JP2020021658A - 電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光照射により水素や酸素を生成する水分解反応を行うとともに、利用可能な貯蔵電力を獲得できる電池システムの提供。【解決手段】電池システムは、水、第1レドックス媒体、及び光照射により酸素の生成及び前記第1レドックス媒体の還元反応を進行させる第1光触媒を含む第1電解液を保持する第1電解槽と、水、第2レドックス媒体、及び光照射により水素の生成及び前記第2レドックス媒体の酸化反応を進行させる第2光触媒を含む第2電解液を保持する第2電解槽と、前記第1電解槽と前記第2電解槽を仕切るカチオン交換膜と、前記第1電解液に浸漬された第1電極と、前記第2電解液に浸漬された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極を接続可能とする配線と、を備え、前記第1レドックス媒体の酸化還元電位が前記第2レドックス媒体の酸化還元電位と比べ0.4V以上負側に存在する。【選択図】図3

Description

本発明は、光触媒粉末に光を照射して水素及び酸素を製造するとともに、貯蔵電力を獲得可能なレドックス電池の機能を併せ持つ電池システム及び該電池システムを用いる光エネルギーの利用方法に関する。
現代社会は有限な化石資源の大量消費によって存続しており、且つその化石資源を消費することで炭酸ガスによる地球温暖化問題など、様々な環境問題が引き起こされる。そのため、化石資源に代わる代替エネルギー供給技術の開発が求められており、その重要な開発対象として、持続可能な社会構築の観点から、無尽蔵な太陽エネルギーを変換し、電力エネルギーや水素等の化学エネルギーを獲得する技術が注目されている。電力エネルギーはそのままでは保管できないため、充電反応を利用して二次電池等に貯蔵し、好きな時に放電反応で電力として取り出すことで利用するのが好ましい。
太陽エネルギーから貯蔵電力を得るには、太陽電池と二次電池を組み合わせた装置が簡単であるが、この場合の最大の欠点は、太陽電池の高い製造コストであり、この手法で化石資源並みのエネルギー価格を達成するにはシステムコストやエネルギー収支を大幅に向上する必要がある。また、二次電池技術も成熟してきているが、従来の二次電池では、太陽エネルギーで直接充電反応を進行できる例はない。
従来の二次電池としては、非特許文献1に、可逆的に酸化還元するイオン種(以下「レドックス媒体」ということがある。)の酸化還元反応を利用した電力貯蔵用のレドックスフロー電池が開示されている(例えば図1参照)。該電池は、隔膜を介して正極側電解槽と負極側電解槽とが設けられ、正極側電解槽はバナジウムイオン(5価/4価)が含まれる電解液に正極が浸漬され、負極側電解槽ではバナジウムイオン(3価/2価)が含まれる電解液に負極が浸漬されている。充電時には、2種類のイオン種(レドックス媒体)の酸化還元電位の差以上の電圧を持った電力エネルギーを正負極間に投入することで、正極側のバナジウムイオン3価を2価へ還元する反応と、負極側のバナジウムイオン4価を5価へ酸化する反応を各電極面で進行させ、電力エネルギーを化学エネルギーとして貯蔵し、放電時には、充電反応とは逆の、バナジウムイオン2価を3価へ酸化する反応と、バナジウムイオン5価から4価へ還元する反応を各電極面で進行させ、化学エネルギーを電力エネルギーとして放出するよう構成されている。
また、太陽エネルギーを利用して水から水素を製造する装置として、光触媒を用いて水を水素と酸素に直接分解する研究も進んでいる。現在の水分解システムの多くは、1つの反応槽に、水素製造を担う光触媒粉末、酸素製造を担う光触媒粉末、及びその二つを結びつける役割を持つレドックス媒体が混合されている。
非特許文献2には、光触媒を利用した水分解装置として、反応槽を水素発生槽と酸素発生槽の2槽に分けたものが開示されている。それらの2槽は、カチオン交換膜〔Nafion(登録商標)〕により仕切られ、水素発生槽では、ブロムイオン(Br2/Br-)及びPt添加TiO2光触媒粒子が含まれる電解液に白金コイル電極が浸漬され、酸素発生槽では、鉄イオン(Fe3+/Fe2+)及びTiO2光触媒粒子が含まれる電解液に白金コイル電極が浸漬され、両電極間を接続させながら波長365nm近辺の光りを照射することにより各槽に水素、酸素を発生させるよう構成されている。
非特許文献3は、2種類の光触媒を使用したZスキーム水分解装置(水素、酸素生成装置)のレビューペーパーであり、過去に研究された2つの光触媒を組合せた種々のバリエーションのZスキーム水分解装置(水素、酸素生成装置)が開示されている(Table 1参照)。例えば、単一の鉄イオンレドックス(Fe3+/Fe2+)を用い、一方の光触媒Ru/SrTiO3:Rh又はPt/SrTiO3:Rhで水素発生、他方の光触媒BiVO4で酸素発生の組合せなどが開示されている。
「電力貯蔵用レドックスフロー電池」SEIテクニカルレビュー、第179号、2011年7月、7〜16頁 Kan Fujihara, Teruhisa Ohno, Michio Matsumura, "Splitting of water by electrochemical combination of two photocatalytic reactions on TiO2 particles", Journal of Chemical Society, Faraday Transactions, 1998, 94, 3705-3709 Y. Wang, H. Suzuki, J. Xie, O. Tomita, D. Martin, M. Higashi, D. Kong, R. Abe, J. Tang, Chem. Rev., 2018, 118, 5201-5241.
本発明者は、太陽エネルギーから貯蔵電力や水素ガスなどを獲得する技術について検討する過程で上述のようなレドックスフロー電池や光触媒を利用した水分解装置について検討したが、次の(ア)〜(エ)のような問題点などが存在することを認識した。
(ア)レドックスフロー電池は、大電力を充電、放電可能なものである点で優れているが、充電反応には外部電力エネルギーが必要であるため、太陽エネルギーを利用して直接充電可能なシステムが望まれる。
(イ)太陽エネルギーを利用する水分解技術のうち1つの反応槽を用いるシステムは、コストが非常に低くまたリサイクルや耐久性の面で優れているが、現段階では、その水素生成等の効率が低い。また、水素と酸素が1つの反応槽の中で同時に生成し、分離して得られないなどの問題点が存在する。
(ウ)非特許文献2に記載の水分解技術は、水素と酸素を分離して得られる点で優れている。また、この文献には記載されていないが、水素や酸素の生成とともに、各電解槽のレドックス媒体について、光エネルギーを利用した充電反応が付加的に生起していることが認識されたが、同時に、両レドックス媒体Br2/Br-とFe3+/Fe2+の酸化還元電位差が小さい(約0.3V)ため放電反応はほとんど期待できず、レドックス電池としては実質的に機能しないことも認識された。
(エ)2種類の光触媒を使用した従来のZスキーム水分解装置は、単一のレドックス媒体を用いた例しか存在せず、前記(ウ)で述べたような充電反応や放電反応が可能な電池システムに利用できない。また、ほとんどが1槽式の反応であり、水素と酸素を分離して得られないなどの問題点が存在する。
本発明は、上記のような従来技術や該従来技術に対する本発明者の上記認識などを背景としたものであり、光照射により水素や酸素を生成する水分解反応を行うとともに、利用可能な貯蔵電力を獲得できる電池システムを提供することを課題とする。
本発明者らは、Nafion(登録商標、以下、「ナフィオン膜」ということがある。)に代表されるカチオン交換膜で2槽に仕切られたそれぞれの槽に水素製造を担う光触媒と酸素製造を担う光触媒を分けて投入し、且つそれぞれの反応槽に酸化還元電位の異なる2種類のレドックス媒体を投入し反応を進行させることで、太陽エネルギーを利用し、水を水素と酸素に分解しながら、且つ利用可能な貯蔵電力を獲得できる水分解電池システムが得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上述のような従来技術に対する認識や、上記課題のもとで得られた前記知見などに基づくものであり、本件では、以下のような発明が提供される。
<1>水、第1レドックス媒体、及び光照射により酸素の生成及び前記第1レドックス媒体の還元反応を進行させる第1光触媒を含む第1電解液を保持する第1電解槽と、
水、第2レドックス媒体、及び光照射により水素の生成及び前記第2レドックス媒体の酸化反応を進行させる第2光触媒を含む第2電解液を保持する第2電解槽と、
前記第1電解槽と前記第2電解槽を仕切るカチオン交換膜と、
前記第1電解液に浸漬された第1電極と、
前記第2電解液に浸漬された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極を接続可能とする配線と、を備え、
前記第1レドックス媒体の酸化還元電位が前記第2レドックス媒体の酸化還元電位と比べ0.4V以上負側に存在する電池システム。
<2><1>に記載の電池システムにおいて、
前記第1光触媒は、第1レドックス媒体の酸化還元電位よりも負側に伝導帯を有し、且つ1.23V vs RHEよりも正側に価電子帯を有するものであり、
前記第2光触媒は、0V vs RHEよりも負側に伝導帯を有し、且つ第2レドックス媒体の酸化還元電位よりも正側に価電子帯を有するものである電池システム。
<3><2>に記載の電池システムにおいて、
前記第1光触媒は、0.36V vs RHEよりも負側に伝導帯を有するものであり、
前記第2光触媒は、0.77V vs RHEよりも正側に価電子帯を有するものである電池システム。
<4><1>〜<3>のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
前記第1光触媒は、BiVO4が含まれており、
前記第2光触媒は、SrTi1−XRhXO3(X=0.005〜0.02)が含まれており、
前記第1レドックス媒体は、Co(bpy)3(0.30V vs RHE), Co(phen)3(0.36V vs RHE), Co(terpy)2(0.25V vs RHE)のいずれか一つであり、
前記第2レドックス媒体は、VO2 +/VO2+(1.00V vs RHE)、Fe3+/Fe2+(0.77V vs RHE)、Br2/Br-(1.09V vs RHE)のいずれか一つである電池システム。
<5><1>〜<4>のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
前記第1光触媒は、Ru、Pd、Pt、Auのいずれか一つが添加されたBiVO4である電池システム。
<6><1>〜<5>のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
前記第2光触媒は、Ruが添加されたSrTi1−XRhXO3(X=0.005〜0.02)である電池システム。
<7><1>〜<6>のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
各電解液を貯留するタンクと、該タンクと対応する電解槽の間で電解液を循環するポンプとをさらに備えるレドックスフロー電池システム。
<8><1>〜<7>のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
前記第1及び第2光触媒に光を照射して前記第1及び第2レドックス媒体の充電反応を行なわせるとともに、前記第1電解槽から酸素を生成し、且つ前記第2電解槽から水素を生成する第1動作モードと、
前記第1電極と前記第2電極との間に負荷を接続し、前記第1及び第2レドックス媒体の放電反応を行なわせる第2動作モードと、を備える電池システム。
<9><1>〜<8>のいずれか1項に記載の電池システムの少なくとも一方の電解槽を用いて、当該電解槽の光触媒に光照射し、当該電解槽において対応するガスを生成し、且つ当該電解槽のレドックス媒体を充電反応させる光エネルギーの利用方法。
<10><9>に記載の方法により充電されたレドックス媒体を含む電解槽の電極を負荷を介して他方の電解槽の電極に接続して放電する光エネルギーの利用方法。
本発明の電池システムによれば、光照射により水素や酸素を生成する水分解反応とともに、利用可能な貯蔵電力を獲得する充電反応を行うことができる。
本発明の実施形態の水分解電池システムを模式的に示す図面。 本発明の実施態様の第1、第2光触媒(9、10)の価電子帯、伝導帯、第1、第2レドックス媒体(7,8)の酸化還元電位、H+/H2酸化還元電位、O2/H2O酸化還元電位のそれぞれ相互間の関連を示す図面。 本発明の実施態様の水分解機能を有する電池システムの動作、反応等を模式的に示す図面。 左図は、Ru(0.7wt%)/SrTi0.99Rh0.01O3とVO2+水溶液を貯留した側面照射型の反応管に可視光を照射した際の水素発生量の時間経過を示す図面。右図は、光照射前と光照射8時間後における前記水溶液の吸収スペクトルを対比して示す図面。 左図は、Pd(0.01wt%)/BiVO4とCo3+(bpy)3SO4・7H2O 水溶液を貯留した側面照射型の反応管に可視光を照射した際の酸素発生量の時間経過を示す図面。右図は、光照射前と光照射5時間後における前記水溶液の吸収スペクトルを対比して示す図面。 各種助触媒を0.01wt%担持したBiVO4光触媒の酸素生成速度を比較して示す図面。 本発明の実施例のレドックス電池について、その放電特性のpH依存性を示す図面。
図1は、本発明の実施態様の水分解機能を有する電池システムを模式的に示している。水分解電池システム1は、電力の充放電及び水分解反応を行う装置で、隔膜(カチオン交換膜)2で区分されたアノード室(第1電解槽)3及びカソード室(第2電解槽)4を備えている。隔膜2は、プロトン伝導性膜として、アノード室3内のプロトンをカソード室4内に通過させる。
アノード室3内にはアノード電極(第1電極)5が設けられている。カソード室4内にはカソード電極(第2電極)6が設けられている。アノード電極5及びカソード電極6は導電性材料から形成されている。導電性材料としては、電気分解及び電力の充放電に安定なものが好ましく、例えば、カーボンフェルト等のカーボン材料、白金ワイヤ等の白金材料などを挙げることができる。
アノード室3内にはアノード電極5が浸るように第1レドックス媒体7と第1光触媒9を含む水溶液が貯留されている。カソード室4内にはカソード電極6が浸るように第2レドックス媒体8と第2光触媒10を含む水溶液が貯留されている。
図2に、第1光触媒9及び第2光触媒10と、第1レドックス媒体7及び第2レドックス媒体8、の酸化還元電位の条件を示す。
第1光触媒9の伝導帯下端は第1レドックス媒体7の酸化還元電位よりも負側の電位を有し、且つ価電子帯上端がO2/H2O酸化還元電位1.23V vs RHE〔RHE(reversible hydrogen electrode;可逆水素電極)を基準とした電位〕よりも正側の電位を有する材料が利用できる。第2光触媒10の伝導帯下端はH+/H2酸化還元電位0.0V vs RHEよりも負側の電位を有し、且つ価電子帯上端が第2レドックス媒体8の酸化還元電位よりも正側の電位を有する材料が利用できる。第1レドックス媒体7は、酸化還元電位が、第2レドックス媒体8の酸化還元電位よりも相対的に0.4V以上負側である物質が使用できる。
第1レドックス媒体7は、上記条件を満たすものであり、Co(bpy)3(0.30V vs RHE)、Co(phen)3(0.36V vs RHE)、 Co(terpy)2(0.25V vs RHE)の中から選択される1つ以上のレドックス媒体が好ましい(「bpy」、「phen」、「terpy」については、後述する。)
第2レドックス媒体8は、上記条件を満たすものであり、VO2 +/VO2+(1.00V vs RHE)、Fe3+/Fe2+(0.77V vs RHE)、Br2/Br-(1.09V vs RHE)の中から選択される1つ以上のレドックス媒体が好ましい。
光触媒としては、上記のような条件を満足するものから選択することができる。そのような光触媒としては、限定するものではないが、第1光触媒としては、BiVO4、TaON、Ta3N5などが、第2光触媒としてはSrTi1−XRhXO3(X=0.01又はX=0.005〜0.02程度)、TaON、C3N4などが挙げられる。
第1光触媒のBiVO4は、助触媒としてRu、Rh、Pd、Pt、Ag、Auの1種以上光触媒表面へ担持したものであることが望ましい。その添加量は、第1光触媒の0.001〜0.1wt%、好ましくは0.005〜0.05wt%である。
第2光触媒のSrTiO3は、Rh、Ir、Crなどの1種以上をドーピングしたものであることが望ましい。そのドーピング量は、第2光触媒の0.1〜5mol%、好ましくは0.5〜2mol%である。さらに第2光触媒のSrTiO3は、助触媒としてRu、Rh、Ni、Pt、Ir、Auなどの1種以上を光触媒表面へ担持したものであることが望ましい。その添加量は、第2光触媒の0.1〜5wt%、好ましくは0.5〜0.2wt%である。
光触媒の形態は、限定するものではないが、好ましくは電解液中に浮遊可能な紛体(平均粒径 10nm〜10μm程度)であることが好ましい。
図3は光触媒を用いて水素、酸素及び貯蔵電力を獲得するための動作原理について示している。
第1光触媒9に光を照射すると、伝導帯に電子(e-)が生成し、価電子帯に正孔(h+)が生成する。第1光触媒9の表面に移動した正孔は、水を酸化して酸素を生成する。一方、生成した電子は、第1光触媒9の表面に移動し、第1レドックス媒体7の酸化体(Ox)を還元し第1レドックス媒体7の還元体(Red)を生成する。
第2光触媒10に光を照射すると、伝導帯に電子(e-)が生成し、価電子帯に正孔(h+)が生成する。第2光触媒10の表面に移動した正孔は、第2レドックス媒体8の還元体(Red)を酸化して第2レドックス媒体8の酸化体(Ox)を生成する。一方、生成した電子は、第2光触媒9の表面に移動し水を還元し水素を生成する。
ここで、第1レドックス媒体7の還元体の生成及び第2レドックス媒体8の酸化体の生成反応は、これらを組み合わせたレドックス電池の充電反応に相当する。そのため、アノード電極(第1電極)5及びカソード電極6(第2電極)を用い、第1レドックス媒体7の還元体と第2レドックス媒体8の酸化体から、電力エネルギーを放出する放電反応を進行することができる。
以上のように、本発明の電池システムでは、第1電解槽中の第1レドックス媒体と第2電解槽中の第2レドックス媒体の可逆的酸化還元反応により充電、放電されるのであるから、レドックス電池であるといえる。
また、本発明の電池システムは、各電解液を貯留するタンクと、該タンクと対応する電解槽の間で電解液を循環するポンプとを備えて、レドックスフロー電池とすることもできる。その際、光触媒を電解槽に保持し、電解液中のレドックス媒体のみを循環させることもできる。
なお、レドックス媒体の酸化還元反応とは、当該酸化還元電位よりも負側の電位を持った電子によってレドックス媒体が還元される反応、及び酸化還元電位よりも正側の電位を持った正孔によってレドックス媒体が酸化される反応を指し、酸化還元電位はその境界線となる物理量である。
また、本発明において、充電反応とは、第1レドックス媒体の酸化還元電位が第2レドックス媒体の酸化還元電位と比べ0.4V以上負側に存在するそのような第1、第2レドックス媒体を前提として、第1レドックス媒体の還元体が増加する方向の反応、前記第2レドックス媒体の酸化体が増加する方向の反応を意味し、放電反応とは、前記第1レドックス媒体の酸化体が増加する方向の反応、前記第2レドックス媒体の還元体が増加する方向の反応を意味する。
上記のような充電反応は、第1、第2電極間を開放した状態において光照射することにより、第1レドックス媒体7の酸化体が全て還元されてその充電反応が完了するまで、第1電解槽で酸素が生成され、第2レドックス媒体の還元体が全て酸化されその充電反応が完了するまで第2電解槽で水素が生成される。それ故、各電解槽は、それぞれ独立して水分解反応と充電反応を行うことができるので、一方の電解槽だけを使用して光照射し、対応する水分解反応と、そのレドックス媒体の充電反応を生起させることもできる。
一方、第1、第2電極間を短絡した状態で光照射を行うと、各電極表面で各レドックス媒体の充電と逆の放電反応が生起するため、光照射を継続する限り、水素と酸素の生成のみが行われる。
上記の充電反応は光照射によるものであるが、本発明の電池システムは、光照射を行うことなく、第1、第2電極間に別装置で獲得した外部電力を印加し、レドックス媒体7の酸化体を還元しながらレドックス媒体8の還元体を酸化する電極反応を進行させることで、電力を貯蔵する二次電池として利用することもできる。
本発明の電池システムの放電は、第1、第2電極間に負荷を接続し、各電極表面で各レドックス媒体の放電反応が生起して行われる。電池システムの放電中に光照射を行い、水素、酸素の生成を同時に行うこともできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
2.370gのSrCO3(関東化学社製)、1.187gのTiO2(高純度化学社製)、及び0.019gのRh2O3(和光純薬工業社製)を、アルミナ乳鉢を用いて1時間混合した。その後、900℃で1時間空気焼成し、回収した粉末をさらにアルミナ乳鉢を用いて15分混合した。その後、1000℃で10時間空気焼成することでSrTi0.99Rh0.01O3を得た。次に、10vol%のメタノール水溶液を300ml用意し、その中に0.2gのSrTi0.99Rh0.01O3粉末及び50mMのRuCl3水溶液(0.27mL)を投入し、スターラーで攪拌しながら300WのXeランプ(Cermax製、LX300F)を用いて3時間光照射を行った。その後、懸濁していた粉末を吸引濾過で回収し、減圧乾燥を1晩行うことで、Ru(0.7wt%)/SrTi0.99Rh0.01O3を作製した。続いて、0.6mmolのVOSO4・2.2H2Oを300mLのイオン交換水に溶解させ、硫酸(和光純薬工業社製)を用いてpHを2.2に調整したVO2+水溶液を作製した。VOSO4の水和数は、熱重量分析装置(rigaku, Thrmoplus TG8120)を用いて算出した。次に、50mgのRu(0.7wt%)/SrTi0.99Rh0.01O3とVO2+水溶液を側面照射型の反応管に入れ、ガスクロマトグラフと真空ポンプを備えた閉鎖循環系に接続した。反応溶液はマグネチックスターラーで攪拌した。そして、閉鎖循環系内を真空脱気したのち、光源にカットオフフィルター(HOYA製、L42)で照射光を可視光に制御した300WのXeランプ(Cermax製、LX300F)を用いて光照射を行った。その後、生成した気体をガスクロマトグラフ(Shimadzu製、GC-8A)にて定性定量した。さらに反応水溶液の吸収スペクトルを紫外可視近赤外分光光度計(日本分光、V-570)により測定した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、光照射と同時に水素が生成し、その生成量は、300μmolに達するまで増加した。この300μmolという物質量は、反応管内に投入したVO2+イオンのモル数から見積もられる理論生成量と良く一致した。さらに反応前後の反応水溶液の吸収スペクトルの比較から、VO2+特有の780nm付近にピークトップを持つ吸収バンドが消失していることも確かめられた。これより、Ru(0.7wt%)/SrTi0.99Rh0.01O3を光触媒材料として用いることで、VO2+をVO2 +へ100%変換するまで速やかに水素が生成することがわかった。
(実施例2)
50mlの三角フラスコに、Bi2O3(和光純薬製、純度99.9%)5mmol(2.3298g)、V2O5(関東化学製、純度99%)5mmol(0.9094g)、水48gを添加し、ホットスターラーで室温撹拌(600rpm)しながら濃硝酸2.24ml(15.6M)添加して、10分間保持した。この時の前駆体溶液中の無機酸の濃度は0.7Mである。その後、前駆体溶液が入った三角フラスコを、あらかじめ水温が80℃に保持されるように設定した水浴中に設置し、さらに24時間600rpmの速度で撹拌した。その際、懸濁している粉末の色が、オレンジから黄色を経て再度オレンジ色に変化する様子が観測された。その後、吸引濾過を行い、70℃に保持された乾燥機で6時間乾燥し、BiVO4を得た。次に、10vol%のメタノール水溶液を5ml用意し、その中に0.45gのBiVO4粉末及び45mMのPd(NO3)2水溶液(0.01mL)を投入し、スターラーで攪拌しながら300WのXeランプ(Cermax製、LX300F)を用いて1時間光照射を行った。その後、懸濁していた粉末を吸引濾過で回収し、減圧乾燥を1晩行うことで、Pd(0.01wt%)/BiVO4を作製した。
次に、100mLの三角フラスコに7.9gの2,2’-Bipyridine(関東化学社製、以下、「bpy」又は「bipyridine」と記載することがある。)及び40mLのエタノール(和光純薬工業社製)を混合し完全に溶解させた。さらに別の50mLのビーカーに4.318gのCoSO4・7H2O(和光純薬工業社製)及び8mLの水を混合し、完全に溶解させ、先ほどのbipyridine溶液へ混合し、得られた沈殿物を600rpmの速度で攪拌しながら2時間熟成させた。その後得られた沈殿物を吸引濾過により回収し、さらに90vol%のメタノール水溶液50mL中で10分600rpmの速度で攪拌した。その後得られた沈殿物を吸引濾過で回収し、減圧乾燥を1晩行うことで、Co2+(bpy)3SO4・7H2Oを作製した。生成物の水和数は、熱重量分析装置(rigaku, Thrmoplus TG8120)を用いて算出した。
次にナフィオン膜で2室に仕切られた反応セルのアノード室に1gのCo2+(bpy)3SO4・7H2O、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入しカソード室には、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入した。その後アノード電極としてカーボンフェルト(円柱状、直径10mm、高さ5mm)、対極にはPt wire, 参照電極にはAg/AgCl電極をそれぞれ用い、0.7V vs Ag/AgClの条件で定電圧電解酸化処理を行った。その結果、初期には30mA程度の電流が流れていたのに対し、5時間後にはほぼ流れなくなった。流れた電流の積算クーロン量よりすべてのCo2+(bpy)3SO4がCo3+(bpy)3SO4へ酸化されたことを確かめた。
次に、400mgのPd(0.01wt%)/BiVO4とCo3+(bpy)3SO4・7H2O 水溶液(0.5mM/300mL)を側面照射型の反応管に入れ、ガスクロマトグラフと真空ポンプを備えた閉鎖循環系に接続した。反応溶液はマグネチックスターラーで攪拌した。そして、閉鎖循環系内を真空脱気したのち、光源にカットオフフィルター(HOYA製、L42)で照射光を可視光に制御した300WのXeランプ(Cermax製、LX300F)を用いて光照射を行った。その後、生成した気体をガスクロマトグラフ(Shimadzu製、GC-8A)にて定性定量した。さらに反応水溶液の吸収スペクトルを紫外可視近赤外分光光度計(日本分光、V-570)により測定した。その結果を図5に示す。
図5から明らかなように、光照射と同時に酸素が生成し、その生成量は、37.5μmolに達するまで増加した。この37.5μmolという物質量は、反応装置内に投入したCo3+(bpy)3SO4イオンのモル数から見積もられる理論生成量と良く一致した。さらに反応前後の反応水溶液の吸収スペクトルの比較から、Co3+(bpy)3SO4特有の460nm付近にピークトップを持つ吸収バンドが消失し、Co2+(bpy)3SO4とほぼ一致する吸収スペクトルへ変化したことも確かめられた。これより、Pd(0.01wt%)/BiVO4を光触媒材料として用いることで、Co3+(bpy)3SO4をCo2+(bpy)3SO4へ100%変換するまで速やかに酸素が生成することがわかった。
(実施例3〜12)
実施例3〜12は、実施例2においてBiVO4に添加するPd助触媒の変形例である。すなわち実施例3〜12は、Pd助触媒をそれぞれpristine、 Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pt、Cu、Ag、又はAuに変更したものである。図6に、実施例2(Pd助触媒)を含めて、実施例3〜12の光触媒における酸素生成速度の結果を示す。この図における酸素生成速度は、反応開始時から1時間経過までに発生した物質量で定義している。以下単に酸素生成速度という場合には同じ定義とする。
実施例3のpristineはBiVO4に助触媒を担持していない場合であり、BiVO4は助触媒なしでも酸素を生成することが確かめられた。さらにRu(実施例4)やRh(実施例6)、Pt(実施例9)やAu(実施例12)も優秀な助触媒として機能することがわかった。酸素生成速度はPdを担持した場合に最も高かった。
(実施例13、14)
実施例13、14は、実施例2における第1レドックス媒体Co(bpy)3の変形例であり、実施例13はCo(phen)3を用いており、実施例14は Co(terpy)2を用いたものである。
以下実施例13のCo(phen)3について述べる。100mLの三角フラスコに2.0gの1,10-phenanthroline(Aldrich社製、以下、「phen」又は「phenanthroline」と記載することがある。)及び5 mLのエタノール(和光純薬工業社製)を混合し完全に溶解させた。さらに別の50mLのビーカーに1.042gのCoSO4・7H2O(和光純薬工業社製)及び2mLの水を混合し、完全に溶解させ、先ほどのphenanthroline溶液へ混合し、そこへアセトンを10mL加えた。得られた沈殿物を吸引濾過によりアセトン20mLで洗浄した後に回収した。減圧乾燥を1晩行うことで、Co2+(phen)3SO4・7H2Oを作製した。
次にナフィオン膜で2室に仕切られた反応セルのアノード室に1gのCo2+(phen)3SO4・7H2O、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入しカソード室には、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入した。その後アノード電極としてカーボンフェルト(円柱状, 直径10 mm, 高さ 5 mm)、対極にはPt wire, 参照電極にはAg/AgCl電極をそれぞれ用い、0.7V vs Ag/AgClの条件で定電圧電解酸化処理を行った。
その結果、初期には20mA程度の電流が流れていたのに対し、5時間後にはほぼ流れなくなった。流れた電流の積算クーロン量よりすべてのCo2+(phen)3SO4がCo3+(phen)3SO4へ酸化されたことを確かめた。
以下、実施例14の Co(terpy)2について述べる。100mLの三角フラスコに1.0gの2,2’:6’,2”-terpyridine(東京化成社製、以下、「terpy」又は「terpyridine」と記載することがある。)及び10 mLのエタノール(和光純薬工業社製)を混合し完全に溶解させた。さらに別の50mLのビーカーに0.602gのCoSO4・7H2O(和光純薬工業社製)及び2mLの水を混合し、完全に溶解させ、先ほどのterpyridine溶液へ混合し、そこへアセトンを10mL加えた。得られた沈殿物を吸引濾過によりアセトン20mLで洗浄した後に回収した。減圧乾燥を1晩行うことで、Co2+(terpy)2SO4・7H2Oを作製した。次にナフィオン膜で2室に仕切られた反応セルのアノード室に1gのCo2+(terpy)2SO4・7H2O、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入しカソード室には、0.1mLのH2SO4、及びイオン交換水160mLを投入した。その後アノード電極としてカーボンフェルト(円柱状, 直径10mm, 高さ 5mm)、対極にはPt wire, 参照電極にはAg/AgCl電極をそれぞれ用い、0.7V vs Ag/AgClの条件で定電圧電解酸化処理を行った。その結果、初期には20mA程度の電流が流れていたのに対し、5時間後にはほぼ流れなくなった。流れた電流の積算クーロン量よりすべてのCo2+(terpy)2SO4がCo3+(terpy)2SO4へ酸化されたことを確かめた。
次に、400mgのPd(0.01wt%)/BiVO4とCo3+(phen)3SO4・7H2O 水溶液(0.5mM/300mL)、もしくはCo3+(terpy)2SO4・7H2O 水溶液(0.5mM/300mL)を側面照射型の反応管に入れ、ガスクロマトグラフと真空ポンプを備えた閉鎖循環系に接続した。反応溶液はマグネチックスターラーで攪拌した。そして、閉鎖循環系内を真空脱気したのち、光源にカットオフフィルター(HOYA製、L42)で照射光を可視光に制御した300WのXeランプ(Cermax製、LX300F)を用いて光照射を行った。その後、生成した気体をガスクロマトグラフ(Shimadzu製、GC-8A)にて定性定量した。
実施例2、13、14における酸素生成速度の結果を表1に示す。このようにCo3+(phen)3SO4・7H2O 水溶液(0.5mM/300mL)、もしくはCo3+(terpy)2SO4・7H2O 水溶液を用いた場合であっても酸素の発生が確認された。なお、Co(bpy)3(実施例2)、Co(phen)3(実施例13)、Co(terpy)2(実施例14)を酸素生成速度で対比した場合にはCo(bpy)3 >Co(phen)3 >Co(terpy)2であった。
Figure 2020021658
(実施例15)
ナフィオン膜で2室に仕切られた反応セルのアノード室に2mMのCo2+(bpy)3SO4・7H2O、及びイオン交換水160mLを投入し、カソード室には、2mMのVO2 +、及びイオン交換水160mLを投入した。アノード電極及びカソード電極にはそれぞれカーボンフェルト(円柱状, 直径10mm, 高さ5 mm)を用い、放電特性のpH依存性を評価した。pHはH2SO4の添加により調整した。その結果を図7に示す。
図7に示されるように、両極にカーボンフェルトを用いることで、pH1からpH3.1の領域で放電反応が進行した。pH2.1程度で取り出せる電力量は最も大きくなった。
本発明の電池システムによれば、太陽光などの光照射により水素や酸素を生成できるとともに、貯蔵電力も獲得できるので、水素や二次電池を必要とする燃料電池システム、離島乃至遠隔地エネルギー供給システムなどの各種のシステムに好適に利用することが期待される。
1:電池システム
2:隔膜(カチオン交換膜)
3:アノード室(第1電解槽)
4:カソード室(第2電解槽)
5:アノード電極(第1電極)
6:カソード電極(第2電極)
7:第1レドックス媒体
8:第2レドックス媒体
9:第1光触媒
10:第2光触媒

Claims (10)

  1. 水、第1レドックス媒体、及び光照射により酸素の生成及び前記第1レドックス媒体の還元反応を進行させる第1光触媒を含む第1電解液を保持する第1電解槽と、
    水、第2レドックス媒体、及び光照射により水素の生成及び前記第2レドックス媒体の酸化反応を進行させる第2光触媒を含む第2電解液を保持する第2電解槽と、
    前記第1電解槽と前記第2電解槽を仕切るカチオン交換膜と、
    前記第1電解液に浸漬された第1電極と、
    前記第2電解液に浸漬された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極を接続可能とする配線と、を備え、
    前記第1レドックス媒体の酸化還元電位が前記第2レドックス媒体の酸化還元電位と比べ0.4V以上負側に存在する電池システム。
  2. 請求項1に記載の電池システムにおいて、
    前記第1光触媒は、第1レドックス媒体の酸化還元電位よりも負側に伝導帯を有し、且つ1.23V vs RHEよりも正側に価電子帯を有するものであり、
    前記第2光触媒は、0V vs RHEよりも負側に伝導帯を有し、且つ第2レドックス媒体の酸化還元電位よりも正側に価電子帯を有するものである電池システム。
  3. 請求項2に記載の電池システムにおいて、
    前記第1光触媒は、0.36V vs RHEよりも負側に伝導帯を有するものであり、
    前記第2光触媒は、0.77V vs RHEよりも正側に価電子帯を有するものである電池システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
    前記第1光触媒は、BiVO4が含まれており、
    前記第2光触媒は、SrTi1−XRhXO3(X=0.005〜0.02)が含まれており、
    前記第1レドックス媒体は、Co(bpy)3(0.30V vs RHE), Co(phen)3(0.36V vs RHE), Co(terpy)2(0.25V vs RHE)のいずれか一つであり、
    前記第2レドックス媒体は、VO2 +/VO2+(1.00V vs RHE)、Fe3+/Fe2+(0.77V vs RHE)、Br2/Br-(1.09V vs RHE)のいずれか一つである電池システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
    前記第1光触媒は、Ru、Pd、Pt、Auのいずれか一つが添加されたBiVO4である電池システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
    前記第2光触媒は、Ruが添加されたSrTi1−XRhXO3(X=0.005〜0.02)である電池システム。
    前記電池システムは、
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
    各電解液を貯留するタンクと、該タンクと対応する電解槽の間で電解液を循環するポンプとをさらに備えるレドックスフロー電池システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、
    前記第1及び第2光触媒に光を照射して前記第1及び第2レドックス媒体の充電反応を行なわせるとともに、前記第1電解槽から酸素を生成し、且つ前記第2電解槽から水素を生成する第1動作モードと、
    前記第1電極と前記第2電極との間に負荷を接続し、前記第1及び第2レドックス媒体の放電反応を行なわせる第2動作モードと、を備える電池システム。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池システムの少なくとも一方の電解槽を用いて、当該電解槽の光触媒に光照射し、当該電解槽において対応するガスを生成し、且つ当該電解槽のレドックス媒体を充電反応させる光エネルギーの利用方法。
  10. 請求項9に記載の方法により充電されたレドックス媒体を含む電解槽の電極を負荷を介して他方の電解槽の電極に接続して放電する光エネルギーの利用方法。
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