JP2020023917A - 過給機用のコンプレッサハウジング - Google Patents

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知之 磯谷
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Abstract

【課題】ブレードの破損や変形を防止して圧縮効率の向上を図ることができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供する。【解決手段】過給機用のコンプレッサハウジング1は、ハウジング本体20、滑り部材30及び保持部40を備える。ハウジング本体20は、インペラ10を収容可能に構成された筒状の収容部21を有する。滑り部材30は収容部21に配設されるとともに、滑り部材30の内周面がインペラ10に対向するシュラウド面31を形成している。保持部40は、ハウジング本体20に対して滑り部材30を微動可能に保持している。【選択図】図1

Description

本発明は、過給機用のコンプレッサハウジングに関する。
自動車のターボチャージャ等の過給機に用いられるコンプレッサ(圧縮機)は、インペラを収容可能に構成されていると共に、インペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、インペラの外周側において周方向に形成され、インペラから吐き出された空気を導入するスクロール室と、インペラに対向するシュラウド面とを備えたコンプレッサハウジングを有している。
上記構成のコンプレッサにおいては、インペラのブレードとコンプレッサハウジングのシュラウド面との間の隙間をできる限り小さくすることで、コンプレッサの圧縮効率を高めることができる。
ところが、この隙間を小さくし過ぎると、例えば振動やインペラ回転軸の振れ等によってインペラのブレードがコンプレッサハウジングのシュラウド面に接触した場合に、インペラが損傷してしまうおそれがある。
そこで、従来、コンプレッサハウジングのシュラウド面を形成する部分にインペラのブレードよりも軟質な樹脂等で構成された滑り部材を取り付けた構造が提案されている(特許文献1)。
これによれば、振動やインペラ回転軸の振れ等によってインペラのブレードがコンプレッサハウジングのシュラウド面に接触しても、そのシュラウド面を形成する部分に取り付けた滑り部材が削れることによりインペラの破損や変形を防止し、インペラのブレードとコンプレッサハウジングのシュラウド面との間の隙間をおおよそ小さいままで維持される。
特開2014−070628号公報
しかしながら、更なる圧縮効率の向上を図るためにインペラのブレードとシュラウド面との隙間を一層小さくした場合や、万が一インペラの回転軸の振れが想定よりも大きくなった場合にはブレードが滑り部材を削る際の抵抗(切削抵抗)が過大となり、ブレードが破損や変形して、圧縮効率が低下するおそれがある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ブレードの破損や変形を防止して、更に圧縮効率の向上を図ることができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、インペラを収容可能に構成された筒状の収容部を有するハウジング本体と、
上記収容部の内周面と上記インペラの外周面との間に配設されるとともに、その内周面が上記インペラに対向するシュラウド面を形成する環状の滑り部材と、
上記ハウジング本体に対して上記滑り部材を微動可能に保持する保持部と、
を備える、過給機用のコンプレッサハウジングにある。
上記過給機用のコンプレッサハウジングによれば、滑り部材は微動可能に保持されているため、インペラのブレードが滑り部材に接触すると、これに起因して滑り部材に接触圧が生じて滑り部材がインペラから逃げる方向に動く。これにより、滑り部材の切削抵抗を小さくすることができる。その結果、ブレードの破損や変形を防止して、圧縮効率の低下を防ぐことができる。そして、滑り部材とインペラのブレードとの隙間を更に小さくすることができるため、圧縮効率の向上を図ることができる。
以上のごとく、本発明によれば、ブレードの破損や変形を防止して、更に圧縮効率の向上を図ることができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供することができる。
実施例1における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面図。 実施例1における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面斜視図。 図1における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図。 図1における、IV-IV線位置での断面図。 (a)変形例1における過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図、(b)変形例2における過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図。 変形例3における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面斜視図。 変形例3における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図。 変形例4における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面図。 図8における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図。 図8における、XII-XII線位置での断面図。 実施例2における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面図。 実施例2における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面斜視図。 実施例2における、過給機用のコンプレッサハウジングの断面拡大図。
上記保持部は、上記滑り部材と上記収容部との間に介在されるとともに、径方向及び軸方向に弾性変形可能な弾性部材を含むことが好ましい。この場合には、簡易な構成で保持部を形成することができ、構成の簡素化に寄与する。そして、当該弾性部材が径方向及び軸方向に弾性変形可能なため、滑り部材がインペラから逃げる方向に動きやすくなっており、滑り部材の切削抵抗をより小さくすることができる。
上記弾性部材はOリングからなり、該Oリングの内周部の周方向全域が上記滑り部材の外周面に当接しているとともに、上記Oリングの外周部の周方向全域が上記収容部の内周面に当接していることとすることができる。この場合は、滑り部材の外周面と収容部の内周面との間がOリングによってシールされるため、滑り部材の外周面と収容部の内周面との間に圧縮空気が流通して圧縮空気が吸気側に戻ることが防止されることから、圧縮効率の低下が発生することはない。
上記Oリングは、上記滑り部材の外周面と上記収容部の内周面にそれぞれ形成された溝部に嵌め込まれていることが好ましい。この場合には、両方の溝部に嵌り込んだOリングによって、滑り部材が軸方向において位置決めされるとともに、軸方向に移動することが規制されるため、簡易な構成で滑り部材を抜け止めすることができる。
上記保持部は、上記収容部の内周面に沿ってリング状に形成されるとともに上記収容部に軸方向に沿って圧入されたリング状部材を含み、上記収容部は、上記リング状部材の圧入方向前側面に対向する対向面を有し、上記圧入方向前側面と上記対向面との間に空間部が形成されており、上記滑り部材は、径方向外側に突出した鍔部を有し、該鍔部は上記空間部に遊嵌されていることとすることができる。この場合は、リング状部材によって滑り部材が微動可能な状態で確実に抜け止めすることができる。
上記滑り部材は、上記シュラウド面の一部を形成するとともに、上記保持部に微動可能に保持された第1滑り部材と、上記シュラウド面の他の部分を形成するとともに上記収容部内における上記第1滑り部材よりも吸気側と反対側の位置に固定されて上記第1滑り部材が吸気側と反対側に移動することを規制する第2滑り部材とを含む構成とすることができる。この場合には、インペラの破損や変形が生じやすい吸気側に位置する第1滑り部材が微動可能となっているため、インペラの破損や変形を効果的に防止することができる。
上記第1滑り部材と上記第2滑り部材との間には上記シュラウド面に開口したスリットが形成されており、該スリットから上記第1滑り部材と上記収容部の間の空間を介して上記第1滑り部材の吸気側に吸気を戻す還流通路が形成されていることが好ましい。この場合は、還流通路により、滑り部材の軸方向の中間部の空気をインペラ入口近傍に戻すことができるため、コンプレッサのサージ領域を縮小してコンプレッサ作動範囲を拡大することができる。
(実施例1)
上記過給機用のコンプレッサハウジングの実施例につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例の過給機用のコンプレッサハウジング1(以下、「コンプレッサハウジング1」ともいう)は、図1に示すように、ハウジング本体20、滑り部材30及び保持部40を備える。
ハウジング本体20は、インペラ10を収容可能に構成された筒状の収容部21を有する。
滑り部材30は、収容部21に配設されるとともに、内周面がインペラ10に対向するシュラウド面31を形成している。
保持部40は、ハウジング本体20に対して滑り部材30を微動可能に保持している。
以下、本例のコンプレッサハウジング1について詳述する。
図1に示すコンプレッサハウジング1は、自動車のターボチャージャ(過給機)に用いられるコンプレッサ(圧縮機)の外殻を形成するものである。なお、本例では、軸方向をXとして、軸方向Xのうち、インペラ10から吸気口11に向かう方向を吸気側方向X1又はX1方向とし、インペラ10からセンターハウジング2に向かう方向をセンターハウジング方向X2又はX2方向とする。また、インペラ10の軸心10aに直交するとともに、軸心10aを中心とする円の半径方向を径方向Yとする。
ハウジング本体20は、アルミニウム製の重力鋳造品により構成されており、図1、図2に示すように、吸気口11、吸気通路12及びスクロール室13を備えている。
吸気口11及び吸気通路12は、筒状を成している筒状部23によって形成されている。スクロール室13は、インペラ10の外周側において周方向に形成され、インペラ10から吐き出された空気を導入するように構成されている。
図1、図2に示すように、収容部21は略筒状に形成されて、その内側にインペラ10が収容されている。収容部21の内周面とインペラ10の外周面との間には滑り部材30が配置されている。図3に示すように、収容部21は後述の滑り部材30の円筒部35が配置される円筒収容部25と、滑り部材30の拡径部36が配置される拡径収容部26とを有する。
滑り部材30の形成材料は、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等を採用することができ、本例ではポリイミド樹脂である。図1、図2、図3に示すように、滑り部材30は、環状を成しており、その内周面の全域がインペラ10に対向するシュラウド面31を形成している。さらに、図3に示すように、滑り部材30は、筒状の円筒部35と、円筒部35のX2方向の端部に径方向外側に拡径されて形成された拡径部36とを備える。拡径部36は滑り部材30の全周方向に形成されている。
図3、図4に示すように、円筒部35の外周面351と、収容部21における円筒収容部25の内周面251との間に保持部40が設けられている。本例では、保持部40は、径方向Y及び軸方向Xに弾性変形可能な弾性部材としてOリング41を設定している。Oリング41は滑り部材30よりも柔らかい高弾性材料からなり、本例ではフッ素ゴムからなる。本実施例では、図3に示すように、滑り部材30の外周面351に断面円弧状の溝部352が周方向に形成されており、収容部21の内周面251に断面円弧状の溝部252が周方向に形成されている。そして、両方の溝部352、252にOリング41が跨って嵌め込まれている。溝部352、252の断面の円弧を規定する円の半径はOリング41の断面の円の半径よりも大きい。そして、図4に示すように、Oリング41の内周部41aの周方向全域が滑り部材30の外周面351の溝部352に当接しており、Oリング41の外周部41bの周方向全域が収容部21の内周面251の溝部252に当接している。
そして、図3に示すように、滑り部材30はOリング41にのみ接しており、滑り部材30における円筒部35の外周面351及び拡径部36の外周面361はいずれも、収容部21における円筒収容部25の内周面251及び拡径収容部26の内周面261から離間して隙間43が形成されている。これにより、滑り部材30は、隙間43における径方向Yの大きさd1の範囲で径方向Yへの移動が許容されているとともに、隙間43における軸方向Xの大きさd2の範囲で軸方向Xへの移動も許容されている。これにより、滑り部材30は径方向Yと軸方向Xとを組み合わせた斜め方向への移動も許容されている。
図1に示すように、ハウジング本体20のX2方向には、センターハウジング2が位置しており、センターハウジング2のハウジング本体20に対向する端面2aとハウジング本体20との間には、インペラ10側からスクロール室13へつながる流体通路となるディフューザ部14が形成されている。ハウジング本体20において、端面2aと対向する面がディフューザ面24となっている。
また、図1に示すように、インペラ10は、ハウジング本体20に形成された収容部21に配置されており、回転軸15に取り付けられて軸心10aを中心に回転可能となっている。また、インペラ10は、ハブ16と、その外周面から周方向に並んで突出した複数のブレード17とを備える。滑り部材30のシュラウド面31に対向して複数のブレード17が配置されている。
本例の過給機用のコンプレッサハウジング1を備えるコンプレッサでは、図1に示すように、インペラ10の回転により、吸気口11から吸気通路12を通じて吸い込まれた給気は、インペラ10のブレード17によって加速されてディフューザ部14に送られる。そして、当該給気は、ディフューザ部14において昇圧されて、スクロール室13へと送り込まれる。
次に、本例の過給機用のコンプレッサハウジング1における作用効果について、詳述する。
本例の過給機用のコンプレッサハウジング1では、滑り部材30は微動可能に保持されているため、インペラ10のブレード17が滑り部材30に接触すると、これに起因して滑り部材30に接触圧が生じて滑り部材30がインペラ10から逃げる方向に動く。これにより、滑り部材30の切削抵抗を小さくすることができる。その結果、ブレード17の破損や変形を防止して、圧縮効率の低下の防止を図ることができる。そして、滑り部材30とインペラ10のブレード17との隙間を更に小さくすることができるため、圧縮効率の向上を図ることができる。
また、本例では、保持部40は、滑り部材30と収容部21との間に介在されるとともに、径方向Y及び軸方向Xに弾性変形可能な弾性部材であるOリング41を含む。これにより、簡易な構成で保持部40を形成することができ、構成の簡素化に寄与する。そして、弾性部材であるOリング41が径方向Y及び軸方向Xに弾性変形可能なため、滑り部材30がインペラ10から逃げる方向に動きやすくなっており、滑り部材30の切削抵抗をより小さくすることができる。
また、本例では、弾性部材はOリング41からなり、Oリング41の内周部41aの周方向全域が滑り部材30における外周面351の溝部352に当接しているとともに、Oリング41の外周部41bの周方向全域が収容部21における内周面251の溝部252に当接している。滑り部材30の溝部352と収容部21の溝部252との間がOリング41によってシールされるため、滑り部材30の外周面351と収容部21の内周面251との間に圧縮空気が流通して圧縮空気が吸気側に戻ることが防止されるため、圧縮効率の低下が発生しない。
なお、本例では、保持部40として、一つのOリング41が備えられることとしたが、これに限らず、複数のOリング41が備えられていてもよい。
また、実施例1ではOリング41は、滑り部材30の外周面351と収容部21の内周面251にそれぞれ形成された溝部352、252に嵌め込まれている。これにより、両方の溝部352、252に跨って嵌り込んだOリング41によって、滑り部材30が軸方向Xにおいて位置決めされるとともに、軸方向Xに移動することが規制されるため、簡易な構成で滑り部材30を抜け止めすることができる。
また、本実施例では、図3に示すように、滑り部材30の外周面351及び収容部21の内周面251に設けられた溝部352、252はいずれも断面円弧状をなしているが、これに限らず、図5(a)に示す変形例1のように、滑り部材30の外周面351に設けられた溝部352を断面V字状にするとともに、収容部21の内周面251に設けられた溝部252を断面円弧状にしてもよい。また、図5(b)に示す変形例2のように、滑り部材30の外周面351に設けられた溝部352を断面円弧状にするとともに、収容部21の内周面251に設けられた溝部252を断面V字状にしてもよい。これにより、断面V字形状をなす溝部352(252)において、Oリング41が軸方向Xに位置ズレするのを防止することができる。
また、本実施例では、上述のごとくOリング41によって滑り部材30の抜け止めを行う構成を採用したが、これに加えて、図6、図7に示す変形例3のように、保持部40が、弾性部材としてのOリング41と、滑り部材30を径方向Yに移動可能な状態で抜け止めするリング状部材46とからなることとしてもよい。これにより、万が一、Oリング41が破断した場合でも、リング状部材46により滑り部材30がハウジング本体20から抜け落ちることが防止されるため、ターボチャージャ本体やエンジン本体への影響を最小限にすることができる。
当該変形例3では、図7に示すように、滑り部材30の拡径部36には、更に径方向外側に突出した鍔部32が備えられる。本例では、鍔部32は拡径部36の全周において形成されている。
リング状部材46は、ハウジング本体20と同様にアルミニウム製である。図7に示すように、リング状部材46は、滑り部材30の拡径部36の径方向外側に配置されるとともに、拡径収容部26に圧入される。そして、収容部21は、リング状部材46の外周面463に圧接される内周面261と、リング状部材46の圧入方向前側面462に対向する対向面262とを有する。リング状部材46はX1方向前側に切り欠き部461を有しており、リング状部材46の圧入方向前側面462は対向面262に当接するとともに、切り欠き部461を介してリング状部材46と対向面262との間に空間部465が形成されている。そして、滑り部材30は、滑り部材30の径方向外側に突出する鍔部32を有しており、該鍔部32は空間部465に遊嵌されている。
図7に示すように、滑り部材30は、リング状部材46が拡径収容部26に圧入されるとともに鍔部32が空間部465に遊嵌された状態で収容部21に配設されているため、滑り部材30はリング状部材46により所定量以上軸方向Xに移動することが規制されて確実に抜け止めされる。そして、滑り部材30の円筒部35と収容部21との間にはOリング41が設けられており、これにより、滑り部材30は微動可能となっている。その結果、当該変形例3においても、実施例1の場合と同様の作用効果を奏する。
また、実施例1では、図3、図4に示すように保持部40が弾性部材としてOリング41を含むこととしたが、これに替えて、図8、図9、図10に示す変形例4のように、保持部40が弾性部材としてバネ42を含むこととしてもよい。当該変形例4では、バネ42はつるまきバネであって、径方向Y及び軸方向Xに弾性変形可能に構成されている。図10に示すように、バネ42は軸心10aを中心として90°間隔で4か所に設けられている。そのため、滑り部材30の外周面351と収容部21の内周面251との間において隣り合うバネ42の間には隙間44が形成されている。そして、隙間44及びバネ42自体の隙間を介して、図9に示すように隙間43が滑り部材30の翼出口側から翼入口側まで連通して、圧縮空気を翼入口側に還流させる還流通路45が形成されている。
図8〜図10に示す変形例4では、保持部40としてOリング41が使用されることによる作用効果を除いて実施例1と同等の作用効果を奏する。さらに、還流通路45により、圧縮空気を滑り部材30の翼入り口側に還流させることができるため、コンプレッサのサージ領域を縮小してコンプレッサ作動範囲を拡大することができる。
以上のごとく、本実施例及び各変形例によれば、ブレード17の破損や変形を防止して、圧縮効率の向上を図ることができる過給機用のコンプレッサハウジング1を提供することができる。
(実施例2)
本例では、実施例1の場合に替えて、図11〜図13に示すように、滑り部材30が、第1滑り部材321と第2滑り部材322とからなる。第1滑り部材321はシュラウド面31の一部を形成するとともに保持部40により微動可能に保持されている。第2滑り部材322は、シュラウド面31の他の部分を形成するとともに収容部21内の第1滑り部材321よりもX2方向の位置に固定されている。そして、第2滑り部材322は第1滑り部材321がX2方向に所定量以上移動することを規制している。なお、本例において実施例1及び変形例1〜4と同等の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図11、図12に示すように、第1滑り部材321は円筒形をなしており、収容部21の円筒収容部25に配設されている。図13に示すように、第1滑り部材321と収容部21との間に保持部40として弾性部材であるバネ42が設けられている。第1滑り部材321はバネ42にのみ当接しており、第1滑り部材321は微動可能となっている。
一方、第2滑り部材322は図11、図12に示すように、リング状部材46内に圧入され、リング状部材46は収容部21の拡径収容部26内に圧入されている。これにより、図13に示すように、滑り部材30の鍔部32がリング状部材46の圧入方向前側面462と対向面262とによって挟持されている。なお、鍔部32の外縁と拡径収容部26の内周面261とは離間して両者の間に空間部464が形成されている。
図13に示すように、第1滑り部材321と第2滑り部材322とは互いに軸方向Xに離間しており、両者の間にスリット431が形成されている。また、第1滑り部材321は収容部21の吸気側端面27とも離間して両者の間に隙間432がされている。そして、滑り部材30の軸方向Xの中間部に位置するスリット431とインペラ入口近傍に位置する隙間432とバネ42内とが連通している。これにより、矢印Fで示すように、第1滑り部材321と第2滑り部材322との間のスリット431から、第1滑り部材321と収容部21の間の空間を介して第1滑り部材321よりも吸気側の吸気通路12に吸気を戻す還流通路45が形成されている。
本例の過給機用のコンプレッサハウジング1によれば、滑り部材30は、保持部40としてのバネ42により微動可能に保持された第1滑り部材321と、第1滑り部材321よりもX2方向の位置に固定されて第1滑り部材321がX2方向に移動することを規制する第2滑り部材322とを含む。これにより、インペラ10の破損や変形が生じやすい吸気側に位置する第1滑り部材321が微動可能となっているため、インペラ10の破損や変形を効果的に防止することができ、圧縮効率の更なる向上を図ることができる。なお、本例においても実施例1と同等の作用効果を奏することができる。
また、本例では還流通路45により、滑り部材30の軸方向Xの中間部の空気をインペラ入口近傍に戻すことができるため、コンプレッサのサージ領域を縮小してコンプレッサ作動範囲を拡大することができる。
本発明は上記各実施例及び各変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施例に適用することが可能である。
1 コンプレッサハウジング
10 インペラ
10a 軸心
13 スクロール室
20 ハウジング本体
21 収容部
24 ディフューザ面
30 滑り部材
31 シュラウド面
32 鍔部
40 保持部
41 Oリング
42 バネ
46 リング状部材

Claims (7)

  1. インペラを収容可能に構成された筒状の収容部を有するハウジング本体と、
    上記収容部の内周面と上記インペラの外周面との間に配設されるとともに、その内周面が上記インペラに対向するシュラウド面を形成する環状の滑り部材と、
    上記ハウジング本体に対して上記滑り部材を微動可能に保持する保持部と、
    を備える、過給機用のコンプレッサハウジング。
  2. 上記保持部は、上記滑り部材と上記収容部との間に介在されるとともに、径方向及び軸方向に弾性変形可能な弾性部材を含む、請求項1に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
  3. 上記弾性部材はOリングからなり、該Oリングの内周部の周方向全域が上記滑り部材の外周面に当接しているとともに、上記Oリングの外周部の周方向全域が上記収容部の内周面に当接している、請求項2に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
  4. 上記Oリングは、上記滑り部材の外周面と上記収容部の内周面のそれぞれに形成された溝部に嵌め込まれている、請求項3に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
  5. 上記保持部は、上記収容部の内周面に沿ってリング状に形成されるとともに上記収容部に軸方向に沿って圧入されたリング状部材を含み、
    上記収容部は、上記リング状部材の圧入方向前側面に対向する対向面を有し、上記圧入方向前側面と上記対向面との間に空間部が形成されており、
    上記滑り部材は径方向外側に突出した鍔部を有し、
    該鍔部は上記空間部に遊嵌されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
  6. 上記滑り部材は、上記シュラウド面の一部を形成するとともに上記保持部に微動可能に保持された第1滑り部材と、上記シュラウド面の他の部分を形成するとともに上記収容部における上記第1滑り部材よりも吸気側と反対側の位置に固定されて上記第1滑り部材が吸気側と反対側に移動することを規制する第2滑り部材とを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
  7. 上記第1滑り部材と上記第2滑り部材との間には上記シュラウド面に開口したスリットが形成されており、該スリットから上記第1滑り部材と上記収容部の内周面との間の空間を介して上記第1滑り部材の吸気側に吸気を戻す還流通路が形成されている、請求項6に記載の過給機用のコンプレッサハウジング。
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