JP2020022931A - 廃棄物の分別装置及び分別方法、並びに、廃棄物の処理システム及び処理方法 - Google Patents

廃棄物の分別装置及び分別方法、並びに、廃棄物の処理システム及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする廃棄物の分別装置を提供すること。【解決手段】廃棄物の分別装置100は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させる帯電部10と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別する分別部30と、を備える。帯電部10は、電界中において廃棄物を帯電させる電界発生装置、又は、廃棄物を摩擦によって帯電させる摩擦発生装置を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、廃棄物の分別装置及び分別方法、並びに、廃棄物の処理システム及び処理方法に関する。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、軽量及び高強度といった炭素繊維の特性を利用して、日用品、パソコン、家電、自動車、航空機、スポーツ用品及び建築土木分野等の様々な用途に使用されている。これらの製品の廃棄処分で生じるシュレッダーダストには、炭素繊維を含む場合がある。このような炭素繊維を含む廃棄物の処理方法として、セメントキルンを利用して焼却処理を行う技術が知られている。このような技術においては、焼却処理の前に、廃棄物を例えば3mm以下の粒子径となるように粉砕している。
特許文献1では、CFRPを粉砕する際の発塵を抑制しつつ粉砕性を向上させるために、界面活性剤の水溶液を添加することが提案されている。また、特許文献2では、CFRPを所定条件で加熱処理して粉砕性を向上し、加熱処理後に粉砕して得られた粉砕物をセメント製造装置の燃料として用いる技術が提案されている。
特開2018−51988号公報 特開2017−66383号公報
廃棄物に含有される炭素繊維は強度が高く且つ燃え難い一方で、同じ廃棄物に含有されるプラスチック等は炭素繊維よりも強度が低く燃えやすい。このように、炭素繊維を含有する廃棄物は、特性が大きく異なる成分を含有するため、これらを特性が異なる成分毎に分別できれば、廃棄物処理の円滑化が期待できる。
そこで、本開示は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする廃棄物の分別装置及び分別方法を提供する。また、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することが可能な廃棄物の処理システム及び処理方法を提供する。
本開示の一側面に係る廃棄物の分別装置は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させる帯電部と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別する分別部と、を備える、廃棄物の分別装置を提供する。
上記分別装置は、廃棄物群を帯電させる帯電部を備える。分別部では、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別する。炭素繊維は、通常、プラスチック、ゴム、紙屑等の廃棄物成分よりも高い導電性を有するため、炭素繊維の有無に応じて帯電性が異なる。この分別装置は、帯電性による静電気力の違いを利用して、炭素繊維を含有する廃棄物を含む廃棄物群を効率良く分別することができる。分別後は、廃棄物の含有成分に応じて適切な処理を施すことが可能になる。例えば、炭素繊維を含む帯電し難い廃棄物(第1廃棄物)から炭素繊維を回収して炭素繊維をリサイクルしてもよい。一方、帯電し易い廃棄物は、加熱処理又は粉砕処理を施してよい。帯電し易い廃棄物(第2廃棄物)は、廃棄物に含まれる成分の中で強度が高く且つ燃え難い炭素繊維が低減されていることから、加熱処理又は粉砕処理の設備負荷を低減することができる。
このように、分別された廃棄物毎に下流側の装置構成を任意に設定することが可能となり、それぞれの廃棄物に適した処理を行うことができる。そして、第1廃棄物と第2廃棄部の分別を、静電気力で落下軌道を変えることによって行っていることから、廃棄物を簡便に分別することができる。したがって、この分別装置は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする。
上記帯電部は、電界中において廃棄物を帯電させる電界発生装置、又は、廃棄物を摩擦によって帯電させる摩擦発生装置を備えてもよい。また、上記分別部は、廃棄物の落下軌道を静電気力で変更する帯電ドラム又は帯電板を備えてもよい。このような構成とすることによって、シンプルな設備構成で廃棄物を帯電させ分別することができる。
上記分別装置は、帯電部の上流側に、廃棄物を乾燥する乾燥部を備えてもよい。乾燥部を有することによって、水分によって分別精度が低下することを十分に抑制することができる。乾燥部は、セメントクリンカ製造装置から発生する廃熱を利用することが好ましい。これによって分別装置のエネルギー効率を十分に高くすることができる。
本開示の一側面に係る廃棄物の処理システムは、上述の分別装置と、炭素繊維を含む廃棄物の少なくとも一部を酸処理又は加熱処理する後処理部を備える。この廃棄物の処理システムは、上述の分別装置を備えることから、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することができる。
本開示の一側面に係る廃棄物の分別方法は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させること、及び、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別すること、を有する。
上記分別方法では、廃棄物群を帯電させ、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別する。炭素繊維は、通常、プラスチック、ゴム、紙屑等の廃棄物成分よりも高い導電性を有するため、炭素繊維の有無に応じて帯電性が異なる。この分別方法は、帯電性による静電気力の違いを利用して、炭素繊維を含有する廃棄物を含む廃棄物群を効率良く分別することができる。分別後は、廃棄物の含有成分に応じて適切な処理を施すことが可能になる。例えば、炭素繊維を含む帯電し難い廃棄物(第1廃棄物)から炭素繊維を回収して炭素繊維をリサイクルしてもよい。一方、帯電し易い廃棄物は、加熱処理又は粉砕処理を施してよい。帯電し易い廃棄物(第2廃棄物)は、廃棄物に含まれる成分の中で強度が高く且つ燃え難い炭素繊維が低減されていることから、加熱処理又は粉砕処理の作業負荷を低減することができる。
このように、分別された廃棄物毎に下流側のプロセスを任意に選択することが可能となり、それぞれの廃棄物に適した処理を行うことができる。そして、第1廃棄物及び第2廃棄物の分別は、帯電性の違いに応じて行うことから、廃棄物を簡便に分別することができる。したがって、この分別方法は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする。
上記分別方法では、廃棄物群を帯電させる前に廃棄物群を乾燥させてもよい。廃棄物群を乾燥することによって、水分によって分別精度が低下することを十分に抑制することができる。乾燥は、セメントクリンカ製造装置から発生する廃熱を利用することが好ましい。これによって分別方法のエネルギー効率を十分に高くすることができる。
本開示の一側面に係る廃棄物の処理方法は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させること、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えること、及び、分別して得られた炭素繊維を含有する廃棄物の少なくとも一部に酸処理又は加熱処理を施すこと、を有する。
この廃棄物の処理方法は、上述の分別方法で廃棄物群を分別して得られる炭素繊維を含む廃棄物に対して、酸処理又は加熱処理を施している。これによって、炭素繊維を含む廃棄物を円滑に処理することができる。
上記処理方法では、廃棄物群を帯電させる前に廃棄物群を乾燥させてもよい。廃棄物群を乾燥することによって、水分によって分別精度が低下することを十分に抑制することができる。乾燥は、セメントクリンカ製造装置から発生する廃熱を利用することが好ましい。これによって処理方法のエネルギー効率を十分に高くすることができる。
本開示によれば、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする廃棄物の分別装置及び分別方法を提供することができる。また、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することが可能な廃棄物の処理システム及び処理方法を提供することができる。
廃棄物の分別装置の一例を示す模式図である。 廃棄物の分別装置の別の例を示す模式図である。 廃棄物の分別装置のさらに別の例を示す模式図である。 廃棄物の分別装置のさらに別の例を示す模式図である。 廃棄物の処理システムの一例を示す模式図である。 廃棄物の処理システムの別の例を示す模式図である。 廃棄物の処理システムに備えられる加熱処理部の一例を示す模式図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
一実施形態に係る廃棄物の分別装置は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させる帯電部と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群を分別する分別部と、を備える。分別部は、廃棄物群を、炭素繊維を含有する第1廃棄物と炭素繊維を含有しない第2廃棄物とに分別してもよい。また、分別部は、例えば廃棄物の帯電性に応じて、廃棄物群を3つ以上に分別してもよい。例えば、分別部は、相当量の金属分を含む廃棄物群を分別する場合、帯電性に応じた静電気力によって、第1廃棄物として金属成分を含む廃棄物、第2廃棄物として炭素繊維を含む廃棄物、第3廃棄物として金属成分及び炭素繊維以外の成分(絶縁成分)を主成分とする廃棄物に分別してもよい。分別部は、廃棄物を搬送する搬送部を備え、搬送部によって搬送された廃棄物群の落下軌道を静電気力で変えることによって廃棄物群を分別してもよい。
廃棄物に含まれる炭素繊維としては、アクリル繊維又はピッチを原料として高温で炭化して作製されたものが挙げられる。廃棄物は、炭素繊維強化複合材(CFRP)を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。炭素繊維複合材としては、炭素繊維がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂と複合されたもの(熱可塑性CFRP)、及びフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と複合されたもの(熱硬化性CFRP)が挙げられる。
廃棄物は、日用品、パソコン、家電、自動車、航空機、スポーツ用品及び建築土木分野等に由来するものであってよい。これらの廃棄物は、自動車及び家電等の廃棄で生じるシュレッダーダストであってよい。廃棄物は、炭素繊維のみならず、プラスチック等の樹脂成分を含んでいてよい。廃棄物は、炭素繊維及び樹脂成分の他に、金属及びゴム等の異物を含んでもよい。
図1は、本実施形態の廃棄物の分別装置の一例を示す模式図である。分別装置100は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50を廃棄物の帯電性による静電気力の違いに応じて分別する。分別装置100は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50を帯電させる帯電部10と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群50を第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別する分別部30とを備える。
炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50は、帯電部10において帯電する。帯電の極性は特に限定されない。帯電部10としては、電界発生装置を備えるものが挙げられる。電界発生装置による電界内を、廃棄物群50が通過することによって、廃棄物群50に含まれる廃棄物が帯電する。廃棄物群に含まれる炭素繊維は、通常樹脂内に埋め込まれている。このように樹脂と樹脂内に埋め込まれた炭素繊維を含む廃棄物の電気抵抗率は、例えば、1×10−1[Ω・m]以下である。これに対し、炭素繊維を含まないプラスチック等の絶縁体で構成される廃棄物の電気抵抗率は1×10[Ω・m]以上である。このように、廃棄物は、含有成分によって電気抵抗率が大きく異なることから、廃棄物群50が電界内を通過すると、含有成分によって帯電性が異なる。
帯電部10に備えられる電界発生装置は公知のものを用いることが可能であり、例えば、高電圧が印可される針状電極と導電体とを備え、両者間でコロナ放電界を形成するものが挙げられる。帯電部10は電界発生装置を備えるものに限定されず、例えば回転ドラム又は振動器等の摩擦発生装置を備えるものであってもよい。この場合、廃棄物を回転ドラム又は振動器中で動かして生じる摩擦によって静電気を発生させ、帯電させることができる。このような方式によっても、廃棄物はその含有成分によって帯電性が異なることとなる。廃棄物を十分に帯電させる観点から、摩擦発生装置の内壁は絶縁体で構成されることが好ましい。
帯電した廃棄物を含む廃棄物群50は、分別部30の搬送部をなすコンベア36上(図1の左側)に供給される。コンベア36上に供給された廃棄物群50は、コンベア36によって、図1中、分別部30の帯電ドラム32に向かって搬送される。コンベア36は帯電ドラム32の下方に配置される。これによって、帯電ドラム32の回転面の下側に廃棄物群50が供給される。このように回転面の下側に廃棄物群50を供給することによって、回転面と廃棄物群50とが直接接触しなくても廃棄物群50を分別することができる。廃棄物群50の全てが回転面に接触する場合に比べて、回転面の傷付き及び汚れの付着を抑制することができる。したがって、帯電ドラム32のメンテナンス頻度を低減し、安定的に廃棄物群50を分別することができる。このような観点から、廃棄物群50が搬送されている間は、廃棄物群50と帯電ドラム32の回転面との間に隙間が確保されることが好ましい。
帯電ドラム32の回転面は、廃棄物とは反対極に帯電している。コンベア36によって廃棄物群50が帯電ドラム32の下方に到達すると、帯電ドラム32の回転面とは反対極に帯電し、当該回転面との電位差が大きい第2廃棄物52は、静電気的な引力によって回転面に付着する。その後、帯電ドラム32の回転面とともに回転し、回転面に沿って設けられたスクレーパ34によって回転面から剥がされて落下し、第2収容部62に収容される。スクレーパ34は例えば掻き落としブラシ等であってもよい。
一方、帯電していない第1廃棄物51、又は帯電ドラム32の回転面とは反対極に帯電しているが第2廃棄物52よりも回転面との電位差が小さい第1廃棄物51は、帯電ドラム32の回転面と第1廃棄物51間の静電引力よりも重力の方が大きいため、帯電ドラム32の回転面に付着することなく落下し、第1収容部61に収容される。このように、廃棄物群50に含まれる第1廃棄物51及び第2廃棄物52は、それぞれの帯電性(帯電ドラム32の回転面との電位差)に応じて、第1廃棄物51と第2廃棄物52とが分別され別々の収容部に収容される。このようにして、廃棄物群50は、第1廃棄物51と第2廃棄物52とに分別される。第1収容部61と第2収容部62には、それぞれに収容された第1廃棄物51と第2廃棄物52とが電気的に中性になるようにアースが接続されていてもよい。
炭素繊維を含む廃棄物とともにプラスチック、紙屑等の絶縁体からなる廃棄物を含む廃棄物群50を分別すると、炭素繊維を含む廃棄物は、絶縁体からなる廃棄物に比べて帯電し難いため、第1廃棄物51として回収される傾向にある。一方、絶縁体からなる廃棄物は、炭素繊維を含む廃棄物よりも帯電し易いため、第2廃棄物52として回収される傾向にある。すなわち、炭素繊維を含む第1廃棄物51は、プラスチック、ゴム、紙屑等を含む第2廃棄物52よりも高い導電性を有することから、このような廃棄物成分を含む廃棄物群50を分別すると、第2廃棄物52よりも第1廃棄物51の方が炭素繊維の含有量が高くなる。
ただし、第2廃棄物52は炭素繊維を含んでいてもよい。第1収容部61に収容された第1廃棄物51全体と、第2収容部62に収容された第2廃棄物52全体とを対比して、第1廃棄物51全体の方が第2廃棄物52全体よりも炭素繊維の含有量が高ければ、分別装置100は、炭素繊維を含む廃棄物の処理の円滑化に寄与する。
分別装置100は、廃棄物群50を分別することによって、炭素繊維を含有する廃棄物の処理を円滑にすることができる。このため、分別後の廃棄物の含有成分に応じて適切な処理を施すことが可能になる。廃棄物群50の分別を、帯電性の違いに基づいて行っていることから、廃棄物を小さいサイズに破砕しなくても廃棄物群を簡便に分別することができる。このように、分別装置100は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする。
図2は、廃棄物の分別装置の別の例を示す模式図である。分別装置101は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50を帯電させる帯電部10と、廃棄物の帯電性の違いに応じて廃棄物群50を分別する、帯電板30Aを有する分別部と、を備える。
分別装置101は、帯電ドラム32の代わりに帯電板30Aを備える点で分別装置100と異なる。分別装置100と異なる部分を中心に以下に説明する。帯電板30Aは、正の電荷又は負の電荷を有することによって帯電している。帯電部10によって帯電した廃棄物群50は、コンベア36によって搬送され、コンベア36の出口から落下する。帯電板30Aは、コンベア36の出口付近に設置されている。このため、廃棄物がコンベア36の出口から落下する際に、帯電板30Aと廃棄物との間に静電気的な引力又は斥力が発生する。このため、廃棄物の帯電性に応じて、廃棄物の落下軌道が異なることとなる。
帯電板30Aは、正極性又は負極性に帯電している。廃棄物の極性と帯電板30Aの極性が逆の場合、廃棄物と帯電板30Aとの間には静電気的な引力が生じる。第1廃棄物51よりも帯電板30Aとの電位差が大きい第2廃棄物52は、第1廃棄物51よりも帯電板30A側に引き寄せられながら下方に落下する。このようにして、第2廃棄物52はコンベア36出口から落下する際の落下軌道が変わる。帯電板30Aによって落下軌道が大きく変わる第2廃棄物52は、コンベア36の出口から離れて配置される第2収容部62に落下する。
一方、帯電板30Aとの電位差が小さい第1廃棄物51は、帯電板30Aによって落下軌道が全く又は殆ど変わることなく、コンベア36出口から下方に落下する。第1廃棄物51は、第2収容部62よりもコンベア36側に配置される第1収容部61に落下する。このようにして、廃棄物群50に含まれる廃棄物は、静電気力によって第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別される。
帯電した廃棄物の極性と帯電板30Aの極性は同じであってもよい。この場合、帯電した廃棄物と帯電板30Aとの間には静電気的な斥力が生じる。第1廃棄物51よりも帯電板30Aとの電位差が大きくなるように帯電している第2廃棄物52は、第1廃棄物51よりも帯電板30Aから離れる方向に移動しながら下方に落下する。このようにして、第1廃棄物51及び第2廃棄物52はコンベア36出口から落下する際の落下軌道が変わる。この場合、第1廃棄物51が収容される第1収容部61と第2廃棄物52が収容される第2収容部62の位置関係は、図2に示されるものとは逆になる。
分別装置101による分別は、帯電部10と、帯電板30A及び搬送部(コンベア36)を有する分別部と、を備えるシンプルな装置構成で行うことができる。分別装置101は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする。
図3は、廃棄物の分別装置のさらに別の例を示す模式図である。分別装置102は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50を帯電させる帯電部10と、廃棄物の帯電性に応じて廃棄物群50を分別する分別部をなす帯電板30Bと、を備える。
分別装置102は、帯電板30Bによる静電気力が鉛直下方に落下する廃棄物群50に作用するように構成されている点で分別装置101と異なる。分別装置101と異なる部分を中心に以下に説明する。帯電板30Bは、帯電部10よりも下側で、廃棄物群50が落下する経路の傍に配置され、静電気力によって廃棄物の落下軌道を変更可能に構成される。
帯電板30Bは、正極性又は負極性に帯電している。帯電部10によって帯電した廃棄物群50は、帯電部10の出口から落下する。自由落下する廃棄物群50には、帯電板30Bの傍を通過する際、帯電板30Bによって静電気的な引力又は斥力が発生する。この静電気力によって、廃棄物の落下軌道が変化する。
帯電した廃棄物の極性と帯電板30Bの極性が逆の場合、廃棄物と帯電板30Bとの間には静電気的な引力が生じる。第1廃棄物51よりも帯電板30Bとの電位差が大きい第2廃棄物52は、第1廃棄物51よりも帯電板30B側に引き寄せられながら下方に落下する。このようにして、第2廃棄物52はコンベア36出口から落下する際の落下軌道が変わる。帯電板30Bによって落下軌道が大きく変わる第2廃棄物52は、帯電板30B側に配置される第2収容部62に落下する。
一方、静電気力によって落下軌道が、全く又は殆ど変らない第1廃棄物51は、ほぼそのまま自由落下して帯電板30Bから離れて配置される第1収容部61に落下する。このようにして、廃棄物群50に含まれる廃棄物は、互いに帯電性が異なる第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別される。
本例の変形例では、廃棄物群50が落下する経路を挟むようにして一対の帯電板を設けてもよい。一対の帯電板の一方に正の電圧を印加するとともに、他方に負の電圧を印加することによって、一対の帯電板を互いに逆の極性に帯電させて、廃棄物の落下軌道を変えてもよい。これによって、廃棄物群50に作用する静電気力が一層大きくなり、廃棄物の落下軌道をより大きく変えることが可能となる。したがって、廃棄物群50の分別の精度を向上することができる。
分別装置102による分別は、帯電部10、及び帯電板30Bを備えるシンプルな装置構成で行うことができる。分別装置102は、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする。
図4は、廃棄物の分別装置のさらに別の例を示す模式図である。分別装置103は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群50を乾燥する乾燥部12と、廃棄物群50を帯電させる帯電部10と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えることによって廃棄物群50を第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別する分別部30とを備える。すなわち、分別装置103は、乾燥部12を備える点で図1の分別装置100と異なる。乾燥部12以外の要素については、分別装置100の説明内容を適用できる。
乾燥部12を設けることによって、分別装置103で分別される廃棄物群50が湿っていても、帯電部10で廃棄物を十分帯電させることができる。廃棄物群50の一部が湿っている場合、廃棄物群50の一部のみを乾燥部12で乾燥し、廃棄物群50の他部は乾燥部12をバイパスしてもよい。乾燥部12における廃棄物群50の乾燥温度は例えば45℃〜95℃である。
乾燥部12の熱源については特に制限は無く、セメントクリンカ製造装置における各種焼成炉又は発電設備等から発生する廃熱を利用してもよい。廃熱を利用することで廃棄物群50の乾燥に要する燃料コストを低減することができる。
一実施形態に係る廃棄物の処理システムは、分別装置と、炭素繊維を含む廃棄物の少なくとも一部を酸処理又は加熱処理する後処理部を備える。後処理部は、炭素繊維を含む第1廃棄物を酸で処理する酸処理部と、第1廃棄物よりも炭素繊維の含有量が少ない第2廃棄物を加熱処理する加熱処理部とを備えてよい。廃棄物処理システムに備えられる分別装置は、上述の分別装置100,101,102,103のいずれかであってよいし、その変形例のいずれかであってもよい。酸処理部は、廃棄物に含まれる樹脂成分を酸によって溶解するタンクであってよい。処理システムは、酸処理部で得られるスラリーから炭素繊維を含む固形分を分離する濾過部を備えてもよい。加熱処理部は、廃棄物を燃料として消費する加熱炉であってよいし、廃棄物を処理するキルンであってもよいし、廃棄物を炭化する炭化炉であってもよい。
図5は、廃棄物の処理システムの一例を示す模式図である。処理システム200は、廃棄物の破砕装置80と、分別装置100と、炭素繊維を含む第1廃棄物51を酸処理する酸処理部71と、酸処理して得られるスラリーを濾過する濾過部75と、第1廃棄物51よりも炭素繊維の含有量が少ない第2廃棄物52を加熱処理する加熱処理部72と、を備える。
破砕装置80は、炭素繊維を含有する廃棄物を所定のサイズ以下となるように破砕する。処理システム200は、分別装置100を備えることから、廃棄物を円滑に処理することができる。本例では破砕装置80を備えているが、別の例では破砕装置を備えていなくてもよい。
破砕装置80で破砕された廃棄物は、分別装置100に導入される。分別装置100では、分別装置100に導入された廃棄物が、炭素繊維を含む第1廃棄物と、第1炭素物よりも炭素繊維の含有量が少ない第2廃棄物とに分別される。第1収容部61に収容された第1廃棄物は、酸処理部71に導入される。酸処理部71はタンクを備え、第1廃棄物と酸とを接触させ、第1廃棄物に含まれる樹脂成分等を溶解させる。酸としては、硫酸等を用いることができる。酸処理時には必要に応じて電気分解処理を行って樹脂の分解を促進してもよい。
酸処理部71では、樹脂成分が溶解し、第1廃棄物に含まれていた炭素繊維を固形分とするスラリーが得られる。このスラリーは例えばフィルターを備える濾過部75に導入される。濾過部75はフィルタープレスであってよい。スラリーは、濾過部75において、炭素繊維残渣と液体分として樹脂リッチ分とに分離される。炭素繊維残渣は、炭素繊維として再利用してもよいし、炭化炉に導入して還元雰囲気下で蒸し焼きにし、炭化燃料としてもよい。炭化燃料は、セメント原燃料としてもよいし、バーナ燃焼用又は仮焼炉用の燃料としてもよい。樹脂リッチ分は、例えばセメントクリンカ製造装置の仮焼炉又はキルン窯前で燃焼してもよい。
第2収容部62に収容された第2廃棄物は、加熱処理部72に導入される。加熱処理部72は、例えば、加熱炉、炭化炉及びキルンの少なくとも一つを備えてよい。加熱炉では、酸化雰囲気下で第2廃棄物を燃焼して炭化残渣にしてもよい。炭化炉では、還元雰囲気下で第2廃棄物を蒸し焼きにして炭化燃料としてもよい。このようにして得られる炭化残渣及び炭化燃料は、セメント原燃料としてもよいし、バーナ燃焼用又は仮焼炉用の燃料としてもよい。加熱炉の排熱はセメントクリンカ製造装置のキルンにて排熱回収してもよい。第2廃棄物は、キルンの窯前で燃焼してもよい。
処理システム200は、炭素繊維を含む廃棄物を分別装置100で分別することによって、廃棄物の処理を円滑にすることができる。また、廃棄物の有効活用を図ることができる。処理システム200は、変形例において、分別装置100に代えて分別装置101又は分別装置102を備えてもよい。これらの変形例によっても、廃棄物の処理を円滑にすることができる。
図6は、廃棄物の処理システムの別の例を示す模式図である。処理システム201は、廃棄物の破砕装置80と、分別装置100と、炭素繊維を含む第1廃棄物51を酸処理する酸処理部71Aと、酸処理して得られるスラリーを濾過する濾過部75と、濾過部75で得られた固形物を加熱処理する加熱部76と、第1廃棄物51よりも炭素繊維の含有量が少ない第2廃棄物52を加熱処理する加熱処理部72と、を備える。すなわち、酸処理部71A及び加熱部76を備える点で図5の処理システム200とは異なる。処理システム200と共通する要素については、処理システム200で説明した内容を適用することができる。
処理システム201は、廃棄物が熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPを含む場合に好適に用いることができる。このような廃棄物を分別装置100で分別すると、第1収容部61に収容された第1廃棄物は熱硬化性CFRPと熱可塑性CFRPを含む。
第1廃棄物は、第1収容部61から酸処理部71Aに導入される。酸処理部71Aは例えばタンクを備えており、当該タンク内において第1廃棄物51と酸とが接触し、第1廃棄物51に含まれる熱硬化性樹脂等が溶解する。第1廃棄物51は熱硬化性CFRP及び熱可塑性CFRPを含むため、第1廃棄物51は、少なくとも炭素繊維、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の3成分を含む。酸処理部71Aにおいて、上記3成分のうち、まず酸との接触により加水分解可能な成分(主に熱硬化性樹脂)が、炭素繊維から脱離する。酸処理時には必要に応じて電気分解処理を行って樹脂成分の分解を促進してもよい。
酸処理部71Aにおいて、熱硬化性樹脂が溶解し、炭素繊維及び熱可塑性樹脂を主たる固形分とするスラリーが得られる。このスラリーを濾過部75に導入し、炭素繊維及び熱可塑性樹脂の含有量が第1廃棄物よりも大きい固形分と、熱硬化性樹脂の含有量(熱硬化性樹脂由来の成分を含む含有量)が第1廃棄物よりも大きい溶解成分(熱硬化性樹脂リッチ分)とに分別される。ここで得られる固形分は、第1廃棄物よりも炭素繊維及び熱可塑性樹脂の含有量が大きくなっている。この固形分は、加熱部76に導入され、熱可塑性樹脂が溶融する温度以上に加熱される。これによって、熱可塑性樹脂と炭素繊維とを分離することができる。このようにして、第1廃棄物が、炭素繊維残渣と、熱可塑性樹脂の含有量が固形分よりも大きい溶解成分(熱可塑性樹脂リッチ分)とに分別される。
上述のとおり、処理システム201は、酸処理部71A、濾過部75及び加熱部76を備えるため、廃棄物が熱硬化性CFRP及び熱可塑性CFRPを含む場合であっても、強度が高く且つ燃え難い炭素繊維と、強度が比較的低く燃え易い樹脂成分とを分別し、その後の処理を円滑にすることが可能となる。
図7は、処理システム200及び201に備えられる加熱処理部の一例を示す模式図である。加熱処理部72は、検出器90と、加熱炉91と、炭化炉92とを備える。検出器90は、第2廃棄物中の炭素繊維の有無、又は含有量を検出し、炭素繊維の含有量に応じて、第2廃棄物の後処理の方法を選択できるように構成される。
第2廃棄物中に炭素繊維が含まれていない、又は僅かである場合(例えば、第2廃棄物中の炭素繊維の含有量が、第2廃棄物全量を基準として5質量%以下)、セメントの品質への影響が少ないことから、そのままキルン窯前バーナの燃料として供給してもよい。第2廃棄物中に炭素繊維が含まれており、その含有量が第2廃棄物全量を基準として5質量%超である場合には、セメントの品質に影響を及ぼすことも懸念されることから、第2廃棄物は加熱炉91又は炭化炉92に導入される。
加熱炉91では、酸化雰囲気下で第2廃棄物を燃焼させ炭化残渣としてもよい。加熱炉91における燃焼を調整するために、必要に応じて、加熱炉91内に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属等の無機塩を添加してもよい。加熱炉の排熱はセメントクリンカ製造装置のキルンにて排熱回収してもよい。
炭化炉92では、還元雰囲気下で第2廃棄物を蒸し焼きにし炭化して炭化燃料としてもよい。樹脂成分は炭化によって脆化するため、燃料として用いる際の粉砕等による粒度調整等が容易となる。
加熱炉91及び炭化炉92において得られる炭化残渣及び炭化燃料は、セメント原燃料として用いることができる。当該セメント原燃料は仮焼炉に供給してもよい。
上述の廃棄物の処理システム200及び201によって得られる第2廃棄物及び樹脂リッチ分に含まれる炭素繊維を十分に低減することができる。したがって、キルンへ燃料として導入しても、炭素繊維由来の粉塵が電気集塵機に侵入し、電気集塵機の荷電減少及び集塵性能の低下の問題が生じ難い。
廃棄物の分別方法の一例は、図4の分別装置103を用いて実施することができる。この例の分別方法は、炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を乾燥させる乾燥工程と、乾燥した廃棄物群を帯電させる帯電工程と、静電気力で廃棄物の落下軌道を変えて廃棄物群を分別する分別工程と、を有する。
乾燥工程では、廃棄物群を例えば45〜95℃に加熱して廃棄物群に含まれる水分を低減する。これによって、水分による帯電性の低下を抑制し、廃棄物を一層高い精度で分別することができる。帯電工程では、帯電部10において廃棄物群50を帯電させる。帯電の極性は特に限定されない。帯電工程で帯電された廃棄物群50は、搬送部をなすコンベア36上に導入される。
分別工程では、コンベア36で、図4中左側から右側に向かって搬送され、落下する廃棄物群50に対して静電気力を作用させて落下軌道を変更し、これによって炭素繊維を含有する第1廃棄物51と第1廃棄物51よりも炭素繊維の含有量が小さい第2廃棄物52に分別する。これらの分別は、分別部に備えられる帯電ドラム32によって行うことができる。
上記分別方法の変形例では、分別装置103の代りに分別装置100、101又は102を用いてもよい。上記例(分別装置101,102)及び変形例の分別方法によれば、廃棄物群50の落下軌道を静電気力で変えることによって第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別し、その後の処理手順を互いに異ならせることができる。これによって、それぞれの含有成分に適した処理を行うことが可能となる。したがって、炭素繊維を含有する廃棄物の処理を円滑にして資源の有効利用を図ることができる。
廃棄物の処理方法は、図5の処理システム200又は図6の処理システム201を用いて実施することができる。処理システム200を用いる場合、廃棄物の処理方法は、上述の分別工程の後に、第1廃棄物を酸処理する酸処理工程と、第2廃棄物を加熱処理する加熱処理工程と、を有する。
酸処理工程では、第1廃棄物51と酸とを接触させ、第1廃棄物51に含まれる樹脂成分等を溶解させる。酸としては、硫酸等を用いることができる。必要に応じて電気分解処理を行って樹脂の分解を促進してもよい。酸処理工程では、樹脂成分が溶解し、炭素繊維を固形分とするスラリーが得られる。このスラリーを分離するために濾過工程を行ってもよい。濾過工程では、スラリーを、炭素繊維残渣と、樹脂リッチ分に分離する。炭素繊維残渣と樹脂リッチ分は、処理システム200の説明内容と同様にして処理することができる。
加熱処理工程では、第2廃棄物を、加熱炉又はキルンで加熱して燃焼処理してもよいし、炭化炉で炭化処理してもよい。加熱炉では、酸化雰囲気下で第2廃棄物を燃焼して炭化残渣にしてもよい。炭化炉では、還元雰囲気下で第2廃棄物を蒸し焼きにして炭化燃料としてもよい。このようにして得られる炭化残渣及び炭化燃料は、処理システム200の説明内容と同様にして処理することができる。
処理システム201を用いる場合、酸処理工程で熱硬化性樹脂の全部又は大部分が溶解し、炭素繊維及び熱可塑性樹脂を主たる固形分とするスラリーが得られる。このスラリーを濾過して、炭素繊維及び熱可塑性樹脂の含有量が第1廃棄物よりも大きい固形分と、熱硬化性樹脂の含有量(熱硬化性樹脂由来の成分を含む含有量)が第1廃棄物よりも大きい溶解成分(熱硬化性樹脂リッチ分)とに分別される。上記炭素繊維及び熱可塑性樹脂の含有量が第1廃棄物よりも大きい固形分は、加熱工程において、熱可塑性樹脂が溶融する温度以上に加熱することで、熱可塑性樹脂と炭素繊維とを分離する。このようにして、第1廃棄物が、炭素繊維残渣と、熱硬化性樹脂リッチ分と、熱可塑性樹脂リッチ分とに分別される。
上述の廃棄物の処理方法では、廃棄物群50を帯電性による静電気力の違いに応じて第1廃棄物51と第2廃棄物52に分別している。そして、分別された第1廃棄物と第2廃棄物とにそれぞれ異なる後処理を施している。このように、第1廃棄物と第2廃棄物をシンプルな手法で分別し、それぞれ別個の後処理を施していることから、炭素繊維を含む廃棄物を円滑に処理することができる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
本開示によれば、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することを可能にする廃棄物の分別装置及び分別方法が提供される。また、炭素繊維を含有する廃棄物を円滑に処理することが可能な廃棄物の処理システム及び処理方法が提供される。
10…帯電部、12…乾燥部、30…分別部、32…帯電ドラム、34…スクレーパ、30A,30B…帯電板、36…コンベア、50…廃棄物群、51…第1廃棄物、52…第2廃棄物、61…第1収容部、62…第2収容部、71…酸処理部、72…加熱処理部、75…濾過部、80…破砕装置、100,101,102,103…分別装置、200…処理システム。

Claims (10)

  1. 炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させる帯電部と、
    静電気力で前記廃棄物の落下軌道を変えることによって前記廃棄物群を分別する分別部と、を備える、廃棄物の分別装置。
  2. 前記帯電部は、電界中において前記廃棄物を帯電させる電界発生装置、又は、前記廃棄物を摩擦によって帯電させる摩擦発生装置を備える、請求項1に記載の廃棄物の分別装置。
  3. 前記分別部は、前記廃棄物の落下軌道を変更する帯電ドラム又は帯電板を備える、請求項1又は2に記載の廃棄物の分別装置。
  4. 前記帯電部の上流側に、前記廃棄物を乾燥する乾燥部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃棄物の分別装置。
  5. 前記乾燥部は、セメントクリンカ製造装置から発生する廃熱を利用する、請求項4記載の廃棄物の分別装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記分別装置と、前記炭素繊維を含む廃棄物の少なくとも一部を酸処理又は加熱処理する後処理部を備える、廃棄物の処理システム。
  7. 炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させること、及び、
    静電気力で前記廃棄物の落下軌道を変えることによって前記廃棄物群を分別すること、を有する、廃棄物の分別方法。
  8. 前記廃棄物群を帯電させる前に前記廃棄物群を乾燥させること、を有する、請求項7に記載の廃棄物の分別方法。
  9. 炭素繊維を含有する複数の廃棄物を含む廃棄物群を帯電させること、
    静電気力で前記廃棄物の落下軌道を変えることによって前記廃棄物群を分別すること、及び、
    分別して得られた前記炭素繊維を含有する廃棄物の少なくとも一部に酸処理又は加熱処理を施すこと、を有する、廃棄物の処理方法。
  10. 前記廃棄物群を帯電させる前に前記廃棄物群を乾燥させること、を有する、請求項9に記載の廃棄物の処理方法。
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