JP2020014421A - 家畜出産予測システム - Google Patents

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Yuzo Toyama
雄三 外山
健太郎 椿
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Abstract

【課題】家畜の出産時期をより正確に予測することによって、監視員の負担を軽減するとともに、家畜の分娩時における母体及び子の安全性をより高める家畜出産予測システムを提供する。【解決手段】家畜の出産時期を予測する家畜出産予測システムは、出産時期の近い家畜の画像を取得する画像取得部と、画像取得部で取得された画像から家畜がとる行動を監視する行動監視部と、行動監視部によって得られた家畜がとる行動から前記家畜の出産時期を予測する出産予測部とを備える。行動監視部は、画像取得部で得られた画像のうちの所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて前記家畜がとる行動を監視する。出産予測部は、過去に得られた行動の時間的変化からの類推によって実際に得られた行動の時間的変化を予測する。【選択図】図2

Description

本発明は、家畜出産予測システムに関し、特に、家畜の出産時期を予測することにより、監視員の負担を軽減すると共に出産に伴う母体及び子の安全性を向上させる家畜出産予測システムに関する。
養豚場で母豚が出産する場合、1度の分娩で10頭前後の子豚を出産すると言われている。しかし、母豚が動き回ることに伴って出産直後の子豚が母豚に押しつぶされたり、分娩開始から遅くなって出産される子豚は酸欠状態などによって死産となる可能性が高いという問題がある。そこで、小規模な養豚場では、出産時期が近づくと監視員が目視で監視するか、あるいは監視カメラなどを設けて別室のモニターで監視し、出産が始まったと分かった段階で、できるだけ多くの子豚が安全に出産されるように人間が手助けしている。
一方、大規模な養豚場では出産の頻度が高く、すべての母豚の出産を監視員が監視し続けることは困難な場合がある。そのため出産時期が近づいた母豚を出産用のストールに移し、リアルタイムでの監視を行わない状態で母豚に出産させるところもある。出産用のストールは、母豚の体型に合わせた寸法とされた母豚スペースと、子豚のためのスペースが隣り合わせに設けられている。母豚スペースと子豚スペースの間には仕切りがあり、ここには母豚は通ることができないが子豚が通ることのできる隙間が設けられている。母豚スペースで生まれた子豚は、動き回っている間にこの隙間を通って子豚エリアへ移動すれば母豚に押しつぶされることはない。
母豚の妊娠期間は約114日と言われているが、正確な出産時期を予測することは難かしい。そのため、出産が近づいた母豚に担当者がつききりで監視し続けるとなると、場合によっては夜通しの長い時間監視し続けることが必要となり、監視員の労働負担が大きくなる。
一方、大規模な養豚場のように出産を監視せずに専用のストールで分娩させるようにして、リアルタイムでの監視を行わないようにすれば、監視員の労働負担は軽減される。しかし、出産された子豚が直ちに子豚スペースへ移動するとは限らず、母体スペースに留まっている間に母豚に押しつぶされたり、分娩開始から遅れて出産されるために死産となる可能性も高い。また、担当者が子宮から子豚を引き出す等の手助けを行えば助けることができた子豚であっても、担当者が監視していなければ助けることは難しい。また、出産には各種のトラブルが起こりやすく母豚の安全が脅かされることもありうるが、担当者が監視していない状況では、そのような場合には迅速に対応することは難しい。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、家畜の出産時期をより正確に予測することによって、監視員の負担を軽減するとともに、家畜の分娩時における母体及び子の安全性をより高める家畜出産予測システム及び家畜出産検出システムを提供することを目的とする。
本発明は、家畜の出産時期を予測する家畜出産予測システムであって、
出産時期の近い家畜の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された画像から、前記家畜がとる行動を監視する行動監視部と、
前記行動監視部によって得られた家畜がとる行動から、前記家畜の出産時期を予測する出産予測部と、
を備える。
前記行動監視部は、好ましくは、前記画像取得部で得られた画像のうちの所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて前記家畜がとる行動を監視する。
前記行動監視部が監視する家畜の行動には、家畜が活動している状態、家畜が立っている状態、家畜が餌を食べている状態のうちの少なくとも1つが含まれ、
前記出産予測部は、前記家畜が活動している状態の時間、家畜が立っている状態の時間、家畜が餌を食べている状態の時間のうちの少なくとも1つの時間的変化から前記家畜の出産時期を予測するものとすることができる。
前記出産予測部は、前記家畜がとる行動の時間的変化から家畜の出産時期を予測するにあたり、過去に得られた行動の時間的変化からの類推によって実際に得られた行動の時間的変化を予測する。
好ましくは、前記行動監視部が監視する家畜の行動には、前記家畜が立っている状態及び座っている状態が含まれ、
前記出産予測部は、前記家畜が立っている状態と座っている状態の間での行動の変化の頻度に基づいて前記家畜の出産時期を予測するものとする。
さらに、前記家畜出産予測システムは、出産予測部によって予測される出産時期を、担当者に報知する報知部を備えることが好ましい。
本発明は、家畜の出産を検知する家畜出産検出システムであって、
出産時期の近い家畜に隣接する領域の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された画像の所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて出産された家畜を検出する行動監視部と、
を備える。
さらに、前記家畜出産検出システムは、行動監視部によって検出された家畜の出産を、担当者に報知する報知部を備えることが好ましい。
本発明は、家畜の出産時期を予測するとともに家畜が出産したことを検出する家畜出産予測検出システムであって、
出産時期の近い家畜の画像及び前記家畜に隣接する領域の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された画像から、前記家畜がとる行動を監視する行動監視部と、
前記行動監視部によって得られた家畜がとる行動から、前記家畜の出産時期を予測する出産予測部と、
を備え、
前記行動監視部は、前記画像取得部で取得された画像の所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて出産された家畜を検出する。
本発明によれば、家畜の出産時期をより正確に予測することが可能となり、これにより監視員の負担を軽減するとともに、家畜の分娩時における母体及び子の安全性をより高めることができる。
本発明に係る実施の一形態である豚出産予測検出システムの外観を示した図である。 図1のビデオカメラによって撮像された画像の概要を示した図である。 本発明の一実施形態における画像処理の概要を示した図である。 図3に示す画像処理の結果検知される差分エリアを示した図である。 出産前における母豚の各種行動の変化の様子を示したグラフである。 出産前における母豚の座っている状態と立っている状態の変化の様子を示したグラフである。
以下に図面を参照して本発明の家畜出産予測システムの実施形態について説明する。
(1)システム構成
図1は、本発明の家畜出産予測システムを養豚場の母豚の出産に適用した豚出産予測検出システムの実施形態の外観を示した図である。図1において、ストール12は、出産が近づいた母豚10を収容する領域であり、母豚エリア12aと子豚エリア12bに分けられている。母豚エリア12aは、ここに収容された母豚10が前後方向に移動したり、立ったり座ったりすることはできるが、横方向には僅かに移動できる程度の寸法、形状とされている。母豚エリア12aと子豚エリア12bとを隔てる柵は、母豚は通ることはできないが出産直後の子豚は容易に移動できるようにされている。母豚エリア12aの前方には餌箱14が設けられており、母豚10が餌を食べる場合には立って母豚エリア12aの前方に移動するようになっている。
ストール12の後方斜め上には、画像取得部としてのビデオカメラ20が設置されている。ビデオカメラ20は、LANケーブル、USBケーブルなどを介してPC24に接続されている。PC24には、一般的なコンピュータプログラムの他に、本システムのためにカスタマイズされたコンピュータプログラムが搭載されており、これにより後述する各種の処理が実行される。すなわち、PC24とこれに搭載されたコンピュータプログラムは、本発明の画像処理部、行動監視部、出産予測部等として動作する。
図2は、図1のビデオカメラ20によって撮像される画像の概要を示した図である。図2に示す画像には、いくつかの設定項目が重ねて示されている。まず、ストール12の母豚エリア12aとほぼ重なる領域には、母豚検知エリア30が設定されている。同様にストール12の子豚エリア12bの側には、子豚検知エリア32が設定されている。母豚検知エリア30及び子豚検知エリア32は、一例として矩形とし、左上の頂点のピクセルの座標を(X,Y)=(0,0)として各頂点のピクセルのX座標(横軸)、Y座標(縦軸)を指定することによって設定することができる。
図2にはさらに、母豚検知エリア30の中央よりやや上に横棒で示された姿勢境界34と、その上に平行に示された食餌境界36が設定されている。姿勢境界34は、この線よりも下に母豚が検出された場合は母豚が座っていると判定し、この線を超える上の部分に母豚が検出された場合は母豚が立っていると判定する境界線である。食餌境界36は、この線を超える上の部分に母豚が検出された場合は母豚が立って餌を食べていると判定する境界線である。
図3は、本実施形態における画像処理の概要を示した図である。本実施形態では、ある時点のフレームの映像と次のフレームの映像とを比較し、フレーム間の差分を検出する。ただし、フレームの比較間隔は、「比較フレーム間隔」として事前に設定可能としてある。例えば本実施形態のように連続する2フレームを比較するのではなく、1つ置きのフレーム同士又はそれ以上の間隔のフレーム同士を比較するようにすることもできる。これは、動きが激しい状況や、逆に動きがほとんどない状況などの映像の性質を考慮するとともに、接続するビデオカメラ20の台数及びPC24の処理能力等に対応するためである。
図3(a)は、ある時点における母豚10が写ったフレームの映像を模式的に示しており、図3(b)は比較する次のフレームの映像を示している。同図(b)では、母豚10は同図(a)の時点における母豚の位置(点線で示す)から僅かに動いている。図3(c)は、二値化した(a)と(b)の差分データを示す。図3(c)に示す差分データには細かいノイズなどが含まれるため、このデータに対して画像の膨張・収縮処理を行って、同図(d)に示すような滑らかな画像に加工する。さらに、(d)に示す画像データに対し画像処理により輪郭を抽出し、同図(e)に示すようなかたまりとしての差分エリアデータ10aに変換する。このように、比較するフレームの間で対象物(母豚)の動きがあった場合に対象物が検知される(以下「動態検知」ともという)。
実際に図3に示すような処理を実行すると、図4に示すように母豚に基づく差分エリアデータ10aの他にも、母豚とは無関係な複数の差分エリアデータ10b、10c、10dが検知されることがある。そこで、これらの複数の差分エリアデータの中で、最上点、最下点、最左点、最右点のうち少なくとも1点が母豚検知エリア30よりも外側にある差分エリアデータ10b、10c、10dを除外し、母豚に基づく差分エリアデータ10aのみを残す。また、母豚の大きさを考慮し、事前の設定で検知対象の最大面積及び最小面積を設定することができるようになっており、これにより最大面積以上又は最小面積以下の差分エリアデータも、母豚とは無関係であるとして除外することができる。このような処理を施すことによって、ビデオカメラの一時的な揺れなどで画像全体が動いたような場合にも対応しつつ、確実に母豚に基づく差分エリアデータのみを取得することができる。
取得された母豚の差分エリアデータから求められたエリアの情報を検知データとして保存する。この検知データに含まれる情報には、ある行動が行われた時刻、最上部座標、差分エリアデータの面積が含まれる。ここで、時刻は、先頭フレームの時刻を設定しておき、その先頭フレームからその行動が開始されたフレームまでのフレーム数とFPS(1秒間のフレーム数)から算出することができる。
(2)出産予測1
次に、上述のシステムによって母豚の出産を予測する「出産予測1」について説明する。まず、保存された検知データに基づいて、「活動している時間」、「餌を食べている時間」、「立っている時間」を求める方法について説明する。「活動している時間」を求めるためは、まず時間的に隣り合うフレームから得られる膨張・収縮処理後の図3(d)の画像において、黒い部分の面積が予め決められている閾値を超えたときに、母豚は動いていると判定する。動いていると判定された場合には1つのレコードが作成される。例えば映像データが5FPSで、時間的に隣り合うフレームで動いていることが検出された場合は、検知データの1レコードは、0.2秒となる。したがって、例えば検知データが10レコード連続した場合には、活動している時間は2秒となる。こうして得られた「活動している時間」を、1時間単位又は1日単位で積算し、1時間当たり又は1日あたりの「活動している時間」とする。なお、積算する単位時間は、1時間又は1日には限られない(この点は以下同様である)。
「立っている時間」の算出方法は、前述の図2に示した姿勢境界34を利用する。すなわち、上記検知データの最上部の座標が姿勢境界34より上にある状態を立っている状態、最上部の座標が姿勢境界34を下回っている状態を座っている状態とし、最上部の座標が姿勢境界34を下から上に超えた時点から再び下に戻るまでの時間を立っている時間とする。そして、1時間単位又は1日単位で積算し、1時間当たり又は1日あたりの「立っている時間」とする。
「餌を食べている時間」の算出方法は、図2に示した食餌境界36を利用する。すなわち、上記検知データの最上部の座標が食餌境界36より上にある状態を、餌を食べている状態、最上部の座標が食餌境界36を下回っている状態を、餌を食べていない状態(立っているかどうかは問わない)とし、最上部の座標が食餌境界36を下から上に超えた時点から再び下に戻るまでの時間を、餌を食べている時間とする。そして、1時間単位又は1日単位で積算し、1時間当たり又は1日あたりの「餌を食べている時間」とする。以上のように設定することによって、検知データから、母豚が「活動している時間」、「立っている時間」、「餌を食べている時間」を求める。
下の表は、上述のように設定したシステムを用いて出産が近づいた母豚の2月4日から2月13日までの「活動している時間」、「立っている時間」、「餌を食べている時間」を実際に測定したデータを示しており、図5は、このデータに基づいて得られたグラフである。
図5の横軸は時間(日時)を示し、縦軸は上記の各行動をとった時間を示し、各曲線は、立っている時間(細い実線)、餌を食べている時間(点線)、活動している時間(一点鎖線)、及びこれらの行動の平均(二点鎖線)を表している。また太い実線で示した曲線は、これら三つの行動の平均値の全体的な傾向を示している。母豚は2月10日の23時(図5に縦の一点鎖線で示す)に出産を開始している。
図5のグラフから分かるように、出産日より前の2月4日から2月7日の間においては、全体としてはすべての時間が減少する傾向にはあるものの大きな変化は見られない。これに対し、出産の2日前の2月8日から出産当日の2月10日にかけては、すべての行動の時間について大きな変化が見られる。すなわち、2月8日に入った時点で一旦すべての行動の時間が減少し、その後、2月9日には逆にすべての行動の時間が増加し、そして2月10日の23時直前には、すべての行動の時間がピークとなっている。そして、出産が終わった2月11日は、すべての行動の時間が最低になっている。
図5に示すような母豚の行動の変化の傾向が予め分かっていれば、実際の母豚の出産に際して、例えば矢印Aで示した曲線の極小部分を示す時点、又は矢印Bで示した曲線の極大部分を示す時点が検出されたときに、これらの時点からどの程度の時間で出産が開始されるかを予測することが可能となる。また、この出産開始時刻の予測は、実例を積み重ねることによって精度を高まることが期待される。そして、上記の極小部分又は極大部分が検出された時点、あるいはこれらが検出された時点から所定の時間が経った時点に、担当者に対して電子メールなどで自動的にその旨を報知するように構成することができる。その報知の内容には、実際に予測される出産時刻などの情報を含めることもできる。
以上のように、母豚が「活動している時間」、「立っている時間」、「餌を食べている時間」の時間的変化には、極めて高い相関性があることが分かる。したがって、上述のように三つの行動のすべてを観測する代わりに、いずれか一つの行動について観測し、その時間変化から、例えばその時間が最小になった時点から、比較的短い時間のうちに出産が開始されることを高い精度で予測することができる。もちろん、これら三つの行動のすべてを観測してもよいし、二つの行動を観察することもできる。また、複数の行動を観察する場合は、実験を積み重ねることによられる所定の定数を乗算して平均を取るなどの処理を行って、精度をより高めることもできる。
(3)出産予測2
次に、前述の検知データから、母豚が立っている状態と座っている状態をより細かく監視し、時間単位で出産を予測する出産予測2について説明する。図6(a)〜(d)は、図5と同様に2月10日23時に出産した母豚の、出産までの4日間において、前述の検知エリアの最上部座標の高さを時系列に表したグラフであり、図6(e)は、出産した2月10日23時の直前の数時間について横軸を拡大して示した図である。
図6から分かるように、2月7日、2月8日、2月9日には、短い時間だけ瞬間的に立ったり座ったりすることはあるが、グラフ中にグレーの太線で示すように全体的な傾向として見ると、「立っている状態」及び「座っている状態」が数時間のあいだ継続している。しかしながら、図6(e)に示すように、出産の4時間前あたりから、それ以前には見られなかった「立つ」、「座る」を短い周期で繰り返す行動が現れている。したがって、この「立つ」、「座る」を短時間で繰り返す行動が始まったことを検出することによって、出産が数時間以内に近づいていることを予測することができる。
次に、「立つ」、「座る」を短時間で繰り返す行動が始まったことを検出する本実施形態の具体的な方法について説明する。出産予測2では、母豚が立っている状態と座っている状態の状態変化の数をカウントする。すなわち、検知データのY座標の最上点が、図2に示す姿勢境界34を下から上に変化した場合(「座る」から「立つ」へ変化した場合)と、上から下に変化した場合(「立つ」から「座る」へ変化した場合)とを、状態変化の回数としてカウントし、これを時間単位で合計して保存する。
ここで、既に保存されている1時間当たりの状態変化の回数である「保存回数」と、最新の1時間にカウントされた状態変化のカウント数を比較し、変動率(%)を算出する。そして、算出した変動率が予め設定されている「上限変動率」よりも小さい場合は、上記「保存回数」と最新の1時間にカウントしたカウント数とを平均し、新しい「保存回数」として保存する。一方、算出した変動率が上記「上限変動率」を超えた場合には、「予兆状態」とする。そして、この予兆状態が例えば2回連続した場合には、母豚の出産が近いとして、必要に応じて、母豚の出産を世話する担当者にメールその他の方法で自動的に連絡するよう構成する。
このように、本実施形態の母豚出産予測システムによれば、従来と比較して時間的により出産に近い時点で、また、高い精度で出産の予測を行うことができる。このため、母豚の出産を世話する担当者は、メールその他で連絡を受けて母豚のところへ出向いてから、従来と比較して短い時間で出産に立ち会うことができ、担当者の無駄な待ち時間を少なくするとともに、担当者の労働負担を軽減することができる。また、出産途中に緊急事態が発生しても連絡を受けた担当者が近くに居ることで迅速に対応できることから、母豚及び子豚の死亡率を低減できる可能性がある。
なお、本実施形態では、上記のように「上限変動率」、「保存回数」、連続した「予兆状態」のような概念を使って出産予測を行ったが、このような方法を採用することによって、母豚の個体独自の状態変化を測定し、傾向を求めることができ、これを基に状態変化を判別するため、母豚の個体差、品種などの違いに対応することができる。また、複数回の変化を監視することにより、予兆検知の精度をあげることができる。
なお、上記のように「上限変動率」、「保存回数」、連続した「予兆状態」のような概念を使って出産予測を行う他にも、単純に母豚が「座る」から「立つ」へ変化した回数及び/又は「立つ」から「座る」へ変化した回数をカウントし、これを予め設定しておいた閾値と比較し、この閾値を超えた段階で出産が近いと予測するようにすることもできる。
(4)出産検知
これまでは、実際に出産が始まる前に事前に出産を予測する出産予測について説明したが、ここでは出産予測と同様の画像処理によって、実際に子豚が出産されたことを検知する場合について説明する。図1及び図2に示したように、ストール12の母豚エリア12aの横には、母豚は通ることはできないが子豚は容易に移動できる隙間を介して子豚エリア12bが設けられている。子豚エリア12bには、図2に示すような子豚検知エリア32が設定されている。生まれた子豚は出産直後から自力で動き回ることができるので、一度に10頭前後生まれる子豚の中で早く生まれた子豚の中には、動き回っている間に母豚エリア12aから子豚エリア12bへ移動するものが現れる。
出産された子豚の検出も、図3を参照して説明したのと同様に、一定間隔で連続する2つのフレームの画像を比較して得られた画像に対する画像処理に基づく動態検知として行われる。そのために、まず子豚のサイズを予め「子豚サイズ設定」として設定しておく。次に、出産されたと判定するための子豚検知回数を「子豚検知回数設定」として設定する。この「子豚検知回数設定」は、例えば1分間のあいだにおける回数とする。
前述の動態検知処理後、子豚検知エリア32内で動態検知されたエリアの面積が「子豚サイズ設定」の設定値よりも大きい場合に出産された子豚と判定し、子豚検知回数として累積する。そして、1分間のあいだに検知された回数が「子豚検知回数設定」を超えた場合に、担当者にメールその他の方法で自動的に連絡するよう構成することができる。連絡を受けた担当者は出産後直ちに現場へ駆けつけることができるので、担当者の無駄な待ち時間を省くことができる。また、出産の後半部に高い確率で起こる出産に伴うトラブルに担当者が対応できることで、母豚及び子豚の死亡率を低減できる可能性がある。
1 :出産予測
2 :出産予測
10 :母豚
10a :差分エリアデータ
10b :差分エリアデータ
10c :差分エリアデータ
10d :差分エリアデータ
12 :ストール
12a :母豚エリア
12b :子豚エリア
14 :餌箱
20 :ビデオカメラ
30 :母豚検知エリア
32 :子豚検知エリア
34 :姿勢境界
36 :食餌境界

Claims (14)

  1. 家畜の出産時期を予測する家畜出産予測システムであって、
    出産時期の近い家畜の画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部で取得された画像から、前記家畜がとる行動を監視する行動監視部と、
    前記行動監視部によって得られた家畜がとる行動から、前記家畜の出産時期を予測する出産予測部と、
    を備える家畜出産予測システム。
  2. 前記行動監視部は、前記画像取得部で得られた画像のうちの所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて前記家畜がとる行動を監視する、請求項1に記載の家畜出産予測システム。
  3. 前記行動監視部が監視する家畜の行動には、家畜が活動している状態、家畜が立っている状態、家畜が餌を食べている状態のうちの少なくとも1つが含まれ、
    前記出産予測部は、前記家畜が活動している状態の時間、家畜が立っている状態の時間、家畜が餌を食べている状態の時間のうちの少なくとも1つの時間的変化から前記家畜の出産時期を予測する、請求項1又は2に記載の家畜出産予測システム。
  4. 前記出産予測部が、前記家畜がとる行動の時間的変化から家畜の出産時期を予測するにあたり、過去に得られた行動の時間的変化からの類推によって実際に得られた行動の時間的変化を予測する、請求項3に記載の家畜出産予測システム。
  5. 前記行動監視部が監視する家畜の行動には、前記家畜が立っている状態及び座っている状態が含まれ、
    前記出産予測部は、前記家畜が立っている状態と座っている状態の間での行動の変化の頻度に基づいて前記家畜の出産時期を予測する、請求項1又は2に記載の家畜出産予測システム。
  6. さらに、出産予測部によって予測される出産時期を、担当者に報知する報知部を備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の家畜出産予測システム。
  7. 家畜の出産を検知する家畜出産検出システムであって、
    出産時期の近い家畜に隣接する領域の画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部で取得された画像の所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて出産された家畜を検出する行動監視部と、
    を備える家畜出産検出システム。
  8. さらに、行動監視部によって検出された家畜の出産を、担当者に報知する報知部を備える、請求項7に記載の家畜出産検出システム。
  9. 家畜の出産時期を予測するとともに家畜が出産したことを検出する家畜出産予測検出システムであって、
    出産時期の近い家畜の画像及び前記家畜に隣接する領域の画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部で取得された画像から、前記家畜がとる行動を監視する行動監視部と、
    前記行動監視部によって得られた家畜がとる行動から、前記家畜の出産時期を予測する出産予測部と、
    を備え、
    前記行動監視部は、前記画像取得部で取得された画像の所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて出産された家畜を検出する、家畜出産予測検出システム。
  10. 前記行動監視部は、前記画像取得部で得られた画像のうちの所定間隔のフレーム同士の比較に基づいて動態検知を行い、この動態検知の結果に基づいて前記家畜がとる行動を監視する、請求項9に記載の家畜出産予測検出システム。
  11. 前記行動監視部が監視する家畜の行動には、家畜が活動している状態、家畜が立っている状態、家畜が餌を食べている状態のうちの少なくとも1つが含まれ、
    前記出産予測部は、前記家畜が活動している状態の時間、家畜が立っている状態の時間、家畜が餌を食べている状態の時間のうちの少なくとも1つの時間的変化から前記家畜の出産時期を予測する、請求項9又は10に記載の家畜出産予測検出システム。
  12. 前記出産予測部が、前記家畜がとる行動の時間的変化から家畜の出産時期を予測するにあたり、過去に得られた行動の時間的変化からの類推によって実際に得られた行動の時間的変化を予測する、請求項11に記載の家畜出産予測検出システム。
  13. 前記行動監視部が監視する家畜の行動には、前記家畜が立っている状態及び座っている状態が含まれ、
    前記出産予測部は、前記家畜が立っている状態と座っている状態の間での行動の変化の頻度に基づいて前記家畜の出産時期を予測する、請求項9又は10に記載の家畜出産予測検出システム。
  14. さらに、出産予測部によって予測される出産時期及び又は検出された出産を、担当者に報知する報知部を備える、請求項9乃至13のいずれかに記載の家畜出産予測検出システム。
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