JP2020019157A - インク吐出装置及び印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】インク吐出装置のラインヘッドへの記録媒体の衝突、引っかかりを防ぎ、ラインヘッドの破損を防ぐ。【解決手段】インク吐出装置は、ラインヘッド、浮きセンサー、制御部、調整移動部を備える。ラインヘッドはヘッドを複数含む。浮きセンサーは、搬送される記録媒体の浮いている部分の位置を検知する。調整移動部は、ヘッドの位置を、記録媒体の印刷面を正面としたときの高さ方向(Z軸方向)で調整する。制御部は、浮き部分の位置に基づき、記録媒体と衝突するおそれがあるヘッド(調整対象ヘッド)を判定する。制御部は、Z軸方向において記録媒体から離れる方向に、調整対象ヘッドを調整移動部に退避させる。【選択図】図33
Description
本発明は、記録媒体に印刷を行うインク吐出装置、及び、インク吐出装置と版を用いて印刷する印刷システムに関する。
布や衣類のような布素材に印刷を行うことがある。布や衣類のような布素材を印刷する場合、インクが布素材に塗布される。布素材へのインクの塗布後、インクの定着が行われる。インクジェット式の印刷機を用いて、布素材の印刷を行うことがある。インクジェット式の印刷機により布素材に印刷を行う技術の一例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、剛性フレームと、フレームに装着された第一直線運動X 軸ステージと、第一直線運動X軸ステージと平行にフレームに装着されかつ第一直線運動X軸ステージとは独立して動作する第二直線運動X軸ステージと、各直線X軸ステージ上で運動可能な印刷テーブルアセンブリと、印刷テーブルアセンブリより上で直線X軸ステージと直角にフレームに装着された直線運動Y軸ステージと、X軸ステージに対し直角に直線運動するように直線Y軸ステージに装着されたインクジェットノズルの配列を含むデジタル印刷機が記載されている。この構成により、印刷テーブルアセンブリの移動方向に対して、垂直な方向でインクジェット印刷機を移動させ、衣類を印刷しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0041]、[0042])。
上述のように、印刷にインクジェット印刷機が用いられることがある。インクジェット印刷機は記録媒体にインクを吹き付ける。版を用いる場合に比べ、詳細な画像を印刷しやすいというメリットがある。しかし、ヘッドは一般に高価である。製造コストを抑えるため、シリアル方式のインクジェット印刷機がある。この方式は、小さなヘッドを用いる。また、この方式では、ヘッドが記録媒体の搬送方向と垂直な方向で移動する。この移動により、主走査方向(搬送方向と垂直な方向)のラインが描画される。さらに、ヘッドの往復にあわせ、記録媒体は副走査方向(搬送方向)で搬送される。これにより、ライン描画を副走査方向(搬送方向)で繰り返す。その結果、記録媒体の平面への印刷がなされる。
また、インクジェット印刷機には、ラインヘッドを備えるものがある。ラインヘッドは、シリアル方式のヘッドよりも、描画幅(1回のインク吐出で印刷可能な主走査方向の幅)が広い。通常、ラインヘッドの描画幅は、印刷可能な記録媒体の主走査方向の幅以上とされる。1ラインの印刷に要する時間がシリアル方式よりも短い。ラインヘッド型のインクジェット印刷機は、印刷速度(生産性)が高い、というメリットがある。
ラインヘッドは、通常、固定される。ラインヘッドはシリアル方式のヘッドと異なり、移動しない。記録媒体に浮きがある場合、ラインヘッドへの記録媒体の衝突が生ずることがある。また、ヘッドに記録媒体が引っかかることがある。記録媒体を搬送する力がラインヘッドに加わり、ラインヘッドが破損することがあるという問題がある。例えば、ヘッドのノズルが歪むことがある。
特許文献1記載のデジタル印刷機は、インクジェットノズルの移動方向が搬送方向と垂直な方向となっている。そして、シリアル型のインクジェット印刷機である。ラインヘッドに関する記述はない。従って、特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記の課題に鑑み、インク吐出装置のラインヘッドへの記録媒体の衝突、引っかかりを防ぎ、ラインヘッドの破損を防ぐ。
本発明に係るインク吐出装置は、版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。又は、インク吐出装置は、版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して固定されている。
そして、インク吐出装置は、ラインヘッド、浮きセンサー、制御部、調整移動部を備える。前記ラインヘッドはヘッドを複数含む。前記ラインヘッドはインク印刷用画像データに基づき、前記搬送装置が搬送する前記記録媒体の印刷面にノズルからインクを吐出して画像を印刷する。前記浮きセンサーは、搬送される前記記録媒体のうち、浮いている部分の位置を検知する。前記制御部は 前記浮きセンサーの出力に基づき、搬送される前記記録媒体のうち、浮き部分の位置を認識する。前記調整移動部は、前記ヘッドの位置を、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で調整する。前記ヘッドは、ノズル列がX軸方向と平行になるように並べられる。前記X軸方向は、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向である。前記ノズル列は、複数の前記ノズルを含む。前記制御部は、認識した前記浮き部分の位置に基づき、前記ヘッドのうち、前記記録媒体と衝突するおそれがある前記ヘッドである調整対象ヘッドを判定する。前記制御部は、前記Z軸方向において前記記録媒体から離れる方向に、前記調整対象ヘッドを前記調整移動部に退避させる。
本発明によれば、ラインヘッドへの記録媒体の衝突、引っかかりを防ぐことができる。ラインヘッドの破損を防ぐことができる。故障しにくいインク吐出装置を提供することができる。
以下、図1〜図37を用い、実施形態及び変形例に係るインク吐出装置1及び印刷システム100の一例を説明する。
インク吐出装置1及び印刷システム100は記録媒体7に印刷を行う。以下の説明では、記録媒体7として布を例に挙げて説明する。但し、記録媒体7は、布に限られない。記録媒体7は、例えば、紙やフィルム(樹脂)でもよい。インク吐出装置1と版装置2で印刷可能なものが記録媒体7となり得る。
また、以下の説明では、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向をX軸方向と称する。記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向をY軸方向と称する。記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向(前後方向)をZ軸方向と称する。
(インク吐出装置1と印刷システム100)
図1〜図4を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1と印刷システム100の一例を説明する。図1〜図3は、実施形態に係る印刷システム100の一例を示す図である。図4は、実施形態に係る単位印刷範囲の一例を示す図である。
図1〜図4を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1と印刷システム100の一例を説明する。図1〜図3は、実施形態に係る印刷システム100の一例を示す図である。図4は、実施形態に係る単位印刷範囲の一例を示す図である。
印刷システム100は記録媒体7を印刷する。印刷システム100は、少なくとも、インク吐出装置1、版装置2、及び、搬送装置3を含む。印刷システム100は、版による印刷と、インクジェットによる印刷の両方を行えるハイブリッド型の印刷システム100である。更に、印刷システム100は、制御装置4、供給装置5、定着装置6a、洗浄装置6bを含んでもよい。
搬送装置3は、記録媒体7を搬送する。搬送装置3により搬送される記録媒体7のライン(搬送ライン)上に版装置2が設けられる。インク吐出装置1は、この搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。例えば、設置済の搬送ライン(搬送装置3)と版装置2にインク吐出装置1を追加することができる。また、設置済の版装置2のうち、一部の版装置2を取り外し、代わりにインク吐出装置1を設けてもよい。また、設置したインク吐出装置1を搬送ラインから取り外すこともできる。版装置2と搬送ラインに対し、インク吐出装置1は着脱可能である。このように、デジタル印刷を行うインク吐出装置1のみを市場に供給することができる。
また、インク吐出装置1は、搬送ラインに対して固定されていてもよい。インク吐出装置1は、版装置2や搬送装置3(搬送ライン)から取り外せなくてもよい。この場合、版装置2、搬送装置3、インク吐出装置1がセット販売される。デジタル印刷を行うインク吐出装置1とアナログ印刷を行う版装置2を含む印刷システム100の一式を市場に供給することもできる。
制御装置4は、インク吐出装置1、版装置2、搬送装置3、供給装置5、定着装置6a、洗浄装置6bを制御する。供給装置5は、印刷時、記録媒体7を供給する。記録媒体7が布の場合、供給装置5には、例えば、布ロール(筒状に巻かれた布)がセットされる。供給装置5は、供給ローラー51と供給モーター52を含む。供給ローラー51は、記録媒体7を送り出す。供給ローラー51は複数設けられてもよい。印刷時、制御装置4は供給モーター52を回転させる。供給モーター52は各供給ローラー51を回転させる。
搬送装置3は、搬送ベルト31、駆動ローラー32、従動ローラー33、搬送モーター34を含む。搬送ベルト31は、駆動ローラー32と従動ローラー33にかけ回される。搬送モーター34は、駆動ローラー32を回転させる。駆動ローラー32の回転にあわせ、搬送ベルト31が周回する。搬送ベルト31と記録媒体7が接する。搬送ベルト31上に記録媒体7が張られる。搬送ベルト31の周回にあわせて記録媒体7が搬送される。印刷時、制御装置4は搬送モーター34を回転させる。そして、制御装置4は搬送ベルト31を周回させる。
版装置2は版を用いて印刷を行う。版装置2の下側を記録媒体7が通過する。例えば、版装置2は、記録媒体7にスクリーン印刷を行う。1つの版装置2で、1色の画像(図柄)を印刷できる。図2、図3に示すように、版装置2は1つに限られない。版装置2を複数設けることができる。版装置2の設置個数は、版で印刷する色数分となる。図2、図3は、版装置2を3つ設ける例を示す。しかし、版装置2は、3つより多くてもよい。版装置2は3つより少なくてもよい。
それぞれの版装置2は型枠21、スクリーン版22、スキージ23、スキージ移動装置24、昇降装置25を含む。昇降装置25は、型枠21を昇降させる。型枠21内にスクリーン版22が設置される。また、型枠21にスキージ移動装置24が取り付けられる。スキージ移動装置24にスキージ23が取り付けられる。スクリーン版22は、例えば、繊維、樹脂、又は、金属製である。スクリーン版22のうち、記録媒体7にインク(色糊)を付す部分は、露光、現像等の製版により、インクを透過するようになっている。そして、スキージ23はヘラ状である。スキージ23はスクリーン版22の上に位置する。スキージ23の下端部分(ヘラ部分)はスクリーン版22と接する。
色糊(インク)がスクリーン版22にのせられる。各版装置2で使用される色糊の色は異なる。スキージ移動装置24は、型枠21内でスキージ23を往復移動させる。移動方向は、型枠21の長手方向(X軸方向、Y軸方向に対し垂直方向)である。往復移動のとき、スキージ23はスクリーン版22の上面を擦る。スキージ移動装置24は、例えば、モーターを含む。スキージ23を往復移動させることにより、色糊がスクリーン版22のインク透過部から押し出される。記録媒体7に色糊が押し出される。例えば、ベタ部分の印刷に版装置2を用いることができる。
版装置2を用いるので、制御装置4は、記録媒体7の搬送と停止を搬送装置3に繰り返させる。制御装置4は、規定距離F1だけY軸方向に記録媒体7を搬送するごとに、記録媒体7の搬送を搬送装置3に停止させる。停止後、制御装置4は、スクリーン版22と記録媒体7が接するまで、型枠21を昇降装置25に下降させる。その後、制御装置4は、スキージ23をスキージ移動装置24に往復移動させる。これにより、記録媒体7の捺染印刷がなされる。捺染印刷後、制御装置4は、スクリーン版22と記録媒体7が離れるまで、型枠21を上昇させる。型枠21(スクリーン版22)の上昇完了後、制御装置4は、記録媒体7の規定距離F1の搬送を再開する。このように、一連の処理(搬送停止、型枠21等の下降、スキージ23の往復、型枠21等の上昇、搬送再開)を繰り返すことにより、記録媒体7への版による印刷が繰り返される。
例えば、規定距離F1は、スクリーン版22のY軸方向の長さ以下、または、同じである。言い換えると、スクリーン版22で印刷可能なY軸方向の長さを規定距離F1とできる。版装置2が複数設けられる場合、上流側の版装置2のスクリーン版22と下流側の版装置2のスクリーン版22の間隔を規定距離F1とすることができる。これにより、隙間無く記録媒体7を印刷できる。
記録媒体7のうち、Y軸方向での規定距離F1分の短冊状の領域が1つの印刷単位となる。以下、この印刷単位を単位印刷範囲E1と称する(図4参照)。単位印刷範囲E1のY軸方向の長さは規定距離F1である。単位印刷範囲E1のX軸方向(搬送方向と垂直な方向)の長さは、記録媒体7のX軸方向の幅である。なお、記録媒体7が1枚ずつ搬送される場合もある。この場合、単位印刷範囲E1は、1枚の記録媒体7となる。
なお、版装置2は、型枠21を用いるものに限られない。版装置2は、円筒形の筒を用いて印刷するもの(ロータリースクリーン印刷)でもよい。また、版装置2は、凹版銅製のロールの凹部に色糊を付けて印刷(捺染)するもの(ローラープリント)でもよい。
インク吐出装置1は、搬送される記録媒体7をインクにより印刷する。インク吐出装置1は、インクを吐出するラインヘッド8を含む。インク吐出装置1は、インクジェット型のプリンターの一種である。インク吐出装置1は、搬送中の記録媒体7を印刷することもできる。従来のラインヘッド8型のプリンターでは、ラインヘッド8は固定されている。一方、インク吐出装置1はラインヘッド8をY軸方向とZ軸方向で移動できる(詳細は後述)。インク吐出装置1は、停止状態の記録媒体7に印刷を行うことができる。
インク吐出装置1の1回の印刷範囲(印刷単位)は単位印刷範囲E1である。スクリーン版22の印刷範囲(面積)と同様である。記録媒体7は連続して供給される。そのため、インク吐出装置1は、単位印刷範囲E1の印刷を繰り返す。インク吐出装置1は、例えば、版装置2が印刷しない部分にインクを吐出する。記録媒体7のうち、複数色を用いる図柄やグラデーションを含む図柄をインク吐出装置1に印刷させることができる。図4は、単位印刷範囲E1の一例を示す。図4において、記録媒体7のうち、2点鎖線で区切られた領域が単位印刷範囲E1である。
搬送ベルト31を通過した記録媒体7は、定着装置6aに進入する。定着装置6aは、例えば、定着搬送ローラー61、定着搬送モーター62、ヒーター63を含む。印刷時、制御装置4は、搬送装置3の記録媒体7の搬送にあわせて、定着搬送モーター62を回転させる。これにより、制御装置4は、定着装置6a内で記録媒体7を搬送させる。また、印刷時、制御装置4は、ヒーター63に電力を供給する。ヒーター63よる加熱により、記録媒体7にインクが定着する。
定着後の記録媒体7は、洗浄装置6bに搬入される。洗浄装置6bは、例えば、洗浄搬送ローラー64、洗浄搬送モーター65、洗浄機66を含む。印刷時、制御装置4は、搬送装置3、定着装置6aの記録媒体7の搬送にあわせて、洗浄搬送モーター65を回転させる。これにより、制御装置4は、洗浄装置6b内で記録媒体7を搬送させる。印刷時、制御装置4は、洗浄装置6bに記録媒体7の洗浄を行わせる。洗浄装置6bは、水を記録媒体7に吹き付ける。洗浄装置6bは、余分な(未定着の)インクと色糊を洗い流す。洗浄された記録媒体7は、機外に排出される。排出された記録媒体7は、収容容器67に収容される。
(インク吐出装置1の設置位置)
次に、図5を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を説明する。図5は、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を示す図である。
次に、図5を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を説明する。図5は、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を示す図である。
図5は、記録媒体7、搬送装置3(搬送ベルト31)及び版装置2を上方から見た模式図である。インク吐出装置1と各版装置2は、搬送ベルト31上に設けられる。図5の最上段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向(搬送方向)において、各版装置2の上流側に設けられてもよい。図5の中段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向において、全ての版装置2の下流側に設けられてもよい。さらに、図5の最下段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向において、複数の版装置2の間に設けられてもよい。
既存の版を用いる印刷システム100にインク吐出装置1を増設するだけで、版装置2とインク吐出装置1の利点を兼ね備えた印刷システム100を実現することができる。インク吐出装置1の設置場所は、特に制限はない。そのため、既存の印刷設備を大きく改造せずに、実施形態に係る印刷システム100を設置することができる。
(インク吐出装置1)
次に、図6を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を説明する。図6は、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を示す図である。
次に、図6を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を説明する。図6は、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を示す図である。
インク吐出装置1は制御部10を含む。制御部10はインク吐出装置1の動作を制御する。制御部10は基板である。制御部10は制御回路10aと画像処理回路10bを含む。制御回路10aは、例えば、CPUである。制御回路10aは、記憶部11に記憶される制御プログラムや制御データに基づき処理を行う。記憶部11は、ROM、HDD、フラッシュROMのような不揮発性の記憶装置を含む。また、記憶部11はRAMのような揮発性の記憶装置を含む。画像処理回路10bは、印刷に用いるインク印刷用画像データD2の画像処理を行う。
インク吐出装置1はラインヘッド8を含む。ラインヘッド8は、インク印刷用画像データD2(図19参照)に基づき、搬送装置3が搬送する記録媒体7の印刷面71にノズル81からインクを吐出する。ラインヘッド8は、画像を印刷する。使用するインクの色ごとに、ラインヘッド8が設けられる。インク吐出装置1は、ブラックのラインヘッド8、イエローのラインヘッド8、シアンのラインヘッド8、マゼンタのラインヘッド8を含む(図7参照)。図6では、ラインヘッド8を便宜上、1つのみ図示している。なお、インク吐出装置1が含むラインヘッド8の数は、1色分のみでもよい。この場合、インク吐出装置1はモノクロ印刷用の印刷装置として機能する。また、インク吐出装置1が含むラインヘッド8の数は、4つよりも少なくてもよい。使用者が使用する色数に応じてラインヘッド8の本数を定めることができる。
ラインヘッド8は複数のヘッド8aを含む。ヘッド8aは列状に並べられた複数のノズル81(ノズル列80)を含む。ヘッド8aのノズル81からインクが吐出される。例えば、4色分のラインヘッド8を含む場合、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを吐出できる。また、インク吐出装置1は複数のインクタンク13を含む。インクタンク13は色ごとに設けられる。図6では、インクタンク13を便宜上、1つのみ図示している。インクタンク13内にはインクが充填される。各インクタンク13から各ヘッド8aに対応する色のインクが供給される。インクは水頭差を利用して各ヘッド8aに供給される。制御部10はラインヘッド8(各ヘッド8a)に画像を印刷させる。インク印刷用画像データD2(インク吐出用画像データ)に基づき、制御部10は、ヘッド8aの各ノズル81から記録媒体7の印刷面71にインクを吐出させる。
また、インク吐出装置1は移動部12を含む。移動部12は2軸方向でラインヘッド8を移動できる。移動部12は、Z軸移動機構12z、Y軸移動機構12yを含む。Z軸移動機構12zはZ軸方向でラインヘッド8を移動させる。Y軸移動機構12yはY軸方向でラインヘッド8を移動させる。制御部10は移動部12を制御する。つまり、制御部10はラインヘッド8の位置を制御する。
速度センサー10dは、記録媒体7の搬送速度(Y軸方向での移動速度)を検知するためのセンサーである。例えば、速度センサー10dは、レーザー光、マイクロ波、超音波などを記録媒体7に照射する。速度センサー10dは、記録媒体7の反射波の周波数変化から速度を測定する。速度センサー10dは、測定した速度を示す信号を制御部10に入力する。制御部10は、速度センサー10dの出力に基づき、記録媒体7の搬送速度を認識する。停止した記録媒体7にのみ印刷する場合、速度センサー10dを設けなくてもよい。
また、インク吐出装置1は浮きセンサー14を含む。浮きセンサー14は、搬送される記録媒体7のうち、浮いている部分を検知する。浮きセンサー14の出力は、制御部10に入力される。浮きセンサー14の出力に基づき、制御部10は、搬送される記録媒体7のうち、浮いている部分を認識する。
インク吐出装置1はメンテナンス装置9を含む。メンテナンス装置9は、ノズル81の詰まりの防止、解消のための装置である。メンテナンス装置9はメンテナンス用ユニット90、第1ユニット移動部91、第2ユニット移動部92を含む。メンテナンス装置9の詳細は後述する。
インク吐出装置1は操作パネル15を含む。操作パネル15は、表示パネル15a、タッチパネル15bを含む。表示パネル15aは設定画面や情報を表示する。表示パネル15aは、キー、ボタン、タブのような操作用画像を表示する。タッチパネル15bは、表示パネル15aへのタッチ操作を検知する。タッチパネル15bの出力に基づき、制御部10は、操作された操作用画像を認識する。制御部10は、使用者が行った設定操作を認識する。
また、インク吐出装置1は、タイミングセンサー16を含む。タイミングセンサー16は、単位印刷範囲E1(記録媒体7)の先頭がインク吐出装置1(ヘッド8a)の印刷可能範囲に入ったことを知るためのセンサーである。例えば、搬送ベルト31に単位印刷範囲E1の境界を示すマークが記される。単位印刷範囲E1の境界ごとにマークが記される。マークは、前方の単位印刷範囲E1の終端位置を示す。また、マークは、後方の単位印刷範囲E1の先頭位置を示す。タイミングセンサー16は、マークを読み取る。タイミングセンサー16の出力は、制御部10に入力される。タイミングセンサー16の出力に基づき、制御部10は印刷開始タイミングを定められる。
通信部19は、情報処理装置200(コンピューター)と通信する。情報処理装置200は、例えば、PCやサーバーである。通信部19は、情報処理装置200からインク印刷用画像データD2を受信する。制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、ラインヘッド8を移動させる。また、制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、各ヘッド8aにインクを吐出させる。
(ラインヘッド8)
次に、図7〜図9を用いて、実施形態に係るラインヘッド8の一例を説明する。図7は実施形態に係るラインヘッド8の一例を示す図である。図8、図9は、実施形態に係るヘッド8aの一例を示す図である。
次に、図7〜図9を用いて、実施形態に係るラインヘッド8の一例を説明する。図7は実施形態に係るラインヘッド8の一例を示す図である。図8、図9は、実施形態に係るヘッド8aの一例を示す図である。
図7は、ラインヘッド8を下側から見た図である。図7に示すように、ラインヘッド8は複数設けられる。それぞれのラインヘッド8は、Y軸方向において、並べて設けられる。例えば、記録媒体7の搬送方向上流側から順に、イエローのラインヘッド8、シアンのラインヘッド8、マゼンタのラインヘッド8、ブラックのラインヘッド8が設けられる。なお、色の順番は上記の例に限られない。
図7に示すように、1つのラインヘッド8は、複数のヘッド8aを含む。図7は、色ごとに、主走査方向に7つのヘッド8aを並べる例を示す。ヘッド8aは、X軸方向において、千鳥状に設けられる。X軸方向で隣り合うヘッド8a同士のY軸方向の位置がずれるように、ヘッド8aが設けられる。各ヘッド8aの端部に配置された一部のノズル81は、Y軸方向から見て、互いに重なる。図7の例では、各色のラインヘッド8は、上流側に位置するヘッド8aを4つ、下流側に位置するヘッド8aを3つ含む。
図8に示すように、各ヘッド8aは1つのノズル列80を含む。各ノズル列80は複数のノズル81を含む。ノズル列80は複数のノズル81を列状に並べたものである。各ヘッド8aのノズル列80に含まれるノズル81の数は同じである。隣のノズル81との間隔が均等になるようにノズル81が形成される。ノズル81は、X軸方向(記録媒体7の搬送方向と垂直な方向)で並ぶ。言い換えると、各ヘッド8aは、ノズル列80がX軸方向と平行になるように並べられる。
ノズル81の開口からインクが吐出される。ノズル81に対し、1つの駆動素子83が設けられる。駆動素子83は、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)である。図9に示すように、ヘッド8aは、複数のドライバー回路82を含む。ドライバー回路82は各駆動素子83への電圧印加のON/OFFを行う。制御部10は1ラインごとに、インク吐出用画像データ(インクを吐出すべきノズル81を示すデータ)を各ドライバー回路82に与える。ドライバー回路82は、インクを吐出すべきノズル81の駆動素子83にパルス状の電圧を印加する。駆動素子83は、電圧印加により変形する。変形の圧力がノズル81にインクを供給する流路(不図示)に加わる。流路への圧力により、ノズル81からインクが吐出される。一方、ドライバー回路82は、インクを吐出させない画素に対応する駆動素子83に電圧を印加しない。ドライバー回路82はインク吐出を実際に制御する。
また、ヘッド8aは複数種の大きさの異なる電圧を生成する電圧生成回路84を含む。ドライバー回路82は、電圧生成回路84が生成する電圧のうち、何れか1つを駆動素子83に印加する。印加電圧が大きいほど、駆動素子83の変形が大きくなる。その結果、吐出されるインクの液滴の量が多くなる。印加電圧が小さいほど、駆動素子83の変形が小さくなる。その結果、吐出されるインクの液滴の量が少なくなる。ドライバー回路82は、吐出されるインクの液滴の量を調整することができる。
また、制御部10は駆動信号生成回路10cを含む。駆動信号生成回路10cは駆動信号S1を生成する。駆動信号S1は、ヘッド8aを駆動するための信号である。駆動信号生成回路10cは、例えば、クロック信号を生成する。ヘッド8a(ドライバー回路82)は、駆動信号S1が1回立ち上がる(又は1回立ち下がる)ごとに、インクを吐出させる。インク吐出の基準周期が予め定められる。制御部10は、基準周期でインクが吐出される周波数の駆動信号S1を駆動信号生成回路10cに生成させる。
(移動部12)
次に、図3、図10を用いて、実施形態に係る移動部12の一例を説明する。図10は、実施形態に係る移動部12の一例を示す。
次に、図3、図10を用いて、実施形態に係る移動部12の一例を説明する。図10は、実施形態に係る移動部12の一例を示す。
Z軸移動機構12zはZ軸方向でヘッド8aを移動させる。Z軸移動機構12zは、Z軸アームz1を含む。Z軸アームz1は四角柱状の部材である。Z軸アームz1は、Z軸モーターz2、Z軸移動部材z3、Z軸移動体z4を内蔵する。Z軸モーターz2は、例えば、ステッピングモーターである。Z軸モーターz2は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10はZ軸モーターz2の回転を制御する。Z軸モーターz2はZ軸移動部材z3を回転させる。Z軸移動部材z3は、例えば、ボールねじである。Z軸移動体z4はボールねじに取り付けられたナットと一体化している。Z軸モーターz2がZ軸移動部材z3を回転させる。これにより、Z軸モーターz2の回転運動が直線運動に変換される。その結果、Z軸移動体z4がZ軸方向で移動する。Z軸アームz1はZ軸移動体z4の移動をガイドする。
Y軸移動機構12yはX軸方向でヘッド8aを移動させる。Y軸移動機構12yはY軸アームy1を含む。Y軸アームy1は四角柱状の部材である。Y軸アームy1は、Y軸モーターy2、Y軸移動部材y3、Y軸移動体y4を内蔵する。Y軸モーターy2は、例えば、ステッピングモーターである。Y軸モーターy2は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10はY軸モーターy2の回転を制御する。Y軸モーターy2はY軸移動部材y3を回転させる。Y軸移動部材y3は、例えば、ボールねじである。Y軸移動体y4は、ボールねじに取り付けられたナットと一体化している。Y軸モーターy2がY軸移動部材y3を回転させる。これにより、Y軸モーターy2の回転運動が直線運動に変換される。その結果、Y軸移動体y4が移動する。Y軸アームy1はY軸移動体y4の移動をガイドする。
また、各ラインヘッド8を保持するX軸アーム12xが設けられる。X軸アーム12xの長手方向はX軸方向である。X軸アーム12xの下側に各ラインヘッド8が取り付けられる。言い換えると、各ラインヘッド8は、X軸アーム12xに吊り下げられる。
Z軸移動体z4は、Y軸移動機構12yの一部と接続される。例えば、Y軸アームy1の端部とZ軸移動体z4が接続される。Z軸移動体z4の移動にあわせて、ラインヘッド8がZ軸方向で移動する。記録媒体7に対して、ラインヘッド8(ヘッド8a)を近づけたり遠ざけたりすることができる。Z軸モーターz2を回転させることにより、制御部10は、ラインヘッド8(ノズル81)の高さ(Z軸方向の位置)を変化させられる。
Y軸移動体y4はX軸アーム12xと接続される。例えば、X軸アーム12xの一部とY軸移動体y4が接続される。Y軸移動体y4の移動にあわせて、ヘッド8aがY軸方向で移動する。記録媒体7に対するラインヘッド8のY軸方向の位置を変えることができる。Y軸モーターy2を回転させることにより、制御部10は、Y軸方向でのヘッド8a(ノズル81)によるインク吐出位置(印刷位置)を、移動させられる。
(メンテナンス装置9)
次に、図3、図11〜図15を用いて、実施形態に係るメンテナンス装置9の一例を説明する。図11は、実施形態に係るメンテナンス装置9の一例を示す図である。図12は、実施形態に係るキャップユニット93の一例を示す図である。図13は、実施形態に係るワイプユニット94の一例を示す図である。図14は、実施形態に係る吐き捨てユニット95の一例を示す図である。図15は、実施形態に係るメンテナンス用ユニット90の移動の一例を示す図である。
次に、図3、図11〜図15を用いて、実施形態に係るメンテナンス装置9の一例を説明する。図11は、実施形態に係るメンテナンス装置9の一例を示す図である。図12は、実施形態に係るキャップユニット93の一例を示す図である。図13は、実施形態に係るワイプユニット94の一例を示す図である。図14は、実施形態に係る吐き捨てユニット95の一例を示す図である。図15は、実施形態に係るメンテナンス用ユニット90の移動の一例を示す図である。
図3に示すように、メンテナンス装置9は箱型の筐体を有する。また、図3に示すように、メンテナンス装置9は、X軸方向において、ラインヘッド8の外側に設けられる。また、メンテナンス装置9は、XY平面において、記録媒体7(搬送ライン)の外側に設けられる。
図11に示すように、メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90として、キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95を含む。また、メンテナンス装置9は、第1ユニット移動部91、第2ユニット移動部92を含む。
図12は、キャップユニット93の一例を示す。キャップユニット93は、複数のキャップ9aを含む。具体的に、キャップユニット93は、平面(上面)に複数のキャップ9aが設けられた板状の部材である。1つのヘッド8aに対し1つのキャップ9aが設けられる。1つのラインヘッド8は、7つのヘッド8aを含む。4色分のラインヘッド8が設けられる。そのため、キャップユニット93は28個のキャップ9aを含む。
それぞれのキャップ9aは、板金をゴムで被膜した部材である。キャップ9aの形状は凹型である。各キャップ9aがキャップユニット93に固定される。ヘッド8aの吐出面がキャップ9aに嵌め込まれる。キャップ9aを嵌め込むことにより、吐出面(ノズル81)が密封される。各ヘッド8aでのインクの乾燥、蒸発を防ぐことができる。
図13は、ワイプユニット94の一例を示す。ワイプユニット94は、複数のワイプ用部材を含む。ワイプユニット94は、平面(上面)に複数のワイプ用部材が設けられた板状の部材である。具体的に、ワイプ用部材は、ヘッド8aごとに設けられたブレード9bである。なお、ワイプ用部材は、ブレード9bに限られない。
ブレード9bは、例えば、樹脂製又はゴム製の板である。1つのヘッド8aに対し1つのブレード9bが設けられる。そのため、ワイプユニット94は28個のブレード9bを含む。ブレード9bの上側の先端が各ヘッド8aの吐出面(下面)と接する。ブレード9bは、X軸方向で移動する。ブレード9bにより、ノズル81の先端が擦られる。これにより、ノズル81に付着したゴミや、乾燥により粘度が高くなったインクを強制的にかき取ることができる。
ワイプユニット94は、ブレード移動部としてワイプモーター96を含む。ブレード移動部は、ノズル列80と平行にブレード9bを移動させる。ブレード9bの移動のため、ブレード9bごとに、ワイプモーター96が設けられる。ワイプのとき(ノズル81を擦るとき)、制御部10は、ワイプモーター96を動作させる。ワイプユニット94の上面には、ブレード9bごとに溝が設けられる。溝は、X軸方向と平行である。溝は、ブレード9bの移動をガイドする。溝のX軸方向の幅は、ノズル列80のX軸方向の幅よりも長い、又は、同じである。
図14は、吐き捨てユニット95の一例を示す。吐き捨てユニット95は、複数のインク吸収体9cを含む。インク吸収体9cは、例えば、スポンジである。具体的に、吐き捨てユニット95は、平面(上面)に複数のインク吸収体9cが設けられた板状の部材である。1つのヘッド8aに対し1つのインク吸収体9cが設けられる。そのため、キャップユニット93は28個のインク吸収体9cを含む。なお、インク吸収体9cは、吐き捨てユニット95の平面(上面)の全体に敷き詰められてもよい。
各インク吸収体9cが吐き捨てユニット95に固定される。ヘッド8aの吐出面の下方にインク吸収体9cを配する。インク吸収体9cは、ヘッド8aから吐き捨てられたインクを受ける。吐き捨てられたインクは、吐き捨てユニット95から漏れない。吐き捨てられたインクにより、メンテナンス装置9は汚れない。
第1ユニット移動部91は、メンテナンス用ユニット90を収容位置とメンテナンス実行位置との間で移動させる。メンテナンス実行位置は、ラインヘッド8の吐出面の下方であって、メンテナンス用ユニット90がメンテナンスを行う位置である。吐出面は、ラインヘッド8のうち、ノズル81が露出しインクを吐出する面である。
第2ユニット移動部92は、吐出面の下方に移動できる位置に、使用するメンテナンス用ユニット90である使用ユニットを上下方向で移動させる。図15に示すように、メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90として、キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95を収容する。キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95は、上下方向に並べられる。図15の例では、上からキャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95の順で積み重ねられる。
メンテナンス装置9は支持装置97を含む。支持装置97はメンテナンス用ユニット90ごとに設けられる。支持装置97内に第1ユニット移動部91が設けられる。メンテナンス装置9は、3つの支持装置97を含む。それぞれのメンテナンス用ユニット90は、対応する支持装置97の上面に位置する。図15の例では、最も上の支持装置97は、キャップユニット93を支持する。中段の支持装置97は、ワイプユニット94を支持する。最下段の支持装置97は、吐き捨てユニット95を支持する。各支持装置97は、各メンテナンス用ユニット90の上面と底面が水平となるように、各メンテナンス用ユニット90を支持する。
例えば、各支持装置97は、第1ユニット移動モーター901を含む。また、各支持装置97は、第1移動部材、ユニット移動体を内蔵する。第1ユニット移動モーター901は、例えば、ステッピングモーターである。第1ユニット移動モーター901は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10は第1ユニット移動モーター901の回転を制御する。第1ユニット移動モーター901は、第1移動部材を回転させる。第1移動部材は、例えば、ボールねじである。ユニット移動体はボールねじに取り付けられたナットである。ユニット移動体は、メンテナンス用ユニット90と接続される。
収容位置からメンテナンス実行位置にキャップユニット93を移動させるとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を正回転させる。制御部10は、キャップユニット93に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を正回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、キャップユニット93がラインヘッド8の下方に移動してゆく。キャップユニット93はX軸方向でスライド移動する。なお、収容位置は、メンテナンス用ユニット90がメンテナンス装置9内に収容されている位置である。
メンテナンス実行位置から収容位置にキャップユニット93を戻すとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。制御部10は、キャップユニット93に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、キャップユニット93がメンテナンス装置9内に戻ってゆく。
収容位置からメンテナンス実行位置にワイプユニット94を移動させるとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を正回転させる。制御部10は、ワイプユニット94に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を正回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、ワイプユニット94がラインヘッド8の下方に移動してゆく。ワイプユニット94もX軸方向でスライド移動する。
メンテナンス実行位置から収容位置にワイプユニット94を戻すとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。制御部10は、ワイプユニット94に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、ワイプユニット94がメンテナンス装置9内に戻ってゆく。
収容位置からメンテナンス実行位置に吐き捨てユニット95を移動させるとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を正回転させる。制御部10は、吐き捨てユニット95に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を正回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、吐き捨てユニット95がラインヘッド8の下方に移動してゆく。吐き捨てユニット95もX軸方向でスライド移動する。
メンテナンス実行位置から収容位置に吐き捨てユニット95を戻すとき、制御部10は、第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。制御部10は、吐き捨てユニット95に対応する支持装置97の第1ユニット移動モーター901を逆回転させる。これにより、ボールねじが回転し、ナットの移動にあわせ、吐き捨てユニット95がメンテナンス装置9内に戻ってゆく。
メンテナンスのとき、制御部10は、Z軸方向でラインヘッド8を移動させる。制御部10は、記録媒体7(搬送装置3)から離れる方向にラインヘッド8をZ軸移動機構12zに移動させる。移動により空いたに、制御部10は、使用ユニット(メンテナンス用ユニット90のうち使用するもの)を差し込む。
なお、第1ユニット移動部91は、メンテナンス用ユニット90を収容位置とメンテナンス実行位置の間で移動できればよい。第1ユニット移動部91の構成は上記の例に限られない。
空いたに使用ユニットを差し込むため、メンテナンス装置9は第2ユニット移動部92を含む。図15に示すように、第2ユニット移動部92は、第2ユニット移動モーター902、第1昇降ローラー903、第2昇降ローラー904、昇降ベルト905を含む。第1昇降ローラー903と第2昇降ローラー904に昇降ベルト905がかけまわされる。支持装置97と昇降ベルト905が接続される。支持装置97のX軸方向の端部のうち、ラインヘッド8から遠い方の端部が昇降ベルト905と接続される。
使用ユニットにあわせて、制御部10は、各支持装置97を昇降させる。図15の場合、各支持装置97を上昇させるとき、制御部10は、昇降ベルト905が時計回りで周回するように、第2ユニット移動モーター902を回転させる。これにより、各支持装置97が上昇する。各支持装置97を下降させるとき、制御部10は、昇降ベルト905が反時計回りで周回するように、第2ユニット移動モーター902を回転させる。これにより、各支持装置97が下降する。
吐出面(ラインヘッド8の下面)と、使用ユニットの上面との間隔が予め定められたメンテナンス間隔になったとき、制御部10は、第2ユニット移動モーター902を停止させる。メンテナンス間隔は、例えば、数mm〜数cmとできる。
図15は、吐き捨てユニット95を使用するため、吐き捨てユニット95を上昇させる例を示す。図15の上方の図では、吐き捨てユニット95の位置が低すぎる。そこで、図15の下側の図に示すように、制御部10は、吐き捨てユニット95をZ軸方向で上昇させる。吐き捨てユニット95の上昇後、制御部10は、ラインヘッド8の下方に吐き捨てユニット95をスライド移動させる。
(キャップユニット93の装着)
次に、図16を用いて、実施形態に係るラインヘッド8へのキャップユニット93の装着の一例を説明する。図16は、実施形態に係るラインヘッド8へのキャップユニット93の装着の流れの一例を示す図である。
次に、図16を用いて、実施形態に係るラインヘッド8へのキャップユニット93の装着の一例を説明する。図16は、実施形態に係るラインヘッド8へのキャップユニット93の装着の流れの一例を示す図である。
露出したノズル81からインク中の揮発性成分が蒸発する。蒸発が進むと、インクの粘度が高くなる。さらに乾燥が進むとインクの成分が固まる。インクの乾燥により、ノズル81の目詰まりが生ずることがある。例えば、ノズル81を露出したまま放置した場合、目詰まりが生ずる。目詰まりは、駆動素子83に電圧を印加してもインクが吐出されない状態である。画質を保つには、目詰まりの発生を防ぐ必要がある。メンテナンス装置9はキャップユニット93を含む。各キャップ9aはヘッド8aのノズル81の吐出面に被せられる。キャップ9aを被せることにより、インクの乾燥が進まない。
図16は、各ヘッド8aに対応するキャップ9aを装着する流れの一例を示す。図10のスタートはキャップ条件が満たされた時点である。制御部10は、キャップ条件が満たされたか否かを判定する。キャップ条件は予め定められる。例えば、制御部10は、操作パネル15がキャップ9aの装着指示を受け付けたとき、キャップ条件が満たされたと判定する。つまり、使用者がヘッド8aの退避を指示する入力を操作パネル15に行ったことをキャップ条件としてもよい。例えば、搬送ラインの故障により、長時間の印刷停止が予想されるとき、使用者は、装着指示を操作パネル15に入力する。
また、制御部10は、予め定められた装着時刻になったとき、キャップ条件が満たされたと判定してもよい。装着時刻は記録媒体7への印刷を停止する時間とできる。例えば、装着時刻は、昼休みの開始時刻としてもよい。また、装着時刻は終業時刻としてもよい。操作パネル15は、装着時刻の設定を受け付ける。記憶部11は、設定された装着時刻を記憶する。また、制御部10は、1ロール(記録媒体7の搬送ラインでの処理単位)の記録媒体7の印刷が完了したとき、キャップ条件が満たされたと判定してもよい。
まず、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向で移動させる(ステップ♯11)。制御部10は記録媒体7(搬送ベルト31)から離れる方向にラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、キャップユニット93をラインヘッド8の下側に差し込める高さまで、ラインヘッド8を移動させる。具体的に、制御部10は、Z軸方向での吐出面(ラインヘッド8の下面)の位置が、予め定められた接触前位置となるように、ラインヘッド8を移動させる。これにより、ラインヘッド8と搬送ベルト31(記録媒体7)との間隔が広がる。
次に、制御部10は、キャップユニット93のZ軸方向の高さを調整する(ステップ♯12)。制御部10は、第2ユニット移動モーター902を回転させて調整する。制御部10は、キャップユニット93のZ軸方向の位置を、ラインヘッド8と搬送ベルト31の間に差し込める位置とする。制御部10は、接触前位置の吐出面とキャップ9aの上端の間隔が所定間隔となる位置に調整する。
そして、制御部10は、収容位置からメンテナンス実行位置に向けて、キャップユニット93を第1ユニット移動部91に移動させる(ステップ♯13)。制御部10は、各キャップ9aに対応するヘッド8aをはめ込める位置まで、X軸方向でキャップユニット93を移動させる。
キャップユニット93の移動完了後、制御部10は、各キャップ9aに各ヘッド8aをはめ込む(ステップ♯14)。制御部10は、Z軸方向(下向きに)でラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、ラインヘッド8がキャップユニット93に近づく方向に移動させる。制御部10は、所定間隔とキャップ9aの深さを加算した距離だけ、ラインヘッド8をキャップユニット93に近づける。これにより、ヘッド8aのキャップ9aへの嵌め込みが行われる(ステップ♯13)。ヘッド8aはインクが乾燥しない状態で維持される。そして、本フローは終了する(エンド)。
なお、印刷を開始するとき、制御部10は、キャップユニット93をメンテナンス装置9に収容する。この場合、まず、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向でキャップユニット93から離れる方向に移動させる。各キャップ9aから各ヘッド8aを取り外す。そして、制御部10は、キャップユニット93を第1ユニット移動部91に収容させる。
(ワイプ)
次に、図17を用いて、実施形態に係るワイプユニット94を用いたワイプの流れの一例を説明する。図17は、実施形態に係るワイプユニット94を用いたワイプの流れの一例を示す図である。
次に、図17を用いて、実施形態に係るワイプユニット94を用いたワイプの流れの一例を説明する。図17は、実施形態に係るワイプユニット94を用いたワイプの流れの一例を示す図である。
使用(印刷)しているうちに、一部のノズル81のインクの粘度が高くなることがある。吐出回数が少ないノズル81ほど、インクの粘度が上昇しやすい。また、空気中のホコリ、粉塵がノズル81に付着することがある。これらの要因により、目詰まりが生ずることがある。目詰まりの解消と防止のため、印刷システム100は、ヘッド8a(ノズル81)のワイプ機能を有する。
図17は、ヘッド8aのワイプの流れの一例を示す。図11のスタートは、予め定められたワイプ条件が満たされた時点である。制御部10は、ワイプ条件が満たされたか否かを判定する。ワイプ条件は予め定められる。例えば、制御部10は、操作パネル15がノズル81のワイプ指示を受け付けたとき、ワイプ条件が満たされたと判定する。つまり、使用者がヘッド8aのワイプを指示する入力を操作パネル15に行ったことをワイプ条件としてもよい。
また、制御部10は、予め定められたワイプ時刻になったとき、ワイプ条件が満たされたと判定してもよい。例えば、ワイプ時刻は、昼休みの開始時刻としてもよい。また、ワイプ時刻は、終業時刻としてもよい。なお、操作パネル15は、ワイプ時刻の設定を受け付ける。記憶部11は、設定されたワイプ時刻を記憶する。また、制御部10は、1ロール分の記録媒体7の印刷が完了したとき、制御部10はワイプ条件が満たされたと判定してもよい。
キャップ9aからヘッド8aが離れてから、又は、直前のワイプから所定時間経過したとき、制御部10は、ワイプ条件が満たされたと判定してもよい。これにより、インクの粘度が高くなる前に、ヘッド8aをワイプすることができる。また、ヘッド8aのキャップ9aの装着前に、必ずヘッド8aのワイプを行うようにしてもよい。この場合、制御部10は、キャップ条件が満たされたとき、ワイプ条件も満たされたと判定する。そして、ヘッド8aにキャップ9aを被せる前に、制御部10は、ヘッド8aをワイプする。
ワイプ条件が満たされたとき(スタート)、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向で移動させる(ステップ♯21)。制御部10は記録媒体7(搬送ベルト31)から離れる方向にラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、ワイプユニット94をラインヘッド8の下側に差し込める高さまで、ラインヘッド8を移動させる。具体的に、制御部10は、Z軸方向での吐出面(ラインヘッド8の下面)の位置が、予め定められた接触前位置となるように、ラインヘッド8を移動させる。これにより、ラインヘッド8と搬送ベルト31(記録媒体7)との間隔が広がる。
次に、制御部10は、ワイプユニット94のZ軸方向の高さを調整する(ステップ♯22)。制御部10は、第2ユニット移動モーター902を回転させて調整する。制御部10は、ワイプユニット94のZ軸方向の位置を、ラインヘッド8と搬送ベルト31の間に差し込める位置とする。具体的に、制御部10は、接触前位置の吐出面とワイプ用部材(ブレード9b)の上端の間隔が所定間隔となる位置に調整する。
そして、制御部10は、収容位置からメンテナンス実行位置に向けて、ワイプユニット94を第1ユニット移動部91に移動させる(ステップ♯23)。制御部10は、ワイプ用部材を用いて、対応するヘッド8aをワイプできる位置まで、X軸方向でワイプユニット94を移動させる。
そして、制御部10は、パージ処理を行わせる(ステップ♯24)。パージ処理は、ノズル81からインクを吐き出させる(しみ出させる)処理である。ここで、インク吐出装置1には、インクの流路に圧力をかける圧力印加部85が設けられる(図9参照)。圧力印加部85は、例えば、ポンプである。ポンプは、インクタンク13から各ヘッド8aへのインク供給経路に設けられる。制御部10は、パージ処理のとき、圧力印加部85を動作させる。圧力印加部85はヘッド8a内のインクの流路に圧力をかける。圧力により、目詰まりの原因(ホコリや高粘度状態のインク)をノズル81から吐き出させることができる。また、ブレード9bに付着したインクにより、ワイプ用部材(ブレード9b)とヘッド8aの下面(ノズル81)との摩擦を小さくすることができる。
次に、制御部10は、ワイプ用部材(ブレード9b)とヘッド8aの下面を当接させる(ステップ♯25)。制御部10は、Z軸方向でラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、ラインヘッド8がワイプユニット94に近づく方向に移動させる。制御部10は、所定間隔を超え、ヘッド8aに押されてワイプ用部材が湾曲する程度まで、ラインヘッド8をキャップユニット93に近づける。
続いて、制御部10は、ワイプ処理を行わせる(ステップ♯26)。ワイプ処理のとき、制御部10は、ワイプモーター96を動作させる。制御部10は、1回又は複数回、ワイプ用部材(ブレード9b)を往復させる。制御部10は、ノズル列80の一端から他端までを、1又は複数回、ワイプ用部材で擦る。
なお、操作パネル15は、ヘッド8aのうち、ワイプするヘッド8aの選択(指定)を受け付けてもよい。この場合、制御部10は、指定されたヘッド8aに対応するブレード9bを動かすブレード移動部(ワイプモーター96)のみを動作させる。制御部10は、指定されたヘッド8aに対応するブレード9bのみをX軸方向で移動させる。これにより、特定のヘッド8aのみを清掃することができる。
また、ワイプモーター96を設けないようにしてもよい。この場合、制御部10は、ブレード9bとヘッド8aの接触後、ワイプユニット94を第1ユニット移動部91に往復移動させる。制御部10は、ノズル列80の一端から他端までを、1又は複数回、ワイプ用部材で擦る。制御部10はワイプユニット94を揺れ動かす。これにより、ノズル81の汚れや余分なインクが除去される。そして、本フローは終了する(エンド)。
なお、印刷を開始するとき、制御部10は、ワイプユニット94をメンテナンス装置9に収容する。この場合、まず、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向でワイプユニット94から離れる方向に移動させる。制御部10は各ワイプ用部材と各ヘッド8aを非接触とする。そして、制御部10は、キャップユニット93を第1ユニット移動部91に収容させる。
(インクの吐き捨て)
次に、図18を用いて、実施形態に係る吐き捨てユニット95を用いたインクの吐き捨ての流れの一例を説明する。図18は、実施形態に係る吐き捨てユニット95を用いたインクの吐き捨ての流れの一例を示す図である。
次に、図18を用いて、実施形態に係る吐き捨てユニット95を用いたインクの吐き捨ての流れの一例を説明する。図18は、実施形態に係る吐き捨てユニット95を用いたインクの吐き捨ての流れの一例を示す図である。
目詰まりを防ぐには、ノズル81のインクの粘度を小さい状態で保つことが好ましい。また、付着したホコリ、粉塵は速やかに吹き飛ばすことが好ましい。そこで、インク吐出装置1は、ヘッド8a(ノズル81)のフラッシング機能を有する。
図18は、ヘッド8aのフラッシングの流れの一例を示す。図18のスタートは、予め定められた吐き捨て条件が満たされた時点である。制御部10は、吐き捨て条件が満たされたか否かを判定する。吐き捨て条件は予め定められる。例えば、規定距離F1だけY軸方向(搬送方向)に記録媒体7を搬送して記録媒体7の搬送が一時停止したとき、制御部10は、吐き捨て条件が満たされたと判定してもよい。また、単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき、制御部10は吐き捨て条件が満たされたと判定してもよい。また、ロールの最初の単位印刷範囲E1の印刷開始時、又は、先のフラッシングから所定時間経過したとき、制御部10は、吐き捨て条件が満たされたと判定してもよい。
吐き捨て条件が満たされたとき(スタート)、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向で移動させる(ステップ♯31)。制御部10は記録媒体7(搬送ベルト31)から離れる方向にラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、吐き捨てユニット95をラインヘッド8の下側に差し込める高さまで、ラインヘッド8を移動させる。具体的に、制御部10は、Z軸方向での吐出面(ラインヘッド8の下面)の位置が、予め定められた接触前位置となるように、ラインヘッド8を移動させる。これにより、ラインヘッド8と搬送ベルト31(記録媒体7)との間隔が広がる。
次に、制御部10は、吐き捨てユニット95のZ軸方向の高さを調整する(ステップ♯32)。制御部10は、第2ユニット移動モーター902を回転させて調整する。制御部10は、吐き捨てユニット95のZ軸方向の位置を、ラインヘッド8と搬送ベルト31の間に差し込める位置とする。具体的に、制御部10は、接触前位置の吐出面と吐き捨てユニット95のインク吸収体9cの上端の間隔が所定間隔となる位置に調整する。
そして、制御部10は、収容位置からメンテナンス実行位置に向けて、吐き捨てユニット95を第1ユニット移動部91に移動させる(ステップ♯33)。制御部10は、各ヘッド8aの下方に、対応するインク吸収体9cが来る位置まで、ワイプユニット94を移動させる。
次に、制御部10は、インク吸収体9cとヘッド8aの下面を当接させる(ステップ♯34)。制御部10は、Z軸方向でラインヘッド8を移動部12(Z軸移動機構12z)に移動させる。制御部10は、ラインヘッド8が吐き捨てユニット95に近づく方向に移動させる。制御部10は、Z軸方向でラインヘッド8を所定間隔分下げる。
そして、制御部10は、パージ処理を行わせる(ステップ♯35)。制御部10は、圧力印加部85を動作させる。制御部10は、ノズル81から強制的にインクを吐き出させる(しみ出させる)。
さらに、制御部10は、フラッシング処理を行わせる(ステップ♯36)。フラッシング処理は、全てのノズル81にインクを吐出させる処理である。制御部10は、例えば、数滴のインクを全てのノズル81に吐出させる。そして、本フローは終了する(エンド)。
インクの吐き捨て後、印刷を再開するとき、制御部10は、吐き捨てユニット95をメンテナンス装置9に収容する。この場合、まず、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向で吐き捨てユニット95から離れる方向に移動させる。制御部10はヘッド8aとインク吸収体9cを非接触とする。そして、制御部10は、キャップユニット93を第1ユニット移動部91に収容させる。
(インク印刷用画像データD2)
図19を用いて、インク印刷用画像データD2について説明する。図19は、実施形態に係るインク吐出装置1へのインク印刷用画像データD2の入力の流れの一例を示す。
図19を用いて、インク印刷用画像データD2について説明する。図19は、実施形態に係るインク吐出装置1へのインク印刷用画像データD2の入力の流れの一例を示す。
情報処理装置200は、処理部201、情報記憶部202、入力デバイス205、表示デバイス206、情報通信部207を含む。処理部201は、CPUのような処理回路を含む基板である。情報記憶部202は、ROM、RAM、HDDを含む。情報記憶部202は、インク印刷用画像データD2を生成するためのドライバーソフトウェア203を含む。また、情報記憶部202は、画像編集ソフトウェア204を記憶する。画像編集ソフトウェア204は、印刷に用いる基本画像データD0を作成、編集するためのソフトウェアである。
入力デバイス205は、キーボードやマウスのような入力機器である。使用者は入力デバイス205を用いて、インク印刷用画像データD2の送信コマンドを入力する。表示デバイス206は表示デバイス206である。情報通信部207は、印刷システム100やその他の装置と通信するインターフェイスである。情報処理装置200は、印刷システム100の一部と考えることもできる。
使用者は、画像編集ソフトウェア204を用いて、記録媒体7に印刷する画像の画像データ(基本画像データD0)を作成、編集する。基本画像データD0は、版装置2とインク吐出装置1で印刷する画像を含む画像データである。言い換えると、基本画像データD0は、単位印刷範囲E1を印刷するための画像データである。情報記憶部202は、作成、編集された基本画像データD0を記憶する。また、処理部201は、他のコンピューターで作成された基本画像データD0を情報通信部207に受信させてもよい。つまり、外部から情報処理装置200に取り込んだ基本画像データD0を記録媒体7の印刷に用いてもよい。この場合、処理部201は、受信した基本画像データD0を情報記憶部202に記憶させる。
例えば、バーコードを印刷する場合、基本画像データD0は、バーコードの画像を含む。記号列(記号列)を印刷する場合、基本画像データD0は、記号列の画像を含む。図柄(図形、模様、写真など)を印刷する場合、基本画像データD0は、図柄を含む。
ドライバーソフトウェア203の起動コマンドが実行されたとき、処理部201は、ドライバーソフトウェア203を起動させる。処理部201は、ドライバーソフトウェア203に基づき、印刷の設定用の画面を表示デバイス206に表示させる。入力デバイス205は、印刷の設定を受け付ける。例えば、入力デバイス205は、単位印刷範囲E1内の画像の印刷位置、印刷解像度、画像の種類、吐出時間隔の設定を受け付ける。例えば、ヘッド8aが印刷可能な複数の解像度のうち、何れか1つを選択できる。処理部201は、設定内容を示す印刷設定情報D3を生成する。
処理部201は、インク吐出装置1(通信部19)に向けて、生成した印刷設定情報D3を情報通信部207に送信させる。通信部19は、印刷設定情報D3を受信する。制御部10は、印刷設定情報D3に基づき、印刷する。
また、基本画像データD0に基づき、処理部201はインク印刷用画像データD2を生成する。処理部201は、基本画像データD0を分解して、インク印刷用画像データD2を生成できる。情報記憶部202は、生成されたインク印刷用画像データD2を記憶する。インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する部分を示す画像データである。インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する範囲を示す。情報処理装置200は、インク吐出装置1の通信部19に向けて、インク印刷用画像データD2を情報通信部207に送信させる。その結果、インク吐出装置1にインク印刷用画像データD2が入力される。記憶部11は、受信したインク印刷用画像データD2を記憶する。インク吐出装置1は、インク印刷用画像データD2に基づき、単位印刷範囲E1を印刷する。インク吐出装置1は、規定距離F1分、記録媒体7が搬送されるごとに、単位印刷範囲E1の印刷を繰り返す。例えば、印刷システム100は、記録媒体7の単位印刷範囲E1に、コード、記号列、図柄といった画像を印刷できる。
具体的に、制御部10(画像処理回路10b)は、印刷設定情報D3に基づき 受信したインク印刷用画像データD2を画像処理する。さらに、制御部10は、網点処理のような画像処理を行い、インク吐出用画像データを生成する。インク吐出用画像データは、インクを吐出すべきノズル81を示すデータである。インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、1ラインごとにヘッド8aにインクを吐出させる。
(画像データの分割)
次に、図20、図21を用いて、実施形態に係る情報処理装置200での画像データの分割の処理の一例を説明する。図20は、実施形態に係る情報処理装置200の分割処理の一例を示す図である。図21は実施形態に係る情報記憶部202が記憶するデータの一例を示す図である。
次に、図20、図21を用いて、実施形態に係る情報処理装置200での画像データの分割の処理の一例を説明する。図20は、実施形態に係る情報処理装置200の分割処理の一例を示す図である。図21は実施形態に係る情報記憶部202が記憶するデータの一例を示す図である。
情報記憶部202は、記録媒体7の印刷に用いる基本画像データD0を記憶する。処理部201は、基本画像データD0を分割(分版)できる。分割により、処理部201は、版印刷用画像データD1と、インク印刷用画像データD2を生成する。情報記憶部202は、生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を記憶する(図13参照)。
版印刷用画像データD1は、版を用いて印刷する版装置2が印刷する範囲の画像データである。言い換えると、版印刷用画像データD1は、版装置2が印刷する部分を示す画像データである。版印刷用画像データD1は、製版に用いることができる。一方、インク印刷用画像データD2は、インクを吐出して印刷するインク吐出装置1が印刷する範囲の画像データである。言い換えると、インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する部分を示す画像データである。情報処理装置200を用いることで、自動的に、基本画像データD0を、版で印刷する部分の画像データと、インクで印刷する部分の画像データに分割することができる。
版装置2は、高濃度なベタ画像を迅速に印刷できるメリットがある。一方、インク吐出装置1は、グラデーション画像や複数色が込み入った画像をきれいに印刷できるメリットがある。処理部201は、版装置2とインク吐出装置1のメリットを考慮して、基本画像データD0を分割する。
入力デバイス205は、分割する基本画像データD0の選択を受け付ける。また、入力デバイス205は基本画像データD0の分割指示を受け付ける。分割指示がなされたとき、処理部201は、選択されている基本画像データD0を分割する。図20のスタートは分割指示がなされた時点である。
処理部201は、基本画像データD0の各画素の画素値(色)を確認する(ステップ♯41)。例えば、処理部201は、画素値のヒストグラムを生成する。確認結果に基づき、処理部201は、版装置2で印刷する画素値(色)を定める(ステップ♯42)。
1つの版装置2で印刷できる色は1色である。基本画像データD0に含まれる全色を版のみで印刷すると、版枚数が多くなりすぎることがある。そこで、情報記憶部202は、基準版枚数208を不揮発的に記憶する(図21参照)。基準版枚数208は、適宜、設定される。基準版枚数208は、例えば、1枚〜十数枚の範囲内の何れかの値とできる。入力デバイス205は基準版枚数208の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された基準版枚数208を情報記憶部202に記憶させる。
例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に画素値を選ぶ。ヒストグラムに基づき、処理部201は、基準版枚数208と同じ個数の画素値を選ぶ。これにより、背景色のような画素数が多く、ベタで印刷すべき部分の画素の画素値を複数種類選び出すことができる。
処理部201は、基準版枚数208と同じ数だけ基本画像データD0(印刷用画像ファイル)をコピーする(ステップ♯43)。そして、処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1(版印刷用画像ファイル)を生成する(ステップ♯44)。具体的に、処理部201は、選んだ画素値のなかから、1つの画素値(1色)を選ぶ。次に、処理部201は、基本画像データD0のうち、選んだ1色以外の画素値の画素を空白(白又は透明)に変換する。この処理を選んだ画素値の数だけ繰り返す。
例えば、基準版枚数208が5のとき、処理部201は、5つの版印刷用画像データD1を生成する。5種類の画素値(色)ごとに、処理部201は版印刷用画像データD1を生成する。処理部201は、コピーした基本画像データD0のうち、対応する画素値(色)以外の画素を空白にする。処理部201は、版装置2で印刷する画素のみが残された画像データを版印刷用画像データD1として生成する。
さらに、処理部201は、基本画像データD0を再度コピーする(ステップ♯45)。コピーにより生成される画像データ(画像ファイル)は1つでよい。そして、処理部201は、コピーした基本画像データD0に基づき、インク印刷用画像データD2を生成する(ステップ♯46)。
具体的に、処理部201は、コピーした基本画像データD0のうち、版装置2で印刷する画素値(選んだ画素値)の画素を空白(白又は透明)に変換する。例えば、基準版枚数208が5のとき、処理部201は、選んだ5色(5種類の画素値)の画素を空白にする。処理部201は、版装置2で印刷する画素以外の画素が残された画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。そして、本フローは終了する(エンド)。
なお、処理部201は、基本画像データD0の分割指示を受け付けるための分割指示画面(不図示)を表示デバイス206に表示させてもよい。そして、処理部201は、分割指示画面に、優先する条件を選ぶためのボタンを表示させてもよい。例えば、印刷コスト優先ボタン、印刷品質優先ボタン、通常ボタンを表示させてもよい。
版装置2の色糊は、インク吐出装置1のインクよりも安価であることが多い。そこで、入力デバイス205が印刷コスト優先ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、基準版枚数208を多くする補正を行ってもよい。この場合、生成される版印刷用画像データD1の数が多くなる。版印刷装置で印刷される範囲が広くなる。
インク吐出装置1は、精細な画像を印刷できる。そこで、入力デバイス205が印刷品質優先ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、基準版枚数208を減らす補正を行ってもよい。この場合、生成される版印刷用画像データD1の数が少なくなる。インク吐出装置1で印刷される範囲が広くなる。なお、入力デバイス205が通常ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、情報記憶部202の基準版枚数208を補正しない。
(分割に基づく表示)
次に、図22、図23に基づき、実施形態に係る情報処理装置200での表示の一例を説明する。図22は、実施形態に係る情報処理装置200の表示処理の流れの一例を示す図である。図23は、実施形態に係る分割設定画面209の一例を示す図である。
次に、図22、図23に基づき、実施形態に係る情報処理装置200での表示の一例を説明する。図22は、実施形態に係る情報処理装置200の表示処理の流れの一例を示す図である。図23は、実施形態に係る分割設定画面209の一例を示す図である。
版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成したとき、情報処理装置200は分割設定画面209を表示するための処理を行う。図22は、分割設定画面209を表示するための処理の一例を示す。処理部201は、図22の処理を行って、表示デバイス206に分割設定画面209を表示させる。図23は、分割設定画面209の一例を示す。
図22のスタートは、基本画像データD0が分割された時点である。言い換えると、処理部201が新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成した時点である。
まず、処理部201は、印刷量210の設定を行うための画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる(ステップ♯51)。使用者は、入力デバイス205を用いて、印刷量210を入力する。入力デバイス205は印刷量210の入力を受け付ける(ステップ♯52)。印刷量210は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を用いて印刷する記録媒体7の量である。記録媒体7が布の場合、例えば、ロールの本数が印刷量210として入力される。記録媒体7のサイズや枚数を入力可能としてもよい。処理部201は、入力された印刷量210を認識する。
次に、処理部201は、予測版印刷費用211を求める(ステップ♯53)。具体的に、処理部201は、予測版製作費212と予測色糊代213を予測版印刷費用211として求める。
まず、予測版製作費212を求めるとき、処理部201は、生成された版印刷用画像データD1の枚数(データ数)に基づき、必要な版枚数を求める。処理部201は、生成された版印刷用画像データD1の数を必要な版枚数と認識する。情報記憶部202は、版1枚あたりの製作単価(版製作単価214)を不揮発的に記憶する(図21参照)。版製作単価214は1枚の版の材料費と加工費を含む。操作パネル15は、版製作単価214の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された版製作単価214を情報記憶部202に記憶させる。そして、処理部201は、版製作単価214と必要な版枚数を乗じて予測版製作費212を求める。なお、他の手法により、予測版製作費212を求めてもよい。
予測色糊代213を求めるとき、例えば、処理部201は、版印刷用画像データD1のうち、色糊で印刷する部分(版装置2が印刷する範囲)の画素数を求める。情報記憶部202は、1画素あたりの色糊単価215を不揮発的に記憶する(図21参照)。複数色の色糊を用いる場合、処理部201は、複数色の糊の単価の平均値を色糊単価215としてもよい。また、情報記憶部202は、色ごとの色糊単価215を不揮発的に記憶してもよい。操作パネル15は、色糊単価215の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された色糊単価215を情報記憶部202に不揮発的に記憶させる。
さらに、処理部201は、設定された印刷量210に含まれる単位印刷範囲E1の数を求める。例えば、操作パネル15は1ロールのY軸方向(搬送方向)の長さの設定を受け付ける。また、操作パネル15は、単位印刷範囲E1のY軸方向の長さの設定を受け付ける。処理部201は、版印刷用画像データD1又は基本画像データD0に基づき、単位印刷範囲E1のY軸方向の長さを認識してもよい。処理部201は、1ロールのY軸方向の長さを単位印刷範囲E1のY軸方向の長さで除す。処理部201は、布1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数を求める。処理部201は、求めた面数と、印刷量210(ロール数)と、色糊で印刷する部分の画素数と、色糊単価215を乗じて、予測色糊代213の目安を求める。なお、他の手法により、予測色糊代213を求めてもよい。
次に、処理部201は予測インク費用216を求める(ステップ♯54)。具体的に、処理部201は、設定された印刷量210で使用される予測インク消費量217を求める。そして、処理部201は、予測インク消費量217に基づき、設定された印刷量210の印刷を行うときのインク代を予測インク費用216として求める。
処理部201は、インク印刷用画像データD2に基づき、予測インク消費量217を求める。例えば、処理部201は、インク印刷用画像データD2のうち、インクで印刷する部分の画素数を求める。また、情報記憶部202は、1画素あたりのインク単価218を不揮発的に記憶する(図21参照)。インク単価218は目安の値である。各色のインクの値段にばらつきがある場合、処理部201は、各色の1画素あたりのインク単価218の平均値をインク単価218としてもよい。また、操作パネル15は、インク単価218の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定されたインク単価218を情報記憶部202に不揮発的に記憶させる。
さらに、処理部201は、ステップ♯53で求めた1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数と、印刷量210(ロール数)と、インクで印刷する部分の画素数と、インク単価218を乗じて、インク代の目安を求める。なお、他の手法により、インク代を求めてもよい。
次に、処理部201は、予測版製作時間219を求める(ステップ♯55)。ステップ♯53で、処理部201は、必要な版枚数を求めている。情報記憶部202は、版1枚あたりの製作時間(単位製作時間220)を不揮発的に記憶する(図21参照)。単位製作時間220は、版の材料や、版の製作手法により異なる。例えば、薄く柔らかい材料を版として用いる場合、予測版製作時間219は短くなる。また、場合により、版の製作に数日〜数週間かかる場合もある。例えば、版が分厚い場合、版の製作作業が複雑な場合、版の輸送に日数がかかる場合、単位製作時間220は、長くされる。事情を考慮して、単位製作時間220が定められる。操作パネル15は、単位製作時間220の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された単位製作時間220を情報記憶部202に記憶させる。そして、処理部201は、単位製作時間220に必要な版枚数を乗じて予測版製作時間219の目安を求める。なお、他の手法により、予測版製作時間219を求めてもよい。
さらに、処理部201は、予測印刷時間221を求める(ステップ♯56)。情報記憶部202は、単位印刷範囲E1の印刷に要する時間(単位印刷時間222)を不揮発的に記憶する(図21参照)。単位印刷時間222は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を一時停止してから、次に記録媒体7の搬送を一時停止するまでの時間としてもよい。操作パネル15は、単位印刷時間222の設定を受け付けてもよい。使用者は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を一時停止する周期に、インク吐出装置1による予測印刷時間221を加算した時間を単位印刷時間222と設定してもよい。この場合、情報記憶部202は、設定された単位印刷時間222を記憶する。処理部201は、ステップ♯53で求めた1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数と、印刷量210(ロール数)と、単位印刷時間222を乗じて、予測印刷時間221を求める。なお、他の手法により、予測印刷時間221を求めてもよい。
そして、処理部201は、分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる(ステップ♯57)。ステップ♯57により本フローは終了する(エンド)。
次に、図23を用いて、分割設定画面209の一例を説明する。処理部201は、求めた予測版製作費212と予測色糊代213を表示デバイス206に表示させる。また、処理部201は、求めた予測版製作費212と予測色糊代213の合計を予測版印刷費用211として表示デバイス206に表示させる。また、処理部201は、予測インク消費量217と、予測インク消費量217に基づき求めたインク代(予測インク費用216)を表示デバイス206に表示させる。
また、処理部201は、求めた予測版製作時間219を表示デバイス206に表示させる。処理部201は、求めた予測印刷時間221を表示デバイス206に表示させる。さらに、処理部201は、予測版製作時間219と予測印刷時間221の合計を予測所要時間223として表示デバイス206に表示させる。予測所要時間223は、版の製作から設定された印刷量210での印刷を実際に完了するまでの時間の目安である。印刷物の納期に間に合うか否かを確認することができる。
また、図23に示すように、処理部201は、版印刷用画像データD1に基づき印刷される部分のプレビュー画像(版印刷プレビュー画像224)を分割設定画面209に表示させてもよい。処理部201は、生成した版印刷用画像データD1を縮小し、プレビュー表示用画像データを生成する。生成したプレビュー表示用データに基づき、処理部201は、選択した画素値(色)ごとに、版を用いて印刷される部分のプレビュー画像を表示させる。
また、図23に示すように、処理部201は、インク印刷用画像データD2に基づき印刷される部分のプレビュー画像(インク印刷プレビュー画像225)を分割設定画面209に表示させてもよい。処理部201は、インク印刷用画像データD2を縮小し、プレビュー表示用画像データを生成する。処理部201は、生成したプレビュー表示用データに基づき、インクを用いて印刷される部分のプレビュー画像を表示させる。
また、分割設定画面209は変更ボタン226を含む。変更ボタン226は、印刷量210の値を変更するためのボタンである。入力デバイス205を用いて変更ボタン226が操作されたとき、処理部201は、数値入力用のソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる。このソフトウェアキーボード画面を操作することにより、印刷量210の値を変更することができる。入力デバイス205は、印刷量210の変更を受け付ける。
入力デバイス205が印刷量210の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の印刷量210に基づき、図22のフローチャートを再度実行する。これにより、処理部201は、予測版製作費212、予測色糊代213、予測版印刷費用211、予測インク消費量217、インク代(予測インク費用216)、予測版製作時間219、予測印刷時間221、予測所要時間223を新たに求める。処理部201は、新たに求めた予測版製作費212、予測色糊代213、予測版印刷費用211、予測インク消費量217、インク代(予測インク費用216)、予測版製作時間219、予測印刷時間221、予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。変更後の印刷量210の変更に対応する各費用、各時間を直ちに表示することができる。
また、分割設定画面209には、版枚数変更ボタン227が設けられる。使用者が希望する版の枚数を設定するためのボタンである。入力デバイス205を用いて版枚数変更ボタン227が操作されたとき、処理部201は、数値入力用のソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる。このソフトウェアキーボード画面を操作することにより、版枚数を変更することができる。入力デバイス205は、版枚数の変更を受け付ける。
入力デバイス205が版枚数の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の版枚数となるように、図20のフローチャートを再度実行する。これにより、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する。
版枚数を増やす変更がなされたとき、処理部201は、変更前よりも選ぶ画素値の数を増やす。例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に、変更後の版枚数と同じ数だけ画素値を選び直す。処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1を生成する。この場合、製作される版の枚数が増える。また、処理部201は、基本画像データD0から選んだ画素値を消した画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。この場合、インク吐出装置1の印刷範囲は小さくなる。
版枚数を減らす変更がなされたとき、処理部201は、変更前よりも選ぶ画素値の数を少なくする。例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に、変更後の版枚数と同じ数だけ画素値を選び直す。処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1を生成する。この場合、製作される版の枚数が減る。また、処理部201は、基本画像データD0から選んだ画素値を消した画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。この場合、インク吐出装置1の印刷範囲は広くなる。
ここで、版装置2は、インク吐出装置1に比べ印刷される画像を濃くしやすい。一方で、基本画像データD0のうち、特定の領域をインク吐出装置1で印刷したい場合もある。そこで、入力デバイス205は、版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に変更する操作を受け付けてもよい。また、入力デバイス205はインク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に変更する操作を受け付けてもよい。分割設定画面209内の範囲指定ボタン228が操作されたとき、これらの変更操作を行うことができる。つまり、アナログ(版)とデジタル(インク)の分割を手動で修正できるようにしてもよい。
版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に移動させる操作がなされたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する(再度生成する)。具体的に、処理部201は、版印刷用画像データD1のうち、移動が指示された領域をインク印刷用画像データD2に移す。版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成さするので、処理部201は、図22のフローチャートを実行する。例えば、ある画素値(色)の版印刷用画像データD1の全範囲が移されたとき、版の枚数が減る。新たに生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、各費用、各時間を再算出し、新たな分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる。
インク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に移動させる操作がなされたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する(再度生成する)。処理部201は、インク印刷用画像データD2のうち、移動が指示された領域を認識する。移動更が指示された領域に、版印刷用画像データD1の色(画素値)以外の画素値が含まれるとき、処理部201は、版印刷用画像データD1の枚数を増やす。版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成されるので、処理部201は、図22のフローチャートを実行する。新たに生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、各費用、各時間を再算出し、新たな分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる。
(製版機300への版印刷用画像データD1の送信)
次に、図19を用いて、実施形態に係る情報処理装置200の版印刷用画像データD1の送信の一例を説明する。
次に、図19を用いて、実施形態に係る情報処理装置200の版印刷用画像データD1の送信の一例を説明する。
図19に示すように、情報通信部207は製版機300と通信可能に接続されてもよい。例えば、ケーブルやネットワークを介して、情報通信部207と製版機300を接続してもよい。ここで、製版機300は、版装置2での印刷に用いる版を製作する装置である。例えば、製版機300は、スクリーン版22の製作する装置である。製版機300は、彫刻を行って版を製造する装置でもよい。また、製版機300として3Dプリンターが用いられてもよい。製版機300は版の内側に色糊の透過部分を形成する。
入力デバイス205は、製版機300への版印刷用画像データD1の送信指示を受け付けてもよい。版印刷用画像データD1の送信指示がなされたとき、処理部201は、製版機300に向けて、版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。例えば、処理部201は、全ての版の版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。処理部201は、版印刷用画像データD1に基づく製版を製版機300に行わせる。製版機300への製版出力指示を情報処理装置200で行うことができる。
(インク吐出装置1の動作モードの設定)
次に、図24を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の動作モードの設定の一例を説明する。図24は、実施形態に係るインク吐出装置1でのモード設定の一例を示す図である。
次に、図24を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の動作モードの設定の一例を説明する。図24は、実施形態に係るインク吐出装置1でのモード設定の一例を示す図である。
インク吐出装置1はインクを吐出して印刷する。制御部10は、インクをラインヘッド8に吐出させる。インク吐出装置1は、ノーマルモードとヘッド移動モードを搭載する。ノーマルモードとヘッド移動モードの何れが選択されても、制御部10は、搬送される記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせる。
ここで、印刷システム100では、記録媒体7を規定距離F1搬送するごとに、搬送装置3は記録媒体7の搬送を一時停止する。版装置2が印刷を行うためである。ノーマルモードのとき、制御部10は、搬送が停止された記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせない。ノーマルモードはシングルパス方式で印刷するためのモードである。
一方、ヘッド移動モードのとき、制御部10は、搬送が停止された記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせる。制御部10は、Y軸方向にラインヘッド8を移動させて、搬送停止中の記録媒体7への印刷を行わせる。ヘッド移動モードは、重ね書きを行うためのモードである。
図24のスタートは、インク吐出装置1の動作モード設定を開始する時点である。操作パネル15に所定の操作を行うことにより、インク吐出装置1の動作モードの設定を開始することができる。操作パネル15は動作モードの設定開始指示を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、動作モードの設定開始指示がなされたことを認識する。
なお、情報処理装置200(入力デバイス205)がインク吐出装置1の動作モードの設定を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置200(処理部201)が図24と同様の処理を行う。処理部201は、インク吐出装置1(通信部19)に向けて、設定された動作モードを情報通信部207に通知させる。制御部10は、情報通信部207からの通知に基づき、インク吐出装置1の動作モードを認識する。制御部10は、認識した動作モードでインク吐出装置1(ラインヘッド8、移動部12)を動作させる。
まず、制御部10は、モード選択画面を表示パネル15aに表示させる(ステップ♯61)。モード選択画面は、ノーマルモードで印刷するか、ヘッド移動モードで印刷するかを選択するための画面である。操作パネル15(タッチパネル15b)は、ノーマルモードで印刷するか、ヘッド移動モードで印刷するかの選択を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、2つのモードのうち、選択されたモードを認識する(ステップ♯62)。これにより、動作モードの設定が完了する(エンド)。制御部10は、選択されたモードに応じた制御を行う。
(ラインヘッド8のホームポジション)
次に、実施形態に係るラインヘッド8のホームポジションの一例を説明する。インク吐出装置1では、Y軸方向でラインヘッド8を移動できる。ラインヘッド8のY軸方向でのホームポジションが予め定められる。
次に、実施形態に係るラインヘッド8のホームポジションの一例を説明する。インク吐出装置1では、Y軸方向でラインヘッド8を移動できる。ラインヘッド8のY軸方向でのホームポジションが予め定められる。
Y軸方向での移動可能範囲のうち、Y軸方向(搬送方向)で最も上流側の位置をラインヘッド8のホームポジションとしてもよい。また、Y軸方向での移動可能範囲のうち、Y軸方向(搬送方向)で最も下流側の位置をラインヘッド8のホームポジションとしてもよい。なお、ホームポジションは、ノーマルモードとヘッド移動モードで同じでもよいし、異なっていてもよい。
(ノーマルモードでの印刷)
次に、図25を用いて、実施形態に係るノーマルモードでの印刷の一例を説明する。図25は実施形態に係るノーマルモードでの印刷の一例を示す図である。
次に、図25を用いて、実施形態に係るノーマルモードでの印刷の一例を説明する。図25は実施形態に係るノーマルモードでの印刷の一例を示す図である。
ノーマルモードでは、ラインヘッド8のY軸方向の位置は、ホームポジションで固定される。ラインヘッド8をY軸方向で移動させないで印刷が行われる。記録媒体7は複数の単位印刷範囲E1で区切られる。1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図25の処理を行う。
図25のスタートは、単位印刷範囲E1の印刷を開始する時点である。例えば、タイミングセンサー16の出力に基づき、制御部10は、単位印刷範囲E1の先頭がラインヘッド8の下方に到達したことを認識してもよい。まず、制御部10は、ラインヘッド8のY軸方向の位置をホームポジションとする(ステップ♯71)。ラインヘッド8が既にホームポジションにある場合、制御部10は、ステップ♯71をスキップする。
そして、制御部10は、搬送される(ラインヘッド8を通過する)記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせる(ステップ♯72)。制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、各ヘッド8aにインクの吐出を行わせる。制御部10は、記録媒体7がY軸方向(副走査方向)で1ライン分搬送されるごとに、1回のインク吐出動作を各ヘッド8aに行わせる。インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、記録媒体7でインクをのせるべき画素(スクリーン版22で印刷されない部分)にインクの液滴を着弾させる。単位印刷範囲E1内でのインク吐出を完了により、本フローは終了する(エンド)。
なお、1ライン分搬送される間、制御部10は複数回インク吐出動作を各ヘッド8aに行わせてもよい。ノーマルモードのとき、制御部10は、同じ位置に、同じ色のインクを複数回着弾させてもよい。
(ヘッド移動モードでの印刷)
次に、図26を用いて、実施形態に係るヘッド移動モードでの印刷の一例を説明する。図26は実施形態に係るヘッド移動モードでの印刷の一例を示す図である。
次に、図26を用いて、実施形態に係るヘッド移動モードでの印刷の一例を説明する。図26は実施形態に係るヘッド移動モードでの印刷の一例を示す図である。
ヘッド移動モードでは、制御部10は、記録媒体7の搬送中、ラインヘッド8のY軸方向の位置は、ホームポジションで固定する。制御部10は、記録媒体7の搬送中、ラインヘッド8をY軸方向で移動させないで印刷を行わせる。一方、制御部10は、記録媒体7の搬送停止中、ラインヘッド8をY軸方向で移動させる。制御部10は、ラインヘッド8の移動中、インクを吐出させる。そして、記録媒体7は複数の単位印刷範囲E1で区切られる。1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図26の処理を行う。
図26のスタートは、ヘッド移動モードで単位印刷範囲E1の印刷を開始する時点である。例えば、タイミングセンサー16の出力に基づき、制御部10は、単位印刷範囲E1の先頭がラインヘッド8の下方に到達したことを認識してもよい。そして、制御部10は、ラインヘッド8のY軸方向の位置をホームポジションとする(ステップ♯81)。ラインヘッド8が既にホームポジションにある場合、制御部10は、ステップ♯81をスキップする。
そして、制御部10は、搬送される記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせる(ステップ♯82)。ラインヘッド8は、搬送される(通過する)記録媒体7にインクを吐出する。制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、各ヘッド8aにインクの吐出を行わせる。インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、記録媒体7でインクをのせるべき画素(スクリーン版22で印刷されない部分)にインクの液滴を着弾させる。制御部10は、記録媒体7がY軸方向(副走査方向)で1ライン分搬送されるごとに、1回のインク吐出動作を各ヘッド8aに行わせる。
なお、1ライン分搬送される間、制御部10は複数回インク吐出動作を各ヘッド8aに行わせてもよい。ノーマルモードのとき、制御部10は、同じ位置に、同じ色のインクを複数回着弾させてもよい。
規定距離F1の搬送により記録媒体7の搬送が停止したとき、制御部10は、Y軸方向でラインヘッド8を移動部12(Y軸移動機構12y)に移動させる(ステップ♯83)。搬送装置3からの搬送停止の通知に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送停止を認識してもよい。また、速度センサー10dの出力に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送が停止したことを認識してもよい。
制御部10は、ラインヘッド8を通過した記録媒体7に向けて、ラインヘッド8を移動部12に移動させる。例えば、ホームポジションが、ラインヘッド8の移動可能範囲のうち、最上流の位置であるとき、制御部10は、搬送方向(Y軸方向)下流側に向けて、ラインヘッド8を移動部12に移動させる。ラインヘッド8のY軸方向での移動速度は、インク吐出の周期(周波数)に基づき定められる。制御部10は、インク吐出周期の1又は整数倍に1ライン(1ドット)Y軸方向でラインヘッド8を移動させる。
そして、制御部10は、停止した記録媒体7への重ね書き印刷をラインヘッド8に行わせる(ステップ♯84)。制御部10は、同じ位置に同じ色のインクが再着弾するように、ラインヘッド8にインクを吐出させる。言い換えると、制御部10は、ラインヘッド8通過時にインクで印刷した画像の上を、ラインヘッド8を再通過させる。再通過のとき、制御部10は、最初の通過時と同じ位置に同じ色のインクを吐出する。このように、ラインヘッド8をY軸方向で移動させることにより、重ね書きを行うことができる。
さらに、搬送停止中の前記記録媒体7へのインク吐出を行うとき、制御部10は、同じ位置に同じ色のインクが複数回再着弾するように、ラインヘッド8にインクを吐出させてもよい。言い換えると、ラインヘッド8をY軸方向で移動させる間、制御部10は、同じ画素に同じ色のインクを複数回着弾させてもよい。この場合、重ね書きを複数回行うことができる。インクで印刷された画像の濃度をさらに高めることができる。
単位印刷範囲E1内での重ね書き印刷の完了にすると、制御部10は、ラインヘッド8をホームポジションに戻す(ステップ♯85)。制御部10は、ホームポジションの方向に向けて、ラインヘッド8をY軸移動機構12yに移動させる。本フローは終了する(エンド)。
なお、ホームポジションにラインヘッド8を戻すとき、制御部10はラインヘッド8に重ね書きを行わせてもよい。ホームポジションに戻すときも、制御部10は、同じ位置に複数回同じ色のインクが着弾するように、ラインヘッド8にインクを吐出させる。
ホームポジションへの移動が完了したとき、搬送装置3は、記録媒体7の搬送を再開する。制御部10は、ラインヘッド8のホームポジションへの移動完了を搬送装置3に通知してもよい。この通知に基づき、搬送装置3は、記録媒体7の搬送停止を再開してもよい。
(ラインヘッド8のZ軸方向の位置設定)
次に、図27を用いて、実施形態に係るラインヘッド8の印刷開始時の位置設定の一例を説明する。図27は、実施形態に係るラインヘッド8の印刷開始時の位置設定の一例を説明する。
次に、図27を用いて、実施形態に係るラインヘッド8の印刷開始時の位置設定の一例を説明する。図27は、実施形態に係るラインヘッド8の印刷開始時の位置設定の一例を説明する。
図27のスタートは、インク吐出装置1を用いて印刷を開始する時点である。例えば、主電源投入や、メンテナンス用ユニット90によるメンテナンス後、制御部10が、ラインヘッド8を、印刷を行う位置とする時点である。
間隔センサー17の出力に基づき、制御部10は、ノズル81と記録媒体7(印刷面71)の間隔の認識を開始する(ステップ♯91)。インク吐出装置1は間隔センサー1746を含む(図6参照)。間隔センサー17はノズル81と印刷面71の距離を測る。間隔センサー17の出力に基づき、制御部10は、ノズル81と印刷面71のZ軸方向の距離を認識する。
例えば、間隔センサー17は、記録媒体7の搬送方向(Y軸方向)の最も上流に位置するラインヘッド8に設けられる。当該ラインヘッド8のノズル列80よりもY軸方向で上流側に設けられる。記録媒体7の先端が最も上流側にあるノズル列80がインク吐出を開始する前に、制御部10は、ノズル81と印刷面71のZ軸方向の距離を認識する。最初の単位印刷範囲E1への印刷の場合、間隔センサー17と対向する位置に記録媒体7の印刷面71が来た時点から、制御部10は間隔の認識を開始する。
そして、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷開始前に位置合わせ処理を行う(ステップ♯92)。位置合わせ処理のとき、制御部10は、ラインヘッド8をZ軸方向で移動部12に移動させる。そして、制御部10は、ノズル81と印刷面71の間隔を吐出時間隔とする。吐出時間隔は、例えば、1mmとできる。具体的に、制御部10は、間隔センサー17で検知される間隔が吐出時間隔となるように、ラインヘッド8(ノズル81)を移動部12に移動させる。制御部10はヘッド8aを記録媒体7に近づける。
(記録媒体7の浮き部分7aの検知)
次に、図28〜図30に基づき、実施形態に係るインク吐出装置1の浮き部分7aの検知を説明する。図28、図29は、実施形態に係る浮きセンサー14の一例を示す図である。図30は、実施形態に係る制御部10の浮き部分7aの位置の認識の一例を示す図である。
次に、図28〜図30に基づき、実施形態に係るインク吐出装置1の浮き部分7aの検知を説明する。図28、図29は、実施形態に係る浮きセンサー14の一例を示す図である。図30は、実施形態に係る制御部10の浮き部分7aの位置の認識の一例を示す図である。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、浮きセンサー14を含む。浮きセンサー14は、記録媒体7のうち、浮き部分7aを検知するセンサーである。言い換えると、浮きセンサー14は、記録媒体7のうち、浮いている部分の位置を検知するためのセンサーである。浮き部分7aとは、記録媒体7がラインヘッド8に向けて凸状になっている(盛り上がっている)部分である。
厚みのある記録媒体7がある。このような記録媒体7には、例えば、布がある。厚みのある記録媒体7では、小さなしわでも、Z軸方向の高さ(幅)がヘッド8aと記録媒体7の間隔(隙間)よりも大きくなることがある。浮き部分7aがヘッド8aと接し、記録媒体7が隙間に詰まることがある。記録媒体7が詰まると、記録媒体7を搬送する力がヘッド8aにかかる。その結果、ヘッド8aの破損、故障が生ずる場合がある。そこで、制御部10は、浮きセンサー14の出力に基づき、浮き部分7aの位置を検知する。
図28に示すように、ラインヘッド8の各ヘッド8aに対し、1つのコロ140が設けられる。例えば、各コロ140のX軸方向の位置は、対応するヘッド8aのX軸方向の中央と同じ位置とされる。各コロ140のY軸方向の位置は同じである。なお、コロ140はヘッド8aに対し複数設けられてもよい。
コロ140は、Y軸方向(搬送方向)で最も上流側のラインヘッド8よりも、Y軸方向の上流側に設けられる。コロ140は、搬送される記録媒体7と接する。コロ140は回転する。コロ140は記録媒体7に従動する。コロ140の回転軸の方向は、X軸方向である。コロ140は、記録媒体7の接触面(表面、上面)の浮きにあわせ、上下方向(Z軸方向)で揺れ動く。図28の例では、左から2つ目のコロ140が、浮き部分7aにあわせて持ち上げられている。
浮きセンサー14はコロ140が浮いているか否かを検知する。浮きセンサー14は、例えば、透過型光センサーである。1つのコロ140に対し、1つの浮きセンサー14が設けられる。浮きセンサー14は、Z軸方向において、コロ140よりも記録媒体7から遠い位置に設けられる。浮きセンサー14は、発光部14aと受光部14bを含む。発光部14aは、受光部14bに向けて光を照射する。発光部14aは、例えば、LEDである。受光部14bは、例えば、フォトトランジスタである。図29に示すように浮き部分7aがないとき、コロ140は発光部14aと受光部14bの光路を遮らない。浮き部分7aにより持ち上げられたとき、コロ140は発光部14aと受光部14bの光路を遮る。記録媒体7の浮きの有無により、浮きセンサー14(受光部14b)の出力が異なる。
それぞれの浮きセンサー14の出力は、制御部10に入力される。各浮きセンサー14の出力に基づき、制御部10は、浮き部分7aの有無と浮き部分7aの位置を認識する。制御部10は、認識した浮き部分7aの位置に基づき、ヘッド8aのうち、記録媒体7と衝突するおそれがあるヘッド8a(調整対象ヘッド)を判定する。図28の場合、各浮きセンサー14の出力に基づき、制御部10は左から2番目のヘッド8aが調整対象ヘッドであると判定する。
なお、記録媒体7の浮きを検知する手法は、上記に限られない。上記以外の手法で記録媒体7の浮きの有無、浮き部分7aの位置、調整対象ヘッドを判定してもよい。
(調整移動部8b)
次に、図31、図32を用いて、実施形態に係る調整移動部8bの一例を説明する。図31、図32は、実施形態に係る調整移動部8bの一例を示す図である。
次に、図31、図32を用いて、実施形態に係る調整移動部8bの一例を説明する。図31、図32は、実施形態に係る調整移動部8bの一例を示す図である。
記録媒体7の浮き部分7aは、ヘッド8aと衝突するおそれがある。記録媒体7とヘッド8aの衝突を避ける必要がある。そこで、インク吐出装置1は調整移動部8bを含む。調整移動部8bは、記録媒体7(搬送ベルト31)から離れる方向にヘッド8aを逃がす(移動させる)。調整移動部8bは、ヘッド8aの位置を、Z軸方向で調整する。
調整移動部8bはヘッド8aごとに設けられる。図31は、調整移動部8bの一例を示す。図31の左側の図のうち、上側の図は、ヘッド8aと調整移動をZ軸方向上側から見た図である。図31の左側の図のうち、下側の図は、ヘッド8aと調整移動部8bを搬送方向(Y軸方向)下流側から見た図である。
各調整移動部8bは、調整用モーター8c、調整用ボールねじ8d、調整用ナット8eを含む。図31の右側の図は、調整用モーター8c、調整用ボールねじ8d、調整用ナット8eを拡大した図である。また、調整移動部8bは、保持板を含む。
図31の左側の図に示すように、各ヘッド8aに保持板が取り付けられる。ヘッド8aのうち、筐体のX軸方向の両端に第1保持板8fが取り付けられる。第1保持板8fは板状である。図31において、第1保持板8fの下側は、L字状(鈎状)になっている。第1保持板8fは、ヘッド8aの側面と下面の一部と接する。
また、第2保持板8gが、X軸方向と平行なヘッド8aの平面のうち、一方の面に取り付けられる(固定される)。第2保持板8gも板状である。第2保持板8gは、2つの第1保持板8fと外れないように接続される。第1保持板8fと第2保持板8gはヘッド8aを昇降させるためのフレームとして機能する。
第2保持板8gに調整用ナット8eが取り付けられる。調整用ナット8eは、第2保持板8gから外れず、かつ、移動しないように、固定される。図31に示すように、調整用ナット8eに調整用ボールねじ8dが挿し通される。そして、調整用ボールねじ8dの頭(上側の端部)に調整用モーター8cのシャフト(回転軸)が接続される。
調整用モーター8cは、例えば、ステッピングモーターである。制御部10は、調整用モーター8cにパルスを入力する。入力するパルス数(ステッピングモーターの回転数と回転角度)を管理することにより、制御部10は、ヘッド8aのZ軸方向の位置を高精度に移動させられる。例えば、1mm以下の精度でヘッド8aを移動させることができる。
調整用モーター8cを回転させることにより、調整用ボールねじ8dが回転する。調整用ボールねじ8dを回転させることにより、調整用ナット8eが上下方向に移動する。調整用ナット8eともに、ヘッド8a、ヘッド8aに取り付けられた第1保持板8fと第2保持板8gが上下方向(Z軸方向)で移動する。つまり、調整用モーター8cを回転させることにより、ヘッド8aをZ軸方向で移動させることができる。
調整用ボールねじ8dには、ストッパー8hが取り付けられる。調整用ボールねじ8dのねじ部分のうち、記録媒体7から遠い側(上側)の端部と、記録媒体7から近い側(下側)の端部にそれぞれストッパー8hが設けられる。ストッパー8hにより、調整用ナット8eは調整用モーター8cにぶつからない。また、ストッパー8hにより、調整用ボールねじ8dと調整用ナット8eが外れない。
(ヘッド8aの退避)
次に、図33、図34を用いて、実施形態に係るヘッド8aの退避の一例を説明する。図33は、実施形態に係るヘッド8aの退避の流れの一例を示す。図34は、実施形態に係るヘッド8aの列単位の退避の一例を示す。
次に、図33、図34を用いて、実施形態に係るヘッド8aの退避の一例を説明する。図33は、実施形態に係るヘッド8aの退避の流れの一例を示す。図34は、実施形態に係るヘッド8aの列単位の退避の一例を示す。
図33のフローチャートのスタートは、インク吐出装置1が記録媒体7の印刷を開始した時点である。まず、制御部10は、各ヘッド8aのZ軸方向の位置を印刷時基準位置にセットする(ステップ♯101)。例えば、制御部10は、全ての調整用モーター8cを回転させる。その結果、全てのヘッド8aが印刷時基準位置となる。このとき、各ヘッド8aの吐出面のZ軸方向の位置は同じとなる。
例えば、印刷時基準位置は、調整移動部8bによるヘッド8aのZ軸方向での移動範囲のうち、最も記録媒体7に近い(最も下側)の位置(再接近位置、下限位置)とできる。なお、メンテナンス用ユニット90(キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95)を用いてメンテナンスを行うとき、制御部10は、全てのヘッド8aを再接近位置、下限位置とする。
印刷時基準位置は、全てのヘッド8aで同じ位置でもよい。例えば、制御部10は、全てのヘッド8aの印刷時基準位置を再接近位置としてもよい。また、ヘッド8aごとに印刷時基準位置を設定してもよい。ヘッド8aごとの印刷時基準位置の設定については後述する。
各浮きセンサー14の出力に基づき、制御部10は、記録媒体7に浮き部分7aがあるか否かを判定する(ステップ♯102)。制御部10は、遮光時の出力値になっている浮きセンサー14があるか否かを確認する。
浮き部分7aがないとき(ステップ♯102のNo)、制御部10は、全ての記録媒体7の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ♯103)。印刷が完了しているとき(ステップ♯103のYes)、浮き部分7aの確認やヘッド8aの退避は不要である。そのため、制御部10は、本フローを終了させる(エンド)。印刷が完了していないとき(ステップ♯103のNo)、フローは、ステップ♯102に戻る。このように、制御部10は、記録媒体7の印刷中、浮き部分7aの発生を監視する。
浮き部分7aがあるとき(ステップ♯102のYes)、制御部10は、記録媒体7と衝突するおそれがあるヘッド8a(調整対象ヘッド)を判定する(ステップ♯104)。制御部10は、遮光時の出力値の浮きセンサー14に対応するヘッド8aを、調整対象ヘッドと判定する。
制御部10は、調整対象ヘッドを退避させる(ステップ♯105)。制御部10は、調整対象ヘッドに対応する調整移動部8bにヘッド8aを移動させる。制御部10は、印刷時基準位置よりも記録媒体7(搬送ベルト31)から離れる方向に調整対象ヘッドを移動させる。具体的に、制御部10は、調整移動部8bによるヘッド8aのZ軸方向での移動範囲のうち、最も記録媒体7に遠い(最も上側)の位置まで、調整対象ヘッドを移動させる。例えば、少なくとも5mm以上、Z軸方向で移動させる。
複数のラインヘッド8が設けられている場合、制御部10は、複数のヘッド8aを調整対象ヘッドと判定する。制御部10は、色ごとに(ラインヘッド8ごとに)、X軸方向で同じ位置のヘッド8aを調整対象ヘッドと判定する。制御部10は、全ての調整対象ヘッドを退避させる。言い換えると、制御部10は、複数の調整対象ヘッドをまとめて、列単位で退避させる。
図34を用いて、ヘッド8aの列単位での退避の一例を説明する。記録媒体7は搬送される。そのため、浮き部分7aの位置もY軸方向(搬送方向)下流側に移動してゆく。ラインヘッド8が複数の場合、浮き部分7aとの衝突を完全に避けるには、浮き部分7aの移動経路上の全てのヘッド8aを退避させる必要がある。
図34の場合、制御部10は、左から2つ目のヘッド8aが調整対象ヘッドと判定する。このとき、制御部10は、浮き部分7aの通過線上にある全てのヘッド8aを調整対象ヘッドと判定する。そして、制御部10は、浮き部分7aの通過線上にある全てのヘッド8aを退避させる。このように、制御部10は、列単位でヘッド8aを退避させる。
ラインヘッド8が複数設けられる場合、Y軸方向の列単位でヘッド8aを移動させる必要がある。そこで、Y軸方向(搬送方向)の1列のヘッド8aに1つの調整用モーター8cを設けるようにしてもよい。この場合、1列のヘッド8aのそれぞれの調整用ボールねじ8dに、調整用モーター8cの駆動を伝えるギアが複数設けられる。制御部10は、Y軸方向の列単位でヘッド8aを移動させることができる。ヘッド8aごとに調整用モーター8cを設けずにすむ。
調整対象ヘッドの退避後、制御部10は、浮き部分7aがラインヘッド8を通過したか否かの確認を続ける(ステップ♯106、ステップ♯106のNo→ステップ♯106)。ラインヘッド8が複数設けられている場合、制御部10は、搬送方向(Y軸方向)で最も下流側のラインヘッド8を浮き部分7aが通過したか否かを確認する。
コロ140から最も下流のラインヘッド8までのY軸方向の距離は決まっている。いずれの浮きセンサー14も浮きを検知しなくなってから、記録媒体7がコロ140から最下流のラインヘッド8までの距離だけ搬送されたとき、制御部10は、浮き部分7aがラインヘッド8を通過したと認識する(ステップ♯106のYes)。
浮き部分7aがラインヘッド8を通過したと認識したとき、制御部10は、調整対象ヘッドの位置を印刷時基準位置に戻させる(ステップ♯107)。制御部10は、調整対象ヘッドに対応する調整移動部8bを動作させる。制御部10は、調整対象ヘッドを移動させる調整用モーター8cを回転させる。そして、フローはステップ♯102に戻る。
(ヘッド8aごとの印刷時基準位置の設定)
次に、実施形態に係るヘッド8aごとの印刷時基準位置の設定の一例を説明する。
次に、実施形態に係るヘッド8aごとの印刷時基準位置の設定の一例を説明する。
調整移動部8bにより、それぞれのヘッド8aのZ軸方向の位置を細かく調整することができる。そこで、制御部10は、ヘッド8aごとに印刷時基準位置を変えてもよい。具体的に、制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、ヘッド8aごとに印刷時基準位置を設定してもよい。
この場合、制御部10は、インク吐出用画像データを複数に分割する。制御部10は、インク印刷用画像データD2を短冊状の画像データ(短冊画像データ)に分割する。ヘッド8aの印刷範囲を基準にインク印刷用画像データD2が分割される。1つのヘッド8aが印刷する範囲が、1つの短冊画像データとなる。ラインヘッド8は7つのヘッド8aを含む。そのため、制御部10は、インク印刷用画像データD2を7つの短冊画像データに分割する。なお、短冊画像データはY軸方向が長手方向となる。
例えば、ヘッド8aごとに印刷時基準位置を設定するとき、制御部10は、ヘッド8aをZ軸方向で記録媒体7に最も近い位置(再接近位置、下限位置)までに調整移動部8bに移動させる。また、制御部10は、吐出時間隔が1mm程度となるように、ラインヘッド8をZ軸移動機構12zに移動させる。
印刷面71とノズル81の間隔が広いほど、吐出から着弾までの時間が長くなる。吐出から着弾までの時間が長いほど、重力や空気流による液滴への影響は、大きくなる。そのため、印刷面71とノズル81の間隔が広いほど、インクの着弾位置が狙いの位置からずれやすい。一方、印刷面71とノズル81の間隔が狭いほど、精密な画像を印刷することができる。
一方、精密な印刷の必要性が少ない画像では、吐出時間隔が広く設定されてよい。例えば、背景や1色の記号列のようなベタ部分では、インクの着弾位置が多少ずれても問題はない。着弾位置の適度なばらつきにより、色ムラが生じにくくなる場合がある。
そこで、制御部10は、短冊画像データの内容に基づき、ヘッド8aごとに、印刷時基準位置を再接近位置から変更するかを判定してもよい。
例えば、短冊画像データがベタの背景の画像データか否かに基づき、制御部10は、印刷時基準位置を変更するか否かを判定してもよい。例えば、制御部10は、短冊画像データに含まれる画素の画素値を確認する。確認の結果、画素値の種類が予め定められた基準値未満のとき、制御部10は、短冊画像データはベタの背景の画像データと判定する。画素値の種類が基準値以上のとき、制御部10は、短冊画像データはベタの背景の画像データではないと判定する。短冊画像データはベタの背景の画像データと判定したとき、制御部10は、印刷時基準位置を変更すると判定する。短冊画像データがベタの背景の画像データではないと判定したとき、制御部10は、印刷時基準位置を変更しないと判定する。
ベタの背景の画像データと判定した短冊画像データに対応するヘッド8aについては、制御部10は、印刷時基準位置を変更すると判定する。ベタの背景の画像データではないと判定した短冊画像データに対応するヘッド8aについては、制御部10は、印刷時基準位置を変更しないと判定する。
また、例えば、短冊画像データが記号列のみの画像データか否かを判定してもよい。記号列は、数字、アルファベット、マーク、記号、かな文字、漢字の何れかを含む。例えば、制御部10は、記号の画像データを用いて、パターンマッチングを行う。短冊画像データが記号を含まないとき、制御部10は、短冊画像データは記号列のみの画像データではないと判定する。短冊画像データが記号列を含み、かつ、記号列以外の部分が白色又は透明ではないとき、制御部10は、短冊画像データは記号列のみの画像データではないと判定してもよい。短冊画像データが記号列を含み、かつ、記号列以外の部分が白色又は透明のとき、制御部10は、短冊画像データは記号列のみの画像データと判定してもよい。
記号列のみと判定した短冊画像データに対応するヘッド8aについては、制御部10は、印刷時基準位置を変更すると判定する。記号列のみではないと判定した短冊画像データに対応するヘッド8aについては、制御部10は、印刷時基準位置を変更しないと判定する。
制御部10は、印刷時基準位置を変更すると判定したヘッド8aについては、印刷時基準位置を変更する。例えば、制御部10は、吐出時間隔が広くなるように、補正する。例えば、通常1mmの吐出時間隔が3〜5mm程度となるように、ヘッド8aのZ軸方向の印刷時基準位置を変更する。このように、インク印刷用画像データD2に基づき、自動的に、各ヘッド8aのZ軸方向の位置を調整することができる。
(印刷面71の撮影に基づく印刷)
次に、図35〜図37を用いて、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に基づく印刷の一例を説明する。図35は、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に関連する部分の一例を示す図である。図36は、実施形態に係る画像自動付加モードの流れの一例を示す図である。図37は、実施形態に係るコピーモードの流れの一例を示す図である。
次に、図35〜図37を用いて、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に基づく印刷の一例を説明する。図35は、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に関連する部分の一例を示す図である。図36は、実施形態に係る画像自動付加モードの流れの一例を示す図である。図37は、実施形態に係るコピーモードの流れの一例を示す図である。
インク吐出装置1は、記録媒体7の印刷面71を読み取る読取装置18を含む(図1参照)。読取装置18は、インク吐出装置1と別に設けられてもよい。読取装置18はカメラを含む。読取装置18は、搬送ライン上の記録媒体7を撮影する。例えば、読取装置18は印刷システム100が印刷可能な範囲を撮影する。
図32に示すように、読取装置18は、レンズ18a、イメージセンサー18b、カメラモジュール18cを含む。カメラモジュール18cはイメージセンサー18bが出力する画像信号に基づき、撮影データD7を生成する。読取装置18は撮影で得られた撮影データD7を記憶部11に送信する。記憶部11は撮影データD7を記憶する。
インク吐出装置1は、撮影に基づく印刷モードとして、画像自動付加モードと、コピーモードを有する。画像自動付加モードで印刷するか、コピーモードで印刷するかを操作パネル15で選択することができる。操作パネル15は、画像自動付加モードで印刷するか、コピーモードで印刷するかの選択を受け付ける。
1.画像自動付加モード
画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定画像に基づき、特定画像に対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。また、画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定マークに基づき、特定マークに対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。画像自動付加モードは、記録媒体7に特定画像、特定マークが付されているとき、制御部10は、紐付けられた画像を印刷面71に自動的にラインヘッド8に印刷させる。特定画像、特定マークは、記録媒体7に印刷されたものに限られない。特定画像、特定マークは、例えば、シールでもよい。
画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定画像に基づき、特定画像に対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。また、画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定マークに基づき、特定マークに対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。画像自動付加モードは、記録媒体7に特定画像、特定マークが付されているとき、制御部10は、紐付けられた画像を印刷面71に自動的にラインヘッド8に印刷させる。特定画像、特定マークは、記録媒体7に印刷されたものに限られない。特定画像、特定マークは、例えば、シールでもよい。
例えば、使用言語を示す特定画像が付されているとき、インク吐出装置1は、特定画像に対応する言語の記号列を自動的に印刷する。印刷システム100を用いて仕向地が異なる記録媒体7を印刷する場合でも、仕向地に適合する記号列を自動的に印刷することができる。情報処理装置200や操作パネル15で、逐一、使用言語や、使用するインク印刷用画像データD2を指定しなくてすむ。
例えば、ヨーロッパ向けを示す三角形のマークが特定マークとして付されているとき、インク吐出装置1はヨーロッパ向け製品であることを示す画像を自動的に印刷する。インク吐出装置1を用いて、適切な画像を自動的に印刷することができる。情報処理装置200や印刷システム100で、逐一、仕向地を示す画像を指定しなくてすむ。
図36を用いて、画像自動付加モードでの印刷の流れの一例を示す図である。図36のスタートは、例えば、操作パネル15で画像自動付加モードでの印刷を指示した時点である。まず、制御部10は、読取装置18に撮像を開始させる(ステップ♯111)。読取装置18は、停止している又は通過していく記録媒体7を撮影する。
ここで、記憶部11は、判定用データD8を記憶する。判定用データD8は、特定画像、特定マークが記録媒体7に付されているか否かを判定するためのデータである(図32参照)。判定用データD8は、特定画像、特定マークごとに用意される。制御部10は、判定用データD8に基づき、記録媒体7に特定画像、特定マークが付されているか否かを確認する。
判定用データD8は、特定画像、又は、特定マークを示す画像データとして、判定用画像データD9を含む。例えば、特定画像が型番を示す数字のとき、判定用画像データD9は、型番を示し、数字を含む基本画像データD0である。
判定用データD8は自動印刷用画像データD10を含む。自動印刷用画像データD10は、特定画像、特定マークに対応して印刷する画像の基本画像データD0である。また、判定用データD8は、自動印刷情報D11を含む。自動印刷情報D11は、自動印刷用画像データD10について、単位印刷範囲E1の印刷における印刷モード(ノーマルモード、ヘッド移動モード)、印刷解像度、吐出時間隔の情報を含む。自動印刷情報D11は、情報処理装置200、又は、操作パネル15で設定することができる。
制御部10は、撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれているか否かを判定する(ステップ♯112)。例えば、制御部10は、判定用画像データD9と撮影データD7のパターンマッチングを行う。そして、制御部10は、撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれているか否かを判定する。
撮影データD7に特定画像及び特定マークが含まれていないと判定したとき(ステップ♯112のNo)、フローは、ステップ♯111に戻る。撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれていると判定したとき(ステップ♯112のYes)、制御部10は、ラインヘッド8の位置合わせを移動部12に行わせる(ステップ♯113)。
制御部10は、特定画像に対応する画像、又は、特定マークに対応する画像をラインヘッド8に印刷させる(ステップ♯114)。制御部10は、特定画像に対応する自動印刷用画像データD10に基づき、印刷を行わせる。あるいは、制御部10は、特定マークに対応する自動印刷用画像データD10に基づき、印刷を行わせる。これにより、特定画像に紐付けられた画像、又は、特定マークに紐付けられた画像を自動的に印刷することができる。印刷後、フローは、ステップ♯111に戻る。
2.コピーモード
コピーモードは、見本の記録媒体7を撮像し、見本と同様の画像を自動的に印刷面71に印刷するモードである。コピーモードを用いることにより、情報処理装置200で基本画像データD0を編集しなくても、見本と同様の印刷を無地の記録媒体7に付すことができる。
コピーモードは、見本の記録媒体7を撮像し、見本と同様の画像を自動的に印刷面71に印刷するモードである。コピーモードを用いることにより、情報処理装置200で基本画像データD0を編集しなくても、見本と同様の印刷を無地の記録媒体7に付すことができる。
図34を用いて、コピーモードでの印刷の流れの一例を示す図である。図29のスタートは、例えば、操作パネル15でコピーモードでの印刷を指示した時点である。まず、制御部10は、読取装置18に見本の撮像を行わせる(ステップ♯121)。使用者は、読取装置18の撮像範囲に見本を置く。使用者は、全体が撮像されるように見本をセットする。セット後、使用者は、操作パネル15で撮像ボタンを操作する。言い換えると、使用者は、見本を撮影するためのシャッターをきる。
読取装置18は見本の撮影データD7を生成する(ステップ♯122)。記憶部11は見本の撮影データD7を記憶する(ステップ♯123)。制御部10は、見本の記録媒体7の撮影データD7に基づき、印刷に用いるインク印刷用画像データD2を生成する(ステップ♯124)。制御部10は、単位印刷範囲E1のサイズのインク印刷用画像データD2を生成する。さらに、制御部10は、生成したインク印刷用画像データD2ごとに、印刷設定情報D3を生成する(ステップ♯125)。制御部10は、インク印刷用画像データD2の種類に応じて、吐出時間隔を自動的に判定してもよい。
そして、見本の記録媒体7が撮影範囲から撤去される。制御装置4は、見本と同様の画像を印刷する記録媒体7の搬送を搬送装置3に開始させる(ステップ♯126)。制御部10は、生成したインク印刷用画像データD2と印刷設定情報D3に基づき、記録媒体7に印刷を行う(ステップ♯127)。以後、制御部10は、搬送される記録媒体7に見本と同様の印刷をラインヘッド8、移動部12に行わせる(エンド)。記録媒体7の後端が通過するまで、制御部10は、見本と同様の画像の記録媒体7への印刷をラインヘッド8に行わせる。
このようにして、実施形態に係るインク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。又は、インク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して固定されている。
インク吐出装置1は着脱可能である。そのため、設置済の搬送ラインにインク吐出装置1を追加することができる。また、設置したインク吐出装置1を搬送ラインから取り外すこともできる。デジタル印刷を行うインク吐出装置1のみを市場に供給することができる。また、インク吐出装置1を搬送ラインに対して固定してもよい(取り外せないようにしてもよい)。この場合、インク吐出装置1や版装置2を含む装置一式を市場に供給することもできる。
印刷システム100は、インク吐出装置1と、記録媒体7を搬送する搬送装置3と、搬送装置3により搬送される記録媒体7を、版を用いて印刷する版装置2と、を備える。インク吐出装置1と版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。例えば、複数色を含む細かい図柄やグラデーションをインクジェット吐出装置で印刷する印刷システム100を提供することができる。通常、1つの版で1色のみ印刷できるところ、版のみを用いて同様の印刷を行う場合に比べ、版枚数を減らすことができる。一方、インクジェットのみで記録媒体7を印刷する場合、濃度が出にくい場合や、色ムラがでる場合がある。ベタ部分のように色ムラを避けるべき部分には、版を用いて印刷することができる。高画質な印刷システム100を提供することができる。
そして、インク吐出装置1は、ラインヘッド8、移動部12、メンテナンス装置9、制御部10を備える。ラインヘッド8は、インク印刷用画像データD2に基づき、搬送装置3が搬送する記録媒体7の印刷面71にノズル81からインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向でラインヘッド8を移動させる。メンテナンス装置9は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向において、ラインヘッド8の外側に設けられる。メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90を収容位置とメンテナンス実行位置との間で移動させる第1ユニット移動部91を含む。メンテナンス実行位置は、ラインヘッド8のうち、ノズル81が露出しインクを吐出する吐出面の下方であって、メンテナンス用ユニット90がメンテナンスを行う位置である。ラインヘッド8のメンテナンスを行うとき、制御部10は、Z軸方向かつ記録媒体7から離れる方向にラインヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、収容位置からメンテナンス実行位置に向けて、メンテナンス用ユニット90を第1ユニット移動部91に移動させる。
この構成によれば、ラインヘッド8を記録媒体7(搬送ライン)から遠ざける方向に退避(移動)させることができる。ラインヘッド8のノズル81(吐出面)をメンテナンスするための空間を作り出すことができる。ラインヘッド8を記録媒体7から遠ざけ、メンテナンス用ユニット90をラインヘッド8の下方に差し込むことができる。差し込んだメンテナンス用ユニット90により、ラインヘッド8のメンテナンスを容易に行うことができる。ノズル81のインク吐出の不具合発生を防ぐことができる。
また、ラインヘッド8は、ヘッド8aを複数含む。ヘッド8aは、ノズル列80がX軸方向と平行になるように並べられる。ノズル列80は、複数のノズル81を含む。メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90として、キャップユニット93を含む。キャップユニット93は、複数のキャップ9aを含む。それぞれのキャップ9aは、ヘッド8aの吐出面が嵌め込まれたとき、吐出面を覆ってインクの乾燥を防ぐ。予め定められたキャップ条件が満たされたとき、制御部10は、キャップユニット93をメンテナンス実行位置に第1ユニット移動部91に移動させる。制御部10は、ヘッド8aにキャップ9aに嵌め込ませる。ラインヘッド8を記録媒体7や搬送ベルト31から遠ざけてできた空間を利用し、キャップ9aを各ヘッド8aに被せることができる。自動的にキャップ9aをヘッド8aに装着することができる。各ノズル81の乾燥を防ぐことができる。インクの乾燥を防ぐことができるので、ノズル81でのインクの成分固着を防ぐことができる。インク不吐出の不具合の発生を防ぐことができる。また、キャップ9aを手作業でヘッド8aに装着をしなくてすむ。メンテナンスが容易な印刷装置100を提供することができる。また、ラインヘッド8の位置が固定されている場合(動かせない場合)、キャップ9aの装着を自動化するには、搬送装置3の移動等、既存の設備、機構の大きな改造が必要であった。印刷装置100によれば、このような改造が不要である。
また、インク吐出装置1は、操作を受け付ける操作パネル15を含む。キャップ条件は、操作パネル15がキャップ9a指示を受け付けたこと、予め定められたキャップ9a時刻になったこと、及び、印刷が完了したことのうち、何れか1つ又は複数である。所定のトリガーに基づき、自動的にキャップ9aをラインヘッド8(各ヘッド8a)に取り付けることができる。ヘッド8aへの自動的なキャップ9aの取り付けのトリガーを設定することができる。また、昼休みのような、ラインの停止時点にあわせて、自動的にキャップ9aをヘッド8aに取り付けることもできる。また、印刷完了時点で自動的にキャップ9aをヘッド8aに取り付けることもできる。
ラインヘッド8の位置を移動できない場合、各ヘッド8a(ノズル81)のワイプを行うことは難しかった。そこで、メンテナンス装置9はメンテナンス用ユニット90として、ワイプユニット94を含む。 ワイプユニット94は、複数のワイプ用部材を含む。予め定められたワイプ条件が満たされたとき、制御部10は、記メンテナンス実行位置に向けて、ワイプユニット94を第1ユニット移動部91に移動させる。制御部10は、ワイプ用部材で各ヘッド8aのノズル81を擦る。ラインヘッド8を記録媒体7や搬送ベルト31から遠ざけてできた空間を利用し、ノズル81(吐出面)をワイプ(拭き取る)ことができる。また、ワイプ作業を自動化することができる。ノズル81の詰まりの原因物を容易に取り除くことができる。原因物は、乾燥により流動性が低下したインク(高濃度のインク)、ホコリ、ゴミである。手作業でヘッド8aのノズル81表面をかき取らずにすむ。メンテナンスが容易な印刷装置100を提供することができる。ラインヘッド8の位置が固定されている場合(動かせない場合)、ヘッド8aのワイプ作業を自動化するには、設備、機構の大きな改造が必要であった。自動化のために、印刷に関する装置(例えば、布7を搬送する装置)の改造は必要ない。
また、ワイプ条件は、操作パネル15がワイプ指示を受け付けたこと、予め定められたワイプ時刻になったこと、印刷開始後又は直前のワイプ後、所定時間続けてキャップ9aが嵌められていないこと、記録媒体7を印刷したこと、及び、印刷が完了したことのうち、何れか1つ又は複数である。所定のトリガーに基づき、自動的にワイプ作業を開始することができる。ワイプ開始のトリガーを設定することができる。また、昼休みのような、ラインの停止時点にあわせて、自動的にヘッド8aをワイプすることもできる。また、布7を続けて印刷した場合、自動的にヘッド8aをワイプすることもできる。また、印刷完了時点で自動的にヘッド8aのワイプを行わせることもできる。
また、制御部10は、ワイプで擦る前、ヘッド8aにインクを吐出させる。ワイプ(擦る)前、ノズル81近辺にインクを溢れさせる(滲ませる)ことにより、ワイプ用部材とノズル81(ヘッド8aの吐出面)との摩擦係数を低下させることができる。ワイプ時にノズル81が傷付かないようにすることができる。
また、ワイプ用部材は、ヘッド8aごとに設けられたブレード9bである。ワイプユニット94は、ブレード9bごとに、ノズル列80と平行にブレード9bを移動させるブレード移動部(ワイプモーター96)を含む。ノズル列80は、複数のノズル81を含む。ワイプを行うとき、制御部10は、ワイプユニット94をラインヘッド8の下方に移動させる。制御部10は、吐出面にブレード9bを当接させる。制御部10は、ノズル81を擦るため、ブレード移動部にブレード9bを移動させる。操作パネル15がワイプするヘッド8aの指定を受け付けたとき、制御部10は、指定されたヘッド8aに対応するブレード9bをブレード移動部に移動させる。ワイプするヘッド8aを指定することができる。指定したヘッド8aのみをワイプすることができる。インク吐出に問題がないヘッド8aをワイプしないようにすることができる。
また、メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90として、吐き捨てユニット95を含む。吐き捨てユニット95はインク吸収体9cを含む。予め定められた吐き捨て条件が満たされたとき、制御部10は、メンテナンス実行位置に向けて、吐き捨てユニット95を第1ユニット移動部91に移動させる。制御部10は、各ヘッド8aにインクを吐出させる。制御部10は、ノズル81から吐き出されたインクをインク吸収体9cに吸収させる。ラインヘッド8を記録媒体7や搬送ベルト31から遠ざけてできた空間を利用し、ノズル81(吐出面)からインクを吐き出させることができる。ノズル81を詰まらせる物を吐き出す(押し出す)ことができる。例えば、乾燥したインクの固形物、ホコリ、ゴミを吐き出すことができる。容易にノズル81の詰まりの異常を解消することができる。また、インクの吐き捨てを自動化することができる。
また、吐き捨て条件は、印刷が完了したこと、又は、印刷開始又は先のフラッシング処理から所定時間経過したことのうち、何れか1つ又は複数である。吐き捨て処理のトリガーを設定することができる。また、搬送ラインの停止時点にあわせて、自動的にヘッド8aをワイプすることもできる。
また、メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90として、キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95を含む。キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95は、上下方向に並べられる。メンテナンス装置9は、キャップユニット93、ワイプユニット94、吐き捨てユニット95を上下方向で移動させる第2ユニット移動部92を含む。制御部10は、吐出面の下方に移動できる位置に、使用するメンテナンス用ユニット90である使用ユニットを上下方向で第2ユニット移動部92に移動させる。上下方向での使用ユニットの移動完了後、制御部10は、メンテナンス実行位置に向けて、使用ユニットを第1ユニット移動部91に移動させる。ラインヘッド8の位置(高さ)にあわせ、必要なメンテナンス用ユニット90を移動させることができる。ちょうどいい高さまできた使用ユニットを、ラインヘッド8の下側に押し出す(移動させる)ことができる。また、上下方向に積み重ねたメンテナンス用ユニット90を、メンテナンス装置9に格納することができる。メンテナンス装置9の設置スペースを小さくすることができる。
また、インク吐出装置1は、ラインヘッド8、浮きセンサー14、制御部10、調整移動部8bを備える。ラインヘッド8はヘッド8aを複数含む。ラインヘッド8はインク印刷用画像データD2に基づき、搬送装置3が搬送する記録媒体7の印刷面71にノズル81からインクを吐出して画像を印刷する。浮きセンサー14は、搬送される記録媒体7のうち、浮いている部分の位置を検知する。制御部10は 浮きセンサー14の出力に基づき、搬送される記録媒体7のうち、浮き部分7aの位置を認識する。調整移動部8bは、ヘッド8aの位置を、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で調整する。ヘッド8aは、ノズル列80がX軸方向と平行になるように並べられる。X軸方向は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向である。ノズル列80は、複数のノズル81を含む。制御部10は、認識した浮き部分7aの位置に基づき、ヘッド8aのうち、記録媒体7と衝突するおそれがあるヘッド8aである調整対象ヘッドを判定する。制御部10は、Z軸方向において記録媒体7から離れる方向に、調整対象ヘッドを調整移動部8bに退避させる。
記録媒体7がヘッド8aに当たり、引っかかると、ヘッド8aには、記録媒体7の搬送方向に力がかかる。また、ヘッド8aと搬送ベルト31に挟まった記録媒体7は、下方向からヘッド8aのノズル81に力をかける。ヘッド8aに加わった力により、ヘッド8aが破損することがある。この構成によれば、記録媒体7の浮き部分7aに当たりそうなヘッド8aの位置をずらす(逃がす)ことができる。浮き部分7aがヘッド8aに当たらないように(引っかからないように)することができる。ヘッド8aの破損を防ぐことができる。
なお、浮き部分7aがある場合、ラインヘッド8全体を記録媒体7から離れる方向に移動させることが考えられる。しかし、記録媒体7の浮いていない部分とノズル81の間隔が大きく開く。記録媒体7とノズル81の間隔が広いほど、インクの着弾位置がずれやすい。浮き部分7aを避けるため、ラインヘッド8全体を移動させると、画質が低下するおそれがある。インク吐出装置1では、記録媒体7が浮いていても、ラインヘッド8全体を移動させない。特定のヘッド8a(浮き部分7aと接するヘッド8a)のみを移動させることができる。記録媒体7の浮きの有無によらず、高い画質で印刷できるインク吐出装置1を提供することができる。
また、インク吐出装置1は複数のラインヘッド8を含む。ラインヘッド8は、それぞれ吐出するインクの色が異なる。それぞれのラインヘッド8は、Y軸方向において、並べて設けられる。それぞれのラインヘッド8は、同じ数のヘッド8aを含む。Y軸方向は記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向である。それぞれのラインヘッド8のヘッド8aは、X軸方向の位置が同じとなるように並べられる。制御部10は、認識した浮き部分7aの位置に基づき、ラインヘッド8ごとに、調整対象ヘッドを判定する。制御部10は、Z軸方向において記録媒体7から離れる方向に、複数の調整対象ヘッドをまとめて調整移動部8bに退避させる。複数のラインヘッド8のうち、記録媒体7の浮き部分7aと衝突する可能性があるヘッド8aをまとめて退避させることができる。浮き部分7aのY軸線上にあるヘッド8aの列をまとめて移動することができる。どのラインヘッド8でも、記録媒体7がヘッド8aに当たらないようにすることができる。
また、調整移動部8bは、調整用モーター8cと、調整用モーター8cに接続された調整用ボールねじ8dと、調整用ボールねじ8dに挿し通され、ヘッド8aと接続されている調整用ナット8eと、を含む。制御部10は、調整用モーター8cの回転を制御して、Z軸方向におけるヘッド8aの位置を調整する。ヘッド8aのZ軸方向の位置を調整することができる。調整用モーター8cの回転数や回転角度を制御することにより、ヘッド8aのZ軸方向での位置(記録媒体7との相対距離)を細かく調整することができる。
また、調整対象ヘッドと判定していないヘッド8aについては、制御部10は、ヘッド8aのZ軸方向の位置を調整移動部8bに印刷時基準位置とさせる。調整対象ヘッドと判定したヘッド8aについては、 制御部10は、印刷時基準位置よりも記録媒体7から離れるように、調整移動部8bにヘッド8aを移動させる。記録媒体7との間隔を一定で保つことができる。浮き部分7aがヘッド8aの下方を通過している間、ヘッド8aを上方向に逃がすことができる。
また、制御部10は、浮き部分7aがラインヘッド8を通過したか否かを判定する。浮き部分7aがラインヘッド8を通過したと判定したとき、制御部10は、ヘッド8aのZ軸方向の位置を印刷時基準位置に戻させる。浮き部分7aがなくなると、ヘッド8aのZ軸方向の位置を印刷時基準位置に戻すことができる。記録媒体7との間隔を一定で保つことができる。
また、制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、ヘッド8aごとに印刷時基準位置を設定する。各ヘッド8aの印刷時基準位置を詳細に設定することができる。インク印刷用画像データD2に基づき印刷される画像にあわせて、各ヘッド8aの印刷時基準位置を設定することができる。
本発明に係るインク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。又は、インク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して固定されている。
そして、インク吐出装置1は、ラインヘッド8、移動部12、制御部10を備える。ラインヘッド8は、インク印刷用画像データD2に基づき、記録媒体7の印刷面71にノズル81からインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向にラインヘッド8を移動させる。制御部10は、記録媒体7の搬送中、ラインヘッド8の位置を移動部12に固定させてラインヘッド8にインクを吐出させる。制御部10は、記録媒体7の停止中、Y軸方向にラインヘッド8を移動部12に移動させ、Y軸方向での移動中にラインヘッド8にインクを吐出させる。
ヘッドが固定されるので、一般に、ライン型のインク印刷機は、記録媒体7の停止中、印刷できない。しかし、この構成によれば、記録媒体7の搬送中と、記録媒体7の停止中の両方でインクの吐出(印刷)を行うことができる。記録媒体7が停止しているか否かを問わず、ラインヘッド8で記録媒体7への印刷を行うことができる。従って、生産性(印刷速度)の高いインク吐出装置1を提供することができる。
また、記録媒体7の停止中、搬送中に印刷した部分に向けてラインヘッド8を移動させることで、重ね書きを行うこともできる。重ね書きにより、複数回、同じ色のインクを同じ位置に着弾することができる。印刷物でのインクの印刷部分の濃度を高めることができる。しかも、記録媒体7の搬送停止にあわせて重ね書きを行うことができる。通常では印刷しない時間帯にラインヘッド8による印刷を行える。生産性を落とさずに、印刷物の濃度を高めることができる。生産性が高く、印刷物の画質が高いインク吐出装置1を提供することができる。
また、実施形態に係る印刷システム100は、インク吐出装置1と、記録媒体7を搬送する搬送装置3と、搬送装置3により搬送される記録媒体7を、版を用いて印刷する版装置2と、を備える。搬送装置3は、規定距離F1、記録媒体7を搬送するごとに記録媒体7の搬送を停止する。版装置2は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を停止している間に、版を用いて印刷する。インク吐出装置1は、記規定距離F1の搬送により、ラインヘッド8を通過する記録媒体7にインクを吐出する。インク吐出装置1は、規定距離F1の搬送により記録媒体7の搬送が停止したとき、Y軸方向でラインヘッド8を移動部12に移動させて、停止した記録媒体7に印刷する。インク吐出装置1が規定距離F1の範囲の印刷を完了したとき、搬送装置3は、記録媒体7の搬送を再開する。版装置2の印刷のために記録媒体7の搬送が停止している間に、ラインヘッド8による印刷を行うことができる。記録媒体7の搬送が停止中に重ね書きを行うことができる。生産性を落とさずに、インクで印刷する部分の濃度を高めることができる。
また、搬送中の記録媒体7へのインクを吐出と、搬送停止中の記録媒体7へのインク吐出を行うとき、制御部10は、同じ位置に複数回同じ色のインクが着弾するように、ラインヘッド8にインクを吐出させる。記録媒体7の搬送が停止中に重ね書きを行うことができる。生産性を落とさずに、インクで印刷する部分の濃度を高めることができる。
搬送停止中の記録媒体7へのインク吐出を行うとき、制御部10は、同じ位置に複数回同じ色のインクが着弾するように、ラインヘッド8にインクを吐出させる。重ね書きを行って、インクで印刷する部分の濃度を高めることができる。
また、印刷システム100はメンテナンス装置9を含む。メンテナンス装置9は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向においてラインヘッド8の外側に設けられ、メンテナンス用ユニット90を含む。また、インク吐出装置1は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向でラインヘッド8を移動させる移動部12を含む。メンテナンス装置9は、メンテナンス用ユニット90を収容位置とメンテナンス実行位置との間で移動させる第1ユニット移動部91を含む。メンテナンス実行位置は、ラインヘッド8のうち、ノズル81が露出しインクを吐出する吐出面の下方であって、メンテナンス用ユニット90がメンテナンスを行う位置である。ラインヘッド8のメンテナンスを行うとき、制御部10は、Z軸方向かつ記録媒体7から離れる方向にラインヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、収容位置からメンテナンス実行位置に向けて、メンテナンス用ユニット90を第1ユニット移動部91に移動させる。ラインヘッド8を記録媒体7(搬送ライン)から遠ざける方向に退避(移動)させることができる。ラインヘッド8のノズル81(吐出面)をメンテナンスするための空間を作り出すことができる。ラインヘッド8を記録媒体7から遠ざけ、メンテナンス用ユニット90をラインヘッド8の下方に差し込むことができる。差し込んだメンテナンス用ユニット90により、ラインヘッド8のメンテナンスを行うことができる。ノズル81のインク吐出の不具合発生を防ぐことができる。
さらに、実施形態に係る情報処理装置200は、入力デバイス205、表示デバイス206、情報記憶部202、処理部201を含む。情報記憶部202は、記録媒体7の印刷に用いる基本画像データD0を記憶する。処理部201は、基本画像データD0を分割して版印刷用画像データD1と、インク印刷用画像データD2を生成する。版印刷用画像データD1は、版を用いて印刷する版装置2が印刷する範囲の画像データである。インク印刷用画像データD2は、インクを吐出して印刷するインク吐出装置1が印刷する範囲の画像データである。
この構成によれば、インクジェット記録装置と版装置2を組み合わせる場合、印刷に用いる画像データを、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に自動的に分割することができる。版印刷用画像データD1は、印刷する画像のうち、版装置2で印刷する範囲(部分)を示す画像データである。インク印刷用画像データD2は、印刷する画像のうち、インク吐出装置1で印刷する範囲(部分)を示す画像データである。基本画像データD0を効率よく、容易に分割することができる。インクジェット記録装置と版装置2を組み合わせた印刷システム100にとって使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成されたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1に基づいて、版装置2を用いての印刷に要する費用の予測値である予測版印刷費用211を求める。インク印刷用画像データD2に基づいて、処理部201は、インク吐出装置1を用いての印刷に要す費用の予測値である予測インク費用216を求める。処理部201は、予測版印刷費用211と、予測インク費用216と、予測版印刷費用211と予測インク費用216の合計費用のいずれか1つ又は複数を表示デバイス206に表示させる。版装置2での印刷コストと、インク吐出装置1での印刷コストを使用者に示すことができる。印刷コストについて判断するための情報を表示することができる。
処理部201は、版印刷用画像データD1に基づき、必要な版枚数を求める。処理部201は、求めた枚数での版の製作費の予測値である予測版製作費212を求める。処理部201は、求めた予測版製作費212を表示デバイス206に表示させる。版の製作に要する費用を使用者に示すことができる。版製作に要する費用が妥当か否かを確認することができる。
入力デバイス205は、印刷量210の入力を受け付ける。情報記憶部202は、インクの単価を記憶する。処理部201は、入力された印刷量210と生成されたインク印刷用画像データD2に基づき、印刷量210の印刷に必要なインク消費量の予測値である予測インク消費量217を求める。求めた予測インク消費量217と単価に基づき、処理部201は、入力された印刷量210の印刷に必要なインク代の予測値である予測インク費用を求める。処理部201は、求めた予測インク費用を表示デバイス206に表示させる。インク吐出装置1で消費されるインクの価格を使用者に示すことができる。インクの費用が妥当か否かを確認することができる。
入力デバイス205は、印刷量210の入力を受け付ける。生成された版印刷用画像データD1と生成されたインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、入力された印刷量210での印刷に要する時間の予測値である予測所要時間223を求める。処理部201は、求めた予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。セットされた(入力された)印刷量210の記録媒体7を印刷する場合の所要時間を使用者に示すことができる。印刷物の納期に間に合うように印刷できるか否かを確認することができる。
また、処理部201は、版の製作に要する時間の予測値である予測版製作時間219を求める。処理部201は、求めた予測版製作時間219を表示デバイス206に表示させる。処理部201は、印刷量210の記録媒体7の印刷に要する時間の予測値である予測印刷時間221を求める。処理部201は、求めた予測印刷時間221を表示デバイス206に表示させる。版印刷用画像データD1に基づき版を製作する場合、版の製作に必要な時間を示すことができる。使用者は、版の用意にどれくらいの時間がかかるかを確認することができる。また、実際の印刷に要する時間を確認することができる。
また、処理部201は、予測版製作時間219と予測印刷時間221の和を予測所要時間223として、表示デバイス206に表示させる。版の製作と記録媒体7への印刷作業の合計時間を確認することができる。版を製作し、版装置2とインク吐出装置1で印刷を開始してから終わるまでの時間の合計時間を確認することでできる。
入力デバイス205が印刷量210の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の印刷量210の印刷に必要な予測所要時間223を新たに求める。処理部201は、新たに求めた予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。印刷量210の変更に対応して、直ちに新たな所要時間を示すことができる。印刷量210の変更結果が速やかに表示される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、入力デバイス205が版枚数の変更を受け付けたとき、処理部201は、入力された変更後の版枚数に応じて、新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成する。版枚数を変更することができる。使用者は所望の版枚数を設定できる。版枚数の変更指示に対応した新たな版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成することができる。変更が速やかに反映される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、入力デバイス205は、版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に変更する操作、又は、インク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に変更する操作を受け付ける。処理部201は、入力デバイス205になされた操作に応じて、新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成する。特定の範囲をインク吐出装置1に印刷させるか、版装置2に印刷させるかを選択することができる。使用者はインク吐出装置1の印刷範囲と版装置2の印刷範囲を細かく設定できる。希望どおりに印刷範囲が割り当てられるように、設定することができる。印刷範囲の変更に対応して、新たな版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を直ちに生成することができる。変更が速やかに反映される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、情報処理装置200は、受信したデータに基づき、版装置2での印刷に用いる版を製作する製版機300と通信可能に接続された情報通信部207を含む。入力デバイス205が製版機300への版印刷用画像データD1の送信指示を受け付けたとき、処理部201は、製版機300に向けて、版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。製版機300に、版を製作するためのデータを直接的に送信することができる。版印刷用画像データD1を送信することにより、版装置2に版の製作を開始させることもできる。
また、インク吐出装置1は、ラインヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ラインヘッド8は、インク印刷用画像データD2に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、少なくとも2つの軸方向でラインヘッド8を移動させる。制御部10は、移動部12を制御する。2つの軸方向のうち1つは記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向である。
この構成によれば、少なくとも2つの軸方向でラインヘッド8の位置を移動させることができる。記録媒体7のY軸方向でラインヘッド8の位置を移動させることができる。平面的にラインヘッド8の位置を自由に変えることができる。従って、ラインヘッド8の位置を容易に調整することができる。
また、インク吐出装置1の設置位置が、Y軸方向において、版装置2の上流側でもよい。インクジェット吐出装置が印刷した記録媒体7を捺染することができる。既設の版装置2の上流にインク吐出装置1を付加するだけで、インクジェット印刷と捺染印刷の両方を行える印刷システム100を実現することができる。
あるいは、インク吐出装置1の設置位置が、Y軸方向において、版装置2の下流側又は複数の版装置2の間でもよい。捺染印刷がなされた記録媒体7にインクジェット吐出装置による印刷を行うことができる。既設の版装置2の中流、又は、下流にインク吐出装置1を付加するだけで、インクジェット印刷と捺染印刷の両方を行える印刷システム100を実現することができる。
搬送装置3は、規定距離F1、記録媒体7を搬送するごとに記録媒体7の搬送を停止する。インク吐出装置1は、停止している記録媒体7に印刷する。ヘッド8aによる印刷が完了したとき、搬送装置3は、記録媒体7の搬送を再開する。インク吐出装置1による停止している記録媒体7への印刷(単位印刷範囲E1の印刷)の完了にあわせて、記録媒体7の搬送を再開することができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、印刷面71を読み取り、撮影データD7を生成する読取装置18を含む。制御部10は、撮影データD7に特定画像が含まれているか否かを判定する。特定画像が含まれていると判定したとき、制御部10は、特定画像に対応する画像をヘッド8aに印刷させる。記録媒体7に予め特定画像を付しておけば、特定画像に対応する画像を自動的に記録媒体7に印刷することができる。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
制御部10は、撮影データD7に特定マークが含まれているか否かを判定する。制御部10は、特定マークが含まれていると判定したとき、特定マークに対応する画像をヘッド8aに印刷させる。記録媒体7に予め特定マークを付しておけば、特定画像に対応する画像を自動的に記録媒体7に印刷することができる。マークは認識できれば手書きでもよい。マークはシールでもよい。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
制御部10は、見本の記録媒体7が撮影された撮影データに基づき印刷に用いる基本画像データD0を生成する。撮影データに基づき生成した基本画像データD0に基づき、制御部10は、記録媒体7への印刷をヘッド8aに行わせる。見本のコピーを記録媒体7に印刷することができる。見本に付された記号、コードのコピー印刷を行うことができる。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、布や用紙をインク吐出装置と版装置で印刷する印刷システムに利用可能である。
1 インク吐出装置 10 制御部
12 移動部 14 浮きセンサー
15 操作パネル 2 版装置
3 搬送装置 7 記録媒体
71 印刷面 7a 浮き部分
8 ラインヘッド 80 ノズル列
8a ヘッド 8b 調整移動部
8c 調整用モーター 8d 調整用ボールねじ
8e 調整用ナット 9 メンテナンス装置
91 第1ユニット移動部 92 第2ユニット移動部
93 キャップユニット 94 ワイプユニット
95 吐き捨てユニット 96 ワイプモーター(ブレード移動部)
9a キャップ 9b ブレード
9c インク吸収体 D2 インク印刷用画像データ
12 移動部 14 浮きセンサー
15 操作パネル 2 版装置
3 搬送装置 7 記録媒体
71 印刷面 7a 浮き部分
8 ラインヘッド 80 ノズル列
8a ヘッド 8b 調整移動部
8c 調整用モーター 8d 調整用ボールねじ
8e 調整用ナット 9 メンテナンス装置
91 第1ユニット移動部 92 第2ユニット移動部
93 キャップユニット 94 ワイプユニット
95 吐き捨てユニット 96 ワイプモーター(ブレード移動部)
9a キャップ 9b ブレード
9c インク吸収体 D2 インク印刷用画像データ
Claims (8)
- 搬送装置により記録媒体が搬送され、版を用いて印刷する版装置が設けられた搬送ラインに対して追加と取り外しが可能であり、
ヘッドを複数含み、インク印刷用画像データに基づき、前記搬送装置が搬送する前記記録媒体の印刷面にノズルからインクを吐出して画像を印刷するラインヘッドと、
搬送される前記記録媒体のうち、浮いている部分の位置を検知するための浮きセンサーと、
前記浮きセンサーの出力に基づき、搬送される前記記録媒体のうち、浮き部分の位置を認識する制御部と、
前記ヘッドの位置を、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で調整する調整移動部と、を備え、
前記ヘッドは、ノズル列がX軸方向と平行になるように並べられ、
前記X軸方向は、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向であり、
前記ノズル列は、複数の前記ノズルを含み、
前記制御部は、
認識した前記浮き部分の位置に基づき、前記ヘッドのうち、前記記録媒体と衝突するおそれがある前記ヘッドである調整対象ヘッドを判定し、
前記Z軸方向において前記記録媒体から離れる方向に、前記調整対象ヘッドを前記調整移動部に退避させることを特徴とするインク吐出装置。 - 版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して固定されており、
ヘッドを複数含み、インク印刷用画像データに基づき、前記搬送装置が搬送する前記記録媒体の印刷面にノズルからインクを吐出して画像を印刷するラインヘッドと、
搬送される前記記録媒体のうち、浮いている部分の位置を検知するための浮きセンサーと、
前記浮きセンサーの出力に基づき、搬送される前記記録媒体のうち、浮き部分の位置を認識する制御部と、
前記ヘッドの位置を、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で調整する調整移動部と、
前記ヘッドは、ノズル列がX軸方向と平行になるように並べられ、
前記X軸方向は、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向であり、
前記ノズル列は、複数の前記ノズルを含み、
前記制御部は、
認識した前記浮き部分の位置に基づき、前記ヘッドのうち、前記記録媒体と衝突するおそれがある前記ヘッドである調整対象ヘッドを判定し、
前記Z軸方向において前記記録媒体から離れる方向に、前記調整対象ヘッドを前記調整移動部に退避させることを特徴とするインク吐出装置。 - 複数の前記ラインヘッドを含み、
前記ラインヘッドは、それぞれ吐出するインクの色が異なり、
それぞれの前記ラインヘッドは、
Y軸方向において、並べて設けられ、
同じ数の前記ヘッドを含み、
前記Y軸方向は前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向であり、
それぞれの前記ラインヘッドの前記ヘッドは、前記X軸方向の位置が同じとなるように並べられ、
前記制御部は、
認識した前記浮き部分の位置に基づき、前記ラインヘッドごとに、前記調整対象ヘッドを判定し、
前記Z軸方向において前記記録媒体から離れる方向に、複数の前記調整対象ヘッドをまとめて前記調整移動部に退避させることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク吐出装置。 - 前記調整移動部は、
前記調整用モーターと、
前記調整用モーターに接続された調整用ボールねじと、
前記調整用ボールねじに挿し通され、前記ヘッドと接続されている調整用ナットと、を含み、
前記制御部は、前記調整用モーターの回転を制御して、前記Z軸方向における前記ヘッドの位置を調整することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインク吐出装置。 - 前記制御部は、
前記調整対象ヘッドと判定していない前記ヘッドについては、前記ヘッドの前記Z軸方向の位置を前記調整移動部に印刷時基準位置とさせ、
前記調整対象ヘッドと判定した前記ヘッドについては、前記印刷時基準位置よりも前記記録媒体から離れるように、前記調整移動部に前記ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインク吐出装置。 - 前記制御部は、
前記浮き部分が前記ラインヘッドを通過したか否かを判定し、
前記浮き部分が前記ラインヘッドを通過したと判定したとき、前記ヘッドの前記Z軸方向の位置を前記印刷時基準位置に戻させることを特徴とする請求項5に記載のインク吐出装置。 - 前記制御部は、
前記インク印刷用画像データに基づき、前記ヘッドごとに前記印刷時基準位置を設定することを特徴とする請求項6に記載のインク吐出装置。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載のインク吐出装置と、
前記記録媒体を搬送する前記搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される前記記録媒体を、版を用いて印刷する前記版装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018142590A JP2020019157A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | インク吐出装置及び印刷システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018142590A JP2020019157A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | インク吐出装置及び印刷システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020019157A true JP2020019157A (ja) | 2020-02-06 |
JP2020019157A5 JP2020019157A5 (ja) | 2020-09-17 |
Family
ID=69589343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018142590A Pending JP2020019157A (ja) | 2018-07-30 | 2018-07-30 | インク吐出装置及び印刷システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020019157A (ja) |
-
2018
- 2018-07-30 JP JP2018142590A patent/JP2020019157A/ja active Pending
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