JP2020020366A - 圧力制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力制御弁の開弁時の応答性を向上する。【解決手段】圧力制御弁(100、100a)は、流体流入部(11、11a)と流体流出部(12、12a)とを連通させる開口部(13)を有するハウジング(10、10a)と、閉弁状態において開口部(13)を封止する弁部(51)を有する弁体(50)と、コイルバネ(60)とを備え、ハウジング(10、10a)には、移動方向(D)と直交する径方向に沿った弁部(51)との間の隙間(C1)が閉弁状態において0.02mm以上0.5mm以下である第1部分(15)と、第1部分(15)の流体流出部(12)側に連なり第1部分(15)よりも流路断面積の大きい第2部分(16)とが形成されており、移動方向(D)に沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離(L1)を閉弁状態における隙間(C1)を維持して弁体(50)が移動することにより、閉弁状態から開弁状態に切り替わる。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料供給装置に用いられる圧力制御弁に関する。
従来から、燃料供給装置において、燃料タンクとキャニスタとの間等に圧力制御弁が配置されることがある。例えば、特許文献1および特許文献2に記載の圧力制御弁では、弁体がスプリングにより付勢されて閉弁しており、燃料タンク内の圧力値が上昇することで弁体が押されて開弁する。これにより、燃料タンク内の燃料蒸気が燃料タンクの外部へと排出される。
燃料タンク内の圧力値は、液体状態の燃料の蒸発を抑制するために、所定値以上に保たれることが望ましい。このため、燃料タンク内の圧力値が所定値未満の場合には、圧力制御弁が閉弁していることが望ましい。他方、燃料の蒸発によって燃料タンク内の圧力値が許容範囲以上となる場合には、圧力制御弁が開弁することによって、燃料蒸気が燃料タンクの外部へと迅速に排出されることが望ましい。したがって、圧力制御弁には、開弁時における良好な応答性が要求される。しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の圧力制御弁では、開弁時の応答性の点で改善の余地があった。このため、圧力制御弁の開弁時の応答性を向上できる技術が求められていた。
本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、圧力制御弁が提供される。この圧力制御弁は、タンク内の圧力を制御する圧力制御弁であって;前記タンクの内部から流体が流入する流体流入部と、前記タンクの外部へと前記流体を流出させる流体流出部と、前記流体流入部と前記流体流出部とを連通させる開口部と、を有するハウジングと;前記開口部の周りに形成された弁座と;前記弁座に着座する位置と前記弁座から離れた位置とを移動可能に構成された弁体であって、前記弁座に着座した閉弁状態において前記開口部を封止する円板状の弁部を有する弁体と;前記弁体を付勢して前記弁座に着座させ、前記流体の圧力値に応じて前記弁体を移動方向に移動させるコイルバネと;を備え;前記ハウジングには;前記移動方向と直交する径方向に沿った前記弁部との間の隙間が、前記閉弁状態において0.02mm以上0.5mm以下である円筒状の第1部分と;前記第1部分の前記流体流出部側に連なり、前記第1部分よりも流路断面積の大きい第2部分と;が形成されており;前記移動方向に沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離を、前記閉弁状態における前記隙間を維持して前記弁体が移動することにより、前記閉弁状態から、予め定められた流量の前記流体が前記流体流入部から前記流体流出部へと流れる開弁状態に切り替わる。この形態の圧力制御弁によれば、移動方向に沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離を、径方向に沿った0.02mm以上0.5mm以下の隙間を維持して弁体が移動することにより、閉弁状態から開弁状態に切り替わる。このため、閉弁状態から開弁状態に切り替わるまでの間、ハウジングと弁体との間の隙間を極めて小さい状態に維持できるので、かかる隙間を介して流れる流体の量を少なくできる。また、予め定められた距離を移動して閉弁状態から開弁状態に切り替わるので、流体流入部側から圧力制御弁へと流入する流体の大部分は、弁体によって抵抗を受けて塞き止められつつ、弁体を移動方向に沿って移動させることとなる。したがって、開弁状態に切り替わる際のタンク内の圧力値を比較的小さくできる。このため、弁体が弁座に着座して弁体と弁座とのシール性能が確保できる圧力値と、開弁状態に切り替わる際の圧力値との差を小さくできる。したがって、比較的狭い圧力範囲内において圧力制御弁を閉弁状態から開弁状態へと切り替えることができるので、圧力制御弁の開弁時の応答性を向上できる。
(2)上記形態の圧力制御弁において、前記第2部分は、前記流体流入部側から前記流体流出部側に向かって前記流路断面積が次第に拡大して形成されていてもよい。この形態の圧力制御弁によれば、第2部分が流体流入部側から流体流出部側に向かって流路断面積が次第に拡大して形成されているので、ハウジングと弁体とを組み付ける際に第2部分と弁体とが接触することを抑制でき、組み付け性の低下を抑制できる。
(3)上記形態の圧力制御弁において、前記弁部は、前記流体流入部側の前記第1部分と前記隙間を形成する端部において、前記流体流出部側から前記流体流入部側に向かって、前記移動方向と直交する方向に沿った断面積が次第に縮小して形成された第3部分を有していてもよい。この形態の圧力制御弁によれば、弁部が、流体流入部側の第1部分と隙間を形成する端部において、流体流出部側から流体流入部側に向かって、移動方向と直交する方向に沿った断面積が次第に縮小して形成された第3部分を有するので、開弁状態から閉弁状態へと切り替わる際に、弁体を滑らかに移動させることができる。
本発明は、圧力制御弁以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、圧力制御弁を備える燃料キャップ、燃料供給装置、蒸発燃料処理装置、圧力制御弁の製造方法等の形態で実現することができる。
(2)上記形態の圧力制御弁において、前記第2部分は、前記流体流入部側から前記流体流出部側に向かって前記流路断面積が次第に拡大して形成されていてもよい。この形態の圧力制御弁によれば、第2部分が流体流入部側から流体流出部側に向かって流路断面積が次第に拡大して形成されているので、ハウジングと弁体とを組み付ける際に第2部分と弁体とが接触することを抑制でき、組み付け性の低下を抑制できる。
(3)上記形態の圧力制御弁において、前記弁部は、前記流体流入部側の前記第1部分と前記隙間を形成する端部において、前記流体流出部側から前記流体流入部側に向かって、前記移動方向と直交する方向に沿った断面積が次第に縮小して形成された第3部分を有していてもよい。この形態の圧力制御弁によれば、弁部が、流体流入部側の第1部分と隙間を形成する端部において、流体流出部側から流体流入部側に向かって、移動方向と直交する方向に沿った断面積が次第に縮小して形成された第3部分を有するので、開弁状態から閉弁状態へと切り替わる際に、弁体を滑らかに移動させることができる。
本発明は、圧力制御弁以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、圧力制御弁を備える燃料キャップ、燃料供給装置、蒸発燃料処理装置、圧力制御弁の製造方法等の形態で実現することができる。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての圧力制御弁の概略構成を示す断面図である。本実施形態の圧力制御弁100は、図示しない燃料供給装置の燃料タンクと、燃料タンクの外部に配置されて燃料蒸気を吸着するキャニスタとの間に接続され、燃料タンク内の圧力を制御する。圧力制御弁100は、略円筒状の外観形状を有する。図1では、弁体50が弁座20に着座した閉弁状態において、軸線AXに沿って圧力制御弁100を切断した断面を模式的に示している。以降の説明では、圧力制御弁100において、燃料タンクと接続される側を上流側とも呼び、キャニスタと接続される側を下流側とも呼ぶ。図1における上流側および下流側は、後述する。
図1は、本発明の一実施形態としての圧力制御弁の概略構成を示す断面図である。本実施形態の圧力制御弁100は、図示しない燃料供給装置の燃料タンクと、燃料タンクの外部に配置されて燃料蒸気を吸着するキャニスタとの間に接続され、燃料タンク内の圧力を制御する。圧力制御弁100は、略円筒状の外観形状を有する。図1では、弁体50が弁座20に着座した閉弁状態において、軸線AXに沿って圧力制御弁100を切断した断面を模式的に示している。以降の説明では、圧力制御弁100において、燃料タンクと接続される側を上流側とも呼び、キャニスタと接続される側を下流側とも呼ぶ。図1における上流側および下流側は、後述する。
圧力制御弁100は、ハウジング10と、弁座20と、バネ受け部30と、弁体50と、コイルバネ60とを備える。ハウジング10、弁座20、バネ受け部30、弁体50およびコイルバネ60のそれぞれの軸線AXは、いずれも圧力制御弁100の軸線AXと一致する。ハウジング10は、圧力制御弁100の外郭を構成する略円筒状の外観形状を有し、バネ受け部30と弁体50とコイルバネ60とを収容する。ハウジング10は、流体流入部11と、流体流出部12と、開口部13と、支持部14と、第1部分15と、第2部分16とを有する。
流体流入部11は、圧力制御弁100において上流側に位置し、図示しないパイプを介して燃料タンクと連通している。流体流入部11には、燃料タンクの内部から流体としての燃料蒸気が流入する。流体流出部12は、圧力制御弁100において下流側に位置し、図示しないパイプを介してキャニスタと連通している。これにより、流体流出部12は、キャニスタへと燃料蒸気を流出させる。本実施形態において、流体流入部11と流体流出部12とは、いずれも軸線AXを中心軸とする略円形の断面視形状を有し、同一軸上に位置している。開口部13は、平面視略円形の開口であり、流体流入部11と流体流出部12との間に位置している。開口部13は、弁体50によって封止され得る。開口部13は、弁体50によって封止されない状態において、流体流入部11と流体流出部12とを連通させる。本実施形態において、開口部13の径は、約10mmであるが、約10mmに限らず、弁体50の径やハウジング10の内径に応じた任意の大きさであってもよい。支持部14は、バネ受け部30を支持する。本実施形態では、3つの支持部14が、ハウジング10の周方向に沿って等間隔に並んで配置されているが、互いに異なる間隔で並んで配置されていてもよく、3つに限らず任意の数であってもよい。第1部分15および第2部分16の詳細な説明は、後述する。
弁座20は、開口部13の周りにおいて、弁体50側に向かって突出して形成されている。弁座20は、ハウジング10と一体に形成され、ハウジング10の内側面と連なっている。弁座20には、弁体50が着座する。
バネ受け部30は、支持部14によって支持されることにより、ハウジング10と固定されている。バネ受け部30には、コイルバネ60の下流側の端部が固定されている。バネ受け部30の径方向の略中央部には、弁体50の移動をガイドする略円筒状のガイド部31が、下流側から上流側に向かって形成されている。
弁体50は、軸線AXに沿った移動方向Dに移動可能に構成されて、開口部13を開閉する。移動方向Dは、上流側から下流側へと向かう方向D1と、下流側から上流側へと向かう方向D2とを含む。弁体50は、弁座20に着座した閉弁状態において、開口部13を封止する。このため、流体流入部11と流体流出部12とは、閉弁状態において連通していない。
弁体50は、弁部51と、弁体ガイド部55と、ゴム部材56とを有する。弁部51は、開口部13の径よりも大きな径を備える略円板状の外観形状を有し、閉弁状態において開口部13を封止する。弁部51は、基部52と、縮小部53とを有する。基部52は、弁部51のうち下流側の部分を構成している。軸線AXを中心とする基部52の径は、移動方向Dにおいて略均一である。本実施形態において、基部52の径は、約16mmであるが、約16mmに限らず、ハウジング10の内径と開口部13の径とに応じた任意の大きさであってもよい。縮小部53は、弁部51のうち上流側の部分を構成し、基部52の上流側に連なっている。軸線AXを中心とする縮小部53の径は、下流側(流体流出部12側)から上流側(流体流入部11側)に向かって次第に縮小して形成されている。換言すると、移動方向Dと直交する方向に沿った縮小部53の断面積は、下流側から上流側に向かって次第に縮小している。また、本実施形態において、軸線AXに沿った基部52および縮小部53の厚さは、それぞれ約0.5mmであるが、約0.5mmに限らず任意の厚さであってもよい。
弁部51の略中央には、軸線AXに沿って貫通する圧入孔54が形成されている。圧入孔54は、ゴム部材56の組み付けに用いられる。弁体ガイド部55は、略円筒状の外観形状を有し、弁部51の下流側の面に連なり方向D1に沿って形成されている。弁体ガイド部55は、ガイド部31の外周面とコイルバネ60の内周面との間に挟まれて配置されている。弁体ガイド部55は、弁体50の移動をガイドする。ゴム部材56は、開口部13の径よりも大きな径を備える略円板状の外観形状を有し、弁部51の上流側の面に接して配置されている。ゴム部材56は、弾性を有し、閉弁状態において弁座20と密着することにより、弁体50と弁座20との間のシール性能が低下することを抑制する。ゴム部材56の略中央には、下流側に向かって突出する突出部57が形成されている。弁体50は、弁部51と弁体ガイド部55とが一体成形されて、圧入孔54にゴム部材56の突出部57が圧入されることにより、組み付けられる。
本実施形態において、ハウジング10と、弁座20と、バネ受け部30と、弁体50のうちゴム部材56を除く部分とは、ポリアセタールによりそれぞれ形成されている。なお、ポリアセタールに代えて、ポリアミドやポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)等、耐燃料透過性を有する任意の樹脂材料により形成されてもよい。
コイルバネ60は、略円筒状の外観形状を有する圧縮コイルバネにより構成されている。コイルバネ60の上流側の端部は、弁体50の弁部51に固定され、コイルバネ60の下流側の端部は、バネ受け部30に固定されている。コイルバネ60は、所定の長さに縮められた状態で組み付けられている。このため、コイルバネ60は、弁座20に着座させるように方向D2へ弁体50を付勢する。但し、流体流入部11側から燃料蒸気が流入する場合には、コイルバネ60による付勢力と燃料蒸気の圧力の差圧に応じて、弁体50は方向D1に移動する。
図2は、図1の領域Ar1を拡大して示す拡大図である。ハウジング10には、第1部分15と、第2部分16とが形成されている。第1部分15は、流体流入部11よりも下流側に位置し、第2部分16の上流側に連なっている。第1部分15の内径は、略一定である。したがって、第1部分15は、略円筒状の外観形状を有する。第1部分15は、弁体50の移動をガイドする機能と、後述する遷移状態において流体流入部11側から流体流出部12側へと流れる燃料蒸気の量を抑える機能とを有する。第2部分16は、第1部分15の下流側に連なっている。第2部分16の内径は、第1部分15の内径以上の大きさに形成されている。このため、第2部分16の流路断面積は、第1部分15の流路断面積以上の大きさに形成されている。また、第1部分15の厚さと第2部分16の厚さとは、略等しい。本実施形態において、第2部分16は、上流側から下流側に向かって流路断面積(内径)が次第に拡大して形成されたテーパ形状を有する。したがって、第2部分16は、筒状且つ円錐台状の外観形状を有する。このため、ハウジング10に弁体50を組み付ける際に第2部分16と弁部51とが接触することを抑制でき、組み付け性の低下を抑制できる。
第1部分15における、弁体50の基部52との間の、移動方向Dと直交する径方向に沿った隙間C1、言い換えると、第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1は、閉弁状態において極僅かとなるように形成されている。なお、図2では、説明の便宜上、隙間C1を略二分した値である隙間C2が示されている。かかる隙間C2は、圧力制御弁100の全周に亘って形成されている。かかる隙間C2は、周方向において略一定の大きさであるが、組み付け上の誤差等により、略一定に限らず周方向において偏りが生じ得る。
第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1は、0.5mm以下となるように形成されている。また、隙間C1は、第1部分15と基部52とが固着せずに弁体50が移動方向Dに沿って移動可能な大きさとして、0.02mm以上であることが望ましい。本実施形態において、隙間C1の大きさは、0.05mmである。また、隙間C1は、第1部分15の内径と弁体50の外径との差とも言える。
図2には、2つの境界点P1、P2が図示されている。境界点P1は、ハウジング10の内側面における、第1部分15と第2部分16との境界を示している。境界点P2は、弁体50の弁部51における、基部52と縮小部53との境界を示している。境界点P1は、略円筒状のハウジング10において周方向に連なって形成された環状の境界線における一点である。同様に、境界点P2は、略円板状の弁部51において周方向に連なって形成された環状の境界線における一点である。
図2には、さらに、境界点P1と境界点P2との間の、移動方向Dに沿った距離L1が示されている。距離L1は、一般にストロークとも呼ばれ、圧力制御弁100が閉弁状態から開弁状態へと切り替わる際に、弁体50が移動方向Dに沿って方向D1に向かって移動する長さに相当する。本実施形態において、開弁状態とは、所定流量の燃料蒸気が流体流入部11から流体流出部12へと流れる状態を意味する。所定流量(以下、「開弁流量」とも呼ぶ)は、燃料タンク内の燃料蒸気をキャニスタへと迅速に排出できる流量として、予め設定されている。
図3は、開弁状態の圧力制御弁100を示す断面図である。図4は、図3の領域Ar2を拡大して示す拡大図である。図4では、参考のために、閉弁状態における弁体50の境界点P2の位置も示している。図4では、説明の便宜上、図2と同様に、隙間C1を略二分した値である隙間C2が示されている。図3では、図1と同様に、軸線AXに沿って圧力制御弁100を切断した断面を模式的に示している。図3における白抜きの矢印は、燃料蒸気の流れを示している。燃料タンク内に貯留された液体状態の燃料が蒸発すると、燃料タンク内の燃料蒸気が増加し、燃料タンク内の圧力値が上昇する。圧力値が上昇すると、弁体50を付勢して弁座20に着座させていたコイルバネ60が縮められ、上流側から下流側へと向かう方向D1に向かって弁体50が押し上げられることとなる。
移動方向Dに沿って方向D1に向かって弁体50が押し上げられると、弁体50のゴム部材56と弁座20との間の密着性が徐々に低下し、弁体50と弁座20とが離れ始める。上述のように、ハウジング10の第1部分15は、弁体50の基部52との間の径方向に沿った隙間C1が、閉弁状態において極僅かとなるように形成されている。また、第1部分15の内径と基部52の外径とは、それぞれ略一定である。このため、弁体50と弁座20とが離れ始めても、閉弁状態における隙間C1の大きさが維持されるので、隙間C1を流れる燃料蒸気の流量は、少ない。隙間C1の大きさは、移動方向Dにおいて境界点P1と境界点P2とが一致する位置に弁体50が移動するまで、維持される。
燃料タンク内の圧力値がさらに上昇することにより、弁体50が移動方向Dに沿ってさらに移動すると、図4に示すように境界点P1よりも境界点P2の方が下流側に位置することとなり、燃料蒸気の流れ得る流路断面積が大きくなる。これにより、圧力制御弁100を流れる燃料蒸気の流量が開弁流量に達し、圧力制御弁100は、開弁状態に切り替わる。このように、圧力制御弁100は、移動方向Dに沿った距離L1を、閉弁状態における隙間C1を維持して弁体50が移動することにより、閉弁状態から開弁状態に切り替わる。
距離L1は、0.2mm以上1.5mm以下となるように予め設定されている。本実施形態において、距離L1は、1.0mmに設定されている。
圧力制御弁100が開弁状態となることによって、開弁流量以上の燃料蒸気が上流側から下流側へと流れ続けると、燃料タンク内の圧力値が低下することにより、コイルバネ60の付勢力によって弁体50が上流側へと押し戻され、弁体50が弁座20に着座した閉弁状態へと切り替わる。本実施形態では、ハウジング10の第2部分16がテーパ形状を有し、弁体50の縮小部53が縮小して形成されているので、開弁状態から閉弁状態へと切り替わる際に、弁体50を滑らかに移動させることができる。
本実施形態において、燃料蒸気は、課題を解決するための手段における流体の下位概念に相当し、燃料タンクは、課題を解決するための手段におけるタンクの下位概念に相当し、キャニスタは、課題を解決するための手段における外部の下位概念に相当する。また、上流側は、課題を解決するための手段における流体流入部側の下位概念に相当し、下流側は、課題を解決するための手段における流体流出部側の下位概念に相当し、隙間C1は、課題を解決するための手段における隙間の下位概念に相当し、縮小部53は、課題を解決するための手段における第3部分の下位概念に相当する。
図5は、圧力制御弁100が開弁する際の応答性を説明するための説明図である。図5に示すグラフにおいて、縦軸は、燃料タンクから圧力制御弁100へと流入する燃料蒸気の流量(ml/min)を対数軸として示し、横軸は、燃料タンク内の圧力値(kPa)を示している。図5では、隙間C1が0.05mmであり、距離L1が1.0mmに設定された圧力制御弁100における、燃料蒸気の流量と圧力値との挙動が太い実線で示されている。燃料蒸気の流量と圧力値とは、例えば、流体流入部11にそれぞれ設置された流量計と圧力計とにより測定される。
図5における「シール圧力値」とは、弁体50のゴム部材56と弁座20とが接触していることにより、弁体50と弁座20との間のシール性能を確保できる圧力値に相当する。燃料タンク内の圧力値は、液体状態の燃料の蒸発を抑制するために、ある程度の値以上に保たれることが望ましい。このため、燃料タンク内の圧力値がシール圧力値よりも小さい場合には、圧力制御弁100の流体流入部11側から流体流出部12側へと漏洩する燃料蒸気の流量(以下、「漏れ流量」とも呼ぶ)が小さいことが望ましい。図5における「漏れ流量許容値」とは、燃料タンク内の圧力値がシール圧力値よりも小さい場合において、圧力制御弁100から漏れる燃料蒸気の流量として許容できる最大値を意味し、予め設定されている。
図5における「目標開弁圧力値」とは、圧力制御弁100を開弁状態に切り替えて開弁流量以上の燃料蒸気が流れる状態となる、燃料タンク内の圧力値の上限値に相当する。このため、圧力制御弁100は、目標開弁圧力値よりも低い圧力値において開弁状態に切り替わる。燃料タンク内の圧力値が目標開弁圧力値以上の状態においては、開弁流量以上の燃料蒸気が圧力制御弁100を流れて燃料タンクの外部へと排出される。目標開弁圧力値は、開弁流量とともに予め設定されている。目標開弁圧力値は、例えば、25kPa〜40kPa程度に設定されていてもよい。
圧力制御弁100が開弁する際の応答性は、シール圧力値と開弁状態に切り替わる際の圧力値との圧力差が小さいほど良好である。本実施形態の圧力制御弁100は、隙間C1が極めて小さいので、隙間C1を通って流体流入部11側から流体流出部12側へと流れる燃料蒸気の量は少ない。このため、流量が比較的小さい状況において、流体流入部11側から圧力制御弁100へと流入する燃料蒸気の大部分は、弁体50によって抵抗を受けて塞き止められつつ、弁体50を移動方向Dに沿って方向D1に移動させる。また、隙間C1を維持した状態で弁体50が移動方向Dに沿った距離L1を移動することにより、閉弁状態から開弁状態へと切り替わる。この閉弁状態から開弁状態へと切り替わるまでの状態を、遷移状態という。本実施形態の圧力制御弁100は、燃料蒸気の流量と圧力値との挙動として、図5においてハッチングで示す領域を通らずに開弁状態へと切り替わる。このため、圧力制御弁100は、燃料タンク内の圧力値の上昇に伴い、徐々に開弁状態となるのではなく、一気に開弁状態となる。シール圧力値と目標開弁圧力値との圧力差は、例えば、2kPa〜10kPa程度に設定されていてもよい。
図5に示す例において、圧力制御弁100は、燃料タンク内の圧力値がシール圧力値以上に上昇すると、弁体50が移動方向Dに沿って方向D1に移動する。そして、或る圧力値を超えると、弁体50の境界点P2がハウジング10の境界点P1よりも下流側に位置することにより、一時的に圧力値が低下しつつ、流体流出部12側に大流量の燃料蒸気が流れ込み、開弁状態に切り替わる。
図6は、距離L1の値による圧力制御弁100の応答性を説明するための説明図である。図6では、図5と同様のグラフにおいて、距離L1が以下の5種類の値に設定されたサンプルS1〜S5の挙動がそれぞれ示されている。第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1は、いずれも0.2mmに設定されている。サンプルS1とサンプルS5との挙動はほぼ同じであるため、単一の線で示されている。
サンプルS1:0.1mm
サンプルS2:0.4mm
サンプルS3:0.8mm
サンプルS4:1.2mm
サンプルS5:1.6mm
サンプルS1:0.1mm
サンプルS2:0.4mm
サンプルS3:0.8mm
サンプルS4:1.2mm
サンプルS5:1.6mm
距離L1が0.4mm、0.8mmおよび1.2mmのサンプルS2〜S4は、いずれも、上記実施形態の圧力制御弁100と同様な挙動を示している。すなわち、シール圧力値までの圧力範囲において漏れ流量許容値以下の流量であり、シール圧力値から目標開弁圧力値までの範囲内において、圧力値の上昇に伴い流量が一気に増加し、その後、一時的に圧力値が低下しつつ、さらに流量が増加して開弁状態に切り替わる。
これに対し、距離L1が0.1mmおよび1.6mmのサンプルS1、S5は、いずれも上記実施形態の圧力制御弁100の挙動とは異なり、図6においてハッチングで示す領域を通って開弁状態となる。すなわち、サンプルS1、S5は、いずれも上記実施形態の圧力制御弁100の目標開弁圧力値(例えば、25kPa)において開弁流量を確保できず、目標開弁圧力値よりも大きい圧力値において開弁状態に切り替わる。このため、シール性能を確保できるシール圧力値と、開弁状態となる圧力値との差が比較的大きく、開弁時の応答性が劣る。つまり、図5における応答性を示す白抜きの矢印の長さが長くなってしまう。
図7は、隙間C1の値による圧力制御弁100の応答性を説明するための説明図である。図7では、図5と同様のグラフにおいて、第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1が以下の3種類の値に設定されたサンプルS6〜S8の挙動がそれぞれ示されている。距離L1は、いずれも0.6〜0.8mmの範囲内において、ほぼ同じ値に設定されている。
サンプルS6:0.02mm
サンプルS7:0.4mm
サンプルS8:0.6mm
サンプルS6:0.02mm
サンプルS7:0.4mm
サンプルS8:0.6mm
隙間C1が0.02mmおよび0.4mmのサンプルS6、S7は、いずれも、上記実施形態の圧力制御弁100と同様な挙動を示している。すなわち、シール圧力値までの圧力範囲において漏れ流量許容値以下の流量であり、シール圧力値から目標開弁圧力値までの範囲内において、圧力値の上昇に伴い流量が一気に増加し、その後、一時的に圧力値が低下しつつ、さらに流量が増加して開弁状態に切り替わる。
これに対し、隙間C1が0.6mmのサンプルS8は、上記実施形態の圧力制御弁100の挙動とは異なり、図7においてハッチングで示す領域を通って開弁状態となる。すなわち、サンプルS8は、上記実施形態の圧力制御弁100の目標開弁圧力値(例えば、25kPa)において開弁流量を確保できず、目標開弁圧力値よりも大きい圧力値において開弁状態に切り替わる。このため、シール性能を確保できるシール圧力値と、開弁状態となる圧力値との差が比較的大きく、開弁時の応答性が劣る。
以上説明した第1実施形態の圧力制御弁100によれば、移動方向Dに沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離L1を、径方向に沿った0.02mm以上0.5mm以下の隙間C1、すなわち第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1を維持して弁体50が移動することにより、閉弁状態から開弁状態に切り替わる。このため、閉弁状態から開弁状態に切り替わるまでの間、すなわち遷移状態において、ハウジング10と弁体50の弁部51との間の隙間C1を極めて小さい状態に維持できるので、隙間C1を介して流れる燃料蒸気の量を少なくできる。また、距離L1を移動して閉弁状態から開弁状態に切り替わるので、流体流入部11側から圧力制御弁100へと流入する燃料蒸気の大部分は、弁体50の弁部51によって抵抗を受けて塞き止められつつ、弁体50を移動方向Dに沿って方向D1に移動させることとなる。したがって、開弁状態に切り替わる際の燃料タンク内の圧力値を比較的小さくできる。このため、弁体50と弁座20とのシール性能が確保できる圧力値と、開弁状態に切り替わる際の圧力値との差を小さくできる。したがって、比較的狭い圧力範囲内において圧力制御弁100を閉弁状態から開弁状態へと切り替えることができるので、圧力制御弁100の開弁時の応答性を向上できる。
また、圧力制御弁100の開弁時の応答性を向上できるので、燃料タンク内の圧力値の上昇に伴い徐々に開弁状態となる圧力制御弁と比較して、比較的高い圧力値においても圧力制御弁100の閉弁状態を維持できる。このため、閉弁状態において燃料タンク内の圧力値を比較的高い状態に維持できるので、燃料タンク内の液体状態の燃料の蒸発を抑制でき、閉弁状態においてキャニスタへと排出される燃料蒸気の量を低減できる。また、開弁状態となる際に一時的に圧力値が低下する場合を除き、閉弁状態における燃料蒸気の流量が漏れ流量許容値に対して十分に低い値であるため、閉弁状態においてキャニスタへと排出される燃料蒸気の量をより低減できる。
また、圧力制御弁100の開弁時の応答性を向上できるので、燃料タンク内の液体状態の燃料の蒸発によって燃料タンク内の圧力値が上昇して許容範囲以上となる場合には、圧力制御弁100が迅速に開弁するので、燃料蒸気を燃料タンクの外部のキャニスタへと迅速に排出でき、燃料タンクに過度な負荷が加わることを抑制できる。
また、ハウジング10の第2部分16の流路断面積が、上流側から下流側に向かって次第に拡大しているので、ハウジング10と弁体50とを組み付ける際に第2部分16と弁体50とが接触することを抑制でき、組み付け性の低下を抑制できる。また、弁体50の縮小部53の断面積が、弁部51の上流側の端部において下流側から上流側に向かって次第に縮小して形成されているので、開弁状態から閉弁状態へと切り替わる際に、弁体50を滑らかに移動させることができる。このため、弁体50の弁部51の外縁およびハウジング10の内側面が傷つくことを抑制できる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態の圧力制御弁100aの概略構成を示す断面図である。第2実施形態の圧力制御弁100aは、ハウジング10に代えてハウジング10aを備える点において、第1実施形態の圧力制御弁100と異なる。距離L1および隙間C1のそれぞれの寸法を含めたその他の構成は第1実施形態の圧力制御弁100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
図8は、第2実施形態の圧力制御弁100aの概略構成を示す断面図である。第2実施形態の圧力制御弁100aは、ハウジング10に代えてハウジング10aを備える点において、第1実施形態の圧力制御弁100と異なる。距離L1および隙間C1のそれぞれの寸法を含めたその他の構成は第1実施形態の圧力制御弁100と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
第2実施形態の圧力制御弁100aにおけるハウジング10aは、流体流入部11に代えて流体流入部11aを有し、流体流出部12に代えて流体流出部12aを有する。流体流入部11aは、軸線AXと交差して形成された流入口17aにおいて、図示しないパイプを介して燃料タンクと連通している。流体流出部12aは、軸線AXと交差して形成された流出口18aにおいて、図示しないパイプを介してキャニスタと連通している。
以上説明した第2実施形態の圧力制御弁100aによれば、第1実施形態の圧力制御弁100と同様な効果を奏する。
C.他の実施形態:
(1)上記実施形態における隙間C1および距離L1の値は、あくまで一例であり、種々変更可能である。第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1は、0.05mmに限らず、0.1mmや0.2mm等、0.02mm以上0.5mm以下の任意の大きさであってもよく、より望ましくは0.4mm以下であってもよい。隙間C1は、開口部13の径、弁体50の弁部51の径、および距離L1の大きさ等を考慮して設計されてもよく、所望のシール圧力値、所望の目標開弁圧力値、およびこれらの所望の圧力差を考慮して設計されてもよい。また、距離L1は、1.0mmに限らず、0.4mmや0.8mm等、0.2mm以上1.5mm以下の任意の大きさであってもよく、より望ましくは0.4mm以上であってもよく、1.2mm以下であってもよい。距離L1は、開口部13の径、弁体50の弁部51の径、および隙間C1の大きさ等を考慮して設計されてもよく、所望のシール圧力値、所望の目標開弁圧力値、およびこれらの所望の圧力差を考慮して設計されてもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
(1)上記実施形態における隙間C1および距離L1の値は、あくまで一例であり、種々変更可能である。第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1は、0.05mmに限らず、0.1mmや0.2mm等、0.02mm以上0.5mm以下の任意の大きさであってもよく、より望ましくは0.4mm以下であってもよい。隙間C1は、開口部13の径、弁体50の弁部51の径、および距離L1の大きさ等を考慮して設計されてもよく、所望のシール圧力値、所望の目標開弁圧力値、およびこれらの所望の圧力差を考慮して設計されてもよい。また、距離L1は、1.0mmに限らず、0.4mmや0.8mm等、0.2mm以上1.5mm以下の任意の大きさであってもよく、より望ましくは0.4mm以上であってもよく、1.2mm以下であってもよい。距離L1は、開口部13の径、弁体50の弁部51の径、および隙間C1の大きさ等を考慮して設計されてもよく、所望のシール圧力値、所望の目標開弁圧力値、およびこれらの所望の圧力差を考慮して設計されてもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
(2)上記実施形態のハウジング10、10aの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記実施形態において、第1部分15は、流体流入部11よりも下流側に位置して内径が略一定であったが、境界点P2の上流側において内径が拡大または縮小して形成されていてもよく、境界点P1と境界点P2との間のみにおいて略一定の内径を有していてもよい。また、第1部分15は、略一定の内径を有する態様に限らず、移動方向Dに沿って内径が異なる部分を有していてもよい。例えば、境界点P1と境界点P2との間において、第1部分15の内径と基部52の外径との差である隙間C1が局所的に拡大する領域が形成された態様であってもよい。より詳しくは、例えば、第1部分15と第2部分16との内周面に、第1部分15と第2部分16とに亘って、軸方向に沿って形成される切り欠きを有する態様であってもよい。かかる切り欠きの数は、1つであってもよく、複数の切り欠きが周方向に所定間隔で並んで形成されていてもよい。かかる態様によっても、弁体50の基部52の厚みによってかかる領域が塞がれることにより、圧力制御弁100、100aは、移動方向Dに沿った距離L1を閉弁状態における隙間C1を維持して弁体50が移動して閉弁状態から開弁状態に切り替わる。かかる態様においては、第1部分15が有する、弁体50の移動をガイドする機能と、遷移状態において流体流入部11側から流体流出部12側へと流れる燃料蒸気の量を抑える機能とを分けることができ、圧力制御弁100、100aの設計における自由度の低下を抑制できる。例えば、距離L1を所定の範囲内に保ちつつ、境界点P1を下流側に位置させることが可能となる。また、例えば、上記実施形態において、第2部分16は、上流側から下流側に向かって内径が次第に拡大して形成されたテーパ形状を有していたが、テーパ形状に限らず、上流側から下流側に向かって内径が一気に拡大する態様であってもよく、内径が段階的に拡大する態様であってもよい。すなわち一般には、ハウジング10、10aには、移動方向Dと直交する径方向に沿った弁部51との間の隙間C1が、閉弁状態において0.02mm以上0.5mm以下である略円筒状の第1部分15と、第1部分15の流体流出部12側に連なり、第1部分15よりも流路断面積の大きい第2部分16とが形成されており、移動方向Dに沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離L1を、閉弁状態における隙間C1を維持して弁体50が移動することにより、閉弁状態から、予め定められた流量の燃料蒸気が流体流入部11から流体流出部12へと流れる開弁状態に切り替わってもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
(3)上記実施形態の弁体50の構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、縮小部53が省略されてもよく、ゴム部材56が省略されてもよい。また、弁体50の上流側の面は、上記実施形態のような平面に限らず、球面で形成される態様であってもよい。かかる態様においては、弁体50の球面と、テーパ形状に形成された弁座20とによりシール性能が確保されてもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
(4)上記実施形態の圧力制御弁100、100aは、燃料タンクとキャニスタとの間に配置されていたが、燃料タンクと連通する、燃料キャップの内部に配置されて用いられてもよい。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10、10a…ハウジング、11、11a…流体流入部、12、12a…流体流出部、13…開口部、14…支持部、15…第1部分、16…第2部分、17a…流入口、18a…流出口、20…弁座、30…バネ受け部、31…ガイド部、50…弁体、51…弁部、52…基部、53…縮小部、54…圧入孔、55…弁体ガイド部、56…ゴム部材、57…突出部、60…コイルバネ、100、100a…圧力制御弁、AX…軸線、Ar1、Ar2…領域、C1、C2…隙間、D…移動方向、D1、D2…方向、L1…距離、P1、P2…境界点
Claims (3)
- タンク内の圧力を制御する圧力制御弁であって、
前記タンクの内部から流体が流入する流体流入部と、前記タンクの外部へと前記流体を流出させる流体流出部と、前記流体流入部と前記流体流出部とを連通させる開口部と、を有するハウジングと、
前記開口部の周りに形成された弁座と、
前記弁座に着座する位置と前記弁座から離れた位置とを移動可能に構成された弁体であって、前記弁座に着座した閉弁状態において前記開口部を封止する円板状の弁部を有する弁体と、
前記弁体を付勢して前記弁座に着座させ、前記流体の圧力値に応じて前記弁体を移動方向に移動させるコイルバネと、
を備え、
前記ハウジングには、
前記移動方向と直交する径方向に沿った前記弁部との間の隙間が、前記閉弁状態において0.02mm以上0.5mm以下である円筒状の第1部分と、
前記第1部分の前記流体流出部側に連なり、前記第1部分よりも流路断面積の大きい第2部分と、
が形成されており、
前記移動方向に沿った0.2mm以上1.5mm以下の予め定められた距離を、前記閉弁状態における前記隙間を維持して前記弁体が移動することにより、前記閉弁状態から、予め定められた流量の前記流体が前記流体流入部から前記流体流出部へと流れる開弁状態に切り替わる、
圧力制御弁。 - 請求項1に記載の圧力制御弁であって、
前記第2部分は、前記流体流入部側から前記流体流出部側に向かって前記流路断面積が次第に拡大して形成されている、
圧力制御弁。 - 請求項1または請求項2に記載の圧力制御弁であって、
前記弁部は、前記流体流入部側の前記第1部分と前記隙間を形成する端部において、前記流体流出部側から前記流体流入部側に向かって、前記移動方向と直交する方向に沿った断面積が次第に縮小して形成された第3部分を有する、
圧力制御弁。
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JP2018143029A JP2020020366A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | 圧力制御弁 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020073147A (ja) * | 2020-02-12 | 2020-05-14 | 株式会社ユニバーサルエンターテインメント | 遊技機 |
JP2020073020A (ja) * | 2020-02-03 | 2020-05-14 | 株式会社ユニバーサルエンターテインメント | 遊技機 |
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Citations (3)
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- 2018-07-31 JP JP2018143029A patent/JP2020020366A/ja active Pending
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