JP2020015330A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対角センサを通じて検出されるモータの回転角に基づく操舵絶対角の演算精度を確保することができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】ECUの操舵角演算部70は、中点演算部71、補正量演算部72、加算器73および絶対角演算部74を有している。中点演算部71は、車両走行用の駆動源が始動されたとき、ステアリングセンサを通じて検出される操舵角θsおよび相対角センサを通じて検出されるモータの回転角θmに基づきモータ中点θm0を演算する。補正量演算部72は、操舵角θsを理論上の比ストロークを考慮してモータの回転角θmに換算した値である換算値と、操舵角に対する実際上のモータの回転角θmとの差を補正角度θm02として演算する。加算器73は、補正量演算部72により演算される補正角度θm02を中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に加算することにより最終的なモータ中点θm0を演算する。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、たとえば特許文献1に示されるように、車両の操舵機構にモータのトルクを付与することにより操舵を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)が知られている。操舵機構は、可変ギヤ比型のラックアンドピニオンを有している。ステアリングホイールの操作に連動するピニオンシャフトの回転がラック軸の往復動に変換されることにより転舵輪の転舵角が変更される。EPSの制御装置は、トルクセンサを通じて検出される操舵トルクに応じて、モータに供給する電流を制御する。また、制御装置は、ステアリングセンサとしての絶対角センサを通じて検出される操舵角に基づき、ステアリングホイールを中立位置に復帰させるステアリング戻し制御などの補償制御を実行する。
ここで、ステアリングセンサとして使用される絶対角センサは、モータの回転角を検出するレゾルバなどの相対角センサに比べて分解能が低いことがある。このため、制御装置は、相対角センサを通じて検出されるモータの回転角を使用して操舵角を絶対角で演算する。具体的には、制御装置は、まず絶対角センサを通じて検出される操舵角を、比ストロークを考慮してモータの回転角に換算した換算値を演算する。比ストロークとは、ピニオン軸が1回転したときのラック軸の移動距離をいう。つぎに制御装置は、相対角センサを通じて検出されるモータの回転角から換算値を減算することによりモータ中点を演算する。モータ中点とは、ステアリングホイールの操舵中立位置に対応するモータの回転角をいう。そして制御装置は、モータ中点および相対角センサを通じて検出されるモータの回転角に基づき操舵角を絶対角で演算し、この演算される操舵角(操舵絶対角)を使用して前述した補償制御を実行する。
特開2014−210495号公報
ところが、特許文献1のEPSにおいては、EPSの各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して、絶対角センサを通じて検出される操舵角と比ストロークとの関係が、換算値を演算するときの理論上の関係と、実際にステアリングホイールが操舵されたときの実際上の関係とで異なるおそれがある。このため、換算値を使用して演算されるモータ中点は、実際にステアリングホイールが操舵中立位置に操舵されたときのモータ中点と異なるおそれがある。したがって、換算値を使用して演算されるモータ中点に基づく操舵角についても実際の操舵角と異なることが懸念される。
本発明の目的は、相対角センサを通じて検出されるモータの回転角に基づく操舵絶対角の演算精度を確保することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、可変ギヤ比型のラックアンドピニオンを有する操舵機構に付与される動力を発生するモータを操舵状態に応じて制御するものである。操舵制御装置は、絶対角センサを通じて検出される操舵角を理論上の比ストロークを考慮して前記モータの回転角に換算した換算値を相対角センサを通じて検出される前記モータの回転角から減算することにより操舵中立位置に対応するモータの回転角であるモータ中点を演算し、この演算されるモータ中点および前記相対角センサを通じて検出される前記モータの回転角に基づき操舵角を絶対角で演算する操舵角演算部を有している。前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとのずれ量が前記モータ中点の演算に及ぼす影響を抑えるべく前記ずれ量に応じて前記モータ中点に対する補正量を演算する。
操舵角に対する実際上の比ストロークは、操舵機構の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して、操舵角に対する理論上の比ストロークと異なるおそれがある。このため、理論上の比ストロークに基づく換算値を使用して得られるモータ中点も、実際のモータ中点と異なる値となることが懸念される。この点、上記の構成によれば、操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとのずれ量がモータ中点の演算に及ぼす影響を抑えるべく当該ずれ量に応じてモータ中点に対する補正量が演算される。この補正量が反映された最終的なモータ中点が使用されることにより、相対角センサを通じて検出されるモータの回転角に基づく操舵絶対角の演算精度を確保することができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記換算値と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差を前記ずれ量として検出し、この検出される差を前記補正量として前記モータ中点に反映させるようにしてもよい。
絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとのずれ量は、理論上の比ストロークに基づく換算値(モータの回転角)と、操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差として現れる。このため、上記の構成によるように、理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差を補正量としてモータ中点に反映させることによって、より正確なモータ中点を得ることができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記モータの回転角の実際上の傾きの変化点における操舵角と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する比ストロークの理論上の傾きの変化点における操舵角との差を前記ずれ量として検出し、この検出される操舵角の差を前記モータの回転角に換算した値を前記補正量として前記モータ中点に反映させるようにしてもよい。
絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとのずれ量は、操舵角に対するモータの回転角の実際上の傾きの変化点における操舵角と、操舵角に対する比ストロークの理論上の傾きの変化点における操舵角との差として現れる。このため、上記の構成によるように、実際上の傾きの変化点における操舵角と理論上の傾きの変化点における操舵角との差をモータの回転角に換算した値を補正量としてモータ中点に反映させることによって、より正確なモータ中点を得ることができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記換算値と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差の積分値を前記ずれ量として検出し、この検出される積分値に応じて前記補正量を演算するようにしてもよい。
この構成によるように、理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差の積分値に応じた補正量をモータ中点に反映させることによって、より正確なモータ中点を得ることができる。
上記の操舵制御装置において、理論上の前記比ストロークは、つぎのように設定されていてもよい。たとえば理論上の前記比ストロークは、操舵角の絶対値が第1の操舵角以下である操舵中立位置近傍の第1の領域では第1の比ストロークで一定となるように設定されている。また、理論上の前記比ストロークは、操舵角の絶対値が前記第1の操舵角よりも大きくかつ第2の操舵角以下である第2の領域では操舵角の絶対値が増大するにつれて徐々に大きくなるように設定されている。また、理論上の前記比ストロークは、操舵角の絶対値が前記第2の操舵角よりも大きな値となる操舵限界位置近傍の第3の領域では第2の比ストロークで一定となるように設定されている。この場合、前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角の絶対値が、操舵角の変化に対して前記積分値が非線形的に変化する角度領域を経て、操舵角の変化に対して前記積分値が線形的に変化する角度領域または一定となる角度領域に達したとき、前記積分値に応じた前記補正量を演算することが好ましい。
絶対角センサを通じて検出される操舵角が操舵中立位置に対応する操舵角近傍の値であるとき、および操舵限界位置に対応する操舵角近傍の値であるとき、操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとが一致しやすい。これは、絶対角センサを通じて検出される操舵角の絶対値が、操舵角に対して比ストロークが変化する第2の領域内の値である場合と比べて、操舵機構の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差の影響を受けにくいからである。そして、操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとが一致するとき、絶対角センサを通じて検出される操舵角を理論上の比ストロークを考慮してモータの回転角に換算した換算値と、絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する実際上のモータの回転角との間に差が生じにくい。これに対して、操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとが一致しないとき、操舵角に対する理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上のモータの回転角との間に差が生じやすい。
そして、操舵角に対する理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との間に差がある場合、操舵角の増加に対して前記積分値も増加する。操舵角の変化に対して前記の差が一定であるとき、操舵角の増加に対して前記積分値は線形的に増加する。また、操舵角の変化に対して前記の差が変化するとき、操舵角の増加に対して前記積分値は非線形的に増加する。これに対し、操舵角に対する理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との間に差がない場合、操舵角の増加に対して前記積分値の増加量は零となる。
ここで、操舵角の変化に対して前記積分値が非線形的に変化する角度領域は、操舵角に対して比ストロークが変化する角度領域を含む。これは、操舵角に対して比ストロークが変化する角度領域は、操舵機構の各構成部材の寸法公差などの影響を最も受けやすい領域であるため、操舵角の変化に対して前記の差が一定の値に維持されない蓋然性が高いからである。このため、操舵角の変化に対して前記積分値が非線形的に変化する角度領域は、全操舵範囲において、操舵角に対する理論上の比ストロークに基づく換算値と、操舵角に対する実際上のモータの回転角との間の差に操舵機構の各構成部材の寸法公差などの影響が最も反映される領域であるといえる。
したがって、上記の構成によるように、絶対角センサを通じて検出される操舵角の絶対値が、操舵角の変化に対して前記積分値が非線形的に変化する角度領域を経て、操舵角の変化に対して前記積分値が線形的に変化する角度領域または一定となる角度領域に達したときの前記積分値には、全操舵範囲のうち最も操舵機構の各構成部材の寸法公差などの影響を受けやすい角度領域における差が反映される。当該差が反映された前記積分値に応じた補正量をモータ中点に反映させることによって、より正確なモータ中点を得ることができる。
上記の操舵制御装置において、操舵トルクに応じて前記モータに対する第1の制御量を演算する第1の演算部と、操舵角に基づき前記モータに対する補償制御量として第2の制御量を演算する第2の演算部と、前記第1の制御量と前記第2の制御量とを合算することにより前記モータに対する最終的な制御量を演算する第3の演算部と、を有していてもよい。この場合、前記第2の演算部は、前記操舵角演算部により演算される操舵角を使用して前記第2の制御量を演算することが好ましい。
この構成によれば、より正確な操舵角に基づきモータに対する第2の制御量が演算される。この適切な第2の制御量が反映された最終的な制御量に基づきモータを適切に制御することができる。
本発明の操舵制御装置によれば、相対角センサを通じて検出されるモータの回転角に基づき、操舵絶対角をより正確に検出することができる。
操舵制御装置の第1の実施の形態が搭載される電動パワーステアリング装置の概略構成図。 (a)は第1の実施の形態における操舵角と比ストロークとの関係を示すグラフ、(b)は第1の実施の形態における操舵角と換算値との関係を示すマップ。 第1の実施の形態における電子制御装置(ECU)の制御ブロック図。 第1の実施の形態における電流指令値演算部の制御ブロック図。 第1の実施の形態における操舵角演算部の制御ブロック図。 (a)は第1の実施の形態における操舵角と比ストロークとの関係を示すグラフ、(b)は第1の実施の形態における操舵角と換算値との関係を示すマップ。 (a)は第2の実施の形態における操舵角と比ストロークとの関係を示すグラフ、(b)は第2の実施の形態における操舵角と換算値との関係を示すマップ。 第3の実施の形態における操舵角の絶対値と積分値との関係を示すグラフ。 第3の実施の形態における積分値と補正角度との関係を示すマップ。
<第1の実施の形態>
以下、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)の制御装置に具体化した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、EPS1は、運転者の操舵に基づいて車両の進行方向を変更する操舵機構20、運転者の操舵を補助する操舵補助機構21、および操舵補助機構21の作動を制御する操舵制御装置としてのECU(電子制御装置)22を有している。
図1に示すように、操舵機構20は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3の回転に応じて軸方向に往復動するラック軸5とを備えている。ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸7、中間軸8、およびピニオン軸9が連結されてなる。ラック軸5とピニオン軸9とは互いに交差して設けられている。ピニオン軸9に設けられたピニオン歯9aがラック軸5に設けられた第1のラック歯5aに噛合されることにより第1のラックアンドピニオン機構11が構成されている。ラック軸5の両端には、それぞれタイロッド12を介して転舵輪13のナックルが連結されている。したがって、ステアリングホイール2の操作に伴うステアリングシャフト3の回転は第1のラックアンドピニオン機構11によりラック軸5の軸方向における往復動に変換され、この往復動がタイロッド12を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪13の転舵角が変更される。
第1のラックアンドピニオン機構11としては可変ギヤ比(バリアブルギヤレシオ)型のものが採用されている。すなわち、ラック軸5における第1のラック歯5aが設けられた部分において、ステアリングホイール2の操舵中立位置に対応する中央付近から左右の操舵限界位置であるストロークエンド付近へ向けて比ストロークが連続的に増大するように、第1のラック歯5aの諸元(歯のピッチおよび圧力角など)が設定されている。ここで、比ストロークとは、ピニオン軸9(ステアリングホイール2)が1回転したときのラック軸5の移動距離をいう。操舵角θsと比ストロークとの関係は、つぎの通りである。
図2(a)のグラフに示すように、操舵角θsの絶対値が第1の操舵角θs1以下である操舵中立位置近傍の領域Aにおいて、比ストロークCfは第1の比ストロークCf1(一定)に設定されている。また、操舵角θsの絶対値が第1の操舵角θs1よりも大きく、かつ第2の操舵角θs2以下の領域Bにおいて、比ストロークCfは操舵角θsの絶対値が増大するにつれて徐々に大きくなるように設定されている。また、操舵角θsの絶対値が第2の操舵角θs2よりも大きく、かつ第3の操舵角θs3以下であるストロークエンド近傍の領域Cにおいて、比ストロークCfは、第2の比ストロークCf2(一定)に設定されている。第2の比ストロークCf2は、第1の比ストロークCf1よりも大きな値である。
なお、図2(a)のグラフでは、操舵中立位置(θs=0)を基準として右操舵したときの操舵角θsを正の値、同じく左操舵したときの操舵角θsを負の値で示している。
このように操舵角θsに対する比ストロークCfを設定することにより、操舵角θsの絶対値が大きくなるほど、転舵輪13の転舵角がより大きく変化する。このため、直進走行時あるいは高速走行時における操縦性を確保しつつ、据え切り時あるいは低速走行時におけるステアリングホイール2の操作性を向上させることができる。
図1に示すように、操舵補助機構21は、その駆動源となるモータ23と、モータ23にウォームアンドホイールなどの減速機構24を介して連結されるピニオン軸25とを備えている。モータ23としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。モータ23には、レゾルバなどの相対角センサ26が設けられている。相対角センサ26は、モータ23の回転角θmを360°の範囲の相対角で検出する。また、ラック軸5とピニオン軸25とは互いに交差して設けられている。ピニオン軸25に設けられたピニオン歯25aがラック軸5に設けられた第2のラック歯5bに噛合されることにより、動力変換機構としての第2のラックアンドピニオン機構27が構成されている。モータ23の回転は減速機構24により減速されて、この減速されるモータ23の回転力がピニオン軸25に伝達される。このピニオン軸25の回転が第2のラックアンドピニオン機構27によってラック軸5の軸方向における往復動に変換されることにより、ステアリングホイール2の操作が補助される。
なお、第2のラック歯5bの諸元は、ラック軸5における第2のラック歯5bが設けられた全領域に亘って同一に設定されている。
ECU22は、車載センサの検出結果に基づきモータ23の作動を制御する。車載センサとしては、前述した相対角センサ26の他、たとえばトルクセンサ31、車速センサ32およびステアリングセンサ33が存在する。トルクセンサ31は、コラム軸7に設けられたトーションバー31aを有している。トルクセンサ31は、トーションバー31aの捻れ角に基づきステアリングシャフト3に付与される操舵トルクThを検出する。車速センサ32は、車両の走行速度である車速Vを検出する。ステアリングセンサ33は、コラム軸7におけるトルクセンサ31とステアリングホイール2との間の部分に設けられている。ステアリングセンサ33は絶対角センサであって、ステアリングホイール2(ステアリングシャフト3)の回転角である操舵角θsを、360°を超える範囲の絶対角で検出する。
ECU22は、操舵トルクThおよび車速Vに基づき目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力を操舵補助機構21に発生させるべくモータ23への給電を制御する。また、ECU22は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsおよび相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmに基づき、操舵絶対角を演算し、当該演算される操舵絶対角を使用して、より優れた操舵感を実現するための補償制御を実行する。
つぎに、ECU22について詳細に説明する。
図3に示すように、ECU22は駆動回路(インバータ回路)41およびMPU(Micro-Processing Unit)42を備えている。
駆動回路41は、MPU42により生成されるモータ制御信号Sc(PWM駆動信号)に基づいて、直流電源であるバッテリ(+B)から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。この変換された三相交流電力は各相の給電経路43を介してモータ23に供給される。各相の給電経路43には電流センサ44が設けられている。これら電流センサ44は各相の給電経路43に生ずる実際の電流値Imを検出する。
MPU42は、電流指令値演算部51およびモータ制御信号生成部52を備えている。電流指令値演算部51は操舵トルクThおよび車速Vに基づき電流指令値Iを演算する。電流指令値Iは、操舵トルクThおよび車速Vに応じた適切な大きさの目標アシスト力を発生させるために必要とされるモータ23に供給するべき電流の目標値を示す。モータ制御信号生成部52は、電流指令値I、実際の電流値Imおよびモータ23の回転角θmに基づき、実際の電流値Imが電流指令値Iに追従するように電流のフィードバック制御を行う。モータ制御信号生成部52は、電流指令値Iと実際の電流値Imとの偏差を求め、当該偏差を無くすようにモータ制御信号Scを生成する。駆動回路41を通じてモータ制御信号Scに応じた電流がモータ23に供給されることにより、モータ23は目標アシスト力に応じた回転力を発生する。
つぎに、電流指令値演算部51について詳細に説明する。
図4に示すように、電流指令値演算部51は、基本アシスト制御量演算部61、補償制御量演算部62、および加算器63を備えている。
基本アシスト制御量演算部61は操舵トルクThおよび車速Vに基づき、電流指令値Iの第1の成分として基本アシスト制御量I1を(電流値)演算する。基本アシスト制御量I1は、操舵トルクThおよび車速Vに応じた適切な大きさの目標アシスト力を発生させるための基礎成分である。基本アシスト制御量演算部61は、ECU22の記憶装置(図示略)に格納されるアシスト特性マップを使用して基本アシスト制御量I1を演算する。アシスト特性マップは、操舵トルクThおよび車速Vに基づき基本アシスト制御量I1を演算するための車速感応型の三次元マップであって、操舵トルクThの絶対値が大きいほど、また車速Vが遅いほどより大きな値(絶対値)の基本アシスト制御量I1が算出されるように設定されている。
補償制御量演算部62は、より優れた操舵感を実現するために基本アシスト制御量I1に対する補償制御を実行する。この補償制御としては、たとえばステアリングホイール2を操舵中立位置に復帰させるステアリング戻し制御がある。
補償制御量演算部62は、操舵トルクTh、車速V、操舵角θs(あるいは操舵速度ωs)に基づきステアリングホイール2の戻り特性を補償するための補償制御量I2(電流値)を演算する。この補償制御量I2は、電流指令値Iの第2の成分である。
加算器63は基本アシスト制御量I1に対する補正処理として、基本アシスト制御量I1に補償制御量I2を加算することにより電流指令値Iを演算する。補償制御量I2を使用して基本アシスト制御量I1を補正することにより、路面反力によるセルフアライニングトルクの過不足が補償される。補償制御量I2に応じてステアリングホイール2を操舵中立位置に戻す方向へ向けたアシスト力が発生されるからである。
ここで、ステアリングセンサ33として使用される絶対角センサは、モータ23の回転角θmを検出する相対角センサ26に比べて分解能が低いことがある。このため、図4に二点鎖線で示されるように、電流指令値演算部51には、操舵角演算部70が設けられている。操舵角演算部70は、相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmに基づき操舵絶対角を演算する。この操舵絶対角は、補償制御量演算部62で使用される操舵角として360°を超える範囲の絶対角として演算されるものである。補償制御量演算部62は、操舵角演算部70により演算される操舵絶対角を使用して補償制御量I2を演算する。
つぎに、操舵角演算部70について詳細に説明する。
図5に示すように、操舵角演算部70は、中点演算部71、補正量演算部72、加算器73および絶対角演算部74を有している。
中点演算部71は、車両走行用の駆動源が始動された直後、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θs、および相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmを使用して、モータ中点θm01を演算する。モータ中点θm01とは、ステアリングホイール2が車両直進時の操舵中立位置に位置しているときの操舵角θs(舵角中点)に対応するモータ23の回転角θmをいう。中点演算部71は、ECU22の記憶装置(図示略)に記憶された換算マップを使用して、モータ中点θm01を演算する。
図2(b)のグラフに示すように、換算マップMcは、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsと換算値θsmとの関係を規定する。換算値θsmは、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsを、理論上の比ストロークCfを考慮して、モータ23の回転角θmに換算した値である。換算値θsmは、操舵角θsに対して、その操舵角θsでのステアリングシャフト3の回転量に対するモータ23の回転量の比を乗算することにより求められる。
換算マップMcの特性はつぎの通りである。すなわち、比ストロークCfが第1の比ストロークCf1(一定)である領域Aにおいて、換算値θsmの絶対値は、操舵角θsの絶対値が大きくなるほど第1の比ストロークCf1に応じて線形的に大きくなる。また、操舵角θsの絶対値が大きくなるほど比ストロークCfが連続的に増大する領域Bにおいて、換算値θsmの絶対値は、操舵角θsの絶対値が増大するにつれて非線形的に大きくなる。これは、ステアリングシャフト3の回転量に対するモータ23の回転量の比は、比ストロークCfの値に応じて変化するからである。また、比ストロークCfが第2の比ストロークCf2(一定)である領域Cにおいて、換算値θsmの絶対値は、操舵角θsの絶対値が大きくなるほど第2の比ストロークCf2に応じて線形的に大きくなる。
中点演算部71は、次式(A)で示されるように、相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmから、換算マップMcに基づき得られる換算値θsmを減算することにより、モータ中点θm01を演算する。ただし、中点演算部71は、一度モータ中点θm01を演算した以降、モータ中点θm01の演算を停止する。
θm01=θm−θsm …(A)
このように、比ストロークCfが操舵角θsに応じて変化することを踏まえてモータ中点θm01を演算することにより、理論上はモータ中点θm01を演算する際の操舵角θsがどのような角度であっても、モータ中点θm01の演算精度を確保することが可能である。すなわち、先の式(A)に基づき演算されるモータ中点θm01は、実際にステアリングホイール2が操舵中立位置に操舵されたときのモータ23の回転角θm(実際のモータ中点)に対して、近似した値となる。
しかし、中点演算部71においては、つぎのことが懸念される。
図6(a)のグラフに示すように、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して、操舵角θsと比ストロークCfとの関係が、図6(a)のグラフに実線の特性線L1,L2で示される実際上の関係と、図6(a)のグラフに二点鎖線の特性線L0で示される理論上の関係とで異なるおそれがある。特に、操舵角θsに応じて比ストロークCfが変化する領域(図2(a)における領域B)においては、比ストロークCfに対するEPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差の影響がより大きく現れる。
たとえば特性線L1で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも小さな値になることがある。この場合、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfと理論上の比ストロークCfとの間には差δ1が生じる。ただし、操舵角θsの絶対値が第1の操舵角θs1以下であるとき、および操舵角θsの絶対値が第4の操舵角θs4(>θs2)以上であるとき、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfと理論上の比ストロークCfとは互いに一致している。
また、特性線L2で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも大きな値になることもある。この場合、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfと理論上の比ストロークCfとの間には差δ2が生じる。ただし、操舵角θsの絶対値が第5の操舵角θs5(<θs1)以下であるとき、および操舵角θsの絶対値が第2の操舵角θs2以上であるとき、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfと理論上の比ストロークCfとは互いに一致している。
すなわち、図6(a)のグラフに示す例においては、操舵角θsの絶対値が次式(B),(C)の範囲外の値であるとき、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfと理論上の比ストロークCfとが異なるおそれがある。
0≦│θs│≦│θs5│ …(B)
│θs4│≦│θs│≦│θs3│ …(C)
ここで換算マップMcは、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsと、この操舵角θsを理論上の比ストロークCfを考慮してモータ23の回転角θmに換算した換算値θsmとの関係を規定するものである。このため、換算マップMcにより規定される操舵角θsと換算値θsm(モータ23の回転角θm)との理論上の関係が、実際上の操舵角θsとモータ23の回転角θmとの関係と異なるおそれがある。
たとえば、図6(a)に特性線L1で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも小さな値になる場合、操舵角θsの絶対値に対する実際上のモータ23の回転角θmと、理論上の換算値θsmとの関係はつぎの通りである。すなわち、図6(b)に特性線L11で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上のモータ23の回転角θmは、特性線L10で示される理論上の換算値θsmよりも小さな値になる。この場合、特性線L11で示される実際上のモータ23の回転角θmと、特性線L10で示される理論上の換算値θsmとの間には差δθ1が生じる。
また、図6(a)に特性線L2で示される実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも大きな値になる場合、操舵角θsの絶対値に対する実際上のモータ23の回転角θmと理論上の換算値θsmとの関係はつぎの通りである。すなわち、図6(b)に特性線L12で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上のモータ23の回転角θmは、特性線L10で示される理論上の換算値θsmよりも大きな値になる。この場合、特性線L12で示される実際上のモータ23の回転角θmと特性線L10で示される理論上の換算値θsmとの間には差δθ2が生じる。
したがって、換算マップMcに基づく換算値θsmを使用して得られるモータ中点θm01が、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に応じて、実際のモータ中点と異なる値となるおそれがある。
そこで、操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfと実際上の比ストロークCfとのずれ量がモータ中点θm01の演算に及ぼす影響を抑えることを目的として、操舵角演算部70には、補正量演算部72、および加算器73が設けられている。
補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θs、および相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmを使用して、補正角度θm02を演算する。補正角度θm02は、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対する補正量であって、操舵角θsの絶対値に対する理論上の換算値θsm(モータ23の回転角θm)と実際上のモータ23の回転角θmとの差を解消する観点に基づき演算される。
補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsに応じた理論上のモータ23の回転角θm(=換算値θsm)を演算する。補正量演算部72は、たとえば次式(D)を使用してモータ23の回転角θmを演算する。
θm(理論値)=θs×Gr …(D)
ただし、「Gr」は、第1のラックアンドピニオン機構11の減速比、第2のラックアンドピニオン機構27の減速比、および減速機構24の減速比をトータルした減速比である。第1のラックアンドピニオン機構11の減速比は、つぎのようにして求めることができる。すなわち、図6(a)のグラフに示される操舵角θsの絶対値と比ストロークCfとの関係を利用して、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsに応じた理論上の比ストロークCfを求め、この求められる比ストロークCfに基づき第1のラックアンドピニオン機構11の減速比を演算(換算)する。図6(a)のグラフに示される操舵角θsの絶対値と比ストロークCfとの関係は、ECU22の記憶装置にあらかじめ格納されている。
補正量演算部72は、次式(E)で示されるように、相対角センサ26を通じて検出される実際のモータ23の回転角θmと、先の式(D)に基づき演算される理論上のモータ23の回転角θmとの差を補正角度θm02として演算する。補正角度θm02は、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して生じる操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmと理論上の換算値θsm(モータ23の回転角θm)との差δθ1,δθ2(図6(b)参照)と同じ値あるいは近似した値となる。
θm02=θm(実際値)−θm(理論値) …(E)
加算器73は、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対する補正処理として、当該モータ中点θm01と、補正量演算部72により演算される補正角度θm02とを合算することにより、最終的なモータ中点θm0を演算する。
絶対角演算部74は、加算器73により演算される最終的なモータ中点θm0を使用して、モータ23の回転角θmに基づき操舵絶対角θsabを演算する。絶対角演算部74は、最終的なモータ中点θm0を基準点として、基準点からのモータ23の回転角θmの変化量に基づき、モータ23の回転角θmを360°を超える範囲の絶対角で演算する。
モータ23とステアリングシャフト3とは、第1のラックアンドピニオン機構11、第2のラックアンドピニオン機構27および減速機構24を介して連動する。このため、モータ23の回転角θmとステアリングシャフト3(ステアリングホイール2)の回転角である操舵角θsとの間には相関がある。したがって、モータ23の回転角θmに基づき操舵絶対角θsabを求めることができる。
<第1の実施の形態の作用>
補正量演算部72により演算される補正角度θm02を使用して、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01を補正することにより、つぎの作用が得られる。
すなわち、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対して、補正量演算部72により演算される補正角度θm02が加算されることにより、実際のモータ中点θm01と同一または近似した値のモータ中点θm01が得られる。これは、補正角度θm02の絶対値は、理論上の換算値θsmと実際上のモータ23の回転角θmとの差δθ1,δθ2の絶対値と同じ値または近似した値となるからである。
ここで、次式(F)で示されるように、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に補正角度θm02を加算することは、理論上の換算値θsmに対して補正角度θm02を加算することと同じである。ただし、次式(F)は先の式(A)に基づく。
θm01+θm02=(θm−θsm)+θm02
=θm−(θsm+θm02) …(F)
たとえば、実際上の換算値θsmが特性線L11で示される正の値である場合、特性線L10で示される理論上の換算値θsmは特性線L11で示される実際上の換算値θsmよりも大きな値となる。このため、先の式(E)に基づき演算される補正角度θm02は、特性線L11で示される実際上の換算値θsmと特性線L10で示される理論上の換算値θsmとの間の差δθ1に応じた負の値となる。したがって、特性線L10で示される理論上の換算値θsmに負の値である補正角度θm02が加算されることにより、特性線L10で示される理論上の換算値θsmは、特性線L11で示される実際上の換算値θsmに補正される。すなわち、操舵角θsの絶対値と換算値θsmの絶対値との関係は、特性線L10で示される特性から特性線L11で示される特性と同一あるいは近似した特性へ変更される。このため、実際上の換算値θsmを先の式(A)に適用して得られる最終的なモータ中点θm0は、操舵角θsの絶対値に対する理論上の比ストロークCfに応じた値ではなく、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差が反映された実際上の比ストロークCfに応じた値となる。
また、実際上の換算値θsmが特性線L12で示される正の値である場合、特性線L10で示される理論上の換算値θsmは特性線L12で示される実際上の換算値θsmよりも大きな値となる。このため、先の式(E)に基づき演算される補正角度θm02は、特性線L12で示される実際上の換算値θsmと特性線L10で示される理論上の換算値θsmとの間の差δθ2に応じた正の値となる。したがって、特性線L10で示される理論上の換算値θsmに正の値である補正角度θm02が加算されることにより、特性線L10で示される理論上の換算値θsmは、特性線L12で示される実際上の換算値θsmに補正される。すなわち、操舵角θsの絶対値と換算値θsmの絶対値との関係は、特性線L10で示される特性から特性線L12で示される特性と同一あるいは近似した特性へ変更される。このため、実際上の換算値θsmを先の式(A)に適用して得られる最終的なモータ中点θm0は、操舵角θsの絶対値に対する理論上の比ストロークCfに応じた値ではなく、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差が反映された実際上の比ストロークCfに応じた値となる。
<第1の実施の形態の効果>
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfと実際上の比ストロークCfとのずれ量がモータ中点θm0の演算に及ぼす影響を抑えるために、当該ずれ量に応じて、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対する補正角度θm02が演算される。この補正角度θm02が反映された最終的なモータ中点θm0は、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に応じた、より正確な値となる。このため、より正確なモータ中点θm0が使用されることにより、相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmに基づく操舵絶対角θsabの演算精度を向上させることができる。
(2)ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfと実際上の比ストロークCfとのずれ量は、理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsm(モータ23の回転角θm)と、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの差として現れる。このため、理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsmと、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの差を補正角度θm02として、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に反映させることによって、最終的には、より正確なモータ中点θm0を得ることができる。
(3)先の式(D)に基づき演算される理論上のモータ23の回転角θmと、相対角センサ26を通じて検出される実際のモータ23の回転角θmとの差が補正角度θm02として演算される。この構成を採用することにより、ステアリングホイール2の操舵中立位置から左右の操舵限界位置までの全操舵範囲において、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01を即時に補正することができる。
(4)電流指令値演算部51に、補正量演算部72および加算器73を設けるだけでよい。このため、ECU22の構成を複雑にすることなくモータ中点θm0、ひいては操舵絶対角θsabの精度を確保することができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1〜図5に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対する補正角度θm02の演算方法の点で第1の実施の形態と異なる。
理論上、操舵角θsに対する比ストロークCfの傾きの変化点(座標値)におけるX軸値である操舵角θsと、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点(座標値)におけるX軸値である操舵角θsとは互いに一致する。これに対し、実際上、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して、操舵角θsに対する比ストロークCfの傾きの変化点におけるX軸値である操舵角θsと、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点におけるX軸値である操舵角θsとは互いに一致しない。本実施の形態では、このことに着目して、モータ中点θm01に対する補正角度θm02を演算する。
ちなみに、操舵角θsに対する比ストロークCfの傾きとは、操舵角θsの単位変化量に対する比ストロークCfの変化量をいう。また、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きとは、操舵角θsの単位変化量に対する換算値θsmの変化量をいう。また、変化点とは、操舵角θsの単位変化量に対する換算値θsmの変化量または操舵角θsの単位変化量に対する比ストロークCfの変化量が一定に維持される領域と、これら換算値θsmまたは比ストロークCfの変化量が変化する領域との境界となる図7(a)上の座標値をいう。
図7(a),(b)のグラフに示すように、理論上、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P101のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P01のX軸値は、共に第1の操舵角θs1の絶対値で一致する。また、理論上、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P102のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P02のX軸値は、共に第2の操舵角θs2の絶対値で一致する。
図7(a)に特性線L1で示されるように、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも小さな値になる場合、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P111のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P11のX軸値は、共に第6の操舵角θs6の絶対値で一致する。ただし、第6の操舵角θs6の絶対値は、第1の操舵角θs1の絶対値よりも大きく、第2の操舵角θs2の絶対値よりも小さい値である。またこの場合、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P112のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P12のX軸値は、共に第4の操舵角θs4の絶対値で一致する。
図7(a)に特性線L2で示されるように、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも大きな値になる場合、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P121のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P21のX軸値は、共に第5の操舵角θs5の絶対値で一致する。またこの場合、操舵角θsに対する換算値θsmの傾きの変化点P122のX軸値、および操舵角θsに対する比ストロークCfの変化点P22のX軸値は、共に第7の操舵角θs7の絶対値で一致する。ただし、第7の操舵角θs7の絶対値は、第6の操舵角θs6の絶対値よりも大きく、第2の操舵角θs2の絶対値よりも小さい値である。
このように、EPS1の各構成部材の寸法公差あるいは組付け公差に起因して、操舵角θsに対するモータ23の回転角θmの実際上の傾きの変化点が、操舵角θsに対する比ストロークCfの傾きの理論上の変化点と異なることを利用して、補正量演算部72は、つぎのようにして補正角度θm02を演算する。
補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsおよび相対角センサ26を通じて検出されるモータ23の回転角θmに基づき、操舵角θsに対するモータ23の回転角θmの傾きを定められた演算周期で演算する。補正量演算部72は、当該演算される傾きの監視を通じて当該傾きの変化点P111,P112,P121,P122を検出する。補正量演算部72は、操舵角θsの変化に対して傾きが一定に維持される状態から変化する状態へ移行したときの座標値、および操舵角θsの変化に対して傾きが変化する状態から一定に維持される状態へ移行したときの座標値を変化点として検出する。
ここでは、図7(a)に特性線L1で示されるように、操舵角θsの絶対値に対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも小さな値になる場合について検討する。
この場合、操舵角θsの絶対値と実際上のモータ23の回転角θmとの関係は、図7(b)の特性線L11で表される。このため、たとえばステアリングホイール2が操舵中立位置を起点として操作された場合、操舵角θsの絶対値が第6の操舵角θs6に達するタイミングで傾きの変化点P111が現れる。
補正量演算部72は、変化点P111が検出されたとき、次式(G)で表されるように、変化点P111のX軸値である第6の操舵角θs6の絶対値と、図7(a)の特性線L0上に示される理論上の変化点P01のX軸値である第1の操舵角θs1の絶対値との差δθxを演算する。ちなみに、補正量演算部72は図7(a)に特性線L0で示される操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfの特性を記憶している。
δθx=θs6(実際値)−θs1(理論値) …(G)
この後、補正量演算部72は、トータルの減速比Grを使用して、差δθxをモータ23の回転角θmに換算することにより補正角度θm02を演算する。この補正角度θm02は、理論上の特性線L10上の変化点P101のY軸値(換算値θsm)と、実際上の特性線L11上の変化点P111のY軸値(回転角θm)との差δθyと同じ値あるいは近似した値となる。この補正量演算部72により演算される補正角度θm02が中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に加算されることにより、実際のモータ中点θm01と同一または近似した値のモータ中点θm01が得られる。
補正量演算部72は、つぎの(G1)〜(G3)の場合においても変化点P111が検出された場合と同様にして補正角度θm02を演算する。
(G1)車両走行用の駆動源が始動された直後、ステアリングホイール2が変化点P111のX軸値と変化点P112のX軸値との間の位置を起点として操舵角θsの絶対値が増加する方向へ向けて操作される場合。この場合、操舵角θsの絶対値が第4の操舵角θs4に達するタイミングで最初の変化点P112が現れる。
(G2)車両走行用の駆動源が始動された直後、ステアリングホイール2が変化点P112のX軸値の絶対値を超えた位置を起点として操舵角θsの絶対値が減少する方向へ向けて操作される場合。この場合、操舵角θsの絶対値が第4の操舵角θs4に達するタイミングで最初の変化点P112が現れる。
(G3)車両走行用の駆動源が始動された直後、ステアリングホイール2が変化点P111のX軸値と変化点P112のX軸値との間の位置を起点として操舵角θsの絶対値が減少する方向へ向けて操作される場合。この場合、操舵角θsの絶対値が第6の操舵角θs6に達するタイミングで最初の変化点P111が現れる。
また、補正量演算部72は、図7(a)の特性線L2で示されるように、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも大きな値になる場合に変化点P121,P122が検出されたときにも、前述と同様にして補正角度θm02を演算する。
したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1),(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfと実際上の比ストロークCfとのずれ量は、操舵角θsに対するモータ23の回転角θmの実際上の傾きの変化点における操舵角θsと、操舵角θsに対する比ストロークCfの理論上の傾きの変化点における操舵角θsとの差として現れる。このため、実際上の傾きの変化点における操舵角θsと理論上の傾きの変化点における操舵角θsとの差をモータ23の回転角θmに換算した値を補正角度θm02として、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に反映させることによって、最終的には、より正確なモータ中点θm0を得ることができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1〜図5に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に対する補正角度θm02の演算方法の点で第1の実施の形態と異なる。
補正量演算部72は、次式(I)で示すように、理論上のモータ23の回転角θmと、相対角センサ26を通じて検出される実際のモータ23の回転角θmとの差δθmを演算する。ただし、理論上のモータ23の回転角θmは、先の式(D)に基づき演算される。
δθm=θm(実際値)−θm(理論値) …(I)
補正量演算部72は、式(I)に基づき演算される差δθmを積分し、この積分値δivに基づき補正角度θm02を演算する。
ここでは、先の図6(a)に特性線L1で示されるように、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも小さな値になる場合を一例として挙げる。この場合、操舵角θsの絶対値と、差δθmの積分値δivとの関係は、つぎの通りである。
図8のグラフに示すように、ステアリングホイール2の位置が操舵中立位置(θs=0)を基準として第1の操舵角θs1の絶対値に達するまでの期間、回転角θmの理論値と実際値との間に差δθmが生じないため、操舵角θsの絶対値の増加に対し積分値δivは「0(零)」に維持される。ステアリングホイール2の位置が第1の操舵角θs1の絶対値に達した以降、第4の操舵角θs4の絶対値に達するまでの期間、回転角θmの理論値と実際値との間に一定でない差δθmが生じるため、積分値δivは操舵角θsの絶対値の増加に対して非線形的に徐々に増加する。ステアリングホイール2の位置が第4の操舵角θs4の絶対値に達した以降は、回転角θmの理論値と実際値との間に一定の差δθmが生じるため、操舵角θsの絶対値の増加に対して積分値δivは線形的に増加する。
ちなみに、先の図6(a)に示すように、第1の操舵角θs1は、操舵角θsの絶対値の増加に対して比ストロークCfの値が変化する理論上の領域の起点となる角度である。第6の操舵角θs6は、操舵角θsの絶対値の増加に対して比ストロークCfの値が変化する実際上の領域の起点となる角度である。第4の操舵角θs4は、操舵角θsの絶対値の増加に対して比ストロークCfの値が変化する実際上の領域の終点となる角度である。
補正量演算部72は、補正量演算マップMrを使用して補正角度θm02を演算する。補正量演算マップMrは、差δθmの積分値δivと補正角度θm02の絶対値との関係を規定する。積分値δivに対する補正角度θm02は、操舵角θsの絶対値に対する理論上の換算値θsm(モータ23の回転角θm)と実際上のモータ23の回転角θmとの差を解消する観点に基づき設定されている。図9のグラフに示すように、補正量演算マップMrは、積分値δivが増加するにつれて、補正角度θm02の絶対値が線形的に増加する特性を有している。
ただし、補正量演算マップMrにおける積分値δivは、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsの絶対値が、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域(│θs1│〜│θs4│)を経て、操舵角θsの変化に対して積分値δivが線形的に変化する角度領域(│θs4│〜│θs3│)、または操舵角θsの変化に対して積分値δivが「0」で一定となる角度領域(0〜│θs1│)に達したときの値である。具体的な一例としては、補正量演算マップMrにおける積分値δivは、ステアリングホイール2の舵角位置が操舵中立位置(θs=0)を基準として第4の操舵角θs4の絶対値以上の舵角位置に達した時点における値である。
補正量演算部72により演算される補正角度θm02が中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に加算されることにより、実際のモータ中点θm01に、より近似した値のモータ中点θm01が得られる。
なお、先の図6(a)に特性線L2で示されるように、操舵角θsに対する実際上の比ストロークCfが特性線L0で示される理論上の比ストロークCfよりも大きな値になる場合についても、理論上のモータ23の回転角θmと、実際のモータ23の回転角θmとの差δθmの積分値δivに基づき補正角度θm02を演算することができる。
したがって、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1),(4)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsmと、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの差δθmの積分値δivに応じた補正角度θm02を、中点演算部71により演算されるモータ中点θm01に反映させることによって、最終的に、より正確なモータ中点θm0を得ることができる。
(7)補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsの絶対値が、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域(│θs1│〜│θs4│)を経て、操舵角θsの変化に対して積分値δivが線形的に変化する角度領域(│θs4│〜│θs3│)、または操舵角θsの変化に対して積分値δivが一定となる角度領域(0〜│θs1│)に達したとき、積分値δivに応じた補正角度θm02を演算する。
ここで、操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsmと、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの間に差δθmが存在する場合、操舵角θsの絶対値の増加に対して積分値δivも増加する。操舵角θsの変化に対して差δθmの値が一定であるとき、操舵角θsの増加に対して積分値δivは線形的に増加する。また、操舵角θsの変化に対して差δθmの値が変化するとき、操舵角θsの増加に対して積分値δivは非線形的に増加する。これに対し、操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsmと、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの間に差δθmが存在しない場合、操舵角θsの絶対値の増加に対して積分値δivの増加量は「0」となる。
そして、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域は、操舵角θsに対して比ストロークCfが変化する角度領域を含む。これは、操舵角θsに対して比ストロークCfが変化する角度領域は、操舵機構20の各構成部材の寸法公差などの影響を最も受けやすい領域であるため、操舵角θsの変化に対する差δθmが一定の値に維持されにくいからである。このため、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域は、全操舵範囲において、操舵角θsに対する理論上の比ストロークCfに基づく換算値θsmと、操舵角θsに対する実際上のモータ23の回転角θmとの間の差δθmに操舵機構20の各構成部材の寸法公差などの影響が最も反映される領域であるといえる。
したがって、操舵角θsの絶対値が、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域を経て、操舵角θsの変化に対して積分値δivが線形的に変化する角度領域、または操舵角θsの変化に対して積分値δivが一定となる角度領域に達したときの積分値δivには、全操舵範囲のうち最も操舵機構20の各構成部材の寸法公差などの影響を受けやすい角度領域における差δθmが反映される。当該差δθmが反映された積分値δivに応じた補正角度θm02をモータ中点θm01に反映させることによって、より正確なモータ中点θm0を得ることができる。
ちなみに、補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsの絶対値が、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域(│θs1│〜│θs4│)を経て、ストロークエンド近傍の第3の操舵角θs3の絶対値、または操舵角θsの変化に対して積分値δivが一定となる角度領域(0〜│θs1│)に達したとき、積分値δivに応じた補正角度θm02を演算するようにしてもよい。このときの積分値δivには、操舵角θsの絶対値が、操舵角θsの変化に対して積分値δivが非線形的に変化する角度領域(│θs1│〜│θs4│)、および操舵角θsの変化に対して積分値δivが線形的に変化する角度領域(│θs4│〜│θs3│)における差δθmが反映される。このため、より適切な積分値δivに応じた補正角度θm02をモータ中点θm01に反映させることができる。
また、補正量演算部72は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsの絶対値が、ステアリングホイール2の全操舵範囲を経た後、積分値δivに応じた補正角度θm02を演算するようにしてもよい。このときの積分値δivには、ステアリングホイール2の全操舵範囲におけるδθmが反映される。より適切な積分値δivに応じた補正角度θm02をモータ中点θm01に反映させることによって、より正確なモータ中点θm0を得ることができる。
<他の実施の形態>
なお、第1〜第3の実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・基本アシスト制御量演算部61は操舵トルクThおよび車速Vに基づき基本アシスト制御量I1を演算するようにしたが、車速Vを考慮しなくてもよい。
・最終的なモータ中点θm0を基準としてモータ23の回転角θm(相対角)に基づきモータ23の360°を超える多回転の絶対角を演算し、この演算されるモータ23の絶対角に基づき操舵絶対角θsabを演算したが、つぎのようにしてもよい。すなわち、最終的なモータ中点θm0を基準としたモータ23の絶対角をEPS1の制御で使用される操舵絶対角(いわゆる制御舵角)としてもよい。
・操舵角演算部70を電流指令値演算部51に設けたが、電流指令値演算部51とは別の演算部として設けてもよい。
・操舵角θsに応じた比ストロークCfの変化の態様は、EPS1の製品仕様などに応じて適宜変更してもよい。例えば図6(a)のグラフにおける第1の操舵角θs1から第3の操舵角θs3までの角度領域において、操舵角θsの絶対値が増大するにつれて比ストロークCfが連続的に大きくなるように、あるいは連続的に小さくなるように、第1のラック歯5aの諸元を変更してもよい。
・操舵補助機構21は、第2のラックアンドピニオン機構27を介してモータ23の回転をラック軸5の往復動に変換したが、例えばボール螺子機構などの他の動力変換機構を介してモータ23の回転をラック軸5の往復動に変換してもよい。
・中点演算部71は、操舵角θsに対する比ストロークCfだけでなく、さらにトーションバー31aの捩れ量を考慮してモータ中点θm01を演算してもよい。トーションバー31aの捩れ量は、たとえば操舵トルクThおよびトーションバー31aの弾性係数に基づき演算される。このようにすれば、より正確なモータ中点θm01、ひいては最終的なモータ中点θm0を演算することができる。
・ECU22は、換算マップMcを参照することにより、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsをモータ23の回転角θmに換算した換算値θsmを演算したが、他の方法により換算値θsmを演算してもよい。例えばECU22は、ステアリングセンサ33を通じて検出される操舵角θsを変数とする関数式に基づいて換算値θsmを演算してもよい。
・第2のラックアンドピニオン機構27として可変ギヤ比(バリアブルギヤレシオ)型のものを採用してもよい。すなわち、第2のラック歯5bの諸元がラック軸5における軸方向位置に応じて異なるように設定されることによって、比ストローク(ここでは、ピニオン軸25、ひいてはモータ23が1回転したときのラック軸5の移動距離)がピニオン軸25、ひいてはモータ23の回転角に応じて変化する。この場合、換算マップMcの換算値θsmは、ピニオン軸9の回転に対する理論上の比ストロークおよびピニオン軸25(モータ23)の回転に対する理論上の比ストロークを考慮して設定される。このようにすれば、ピニオン軸9の回転に対する比ストロークと、ピニオン軸25(モータ23)の回転に対する比ストロークとが異なっている場合であれ、換算マップMcを使用することによって、操舵角θsに対する適切な換算値θsm、ひいては適切なモータ中点θm01を得ることができる。
2…ステアリングホイール、5…ラック軸(転舵軸)、9…ピニオン軸、11…第1のラックアンドピニオン機構、20…操舵機構、22…ECU(操舵制御装置)、23…モータ、24…減速機構、26…相対角センサ、33…ステアリングセンサ(絶対角センサ)、61…基本アシスト制御量演算部(第1の演算部)、62…補償制御量演算部(第2の演算部)、63…加算器(第3の演算部)、71…中点演算部、72…補正量演算部、73…加算器、74…絶対角演算部、A…領域(第1の領域)、B…領域(第2の領域)、C…領域(第3の領域)、I…電流指令値(最終的な制御量)、I1…基本アシスト制御量(第1の制御量)、I2…補償制御量(第2の制御量)、Th…操舵トルク、θm…モータの回転角、θm01…モータ中点、θs…操舵角、θsab…操舵絶対角、θsm…換算値、θs…第1の操舵角、Cf…比ストローク、Cf1…第1の比ストローク、Cf2…第2の比ストローク。

Claims (6)

  1. 可変ギヤ比型のラックアンドピニオンを有する操舵機構に付与される動力を発生するモータを操舵状態に応じて制御する操舵制御装置であって、
    絶対角センサを通じて検出される操舵角を理論上の比ストロークを考慮して前記モータの回転角に換算した換算値を相対角センサを通じて検出される前記モータの回転角から減算することにより操舵中立位置に対応するモータの回転角であるモータ中点を演算し、この演算されるモータ中点および前記相対角センサを通じて検出される前記モータの回転角に基づき操舵角を絶対角で演算する操舵角演算部を有し、
    前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する理論上の比ストロークと実際上の比ストロークとのずれ量が前記モータ中点の演算に及ぼす影響を抑えるべく前記ずれ量に応じて前記モータ中点に対する補正量を演算する操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記換算値と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差を前記ずれ量として検出し、この検出される差を前記補正量として前記モータ中点に反映させる操舵制御装置。
  3. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記モータの回転角の実際上の傾きの変化点における操舵角と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する比ストロークの理論上の傾きの変化点における操舵角との差を前記ずれ量として検出し、この検出される操舵角の差を前記モータの回転角に換算した値を前記補正量として前記モータ中点に反映させる操舵制御装置。
  4. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する前記換算値と、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角に対する実際上の前記モータの回転角との差の積分値を前記ずれ量として検出し、この検出される積分値に応じて前記補正量を演算する操舵制御装置。
  5. 請求項4に記載の操舵制御装置において、
    理論上の前記比ストロークは、操舵角の絶対値が第1の操舵角以下である操舵中立位置近傍の第1の領域では第1の比ストロークで一定となるように、操舵角の絶対値が前記第1の操舵角よりも大きくかつ第2の操舵角以下である第2の領域では操舵角の絶対値が増大するにつれて徐々に大きくなるように、操舵角の絶対値が前記第2の操舵角よりも大きな値となる操舵限界位置近傍の第3の領域では第2の比ストロークで一定となるように設定されていて、
    前記操舵角演算部は、前記絶対角センサを通じて検出される操舵角の絶対値が、操舵角の変化に対して前記積分値が非線形的に変化する角度領域を経て、操舵角の変化に対して前記積分値が線形的に変化する角度領域または一定となる角度領域に達したとき、前記積分値に応じた前記補正量を演算する操舵制御装置。
  6. 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    操舵トルクに応じて前記モータに対する第1の制御量を演算する第1の演算部と、
    操舵角に基づき前記モータに対する補償制御量として第2の制御量を演算する第2の演算部と、
    前記第1の制御量と前記第2の制御量とを合算することにより前記モータに対する最終的な制御量を演算する第3の演算部と、を有し、
    前記第2の演算部は、前記操舵角演算部により演算される操舵角を使用して前記第2の制御量を演算する操舵制御装置。
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