JP2020016872A - 易接着フィルムおよびその製造方法、偏光板、ならびに画像表示装置 - Google Patents

易接着フィルムおよびその製造方法、偏光板、ならびに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子等のフィルムに対する高い接着性を示し、ブロッキングが生じ難く、かつ均一性および耐久性に優れる易接着フィルムを提供する。【解決手段】易接着フィルム(1)は、透明フィルム基材(11)の表面に易接着層(15)を備える。易接着層(15)は、バインダ樹脂、および平均一次粒子径が10〜100nmの無機微粒子を含有する。易接着層(15)のアルカリ成分の含有量は、5〜75ppmである。バインダ樹脂またはその前駆物質、無機微粒子、アルカリ成分および溶媒を含有する易接着組成物を透明フィルム基材上に塗布し、加熱することにより易接着層を形成できる。【選択図】図1

Description

本発明は、透明フィルム基材の表面に易接着層を備える易接着フィルムおよびその製造方法に関する。さらに、本発明は、偏光子の表面に易接着フィルムが貼り合わせられた偏光板、および当該偏光板を備える画像表示装置に関する。
モバイル機器、カーナビゲーション装置、パソコン用モニタ、テレビ等の各種画像表示装置として、液晶表示装置や有機EL表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、その表示原理から、液晶セルの視認側表面に偏光板が配置されている。透過型の液晶表示装置では、液晶セルの両面に偏光板が配置されている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射されて鏡面のように視認されることを抑止するために、視認側表面に円偏光板(典型的には、偏光板と1/4波長板の積層体)が配置される場合がある。
偏光板は、一般に、偏光子の片面または両面に、偏光子の保護等を目的とした透明フィルム(偏光子保護フィルム)を備える。偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにヨウ素を吸着させ、延伸等により分子を配向されたものが広く使用されている。
偏光子の表面に貼り合わせられる偏光子保護フィルムとしては、PVA系偏光子との接着性に優れることから、酢酸セルロース等のセルロース系フィルムが広く用いられている。透明保護フィルムとして、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン等の樹脂材料からなるフィルムも用いられるようになっている。これらの樹脂材料からなるフィルムは、セルロース系フィルムに比べて低透湿であり、偏光子の表面に低透湿樹脂フィルムが貼り合わせられた偏光板は、高湿環境に長時間曝された場合でも光学特性の変化が小さく、耐久性に優れる傾向がある。
一方、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン等の樹脂材料からなるフィルムは、セルロース系フィルムに比べて、PVA系偏光子との接着性が低い傾向がある。そのため、偏光子保護フィルムとして用いる透明フィルムの表面に易接着層を設けて偏光子との接着性を向上する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、アクリル系フィルムの表面に、微粒子およびバインダ樹脂を含む易接着層を設けた易接着フィルムが、偏光子との接着性に優れるとともに、フィルムをロール状に巻き取る際のブロッキングを抑制できることが記載されている。特許文献1の実施例では、アクリル系フィルムの表面に、1〜7重量%のシリカ微粒子を含む平均厚み400nm(厚み範囲300〜500nm)のウレタン易接着層を備える易接着フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた例が示されている。
特許第5354733号
画像表示装置の大型化や高輝度化が進む中、画像表示装置を構成する偏光板には、より過酷な環境(例えば、より高温、高湿度の条件)でも、光学特性の変化が小さいことが要求されるようになっている。偏光子保護フィルムとして特許文献1に記載の易接着フィルムを用いた偏光板は、偏光子と偏光子保護フィルムとの接着性に優れており、接着信頼性も高い。しかし、特許文献1に開示の易接着フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた偏光板は、高湿度環境に長時間暴露すると、スジ状のムラが生じ、表示特性の低下を招く場合があるとの課題が新たに判明した。
上記課題に鑑み、本発明は、偏光子等との接着性に優れ、ブロッキングが生じ難く、かつ高温高湿環境に長時間曝された場合でも、スジ状のムラ等の光学的な欠点が生じ難い易接着フィルムの提供を目的とする。
上記課題に鑑み本発明者らが検討の結果、無機微粒子の分散性向上等を目的として易接着組成物中に添加されるアンモニアやアミン等のアルカリ成分が易接着層中に残存していることが、加湿環境での耐久性低下の一因であり、易接着層中の残存アルカリ量を所定範囲とすることにより上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、透明フィルム基材の表面に易接着層を備える易接着フィルムおよびその製造方法に関する。易接着層は、バインダ樹脂、および平均一次粒子径が10〜100nmの無機微粒子を含有する。易接着層のアルカリ成分の含有量は、5〜75ppmが好ましい。易接着層の厚みは40〜280nmが好ましい。
透明フィルム基材としてはアクリル系フィルム等が用いられる。易接着層のバインダ樹脂としてはウレタン系樹脂等が用いられる。易接着層中の無機微粒子の含有量は、好ましくは8〜50重量%程度である。易接着層の無機微粒子は、透明フィルム基材に埋設していてもよい。
透明フィルム基材の表面に易接着組成物を塗布し、加熱することにより易接着層が形成される。易接着組成物は、バインダ樹脂またはその前駆物質、平均一次粒子径が10〜100nmの無機微粒子、アルカリ成分および溶媒を含有する。易接着組成物にアルカリ成分が含まれていることにより、無機微粒子の分散性が向上し、滑り性に優れる易接着フィルムが得られる。また、アルカリ成分は、バインダ樹脂(前駆体)の反応を促進するための触媒としても作用し得る。加熱によるアルカリ成分の揮発を促進する観点から、アルカリ成分の沸点は150℃以下が好ましい。アルカリ成分としては、アミンやアンモニア等が挙げられる。
易接着組成物を塗布後の加熱温度を高くすることにより、アルカリ成分の揮発を促進し、残存アルカリ成分の少ない易接着層を形成できる。例えば、透明フィルム基材のガラス転移温度よりも10℃以上高い温度で易接着組成物を加熱してもよい。加熱温度を高くすることにより、易接着層の無機微粒子が透明フィルム基材に埋設した領域が形成されやすく、透明フィルム基材と易接着層との密着性が向上する傾向がある。
透明フィルム基材上に易接着組成物を塗布後、透明フィルム基材を加熱しながら延伸を行ってもよい。特に、透明フィルム基材のガラス転移温度よりも10℃以上高い温度で易接着組成物を加熱しながら透明フィルム基材を延伸することにより、透明フィルム基材と易接着層との密着性が向上する傾向がある。
上記の易接着フィルムは、他のフィルムやガラス基板等との接着性に優れる。易接着フィルムは、例えば偏光子保護フィルムとして用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール系偏光子の表面に接着剤層を介して易接着フィルムを貼り合わせることにより偏光板が得られる。液晶表示セルや有機ELセル等の画像表示セルの表面に偏光板を配置することにより、画像表示装置を形成できる。
本発明の易接着フィルムは、接着性に優れ、ブロッキングが生じ難く、かつ高温高湿環境に長時間曝された場合でも、光学的な欠点が生じ難いため、偏光子保護フィルム等の表示装置用フィルムとして好適に用いられる。
易接着フィルムの構成例を示す断面図である。 偏光板の構成例を示す断面図である。 フィルム基材と易接着層の界面に界面層が形成されている易接着フィルムの断面TEM観察像である。 フィルム基材と易接着層の界面に界面層が形成されていない易接着フィルムの断面TEM観察像である。 偏光板の耐久試験前後のクロスニコル観察写真である
図1は、本発明の一実施形態にかかる易接着フィルムの構成例を示す概略断面図である。易接着フィルム1は、フィルム基材11の少なくとも一方の面に易接着層15が設けられている。フィルム基材の両面に易接着層が設けられていてもよい。易接着フィルムは、他のフィルムやガラス基板等と貼り合わせて用いられる。
易接着フィルムの使用形態として、偏光子保護フィルムが挙げられる。図2は、偏光子保護フィルムとしての易接着フィルム1を備える偏光板の構成例を示す断面図である。偏光板100は、偏光子5の一方の面(第一主面)に、接着剤層6を介して貼り合わせられた易接着フィルム1を備える。図2に示す偏光板100では、易接着フィルム1は、フィルム基材11の偏光子5との貼り合わせ面に易接着層15を有する。偏光子5が貼り合わせられていない面に易接着層が設けられていてもよい。図2に示す偏光板100では、偏光子5の他方の面(第二主面)に、接着剤層7を介して透明保護フィルム2が貼り合わせられている。
[易接着フィルム]
易接着フィルム1は、フィルム基材11の少なくとも一方の面に易接着層15を備える。
<フィルム基材>
フィルム基材11としては透明フィルムが好ましい。透明フィルム基材の全光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。フィルム基材11を構成する樹脂材料としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。易接着フィルムが光学等方性の偏光子保護フィルムとして用いられる場合は、複屈折が小さいことから、フィルム基材11の樹脂材料として、アクリル系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂が特に好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリノルボルネンが挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品として、日本ゼオン製のゼオノアおよびゼオネックス、JSR製のアートン、三井化学製のアペル、TOPAS ADVANCED POLYMERS製のトパス等が挙げられる。環状ポリオレフィン系フィルムは、環状オレフィン系樹脂を50重量%以上含有するものが好ましい。
アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。アクリル系樹脂は、アクリル酸またはその誘導体を構成モノマー成分とするもの、およびメタクリル酸またはその誘導体を構成モノマー成分とするものを包含する。
アクリル系樹脂として、特開2006−283013号公報、特開2006−335902号公報、特開2006−274118号公報等に記載の、グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂;および/または、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報等に記載のラクトン環構造を有するアクリル系樹脂を用いてもよい。グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂、およびラクトン環構造を有するアクリル系樹脂は、高い耐熱性、高い透明性、および高い機械的強度を有するため、偏光度が高くかつ耐久性に優れる偏光板の製造に適している。
フィルム基材11がアクリル系フィルムである場合、フィルム基材中のアクリル系樹脂の含有量は、50重量%以上が好ましく、60〜98重量%がより好ましく、70〜97重量%がさらに好ましい。アクリル系フィルムは、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。例えば、他の熱可塑性樹脂を配合することにより、アクリル系樹脂の複屈折を打ち消して、光学等方性に優れるアクリル系フィルムが得られる。また、フィルムの機械強度向上等を目的として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、オレフィン系重合体、ハロゲン化ビニル系重合体、ポリスチレン、スチレンとアクリル系モノマーと共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオキシベンジレン、ポリアミドイミド、ゴム系ポリマー等が挙げられる。
フィルム基材11は、酸化防止剤、安定剤、補強材、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、可塑剤、滑剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。樹脂材料と添加剤等を混合し、予めペレット等の熱可塑性樹脂組成物としてからフィルム化を行ってもよい。
フィルム基材11の厚みは5〜200μm程度である。機械強度、透明性およびハンドリング性等の観点から、フィルム基材11の厚みは10〜100μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。
フィルム基材11のガラス転移温度Tgは、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。フィルム基材11がアクリル系フィルムである場合、前述のように、アクリル系樹脂として、グルタル酸無水物構造を有するアクリル系樹脂やラクトン環構造を有するアクリル系樹脂を用いることにより、アクリル系フィルムのTgを高め、耐熱性を向上できる。フィルム基材11のTgの上限は特に限定されないが、成形性等の観点から170℃以下が好ましい。
フィルム基材11の製造方法としては、溶液キャスト法、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等が挙げられる。フィルム基材11は、未延伸フィルムおよび延伸フィルムのいずれでもよい。フィルム基材11がアクリル系フィルムである場合、機械強度向上の観点から、アクリル系フィルムは、少なくとも1方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましく、二軸延伸フィルムが特に好ましい。アクリル系樹脂の複屈折を打ち消すように他の熱可塑性樹脂を配合することにより、延伸した場合でもレターデーションが小さく光学等方性に優れるアクリル系フィルムが得られる。
<易接着層>
フィルム基材11の表面に設けられる易接着層15は、バインダ樹脂および微粒子を含む。易接着層15が設けられることにより、偏光子等のフィルムやガラス基板等に対する接着性を向上できる。易接着層15が微粒子を含むことにより、易接着層15の表面に微細な凹凸が形成され、フィルムの滑り性が向上する。そのため、易接着フィルム1のロール搬送時の傷付きの低減や、ロール状に巻き取る際のブロッキング抑制に寄与する。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としては、アクリル系フィルム等のフィルム基材との密着性に優れることから、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、ポリエステル樹脂、分子中にアミノ基を含むポリマー類、オキサゾリン基等の架橋性官能基を有するアクリル樹脂等の反応性基を有する樹脂(ポリマー)が用いられる。易接着層15のバインダ樹脂としては、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。ポリウレタン樹脂バインダを含む易接着層15は、フィルム基材11との密着性が高い。また、易接着層15がポリウレタン樹脂バインダを含む易接着フィルム1は、接着剤層を介して偏光子等のフィルムを積層した際に、高い接着性を示す傾向がある。
ウレタン樹脂は、代表的には、ポリオールとポリイソシアネートの反応生成物である。ポリオール成分としては、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の高分子ポリオールが好ましく用いられる。
ポリアクリルポリオールは、代表的には、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有モノマーとの重合により得られる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ポリアクリルポリオールは、上記以外のモノマー成分を含んでいてもよい。他のモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびジエステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化α,β−不飽和脂肪族単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族単量体等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、代表的には、多塩基酸とポリオールとの反応により得られる。多塩基酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、酒石酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;あるいは、これらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、1−メチル−1,4−ペンチレングリコール、2−メチル−1,4−ペンチレングリコール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンチレングリコール、2−メチル−1,5−ペンチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンチレングリコール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、2,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、代表的には、多価アルコールにアルキレンオキシドを開環重合して付加させることにより得られる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
易接着層15を構成するウレタン樹脂は、好ましくは、カルボキシ基を有する。ウレタン樹脂がカルボキシ基を有することにより、架橋構造の導入が可能となり、易接着フィルム1と偏光子等との接着耐久性が向上する傾向がある。カルボキシ基を有するウレタン樹脂は、例えば、ポリオールとポリイソシアネートに加え、遊離カルボキシ基を有する鎖長剤を反応させることにより得られる。遊離カルボキシ基を有する鎖長剤としては、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスクシン酸等が挙げられる。ジヒドロキシカルボン酸としては、ジメチロールアルカン酸(例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸)等のジアルキロールアルカン酸等が挙げられる。
ウレタン樹脂の製造方法は特に限定されず、モノマー成分を一度に反応させるワンショット法、および段階的に反応させる多段法のいずれでもよい。遊離カルボキシ基を有する鎖長剤を用いてウレタン樹脂にカルボキシ基を導入する場合は、多段階法が好ましい。ウレタン樹脂の製造に際しては、必要に応じてウレタン反応触媒を用いてもよい。
ウレタン樹脂の数平均分子量は、5,000〜600,000が好ましく、10,000〜400,000がより好ましい。ウレタン樹脂の酸価は、10〜50が好ましく、20〜45がより好ましい。
ウレタン樹脂は、架橋構造を有していてもよい。ウレタン樹脂に架橋構造が導入されることにより、易接着フィルム1と偏光子等との接着耐久性が向上する傾向がある。架橋剤としては、ウレタン樹脂の架橋性官能基と反応可能なものを特に制限なく使用できる。ウレタン樹脂がカルボキシ基を有する場合は、アミノ基、オキサゾリン基、エポキシ基、カルボジイミド基等を含む架橋剤が用いられる。これらの中でも、オキサゾリン基を有する架橋剤が好ましい。オキサゾリン基は、常温ではカルボキシ基との反応性が小さいため、ウレタン樹脂と混合したときのポットライフが長く、工程のリードタイムに柔軟に対応できる。
架橋剤は低分子化合物でもよく、ポリマーでもよい。水系組成物への溶解性が高く、ウレタン樹脂との相溶性にも優れることから、架橋剤としてはアクリル系ポリマーが好ましい。特に、架橋剤としてオキサゾリン基を有するアクリル系ポリマーを用いた場合に、易接着フィルム1と偏光子等のフィルムとの接着性が向上する傾向がある。
架橋剤の使用量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましい。
(微粒子)
易接着層15に微粒子が含まれることにより、易接着層の表面に微細な凹凸形状が形成され、易接着フィルム1の滑り性が向上し、ブロッキングを抑制できる。滑り性向上に寄与する凹凸を形成する観点から、微粒子の粒子径(平均一次粒子径)は、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上がさらに好ましい。微粒子の平均一次粒子径が可視光波長よりも小さいことにより、バインダ樹脂と微粒子との界面での可視光の散乱を抑制し、透明性の高い易接着フィルムが得られる。そのため、微粒子の粒子径は100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましく、50nm以下が特に好ましい。
分散性および粒子径の均一性に優れることから、易接着層15の微粒子としては無機微粒子が好ましい。無機微粒子としては、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物;炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも無機酸化物が好ましい。微粒子に起因する光散乱を抑制するためには、バインダ樹脂(一般に屈折率1.5程度)と微粒子との屈折率差が小さいことが好ましい。バインダ樹脂との屈折率差が小さく、かつ分散性に優れることから、易接着層15の微粒子としてはシリカ粒子が好ましい。
水系の組成物から易接着層15を形成する場合、水分散性の高い微粒子を用いることが好ましい。微粒子の水分散液を組成物中に配合してもよい。無機微粒子の分散性を高めるためには、アミンやアンモニア等のアルカリ成分を添加して、易接着組成物を弱アルカリ性とすることが好ましい。
水分散性のシリカ粒子としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。コロイダルシリカとして、扶桑化学工業(株)製のクォートロンPLシリーズ、日産化学工業(株)製のスノーテックスシリーズ、日本アエロジル(株)のAERODISPシリーズおよびAEROSILシリーズ等の市販品を用いてもよい。
易接着層15の表面への凹凸形成により、易接着フィルム1の滑り性を高める観点から、易接着層15における微粒子の含有量は、8重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、12重量%以上がさらに好ましい。特に、易接着層15の厚みが280nm以下の場合は、微粒子の含有量を大きくして単位面積当たりの微粒子の量(数密度)を高めることにより、易接着層15の面内に均一に凹凸を形成することが好ましい。易接着層15の微粒子の含有量が過度に大きいと、バインダ樹脂と微粒子との界面での光散乱の増大に起因する光学特性の低下を招く場合がある。また、微粒子含有量の増大に伴って、バインダ樹脂の相対的な含有量が小さくなるため、易接着層の接着性が低下する場合がある。そのため、易接着層15における微粒子の含有量は、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
(残存アルカリ量)
無機微粒子の分散性を高めるために、アミンやアンモニア等のアルカリ成分を用いると、易接着層には不可避的にアルカリ成分が残存する。易接着フィルム1を偏光子保護フィルムとして用いた場合、易接着層15の残存アルカリ成分が水分等により溶出すると、偏光子を劣化させ、偏光板の偏光度の低下や、スジ状のムラ等の光学的な欠陥が発生する場合がある。
偏光板の加湿耐久性を高める観点から、易接着層15の残存アルカリ量は、75ppm以下が好ましく、70ppm以下がより好ましく、60ppm以下がさらに好ましく、55ppm以下が特に好ましい。偏光板の加湿耐久性向上の観点からは、易接着層15における残存アルカリ量は少ないほど好ましい。
一方、易接着層15の残存アルカリ量が過度に小さいと、微粒子の分散性が損なわれ、微粒子の凝集に起因する白濁等の外観不良が生じる場合がある。また、分散性の低下による微粒子の凝集や易接着層からの脱落に起因して、易接着層の表面に適切な凹凸が形成されず、易接着フィルムの滑り性が低下する傾向がある。そのため、易接着層15の残存アルカリ量は、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましい。
易接着層中のアルカリ量は、アルカリ成分の種類に応じて、液体クロマトグラフィーやイオンクロマトグラフィー等により定量できる。クロマトグラフィーと質量分析(MS)とを組み合わせた分析法(例えば、LC/MS)によりアルカリ成分の定量を行ってもよい。易接着層中に複数のアルカリ成分が含まれている場合は、各成分の合計を易接着層のアルカリ成分含有量(残存量)とする。
<易接着層の形成>
フィルム基材11の表面への易接着層15の形成方法は特に限定されない。好ましくは、バインダ樹脂および微粒子を含む易接着組成物(塗液)を、フィルム基材11上に塗布し、加熱することにより、易接着層15が形成される。
(易接着組成物)
易接着組成物は、水を溶媒(および微粒子に対する分散媒)とする水系の組成物であることが好ましい。易接着組成物における固形分(不揮発成分)の濃度は、1〜30重量%が好ましく、2〜20重量%がより好ましく、3〜15重量%がさらに好ましい。
水系の易接着組成物は、溶媒(および分散媒)としての水と、バインダ樹脂脂またはその前駆物質と、無機微粒子とを含む。易接着組成物は、さらにアルカリ成分を含むことが好ましい。前述のように、アルカリ成分は無機微粒子の分散を促進する作用を有する。そのため、易接着組成物がアルカリ成分を含むことにより、無機微粒子の分散性を向上し、外観や滑り性に優れる易接着フィルムが得られる。
一方、易接着組成物に含まれるアルカリが易接着層に残存すると、偏光板の耐湿熱性を低下させる原因となり得る。特に、苛性等の強アルカリは、少量でも偏光子を劣化させる原因となり得る。そのため、易接着組成物に含まれるアルカリ成分としては、アンモニアやアミン等の弱アルカリ成分が好ましい。無機微粒子の分散性向上と、偏光子の劣化防止とを両立する観点から、易接着組成物(塗液)のpHは、7.5〜9程度が好ましい。
無機微粒子の分散性を向上させる観点から、易接着組成物に含まれるアルカリ成分の量は、易接着組成物の固形分に対して300ppm以上が好ましく、500ppm以上がより好ましい。一方、アルカリ成分の含有量が過度に大きいと、残存アルカリ量を低下させることが困難となる場合があるため、易接着組成物に含まれるアルカリ成分の量は、易接着組成物の固形分に対して50000ppm以下が好ましく、10000ppm以下がより好ましく、5000ppm以下がさらに好ましい。
易接着組成物に含まれるアルカリ成分は、無機微粒子の分散性向上に加えて、触媒作用等を有するものであってもよい。例えば、バインダ樹脂がウレタン系樹脂である場合は、ポリウレタン前駆物質(ポリオール、イソシアネート等)のウレタン化触媒として、トリエチルアミン等の第三級アミンが易接着組成物に含まれていてもよい。
フィルム基材上に易接着組成物を塗布後に加熱することにより、アルカリ成分を揮発除去して、易接着層15の残存アルカリ成分を低減できる。加熱によるアルカリ成分の揮発を促進する観点から、易接着組成物に含まれるアルカリ成分は、沸点が150℃以下であることが好ましい。アルカリ成分の沸点は130℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましく、110℃以下が特に好ましい。アルカリ成分の沸点は、100℃以下または90℃以下であってもよい。易接着組成物に複数のアルカリ成分が含まれる場合は、少なくとも1つのアルカリ成分の沸点が上記範囲であることが好ましく、2以上のアルカリ成分の沸点が上記範囲であることが好ましい。易接着層に含まれるアルカリの全量100重量部に対して、50重量%以上のアルカリ成分の沸点が上記範囲であることが好ましい。易接着組成物に含まれる全てのアルカリ成分の沸点が上記範囲であることが理想的である。
易接着組成物は、バインダ樹脂(またはその前駆物質)、無機微粒子およびアルカリ成分に加えて、架橋剤を含んでいてもよい。易接着組成物は、架橋促進剤等の触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、分散安定剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(フィルム基材上への易接着層の形成)
フィルム基材11上に易接着組成物を塗布する前に、フィルム基材の表面処理を行ってもよい。表面処理を行うことにより、フィルム基材の濡れ張力を調整し、易接着層15との密着性を向上できる。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理等が挙げられる。これらの中でも、コロナ処理またはプラズマ処理が好ましい。
易接着組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法等が挙げられる。塗布後の易接着組成物を加熱して、溶媒を除去することにより易接着層15が形成される。加熱によりバインダ樹脂の前駆物質を反応させ硬化させてもよい。例えば、易接着組成物が架橋剤を含む場合は、加熱により架橋反応を促進できる。
易接着層形成時の加熱温度は、例えば50〜200℃程度である。易接着組成物における樹脂成分の硬化反応を促進するとともに、易接着組成物に含まれるアルカリ成分を効率的に揮発除去させる観点から、加熱温度は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましく、135℃以上が特に好ましい。また、加熱温度は、易接着組成物に含まれるアルカリ成分の沸点よりも高いことが好ましい。
易接着層形成時の加熱温度は、フィルム基材のガラス転移温度(Tg)よりも高温であることが好ましい。高温で加熱することにより、易接着組成物における樹脂成分の硬化反応を促進するとともに、易接着組成物に含まれるアルカリ成分を効率的に揮発除去できる。加熱温度は、フィルム基材のTgよりも10℃以上高い温度であることが好ましい。
フィルム基材のTgよりも高温で加熱することにより、易接着組成物中のアルカリの揮発除去効率が高められるとともに、フィルム基材の表面に易接着組成物が浸透しやすくなり、フィルム基材11と易接着層15との密着性が向上すると考えられる。易接着層の密着性を向上させる観点から、加熱温度は、フィルム基材のTg+10℃以上が好ましく、Tg+15℃以上がより好ましく、Tg+20℃以上がさらに好ましい。
フィルム基材のTg+10℃以上の温度で加熱すると、フィルム基材がガラス状態からゴム状態となり表面が変形しやすくなるため、フィルム基材11と易接着層15との界面において、フィルム基材の樹脂成分と易接着層の構成成分とが混在した界面層が形成されやすい。界面層が形成されることにより、フィルム基材11と易接着層15との密着性が向上する傾向がある。
特に、図3の断面観察像に示すように、フィルム基材11の表面に易接着層15の微粒子が嵌りこんで埋設した領域が存在する場合に、フィルム基材11と易接着層15との密着性の高い易接着フィルムが得られる。フィルム基材をTgよりも高温に加熱したゴム状態で微粒子がフィルム基材に埋設し、その後にフィルム基材がガラス状態に戻ると、フィルム基材の表面に埋設された微粒子およびその周囲に存在するバインダ樹脂が、フィルム基材の表面に固着するため、フィルム基材11と易接着層15との密着性が向上すると考えられる。
フィルム基材の製造工程において易接着層を形成してもよい。また、フィルム基材の形成時の加熱を利用して、易接着層を形成してもよい。例えば、フィルム基材が延伸フィルムである場合には、延伸前のフィルムや縦延伸後のフィルムの表面に、易接着組成物を塗布し、テンターによる横延伸または同時二軸延伸時の加熱を利用して、溶媒の乾燥や樹脂の硬化を行うことができる。
易接着組成物を塗布後にフィルム基材の延伸を行う場合は、易接着層へのクラック発生等の不具合を抑制する観点から、延伸倍率は5倍以下が好ましく、4倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましく、2.5倍以下が特に好ましい。延伸倍率の下限は特に限定されないが、フィルム強度向上の観点から、延伸倍率は1.3倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましい。フィルム基材がアクリル系フィルムである場合は、フィルム強度向上の観点から、搬送方向(MD)および幅方向(TD)のそれぞれに、上記の延伸倍率で延伸を実施することが好ましい。
フィルム基材の二軸延伸を行う場合、二軸延伸は、逐次二軸延伸でもよく、同時二軸延伸でもよい。また、斜め延伸を行ってもよい。逐次二軸延伸を行う場合は、前述のように、ロール延伸によりフィルムを1方向(MD)に延伸した後、フィルム上に易接着組成物を塗布し、テンターによる延伸時に易接着組成物の加熱を行ってもよい。
延伸温度は、易接着層の加熱温度として前述したように、フィルム基材のTgよりも高温であることが好ましく、Tg+10℃以上が好ましく、Tg+15℃以上がより好ましく、Tg+20℃以上がさらに好ましい。特に、易接着組成物を塗布後に、上記温度で少なくとも1方向に延伸を行うことが好ましい。フィルム基材のTgよりも高温のゴム状態で延伸を行うと、フィルム基材の表面に易接着組成物中の微粒子が埋設した領域が形成されやすく、フィルム基材11と易接着層15との密着性が向上する傾向がある。高温での延伸によりフィルム基材に微粒子が埋設されやすくなる理由として、ゴム状態で延伸を行うとフィルム基材の変形の際に易接着組成物が濡れ拡がりやすく、変形時に形成される表面凹凸の凹部に微粒子が嵌った状態となりやすいことが挙げられる。また、延伸後に応力を開放しながら冷却を行うと、フィルム基材が収縮する際に、フィルム基材の表面に嵌った粒子が固着されるため、フィルム基材に微粒子が埋設した領域が形成されやすいと考えられる。
易接着組成物の固形分濃度および塗布厚みを調整することにより、易接着層15の厚みを調整できる。易接着組成物を塗布後にフィルム基材の延伸を行う場合は、延伸倍率によっても易接着層15の厚みを調整できる。
易接着層15の厚みは特に限定されないが、加熱によるアルカリ成分の除去を促進する観点から280nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、230nm以下がさらに好ましい。易接着フィルム1を偏光子保護フィルムとして用いる場合は、易接着層15の厚みが小さいほど、偏光板の加湿耐久性が向上し、スジ状のムラ等の光学的な欠点の発生が低減する傾向がある。また、易接着層15の厚みが小さいほど、偏光板が加湿環境に曝された際の偏光度の低下が抑制される傾向がある。
易接着組成物の加熱乾燥の際に、アルカリ成分が過剰に除去されると、バインダ樹脂中での微粒子の分散性が低下して、微粒子の凝集や、これに伴う易接着層表面からの微粒子の脱落等が生じやすい。微粒子の凝集や脱落が生じると、易接着フィルムの滑り性が低下して、搬送時の傷つきや巻き取り時のブロッキングが生じやすくなる。そのため、易接着層15の厚みは40nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、80nm以上がさらに好ましく、100nm以上が特に好ましい。また、易接着層15による接着性向上効果を適切に発現させる観点からも、易接着層15の厚みは上記範囲であることが好ましい。
[偏光板]
偏光板は、偏光子の一方の面のみに透明保護フィルムを備えるものでもよく、図2に示すように偏光子5の両面に透明保護フィルムを備えるものでもよい。偏光子の一方の面に、偏光子保護フィルムとして上記の易接着フィルムを貼り合わせることにより、偏光子の一方の面のみに透明保護フィルムを有する偏光板が形成される。偏光子の両方の面に偏光子保護フィルムを有する偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、上記の易接着フィルムが貼り合わせられていればよい。偏光板は、偏光子の両面に上記の易接着フィルムが貼り合わせられたものであってもよい。偏光子5と易接着フィルム1とは、接着剤層6を介して貼り合わせられる。
<偏光子>
偏光子5としては、ポリビニルアルコールや、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて1方向に配向させたポリビニルアルコール(PVA)系偏光子が用いられる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素染色および延伸を施すことにより、PVA系偏光子が得られる。
偏光子5の製造工程においては、必要に応じて、水洗、膨潤、架橋等の処理が行われてもよい。延伸は、ヨウ素染色の前後いずれに行われてもよく、染色しながら延伸が行われてもよい。延伸は、空中での延伸(乾式延伸)、あるいは、水中や、ホウ酸、ヨウ化カリウム等を含む水溶液中での延伸(湿式延伸)のいずれでもよく、これらを併用してもよい。偏光子5の膜厚は特に制限されないが、一般的に、1〜50μm程度である。
偏光子5として、厚みが10μm以下の薄型のPVA系偏光子を用いることもできる。薄型の偏光子としては、例えば、特開昭51−069644号公報、特開2000−338329号公報、WO2010/100917号パンフレット、特許第4691205号明細書、特許第4751481号明細書等に記載されている薄型偏光子を挙げることができる。これらの薄型偏光子は、PVA系樹脂層と延伸用樹脂基材とを積層体の状態で延伸する工程と、ヨウ素染色する工程とを含む製法により得られる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されているため、延伸による破断等の不具合なく延伸することが可能となる。
<接着剤>
偏光子5と易接着フィルム1との貼り合わせに用いられる接着剤層6は、光学的に透明であれば、その材料は特に制限されず、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。接着剤層6の厚みは、例えば、0.01〜20μm程度であり、被着体の種類や接着剤の材料等に応じて適宜に設定される。塗布後の架橋反応により接着性を示す硬化型の接着剤を用いる場合、接着剤層6の厚みは0.01〜5μmが好ましく、0.03〜3μmがより好ましい。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤系接着剤、ホットメルト接着剤系、活性エネルギー線硬化型接着剤等の各種形態のものが用いられる。これらの中でも、接着剤層の厚みを小さくできることから、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。
水系接着剤のポリマー成分としては、ビニルポリマー、ゼラチン、ビニル系ラテックス、ポリウレタン、ポリエステ系、エポキシ等を例示できる。これらの中でも、易接着フィルムと偏光子との接着性に優れることから、ビニルポリマーが好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の中でも、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、接着性の点から、100〜5000程度が好ましく、1000〜4000がより好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、85モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
水系接着剤組成物(溶液)は、ポリビニルアルコール系樹脂等のポリマーに加えて、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、接着剤を構成するポリマーと反応性を有する官能基を1分子中に少なくとも2つ有する化合物が用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂の架橋剤としては、アルキレンジアミン類;イソシアネート類;エポキシ類;アルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン等のアミノ−ホルムアルデヒドが挙げられる。これらの中でも、アミノ−ホルムアルデヒドが好ましい。アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはメチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好ましい。接着剤組成物中の架橋剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、10〜60重量部程度が好ましく、20〜50重量部がより好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線や紫外線等の活性エネルギー線の照射により、ラジカル重合、カチオン重合またはアニオン重合可能な接着剤である。中でも、低エネルギーで硬化可能であることから、紫外線照射によりラジカル重合が開始する光ラジカル重合性接着剤が好ましい。
ラジカル重合性接着剤のモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物や、ビニル基を有する化合物が挙げられる。中でも、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、C1−20鎖状アルキル(メタ)アクリレート、脂環式アルキル(メタ)アクリレート、多環式アルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。ラジカル重合性接着剤は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N‐メチロール(メタ)アクリルアミド、N‐メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマーを含んでいてもよい。ラジカル重合性接着剤は、架橋成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9‐ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを含んでいてもよい。
光ラジカル重合性接着剤等の光硬化型接着剤は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、反応種に応じて適宜選択すればよい。例えば、ラジカル重合性接着剤には、光重合開始剤として、光照射によりラジカルを生成する光ラジカル発生剤を配合すること好ましい。光ラジカル発生剤の含有量は、モノマー100重量部に対して、通常0.1〜10重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部である。なお、ラジカル重合性接着剤を電子線硬化型として用いる場合には、光重合開始剤は特に必要ない。ラジカル重合性接着剤には、必要に応じて、カルボニル化合物等で代表される光増感剤を添加することもできる。光増感剤は、電子線による硬化速度や感度を上昇させるために用いられる。光増感剤の使用量はモノマー100重量部に対して、通常0.001〜10重量部程度、好ましくは、0.01〜3重量部である。
接着剤は、必要に応じて適宜の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、エチレンオキシド等の接着促進剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、染料、加工助剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、発泡抑制剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等が挙げられる。
[偏光板の作製]
偏光子5の一方の面(第一主面)に、接着剤層6を介して易接着フィルム1を貼り合わせることにより偏光板が製造される。易接着フィルム1は、易接着層形成面が接着剤層を介して偏光子5と貼り合わせられていてもよく、易接着層非形成面が接着剤層を介して偏光子5と貼り合わせられていてもよい。図2に示すように、易接着フィルム1の易接着層15形成面に接着剤層6を介して偏光子5を貼り合わせることにより、偏光子と偏光子保護フィルム(易接着フィルム1)との接着性が高く、機械強度や耐久性に優れる偏光板が得られる。易接着層非形成面が接着剤層を介して偏光子5と貼り合わせられている場合は、易接着フィルム上に設けられる他のフィルム、粘着剤層、ガラス基板等との接着性を向上できる。
偏光子5と易接着フィルム1との貼り合わせにおいては、偏光子5および易接着フィルム1のいずれか一方または両方に、接着剤組成物を塗布した後、偏光子5と易接着フィルム1とをロールラミネータ等により貼り合わせ、接着剤を硬化させることが好ましい。偏光子5および/または易接着フィルム1への接着剤組成物の塗布方法としては、ロール法、噴霧法、浸漬法等が挙げられる。偏光子5および/または易接着フィルム1の表面に接着剤組成物を塗布する前に、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理等の表面処理を行ってもよい。
偏光子5と易接着フィルム1とを貼り合わせた後に、接着剤の種類に応じて、接着剤を硬化させることにより、接着剤層6が形成される。水系接着剤を用いた場合は、加熱乾燥により接着剤の硬化が行われる。活性エネルギー線硬化型接着剤を用いた場合は、電子線や紫外線等の活性エネルギー線の照射により接着剤の硬化が行われる。
<透明保護フィルム>
偏光子5の第二主面には、接着剤層7を介して透明保護フィルム2が貼り合わせられてもよい。透明保護フィルム2としては、任意の適切な透明フィルムを採用し得る。透明保護フィルム2の厚みは、5〜200μm程度である。機械強度、透明性およびハンドリング性等の観点から、透明保護フィルム2の厚みは10〜100μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。易接着フィルム1と透明保護フィルム2の厚みは同一でもよく異なっていてもよい。
透明保護フィルム2を形成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリノルボルネン等の環状ポリオレフィン;ポリカーボネート等が挙げられる。
透明保護フィルム2は、偏光子5との貼り合わせ面に易接着層(不図示)を備えていてもよい。透明保護フィルム2には、易接着フィルム1の易接着層15と同様の易接着層が設けられてもよい。
偏光子5と透明保護フィルム2との貼り合わせに用いられる接着剤層7としては、水系接着剤、溶剤系接着剤、ホットメルト接着剤系、ラジカル重合硬化型接着剤等の各種形態のものが用いられる。接着剤層6と接着剤層7に同一の接着剤組成物を用いてもよい。
[偏光板の用途]
偏光板には、液晶セルや有機ELセル等への貼り合わせのための粘着剤層を設けてもよい。粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性を示し、かつ耐候性や耐熱性等に優れることから、アクリル系粘着剤が好ましい。
偏光板への粘着剤層の付設は、適宜な方式で行いうる。例えば、トルエンや酢酸エチル等の溶媒にベースポリマー等を溶解または分散させた固形分濃度10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、偏光板上に付設する方式、あるいは適宜の基材上に形成した粘着剤層を偏光板上に転写する方法等が挙げられる。
偏光板の両面に粘着剤層を設けてもよい。偏光板の両面に粘着剤層を設ける場合、表裏の粘着剤層の組成や厚みは同一でも異なっていてもよい。粘着剤層の厚みは、一般には5〜500μm程度である。
粘着剤層の表面には、粘着剤層の汚染防止等を目的として、セパレータを仮着してもよい。セパレータとしては、プラスチックフィルムの表面を、シリコーン系離型剤、長鎖アルキル系離型剤、フッ素系離型剤等の剥離剤でコート処理したものが好ましく用いられる。
偏光板は、他の光学層と積層した積層偏光板であってもよい。光学層としては、位相差板、視角補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
偏光板を、液晶セルや有機ELセル等の画像表示セルの表面に貼り合わせることにより、画像表示装置を形成できる。液晶表示装置の形成は、液晶セルと偏光板、および必要に応じて照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。有機EL表示装置においては、有機ELセルの表面に、本発明の偏光板と位相差フィルム(典型的には1/4波長板)とを組み合わせた円偏光板と貼り合わせることにより、金属電極等による外光の反射光の再出射を低減して、視認性を向上できる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の「%」の記載は、特に断りがない限り重量%である。
[易接着組成物の調製]
樹脂成分としてポリエステルウレタンおよびイソホロンジイソシアネートを含み、さらに硬化触媒としてのトリエチルアミンおよび分散媒としてのメチルエチルケトンを含む固形分34%の水系ポリウレタン(第一工業製薬製「スーパーフレックス210R」)20.6重量部、固形分25%のオキサゾリン含有ポリマー水溶液(日本触媒製「エポクロスWS−700」)5.2重量部、1重量%のアンモニア水2.8重量部、平均一次粒子径35nmのコロイダルシリカの20%水分散液(扶桑化学工業製「クォートロンPL−3」)7.5重量部、および純水63.9重量部を混合して、易接着組成物を調製した。この易接着組成物は、固形分100重量部に対してシリカ粒子を15.3重量部含有する濃度9.8%の水溶液であった。以下の実施例および比較例では、この易接着組成物を用いて易接着層を形成した。
[実施例1]
溶融押出製膜装置、グラビアコーター、テンター式同時二軸延伸装置、および巻取り装置を備えるフィルム製造装置を用いて、易接着フィルムを作製した。アクリル系樹脂として、特開2017−26939号の実施例に記載の「透明保護フィルム1A」の作製に用いたものと同一のイミド化MS樹脂(ガラス転移温度:120℃)のペレットを用いた。アクリル系樹脂をTダイから溶融押出して160μmの厚みで製膜し、フィルムの一方の面にグラビアコーターにて上記の易接着組成物を約9μmのウェット厚みで塗布し、温度140℃の加熱炉内で同時二軸延伸テンターにより長手方向(MD)および幅方向(TD)にそれぞれ2倍に延伸して、厚み40μmのアクリル系フィルムの一方の面に厚み50nmの易接着層を備える易接着フィルムを得た。
[実施例2〜4および比較例1,2]
易接着組成物の塗布厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、易接着フィルムを得た。易接着層の厚み(延伸後)は、表2に示す通りであった。
[実施例5,6および比較例3〜5]
テンター延伸時の炉内温度(延伸温度)を表2に示すように変更した。延伸温度を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、易接着フィルムを得た。
[比較例6]
グラビアコーターでの易接着組成物の塗布を行わず、易接着層を備えていない厚み40μmのアクリル系フィルムを得た。
[偏光板の作製]
(偏光子の作製)
厚み45μmのポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム(クラレ製「PE4500」)の長尺ロールを、ロール延伸機により長手方向に5.9倍になるように長手方向に一軸延伸しながら、表1に示す膨潤浴、染色浴、架橋浴1、架橋浴2、および洗浄浴を順に搬送し、70℃で5分間乾燥させて厚み18μmの偏光子を作製した。染色浴におけるヨウ素濃度およびヨウ化カリウム濃度は、偏光子の単体透過率が43.4%になるように調整した。
(紫外線硬化型接着剤の調製)
N−ヒドロキシエチルアクリルアミド40重量部およびアクリロイルモルホリン60重量部を硬化性成分として含み、さらに重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF製「イルガキュア819」)3重量部を含む紫外線硬化型接着剤を調製した。
(偏光子と偏光子保護フィルムの貼り合わせ)
片面の偏光子保護フィルムとして、各実施例および比較例の易接着フィルムを用い、他方の面の偏光子保護フィルムとして二軸延伸環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン製「ゼオノアフィルムZF−14」)を用いた。易接着フィルムの易接着層形成面およびゼオノアフィルムの表面に、上記の紫外線硬化型接着剤を約1μmの厚みで塗布し、ロールラミネータで偏光子に貼り合わせた後、積算光量1000/mJ/cmの紫外線を照射して接着剤を硬化させ、偏光子の一方の面にアクリル系フィルム(易接着フィルム)、他方の面にゼオノアフィルムを備える偏光板を得た。
[評価]
<易接着層の残存アルカリ量>
易接着層に残存するトリエチルアミンおよびアンモニアの量を定量した。トリエチルアミンの残存量は、易接着フィルムの表面から易接着層を削り出した粉末を秤量してメタノールに溶解し、溶液のガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)法により定量した。アンモニアの残存量は、易接着フィルムを25℃の純水に浸漬した後、120℃の乾燥機にて60分間の加熱抽出を行い、水中に溶出したアンモニアをイオンクロマトグラフィーにより定量した。トリエチルアミンの量とアンモニアの量の合計を残存アルカリ量とした。
<易接着層の密着性>
易接着フィルムの易接着層形成面に、粘着テープ(日東電工製「No.31B」)を線圧8kg/m、圧着速度0.3m/分で圧着し、50℃で48時間保存した後、粘着テープの先端を把持して引張速度30m/分で180°ピール試験を行い、下記の基準により易接着層の密着性を判定した。
〇:アクリル系フィルムから易接着層が剥離せず粘着テープと易接着層との界面で剥離したもの
×:アクリル系フィルムと易接着層との界面で剥離が生じたもの
<目視評価>
易接着フィルムの表面を目視にて観察し、シリカ粒子の凝集による局所的な濁り(ヘイズ上昇)の有無、および易接着層非形成面における傷の有無を評価した。
〇:シリカ粒子の凝集がなく面内の均一性が良好であり、傷が認められなかったもの
△:シリカ粒子の凝集による濁りは見られなかったものの、易接着層非形成面に深さ1μm以下の傷が認められたもの
×:シリカ粒子の凝集による濁り、および易接着層非形成面の傷が認められたもの
<界面層の有無>
易接着フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、アクリル系フィルムと易接着層との界面において、易接着層中の粒子がアクリル系フィルムに埋設している領域(界面層)の有無を確認した。実施例3(界面層あり)のTEM観察像を図3、比較例4(界面層なし)のTEM観察像を図4に示す。
<偏光板の加湿耐久性>
偏光板を320mm×240mmのサイズに切り出し、環状ポリオレフィンフィルム側の面を、厚み20μmのアクリル系粘着剤を介してガラス上に貼り合わせた。この試料を、温度60℃、相対湿度90%(条件1)の恒温恒湿槽、または温度85℃、相対湿度85%(条件2)の恒温恒湿槽に入れ、500時間保持して加熱・加湿耐久試験を実施した。
耐久試験前の偏光度Pおよび耐久試験後の偏光度Pを測定し、偏光度の変化量ΔP=|P−P|を算出した。また、耐久試験後の偏光板上に別の偏光板をクロスニコルで配置し、目視にて観察してスジ状のムラの有無を確認し、以下の基準により評価した。
◎:条件1および条件2のいずれの耐久試験後の試料もスジムラが観察されない
〇:条件1の耐久試験後の試料にはスジムラが観察されず、条件2の耐久試験後の試料では僅かなスジムラが視認される
△:条件1および条件2の耐久試験後の両方の試料において僅かなスジムラが視認される
×:条件1および条件2の耐久試験後の両方の試料においてスジムラがはっきりと視認される
実施例1および比較例2の偏光板の耐久試験(60℃90%Rh 500時間)前後のクロスニコルでの観察写真(低輝度用ムラ計測システム アイシステム製「EYESCALE−4W」にて撮影)を図5に示す。
実施例および比較例の易接着フィルムの作製条件(延伸温度および延伸後の易接着層の厚み)、易接着フィルムの評価結果(目視、密着性、界面層の有無)、ならびに偏光板の耐久試験結果(スジムラの有無および偏光度の変化量ΔP)を、表2に示す。
易接着層を形成しなかった比較例6のアクリル系フィルムを用いた偏光板では、加湿耐久試験後もスジムラが観察されず、偏光度の低下が小さく良好な光学特性を示した。しかしながら、アクリル系フィルムと偏光子との接着性が低く、加湿耐久試験後に、偏光板の端部において、アクリル系フィルムの偏光子からの剥離がみられた。
厚み350nmの易接着層を備える比較例2の易接着フィルムは、アクリル系フィルムと易接着層との密着性が良好であり、易接着フィルムの外観も良好であった。しかし、この易接着フィルムを偏光子保護フィルムとして用いた偏光板は、加湿耐久試験後の偏光度の低下が大きく、著しいスジ状のムラが確認された。延伸温度(易接着層形成時の加熱温度)が120℃以下の比較例3〜5においても、比較例2と同様、加湿耐久試験後の偏光度の低下が大きく、著しいスジ状のムラが確認された。
延伸温度140℃で50nm〜250nmの易接着層を形成した実施例1〜4の易接着フィルムには微粒子の凝集に起因する白濁がみられず、良好な外観を示した。なお、実施例1の易接着フィルムは、易接着層非形成面に微細な傷がみられたが、他の部材との貼り合わせの際に粘着剤や接着剤等により埋められて光学的な欠点とならないレベルの傷であった。また、実施例1〜4の易接着フィルムを用いた偏光板は、比較例2の易接着フィルムを用いた偏光板に比べて、加湿耐久性に優れ、スジムラの発生が抑制されていた。
厚み30nmの易接着層を形成した比較例1の易接着フィルムは、偏光板の加湿耐久性は良好であったが、シリカ微粒子の凝集による白濁、および易接着層非形成面の傷つきがみられ、外観が劣っていた。傷の発生は、分散性の低下によりシリカ微粒子が易接着層の表面から脱落し、易接着フィルムの滑り性が低下したことに起因すると考えられる。
実施例1〜4と比較例1,2の対比から、易接着層の厚みが小さく、残存アルカリ成分が少ないほど、加湿耐久試験後のスジムラの発生が抑制され、加湿耐久性に優れる偏光板が得られることが分かる。一方、易接着層の厚みが過度に小さく、残存アルカリ成分が過度に小さいと、微粒子の分散性の低下に起因して、外観不良や滑り性の低下が生じることが分かる。
延伸温度160℃または180℃で厚み200nmの易接着層を形成した実施例5および実施例6では、実施例3と同様に、易接着フィルムの外観および偏光板の加湿耐久性に優れていた。一方、延伸温度80〜120℃で厚み200nmの易接着層を形成した比較例3〜5では、易接着層の残存アルカリ量が多く、比較例2と同様、偏光板の加湿耐久試験後に著しいスジムラが確認された。
これらの結果から、無機微粒子の分散性を低下させない範囲で、易接着層の残存アルカリ量を低下させることにより、偏光子保護フィルムとして用いた場合に偏光板の加湿耐久性に優れる易接着フィルムが得られることが分かる。
低温で延伸を行った比較例3〜5では、他の例に比べてアクリル系フィルムと易接着層との密着性が劣っていた。実施例3等では、アクリル系フィルムと易接着層との界面において、アクリル系フィルムに粒子が埋まった状態の界面層(図3参照)が形成されていたのに対して、比較例3〜5では界面層が形成されていなかった(図4参照)。これらの結果から、易接着組成物を塗布後の加熱温度を高くすることにより、易接着組成物中のアルカリ成分を効率的に揮発させて残存アルカリ量を低下できることに加えて、フィルム基材と易接着層との界面での密着性を向上できることが分かる。
1 易接着フィルム
11 フィルム基材
15 易接着層
2 透明フィルム
5 偏光子
6,7 接着剤層
100 偏光板

Claims (13)

  1. 透明フィルム基材の表面に易接着層を備える易接着フィルムであって、
    前記易接着層は、バインダ樹脂、および平均一次粒子径が10〜100nmの無機微粒子を含有し、
    前記易接着層のアルカリ成分の含有量が5〜75ppmである、易接着フィルム。
  2. 前記易接着層の厚みが40〜280nmである、請求項1に記載の易接着フィルム。
  3. 前記易接着層中の前記無機微粒子の含有量が8〜50重量%である、請求項1または2に記載の易接着フィルム。
  4. 前記透明フィルム基材がアクリル系フィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の易接着フィルム。
  5. 前記易接着層の前記バインダ樹脂がウレタン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の易接着フィルム。
  6. 前記透明フィルム基材と前記易接着層との界面において、前記無機微粒子が前記透明フィルム基材に埋設している領域が存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の易接着フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の易接着フィルムを製造する方法であって、
    透明フィルム基材の表面に、バインダ樹脂またはその前駆物質、平均一次粒子径が10〜100nmの無機微粒子、アルカリ成分および溶媒を含有する易接着組成物を塗布し、
    前記透明フィルム基材のガラス転移温度よりも10℃以上高い温度で前記易接着組成物を加熱して、前記溶媒および前記アルカリ成分を揮発させる、易接着フィルムの製造方法。
  8. 前記アルカリ成分が、前記無機微粒子の分散促進作用を有する、請求項7に記載の易接着フィルムの製造方法。
  9. 前記易接着組成物は、前記バインダ樹脂の前駆物質としてポリウレタン前駆物質を含有し、前記アルカリ成分として第三級アミンを含む、請求項7または8に記載の易接着フィルムの製造方法。
  10. 前記易接着組成物が、前記アルカリ成分として、沸点が150℃以下のアルカリ成分を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の易接着フィルムの製造方法。
  11. 前記透明フィルム基材のガラス転移温度よりも10℃以上高い温度で前記易接着組成物を加熱しながら、前記易接着組成物を塗布した前記透明フィルム基材を少なくとも1方向に延伸する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の易接着フィルムの製造方法。
  12. 第一主面および第二主面を有するポリビニルアルコール系偏光子、および前記偏光子の第一主面に接着剤層を介して貼り合わせられた透明フィルムを備え、
    前記透明フィルムが請求項1〜6のいずれか1項に記載の易接着フィルムである、偏光板。
  13. 画像表示セルと、請求項12に記載の偏光板とを有する、画像表示装置。
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