JP2020020851A - 固体撮像素子用カラーフィルタの感光性着色組成物、カラーフィルタ、およびそれを用いた固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子用カラーフィルタの感光性着色組成物、カラーフィルタ、およびそれを用いた固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はの目的は、耐熱性が良好で異物が少なくフォトリソグラフィー方式によるCF画素形成に適した固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよび固体撮像素子を提供することにある。【解決手段】上記課題は、着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性単量体(D)を含み、着色剤(A)が、化学式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料、および一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料からなる群より選択される1種以上の顔料(A1)、ならびに1種以上の有機顔料(A2)および/または染料(a)を含有し、顔料(A1)が着色剤(A)の全量に対し、20質量%〜95質量%であることを特徴とする固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー撮像管素子に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用感光性着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタ、およびそれを用いた固体撮像素子に関するものである。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、カラーフィルタを形成する製造工程において、一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温処理が必要である。このため、現在、カラーフィルタは、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
しかし、一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
そこで近年、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、フィルタセグメント中に含まれる顔料を微細化処理して用いられることが多い。しかし、単純に顔料(化学反応により製造された粒子径が10〜100μmのクルードと呼ばれるものを、顔料化処理により一次粒子とこれが凝集した二次粒子の混合物にまでしたものである)を様々な微細化処理方法により微細化しても、一次粒子あるいは二次粒子の微細化が進行した顔料は一般に凝集し易く、微細化が進行し過ぎた場合には巨大な塊状の顔料固形物を形成してしまう。さらに、微細化の進行した顔料は、樹脂等を含有する顔料担体中へ分散させ、再び顔料の二次粒子をなるべく一次粒子にまで近づけて安定化させようとしても、安定な着色組成物を得ることは非常に困難である。
そのため、例えば、微細な粒子からなる顔料を含む顔料組成物は往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出しや輸送が困難となるばかりではなく、悪い場合は保存中にゲル化を起こし、使用困難となることさえある。そこで、ブロック型構造(特許文献1)や櫛形構造(特許文献2)を有する構造制御されたものや、特定構造を有するポリエステル分散剤等の樹脂型分散剤(特許文献3)等により、分散性、保存安定性に優れ、かつ高コントラスト比を有する着色組成物の検討がされている。しかし、これらの樹脂型分散剤を用いても、顔料の微細化が進み、表面積が増加している顔料の耐性を改善するには十分ではなく、顔料組成物の展色物の表面に関しては光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じたり、耐熱性、耐光性、耐溶剤性等の耐性については十分でないのが現状である。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・緑・青;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントにおいて、着色剤としてジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料またはジスアゾ系顔料等の顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
特許文献4には、コントラストが高い臭素化ジケトピロロピロール顔料の開示があり、さらに特定の染料を併用することでさらにその効果を高められる技術が開示されている。
C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などの固体撮像素子は、その受光素子上にB(青)、G(緑)、R(赤)の加法混合の原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。この固体撮像装置においては、近年、画素サイズが縮小するにつれて、色分離の性能要求は厳しくなり、色シェーディング特性、混色防止などのデバイス特性維持のため、カラーフィルタに求められる性能に薄膜化、矩形化、及び各有機画素間に色同士が重なり合うオーバーラップ領域をなくす等の性能が要求されている。
具体的には、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいて、有機パターンの薄層化については例えば厚みが1μm以下、画素パターンサイズについては2μm以下(例えば0.5〜2.0μm)となるような微小サイズ化が図られる傾向にある。このような傾向により、カラーフィルタの異物や耐熱性不足に伴い発生する結晶異物が固体撮像素子の特性に悪影響を及ぼすという問題が生じている。
特開2002−31713号公報 特開平11−1515号公報 国際公開第2008/007776号 特開2013−14750号公報
本発明の目的は、耐熱性が良好で異物が少なくフォトリソグラフィー方式によるCF画素形成に適した固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよび固体撮像素子を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔9〕に関する。
〔1〕 着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性単量体(D)を含み、
着色剤(A)が、下記化学式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料、および下記一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料からなる群より選択される1種以上の顔料(A1)、ならびに1種以上の有機顔料(A2)および/または染料(a)を含有し、顔料(A1)が着色剤(A)の全量に対し、20質量%〜95質量%であることを特徴とする固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
Figure 2020020851
[一般式(2)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR1、−SR2、−N(R3)R4、−COOR5、−CONH2、−CONHR6、−CON(R7)R8、−SO2NH2、−SO2NHR9、または、−SO2N(R10)R11であり、R1〜R11は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、AおよびBが同時に水素原子になることはない。]
〔2〕 一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料が、下記化学式(2−1)、下記化学式(2−2)、下記一般式(2−3)、および下記一般式(2−4)からなる群より選択される1種以上の顔料を含む、〔1〕 記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
Figure 2020020851
[式(2−3)および式(2−4)中、R12〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
〔3〕 有機顔料(A2)が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、および下記一般式(3)で表される黄色顔料からなる群より選択される1種以上を含む、〔1〕および〔2〕に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
一般式(3)
Figure 2020020851
[一般式(3)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示し、
1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。]
〔4〕 染料(a)が、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系からなる群より選択される1種以上である、〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
〔5〕 前記キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物である、〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
〔6〕 さらに、顔料誘導体を含む、〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
〔7〕 基板、および〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
〔8〕 〔7〕のカラーフィルタを備える、固体撮像素子。
本発明により、形成した画素の剥離現像によるパターン欠けがなく、垂直な断面形状を保つことができ、優れた密着性、残渣が少ない固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよび固体撮像素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<着色剤(A)>
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物(以下、単に「感光性着色組成物」と呼ぶことがある。)を構成する着色剤(A)は、下記化学式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料、および下記一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料からなる群より選択される1種以上の顔料(A1)、ならびに1種以上の有機顔料(A2)および/または染料(a)を含有し、顔料(A1)が着色剤(A)の全量に対し、20質量%〜95質量%であることを特徴とする
顔料(A1)が着色剤(A)の全量に対し、20質量%〜95質量%の範囲内では、固体撮像素子用のカラーフィルタを作成したときに異物の発生が少ないため好ましい。
Figure 2020020851
[式(2)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR1、−SR2、−N(R3)R4、−COOR5、−CONH2、−CONHR6、−CON(R7)R8、−SO2NH2、−SO2NHR9、または、−SO2N(R10)R11であり、R1〜R11は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、AおよびBが同時に水素原子になることはない。]
上記炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいフェニル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜4のアルコキシル基などの置換基を有するフェニル基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいアラルキル基としては、具体的にベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書では、一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料が、下記化学式(2−1)、下記化学式(2−2)、下記一般式(2−3)、および下記一般式(2−4)からなる群より選択される1種以上の顔料であることが好ましい。これにより明度、コントラスト、および結晶析出抑制効果がより向上する。また、式(2−3)、式(2−4)のR12〜R14は、炭素数4以上のアルキル基、または置換基を有しても良いフェニル基が、コントラストおよび結晶析出抑制効果の点から好ましい。これらが高コントラスト化、および結晶析出抑制に効果を発揮する理由は、炭素数4以上のアルキル基を有するカルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基等のかさ高い置換基による立体障害効果によって、顔料の凝集が抑制されるためと考えられる。また、カルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基を有する特定へテロジケトピロロピロール顔料は、色特性も優れているため、臭素化ジケトピロロピロール顔料の優れた明度を損なうことがない。
Figure 2020020851
[式(2−3)および式(2−4)中、
12〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
本発明に用いることができる式(2)の特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2020020851

Figure 2020020851
Figure 2020020851
Figure 2020020851
Figure 2020020851
本発明で使用するジケトピロロピロール系顔料は、本発明の効果を損なわない範囲で、式(1)のジケトピロロピロール顔料、および式(2)の特定へテロジケトピロロピロール顔料以外のジケトピロロピロール系顔料を併用しても良い。具体的には、C.I.ピグメントレッド254、255、264、272、C.I.ピグメントオレンジ71、73、または81等のジケトピロロピロール系顔料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。併用できるジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が好ましい。C.I.ピグメントレッド254が好ましい理由は、式(2)の特定へテロジケトピロロピロール顔料をコハク酸ジエステル合成法で製造した場合に必ず含有されるものであり、式(1)のジケトピロロピロール系顔料の優れた明度に悪影響を与えにくいためである。
(ジケトピロロピロール系顔料の製造法)
式(1)で示すジケトピロロピロール系顔料は、コハク酸ジエステル合成法で製造することができる。すなわち、コハク酸ジエステル1モルに対して4−ブロモベンゾニトリル2モルを、tert−アミルアルコール等の不活性有機溶剤中で、アルカリ金属又はアルカリ金属アルコキシドの存在下において、80〜110℃の高温で縮合反応を行い、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を生成させ、続いて、このジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩に対して、水、アルコール、酸等を用いてプロトン化することにより、臭素化ジケトピロロピロール顔料を得ることができる。このとき、プロトン化における温度、水、アルコールまたは酸の種類、比率や量により、得られる一次粒子径の大きさを制御することができる。式(1)で示すジケトピロロピロール系顔料の製造方法はこの方法に限定されるものではない。
式(2)の特定ヘテロジケトピロロピロール顔料は、例えば文献Synth.Commun., 1988,18,1213およびTetrahedron, 58(2002)5547−5565に記載された方法を用いて合成を行うことができる。
また、式(2)の特定ヘテロジケトピロロピロール顔料は、C.I.ピグメントレッド254との混合物として合成することもできる。これは、コハク酸ジエステル合成法において、少なくとも2種の構造的に異なるベンゾニトリル化合物を用いる方法(以下、「コハク酸ジエステル共合成法」と称す)を利用することで可能となる。具体的には、上記特許文献5に記載されている方法において、使用する複数のベンゾニトリル化合物を、4-クロロベンゾニトリルと下記式(3)で表されるベンゾニトリル化合物から選定することにより、式(2)の特定ヘテロジケトピロロピロール系顔料をC.I.ピグメントレッド254との混合物として製造することができる。
コハク酸ジエステル共合成法により、C.I.ピグメントレッド254と特定ヘテロジケトピロロピロール顔料とを含有する顔料組成物を製造する場合、コハク酸ジエステル1モルに対して、4-クロロベンゾニトリルと式(3)のベンゾニトリル化合物との混合物2モルを反応させる。このとき、生成するジケトピロロピロール系顔料組成物中のC.I.ピグメントレッド254と特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の質量比が97:3〜85:15になるように、4-クロロベンゾニトリルと式(3)のベンゾニトリル化合物との混合比(モル比)を調整する必要がある。式(3)のベンゾニトリル化合物の種類によって反応性が異なるため、4-クロロベンゾニトリルと式(3)の混合比(モル比)は変わってくる。ジケトピロロピロール系顔料組成物の質量比を所望の範囲に収めるためには、4-クロロベンゾニトリルと式(3)の混合比(モル比)は、だいたい80:20〜98:2の範囲になる。また、コハク酸ジエステル共合成法では、式(3)のベンゾニトリル化合物がコハク酸ジエステル1モルに対し2モル反応したジケトピロロピロール顔料(すなわち、塩素原子が含まれないジケトピロロピロール顔料)が生成することもあるが、この範囲の混合比では、ごく微量であるため悪影響はほとんどない。
Figure 2020020851
[式(3)中、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR1、−SR2、−N(R3)R4、−COOR5、−CONH2、−CONHR6、−CON(R7)R8、−SO2NH2、−SO2NHR9、または、−SO2N(R10)R11であり、
1〜R11は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。
ただし、AおよびBが同時に水素原子になることはない。]
本発明のジケトピロロピロール顔料は、式(1)で示すジケトピロロピロール顔料と特定ヘテロジケトピロロピロール顔料とを別々に製造したものを混合して用いることができる。また、コハク酸ジエステル共合成法によって合成された特定ヘテロジケトピロロピロール顔料とC.I.ピグメントレッド254の混合物を、さらに式(1)で示すジケトピロロピロール顔料と混合して用いることもできる。これらの場合は、顔料を分散する前に単純に混合してもよいし、ソルトミリング処理により粉砕混合してもよい。
本発明のジケトピロロピロール顔料において、式(1)で示すジケトピロロピロール顔料、式(2)の特定へテロジケトピロロピロール顔料、およびC.I.ピグメントレッド254の質量比は、TOF−MASS、FD−MASS、LC−MASSまたはNMRを用いて、分析することができる。あるいは、特開平08−199085号公報に開示されているように、ジケトピロロピロール系顔料を有する組成物を、テトラヒドロフラン中で、ジ−tert−ブチルジカーボネート及び4−ジメチルアミノピリジンと室温攪拌して得られる可溶性のジケトピロロピロール化合物に変換した後に、NMR、MASSまたはLC−MASS等を用いた分析を行ってもよい。あるいは、ピロロピロール環のNH基の水素を、ハロゲン化アルキル等を用いてアルキル基に置換し、可溶性のジケトピロロピロールに変換した後に、上記分析を行ってもよい。
<樹脂型分散剤>
本発明で好ましく使用される樹脂型分散剤は、極性部位(KY)を有する樹脂型の分散剤である。極性部位(KY)は、顔料吸着基としても機能できる。
<極性部位(KY)>
本発明に使用する樹脂型分散剤は、構造内の一部に極性部位(KY)を有する。
この極性部位(KY)は、期待される作用として以下(1)〜(3)が考えられる。
(1)顔料への吸着基となり分散安定化。粘度安定性に寄与
(2)顔料誘導体を含む場合は、顔料吸着基を有する吸着剤と塩形成し分散安定化。粘度安定性に寄与
(3)適度な水分を保持し、着色組成物としたときに感度が向上し、現像速度が速くなる。
極性部位(KY)は顔料もしくは顔料誘導体と塩形成するものであれば特に限定されず、例えばスルホン酸基、リン酸基、およびカルボキシル基などの酸性官能基、ならびに1級、2級、および3級アミノ基等の塩基性官能基が挙げられる。
前記分散剤の極性部位(KY)以外の部分は溶媒に親和性のあるものであれば特に限定されず、例えばアルキル鎖、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテル、ビニル系重合体等が挙げられるが、合成の簡便性、溶媒親和性制御のしやすさからポリエステル、又はビニル重合体であることが特に好ましい。
顔料誘導体との組み合わせとしては、顔料誘導体が酸性誘導体の場合は、樹脂型分散剤の極性部位(KY)は塩基性が良く、顔料誘導体が塩基性誘導体や塩基性ビニル樹脂の場合は、樹脂型分散剤の極性部位(KY)は酸性が良い。
樹脂型分散剤は、主鎖が枝分かれしていない直鎖状のものと、枝分かれしているものに分類される。また、主鎖の枝分かれの有無によらず、高分子の側鎖(主鎖以外の部分)を変性して側鎖が延長されたもの(以下、櫛型ともいう)を用いてもよい。
<末端に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤>
末端に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤は、極性部位を有する重合開始剤で重合体をつくるか、予め末端に官能基を有する重合体を合成し、前記官能基を極性部位に変性する方法が挙げられる。
直鎖状の重合体は、すべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009−251481号公報、特開2007−23195号公報、特開1996−143651号公報、に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。前記樹脂型分散剤の極性部位へ変性する方法の一例として、極性部位(KY)がカルボキシル基である分散剤は、片末端に1つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、芳香族トリカルボン酸無水物(Y1)を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
前記樹脂型分散剤における数平均分子量とは、例えば上記の製造方法においては芳香族トリカルボン酸無水物(Y1)を水酸基に付加させたビニル重合体全体の分子量を指す。
<末端以外に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤>
末端以外に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤はすべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009−251481号公報、特開2009−251481号公報に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。末端以外に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤の製造方法の一例として、極性部位(KY)がカルボキシル基である分散剤は、片末端に2つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
末端以外に極性部位(KY)を有する樹脂型分散剤における側鎖の数平均分子量とは、例えば上記の製造方法においては片末端に2つの水酸基を有するビニル系重合体の分子量を指す。
また、側鎖部分に水酸基やエチレン性不飽和二重結合やエポキシ基、オキセタン基などの特殊部位を公知の製法により付加しても構わない。
本発明に用いる樹脂型分散剤において、極性部位(KY)がカルボキシル基であるものが好ましく、片末端に水酸基を有する重合体(X)と、芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)とを反応させてなる芳香族カルボキシル基を有する分散剤であることが好ましい。
片末端に水酸基を有する重合体(X)はすべて公知の方法を利用して製造することができる。例えば、特開2009−251481号公報に示されるような方法で、分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物をエチレン性不飽和単量体と混合して加熱することで得ることができる。
分子内に水酸基とチオール基とを有する化合物としては、例えば、 メルカプトメタノール、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノール、1−メルカプト−2−ブタノール、及び2−メルカプト−3−ブタノール、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
(芳香族トリカルボン酸無水物(Y1))
芳香族トリカルボン酸無水物(Y1)としては、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)等)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物等)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、及び3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
(芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2))
芳香族テトラカルボン酸二無水物(Y2)としては、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
[その他の樹脂型分散剤]
本発明においては、さらに、その他の樹脂型分散剤を含んでいてもよい。
その他の樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであれば良く、前述と重複するものも含めて、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
塩基性官能基を有する樹脂型分散剤としては、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系樹脂型分散剤などが挙げられる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、LPN6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
樹脂型分散剤は、顔料全量に対して5〜200質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
<顔料誘導体>
本発明の着色組成物には、顔料分散性向上などを目的に顔料誘導体を使用することができる。本発明に用いられる顔料誘導体は、ジケトピロロピロール誘導体、ベンゾイソインドール誘導体、アントラキノン誘導体、ジアントラキノン誘導体、チアジンインジゴ誘導体、アゾ顔料誘導体、キノフタロン誘導体、およびキナクリドン誘導体等が挙げられる。顔料誘導体の構造として、下記式(4)で表される顔料誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
P−Lm 式(4)
[式(4)中、
Pは、ジケトピロロピロール残基、ベンゾイソインドール残基、アントラキノン残基、ジアントラキノン残基、チアジンインジゴ残基、アゾ色素残基、キノフタロン残基、またはキナクリドン残基であり、
mは、1〜4の整数であり、
Lは、それぞれ独立して、−OH;−SO3H、−COOH、これら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩;置換基を有しても良いフタルイミドメチル基;下記式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)で表される基であり、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHSO2CH2−、または直接結合であり、
Yは、−NH−、−O−、−S−、または直接結合であり、
nは、1〜10の整数であり、
16、R17は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜30のアルケニル基、またはR16とR17とが一体となって更なる窒素、酸素、もしくは硫黄原子を含む、置換基を有しても良い複素環であり、
18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基であり、
23は、式(a)、または式(b)で表される置換基であり、
24は、塩素原子、−OH、アルコキシル基、式(a)、または式(b)で表される置換基であり、
Zは、−CONH−、−NHCO−、−SO2NH−、または−NHSO2−であり、
25は、水素原子、−NH2、−NHCOCH3、−NHR26、または式(c)で表される置換基であり、ここでR26は、置換基を有して良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル基である。]
Figure 2020020851
1価〜3価の金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、またはアルミニウム等が挙げられる。また、アルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、もしくはステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、または、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、もしくはジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基、または置換基を有しても良い複素環の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
顔料誘導体は、硫酸もしくは発煙硫酸中で加熱することによるスルホン化反応、硫酸中、N−ヒドロキシメチルフタルイミドと脱水縮合させるフタルイミドメチル化反応、クロルスルホン酸と塩化チオニルを用いてクロルスルホン化した後、ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン成分を反応させるスルホンアミド化反応等の公知の製法により合成される。
上記式(a)、式(b)、および式(c)で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニペコチン酸メチル、イソニペコチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、アゾ色素に置換基を導入する場合は、置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ顔料誘導体を製造することもできる。
顔料誘導体の使用法は、ジケトピロロピロール系微細化顔料を顔料担体中に分散するときに微細化顔料と混合する方法のほかに、顔料製造時に水または有機溶剤中で混合処理する方法やソルトミリング処理時に添加する方法が挙げられる。顔料誘導体を顔料製造時に水または有機溶剤中で混合処理する方法やソルトミリング処理時に添加する方法は、ジケトピロロピロール系顔料の結晶成長を抑制する効果を発現するが、結晶成長を抑制する効果を発揮するためには、顔料誘導体がジケトピロロピロール顔料の表面に効率よく吸着し、簡単に脱着しないことが求められる。このため、顔料誘導体の構造は、用いる顔料と類似の化学構造を部分的に有するものとされる場合が多い。このような理由から、ジケトピロロピロール顔料を製造する場合には、一般的には、ジケトピロロピロール構造、チアジンインジゴ構造、ベンゾイソインドール構造、またはキナクリドン構造を有する顔料誘導体が効果的である。
また、顔料誘導体を使用する場合、ジケトピロロピロール系顔料を有する組成物の色調を極力損なわないことが必要とされる。色相の観点から、黄色、橙色を呈するジケトピロロピロール誘導体、ベンゾイソインドール誘導体、チアジンインジゴ誘導体、アゾ顔料誘導体、またはキノフタロン誘導体の使用が好ましい。
顔料誘導体の配合量は、ジケトピロロピロール系顔料を有する組成物100質量部に対して0.5〜40質量部の範囲であることが好ましい。より好ましくは、ジケトピロロピロール系微細化顔料100質量部に対して3〜35質量部の範囲である。
0.5質量部より多い場合は、結晶成長抑制効果が十分得られ、40質量部より少ない場合はジケトピロロピロール系顔料の良好な色調を得やすいためである。
以下本発明に用いられる顔料誘導体の具体例を記載するが、これらに限定されるものではない。
(ジケトピロロピロール誘導体の具体例)
ジケトピロロピロール誘導体は、例えば、下記式(5)または式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
Figure 2020020851
(ベンゾイソインドール誘導体の具体例)
ベンゾイソインドール誘導体は、例えば、下記式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
(アントラキノン誘導体の具体例)
アントラキノン誘導体は、例えば、下記式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
(ジアントラキノン誘導体の具体例)
ジアントラキノン誘導体は、例えば、下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
(チアジンインジゴ誘導体の具体例)
チアジンインジゴ誘導体は、例えば、下記式(10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
(アゾ顔料誘導体の具体例)
アゾ顔料誘導体は、例えば、下記式(11)、式(12)、または式(13)で表される化合物が挙げられる。

Figure 2020020851
Figure 2020020851
Figure 2020020851
(キノフタロン誘導体の具体例)
キノフタロン誘導体は、例えば、下記式(14−1)〜式(14−13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
Figure 2020020851
Figure 2020020851
(キナクリドン誘導体の具体例)
キナクリドン誘導体は、例えば、下記式(15)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020020851
(顔料の平均一次粒子径)
本発明の顔料組成物は、一次粒子径が非常に微細であり、また分布の幅が狭く、シャープな粒度分布をもつことが必要である。本発明の顔料組成物のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜70nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になってしまう。また70nmよりも大きくなってしまうと、十分なコントラスト比を得ることができなくなってしまう。このような理由から、より好ましい範囲は10〜40nmの範囲である。顔料を合成し、混合することによって顔料組成物とした段階で、平均一次粒子径が上記範囲である場合はそのまま使用してもよいが、そうでない場合は、ソルトミリング処理等により顔料の微細化および整粒化を行うことが望ましい。
(顔料の微細化)
本発明のジケトピロロピロール系顔料は、微細化して用いることが好ましく、微細化方法としては、ソルトミリング処理が好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の一次粒子径が異なる。
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度が35〜150℃であることが好ましい。加熱温度が35℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の一次粒子径が大きくなるため、カラーフィルタ用着色剤としては好ましくない。また、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
また、ソルトミリング処理に用いる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1200質量部用いることが最も好ましい。
また水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤は、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対して、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
ソルトミリング処理する際には、混練効率を向上させるために顔料誘導体を併用してもよく、顔料の微細化および整粒化に非常に有効である。本発明で使用されるジケトピロロピロール系顔料の微細化においては、上記顔料誘導体を使用することが好ましいが、これらに限定されるものではない。顔料誘導体の使用量は、色調に影響を与えない程度、すなわち顔料100質量部に対して0.5〜40質量部の範囲であることが好ましい。
また、ソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
本発明のジケトピロロピロール系顔料は、バインダ樹脂および有機溶剤と併用することにより、着色組成物として使用することができる。また、本発明のジケトピロロピロール系顔料を有する組成物以外の着色剤を併用しても良い。
<その他顔料>
本発明に用いる着色剤には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含む顔料以外の顔料を併用してもよい。これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
その他顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、269、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287などの赤色顔料が挙げられる。
また、C.I.ピグメントオレンジ43、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221または下記一般式(3)で表される黄色顔料を併用することができる。
併用する顔料で好ましいものは、耐熱性、耐光性といった堅牢性と色度領域との観点から、アゾ系、ナフトールアゾ系、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、およびペリレン系の顔料が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド269、177、254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、下記一般式(16)で表される黄色顔料および、臭素化ジケトピロロピロール顔料が挙げられる。
本明細書では、さらにC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、および下記一般式(16)で表される黄色顔料からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。これにより輝度と着色力がより向上する。
一般式(16)
Figure 2020020851
[一般式(16)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示す。
1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C64(CO)2N−CH2−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(H2NSO2−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(16)のZ1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色剤に用いられる一般式(16)で表される黄色顔料の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(r)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明で使用されるキノフタロン化合物は、例えば、特許公報2930774号記載の方法によって製造することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2020020851
Figure 2020020851
Figure 2020020851
<染料(a)>
本明細書で染料(a)は、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系からなる群より選択される1種以上あることが好ましい。
本発明の着色組成物は、前記ジケトピロロピロール顔料とともに染料を用いる。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、またはこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた着色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、または酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
[キサンテン系染料]
本発明において好ましく用いることのできるキサンテン系染料は、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
これらの中でも、キサンテン系油溶性染料、キサンテン系酸性染料、を用いることが色相に優れるために好ましい。
赤色、紫色を呈するとは、C.I.ソルベントレッド、C.I.ソルベントバイオレット等の油溶性染料、C.I.ベーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレット等の塩基性染料、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドバイオレット等の酸性染料、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトバイオレット等の直接染料等、に属するものが挙げられる。
ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
また、キサンテン系塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。さらに具体的にいうと、キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物であることが好ましい。
また、キサンテン系酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
これらの中でも特に、キサンテン系酸性染料の造塩化合物および/またはキサンテン系酸性染料のスルホン酸アミド化合物が色相および耐性に優れているために好ましく、さらにキサンテン系酸性染料を、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物を用いて造塩化した化合物、およびキサンテン系酸性染料をスルホンアミド化したスルホン酸アミド化合物を用いることがより好ましいものである。
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性にも優れているために好ましい。
以下、本発明に用いる染料の形態について具体的に詳述する。
[キサンテン系油溶性染料]
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系塩基性染料]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
[キサンテン系酸性染料]
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
また、これらの酸性染料は、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物であることが好ましく、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化し、キサンテン系酸性染料の造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができるために好ましい。
また、酸性染料と、オニウム塩基を有する化合物との造塩化合物であってもよく、なかでも、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂であることにより、明度および耐性に優れた着色組成物とすることが出来る。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩化合物としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)等が挙げられる。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、例えば花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂は、下記一般式(17)で示す構造単位を含むアルカリ樹脂であって一般式(17)中のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
Figure 2020020851
[一般式(17)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R52〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R52〜R54のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R55−、−COO−R55−を表し、R55はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
[塩形成]
酸性染料と、含窒素化合物または側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(−SO3H)、スルホン酸ナトリウム基(−SO3Na)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH4 +)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
また、本発明に用いる造塩化合物は、一般式(17)で示す側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、酸性染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは一般式(17)で示す側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液と酸性染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアンモニウム基と酸性染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、および酸性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法で、含窒素化合物または側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物を得ることができる。
[スルホン酸アミド化合物]
本発明に用いる酸性染料は、スルホン酸アミド化合物と、アニオン性染料とを反応させて得られたスルホン酸アミド化合物であっても構わない。
本発明の酸性染料に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SO3H、−SO3Naを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SO3Hを−SO2Clとし、この化合物を、−NH2基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法でスルホン酸アミド化合物を得ることができる。
このようなキサンテン系染料としては、特開2010−032999号公報、特開2011−138094号公報、特開2011−227313号公報、特開2011−242752号公報、特開2012−107192号公報、特開2013−033194号公報、特願2011−71888号公報、特願2013−72263号公報、特願2013−81209号公報、特開2014−173064号公報、特願2013−53028号公報、特願2013−52186号公報、特開2014−196392号公報、特開2014−196393号公報、特開2014−201714号公報、特開2014−201715号公報、特開2013−050693号公報、特開2013−178478号公報、特開2013−203956号公報、国際公開第2013/011687号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[ジピロメテン系染料]
ジピロメテン系染料としては、ジピロメテン色素に由来する部分構造を、色素部位の部分構造として有する染料であり、ジピロメテン化合物、およびジピロメテン化合物と金属、または金属化合物とから得られるジピロメテン金属錯体化合物が好ましく、なかでも、一般式(5)で示す構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(以下、適宜「ジピロメテン金属錯体化合物」と称する。)が好ましい。
[ジピロメテン金属錯体化合物]
一般式(18)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(ジピロメテン金属錯体化合物)について説明する。
Figure 2020020851
一般式(18)中、R61〜R66は、各々独立に、水素原子、又は一価の置換基を表し、R67は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。金属又は金属化合物には、例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等の他に、AlCl3、InCl3、FeCl3、TiCl2、SnCl2、SiCl2、GeCl2などの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)2等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、金属又は金属化合物としては、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、B、又はVOが最も好ましい。
このようなジピロメテン系染料としては、特許第5085256号公報、特開2008−292970号公報、特開2010−85758号公報、特開2010−84009号公報、特願2010−43530号公報、特開2013−080010号公報、特開2013−210596号公報、国際公開第2013/141156号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
ここで、本発明に用いる着色剤におけるジピロメテン系染料としては、カラーフィルタの明度およびコントラスト比を向上させる観点から、500〜600nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料が好ましく、525〜575nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料がより好ましく、540〜560nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料が特に好ましい。
そのようなジピロメテン系染料としては、特許第5085256号公報記載の例示化合物I−1(吸収極大558.2nm)や、III−45(吸収極大546.7nm)等が挙げられる。
[トリアリールメタン系染料]
トリアリールメタン系染料骨格としては、ジアミノトリフェニルメタン系染料骨格、トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格、OH基を有するロゾール酸系染料骨格等があげられる。
トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格は、色調に優れ、他のものよりも日光堅牢性に優れている点で好ましい。その中でも、塩基性染料であるジフェニルナフチルメタン染料骨格が特に好ましい。
[トリアリールメタン系塩基性染料]
トリアリールメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノアリールメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。
ブルー系のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有しているために、とくに青色フィルタセグメントの形成用に用いた場合に、高い明度とすることができるために好ましいものである。
トリアリールメタン系塩基性染料として具体的には、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
中でも明度の点から、C.I.ベーシック ブルー7を用いることが好ましい。
また、トリアリールメタン系塩基性染料の場合、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、または酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
具体的にはヘテロポリ酸や、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸等の有機硫酸、芳香族カルボン酸、脂肪酸などの有機カルボン酸といった有機酸、または酸性染料の形態を有するものである。またはそれらの金属塩であってもよい。また、酸基を有する樹脂との造塩化合物も好ましい。
[塩形成]
これらの塩基性染料とアニオン性カウンタとの造塩化合物は従来知られている方法により合成することができる。特開2003−215850号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、トリアリ−ルメタン系塩基性染料を水に溶解した後、有機スルホン酸や(有機スルホン酸ナトリウム)溶液を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでトリアリ−ルメタン系塩基性染料中のアミノ基(−NHC25)の部分と有機スルホン酸のスルホン酸基(−SO3H)の部分が結合した造塩化合物が得られる。
ここで有機スルホン酸は造塩処理を行う前に、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させ、スルホン酸ナトリウムの形態(−SO3Na)として用いることもできる。また本発明においては、スルホン酸基(−SO3H)とスルホン酸ナトリウムである官能基(−SO3Na)も同義である。
このようなトリアリールメタン系染料としては、特開2002−014222号公報、特開2003−246935号公報、特開2003−246935号公報、特開2008−304766号公報、特開2010−256598号公報、特願2011−200560号公報、特開2011−186043号公報、特開2012−173399号公報、特開2012−233033号公報、特開2012−098522号公報、特願2012−288970号公報、特願2012−200469号公報、特開2014−196262号公報、国際公開第2010/123071号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレット、国際公開第2013/108591号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[シアニン系染料]
シアニン系染料としては、分子内にシアニン骨格を含む色素部位を有する化合物であれば、制限無く用いることができる。
シアニン系染料としては、例えばC.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。
その他、特開2014−224970、特開2013−261614等に記載されているシアニン系染料も用いることができる。
[アントラキノン系染料]
アントラキノン染料は、分子内にアントラキノン骨格を有する染料である。
アントラキノン染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー117、163、1
67、189、C.I.ソルベントオレンジ77、86、C.I.ソルベントレッド111、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、222、227、230、245、247、C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60、C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139、C.I.ソルベントグリーン3、28、29、32、33、C.I.アシッドレッド80、C.I.アシッドグリーン25、27、28、41、C.I.アシッドバイオレット34、C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112、C.I.ディスパースイエロー51、C.I.ディスパースバイオレット26、27、C.I.ディスパースブルー1、14、56、60、C.I.ダイレクトブルー40、C.I.モーダントレッド3、11、C.I.モーダントブルー8等が挙げられる。また、特開平9−291237号公報、国際公開第2003/080734号パンフレット、国際公開第2006/024617号パンフレット、特開2011−174987号公報、特開2013−53273号公報等に記載のアントラキノン染料を公知技術として用いることができる。アントラキノン染料は、有機溶媒に溶解するものが好ましく、青色、バイオレット色又は赤色のアントラキノン染料がより好ましい。アントラキノン染料としては、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー45、C.I.アシッドブルー80、C.I.ソルベントブルー104、及びC.I.ソルベントブルー122が明度やコントラスト比の観点で好ましい。
上記の赤色顔料や黄色顔料、橙色顔料、染料と併用する場合、上記化学式(1)または一般式(2)で表される化合物を含む顔料の含有量は、着色剤の合計100質量%中、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。上記化学式(1)または一般式(2)で表される化合物を含む顔料の含有量が10質量%未満の場合は、輝度や着色力の優れた効果を十分に発揮できない。
<バインダ樹脂(B)>
本発明の着色組成物は、バインダ樹脂(B)を含む。バインダ樹脂(B)は、400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いる。バインダ樹脂には、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよく、さらに現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性でない熱可塑性樹脂を含んでもよく、これについてもアルカリ可溶性であることが好ましい。これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物中のバインダ樹脂の含有量は、着色剤の全重量を基準(100質量部)として、好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは50〜250質量部である。成膜性及び諸耐性が良好なことから、20質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、400質量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダ樹脂(B)として用いることができる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂はアルカリ可溶性であることが好ましく、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基及び/又は水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、現像性、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明の着色組成物は、現像性、耐熱性、透明性の点から、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基及び/又は水酸基を有する。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を用いることがさらに好ましい。
(エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂)
本発明の着色組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i) (ii)や(iii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、
下記一般式(19)で表される化合物、具体的にはEO変性クレゾールアクリレート、n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(19)
Figure 2020020851
(一般式(19)中、R6は、水素原子、又はメチル基であり、R7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。)
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
又、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
[方法(iii)]
方法(iii)としては、側鎖型環状エーテル含有単量体と他の1種類以上の単量体とを共重合することにより、不飽和エチレン性二重結合及を導入することが出来る。
側鎖型環状エーテル含有単量体としては、たとえば、テトラヒドロフラン骨格、フラン骨格、テトラヒドロピラン骨格、ピラン骨格、ラクトン骨格の郡から選ばれる少なくとも1つの骨格を含有する不飽和化合物である。
テトラヒドロフラン骨格としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−3−イルエステルなど;
フラン骨格としては、2−メチル−5−(3−フリル)−1−ペンテン−3−オン、フルフリル(メタ)アクリレート、1−フラン−2−ブチル−3−エン−2−オン、1−フラン−2−ブチル−3−メトキシ−3−エン−2−オン、6−(2−フリル)−2−メチル−1−ヘキセン−3−オン、6−フラン−2−イル−ヘキシ−1−エン−3−オン、アクリル酸2−フラン−2−イル−1−メチル−エチルエステル、6−(2−フリル)−6−メチル−1−ヘプテン−3−オンなど;
テトラヒドロピラン骨格としては、(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オンなど;
ピラン骨格としては、4−(1,4−ジオキサ−5−オキソ−6−ヘプテニル)−6−メチル−2−ピロン、4−(1,5−ジオキサ−6−オキソ−7−オクテニル)−6−メチル−2−ピロンなど;
ラクトン骨格としては、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニルエステル、2−プロペン酸2−メチル−7−オキソ−6−オクサビシクロ[3.2.1]オクト−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−7−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−テトラヒドロ−2−オキソ−2H−ピラン−3−イルエステル、2−プロペン酸(テトラヒドロ−5−オキソ−2−フラニル)メチルエステル、2−プロペン酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−2,6−メタノフロ[3,2−b]−6−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−(テトラヒドロ−5−オキソ−3−フラニル)エチルエステル、2−プロペン酸2−メチル−デカヒドロ−8−オキソ−5,9−メタノ−2H−フロ[3,4−g]−1−ベンゾピラン−2−イルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル)オキシ]エチルエステル、2−プロペン酸3−オキソ−3−[(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)オキシ]プロピルエステル、2−プロペン酸2−メチル−2−オキシ−1−オクサスピロ[4.5]デク−8−イルエステルなどが挙げられる。
これらのうちテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが着色、顔料分散性、入手性の点から好ましい。これら側鎖型環状エーテル含有単量体は単独で用いても2種以上を複合して用いても構わない。
(エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂)
本発明の着色組成物は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2,000以上40,000以下であり、3,000以上300,00以下が好ましく、4,000以上20,000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために50以上〜200以下(KOHmg/g)であり、70以上180以下の範囲が好ましく、より好ましくは90以上170以下の範囲である。酸価が50未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
<熱硬化性化合物>
本発明においては、さらに熱硬化性化合物を含むことが出来る。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましく用いられる。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α',α'−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α',α'−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α'−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ社製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学社製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬社製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EPPN−201(商品名;日本化薬社製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬社製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業社製)、TTA3150(楠本化成社製)、デナコールEX−211、212、252、313、314、321、411、421、512、521、611、612、614、614B、622、711、721、(以上は商品名;ナガセケムテックス社製)、TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(日産化学工業社製)等が挙げられる。
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100重量に対し、0.5〜300質量部であることが好ましく、1.0〜50質量部であることがより好ましい。0.5質量部未満ではコントラスト比および耐熱性改善効果が小さく、300質量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
(オキセタン化合物)
本発明の着色組成物には、オキセタン化合物を添加することが好ましい。オキセタン化合物としては、オキセタン基を有する公知の化合物を特に限定されず使用することができる。オキセタン化合物は、オキセタン基が1官能であるもの、オキセタン基が2官能であるもの、オキセタン基が2官能以上であるものが挙げられる。
オキセタン基が1官能のものとしては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、 (3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−メタクリロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
具体例としては、大阪有機化学工業社製OXE−10、OXE−30、東亞合成社製OXT−101、OXT−212等が挙げられる。
オキセタン基が2官能のものとしては、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル−3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−フェノキシメチル)オキセタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
具体例としては、宇部興産社製、OXBP、OXTP、東亞合成社製OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
オキセタン基が2官能以上であるものとしては、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE−30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。このような重合体は、公知の重合法を用いて得ることができる。
本発明の着色組成物に用いられるオキセタン化合物の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。オキセタン化合物の含有量が、前記の範囲にあると水シミが良好で、かつ耐薬品性が高い優れた塗膜が得られるため好ましい。
(メラミン化合物)
本発明におけるメラミン化合物とは、メラミン環構造を有する化合物を指す。メラミン化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。本発明において好ましいのは、メチロール型やエーテル型であり、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物である。メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0未満であると、反応点が少なく、硬化時の架橋構造が十分に密にならないため熱処理工程によるコントラスト比低下抑制やNMP耐性改善の効果が小さくなる場合がある。
市販品としては、例えば、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MS−001、MX−002、MX−730、MX−750、MX−708、MX−706、MX−042、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−417、MX−410(三和ケミカル社製)、サイメル232、235、236、238、285、300、301、303、350、370(日本サイテックインダストリーズ社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でもメラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MX−45(三和ケミカル社製)サイメル232、235、236、238、300、301、303、350(日本サイテックインダストリーズ社製)などが、密な架橋構造が得られる点で好ましい。
(硬化剤)
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤(硬化促進剤)などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性化合物100質量部に対し、0.01〜15質量部が好ましい。
(感光性着色組成物)
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤(C)、光重合性単量体(D)を含み、必要に応じ増感剤(H)、チオール系連鎖移動剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤などが添加される。
<光重合開始剤(C)>
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤(C)を含む。光重合開始剤を含むことで、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成することができる。光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性組成物の形態で調製することが好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、アセトフェノン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、「IRGACURE 369」(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)、「IRGACURE 379」2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ホスフィン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「IRGACURE TPO」(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、などが挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、オキシムエステル系化合物を含有することが好ましい。
(オキシムエステル系化合物)
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系化合物は高い量子効率を持つため好適に使用される。より好ましくは、一般式(20)で示すオキシムエステル系光重合開始剤である。
(一般式(20)で示すオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(20)
Figure 2020020851
一般式(20)において、
1は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基、もしくはスルファモイル基であり、
2は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基アシルオキシ基、もしくはアミノ基である。
Zは、直接結合又は−CO−基、
3は、置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−基(Phは、置換基を有しても良い、フェニル基又はフェニレン基を示す)等であることが好ましい。
1における置換基を有しても良いアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基、又は炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状又は縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2020020851
1における置換基を有しても良いアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基、又は炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2020020851
1における置換基を有しても良いアリール基としては、炭素数6から24の単環又は縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環又は縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状又は縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状又は縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メチルオキシメチルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メチルオキシフェニルスルフィニル基、2−ブチルオキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メチルオキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メチルオキシメチルスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルオキシフェニルスルホニル基、2−ブチルオキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メチルオキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシル基としては、水素原子又は炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環又は縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
1における置換基を有しても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いホスフィノイル基としては、炭素数2から50のホスフィノイル基が挙げられ、具体例としては、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いカルバモイル基としては、炭素数1から30のカルバモイル基が挙げられ、具体例としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いスルファモイル基としては、炭素数0から30のスルファモイル基が挙げられ、具体例としては、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
2における置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、及びアミノ基としては、前述のR1における置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルキルオキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換基を有しても良いアルキルスルファニル基、置換基を有しても良いアリールスルファニル基、置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基、置換基を有しても良いアリールスルフィニル基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、及び、置換基を有しても良いアミノ基と同義である。
1及びY2におけるこれら置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良い。
一般式(20)に表されるオキシムエステル系光重合開始剤の中でも、下記一般式(21)、又は(22)で示すオキシムエステル系光重合開始剤は、感度に優れ、さらに好ましいものである。
[一般式(21)で示すオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(21)
Figure 2020020851
一般式(21)は、一般式(20)におけるZが−CO−基、Y3がPh−S−Ph−基の場合に相当し、Y4〜Y6は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルキル基又はアリール基が好ましい。Y4〜Y6における、置換基を有しても良いアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基としては、Y1及びY2におけるアルキル基、又はアリール基と同義である。
さらにY1としては置換基を有しても良いアリール基が、Y2としては置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y4及びY6としては水素原子がさらに好ましく、Y5としては水素原子、もしくはY7−CO−基であることがさらに好ましい。
7としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ベンゾフラニル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
2の置換基としてさらに好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。
一般式(21)で示すオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(21−1)又は(21−2)で示す光重合開始剤等である。
Figure 2020020851
Figure 2020020851
一般式(22)は、一般式(20)におけるY3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、Y7〜Y14は、Y1及びY2における置換基と同義である。
さらにY1として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y2として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が、Y7〜Y14として水素原子、又は置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
一般式(22)におけるZが直接結合の場合には、下記一般式(22a)で示すオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
「一般式(22a)で示すオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(22a)
Figure 2020020851
一般式(22a)は、一般式(22)におけるZが直接結合、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、一般式(22)におけるY7〜Y10、及びY12〜Y13が水素原子である。
また、Y11はY15−CO−基、又はニトロ基であることが好ましい。Y15はY1及びY2における置換基と同義であり、置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。Y15−CO−基としては、さらに置換基を有しても良いアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基であることが好ましい。より好ましくは置換基を有しても良いベンゾイル基、又はニトロ基である。Y14としては、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
また、置換基を有しても良いベンゾイル基における置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、又はアルキルオキシ基が好ましい。さらにアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、アルキルオキシ基のなかでも、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基が好ましく、Y1における炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基と同義である。
2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。また、置換基を有しても良いアリール基が好ましく、置換基として好ましくは、さらに置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又はメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(22a)で示すオキシムエステル系光重合開始剤は、例えば、下記化学式(22a−1)〜(22a−6)で示す光重合開始剤が挙げられる。
Figure 2020020851
「一般式(22b)で示すオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(22)におけるZが−CO−基の場合には、下記一般式(22b)で示すオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
一般式(22b)
Figure 2020020851
一般式(22b)は、一般式(22)におけるZが−CO−基、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、ケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤である。Y7〜Y13は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましく、Y14は置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基が好ましく、より好ましくはベンゾイル基である。
一般式(22b)で示すオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(22b−1)〜(22b−4)で示す光重合開始剤等である。
Figure 2020020851
Figure 2020020851
これらオキシムエステル系化合物の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)、N−1919(ADEKA社製)、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−305、TRONLY TR−PBG−309(いずれも常州強力新材料社製)等が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤を用いることも可能である。
オキシムエステル系化合物の含有量は、着色剤100質量部に対し、2〜50質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から2〜30質量部であることがより好ましい。2質量部よりも少ない場合、形成パターンの基材との密着性が悪くなり、50質量部を超えると現像性に問題が生じることや、230℃熱処理後の明度低下が生じる場合がある。
<光重合性単量体(D)>
光重合性単量体(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
これらの市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R−128H、KAYARAD R526、KAYARAD PEG400DA、KAYARAD MAND、KAYARD NPGDA、KAYARAD R−167、KAYARAD HX−220、KAYARAD R−551、KAYARAD R712、KAYARAD R−604、KAYARAD R−684、KAYARAD GPO−303、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPEA−12、KAYARAD DPHA−2C、KAYARAD D−310、KAYARAD D−330、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120、及び東亜合成社製のM−303、M−305、M−306、M−309、M−310、M−321、M−325、M−350、M−360、M−313、M−315、M−400、M−402、M−403、M−404、M−405、M−406、M−450、M−452、M−408、M−211B、M−101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、ビスコート#335HP、ビスコート#700、ビスコート#295、ビスコート#330、ビスコート#360、ビスコート#GPT、ビスコート#400、ビスコート#405、新中村化学社製のA−9300等を好適に使用することができる。
光重合性単量体(D)の配合量は、着色剤の全重量を基準(100質量部)として、5〜400質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜300質量部であることがより好ましい。
(酸基を有する重合性化合物)
本発明における光重合性単量体(D)は、酸基を有する光重合性単量体を含有してもよい。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。
酸基を有する光重合性単量体としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、大阪有機社製のビスコート#2500P、及び東亜合成社製M−5300、M−5400、M−5700、M−510、M−520等を好適に使用することができる。
これらの酸基を有する光重合性単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
本発明における光重合性単量体(D)は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含有する光重合性単量体を含有してもよい。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、アルコールの構造に制限はないが、多価アルコールを使用した場合、硬化塗膜の架橋度が高くなり、塗膜耐性が上がるため好ましい。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらの市販品としては、共栄社化学社製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業社製のUA−160TM、大阪有機化学工業社製のUV−4108F、UV−4117F等を好適に使用することができる。
これらのウレタン結合を有する光重合性単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記増感剤の中で、特に好適に増感しうる増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、「KAYACURE DETX-S」(2,3−ジエチルチオキサントン 日本化薬社製)、「EAB-F」(4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 保土ヶ谷化学工業社製)などが挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤を使用する際の含有量は、着色組成物中に含まれる光ラジカル重合開始剤100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<チオール系連鎖移動剤>
本発明の着色組成物は連鎖移動剤として、チオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる着色組成物は高感度となる。
また、SH基が2個以上あるメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。より好ましくは、SH基が4個以上ある多官能脂肪族チオールである。官能基数が増えることで、重合開始機能が向上し、パターンにおける表面から基材付近まで硬化させることができる。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらのチオール系連鎖移動剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、チオール系連鎖移動剤の含有量は、着色組成物の全不揮発分中1〜10%であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0%である。この範囲において、連鎖移動剤の効果が大きくなり、感度、テーパー形状やシワ、膜縮率等が良好になる。
<紫外線吸収剤>
発明の着色組成物は、紫外線吸収剤を含んでも良い。本発明における紫外線吸収剤とは、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5〜70質量%が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記より少ない場合、紫外線吸収剤の効果が小さく、解像性が確保できず、上記より多い場合には、感度が低くなり画素はがれやホール径が設計値より大きくなってしまうといった不具合が発生することがある。
このとき着色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜20質量%が好ましい。光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量が上記より少ない場合、密着性が弱まり画素はがれが発生し、上記より多い場合には、感度が高すぎ解像性が悪くなることがある。
このとき着色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
ベンゾトリアゾール系有機化合物としては2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルの化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、が挙げられる。
さらに具体的には、BASF社製「TINUVIN P」、「TINUVIN PS」、「TINUVIN 109」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 328」、「TINUVIN 329」、「TINUVIN 360」、「TINUVIN 384−2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」、「TINUVIN 99−2」、「TINUVIN 1130」、ADEKA社製「アデカスタブLA−29」、大塚化学社製「RUVA−93」等が挙げられる。
トリアジン系有機化合物としては、2−[4,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン等が挙げられる。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製「KEMISORB 102」、BASF社製「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 460」、「TINUVIN 477−DW」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 1577ED」、ADEKA社製「アデカスタブLA−46」、「アデカスタブLA−F70」、サンケミカル社製「CYASORB UV−1164」等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物としては、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製「KEMISORB 10」、「KEMISORB 11」、「KEMISORB 11S」、「KEMISORB 12」、「KEMISORB 111」、シプロ化成社製「SEESORB 101」、「SEESORB 107」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」等が挙げられる。
<重合禁止剤>
本発明の着色組成物には、露光時にマスクの回折光による感光を防ぐために、重合禁止剤を含有させることができる。重合禁止剤を添加することで感光による連鎖重合で所望のパターン外まで硬化が進行しないようにする効果が得られる。
重合禁止剤としては、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、着色組成物の溶剤を除いた重量100質量部に対して、0.01〜0.4質量部が好ましい。この範囲において、重合禁止剤の効果が大きくなり、テーパーの直線性や塗膜のシワ、パターン解像性等が良好になる。
<酸化防止剤>
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。特に着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜架橋成分量が少なくなるため高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取るため熱工程の黄変が強くなる現象が見られる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、又は、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、及びトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては株式会社ADEKA社製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40,AO50、AO60、AO80、AO330、ケミプロ社製KEMINOX101、179、76、9425、株式会社BASF社製IRGANOX1010、1035、1076、1098、1135、1330、1726、1425WL、1520L、245、259、3114、5057、565、サンケミカル社製サイアノックスCY−1790、CY−2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87、LA−402F、LA−502XP、ケミプロ化成社製KAMISTAB29、62、77、29、94、株式会社BASF製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル社製サイアソーブUV−3346、UV−3529、UV−3853等があげられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブPEP−36、PEP−8、HP−10、アデカスタブ2112、1178、1500、C、3013、TPP、株式会社BASF製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製HostanoxP-EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,2−ビス{〔3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイルビス〔3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブAO−412S、AO−503、ケミプロ化成社製KEMINOXPLSなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−29、LA−31RG、LA−32、LA−36、−412S、ケミプロ化成社製KEMISORB71、73、74、79、279、株式会社BASF製TINUVIN PS、99−2、384−2、900、928、1130等が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブ1413、ケミプロ化成社製KEMISORB10、11、11S、12、111、サンケミカル社製UV−12、UV−329等が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−46、F70、ケミプロ化成社製KEMISORB102、株式会社BASF製TINUVIN400、405、460、477、479、サンケミカル社製サイアソーブUV−1164等が挙げられる。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<密着向上剤>
本発明の着色組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好であるためより好ましい。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好することを目的として、レべリング剤を添加することが好ましい。レべリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系(界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
具体例としては、ビックケミー社製BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−313、BYK−315N、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−342、BYK−345/346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−377、BYK−378、BYK−3455、BYK−UV3510、BYK−3570、東レ・ダウコーニング社製、FZ−7001、FZ−7002、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2123],FZ−2191、FZ−5609、信越化学工業社製X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−351A、K354L、KF−355A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、X−22−6191、X−22−4515、KF−6004等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する(界面活性 or レべリング)剤が挙げられる。
具体例としては、AGCセイミケミカル社製サーフロンS−242、S−243、S−420、S−611、S−651、S−386、DIC社製メガファックF−253、F−477、F−551、F−552、F−555、F−558、F−560、F−570、F−575,F−576、R−40−LM、R−41、RS−72−K、DS−21、住友スリーエム社製FC−4430、FC−4432、三菱マテリアル電子化成社製EF−PP31N09、EF−PP33G1、EF−PP32C1、株式会社ネオス製フタージェント602A等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンエスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンオルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキイエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリンやアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン等が挙げられる。
具体例としては、花王社製エマルゲン103、エマルゲン104P、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン130K、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン210P、エマルゲン220、エマルゲン306P、エマルゲン320P、エマルゲン350、エマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲン409PV、エマルゲン420、エマルゲン430、エマルゲン705、エマルゲン707、エマルゲン709、エマルゲン1108、エマルゲン1118S−70、エマルゲン1135S−70、エマルゲン1150S−60、エマルゲン2020G−HA、エマルゲン2025G、エマルゲンLS−106、エマルゲンLS−110、エマルゲンLS−114、エマルゲンMS−110、エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66、エマルゲンPP−290、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、ラテムルPD−430S、ラテムルPD450、レオドールSP−L10、レオドールSP−P10、レオドールSP−S10V、レオドールSP−S20、レオドールSP−S30V、レオドールSP−O10V、レオドールSP−O30V、レオドールスーパーSP−L1、レオドールAS−10V、レオドールAO−10V、レオドールAO−15V、レオドールTW−L120、レオドールTW−L106、レオドールTW−P120、レオドールTW−S120V、レオドールTW−L106V、レオドールTW−S320V、レオドールTW−O120V、レオドールTW−O106V、レオドールTW−IS399C、レオドールスーパーTW−L120、レオドール430V、レオドール440V、レオドール460V、レオドールMS−50、レオドールMS−60、レオドールMO−60、レオドールMS−165V、エマノーン1112、エマノーン3199V、エマノーン3299V、エマノーン3299RV、エマノーン4110、エマノーンCH−25、エマノーンCH−40、エマノーンCH−60(K)、アミート102、アミート105、アミート105A、アミート302、アミート320、アミノーンPK−02S、アミノーンL−02、ホモゲノールL−95、株式会社ADEKA社製アデカプルロニックL−23、31、44、61、62、64、71、72、101、121、アデカプルロニックTR−701、702、704、913R等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としてはアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
具体例としては、花王社製アセタミン24、26、コータミン24P、86Pコンク、信越化学工業社製KP341、共栄社化学社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
具体例としては、株式会社ネオス製フタージェント100、150、株式会社ADEKA社製アデカホープYES−25、アデカコールTS−230E、PS−440E、EC−8600等が挙げられる。
本発明の着色組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、本発明の組成物の全不揮発分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。この範囲内であることで、着色組成物の塗布性とパターン密着性、透過率のバランスが良好となる。
本発明の着色組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明に含まれる着色組成物は、着色剤を、分散剤、バインダ樹脂などの着色剤担体及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<分散助剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有することができる。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度、コントラスト、保存安定性が良好になる。色素誘導体と分散剤に関しては、前記に説明した通りである。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤を添加する場合には、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。界面活性剤の配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼす場合がある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色分散体もしくは感光性組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<固体撮像素子>
本発明にかかるカラーフィルタセグメントの形成は特に制限なく公知の方法を用いて形成することができるが、撮像素子のフィルタセグメントはサブミクロンから十数ミクロン程度と微細であることから光リソグラフィを用いるのが好適である。
本発明の実施形態は、上述の着色組成物を硬化してなるカラーフィルタセグメントを持つことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。上述した本発明の実施形態に係る着色組成物を硬化して得たカラーフィルタセグメントを含むものである。
本実施形態に係るカラーフィルタは、上述の緑色フィルタセグメントと赤色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントを含む。本発明に関わる着色フィルタセグメント以外は、色顔料を含有する、色染料を含有する、もしくは、色顔料及び色染料の両方を含有する、公知の着色組成物を用いて形成して構わない。着色フィルタセグメントの形成方法は特に制限はないが、ネガ型レジストである感光性着色組成物を用いるのが一般的である。
カラーフィルタセグメントを、所定の対応する光電変換素子上に形成する場合には、ネガ型感光性緑色組成物により形成されたネガ型緑色膜により ネガ型カラーレジスト層を構成し、この場合のネガ型カラーレジスト層の厚さは0.1μm〜3.0μmの範囲に設定される。
ネガ型着色膜により形成されているネガ型カラーレジスト層の表面は、形成したい複数の光電変換素子に対応する複数の部分を、フォトマスクを使用してパターン露光する。
フォトマスクは、実際に形成するパターンの寸法の4〜5倍の寸法を 有していて、パターン露光時に1/4〜1/5に縮小してパターン露光を行なう。
このフォトマスクは、4〜5倍レチクルであり、ネガ型カラーレジスト層の表面に露光されるパターンの寸法の4〜5倍の大きさの 寸法のパターンを有している。そして、図示しないステッパー露光装置を使用し、フォトマスクのパターンを1/4〜1/5に縮小してネガ型カラー レジスト層の表面に露光している。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、光硬化した部分を残存させる。この現像工程により、カラーフィルタセグメントからなるパターン状皮膜を形成することができる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式、パドル方式などいずれでもよく、これらにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。
現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
現像液が含むアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ 性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物等が挙げられる。
現像液としては、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように、純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後、純水で洗浄(リンス)して余剰の現像液 を洗浄除去し、乾燥を施す。
最後に、このように形成されたフィルタセグメントは硬膜化処理される。
本発明の製造方法においては、上述した、着色層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを後加熱(ポス トベーク)や後露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常 100℃〜270℃の熱硬化処理を行う。光を用いる場合には、g線、h線、i線、KrFやArFなどのエキシマレーザ、電子線、X線等により行うことができるが、既存の高圧水銀灯で20〜50℃ 程度の低温で行うことが好ましく、照射時間としては、10秒〜180秒、好ましくは30秒〜60秒である。後露光と後加熱との併用の場合、後露光を先に実施することが好ましい。
以上説明した、着色層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
<撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の固体撮像素子用のカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCD センサ、CMOSセンサ、有機CMOSセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダ イオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光 部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
なお、有機CMOSセンサは、光電変換層として薄膜のパンクロ感光性有機光電変換膜とCMOS信号読み出し基板を含んで構成され、光を捕捉しそれを電気信号に変換する役割を有機材料が担い、電気信号を外部に取り出す役割を無機材料が担う2層構成のハイブリッド構造であり、原理的には入射光に対して開口率を 100%にすることができる。有機光電変換膜は構造フリーの連続膜でCMOS信号読みだし基板上に敷設できるので、高価な微細加工プロセスを必要とせず、 フィルタセグメント微細化に適している。
カラーフィルタセグメントの配置は特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。表中の配合量は、断りがない限り質量部である。
各測定法を以下説明する。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量、側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価は以下の通りである。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<樹脂の数平均分子量(Mn)>
本発明の樹脂の数平均分子量分子量(Mn)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価>
側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、不揮発分のアンモニウム塩価を示す。
<ジケトピロロピロール顔料の製造方法>
(臭素化ジケトピロロピロール顔料 化学式(1))
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒および洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより化学式(1)で示す臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−1))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(23)の化合物85.0部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(2−1)で表されるジケトピロロピロール顔料88.1部を得た。
Figure 2020020851
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−2))
4−シアノビフェニル60.9部を4−tert−ブチルベンゾニトリル54.1部に変更した以外は、ジケトピロロピロール顔料 式(2−1)の製造と同様に行い、式(2−2)で表されるジケトピロロピロール顔料83.9部を得た。
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−3a))
4−シアノビフェニル60.9部をN−ブチル−4−シアノベンズアミド68.7部に変更した以外は、ジケトピロロピロール顔料 式(2−1)の製造と同様に行い、式(2−3a)で表されるジケトピロロピロール顔料87.0部を得た。
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−3b))
4−シアノビフェニル60.9部をN−フェニル−4−シアノベンズアミド75.5部に変更した以外は、ジケトピロロピロール顔料 式(2−1)の製造と同様に行い、式(2−3b)で表されるジケトピロロピロール顔料86.9部を得た。
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−4a))
4−シアノビフェニル60.9部をN,N−ジブチル−4−シアノベンズアミド87.8部に変更した以外は、ジケトピロロピロール顔料 式(2−1)の製造と同様に行い、式(2−4a)で表されるジケトピロロピロール顔料87.1部を得た。
(ジケトピロロピロール顔料 式(2−19))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(24)の化合物99.2部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(2−19)で示されるジケトピロロピロール顔料87.8部を得た。
Figure 2020020851
<微細化顔料の作製>
(微細化顔料(A−1)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することによりジケトピロロピロール系顔料を有する微細化顔料(A−1)96.9部を得た。平均一次粒子径は33.1nmであった。
(微細化顔料(A−2)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−1)のジケトピロロピロール顔料100部に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−2)96.5部を得た。平均一次粒子径は36.8nmであった。
(微細化顔料(A−3)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−2)のジケトピロロピロール顔料に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−3)98.1部を得た。平均一次粒子径は29.9nmであった。
(微細化顔料(A−4)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−3a)のジケトピロロピロール顔料に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−4)98.0部を得た。平均一次粒子径は30.7nmであった。
(微細化顔料(A−5)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−3b)のジケトピロロピロール顔料に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−5)98.4部を得た。平均一次粒子径は31.2nmであった。
(微細化顔料(A−6)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−4a)のジケトピロロピロール顔料に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−6)97.5部を得た。平均一次粒子径は35.4nmであった。
(微細化顔料(A−7)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(2−19)のジケトピロロピロール顔料に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−7)97.5部を得た。平均一次粒子径は35.4nmであった。
(微細化顔料(A−8)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料90部、式(2−1)のジケトピロロピロール顔料10部に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−8)97.2部を得た。平均一次粒子径は37.1nmであった。
(微細化顔料(A−9)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料80部、式(2−1)のジケトピロロピロール顔料20部に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−9)96.8部を得た。平均一次粒子径は36.5nmであった。
(微細化顔料(A−10)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部を、式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料80部、式(2−1)のジケトピロロピロール顔料10部、市販のC.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)10部に変更した以外は、微細化顔料1(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−10)96.7部を得た。平均一次粒子径は33.2nmであった。
(微細化顔料(A−11)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料を、市販のC.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)に変更した以外は、微細化顔料(A−1)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−11)97.3部を得た。平均一次粒子径は34.2nmであった。
(微細化顔料(A−12)の製造)
C.I.Pigment Red 242(クラリアント社製「ノボパーム スカーレット4RF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し微細化顔料(A−12)を得た。平均一次粒子径は35.2nmであった。
(微細化顔料(A−13)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red 177(チバスペシャルティケミカルズ社製「クロモフタルレッド A2B」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A−13)を得た。平均一次粒子径は34.5nmであった。
(微細化顔料(A−14)の製造)
キノフタロン系黄色顔料C.I.Pigment Yellow138(BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の微細化顔料(A−14)を得た。
平均一次粒子径は34.3nmであった。
(微細化顔料(A−15)の製造)
イソインドリン系黄色顔料C.I.pigment yellow 139(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A−15)を得た。平均一次粒子径は34.6nmであった。
(微細化顔料(A−16)の製造)
金属錯体系黄色顔料(C.I.pigment yellow 150、ランクセス社製 「Yellow Pigment E4GN」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A−16)を得た。平均一次粒子径は36.6nmであった。
(微細化顔料(A−17)の製造)
黄色顔料C.I.Pigment Yellow 185(チバ・ジャパン社製「」)(BASF社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の微細化顔料(A−17)を得た。平均一次粒子径は35.9nmであった。
<微細化顔料(A−18〜20)の製造>
特開2012−226110号公報に記載の合成方法に従い、下記キノフタロン化合物(a)〜(c)を得た。
Figure 2020020851
次に、上記キノフタロン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料(A−18)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
Figure 2020020851
キノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A−19)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
Figure 2020020851
キノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A−20)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
Figure 2020020851
<染料の製造方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(染料01(AR52−JK))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物である染料01(AR52−JK)を製造した。
水2000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である染料01(AR52−JK)を得た。このとき染料01(AR52−JK)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
(染料02(AR289−JK))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物である染料02(AR289−JK)を製造した。
水2000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である染料02(AR289−JK)を得た。このとき染料02(AR289−JK)の中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は27質量%であった。
(染料03〜04(AR289−SA、AR289−DSA))
特開2013−203956号公報の記載に基づき、以下のキサンテン系スルホン酸アミド化合物である染料03〜04(AR289−SA、AR289−DSA)を得た。
Figure 2020020851
なお、上記染料03〜04のRaは、下記部分構造である。
Figure 2020020851
(染料05〜06(DP−1、DP−2))
特許第5085256号公報記載の合成スキームにより、例示化合物I−1および例示化合物III−45を得、それぞれ染料05〜06(DP−1、DP−2)とした。
(染料07(BB7−NT))
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)を溶解させ十分に混合・攪拌を行いそのナトリウム塩を得る。この2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸ナトリウム塩水溶液を70〜90℃に加熱した後、ビクトリアピュアブルー染料(C.I.ベーシック ブルー 7)を少しずつ滴下していく。またビクトリアピュアブルー染料は水
に溶解し水溶液として用いても良い。ビクトリアピュアブルー染料を滴下した後、70〜90℃で40〜60分間攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い水洗する。水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、ビクトリアピュアブルー染料と2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸との造塩化合物、トリアリールメタン系造塩化合物である染料07(BB7−NT)を得た。
(染料08(BV10−MA))
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.ベーシックバイオレット10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を5.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、染料08(BV10−MA)を得た。収率は51.6%であった。
(染料09〜12)
表2の染料を加工せずに使用した。
<染料溶液の製造方法>
(染料溶液(DS−01))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し染料溶液(DS−01)を作製した。
染料01 :16.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :84.0部
染料を、表2に示す組成に変更した以外は、染料溶液(DS−01)と同様にして、染料溶液(DS−02〜12)を得た。
Figure 2020020851
<顔料誘導体>
下記の通りの顔料誘導体を使用した。
顔料誘導体(1)
Figure 2020020851
顔料誘導体(2)
Figure 2020020851
(樹脂型分散剤(1)液:酸性)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート45.0部、メタクリル酸15.0部、エチルアクリレート40.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール1.0部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、数平均分子量が9500であった。次に、リカシッドBT−100(新日本理化製)を8.0部、シクロヘキサノン69.2部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。必要に応じて、減圧蒸留により溶剤の一部除去し、ついでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを追加して不揮発分を50%に調整し、数平均分子量25000の櫛型の樹脂型分散剤(1)液を得た。
(樹脂型分散剤(2)液:塩基性)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレー
ト500部、チオグリセロール22部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート511部を仕込み
、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、AIBN 0.50部を添加し
た後7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認後、室温まで冷却
して、重量平均分子量5200の、片末端領域に2つの遊離ヒドロキシル基を有するビ
ニル重合体の不揮発分50%溶液を得た。ついでイソホロンジイソシアネート 90.4部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.1部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.11部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、3時間反応した後、40℃まで冷却し、イソシアネート基を有するプレポリマー溶液を得た。ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器2にメチルイミノビスプロピルアミン22.2部、ジブチルアミン 13.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート304.6部を仕込み100℃に加熱した。そこへ前記プレポリマー溶液を30分かけて滴下し、さらに1時間反応した後、室温まで冷却して反応を終了した。必要に応じて、減圧蒸留により溶剤の一部除去し、ついでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを追加して不揮発分を50%に調整し、数平均分子量14000の樹脂型分散剤(2)液を得た。
<バインダ樹脂(B)の製造例>
(バインダ樹脂(B−1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(B−1)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(バインダ樹脂(B−2)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダ樹脂(B−2)を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダ樹脂(B−3)液の調製)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け不揮発分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(B−3)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
(バインダ樹脂(B−4)液の調製)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル− 2 , 2 ' − [ オキシビス( メチレン) ] ビス− 2 − プロペノエート4 0 部、メタクリル酸4 0 部、メタクリル酸メチル1 2 0 部、t − ブチルパーオキシ− 2 − エチルヘキサノエート( 日本油脂製「パーブチルO 」) 4 部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4 0 部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n − ドデカンチオール 8 部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3 2 部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3 9 5 部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を9 0 ℃ まで昇温した。反応槽の温度が9 0 ℃ に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を9 0 ℃ に保ちながら、それぞれ1 3 5 分間かけて行った。滴下が終了してから6 0 分後に昇温を開始して反応槽を110 ℃ にした。3 時間1 1 0 ℃ を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/ 窒素= 5 / 9 5(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル7 0 部、2 , 2 ' − メチレンビス( 4 − メチルー6 − t − ブチルフェノール)0 .4 部、トリエチルアミン0 . 8 部を仕込み、そのまま1 1 0℃ で1 2 時間反応させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1 5 0 部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(B−4)液を得た。樹脂の重量平均分子量は18000 、不揮発分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
<顔料分散体の製造方法>
[製造例1]
(顔料分散体(R−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が24.7質量%の顔料分散体(R−1)を作製した。
顔料(A−1) :20.0部
顔料誘導体(1) :0.5部
樹脂型分散剤((1):不揮発分50%液) :2.0部
バインダ樹脂(B−1:不揮発分20%液) :16.0部
溶剤(P) :61.5部
[製造例2〜20]
(顔料分散体(R−2〜20)の作製)
表3に記載した通りの材料種、重量に変更した以外は、製造例1と同様に顔料分散体(R−2〜20)を作製した。
Figure 2020020851
<着色組成物の製造方法>
[製造例21]
(着色組成物(X−1)の作製)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して着色組成物(X−1)を得た。
顔料分散体A1(R−1:不揮発分24.7%液) :51部
顔料分散体A2(R−14:不揮発分24.7%液) :5部
バインダ樹脂(B−1:不揮発分20%液) :31部
溶剤(P) :13部
[製造例22〜56]
(着色組成物(X−2〜36)の作製)
表4に記載した通りの材料種、質量に変更した以外は、製造例1と同様に着色組成物(X−2〜36)を作製した。
Figure 2020020851
<感光性着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(感光性着色組成物(Y−1))
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(Y−1)を得た。
着色組成物(X−1:不揮発分20%) :50.0部
バインダ樹脂(B−2:不揮発分20%) :15.0部
光重合開始剤(C) :1.8部
光重合性単量体(D) :3.0部
熱硬化性化合物(E−1) :1.0部
熱硬化性化合物(E−2) :1.0部
増感剤(H) :0.2部
チオール系連鎖移動剤(I) :0.4部
重合禁止剤(J) :0.1部
紫外線吸収剤(K) :0.1部
酸化防止剤(L) :0.1部
レベリング剤(M:不揮発分3%) :1.0部
貯蔵安定剤(N) :0.1部
シランカップリング剤(O) :0.2部
溶剤(P) :26.0部
[実施例2〜36、比較例1,2]
(感光性着色組成物(Y−2〜38)の作製)
実施例1の着色組成物およびバインダ樹脂溶液の種類を表5に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様に行い感光性着色組成物(Y−2〜38)をそれぞれ作製した。
尚、それぞれの原料については、以下の通りである。
Figure 2020020851
<熱硬化性化合物(E)>
・エポキシ化合物(E−1)
(E−1−1)2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE−3150(ダイセル社製)]、
(E−1−2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)]、
(E−1−3)イソシアヌル酸トリグリシジル
(E−1−1)〜(E−1−3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(E−1)とした。
・オキセタン化合物(E−2):
3−エチル−3−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製)]
<光重合性単量体(D)>
(D−1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成社製)]
(D−2)トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート
[アロニックスM350(東亞合成社製)]
(D−3)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
[アロニックスM402(東亞合成社製)]
(D−4)多塩基酸性アクリルオリゴマー
[アロニックスM520(東亞合成社製)]
(D−5)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[KAYARAD DPCA−30(日本化薬社製)]
(D−6)下記による多官能ウレタンアクリレート
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(D−6)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(D−6)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
(D−7)2官能のビスフェノールA型(メタ)アクリレート
[ABE−300(新中村化学社製)]
(D−8)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A−9300(新中村化学社製)]
以上、(D−1)〜(D−8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合性単量体(D)とした。
<光重合開始剤(C)>
(C−1)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
[イルガキュア907(BASFジャパン社製)]
(C−2)2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
[イルガキュア379(BASFジャパン社製)]
(C−3)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド
[ルシリンTPO(チバ・ジャパン社製)]
(C−4)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(C−5)p−ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(C−6)エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(C−7)1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
[イルガキュア2959(BASFジャパン社製)]
(C−8)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
[イルガキュア819(BASFジャパン社製)]
以上、(C−1)〜(C−8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(C)とした。
<増感剤(H) >
(H−1)2,4−ジエチルチオキサントン
[カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)]
(H−2)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[CHEMARK DEABP(ChemarkChemical社製)]
以上、(H−1)(H−2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(H)とした。
<チオール系連鎖移動剤(I)>
(I−1)トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(I−2)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(I−3)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(I−4)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(I−5)トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]―イソシアヌレート
[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(I−1)〜(I−5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(I)とした。
<重合禁止剤(J)>
(J−1)3−メチルカテコール
(J−2)メチルヒドロキノン
(J−3)tert−ブチルヒドロキノン
以上、(J−1)〜(J−3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(J)とした。
<紫外線吸収剤(K)>
(K−1)2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール
[TINUVIN326(BASFジャパン社製)]
(K−2)2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(K−3)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール
[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(K−1)(K−2)(K−3をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(K)とした。
<酸化防止剤(L)>
(L−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(L−2)3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
(L−3)トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
(L−4)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
(L−5)サリチル酸p−オクチルフェニル
以上、(L−1)〜(L−5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(L)とした。
<レベリング剤(M)>
ビックケミー社製「BYK−330 」 1部、
DIC社製「メガファックF−551」 1部、
花王社製「エマルゲン103」 1部
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97部に溶解させた混合溶液。
<貯蔵安定剤(N)>
(N−1)2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール
(本州化学工業社製「BHT」)
(N−2)トリフェニルホスフィン
(北興化学工業社製「TPP」)
以上、(N−1)(N−2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(N)とした。
<シランカップリング剤(O)>
(O−1)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−403(信越化学工業社製)]
(O−2)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBE−503(信越化学工業社製)]
(O−3)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−603(信越化学工業社製)]
(O−4)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−803(信越化学工業社製)]
以上、(O−1)〜(O−4)をそれぞれ同量にて混合し、シランカップリング剤(O)とした。
<溶剤(P) >
(P−1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
(P−2)シクロヘキサノン 30部
(P−3)3−エトキシプロピオン酸エチル 10部
(P−4)プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(P−5)シクロヘキサノールアセテート 10部
(P−6)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(P−1)〜(P−6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、溶剤(P)とした。
<感光性着色組成物の評価>
塗膜異物、耐熱性の各試験を下記の方法で行った。試験の結果を表6に示す。
<塗膜異物試験>
評価は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで110℃20分加熱し試験基板を得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。
下記の評価結果において、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
○:20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表6にその結果を示す。
<塗膜耐熱性試験>
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジスト材を塗布し、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、オーブンで230℃20分加熱、放冷後、得られた塗膜を顕微鏡で観察し、結晶異物の生k出有無を確認した。
○:結晶異物析出が見られない。
×:結晶異物が析出した。
以下、表6にその結果を示す。
Figure 2020020851
(カラーフィルタの作製)
以下の各色レジストを用いて、シリコンウエハ(固体撮像素子基板)基板のデバイス形成面側にレッド、グリーン、ブルーのカラーフィルタを作成した。
(赤色レジスト材(RR−1)の作製)
上述の感光性着色組成物(Y−1)を赤色レジスト材(RR−1)として使用した。
(緑色レジスト材(RG−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色顔料分散体1を作製した。
緑色顔料 (C.I.ピグメント グリーン 58) 8.4部
黄色顔料 (C.I.ピグメント イエロー 150) 3.6部
バインダ樹脂溶液(B−1:20%) 35.0部
樹脂型分散剤溶液(BASF社製「EFKA4300」) 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色レジスト材(RG−1)を作製した。
緑色顔料分散体1 50.0部
バインダ樹脂溶液(B−2:20%) 7.5部
光重合性単量体 2.0部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) 1.5部
シクロヘキサノン 39.0部
(青色レジスト材(RB−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色顔料分散体1を作製した。
青色顔料 (C.I.ピグメント ブルー 15:6) 9.6部
紫色顔料 (C.I.ピグメント バイオレット 23) 2.4部
バインダ樹脂溶液(B−1:20%) 35.0部
樹脂型分散剤溶液(BASF社製「EFKA4300」) 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、青色レジスト材(RB−1)を作製した。
青色顔料分散体1 50.0部
バインダ樹脂溶液(B−2:20%) 7.5部
光重合性単量体 2.0部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) 1.5部
シクロヘキサノン 39.0部
(カラーフィルタの作製)
あらかじめヘキサメチルジシラザンを噴霧した8インチのデバイス形成済みシリコンウエハ(固体撮像素子基板)基板のデバイス形成面側にスピンコーターで赤色レジスト材(RR−1)を塗布し着色被膜を形成した。次いで、100℃のホットプレートを用いて180秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon社製)を使用して、365nmの波長で1.0μm四方の赤色画素を形成するためのフォトマスクを通して露光量150mJ/cm2にてパターン露光を行った。
次いで0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で12分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。ここで、赤色フィルタセグメントは、230℃での熱処理後で、C光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。また、同様の方法により、緑色フィルタセグメントは、緑色レジスト材(RG−1)を用いてx=0.290、y=0.600の色度に合うようにし、青色フィルタセグメントは、青色レジスト材(RB−1)を用いてx=0.150、y=0.060の色度に合うようにし、各フィルタセグメントを形成して、撮像素子用カラーフィルタを得た。

Claims (8)

  1. 着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性単量体(D)を含み、
    着色剤(A)が、下記化学式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料、および下記一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料からなる群より選択される1種以上の顔料(A1)、ならびに1種以上の有機顔料(A2)および/または染料(a)を含有し、顔料(A1)が着色剤(A)の全量に対し、20質量%〜95質量%であることを特徴とする固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
    Figure 2020020851
    [一般式(2)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR1、−SR2、−N(R3)R4、−COOR5、−CONH2、−CONHR6、−CON(R7)R8、−SO2NH2、−SO2NHR9、または、−SO2N(R10)R11であり、R1〜R11は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、AおよびBが同時に水素原子になることはない。]
  2. 一般式(2)で表されるジケトピロロピロール系顔料が、下記化学式(2−1)、下記化学式(2−2)、下記一般式(2−3)、および下記一般式(2−4)からなる群より選択される1種以上の顔料を含む、請求項1記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
    Figure 2020020851
    [式(2−3)および式(2−4)中、R12〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
  3. 有機顔料(A2)が、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、および下記一般式(3)で表される黄色顔料からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1または2に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
    一般式(3)
    Figure 2020020851
    [一般式(3)中、Z1〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SO3H、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示し、
    1〜Z4、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。]
  4. 染料(a)が、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜3いずれかに記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
  5. 前記キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物である、請求項1〜4いずれかに記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
  6. さらに、顔料誘導体を含む、請求項1〜5いずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物。
  7. 基板、および請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタに使用される感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
  8. 請求項7のカラーフィルタを備える、固体撮像素子。
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