JP2020015957A - 焼結鉱の軟化開始温度評価方法 - Google Patents
焼結鉱の軟化開始温度評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020015957A JP2020015957A JP2018140057A JP2018140057A JP2020015957A JP 2020015957 A JP2020015957 A JP 2020015957A JP 2018140057 A JP2018140057 A JP 2018140057A JP 2018140057 A JP2018140057 A JP 2018140057A JP 2020015957 A JP2020015957 A JP 2020015957A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sfca
- start temperature
- sintered ore
- softening start
- phase fraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
Description
まず、鉱石、石灰石等の副原料、炭材、水をミキサーあるいは混錬機を用いて造粒して、焼結原料を得る。
軟化開始温度は、高温性状を評価する手法は高温荷重軟化試験法で評価できる(例えば、非特許文献1)。これは例えば、内径70mm、高さ70mmのるつぼ内に500gの鉄源試料をコークスで上下サンドイッチする形で装入し、そのるつぼに対して荷重をかけつつ還元ガスを流し、1400℃まで加熱することで、原料の軟化開始温度を評価する試験である。この試験における軟化開始温度は、例えばこの圧力損失が200mmH2O(1960Pa)に達する温度として確定できる(条件は任意に決定可能)。
そこで焼結鉱の軟化開始温度を高温荷重軟化試験で直接求めるのではなく、焼結鉱の軟化開始温度と相関を有する指標を求め、当該指標から焼結鉱の軟化開始温度を評価できれば望ましい。
しかしながら、特許文献2ではカルシウムフェライトの総量から焼結鉱の特性を評価しており、カルシウムフェライトの組成の違いを考慮していないため、評価精度が十分でないという問題があった。また、特許文献2では焼結鉱の特性として、具体的には強度しか評価しておらず、焼結鉱の軟化開始温度を定量的に評価できなかった。
非特許文献2には、X線回折およびリートベルト解析を用いて、Fe2O3、CaCO3、SiO2、Al(OH)3を直接焼結して得た焼結試料を評価し、SFCA、SFCA−Iの比率を求めたことが記載されている。しかし焼結試料の各相の比率と軟化開始温度との相関については記載がない。
また、この発明によれば、SFCA−IとSFCAを分離してリートベルト解析を行うため、従来よりも高精度に焼結鉱の軟化開始温度を評価できる。
この発明によれば、塩基度が高い場合にSFCA−I相分率の大小に影響すると考えられる、ヘマタイト相分率とマグネタイト相分率も考慮した指標で軟化開始温度を推定する。そのため、SFCA−I相分率のみを用いる場合と比べて、塩基度が高いと予測される焼結鉱について、より高い精度で軟化開始温度を評価できる。
この発明によれば、塩基度が低い場合にSFCA−Iの相分率の大小に影響すると考えられる、マグネタイト相分率も考慮した指標で軟化開始温度を推定する。そのため、SFCA−Iの相分率のみを用いる場合と比べて、塩基度が高いと予測される焼結鉱について、より高い精度で軟化開始温度を評価できる。
まず、本発明を創出するに至った経緯について、説明する。
擬似粒子の焼結の際に、擬似粒子中の炭材である粉コークスの燃焼により、焼結層内の温度が1200℃近くまで上昇すると、Fe2O3とCaOの界面で固相拡散が進行し、固体のCaO−Fe2O3が生成する。
さらに温度が上昇するとCaO−Fe2O3が融液になる。焼結層内の温度が1200℃〜1300℃に上昇すると、融液量はさらに増加し、融液の拡散が活性化することで周りの原料を焼結させる。焼結が進むとCaO−Fe2O3系融液は冷却され、カルシウムフェライト、2次ヘマタイト、マグネタイト等の鉱物相に変化する。
本発明者は、これら鉱物相の相分率と焼結鉱の軟化開始温度との間に、相関関係があるか否かを検討した。
SFCA―Iとは、SFCAよりFe含有量が多く、Siが少ないカルシウムフェライト相である。
SFCAとは、主にFe、Ca、Si、Alを含み、Fe含有量が、SFCA−Iより少ないカルシウムフェライト相である。
このようにして求められたSFCA−I相分率は軟化開始温度と高い相関が得られた。脈石(Si、Al)が少ないカルシウムフェライト相のSFCA−Iは、脈石が比較的多く含有するSFCA等に比べて軟化開始温度が高いと考えられるため、SFCA−Iが多い焼結鉱は軟化開始温度が向上したと推察される。
以上が、本発明を創出するに至った経緯である。
まず、図1を参照して本発明の第1の実施形態に係る軟化開始温度評価方法の概要について、説明する。
まず、焼結原料を造粒し、焼成して焼結鉱を得る(図1のS1、焼結鉱製造工程)。なお、S1は必須ではないので、既に測定対象の焼結鉱がある等の理由で、焼結鉱を新たに得る必要が無い場合は実施しない。
次に、得られた焼結鉱を粉末状に粉砕して粉末試料を得る(図1のS2、試料粉砕工程)。
次に、粉末試料をX線回折法によって分析し、回折パターンを得る(図1のS3、X線回折パターン測定工程)。
次に、回折パターンにリートベルト解析を適用して鉱物相の相分率を求める(図1のS4、リートベルト解析工程)。
得られたSFCA−I相分率から軟化開始温度を評価する(図1のS5、軟化開始温度評価工程)。
以上が、本発明の第1の実施形態に係る軟化開始温度評価方法の、概要の説明である。
S1は必須ではないので、既に測定対象の焼結鉱がある等の理由で、焼結鉱を新たに得る必要が無い場合は実施しない。以下の説明は、測定対象である焼結鉱を新たに得る場合の手順である。
S1では、鉄鉱石や返鉱等の鉄含有原料、石灰石等の副原料、およびコークス等の炭材を造粒して焼結原料粒子を得た後、焼成して焼結鉱を得る。焼結装置としてはDL(ドワイトロイド)式が例示できるが、焼結鍋を用いてもよい。
次に、焼結鉱試料を焼結ケーキまたは、鍋試験で得られた焼結鉱塊から採取する。以下の説明では焼結ケーキから採取した場合について説明する。
採取の際には、鉱物相の相分率以外の軟化開始温度の因子の影響を、抑制するような採取を行う必要がある。具体的には、焼結ケーキからの採取部位を統一して、焼結鉱の粒度や焼結反応の熱履歴などに、差が無い試料を採取するのが好ましい。
S2では、XRD用に採取した試料に対して、粉砕および縮分を行う。試料の粉砕方法は、鉱物相に影響を与えなければ特に限定しない。振動ミル、ボールミル(回転ミル)、スタンプミルなどの粉砕装置を用いるのが一般的である。振動ミルやボールミルは、粉砕と同時に混合も行われるため、スタンプミルよりも時間短縮が可能である。粉砕試料は、XRDで分析するため、焼結鉱試料の粒度は平均125μmが好ましい。試料の粒度が粗すぎると、配向によってXRDパターンに悪影響を及ぼす。逆にナノメートルオーダーの粒径の場合、結晶性が悪化しアモルファスのようなXRDパターンになる。上記の粉砕装置では、ナノメートルオーダーの粒径になる可能性は低いので、通常の粉砕の場合は粗くならないように粉砕するとよい。
S3ではX線回折パターンを測定する。測定方法について記述する。まず、S2で粉砕した焼結鉱試料をサンプルホルダーに詰める。XRD測定に影響がなければ、サンプルホルダーの材質は限定しないが、一般にはガラス製である。試料粉末をサンプルホルダーに詰める際には、必要以上に強く詰めないのが好ましい。強く詰めると焼結鉱の結晶方位が揃って、正確なXRDパターンが測定され難くなる(配向が起こる)。詰めた後の試料の表面は平滑にするのが好ましい。これは、表面に凹凸があると侵入深さが一定でなくなり、XRDパターンに悪影響が生じるためである。焼結鉱の粉末は、特に配向が起こりやすい試料ではないため、配向を防ぐための特別な構造や方法は必要ない。
S4ではXRDにリートベルト解析を行う。リートベルト解析は、XRD測定によって得られたXRDパターン(実測XRDパターン)に一致するように、計算XRDパターンの因子を最小二乗法によって最適化する方法である。これによって、一般的なピーク強度比較以上の精度で鉱物相の決定と定量ができる。リートベルト解析による定量には、標準物質を混合しないで鉱物相の定量が可能なWPPF(Whole Powder Pattern Fitting)法を利用するのが好ましい。
以下の説明は解析ソフトウェアとしてPDXL-2を、結晶相のデータベースとして、ISDD-PDFの2012年版を利用した場合を例に説明するが、解析ソフトウェアと結晶相のデータベースはこれらに限定されない。
この時点では焼結鉱中の鉱物相の正確な存在分率はわからないが、基本的には前述したヘマタイト、マグネタイト、多成分系カルシウムフェライト、シリケートスラグの順番での鉱物相の精密化を実施すると良い。また、微量のウスタイトや2元系カルシウムフェライトについても精密化対象にしても良いが、これらの相を先に精密化してしまうと、正確な結果が得られない可能性がある。なお、本発明において、これらの微量(約3質量%以下)な相の有無は結果にほとんど影響がないため、必ずしも選択する必要はなく、解析対象外としても問題ない。
SFCA−Iも連続固溶体であるため、Ca3(Ca,Fe)(Fe,Al)16O28の構造式を満たした結晶構造を有しつつ、異なる組成の相が複数存在するが、組成が明瞭に変わらない限りは定量値に大きな影響はない。そのため、本実施形態では、化学式:Ca3.18Fe15.48Al1.34O28、No:00-052-1258を選択する。
シリケートスラグはダイカルシウムシリケート(Ca2SiO4)が大部分を占めるため、この組成の結晶相を選択するとよい。中でも2θ=32°付近に強い回折ピークをもつ、Lernite(Ca2SiO4)が焼結鉱のXRDパターンに適合している。特に問題がなければこの相を選択するのが好ましい。Lerniteもヘマタイトやマグネタイトと同じく、似た結晶構造をもつ鉱物相が存在するため、XRDパターンとFOMを参考にしながら、最も適したLerniteを候補の相に選択する。
具体的には、選択した候補の鉱物相に対して、リートベルト解析の条件を設定する。
リートベルト解析で計算XRDパターンに利用する理論回折強度の計算式を式(1)に示す。
s:尺度因子
SR(θi):試料表面粗さの補正因子
A(θi):吸収因子
D(θi):一定照射補正因子
K:ブラッグ反射強度に寄与する反射の番号
mk:ブラッグ反射の多重度
Fk:結晶構造因子
Pk:選択配向関数
L(θk):ローレンツ偏光因子
θk:ブラッグ角
Φ(Δ2θik):プロファイル関数
yb(2θi):バックグラウンド関数
これらの因子は、式(1)中では以下の式(2)〜(5)で表される。
フィッティングする因子は、格子定数、プロファイル関数、結晶構造の3つがある。まず、格子定数とプロファイル関数の精密化を同時に実施する。その後、結晶構造の精密化を行うとよい。なお、微量相においては結晶構造の精密化は対象外で良い。
本実施形態では、ヘマタイト、マグネタイト、SFCA、SFCA−I、Ca2SiO4の順番に、格子定数とプロファイル関数を同時に精密化する。一番初めのヘマタイトとマグネタイトの精密化は同時でも良い。これが完了したら、条件に応じて、ヘマタイト、マグネタイト、SFCA、SFCA−I、Ca2SiO4の結晶構造の精密化を実施する。
yi:回折強度
Wi=1/yi
N :全データ数
P :精密化するパラメータの数
一般的な焼結鉱の場合、S値が2〜3であれば、十分に高精度に鉱物相の決定と定量がされたと判断できる。ただし、焼結鉱試料によってはフィッティングが妥当であっても、S値が3以上になることがある。
S値を確認して、リートベルト解析で十分な解析結果が得られたと判断したら、S4は終了である。
S5では、軟化開始温度を評価する。
第1の実施形態では、SFCA−Iの定量値で軟化開始温度を評価する。SFCA−Iの定量値(SFCA―I相分率)が高い焼結鉱は軟化開始温度が高いと推定することができる。
比較対象である軟化開始温度は、焼結鉱の軟化開始温度として、非特許文献1の高温荷重軟化試験法に従って求めた、軟化開始温度を用いるのが好ましい。
そのため、高温荷重軟化試験や塩基度測定を行わなくても、焼結鉱の軟化開始温度を簡便に評価できる。
第2の実施形態は、第1の実施形態において、S5でヘマタイト相分率およびマグネタイト相分率をSFCA−I相分率と組み合わせた指標で軟化開始温度を評価するものである。
具体的には、S5で、SFCA−I相分率を(ヘマタイト相分率+マグネタイト相分率)で除した値で軟化開始温度を評価する。この値が高い焼結鉱は軟化開始温度が高いと推定することができる。これは、以下の理由であると考えられる。
まず、本出願人は、軟化開始温度が、ヘマタイト相分率とマグネタイト相分率の和に反比例することを確認した。ヘマタイト相分率とマグネタイト相分率が低いことは、カルシウムフェライト相が多量に生成した結果であると推定される。ヘマタイトは鉄鉱石由来の元鉱とカルシウムフェライト系融液から晶出される2次ヘマタイトに大きく分類される。元鉱は、焼結反応中に生成するカルシウムフェライト系融液に取り込まれながら進行するため、カルシウムフェライト系融液量が増大すると減少する。また、2次ヘマタイトはカルシウムフェライト系融液の拡散後に晶出するため、高温でかつ長時間の焼成温度でその生成量が増大する。SFCA−Iは低温で生成量が増大することから、2次ヘマタイトが少ない焼結鉱はSFCA−I相分率が高くなると考えられる。マグネタイトも2次ヘマタイトと同様に高温で生成量が増大するため、マグネタイトが少ない焼結鉱はSFCA−Iが増大しやすいと考えられる。以上のことから、SFCA−I相分率が増大する熱条件は、ヘマタイト(特に2次ヘマタイト)とマグネタイトが生成し難い条件であると推察される。その結果、SFCA−I相分率に対して、ヘマタイト相分率とマグネタイト相分率の和で割ることで、軟化開始温度と強い相関を得る結果となったと考えられる。
第2の実施形態は、塩基度が高いと予測される焼結鉱を評価する場合に、特に有利である。塩基度が高いとは、例えば、焼成前の原料(インプット原料とも称す)の塩基度が1.68以上の場合である。
なお、S5以外の工程は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第3の実施形態は、第1の実施形態において、S5でマグネタイト相分率をSFCA−I相分率と組み合わせた指標から軟化開始温度を推定するものである。
具体的には、S5で、SFCA−I相分率をマグネタイト相分率で除した値で軟化開始温度を評価する。この値が高い焼結鉱は軟化開始温度が高いと推定することができる。理由は、第2の実施形態と同様に、マグネタイトは高温で生成量が増大するため、マグネタイトが少ない焼結鉱はSFCA−Iが増大しやすいと考えられるためである。
第3の実施形態は、第2の実施形態と異なり、ヘマタイト相分率を評価指標に用いていないが、このようなヘマタイト相分率を用いない指標は、塩基度が低いと予測される焼結鉱を評価する場合に、特に有利であることを本発明者は確認した。これは、以下の理由によるものと推定される。まず塩基度が低いと、焼結鉱生成時に融液が生成し難くなる。その結果、ヘマタイトが融液中に溶融せず残存し、軟化開始温度によらず、ヘマタイト分率が高い焼結鉱が生成される傾向にある。この場合、ヘマタイト分率を指標に組み込むと、軟化開始温度の指標としては差が出にくくなる。
塩基度が低いとは、例えば、インプット原料の塩基度が1.68未満の場合である。
なお、S5以外の工程は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
複数の焼結鉱試料に対して、軟化開始温度とSFCA−I相分率、およびSFCA−I相分率をヘマタイト相分率とマグネタイト相分率で除した値との相関を評価した。具体的な手順は以下の通りである。
この造粒物をDL焼結機で焼結し、パレット抜きした焼結ケーキを用意し、焼結ケーキを破砕して、直径5mm以下に整粒したものを試料として採取した。
採取した焼結鉱の量は1kgである。その焼結鉱を高温荷重軟化試験法にて、軟化開始温度を測定した。
管球:CoKα (40kV、36mA)
検出器:1次元検出器D/tex(Rigaku製)
2θ:10〜140deg
Δ2θ:0.02deg
スキャン速度:1deg/min
さらに、焼結鉱の原料中のCaOとSiO2の質量比CaO/SiO2を求めて塩基度とした。
鉱物相の定量値(相分率、質量%)、軟化開始温度、塩基度を表2に示す。表2のSSはシリケートスラグ(ダイカルシウムシリケート)を示す。
次に、得られた表2を元に、SFCA―Iと軟化開始温度の相関を評価した。結果を図2のグラフに示す。
さらに、塩基度と軟化開始温度との相関を評価した。結果を図3のグラフに示す。
また、SFCA―I相分率を(ヘマタイト相分率+マグネタイト相分率)で除した値と、軟化開始温度の相関を評価した。結果を図4のグラフに示す。
さらに、試料番号1〜10の焼結鉱に対して、塩基度と軟化開始温度の相間を評価した。結果を図6のグラフに示す。
試料番号1〜10の焼結鉱に対して、SFCA−I相分率を(ヘマタイト+マグネタイト)相分率で除した値との相関を評価した。結果を図7のグラフに示す。
図5〜図7に示すように、いずれも相関が見られたが、塩基度との相関よりも、SFCA−I相分率、またはSFCA−I相分率を(ヘマタイト+マグネタイト)相分率で除した値と軟化開始温度との相関が高かった。特に、SFCA−I相分率を(ヘマタイト+マグネタイト)相分率で除した値と軟化開始温度との相関が最も高かった。
この結果から、塩基度が高いと予測される焼結鉱については、SFCA−I相分率、またはSFCA−I相分率を(ヘマタイト相分率+マグネタイト相分率)で除した値と軟化開始温度との相関が、塩基度と軟化開始温度との相関よりも高いことが分かった。
また、SFCA―I相分率をマグネタイト相分率で除した値と、軟化開始温度の相関も評価した。結果を図10のグラフに示す。
図7〜図10に示すように、いずれも相関が見られたが、塩基度との相関よりも、SFCA−I相分率、またはSFCA−I相分率をマグネタイト相分率で除した値と軟化開始温度との相関が高かった。特に、SFCA−I相分率をマグネタイト相分率で除した値と軟化開始温度との相関が最も高かった。
この結果から、塩基度が低いと予測される焼結鉱については、SFCA−I相分率、またはSFCA−I相分率をマグネタイト相分率で除した値と軟化開始温度との相関が、塩基度と軟化開始温度との相関よりも高いことが分かった。
Claims (4)
- 鉄含有原料、副原料、炭材を含む原料を造粒して得られた焼結原料粒子を、焼成して得られた焼結鉱を粉末状に粉砕して粉末試料を得る試料粉砕工程と、
前記粉末試料をX線回折法によって分析し回折パターンを得るX線回折パターン測定工程と、
前記回折パターンにリートベルト解析を適用して、Fe、Ca、Si、Alを含み、Fe含有量がSFCA−I(Silico-ferrite of calcium and aluminum-I)より低いカルシウムフェライト相である、SFCAと、前記SFCA−Iとを分離して、前記SFCA−Iの相分率を定量するリートベルト解析工程と、
鉱物相のうち、前記SFCA−Iの相分率から前記焼結鉱の軟化開始温度を評価する軟化開始温度評価工程と、
を実施する焼結鉱の軟化開始温度評価方法。 - 請求項1に記載の焼結鉱の軟化開始温度評価方法であって、
前記軟化開始温度評価工程は、
SFCA−Iの相分率をヘマタイト相分率とマグネタイト相分率の和で除して得た指標から前記焼結鉱の軟化開始温度を評価する工程であることを特徴とする、焼結鉱の軟化開始温度評価方法。 - 請求項1に記載の焼結鉱の軟化開始温度評価方法であって、
前記軟化開始温度評価工程は、
SFCA−Iの相分率をマグネタイト相分率で除して得た指標から前記焼結鉱の軟化開始温度を評価する工程であることを特徴とする、焼結鉱の軟化開始温度評価方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の焼結鉱の軟化開始温度評価方法であって、
前記リートベルト解析工程は、
前記SFCA−IとしてCa3(Ca,Fe)(Fe,Al)16O28の構造式を満たした結晶相を選択し、
前記SFCAとしてCa2(Ca,Fe,Al)6(Fe,Al,Si)6O20の構造式を満たした結晶相を選択して、前記回折パターンにリートベルト解析を適用して前記鉱物相の相分率を求める工程であることを特徴とする、焼結鉱の軟化開始温度評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018140057A JP7044004B2 (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 焼結鉱の軟化開始温度評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018140057A JP7044004B2 (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 焼結鉱の軟化開始温度評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020015957A true JP2020015957A (ja) | 2020-01-30 |
JP7044004B2 JP7044004B2 (ja) | 2022-03-30 |
Family
ID=69580747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018140057A Active JP7044004B2 (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 焼結鉱の軟化開始温度評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7044004B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021178996A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 焼結鉱の組織評価方法および焼結鉱の製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH073342A (ja) * | 1993-06-16 | 1995-01-06 | Nippon Steel Corp | 軟化溶融性状の優れた焼結鉱の製造方法 |
JP2007327096A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Nippon Steel Corp | ブルーサイトを用いた焼結鉱の製造方法 |
JP2013122403A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 焼結鉱の構造評価方法 |
JP2018044855A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-03-22 | 新日鐵住金株式会社 | 結晶相の質量比率の補正方法 |
-
2018
- 2018-07-26 JP JP2018140057A patent/JP7044004B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH073342A (ja) * | 1993-06-16 | 1995-01-06 | Nippon Steel Corp | 軟化溶融性状の優れた焼結鉱の製造方法 |
JP2007327096A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Nippon Steel Corp | ブルーサイトを用いた焼結鉱の製造方法 |
JP2013122403A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 焼結鉱の構造評価方法 |
JP2018044855A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-03-22 | 新日鐵住金株式会社 | 結晶相の質量比率の補正方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
"リートベルト解析による高炉原料用焼結鉱の鉱物相評価", 鉄と鋼, vol. 130, no. 6, JPN6020042971, 4 November 2016 (2016-11-04), JP, pages 161 - 170, ISSN: 0004705713 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021178996A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 焼結鉱の組織評価方法および焼結鉱の製造方法 |
JP7222379B2 (ja) | 2020-05-14 | 2023-02-15 | Jfeスチール株式会社 | 焼結鉱の組織評価方法および焼結鉱の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7044004B2 (ja) | 2022-03-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6844392B2 (ja) | 焼結鉱の還元粉化性評価方法 | |
Loubser et al. | Combining XRF and XRD analyses and sample preparation to solve mineralogical problems | |
Takayama et al. | Quantitative analysis of mineral phases in iron-ore sinter by the rietveld method of X-ray diffraction patterns | |
Ooi et al. | Sintering performance of magnetite–hematite–goethite and hematite–goethite iron ore blends and microstructure of products of sintering | |
JP2008247715A (ja) | セメント向け高炉水砕スラグの選別方法及びセメント組成物の製造方法 | |
JP6844391B2 (ja) | 焼結鉱の被還元性評価方法 | |
JP2020015957A (ja) | 焼結鉱の軟化開始温度評価方法 | |
JP6753067B2 (ja) | 高炉スラグの選別方法及び高炉セメントの製造方法 | |
Tang et al. | Effects of basicity and temperature on mineralogy and reduction behaviors of high-chromium vanadium-titanium magnetite sinters | |
KR20180119664A (ko) | 슬래그의 분석 방법 및 용융 철의 정련 방법 | |
Lu et al. | Sintering characteristics of iron ore blends containing high proportions of Goethitic ores | |
JP6844390B2 (ja) | 焼結鉱の強度評価方法 | |
JP5790468B2 (ja) | 焼結鉱の構造評価方法 | |
KR101204525B1 (ko) | 소결광의 제조 방법 | |
JP7230662B2 (ja) | 焼結鉱の還元粉化性評価方法 | |
JP2023100537A (ja) | 焼結鉱の品質評価方法 | |
CN113466079A (zh) | 一种钢渣成分含量检测方法 | |
CN112378946B (zh) | 一种粒子钢的高效检测方法 | |
Barsukov et al. | Study of the effect of heat treatment of copper slag particles on abrasiveness for abrasive waterjet cutting | |
Mašlejová et al. | X–RAY DIFFRACTION ANALYSIS OF IRON SINTER | |
JPH0742520B2 (ja) | 焼結鉱の製造方法 | |
JP2011127191A (ja) | 焼結鉱解析方法 | |
WO1996009415A1 (fr) | Procede de production de minerai fritte a l'aide de minerai de fer a teneur en eau cristallisee comme matiere premiere | |
Mežibrický et al. | Effect of alumina and silica content in the calcium aluminosilicoferrite Ca2 (Ca, Fe, Mg) 6 (Fe, Si, Al) 6O20 bonding phase on the strength of iron ore sinter | |
Donskoi et al. | Mineral 4/Recognition 4: A Universal Optical Image Analysis Package for Iron Ore, Sinter and Coke Characterization |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220228 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7044004 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |