JP2020023137A - 熱転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度による転写品質のばらつきを抑えることができる熱転写装置を提供する。【解決手段】本発明に係る熱転写装置10は、筐体11と、保持台70と、熱転写用ツール60と、温度測定装置80とを備えている。筐体11は、作業エリアA1を構成している。保持台70は、作業エリアA1に設けられ、ワーク90を保持する。ワーク90は、被転写物と熱転写箔とを少なくとも含んでいる。熱転写用ツール60は、作業エリアA1に設けられ、ワーク90を加熱する。温度測定装置80は、作業エリアA1内の少なくとも1つの場所の温度を測定する。【選択図】図2
Description
本発明は、熱転写装置に関する。
従来から、熱転写箔を利用した熱転写装置(箔押し装置とも呼ばれる。)が知られている。熱転写装置による熱転写では、被転写物上に熱転写箔を重ね、熱転写用ツールで熱転写箔を上から押圧しながら熱転写箔を加熱する。これにより、被転写物の表面に画像を転写することができる。例えば、特許文献1には、熱転写用ツールとして、レーザー光を照射する光ペンを備えた箔押し装置が開示されている。
ところで、好適な熱転写の条件は、被転写物や熱転写箔の温度、あるいは熱転写が行われる作業エリアの温度によって異なる場合がある。それらの温度の影響を勘案しなければ、熱転写の品質がばらつく虞がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度による転写品質のばらつきを抑えることができる熱転写装置を提供することである。
ここに開示される熱転写装置は、筐体と、保持台と、熱転写用ツールと、温度測定装置とを備えている。前記筐体は、作業エリアを構成している。前記保持台は、前記作業エリアに設けられ、ワークを保持する。前記ワークは、被転写物と熱転写箔とを少なくとも含んでいる。前記熱転写用ツールは、前記作業エリアに設けられ、前記ワークを加熱する。前記温度測定装置は、前記作業エリア内の少なくとも1つの場所の温度を測定する。
上記熱転写装置によれば、少なくとも作業エリアの1つの場所の温度が分かるため、熱転写の条件を調整することによって、温度による熱転写の品質のばらつきを抑えることができる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、熱転写装置10を示す斜視図である。図2は、熱転写装置10を模式的に示す一部破断斜視図である。図2は、熱転写装置10からカバー17を取り外して図示している。図3は、熱転写用ツール60を移動させる移動機構および保持台70を模式的に示す左側面図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、熱転写装置10の正面にいるユーザーが電源スイッチ12aを見た場合の左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、上記ユーザーが熱転写装置10に近づく方を後方、遠ざかる方を前方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。本実施形態に係る熱転写装置10は、相互に直交する軸をX軸、Y軸およびZ軸としたときに、X軸とY軸とで構成される平面に置かれるものとする。ここでは、X軸は、左右方向に延びる。Y軸は、前後方向に延びる。Z軸は、上下方向に延びる。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、熱転写装置10の設置態様を何ら限定するものではない。
図1、図2に示すように、熱転写装置10は箱状に形成されている。図2に示すように、熱転写装置10は、前方が開口された筐体11を備えている。筐体11内には、ヘッド20と、ヘッド20を移動させるZ軸方向移動機構30、Y軸方向移動機構40、およびX軸方向移動機構50と、ヘッド20に搭載された熱転写用ツール60と、保持台70と、温度測定装置80とを備えている。筐体11は、底壁12と、左側壁13と、右側壁14と、上壁15と、後壁16とを備えている。筐体11の各部は、例えば鋼板によって構成されている。
図2に示すように、左側壁13は、底壁12の左端において上方に延びている。左側壁13は、底壁12に対して垂直に設けられている。右側壁14は、底壁12の右端において上方に延びている。右側壁14は、底壁12に対して垂直に設けられている。後壁16は、底壁12の後端において上方に延びている。後壁16は、左側壁13の後端および右側壁14の後端に接続されている。後壁16には、箱状のケース16aが設けられている。ケース16aには、後述する制御装置100が収容されている。上壁15は、左側壁13の上端、右側壁14の上端および後壁16の上端に接続されている。上壁15には、後述するZ軸方向移動機構30の一部が配置されている。図1に示すように、熱転写装置10は、カバー17を備えている。筐体11とカバー17とは、熱転写装置10の作業エリアA1を構成している。より詳しくは、底壁12と左側壁13と右側壁14と上壁15と後壁16とカバー17とに囲まれた領域が、作業エリアA1を構成している。
カバー17は、筐体11の前面を開閉可能に構成されている。カバー17は、カバー本体17aと、窓部17bと、アーム17cとを備えている。アーム17cの一端は、カバー本体17aに接続されている。アーム17cの他端は、筐体11の左側壁13に回転可能に保持されている。アーム17cは、左側壁13に設けられた回転軸17dを中心に上下方向に回転する。図示は省略するが、アーム17cは右側壁14(図2参照)の側でも同様にカバー本体17aを支持している。カバー17は、カバー本体17aを回転軸17dを中心に上下方向に回転させることにより開閉される。
カバー本体17aは、窓部17bを備えている。窓部17bは、カバー17が閉じられたときに作業エリアA1内を視認できるように、透明な素材で構成されている。窓部17bは、熱転写用ツール60から照射されるレーザー光を遮光するような素材で構成されていてもよい。
図2に示すように、保持台70は、作業エリアA1に設けられている。保持台70は、底壁12に設けられている。保持台70は、ワーク90を保持する部材である。ワーク90は、熱転写装置10が熱転写作業を行う対象である。ワーク90は、後述する被転写物91と熱転写箔92(いずれも図3参照)とから構成されている。ワーク90については、後述する。保持台70は、固定具70Aとフィルム保持具70Bとを備えている。
図3に示すように、固定具70Aは、被転写物91を保持可能に構成されている。固定具70Aは、例えばバイスである。保持台70には、固定具70Aが着脱自在に取り付けられている。ただし、固定具70Aは、保持台70に着脱不能に固定されていてもよい。
被転写物91を構成する材料や形状は、特に限定されない。被転写物91は、例えば、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂類であってもよいし、普通紙、画用紙、和紙等の紙類、ゴム類や、金、銀、銅、プラチナ、真鍮、アルミ、鉄、チタン、ステンレス等の金属類等であってもよい。
図4および図5は、保持台70を模式的に示す平面図である。図4、図5に示すように、フィルム保持具70Bは、ベース部材71と、保持部材72と、支持部材73と、ストッパ74と、箔固定用フィルム75とを備えている。詳しくは後述するが、保持部材72は水平面に沿って回転可能に構成されている。図4は、保持部材72が回転位置の1つであるメンテナンス位置P1にあるときの図である。図5は、保持部材72が回転位置の他の1つである固定位置P2にあるときの図である。
図2に示すように、ベース部材71は、底壁12に設けられている。ベース部材71は、平板状に形成されている。支持部材73は、ベース部材71から上方に延びている。支持部材73は、第1スライドバー73aおよび第2スライドバー73bを備えている。第1スライドバー73aおよび第2スライドバー73bは、ベース部材71から上方に延びている。第1スライドバー73aおよび第2スライドバー73bは、ベース部材71の左端部から上方に延びている。第1スライドバー73aは、第2スライドバー73bより後方に配置されている。第1スライドバー73aと第2スライドバー73bとは平行に配置されている。第1スライドバー73aの上下方向の長さは、第2スライドバー73bの上下方向の長さより長い。
保持部材72は、箔固定用フィルム75および光吸収フィルム76(図3参照)を保持する。図2に示すように、保持部材72は、第1スライドバー73aおよび第2スライドバー73bに上下方向に移動可能に保持されている。保持部材72は、ベース部材71より上方に配置されている。図3に示すように、保持部材72には、第1スライドバー73aが挿入される第1貫通孔72aと、第2スライドバー73bが挿入される第2貫通孔72bとが形成されている。保持部材72を上方に移動させることによって、第2スライドバー73bを第2貫通孔72bから抜くことができる。このとき、保持部材72は、第1スライドバー73aにのみ支持される。これにより、図4に示すように、保持部材72は、第1スライドバー73aを中心に矢印A方向および矢印B方向に回転可能となる。
保持部材72は、A方向およびB方向への回転により、固定位置P2(図5参照)と、メンテナンス位置P1(図4参照)とに配置可能に構成されている。固定位置P2は、箔固定用フィルム75によって、熱転写箔92を被転写物91に固定するときの保持部材72の位置である。固定位置P2では、保持部材72は、固定具70Aの上方に位置している。保持部材72が固定位置P2に位置するとき、第1スライドバー73aは第1貫通孔72aに挿入され、第2スライドバー73bは第2貫通孔72bに挿入されている。保持部材72は、この状態で鉛直方向に移動されうる。支持部材73は、保持部材72を被転写物91の上方で鉛直方向に移動させるように構成されている。
メンテナンス位置P1は、保持部材72に保持された箔固定用フィルム75を交換したり、固定具70Aを保持台70から取り外したり、固定具70Aに固定された被転写物91を固定具70Aから取り外したりするときの保持部材72の位置である。保持部材72がメンテナンス位置P1に位置するとき、第1スライドバー73aは第1貫通孔72aに挿入され、第2スライドバー73bは第2貫通孔72bに挿入されていない。
図5に示すように、保持部材72には、上下方向に貫通する開口72cが形成されている。開口72cは、矩形状に形成されている。開口72cの大きさは、固定具70Aの大きさより大きい。即ち、開口72cの左右方向の長さは、固定具70Aの左右方向の長さより長く、開口72cの前後方向の長さは、固定具70Aの前後方向の長さより長い。固定位置P2において、固定具70Aと開口72cとは、平面視で重なる。平面視においては、開口72cの内方に固定具70Aが配置される。
箔固定用フィルム75は、平面視で開口72cと重なるように保持部材72に保持されている。箔固定用フィルム75は、開口72cより大きく、平面視で開口72cの全体と重なるように保持部材72に保持されている。箔固定用フィルム75は、保持部材72の裏面に保持されている。箔固定用フィルム75を保持する方法は特に限定されないが、例えば、両面テープにより保持部材72に保持されている。箔固定用フィルム75の下面には、光吸収フィルム76が固定されている。光吸収フィルム76を箔固定用フィルム75に固定する方法は特に限定されないが、例えば、光を透過する接着剤や両面テープにより固定されている。箔固定用フィルム75は熱転写箔92を上方から押さえつけて被転写物91に固定する。押圧力の大部分は保持部材72の重量によるものである。
ストッパ74は、保持部材72の回転を規制する部材である。図2に示すように、ストッパ74は、ベース部材71から上方に延びている。ストッパ74は、第1スライドバー73aより後方に配置されている。ストッパ74の上端は、第2スライドバー73bの上端より上方に位置している。図5に示すように、ストッパ74は、保持部材72が固定位置P2に位置するとき保持部材72が図5の矢印B方向に回転することを規制する。保持部材72が固定位置P2に位置するとき、ストッパ74は、保持部材72と接触している。
箔固定用フィルム75と光吸収フィルム76の接合体は、熱転写箔92を上方から押圧して熱転写箔92を被転写物91に固定している。被転写物91と各フィルム類は、下から被転写物91、熱転写箔92、光吸収フィルム76、箔固定用フィルム75の順に重ねられている。熱転写箔92は、例えば、保持部材72がメンテナンス位置P1にあるときに被転写物91上に載置される。その後、熱転写箔92は、保持部材72が固定位置P2に移動されると、箔固定用フィルム75と光吸収フィルム76の接合体によって被転写物91上に固定される。
箔固定用フィルム75は、光透過性を有するフィルムである。箔固定用フィルム75は、光吸収フィルム76に比べて、光吸収性が著しく低い素材で形成されている。箔固定用フィルム75は、例えば透明である。箔固定用フィルム75は、ここでは、光吸収フィルム76より強度が高い。箔固定用フィルム75の厚みは、例えば、25μm〜100μm程度である。箔固定用フィルム75の材質は特に限定されない。箔固定用フィルム75は、例えばポリエステルのようなプラスチックフィルムで構成されている。
光吸収フィルム76は、熱転写用ツール60の光源62(図6参照)から照射される所定の波長帯の光(レーザー光)を効率よく吸収して、光エネルギーを熱エネルギーに変換するフィルムである。光吸収フィルム76は、例えばポリイミドのような樹脂で構成されている。光吸収フィルム76は、例えば100〜200℃での耐熱性を有している。
熱転写箔92は、加熱および押圧されることにより、被転写物91の表面に画像を転写する箔である。ここでは、熱転写箔92は、熱転写用ツール60の光源62が照射する光のエネルギーによって熱転写を行う。熱転写箔92としては、例えば、熱転写用に一般に市販されている転写箔を特に限定なく用いることができる。熱転写箔92は、一般的には、基材と、装飾層と、接着層とがこの順に積層されている。熱転写箔92における装飾層は、例えば、金箔、銀箔等のメタリック箔や、ハーフメタリック箔、顔料箔、多色印刷箔、ホログラム箔、静電気破壊対策箔等を包含する。なお、本実施形態では、光吸収フィルム76は熱転写箔92と別体であるが、光吸収フィルム76と同等の働きをもつ光吸収材が熱転写箔92内に形成されていてもよい。その場合には、光吸収フィルム76は使用されなくてもよい。
熱転写箔92と被転写物91とは、ワーク90を構成している。ワーク90は、少なくとも被転写物91と熱転写箔92とを含むが、それら以外のものを含んでいてもよい。例えば、ワーク90は、表面に凹凸が形成された装飾用フィルムを含んでいてもよい。装飾用フィルムは、表面の凹凸を被転写物91に転写して視覚効果を付加するためのフィルムである。
筐体11の内部空間には、Z軸方向移動機構30と、Y軸方向移動機構40と、X軸方向移動機構50とが設けられている。Z軸方向移動機構30は、ヘッド20と、ヘッド20に設けられた熱転写用ツール60とを、保持台70に対して鉛直方向に移動させる。Y軸方向移動機構40は、ヘッド20と熱転写用ツール60とを、保持台70に対して前後方向に移動させる。X軸方向移動機構50は、ヘッド20と熱転写用ツール60とを、保持台70に対して左右方向に移動させる。ヘッド20は、Z軸方向移動機構30、Y軸方向移動機構40およびX軸方向移動機構50により、保持台70に対して三次元的に移動される。Z軸方向移動機構30、Y軸方向移動機構40およびX軸方向移動機構50は、いずれも底壁12よりも上方に配置されている。
図2に示すように、Z軸方向移動機構30は、Z軸方向送りネジ棒31と、Z軸方向移動用モータ32と、送りナット33とを備えている。Z軸方向送りネジ棒31は、Z軸に沿って延びている。Z軸方向送りネジ棒31は、螺旋状のネジ溝を有している。Z軸方向送りネジ棒31の上方は、上壁15に固定されている。Z軸方向送りネジ棒31の上端部は、上壁15の下面をZ軸方向に貫通しており、その一部が上壁15の内部に配置されている。Z軸方向送りネジ棒31の下端部は、フレーム12b(図3も参照)に回転自在に支持されている。フレーム12bは、底壁12上に固定されている。Z軸方向移動用モータ32は、制御装置100に接続されている。Z軸方向移動用モータ32は、上壁15に固定されている。Z軸方向移動用モータ32の駆動軸は上壁15の下面をZ軸方向に貫通しており、その一部が上壁15の内部に配置されている。上壁15の内部において、Z軸方向送りネジ棒31は、Z軸方向移動用モータ32に連結されている。Z軸方向移動用モータ32は、Z軸方向送りネジ棒31を回転させる。
図2に示すように、Z軸方向送りネジ棒31には、ネジ山を有する送りナット33が噛み合っている。左側壁13と右側壁14との内側には、それぞれZ軸方向に延びるスライドシャフト34が設けられている。スライドシャフト34は、Z軸方向送りネジ棒31と平行に配置されている。スライドシャフト34には、昇降ベース35がZ軸方向に摺動可能に係合している。昇降ベース35には、送りナット33が設けられている。昇降ベース35は、送りナット33を介してZ軸方向送りネジ棒31に支持されている。Z軸方向移動用モータ32が駆動されると、昇降ベース35は、Z軸方向送りネジ棒31の回転により、スライドシャフト34に沿って上下方向に移動する。Y軸方向移動機構40およびX軸方向移動機構50は、昇降ベース35に連結されている。このため、Y軸方向移動機構40およびX軸方向移動機構50は、昇降ベース35の上下方向への移動に伴って上下方向に一体的に移動する。
図2に示すように、Y軸方向移動機構40は、ヘッド20をY軸方向(前後方向)に移動させる機構である。Y軸方向移動機構40は、Y軸方向送りネジ棒41と、Y軸方向移動用モータ42と、送りナット43とを備えている。Y軸方向送りネジ棒41は、Y軸に沿って延びている。Y軸方向送りネジ棒41は、昇降ベース35に設けられている。Y軸方向送りネジ棒41は、螺旋状のネジ溝を有している。Y軸方向送りネジ棒41の後端部は、Y軸方向移動用モータ42に連結されている。Y軸方向移動用モータ42は、制御装置100に接続されている。Y軸方向移動用モータ42は、昇降ベース35の後方に固定されている。Y軸方向移動用モータ42は、Y軸方向送りネジ棒41を回転させる。Y軸方向送りネジ棒41のネジ溝には、ネジ山を有する送りナット43が噛合っている。昇降ベース35には、Y軸方向に延びる一対のスライドシャフト44が設けられている。2本のスライドシャフト44は、Y軸方向送りネジ棒41と平行に配置されている。スライドシャフト44には、スライドベース45がY軸方向に摺動可能に係合している。スライドベース45には、送りナット43が設けられている。Y軸方向移動用モータ42が駆動されると、スライドベース45は、Y軸方向送りネジ棒41の回転により、スライドシャフト44に沿って前後方向に移動する。
図2に示すように、X軸方向移動機構50は、ヘッド20をX軸方向(左右方向)に移動させる機構である。X軸方向移動機構50は、X軸方向送りネジ棒51と、X軸方向移動用モータ52とを備えている。X軸方向送りネジ棒51は、X軸に沿って延びている。X軸方向送りネジ棒51は、スライドベース45の前方に設けられている。X軸方向送りネジ棒51は、螺旋状のネジ溝を有している。X軸方向送りネジ棒51の一端は、X軸方向移動用モータ52に連結されている。X軸方向移動用モータ52は、制御装置100に接続されている。X軸方向移動用モータ52は、スライドベース45の前方に延びた右側壁面に固定されている。X軸方向移動用モータ52は、X軸方向送りネジ棒51を回転させる。X軸方向送りネジ棒51のネジ溝には、ヘッド20に設けられた送りナット(図示せず)が噛合っている。スライドベース45の前方には、X軸方向に延びる一対のスライドシャフト53が設けられている。スライドシャフト53は、X軸方向送りネジ棒51と平行に配置されている。スライドシャフト53には、ヘッド20がX軸方向に摺動可能に係合している。X軸方向移動用モータ52が駆動されると、ヘッド20は、X軸方向送りネジ棒51の回転により、スライドシャフト53に沿って左右方向に移動する。
ヘッド20は熱転写用ツール60を搭載している。ヘッド20は、Z軸方向移動機構30によって熱転写用ツール60がワーク90を押圧していることを検知する押圧センサ21(図7参照)を備えている。押圧センサ21は、制御装置100に接続されている。制御装置100は、押圧センサ21からの信号によって熱転写用ツール60がワーク90を押圧していることを認識する。
熱転写用ツール60は、ヘッド20に保持されている。熱転写用ツール60は、作業エリアA1に設けられている。熱転写用ツール60は、保持台70の上方に設けられている。熱転写用ツール60は、上方からワーク90を加熱するとともに、ワーク90を押圧する。図6は、熱転写用ツール60の構成を模式的に示す縦断面図である。図6に示すように、熱転写用ツール60は、ペン本体61と、光源62と、光ファイバ63とを備えている。
光源62は、光を照射する。光源62は、ここでは、レーザー光を照射する。光源62は、筐体11の内部に配置されている。光源62から照射されたレーザー光は、光吸収フィルム76に供給される。その光は、光吸収フィルム76において熱エネルギーに変換されて熱転写箔92を加熱する。本実施形態における光源62は、レーザーダイオード(LD)と光学系とを備えている。光源62は、制御装置100に接続されている。光源62は、制御装置100に制御されている。
ペン本体61は、長尺の円筒形状に形成されている。ペン本体61は、長手方向が上下方向に一致するように配置されている。ペン本体61の軸心は、上下方向に延びている。ペン本体61は、ホルダ61aと、押圧体61bと、フェルール61cとを有している。
ホルダ61aは、ペン本体61の下端部に取り付けられている。ホルダ61aは、押圧体61bをペン本体61の下端に保持する。押圧体61bは、ホルダ61aに着脱可能に構成されている。押圧体61bは、箔固定用フィルム75および光吸収フィルム76を介して、間接的にワーク90を押圧する。押圧体61bは、硬質な材料から構成されている。押圧体61bの硬度は厳密には限定されないものの、例えば、ビッカース硬さで100Hv0.2以上(例えば、500Hv0.2以上)の材料により構成される。押圧体61bは球体状に形成されている。押圧体61bは、また、光源62から発せられる光を透過する材料から形成されている。押圧体61bは、例えば、合成石英ガラスにより構成されている。
フェルール61cは、ペン本体61の内部に収容されている。フェルール61cは、円筒形に構成されている。フェルール61cは、円筒軸が上下方向に一致するように配置されている。フェルール61cには、円筒軸に沿って貫通孔61c1が設けられている。貫通孔61c1の下端は、ホルダ61aの下端の押圧体61bを保持する部分まで延びている。
光ファイバ63は、光源62から照射された光を伝送するファイバ状の光伝送媒体である。光ファイバ63は、光が通過するコア部(図示せず)と、コア部の周囲を覆い光を反射させるクラッド部(図示せず)とを備えている。光ファイバ63の一方の端部63aは、光源62に接続されている。光ファイバ63の他方の端部63bは、フェルール61cの貫通孔61c1に挿入されている。そこで、光源62から照射されたレーザー光は、光ファイバ63を経由して押圧体61bに到達し、押圧体61bを透過して光吸収フィルム76に照射される。
図2に示すように、温度測定装置80は、上壁15に設けられている。温度測定装置80は、保持台70に保持されたワーク90の温度を測定する温度センサ81を備えている。温度センサ81は、ここでは、赤外線温度センサである。温度センサ81は、保持台70に保持されたワーク90の表面温度を測定するように構成されている。赤外線温度センサは、測定対象物から離れた場所に配置され、測定対象物から放射される赤外線から測定対象物の温度を測定する温度センサである。そこで、温度センサ81は、保持台70の上方に、保持台70とは離間して設けられている。温度センサ81には、公知の種々の赤外線温度センサが好適に利用できる。
温度センサ81は、保持台70および保持台70に保持されたワーク90の複数の場所の温度を測定するように構成されている。温度センサ81は、例えば、前後方向に8点、左右方向に8点の計64点(=8×8)の温度を測定している。複数の温度測定点は、測定エリアS1を構成している。温度センサ81は、測定エリアS1内の温度分布を測定できる。温度センサ81は、制御装置100に電気的に接続されている。制御装置100は、温度センサ81からの信号によってワーク90上の複数の地点の温度を取得する。そして、その温度に基づいて、後述する各種制御を実行する。
熱転写装置10の動作は、制御装置100によって制御されている。図7は、本実施形態に係る熱転写装置10のブロック図である。図7に示されるように、制御装置100は、Z軸方向移動用モータ32と、Y軸方向移動用モータ42と、X軸方向移動用モータ52と、光源62とに電気的に接続されており、それらを制御可能に構成されている。また、制御装置100は、押圧センサ21および温度センサ81と接続され、それらからの信号をそれぞれ受信している。制御装置100は、典型的にはコンピュータである。制御装置100は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置とを備えている。
図7に示すように、制御装置100は、温度取得部101と、出力設定部102と、出力制御部103と、警報設定部104と、警報発令部105と、停止設定部106と、出力停止部107とを備えている。制御装置100は、例えば、熱転写時の熱転写用ツール60の動きを制御する制御部などを備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。
温度取得部101は、温度測定装置80で測定された温度を取得するように設定されている。本実施形態では、温度取得部101は、温度センサ81で測定された複数地点の温度を取得する。温度取得部101は、予め定められた周期で温度を取得している。ここでは、温度取得の周期は時間を基準に定められている。しかし、温度取得の周期は、例えば、熱転写時に熱転写用ツール60が水平移動した距離を基準に定められてもよい。
出力設定部102は、温度取得部101で取得された温度に対応して熱転写用ツール60の出力を設定するように設定されている。出力設定部102は、温度取得部101が温度を取得する周期ごとに熱転写用ツール60の出力を設定する。また、出力設定部102は、ワーク90の温度だけでなく、熱転写用ツール60の水平方向の移動速度などに基づいて熱転写用ツール60の出力を設定している。熱転写用ツール60の出力は、熱転写開始前のワーク90の温度が高いと小さく設定され、温度が低いと大きく設定される。また、熱転写用ツール60の出力は、熱転写用ツールの移動速度が遅いと小さく設定され、移動速度が速いと大きく設定される。
出力制御部103は、熱転写用ツール60の出力を、出力設定部102で設定された出力に制御している。出力制御部103は、出力設定部102が温度取得部101の温度取得周期ごとに熱転写用ツール60の出力を設定し直すのに合わせて、熱転写用ツール60の出力を制御する。出力制御部103は、ここでは、レーザー光の照射と非照射の割合を調整することによって熱転写用ツール60の出力を制御する。レーザー光は応答速度が速いため、レーザー光の照射と非照射との切り換えを瞬時に行うことができる。出力制御部103は、熱転写用ツール60の出力を上げるときには、レーザー光の照射時間の割合を多くする。また、出力制御部103は、熱転写用ツール60の出力を下げるときには、レーザー光の照射時間の割合を少なくする。
警報設定部104では、警報発令温度が設定される。また、警報発令部105は、温度取得部101で取得された温度のうちの少なくとも1つの温度が警報設定部104で設定された警報発令温度を上回ると警報を発する。警報設定部104および警報発令部105は、ワーク90の温度が上がり過ぎたことを警告するように構成されている。警報は、例えば、熱転写装置10に接続された外部の表示装置などへの表示によって行われる。ただし、警報の態様は特に限定されない。警報発令温度は、例えば、ワーク90の耐熱温度に基づいて設定されてもよい。
停止設定部106では、出力停止温度が設定される。また、出力停止部107は、温度取得部101で取得された温度のうちの少なくとも1つの温度が停止設定部106で設定された出力停止温度を上回ると熱転写用ツール60の出力を停止する。出力停止温度は限定されないが、例えば、熱転写用ツール60の移動が止まり、ワーク90の温度が上昇する等の異常を想定して設定されるとよい。出力停止温度は、警報発令温度よりも高い温度が好ましく、熱転写装置10の保護上問題がある温度を越えない温度が好ましい。
熱転写のプロセスでは、熱転写用ツール60が箔固定用フィルム75と光吸収フィルム76とを介してワーク90を押圧する。また、熱転写用ツール60は、下端の押圧体61bから、光吸収フィルム76にレーザー光を照射する。光吸収フィルム76のうち、熱転写用ツール60からのレーザー光が照射された部分は、レーザー光を吸収する。それにより、光エネルギーが熱エネルギーに変換される。光吸収フィルム76は、レーザー光を受けて発熱し、その熱が熱転写箔92の接着層に伝導する。これにより接着層が軟化し、接着性を発現する。接着層は、装飾層と被転写物91との表面に付着し、装飾層と被転写物91とを密着させる。その後、熱転写用ツール60が移動して、当該照射部分への光エネルギーの供給が終了すると、接着層は放熱により冷却されて、硬化する。これにより、装飾層と被転写物91の表面とが固着され、当該部分における箔転写が完成する。この作業を水平方向の位置を変えて続けることにより、被転写物91への箔転写が完成する。
上記したように、熱転写のプロセスにおいては、熱転写箔92の接着層が熱によって軟化されて接着力が発生するため、熱転写の品質はワーク90の温度の影響を受け得る。ワーク90の温度は、少なくとも熱転写の開始時には、作業エリアA1内の温度の影響を受けている。多くの場合、熱転写の開始時におけるワーク90の温度は、作業エリアA1内の温度と同じかほぼ同じである。従って、ワーク90または作業エリアA1内の温度を知ることができれば、熱転写の条件、例えば、熱転写用ツール60の出力を調整することによって、熱転写の品質のばらつきを抑えることができる。
本実施形態に係る熱転写装置10は、そのため、作業エリアA1内の少なくとも1つの場所の温度を測定する温度測定装置80を備えている。そこで、本実施形態に係る熱転写装置10によれば、熱転写の条件、例えば、熱転写用ツール60の出力を調整することにより、熱転写の品質のばらつきを抑えることができる。ここでは、熱転写装置10は、ワーク90の複数の地点の温度を測定している。
図8は、熱転写のプロセスを示すフローチャートである。図8のステップS01では、ワーク90の複数の場所の温度が取得される。なお、最初に取得される温度は、熱転写開始時点の温度である。
ステップS02では、取得した複数の温度に基づいてワーク90の温度を代表する温度が決定される。ワーク90の代表温度は、例えば、取得された複数の温度の平均値である。しかし、ワーク90の代表温度として使用することができる温度は、複数の温度の平均値に限られない。代表温度は、例えば、ワーク90の特定の場所の温度でもよい。特定の場所は、例えば、熱転写用ツール60に最も近い測定点であってもよい。あるいは、代表温度は、例えば、取得した温度の中で最も高い温度または低い温度であってもよい。
ステップS03では、ステップS02で決定されたワーク90の代表温度に基づいて、熱転写用ツール60の出力が設定される。制御装置100は、ワーク90の温度と熱転写用ツール60の出力とを対応させる変換テーブルまたは変換式を記憶している。熱転写用ツール60の出力は、変換テーブルまたは変換式によって算出される。続くステップS04では、熱転写用ツール60の出力がステップS03で設定された出力に調整される。ステップS05では、熱転写が実行される。
ステップS06では、前回の温度測定からの時間が予め定められた温度取得周期に達したかどうかが判定される。ステップS06がNOの場合(前回の温度測定からの時間が温度取得周期に達していない場合)、ステップS05の熱転写が継続される。ステップS06がYESの場合(前回の温度測定からの時間が温度取得周期に達した場合)、ステップはステップS01に戻る。そして、この時点でのワーク90の温度に基づいて、再び熱転写用ツール60の出力が設定される。
このように、本実施形態に係る熱転写装置10によれば、ワーク90の温度によって熱転写の条件を好適に自動設定できる。特に、本実施形態に係る熱転写装置10は、1回の熱転写の中で熱転写用ツール60の出力を順次変えながら熱転写を行うことができる。そこで、熱転写によってワーク90の温度が変化しても、好適な条件で熱転写を行うことができる。
温度センサ81で取得された温度は、ワーク90の温度の過剰な上昇に対する警報および非常停止にも利用される。図9は、警報動作のプロセスを示すフローチャートである。図10は、非常停止動作のプロセスを示すフローチャートである。図9に示すように、警報動作のプロセスでは、測定されたワーク90の温度のうちに、予め設定された警報発令温度を上回る温度があるかが判定される。図9のステップS11では、ワーク90の複数の温度が取得される。ステップS12では、取得された複数の温度の全てが、予め設定された警報発令温度と比較される。そして、測定されたワーク90の温度のうちに警報発令温度を上回る温度があった場合(YESの場合)には、ステップS13にて警報が発令される。警報発令温度は、例えば、ワーク90の耐熱温度に基づいて設定されており、ワーク90の保護等の理由から警報が発せられる。測定されたワーク90の温度のうちに警報発令温度を上回る温度がなかった場合(NOの場合)、警報は発令されず熱転写が続行される。
また、図10に示すように、非常停止動作のプロセスでは、測定されたワーク90の温度のうちに、予め設定された出力停止温度を上回る温度があるかが判定される。図10のステップS21では、ワーク90の複数の温度が取得される。ステップS22では、取得された複数の温度の全てが、予め設定された出力停止温度と比較される。そして、測定されたワーク90の温度のうちに出力停止温度を上回る温度があった場合(YESの場合)には、ステップS23にて熱転写用ツール60の出力が停止される。出力停止温度は、例えば、熱転写用ツール60の移動が止まる等の異常を想定して設定されており、熱転写装置10の保護等の理由から熱転写用ツール60の出力が停止される。測定されたワーク90の温度のうちに出力停止温度を上回る温度がなかった場合(NOの場合)には、非常停止はされず熱転写が続行される。
このように、本実施形態に係る熱転写装置10によれば、ワーク90の過剰な温度上昇を監視し、ワーク90および熱転写装置10を保護することができる。
なお、本実施形態に係る熱転写装置10は、ワーク90の温度を測定する温度センサ81を備えることにより、確実に熱転写の品質を管理することができる。熱転写の品質に影響を与えるのは、直接的にはワーク90の温度である。よって、ワーク90の温度を知ることができれば、熱転写の品質を確実に管理することができる。
また、温度センサ81は、ワーク90と離間した状態でワーク90の温度を測定する赤外線温度センサであり、設置の自由度が高い。本実施形態では、熱転写用ツール60は、上方からワーク90を加熱している。そこで、温度センサ81は、保持台70の上方に設けられることが好ましい。
さらに、本実施形態では、温度センサ81は、保持台70上の複数の点の温度を測定している。かかる構成によれば、ワーク90の温度を代表する温度を、複数の温度に基づいて適切に決定することができる。また、ワーク90上を熱転写用ツール60が移動するのに合わせて温度を取得する点を移動させることができる。また、測定温度を警報や非常停止に利用する場合には、多くの地点で温度を取得できるため、より安全性を向上させることができる。
(変形例1)
上記した実施形態は、いくつかの変形例によって実現することもできる。1つの変形例では、温度センサの測定端は、保持台70に設けられる。図11は、本変形例における温度センサ82を示す左側面図である。温度センサ82は、接触式の測定端82aを備えている。測定端82aは、例えば、熱電対やサーミスタである。温度センサ82は、ワーク90の近傍に測定端82aが配置されるように設けられている。かかる構成によれば、簡易にワーク90近傍の温度を測定することができる。熱転写の再現性を向上させ、ばらつきを減らしたい場合には、このような構成でも十分な場合がある。
上記した実施形態は、いくつかの変形例によって実現することもできる。1つの変形例では、温度センサの測定端は、保持台70に設けられる。図11は、本変形例における温度センサ82を示す左側面図である。温度センサ82は、接触式の測定端82aを備えている。測定端82aは、例えば、熱電対やサーミスタである。温度センサ82は、ワーク90の近傍に測定端82aが配置されるように設けられている。かかる構成によれば、簡易にワーク90近傍の温度を測定することができる。熱転写の再現性を向上させ、ばらつきを減らしたい場合には、このような構成でも十分な場合がある。
(変形例2)
他の1つの変形例では、温度センサの測定端は、作業エリアA1内のいずれかの場所に設けられる。図12は、本変形例における温度センサ83を示す斜視図である。温度センサ83は、作業エリアA1内の空気の温度を測定している。温度センサ83は、例えば、接触式の測定端83aを備えている。測定端83aは、例えば、熱電対やサーミスタである。熱転写に求められる品質によっては開始時点の作業エリアA1の気温が分かればよい場合もあり、そのようなとき本変形例は有効であり、簡易である。
他の1つの変形例では、温度センサの測定端は、作業エリアA1内のいずれかの場所に設けられる。図12は、本変形例における温度センサ83を示す斜視図である。温度センサ83は、作業エリアA1内の空気の温度を測定している。温度センサ83は、例えば、接触式の測定端83aを備えている。測定端83aは、例えば、熱電対やサーミスタである。熱転写に求められる品質によっては開始時点の作業エリアA1の気温が分かればよい場合もあり、そのようなとき本変形例は有効であり、簡易である。
熱転写装置10には、安全面からカバー17が設けられており、熱転写中は閉じられている。そこで、熱転写その他の要因によって発生した熱は、密閉された作業エリアA1内の空気の温度を上昇させやすい。よって、熱転写中の作業エリアA1内の空気の温度は、外気温と異なる場合が多い。その点から、作業エリアA1内の空気の温度を測定する温度センサ83を備えることは、熱転写の品質管理の上で有効である。言い換えれば、作業エリアA1を密閉するカバー17を備えた熱転写装置において、作業エリアA1内の空気の温度を測定する温度センサ83は、特に有効である。
なお、作業エリアA1内の空気の温度を測定する温度センサ83は、作業エリアA1内に複数設けられてもよい。また、ワーク90の温度を測定する温度センサ81とともに用いられてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上記した実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。例えば、上記した実施形態では、熱転写用ツール60には光源62が設けられていたが、熱転写箔92に熱エネルギーを与える部材はレーザー光源に限定されない。熱転写箔92に熱エネルギーを与える部材は、例えば熱ペン等であってもよい。
また、上記した実施形態では、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動するのは熱転写用ツール60であり、保持台70は不動であったが、それには限定されない。熱転写用ツール60と保持台70との間の移動は相対的なものであり、両者のうちどちらがどの方向に移動するのかは特に限定されない。
10 熱転写装置
11 筐体
60 熱転写用ツール
70 保持台
80 温度測定装置
81 温度センサ
82 温度センサ(第1変形例)
83 温度センサ(第2変形例)
90 ワーク
91 被転写物
92 熱転写箔
100 制御装置
101 温度取得部
102 出力設定部
103 出力制御部
104 警報設定部
105 警報発令部
106 停止設定部
107 出力停止部
A1 作業エリア
11 筐体
60 熱転写用ツール
70 保持台
80 温度測定装置
81 温度センサ
82 温度センサ(第1変形例)
83 温度センサ(第2変形例)
90 ワーク
91 被転写物
92 熱転写箔
100 制御装置
101 温度取得部
102 出力設定部
103 出力制御部
104 警報設定部
105 警報発令部
106 停止設定部
107 出力停止部
A1 作業エリア
Claims (10)
- 作業エリアを構成する筐体と、
前記作業エリアに設けられ、被転写物と熱転写箔とを少なくとも含むワークを保持する保持台と、
前記作業エリアに設けられ、前記ワークを加熱する熱転写用ツールと、
前記作業エリア内の少なくとも1つの場所の温度を測定する温度測定装置と、
を備えた、
熱転写装置。 - 前記温度測定装置は、前記保持台に保持された前記ワークの温度を測定する第1温度センサを備えている、
請求項1に記載の熱転写装置。 - 前記第1温度センサは、前記保持台と離間して設けられ、前記保持台に保持された前記ワークの表面温度を測定する赤外線温度センサである、
請求項2に記載の熱転写装置。 - 前記熱転写用ツールは、前記保持台の上方に設けられ、上方から前記ワークを加熱し、
前記第1温度センサは、前記保持台の上方に設けられている、
請求項3に記載の熱転写装置。 - 前記第1温度センサは、前記ワークの複数の場所の温度を測定するように構成されている、
請求項2〜4のいずれか一つに記載の熱転写装置。 - 前記温度測定装置は、前記作業エリア内の空気の温度を測定する第2温度センサを備えている、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱転写装置。 - 制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記温度測定装置で測定された温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部で取得された温度に対応して前記熱転写用ツールの出力を設定する出力設定部と、
前記熱転写用ツールの出力を、前記出力設定部で設定された出力に制御する出力制御部と、
を備えている、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱転写装置。 - 前記温度取得部は、予め定められた周期で温度を取得し、
前記出力設定部は、前記周期ごとに前記熱転写用ツールの出力を設定する、
請求項7に記載の熱転写装置。 - 制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記温度測定装置で測定された温度を取得する温度取得部と、
警報発令温度が設定される警報設定部と、
前記温度取得部で取得された温度のうちの少なくとも1つの温度が前記警報発令温度を上回ると警報を発する警報発令部と、
を備えている、
請求項1〜8のいずれか一つに記載の熱転写装置。 - 制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記温度測定装置で測定された温度を取得する温度取得部と、
出力停止温度が設定される停止設定部と、
前記温度取得部で取得された温度のうちの少なくとも1つの温度が前記出力停止温度を上回ると前記熱転写用ツールの出力を停止する出力停止部と、
を備えている、
請求項1〜9のいずれか一つに記載の熱転写装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018149597A JP2020023137A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 熱転写装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018149597A JP2020023137A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 熱転写装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020023137A true JP2020023137A (ja) | 2020-02-13 |
Family
ID=69618144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018149597A Pending JP2020023137A (ja) | 2018-08-08 | 2018-08-08 | 熱転写装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020023137A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021126369A (ja) * | 2020-02-14 | 2021-09-02 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP2021126371A (ja) * | 2020-02-14 | 2021-09-02 | 株式会社三共 | 遊技機 |
-
2018
- 2018-08-08 JP JP2018149597A patent/JP2020023137A/ja active Pending
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