JP2020023177A - 液体吐出ヘッド、ヘッドユニット、液体を吐出する装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、ヘッドユニット、液体を吐出する装置、及び、液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクドットの吐出スピードを上げてインクが直進する距離を延ばすことが可能な液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】 インクを吐出する吐出口2に向けて、移動可能に形成された弁体6を押圧することによりインクの吐出を制御する液体吐出ヘッド1において、弁体6の吐出口2に対向する位置に凹部6Bが配置されている。これにより、インクドットが直進する距離を長く、即ち、液体吐出ヘッド1と被塗装物までの距離を大きくすることができる。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、ヘッドユニット、液体を吐出する装置、及び、液体吐出方法に関する。
車体等に塗装や印字を行う塗装装置の液体吐出ヘッドとして、例えば、特許文献1に示す弁型ノズルを用いたものがある。この液体吐出ヘッドでは、弁を開閉する駆動手段として電磁駆動機構を利用したものであるが、弁の駆動速度(開閉速度)を上げるために、ピエゾ駆動機構を利用したものもある。
ここで、図10(a)は従来の液体吐出ヘッドのオープン時を示す断面図、図10(b)は従来の液体吐出ヘッドのクローズ時を示す断面図である。図示された従来の液体吐出ヘッド100は、先端に吐出口102を有し、側壁にインク注入口103を備えた筐体101と、吐出口102に対向するようにして筐体101の内部に往復動可能に配置され、且つ、Oリング104でシールされた状態で筐体101内に配置された弁体105と、弁体105に連結された状態で筐体101に収納された圧電型のアクチュエータ106と、アクチュエータ106に接続された電源供給用の一対のリード107a,107bとを備えて構成されている。そして、従来の液体吐出ヘッド100のインクの吐出口102に対向する弁体105の先端は摩耗を避けるためのタングステン等を含む超硬合金で形成されている。
図10(a)に示すように、弁体105が吐出口102から離れているとき、弁体105の先端部の周囲にはインク注入口103から注入されたインクがインク室108に満たされている。この状態でアクチュエータ106が駆動されると、アクチュエータ106が伸長して弁体105が吐出口102の方向へ移動する過程で弁体105に面するインクが押圧されて吐出口102に押し出され、図10(b)に示すように、インクドットが吐出口102から吐出される。
特許第4123897号公報
しかしながら、上述した従来の液体吐出ヘッドは、インクドットの吐出スピードが遅いためにインクドットの直進する距離が短く、液体吐出ヘッドと被塗装体との距離をとりたい用途には使いづらいという問題がある。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、従来の液体吐出ヘッドよりもインクドットの直進する距離を延伸することが可能な液体吐出ヘッド、ヘッドユニット、液体を吐出する装置、及び、液体吐出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、液体を吐出する吐出口に向けて、移動可能に形成された弁体を押圧することにより液体の吐出を制御する液体吐出ヘッドにおいて、前記弁体の前記吐出口に対向する位置に凹部が配置されている。
本発明に係る液体吐出ヘッド、ヘッドユニット、及び、液体を吐出する装置によれば、インクドットの直進する距離を延ばすことができるという効果がある。
実施形態に係る液体を吐出する装置の一例としてのインクジェットプリンタの構成を示す構成図 プリント対象である自動車に対する図1に示すインクジェットプリンタの配置例を示す説明図 プリント対象の自動車に対する図1に示すインクジェットプリンタの他の配置例を示す説明図 インクジェットプリンタで球面に画像をプリントした場合の説明図 実施形態に係る液体吐出ヘッドの主要部の断面図 図5中のA−A断面図であり、弁体の先端部を含む断面図 図5中のB−B断面図であり、封止部材を含む断面図 図5中の吐出口の近傍の拡大断面図 実施形態に係る液体吐出ヘッドと、従来の液体吐出ヘッドの各インクドットの到達距離を示す説明図 従来の液体吐出ヘッドの断面図 実施形態に係るヘッドユニットの断面図 液体供給系の説明図 液体吐出動作のフローチャート
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又はこの液体吐出ヘッドを有するヘッドユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させる要素(液体吐出ヘッド移動機構)を備えるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
本願において、「ヘッドユニット」は、少なくとも1つの液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに液体を供給する液体供給路と、液体供給路に液体を供給する液体供給口と、を有する装置である。
まず図1〜図4を参照して、実施形態に係る液体吐出ヘッドが適用される液体を吐出するための装置の一例として、インクジェットプリンタ201の構成について説明する。図1は、実施形態に係る液体を吐出する装置の一例としてのインクジェットプリンタ201の構成を示す構成図である。図2は、プリント対象である自動車Mに対する図1に示すインクジェットプリンタ201の配置例を示す説明図である。図3は、プリント対象の自動車Mに対する図1に示すインクジェットプリンタ201の他の配置例を示す説明図である。図4は、インクジェットプリンタで球面に画像をプリントした場合の説明図である。図4(a)は、インクジェットプリンタ201で球面に画像をプリントした場合の説明図、図4(b)は、球面に四角形をプリントした場合の結果を示す説明図、図4(c)は、球面にインクジェットプリンタ201で四角形を連続してプリントした場合の説明図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ201は、概略として、インクジェット方式によるプリントヘッド202と、プリントヘッド202の近傍に配設された撮影手段としてのカメラ204と、プリントヘッド202及びカメラ204をX方向及びY方向へ移動させるX−Yテーブル203と、カメラ204で撮影した画像を編集する画像編集ソフトウエアS及び予め設定した制御プログラムに基づいてX−Yテーブル203を動作させてプリントヘッド202からインクを吐出して被プリント面に対するプリントを制御する制御部209と、制御部209からの制御に基づいてカメラ204及びプリントヘッド202を所定の位置に位置させて撮影やプリントの動作を行う駆動部211を備えて構成されている。
プリントヘッド202は、被塗装物Mの被塗装面に向けてインク(液体)を吐出する、液体吐出ヘッドとしての複数の弁型ノズルを備えて構成されている。尚、ここでいう「インク」には「塗料」も含まれるものとする。インクは各弁型ノズルからプリントヘッド202に対して垂直に吐出される。即ち、プリントヘッド202のインクの吐出面は、X−Yテーブル203の移動によって形成されるXY平面と平行であり、各弁型ノズルから吐出されるインクドットはX−Y平面に対して垂直な方向に吐出される。また、各弁型ノズルから吐出されるインクの吐出方向はそれぞれ平行に吐出される。各弁型ノズルは、それぞれ所定の色のインクタンクと連結され、インクタンクは図示しない加圧装置によって加圧されており、各弁型ノズルと被塗装物Mのプリント面との距離は20cm程度であれば問題なくインクドットをプリント面に吐出することができるようになっている。
X−Yテーブル203は、概略として、直線移動機構を備えて形成されたX軸205と、X軸205を2つのアームで保持しつつX軸をY方向へ移動するY軸206を備えて構成されており、X軸の図示しないスライダにプリントヘッド202及び後述するカメラ204が取り付けられている。また、Y軸206にはシャフト207が設けられており、このシャフト207をロボットアーム208で保持することで、プリントヘッド202を被塗装物Mに対してプリントを行うべき所定位置に自由に配置できるようになっている。例えば、被塗装物Mが自動車である場合に、図3に示すような横位置に配置したり、図2に示すような上部に配置したりすることができる。尚、ロボットアーム208は、予め制御部209に格納されたプログラムに基づいてその動作が制御される。
カメラ204は、プリントヘッド202の近傍であるX軸205の図示しないスライダに配設されてX−Y方向に移動しながら被塗装物Mの被プリント面の所定の範囲を一定の微小な間隔で撮影を行う。カメラ204はいわゆるデジタルカメラであり、上述のように、被プリント面の所定の範囲について複数の細分割画像の撮影が可能なレンズの仕様や解像度等の仕様が適宜に選択される。カメラ204による被プリント面の複数の細分割画像の撮影については、制御部209に予め設けられたプログラムに従って連続的、且つ、自動的に行われる。
制御部209は、各種のプログラム及び撮影済みの画像のデータやプリントすべき画像のデータ等を記録保存する記憶装置、プログラムに従って各種の処理を実行する中央処理装置、キーボードやマウス等の入力装置、必要に応じてDVDプレイヤー等を備えたいわゆるマイクロコンピュータによって構成され、さらにモニタ210を備えており、制御部209への入力情報や制御部209による処理結果等を表示する。制御部209は、カメラ204で撮影された複数の細分割画像データを、画像処理ソフトを用いて画像処理を行い、平面ではない被塗装物Mの被プリント面を平面に投影した合成プリント面の生成を行うと共に、既に被プリント面にプリント済み画像に連続するようにプリントされるべき画像である描画対象画像Aを合成プリント面に重ね、プリント済み画像の縁端部と連続するように描画対象画像Aの編集を行うことにより描画対象編集画像Bの生成を行う。例えば、図4(c)に示したプリント画像302b(描画対象画像Aに相当)について、隣接するプリント画像302aとの間に非プリント領域303が形成されないようにプリント画像302bを合成プリント面に整合するように編集(変形)することにより描画対象編集画像Bを生成する。そして、この描画対象編集画像Bに基づいて実際にプリントヘッド202によってプリントすることでプリント済みのプリント画像302aとの間に隙間なくプリント画像302bをプリントすることが可能となる。尚、カメラ204による複数の細分割画像の撮影やプリントヘッド202の各ノズルからのインクの吐出によるプリントの実施は制御部209によって動作制御された駆動部211によって行われる。
なお、図4(a)では、球状物の被塗装物301の表面(球面)にインクジェットノズルによって二次元の四角形をプリントするような場合に、ノズルヘッド300に搭載された各インクジェットノズルから噴射されるインクの吐出方向が図示されている。図4(b)では、ノズルヘッド300に搭載された各インクジェットノズルから噴射されるインクはノズルヘッド300に対して垂直方向に吐出されるので、被塗装物301の表面にプリントされたプリント画像302aが、周辺が歪んだ形状の四角形となることが図示されている。
[液体吐出ヘッドの構成]
以下、実施形態に係る液体吐出ヘッド1について詳細に説明する。図5は、実施形態に係る液体吐出ヘッド1の実施形態の主要部の断面図である。図5(a)は、吐出口2に弁体6が接触する直前の状態を示す断面図、図5(b)は、弁体6が吐出口2に接触した状態を示す断面図、図5(c)は、弁体6の先端部6Aが圧縮された状態を示す断面図である。図6は、図5中のA−A断面図であり、弁体6の先端部6Aを含む断面図である。図7は、図5中のB−B断面図であり、封止部材7を含む断面図である。
図5に示すように、液体吐出ヘッド1は、概略として、先端にインクを吐出する吐出口2が設けられると共に、吐出口2の近傍にインクを注入する注入口3が設けられた中空状のノズル本体4と、ノズル本体4に内蔵され、外部からの電圧の印加に応じて伸縮(図5(a)〜(c)の左右方向へ伸縮)するアクチュエータ(圧電素子)5と、吐出口2を開閉する弁体6と、弁体6に外嵌されてインクがアクチュエータ5側へ流入することを阻止する封止部材7と、アクチュエータ5に接続された電源供給用の一対のリード線8a,8bとを備えて構成されている。
ノズル本体4は、全体として円筒状又はや角筒状に形成され、吐出口2及び注入口3以外は閉塞されている。吐出口2はノズル本体4の先端に穿設された小さな開口であり、インクドットが吐出されるようになっている。より詳細には、ノズル本体4はその延在方向の一端が端壁4A(図8参照)により封止されており、吐出口2はこの端壁4Aに貫通して設けられている。以下の説明では、端壁4Aの内面を吐出面2B(図8参照)とも呼ぶ。注入口3は、吐出口2の近傍のノズル本体4の側面に設けられ、インクタンク23(図12参照)と接続されるとともに加圧手段28(図12参照)によって連続的にインク(または塗料)がインク室9に供給されるようになっている。なお、加圧手段28を含む液体供給系21については図12を参照して後述する。
アクチュエータ5はピエゾ素子(Piezoelectric element)であり、ジルコニアセラミックス等を用いて形成されている。その形状等は吐出されるインクドットの量等に応じて適宜設定される。そして、アクチュエータ5は、制御部209(図1参照)により制御される所定の波形の電圧が連続的に印可されることによって動作する。また、封止部材7はパッキン、Oリング等であり、これを弁体6に外嵌することで、注入口3側からアクチュエータ5側へインクが流入するのを防止している。図7に示すように、封止部材7は、ノズル本体4の内周面と、弁体6の外周面との間の隙間を封止するよう設けられている。
図6に示すように、弁体6はノズル本体4の内側形状に添った形状(本実施形態では円柱状)を成し、吐出口2側の一部、即ち先端部6Aが弾性樹脂(例えばフッ素樹脂、具体的には「テフロン(Teflon)」:デュポン株式会社登録商標)によって構成されており、さらに、図5、図6に示すように、先端部6Aの吐出口2に対向する部位にはインク溜まりとなる凹部6Bが形成されている。凹部6Bは吐出口2を覆う大きさ、即ち、吐出口2の口径よりも大きな開口径を有する形状とされている。尚、弁体6の動作については後述する。
図8は、図5中の吐出口2の近傍の拡大断面図である。図6、図8に示すように、凹部6Bの開口径をノズル口径(吐出口2の口径)よりも大きくすることで、より吐出性能(速度、量、直進性など)を向上でき、ノズル内側エッジ2Aの摩耗をなくすことができる。ノズル内側エッジ2Aが摩耗してしまうと、上手くニードル(弁体6)で吐出口2を閉じることができずにインク漏れを起こす可能性がある。また、ノズル内側エッジ2Aの両側(図8の上下方向に対向する一対の部分)の削れ具合が非対称になった場合は、吐出口2に入り込むインクの流れが不均一になって吐出曲がりに繋がる可能性がある。本実施形態では、ノズル内側エッジ2Aの摩耗を防止できるので、これらの問題の発生を回避できる。
そして、液体吐出ヘッド1を備えた塗装装置は、それぞれ異なる色のインクを吐出する液体吐出ヘッド1を複数並列配置することによって構成される。
[液体吐出ヘッド1の動作]
次に、上述した液体吐出ヘッド1の動作について説明する。アクチュエータ5に電圧が印可されていない状態ではアクチュエータ5は変形しない通常状態にあり、図5(a)に示すように、弁体6の先端部6Aと吐出口2との間にはギャップgが生じている。この状態では吐出口2に加圧力が付与されておらず、また、吐出口2の長さに対して、吐出口2の口径が十分小さいため、吐出口2からインクが吐出されることはない。
次に、アクチュエータ5に所定の電圧が印可されると、その長さ方向(図5の左右方向)に変形(伸び)が生じる。アクチュエータ5の一端はノズル本体4に固定されているために弁体6側が伸びて弁体6が押圧されることによって、インクドットが吐出されつつ、図5(b)に示すように弁体6の先端部6Aの端面が吐出面2Bに接触する。このとき、先端部6Aの凹部6B内にはインクが収容された状態になっている。
先端部6Aが弾性樹脂で構成されていることから、図5(c)に示すように、弁体6がさらに押圧されることによって、先端部6Aはさらに押し潰される如くに変形する。これにより凹部6Bの体積が減少するのに伴って弁体6がインクを押圧して、凹部6B内にあるインクが押し出され、吐出口2からインクドットが吐出される。その際、弾性樹脂、即ち先端部6Aの変形が瞬時(例えば50μs)に行われるため、凹部6B内のインクは高速(具体的には約10m/秒)で吐出され、インクドットの飛翔距離、特にインクドットが直進する距離を長くすることができる。因みに、従来の弁型インクジェットノズルの吐出速度は、上述のように5〜6m/秒である。また、凹部6B内のインクが吐出されるので従来の弁型インクジェットノズルよりもインクの吐出量が増える。
[ヘッドユニットの構成]
図11を参照して、上記の液体吐出ヘッド1が適用されるヘッドユニット11の構成を説明する。図11は、実施形態に係るヘッドユニット11の断面図である。
図11に示すように、ヘッドユニット11は、複数(図11の例では8本)の液体吐出ヘッド1と、液体吐出ヘッド1にインク(液体)を供給する液体供給路12と、液体供給路12にインクを供給する液体供給口13と、液体供給路12からインクを排出する液体排出口14と、を有する。
複数の液体吐出ヘッド1の基本的な構成は、図5〜図8を参照して説明したものと同様であり、図11でも対応する要素について同一の符号を用いている。
図11のヘッドユニット11では、8本の液体吐出ヘッド1が、それぞれの吐出口2が一方向(図11では左右方向)に略等間隔で配列されるように設けられている。液体吐出ヘッド1のそれぞれは、図中下部の吐出口2からインクを下方に吐出するように上下方向に延在して設けられている。図11の各液体吐出ヘッド1は、図5の状態から吐出口2側を中心として反時計回りに略90°回転されている。
8本の液体吐出ヘッド1の配列方向の一方側(図11では左側)から他方側(図11では右側)にインクが流れるように、各液体吐出ヘッド1のインク室9を貫通して液体供給路12が設けられている。つまり、個々の液体吐出ヘッド1では、注入口3の反対側に排出口15が設けられる点が、図5の構成と異なる。
図11のヘッドユニット11では、通常時には液体排出口14は弁などで閉じられている。液体排出口14はヘッドユニット11のクリーニング時等に弁を開放して、これによりヘッドユニット内部のクリーニングをし易くできるよう構成されている。また通常時には、液体供給口13からインクが供給され、図11に示すように液体供給路12にインクが充填されている状態となっている。
[液体供給系の構成]
次に、液体吐出ヘッド1に対する液体供給系21について図12を参照して説明する。図12は、液体供給系21の説明図である。
ここでは、各液体吐出ヘッド1(1A〜1C)から吐出する各色の液体22が収容された密閉容器としての液体タンク23(23A〜23C)を備えている。液体タンク23と液体吐出ヘッド1の注入口3とはそれぞれチューブ24を介して接続されている。
一方、液体タンク23は、エアーレギュレータ25を含むパイプ26を介してコンプレッサ27と接続され、コンプレッサ27からの加圧空気が供給される。
これにより、各液体吐出ヘッド1の注入口3には各色の加圧された液体22が供給され、前述したように、弁体6の開閉に応じて吐出口2から液体22が吐出される。エアーレギュレータ25、パイプ26、コンプレッサ27が、連続的に液体(インク)を液体吐出ヘッド1のインク室9に供給するための加圧手段28として機能する。
[液体吐出動作]
図13を参照して、液体(インク)の吐出方法について説明する。図13は液体吐出動作のフローチャートである。
インクの吐出動作を開始するときは、基本的に図5に示す単体の液体吐出ヘッド1でも、図11に示すヘッドユニット11でも、インクはインク室9内に充填されている状態から開始される。また、図11のヘッドユニット11の場合は、液体排出口14は電磁弁などで閉じられた状態が維持されている。
上記状態から、ステップS1にて、上述のように波形(実際にはON/OFFの矩形波)がアクチュエータ5に印加され、アクチュエータ5が弁体6を押圧することにより弁体6が駆動されて、弁体6の先端部6Aが吐出面2Bに接触するまで移動する。これにより弁体6がインクを押圧し、インクが吐出口2へ向けて押圧されて吐出口2から吐出される。なお、このとき、吐出口2に対向する位置に配置されている弁体6の凹部6Bにはインクが貯留されている。
ステップS2にて、さらにアクチュエータ5が駆動されて、弁体6が吐出面2Bに接触した位置からさらに吐出口2へ向けて押圧される。このとき、凹部6Bの容積が縮小するよう弁体6の先端部6Aが変形する程度の力で弁体6は押圧される。これにより、弁体6が凹部6B内のインクを押圧し、凹部6B内のインクが吐出口2から吐出される。
その後、弁体6が吐出面2Bに接触した状態が維持され、これによりインク室9から吐出口2へのインクの漏れが防止され、そのまま液体吐出動作が完了となる。
本発明者らは図5に示した実施形態及び図10に示した従来構成についてインクドットの直進する飛距離を測定したところ、図9に示す結果が得られた。尚、測定における諸条件は以下の通りである。
先端部6Aの先端面とノズル本体4の内面とのギャップg:20μm
先端部6Aの厚さt及び凹部6Bの内径:500μm
吐出口2の孔径:100μm
インクの粘度:30mPa・S
インク室9に付与される圧力:0.45MPa
本実施形態に係る液体吐出ヘッド1からのインクドットの直進距離:d1
従来の液体吐出ヘッド100からのインクドットの直進距離:d2
図9は、実施形態に係る液体吐出ヘッド1と、従来の液体吐出ヘッド100の各インクの到達状況を示す説明図である。図9(a)に示すように、実施形態に係る液体吐出ヘッド1から吐出されたインクドット10が直進する距離は100mm以上であるのに対し、図9(b)に示す従来の液体吐出ヘッド100のインクドット110が直進する距離はせいぜい50〜60mmmであった。このように、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1は従来の液体吐出ヘッド100に比べて1.67〜2倍のインクの直進距離が得られることが確かめられた。
本実施形態に係る液体吐出ヘッド1によれば、弁体6の吐出口2に対向する位置に凹部6Bが配置されているので、弁体6が吐出口2に押圧される際に、凹部6Bが押し潰されるように変形して体積が減少するのに伴ってインクドットを高速で押し出し、それによってインクドット10が直進する距離を長くすることができるという効果がある。これにより、液体吐出ヘッド1の先端と被塗装物20までの距離を大きく取ることが可能となる。
また、吐出口2に対向して配置される弁体6の先端部6Aを弾性樹脂によって構成すると共に、吐出口2の口径よりも大きな開口径を有する凹部6Bを先端部6Aの先端面に設けたので、凹部6Bに収容できるインクの量を増やすことができ、また、弁体6が押圧されたときの凹部6Bの容積の減少を促進できるので吐出量も増やすことができる。これにより、より吐出性能(速度、量、直進性など)を向上できる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
1 液体吐出ヘッド
2 吐出口
3 注入口
4 ノズル本体
5 アクチュエータ
6 弁体
6A 先端部
6B 凹部
7 封止部材
8a リード線
8b リード線
9 インク室
10 インクドット
20 被塗装物
11 ヘッドユニット

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出口に向けて、移動可能に形成された弁体を押圧することにより前記液体の吐出を制御する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記弁体の前記吐出口に対向する位置に凹部が配置されている液体吐出ヘッド。
  2. 前記凹部は、前記吐出口の口径よりも大きな開口を有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記弁体の先端部は弾性樹脂で構成される、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する液体供給路と、
    前記液体供給路に前記液体を供給する液体供給口と、
    を有するヘッドユニット。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを移動させる液体吐出ヘッド移動機構と、
    を有する液体を吐出する装置。
  6. 請求項4に記載のヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットに含まれる前記液体吐出ヘッドを移動させる液体吐出ヘッド移動機構と、
    を有する液体を吐出する装置。
  7. 液体が吐出される吐出口を有する吐出面に向けて、移動可能に形成された弁体を押圧することにより前記液体を吐出する液体吐出方法であって、
    前記吐出口に対向する位置に凹部が配置されている前記弁体を前記吐出面に接触させる工程と、
    前記弁体を前記吐出口に向けて押圧する工程と、
    を有する液体吐出方法。
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