JP2020021105A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 反射モデルに適した観測値を用いて物体の反射特性を推定するための画像処理を提供することを目的とする。【解決手段】 物体の表面の形状を表す形状情報を取得する第1取得手段と、複数の幾何条件において前記物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する第2取得手段と、前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定するための画素値として決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された画素値を用いることによって、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定する推定手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。【選択図】 図8
Description
本発明は、物体の反射特性を推定するための画像処理技術に関する。
物体の質感を再現するため、物体における反射光のふるまいを反射特性として取得する技術が知られている。特許文献1は、物体において同一の素材である領域を同一のグループとして、同一のグループごとに反射モデルを観測値に近似させることによって反射特性を推定する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1のように、反射モデルを領域ごとの観測値に近似させる場合、物体の形状によっては領域内に反射モデルに適していない観測値が含まれている場合がある。その場合、精度の高い反射特性の推定ができないという課題があった。
本発明は上記課題をふまえてなされたものであり、反射モデルに適した観測値を用いて物体の反射特性を推定するための画像処理を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、物体の表面の形状を表す形状情報を取得する第1取得手段と、複数の幾何条件において前記物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する第2取得手段と、前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定するための画素値として決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された画素値を用いることによって、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定する推定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、反射モデルに適した観測値を用いて物体の反射特性を推定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施の形態は本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、また以下の実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明を構成する上で必須のものとは限らない。
[第1実施形態]
<反射モデルを用いた反射特性の推定における課題>
反射モデルを用いて物体の反射特性を推定する場合、物体を複数の幾何条件において撮像することによって得られた複数の撮像画像の画素値(以下、観測値とも呼ぶ)に反射モデルを近似させる。以下、反射モデルを観測値に近似させることをフィッティングとも呼ぶ。この際に、物体における1点ごとに観測値をフィッティングに用いるよりも、物体における領域ごとに観測値をフィッティングに用いる方が、より多くの観測値を用いたフィッティングを行うことができる。このため、観測値に含まれるノイズの影響を低減することができる。しかし、観測値にフィッティングする反射モデルは、一般的に、光の入射方向に対して正反射の方向において最も高い反射率を有する単峰性(反射率のピークが1つ)の関数で表される。このため、物体の表面形状によっては観測値が反射モデルの形にあてはまらず、推定誤差が生じてしまう。
<反射モデルを用いた反射特性の推定における課題>
反射モデルを用いて物体の反射特性を推定する場合、物体を複数の幾何条件において撮像することによって得られた複数の撮像画像の画素値(以下、観測値とも呼ぶ)に反射モデルを近似させる。以下、反射モデルを観測値に近似させることをフィッティングとも呼ぶ。この際に、物体における1点ごとに観測値をフィッティングに用いるよりも、物体における領域ごとに観測値をフィッティングに用いる方が、より多くの観測値を用いたフィッティングを行うことができる。このため、観測値に含まれるノイズの影響を低減することができる。しかし、観測値にフィッティングする反射モデルは、一般的に、光の入射方向に対して正反射の方向において最も高い反射率を有する単峰性(反射率のピークが1つ)の関数で表される。このため、物体の表面形状によっては観測値が反射モデルの形にあてはまらず、推定誤差が生じてしまう。
図1に、表面に凸部を有する物体の一例を示す。図1に示す参照範囲Aと参照範囲Bとにおける観測値を用いて反射特性の推定を行う例を図2に示す。図2(a)は、参照範囲Aに対して垂直方向から光が入射した場合に起こる反射の様子を示す。図2(b)は、参照範囲Aについて、光の出射角に対して観測強度をプロットした結果を示す。参照範囲Aにおいて、物体の表面は角度θ1の法線を有する。反射光は正反射方向へ強く反射されるため、参照範囲Aにおいては、角度2θ1における観測値が観測値のピークとなる。この観測強度に対して反射モデルのフィッティングを行った結果を図2(c)に示す。図2(d)は、参照範囲Bに対して垂直方向から光が入射した場合に起こる反射の様子を示す。図2(e)は、参照範囲Bについて、光の出射角に対して観測強度をプロットした結果を示す。参照範囲Bにおいて、物体の表面は角度θ2の法線及び角度θ3の法線を有する。反射光は正反射方向、つまり角度θ2の法線を有する面においては角度2θ2方向、角度θ3の法線を有する面においては角度2θ3方向へ強く反射されるため、参照範囲Bにおいては、角度2θ2及び2θ3の2つの角度における観測値が観測値のピークとなる。この観測強度に対して反射モデルのフィッティングを行った結果を図2(f)に示す。図2(f)に示すフィッティングの結果において、観測値が複数のピークを有するために、単峰性の反射モデルのフィッティングでは推定誤差が発生してしまうことが確認できる。このように、反射モデルのフィッティングのために参照する範囲において観測強度が複数のピークを有する場合に、反射特性の推定精度が低下してしまうという課題がある。
そこで、本実施形態においては、物体の表面形状に基づいて、法線方向(面の向き)が類似する領域を1つの参照範囲として設定し、設定した参照範囲ごとに観測値を用いて反射特性の推定を行う。これにより、参照範囲内の観測値のピークは1つとなるため、単峰性の反射モデルに適した反射特性の推定を行うことができる。
<画像処理装置1のハードウェア構成>
図3は、画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、例えばコンピュータであり、CPU301、ROM302、RAM303を備える。また、画像処理装置1は、VC(ビデオカード)304、汎用I/F(インターフェース)305、SATA(シリアルATA)I/F306、NIC(ネットワークインターフェースカード)307を備える。CPU301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302、HDD(ハードディスクドライブ)313などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU301は、システムバス308を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートによる処理は、ROM302やHDD313などに格納されたプログラムコードがRAM303に展開され、CPU301によって実行される。VC304には、ディスプレイ315が接続される。汎用I/F305には、シリアルバス309を介して、マウスやキーボードなどの入力デバイス310や撮像装置311が接続される。SATAI/F306には、シリアルバス312を介して、HDD313や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ314が接続される。NIC307は、外部装置との間で情報の入力及び出力を行う。CPU301は、HDD313や汎用ドライブ314にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。CPU301は、プログラムによって提供されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)をディスプレイ315に表示し、入力デバイス310を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
図3は、画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、例えばコンピュータであり、CPU301、ROM302、RAM303を備える。また、画像処理装置1は、VC(ビデオカード)304、汎用I/F(インターフェース)305、SATA(シリアルATA)I/F306、NIC(ネットワークインターフェースカード)307を備える。CPU301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302、HDD(ハードディスクドライブ)313などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU301は、システムバス308を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートによる処理は、ROM302やHDD313などに格納されたプログラムコードがRAM303に展開され、CPU301によって実行される。VC304には、ディスプレイ315が接続される。汎用I/F305には、シリアルバス309を介して、マウスやキーボードなどの入力デバイス310や撮像装置311が接続される。SATAI/F306には、シリアルバス312を介して、HDD313や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ314が接続される。NIC307は、外部装置との間で情報の入力及び出力を行う。CPU301は、HDD313や汎用ドライブ314にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。CPU301は、プログラムによって提供されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)をディスプレイ315に表示し、入力デバイス310を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
<画像処理装置1の論理構成>
図4は、画像処理装置1の論理構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、CPU301がROM302に格納されたプログラムをRAM303をワークメモリとして実行することによって、図4に示す論理構成として機能する。尚、以下に示す処理の全てがCPU301によって実行される必要はなく、処理の一部または全てがCPU301以外の一つまたは複数の処理回路によって行われるように画像処理装置1が構成されていてもよい。
図4は、画像処理装置1の論理構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、CPU301がROM302に格納されたプログラムをRAM303をワークメモリとして実行することによって、図4に示す論理構成として機能する。尚、以下に示す処理の全てがCPU301によって実行される必要はなく、処理の一部または全てがCPU301以外の一つまたは複数の処理回路によって行われるように画像処理装置1が構成されていてもよい。
画像処理装置1は、入力受付部400、形状情報取得部401、画像情報取得部402、撮像情報取得部403、反射特性推定部404を有する。入力受付部400は、ディスプレイ315にGUIを表示し、ユーザからの指示入力を受け付ける。形状情報取得部401は、物体の表面形状を表す形状情報を取得する。本実施形態における形状情報取得部401は、物体表面の高さh(x,y)の分布を表す高さデータを取得する。高さデータは、画像情報取得部402によって取得される画像データと対応付いており、画像データが表す画像の各画素位置における物体表面の高さを保持しているデータである。形状情報取得部401は、予め生成された高さデータをHDD313等の記憶装置から取得する。尚、高さデータは、周期的に輝度が変化する投影パターンを用いる位相シフト法や、レーザーレンジファインダを用いた三角測量などを利用することにより予め生成しておく。画像情報取得部402は、物体を撮像することによって得られた画像データを取得する。本実施形態における画像情報取得部402は、光源及び撮像装置311の位置及び向きを変化させながら物体を撮像することによって得られる複数の画像データをHDD313等の記憶装置から取得する。画像データが表す画像の画素値をIn(x,y)とする。ここで、nは撮像画像の識別番号であり、c枚の撮像画像に対して1〜cの番号が割り当てられる。尚、本実施形態における画像データはグレースケール画像データであり、画素値はR値、G値、B値から公知の方法によって算出される輝度値である。本実施形態において、画像情報取得部402は、8つの画像データを取得するが、反射特性を表すパラメータを算出するために十分な数であれば、数は8つに限定されない。
撮像情報取得部403は、物体の表面から撮像装置311の方向を表す観測ベクトル、物体の表面から光源の方向を表す光源ベクトル、光源が照射する光の強度を表す照明強度を取得する。本実施形態における撮像情報取得部403は、各撮像画像に対応する観測ベクトルvn、照明ベクトルln、照明強度snを取得する。反射特性推定部404は、反射モデルを観測値にフィッティングすることによって、物体の反射特性を推定する。反射特性推定部404は、微分値算出部405、参照範囲決定部406、パラメータ算出部407を有する。微分値算出部405は、高さデータが表す高さh(x,y)に対する法線の微分値である法線微分値h’’(x,y)を算出する。参照範囲決定部406は、法線微分値h’’(x,y)、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度snに基づいて、各画素位置の反射特性の推定において参照する範囲を決定する。パラメータ算出部407は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、照明ベクトルln、照明強度sn、参照範囲決定部406により決定された参照範囲に基づいて、反射特性パラメータp(x,y)を算出する。
<画像処理装置1が実行する処理>
図5は、画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。以下、図5を用いて画像処理装置1が実行する処理の詳細を説明する。尚、下記処理は、ユーザからの処理を開始する指示を受け付けることによって開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。
図5は、画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。以下、図5を用いて画像処理装置1が実行する処理の詳細を説明する。尚、下記処理は、ユーザからの処理を開始する指示を受け付けることによって開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。
S500において、入力受付部400は、ディスプレイ315にGUIを表示し、ユーザからの指示入力を受け付ける。S500において表示するGUIを図6に示す。指定部601は、形状情報取得部401が取得する形状情報を指定するための領域である。指定部602は、画像情報取得部402が取得する画像データを指定するための領域である。指定部603、指定部604、指定部605は、撮像情報取得部403が取得する観測ベクトル、光源ベクトル、照明強度を指定するための領域である。ユーザによる入力デバイス310を用いた入力が各指定部へ行われ、推定処理開始ボタン606が押下されるとS510以降の処理を開始する。
S510において、形状情報取得部401は、ユーザによって指定された形状情報を取得する。具体的に、形状情報取得部401は、物体表面の高さh(x,y)の分布を表す高さデータを取得する。また、画像情報取得部402は、ユーザによって指定された画像データを取得する。具体的に、画像情報取得部402は、光源及び撮像装置311の位置及び向きを変化させながら物体を撮像することによって得られる複数の画像データを取得する。また、撮像情報取得部403は、ユーザによって指定された、物体の表面から撮像装置311の方向を表す観測ベクトル、物体の表面から光源の方向を表す光源ベクトル、光源が照射する光の強度を表す照明強度を取得する。
S520において、微分値算出部405は、S510において取得された高さデータに基づいて、物体表面における法線の変化を表す法線微分値h’’(x,y)を算出する。具体的には、まず、式(1)を用いて高さデータの各画素の高さh(x,y)に対する法線h’(x,y)を算出する。
ここで、│n(x,y)│は、法線ベクトルの大きさを表す。hx(x,y)、hy(x,y)は高さh(x,y)をx方向、y方向それぞれに対して偏微分した値であり、1画素あたりの幅をdとする場合、式(2)及び式(3)を用いて算出する。
次に、算出した法線h’(x,y)に基づいて、式(4)を用いて法線微分値h’’(x,y)を算出する。
h’’(x,y)=[hx’(x,y),hy’(x,y)]T・・・式(4)
h’’(x,y)=[hx’(x,y),hy’(x,y)]T・・・式(4)
ここでhx’(x,y)、hy’(x,y)は、法線h’(x,y)と、x方向、y方向に隣接する画素の法線との内積を計算して得られた値であり、式(5)及び式(6)を用いて算出される。
hx’(x,y)=h’(x+1,y)Th’(x,y)・・・式(5)
hy’(x,y)=h’(x,y+1)Th’(x,y)・・・式(6)
hx’(x,y)=h’(x+1,y)Th’(x,y)・・・式(5)
hy’(x,y)=h’(x,y+1)Th’(x,y)・・・式(6)
以上により、微分値算出部405は、空間的な法線の角度変化を表す法線微分値h’’(x,y)を算出する。尚、式(1)、式(4)〜式(6)におけるTは転置行列を示すTである。
S530において、参照範囲決定部406は、法線微分値h’’(x,y)、画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、照明ベクトルln、照明強度snに基づいて、各画素位置の反射特性の推定において参照する範囲を決定する。反射特性の推定に用いる参照範囲を決定する処理の詳細については後述する。
S540において、パラメータ算出部407は、画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、照明ベクトルln、照明強度sn、参照範囲決定部406によって決定された参照範囲に基づいて、物体の反射特性を表す反射特性パラメータp(x,y)を算出する。反射特性パラメータp(x,y)を算出する処理の詳細については後述する。
<反射特性の推定に用いる参照範囲を決定する処理(S530)>
S530において、参照範囲決定部406は、注目画素の反射特性の推定において参照する範囲を決定する。具体的に、参照範囲決定部406は、注目画素の反射特性の推定において参照する範囲の幅を算出し、参照範囲マップにおける注目画素と同じ画素位置に保持させる。ここで、参照範囲マップは、各画素に参照範囲の幅re(x,y)を保持するデータである。図7は、参照範囲を決定する処理を示すフローチャートである。以下、図7を用いてS530における参照範囲を決定する処理について説明する。
S530において、参照範囲決定部406は、注目画素の反射特性の推定において参照する範囲を決定する。具体的に、参照範囲決定部406は、注目画素の反射特性の推定において参照する範囲の幅を算出し、参照範囲マップにおける注目画素と同じ画素位置に保持させる。ここで、参照範囲マップは、各画素に参照範囲の幅re(x,y)を保持するデータである。図7は、参照範囲を決定する処理を示すフローチャートである。以下、図7を用いてS530における参照範囲を決定する処理について説明する。
S531において、参照範囲決定部406は、初期状態(デフォルト)の参照範囲の幅rdを算出する。参照範囲rd×rdは、図1における参照範囲Aのように、物体において注目する位置の形状がその周辺の形状と類似する場合に設定される最大の参照範囲である。参照範囲が広いほど反射特性の推定に用いる観測値が増え、ノイズに対してロバストに反射特性パラメータを算出できる。しかし、この場合においては、得られた反射特性の空間解像度が撮像画像に対して低くなってしまうため、適切な参照範囲を設定する必要がある。そこで、人の視覚特性を考慮し、反射特性に対する視認解像度に基づいて最大の参照範囲を設定する。物体の色を30cm離れた位置から観察する条件において、色に対する視認解像度は300dpiであることが知られている。一方、光沢や反射光に対する視認解像度は色より低いことから、本実施形態においては、150dpiを視認解像度として設定し、初期状態の参照範囲rdを算出する。ここで、撮像画像の1画素の空間的な幅をd(単位はmm)とすると、初期状態の参照範囲の幅rdは式(7)を用いて算出する。
S532において、参照範囲決定部406は、S520において算出された法線微分値h’’(x,y)に対する閾値Th’’を算出する。法線微分値h’’(x,y)は空間的な法線の角度変化を示している。このため、法線微分値h’’(x,y)に基づいて、注目画素の法線の角度に対して法線の角度が大きく変化する画素を特定することによって、反射特性の推定の際に誤差を生じさせる観測値を保持する画素を特定することができる。ここで、反射特性の推定において表面形状の変化によって生じる誤差について、図8を用いて説明する。図8(a)は、参照範囲内に角度θa、θbの法線を有し、かつ、正反射光の広がりが大きい物体における表面反射の例を示す。図8(a)の物体について、光の出射角に対して観測強度をプロットした結果を図8(b)に示す。図8(a)の物体について、観測値は正反射の条件となる角度2θa及び2θbにピークを有するが、反射光に広がりがあるため、観測値のピーク角度の違いは反射モデルのフィッティングに大きく影響しない。図8(b)に示す反射モデルのフィッティングにより得られる反射特性の推定値は、観測値の広がりに沿うものとなることがわかる。さらに、図8(c)は角度θaの法線を有する面における観測値のみをプロットした結果であるが、図8(b)の参照範囲内における観測値と同様の広がりを有する分布としてみなすことができる。
図8(d)は、参照範囲内に角度θa、θbの法線を有し、かつ、正反射光の広がりが小さい物体における表面反射の例を示す。図8(d)の物体について、光の出射角に対して観測強度をプロットした結果を図8(e)に示す。図8(d)の物体について、観測値は正反射の条件となる角度2θa及び2θbにピークを有する。この観測強度に対して反射モデルのフィッティングを行うと、図8(e)に示すように、実際の反射より大きい広がりを有する推定値が得られてしまう。図8(f)は角度θaの法線を有する面における観測値のみをプロットした結果である。図8(f)に示す観測値に対して反射モデルのフィッティングを行うと、実際の反射光の広がりに近似した広がりを有する推定値を得ることができる。
以上の例のように、物体表面における反射光の広がり方により、反射特性の推定において生じる誤差の要因となる法線の角度変化の大きさが決まる。そこで、参照範囲決定部406は、物体における反射光の広がりに基づいて、推定誤差を生じさせる観測値を保持する画素を特定するための、法線微分値h’’(x,y)に対する閾値Th’’を算出する。反射光の広がりは、参照範囲rd×rdにおいて法線の角度変化が最も小さい位置の観測値の分散とする。まず、式(8)により、法線微分値h’’(x,y)に基づいて、法線の角度変化が最も小さくなる位置(xm,ym)を算出する。
ここで、argminx,yΣh’’(i,j)2は、Σh’’(i,j)2を最小にするパラメータx,yを返す関数である。次に、参照範囲決定部406は、式(9)により、位置(xm,ym)における観測値の分散σm 2を算出する。
ここで、G(σ2,μ,s,vn,ln)は、観測ベクトルvn、照明ベクトルlnに対する平均μ、分散σ2、スケールsのガウス関数である。次に、参照範囲決定部406は、式(10)により、算出した観測値の分散σm 2に基づいて閾値Th’’を算出する。
以下のS533〜S537の処理は、全ての画素位置(x,y)に対して実行される。
S533において、参照範囲決定部406は、注目画素の画素位置(x,y)に対する参照範囲rd×rd内の各画素の法線微分値h’’(x,y)を参照し、閾値Th’’以上の値を有する画素位置(x’,y’)を全て保持するリストwを作成する。
S534において、参照範囲決定部406は、S533において作成したリストwを参照し、リストwが1つ以上画素位置を保持しているか否かを判定する。リストwが1つ以上画素位置を保持している場合は、処理をS535に進める。リストwが1つも画素位置を保持していない場合は、処理をS537に進める。
S535において、参照範囲決定部406は、S533において作成したリストwが保持する画素位置(x’,y’)のうち、注目画素の画素位置(x,y)から最も近い画素位置までの距離kを式(11)により算出する。
ここで、(x’i,y’i)は、リストwのi番目に保持されている画素位置である。
S536において、参照範囲決定部406は、S535において算出した距離kに基づいて、注目画素における反射特性の推定に用いる参照範囲の幅re(x,y)を算出する。さらに、算出した参照範囲の幅re(x,y)を参照範囲マップにおいて対応する画素に保持させる。参照範囲決定部406は、注目画素を中心とした幅2k+1の矩形を参照範囲とするため、式(12)のように参照範囲の幅re(x,y)を算出する。
re(x,y)=2k+1・・・式(12)
re(x,y)=2k+1・・・式(12)
S537において、参照範囲決定部406は、注目画素における反射特性の推定に用いる参照範囲の幅re(x,y)を初期状態の参照範囲rdとし、初期状態の参照範囲rdを参照範囲マップにおいて対応する画素に保持させる。
re(x,y)=rd・・・式(13)
re(x,y)=rd・・・式(13)
<反射特性パラメータを算出する処理(S540)>
S540において、パラメータ算出部407は、S530において作成された参照範囲マップに基づいて、注目画素の画素位置に応じて観測値の参照範囲を変えながら反射特性の推定を行う。図9は、反射特性パラメータを算出する処理を示すフローチャートである。以下、図9を用いてS540における反射特性パラメータを算出する処理について説明する。
S540において、パラメータ算出部407は、S530において作成された参照範囲マップに基づいて、注目画素の画素位置に応じて観測値の参照範囲を変えながら反射特性の推定を行う。図9は、反射特性パラメータを算出する処理を示すフローチャートである。以下、図9を用いてS540における反射特性パラメータを算出する処理について説明する。
以下のS541〜S543の処理は、全ての画素位置(x,y)に対して実行される。
S541において、パラメータ算出部407は、参照範囲マップから、注目画素の画素位置(x,y)における参照範囲の幅re(x,y)を取得する。S542において、パラメータ算出部407は、撮像画像における参照範囲re(x,y)×re(x,y)内の観測値に対して反射モデルをフィッティングすることにより、反射特性パラメータを算出する。ここで、フィッティングを行う反射モデルをf(p,vn,ln)とする場合、式(14)により反射特性パラメータp(x,y)を算出する。尚、式(14)において、re(x,y)の値をr’とする。
ここで、pは、反射モデルf(p,vn,ln)が有するパラメータ群を表すベクトルであり、本実施形態において用いる反射モデルは、平均、分散、スケールの3つのパラメータを有するガウス関数によって表される反射モデルである。
S543において、パラメータ算出部407は、S542において算出した反射特性パラメータp(x,y)を、反射特性データにおける画素位置(x,y)の画素に保持させる。ここで、反射特性データは、各画素に反射特性パラメータを保持するデータである。尚、1つの反射特性データの各画素に複数のパラメータを保持させてもよいし、平均データ、分散データ、スケールデータのように、それぞれのパラメータを各画素に保持するデータを生成してもよい。
以上のS540における処理により生成された反射特性データは、HDD313などの記憶装置に出力される。尚、反射特性データの出力先は記憶装置に限らず、反射特性データに対して処理を行う他の装置などであってもよい。
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、物体の表面の形状を表す形状情報を取得する。複数の幾何条件において物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する。複数の画像データが表す複数の画像において、物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、注目する位置における物体の反射特性を推定するための画素値として決定する。決定された画素値を用いることによって、注目する位置における物体の反射特性を推定する。これにより、反射モデルに適した観測値を用いて物体の反射特性を推定することができる。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、物体の表面の形状を表す形状情報を取得する。複数の幾何条件において物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する。複数の画像データが表す複数の画像において、物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、注目する位置における物体の反射特性を推定するための画素値として決定する。決定された画素値を用いることによって、注目する位置における物体の反射特性を推定する。これにより、反射モデルに適した観測値を用いて物体の反射特性を推定することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、物体の表面形状に基づいて、画素位置ごとに反射特性の推定において参照する範囲を変更した。本実施形態においては、画素位置ごとの参照範囲は固定したまま、注目画素の法線方向と類似する法線方向を有する画素を参照範囲に含まれる画素から選択し、選択した画素を用いて反射特性パラメータを算出する。尚、本実施形態における画像処理装置のハードウェア構成は第1実施形態のものと同様であるため、説明を省略する。以下において、本実施形態と第1実施形態とで異なる部分を主に説明する。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
第1実施形態においては、物体の表面形状に基づいて、画素位置ごとに反射特性の推定において参照する範囲を変更した。本実施形態においては、画素位置ごとの参照範囲は固定したまま、注目画素の法線方向と類似する法線方向を有する画素を参照範囲に含まれる画素から選択し、選択した画素を用いて反射特性パラメータを算出する。尚、本実施形態における画像処理装置のハードウェア構成は第1実施形態のものと同様であるため、説明を省略する。以下において、本実施形態と第1実施形態とで異なる部分を主に説明する。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
<画像処理装置1の論理構成>
図10は、画像処理装置1の論理構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、CPU301がROM302に格納されたプログラムをRAM303をワークメモリとして実行することによって、図10に示す論理構成として機能する。尚、以下に示す処理の全てがCPU301によって実行される必要はなく、処理の一部または全てがCPU301以外の一つまたは複数の処理回路によって行われるように画像処理装置1が構成されていてもよい。
図10は、画像処理装置1の論理構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、CPU301がROM302に格納されたプログラムをRAM303をワークメモリとして実行することによって、図10に示す論理構成として機能する。尚、以下に示す処理の全てがCPU301によって実行される必要はなく、処理の一部または全てがCPU301以外の一つまたは複数の処理回路によって行われるように画像処理装置1が構成されていてもよい。
画像処理装置1は、形状情報取得部401、画像情報取得部402、撮像情報取得部403、反射特性推定部1004を有する。尚、本実施形態における形状情報取得部401、画像情報取得部402、撮像情報取得部403は、第1実施形態における形状情報取得部401、画像情報取得部402、撮像情報取得部403と同様の機能を有するため、説明を省略する。反射特性推定部1004は、反射モデルを観測値にフィッティングすることによって、物体の反射特性を推定する。反射特性推定部1004は、法線算出部1005、閾値算出部1006、パラメータ算出部1007を有する。法線算出部1005は、高さデータが表す高さh(x,y)に対する法線h’(x,y)を算出する。閾値算出部1006は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度snに基づいて、法線h’(x,y)に対する閾値Th’を算出する。パラメータ算出部1007は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度sn、法線h’(x,y)、閾値Th’に基づいて、反射特性パラメータp(x,y)を算出する。
<画像処理装置1が実行する処理>
図11は、画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。以下、図11を用いて画像処理装置1が実行する処理の詳細を説明する。尚、下記処理は、ユーザからの処理を開始する指示を受け付けることによって開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。尚、本実施形態のS500及びS510における処理は、第1実施形態のS500及びS510における処理と同様であるため説明を省略する。
図11は、画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。以下、図11を用いて画像処理装置1が実行する処理の詳細を説明する。尚、下記処理は、ユーザからの処理を開始する指示を受け付けることによって開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。尚、本実施形態のS500及びS510における処理は、第1実施形態のS500及びS510における処理と同様であるため説明を省略する。
S1120において、法線算出部1005は、S510において取得された高さデータに基づいて、物体表面における法線h’(x,y)を算出する。法線h’(x,y)は、第1実施形態において示した式(1)に基づいて算出する。S1130において、閾値算出部1006は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度snに基づいて、S1120において算出された法線h’(x,y)に対する閾値Th’を算出する。閾値Th’を算出する処理の詳細については後述する。S1140において、パラメータ算出部1007は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度sn、法線h’(x,y)、閾値Th’に基づいて、反射特性パラメータp(x,y)を算出する。反射特性パラメータp(x,y)を算出する処理の詳細については後述する。
<閾値Th’を算出する処理(S1130)>
S1130において、閾値算出部1006は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度snに基づいて、S1120において算出された法線h’(x,y)に対する閾値Th’を算出する。ここでは、第1実施形態と同様に、物体における反射光の広がりに基づいて、推定誤差を生じさせる観測値を保持する画素を特定する。反射光の広がりは、参照範囲rd×rdにおいて法線の角度変化が最も小さい位置の観測値の分散とする。まず、閾値算出部1006は、初期状態の参照範囲の幅rdを式(7)に基づいて算出する。次に、閾値算出部1006は、式(15)により、法線h’(x,y)に基づいて、法線の角度変化が最も小さくなる位置(xm,ym)を算出する。
S1130において、閾値算出部1006は、撮像画像の画素値In(x,y)、観測ベクトルvn、光源ベクトルln、照明強度snに基づいて、S1120において算出された法線h’(x,y)に対する閾値Th’を算出する。ここでは、第1実施形態と同様に、物体における反射光の広がりに基づいて、推定誤差を生じさせる観測値を保持する画素を特定する。反射光の広がりは、参照範囲rd×rdにおいて法線の角度変化が最も小さい位置の観測値の分散とする。まず、閾値算出部1006は、初期状態の参照範囲の幅rdを式(7)に基づいて算出する。次に、閾値算出部1006は、式(15)により、法線h’(x,y)に基づいて、法線の角度変化が最も小さくなる位置(xm,ym)を算出する。
ここで、h’(x,y)Th’(i,j)は、位置(x,y)の法線ベクトルと、位置(i,j)の法線ベクトルと、の内積を表す。次に、閾値算出部1006は、位置(xm,ym)における観測値の分散σm 2を式(9)を用いて算出する。次に、閾値算出部1006は、式(16)により、算出した観測値の分散σm 2に基づいて閾値Th’を算出する。
<反射特性パラメータを算出する処理(S1140)>
S1140において、パラメータ算出部1007は、S1130において算出された閾値Th’に基づいて、参照範囲内の画素から、反射特性の推定に用いる観測値を有する画素を選択し、選択した画素の観測値を用いて反射特性パラメータを算出する。図12は、反射特性パラメータを算出する処理を示すフローチャートである。以下、図12を用いてS1140における反射特性パラメータを算出する処理について説明する。
S1140において、パラメータ算出部1007は、S1130において算出された閾値Th’に基づいて、参照範囲内の画素から、反射特性の推定に用いる観測値を有する画素を選択し、選択した画素の観測値を用いて反射特性パラメータを算出する。図12は、反射特性パラメータを算出する処理を示すフローチャートである。以下、図12を用いてS1140における反射特性パラメータを算出する処理について説明する。
S531において、パラメータ算出部1007は、初期状態の参照範囲の幅rdを算出する。処理の内容は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。以下のS1141〜S1145、S543の処理は、全ての画素位置(x,y)に対して実行される。
以下のS1141〜S1144の処理は、注目画素に対して、注目画素の画素位置(x,y)を中心とした参照範囲rd×rd内の全ての画素位置(xr,yr)に対して実行される。これにより、注目画素に対応する参照画素マスクが生成される。ここで、参照画素マスクは、反射特性の推定において参照する画素を特定するための2値データであり、画素値m(xr,yr)が1の画素位置は参照され、画素値m(xr,yr)が0の画素位置は参照されない。S1141において、パラメータ算出部1007は、注目画素の画素位置(x,y)の法線h’(x,y)と、参照範囲rd×rd内の画素位置(xr,yr)の法線h’(xr,yr)と、の角度差eを算出する。法線同士の角度差は、式(17)のように法線ベクトルの内積により算出する。
e=h’(x,y)Th’(xr,yr)・・・式(17)
e=h’(x,y)Th’(xr,yr)・・・式(17)
尚、式(15)、式(17)におけるTは転置行列を示すTである。
S1142において、パラメータ算出部1007は、S1141において算出した法線の角度差eが閾値Th’以下であるか否かを判定する。角度差eが閾値Th’以下である場合は、処理をS1143に進める。角度差eが閾値Th’より大きい場合は、処理をS1144に進める。S1143において、パラメータ算出部1007は、反射特性の推定において法線の角度差eが閾値Th’以下となる画素位置を参照するため、参照画素マスクにおける画素位置(xr,yr)の画素値m(xr,yr)を1とする。S1144において、パラメータ算出部1007は、反射特性の推定において法線の角度差eが閾値Th’より大きくなる画素位置を参照しないようにするため、参照画素マスクにおける画素位置(xr,yr)の画素値m(xr,yr)を0とする。
S1145において、パラメータ算出部1007は、S1141〜S1144の処理によって生成した参照画素マスクに基づいて参照する観測値を選択し、選択した観測値に反射モデルをフィッティングする。ここで、フィッティングを行う反射モデルをf(p,vn,ln)とする場合、式(18)により反射特性パラメータp(x,y)を算出する。
ここで、pは、反射モデルf(p,vn,ln)が有するパラメータ群を表すベクトルであり、本実施形態において用いる反射モデルは、平均、分散、スケールの3つのパラメータを有するガウス関数によって表される反射モデルである。
S543において、パラメータ算出部407は、S542において算出した反射特性パラメータp(x,y)を、反射特性データにおける画素位置(x,y)の画素に保持させる。以上のS1140における処理により生成された反射特性データは、HDD313などの記憶装置に出力される。
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、注目画素を中心とした所定の参照範囲内の画素から、注目画素の法線方向と類似する法線方向を有する画素を選択する。選択した画素の観測値に反射モデルをフィッティングすることによって、物体の反射特性を表す反射特性パラメータを算出する。これにより、注目画素の法線方向と大きく異なる法線方向を有する画素の観測値を用いずに、注目画素における反射特性パラメータを算出することができる。また、画素位置ごとに参照範囲を変更することなく反射特性の推定を行うため、推定する反射特性の空間解像度を一定に保ったまま反射特性パラメータを算出することができる。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、注目画素を中心とした所定の参照範囲内の画素から、注目画素の法線方向と類似する法線方向を有する画素を選択する。選択した画素の観測値に反射モデルをフィッティングすることによって、物体の反射特性を表す反射特性パラメータを算出する。これにより、注目画素の法線方向と大きく異なる法線方向を有する画素の観測値を用いずに、注目画素における反射特性パラメータを算出することができる。また、画素位置ごとに参照範囲を変更することなく反射特性の推定を行うため、推定する反射特性の空間解像度を一定に保ったまま反射特性パラメータを算出することができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態においては、画像データをグレースケール画像データとしたが、カラー画像データであってもよい。この場合は、R値、G値、B値それぞれに対して上述した処理を行い、対応する波長帯に応じた反射特性を推定してもよい。尚、色情報は、R値、G値、B値に限られず、L*a*b*値などであってもよい。
上述した実施形態においては、画像データをグレースケール画像データとしたが、カラー画像データであってもよい。この場合は、R値、G値、B値それぞれに対して上述した処理を行い、対応する波長帯に応じた反射特性を推定してもよい。尚、色情報は、R値、G値、B値に限られず、L*a*b*値などであってもよい。
上述した実施形態においては、反射特性の推定に用いる参照範囲を縦の長さと横の長さとが同じ範囲としたが、縦の長さと横の長さとが異なってもよい。
上述した実施形態においては、形状情報取得部401が形状情報として高さデータを取得したが、形状情報は上記一例に限定されない。例えば、高さデータが表す高さに基づいて予め算出された法線ベクトルを各画素に保持する法線データを形状情報として取得してもよい。この場合、高さデータに基づいた法線の算出を行う必要はない。
上述した実施形態においては、各画素に対して処理を行ったが、所定のサイズの領域ごとに反射特性の推定において用いる観測値を選択する処理を行うか否かを判定してもよい。具体的には、画像における領域ごとに最大の法線方向と最小の法線方向との角度差を算出する。角度差が所定の閾値よりも大きい場合は、上述した処理のように、初期状態の参照範囲内の画素うち反射モデルに適した画素値をフィッティングに用いる。角度差が所定の閾値以下である場合は、初期状態の参照範囲内の全画素の画素値をフィッティングに用いる。
上述した実施形態においては、初期状態の参照範囲を反射特性に対する視認解像度に基づいて算出したが、初期状態の参照範囲を取得する方法は上記一例に限定されない。例えば、本実施形態において生成する反射特性データに基づいた出力を行う出力デバイスに応じた解像度を予め設定し、設定した解像度に基づいて初期状態の参照範囲を算出してもよい。また、ユーザが所望する空間解像度を入力受付部400などが受け取り、受け取った空間解像度に基づいて初期状態の参照範囲を算出してもよい。
上述した実施形態においては、反射特性の推定における参照画素を決めるための閾値を、参照範囲内の画素における反射特性を用いて算出したが、閾値を取得する方法は上記一例に限定されない。例えば、本実施形態において生成する反射特性データに基づいた出力を行う出力デバイスに応じた反射特性を用いて閾値を算出してもよい。また、ユーザによって入力された値を閾値として設定してもよい。
上述した実施形態においては、反射特性の推定に用いる反射モデルを、ガウス関数によって表される反射モデルとしたが、Torrance−SparrowモデルやPhongモデルなどの他の反射モデルを用いて反射特性の推定を行ってもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像処理装置
401 形状情報取得部
402 画像情報取得部
404 反射特性推定部
401 形状情報取得部
402 画像情報取得部
404 反射特性推定部
Claims (18)
- 物体の表面の形状を表す形状情報を取得する第1取得手段と、
複数の幾何条件において前記物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する第2取得手段と、
前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定するための画素値として決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された画素値を用いることによって、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定する推定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記推定手段は、前記決定手段によって決定された画素値に反射モデルをフィッティングすることによって、前記物体の反射特性を推定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記形状情報は、前記物体の表面の高さを表す高さデータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記形状情報は、前記物体の表面における法線の方向を表す法線データであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記物体の表面から撮像装置の方向を表す観測ベクトル、前記物体の表面から光源の方向を表す光源ベクトル、前記光源が照射する光の強度を表す照明強度を表す撮像情報を取得する第3取得手段と、
前記推定手段は、前記撮像情報に基づいて、前記物体の反射特性を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記反射モデルをフィッティングするための画素値を取得する範囲を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記形状情報に基づいて、前記物体の表面における法線の方向の変化を表す値を算出し、前記法線の方向の変化を表す値に基づいて、前記範囲を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記形状情報に基づいて、前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を選択し、
前記推定手段は、前記反射モデルを前記決定手段が選択した画素値にフィッティングすることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記物体において注目する位置の法線の方向と方向が類似する法線を有する位置の画素値を選択することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記物体において注目する位置の法線の方向との角度差が所定の閾値以下である方向の法線を有する位置の画素値を選択することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記複数の画像データが表す複数の画像において、視覚特性に応じて決定された範囲内の画素値から画素値の選択を行うことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記推定手段は、前記決定手段によって決定された画素値を用いることによって、前記注目する位置における前記物体の反射特性を表すパラメータを算出し、算出した前記パラメータを出力することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記反射モデルは、ガウス関数によって表される反射モデルであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記反射モデルは、Torrance−Sparrowモデルであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記反射モデルは、Phongモデルであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 物体の表面の形状を表す形状情報を取得する第1取得手段と、
複数の幾何条件において前記物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する第2取得手段と、
前記形状情報に基づいて、前記複数の画像データが表す複数の画像において、反射モデルをフィッティングする画素値を有する画素位置を決定する決定手段と、
前記画素値に前記反射モデルをフィッティングすることによって、前記物体の反射特性を推定する推定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - コンピュータを請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
- 物体の表面の形状を表す形状情報を取得する第1取得ステップと、
複数の幾何条件において前記物体を撮像することによって得られた複数の画像データを取得する第2取得ステップと、
前記複数の画像データが表す複数の画像において、前記物体において注目する位置の面の向きと面の向きが類似する位置の画素値を、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定するための画素値として決定する決定ステップと、
前記決定手段によって決定された画素値を用いることによって、前記注目する位置における前記物体の反射特性を推定する推定ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
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