JP2020015922A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】粗度が低くても導体層に対し高いピール強度を示し、かつ低誘電正接を示す絶縁層を達成し得る樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、接着フィルム、プリプレグ、プリント配線板及び半導体装置に関する。
プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、絶縁層は、一般に、樹脂組成物を硬化させて形成される。このような絶縁層を形成する樹脂組成物としては、たとえば、エポキシ樹脂、活性エステル化合物、トリアジン構造を有するフェノール樹脂、マレイミド化合物、及びフェノキシ樹脂を含有する樹脂組成物が知られている(特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の樹脂組成物によれば、粗度が低くても導体層に対し高い密着力(ピール強度)を示す絶縁層を提供することが可能であるが、更なる高性能化が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、粗度が低くても導体層に対し高いピール強度を示し、かつ誘電正接の低い絶縁層を達成し得る樹脂組成物を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、粗度が低くても導体層に対し高いピール強度を示し、かつ誘電正接の低い絶縁層を達成し得る樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、(A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を組み合わせることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む樹脂組成物。
[2] (A)エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (B)トリアジン構造を有する活性エステル化合物が下記式(1)である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、−O−又は−NH−を表し、
R1は、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、水素原子、又はハロゲン原子を表し、R2は、1価の芳香族基、1価の脂肪族基、又は1価の脂環式基を表し、
Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、j及びkは、それぞれ正の数を表し、lは0以上の数を表す)
[5] (C)無機充填材を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (C)無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上である[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 熱硬化により形成される絶縁層の誘電正接が0.008以下である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 支持体と、該支持体上に設けられた[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物がシート状繊維基材中に含浸されたプリプレグ。
[10] [1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むプリント配線板。
[11] [10]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
[1] (A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む樹脂組成物。
[2] (A)エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (B)トリアジン構造を有する活性エステル化合物が下記式(1)である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
R1は、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、水素原子、又はハロゲン原子を表し、R2は、1価の芳香族基、1価の脂肪族基、又は1価の脂環式基を表し、
Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、j及びkは、それぞれ正の数を表し、lは0以上の数を表す)
[5] (C)無機充填材を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (C)無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上である[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 熱硬化により形成される絶縁層の誘電正接が0.008以下である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 支持体と、該支持体上に設けられた[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物がシート状繊維基材中に含浸されたプリプレグ。
[10] [1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むプリント配線板。
[11] [10]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明によれば、粗度が低くても、導体層に対し高いピール強度を示し、かつ低誘電正接を示す絶縁層を達成し得る樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の樹脂組成物、接着フィルム、プリプレグ、プリント配線板及び半導体装置について説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む。以下、本発明の樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む。以下、本発明の樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)を含有する。
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)を含有する。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)と、を含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物の硬化物の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「HP−7200HH」、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂が、固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂を含んでいる場合、液状エポキシ樹脂の質量MLに対する固形エポキシ樹脂の質量MSの比(MS/ML)は0.1以上であるのが好ましく、0.3以上、0.5以上、1以上、又は1.5以上であるのがより好ましい。MS/MLの上限値は、10以下であるのが好ましく、8以下、6以下、5以下、又は4以下であるのがより好ましい。MS/MLを、斯かる範囲とすることにより、i)接着フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる等の効果が得られる。
樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは22質量%以下である。
したがって樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜22質量%である。
したがって樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは10〜22質量%である。
なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。ここで、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物>
本発明の樹脂組成物は、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物(以下、「トリアジン構造含有活性エステル化合物」、「(B)成分」ともいう)を含有する。
本発明の樹脂組成物は、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物(以下、「トリアジン構造含有活性エステル化合物」、「(B)成分」ともいう)を含有する。
(B)成分は、トリアジン構造と活性エステル基とを含む化合物である。(B)成分は、(A)成分の硬化剤として作用する成分であり、トリアジン構造の触媒作用により、活性エステル基による硬化作用を促進することができる。(B)成分は、好ましくは、トリアジン構造とフェノール性水酸基とを含む樹脂において、フェノール性水酸基の少なくとも一部がアシル化されている化合物である。粗度が低くても導体層に対し高いピール強度を示すと共に誘電正接の低い絶縁層を得る観点から、フェノール性水酸基の合計量を100モル%としたとき、フェノール性水酸基の好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、97モル%以上、又は99モル%以上がアシル化されていることが好適であり、実質的に全てのフェノール性水酸基がアシル化されていることが特に好適である。斯かる好適な化合物において、活性エステル基は、フェノール性水酸基がアシル化されて生じる。(B)成分において、活性エステル基としては、芳香族エステル基、脂肪族エステル基、及び脂環式エステル基からなる群から選択される1種以上のエステル基が好ましく、中でも芳香族エステル基が特に好ましい。芳香族エステル基としては、アリールエステル基、ヘテロアリールエステル基が挙げられ、アリールエステル基が好ましい。アリールエステル基の炭素原子数は好ましくは7〜15、より好ましくは7〜11である。ヘテロアリールエステル基の炭素原子数は好ましくは3〜14、より好ましくは3〜10である。脂肪族エステル基としては、アルキルエステル基が好ましく、その炭素原子数は好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5、さらに好ましくは2又は3である。脂環式エステル基としては、シクロアルキルエステル基が好ましく、その炭素原子数は好ましくは4〜7である。
(B)成分は、例えば、トリアジン構造とフェノール性水酸基とを含む樹脂と、カルボン酸化合物との縮合反応(アシル化反応)により調製することができる。トリアジン構造とフェノール性水酸基とを含む樹脂は、公知の方法により調製してよく、例えば、トリアジン構造を含む化合物と、フェノール性水酸基を含む化合物と、アルデヒド化合物とを縮合させて調製すればよい。トリアジン構造を含む化合物としては、例えば、メラミン;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン誘導体;シアヌル酸;メチルシアヌレート、エチルシアヌレート、アセチルシアヌレート、塩化シアヌル等のシアヌル酸誘導体が挙げられ、中でも、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、シアヌル酸が好ましい。フェノール性水酸基を含む化合物としては、フェノール化合物が好ましく、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール;エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコール等の多価フェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒドが好ましい。トリアジン構造とフェノール性水酸基とを含む樹脂の好適な例としては、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂、トリアジン構造含有クレゾールノボラック樹脂、トリアジン構造含有ナフトールノボラック樹脂等が挙げられ、中でも、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。
トリアジン構造とフェノール性水酸基とを含む樹脂のアシル化反応に用いるカルボン酸化合物としては、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸から成る群から選択される1種以上のカルボン酸が好ましく、中でも芳香族カルボン酸が好ましい。芳香族カルボン酸としては、アリールカルボン酸、ヘテロアリールカルボン酸が挙げられ、アリールカルボン酸が好ましい。アリールカルボン酸の炭素原子数は好ましくは7〜15、より好ましくは7〜11である。ヘテロアリールカルボン酸の炭素原子数は好ましくは3〜14、より好ましくは3〜10である。脂肪族カルボン酸としては、アルキルカルボン酸が好ましく、その炭素原子数は好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5、さらに好ましくは2又は3である。脂環式カルボン酸としては、シクロアルキルカルボン酸が好ましく、その炭素原子数は好ましくは4〜7である。カルボン酸化合物の好適な例としては、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。これらのうち安息香酸が特に好ましい。
(B)成分の好適な例として、式(1)で表される化合物が挙げられる。
R1は、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、水素原子、又はハロゲン原子を表し、R2は、1価の芳香族基、1価の脂肪族基、又は1価の脂環式基を表し、
Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、j及びkは、それぞれ正の数を表し、lは0以上の数を表す)
式(1)中、添え字jの付された構造単位、添え字kの付された構造単位、及び添え字lの付された構造単位は、それぞれブロック状に結合していてもよく、ランダムに結合していてもよい。
R1で表されるアルキル基又はアルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1又は2である。R1で表されるアリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜14、より好ましくは6〜10である。R1で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
R2で表される1価の芳香族基としては、アリール基、ヘテロアリール基が挙げられ、アリール基が好ましい。アリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜14、より好ましくは6〜10である。ヘテロアリール基の炭素原子数は、好ましくは2〜13、より好ましくは2〜9である。R2で表される1価の脂肪族基としては、アルキル基が好ましく、その炭素原子数は好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1又は2である。R2で表される1価の脂環式基としては、シクロアルキル基が好ましく、その炭素原子数は好ましくは3〜6である。中でも、R2は耐熱性向上の観点から1価の芳香族基であることが好適である。
Ar1及びAr2で表される3価の芳香族基としては、アリールトリイル基が好ましく、その炭素原子数は好ましくは6〜14、より好ましくは6〜10、さらに好ましくは6(すなわち、ベンゼントリイル基)である。Ar1及びAr2で表される3価の芳香族基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。置換基として用いられるアルキル基、アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3である。置換基として用いられるアリール基、アリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6〜14、より好ましくは6〜10、さらに好ましくは6である。置換基として用いられるハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
j、k及びlは、式(1)で表される化合物の活性エステル基(R2−C(=O)−O−基)当量が120〜500の範囲が好ましく、より好ましくは150〜400の範囲、さらに好ましくは180〜300の範囲となるような数を表す。ここで、kとlの合計に対するkの比、すなわち、k/(k+l)は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは0.95以上、0.97以上、又は0.99以上であり、実質的に1であることが特に好適である。
トリアジン構造を含有する活性エステル化合物の具体例としては、例えば、DIC(株)製の「EXB9510」や「EXB9511」等が挙げられる。
樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、ピール強度が高く低誘電正接の絶縁層を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。(B)成分の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
したがって樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
したがって樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
<(B)成分以外の硬化剤>
本発明の樹脂組成物は(B)成分とともに(B)成分以外の硬化剤を含んでいてもよい。
(B)成分以外の硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤及びカルボジイミド系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は(B)成分とともに(B)成分以外の硬化剤を含んでいてもよい。
(B)成分以外の硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤及びカルボジイミド系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層(回路配線)との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤又はトリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層との密着性(剥離強度)を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂又はトリアジン骨格含有ナフトールノボラック樹脂を硬化剤として用いることが好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、東都化成(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「LA7052」、「LA7054」、「LA3018」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
具体的には、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤[(B)成分及び(B)成分以外の硬化剤]との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましく、1:0.4〜1:1がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、樹脂組成物の硬化物の耐熱性がより向上する。
<(C)無機充填剤>
本発明の樹脂組成物は、(C)無機充填材(以下、「(C)成分」ともいう)を含有していてもよい。
無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の市販品としては、例えば(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、(C)無機充填材(以下、「(C)成分」ともいう)を含有していてもよい。
無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の市販品としては、例えば(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は特に限定されないが、表面粗さの小さい絶縁層を得る観点や微細配線形成性向上の観点から、4μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましく、1μm以下、0.7μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下がさらにより好ましい。一方、樹脂組成物を使用して樹脂ワニスを形成する際に適度な粘度を有し取り扱い性の良好な樹脂ワニスを得る観点から、無機充填材の平均粒径は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上、0.07μm以上、又は0.1μm以上がさらに好ましい。
無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業(株)製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM−4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m2以上が好ましく、0.1mg/m2以上がより好ましく、0.2mg/m2以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m2以下が好ましく、0.8mg/m2以下がより好ましく、0.5mg/m2以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが熱膨張率の低い絶縁層を得る観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上又は65質量%以上である。樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
本発明の樹脂組成物は上記(A)〜(C)成分及び(B)以外の硬化剤以外に、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子等の添加剤を含んでいてもよい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらのうち、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらのうち、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は5,000〜100,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL6954BH30」、「YX7553」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業(株)製の「電化ブチラール4000−2」、「電化ブチラール5000−A」、「電化ブチラール6000−C」、「電化ブチラール6000−EP」、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
中でも、他の成分との組み合わせにおいて、表面粗度がさらに低く導体層との密着性により優れる絶縁層を得る観点から、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、(D)成分は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上を含む。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%である。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられ、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱化学(株)製の「P200−H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが好ましい。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−難燃剤−
本発明の樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三光(株)製の「HCA−HQ」等が挙げられる。
樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%、さらに好ましくは1.5質量%〜10質量%がさらに好ましい。
−有機充填材−
樹脂組成物は、さらに有機充填材を含んでもよい。有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
樹脂組成物は、さらに有機充填材を含んでもよい。有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子等が挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、アイカ工業(株)製の「AC3816N」等が挙げられる。
樹脂組成物中の有機充填材の含有量は、好ましくは1質量%〜20質量%、より好ましくは2質量%〜10質量%である。
樹脂組成物は、さらに必要に応じて、難燃剤、及び有機充填材以外の他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
[接着フィルム]
本発明の接着フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する。
本発明の接着フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する。
樹脂組成物層の厚さは、絶縁層の薄層化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは50μm以下、又は40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上、10μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
接着フィルムは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムの、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。接着フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
本発明の接着フィルムは、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するため(プリント配線板の層間絶縁層用)により好適に使用することができる。
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物が、シート状繊維基材中に含浸されていることを特徴とする。
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物が、シート状繊維基材中に含浸されていることを特徴とする。
プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。絶縁層の薄層化の観点から、シート状繊維基材の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、さらにより好ましくは20μm以下である。シート状繊維基材の厚さの下限は特に限定されないが、通常、10μm以上である。
プリプレグは、ホットメルト法、ソルベント法等の公知の方法により製造することができる。
プリプレグの厚さは、上述の接着フィルムにおける樹脂組成物層と同様の範囲とし得る。
本発明のプリプレグは、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するため(プリント配線板の層間絶縁層用)により好適に使用することができる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むことを特徴とする。
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むことを特徴とする。
例えば、本発明のプリント配線板は、上述の接着フィルムを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、接着フィルムを、該接着フィルムの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
(I)内層基板上に、接着フィルムを、該接着フィルムの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板をいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用すればよい。
内層基板と接着フィルムの積層は、例えば、支持体側から接着フィルムを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。接着フィルムを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を接着フィルムに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に接着フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と接着フィルムの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された接着フィルムの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜220℃の範囲、より好ましくは170℃〜200℃の範囲)、硬化時間は5分間〜120分間の範囲(好ましくは10分間〜100分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間)予備加熱してもよい。
樹脂組成物(層)の熱硬化により形成される絶縁層の誘電正接は、好ましくは0.008以下、より好ましくは0.007以下、さらに好ましくは0.006以下である。下限値は特に限定されないが、0.001以上、0.003以上などとなる。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。
本発明のプリント配線板は、上述のプリプレグを用いて製造することができる。製造方法は基本的に接着フィルムを用いる場合と同様である。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に硬化体を5分間〜15分間浸漬させることが好ましい。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さRa(粗度)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは300nm以下、250nm以下、200nm以下、又は150nm以下である。下限値は特に限定されないが、10nm以上、50nm以上などとなる。絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計の具体例としては、ビーコインスツルメンツ社製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
工程(V)は、導体層を形成する工程である。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好ましくは、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
導体層は、めっきにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解めっきによりめっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
本発明の樹脂組成物を使用して形成された絶縁層は、導体層に対し高いピール強度を示す。ピール強度は、好ましくは0.40kgf/cm以上、より好ましくは0.45kgf/cm以上である。ピール強度の上限値は特に限定されないが、1.2kgf/cm以下、0.90kgf/cm以下などとなる。本発明においては、粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さRa(粗度)が小さいにもかかわらず、このように高いピール強度を呈する絶縁層を形成し得ることから、回路配線の微細化に著しく寄与するものである。なお本発明において、絶縁層と導体層とのピール強度とは、導体層を絶縁層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度(90度ピール強度)をいい、導体層を絶縁層に対して垂直方向(90度方向)に引き剥がしたときの剥離強度を引っ張り試験機で測定することにより求めることができる。引っ張り試験機としては、例えば、(株)TSE製の「AC−50C−SL」等が挙げられる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、プリント配線板を含むことを特徴とする。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板を含むことを特徴とする。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
(実施例1)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(、三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部と、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量291、日本化薬(株)製「NC3000H」)15部とをメチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)5部、シクロヘキサノン5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、トリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9510」、活性エステル当量214)を不揮発分60%となるようにMEKに溶解させた溶液を25部、硬化促進剤(広栄化学工業(株)製、「4−ジメチルアミノピリジン」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)100部、フェノキシ樹脂(YX6954BH30、固形分30質量%のMEK及びシクロヘキサノン溶液、重量平均分子量35000)15部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、かかる樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm、以下「PET」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂厚みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥させて、シート状の接着フィルムを得た。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(、三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部と、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量291、日本化薬(株)製「NC3000H」)15部とをメチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)5部、シクロヘキサノン5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、トリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9510」、活性エステル当量214)を不揮発分60%となるようにMEKに溶解させた溶液を25部、硬化促進剤(広栄化学工業(株)製、「4−ジメチルアミノピリジン」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)100部、フェノキシ樹脂(YX6954BH30、固形分30質量%のMEK及びシクロヘキサノン溶液、重量平均分子量35000)15部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、かかる樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm、以下「PET」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂厚みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥させて、シート状の接着フィルムを得た。
(実施例2)
実施例1のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9510」、活性エステル当量214、不揮発分60%のMEK溶液)を、トリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9511」、活性エステル当量240)を不揮発分60%となるようにMEKに溶解させた溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを作成し、接着フィルムを得た。
実施例1のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9510」、活性エステル当量214、不揮発分60%のMEK溶液)を、トリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB9511」、活性エステル当量240)を不揮発分60%となるようにMEKに溶解させた溶液)に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを作成し、接着フィルムを得た。
(実施例3)
実施例1の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部をナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA4032SS」、エポキシ当量143)10部に変更するとともに、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量291)15部をナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ESN475V」、エポキシ当量331)15部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
実施例1の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部をナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA4032SS」、エポキシ当量143)10部に変更するとともに、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量291)15部をナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ESN475V」、エポキシ当量331)15部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
(実施例4)
実施例2の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部をナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA4032SS」、エポキシ当量143)10部に変更するとともに、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量291)15部をナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ESN475V」、エポキシ当量331)15部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
実施例2の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「828US」、エポキシ当量190)15部をナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA4032SS」、エポキシ当量143)10部に変更するとともに、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量291)15部をナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ESN475V」、エポキシ当量331)15部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
(比較例1)
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造を含有しない活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性エステル当量223、不揮発分65%のトルエン溶液)20部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造を含有しない活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性エステル当量223、不揮発分65%のトルエン溶液)20部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
(比較例2)
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造含有フェノールノボラック化合物(DIC(株)製「LA7052」、フェノール性水酸基当量120、不揮発分60%のMEK溶液)15部に変更するとともに、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)の添加量を65部としたこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造含有フェノールノボラック化合物(DIC(株)製「LA7052」、フェノール性水酸基当量120、不揮発分60%のMEK溶液)15部に変更するとともに、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)の添加量を65部としたこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
(比較例3)
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造含有フェノールノボラック化合物(DIC(株)製「LA7052」、フェノール性水酸基当量120、不揮発分60%のMEK溶液)10部及びトリアジン構造を含有しない活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性エステル当量223、不揮発分65%のトルエン溶液)5部に変更するとともに、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)の添加部数を65部としたこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
実施例3のトリアジン構造含有活性エステル化合物(DIC(株)製「EXB−9510」、活性エステル当量214)を、トリアジン構造含有フェノールノボラック化合物(DIC(株)製「LA7052」、フェノール性水酸基当量120、不揮発分60%のMEK溶液)10部及びトリアジン構造を含有しない活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性エステル当量223、不揮発分65%のトルエン溶液)5部に変更するとともに、フェニルアミノシラン処理付「SO−C2」、(株)アドマテックス製、単位重量あたりのカーボン量0.18%)の添加部数を65部としたこと以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニスを作製し、接着フィルムを得た。
(評価試験)
以下、各評価試験における測定方法・評価方法について説明する。
以下、各評価試験における測定方法・評価方法について説明する。
1.メッキ導体層の引き剥がし強さ(ピール強度)の測定及び算術平均粗さ(粗度)の測定
(1)積層板の下地処理
内層回路の形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、残銅率60%、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理をおこなった。
(1)積層板の下地処理
内層回路の形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、残銅率60%、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理をおこなった。
(2)接着フィルムのラミネート
各実施例及び各比較例で作成した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500((株)名機製作所製、商品名)を用いて、積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaで圧着させることにより行った。
各実施例及び各比較例で作成した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500((株)名機製作所製、商品名)を用いて、積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaで圧着させることにより行った。
(3)樹脂組成物の硬化
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物を硬化した。
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物を硬化した。
(4)粗化処理
積層板を、膨潤液である、アトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに60℃で10分間浸漬し、次に粗化液として、アトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で20分間浸漬、最後に中和液として、アトテックジャパン(株)のリダクションショリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。この粗化処理後の積層板をサンプルAとした。
積層板を、膨潤液である、アトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに60℃で10分間浸漬し、次に粗化液として、アトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で20分間浸漬、最後に中和液として、アトテックジャパン(株)のリダクションショリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。この粗化処理後の積層板をサンプルAとした。
(5)セミアディティブ工法によるメッキ形成
絶縁層表面に回路を形成するために、積層板を、PdCl2を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、エッチングレジストを形成し、エッチングによるパターン形成の後に、硫酸銅電解メッキを行い、30μmの厚さで導体層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて60分間行った。この積層板をサンプルBとした。
絶縁層表面に回路を形成するために、積層板を、PdCl2を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、エッチングレジストを形成し、エッチングによるパターン形成の後に、硫酸銅電解メッキを行い、30μmの厚さで導体層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて60分間行った。この積層板をサンプルBとした。
(6)算術平均粗さ(粗度)の測定
サンプルAについて、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値により算術平均粗さ(粗度)を求めた。そして、それぞれ10点の平均値を求めることにより測定値とし、表1に示した。
サンプルAについて、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値により算術平均粗さ(粗度)を求めた。そして、それぞれ10点の平均値を求めることにより測定値とし、表1に示した。
(7)メッキ導体層の引き剥がし強さ(ピール強度)の測定
サンプルBの導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ具((株)ティー・エス・イー、オートコム型試験機 AC−50C−SL)で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定し、表1に示した。
サンプルBの導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ具((株)ティー・エス・イー、オートコム型試験機 AC−50C−SL)で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定し、表1に示した。
2.誘電正接の測定
各実施例および各比較例で得られた接着フィルムを190℃で90分熱硬化させて、PETフィルムを剥離してシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、関東応用電子開発(株)製空洞共振器摂動法誘電率測定装置CP521およびアジレントテクノロジー(株)製ネットワークアナライザーE8362Bを使用して、空洞共振法で測定周波数5.8GHzにて誘電正接(tanδ)の測定を行った。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出し、表1に示した。
各実施例および各比較例で得られた接着フィルムを190℃で90分熱硬化させて、PETフィルムを剥離してシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、関東応用電子開発(株)製空洞共振器摂動法誘電率測定装置CP521およびアジレントテクノロジー(株)製ネットワークアナライザーE8362Bを使用して、空洞共振法で測定周波数5.8GHzにて誘電正接(tanδ)の測定を行った。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出し、表1に示した。
なお、表1には評価試験の結果とともに、各実施例及び各比較例の樹脂組成物を作製する際に使用した材料とその割合(質量部)を示した。
Claims (11)
- (A)エポキシ樹脂と、(B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物と、を含む樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
- (B)トリアジン構造を含有する活性エステル化合物の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、0.1質量%〜30質量%である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- (C)無機充填材を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (C)無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%以上である請求項5に記載の樹脂組成物。
- 熱硬化により形成される絶縁層の誘電正接が0.008以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物がシート状繊維基材中に含浸されたプリプレグ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むプリント配線板。
- 請求項10に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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