JP2020015364A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ドライバの快適性を確保しつつ、鞍乗り型車両のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することができる制御装置及び制御方法を得るものである。【解決手段】本発明に係る制御装置及び制御方法では、鞍乗り型車両を当該鞍乗り型車両から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールの実行中に、鞍乗り型車両の車輪に制動力が生じる際、車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分が、後輪に生じる制動力が前輪に生じる制動力よりも高くなる初期状態になる。そして、時間経過に伴って、前後輪の制動力配分における前輪の配分比率が増大する。【選択図】図4
Description
この開示は、ドライバの快適性を確保しつつ、鞍乗り型車両のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することができる制御装置及び制御方法に関する。
従来の鞍乗り型車両に関する技術として、ドライバの運転を支援するためのものがある。
例えば、特許文献1では、走行方向又は実質的に走行方向にある障害物を検出するセンサ装置により検出された情報に基づいて、不適切に障害物に接近していることをモータサイクルのドライバへ警告する運転者支援システムが開示されている。
ところで、ドライバの運転を支援するための技術として、車両を当該車両から前走車までの距離、当該車両の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールを、モータサイクル等の鞍乗り型車両に適用することが考えられる。ここで、鞍乗り型車両の姿勢は、例えば4輪を有する車両と比較して不安定になりやすい。ゆえに、鞍乗り型車両のアダプティブクルーズコントロールの実行中に、制動力が鞍乗り型車両に自動で付与されることに起因して鞍乗り型車両がドライバの意図しない挙動を示し、それにより、ドライバの快適性が損なわれるおそれがある。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ドライバの快適性を確保しつつ、鞍乗り型車両のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することができる制御装置及び制御方法を得るものである。
本発明に係る制御装置は、鞍乗り型車両の走行を制御する制御装置であって、前記鞍乗り型車両を、当該鞍乗り型車両から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールを実行可能な制御部を備え、前記制御部は、前記アダプティブクルーズコントロールの実行中に、前記鞍乗り型車両の車輪に制動力を生じさせる際、前記車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪に生じる制動力が前輪に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、前記制動力配分における前記前輪の配分比率を増大させる。
本発明に係る制御方法は、鞍乗り型車両の走行を制御する制御方法であって、前記鞍乗り型車両を当該鞍乗り型車両から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールの実行中に、制御装置により前記鞍乗り型車両の車輪に制動力を生じさせる際、前記車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪に生じる制動力が前輪に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、前記制動力配分における前記前輪の配分比率を増大させる。
本発明に係る制御装置、及び制御方法では、鞍乗り型車両を当該鞍乗り型車両から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールの実行中に、鞍乗り型車両の車輪に制動力が生じる際、車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分が、後輪に生じる制動力が前輪に生じる制動力よりも高くなる初期状態になる。それにより、制動開始時点において、鞍乗り型車両がピッチ方向に傾く挙動であるピッチングの発生を抑制することができる。そして、前後輪の制動力配分が初期状態になった後、時間経過に伴って、前後輪の制動力配分における前輪の配分比率が増大する。それにより、制動力配分の急峻な変化に起因するピッチングの発生を抑制しつつ、後輪を制動する後輪制動機構の負担が過剰になることを抑制することができる。よって、ドライバの快適性を確保しつつ、鞍乗り型車両のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することができる。
以下に、本発明に係る制御装置について、図面を用いて説明する。なお、以下では、二輪のモータサイクルに用いられる制御装置について説明しているが、本発明に係る制御装置は、二輪のモータサイクル以外の鞍乗り型車両(例えば、三輪のモータサイクル、バギー車、自転車等)に用いられるものであってもよい。なお、鞍乗り型車両は、ドライバが跨って乗車する車両を意味する。また、以下では、モータサイクルの車輪を駆動するための動力を出力可能な駆動源としてエンジンが搭載されている場合を説明しているが、モータサイクルの駆動源としてエンジン以外の他の駆動源(例えば、モータ)が搭載されていてもよく、複数の駆動源が搭載されていてもよい。
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
<モータサイクルの構成>
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60が搭載されるモータサイクル100の構成について説明する。
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60が搭載されるモータサイクル100の構成について説明する。
図1は、制御装置60が搭載されるモータサイクル100の概略構成を示す模式図である。図2は、ブレーキシステム10の概略構成を示す模式図である。図3は、制御装置60の機能構成の一例を示すブロック図である。
モータサイクル100は、図1に示されるように、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4と、エンジン5と、ブレーキシステム10とを備える。本実施形態では、制御装置(ECU)60は、後述されるブレーキシステム10の液圧制御ユニット50に設けられている。さらに、モータサイクル100は、図1及び図2に示されるように、車間距離センサ41と、入力装置42と、慣性計測装置(IMU)43と、マスタシリンダ圧センサ48と、ホイールシリンダ圧センサ49とを備える。
エンジン5は、モータサイクル100の駆動源の一例に相当し、車輪(具体的には、後輪4)を駆動するための動力を出力可能である。例えば、エンジン5には、内部に燃焼室が形成される1又は複数の気筒と、燃焼室に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁と、点火プラグとが設けられている。燃料噴射弁から燃料が噴射されることにより燃焼室内に空気及び燃料を含む混合気が形成され、当該混合気が点火プラグにより点火されて燃焼する。それにより、気筒内に設けられたピストンが往復運動し、クランクシャフトが回転するようになっている。また、エンジン5の吸気管には、スロットル弁が設けられており、スロットル弁の開度であるスロットル開度に応じて燃焼室への吸気量が変化するようになっている。
ブレーキシステム10は、図1及び図2に示されるように、第1ブレーキ操作部11と、少なくとも第1ブレーキ操作部11に連動して前輪3を制動する前輪制動機構12と、第2ブレーキ操作部13と、少なくとも第2ブレーキ操作部13に連動して後輪4を制動する後輪制動機構14とを備える。また、ブレーキシステム10は、液圧制御ユニット50を備え、前輪制動機構12の一部及び後輪制動機構14の一部は、当該液圧制御ユニット50に含まれる。液圧制御ユニット50は、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力を制御する機能を担うユニットである。
第1ブレーキ操作部11は、ハンドル2に設けられており、ドライバの手によって操作される。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ブレーキレバーである。第2ブレーキ操作部13は、胴体1の下部に設けられており、ドライバの足によって操作される。第2ブレーキ操作部13は、例えば、ブレーキペダルである。
前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれは、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23に設けられているホイールシリンダ24と、マスタシリンダ21のブレーキ液をホイールシリンダ24に流通させる主流路25と、ホイールシリンダ24のブレーキ液を逃がす副流路26と、マスタシリンダ21のブレーキ液を副流路26に供給する供給流路27とを備える。
主流路25には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路26は、主流路25のうちの、込め弁31に対するホイールシリンダ24側とマスタシリンダ21側との間をバイパスする。副流路26には、上流側から順に、弛め弁(AV)32と、アキュムレータ33と、ポンプ34とが設けられている。主流路25のうちの、マスタシリンダ21側の端部と、副流路26の下流側端部が接続される箇所との間には、第1弁(USV)35が設けられている。供給流路27は、マスタシリンダ21と、副流路26のうちのポンプ34の吸込側との間を連通させる。供給流路27には、第2弁(HSV)36が設けられている。
込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。第1弁35は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。第2弁36は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
液圧制御ユニット50は、込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33、ポンプ34、第1弁35及び第2弁36を含むブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントと、それらのコンポーネントが設けられ、主流路25、副流路26及び供給流路27を構成するための流路が内部に形成されている基体51と、制御装置60とを含む。
なお、基体51は、1つの部材によって形成されていてもよく、複数の部材によって形成されていてもよい。また、基体51が複数の部材によって形成されている場合、各コンポーネントは、異なる部材に分かれて設けられていてもよい。
液圧制御ユニット50の上記のコンポーネントの動作は、制御装置60によって制御される。それにより、前輪制動機構12によって前輪3に生じる制動力及び後輪制動機構14によって後輪4に生じる制動力が制御される。
例えば、通常時(つまり、後述されるアダプティブクルーズコントロール及びアンチロックブレーキ制御のいずれも実行されていない時)には、制御装置60によって、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖され、第1弁35が開放され、第2弁36が閉鎖される。その状態で、第1ブレーキ操作部11が操作されると、前輪制動機構12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3に制動力が生じる。また、第2ブレーキ操作部13が操作されると、後輪制動機構14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4に制動力が生じる。
車間距離センサ41は、モータサイクル100から前走車までの距離を検出する。車間距離センサ41が、モータサイクル100から前走車までの距離に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。ここで、前走車は、モータサイクル100より前方に位置する車両を意味し、モータサイクル100の走行車線と同一の車線上でモータサイクル100から最も近い車両のみならず、モータサイクル100から複数台前の車両又はモータサイクル100の走行車線に隣接する車線上を走行する車両等を含んでもよい。例えば、モータサイクル100より前方に複数の車両が存在する場合、車間距離センサ41は、モータサイクル100の走行軌跡として推定される軌跡及び当該複数の車両の挙動に基づいて、モータサイクル100からの距離の検出の対象となる前走車を選択する。この場合、モータサイクル100からこのように選択された前走車までの距離の検出結果を用いて、後述されるアダプティブクルーズコントロールが実行される。
車間距離センサ41としては、例えば、モータサイクル100の前方を撮像するカメラ及びモータサイクル100から前方の対象物までの距離を検出可能なレーダーが用いられる。その場合、例えば、カメラにより撮像される画像を用いて前走車を認識し、前走車の認識結果及びレーダーの検出結果を利用することによって、モータサイクル100から前走車までの距離を検出することができる。車間距離センサ41は、例えば、胴体1の前部に設けられている。なお、車間距離センサ41の構成は上記の例に限定されず、例えば、車間距離センサ41としてステレオカメラが用いられてもよい。
入力装置42は、ドライバによる走行モードの選択操作を受け付け、ドライバにより選択されている走行モードを示す情報を出力する。ここで、モータサイクル100では、後述されるように、制御装置60によってアダプティブクルーズコントロールを実行可能となっている。アダプティブクルーズコントロールは、モータサイクル100を当該モータサイクル100から前走車までの距離、当該モータサイクル100の動き及びドライバの指示に応じて走行させる制御である。ドライバは、入力装置42を用いて、走行モードとして、アダプティブクルーズコントロールが実行される走行モードを選択することができる。入力装置42としては、例えば、レバー、ボタン又はタッチパネル等が用いられる。入力装置42は、例えば、ハンドル2に設けられている。
慣性計測装置43は、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備えており、モータサイクル100の姿勢を検出する。例えば、慣性計測装置43は、モータサイクル100のピッチ角を検出し、検出結果を出力する。慣性計測装置43が、モータサイクル100のピッチ角に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。ピッチ角は、モータサイクル100の胴体1の水平方向に対するピッチ方向(つまり、車幅方向に沿った回転軸回りの図1に示される回転方向P)の傾きを示す角度に相当する。慣性計測装置43は、例えば、胴体1に設けられている。なお、モータサイクル100では、ピッチ角を検出する機能のみを有するセンサが慣性計測装置43に替えて用いられてもよい。
マスタシリンダ圧センサ48は、マスタシリンダ21のブレーキ液の液圧を検出し、検出結果を出力する。マスタシリンダ圧センサ48が、マスタシリンダ21のブレーキ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。マスタシリンダ圧センサ48は、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれに設けられている。
ホイールシリンダ圧センサ49は、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を検出し、検出結果を出力する。ホイールシリンダ圧センサ49が、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。ホイールシリンダ圧センサ49は、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれに設けられている。
制御装置60は、モータサイクル100の走行を制御する。
例えば、制御装置60の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置60の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置60は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
制御装置60は、図3に示されるように、例えば、取得部61と、制御部62とを備える。
取得部61は、モータサイクル100に搭載されている各装置から出力される情報を取得し、制御部62へ出力する。例えば、取得部61は、車間距離センサ41、入力装置42、慣性計測装置43、マスタシリンダ圧センサ48及びホイールシリンダ圧センサ49から出力される情報を取得する。
制御部62は、モータサイクル100に搭載されている各装置の動作を制御することによって、モータサイクル100に付与される駆動力及び制動力を制御する。
ここで、制御部62は、モータサイクル100に搭載されている各装置の動作を制御することによって、モータサイクル100を当該モータサイクル100から前走車までの距離、当該モータサイクル100の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールを実行可能である。具体的には、制御部62は、アダプティブクルーズコントロールが実行される走行モードがドライバによって選択されている場合に、アダプティブクルーズコントロールを実行する。なお、制御部62は、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、ドライバによりアクセル操作又はブレーキ操作が行われた場合、アダプティブクルーズコントロールを解除する。
アダプティブクルーズコントロールでは、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離に近づくように制御される。基準距離は、モータサイクル100から前走車までの距離としてドライバの安全性を確保し得る値に設定される。なお、前走車が認識されない場合には、モータサイクル100の速度が予め設定された設定速度になるように制御される。また、アダプティブクルーズコントロールでは、モータサイクル100の加速度及び減速度が、ドライバの快適性を損なわない程度の上限値以下に制限される。
具体的には、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、制御部62は、モータサイクル100から前走車までの距離と基準距離との比較結果及びモータサイクル100と前走車との相対速度に基づいて加速度の目標値(以下、目標加速度と呼ぶ)又は減速度の目標値(以下、目標減速度と呼ぶ)を算出し、算出結果に基づいてモータサイクル100に付与される駆動力及び制動力を制御する。
例えば、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離より長い場合、制御部62は、モータサイクル100から前走車までの距離と基準距離との差に応じた目標加速度を算出する。一方、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離より短い場合、制御部62は、モータサイクル100から前走車までの距離と基準距離との差に応じた目標減速度を算出する。
制御部62は、例えば、駆動制御部62aと、制動制御部62bとを含む。
駆動制御部62aは、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、モータサイクル100の車輪に伝達される駆動力を制御する。具体的には、駆動制御部62aは、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、エンジン5の各装置(スロットル弁、燃料噴射弁及び点火プラグ等)の動作を制御するための信号を出力するエンジン制御装置(図示省略)に指令を出力することによって、エンジン5の動作を制御する。それにより、アダプティブクルーズコントロールの実行中に車輪に伝達される駆動力が制御される。
通常時には、エンジン5の動作は、エンジン制御装置によって、ドライバのアクセル操作に応じて車輪に駆動力が伝達されるように制御される。
一方、アダプティブクルーズコントロールの実行中には、駆動制御部62aは、ドライバのアクセル操作によらずに車輪に駆動力が伝達されるように、エンジン5の動作を制御する。具体的には、駆動制御部62aは、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、モータサイクル100の加速度がモータサイクル100から前走車までの距離及びモータサイクル100と前走車との相対速度に基づいて算出される目標加速度となるように、エンジン5の動作を制御し、車輪に伝達される駆動力を制御する。
制動制御部62bは、ブレーキシステム10の液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御することによって、モータサイクル100の車輪に生じる制動力を制御する。
通常時には、制動制御部62bは、上述したように、ドライバのブレーキ操作に応じて車輪に制動力が生じるように、液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御する。
一方、アダプティブクルーズコントロールの実行中には、制動制御部62bは、ドライバのブレーキ操作によらずに車輪に制動力が生じるように、各コンポーネントの動作が制御される。具体的には、制動制御部62bは、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、モータサイクル100の減速度がモータサイクル100から前走車までの距離及びモータサイクル100と前走車との相対速度に基づいて算出される目標減速度となるように、液圧制御ユニット50の各コンポーネントの動作を制御し、車輪に生じる制動力を制御する。
例えば、アダプティブクルーズコントロールの実行中には、制動制御部62bは、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖され、第1弁35が閉鎖され、第2弁36が開放された状態にし、その状態で、ポンプ34を駆動することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増加させて車輪に制動力を生じさせる。また、制動制御部62bは、例えば、第1弁35の開度を制御することによりホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を調整することによって、車輪に生じる制動力を制御することができる。
ここで、制動制御部62bは、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、前輪制動機構12及び後輪制動機構14の各々の動作を個別に制御することによって、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を個別に制御し、前後輪の制動力配分(つまり、前輪3に生じる制動力と後輪4に生じる制動力の配分)を制御することができる。具体的には、制動制御部62bは、各車輪に生じる制動力の目標値の合計値が目標減速度に応じた要求制動力(つまり、アダプティブクルーズコントロールの実行中における制動時に要求される制動力)になるように、前後輪の制動力配分を制御する。要求制動力は、具体的には、モータサイクル100の減速度をモータサイクル100から前走車までの距離及びモータサイクル100と前走車との相対速度に基づいて算出される目標減速度にするために必要な制動力である。
なお、制動制御部62bは、車輪にロック又はロックの可能性が生じた場合に、アンチロックブレーキ制御を行ってもよい。アンチロックブレーキ制御は、ロック又はロックの可能性が生じた車輪の制動力を、ロックを回避し得るような制動力に調整する制御である。
例えば、アンチロックブレーキ制御の実行中には、制動制御部62bは、込め弁31が閉鎖され、弛め弁32が開放され、第1弁35が開放され、第2弁36が閉鎖された状態にし、その状態で、ポンプ34を駆動することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を減少させて車輪に生じる制動力を減少させる。また、制動制御部62bは、例えば、上記の状態から込め弁31及び弛め弁32の双方を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を保持し車輪に生じる制動力を保持することができる。また、制動制御部62bは、例えば、上記の状態から込め弁31を開放し、弛め弁32を閉鎖することにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧を増大させて車輪に生じる制動力を増大させることができる。
上記のように、制御装置60では、制御部62は、アダプティブクルーズコントロールを実行可能である。ここで、制御部62は、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、モータサイクル100の車輪に制動力を生じさせる際、車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪4に生じる制動力が前輪3に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させる。それにより、ドライバの快適性を確保しつつ、モータサイクル100のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することが実現される。このような制御装置60が行うアダプティブクルーズコントロールの実行中における車輪の制動の制御に関する処理については、後述にて詳細に説明する。
なお、上記では、駆動制御部62aがエンジン制御装置を介してエンジン5の動作を制御する例を説明したが、駆動制御部62aがエンジン5の各装置の動作を制御するための信号を出力し、エンジン5の各装置の動作を直接的に制御してもよい。その場合、通常時におけるエンジン5の動作についても、アダプティブクルーズコントロールの実行中におけるエンジン5の動作と同様に、駆動制御部62aによって制御される。
<制御装置の動作>
図4を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60の動作について説明する。
図4を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置60の動作について説明する。
図4は、制御装置60が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。具体的には、図4に示される制御フローは、制御装置60の制御部62により行われるアダプティブクルーズコントロールの実行中における車輪の制動の制御に関する処理の流れに相当し、アダプティブクルーズコントロールの実行中に繰り返し行われる。また、図4におけるステップS510及びステップS590は、図4に示される制御フローの開始及び終了にそれぞれ対応する。
図4に示される制御フローが開始されると、ステップS511において、制御部62は、モータサイクル100の減速を開始する要求が生じたか否かを判定する。モータサイクル100の減速を開始する要求が生じたと判定された場合(ステップS511/YES)、ステップS513に進む。一方、モータサイクル100の減速を開始する要求が生じていないと判定された場合(ステップS511/NO)、ステップS511の判定処理が繰り返される。
例えば、制御部62は、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離より長い距離から減少している状況下で、前走車までの距離が基準距離を下回る可能性が比較的高いと前走車との相対速度に基づいて判定される場合に、モータサイクル100の減速を開始する要求が生じたと判定する。
ステップS511でYESと判定された場合、ステップS513において、制動制御部62bは、モータサイクル100の車輪の制動を開始する。具体的には、車輪の制動時には、制動制御部62bは、上述したように、モータサイクル100の減速度がモータサイクル100から前走車までの距離及びモータサイクル100と前走車との相対速度に基づいて算出される目標減速度となるように、車輪に生じる制動力を制御する。
ここで、制動制御部62bは、車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪4に生じる制動力が前輪3に生じる制動力よりも高くなる初期状態にする。
車輪の制動時には、モータサイクル100には当該モータサイクル100の進行方向である前方向に慣性力が作用している。ゆえに、制動力配分における前輪3の配分比率が大きいほど、モータサイクル100の後部が上昇するようにモータサイクル100がピッチ方向に傾きやすくなる。ここで、モータサイクル100がピッチ方向に傾く挙動であるピッチングは、ドライバの意図しない挙動であり、ドライバの快適性が低下する要因となる。ゆえに、制動開始時点において、制動力配分を後輪4に生じる制動力が前輪3に生じる制動力よりも高くなる初期状態にすることにより、制動開始時点において、モータサイクル100のピッチングを抑制することができる。また、制動開始時点においてピッチングをより効果的に抑制する観点では、制動制御部62bは、上記の初期状態において、後輪4にのみ制動力を生じさせることが好ましい。
次に、ステップS515において、制御部62は、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切であるか否かを判定する。ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として適切であると判定された場合(ステップS515/NO)、ステップS517に進む。一方、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切であると判定された場合(ステップS515/YES)、ステップS519に進む。
減速時の姿勢として不適切な搭乗姿勢は、具体的には、ドライバがモータサイクル100の減速時の挙動に対して身構えておらず、モータサイクル100から落下しやすくなっている姿勢を意味する。
例えば、制御部62は、ドライバがハンドル2を握っていないと判定される場合に、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切であると判定する。ドライバがハンドル2を握っているか否かについての判定は、例えば、ハンドル2に設けられる近接センサを利用することによって、実現され得る。
また、例えば、制御部62は、ドライバが両足で胴体1を把持していないと判定される場合に、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切であると判定する。ドライバが両足で胴体1を把持しているか否かについての判定は、例えば、胴体1に設けられる近接センサを利用することによって、実現され得る。
また、例えば、制御部62は、ドライバの視線が前方を向いていないと判定される場合に、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切であると判定する。ドライバの視線が前方を向いているか否かについての判定は、例えば、ドライバの顔を撮像し、得られる画像に画像処理を施すことによりドライバの視線を検出する装置を利用することによって、実現され得る。
ステップS515でNOと判定された場合、ステップS517において、制動制御部62bは、時間経過に伴って、前後輪の制動力配分における前輪3の配分比率を増大させる。
なお、前後輪の制動力配分における前輪3の配分比率が増大する過程において、前後輪の制動力配分は、上述したように、各車輪に生じる制動力の目標値の合計値が要求制動力になるように制御される。ゆえに、例えば、制動開始時点から所定期間に亘ってモータサイクル100の減速度が一定(つまり、要求制動力が一定)である状況下では、当該所定期間において、前輪3に生じる制動力は時間経過に伴って増大し、後輪4に生じる制動力は時間経過に伴って減少する。
アダプティブクルーズコントロールでは、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離に近づくように制御されることに起因して、車輪の制動が行われる頻度が高くなりやすい。ゆえに、制動力配分を初期状態に維持し続けた場合、後輪4を制動する後輪制動機構14の負担が過剰になりやすくなる。よって、制動力配分を初期状態から変化させることが考えられるが、この際に制動力配分を急峻に変化させると、モータサイクル100のピッチングが発生しやすくなってしまう。したがって、上記のように、制動力配分が初期状態になった後に、前輪3の配分比率を時間経過に伴って増大させることによって、制動力配分の急峻な変化に起因するピッチングの発生を抑制しつつ、後輪4を制動する後輪制動機構14の負担が過剰になることを抑制することができる。
ここで、制動力配分を初期状態にした後におけるモータサイクル100の姿勢をより安定化する観点では、制動制御部62bは、制動力配分を初期状態にした後において、前後輪の制動力配分をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御することが好ましい。
具体的には、制動制御部62bは、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分の変化速度をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御してもよい。例えば、制動制御部62bは、制動力配分の変化速度を、ピッチ角が大きい場合に、ピッチ角が小さい場合よりも小さくしてもよい。また、例えば、制動制御部62bは、制動力配分の変化速度を、ピッチ角の変化率が大きい場合に、ピッチ角の変化率が小さい場合よりも小さくしてもよい。
また、制動制御部62bは、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させ始める増大開始時点をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御してもよい。例えば、制動制御部62bは、ピッチ角の変化が安定していると判定された時点を増大開始時点として決定し、このような増大開始時点において、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させ始めてもよい。制動制御部62bは、例えば、ピッチ角が基準ピッチ角より小さい状態が基準時間継続した場合に、ピッチ角の変化が安定していると判定する。基準ピッチ角及び基準時間は、具体的には、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させ始めることに起因してピッチングが発生する可能性が十分に低いと判断できる程度にピッチ角の変化が安定していることを適切に判定し得る値に適宜設定される。
なお、制動力配分を初期状態にした後に行われる制動力配分における前輪3の配分比率の増大の態様は、時間経過に伴う増大であればよく、特に限定されない。例えば、制動制御部62bは、前輪3の配分比率を時間経過に伴って段階的に増大させてもよい。また、例えば、制動制御部62bは、前輪3の配分比率を時間経過に伴って連続的に増大させてもよい。また、例えば、制動制御部62bは、制動力配分における前輪3の配分比率の移動平均が時間経過に伴って増大するように、前輪3の配分比率を増大させてもよい。つまり、制動制御部62bは、制動力配分における前輪3の配分比率を、一時的な減少を伴いながら増大するように変化させてもよい。
ステップS517の後、又はステップS515でYESと判定された場合、ステップS519において、制御部62は、モータサイクル100の減速を終了する要求が生じたか否かを判定する。モータサイクル100の減速を終了する要求が生じたと判定された場合(ステップS519/YES)、ステップS521に進む。一方、モータサイクル100の減速を終了する要求が生じていないと判定された場合(ステップS519/NO)、ステップS519の判定処理が繰り返される。
例えば、制御部62は、モータサイクル100から前走車までの距離が基準距離より短い距離から増大して基準距離を上回ったときに、モータサイクル100の減速を終了する要求が生じたと判定する。
ステップS519でYESと判定された場合、ステップS521において、制動制御部62bは、モータサイクル100の車輪の制動を終了する。
次に、図4に示される制御フローは終了する。
なお、制動力配分における前輪3の配分比率の増大処理(つまり、ステップS517の処理)の途中でモータサイクル100の減速を終了する要求が生じた場合にも、制動制御部62bは車輪の制動を終了し、図4に示される制御フローは終了する。
上記のように、図4に示される制御フローでは、制御部62は、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切と判定される場合、前後輪の制動力配分を初期状態にした後における時間経過に伴う前輪3の配分比率の増大を禁止する。
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置60の効果について説明する。
本発明の実施形態に係る制御装置60の効果について説明する。
制御装置60では、制御部62は、アダプティブクルーズコントロールの実行中に、モータサイクル100の車輪に制動力を生じさせる際、車輪に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪4に生じる制動力が前輪3に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させる。それにより、制動開始時点において、モータサイクル100のピッチングの発生を抑制することができる。さらに、制動力配分の急峻な変化に起因するピッチングの発生を抑制しつつ、後輪4を制動する後輪制動機構14の負担が過剰になることを抑制することができる。よって、ドライバの快適性を確保しつつ、モータサイクル100のアダプティブクルーズコントロールを適切に実行することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、初期状態において、後輪4のみに制動力を生じさせる。それにより、制動開始時点において、モータサイクル100のピッチングをより効果的に抑制することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御する。それにより、制動力配分を初期状態にした後において、前輪3の配分比率を増大させることに起因してピッチングが発生することを適切に抑制することができる。ゆえに、制動力配分を初期状態にした後におけるモータサイクル100の姿勢をより安定化することができるので、ドライバの快適性をより適切に確保することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分の変化速度をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御する。それにより、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分の変化速度が過度に大きくなることに起因してピッチングが発生することを適切に抑制することができる。ゆえに、制動力配分を初期状態にした後におけるモータサイクル100の姿勢をより効果的に安定化することができるので、ドライバの快適性をさらに適切に確保することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、制動力配分を初期状態にした後において、制動力配分における前輪3の配分比率を増大させ始める増大開始時点をモータサイクル100のピッチ角に基づいて制御する。それにより、制動力配分を初期状態にした後において、ピッチ角の変化が安定していない時点で制動力配分における前輪3の配分比率が増大し始めることに起因してピッチングが発生することを適切に抑制することができる。ゆえに、制動力配分を初期状態にした後におけるモータサイクル100の姿勢をより効果的に安定化することができるので、ドライバの快適性をさらに適切に確保することができる。
好ましくは、制御装置60では、制御部62は、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切と判定される場合、制動力配分を初期状態にした後における時間経過に伴う前輪3の配分比率の増大を禁止する。それにより、ドライバがモータサイクル100の減速時の挙動に対して身構えていない時点で制動力配分における前輪3の配分比率が増大し始めることを抑制することができる。ゆえに、ドライバの安全性をより適切に確保することができる。
本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態の全て又は一部が組み合わされてもよく、また、各実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、5 エンジン、10 ブレーキシステム、11 第1ブレーキ操作部、12 前輪制動機構、13 第2ブレーキ操作部、14 後輪制動機構、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25 主流路、26 副流路、27 供給流路、31 込め弁、32 弛め弁、33 アキュムレータ、34 ポンプ、35 第1弁、36 第2弁、41 車間距離センサ、42 入力装置、43 慣性計測装置、48 マスタシリンダ圧センサ、49 ホイールシリンダ圧センサ、50 液圧制御ユニット、51 基体、60 制御装置、61 取得部、62 制御部、62a 駆動制御部、62b 制動制御部、100 モータサイクル。
Claims (7)
- 鞍乗り型車両(100)の走行を制御する制御装置(60)であって、
前記鞍乗り型車両(100)を、当該鞍乗り型車両(100)から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両(100)の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールを実行可能な制御部(62)を備え、
前記制御部(62)は、前記アダプティブクルーズコントロールの実行中に、前記鞍乗り型車両(100)の車輪(3,4)に制動力を生じさせる際、前記車輪(3,4)に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪(4)に生じる制動力が前輪(3)に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、前記制動力配分における前記前輪(3)の配分比率を増大させる、
制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記初期状態において、前記後輪(4)のみに制動力を生じさせる、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記制動力配分を前記初期状態にした後において、前記制動力配分を前記鞍乗り型車両(100)のピッチ角に基づいて制御する、
請求項1又は2に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記制動力配分を前記初期状態にした後において、前記制動力配分の変化速度を前記鞍乗り型車両(100)のピッチ角に基づいて制御する、
請求項3に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、前記制動力配分を前記初期状態にした後において、前記前輪(3)の配分比率を増大させ始める増大開始時点を前記鞍乗り型車両(100)のピッチ角に基づいて制御する、
請求項3又は4に記載の制御装置。 - 前記制御部(62)は、ドライバの搭乗姿勢が減速時の姿勢として不適切と判定される場合、前記制動力配分を前記初期状態にした後における時間経過に伴う前記前輪(3)の配分比率の増大を禁止する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置。 - 鞍乗り型車両(100)の走行を制御する制御方法であって、
前記鞍乗り型車両(100)を当該鞍乗り型車両(100)から前走車までの距離、当該鞍乗り型車両(100)の動き及びドライバの指示に応じて走行させるアダプティブクルーズコントロールの実行中に、制御装置(60)により前記鞍乗り型車両(100)の車輪(3,4)に制動力を生じさせる際、前記車輪(3,4)に制動力を生じさせ始める制動開始時点において、前後輪の制動力配分を後輪(4)に生じる制動力が前輪(3)に生じる制動力よりも高くなる初期状態にし、時間経過に伴って、前記制動力配分における前記前輪(3)の配分比率を増大させる、
制御方法。
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