JP2020020518A - 蒸発器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器 - Google Patents

蒸発器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器 Download PDF

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馬場 聡彦
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聡彦 馬場
平澤 友康
Tomoyasu Hirasawa
友康 平澤
圭介 池田
Keisuke Ikeda
圭介 池田
弘貴 山崎
Hirotaka Yamazaki
弘貴 山崎
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Abstract

【課題】気相側から液相側への圧力損失及び液相の蒸気管側への流入を防いで、ループ型ヒートパイプの冷却効率を向上する蒸発器の提供。【解決手段】筐体の受熱部に熱源を接触させることで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、前記筐体内部に配置された多孔質部材と、前記多孔質部材と前記受熱部との間に形成された空間部と、前記多孔質部材によって前記受熱部と隔てられた前記流体を前記筐体内部に保持するための滞留部と、を有し、前記蒸発器の筐体は、前記気相が前記空間部から排出される排出方向に対して前記空間部よりも上流側において、前記排出方向に対して交差する方向に延びた段差部を有し、前記多孔質部材は、前記段差部と対向する面とは反対側に形成された突起部を有することを特徴とする蒸発器。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸発器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器に関する。
近年、電子機器においては、冷却対象を冷却するための冷却手段として、冷媒となる流体を流入させて冷却する方式が知られている。
このような冷却方法の一つとして、蒸発器と凝縮器との間に管を介して流体を循環させて冷却するループ型ヒートパイプが知られている。
かかるループ型ヒートパイプは、一般に液相の流体を蒸発器に流入させることで蒸発器内部のウィックと呼ばれる多孔質体に毛細管現象によって浸透させ、ウィック表面に染み出た流体に冷却対象からの熱を受熱させることで、流体を液相から気相へと相転移する。そして、この相転移する際の気化熱を用いて、冷却対象を冷却する。
気化された流体は、凝縮器において冷却されてまた液相に戻るとともに、気化した流体の圧力によって蒸発器側へ再度遷移することで循環する。
さて、ループ型ヒートパイプにおいて、冷却効率を低下させる要因として、液相の作動流体が蒸発器の内壁とウィックの外表面との隙間を抜けていってしまう現象が知られている。このような現象を防ぐために、シール部材を用いてウィックと内壁との間を密閉する方法が知られている(例えば特許文献1〜3等参照)。
しかしながら、単にシール部材を用いるだけでは、経時変化や内部の作動流体によって膨潤してしまうことでシール性が低下してしまう懸念がある。
他方、ウィックと筐体の寸法をわずかに変化させることで、ウィックと筐体との間の密着性を向上させる方法(例えば特許文献4等参照)についても提案されているが、圧力損失による冷却効率の低下を防ぐために、さらに密着性を向上する方法が求められている。
本発明は以上のような課題に基づきなされたものであり、気相側から液相側への圧力損失及び液相の蒸気管側への流入を防いで、ループ型ヒートパイプの冷却効率を向上することを目的とする。
本願発明にかかるループ型ヒートパイプに用いられる蒸発器は、筐体の受熱部に熱源を接触させることで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、前記筐体内部に配置された多孔質部材と、前記多孔質部材と前記受熱部との間に形成された空間部と、前記多孔質部材によって前記受熱部と隔てられた前記流体を前記筐体内部に保持するための滞留部と、を有し、前記蒸発器の筐体は、前記気相が前記空間部から排出される排出方向に対して前記空間部よりも上流側において、前記排出方向に対して交差する方向に延びた段差部を有し、前記多孔質部材は、前記段差部と対向する面とは反対側に形成された突起部を有することを特徴とする。
本発明によれば、気相側から液相側への圧力損失及び液相の蒸気管側への流入を防いで、ループ型ヒートパイプの冷却効率を向上することができる。
ループ型ヒートパイプの構成の一例を示す概念図である。 本発明の第1の実施形態にかかるループ型ヒートパイプの構成の一例を示す図である。 図2に示した蒸発器の内部構成のXZ断面の一例を示す図である。 図2に示した蒸発器の内部構成のYZ断面の一例を示す図である。 図2に示した蒸発器内部に挿入される多孔質部材の構成の一例を示す図である。 図5に示した多孔質部材の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態にかかるループ型ヒートパイプの構成の一例を示す図である。 図7に示した蒸発器内部に挿入される多孔質部材の構成の一例を示す図である。 図8に示した多孔質部材の構成の一例を示す斜視図である。 図7に示した蒸発器の内部構成のYZ断面の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかるループ型ヒートパイプの構成の一例を示す図である。 図11に示した蒸発器内部に挿入される多孔質部材の構成の一例を示す図である。 ループ型ヒートパイプの従来例を示す図である。 本発明にかかる蒸発溝の構成の比較例を示す図である。
本発明の第1の実施形態として、図1にループ型ヒートパイプとしての機能を備えた冷却装置1の概念図を示す。
冷却装置1は、蒸発部2と、凝縮部3と、蒸発部2と凝縮部3とを連結するパイプ状の蒸気管4と、液管5とを有している。蒸発部2と、凝縮部3と、蒸気管4と、液管5とは、内部に流れる冷媒としての作動流体Qが、気相と液相とを相転移しながら循環することで冷却対象である熱源200を冷却する循環型のヒートパイプを構成している。
本発明の冷却装置1においては、冷却装置1内部に封入された作動流体Qは、図1中にAで示す循環方向に循環しており、熱源200は蒸発部2に当接して配置されている。
蒸発部2と凝縮部3とを結ぶ管部のうち、特に蒸発部2から凝縮部3へと作動流体Qが気相で移動するパイプを蒸気管4、凝縮部3から蒸発部2へと至るまでのパイプを液管5と呼称する。
熱源200から蒸発部2に熱が伝導されると、蒸発部2内部で作動流体Qが液相から気相へと相変化する。作動流体Qは液相から気相へと相変化することで体積が膨張する。蒸発部2においては多孔質部材としての多孔質ウィック6が配置されているので、気相となった作動流体Qは相変化で生じた圧力によって蒸発部2を抜け出て蒸気管4から凝縮部3へと移動する。
凝縮部3は、所謂ラジエータであって、作動流体Qの熱を放熱することで作動流体Qを気相から液相へと相変化させる。液相となった作動流体Qは、気相側からの圧力によって循環方向へと押されるため、液管5を伝わって凝縮部3から蒸発部2へと移動する。
なお、ここで用いられる作動流体Qは、水、アルコール、アセトン、代替フロン、フッ素系溶剤等の凝縮性流体が用いられる。
本実施形態では、蒸発部2は図2のような直方体を組み合わせた形状の構成としているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば円筒・円柱形状や多角柱形状等、設計に応じて種々の形状を取ってよい。
蒸発部2は、図3に示すように、筐体21の受熱部Sに熱源200を接触させることで筐体21内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器である。ここで図3は図2で示した蒸発器のXZ断面の一例として示している。
蒸発部2は、銅や銅合金、アルミ、アルミ合金、ステンレスなどの熱伝導性の良好な金属材料で形成され、筐体21内部に配置された多孔質部材たる多孔質ウィック6と、多孔質ウィック6によって受熱部Sと隔てられて作動流体Qを筐体21内部に保持するためのリザーバ部として機能する滞留部8と、を有している。
多孔質ウィック6の熱源200側の面には、蒸気溝11が複数形成されており、多孔質ウィック6と受熱部S側の筐体21の壁面との間に空間部が形成される。
本実施形態において、蒸気溝11は多孔質ウィック6の熱源200側の面に形成されているが、受熱部S側の筐体21における多孔質ウィック6側の面に蒸気溝を形成することで、多孔質ウィック6と受熱部S側の筐体21との間に空間部が形成されても良い。 多孔質ウィック6が蒸発部2に挿入されることで、蒸気溝11は筐体21と多孔質ウィック6とに囲まれた通気路として機能する。
図4に示すように、蒸発部2の筐体21は、蒸気管4側と、液管5側とを結ぶ部分に、Z方向に沿って延びる段差部としての垂直壁面22bを有している。
すなわち蒸発部2の筐体21は、『気相となった作動流体Qが蒸気溝11から排出される排出方向に対して交差する方向に延びた段差部』を有している。
かかる『交差する方向』には直交以外も含まれてよい。例えばXZ平面に対して所定の角度で傾斜した壁面を段差部とする構成であっても良い。しかしながら、後述するように多孔質ウィック6が垂直壁面22bへと押圧されることでシール性能が向上するため、多孔質ウィック6が押圧される方向(本実施形態ではY方向)に対して垂直な方向に延びていることが最も好ましい。
図4において、筐体21の垂直壁面22bから、垂直壁面22bと多孔質ウィック6を挟んで対向する対向壁面22aまでの距離:L1としている。
本実施形態では、対向壁面22aは、筐体21から取り外し可能なケース壁面であって、多孔質ウィック6をα方向へと押圧する。
多孔質ウィック6の液管5側の端部には、作動流体Qがウィック6を通らず直接蒸気管4側に流れ込まないように、シール部材が配置されても良い。
多孔質ウィック6は、図5、図6に示すように蒸発部2の筐体21の内面形状に合わせて液管5側である−Y方向側は開放され、蒸気管4側が閉じられた中空構造を有する多孔質部材である。
多孔質ウィック6の材料には例えばシリコンゴムのような熱伝導率の低いゴムや、PTFE等の樹脂を用いることが好ましい。あるいは、金属を用いる場合には、熱伝導率の比較的低いステンレス粉末の焼結体等を用いても良い。
多孔質ウィック6は、筐体21に収納されたときに垂直壁面22bと対向する部分であって、垂直壁面22bと同様にY方向に対して垂直な方向に起立した押圧面61を有している。
また、多孔質ウィック6は、押圧面61の反対側に、対向壁面22aと当接するように設けられた突起部62と、外周側面に蒸気溝11が形成されて気相となった作動流体QがY方向に流れる挿入部63と、を有している。
押圧面61は、図5に示すようにXZ平面に平行な面であり、押圧面61の長手方向であるZ方向の長さ:Z2、挿入部63のZ方向の長さ:Z1とすると、Z1≦Z2となるように形成される。また、より好ましくは、Z1×2≦Z2となるように形成されることがさらに望ましい。このように、押圧面61の長手方向の寸法を、挿入部63の寸法よりも十分大きくとることで、押圧面61と垂直壁面22bとの間の接触面積が増大し、密着性の向上に寄与する。
多孔質ウィック6は、可撓性を持った材料であることがより好ましく、筐体21の内部寸法よりも若干大きい寸法に設定されることがさらに好ましい。
具体的には多孔質ウィック6は、突起部62のY方向に沿った寸法:L2、筐体21の突起部62が収まるべき部分の寸法:L1、としたときにL1<L2を満たすように形成されている。
かかる構成により、多孔質ウィック6が筐体21に収納されて対向壁面22aが閉じられたときには、対向壁面22aによって突起部62を介して押圧面61をα方向に押圧することとなるから、押圧面61と垂直壁面22bとの間の密着性が向上する。
さらに、このような構成とすることで、多孔質ウィック6が筐体21に収容される状態では、多孔質ウィック6が筐体21の内壁面に密着することで、受熱部の熱が蒸発部2の筐体21を介して多孔質ウィック6へと効率よく伝播する。
多孔質ウィック6は、液管5が接続されている側である−Y方向側は端部が開放された開口部26aを有し、蒸気管4が接続されている+Y方向側が閉じられた中空構造を有している。
かかる中空構造により、多孔質ウィック6の内部は図3に示したような滞留部8としての機能を有している。同様に、筐体21の対向壁面22aと多孔質ウィック6との間の空隙も、滞留部8として機能する。
滞留部8は、多孔質ウィック6と筐体21の壁面とによって囲まれるように形成され、作動流体Qを液相の状態で収容する液相作動流体流入空間として機能する。
滞留部8に溜められた作動流体Qは、毛細管現象によって多孔質ウィック6内部に浸透し、熱源200からの熱によって蒸発した作動流体Qが蒸気溝11から蒸気管4側へと排出される。
本実施形態においては、蒸気溝11はY軸に平行に形成されているので、本実施形態においては、かかる気相の作動流体Qの排出方向はY方向と一致している。
さて、循環型のヒートパイプにおける蒸発器において、発明者らの検討により液管5側の液相の作動流体が蒸気管4側へと抜けてしまうことや、蒸発部2の蒸気管4側の圧力が、液管5側へと抜けてしまう圧力損失によって、冷却効率が低下してしまうことが分かっている。
例えば単に円筒状の多孔質ウィックを挿入する場合には、経時変化による膨潤等によって、筐体と多孔質ウィックとの間に隙間が生じてしまい、このような問題が生じると考えられる。
しかしながら、例えば図13に従来例として示すように、多孔質ウィック6’を筐体21’へと挿入するときに圧入するだけでは、図13に太い実線で示したように、筐体21’と多孔質ウィック6’との間を抜けてしまう蒸発前の液相の作動流体Qの流入を完全には防げないことが分かってきている。
そこで図4、図5に示すように、本実施形態における蒸発器2の筐体21は、Y方向に対して蒸気溝11よりも上流側において、Y方向に対して交差するZ方向に延びた垂直壁面22bを有している。
また、本実施形態における多孔質ウィック6は、垂直壁面22bと対向する押圧面61とは反対側に形成された突起部62を有している。
かかる構成により、多孔質ウィック6が筐体21に収納されて対向壁面22aが閉じられたときには、対向壁面22aによって突起部62を介して押圧面61をα方向に押圧することとなるから、押圧面61と垂直壁面22bとの間で高いシール性を得ることができる。
さらに、押圧面61と垂直壁面22bとの接触面積を広く確保することができるので、図5にDで示した面において高いシール性を得ることができる。
以上の構成により、多孔質ウィック6が経時において変形することや膨潤することがあったとしても、高いシール性を維持することができる。
また、多孔質ウィック6が突起部62を有することで、滞留部8が筐体21の対向壁面22aと多孔質ウィック6との間に形成されることとなるから、別途液溜部を形成する必要がなくなり、蒸発部2をさらに小型化することができる。
また、多孔質ウィック6の開口側すなわち突起部62側が筐体21に接触可能とするために、本実施形態においては液管5は、筐体21のZ方向下端部分に取り付けられている。
そのため、作動流体Qは、−Y方向側からは滞留部8へと流入することが難しい。
しかしながら本実施形態においては、突起部62同士の間に間隙があるために、かかる間隙部64から作動流体Qが開口穴26aを介して滞留部8へと流入することができる。
さて、本実施形態における蒸気溝11についてさらに説明する。
蒸気溝11は、垂直壁面22bと挿入部63との間の接合部までには届かないように形成される。すなわち、蒸気溝11の−Y方向側の端部と垂直壁面22bとの間には、平坦部65が形成されている。
かかる平坦部65においては、筐体21の内壁と密着しているために、かかる平坦部65もまたシール性を得ることができる。
例えば、図14(a)、(b)に示すように、蒸気溝11’を挿入部63’の端部にまで形成した構成を考える。このような構成では、蒸気溝11の-Y方向側の端部においては、蒸気溝11によって生じる空隙と垂直壁面22bとが交差してしまう位置Pが存在すると考えられる。
かかる位置Pにおいては、多孔質ウィック6と筐体21とが触れ合っていないため、何らかの理由で垂直壁面22bのシール性が低下してしまった場合には、図14(b)において一点鎖線で示すように液相の作動流体Qが蒸気管4側へと流れ込んでいってしまうことが懸念される。
本実施形態のように、挿入部63に蒸気溝11の延びていない平坦部65を設けることによって、垂直壁面22bと、垂直壁面22bと垂直な平坦部65との2面によってシールすることができるので、さらに多孔質ウィック6と筐体21との間の密着性が向上する。すなわち、本実施形態において、平坦部65は封止部としての機能を有している。
また、かかる垂直壁面22bと平坦部65とが垂直に交差することにより、垂直な2面でのシールとなるから、例えば多孔質ウィック6が一方向に収縮や膨潤等してしまった場合にも、垂直壁面22bと平坦部65とが同時にシール性能が低下することを抑制することができる。
また、かかる構成によれば、シール部材を設けなくとも、多孔質ウィック6のみでも十分なシール性能を得ることができるから、部品点数が少なく装置を小型化することができる。
次に、本発明の第2の実施形態としてのループ型ヒートパイプ30について説明する。
本実施形態では、蒸発部32は図7に示すように、液管5側と蒸気管4側とで異なる半径を備える中空の円筒形状が2つ連なって接合された形状である。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については、付番を同一として説明を適宜省略する。
図8、図9に示すように、蒸発部32の筐体21内部には、多孔質ウィック36を有している。
多孔質ウィック36の−Y方向側の端部は、開口部36aとして示すように、開口しており、開口部36aの反対側の端部36bは閉鎖されている。
また、多孔質ウィック36には、内部に作動流体Qを浸透させるとともに、毛細管力を良好に生じさせるために、複数の小さな空孔が形成されている。
多孔質ウィック36の開口部36a側の端部には、図8に示すように、中空円筒形状の突起部62が形成されている。
言い換えると本実施形態における多孔質ウィック36は、一方が開口した円筒形状の挿入部63と、挿入部63よりも大きい半径を持つ円筒形状の突起部62とが、押圧面61によって接続された形状ということもできる。
多孔質ウィック36は、蒸発部32から取り出した状態においては、押圧面61から突起部62の先端部までの長さ:L2が、図10に示す蒸発部32の筐体21の内壁の寸法:L1よりも大きくなるように形成されている。
ここで多孔質ウィック36の開口部36a側に突起部62が取り付けられているため、多孔質ウィック36が蒸発部32に取り付けられた状態においては、突起部62が対向壁面22aによって押圧されることとなる。
すなわち、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、突起部62が筐体21の壁面によって押圧され、突起部62とは反対側の垂直壁面22bに向かって押圧面61が押圧されることでシールされる。
かかる構成により、気相側から液相側への圧力損失及び液相の蒸気管側への流入を防いで、ループ型ヒートパイプの冷却効率を向上することができる。
また、図9に示すように、+Y方向から見たときには押圧面61が挿入部63を取り囲むように形成されており、接触面積も大きいため、図10に示す垂直壁面22bと押圧面61との間のシール性を高く維持することができる。
また、第2の実施形態においても、蒸気溝11は多孔質ウィック36側に形成されており、Y軸において垂直壁面22bまでは到達しないように形成されている。
言い換えれば、挿入部63の蒸気溝11よりも−Y方向側に、円筒形状の平らな周面たる平坦部65を有している。
かかる構成により、図10において破線で囲み示すように、平坦部65と筐体21との当接面Nがシール面として機能することとなるため、垂直壁面22bと押圧面61との間のシール性がかりに低下してしまったときにも、十分なシール性能を維持することができる。すなわち、本実施形態のように、平坦部65が曲面の場合であっても、平坦部65は封止部として機能する。
さらに、多孔質ウィック36の内部の円筒部分が滞留部8として機能するから、別途液溜部を設ける必要が無くなり、蒸発器32の小型化にも寄与する。
次に、本発明の第3の実施形態として、ループ型ヒートパイプ40について説明する。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成については、付番を同一として説明を適宜省略する。
本実施形態でも第2の実施形態と同様に、蒸発部42の筐体21は図11に示すように、液管5側と蒸気管4側とで異なる半径を備える中空の円筒形状が2つ連なって接合された形状である。また、本実施形態においても、筐体21は径が変化する部分においてXZ平面に平行な垂直壁面22bを有している。
蒸発部42の内部には、図12に示すような多孔質ウィック46が圧入されている。
多孔質ウィック46は、蒸気管4側に形成された円筒状の挿入部63と、液管5側に形成された開口部46aと、開口部46aの周囲にY方向に平行に起立した複数の柱状の突起部62と、を有している。
多孔質ウィック46はまた、挿入部63の液管5側の端部からXZ平面に平行に延びる押圧面61と、挿入部63の外周面に複数形成された蒸気溝11と、蒸気溝11の−Y方向側の端部と押圧面61との間に形成された円弧状の平坦部65と、を有している。
本実施形態においては、図11に示すように、液管5は蒸発部42の−Z方向側に取り付けられている。
また、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、第3の実施形態においても筐体21に挿入されていない状態における押圧面61から突起部62の−Y方向先端部までの寸法:L2は、垂直壁面22bから対向壁面22aまでの寸法:L1よりも大きくなるように形成されている。
多孔質ウィック46が筐体21に挿入されたときには、対向壁面22aによって突起部62がα方向へと押圧されることで、押圧面61と筐体21の垂直壁面22bとがシールされることで、液相の作動流体Qが蒸気管4側へと流入しないように密閉される。
かかる構成により、第2の実施形態と同様に、経時に於いて多孔質ウィック46が膨潤したとしても、シール性能が維持されてループ型ヒートパイプ40は高い冷却性能を維持することができる。
さらに、シール部材を用いずに済むためにコスト低減に寄与するとともに組立性の向上や小型化にもつながる。
第3の実施形態において示したように、突起部62を柱状に、開口部46aの周囲に形成することにより、複数の突起部62の間には、間隙が生じるとともに、筐体21と多孔質ウィック46との間に滞留部8が形成される。
また、かかる構成によれば、作動流体QがZ方向に平行に流入したときにも、滞留部8への流れが形成されるとともに、滞留部8から多孔質ウィック46の表面に作動流体Qが浸透するため、冷却効率の低下を抑制することができる。
かかる第1〜第3の実施形態に於いて述べたようなループ型ヒートパイプを用いて、熱源200を冷却することとすれば、経時に於いても高い冷却性能を維持した冷却装置を得ることができる。
さらに、かかる冷却装置をCPUやバッテリーその他の熱源200を備えた電子機器に用いることとすれば、安定した性能を維持した電子機器を得ることができる。
なお、ここで挙げた電子機器とは、パーソナルコンピュータなどの端末のほか、例えばプロジェクター等であっても良く、冷却装置1はプロジェクターの光源部分の冷却に用いられるとしても良い。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
また、上述した各変形例を組み合わせて用いたとしても良い。
1 冷却装置
2、32、42 蒸発器
3 凝縮器
4 蒸気管
5 液管
6、36、46 多孔質部材(多孔質ウィック)
8 滞留部
21 筐体
22a 対向壁面
22b 段差部(垂直壁面)
61 段差部と対向する面(押圧面)
62 突起部
65 封止部(平坦部)
Q 作動流体(流体)
特許第5772190号公報 特許第5699452号公報 特開2011−190996号公報 特開2013−257129号公報

Claims (8)

  1. 筐体の受熱部に熱源を接触させることで筐体内部の流体を液相から気相へと相転移させる蒸発器であって、
    前記筐体内部に配置された多孔質部材と、
    前記多孔質部材と前記受熱部との間に形成された空間部と、
    前記多孔質部材によって前記受熱部と隔てられた前記流体を前記筐体内部に保持するための滞留部と、を有し、
    前記蒸発器の筐体は、前記気相が前記空間部から排出される排出方向に対して前記空間部よりも上流側において、前記排出方向に対して交差する方向に延びた段差部を有し、
    前記多孔質部材は、前記段差部と対向する面とは反対側に形成された突起部を有することを特徴とする蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器であって、
    前記段差部と前記空間部との間に形成された封止部を有することを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項1または2に記載の蒸発器であって、
    前記段差部は前記排出方向に対して直交するように形成されたことを特徴とする蒸発器。
  4. 請求項3に記載の蒸発器であって、
    前記段差部の前記排出方向と直交する方向における長さZ1は、前記空間部が形成された位置における前記排出方向と直交する方向における長さZ2に対して、Z1<Z2を満たすように形成されることを特徴とする蒸発器。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の蒸発器であって、
    前記突起部の前記排出方向に沿った寸法L2は、前記筐体の前記突起部が収まるべき部分の寸法L1よりも大きいことを特徴とする蒸発器。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載の蒸発器と、
    前記流体が気相となって流れ込み冷却される凝縮器と、
    前記蒸発器と前記凝縮器とを接続してループを形成する管と、
    前記蒸発器と前記凝縮器と前記管との間を気相と液相に変化しながら循環する作動流体と、
    を有することを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  7. 請求項6に記載のループ型ヒートパイプを有し、前記受熱部に当接した熱源を冷却する冷却装置。
  8. 請求項7に記載の冷却装置と、
    前記冷却装置によって冷却される熱源と、を備える電子機器。
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