1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における第1始動口11の右上方には、第2大入賞口15(特別入賞口)を備えた第2大入賞装置15Dが設けられている。第2大入賞口15を、第2特別入賞口ともいう。また第2大入賞装置15Dを、第2アタッカー(AT)や、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置ともいう。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とをとる第2AT開閉部材15kを備え、第2AT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2AT開閉部材15kは、第2大入賞口ソレノイド15s(図5参照)により駆動される。第2大入賞口15は、第2AT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第2大入賞口15は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第2大入賞装置15Dの右上方には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左上方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置14Dが設けられている。第1大入賞口14を、第1特別入賞口ともいう。また第1大入賞装置14Dを、第1アタッカー(AT)や、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置ともいう。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる第1AT開閉部材14kを備え、第1AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1AT開閉部材14kは、第1大入賞口ソレノイド14s(図5参照)により駆動される。第1大入賞口14は、第1AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口14は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。特に本形態では、電チュー12Dの左下方に、一般入賞口10が配されている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、第1大入賞口14(第1大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、一般入賞口10と、第2大入賞口15(第2大入賞装置15D)と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、第1大入賞口14、第2始動口12、一般入賞口10、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
ここで、図3に基づいて、電チュー開閉部材12kが開状態であるときの遊技球の流れと、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときの遊技球の流れについて説明する。なお本形態では、右打ちによって右遊技領域6Rに向けて打込まれた遊技球は、図2に示すように、ほぼゲート13を通過して、電チュー開閉部材12kの上方に到達するようになっている。
図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが後方に退避しているため、第2始動口12にそのまま入球する。つまり、電チュー12Dよりも左方に配されている一般入賞口10や第2大入賞口15の方に向かうことがない。よって、後述する電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴う高確時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球して、一般入賞口10に入球することがほとんどない。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、仮に第2大入賞口15が開放されていても、第2大入賞口15に入球することがほとんどない。
一方、図3(B)に示すように、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、電チュー開閉部材12kの上方に到達した遊技球は、電チュー開閉部材12kが前方に進出しているため、電チュー開閉部材12kに当接した後に左方へ流下する。これにより、左方に流下した遊技球は、一般入賞口10の方に向かうと共に、第2大入賞口15の方に向かう。よって、後述する非電サポ制御状態(電サポ制御状態を伴わない高確非時短状態)では、右打ちされた遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに、一般入賞口10に入球することが可能である。更に、後述する小当たり遊技の実行によって、開放した第2大入賞口15に入球することが可能である。
図2に示す遊技盤1の説明に戻る。図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり図柄(特定の停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における第1大入賞口14の開放パターンと、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「○●●○○●●●」というように左から1,4,5番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。なお本形態では、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能なパチンコ遊技機PY1(所謂「同時変動可能なパチンコ遊技機」)である。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図5から図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図5から図7に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。なお、後述するようにRAMクリアスイッチ119は設定値を設定するために用いられる。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
遊技制御基板100には、図5に示すように、後述する設定値の変更を可能とするための設定値シリンダ70が設けられている。設定値シリンダ70には、専用の設定鍵を挿入させる挿入穴70Aが設けられている。挿入穴70Aに設定鍵(不図示)を挿入すると、設定値シリンダ70を基準の待機状態から90度時計回りに回転させることができる。そして、後述するように、設定値シリンダ70を待機状態から90度時計回りに回転させると設定状態となる。これにより、RAMクリアスイッチ119の操作による設定変更が可能となる。RAMクリアスイッチ119は押下操作可能に構成されている。さらに、遊技制御基板100の表面には、現在の設定値を表示する設定値表示器87が搭載されている。また設定値表示器87は、赤色7セグメント表示器で構成されている。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。また、遊技用RAM104には、後述する設定値を示す設定値データを記憶する設定値記憶部107が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14内に設けられて、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15内に設けられて、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内に設けられて、一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの第1AT開閉部材14kを駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15Dの第2AT開閉部材15kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)、ならびに設定値表示器87が接続されている。これらの表示器類8および設定値表示器87の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、設定値シリンダセンサ70aが含まれている。設定値シリンダセンサ70aは、設定値シリンダ70の回転操作を検知可能である。設定値シリンダ70の回転操作があった場合には、設定値シリンダセンサ70aが設定値シリンダ70の回転操作を検知し、設定値シリンダ70の回転操作があったことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
また電源基板190にはRAMクリアスイッチセンサ119aが接続されている。RAMクリアスイッチセンサ119aは、RAMクリアスイッチ119の押下操作を検知可能である。RAMクリアスイッチ119の押下操作があった場合には、RAMクリアスイッチセンサ119aがRAMクリアスイッチ119の押下操作を検知し、RAMクリアスイッチ119の押下操作があったことを示す検知信号を遊技制御基板100に出力する。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン(示唆演出実行手段)121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。また演出用RAM124には、設定値フラグを記憶する設定値フラグ記憶部125が設けられている。
また図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図6及び図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図6及び図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図6又は図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図6又は図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり(大当たり当選)」、「小当たり(小当たり当選)」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。但し本形態では、第2特別図柄の抽選がなされる場合に限って、第2特別図柄表示器41bに小当たり図柄が停止表示されることがあって、第1特別図柄の抽選がなされる場合には、第1特別図柄表示器41aに小当たり図柄が停止表示されることはない。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図8に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。「確変大当たり」と「通常大当たり」である。「確変大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に移行させる大当たりである。「通常大当たり」は、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)に移行させる大当たりである。
図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、4種類ある。具体的に、第1特別図柄の抽選で確変大当たり1となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄1」が停止表示される。また第1特別図柄の抽選で確変大当たり2となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄2」が停止表示される。また第1特別図柄の抽選で確変大当たり3となる場合には、大当たり図柄として「特図1_確変図柄3」が停止表示される。これらに対して、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなる場合に、大当たり図柄として「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別には、5種類ある。具体的には、第2特別図柄の抽選で確変大当たり4となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄1」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり5となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄2」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり6となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄3」が停止表示される。また第2特別図柄の抽選で確変大当たり7となる場合には、大当たり図柄として「特図2_確変図柄4」が停止表示される。これらに対して、第2特別図柄の抽選で通常大当たりとなる場合には、大当たり図柄として「特図2_通常図柄」が停止表示される。
そして、大当たり(大当たり図柄)の種別に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が10000回又は100回或いは40回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(規定回数)のことである。
ここで本パチンコ遊技機PY1の遊技状態は、大きく分けて3つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「通常遊技状態」や「低確非時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」とも呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態」とも呼ぶ)とがある。なお初期設定では、通常遊技状態である。
図8に示すように、第1特別図柄の抽選で、確変大当たり1に当選する場合(特図1_確変図柄1(第1大当たり)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合には、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回に設定される。
また第1特別図柄の抽選で、確変大当たり2に当選する場合(特図1_確変図柄2が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回(第1規定回数)に設定される。
また第1特別図柄の抽選で、確変大当たり3に当選する場合(特図1_確変図柄3(第2大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が40回(第2規定回数)に設定される。
これらに対して、第1特別図柄の抽選で、通常大当たりに当選する場合(特図1_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が設定されることはない。なお、特図1_確変図柄1と、特図1_確変図柄2と、特図1_確変図柄3と、特図1_通常図柄に対する振分率は、20%:20%:25%:35%に設定されている。
また図8に示すように、第2特別図柄の抽選で、確変大当たり4に当選する場合(特図2_確変図柄1(第1大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合には、時短状態は、実質的に次の大当たりへの当選(大当たり遊技の開始)まで継続するようになっていて、時短回数が10000回に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり5に当選する場合(特図2_確変図柄2が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が100回(第1規定回数)に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり6に当選する場合(特図2_確変図柄3(第2大当たり当選)が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)に制御される。この場合の時短状態では、時短回数が40回(第2規定回数)に設定される。
また第2特別図柄の抽選で、確変大当たり7に当選する場合(特図2_確変図柄4が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される。この場合には勿論、時短回数が設定されることはない。
これらに対して、第2特別図柄の抽選で、通常大当たりに当選する場合(特図2_通常図柄が停止表示する場合)には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)に制御される。なお、特図2_確変図柄1と、特図2_確変図柄2と、特図2_確変図柄3と、特図2_確変図柄4と、特図2_通常図柄に対する振分率は、20%:20%:20%:5%:35%に設定されている。
また図8に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり又は通常大当たりの何れであっても、16R(実質8R)大当たりである。この16R(実質8R)大当たりでは、1Rから8Rまでは第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは第1大入賞口14を最大0.1秒にわたって開放する。従って、9Rから16Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は8Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
また、第2特別図柄の抽選で当選する大当たりでは、確変大当たり又は通常大当たりの何れであっても、16R大当たりである。この16R大当たりでは、1Rから16Rまで第1大入賞口14を最大29.5秒にわたって開放する。なお大当たり遊技の1ラウンド中、又は小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
また本形態では、上述したように、第2特別図柄の抽選に限って、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口15が1.6秒だけ1回開放する。最後に、0.3秒だけエンディングが実行される。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。図9(A)に示すように、当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.大当たり判定テーブルと設定値の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり又は小当たり或いはハズレを決定する。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)から図10(F)に示すように、設定されている設定値ごとに設けることが可能である。すなわち、大当たり判定テーブルを、設定値に関連付けることが可能である。
設定値とは、大当たり判定で大当たりと判定される確率(以下、「大当たり確率」ともいう)に関連付けられたパラメータのような値のことである。後述するように、設定値は、遊技制御基板100の電源投入時において設定することができる。前述の設定値シリンダ70、およびRAMクリアスイッチ119の操作によって、パチンコ遊技機PY1ごとに設定値を設定することができる。
本形態では、設定値は1〜6の6種類設定されている。具体的には、大当たり判定テーブルには、設定値が「1」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(A)参照)と、設定値が「2」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(B)参照)と、設定値が「3」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(C)参照)と、設定値が「4」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(D)参照)と、設定値が「5」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(E)参照)と、設定値が「6」のときに用いられる大当たり判定テーブル(図10(F)参照)と、がある。
そして、さらに設定値に関連付けられた大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。なお、設定値の種類は本形態のように6種類に限らず7種類以上であったり、5種類以下であっても良く、適宜に設定することができる。
設定値および遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、大当たり乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、設定値および遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した大当たり乱数を照合して、大当たり又は小当たり或いはハズレであるかを判定する。図10(A)から図10(F)に示すように、各設定値について、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。さらに、同一の遊技状態に対して、設定値が高くになるにつれて、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。すなわち、設定値が高いほど大当たりと判定され易い。
本形態では図10(A)から図10(F)に示すように、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選することがある一方、第1特別図柄の抽選で小当たり当選はないように設定されている。なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する大当たり乱数の判定値の振り分け方については、本形態に限られるものではなく適宜に変更することが可能である。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりへの当選を狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(H)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図10(I)に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では1.1秒であるのに対して、時短状態では1.0秒である。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
更に時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1.0秒だけ開放するのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3.0秒だけ開放する。
加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。具体的には図12に示すように、非時短状態では、電チュー12Dが1回しか開放しないのに対して、時短状態では、電チュー12Dが3回開放する。時短状態において、電チュー12Dが閉鎖してから次の開放までのインターバル時間は、0.5秒に設定されている。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ところで本形態では、非入球容易状態であっても、右打ちされた遊技球は、ある程度電チュー12Dに入球し得るように設定されている。即ち、図10(H)に示すように、非時短状態であっても、時短状態と同様に、普通図柄の抽選でほぼ当たりと判定され得る。また図10(H)に示すように、普通図柄の変動時間も、時短状態と同様に、比較的短い時間(1.1秒)に設定されている。但し時短状態と比べて、非時短状態での補助遊技では、電チュー12Dの開放時間が1秒であって、1回しか開放しない。こうして、非入球容易状態、即ち非入球容易状態を伴う非時短状態であっても、右打ちされた遊技球が、電チュー12Dにある程度入球可能に設定されている。この理由については、後述する。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後に高確率状態に制御されると、その高確率状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確率状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
なお、大当たり遊技と小当たり遊技とをまとめて、「特別遊技」と称することとし、特別遊技(大当たり遊技,小当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態,小当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
電サポ制御状態を伴う高確時短状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、電サポ制御状態を伴わない通常遊技状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。後述するように、通常遊技状態で第2特別図柄の変動表示が実行されると、600000ms(図11参照)という極めて長い間、変動表示が継続されてしまい、第2特別図柄の抽選結果をしばらく得ることができないためである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、スムーズに遊技を進めることができる。
本形態では、第2特別図柄の抽選において、図10(A)から図10(F)に示す大当たり判定テーブルのいずれのテーブルにおいても、約5分の1の確率で小当たりに当選するように設定されているため、通常遊技状態を除いて、小当たりに比較的に頻繁に当選することが可能である。そのため、第2特別図柄の抽選が続く限り、小当たり遊技が比較的頻繁に実行されて、第2大入賞口15が比較的頻繁に開放し得るようになっている。
ここで電サポ制御状態を伴う高確時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、電チュー開閉部材12kが頻繁に開放しているとことで、ほとんど第2始動口12に入球してしまい、小当たり遊技によって開放している第2大入賞口15に入賞することがほとんどない。つまり、特図2の抽選が頻繁に実行されて、小当たり遊技によって第2大入賞口15が比較的頻繁に開放しても、第2大入賞口15への入賞をほぼ得ることができない。
これに対して、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態の場合、右打ちされた遊技球は、上述したように、ある程度電チュー12Dに入球し得る。そのため、第2特別図柄の抽選が実行されて、小当たり遊技の実行によって第2大入賞口15が開放し得る。この場合、右打ちされた遊技球のうち、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、小当たり遊技の実行によって開放した第2大入賞口15に入賞させることができる。こうして非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態では、電チュー12Dにある程度頻繁に入球させることができると共に、第2大入賞口15にもある程度入賞させることできる。更に本形態では、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、一般入賞口10にもある程度入球し得るように設定されている。
よって、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態は、電サポ制御状態を伴う高確時短状態よりも、多くの賞球を獲得することができる有利な遊技状態である。つまり、高確時短状態では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、高確非時短状態では、ベースが「1」を超えるように設定されている。こうして、本形態の高確非時短状態(特別遊技状態)は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、第2大入賞口15へ入賞し易い有利な遊技状態となるため、以下では「小当たりラッシュ状態」とも称する。
ここで本形態では、非電サポ制御状態を伴う高確非時短状態で、右打ちされた遊技球がある程度電チュー12Dに入球し得るように設定したため、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)でも、右打ちされた遊技球が電チュー12Dに入球できることになる。従って、通常遊技状態において右打ちされないように対策を施す必要がある。
そこで本形態のパチンコ遊技機PY1では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能になっていて、図11に示すように、低確非時短状態における第2特別図柄の変動時間を、「600000ms(10分)」という極めて長い時間に設定している。即ち、低確非時短状態において、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなるように、低確非時短状態での専用の特図変動パターンテーブルを備えている。従って、非電サポ制御状態を伴う通常遊技状態(低確非時短状態)で遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球すると、第1特別図柄の変動表示中であっても、第2特別図柄が10分間、変動表示を続けることになる。よって遊技者は、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。以上により、通常遊技状態で遊技者が右打ちをしても、遊技者に不当な利益を与えないように右打ち対策を施している。
ところで本形態では、時短状態の終了条件として、上述したように特別図柄の変動表示の実行回数(以下「特図の変動回数」と呼ぶ)が規定回数(10000回又は100回或いは40回)に至る終了条件が設けられている。
本形態では、上述したように、高確非時短状態(第2遊技状態,特別遊技状態)が高確時短状態(第1遊技状態,特定遊技状態)よりも、遊技者に有利になるように設定している。そして、高確非時短状態は、高確時短状態から移行できる点に特徴がある。高確時短状態において、特図の変動回数が規定回数(時短回数)に至れば、時短状態から非時短状態に切替わるため、高確非時短状態になる。従って、遊技者から見れば、時短回数を全て消化すれば、有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することができる。こうして、高確時短状態において、遊技者には時短回数を積極的に消化させて、所謂「天井」のように特図の変動回数が規定回数に達することを期待させる遊技性になる。よって、従来にはない斬新な興趣性を提供することが可能である。
ここで従来の一般的な遊技性と、本形態の遊技性との違いについて説明する。従来の一般的な遊技性では、遊技者は通常遊技状態での特別図柄の抽選で、確変大当たりを狙う。確変大当たりであれば、大当たり遊技後に高確時短状態に制御される。この高確時短状態においては、時短回数やST回数(高確率状態が継続することが可能な特別図柄の変動表示の上限実行回数)が消化されるまでの間に、次回の大当たりの当選を狙うことになる。時短回数やST回数は、大当たりへの当選時点で決められるため、従来では大当たり⇒高確時短状態⇒大当たりを繰り返すという単調な遊技性になっている。
これに対して本形態では、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されても、その後に更に有利な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行させることができる。その高確非時短状態に移行させるためには、時短回数を全て消化するという条件を満たす必要がある。従って、高確時短状態における遊技者のツキ(引き)次第で、大当たり遊技後の遊技状態(高確時短状態)よりも、更に有利な遊技状態(高確非時短状態)に移行できる遊技性である。従って、大当たり⇒高確時短状態⇒大当たりを繰り返すという遊技性ではなく、従来にない斬新な遊技性を提供することができる。
即ち、従来の一般的な遊技性では、大当たり当選時にその後の遊技の流れが決まってしまうのに対して、本形態の遊技性では、大当たりに当選した後(高確時短状態)に、小当たりラッシュ状態(高確非時短状態)への移行に自力で抽選により獲得できるという遊技の流れであるため、従来に無いドキドキ感を体感することが可能である。
更に、従来の一般的なST機(高確率状態に制御されてから特別図柄の変動表示が上限実行回数に至るまで高確率状態が継続するパチンコ遊技機)では、高確時短状態において特別図柄の変動表示が実行される度に、通常確率状態への移行に近づく焦燥感を与える遊技性である。また従来の一般的なループ機(高確率状態が実質的に次回の大当たりに当選するまで継続するパチンコ遊技機)では、高確時短状態においてできるだけ早く次回の大当たりの当選を期待させる遊技性である。これに対して本形態では、高確時短状態において、ハズレを示す特別図柄の変動表示が実行される度に、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)への移行に近づく高揚感を与える遊技性である。そして高確非時短状態になれば、できるだけ次回の大当たりの当選を引かずに、小当たり当選になるのを期待させる遊技性である。以上により遊技者には、従来の一般的な遊技性とは逆の感覚を与えることが可能であり、斬新な興趣性を提供することが可能である。
その上で本形態では、高確時短状態を経由しないでも、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)を獲得することが可能になっている。具体的には、図8に示すように、第2特別図柄の抽選で、特図2_大当たり図柄4に当選すれば、大当たり遊技の直後に高確非時短状態に制御される。従って遊技者には、第2特別図柄の抽選において、いきなり小当たりラッシュ状態を獲得できる特図2_大当たり図柄4への当選を最も期待させる。こうして、大当たり遊技後に高確時短状態を経由して小当たりラッシュ状態を獲得する場合の他、大当たり遊技後にいきなり小当たりラッシュ状態を獲得できる場合があることで、遊技者には多様性のあるゲームの流れを体感させることが可能である。
なお図8に示すように、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、ラウンド数が16Rであるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、実質的なラウンド数が8Rである。また第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できる大当たり図柄(特図2_大当たり図柄4)があるのに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、高確非時短状態に移行できる大当たり図柄が無い。従って本形態では、大当たり遊技中の出玉の多さと、より有利な遊技状態に移行できることにより、第2特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選よりも有利に設定されている。
また、本形態では、設定される設定値ごとに関連付けられた高確率用大当たり判定テーブルが異なる。すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「1」であれば、高確率状態では約30分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(A)参照)。また第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「2」であれば、高確率状態では約28分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(B)参照)。また第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「3」であれば、高確率状態では約26分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(C)参照)。また第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「4」であれば、高確率状態では約24分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(D)参照)。また第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「5」であれば、高確率状態では約22分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(D)参照)。また第1特別図柄と第2特別図柄の抽選において、設定値が「6」であれば、高確率状態では約20分の1の確率で大当たりに当選するように設定されている(図10(F)参照)。
従来、例えば大当たりに当選する確率が最も低い設定値「1」に設定されてしまうと遊技者にとって遊技を行うには不利な状況となるだけであった。ところが、本形態では、上述したように設定値「1」が設定された場合には、設定値「6」が設定された場合よりも、高確時短状態における特別図柄の抽選にて大当たりに当選する確率が低いため、大当たりに当選することなく特図の変動回数が規定回数に達して、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行し易くなる。また上述したように設定値「1」が設定された場合には、設定値「6」が設定された場合よりも、高確非時短状態における特別図柄の抽選にて大当たりに当選する確率が低いため、大当たりに当選することなく高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)が継続し易くなる。従って、遊技者にとって不利な設定値が設定された場合であっても、遊技者にとって有利な設定値が設定されている場合よりも遊技者にとって利点となる場合もある。これにより、遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
6.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機PY1の遊技の流れについて、図13に基づいて説明する。図13に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、高確時短状態と、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)との間を移行しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒高確時短状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。なお図13では、高確時短状態に移行する場合を白抜きの矢印で示していて、高確非時短状態に移行する場合を斜線付きの矢印で示していて、低確非時短状態に移行する場合をドット付きの矢印で示している。
低確非時短状態では、第1始動口11や一般入賞口10へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。図13に示すように、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図1_確変図柄1になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が10000回に設定される。従って、実質的に時短回数の消化によって高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できない。
また、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、20%の確率で特図1_確変図柄2になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が100回に設定される。従って次回の大当たりを引き当てる前に、時短回数である100回を全て消化すれば、高確非時短状態に移行することができる。
また、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、20%の確率で特図1_確変図柄3になる。この場合、大当たり遊技後の高確時短状態では、時短回数が40回に設定される。従って次回の大当たりを引き当てる前に、時短回数である40回を全て消化すれば、高確非時短状態に移行することができる。
これらに対して、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特図1_通常図柄になる。この場合、大当たり遊技後に再び低確非時短状態(通常遊技状態)に制御される。従って、遊技者は左打ちを行って、特図1の抽選で再び大当たりへの当選を狙うことになる。
ここで高確時短状態では、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。電サポ制御状態によって、電チュー12Dが頻繁に開放されているからである。但し、右打ちされた遊技球は、図3(A)に示すように、ほぼ電チュー12Dに入球するため、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することはほぼない。従って、持ち球が大きく減ることはないものの、持ち球を増やす(ベースが1を超える)ことは不可能である。
これに対して、高確非時短状態でも、右打ちにより電チュー12Dへの入球を狙うことになる。但し本形態では、非電サポ制御状態でも、電チュー12Dにある程度入球して、電チュー12Dに入球しなかった遊技球は、図3(B)に示すように、一般入賞口10や第2大入賞口15に入賞することができる。従って、高確非時短状態が続く限り(次回の大当たりを引き当てない限り)、遊技者は、一般入賞口10や第2大入賞口15への入賞によって、持ち球を徐々に増やす(ベースが1を超える)ことが可能である。
図13に示すように、高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄1になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄1に当選した場合と同様である。また高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄2になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄2に当選した場合と同様である。また高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選すると、20%の確率で特図2_確変図柄3になる。この場合、大当たり遊技でのラウンド数が異なること以外、上記した特図1_確変図柄3に当選した場合と同様である。
ここで、特図2の抽選で大当たりに当選した場合に限り、5%の確率で特図2_大当たり図柄4になる。この場合には、大当たり遊技後に、高確時短状態を経由しないで、いきなり最も有利な高確非時短状態に移行することが可能である。これらに対して、高確時短状態又は高確非時短状態にて、特図2の抽選で大当たりに当選した場合、35%の確率で特図2_通常図柄になる。この場合には、上記した特図1_通常図柄に当選した場合と同様、大当たり遊技後に低確非時短状態(通常遊技状態)に制御される。
本形態では各遊技状態に対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置50における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置50の表示画面50aに表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図14に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、高確時短状態に対応する夜モードと、高確非時短状態に対応する宇宙モードとがある。
昼モードに設定されているときには、図14(A)に示すように、表示画面50aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。
夜モードに設定されているときには、図14(B)に示すように、表示画面50aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(高確時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12Dへの入賞を狙うことが可能である。
また宇宙モードに設定されているときには、図14(C)に示すように、表示画面50aに宇宙を示す宇宙背景画像H3が表示される。そのため、宇宙背景画像H3を見た遊技者に対して、最も有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に制御されていると認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raが表示される。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、電チュー12D、一般入賞口10、及び第2大入賞口15への入賞を狙うことが可能である。なお一般入賞口10や第2大入賞口15への入賞を促す演出は、右打ち画像Raの表示に限られず、その他の画像の表示や、特定のランプの発光や特定の音声の出力等であっても良い。
7.時短状態の終了タイミング
次に、本パチンコ遊技機PY1における時短状態の終了タイミングについて説明する。従来の一般的なパチンコ遊技機では、時短状態の終了条件として、時短回数が規定回数に至る終了条件が成立した場合に、規定回数に至った特別図柄の停止表示が終了したタイミング(停止時間が終了するタイミング)で時短状態から非時短状態に切替えている。しかしながら、この時短状態の終了タイミングでは、時短状態の終了条件が成立したタイミングと時間的なずれがある。つまり、規定回数に至った特別図柄の変動表示の開始タイミング(時短状態の終了条件が成立したタイミング)から、規定回数に至った特別図柄の停止表示が終了したタイミング(時短状態の終了タイミング)までの間に、時短状態が未だ残って継続する残存期間がある。この残存期間では、未だ電サポ制御状態であるため、電チューに遊技球が入球してしまい、第2特図保留が貯まる可能性がある。よって、パチンコメーカーの設計者や開発者は、このような残存期間での第2特図保留も考慮して、開発を行う必要があり、開発負担となっていた。
そこで本形態では、時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態に切替えるようにしている。つまり、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、時短状態の終了タイミングとを一致させるようにしている。なお時短状態の終了タイミングは、厳密に言えば、遊技制御用マイコン101が後述する特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図2大当たり判定処理(S1502)を行った後で、時短状態の終了契機となった特別図柄の変動表示を開始するための処理(第1特別図柄変動中処理(S1005)及び第2特別図柄変動中処理(S1105))を実行する前になる。
本形態では、上述したように時短状態の終了条件として、時短状態に制御されてから特図の変動回数が規定回数(時短回数)に至る終了条件がある。従って、上記終了条件が成立した場合の時短状態の終了タイミングを、図15に基づいて説明する。なお図15では、確変図柄2(特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2)に当選した場合を例として示している。上述したように、確変図柄2に当選した場合には、時短回数が100回に設定される(図8参照)。
図15(A)に示すように、時短状態にて第2特別図柄の変動表示が99回実行された後、第2特別図柄が100回目として変動表示を開始することとする。この場合には、第2特別図柄が変動表示を開始するタイミングで、時短状態から非時短状態に切替える。こうして、終了条件が成立したタイミングと時短状態の終了タイミングとを一致させることで、第2特別図柄が停止表示を終了するタイミングよりも前に、時短状態を終了させている。これにより、100回目の第2特別図柄の変動表示中及び停止表示中に、時短状態が残存することを考慮して開発する負担を無くすことが可能である。
特に本形態では、同時変動可能なパチンコ遊技機PY1であるため、100回目の第2特別図柄の変動表示が開始された直後に、図15(B)に示すように、イレギュラーとして遊技球が第1始動口11に入球して、第1特別図柄の変動表示が開始される場合が有り得る。この場合、仮に従来のように、100回目の第2特別図柄の停止表示が終了するタイミングで時短状態が終了すると、イレギュラーの第1特別図柄の変動表示が時短状態で実行されてしまう。そうなると、時短回数が100回に設定されているにも拘わらず、時短状態で101回の特別図柄の変動表示を許容することになってしまう。そこで本形態のように、100回目の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示を開始するタイミングで、時短状態を終了させることで、特図の変動回数が100回である規定回数を超えるのを確実に防ぐことが可能である。つまり、上述したイレギュラーの第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。
8.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図16〜図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
電源基板190から遊技制御基板100に電源電圧が供給されると、遊技制御用マイコン101は、遊技用ROM103から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
同図に示すように、主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン101は、まず、割り込みを禁止し(S001)、次いで遊技用RAM104へのアクセスを許可に設定する(S002)。続いて、遊技制御用マイコン101は、設定値を設定する設定値設定の操作がされているか否かを判定する(S003)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、設定値シリンダ70が待機状態から設定状態まで回転操作され、およびRAMクリアスイッチ119が押下操作されているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値設定の操作がされていないと判定するとステップS004に進み、設定値設定の操作がされていると判定すると、ステップS007に進んで、設定値を設定する設定値設定処理を行った後にステップS008に進む。設定値設定処理については後述する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS004において、初期値を必要とする遊技用RAM104の使用領域に初期値を設定する遊技用RAM104の設定処理を行う。ステップS005において、電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信し、ステップS006に進む。遊技用RAM104の設定値記憶部107には設定値データが記憶されているため、ステップS006において、その設定値データを示す設定値を設定値表示器87に表示し、ステップS010に進む。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS008において、遊技用RAM104の使用領域をクリアし、初期値を必要とする遊技用RAM104の使用領域に初期値を設定する遊技用RAM104の設定処理を行う。ステップS009においてRAMクリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS010において、使用するCTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)等を設定するCTC起動設定処理を行い、ステップS011において、割り込みを許可する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS012において、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理が終了すると、遊技制御用マイコン101は、ステップS013において、電源が遮断されたか否かを判定する。具体的には、遊技制御用マイコン101は、電源基板190の電断検出回路から電断検出信号が入力したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されていないと判定するとステップS012に進む。一方、遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されたと判定すると、ステップS014において、割り込みを禁止し、ステップS015において、遊技用RAM104へのアクセスを禁止して、遊技用RAM104に記憶されているデータをバックアップデータとして記憶してから、パチンコ遊技機PY1の電源が遮断されるのを待つ。
[設定値設定処理]次に、図17を用いて、設定値設定処理(S007)について説明する。遊技制御用マイコン101は、設定値設定処理においてまずは、ステップS051において、遊技用RAM104にバックアップされている設定値データを設定値記憶部107に記憶して、その設定値データが示す設定値を設定値表示器87に表示する(S051)。
次いで、遊技制御用マイコン101は、ステップS052において、RAMクリアスイッチ119の操作があったか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ119への操作がなかったと判定すると、ステップS055に進み、RAMクリアスイッチ119への操作があったと判定すると、ステップS053に進む。ステップS053において、設定値データが示す設定値を「1」増加させて新しい設定値を設定し、ステップS054において、新しい設定値を設定値表示器87に表示する。
なお、本形態において設定値は1〜6の6段階設定されており、設定値「6」のときにRAMクリアスイッチ119が操作されると、設定値「1」が新たに設定されることになる。RAMクリアスイッチ119の操作による設定値の変化態様は「1」増加に限られず、「1」減少やランダムに変化などであっても良い。
ステップS055において、遊技制御用マイコン101は、設定値を確定する設定値確定の操作があったか否かを判定する。具体的に、遊技制御用マイコン101は、設定値シリンダセンサ70aに基づいて、設定値シリンダ70がOFFになっている、すなわち、設定値シリンダ70が設定状態から回転操作されて待機状態に戻ったか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値確定の操作がないと判定するとステップS052に進む。設定値確定の操作があったと判定すると、ステップS056において、設定値データが示す設定値の情報を含んだ設定値指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして演出制御基板120に送信し、設定値設定処理を終え、主制御メイン処理に戻る。なお演出制御基板120は設定値指定コマンドを受信すると、設定値指定コマンドが示す設定値を表す設定値フラグを演出用RAM124にある設定値フラグ記憶部125に記憶する。
なお、ステップS055に係る設定値シリンダ70を設定状態から待機状態に移行させる回転操作を行うことによって、設定値設定処理が終了し、設定値が確定することから、この操作は、設定値を確定させるための操作と位置づけることできる。これに対して、ステップS003に係る設定値シリンダ70を待機状態から設定状態にする回転操作は、設定値を設定するための操作と位置づけることできる。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S020)について説明する。図18に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S020)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS012〜S013の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図19に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS210に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS210に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
次に、特図1事前判定処理を行う(S209)。特図1事前判定処理では、第1特別図柄に対応する第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS208で取得した情報とを照合して事前判定コマンドを特定し、特定した事前判定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S210)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S210でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S210でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S211)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S211でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S211でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S212)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S213)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S213)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
次に、特図2事前判定処理を行う(S214)。特図2事前判定処理では、第2特別図柄に対応する第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS213で取得した情報とを照合して事前判定コマンドを特定し、特定した事前判定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図18参照)。図20に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(H)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(I)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1.1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図18に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技に関する処理である。図21に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特図表示器81(主に第1特図表示器81a)および大入賞装置(第1大入賞装置14D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選によって実行された大当たり遊技に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006で全てNO)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行う(S1009)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図18に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図22に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特図表示器81(主に第2特図表示器81b)および大入賞装置(第1大入賞装置14D,第2大入賞装置15D)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン101は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中には、特図2の抽選によって実行された大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」ではなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第2特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図23に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1204)を実行する。続いて、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1205)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1206)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理を実行する(S1207)。特図1変動開始処理(S1207)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特図表示器81a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1207)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図24に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部105aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態と設定された設定値に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)から図10(F)のいずれか)をセットする(S1302)。すなわち、例えば設定値「1」であって、通常確率状態(非高確率状態)であれば、図10(A)に示す大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、例えば設定値「6」であって、高確率状態であれば、図10(F)に示す大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図28のステップS1605参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1304)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1308)、本処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には、大当たり当選を示す特図2の変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)から図10(F)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1304)。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1304でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1305)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1306)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1307)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1304でNO)、ステップS1308に進む。ステップS1308では、上述したように、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして、処理を終える。
[特図1変動パターン選択処理]次に図25および図26に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図23に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1404)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1404でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1404でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図26に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1406と同様の流れで処理(S1407〜S1411)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1407でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1409でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1409でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図25に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1412)、本処理を終える。ステップS1412でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1207でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチの中には、弱SPリーチAと弱SPリーチBと強SPリーチとがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が異なっている。具体的には、弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、当選期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図27に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン101は、後述する遊技状態管理処理(S1504)を実行する。続いて、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1505)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1506)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理を実行する(S1507)。特図2変動開始処理(S1507)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特図表示器81b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1507)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図28に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部105bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態と設定された設定値に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)から図10(F)のいずれか)をセットする(S1602)。すなわち、例えば設定値「1」であって、通常確率状態(非高確率状態)であれば、図10(A)に示す大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、例えば設定値「6」であって、高確率状態であれば、図10(F)に示す大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図24のステップS1305参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1604)及び小当たりの当否判定(S1608)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。これにより、大当たり当選を示す特図1の変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)から図10(F)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1604でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1605)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1606)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をセットして(S1607)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1604でNO)、ステップS1608に進む。
ステップS1608では、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)から図10(F)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1608でYES)、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(24H)をセットして(S1610)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1608でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1611)、処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理]次に図29〜図31に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図29に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(後述する時短フラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて、遊技状態が高確率状態か否か(後述する確変フラグがONか否か)を判定する。高確率状態でなければ(S1702でNO)、すなわち低確非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1703)。ONであれば(S1703でYES)、低確非時短状態中大当たりテーブル(図10に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。
またステップS1703において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1703でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1705)。ONであれば(S1705でYES)、低確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。
一方、小当たりフラグがONでなければ(S1705でNO)、低確非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ低確非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、図11に示すように、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルと、高確時短状態における特図2の変動パターンテーブルとを別個に備えている。そして、低確非時短状態における特図2の変動パターン判定テーブルを用いる場合、600000msという極めて長い変動時間になる変動パターンP21,P22,P23が選択されるようにしている。これにより、低確非時短状態において、遊技者が右打ちを行って、電チュー12Dに入球しても、第2特別図柄の抽選結果を10分という極めて長い間得ることができない。よって、低確非時短状態において右打ちという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
またステップS1702にて、高確率状態と判定すれば(S1702でYES)、高確非時短状態であることになり、図30に示すように、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1708)。ONであれば(S1708でYES)、高確非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1709)。
またステップS1708において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1708でNO)、続いて、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1710)。ONであれば(S1710でYES)、高確非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
またステップS1710において、小当たりフラグがONでなければ(S1710でNO)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1712)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1712でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、高確非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1713)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1712でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、高確非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ高確非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図31に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1708〜S1714と同様の流れで処理(S1715〜S1721)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1715でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1716)。
また小当たりフラグがONであれば(S1717でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1718)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1719でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1720)。
またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1719でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1721)。ここで図10(G)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「1」〜「10」であり、非時短状態であれば「1」〜「30」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図29に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1722)、本処理を終える。ステップS1722でセットした変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1507でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[遊技状態管理処理]第1特別図柄待機処理(S1003)における遊技状態管理処理(S1204)と、第2特別図柄待機処理(S1103)における遊技状態管理処理(S1504)とをまとめて説明する。本形態では、遊技状態管理処理(S1204,S1504)が、特図1大当たり判定処理(S1202),特図2大当たり判定処理(S1502)の直後に実行されて、第1特別図柄変動中処理(S1005),第2特別図柄変動中処理(S1105)よりも前に実行される。これにより、特別図柄の変動表示の開始タイミングで、遊技状態の切替え(時短状態から非時短状態への切替え)を可能にしている。
図32に示すように、遊技状態管理処理(S1204,S1504)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特図の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、実質的にはステップS2203で確変カウンタの値が「0」であると判定されることはほぼ無い。
続いて、時短状態中を示す時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特図の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお本パチンコ遊技機PY1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「40」又は「100」或いは「10000」にセットされるようになっている。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[第1特別図柄変動中処理]図33に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特図表示器81aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図21に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図33に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図42のステップS2912参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図33に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図34に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特図表示器81bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄或いはハズレ図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
[第1特別図柄確定処理]図35に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2102でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2103)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2104)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2105)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2106)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2107)。
ステップS2107に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2108)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2102において第1大当たりフラグがONでなければ(S2102でNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2104)は、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図36に示すように、特図2強制停止処理(S2104)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図2変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特図表示器81bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2304)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図37に示すように、遊技状態リセット処理(S2105)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2404)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットする(S2405)。続いて、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S2406)、本処理を終える。
[第2特別図柄確定処理]図38に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する。第2大当たりフラグがONであれば(S2502でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2503)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2504)、遊技状態リセット処理を行う(S2505)。遊技状態リセット処理(S2505)は、図37に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2506)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2507)。
ステップS2507に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2508)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口14の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2502において第2大当たりフラグがONでなければ(S2502でNO)、第小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2509)。小当たりフラグがONであれば(S2509でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2510)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2511)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2512)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び小当たりフラグが共にONでなければ(S2502及びS2509で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2513)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2504)は、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図39に示すように、特図1強制停止処理(S2504)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン101は、特図1変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特図表示器81aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2604)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図38に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口14の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14)を開放させる(S2704)。続いてステップS2705では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2705)では、ステップS2703での第1大入賞口14の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口14の開放がなされることはない。そのため、このステップS2705では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口14の開放中であれば、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2706)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立していなければ(S2706でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口14の閉鎖条件が成立している場合(S2706でYES)には、第1大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2707)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2708)。終了していなければ(S2708でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2708でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2709)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2710)。「0」でなければ(S2710でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2710でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2711)、大当たりのエンディングを開始する(S2712)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2713)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2714)、エンディング時間が経過していなければ(S2714でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2714でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2715)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2716)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2717)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2718)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図22に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2716)は、当選した大当たり図柄(大当たり)の種類(図8参照)に基づいて、大当たり遊技後の遊技状態を、高確時短状態又は高確非時短状態或いは低確非時短状態(通常遊技状態)に制御するための処理である。図41に示すように、遊技状態設定処理(S2716)ではまず、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1が停止表示しているか否かを判定する(S2801)。
ステップS2801の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2802)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2803)。そして、時短フラグをONにして(S2804)、時短カウンタの値に「10000」をセットし(S2805)、ステップS2819に進む。これにより、高確時短状態に制御される。
ステップS2801の判定結果がNOであれば、続いて、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2が停止表示しているか否かを判定する(S2806)。ステップS2806の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2807)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2808)。そして、時短フラグをONにして(S2809)、時短カウンタの値に「100」をセットし(S2810)、ステップS2819に進む。これにより、高確時短状態に制御される。
ステップS2806の判定結果がNOであれば、続いて、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3が停止表示しているか否かを判定する(S2811)。ステップS2811の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2812)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2813)。そして、時短フラグをONにして(S2814)、時短カウンタの値に「40」をセットし(S2815)、ステップS2819に進む。これにより、高確時短状態に制御される。
ステップS2811の判定結果がNOであれば、続いて、特図2_確変図柄4が停止表示しているか否かを判定する(S2816)。ステップS2816の判定結果がYESであれば、確変フラグをONにして(S2817)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2818)。そして、ステップS2819に進む。なおこのときには、時短フラグをONにしない。こうして、特図2_確変図柄4に当選した場合には、大当たり遊技後に高確非時短状態に制御されることになる。
ステップS2816の判定結果がNOであれば、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄に当選していることになり、ステップS2819に進む。なおこのときには、確変フラグをONにせず、時短フラグもONにしない。こうして、特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄に当選した場合には、大当たり遊技後に低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されることになる。
ステップS2819では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2716)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。図42に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口15の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口15を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口15の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口15を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口15の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口15への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口15の開放時間が経過したか否か(すなわち第2大入賞口15を開放してから所定の開放時間(本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口15の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口15を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.3秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置15D内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置15D外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。また小当たりフラグをOFFする(S2911)。続いて、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図21に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009が実行されないことになる。
9.演出制御用マイコン121の動作
[サブ制御メイン処理]次に図43〜図54に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力したり、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり、盤可動体55kを駆動させたりする。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図44に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図45に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検知センサ40a(図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ212を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブドライブ基板162に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ212を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図46に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ212の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板161への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図47に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から事前判定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば先読み演出決定処理を行う(S4404)。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信した事前判定コマンドに含まれる、大当たり事前判定結果(大当たり判定情報)、大当たり種別事前判定結果(大当たり種別情報)、および変動パターン事前判定結果(変動パターン情報)を記憶する。そして、記憶した情報をもとに先読読み演出を行うか否かを決定すると共に、先読み演出の演出パターンを決定する。これらを決定した場合には、その演出パターンの情報を含む先読み演出コマンドを演出用RAM124にセットする。セットされた先読み演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特図保留を表す保留演出を用いた保留アイコン予告(図59を参照)等の先読み演出が実行される。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド,特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド,特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述するラウンド遊技演出選択処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン121は、低確非時短状態に制御されているときに昼モード(図14(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また高確時短状態に制御されているときに夜モード(図14(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また高確非時短状態に制御されているときに宇宙モード(図14(C)参照)に設定する場合には、モードステータスに「3」をセットする。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
図48に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。次に、遊技状態指定コマンドに含まれている情報(確変カウンタの値の情報、時短カウンタの値の情報)に基づいて、各種演出カウンタの値の情報を更新する(S4503)。具体的には、確変カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている確変演出カウンタの値を更新する。また、時短カウンタの値の情報に基づいて、演出用RAM124に設けられている時短演出カウンタの値を更新する。
続いて、遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4504)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(確変フラグがONか否かの情報、時短フラグがONか否かの情報)が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4504でYES)、ステップS4505に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4504でNO)、本処理を終える。
ステップS4505では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4505でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4506)、左打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4507)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aの左上部に左打ち画像(図示省略)を所定時間だけ表示する。この左打ち画像の表示により、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行したときに、遊技者に左打ちを促すことが可能である。
ステップS4507を経て、ステップS4514に進むと、昼モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(A)に示すように、表示画面50aに昼背景画像H1を表示する。こうして遊技者には、昼背景画像H1の表示により、演出モードが昼モード(通常遊技状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
またステップS4505でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短状態の情報であるか否かを判定する(S4508)。高確時短状態の情報であれば(S4508でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4509)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4510)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(B)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
ステップS4510を経て、ステップS4514に進むと、夜モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(B)に示すように、表示画面50aに夜背景画像H2を表示する。こうして遊技者には、夜背景画像H2の表示により、演出モードが夜モード(高確時短状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
またステップS4508でNOと判定された場合、高確非時短状態であることになる。この場合、ステップS4511にて大当たり遊技が終了する状況であるか否かを判定する(S4511)。大当たり遊技が終了する状況であれば(S4511でYES)、モードステータスに「3」をセットして(S4512)、右打ち表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4513)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(C)に示すように、表示画面50aの右上部に右打ち画像Raを表示する。この右打ち画像Raの表示により、遊技者に右打ちを促すことが可能である。
ステップS4513を経て、ステップS4514に進むと、宇宙モードの設定に基づく背景演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、図14(C)に示すように、表示画面50aに宇宙背景画像H3を表示する。こうして遊技者には、宇宙背景画像H3の表示により、演出モードが宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているのを把握させることが可能である。
ステップS4511でNOと判定された場合、背景演出コマンドをセットすることなく、本処理を終える。
[変動演出開始処理]図49に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図24参照)や特図2大当たり判定処理(図28参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図25参照)や特図2変動パターン選択処理(図29参照)でセットされた変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
続いて、モードステータスの値を参照する(S4602)。そして、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S4603)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、後述する変動演出パターン選択処理1を実行する(S4604)。次に、演出制御用マイコン121は、後述する変動演出パターン選択処理2を実行する(S4605)。続いて、予告演出の選択を行う(S4606)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出の例としては、大当たり当選に対する期待度(当選期待度)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄EZによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
ステップS4606に続いて、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とに基づいて、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4607)、本処理を終える。ステップS4607でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、表示画面50aにて特別図柄の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[変動演出パターン選択処理1]図50に示すように、変動演出パターン選択処理1(S4604)ではまず、演出制御用マイコン121は、小当たりに当選している状況かを判定する(S4701)。なお小当たりに当選しているか否かは、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの情報や、特図停止図柄データの情報に基づいて判断すれば良い。小当たりに当選している状況でなければ(S4701でNO)、続いて、モードステータス値が「2」であって且つハズレである状況かを判定する(S4702)。なおハズレであるか否かは、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの情報や、特図停止図柄データの情報に基づいて判断する。ステップS4702の判定結果がYESであれば、続いて、確変図柄2,3(特図1_確変図柄2,3又は特図2_確変図柄2,3)で当選したのかを否かを判定する(S4703)。ステップS4703の判定結果がYESであれば、確変図柄2,3に当選した後に高確時短状態でハズレを示す変動演出が実行される状況であり、ステップS4704に進む。また、ステップS4702の判定結果がNOである場合、又はステップS4703の判定結果がNOである場合には、そのまま本処理は終了(リターン)する。
ステップS4704では、時短演出カウンタの値を参照する。そして、参照した時短演出カウンタの値の情報を含む回数示唆演出の変動演出パターンを選択して(S4705)、ステップS4706に進む。回数示唆演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、回数示唆演出を伴う変動演出を実行する。
回数示唆演出(変動示唆演出)は、確変図柄2,3への当選を契機として夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数を示して、宇宙モード(高確非時短状態)への移行に近づくことを示唆する演出である。本形態では、確変図柄2,3への当選を契機として、高確時短状態に移行した場合、特別図柄の変動表示が実行される度に、遊技者にとって有利な高確非時短状態への移行に近づく。従って、回数示唆演出の実行により、遊技者には、残り何回実行されれば高確非時短状態に移行できるのかを把握させると共に、高確非時短状態への移行に徐々に近づく期待感を抱かせることが可能である。本形態の回数示唆演出では、時短演出カウンタの値に基づいて、例えば図55(E)に示すように、表示画面50aの右下部にて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)回目」の文字画像KMが表示される。
ステップS4706では、時短演出カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。「0」であれば(S4706でYES)、高確時短状態で時短回数を消化した状況であり、変動契機移行演出の変動演出パターンを選択して(S4707)、本処理を終える。変動契機移行演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、変動演出の最後に変動契機移行演出を実行する。また、ステップS4706の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終了(リターン)する。
変動契機移行演出は、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、特図の変動回数が時短回数に達したことにより、宇宙モード(高確非時短状態)への移行を示唆する演出である。本形態の変動契機移行演出では、図55(J)に示すように、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHが表示画面50aに表示される。この変動契機移行演出により、遊技者には、特別図柄の変動表示が時短回数に達することを契機として、宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることを把握させることが可能である。この変動契機移行演出が、「識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出」に相当する。
ステップS4701の判定結果がYESであれば、続いて、モードステータスの値が「3」であるか否かを判定する(S4708)。モードステータスの値が「3」であれば(S4708でYES)、ステップS4709に進む。要するに、高確非時短状態で小当たりに当選している状況であれば、ステップS4709に進むことになる。ステップS4709では、獲得チャンス演出の変動演出パターンを選択して、本処理を終える。獲得チャンス演出の変動演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、獲得チャンス演出を伴う変動演出を実行する。また、ステップS4708の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終了(リターン)する。
[変動演出パターン選択処理2]図51に示すように、変動演出パターン選択処理2(S4605)ではまず、演出制御用マイコン121は、所定の変動演出パターンを選択しているか否かを判定する(S4801)。なお所定の変動演出パターンとは、変動演出パターン選択処理1(S4604)におけるステップS4705、S4707、S4709で選択される変動演出パターンのことである。所定の変動演出パターンを選択している状況でなければ(S4802でNO)、モードステータスの値が「2」又は「3」のいずれかである状況かを判定する(S4802)。ステップS4802の判定結果がYESであれば(S4802でYES)、設定示唆演出を実行するか否かの抽選を行い(S4803)、ステップS4804に進む。また、ステップS4801の判定結果がYESであれば、そのまま本処理を終了(リターン)する。
ステップS4804では、ステップS4803で抽選を行った結果に基づいて、設定示唆演出を実行するか否かを判定する。ステップS4804の判定結果がYESであれば、設定値フラグが示す設定値に応じた設定示唆演出を実行させるために、設定変動演出パターン(図57参照)を選択して、本処理を終了する。設定示唆演出パターンが選択された場合には、画像制御基板140の画像用CPU141が、表示画面50aにて、高確時短状態又は高確非時短状態において設定示唆演出を実行する(図58参照)。
ステップS4802、S4804でNOと判定されると、その他の変動演出パターンを選択して(S4806)、本処理を終える。具体的にステップS4806では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの各値)および変動パターンの種類(図11のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、SPリーチの種類の詳細等を含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
[オープニング演出選択処理]図52に示すように、オープニング演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを解析する(S5001)。なお本形態では、オープニングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。次に、モードステータスの値が「3」で小当たりに当選している状況か否かを判定する。ステップS5002の判定結果がYESであれば、宇宙モード(高確非時短状態)で小当たり遊技が開始される状況であり、入球チャンス演出パターンを選択して(S5003)、ステップS5007に進む。
ステップS5003を経てステップS5007に進むと、入球チャンス演出パターンにて、小当たり遊技中の演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5007)、本処理を終える。このオープニング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、小当たり遊技の実行中に、表示画面50aにて入球チャンス演出を実行する。入球チャンス演出は、宇宙モード(高確非時短状態)にて、小当たり遊技中に第2大入賞口15への入賞が可能であることを示唆する演出である。本形態の入球チャンス演出では、図56(C)に示すように、表示画面50aにて「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。この入球チャンス演出により、遊技者には、第2大入賞口15への打込みを促すと共に、第2大入賞口15に入賞できることによる高揚感を与えることが可能である。
ステップS5002の判定結果がNOであれば、続いて、大当たりに当選した状況か否かを判定する(S5004)。ステップS5004の判定結果がYESであれば、大当たり遊技が開始される状況であり、バトル突入演出パターンを選択して(S5005)、ステップS5007に進む。ステップS5005を経てステップS5007に進むと、バトル突入演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5007)、本処理を終える。このオープニング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、オープニング演出として、表示画面50aにてバトル突入演出を実行する。バトル突入演出は、バトル演出の開始を示す演出であり、バトル演出は、後述するように当選した大当たり図柄が確変図柄(確変図柄1,2,3,特図2_確変図柄4、図8参照)であるか否かを煽る演出である。
ステップS5004の判定結果がNOであれば、その他のオープニング演出パターンを選択して(S5006)、ステップS5007に進む。ステップS5007では、上述したように、オープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[ラウンド演出選択処理]図53に示すように、ラウンド演出選択処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン121は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5101)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。次に、当選した大当たり図柄が確変図柄1,2,3(特図1_確変図柄1,2,3又は特図2_確変図柄1,2,3)であるか否かを判定する(S5102)。
ステップS5102の判定結果がYESであれば、バトル勝利演出の演出パターンを選択して(S5103)、ステップS5107に進む。そして、バトル勝利演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出を経てバトル勝利演出を実行する。
本形態のバトル演出では、図55(B)に示すように、表示画面50aにて、主人公キャラと敵キャラとが戦う演出画像BTが表示される。バトル勝利演出は、主人公キャラが敵キャラに勝利することを示す演出である。本形態のバトル勝利演出では、表示画面50aにて、「勝利」の文字画像BSが表示される。このバトル勝利演出により、遊技者には、確変図柄1,2,3に当選したことを把握させることが可能である。
ステップS5102の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が特図2_確変図柄4(図8参照)であるか否かを判定する。上述したように、特図2_確変図柄4に当選した場合、大当たり遊技後にいきなり高確非時短状態に移行できるため、遊技者にとっては最も有利な大当たり図柄に当選したことになる。ステップS5104の判定結果がYESであれば、覚醒バトル勝利演出の演出パターンを選択して(S5105)、ステップS5107に進む。そして、覚醒バトル勝利演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出から覚醒演出を経てバトル勝利演出を実行する。
覚醒演出は、バトル勝利演出の前に、主人公キャラが覚醒することを示す演出である。本形態の覚醒演出では、図57(F)に示すように、覚醒した主人公キャラを示す演出画像KQが表示される。この覚醒演出により、遊技者には、特図2_確変図柄4に当選したことを把握させることが可能であり、確変図柄1,2,3に当選した場合よりも、高揚感を与えることが可能である。本形態では、特図2_確変図柄4は、特図2の抽選で当選する大当たり図柄の中で最も振分率が低い大当たり図柄である(図8参照)。そのため、覚醒演出を見た遊技者には、希少価値のある特図2_確変図柄4を引き当てたことによる達成感を与えることが可能である。
ステップS5104の判定結果がNOであれば、通常図柄(特図1_通常図柄,特図2_通常図柄)に当選していることになる。この場合には、バトル敗北演出の演出パターンを選択して(S5106)、ステップS5107に進む。そして、バトル敗北演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5107)、本処理を終える。このラウンド演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、ラウンド演出として、表示画面50aにてバトル演出を経てバトル敗北演出を実行する。本形態のバトル敗北演出では、表示画面50aにて、「敗北」の文字画像(図示省略)が表示される。このバトル敗北演出により、遊技者には、通常図柄に当選したことを把握させることが可能である。
[エンディング演出選択処理]図54に示すように、エンディング演出選択処理(S4414)ではまず、演出制御用マイコン121は、エンディングコマンドを解析する(S5201)。なお本形態では、エンディングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。次に、当選した大当たり図柄が確変図柄1(特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1),確変図柄2(特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2),確変図柄3(特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3)のいずれか否かを判定する(S5202)。ステップS5202の判定結果がYESであれば、移行告知演出パターンを選択して(S5203)、ステップS5207に進む。そして、移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5207)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて移行告知演出を実行する。
移行告知演出は、大当たり遊技後の夜モード(高確時短状態)にて、特図の変動回数が規定回数(例えば、40回、100回)に到達すると宇宙モード(高確非時短状態)に移行できることを告知する演出である。本形態の移行告知演出では、例えば図55(D)に示すように、表示画面50aにて、「100変動で宇宙モードへのチャンス」の文字画像E2が表示される。この移行告知演出により、遊技者には、特別図柄の変動表示を100回実行すれば、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。
ステップS5202の判定結果がNOであれば、続いて、当選した大当たり図柄が特図2_確変図柄4であるか否かを判定する(S5204)。ステップS5204の判定結果がYESであれば、特別移行告知演出パターンを選択して(S5205)、ステップS5207に進む。そして、特別移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5207)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて特別移行告知演出を実行する。
特別移行告知演出は、大当たり遊技後にいきなり宇宙モード(高確時短状態)に突入することを告知する演出である。本形態の特別移行告知演出では、図56(H)に示すように、表示画面50aにて、「宇宙モード突入」の文字画像UTが表示される。この特別移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後にいきなり宇宙モードに移行できることを把握させることが可能である。
ステップS5204の判定結果がNOであれば、当選した大当たり図柄が通常図柄(特図1_通常図柄又は特図2_通常図柄)であることになる。この場合には、ステップS5206に進み、通常移行告知演出パターンを選択して(S5206)、ステップS5207に進む。そして、通常移行告知演出パターンにて、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S5207)、本処理を終える。このエンディング演出開始コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディング演出として、表示画面50aにて通常移行告知演出を実行する。通常移行告知演出は、大当たり遊技後に昼モード(低確非時短状態、通常遊技状態)に移行することを告知する演出である。
10.演出例
<演出例1>
次に本形態の演出例1について、図55に基づいて説明する。先ず図55(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、表示画面50aにて特図1の抽選に基づく変動演出が実行される。この特図1の抽選では、特図1_確変図柄2に当選したこととする。この場合、大当たりへの当選を示す変動演出を経て、大当たり遊技が開始される。そして図55(B)に示すように、ラウンド演出としてバトル演出が開始される。その後図55(C)に示すように、バトル勝利演出が実行される。
その後、図55(D)に示すように、エンディング演出として移行告知演出が実行される。この移行告知演出では、「100変動で宇宙モードへのチャンス」の文字画像E2が表示される。この移行告知演出により、遊技者には、大当たり遊技後に特別図柄の変動表示を100回実行すれば、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。
そして大当たり遊技後に、高確時短状態に移行すると、図55(E)に示すように、夜モードに設定される。この場合において、変動演出が実行される度に、表示画面50aの右下部にて、回数示唆演出が実行されるようになっている。つまり図55(E)に示すように、高確非時短状態に移行してから初めて特別図柄の変動表示が実行されると、「1回目」の文字画像KMが表示される。文字画像KMにて「〇回目」と表示することで、遊技者には、変動演出が実行される度に、宇宙モードへの移行に徐々に近づくことを把握させて、高揚感を徐々に高めることが可能である。よって、高確時短状態での演出に飽きさせないようにすることが可能である。
ここで、夜モードに設定されてから、図55(G)に示すように、特別図柄の変動表示が99回実行されたこととする。そして、図55(H)(I)に示すように、100回目の変動演出が実行されると、図55(J)に示すように、変動演出の最後に変動契機移行演出が実行される。この変動契機移行演出では、「100変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHが表示画面50aに表示される。これにより遊技者には、特別図柄の100回の変動表示を契機として宇宙モード(高確非時短状態)へ移行できることによる達成感を与えることが可能である。つまり、特別図柄の変動表示を100回実行したことによって、より有利な遊技状態への移行を獲得できたという満足感を与えることが可能である。
こうして本パチンコ遊技機PY1では、夜モード(高確時短状態)おいて、遊技者にとっては、大当たりに当選するよりも、特別図柄の変動表示が時短回数(規定回数)だけ実行されるのを望む遊技性(ゲーム性)になっている。即ち、大当たりを引き当てる前に、できるだけハズレによって特別図柄の変動表示を消化するのを期待させる遊技性になっている。こうして本パチンコ遊技機PY1では、ハズレを規定回数だけ引き続けると、有利な遊技状態(高確非時短状態、小当たりラッシュ状態)に移行できるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
<演出例2>
次に本形態の演出例2について、図56に基づいて説明する。この演出例では、図56(A)に示すように、宇宙モードに設定されていて、表示画面50aに宇宙背景画像H3が表示されている。ここで、特図2の抽選で小当たりに当選したこととする。この場合には、図56(B)に示すように、小当たりに当選したことを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(「135」)が停止表示される。更に、獲得チャンス演出として、「獲得チャンス」の文字画像NGが表示される。これにより遊技者には、第2大入賞口15へ入賞させるチャンスが生じたことを把握させることが可能である。
その後、小当たり遊技が開始されると、図56(C)に示すように、入球チャンス演出が実行される。即ち、「入球チャンス」の文字画像NTが表示されると共に、第2大入賞口15の位置を指し示す矢印画像YGが表示される。これにより遊技者には、遊技領域6(図3参照)の右下側にある第2大入賞口15が開放することを把握させて、出玉を増やすことができるという小当たりラッシュ状態を堪能させることが可能である。なお小当たり遊技が終了すると、図56(D)に示すように、「入球チャンス」の文字画像NTと矢印画像YGは表示されなくなる。
そして、宇宙モードに設定されているときに、特図2の抽選で、特図2_確変図柄4に当選したこととする。この場合には、図56(E)に示すように、ラウンド演出としてバトル演出が実行された後、図56(F)に示すように、ラウンド演出として覚醒演出が実行される。続いて、図56(G)に示すように、バトル勝利演出が実行される。こうして、覚醒演出を見た遊技者には、単にバトル演出からバトル勝利演出だけが実行される場合に比して、有利になること把握させることが可能である。
その後、図56(H)に示すように、エンディング演出として特別移行告知演出が実行される。特別移行告知演出では、「宇宙モード突入」の文字画像UTが表示される。これにより遊技者には、大当たり遊技後に夜モードを経由しないでも、いきなり宇宙モードに移行できることを把握させることが可能である。即ち、大当たり図柄の中でも最も有利な大当たり図柄(特図2_確変図柄4)を引き当てたことによる満足感を与えることが可能である。
11.設定示唆演出
本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確時短状態(第1遊技状態)、高確非時短状態(第2遊技状態)にて、設定値フラグが示す設定値に応じた設定示唆演出を実行することがある。設定値毎の各設定変動演出パターンに対する選択率を、図57に示す。ここで、図57の「設定示唆演出」の欄には、6種類の設定示唆演出が設けられている。
演出制御基板120は演出用RAM124の設定値フラグ記憶部125に保持されている設定値に関する情報から、設定されている設定値が6種類の設定値のいずれであるかを確認し、その情報に応じて図57に示す設定演出パターンテーブルに示す6種類の設定示唆演出のいずれかを選択する。例えば、設定示唆演出1である場合、6種類の設定値のうち、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」=設定値「5」=設定値「6」の順番で対応する設定示唆演出1が選択される確率が高い。なお設定値「4」、設定値「5」、設定値「6」の選択率は0%であるため、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」の順番で設定値が設定されている可能性が高い。同様に、設定示唆演出2である場合、6種類の設定値のうち、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「3」=設定値「2」=設定値「1」の順番で対応する設定示唆演出2が選択される確率が高い。すなわち、この順番でその設定値が設定されている可能性が高い。なお設定値「1」、設定値「2」、設定値「3」の選択率は0%であるため、設定値「4」>設定値「5」>設定値「6」の順番で設定値が設定されている可能性が高い。また設定示唆演出3である場合、6種類の設定値のうち、設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」=設定値「5」=設定値「6」の順番で対応する設定示唆演出3が選択される確率が高い。すなわち、この順番でその設定値が設定されている可能性が高い。同様に、設定示唆演出4である場合、6種類の設定値のうち、設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「3」=設定値「2」=設定値「1」の順番で対応する設定示唆演出4が選択される確率が高い。すなわち、この順番でその設定値が設定されている可能性が高い。また設定示唆演出5である場合、6種類の設定値のうち、設定値「3」=設定値「4」>設定値「2」=設定値「5」>設定値「1」=設定値「6」の順番で対応する設定示唆演出5が選択される確率が高い。すなわち、この順番でその設定値が設定されている可能性が高い。また設定示唆演出6である場合、6種類の設定値のうち、設定値「2」=設定値「3」=設定値「4」=設定値「5」>設定値「1」=設定値「6」の順番で対応する設定示唆演出6が選択される確率が高い。すなわち、この順番でその設定値が設定されている可能性が高い。
次に本形態の設定示唆演出について、図58に基づいて説明する。例えば、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン1が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(A)に示すように、未確認飛行物体を示す画像G1が表示される。こうして、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出1を見た遊技者に大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定されている場合よりも、大当たりとなる確率は低いが時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し易いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン2が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(B)に示すように、ロケットを示す画像G2が表示される。こうして、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出2を見た遊技者に大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されている場合よりも、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し難いが大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン3が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(C)に示すように、流れ星を示す画像G3が表示される。こうして、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出3を見た遊技者に大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている可能性が低いことが示唆することが可能となる。これにより設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定されている場合よりも、大当たりとなる確率は低いが時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し易いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン4が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(D)に示すように、一対の未確認飛行物体を示す画像G4が表示される。こうして、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出4を見た遊技者に設定値に対応する大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されている場合よりも、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し難いが大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン1が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(E)に示すように、未確認飛行物体を示す画像G1が表示される。こうして、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出1を見た遊技者に大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている場合よりも、大当たりとなる確率は低いが、宇宙モード(高確非時短状態)を継続させる確率が高いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン2が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(F)に示すように、ロケットを示す画像G2が表示される。こうして、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出2を見た遊技者は大当たり当選確率が最も低い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されている場合よりも、宇宙モード(高確非時短状態)が継続となる確率は低いが、大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能となる。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン3が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(G)に示すように、流れ星を示す画像G3が表示される。こうして、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出3を見た遊技者に大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている場合よりも、大当たりとなる確率は低いが、宇宙モード(高確非時短状態)を継続させる確率が高いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン4が選択され、特図1又は特図2の抽選に基づく変動演出が実行されると、図58(H)に示すように、一対の未確認飛行物体を示す画像G4が表示される。こうして、宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出4を見た遊技者に大当たり当選確率が最も低い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されている場合よりも、宇宙モード(高確非時短状態)が継続となる確率は低いが、大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能となる。
本形態では、図にて示していないが、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン5が選択された場合、他の5種類の設定示唆演出とは異なる設定示唆演出5が実行される。設定示唆演出5を見た遊技者に設定値に対応する大当たり当選確率が3番目又は4番目に高い設定値「4」又は設定値「3」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「5」、設定値「6」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」から設定値「6」の中で大当たり当選確率が中程度であり、宇宙モード(高確非時短状態)への移行のし易さ、宇宙モード(高確非時短状態)の継続のし易さが中程度である可能性が高いことを把握させることが可能となる。
本形態では、図にて示していないが、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定値変動演出パターン6が選択された場合、他の5種類の設定示唆演出とは異なる設定示唆演出6が実行される。これにより、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆演出6を見た遊技者に設定値に対応する大当たり当選確率が最も低い設定値「1」及び最も高い設定値「6」が設定されていない可能性が高いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」から設定値「6」の中で、大当たり当選確率が一番高い又は一番低いという両極端ではなく宇宙モード(高確非時短状態)の移行のし易さ、宇宙モードの継続のし易さが一番高い又は低いという両極端ではない可能性が高いことを把握させることが可能である。
12.本形態の効果
<A>以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態において、特図の変動回数が規定回数(例えば、40回、100回)に到達すると、高確時短状態から高確非時短状態に移行する。また本形態のパチンコ遊技機PY1では、設定値「1」(第1設定値)が設定された場合には、設定値「6」(第2設定値)が設定された場合よりも、大当たりと判定される確率が低いため(図10(A),(F)参照)、遊技者にとって不利である。しかしながら、不利な設定値「1」が設定された場合でも、有利な設定値「6」が設定された場合よりも、高確時短状態では大当たりと判定される確率が低いため、大当たりとならずに特図の変動回数が規定回数に到達し易い状態となる。つまり、不利な設定値「1」が設定された場合でも、有利な設定値「6」が設定された場合よりも、高確時短状態から高確非時短状態へ移行し易くなる。そのため、遊技者としては、仮に不利な設定値「1」が設定された場合でも、遊技意欲を掻き立てることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態は、高確時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(小当たりラッシュ状態)である。従って遊技者には高確時短状態から高確非時短状態に何としても移行させたいという遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図8に示すように、特図1_確変図柄2に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特図の変動回数が100回に到達すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄3に当選した場合、大当たり遊技後に高確時短状態において、特図の変動回数が40回に到達すると、有利な高確非時短状態に移行する。つまり、特図1_確変図柄2よりも特図1_確変図柄3の方が高確非時短状態に移行し易くなる。こうして、どの大当たり図柄に当選したかによって、特図の変動回数に伴う高確非時短状態への移行のし易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態である場合に6種類の設定値のうちどの設定値が設定されたかを示唆する設定示唆演出が実行され得る(図57参照)。そのため仮に遊技者が設定示唆演出により設定値「1」が設定されていると推測した場合、通常であれば遊技者は不利に感じて落胆する。しかしながら、高確時短状態においては、遊技者は設定値「1」が設定された場合には設定値「6」が設定された場合より、頻繁に小当たりとなり徐々に持ち球を増やしていくことが可能な高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行し易いことを把握することになり、却って遊技意欲が向上する。つまり、高確時短状態において、遊技者にとって不利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
<B>本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放によって、遊技球が第2大入賞口15に入賞し易くなる。この高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)は、大当たり遊技後に、すぐに移行するわけではなく、高確時短状態を経て移行し得る。また本形態によれば、設定値「1」が設定された場合には、設定値「6」が設定された場合よりも、大当たりと判定される確率が低いため(図10(A),(F)参照)、通常であれば遊技者にとって不利となる。しかしながら、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)においては、遊技者は不利な設定値「1」が設定された場合でも、有利な設定値「6」が設定された場合より、大当たりと判定される確率が低いため、その高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)が継続し易い。そのため、却って遊技意欲が向上し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態である場合に6種類の設定値のうちからいずれの設定値が設定されたかを示唆する設定示唆演出が実行され得る(図57、図58を参照)。そのため仮に遊技者が設定示唆演出の内容から設定値「1」が設定されていると推測した場合、通常であれば遊技者は不利に感じて落胆する。しかしながら、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)においては、設定値「1」が設定された場合のほうが、大当たりと判定される確率が高い設定値「6」よりも、その小当たりラッシュ状態は継続し易いことを把握することになり、却って遊技意欲が向上する。つまり、高確非時短状態において、遊技者にとって不利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合のほうが、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合よりも設定示唆演出3が実行される確率が高い(図57,図58(C),(G)参照)。そのため、高確時短状態又は高確非時短状態である場合に設定示唆演出3が実行されれば、遊技者は設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」>設定値「4」=設定値「5」=設定値「6」の順で設定値が設定されている確率が高いことを推測することができる。これにより、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されている確率が高いことを把握すると、通常であれば遊技者は不利に感じて落胆する。しかしながら、本形態では、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されている方が、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合よりも、その高確非時短状態が継続し易いことを把握することができ、却って遊技意欲が向上する。つまり、高確時短状態又は高確非時短状態において、遊技者にとって不利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。一方、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合のほうが、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合よりも設定示唆演出4が実行される確率が高い(図57,図58(D),(H)参照)。そのため、高確時短状態又は高確非時短状態である場合に設定示唆演出4が実行されれば、遊技者は設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」>設定値「1」=設定値「2」=設定値「3」の順で設定値が設定されている確率が高いことを推測することができる。これにより、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定されている方が、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合よりも、高確非時短状態が継続し難いことを把握するが、大当たりとなる確率は高いことを把握することができ、遊技意欲を向上する。つまり、高確時短状態又は高確非時短状態において、遊技者にとって有利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、設定示唆演出1は設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合には実行されるが、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合には実行されない(図57,図58(A),(E)参照)。そのため、高確時短状態又は高確非時短状態である場合に設定示唆演出1が実行されれば、遊技者は設定値「1」>設定値「2」>設定値「3」の順で設定値が設定されている確率が高いことを推測することができる。これにより、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されていることを把握すると、通常であれば遊技者は不利に感じて落胆する。しかしながら、本形態では、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定されている方が、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合よりも、その高確非時短状態が継続し易いことを把握することができ、却って遊技意欲が向上する。つまり、高確時短状態又は高確非時短状態において、遊技者にとって不利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。一方、設定示唆演出2は設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定された場合には実行されるが、設定示唆演出2は設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合には実行されない(図57,図58(B),(F)参照)。そのため、高確時短状態又は高確非時短状態である場合に設定示唆演出2が実行されれば、遊技者は設定値「6」>設定値「5」>設定値「4」の順で設定値が設定されている確率が高いことを推測することができる。これにより、設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」が設定されている方が、設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」が設定された場合よりも、高確非時短状態が継続し難いことを把握するが、大当たりとなる確率は高いことも把握することができ、遊技意欲を向上する。つまり、高確時短状態又は高確非時短状態において、遊技者にとって有利な設定値が示唆されるほど、遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、図8に示すように、特図1_確変図柄2に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、特図の変動回数が100回に到達すると、有利な高確非時短状態に移行する。また、特図1_確変図柄3に当選した場合、大当たり遊技後に高確時短状態において、特図の変動回数が40回に到達すると、有利な高確非時短状態に移行する。つまり、特図1_確変図柄2に当選した場合又は特図1_確変図柄3に当選した場合でも、大当たり遊技後に高確時短状態に移行して、その後高確非時短状態に移行し得る。しかしながら、特図1_確変図柄2よりも特図1_確変図柄3の方が、高確非時短状態に移行し易くなる。こうして、どの大当たり図柄に当選したかによって、特図の変動回数に伴う高確非時短状態への移行のし易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能となる。
13.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図59及び図60に基づいて第2形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、変動演出にて設定された設定値を示唆するパチンコ遊技機であった。これに対して第2形態では、先読み演出にて設定された設定値を示唆することが可能となっている。なお先読み演出とは、特図保留の対象となる特別図柄の変動表示が実行される前になされる演出のことである。
先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、当否判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特別図柄の変動表示前から大当たりを期待させる演出として機能するが、本形態では設定された設定値を示唆する演出としても用いる。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留アイコン予告がある。ここで、夜モード(高確時短状態)において行われる保留演出について説明する。
特図2の変動表示中(特図変動演出中)であり、特図2保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図59(A)に示すように、現在保留されている特図2保留の中で最も先に発生した特図2保留(保留順1の特図2保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、図59(B)に示すように、保留アイコンHA2が表す特図2保留の次に発生した特図2保留(保留順2の特図2保留)を表した保留アイコンHA3が表示される。また、保留アイコンHA2の左方には、特図2の変動表示が実行中であることを示す変動アイコンHA1が表示されている。なお、図59(B)で表示されているアイコンHA1〜HA3の表示態様は通常態様である。
なお、以下において、保留アイコンに対応する特図2保留のことを「保留順1の特図2保留」と称する。すなわち、存在している特図2保留について、発生した順に「保留順1」〜「保留順4」と称する。
また、変動アイコンが示す対象は、保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと変動アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。
このように、保留演出においては、特図保留が発生した順に左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の変動表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の変動表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図59(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、その直前まで特図の変動表示が実行中であることを示していた変動アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図2保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図59(D)に示すように、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、図59(C)に表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の変動表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図保留が、現在保留されている特図保留の中で最も先に発生した特図保留になり、次に開始される特別図柄の変動表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、表示されている保留アイコンHA2は、特別図柄の変動表示が実行中であることを表しているので、表示される際に変動アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、特図変動表示が実行中ではないアイコンについては「保留」とし、特図変動表示の実行中のアイコンについては「変動」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが変動アイコンとして表示される。また、保留アイコンから変動アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは左へとシフトすると約2倍に拡大する。
ところで、前述のとおり、事前判定コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PY1は、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留アイコン予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留アイコン予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留アイコン予告の具体例について説明する。保留アイコン予告の具体例として、図59(D)に示す保留アイコンHA3の表示態様が特別態様になる。なお、保留アイコン予告によって、大当たりに当選できる期待度を報知したり、小当たりに当選できる期待度を報知することが考えられる。
上述した保留アイコン予告以外にも、保留アイコン予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図保留の発生時に保留アイコン予告が行われる保留アイコン予告種別がある。
次に第2形態における設定示唆演出について、図60に基づいて説明する。第2形態におけるパチンコ遊技機PY1は、演出用RAM124の設定値フラグ記憶部125に保持された設定値に関する情報に基づいて、保留アイコンを、設定された設定値を示唆する示唆態様で表示することによって、設定された設定値を示唆している。この保留アイコンを示唆態様で表示することを、設定示唆先読み演出(第2形態における設定示唆演出)としている。
第2形態におけるパチンコ遊技機PY1では、設定された設定値を示唆する先読み演出として複数種類の演出態様がある。例えば、後述する設定示唆先読み演出1の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出1と同じである。また後述する設定示唆先読み演出2の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出2と同じである。また後述する設定示唆先読み演出3の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出3と同じである。また後述する設定示唆先読み演出4の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出4と同じである。また後述する設定示唆先読み演出5の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出5と同じである。また後述する設定示唆先読み演出6の設定値毎の選択率は、第1形態における設定示唆演出6と同じである。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、図60(A)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(白星)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(白星)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出1である。第2形態のパチンコ遊技機PY1では、夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出1が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されていないこと示唆することが可能となる。これにより、設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定された場合よりも、大当たりとなる確率は低いが、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し易いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、図60(B)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(逆三角形)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(逆三角形)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出2である。夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出2が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定された場合よりも、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し難いが、大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、図60(C)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(ハート)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(ハート)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出3である。夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出3が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定された場合よりも、大当たりとなる確率は低いが、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し易いことを把握させることが可能である。
夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、図60(D)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(黒星)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(黒星)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出4である。夜モード(高確時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出4が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定され場合よりも、時短消化して宇宙モード(高確非時短状態)へ移行し難いが、大当たりとなる確率が高いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、図60(E)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(白星)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(白星)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出1である。宇宙モード(高確時非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出1が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者にとって不利な設定値(設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」)が設定された場合よりも、大当たりとなる確率は低いが、宇宙モード(高確非時短状態)が継続し易いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、図60(F)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(逆三角形)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(逆三角形)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出2である。宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出2が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」が設定されていないことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者にとって不利な設定値(設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」)が設定されている場合よりも、宇宙モード(高確非時短状態)を継続させ難いが、大当たりとなる確率は高いことを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、図60(G)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(ハート)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(ハート)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出3である。宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出3が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も低い設定値「1」が設定されている可能性が高いことや設定値「4」、設定値「5」、及び設定値「6」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者にとって有利な設定値(設定値「4」、設定値「5」、又は設定値「6」)が設定されている可能性が高い場合よりも、大当たりとなる確率が低いが、宇宙モード(高確非時短状態)が継続し易い可能性があることを把握させることが可能である。
宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、図60(H)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が示唆態様(黒星)になっている。このように保留アイコンを示唆態様(黒星)の表示態様で表示する先読み演出が設定示唆先読み演出4である。宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出4が表示されると、遊技者は大当たり当選確率が最も高い設定値「6」が設定されている可能性が高いことや遊技者にとって不利な設定値(設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「3」)が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、遊技者にとって不利な設定値(設定値「1」、設定値「2」、又は設定値「3」)が設定されている場合よりも、宇宙モード(高確非時短状態)を継続させ難いが、大当たりとなる確率は高いことを把握させることが可能である。
本形態では、図にて示していないが、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出5が実行される場合がある。設定示唆先読み演出5は、他の5種類の設定示唆先読み演出とは異なる演出となっている。設定示唆先読み演出5を見た遊技者に設定値に対応する大当たり当選確率が3番目又は4番目に高い設定値「4」又は設定値「3」が設定されている可能性が高いことや設定値「1」、設定値「2」、及び設定値「5」、設定値「6」が設定されている可能性が低いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」から設定値「6」の中で大当たり当選確率が中程度であり、宇宙モード(高確非時短状態)への移行のし易さ、宇宙モード(高確非時短状態)の継続のし易さが中程度である可能性が高いことを把握させることが可能となる。
本形態では、図にて示していないが、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出6が実行される場合がある。設定示唆先読み演出6は、他の5種類の設定示唆先読み演出とは異なる演出となっている。これにより、夜モード(高確時短状態)又は宇宙モード(高確非時短状態)に設定されているときに、設定示唆先読み演出6を見た遊技者に設定値に対応する大当たり当選確率が最も低い設定値「1」及び最も高い設定値「6」が設定されていない可能性が高いことを示唆することが可能となる。これにより、設定値「1」から設定値「6」の中で、大当たり当選確率が一番高い又は一番低いという両極端ではなく宇宙モード(高確非時短状態)の移行のし易さ、宇宙モードの継続のし易さが一番高い又は低いという両極端ではない可能性が高いことを把握させることが可能である。
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上記第1形態と異なり、大当たりとなるか否かの抽選対象となる保留が消化される前に設定された設定値を示唆する設定示唆先読み演出が実行される。これにより、特別図柄の変動演出だけでなく、先読み演出でも設定された設定値を示唆することが可能となる。その結果、先読み演出でも設定された設定値が示唆されることへの意外性に遊技者は驚き、今までにない斬新な遊技興趣を与えることが可能となる。
先読み演出は回胴式遊技機などでは行われず、パチンコ遊技機で行われる特徴的な演出の一つである。即ち、パチンコ遊技機で行われる先読み演出で設定された設定値を示唆することは、パチンコ遊技機独自の演出によって遊技者に設定を示唆するという、今までにない斬新演出である。
<第3形態>
図61に基づいて第3形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂ループ機であった。これに対して第3形態では、高確率状態が特別図柄の変動表示が所定の上限実行回数(ST回数)に至るまで継続する所謂ST機になっている。
図61に示すように、第3形態におけるST回数は、200回に設定されている。具体的には、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が200回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、時短回数が200回に到達すれば、ST回数も200回に到達することになるため、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)に移行できないことになる。
また、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が100回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、高確時短状態に移行してから変動回数が100回に至れば、高確非時短状態に移行することができる。従ってこの場合には、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合には、特図1_確変図柄1又は特図2_確変図柄1に当選した場合よりも、ST回数がより多く残った高確非時短状態に移行し易くて、小当たりラッシュ状態が長くなり易いという点で有利である。
また、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、大当たり遊技後に、時短回数が40回で、ST回数が200回に設定される高確時短状態に移行する。この場合には、高確時短状態に移行してから変動回数が40回に至れば、高確非時短状態に移行することができる。従ってこの場合には、160回分の残ったST回数の分だけ、小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。こうして、特図1_確変図柄3又は特図2_確変図柄3に当選した場合には、特図1_確変図柄2又は特図2_確変図柄2に当選した場合よりも、ST回数がより多く残った高確非時短状態に移行し易くて、小当たりラッシュ状態が長くなり易いという点で有利である。
また、特図2_確変図柄4に当選した場合には、大当たり遊技後に、ST回数が200回に設定される高確非時短状態に移行する。即ち、高確時短状態を経ないで、200回分のST回数の全てにおいて、小当たりラッシュ状態を楽しむことが可能である。こうして、特図2_確変図柄4に当選した場合には、その他の確変図柄に当選した場合よりも、小当たりラッシュ状態を長く楽しむことができるという点で最も有利である。
以上、第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、確変図柄2,3に当選した場合、大当たり遊技後の高確時短状態において、できるだけ早く高確非時短状態に移行できれば、より長く小当たりラッシュ状態を堪能することができる。よって遊技者に対して、できるだけ早く高確時短状態から高確非時短状態へ移行するのを期待させるという斬新な遊技性(ゲーム性)を提供することが可能である。
ここで、第1形態のパチンコ遊技機PY1では、高確非時短状態で、大当たりに当選しなければ小当たりラッシュ状態が続くため、大当たりに当選しないほど有利になるという遊技性であった。これに対して、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確非時短状態で、大当たりに当選しないでST回数を全て消化してしまうと、通常遊技状態に転落してしまう。よって、高確非時短状態において、小当たりラッシュ状態を長く楽しみたいものの、大当たりを引き当てなければ通常遊技状態に転落してしまうというスリリングな遊技性(ゲーム性)を実現することが可能である。
<第4形態>
図62に基づいて第4形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。上記第1形態では、図15に示すように、高確時短状態の終了契機となる特別図柄(主に第2特別図柄)が変動表示を開始するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態へ移行した。これに対して第4形態では、図62に示すように、高確時短状態の終了契機となる特別図柄が変動表示を終了するタイミング(特別図柄が停止表示を開始するタイミング)で、高確時短状態から高確非時短状態へ移行する。
具体的には、図62(A)に示すように、確変図柄2に当選した場合に、高確時短状態にて第2特別図柄が100回目として変動表示を開始した後、変動表示を終了する(停止表示を開始する)こととする。この場合には、100回目の第2特別図柄の変動表示が終了するタイミングで、高確時短状態から高確非時短状態に切替える。こうして、時短状態の終了契機となる第2特別図柄(100回目の第2特別図柄)が停止表示を終了するタイミングよりも前に、高確非時短状態に切替える。その結果、時短状態の終了契機となる第2特別図柄の停止表示中に、時短状態が未だ残存している事態を防ぐことができて、時短状態の残存に対する開発負担を軽減することが可能である。つまり図62(B)に示すように、100回目の第2特別図柄の停止表示中に、仮に第1特別図柄がイレギュラーで変動表示を開始しても、その第1特別図柄の変動表示を非時短状態での変動表示として扱うことが可能である。
以上、第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、時短状態の終了条件として、終了条件(図62(A)参照)が成立しても、時短状態の終了契機となる第2特別図柄の停止表示中には、非時短状態として扱う。こうして従来に比べて、時短状態の終了条件が成立したタイミングと、非時短状態へ切替えるタイミングとのずれを少しでも小さくして、時短状態の残存による不具合を生じ難くすることが可能である。
<その他の変形例>
上記各形態では、図10(A)から図10(F)に示すように、特図2の抽選では小当たりに当選することがあるものの、特図1の抽選では小当たりに当選することがないように設定されていた。しかしながら、特図1の抽選でも小当たりに当選することがあるように設定しても良い。
また上記各形態では、図10(A)から図10(F)に示すように、特図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていたが、適宜変更可能である。例えば、小当たりに当選する確率を5分の1よりも低い確率に設定しても良い。この場合には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放がより頻繁に実行され易い遊技性となる。一方、小当たりに当選する確率を5分の1よりも高い確率に設定しても良い。この場合には、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放がより頻繁には実行され難い遊技性となる。なお特図1の抽選で小当たりに当選することがある場合でも、小当たりに当選する確率は適宜変更可能である。
また上記各形態では、図10(A)から図10(F)に示すように、遊技状態に拘わらず、特図2の抽選において小当たりに当選する確率が、約5分の1に設定されていた。しかしながら、遊技状態に応じて、特図2の抽選において小当たりに当選する確率を変えても良い。例えば、高確時短状態において、特図2の抽選で小当たりに当選する確率を約10分の1に設定する。これにより、高確時短状態では、小当たりになかなか当選し難くなる。一方、高確非時短状態において、特図2の抽選では、大当たり当選を除いて、ほぼ小当たりに当選するように設定しても良い。これにより、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)において、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15が頻繁に開放されるようになって、遊技者の持ち球が増え易いゲーム性になる。
また上記各形態では、図8又は図61に示すように、各種の大当たり図柄(確変図柄,通常図柄)に当選した場合の時短回数、ST回数を設定した。しかしながら、図8又は図61に示す回数は、あくまで一例であって、勿論その他の回数に適宜設定しても良い。つまり、第1規定回数(100回)、第2規定回数(40回)は、適宜変更可能である。また高確非時短状態に移行することが不可能な大当たり図柄があるようにしても良い。なお大当たり図柄の種類も、特図1_確変図柄1〜3、特図2_確変図柄1〜4に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記各形態では、図3(B)に示すように、小当たり遊技によって開放する第2大入賞装置15D(第2大入賞口15)を電チュー12Dよりも下方に配置して、電チュー開閉部材12kが閉鎖しているときに遊技球が第2大入賞口15の方へ流下するように設定した。しかしながら、第2大入賞装置15Dと電チュー12Dとの位置関係は、適宜変更可能である。従って、第2大入賞装置15Dを電チュー12Dよりも上方に配置しても良い。この場合には、高確時短状態では、特図2の抽選でほぼ小当たりに当選しないように設定し、高確非時短状態では、特図2の抽選で小当たりに当選し易いように設定すれば良い。このようにすれば、高確時短状態では小当たりラッシュ状態にならず、高確非時短状態では小当たりラッシュ状態にすることが可能である。
また上記各形態では、高確非時短状態では、小当たり当選に基づく第2大入賞口15の開放により、遊技球が第2大入賞口15へ入賞し易い小当たりラッシュ状態になるという点で、遊技者に有利であった。しかしながら、高確非時短状態において、必ずしも小当たりラッシュ状態になる必要はなく、通常遊技状態や高確時短状態よりも有利になっていれば良い。例えば、高確非時短状態で大当たりに当選した場合には、通常遊技状態や高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、出玉(実質的なラウンド数)が多い大当たりに当選し易かったり、高確率状態への移行割合が高いように設定されていても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態では、高確時短状態よりも遊技者に有利になるように設定した。しかしながら、高確非時短状態では、高確時短状態よりも遊技者に不利になるように設定しても良い。この場合には、高確時短状態にて、遊技者は高確非時短状態に転落しないように、できるだけ小当たりに当選しないことを期待するゲーム性になる。
また上記各形態では、高確時短状態や高確非時短状態において、図58及び図61に示すように、設定された設定値を示唆する設定示唆演出や設定示唆先読み演出を実行した。具体的には、表示画面50aにて、未確認飛行物体を示す画像G1等を表示した。しかしながら、設定された設定値を示唆する設定示唆演出や設定示唆先読み演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、設定された設定値を示唆してもよい。さらに、設定示唆先読み演出は保留アイコン予告に限らず、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等に適宜変更可能である。
また上記各形態では、通常確率状態(低確率状態)且つ時短状態(以下「低確時短状態」と呼ぶ)に制御されることがないパチンコ遊技機PY1であった。しかしながら、低確時短状態に制御されることがあり得るパチンコ遊技機PY1としても良い。この場合には、低確時短状態において、特別図柄の変動表示の実行回数が所定回数に到達すると、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)に制御しても良い。
また上記各形態では、確変図柄2又は確変図柄3への当選を契機として高確時短状態に移行した場合、図55(D)及び(E)を用いて説明したように、特別図柄が変動表示する度に、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する回数示唆演出(変動示唆演出)を実行した。具体的には、表示画面50aの右下部にて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)回目」の文字画像KMを表示した。しかしながら、特別図柄の変動表示を契機として、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆する変動示唆演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、カウントアップの表示に替えて、カウントダウンの表示にして、「宇宙到達まで残り〜回」の演出画像を表示しても良い。また特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「1回目」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確非時短状態への移行に近づくことを示唆しても良い。
また上記各形態では、高確時短状態において、特別図柄の変動表示が時短回数だけ実行されると、図55(J)に示すように、変動契機移行演出(識別図柄の変動表示の実行回数が規定回数に達することに基づいて第1遊技状態が終了する際に実行する演出)を実行した。具体的には、表示画面50aにて、「(夜モードに設定されてから特別図柄の変動表示が実行された回数)変動到達で宇宙モード突入」の文字画像HHを表示した。しかしながら、変動契機移行演出の演出態様は、上記したものに限られず、適宜変更可能である。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ610から特定の音声(例えば「終了」)を出力したり、枠ランプ212や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、高確時短状態の終了を示唆しても良い。
また上記各形態では、時短回数として、特図1の変動回数と特図2の変動回数との合計変動回数をカウントする構成とした。しかしながら、特図1の変動回数だけをカウントする構成や、特図2の変動回数だけをカウントする構成としてもよい。
また上記各形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の総開放時間を1.6秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、第2大入賞口15の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)に基づいて決定したが、当たりの種類と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定するようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入球に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定されるパチンコ遊技機PY1であったが、いわゆるV確機(大入賞装置の内部に設けられた特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御するパチンコ遊技機)であっても良い。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
上記各形態では、バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給している。従って、演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている設定値に関する情報などは、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持されていた。これに限る必要はなく、バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給しなくてもよい。その場合、遊技制御用マイコン101は、設定値設定処理において演出制御基板120に設定値指定コマンドを送信するだけでなく(図17のS056参照)、特図1変動開始コマンドをセットするとき(図23のS1207参照)、特図2変動開始コマンドをセットするとき(図27のS1507参照)や遊技状態指定コマンドをセットするとき(図32のS2014参照)に設定値指定コマンドを送信してもよい。
上記各形態では、RAMクリアスイッチ119を操作することによって、遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせることや、パチンコ遊技機PY1ごとに設定値を設定することができたが、電源基板190にRAMクリアスイッチ119とは別個にパチンコ遊技機PY1ごとに設定値を設定するための専用スイッチを設けてもよい。
遊技制御基板100に設けた設定値シリンダ70を遊技制御基板100の付近に設けてもよい。また、設定値シリンダ70の構造は特に限定されずに適宜に変更できる。例えば、設定値を変更する操作を行えるようにする機械として、設定値シリンダ70に代えて、2接点式のスライドスイッチを用いても良い。この場合、一方の位置につまみが配置されると、設定値を変更する操作を行えるようにしても良い。さらに、設定値を設定する操作を行う機械として、上述した専用スイッチの場合、ロータリースイッチやスライドスイッチなどを用いても良い。この場合、つまみの位置を直接設定値に対応付けても良い。また、設定値シリンダ70、および専用スイッチの位置も特に限定されずに適宜に変更しても良い。
上記第2形態では保留アイコンにて設定された設定値を示唆するものとなっていたが、保留アイコンの表示態様を異ならせることで、大当たりとなる期待度を報知しつつ、設定された設定値を示唆してもよい。これによれば、多種多様な先読み演出を実行することができ、より遊技機に対する遊技興趣を高めることが可能となる。
上記第1形態では変動演出にて設定された設定値を示唆し、上記第2形態では先読み演出にて設定された設定値を示唆したが、高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)中に第2大入賞口15に入賞した総入賞数が所定数に到達することで、設定された設定値を示唆する設定示唆演出を所定の確率で実行することが考えられる。これによれば、遊技者に高確非時短状態(小当たりラッシュ状態)が継続し続けることで、大当たり当選確率が低い設定値が設定されている可能性があると遊技者が推測しているところで、実行された設定示唆演出の内容を確認させることで、今後の遊技展開に面白みを与えることが可能となる。
14.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
入球口(第1始動口11,第2始動口12)への入球に基づいて判定処理を行うと、その判定処理の結果を示す特別図柄を変動表示させることを可能とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
第1設定値(例えば設定値「1」)と該第1設定値よりも前記判定処理で大当たりと判定される確率が高い第2設定値(例えば設定値「6」)を含む複数の設定値のうちから、選択された一の設定値を設定可能とし、
所定の第1遊技状態(高確時短状態)であるときに前記特別図柄の変動表示の実行回数が規定回数(時短回数,例えば40回,100回参照)に達すると、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態(高確非時短状態)に移行可能とし、
前記遊技制御手段により前記第1設定値が設定された場合には、前記遊技制御手段により前記第2設定値が設定された場合よりも、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行し易いことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1設定値が設定された場合には、第2設定値が設定された場合よりも、大当たりと判定される確率が低いため、遊技者にとって不利である。しかしながら、不利な第1設定値が設定された場合でも、有利な第2設定値が設定された場合より、第1遊技状態から有利な第2遊技状態に移行し易いため、遊技意欲を掻き立てることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理で小当たりと判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能とし(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)、
前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記小当たり遊技にて前記特別入賞口へと入賞し易い遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1遊技状態から第2遊技状態に移行すると、小当たり遊技で特別入賞口に入賞し易い遊技状態となり、持ち球を徐々に増やし続けることが可能となる。そのため、第1遊技状態から第2遊技状態への移行を獲得したいという遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理で大当たりと判定すると、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行可能とし(ステップS1009,ステップS1109の特別電動役物処理1を実行可能)、
前記大当たりのうち第1大当たり(確変図柄1,図8参照)又は第2大当たり(確変図柄2,図8参照)である場合には、前記大当たり遊技後に前記第1遊技状態に制御可能であり、
前記第1大当たりに基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、前記特別図柄の変動表示の実行回数が第1規定回数(100回)に達すると、前記第2遊技状態に移行する一方、
前記第2大当たりに基づいて前記第1遊技状態に制御した場合には、前記特別図柄の変動表示の実行回数が前記第1規定回数(100回)よりも少ない第2規定回数(40回)に達すると、前記第2遊技状態に移行することを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1大当たりに基づいて第1遊技状態に制御された場合、特別図柄の変動表示を第1規定回数だけ実行すると、有利な第2遊技状態に移行する。一方、第2大当たりに基づいて第1遊技状態に制御された場合、特別図柄の変動表示を第1規定回数よりも少ない第2規定回数だけ実行すると、有利な第2遊技状態に移行する。つまり、判定処理で第1大当たりと判定されるよりも、早く第2遊技状態に移行することができる。こうして、第1大当たりと第2大当たりのいずれであるかによって、特別図柄の変動表示の実行回数に基づく第2遊技状態への移行し易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能となる。
手段A4に係る発明は、
手段A1から手段A3のいずれかに記載の遊技機において
前記複数の設定値のうちから、いずれの設定値が設定されたかを示唆する示唆演出(設定示唆演出,図58を参照)を実行可能とする示唆演出実行手段(ステップS4805を実行可能な演出制御用マイコン121)を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記第1遊技状態である場合に前記示唆演出を実行することを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1遊技状態である場合に複数の設定値のうちからいずれの設定値が設定されたかを示唆する示唆演出が実行され得る。そのため仮に遊技者が示唆演出により第1設定値が設定されていると推測した場合、落胆するおそれがある。しかしながら、第1遊技状態においては、第1設定値が設定された場合には第2設定値が設定された場合より、第2遊技状態に移行し易いため、遊技者に有利であることを示唆していることになる。よって、不利な設定値の示唆にも拘わらず遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることができる。
ところで、特開2003−199931号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりとするか否かの判定処理を行う。また、上記の遊技機では、判定処理における大当たりと判定する確率を任意に設定可能になっている。しかしながら、大当たりと判定する確率を任意に設定可能な遊技機においては、大当たりと判定される確率が低い設定が行われると、単に遊技者にとって不利な状況となり、遊技興趣を低下させるものになり得る。そこで上記したA1からA4に係る発明は、特開2003−199931号公報に記載した遊技機に対して、遊技制御手段により第1設定値が設定された場合には、第1設定値よりも大当たりと判定される確率が高い第2設定値が遊技制御手段により設定された場合よりも、第1遊技状態から第2遊技状態に移行し易い点で相違している。これにより、遊技興趣を高めることが可能なパチンコ遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
入球口への入球に基づいて判定処理を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理で小当たりと判定すると、特別入賞口(第2大入賞口15)を開放させる小当たり遊技を実行可能とし(ステップS1110の特別電動役物処理2を実行可能)、
第1設定値(例えば設定値「1」)と該第1設定値よりも前記判定処理で大当たりと判定される確率が高い第2設定値(例えば設定値「6」)を含む複数の設定値のうちから、選択された一の設定値を設定可能とし、
所定の条件が成立すると、前記小当たり遊技にて前記特別入賞口へと入賞し易い特定遊技状態(小当たりラッシュ状態になる高確非時短状態)に移行可能とし、
前記遊技制御手段により前記第1設定値が設定された場合には、前記遊技制御手段により前記第2設定値が設定された場合よりも、前記特定遊技状態が継続し易いことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1設定値が設定された場合には、第2設定値が設定された場合よりも、大当たりと判定される確率が低いため、遊技者にとって不利である。しかしながら、小当たり遊技にて特別入賞口へと入賞し易い特定遊技状態においては、不利な第1設定値が設定された場合でも、有利な第2設定値が設定された場合より、大当たりと判定される確率が低いため、その特定遊技状態が継続し易い。従って、不利な第1設定値が設定された場合でも、遊技意欲を掻き立てることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記複数の設定値のうちから、いずれの設定値が設定されたかを示唆する示唆演出を実行可能とする示唆演出実行手段(ステップS4805を実行可能な演出制御用マイコン121)を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記特定遊技状態である場合に前記示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、特定遊技状態である場合に複数の設定値のうちからいずれの設定値が設定されたかを示唆する示唆演出が実行され得る。そのため仮に遊技者が示唆演出により第1設定値が設定されていると推測した場合、落胆するおそれがある。しかしながら、特定遊技状態においては、第1設定値が設定された場合には第2設定値が設定された場合より、その特定遊技状態が継続し易いため、遊技者に有利であることを示唆していることになる。よって、不利な設定値の示唆にも拘わらず遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記示唆演出実行手段は、
前記遊技制御手段により前記第1設定値と前記第2設定値のうちの一方の設定値が設定された場合には、他方の設定値が設定された場合よりも、特定の示唆演出(設定示唆演出3、設定示唆演出4,図58(C)、図58(D)、図58(G)、図58(H)を参照)が実行され易いことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、第1設定値と第2設定値のうちの一方の設定値が設定された場合には、他方の設定値が設定された場合よりも、特定の示唆演出が実行され易い。そのため、特定遊技状態である場合に特定の示唆演出の実行頻度により、遊技者は第1設定値と第2設定値のうちいずれの設定値が設定されたかを推測する。ここで仮に第1設定値であると推測しても、第2設定値である場合よりも特定遊技状態が継続し易いため、遊技者は有利であることを把握する。よって、不利な設定値の示唆にも拘わらず遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段B4に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記示唆演出実行手段は、
前記遊技制御手段により前記第1設定値と前記第2設定値のうちのいずれか一方の設定値が設定された場合に、特定の示唆演出(設定示唆演出1、設定示唆演出2,図58(A)、図58(B)、図58(E)、図58(F)を参照)を実行することがある一方、前記第1設定値と前記第2設定値のうちのいずれか他方の設定値が設定された場合に、前記特定の示唆演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、特定遊技状態である場合に特定の示唆演出が実行されると、遊技者は第1設定値と第2設定値のうちいずれの設定値が設定されたかを推測できる。ここで仮に第1設定値であると把握しても、第2設定値である場合よりも特定遊技状態が継続し易いため、遊技者は有利であることを把握する。よって、不利な設定値の示唆にも拘わらず遊技者に高揚感を与えることができて、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段B5に係る発明は、
手段B1から手段B4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記判定処理で大当たりと判定すると、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行可能とし(ステップS1009,ステップS1109の特別電動役物処理1を実行可能)、
前記所定の条件として、前記大当たりのうち第1大当たり(確変図柄1,図8参照)又は第2大当たり(確変図柄2,図8参照)である場合に実行した大当たり遊技後に、前記特定遊技状態に移行可能とし、
前記判定処理で前記第2大当たりと判定された場合には、前記判定処理で前記第1大当たりと判定された場合よりも、前記特定遊技状態に移行され易いように設定されていることを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、判定処理で第1大当たり又は第2大当たりのいずれが判定されたとしても、大当たり遊技後に特定遊技状態に移行し得る。この場合、第2大当たりであれば、第1大当たりよりも、小当たり遊技にて特別入賞口へと入賞し易い特定遊技状態に移行し易いように設定されている。こうして、判定処理で第1大当たりと第2大当たりのいずれに判定されたかによって、特定遊技状態への移行し易さが異なるという斬新な遊技興趣を提供することが可能となる。
ところで、特開2003−199931号公報に記載の遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて大当たりとするか否かの判定処理を行う。また、上記の遊技機では、判定処理における大当たりと判定する確率を任意に設定可能になっている。しかしながら、大当たりと判定する確率を任意に設定可能な遊技機においては、大当たりと判定される確率が低い設定が行われると、単に遊技者にとって不利な状況となり、遊技興趣を低下させるものになり得る。そこで上記したB1からB5に係る発明は、特開2003−199931号公報に記載した遊技機に対して、遊技制御手段により第1設定値が設定された場合には、第1設定値よりも大当たりと判定される確率が高い第2設定値が遊技制御手段により設定された場合よりも、特定遊技状態が継続し易い点で相違している。これにより、遊技興趣を高めることが可能なパチンコ遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。