続されている。コレクタ25は、前後長手の略筒状に形成されている。コレクタ25の給気取入れ側(長手方向の前部側)に吸気スロットル部材26がボルト締結されている。コレクタ25の給気排出側は吸気マニホールド3の入口側にボルト締結されている。なお、EGRバルブ部材29は、その内部にあるEGRバルブの開度を調節することにより、コレクタ25へのEGRガスの供給量を調節するものである。
コレクタ25内には新気が供給されると共に、排気マニホールド4からEGRバルブ部材29を介してコレクタ25内にEGRガス(排気マニホールド4から排出される排気ガスの一部)が供給される。新気と排気マニホールド4からのEGRガスとがコレクタ25内で混合されたのち、コレクタ25内の混合ガスが吸気マニホールド3に供給される。すなわち、エンジン1から排気マニホールド4に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド3からエンジン1に戻されることによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が下がり、エンジン1からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減されることになる。
図1及び図3〜図5に示すように、EGRクーラ27は、シリンダヘッド2の前側面に固定されている。シリンダヘッド2内を流れる冷却水とEGRガスがEGRクーラ27に流出入し、EGRクーラ27内でEGRガスが冷却される。シリンダヘッド2の前側面には、EGRクーラ27を連結する左右一対のEGRクーラ連結部33,34が突設されている。そして、EGRクーラ連結部33,34の前側面にEGRクーラ27が連結されている。すなわち、EGRクーラ27は、EGRクーラ27の後側面とシリンダヘッド2の前側面とが離間するようにして、フライホイールハウジング7の上方位置であってシリンダヘッド2の前方位置に配置されている。
図1〜3及び図5に示すように、シリンダヘッド2の左側方には、二段過給機30が配置されている。二段過給機30は、高圧段過給機51と低圧段過給機52とを備える。高圧段過給機51は、タービンホイール(図示省略)を内蔵した高圧段タービンケース53とブロアホイール(図示省略)を内蔵した高圧段コンプレッサケース54とを有する。低圧段過給機52は、タービンホイール(図示省略)を内蔵した低圧段タービンケース55とブロアホイール(図示省略)を内蔵した低圧段コンプレッサケース56とを有する。
二段過給機30の排気径路では、排気マニホールド4に高圧段タービンケース53を連結させ、高圧段タービンケース53に高圧排気ガス配管59を介して低圧段タービンケース55を連結させ、低圧段タービンケース55に排気連結管119を連結させている。高圧排気ガス配管59は、可撓性を有する配管で形成される。この実施形態では、高圧排気ガス配管59の一部分が蛇腹状に形成されている。
排気連結管119には、排気ガス浄化装置100を介してテールパイプ(図示省略)が接続される。エンジン1の各気筒から排気マニホールド4に排出された排気ガスは、二段過給機30及び排気ガス浄化装置100等を経由して、テールパイプから外部に放出される。
二段過給機30の吸気径路では、エアクリーナに給気管62を介して低圧段コンプレッサケース56を接続させ、低圧段コンプレッサケース56に低圧新気通路管65を介して高圧段コンプレッサケース54を連結させ、高圧段コンプレッサケース54にインタークーラ(図示省略)を介してEGR装置24の吸気スロットル部材26を接続させる。エアクリーナに吸い込まれた新気(外部空気)は、エアクリーナにて除塵及び浄化されたのち、二段過給機30やインタークーラ、吸気スロットル部材26、コレクタ25等を介して吸気マニホールド3に送られ、そして、エンジン1の各気筒に供給される。
排気ガス浄化装置100は、排気ガス中の粒子状物質(PM)等を捕集するためのものである。図1〜図5に示すように、排気ガス浄化装置100は、平面視でクランク軸5と交差する左右方向に長く延びた略円筒形状を有する。この実施形態では、排気ガス浄化装置100は、シリンダヘッド2の前側面の上方に配置されている。排気ガス浄化装置100は、左支持ブラケット117及び右支持ブラケット118と支持台121を介して、シリンダヘッド2の前部に支持されている。
排気ガス浄化装置100の左右両側(長手方向一端側と長手方向他端側)には、排気ガス取入れ側と排気ガス排出側とが左右振り分けて設けられている。排気ガス浄化装置100の排気ガス取入れ側の排気ガス入口管116は、側方視で略L字形の排気ガス通路を有する排気連結部材120と、直線状の排気連結管119を介して、二段過給機30の低圧段タービンケース55の排気出口に接続されている。排気連結部材120は、支持台121の左側面に固定されている。排気ガス浄化装置100の排気ガス排出側は、テールパイプ(図示省略)の排気ガス取入れ側に接続される。
排気ガス浄化装置100は、例えば白金等のディーゼル酸化触媒102とハニカム構造のスートフィルタ103を直列に並べて内部に収容した構造を有している。上記の構成において、ディーゼル酸化触媒102の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)がスートフィルタ103内に取り込まれる。エンジン1の排気ガス中に含まれる粒子状物質はスートフィルタ103に捕集され、二酸化窒素によって連続的に酸化除去される。したがって、エンジン1の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、エンジン1の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
排気ガス浄化装置100は、排気ガス入口管116を外周面に備えた上流側ケース105と、上流側ケース105と連結する中間ケース106と、中間ケース106と連結する下流側ケース107とを備える。上流側ケース105と中間ケース106とを直列に並べて連結して、耐熱金属材料製のガス浄化ハウジング104を構成している。ガス浄化ハウジング104内に、円筒の内側ケース(図示省略)を介して、ディーゼル酸化触媒102とスートフィルタ103を収容している。また、下流側ケース107は、多数の消音孔が開設された内側ケース(図示省略)を内装するとともに、内側ケースとの間にセラミックファイバー製消音材が充填されることで、消音器を構成している。
排気ガスがディーゼル酸化触媒102及びスートフィルタ103を通過するに際して、排気ガス温度が再生可能温度(例えば約300℃)を超えていれば、ディーゼル酸化触媒102の作用にて、排気ガス中の一酸化窒素が不安定な二酸化窒素に酸化する。そして、二酸化窒素が一酸化窒素に戻る際に放出する酸素にて、スートフィルタ103に堆積した粒子状物質が酸化除去されることにより、スートフィルタ103の粒子状物質捕集能力が回復し、スートフィルタ103が再生することになる。
次いで、図6〜図10等を参照しながら、二段過給機30の構成及び取付け構造について説明する。二段過給機30は、排気マニホールド4から排出される排気ガスの流体エネルギーによりシリンダヘッド2の吸気マニホールド3に流入させる新気を圧縮させる。二段過給機30は、排気マニホールド4と連結した高圧段過給機51と、高圧段過給機51と連結した低圧段過給機52とで構成されている。
図7及び図8に示すように、高圧段過給機51は、排気マニホールド4の左側方に配置されている。低圧段過給機52は、排気マニホールド4の上方に配置されている。すなわち、小容量の高圧段過給機51を排気マニホールド4の左側面に対峙して配置する一方で、大容量の低圧段過給機52をシリンダヘッド2及びシリンダヘッドカバー18の左側面に対峙して配置している。したがって、シリンダヘッド2の左側方の空間に、排気マニホールド4と二段過給機30を正面視及び背面視で略四角枠内にコンパクトに配置できるだけでなく、二段過給機30の最上部位置をエンジン1の最上部位置よりも低い位置とできる。そのため、エンジン1の小型化に貢献できる。
また、図3及び図6に示すように、エンジン1を左側から見て、低圧段過給機52は、シリンダヘッド2の左側方に配置され、かつ高圧段過給機51よりも前方に配置される。したがって、低圧段過給機52の下方で、シリンダブロック6の左側面前部の周辺に、他のアプリケーション部品を配置する空間を広くできる。例えば、低圧段過給機52とエンジン始動用スタータ20の間に、クランク軸5の回転力により作動する油圧ポンプ等の外部補機を配置できる。
図6〜図8等に示すように、高圧段過給機51は、高圧段タービンケース53と、高圧段タービンケース53の後方側に配置される高圧段コンプレッサケース54と、両ケース53,54を連結する高圧段センタハウジング72を備える。高圧段タービンケース53は、排気マニホールド4の排気マニホールド排気出口49と連通する高圧段排気入口57と、高圧排気ガス配管59の上流側端部と連通する高圧段排気出口58を備える。高圧段コンプレッサケース54は、低圧新気通路管65の下流側端部と連通する高圧段新気入口66と、インタークーラ(図示省略)に接続される高圧段新気供給口67を備える。なお、管の上流側端部とは、ガス流れの上流側の端部を意味し、下流側端部とは、ガス流れの下流側の端部を意味する。
一方、低圧段過給機52は、低圧段タービンケース55と、低圧段タービンケース55の後方側に配置される低圧段コンプレッサケース56と、両ケース55,56を連結する低圧段センタハウジング75を備える。低圧段タービンケース55は、高圧排気ガス配管59の下流側端部と連通する低圧段排気入口60と、排気連結管119の上流側端部と連通する低圧段排気出口61を備える。低圧段コンプレッサケース56は、給気管62の下流側端部と連通する低圧段新気入口63と、低圧新気通路管65の上流側端部と連通する低圧段新気供給口64を備える。
排気マニホールド4は、排気ガスを排出する排気マニホールド排気出口49を左方に向けて開口させている。そして、高圧段タービンケース53は、高圧段排気入口57を排気マニホールド4に向けて開口させる一方で、高圧段排気出口58を前方に向けて開口させている。また、低圧段タービンケース55は、低圧段排気入口60を下方に向けて開口させる一方で、低圧段排気出口61を前方に向けて開口させている。
図6〜図8に示すように、二段過給機30において、高圧段コンプレッサケース54は、後方に向けて高圧段新気入口66を開口させる一方で、高圧段新気供給口67を下方に向けて開口させている。また、低圧段コンプレッサケース56は、低圧段新気入口63を後方に向けて開口させる一方で、低圧段新気供給口64を左側方から突出させた後に後方に向けて構成している。そして、高圧段新気入口66にU字状の低圧新気通路管65の下流側端部が連結される一方で、低圧段新気供給口64が低圧新気通路管65の上流側端部に連結される。
図6〜図8に示すように、排気マニホールド4の排気マニホールド排気出口49と高圧段タービンケース53の高圧段排気入口57とをフランジ部でボルト連結する。これにより、高圧段過給機51は、堅牢な排気マニホールド4に固定される。また、高圧段タービンケース53の高圧段排気出口58が略L字状の高圧排気ガス配管59の下流側端部(後端)にフランジ部でボルト連結される一方、低圧段タービンケース55の低圧段排気入口60が高圧排気ガス配管59の上流側端部(上端)にフランジ部でボルト連結されている。略L字状の高圧排気ガス配管59は、可撓性を有する配管で構成され、この実施形態では、前後方向に延伸する部分に蛇腹管部59aを備えている。
図9及び図10に示すように、低圧段過給機52は、シリンダヘッド2の左側面(排気側面)に固定される。この実施形態では、シリンダヘッド2の左側面の中央部前寄り部位に低圧段過給機取付部131が設けられる(図12、図16、図19も参照)。低圧段過給機取付部131は、排気マニホールド4の上方、かつ低圧段タービンケース55に対峙する位置に設けられる。低圧段過給機52は、略L字形の取付ブラケット132を介して、低圧段過給機取付部131に取り付けられる。取付ブラケット132は、左右方向に配設される過給機側平面部132aと、過給機側平面部132aの右側端から前方へ突出するヘッド側平面部132bを備える。
低圧段コンプレッサケース56の前側面右縁部位に、取付ブラケット132の過給機側平面部132bがボルト133により固着される。低圧段過給機取付部131に、取付ブラケット132のヘッド側平面部132aが前後一対のボルト133により固着される。これにより、低圧段過給機52は、堅牢なシリンダヘッド2に固定される。
この実施形態では、低圧段過給機52はシリンダヘッド2の左側面(排気側面)に固定され、高圧段過給機51は排気マニホールド4に固定されているので、二段過給機30を構成する高圧段過給機51と低圧段過給機52を堅牢なシリンダヘッド2及び排気マニホールド4に振り分けて強固に固定できる。また、低圧段過給機52は、シリンダヘッド2の前部に固定される支持台121に、排気連結管119と排気連結部材120を介して連結されるので、低圧段過給機52をエンジン1に確実に固定でき、ひいては二段過給機30をエンジン1に確実に固定できる。
また、高圧段過給機51の高圧段排気出口58と低圧段過給機52の低圧段排気入口60は、可撓性を有する高圧排気ガス配管59を介して連結されているので、熱伸びによる高圧排気ガス配管59の低サイクル疲労破壊の危険性を低減できる。さらに、高圧排気ガス配管59の熱伸びに起因して二段過給機30に加わる応力を低減できる。これにより、高圧段過給機51と排気マニホールド4の連結部に加わる応力と、低圧段過給機52とシリンダヘッド2の連結部に加わる応力を低減でき、これらの連結部における連結不良や連結部材の破損を防止できる。
図9及び図10に示すように、シリンダヘッド2は、その内部に、低圧段過給機取付部131からシリンダヘッド2の右側面(吸気側面)へ向けて延設されたリブ135を備えている。リブ135は、シリンダヘッド底面136から上向きに突設されている。これにより、シリンダヘッド2において低圧段過給機取付部131の周辺の剛性を向上でき、シリンダヘッド2への低圧段過給機52の取付けに起因するシリンダヘッド2の変形等を防止できる。また、シリンダヘッド底面136には、リブ135の右端部に連続して、左右方向に延びる弁腕機構据付座137が上向きに突設されている。これにより、リブ135の剛性を向上でき、ひいては低圧段過給機取付部131の周辺の剛性を向上できる。
なお、この実施形態では、エンジン1はOHV式のものであり、シリンダヘッド2とシリンダヘッドカバー18で囲まれた空間を弁腕室として構成する。図9に示すように、当該弁腕室内にインジェクタ138及び動弁機構が収容される。前後方向に複数の弁腕機構据付座137が等間隔に配置され、弁腕機構据付座137上に弁腕軸(図示省略)を支持する弁腕軸支持部139が配置され、弁腕軸に複数の弁腕140が揺動自在に軸支される。各弁腕189が弁腕軸回りに揺動することにより、各気筒の吸気弁及び排気弁(図示省略)が開閉作動するように構成されている。
図3、図5及び図6に示すように、低圧段過給機52は、左側から見て、シリンダヘッド2の前側面(一方の側面)寄りに配置される一方で、低圧段タービンケース55の低圧段排気出口61がシリンダヘッド2の前側面側に向けて設けられている。また、排気ガス浄化装置100の排気入口を構成する排気ガス入口管116は、シリンダヘッド2の前側面と右側面(排気側面)とが交わる角部の近傍に配置されている。したがって、低圧段過給機52の低圧段排気出口61と排気ガス浄化装置100の排気ガス入口管116をつなぐ配管としての排気連結管119と排気連結部材120を短く且つ簡素にできる。これにより、排気ガス浄化装置100に供給される排気ガスを高温に維持でき、排気ガス浄化装置1の再生能力の低下を防止できる。
なお、本願発明において、排気ガス浄化装置100の排気入口がシリンダヘッド2の前側面(一方の側面)と右側面(排気側面)とが交わる角部の近傍に配置される構成であれば、排気ガス浄化装置100の搭載位置や配置方向にかかわらず、この実施形態と同様の上記効果を得られる。例えば、排気ガス浄化装置100は、シリンダヘッド2の前方でフライホイールハウジング7の上方に左右横長に配置されてもよいし(例えば特開2011−012598号公報参照)、シリンダヘッド2の上方で前後横長(クランク軸5に沿った方向)に配置されてもよい(例えば特開2016−079870号公報参照)。
図3、図5及び図6に示すように、ブローバイガスを取入れるブローバイガス還元装置19がシリンダヘッド2上に設置される。ブローバイガス還元装置19は、シリンダヘッド2の上面を覆うシリンダヘッドカバー18の上面に載置固定されている。シリンダヘッド2の上方で、ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口70がシリンダヘッド2の後側面(他方の側面)寄りの位置で、左側面側に向けて配置されている。また、低圧段過給機52の低圧段コンプレッサケース56の低圧段新気入口63が後方に向けて開口されている。低圧段新気入口63には、前後方向に延設される給気管62が連結される。これにより、ブローバイガス出口70の近傍に給気管62を配置でき、ブローバイガス出口70と給気管62をつなぐ還元ホース68を短尺化して、低温環境下における還元ホース68内の凍結を防止できる。
図6に示すように、低圧段コンプレッサケース56と高圧段コンプレッサケース54は、低圧段新気入口63、低圧段新気供給口64及び高圧段新気入口66を同一方向(後方)に向けて開口している。したがって、エアクリーナと連通する給気管62を低圧段新気入口63に連結しやすく、また、低圧新気通路管65を低圧段新気供給口64及び高圧段新気入口66に連結しやすい構成となっているので、組付け作業性の向上を図れる。
また、低圧新気通路管65は、一端がフランジ連結により高圧段新気入口66にボルト締結される略U字形の金属管65aと、金属管65aの他端と低圧段コンプレッサケース56の低圧段新気供給口64とを連通させる樹脂管65bとによって構成される。これにより、低圧新気通路管65は、金属管65aが高圧段コンプレッサケース54に高剛性で固定される一方、樹脂管65bにより、低圧段コンプレッサケース56と金属管65aの組立誤差を緩和させて連通させることができる。
また、低圧段コンプレッサケース56の低圧段新気供給口64は、低圧段コンプレッサケース56の外周面の左下部位から左斜め上向きに延出し、さらに後方に向けて湾曲されているため、低圧新気通路管65(金属管65a)の屈曲部分の曲率を大きくできる。そのため、低圧新気通路管65内での乱流の発生を抑制して、低圧段コンプレッサケース56から排出される圧縮空気が、スムーズに高圧段コンプレッサケース54に供給される。
図8に示すように、高圧段過給機51は、高圧段コンプレッサケース54の外周面下部の右寄り部位に、下方に向けて延出する新気供給口64を備える。高圧段コンプレッサケース54は、インタークーラと連通される高圧新気通路管71と連結しており、高圧新気通路管71を介して圧縮空気をインタークーラに供給する。また、高圧段コンプレッサケース54の下方には、左側方に向けて開口する冷却水入口管22が設けられている。冷却水入口管22には、ラジエータにつながる冷却水配管150が接続される。このため、高圧新気通路管71と冷却水配管150の取り回しを集約できるため、エンジン1を搭載する本機側における配管構造を単純化できるだけでなく、組み付け作業やメンテナンス作業をし易い状態に構成できる。
また、図2、図4及び図5に示すように、エンジン1は、その後部(冷却ファン9側)に、冷却水出口管23、給気管62及び吸気スロットル部材26を配置している。そのため、エンジン1を搭載する本機側において、冷却ファン9の冷却風を利用するラジエータ、エアクリーナ及びインタークーラが冷却ファン9後方に配置される場合に、ラジエータと接続する冷却水配管や、エアクリーナ及びインタークーラと連通する新気用配管を短尺化できるだけでなく、その配管接続作業をまとめて行える。そのため、本機側における組付け作業性やメンテナンス作業性が容易になるばかりか、本機側において、エンジン1と連結させる各部品を効率的に配置できる。
図6〜図8に示すように、高圧段過給機51では、高圧段タービンケース53と高圧段コンプレッサケース54の連結部分である高圧段センタハウジング72の外周面の上部及び下部に、高圧用潤滑油供給管73及び高圧用潤滑油戻し管74が連結されている。低圧段過給機52では、低圧段タービンケース55と低圧段コンプレッサケース56の連結部分である低圧段センタハウジング75の外周面の上部及び下部に、低圧用潤滑油供給管76及び低圧用潤滑油戻し管77が連結されている。
高圧用潤滑油供給管73は、シリンダブロック6の左側面の中央部に設けられる接続部材78aに下端が接続される一方、上端が高圧段過給機51の高圧段センタハウジング72の上部に連結されている。高圧段センタハウジング72の上部には、高圧用潤滑油供給管73の上端と低圧用潤滑油供給管76の下端とを連通させる連結継手78bが設置されている。低圧用潤滑油供給管76の上端は、低圧段過給機52の低圧段センタハウジング75の上部に設けられる接続部材78cに連結されている。これにより、シリンダブロック6内の油路を流れる潤滑油が、高圧用潤滑油供給管73を通じて高圧段過給機51の高圧段センタハウジング72に供給されるとともに、高圧用潤滑油供給管73及び低圧用潤滑油供給管76を通じて低圧段過給機52の低圧段センタハウジング75に供給される。
高圧用潤滑油供給管73は、シリンダブロック6の左側面の接続部材78aから後方斜め上方向へ導かれ、高圧段コンプレッサケース54とシリンダブロック6の間を通ってシリンダヘッド2の左側面と対峙する位置へ導かれる。さらに、高圧用潤滑油供給管73は、排気マニホールド4の後端部を迂回しつつ、高圧段センタハウジング72の右側方を通って、連結継手78bへ導かれている。また、低圧用潤滑油供給管76は、側面視で略L字形状を有し、連結継手78bから、高圧段過給機51と高圧排気ガス配管59に沿うようにして、接続部材78cへ導かれる。このように、潤滑油供給管73,76を短尺化するとともに、高剛性部品である二段過給機30で囲むように配管することで、潤滑油を効率よく二段過給機30に供給できると同時に、外力による潤滑油供給管73,76の破損を防げる。
また、高圧用潤滑油戻し管74は、接続部材78aの上方で、シリンダブロック6の左側面の中央部に設置された連結継手80の先端面に一端(下端)が連結される。高圧用潤滑油戻し管74の他端(上端)は、高圧段過給機51の高圧段センタハウジング72の外周面下部に連結されている。また、低圧用潤滑油戻し管77は、連結継手80の中途部から前方斜め上向きに突出する接続部位に一端(下端)が連結される。一方、低圧用潤滑油戻し管77の他端(上端)は、低圧段過給機52の低圧段センタハウジング75の外周面下部に連結される。したがって、高圧段過給機51及び低圧段過給機52を流れる潤滑油は、センタハウジング72,75の下部から潤滑油戻し管74,77を介して、連結継手80で合流されて、シリンダブロック6内の油路に戻される。
高圧用潤滑油戻し管74は、高圧段タービンケース53の下方から排気マニホールド4の排気マニホールド排気出口49の下方を通って連結継手80に導かれている。また、低圧用作動戻し管77は、高圧排気ガス配管59と排気マニホールド4の間を通って、連結継手80に導かれている。このように、潤滑油戻し管74,77を短尺化するとともに、高剛性部品である二段過給機30で覆うように配管することで、潤滑油を効率よく二段過給機30に供給できると同時に、外力による潤滑油戻し管74,77の破損を防げる。
次いで、図11〜図16等を参照しながら、排気ガス浄化装置100の取付け構造について説明する。排気ガス浄化装置100は、上流側ケース105と中間ケース106と下流側ケース107がその順に直列に連結されて構成され、シリンダヘッド2の前部上方で左右横長に配置される。
上流側ケース105と中間ケース106の連結部分は、一対の厚板状の挟持フランジ108,109にて排気ガス移動方向の両側から挟んで連結している。すなわち、上流側ケース105の下流側開口縁に設けた接合フランジと、中間ケース106の上流側開口縁に設けた接合フランジとを、挟持フランジ108,109で狭持させて、上流側ケース105の下流側と中間ケース106の上流側とを連結し、ガス浄化ハウジング104を構成する。このとき、挟持フランジ108,109をボルト締結することにより、上流側ケース105と中間ケース106とが着脱可能に連結される。
また、中間ケース106と下流側ケース107の連結部分は、一対の厚板状の挟持フランジ110,111にて排気ガス移動方向の両側から挟んで連結している。すなわち、中間ケース106の下流側開口縁に設けた接合フランジと、下流側ケース107の上流側開口縁に設けた接合フランジとを、挟持フランジ108,109で狭持させて、中間ケース106の下流側と下流側ケース107の上流側とを着脱可能に連結する。
上流側ケース105の排気入口側の外周部に排気ガス入口管116を設けており、排気ガス入口管116の排気取込側は、排気中継路としての排気連結部材120及び排気連結管119を介して、二段過給機30の低圧段排気出口61(図6等参照)と連通している。排気連結部材120は、側面視で略L字形状に構成しており、排気取込側を後方に備えて排気連結管119と連結する一方、排気排出側を上方に備えて排気ガス浄化装置100の排気ガス入口管116と連結する。図11、図12及び図16に示すように、排気連結部材120は、支持台121の左側面の前部に、上下一対のボルト122,122により、着脱可能に取り付けられる。
図11及び図15に示すように、排気ガス浄化装置100は、左右の支持ブラケット117,118と支持台121を介して、シリンダヘッド2の前部に取り付けられる。排気ガス浄化装置100は、上流側ケーシング105の外周面下部に溶接固定された左ブラケット締結脚112と、挟持フランジ110の下部に形成した右ブラケット締結脚113を備える。
左右の支持ブラケット117,118は、水平部と、該水平部の左右外側端から上向きに突出する起立部を備える略L字形を有する。左支持ブラケット117の水平部は、支持台121の平面部121aの上面左寄り部位に、前後一対のボルトにより固定される。右支持ブラケット118の水平部は、支持台121の平面部121aの上面右縁部位に、前後一対のボルトにより固定される。排気ガス浄化装置100の左右のブラケット締結脚112,113は、左右の支持ブラケット117,118に、それぞれ前後一対のボルト及びナットで取り付けられる。
右支持ブラケット118の起立部の上面には、挟持フランジ110,111の下部を締結するボルトの頭部を仮置き可能な切欠き部118aが形成されている。排気ガス浄化装置100をエンジン1に組み付ける際には、支持台121に左右の支持ブラケット117,118及び排気連結部材120が取り付けられた状態で、挟持フランジ110,111の下部を締結するボルトの頭部を右支持ブラケット118の切欠き部118aに位置合わせする。これにより、排気ガス浄化装置100をエンジン装置1に対して位置合わせできるとともに、排気ガス浄化装置100をエンジン1に組み付ける際のボルト締結作業がしやすくなり、組み付け作業性が向上する。
図11〜図16に示すように、支持台121の平面部121aは、平面視で、右部位が左部位よりも長い略L字形を有する。平面部121aは、平面視で、シリンダヘッド2の前側面及び右側面に沿って、シリンダヘッド2の前部を覆うように配置される。平面部121aの上に排気ガス浄化装置100が搭載される。
また、支持台121は、平面部121aから下方へ向けて突設されてシリンダヘッド2に固定される複数の脚部121b,121c,121d,121eを備える。脚部121b,121c,121d,121eの間は、上側に凸形のアーチ形状に形成されている。シリンダヘッド2には、左側面の前部位に排気側取付部123bが設けられ、前側面の中央部上寄り部位に第1中央取付部123cが設けられ、前側面の右縁部位に第2中央取付部123dが設けられ、右側面に一体成形される吸気マニホールド3の上面の前端部位に吸気側取付部123eが設けられる。
排気側脚部121bの下端部は、前後一対のボルトで排気側取付部123bに固定される。第1中央脚部121cの下端部は、1つのボルトで第1中央取付部123cに固定される。第2中央脚部121dの下部は、上下一対のボルトで第2中央取付部123dに固定される。吸気側脚部121eは、上下方向に穿設された前後一対のボルト挿通孔を備え、それらのボルト挿通孔に挿通される前後一対のボルトで、吸気側取付部123eに取り付けられる。
図11、図13〜図15及び図21に示すように、シリンダヘッド2の右側面に吸気マニホールド3が一体成形されている。そして、吸気側脚部121eは、吸気マニホールド3に設けられる吸気側取付部123eに固定されるので、堅牢な吸気マニホールド3上に吸気側脚部121eを載置して強固に固定できる。また、吸気側脚部121eを吸気マニホールド3に固定するための前後一対のボルトの締緩作業をシリンダヘッド2の上方側から行える。したがって、例えばシリンダヘッド2の右側方に配置されるEGR装置24(図5等参照)を吸気マニホールド3に取り付けた状態で、支持台121の取付け作業及び取外し作業を実施でき、エンジン1の組み立て作業性及びメンテナンス性が向上する。
図11、図13及び図15に示すように、吸気側取付部123eの下方において、吸気マニホールド3の右側面及び下面に、前後一対の補強リブ124,124が突設されている。補強リブ124,124は、上下方向に延設されており、吸気側取付部123e周辺の吸気マニホールド3の強度を向上できる。これにより、吸気マニホールド3への支持台121の取付けに起因する吸気マニホールド3及びシリンダヘッド2の変形を防止できる。
図11〜図16に示すように、支持台121は、平面部121aと脚部121b,121c,121d,121eが一体成形されている一方で、脚部121b,121c,121d,121eの間がアーチ形状に形成されているので、支持台121の剛性を確保しつつ軽量化を実現できる。また、支持台121を一体成形部品とすることで、部品点数を低減できる。また、脚部121b,121c,121d,121eの間にアーチ形状の隙間が形成されていることで、脚部121b,121c,121d,121eの周辺で熱溜まりが形成されるのを防止できる。これにより、例えば後述する排気圧力センサ151等の脚部周辺に搭載される電子部品への熱害や、EGRクーラ27などの冷却部品の冷却不足を防止できる。
また、支持台121は、シリンダヘッド2の左側面に固定される排気側脚部121bと、シリンダヘッド2の右側面に固定される吸気側脚部121eと、シリンダヘッド2の前側面に固定される中央脚部121c,121dを備えている。したがって、シリンダヘッド2の右側面と左側面と前側面の合計3面に支持台121を固定でき、排気ガス浄化装置100の支持剛性を向上できる。
図11、図13及び図15に示すように、吸気側脚部121eと第2中央脚部121dの間のアーチ形状と、中央脚部121c,121dの間のアーチ形状と、排気側脚部121bと第1中央脚部121cの間のアーチ形状は、アーチ形状の高さと大きさ(幅)が互いに異なっている。また、排気側脚部121bと吸気側脚部121eは、互いに上下方向の長さが異なっている。これらのアーチ形状や脚部の長さを適宜設計することで、吸気側と排気側の振動を支持台121で打ち消すことが可能になり、排気ガス浄化装置100の振動を低減できる。
図11及び図16に示すように、支持台121の平面部121a及び脚部121b,121c,121d,121eは、シリンダヘッドカバー18とは間隔を空けて配置されている。これにより、支持台121とシリンダヘッドカバー18との間に、エンジン1の後部に配置される冷却ファン9(図3等参照)からの冷却風149が流れる冷却風通路148が形成される。したがって、冷却ファン9からの冷却風149をシリンダヘッド2の前側面側に冷却風通路148を介して案内でき、シリンダヘッド2の前側面周辺を適切に冷却できる。この実施形態では、シリンダヘッド2の前側面に、EGRクーラ27と後述する排気圧力センサ151が取り付けられているので、冷却ファン9から冷却風通路148を介してシリンダヘッド2の前側面に導かれる冷却風149により、EGRクーラ27の冷却促進と、排気圧力センサ151の熱害防止を実現できる。
次いで、図17〜図21等を参照しながら、シリンダヘッド2の前側面周辺の構成について説明する。図21に示すように、シリンダヘッド2は、複数の吸気ポート(図示省略)に新気を導入させる複数の吸気流路36と複数の排気ポートから排気ガスを導出させる複数の排気流路37とが形成されている。そして、複数の吸気流路36を集合する吸気マニホールド3が、シリンダヘッド2の右側部に一体に形成されている。シリンダヘッド2と吸気マニホールド3とを一体に構成することで、吸気マニホールド3から吸気流路36に対する気体シール性を向上させるとともに、シリンダヘッド2の剛性を高めることができる。
シリンダヘッド2の左側面に連結される排気マニホールド4の右側面には、シリンダヘッド2内の上流側EGRガス通路31と連通するEGRガス出口41と、複数の排気流路37と連通する排気入口42とが、前後方向に並んで開口している。排気マニホールド4内に、EGRガス出口41及び排気入口42と連通する排気集合部43が形成されている。排気マニホールド4の左側面後部に、排気集合部43と連通する排気マニホールド排気出口49が開口されている。シリンダヘッド2の排気流路37からの排気ガスが排気入口42を通じて排気集合部43に流れ込むと、排気ガスの一部がEGRガスとしてEGRガス出口41からシリンダヘッド2内の上流側EGRガス通路31に流れ込み、排気ガスの残りが排気マニホールド排気出口49から二段過給機30(図7等参照)に流れ込む。
シリンダヘッド2は、吸気マニホールド3が一体成形される右側面(吸気側面)と逆側となる左側面(排気側面)に排気マニホールド4が連結され、前側面(排気側面に交差する2側面のうち一方の側面)にEGRクーラ27が連結される。シリンダヘッド2の前側面の左右両縁部(シリンダヘッド2の左前角部及び右前角部)には、左右のEGRクーラ連結部33,34が前方へ向けて突設される。EGRクーラ27は、左右のEGRクーラ連結部33,34の前側面に連結される。EGRクーラ連結部33,34内にEGRガス通路31,32と冷却水路38,39が形成されている。
EGRクーラ連結部33,34にEGRガス通路31,32及び冷却水路38,39を構成することで、EGRクーラ27とシリンダヘッド2との間に冷却水用配管及びEGRガス用配管を設ける必要がない。そのため、EGRガスや冷却水による配管の伸縮などに影響されることなく、EGRクーラ27との連結部分におけるシール性を確保できるだけでなく、熱や振動などによる外部からの変動要素に対する耐性(構造安定性)が向上する上に、コンパクトに構成できる。
図17、図20及び図21に示すように、左EGRクーラ連結部33内に上流側EGRガス通路31が設けられ、右EGRクーラ連結部34内に下流側EGRガス通路32が設けられる。上流側EGRガス通路31は、平面視で略L字形であり、左EGRクーラ連結部33の前側面と左側面に一端と他端が開口しており、EGRクーラ27の裏面左下部位と、排気マニホールド4の右側面前寄り部位に設けられたEGRガス出口41をつないでいる。下流側EGRガス通路32は、平面視で略L字形であり、右EGRクーラ連結部34の前側面と右側面に一端と他端が開口しており、EGRクーラ27の裏面右上部位と、再循環排気ガス配管28のEGRガス入口をつないでいる。
左EGRクーラ連結部33内には、左EGRクーラ連結部33の前側面から後方側へ導かれる下流側冷却水路38が形成される。下流側冷却水路38は、上流側EGRガス通路31よりも上方側に設けられ、EGRクーラ27の裏面左上部位から排出される冷却水をシリンダヘッド2内の冷却水通路に送る。また、右EGRクーラ連結部34内には、右EGRクーラ連結部34の前側面から後方側へ導かれる上流側冷却水路39が形成される。上流側冷却水路39は、下流側EGRガス通路32よりも下方側に設けられ、シリンダヘッド2内の冷却水通路を流れる冷却水をEGRクーラ27の裏面右下部位に送る。
図17〜図20に示すように、シリンダヘッド2の前側面に、排気マニホールド4内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ151が設けられる。排気圧力センサ151は、シリンダヘッド2の前側面の中央部上寄り部位で前方に向けて突設される排気圧力センサ取付部152に取り付けられる。排気圧力センサ取付部152は、左右のEGRクーラ連結部33,34の間に設けられる。この実施形態のエンジン1では、排気圧力センサ取付部152の左縁部は、左EGRクーラ連結部33の右縁部上寄り部位に連続して形成される。
排気圧力センサ151は、シリンダヘッド2内に設けた排気圧力バイパス経路153と、排気圧力バイパス経路153と排気マニホールド4をつなぐ排気圧力検出用配管154を介して、排気マニホールド4に接続される。排気圧力バイパス経路153は、シリンダヘッド2の左側面の前端部位から右側方へ向けて穿設され、左EGRクーラ連結部33の内部を通って排気圧力センサ取付部152の内部へ導かれる。また、排気圧力バイパス経路153は、排気圧力センサ取付部152内で前方側へ向けて屈曲され、排気圧力センサ取付部152の前側面に開口している。排気圧力センサ取付部152の前側面には、排気圧力バイパス経路153の端部を塞ぐ穴埋め部材155が取り付けられている。
図18に示すように、排気圧力センサ取付部152は、その上面から下方に向けて穿設されて排気圧力バイパス経路153につながるセンサ取付孔152aを備える。排気圧力センサ151がセンサ取付孔152aに取り付けられた状態で、排気圧力センサ151の下端部が排気圧力バイパス経路153に露出する。
一方、排気圧力検出用配管154は、シリンダヘッド2の左側面前部の左側方で、排気マニホールド4の上方に配置される。排気マニホールド4の上面の前寄り部位に、検出用配管取付台座156が上向きに突設されている。検出用配管取付台座156の上面に、後側継手部材157が取り付けられる。また、シリンダヘッド2の左側面の前端部位に開口する排気圧力バイパス経路153の端部に前側継手部材158が取り付けられる。排気圧力検出用配管154の前端は、前側継手部材158を介して排気圧力バイパス経路153に接続される。排気圧力検出用配管154の後端は、後側継手部材157を介して排気マニホールド4内の排気集合部43(図21参照)に接続される。なお、検出用配管取付台座156の上面には、後側継手部材157よりも前方の位置で、排気ガス温度センサ159が取り付けられている。排気ガス温度センサ159は、排気マニホールド4内の排気集合部43を流れる排気ガスの温度を検出するものである。
高温になる排気マニホールド4から排気圧力検出用配管154に伝わる熱は、前側継手部材158を介してシリンダヘッド2で拡散される。これにより、熱に弱い排気圧力センサ151に、排気マニホールド4の熱及び排気圧力検出用配管154の熱が直接伝わらない構成になっている。したがって、排気マニホールド4及び排気圧力検出用配管154の熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止しながら、排気圧力検出用配管154の長さを短くできる。また、排気圧力検出用配管154の長さを短くすることで、排気圧力検出用配管154の信頼性が向上するとともに排気圧力検出用配管154の配置が容易になり、設計工数の低減やエンジン1の製造性及び組立性の向上を図れる。
図17及び図20に示すように、左EGRクーラ連結部33内で、排気圧力バイパス経路153の近傍に下流側冷却水路38が設けられているので、排気圧力バイパス経路153内のガス温度を効率よく低減できる。したがって、排気圧力バイパス経路153内のガスから排気圧力センサ151に伝わる熱を許容範囲内に収めながら、排気圧力バイパス経路153を短くでき、シリンダヘッド2への排気圧力バイパス経路153の形成が容易になる。また、排気圧力バイパス経路153は、シリンダヘッド2の前側面に突設された左EGRクーラ連結部33及び排気圧力センサ取付部152の内部を通っているので、排気圧力バイパス経路153内のガスを効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止できる。さらに、排気圧力センサ151は、一対のEGRクーラ連結部33,34の間でシリンダヘッド2の前側面に突設された排気圧力センサ取付部152に取り付けられているので、排気圧力センサ151を効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止できる。
また、図19に示すように、前側継手部材158の取付位置は、検出用配管取付台座156の上面よりも高い位置に設けられる。排気圧力検出用配管154は、後側継手部材157から左斜め前方向に向けて延出された後、排気ガス温度センサ159を迂回して右方向へ湾曲しながら斜め上方向に導かれ、その後、シリンダヘッド2の左側面に沿って略水平方向に前方へ向けて配設されて前側継手部材158に接続される。排気圧力検出用配管154は、前側継手部材158側の端部が後側継手部材157側の端部よりも高い位置に配置される。したがって、排気ガスに含まれる油分や水分が排気圧力検出用配管154内で液体となって排気圧力バイパス経路153内に浸入するのを防止でき、排気ガス圧力を正確に検出できる。
図17〜図21に示すように、EGRクーラ連結部33,34を突設した構成とすることで、排気マニホールド4とEGRクーラ27とEGR装置24を連通させるEGRガス用の配管が不要となり、EGRガス通路における連結箇所が少なくなる。したがって、EGRガスによるNOx低減を図るエンジン1において、EGRガス漏れを低減できるだけでなく、配管の伸縮による応力変化などによる変形を抑制できる。また、EGRクーラ連結部33,34内にEGRガス通路31,32と冷却水路38,39を形成しているので、シリンダヘッド2内に構成する各通路31,32,38,39の形状が単純化されることから、複雑な中子を用いることなく、シリンダヘッド2を容易に鋳造することができる。
また、排気マニホールド4側の左EGRクーラ連結部33と、吸気マニホールド3側の右EGRクーラ連結部34とが離間されているため、EGRクーラ連結部33,34それぞれにおける熱変形による相互の影響を抑制できる。したがって、EGRクーラ連結部33,34とEGRクーラ27との連結部分におけるガス漏れや冷却水漏れ、破損等を防止できるだけでなく、シリンダヘッド2の剛性バランスを保持できる。また、シリンダヘッド2の前側面における容積を低減できることから、シリンダヘッド2の軽量化を図れる。さらに、EGRクーラ27をシリンダヘッド2の前側面から離間させて配置でき、EGRクーラ27の前後に空間を有する構成とできるため、EGRクーラ27の周辺に冷却空気を流すことができ、EGRクーラ27における冷却効率を高めることができる。
図17に示すように、左EGRクーラ連結部33には、下流側冷却水路38と上流側EGRガス通路31とが上下に配置されており、右EGRクーラ連結部34には、下流側EGRガス通路32と上流側冷却水路39とが上下に配置されている。そして、下流側冷却水路38の冷却水入口と下流側EGRガス通路32のEGRガス入口とが同一高さに配置される一方、上流側冷却水路39の冷却水出口と下流側EGRガス通路32のEGRガス出口とが同一高さに配置される。
分離して突設させたEGRクーラ連結部33,34にEGRガス通路31,32及び冷却水路38,39を内設した構成とすることで、EGRクーラ連結部33,34双方における熱変形の影響が緩和される。また、EGRクーラ連結部33,34内において、EGRガス通路31,32を流れるEGRガスが冷却水路38,39を流れる冷却水による冷却され、EGRクーラ連結部33,34における熱変形自体も抑制される。さらに、EGRクーラ連結部33,34それぞれにおいて、EGRガス通路31,32と冷却水路38,39とが、それぞれの上下高さ位置を置換して配置されている。そのため、EGRクーラ連結部33,34における熱分布が上下逆方向となり、シリンダヘッド2における高さ方向の熱変形の影響を低減できる。
次いで、図22及び図23等を参照しながら、シリンダヘッド2の前側面周辺に配設されるハーネス構造の一部について説明する。この実施形態のエンジン1では、複数のハーネスを束ねたハーネス集合体171がシリンダヘッドカバー18の右側面に沿って前後方向に配設される。ハーネス集合体171は、エンジン1に取り付けられる外部接続用ハーネスコネクタ(図示省略)から延びる主ハーネス集合体(図示省略)から分岐されたものである。
ハーネス集合体171の前端部は、シリンダヘッドカバー18と支持台121の吸気側脚部121eの間に配設される。ハーネス集合体171は、シリンダヘッドカバー18の右前角部の近傍で、EGRバルブハーネス172とEGRガス温度センサハーネス173とセンサハーネス集合体174に分岐される。EGRバルブハーネス172は、支持台121の第2中央脚部121dと吸気側脚部121eの間を通って、EGRバルブ部材29に電気接続される。EGRガス温度センサハーネス173は、再循環排気ガス配管28内の排気ガス温度を検出するEGRガス温度センサ181に、第2中央脚部121dと吸気側脚部121eの間を通って電気接続される。
センサハーネス集合体174は、ハーネス集合体171から左側方へ向けて導かれ、シリンダヘッドカバー18の前側面右寄り部位の前方で、下方へ向けて折り曲げられる。センサハーネス集合体174の前端部は、回転角センサハーネス集合体175と排気圧力センサハーネス176に分岐される。排気圧力センサハーネス176は、ハーネス集合体174から、シリンダヘッドカバー18と支持台121の第1中央脚部121cの間を通って左側方へ導かれ、排気圧力センサ151に電気接続される。
回転角センサハーネス集合体175は、センサハーネス集合体174から、シリンダヘッド2の前側面に沿って下向きに延設される。また、回転角センサハーネス集合体175は、フライホイールハウジング7の直上位置で左側方へ向けて折り曲げられて、シリンダヘッド2の前側面左下角部の前方位置へ導かれる。回転角センサハーネス集合体175は、クランク軸回転角センサハーネス177とカム軸回転角センサハーネス178に分岐される。クランク軸回転角センサハーネス177は、フライホイールハウジング7の前部の左上寄り部位に取り付けられるクランク軸回転角センサ182(図1参照)に電気接続される。カム軸回転角センサハーネス178は、フライホイールハウジング7の左上縁部に取り付けられるカム軸回転角センサ183(図1参照)に電気接続される。
図17に示すように、シリンダヘッド2の前側面の左右中央部には、上下に並ぶ係止部材取付部185,186が形成されている。上側の係止部材取付部185は、シリンダヘッド2の前側面の上寄り部位で、右EGRクーラ連結部34と第1中央取付部123cの間の位置に配置される。下側の係止部材取付部186は、シリンダヘッド2の前側面の下寄り部位で、左右のEGRクーラ連結部33,34の間で上側係止部材取付部185の真下の位置に配置される。
図22及び図23に示すように、シリンダヘッド2の前側面に対峙する部分の回転角センサハーネス集合体175は、上下の係止部材取付部185,186に取り付けられる係止部材187,188によって、シリンダヘッド2の前側面に取り付けられる。そして、回転角センサハーネス集合体175は、ハーネス集合体174から、右EGRクーラ連結部34と支持台121の第1中央脚部121cの間と、シリンダヘッド2とEGRクーラ27の間を通って、シリンダヘッド2の前側面下縁部位に対峙する位置に導かれる。
EGRクーラ27は、シリンダヘッド2の前側面に前方へ向けて突設される左右一対のEGRクーラ連結部33,34に取り付けられる。そして、EGRクーラ27の裏面とシリンダヘッド2の間に空間が形成される。この空間に回転角センサハーネス集合体175を上下方向に配設することで、回転角センサハーネス集合体175を保護できるとともに、回転角センサハーネス集合体175のレイアウト設計が容易になる。
また、シリンダヘッドカバー18の側面と支持台121の間には空間が形成されている。この空間を利用して、ハーネス集合体171,174及びハーネス172,173,176を配置することで、これらのハーネス及びハーネス集合体を保護できるとともに、ハーネスのレイアウト設計が容易になる。
図1から図10に示すように、エンジン1は、シリンダヘッド2の一側面である排気側面(例えば左側面)に設けられる排気マニホールド4と、排気マニホールド4から排出される排気ガスによって駆動する二段過給機30を備える。二段過給機30は、排気マニホールド4に連結する高圧段過給機51と、高圧段過給機51に連結する低圧段過給機52とで構成される。高圧段過給機51は排気マニホールド4の側方に配置され、低圧段過給機52は排気マニホールドの上方4に配置されるので、排気マニホールド4と二段過給機30を略四角枠内にコンパクトに配置でき、エンジン1の小型化を実現できる。さらに、高圧段過給機51の高圧段排気出口58と低圧段過給機52の低圧段排気入口60は、可撓性を有する配管の一例としての高圧排気ガス配管59を介して連結されているので、熱伸びによる高圧排気ガス配管59の低サイクル疲労破壊の危険性を低減できる。
エンジン1において、低圧段過給機52はシリンダヘッド2の排気側面に固定され、高圧段過給機51は排気マニホールド4に固定されているので、二段過給機30を構成する高圧段過給機51と低圧段過給機52を堅牢なシリンダヘッド2及び排気マニホールド4に振り分けて強固に固定できる。さらに、高圧段過給機51の高圧段排気出口58と低圧段過給機52の低圧段排気入口60は、可撓性を有する高圧排気ガス配管59を介して連結されているので、高圧排気ガス配管59の熱伸びに起因して二段過給機30に加わる応力を低減できる。これにより、高圧段過給機51と排気マニホールド4の連結部に加わる応力と、低圧段過給機52とシリンダヘッド2の連結部に加わる応力を低減でき、これらの連結部における連結不良や連結部材の破損を防止できる。
さらに、シリンダヘッド2は、その内部に、排気側面における低圧段過給機取付部131から、排気側面に対向する吸気側面(例えば右側面)へ向けて延設されたリブ135を備えているので、シリンダヘッド2において低圧段過給機取付部131の周辺の剛性を向上でき、シリンダヘッド2への低圧段過給機52の取付けに起因するシリンダヘッド2の変形等を防止できる。
また、エンジン1は、エンジン1からの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置100を備える。排気ガス浄化装置100の排気入口としての排気ガス入口管116は、上記排気側面に交差するシリンダヘッド2の2側面のうち一方の側面と上記排気側面とが交わる角部の近傍に配置され、低圧段過給機52は、排気側面側から見て、上記一方の側面寄りに配置されるとともに、低圧段過給機52の低圧段排気出口61が上記一方の側面側に向けて設けられている。したがって、エンジン1は、低圧段過給機52の低圧段排気出口61と排気ガス浄化装置100の排気ガス入口管116をつなぐ配管の一例としての排気連結管119及び排気連結部材120を短く且つ簡素にできる。これにより、排気ガス浄化装置100に供給される排気ガスを高温に維持でき、排気ガス浄化装置100の再生能力の低下を防止できる。
さらに、シリンダヘッド2の上方で、ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口70がシリンダヘッド2の上記一方の側面とは反対側の他方の側面寄りの位置で排気側面側に向けて配置され、低圧段過給機52の低圧段新気入口63が上記他方の側面側に向けて設けられる。また、低圧段過給機52の低圧段新気入口63に連結する給気管62にブローバイガス出口70が還元ホース68を介して連結されている。したがって、エンジン1は、ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口70と、低圧段過給機52の低圧段新気入口63に連結する給気管62の両方をシリンダヘッド2の上記他方の側面寄りの位置に配置することで還元ホース68を短くでき、還元ホース68内部の凍結対策が不要になる。
図1から図5及び図11〜図16に示すように、エンジン1は、シリンダヘッド2の上方に支持台121を介して排気ガス浄化装置100を備える。支持台121は、排気ガス浄化装置100が搭載される平面部121aと、平面部121aから下方へ向けて突設されてシリンダヘッド2に固定される複数の脚部121b,121c,121d,121eを備える。平面部121aと脚部121b,121c,121d,121eは一体成形されている。また脚部脚部121b,121c,121d,121e同士の間がアーチ形状に形成されている。したがって、上記一体成形構造及びアーチ形状により、支持台121の剛性を確保しつつ軽量化を実現できる。また、支持台121を一体成形部品とすることで、部品点数を低減できる。また、複数の脚部121b,121c,121d,121eの間にアーチ形状の隙間が形成されていることで、支持台121の脚部周辺で熱溜まりが形成されるのを防止でき、例えば脚部周辺に搭載されるセンサの一例としての排気圧力センサ151等の電子部品への熱害や、EGRクーラ27などの冷却部品の冷却不足を防止できる。
エンジン1は、互いに対向するシリンダヘッド2の排気側面と吸気側面に排気マニホールド4と吸気マニホールド3が振り分けて配置される構成である。支持台121は、クランク軸5の軸方向と交差するシリンダヘッド2の2側面のうち一方の側面の上方に配置されるとともに、脚部として、排気側面に固定される排気側脚部121bと、吸気側面に固定される吸気側脚部121eと、上記一方の側面に固定される中央脚部121c,121dを備えているよ。したがって、エンジン1は、シリンダヘッド2の排気側面と吸気側面と上記一方の側面の合計3面に支持台121を固定でき、排気ガス浄化装置100の支持剛性を向上できる。また、排気側脚部121bと第1中央脚部121cの間と、吸気側脚部121eと第2中央脚部121dの間とで、両アーチ形状の高さや大きさ等を互いに異ならせたり、排気側脚部121bと吸気側脚部121eの長さを異ならせたりすることで、吸気側と排気側の振動を支持台121で打ち消すことが可能になり、排気ガス浄化装置100の振動を低減できる。
また、エンジン1は、シリンダヘッド2の上記2側面のうち他方の側面側に冷却ファン9を備える構成である。そして、シリンダヘッド2上のシリンダヘッドカバー18と支持台121との間に冷却ファン9からの冷却風149が流れる冷却風通路148が形成されている。したがって、エンジン1は、冷却ファン9からの冷却風をシリンダヘッド2の上記一方の側面側に冷却風通路148を介して案内でき、シリンダヘッド2の上記一方の側面周辺を適切に冷却できる。
さらに、エンジン1は、排気マニホールド4から排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気マニホールド3に戻すEGR装置24と、EGRガスを冷却するEGRクーラ27と、排気マニホールド4内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ151を備える構成である。シリンダヘッド2の上記一方の側面に、EGRクーラ27と排気圧力センサ151が取り付けられている。したがって、冷却ファン9から冷却風通路148を介して上記一方の側面に導かれる冷却風149により、EGRクーラ27の冷却促進と、排気圧力センサ151の熱害防止を実現できる。
また、エンジン1では、シリンダヘッド2の吸気側面に吸気マニホールド3が一体成形されており、吸気側脚部121eは、吸気マニホールド3の上面に固定されているので、ようにすれば、堅牢な吸気マニホールド3の上に吸気側脚部121eを載置して強固に固定できる。また、吸気側脚部121eを吸気マニホールド3に固定するためのボルトの締緩作業をシリンダヘッド2の上方側から行えるので、シリンダヘッド2の吸気側面の側方に配置されるEGR装置24を吸気マニホールド3に取り付けた状態で、支持台121の取付け作業及び取外し作業を実施でき、エンジン1の組み立て作業性及びメンテナンス性が向上する。
図1から図5及び図17〜図21に示すように、エンジン1は、シリンダヘッド2の排気側面に設けられる排気マニホールド4と、排気マニホールド4内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサ151を備える。排気圧力センサ151はシリンダヘッド2に取り付けられ、排気マニホールド4と排気圧力センサ151は、シリンダヘッド2内に設けた排気圧力バイパス経路153と、排気圧力バイパス経路153と排気マニホールド4をつなぐ排気圧力検出用配管154を介して接続されているので、排気圧力検出用配管154の熱をシリンダヘッド2で拡散できる。したがって、エンジン1は、排気マニホールド4及び排気圧力検出用配管154の熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止しながら、排気圧力検出用配管154の長さを短くできる。さらに、排気圧力検出用配管154の長さを短くすることで、排気圧力検出用配管154の信頼性が向上するとともに、排気圧力検出用配管154の配置が容易になり、設計工数の低減やエンジン1の製造性及び組立性の向上を図れる。さらに、エンジン1では、シリンダヘッド2内で、排気圧力バイパス経路153の近傍に冷却水路38が設けられているので、排気圧力バイパス経路153内のガス温度を効率よく低減できる。したがって、エンジン1は、排気圧力バイパス経路153内のガスから排気圧力センサ151に伝わる熱を許容範囲内に収めながら、排気圧力バイパス経路153を短くでき、シリンダヘッド2への排気圧力バイパス経路153の形成が容易になる。
エンジン1は、排気マニホールド4から排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気マニホールド3に戻すEGR装置24と、EGRガスを冷却するEGRクーラ27を備える構成である。シリンダヘッド2は、上記排気側面に交差するシリンダヘッド2の2側面のうち一方の側面に突設された一対のEGRクーラ連結部33,34を備え、冷却水路38は、一方のEGRクーラ連結部33内を通ってEGRクーラ37につながっており、排気圧力バイパス経路153は、EGRクーラ連結部33内を通っている。したがって、エンジン1は、排気圧力バイパス経路153内のガスを効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止できる。
さらに、排気圧力センサ151は、一対のEGRクーラ連結部33,34の間でシリンダヘッド2の上記一方の側面に突設された排気圧力センサ取付部152に取り付けられている。したがって、エンジン1は、排気圧力センサ151を効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサ151の故障や誤作動を防止できる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
(付記)
(付記1)
シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、該排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置において、
前記排気圧力センサは前記シリンダヘッドに取り付けられ、
前記排気マニホールドと前記排気圧力センサは、前記シリンダヘッド内に設けた排気圧力バイパス経路と、前記排気圧力バイパス経路と前記排気マニホールドをつなぐ排気圧力検出用配管を介して接続され、
前記シリンダヘッド内で、前記排気圧力バイパス経路の近傍に、冷却水路が設けられている、
エンジン装置。
(付記2)
前記排気マニホールドから排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気マニホールドに戻すEGR装置と、前記EGRガスを冷却するEGRクーラを備える構成であって、
前記シリンダヘッドは、前記排気側面に交差する前記シリンダヘッドの2側面のうち一方の側面に突設された一対のEGRクーラ連結部を備え、
前記冷却水路は、一方の前記EGRクーラ連結部内を通って前記EGRクーラにつながっており、
前記排気圧力バイパス経路は、前記一方のEGRクーラ連結部内を通っている、
付記1に記載のエンジン装置。
(付記3)
前記排気圧力センサは、前記一対のEGRクーラ連結部の間で前記シリンダヘッドの前記一方の側面に突設された排気圧力センサ取付部に取り付けられている、
付記2に記載のエンジン装置。
付記1に記載のエンジン装置は、シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、該排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置であって、排気圧力センサはシリンダヘッドに取り付けられ、排気マニホールドと排気圧力センサは、シリンダヘッド内に設けた排気圧力バイパス経路と、排気圧力バイパス経路と排気マニホールドをつなぐ排気圧力検出用配管を介して接続されているようにしたので、排気圧力検出用配管の熱をシリンダヘッドで拡散できる。したがって、本願発明のエンジン装置は、排気マニホールド及び排気圧力検出用配管の熱に起因する排気圧力センサの故障や誤作動を防止しながら、排気圧力検出用配管の長さを短くできる。そして、排気圧力検出用配管の長さを短くすることで、当該配管の信頼性が向上するとともに当該配管の配置が容易になり、設計工数の低減やエンジン装置の製造性及び組立性の向上を図れる。さらに、本願発明のエンジン装置では、シリンダヘッド内で、排気圧力バイパス経路の近傍に、冷却水路が設けられているので、排気圧力バイパス経路内のガス温度を効率よく低減できる。したがって、本願発明のエンジン装置は、排気圧力バイパス経路内のガスから排気圧力センサに伝わる熱を許容範囲内に収めながら、排気圧力バイパス経路を短くでき、熱に起因する排気圧力センサの故障や誤作動を防止しつつ、シリンダヘッドへの当該バイパス経路の形成が容易になる。
付記1に記載のエンジン装置において、例えば、排気マニホールドから排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気マニホールドに戻すEGR装置と、EGRガスを冷却するEGRクーラを備える構成であって、シリンダヘッドは、排気側面に交差するシリンダヘッドの2側面のうち一方の側面に突設された一対のEGRクーラ連結部を備え、冷却水路は、一方のEGRクーラ連結部内を通ってEGRクーラにつながっており、排気圧力バイパス経路は、上記一方のEGRクーラ連結部内を通っているようにすれば、排気圧力バイパス経路内のガスを効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサの故障や誤作動を防止できる。
さらに、排気圧力センサは、一対のEGRクーラ連結部の間でシリンダヘッドの一方の側面に突設された排気圧力センサ取付部に取り付けられているようにすれば、排気圧力センサを効率よく冷却でき、熱に起因する排気圧力センサの故障や誤作動を防止できる。
1 エンジン(エンジン装置)
2 シリンダヘッド
3 吸気マニホールド
4 排気マニホールド
30 二段過給機
51 高圧段過給機
52 低圧段過給機
59 高圧排気ガス配管(可撓性を有する配管)
131 低圧段過給機取付部
135 リブ
100 排気ガス浄化装置
116 排気ガス入口管(排気ガス浄化装置の排気入口)
19 ブローバイガス還元装置
70 ブローバイガス出口
63 低圧段新気入口(低圧段過給機の新気入口)
62 給気管
68 還元ホース

Claims (3)

  1. シリンダヘッドの排気側面に設けられる排気マニホールドと、該排気マニホールド内の排気ガス圧力を検出する排気圧力センサを備えるエンジン装置において、
    前記排気圧力センサは前記シリンダヘッドに取り付けられ、
    前記排気マニホールドと前記排気圧力センサは、前記シリンダヘッド内に設けた排気圧力検出経路を介して接続される、
    エンジン装置。
  2. 前記排気圧力検出経路と前記排気マニホールドとをつなぐ排気圧力検出用配管を備える、
    請求項1に記載のエンジン装置。
  3. 前記シリンダヘッド内で、前記排気圧力検出経路の近傍に冷却水経路が設けられている、
    請求項1に記載のエンジン装置。
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