JP2020017550A - 蓄発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化還元電位の異なる複数種類の金属のヘテロ接合によって生じる電荷をアモルファス炭素が蓄電し、2.0V以上の発電性を有する蓄発電装置を提供する。【解決手段】本発明の蓄発電装置は、中央部に窪みが形成され、窪みによって内部に空間を形成するように対向する1対の板状電極と1対の板状電極に挟持されて空間を2分する絶縁性多孔質のセパレータと、複数種類の金属の微粒子と、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子と、二酸化マンガンの微粒子と、が混合された発電性組成物と、活性炭を主成分としてなる蓄電性組成物と、からなり、発電性組成物はセパレータの正極側に配置され、蓄電性組成物はセパレータの負極側に配置され、記空間に圧充填されることにより、複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる電荷を発電性組成物のアモルファス炭素が捕集し移送して蓄電性組成物蓄電することを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、蓄発電装置に係り、より詳しくは、複数種類の金属の微粒子とリチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子を混合してなる発電性組成物を、1対の電極の間に圧充填することにより、酸化還元電位の異なる金属のヘテロ接合により生じる電荷をアモルファス炭素が捕集し移送して蓄電する蓄発電装置に関する。
静電気や落雷等、我々の回りには多くの発電現象がみられる。通常、これらの電気は取り出して、我々の生活に利用することができない。
近年、二酸化炭素による地球温暖化問題や、エネルギー資源の枯渇の懸念から、我々の周囲にあるエネルギーから、電気エネルギーに変換する試みがなされている。太陽エネルギー発電や、風力発電、波力発電等実用化されているものもあるが、温度差や振動、浸透圧の差を利用するなど様々なエネルギーから電力を取り出す研究がなされている。
例えば、2種類の金属又は半導体を組み合わせた熱電変換素子は、その両端に温度差を設けると、ゼーベック効果により起電力が生じるものであり、ビスマス・テルル系、鉛・テルル系、シリコン・ゲルマニウム系などが現在実用化が進められている。近年、この熱電変換素子としてナノカーボンを原料とする熱電変換素子の研究開発が進められている。また、特許文献1ではカーボンナノチューブと共役高分子を含有する熱電変換材料を開示している。
特許文献2には、赤外光、可視光、紫外線などの光線や熱などの周囲にある外的刺激によってそれ自体が起電力を生じ、発電する発電装置が開示されている。特許文献2によると、粉状のナノカーボン−導電性材料結合体と、グラフェン粉末と、金属水酸化物粉末との混合組成物を適宜の外形形状に成形した発電素子とし、この発電素子を1対の電極の間に配置することで、発電装置が得られることも開示されている。さらに、本発明の発電素子を正極材とし、電解物質の存在下にこれをセパレータ及び負極材と積層し、正極材及び負極材にそれぞれ集電極を接触させて配置することで、蓄発電装置を得ることができることも開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された発電装置で発生する電力は小さく、実施例で測定された発電装置の起電力は最高でも600mVであり、初期電流は50μAであった。
起電力が小さい原因として、ナノカーボンとして使用したフラーレンと導電助剤として使用したグラフェンが電子を逃がしていることが考えられる。
より具体的には、フラーレンもグラフェンもSP結合型炭素でできた結晶体であり、グラフェンは炭素六員環が蜂の巣状に連なったシート形状の構造であり、シートの両面にπ電子が形成する自由電子雲を有している。フラーレンは炭素六員環と炭素五員環が組み合わされたサッカーボール状の構造であり、サッカーボール表面にπ電子雲を有している。このπ電子が形成する自由電子雲が電子を運ぶ役割をしており、その速度はきわめて速い。例えば、グラフェンの場合、室温での電子移動速度は15,000cm・V−1・S−1と報告されている。この高い電子移動速度のため、特許文献2に開示された発電装置で発生した電気を装置内に留めることができず、発生した電気を逃がしていることが考えられる。
さらに、2次電池の技術分野においても、正極又は負極の素材としてナノグラフェン、フラーレン、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブなどのπ電子雲を有するナノカーボン材料が活物質として使用されている。ナノカーボン材料の活用により、2次電池の性能は著しく向上したが、π電子の自由電子雲により電子を逃している可能性もある。
特開2014−033170号公報 特開2016−060887号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであってその目的とするところは、酸化還元電位の異なる複数種類の金属のヘテロ接合によって生じる電荷をアモルファス炭素が捕集し移送して蓄電し、LEDライトの点灯や携帯電話等の通信に最低限必要な2.0V以上の発電力を有する蓄発電装置を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明の蓄発電装置は、中央部に窪みが形成され、窪みによって内部に空間を形成するように対向する1対の板状電極と、1対の板状電極に挟持されて空間を2分する絶縁性多孔質のセパレータと、複数種類の金属の微粒子と、リチウムイオンを担持したナノカーボン素材を含むアモルファス炭素の微粒子と、二酸化マンガンの微粒子とが混合された発電性組成物と、活性炭を主成分としてなる蓄電性組成物と、からなり、発電性組成物はセパレータの正極側に配置され、蓄電性組成物はセパレータの負極側に配置され、上記空間に圧充填されることにより、発電性組成物の複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じた電荷をアモルファス炭素が捕集し移送して蓄電性組成物の活性炭に蓄電することを特徴とする。
発電性組成物に含まれる金属は、銅、銀、金からなる11族遷移金属、亜鉛、カドミウムからなる12族遷移金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムからなる13族遷移金属のそれぞれの属の遷移金属からそれぞれ1つ以上選ばれた金属であることが好ましい。
発電性組成物に含まれる金属は、銅、亜鉛、アルミニウムの微粉末であることができる。
発電性組成物に含まれる金属は、さらにニッケルの微粉末を含んでもよい。
発電性組成物を構成するアモルファス炭素に含まれるナノカーボン素材は、ナノグラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンナノホーンからなる群から選ばれる一つ以上であることが好ましい。
発電性組成物を構成する金属の微粒子、及び、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子のそれぞれの中心粒径は1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
発電性組成物は、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素を100重量部としたとき、複数種類の金属の微粒子が70〜150重量部、二酸化マンガンの微粒子が0.1〜20重量部、の混合比率の範囲に設定されてなることを特徴とする。
アモルファス炭素の充填量を100重量部としたとき、リチウムイオンの担持量は0.02〜0.1重量部の範囲であることがよい。
アモルファス炭素に担持されるリチウムイオンはリチウムヘキサフルオロリン酸、又は、リチウムテトラフルオロホウ酸由来のリチウムイオンであることが好ましい。
発電性組成物でなる正極材と蓄電性組成物でなる負極材とに隔離するセパレータはポリエチレン又はポリプロピレからなる織布又は不織布であることができる。
発電性組成物でなる正極材と蓄電性組成物でなる負極材とに隔離するセパレータはセルロースからなる不織布であることがよい。
蓄発電装置の電極は、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金の群から選択される少なくとも1種の金属板であることが好ましい。
蓄発電装置の負電極はアルミニウム板、正電極は銅板であることができる。
本発明によると、本発明の蓄発電装置は、汎用されている素材を組み合わせた簡単な装置によって、高い起電力と多量の初期電流を発生させることができる。特に、小型の蓄発電装置であっても、LEDライトの点灯や携帯電話等の通信に最低限必要な2.0V以上の発電性を有することから、災害時、被災地での人命救助に役立てることができる。
本発明の蓄発電装置は、放電と発電を同時に行うことができるため、放電しながら発電した電気を蓄電することができる。このため、放電によって低下した電圧の回復が早いという効果を有する。
本発明の蓄発電装置は物質間を電子が移動することで発電と蓄電を行うものであり、極めて効率良く発電と蓄電をすることができる。具体的には、本発明の蓄発電装置は、マンガン乾電池やリチウム電池等の一次電池のような化学反応によらないため、物質の消費がなく、反応熱の発生もないため、熱による装置内での内部抵抗もなく、このため電力のロスが少ない。
さらに、ダイナモの回転による発電と異なり駆動部を有さないため、振動・騒音は発生せず、また、摩擦による摩耗や熱も発生もないため、極めて発電効率がよく、長時間電気を供給できる。
本発明の蓄発電装置はアモルファス炭素に配合されたナノカーボン素材が電子を移送し、従来の電池の電解液の代わりをするため、電解液体を含まない二次電池を製造することができ、このため電池の破損による液漏れ等の事故を起こすことがないという効果を有する。
本発明の蓄発電装置の一実施例を示す平面図である。 図1におけるA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施例1の蓄発電装置の放電時と蓄電時の電圧の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の蓄発電装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び2に本発明の蓄発電装置の一実施例を示した。図1が平面図、図2が断面図である。
本発明の蓄発電装置1は、中央部に窪み10が成形され、窪み10によって内部に空間を形成するように対向する1対の板状電極20、30と、この1対の板状電極に挟持されて上記空間を2分する絶縁性で多孔質のセパレータ40と、複数種類の金属微粒子、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子、及び、二酸化マンガンの微粒子とが混合されてなる発電性組成物50と、活性炭を主成分としてなる蓄電性組成物60を構成成分とし、発電性組成物50は、成形された状態、又は不定形の状態でセパレータ40の正極側に配置され、蓄電性組成物60はセパレータ40の負極側に配置され、1対の板状電極20、30の間に成形された空間に圧充填されたものである。
本発明の蓄発電装置1の内部では、複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる電荷をアモルファス炭素に含まれるナノカーボン素材が掬い取り、移送して活性炭からなる蓄電性組成物60に蓄電することにより、発電と蓄電を行う。この発電と蓄電は同時に進行することに特徴がある。
発電性組成物
本発明の蓄発電装置は超微粉末の発電性組成物に含まれる異なる種類の金属の接合(これをヘテロ接合という)により、それぞれの金属が有する酸化還元電位の差により、金属原子の自由電子が移動する。この自由電子を超微粉末の発電性組成物の構成成分であるアモルファス炭素に配合されたナノカーボン素材が捕集し移送して蓄えるものである。
超微粉末の発電性組成物に含まれる金属の種類は酸化還元電位の異なるものであれば、いかなる金属であっても発電は可能であり特に制限はないが、酸化還元電位の差の大きさが起電力に関係することから、できるだけ変化に富む酸化還元電位を有するものを選択することがよい。また、混合する金属の種類の数にも制限がなく、金属であれば何種類の金属でも混合が可能であるが、工程管理及び品質管理の観点から通常3〜4種類である。
本発明の蓄発電装置は、金属粒子の接合の回数が電流量に関係することからできる限り微細な粒子であることが好ましい。しかしながら、微細な粒子は製造が難しく、入手が困難であり、取り扱いも困難になる。金属の微粒子は粒径が揃った入手し易いものが有利であり、この点を考慮すると、発電性組成物に含まれる超微粉末の金属は、銅、銀、金からなる11族遷移金属、亜鉛、カドミウムからなる12族遷移金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムからなる13族遷移金属のそれぞれの属の金属からそれぞれ1つ以上選ばれた金属であることが好ましい。中でも、発電性組成物に含まれる複数種類の金属の超微粉末が、銅、亜鉛、アルミニウムの3種類であることがより好ましく利用することができる。
発電性組成物は、さらにニッケルの超微粉末を含んでもよい。
複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる起電力は、それぞれの金属が有する標準電極電位から計算によって求めることができる。標準電極電位とは、水素を基準として標準水素電極の電位を0ボルト(0V)としたときの各金属の酸化還元電位の差である。銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウムの標準電極電位は、それぞれ、+0.34V、−0.257V、−0.67V、−1.68Vであるから、計算上、銅とアルミニウムとの間には4.38Vの起電力が発生し、銅と亜鉛との間には1.01Vの起電力が発生し、銅とニッケルとの間には0.60Vの起電力を発生させることができる。
アモルファス炭素
複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる電子を捕集し、これを移送し帯電させるのが、本発明の超微粉末の発電性組成物に含まれるアモルファス炭素である。アモルファス炭素は無定形炭素とも呼ばれ、活性炭やカーボンブラックとして広く使用されている。アモルファス炭素は、ダイアモンドに代表されるSP結合型炭素とグラフェンに代表されるSP結合型炭素との混合物である。
特に、本発明のアモルファス炭素は、一定量のナノカーボン素材を含むことを特徴とする。ナノカーボン素材は、ナノグラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンナノホーン、また、これらの集合体であるカーボンナノブラシ、グラフェン・ナノリボン等が知られているが、本発明のアモルファス炭素には、これらのナノカーボン素材の1つ以上が含まれている。これらのナノカーボン素材の構造はSP結合型炭素が六員環を形成し、これが蜂の巣状に繋がってシート形状となったグラフェンが基本形で、グラフェンが円柱状に丸まればカーボンナノチューブ、円錐状に丸まればカーボンナノホーン、六員環に五員環を組み合わせて球状にすればフラーレンとなる。いずれの素材もSP結合に基づくπ電子を有しており、良好な導電性を有している。
これらのナノカーボン素材の製造方法には、いくつかの方法が知られており、例えば、気密なチャンバー内でヘリウム、アルゴン又は窒素雰囲気下でこれらの黒鉛電極をアーク放電で蒸発させてナノカーボンを製造するアーク法、黒鉛(グラファイト)に二酸化炭素レーザー又はYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーを照射して剥離するレーザーアブレーション法、触媒金属のナノ粒子とメタン(CH)やアセチレン(C)などの炭化水素を500〜1,000℃で熱分解するCVD法等が代表的な製造法である。これらの何れの方法で製造したナノカーボン素材も本発明のナノカーボン素材として利用できる。
アモルファス炭素は、これらのナノカーボン素材を始めSP結合型炭素に由来するπ電子雲を部分的に有しているが連続した構造になっておらず、随所において絶縁性のSP結合型炭素によって寸断されているため全体としては不導電性である。また、SP結合型炭素の端部において、結合相手がいない共有結合枝が数多く存在する。この未結合枝が複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じた電子を滞留させると考えられている。
蓄電性組成物として使用する活性炭は、市販の活性炭をそのまま利用することも可能であるが、上記ナノカーボンを配合したアモルファス炭素を活性炭として利用することもできる。
アモルファス炭素の製造方法としては、数多くの方法が知られているが、既存の製造方法のいずれも本発明のアモルファス炭素の製造に利用できる。アモルファス炭素は、その原料及び製造方法により、形状、粒子径がさまざまに変化し、また、SP結合型炭素とSP結合型炭素との混合割合が変化する。一般的には、墨の原料となる煤や、市販のカーボンブラック又は粉末状活性炭等を粉砕分級して中心粒子径を整えて使用できる。
純粋なSP結合型炭素としてはダイアモンドライクカーボンがあり、CVD法またはPVD法等の気相蒸着によって製造が可能である。一方、SP結合型炭素の微粉末は、グラフェン又はグラファイトの粉砕により入手が可能である。
これらのSP結合型炭素又はSP結合型炭素の微粒子を、煤やカーボンブラックや粉末状活性炭等のアモルファス炭素中に混合することで、アモルファス炭素中のSP結合型炭素及びSP結合型炭素の比率を任意に調整することができる。また上記のナノカーボン素材を任意にアモルファス炭素に混合することができる。
アモルファス炭素中のSP結合型炭素とSP結合型炭素の割合は、1:9〜9:1の範囲であり、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:3〜1:1である。SP結合型炭素の割合が少なくなると、導電性となり帯電する電気量が少なくなる虞がある。一方、SP結合型炭素の割合が少なくなるとは、1:9以下ではグラフェン又はグラファイトの層間に安定して担持されるリチウムイオンの量が減少して起電力が不安定になる虞がある。
アモルファス炭素に含まれるナノカーボン素材の量は、アモルファス炭素100重量部に対し、5〜30重量部であることが好ましい。
リチウムイオンの担持
アモルファス炭素は、多孔質で直径1〜20nmの細孔を有しており、この細孔にリチウムイオンを担持することはできる。さらに、SP結合型炭素のグラフェンが積層したグラファイトも部分的に存在しており、このグラファイトの層間にリチウムイオンがインターカレーションされて、より安定に担持される。
リチウムは全ての金属の中で最も標準電極電位が低い金属である。複数種類の金属微粒子のヘテロ接合により生じる起電力は、接合する金属間の標準電極電位の差に比例するため、発電性の素材としてリチウムは好ましく利用できる。計算上、銅とリチウムとの間には6.45Vの起電力が発生させることができる。
リチウムイオンを担持したアモルファス炭素は、複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる自由電子を帯電することができる。本発明の蓄発電装置に電気器具を接続し、スイッチを入れると、帯電していた電子が放出され電気が流れるが、この時、この電子はリチウムの自由電子として放電するため本発明の蓄発電装置は最大6V以上の起電力を生み出すことができる。即ち、この時、アモルファス炭素に担持されたリチウムイオンは、触媒として作用している。
リチウムイオンを担持したアモルファス炭素は、リチウムを含む化合物の微粒子を、さらに粉砕すると同時にアモルファス炭素と混合する乾式混合、又は、リチウムイオンを含む溶液をアモルファス炭素に含浸させる湿式混合によって製造することができる。
アモルファス炭素に担持されるリチウムイオンはイオン化されるリチウム化合物であれば特に制限はないが、激しい酸化条件から厳しい還元条件に耐え、リチウムイオン二次電池の電解液にも使用されるリチウムヘキサフルオロリン酸、又は、リチウムテトラフルオロホウ酸が好ましく利用することができる。
これらのリチウム化合物を乾式混合する場合には、アモルファス炭素の微粒子とリチウム化合物の微量子をジェットミル等の粉砕機で粉砕しながら混合すればよい。
これらのリチウム化合物を湿式混合する場合には、所定量のリチウムヘキサフルオロリン酸、又は、リチウムテトラフルオロホウ酸を酢酸エチル、プロピオン酸エチル、エーテル、アセトン等の低沸点有機溶剤に溶解し、これをアモルファス炭素の微粉末に含浸させた後、乾燥して溶媒を除去することで容易にリチウムイオンを担持したアモルファス炭素を製造することができる。
二酸化マンガン
本発明の超微粉末の発電性組成物は二酸化マンガンの微粒子を含むことが好ましい。これは複数種類の金属微粒子が水分等と反応して水素ガスが発生した場合の備えであって、水素ガスが発生する前の水素イオンを酸化剤である二酸化マンガンが吸収して水素ガスの発生を未然に防止することができる。
水素ガスの発生防止剤として、二酸化マンガン以外にも水素吸蔵合金等を使用しても良い。
二酸化マンガンが水素ガスの前駆体となる水素イオンを吸収する反応は以下の式で表される。
Figure 2020017550
本発明の発電は複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じる。即ち、生み出される電気量(電流)は金属の微粒子のヘテロ接合の回数によって決まる。金属の微粒子の接合の機会を増やすためには、金属微粒子をできる限り小さくすることと、それらを均質に混合することが肝要である。さらに、これらの粒子を均質に混合するためには、その粒子径を揃えることが大切である。
粉体、特に細かな粒子径を有する粉体の製造方法は数多く知られているが、粒子が細かく、均質な粒径を持った粉体が得られる方法であれば、いかなる方法で製造したものでもよい。
例えば、石臼式のミル、硬質のボールが磨り潰すボールミル、高圧ガスの噴射により粒子同士を衝突させるジェットミル、粒子を叩き潰すスタンプミル等で固体を粉砕する方法、溶湯状態の金属を大気中又は水中に噴霧するか飛散させて微粒子状に固化させるアトマイズ法、イオン反応やアルコキシドの加水分解等により、容液から析出させる方法、PVD法やCVD法等の気相反応による蒸着方法が知られているが、これらの何れの方法であってもよい。
本発明の超微粉末の発電性組成物を構成する金属の微粒子の中心粒子径は1〜50μmであり、好ましくは1.5〜20μm、より好ましくは2〜10μmであることがよい。金属の微粒子の中心粒子径が1μm以下では、製造が難しくなり、複数の金属微粒子の粒子径を揃えられない虞がある。一方、金属の微粒子の中心粒子径が50μmを超えると、金属同士の接合の機会が少なくなり発生する電流が少なくなる虞がある。
ここで、中心粒径の測定は通常用いられる粒径測定法によることができる。このような粒径測定法の具体例としては、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた画像解析法、コールター法、遠心沈降法、レーザー回折散乱法などが挙げられ、これらのいずれも好適に使用できる。
このようなサイズの金属の微粒子の多くは、アトマイズ法によって製造されており、市販品として入手が可能である。これら金属微粒子の市販品は、本発明の金属微粒子として好適に利用できる。
市販の金属微粒子を複数混合する時には上記の粉砕用のミルを使用し、粉砕と混合を同時に行うことが良い。特に、ボールミルやジェットミルは好ましく利用できる。
本発明の超微粉末の発電性組成物を構成するリチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子の中心粒子径は1〜50μmであり、好ましくは1.5〜20μm、より好ましくは2〜10μmの範囲となるように粉砕されることがよい。アモルファス炭素の微粒子の中心粒子径が1μm以下では、アモルファス炭素及び金属微粒子の製造が難しくなり、アモルファス炭素と金属微粒子の中心粒子径を揃えられなくなる虞がある。一方、アモルファス炭素の微粒子の中心粒子径が50μmを超えると、アモルファス炭素の微粒子の中心付近では担持されたリチウムイオンと金属微粒子との距離が遠くなり、電子を引きつける力が届かなくなる虞がある。
ここでは、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子の中心粒径を粉砕と分級によって整える手順を説明したが、これに限定されず、アモルファス炭素の微粒子の中心粒径を粉砕と分級によって整えた後に、リチウムイオンを担持させてもよい。
本発明の超微粉末の発電性組成物を構成する二酸化マンガンの微粒子の中心粒子径は1〜100μmの範囲であり、好ましくは1.5〜50μm、より好ましくは2〜20μmであることがよい。金属の微粒子の中心粒子径が1μm以下では、製造が難しくなり、複数の金属微粒子との粒子径を揃えることが難しくなる。一方、金属の微粒子の中心粒子径が100μmを超えると、水素の前駆体となる水素イオンとの反応が遅くなり発生する水素を抑えられなくなる虞がある。
本発明の超微粉末の発電性組成物の各成分の混合比率は、リチウムイオンを担持したアモルファス炭素を100重量部としたとき、複数種類の金属の微粒子を70〜150重量部、二酸化マンガンの微粒子を0.1〜20重量部の範囲にそれぞれ設定するのが好ましい。
複数の金属の微粒子が11族遷移金属、12族遷移金属、13族遷移金属からなり、11族遷移金属を100重量部としたとき、12族遷移金属が30〜100重量部、13族遷移金属が50〜200重量部の範囲にそれぞれ設定することがよい。
例えば、複数の金属の微粒子が銅、亜鉛、アルミニウムの微粉末の混合物であるとき、銅が100重量部、亜鉛が30〜100重量部、アルミニウムが50〜200重量部であることができる。
複数の金属の微粒子は、さらに30〜100部のニッケルの微粉末を含むことができる。
アモルファス炭素の充填量を100重量部としたとき、リチウムイオンの担持量は0.02〜0.1重量部の範囲であることがよい。
リチウムイオンを担持したアモルファス炭素と複数種類の金属微粒子とを混合した超微粉末の発電性組成物は、一対の電極が作る空間の中に圧充填される。
本発明の蓄発電装置には対向する1対の板状電極が設けられる。板状の電極のそれぞれは、中央部に窪みが形成された形状で、この窪み同士が向かい合って空間を形成するように組立られる。
板状電極に形成される窪みの形状は、円柱形、三角柱形、箱形、多角柱形、半球形等、いずれの形状でもよいが、通常は扁平な円柱形又は箱形である。
2枚の板状電極の間には絶縁性のセパレータが挟持されて固定される。セパレータは1対の板状電極が形成する空間を2分すると共に、2つの電極間を絶縁して短絡を防止する。空間内のセパレータの両側には超微粉末の発電性組成物と蓄電組成物とをそれぞれ配置し、圧縮して量電極の周縁部を接触させた上、対向する板状電極の周縁部をかしめることにより空間内に圧充填する。
2枚の板状電極により超微粉末の発電性組成物にかかる圧力が大きいほど流れる電流は多くなるが、物理的な限度があり、通常、2〜10気圧程度である。
電極に使用される金属材料は良導電性のものであれば特に制限はないが、空間内部に超微粉末の発電性組成物を圧充填するために圧力で変形しない強度を有することが好ましい。板状電極は0.5〜2.0mmの範囲の厚さを有する金属であることが好ましい。
蓄発電装置の電極は、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金の群から選択される1種以上の金属板であることが好ましい。
蓄発電装置の負電極はアルミニウム板、正電極は銅板であることが好ましい。
本発明の蓄発電装置には、対向する1対の板状電極に挟持され、この対向する1対の板状電極によって形成された空間を2分するセパレータが設けられる。
セパレータは、正極材側の超微粉末の発電性組成物と負極材側の活性炭からなる蓄電性組成部を隔離する薄板状乃至フィルム状の絶縁体であり、電子の移動ができるように多孔質であることが好ましい。セパレータは1対の電極に挟持されて正負両極の短絡を防止すると同時に発電を行う正極材と蓄電を行う負極材に分割する。
セパレータの素材や形態について特に限定されないが、例えば、セルロース、ガラス繊維、又は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムなどを使用できる。特に、純粋なセルロースからなる和紙は好ましく使用できる。さらに、ポリエチレン又はポリプロピレからなる織布又は不織布はセパレータとして好ましく使用できる。
これらの板状電極にそれぞれ端子を取り付け、これを介して電流計と電圧計と、LEDライト等の電気器具を接続することで、起電力及び回路を流れる電流を連続的に測定でき、本発明の蓄発電装置の発電性能を確認することができる。
作用機序
本発明の蓄発電装置は、複数種類の金属の微粒子とリチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子を混合してなる超微粉末の発電性組成物と活性炭を主成分としてなる蓄電性組成物を、1対の電極の間に圧充填することにより、酸化還元電位の異なる金属のヘテロ接合により生じる電荷を発電性組成物のアモルファス炭素が捕集し移送して蓄電性組成物に蓄電するものである。その作用機序について、複数種類の金属として、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウムの微粉末を例にとって説明する。
すべての金属原子は固有の酸化還元電位を有している。酸化還元電位の異なる金属同士が接触(ヘテロ接合)すると、酸化還元電位の低い金属原子の自由電子が酸化還元電位の高い金属に移動する。この自由電子をアモルファス炭素に担持されたリチウムイオンがひきつけ、フラーレンなどのナノカーボン素材の表面の機能によって移動させ、比表面積が大きく、電気抵抗が低い、アモルファス炭素の表面に電気二重層として取り込み蓄電することができる。蓄電された電力は異なる金属で作られた電極によりプラスとマイナスに分極され放電させることができる。
銅、亜鉛、アルミニウムの酸化還元電位は、銅、亜鉛、アルミニウムの順に小さく、自由電子は銅、亜鉛、アルミニウムから銅へ、アルミニウムから亜鉛へ、また、亜鉛から銅に移動する。さらにニッケルの酸化還元電位は、銅と亜鉛との中間にあり、自由電子は亜鉛、ニッケル、銅の順に移動する。
ヘテロ接合している部分では、常時自由電子の移動が起こり、電気が発生し続けるため、放電された空席があれば継続して電気を補充し、放電前の値に近い値にまで保持電力を回復させることができ、この作用を繰り返すことを可能にする。但し、この作用は微力であるため、電力の回復には十分な時間が必要である。
酸化還元電位が中程度の亜鉛とニッケルが含まれる理由は発生する電圧に幅を持たせることと、蓄発電装置に持続性を与えるためである。さらに、後述するトンネル効果が発揮される場面では、ポテンシャルの壁を越えて逆流する電子の踏み台として作用する。
電子を失った金属原子には周囲の原子よりエントロピー増大則に従って電子の共有化による補充がなされる。これはおよそ300ケルビン(27℃)の環境温度により超微粉末の発電性組成物を構成する成分に分子エネルギーとして常に与えられている。
さらに、アモルファス炭素に一定以上の電子が蓄えられると、そこに電界が生じ、トンネル効果によって、ポテンシャルの壁を越えて電子の逆流現象が起こるため、電子を失った金属原子に電子の補充がなされる。
アモルファス炭素は、SP結合型炭素とSP結合型炭素の混合物である。特に、本願のアモルファス炭素は、一定量のナノカーボン素材が配合される。ナノカーボン素材のナノグラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンナノホーンは全てSP結合型炭素である。このため、本発明のアモルファス炭素は、部分的にはSP結合型炭素に由来するπ電子雲を有しているが、随所において絶縁性のSP結合型炭素によって寸断されているため全体としては不導電性である。SP結合型炭素はその端部において、結合相手がいない共有結合枝が数多く存在し、この未結合枝が発生した電子を滞留すると考えられる。
アモルファス炭素は、SP結合型炭素の有する細孔にリチウムイオンを担持しており、さらに、SP結合型炭素の積層構造の層間にリチウムイオンをインターカレーションにより担持している。アモルファス炭素に担持されたリチウムイオン電子を電気的な力で引きつけ保持する。
リチウムは全ての金属の中で最も酸化還元電位(標準電極電位)が低い金属である。本発明の蓄発電装置に電気器具を接続し、スイッチを入れると、帯電していた電子が放出され電気が流れるが、この時、この電子はリチウムの自由電子として放電する。正電極を銅板としたとき、本発明の蓄発電装置は最大6V以上の起電力を生み出すことができる。
本発明の特徴は、一般の電池では必須の構成要素となっている電解液を必要としないことである。これは、リチウムイオンを担持し、ナノカーボンを配合したアモルファス炭素が電子を移送する電解質の役目を果たすからである。
本発明の蓄発電装置は物質間を電子が移動することで発電と蓄電を行うものであり、駆動部を有していないため、駆動部の摩擦による摩耗や熱も発生もなく、極めて発電効率がよく、長寿命である。超微粉末の発電性組成物に含まれる金属原子の原子数が消費される電子数に比べ圧倒的に多いため長時間の発電が可能であるが、超微粉末の発電性組成物から供給させる電子が枯渇するところで寿命となる。
ナノカーボン素材
アークプラズマ装置(株式会社ビーム精工製)を用い、気密のチャンバー内の空気を抜いた後、0.1気圧の窒素ガスを満たし、アーク放電によりナノカーボン素子を合成した。生成した微粉末を掻き集め、走査型電子顕微鏡(SEM)で生成物中のナノカーボンの数を計測した。その結果、個体数で30%以上のナノカーボンの存在が確認されたため、生成物をナノカーボン素材とした。
ナノカーボン含有アモルファス炭素
ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、型式:MJQ)にファイン活性炭(クラレケミカル株式会社製、商品名:クラレコール(商標登録)、銘柄:YR、中心粒径10μm)の5gと上記で製造したナノカーボン素材の5gを入れ、粉砕と混合を同時に行った。
10分間化合させた後、ナノカーボン素材を混合したファイン活性炭の半量(5g)を取り出し、蓄電性組成物とした。
リチウムイオンを担持したアモルファス炭素
残りのナノカーボン素材を混合したファイン活性炭(5g)を取り出し、0.1gのリチウムヘキサフルオロリン酸(キシダ化学株式会社製)を溶解した酢酸エチル(和光純薬株式会社製)溶液5mLを含浸させ、ミキサーで混合した。
混合物をミリポアフィルターを用い吸引濾過し、真空デシケータを用い、50℃以下で減圧乾燥した。
この操作によりリチウムイオンはアモルファス炭素100g当たり0.046g担持された。
超微粉末の発電性組成物
前出のジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、型式:MJQ)に、アルミニウム粉(ミナルコ株式会社製、品名:600F、中心粒径5.0〜6.0μm)の1.5g、銅粉(三菱金属株式会社製、部分アトマイズ銅粉、型番:MA−C05K,中心粒径:5.8μm)の1.5g、亜鉛粉(ハクスイテック株式会社製、銘柄:F末、中心粒径3〜5μm)の1.0g、ニッケル粉(ヴァ−レ株式会社製、タイプ123,標準粒径:3〜7μm)の1.0g、及び、二酸化マンガン粉末(日本重化学工業株式会社製、品名:活性化二酸化マンガン、中心粒径:100μm以下、BET値250m/g)の500mgを予め粉砕混合した後、さらに、上記で製造したリチウムイオンを担持したアモルファス炭素の5gを加え、さらに1時間粉砕混合して、発電性組成物を調製した。
蓄発電電池の組み立て
無酸素銅板(記号:C1020、純度99.96%、厚さ:1.0mm)及び純アルミニウム板(記号:1050P、純度:99.5%、厚さ:1.0mm)の各々からを幅60mm、長さ90mmの電極板を切り出した。この電極板を同じ金型を用いてプレス加工をし、共に電極板の中央に、外側サイズで、幅48mm、長さ78mm、深さ3mmの窪み10を形成した。
この窪み10によって内部に空間を成形するように銅製とアルミニウム製の電極板20,30を対向させ、その間に美濃紙を広げてセパレータ40とした。
銅製の電極板20の窪み10部分に、上記実施例で製造した発電性組成物50の1.2mLを入れ、一方、アルミニウム製の電極板30の窪み10部分に、実施例で製造した蓄電性組成物60の1.2mLを入れ、美濃紙のセパレータ40で押さえながら発電性組成物50を詰めた銅製電極20に被せた。
プレス機を用いて銅製電極板20とアルミニウム製電極板30を挟圧し、発電性組成物50と蓄電性組成物60を電極板の窪み10部分に圧充填した。挟圧により接触した銅製電極板20とアルミニウム製電極板30の周縁部は、はみ出たセパレータを切り落とした後、電極板20、30の周縁部をかしめ(図示しない)ることにより固定した。
導電性の接着剤(株式会社テスク製、品番:K‐1003)を用いて、それぞれの電極にリード線110を取り付け、プラスチックケース100に収納した。
プラスチックケース100には小型のLEDライト130と、これをオンオフするスイッチ140を取り付け、また、電流計及び電圧計による測定が可能なように端子120を設け、それぞれを導線で接続した。
蓄発電電池の性能テスト
十分な時間を要して定常状態になった実施例の蓄発電装置を15分間LEDライトを点灯し電気を放電した後、消灯して蓄電量が回復するまでを観察した。結果を図3に示した。
LEDランプを点灯する前の蓄電量は5.48Vであったが、ランプ点灯と同時に電圧は2.53Vにまで低下した。しかし、その後、LEDライトを点灯している間、電圧は低下することなく、むしろ極僅かに増加する傾向が見られた。これは本発明の蓄発電装置が放電と同時に発電も行っているために見られる現象である。
15分後にライトを消灯すると電圧は即座に4.86Vにまで戻り、消灯後1分後には5.12Vにまで回復した。その後緩やかに回復を続け、消灯後37分で当初の電圧である5.48Vに戻ることが確認された。
本実施例で製造した蓄発電装置の初期電流は48mAであったが、電流値は電極の大きさ、即ち、発電性組成物及び蓄電性組成物の充填量に比例するため、さらに大きな蓄発電装置を製造することにより、初期電流を大きくすることができる。
1:蓄発電装置
10:窪み
20:正極、板状電極、電極板、銅製電極板
30:負極、板状電極、電極板、アルミニウム製電極板
40:セパレータ
50:発電性組成物
60:蓄電性組成物
100:プラスチックケース
110:リード線
120:端子
130:LEDライト
140:スイッチ

Claims (14)

  1. 中央部に窪みが成形され、該窪みによって内部に空間を成形するように対向する1対の板状電極と、
    前記1対の板状電極に挟持されて前記空間を2分する絶縁性多孔質のセパレータと、
    複数種類の金属の微粒子と、リチウムイオンを担持したナノカーボン素材を含むアモルファス炭素の微粒子と、二酸化マンガンの微粒子とが混合された発電性組成物と、
    活性炭を主成分としてなる蓄電性組成物と、からなり、
    前記発電性組成物は、前記セパレータの正極側に配置され、前記蓄電性組成物は前記セパレータの負極側に配置され、前記空間に圧充填されることにより、前記発電性組成物の前記複数種類の金属の微粒子のヘテロ接合により生じた電荷を前記アモルファス炭素が捕集し、移送して前記蓄電性組成物の活性炭に蓄電することを特徴とする蓄発電装置。
  2. 前記発電性組成物に含まれる金属は、銅、銀、金からなる11族遷移金属、亜鉛、カドミウムからなる12族遷移金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムからなる13族遷移金属のそれぞれの属の金属からそれぞれ1つ以上選ばれた金属であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置
  3. 前記発電性組成物に含まれる金属は、銅、亜鉛、アルミニウムの微粉末であることを特徴とする請求項2に記載の蓄発電装置
  4. 前期発電性組成物に含まれる金属は、さらにニッケルの微粉末を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄発電装置。
  5. 前記発電性組成物を構成する前記アモルファス炭素に含まれる前記ナノカーボン素材は、ナノグラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンナノホーンからなる群から選ばれる一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置
  6. 前記アモルファス炭素には、該アモルファス炭素を100重量部としたとき、5〜30重量部の前記ナノカーボン素材を含むことを特徴とする請求項5に記載の蓄発電装置
  7. 前記発電性組成物を構成する金属の微粒子、及び、前記リチウムイオンを担持したアモルファス炭素の微粒子のそれぞれの中心粒径は1〜50μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置
  8. 前記発電性組成物は、
    リチウムイオンを担持したアモルファス炭素を1000重量部としたとき、
    複数種類の金属の微粒子が70〜150重量部、
    二酸化マンガンの微粒子が0.1〜20重量部の混合比率の範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置。
  9. 前記アモルファス炭素の充填量を100重量部としたとき、リチウムイオンの担持量は0.02〜0.1重量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電性装置。
  10. 前記アモルファス炭素に担持されるリチウムイオンはリチウムヘキサフルオロリン酸、又は、リチウムテトラフルオロホウ酸由来のリチウムイオンであることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電性装置。
  11. 前記発電性組成物でなる正極材と前記蓄電性組成物でなる負極材とに隔離する前記セパレータはポリエチレン又はポリプロピレンからなる織布、又は、不織布であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置。
  12. 前記発電性組成物でなる正極材と前記蓄電性組成物でなる負極材とに隔離する前記セパレータはセルロースからなる不織布であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置。
  13. 前記蓄発電装置の電極は、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金の群から選択される少なくとも1種の金属板であることを特徴とする請求項1に記載の蓄発電装置。
  14. 前記蓄発電装置の負電極はアルミニウム板、正電極は銅板であることを特徴とする請求項13に記載の蓄発電装置。
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