JP2020013151A - レンズアレイ及びヘッドアップディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】 解像度を低下させることなく輝度ムラを好適に抑制することが可能なレンズアレイ及び映像投影装置を提供する。【解決手段】 スクリーン2のマイクロレンズアレイ20は、スクリーン2の入射面上に形成された、有効径が同一であって透過光に対し光路長差Δを生じさせる構造を有する高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lを有する。ここで、高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lは、上記有効径に基づく間隔で配置されることにより、レンズ周期PLの基本周期構造を構成する。また、高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lは、光路長差を生じさせる構造を有するレンズの組合せによる基本ブロックを構成する。基本ブロックに基づく凹凸周期PCは、レンズ周期PLの整数倍となる。【選択図】 図2

Description

本発明は、レンズアレイを用いた表示システムにおける視認性向上に関する。
従来から、ヘッドアップディスプレイやレーザプロジェクタなどに、マイクロレンズアレイを用いた透過型のスクリーンを適用する技術が提案されている。このような透過型のスクリーンを用いた場合、拡散板を用いる場合と比較して、スペックルノイズによる影響を抑制することができるという利点がある。例えば、特許文献1には、レーザプロジェクタと、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイとを有する画像形成装置が開示されている。また、特許文献2には、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにより拡散された光束の回折幅が視認者の瞳孔径以下になるように各マイクロレンズのピッチを設定することで、マイクロレンズで拡散された回折光のピークが視認者の瞳孔に入ったり入らなかったりすることに起因して発生する輝度ムラを防ぐ点が開示されている。
特開2010−145745号公報 特開2013−064985号公報
ヘッドアップディスプレイなどにおいて中間像生成素子としてレンズアレイを用いた場合、レンズアレイのピッチを小さくすると輝度ムラが発生し、ピッチを大きくすると解像度が低下するという課題がある。そして、特許文献1には、輝度ムラを抑制する方法については、何ら開示されていない。また、特許文献2では、レンズアレイのピッチを広げるため、レンズアレイで生成される中間像の解像度が低下してしまうという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、解像度を低下させることなく輝度ムラを好適に抑制することが可能なレンズアレイ及び映像投影装置を提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明は、レーザ光が照射されるレンズアレイであって、
第1周期構造を構成するように配列される複数のレンズを備え、
前記複数のレンズは、当該複数のレンズのうちの一部の組み合せにより各々が前記レーザ光に光路長差を生じさせる構造を有する複数の基本ブロックを構成し、
前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光の回折効率と1次の回折光の回折効率とが略同一となるように設定されている。
請求項に記載の発明は、レーザ光が照射されるレンズアレイであって、
第1周期構造を構成するように配列される複数のレンズを備え、
前記複数のレンズは、当該複数のレンズのうちの一部の組み合せにより各々が前記レーザ光に光路長差を生じさせる構造を有する複数の基本ブロックを構成し、
前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光の回折効率が略0となるように設定されている。
ヘッドアップディスプレイの概略構成を示す。 スクリーンのYZ平面での側面図を示す。 マイクロレンズアレイの構造を示す。 YZ平面でのスクリーンの回折光を示す。 回折光の光強度分布を示す。 回折効率と光路長差との関係を示す。 回折光に光路差を設けた場合の回折光の光強度分布を示す。 青、緑、赤の各波長における回折光の強度分布を示す。 変形例1に係るスクリーンの構造を示す。 変形例1に係るYZ面内におけるスクリーンの構造と回折光の関係を示す。 変形例1に係る回折光の光強度分布を示す。 変形例1に係る回折光の光強度分布を示す。 変形例1に係る回折光の光強度分布を示す。 変形例1に係る回折光の光強度分布を示す。 変形例2に係るスクリーンの構造を示す。 変形例3に係るスクリーンの構造を示す。 変形例4に係るスクリーンの構造を示す。 変形例5に係るスクリーンの構造を示す。 変形例7、8、9に係るスクリーンの構造を示す。
本発明の1つの好適な実施形態では、レンズアレイは、有効径が同一であって透過光に対し光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズと、を有し、前記複数のレンズの各々は、前記有効径に基づく間隔で配置されることにより、2次元の基本周期構造を構成し、前記複数のレンズのうちの一部のレンズは、前記光路長差を生じさせる構造を有するレンズの組合せによる基本ブロックを構成し、前記基本ブロックは、繰り返して配列されることにより、前記基本周期構造よりも周期が長い2次元の第2周期構造を構成し、前記第2周期構造が示す周期は、前記基本周期構造が示す周期の整数倍である。
上記レンズアレイは、有効径が同一であって透過光に対し光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズとを有する。ここで、複数のレンズの各々は、上記有効径に基づく間隔で配置されることにより、2次元の基本周期構造を構成する。また、複数のレンズのうちの一部のレンズは、光路長差を生じさせる構造を有するレンズの組合せによる基本ブロックを構成する。基本ブロックは、基本周期構造よりも周期が長い2次元の第2周期構造を構成する。そして、第2周期構造が示す周期は、基本周期構造が示す周期の整数倍である。
上記レンズアレイは、レンズの配列に基づく基本周期構造の整数倍の周期となる第2周期構造を有することにより、視点位置での回折光の光強度分布の隙間をなくすように、回折光を好適に拡散させる。よって、この態様では、レンズアレイは、各レンズの有効径を変えることによる解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの一態様では、前記基本ブロックは、前記一部のレンズが格子状に組合されると共に、当該レンズが異なる構造ごとに千鳥配置されている。この態様により、レンズアレイは、0次の回折光の斜め方向に1次回折光を生成することができ、回折光の光強度分布の隙間を効果的に埋めて輝度ムラを好適に抑制することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記第2周期構造が示す周期は、前記基本周期構造が示す周期の4倍に構成される。この態様により第2周期構造により発生する1次回折光が同一位置で重ならないようにすることが可能となり、好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記基本ブロックは、前記一部のレンズが格子状に組み合わされると共に、前記光路長差を生じさせる少なくとも3種類のレンズの組合せにより構成される。この態様によっても、レンズの配列に基づく基本周期構造の整数倍の周期となる第2周期構造を好適に形成することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記複数のレンズは、当該複数のレンズ間で同一の曲率を有し、段差を設けて配置されることにより、前記光路長差を生じさせる。レンズアレイのレンズは、この態様により、透過光の光路長差を好適に生じさせることができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光と、前記レンズアレイの1次の回折光との回折効率が略同一となるように設定される。この態様により、レンズアレイは、同一強度の0次及び±1次の回折光を生成することができ、視点位置での光強度分布の隙間を好適に埋めることができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光の回折効率が略0となるように設定される。この態様により、レンズアレイは、±1次の回折光により視点位置での光強度分布を均一に埋めることができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記回折効率に関する条件を満たす長さのうち、最も短い長さまたは2番目に短い長さに設定される。光路長差が長いほど波長変動に伴う回折効率の変化が大きくなる。よって、この態様により、レンズアレイは、複数の波長の合成光が入射する場合であっても、各次数の回折光の回折効率の比率が波長ごとに大きく異なるのを好適に抑制することができる。
上記レンズアレイの好適な例では、少なくとも1以上のレーザ光源を有する映像投影装置の前記レーザ光源が射出するレーザにより照射されるとよい。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も長い波長に基づき設定される。一般に、波長が長いほど、回折光の間隔が広くなる。よって、この態様により、レンズアレイは、全ての波長の光に対して好適に回折光の視点位置での光強度分布の隙間を無くすことができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も視感度の高い波長に基づき設定される。この態様によっても、レンズアレイは、好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち、最も長い波長と、最も視感度の高い波長との間の波長に基づき設定される。この態様によっても、レンズアレイは、好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの好適な例では、前記複数のレンズは、全て開口数が略同一であるとよい。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記複数のレンズは、曲率の違いに基づき前記光路長差を生じさせる。この態様によっても、レンズアレイは、透過光に対して好適に光路長差を生じさせることができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記複数のレンズは、曲率の符号の違いに基づき前記光路長差を生じさせる。この態様によっても、レンズアレイは、透過光に対して好適に光路長差を生じさせることができる。好適には、上記レンズアレイは、映像投影装置に搭載される。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記レンズアレイは、レンズアレイ面に反射膜が施されている反射型レンズアレイである。この態様によっても、レンズアレイは、各レンズの有効径を変えることによる解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[ヘッドアップディスプレイの構成]
図1(A)は、本発明における「映像投影装置」の一態様であるヘッドアップディスプレイの概略構成図である。ヘッドアップディスプレイは、ウィンドシールド25及びダッシュボード29を備える車両の搭乗者に虚像を視認させるシステムであって、主に、光源部1と、スクリーン2と、凹面鏡3と、を備える。
光源部1は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のレーザ素子を有し、画像信号に基いて変調されたレーザの合成光を、MEMSミラーでスクリーン2上に走査する。
スクリーン2は、光源部1から光が照射された光の発散角を広げることで射出瞳を拡大する。スクリーン2は、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。スクリーン2から出射された光は、凹面鏡3に入射する。後述するように、スクリーン2には、マイクロレンズアレイの周期よりも大きな周期の位相構造が重畳されており、これによりマイクロレンズアレイにより発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を同時に発生させる。スクリーン2は、本発明における「透明基板」の一例である。以後では、スクリーン2が生成する中間像の横方向をX軸、縦方向をY軸、スクリーン2の入射面と垂直な方向をZ軸とし、各正方向を図示のように定める。
凹面鏡3は、スクリーン2から出射されたレーザ光を反射し、ウィンドシールド25へ到達させる。この場合、凹面鏡3は、レーザ光を反射することで、当該光が示す画像を拡大させる。凹面鏡3で反射されたレーザ光は、さらにウィンドシールド25で反射され、観察者の目へ到達する。これにより、観察者は、虚像を視認する。
なお、図1(A)に示すヘッドアップディスプレイの構成は一例であり、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、図1(B)に示すヘッドアップディスプレイでは、スクリーン2が反射型のマイクロレンズアレイとなっており、当該反射型マイクロレンズアレイにより、光源部1から照射された光の拡散角を広げることで射出瞳を拡大する構成であってもよい。他の例では、ヘッドアップディスプレイは、ウィンドシールド25とアイポイントPeとの間にコンバイナを設け、凹面鏡3で反射されたレーザ光をコンバイナで反射することで、光源部1のレーザ光をアイポイントPeへ到達させて虚像を運転者に視認させてもよい。
[スクリーン]
(1)スクリーンの概略構成
図2は、スクリーン2のYZ平面での側面図を示す。図2に示すように、光源1からの光が入射されるスクリーン2の入射面には、Z軸方向の高さが異なるマイクロレンズ21(21H、21L)が交互に並べられたマイクロレンズアレイ20が形成されている。ここで、高段マイクロレンズ21Hは、低段マイクロレンズ21LよりもZ軸での頂点位置が高く、高段マイクロレンズ21Hと低段マイクロレンズ21Lとの間に段差が形成されている。なお、マイクロレンズ21の有効径及び開口数は、高段マイクロレンズ21Hか低段マイクロレンズ21Lかによらずに全て等しい。ここで、図2に示すように、高段マイクロレンズ21Hと低段マイクロレンズ21Lにより形成される凹凸の周期(「凹凸周期PC」とも呼ぶ。)は、マイクロレンズ21の周期(「レンズ周期PL」とも呼ぶ。)の整数倍である2倍となっている。
図3(A)は、スクリーン2の入射面における高低を表す図である。図3において、「高」と記載された矩形領域は高段マイクロレンズ21Hに相当し、「低」と記載された矩形領域は低段マイクロレンズ21Lに相当する。
図3(A)に示すように、高段マイクロレンズ21Hと低段マイクロレンズ21Lとは、X軸方向及びY軸方向のいずれも1つずつ交互に配列されており、X軸及びY軸に対して非対称となっている。そして、千鳥配置された2つの低段マイクロレンズ21Lと2つの高段マイクロレンズ21Hから形成される矩形領域(例えば枠70内の領域)は、マイクロレンズアレイ20の周期的な位相構造の単位構造(「基本ブロック」とも呼ぶ。)となる。各マイクロレンズ21は、本発明における「基本周期構造」を構成し、基本ブロックは、本発明における「第2周期構造」を構成する。
図3(B)は、マイクロレンズアレイ20の基本ブロックを拡大した図であり、図3(C)は、低段マイクロレンズ21Lと高段マイクロレンズ21HとのZ軸方向での段差を示す図である。図3(B)に示すように、基本ブロックは、田の字状に4分割された構造を有し、対角する領域は同一構造であって隣接する領域は異なる構造となっている。言い換えると、基本ブロックは、中心位置を基準として点対称となっており、同一構造のレンズが千鳥配置されている。以後では、基本ブロックのX軸方向の幅を「Px」、Y軸方向の幅を「Py」とする。この場合、「m」をX軸方向における次数、「n」をY軸方向における次数とすると、基本ブロックに入射する波長「λ」の光のX軸方向における回折角「θx」は、一般的な光学的計算により
Figure 2020013151
と表され、基本ブロックに入射する光のY軸方向における回折角「θy」は、
Figure 2020013151
と表される。また、図3(B)に示すように、低段マイクロレンズ21Lと高段マイクロレンズ21HとのZ軸方向の段差を「Δ」とした場合、当該段差により生じる高段マイクロレンズ21Hの透過光と低段マイクロレンズ21Lの透過光との光路長差は、当該段差と同一距離の「Δ」となる。以後では、「Δ」を「段差Δ」又は「光路長差Δ」とも表記する。
(2)光強度分布の例
次に、スクリーン2の各マイクロレンズ21の回折光の光強度分布の例について図4及び図5を参照して説明する。
図4(A)は、マイクロレンズアレイ20に段差Δが設けられていないと仮定した場合(即ち、レンズアレイ成分のみを考慮した場合)のYZ平面での回折光を示す。また、図5(A)は、図4(A)の場合において、スクリーン2からアイポイントPeと同等の距離だけ離れた仮想的なXY平面(「基準面Ptag」とも呼ぶ。)における回折光の光強度分布を示す。
この場合、図5(A)に示すように、基準面Ptagでの各回折光の長径(「回折光サイズ」とも呼ぶ。)は、基準面Ptagでの各回折光の間隔(「回折光間隔」とも呼ぶ。)よりも短く、各回折光の間には隙間が生じている。この隙間が輝度ムラの原因となる。なお、図5(A)に示すように、X軸方向及びY軸方向における回折光間隔よりも、斜め方向における回折光間隔の方が広い。
図4(D)は、マイクロレンズアレイ20に段差Δが設けられていないと仮定した場合のXZ平面での回折光を示す。マイクロレンズ21のX方向のピッチPLxとビームのX方向における1次回折光の回折角度θxとの関係は、
Figure 2020013151
と表される。
図4(E)は、マイクロレンズアレイ20に段差Δが設けられていないと仮定した場合のYZ平面での回折光を示す。 マイクロレンズ21のY方向のピッチPLyとビームのY方向における1次回折光の回折角度θyとの関係は、
Figure 2020013151
と表される。
したがって、マイクロレンズから−Z方向に距離「d」だけ離れた仮想的なXY平面での回折光のX方向における間隔「x」は、
Figure 2020013151
と表され、同様に、マイクロレンズから−Z方向に距離「d」だけ離れた仮想的なXY平面での回折光のY方向における間隔「y」は、
Figure 2020013151
と表される。
さらに、光源部1から投影されて、マイクロレンズアレイ20上に集光される光の集光角度の全角を「2α」とした場合、視点位置でのビームサイズ「w」は、
Figure 2020013151
と表される。
なお、前記集光角度の全角「2α」および視点位置でのビームサイズ「w」は、幾何光学的に計算されるビームの輪郭から算出してもよいが、レーザビームの強度分布がガウシアン分布をしており、視点位置における光強度分布の半値全幅が幾何光学的に計算されるビームの輪郭より小さい場合、前記集光角度の全角「2α」はレーザビーム強度分布の半値全幅における集光角度の全角、ビームサイズ「w」は視点位置におけるビーム強度分布の半値全幅として考えても良い。
図5(D)は、図4(D)および図4(E)の場合において、スクリーン2から距離d離れた位置での仮想的なXY平面における回折光の光強度分布を示す。 図5(D)から、前記仮想的なXY平面における回折光の間隔が最大となるのは、斜め方向に相対する回折光であり、それら回折光の間隔「u」は、
Figure 2020013151
と表される。
このとき、前記斜め方向に相対する回折光の隙間「s」は、斜め方向のビームサイズを「w」としたときに、
Figure 2020013151
と表される。また、斜め方向におけるレーザビーム集光角度の全角を「2α」とし、式(9)に式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)を代入すると、回折光の最大隙間sは
Figure 2020013151
と表される。この値が
Figure 2020013151
となる場合、すなわち
Figure 2020013151
を満たすときに、仮想的なXY平面において回折光の間に光が存在しない領域が存在し、輝度ムラが顕著となる。このように、マイクロレンズアレイ20に段差Δが設けられていないと仮定した場合は、光源部1から投影される光の集光角αが小さい場合、または、マイクロレンズ21のピッチが小さい場合の輝度ムラが顕著な状態になることがわかる。
図4(B)は、マイクロレンズアレイ20の段差成分のみを考慮した場合のYZ平面での回折光を示す。図5(B)は、図4(B)の場合において、基準面Ptagにおける回折光の光強度分布を示す。なお、図4(B)及び図5(B)の例では、段差(即ち光路差)Δを、「(N±0.283)λ」(「N」は0以上の整数)に設定している。
この場合、図5(B)に示すように、次数m及びnが「0」となる回折光(「0次回折光」とも呼ぶ。)と次数m及びnが「±1」となる回折光(「1次回折光」とも呼ぶ。)が同一強度で発生し、次数mまたはnの少なくとも一方が「0」以外の偶数となる回折光(「偶数次回折光」とも呼ぶ。)は発生しない。また、次数が高くなるほど、回折光の強度が小さくなる。これらの理論上の根拠については、「(3)回折効率の解析」のセクションで詳しく説明する。また、後述するように、0次光と1次光の回折効率の配分は、光路長差Δにより調整することが可能である。
図4(C)は、図4(A)、(B)の各成分を合わせた場合のマイクロレンズアレイ20のYZ平面における回折光を示す。また、図5(C)は、図4(C)の場合において、基準面Ptagにおける回折光の光強度分布を示す。なお、図5(C)では、見分けやすさのため、0次回折光の色を1次回折光よりも濃く描いている。
図5(C)に示すように、この場合、基準面Ptagには、図5(A)に示される回折光の分布に相当する0次回折光が分布すると共に、各0次回折光の斜め4方向のそれぞれに1次回折光が配置されている。即ち、この場合、段差を設けない図4(A)及び図5(A)の例と比較して、回折光間隔が最も広くなる斜めの各隙間に1次回折光が挿入される。従って、この例では、回折光間隔を少ない回折光で効率的に埋めることができる。
また、凹凸周期PCがレンズ周期PLの整数倍(ここでは2倍)に設定されていることにより、回折光は、基準面Ptag上で規則正しく配列され、視点位置における光強度分布を均一に近付けることができる。また、一般に、複数の周期構造を組み合わせる場合、周期構造の繰り返し周期がそれぞれ異なると、周期の差分によりモアレ縞が発生する。また、同一周期や定数倍の周期を組み合わせる場合でも、位置関係がずれるとモアレ縞が発生する。これに対し、本実施例では、レンズ周期PLに対し定数倍の周期となる凹凸周期PCを付与することで、マイクロレンズ21の個々の周期と付与された定数倍の周期との不整合が発生しない。よって、本実施例ではモアレ縞を好適に抑制することができる。
(3)回折効率の解析
次に、スクリーン2の回折光の回折効率について説明する。図3(B)に示す基本ブロックを有する位相構造を通過した波長λの透過光の回折効率「I(m、n)」は、図3に示すPx、Py、Δを用いて、以下の一般式(13)により表される。
Figure 2020013151
ここで、「A(x、y)」は強度分布、「φ(x、y)」は1周期分の位相分布(即ち光路長差分布)をそれぞれ示し、これらは以下の式(14)、(15)により表される。
Figure 2020013151
Figure 2020013151
そして、式(13)の回折効率I(m、n)に対し、式(14)のA(x、y)及び式(15)のφ(x、y)を代入すると、以下の式(16)が得られる。
Figure 2020013151
ここで、式(16)において、破線の下線が引かれた項の値は、「m=0」かつ「n=0」のときのみ「1」となり、それ以外では「0」となる。また、一点鎖線の下線が引かれた項の値は、光路差Δに対してλの周期で値が0〜1の間で変動する。また、二点鎖線の下線が引かれた項の値は、「m」、「n」のいずれかが偶数の場合に「0」となり、「m」、「n」の絶対値が大きくなるほど絶対値が小さくなる。
そして、0次回折光の回折効率は、式(16)に「m=0」かつ「n=0」を代入することで得られ、以下の式(17)により表される。
Figure 2020013151
同様に、1次回折光の回折効率は、式(16)に「m、n=±1」を代入することで得られ、いずれも以下の式(18)により表される。
Figure 2020013151
そして、式(16)によれば、偶数次回折光の回折効率は「0」となり、回折光の次数が高くなるほど、回折光の回折効率が小さくなることが把握される。
図6は、式(16)に基づき算出した回折効率と、光路長差Δをλで除して正規化した正規化光路長差との関係を示す。ここで、グラフ「G0」は0次回折光の回折効率を示し、グラフ「G1」は1次回折光の個々の回折効率を示し、グラフ「G1A」は4つの1次回折光の回折効率を合計した回折効率を示し、グラフ「G01A」は0次回折光の回折効率及び4つの1次回折光の回折効率を合計した回折効率を示す。 図6に示すように、光路長差Δが「(N±0.283)λ」となる場合(条件[1]参照)、0次回折光と4つの1次回折光の回折効率を合計した回折効率はそれぞれ「0.3965」で等しく、これらの合計の回折効率は「0.793」となり、残りの微小な回折効率は奇数次で3次以上の高次回折光に配分される。この場合には、図4(C)及び図5(C)で説明したように、0次回折光の斜め4方向のそれぞれに1次回折光が照射されるため、回折光間の隙間を好適に埋めることができる。
また、光路長差Δが「(N±0.377λ)となる場合(条件[2]参照)には、0次回折光の回折効率と1次回折光の個々の回折効率がそれぞれ「0.141」で等しく、これらの合計回折効率は、「0.705」となり、残りの微小な回折効率は奇数次で3次以上の高次回折光に配分される。
また、光路長差Δが「(N±0.5)λ」となる場合(条件[3]参照)には、0次回折光の回折効率は「0」となり、4つある1次回折光の回折効率はそれぞれ「0.164」で合計「0.657」となり、残りの微小な回折効率は奇数次で3次以上の高次回折光に配分される。
図7は、光路長差Δが「(N±0.5)λ」となる場合の基準面Ptagでの回折光の強度分布を示す。
光路長差Δが「(N±0.5)λ」となる場合、0次回折光の強度は「0」となる。そして、図7の例では、基準面Ptagは、1次回折光により略均等に隙間なく埋められているが、凹凸周期PCがレンズ周期PLの2倍に設定されている場合は、凹凸周期PCによる回折光間隔がレンズ周期PLによる回折光間隔の半分となるため、レンズ周期PLによる回折光のそれぞれに対して発生する凹凸周期PCによる1次回折光が同一位置で重なってしまう。この結果、見かけ上の回折光の数は、段差がない場合と同じになり、回折光間隔も、段差がない場合と同一になる。よって、この例では、回折光間の隙間に起因した輝度ムラを抑制することができないため、好ましくない。従って、本実施例のように、レンズ周期PLに対して凹凸周期PCを2倍とした場合は、光路長差Δを「N±0.283λ」として、凹凸周期PCで発生する0次光の回折効率と、重なった4つの1次回折光の回折効率を合計した回折効率を等しくすることが好適である。
(4)波長と周期構造との関係
光源部1は、R、G、Bのそれぞれ異なる波長の光を出射するため、RGBのいずれの波長を基準として低段マイクロレンズ21Lと高段マイクロレンズ21Hとの段差Δを設計するかが問題となる。これについて説明する。
一般に、マイクロレンズアレイ20で発生する回折光の回折角は、波長が長いほど大きくなるため、波長が長いほど回折光間隔(図5(A)参照)が広くなる。また、回折光サイズは、光源部1の開口数で決まり、波長には依存しない。以上のことから、波長が長い光ほど、回折光間隔は広くなる。
図8(A)は、青色光(波長435.8nm)の場合の基準面Ptagにおける回折光の強度分布を示し、図8(B)は、緑色光(546.1nm)の場合の基準面Ptagにおける強度分布を示し、図8(C)は、赤色光(700nm)の場合の基準面Ptagにおける強度分布を示す。図8(A)〜(C)に示すように、波長が最も短い青色光の場合に、回折光間隔が最も短くなり、波長が最も長い赤色光の場合に、回折光間隔が最も長くなる。
以上を勘案し、第1の好適な例では、回折光間隔が最も長くなる波長(即ち赤色光の波長)に応じて段差Δを設定する。これにより、R、G、Bのいずれのレーザ光においても回折光の強度分布に隙間が生じるのを防ぎ、輝度ムラを好適に抑制することができる。
一方、回折光間隔が波長ごとに大差ない場合には、第2の好適な例として、視感度の最も高い波長(即ち緑色光の波長)に応じて段差Δを設定するとよい。また、第3の好適な例として、回折光間隔と視感度の両方を勘案し、最も長い波長と最も視感度の高い波長の中間の波長に応じて段差Δを設定してもよい。
ここで、段差(光路長差)Δを規定する整数Nの設定方法について説明する。段差Δは整数Nが大きいほど大きくなる。また、式(16)の回折効率の定義を参照すると、段差Δが大きいほど、RGBごとの0次回折光と1次回折光との回折効率比が大きく変わることがわかる。即ち、段差Δを大きくするほど、波長変動に伴う回折効率の変化が大きくなる。以上を勘案し、整数Nを「0」または「1」に設定し、段差Δをなるべく短くすることが好ましい。
以上説明したように、本実施例に係るスクリーン2のマイクロレンズアレイ20は、スクリーン2の入射面上に形成された、有効径が同一であって透過光に対し光路長差Δを生じさせる構造を有する高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lを有する。ここで、高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lは、上記有効径に基づく間隔で配置されることにより、レンズ周期PLの基本周期構造を構成する。また、高段マイクロレンズ21H及び低段マイクロレンズ21Lは、光路長差を生じさせる構造を有するレンズの組合せによる基本ブロックを構成する。基本ブロックに基づく凹凸周期PCは、レンズ周期PLの整数倍となる。この構成により、マイクロレンズアレイ20は、各レンズの有効径を変えることによる解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。

[変形例]
次に、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下に示す変形例は、組み合わせて上述の実施例に適用されてもよい。
(変形例1)
図3に示すスクリーン2の正面図では、低段マイクロレンズ21Lと高段マイクロレンズ21Hとが1つずつ交互に配置されていた。これに代えて、低段マイクロレンズ21Lと高段マイクロレンズ21Hとが所定個数ずつ交互に配置されていてもよい。
図9(A)は、変形例に係るスクリーン2AのXY平面での側面図を示す。また、図9(B)は、高段マイクロレンズ21Hを「高」、低段マイクロレンズ21Lを「低」として表したスクリーン2Aの正面図を示す。さらに、図9(C)は、図9(A)、(B)の場合のマイクロレンズアレイ20の基本ブロックを示す。
図9の例では、高段マイクロレンズ21Hと低段マイクロレンズ21Lとは、それぞれ、縦2列横2列の塊ごとに交互に並べられており、当該塊の各々は、千鳥配置されている。そして、図9(C)示す基本ブロックは、実施例と同様に、X軸及びY軸に対して非対称、かつ、中心に対して点対称となっている。そして、図9(A)に示すように、この場合の凹凸周期PCは、レンズ周期PLの整数倍である4倍となっている。よって、スクリーン2Aは、スクリーン2と同様に、マイクロレンズアレイ20により発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を好適に発生させることができる。
次に、変形例1が、より好適である理由を図10および図11を用いて説明する。
図10(A)は、実施例1に相当する構成であって、マイクロレンズアレイ20に、レンズ周期PLに対して2倍周期となる凹凸周期PCで段差を設けた場合のYZ平面における回折光を、また、図11(A)は、基準面Ptagにおける回折光の光強度分布を示す。この場合、凹凸周期PCにより発生する1次回折光が、レンズ周期PLにより発生する回折光のちょうど中間に発生してビームの隙間を埋めることで輝度ムラを低減している。しかしながら、この場合、図11(B)に示すように、レンズ周期PLにより発生する互いに隣接した回折光に対して各々発生する凹凸周期PCによる1次回折光が同一位置で重なってしまうため、本来は、レンズ周期PLにより発生する回折光の個々に対して、凹凸周期PCにより、例えば1次回折光として、(+1、+1次光)、(−1、+1次光)、(−1、−1次光)、(−1、+1次光)といった合計4個の回折光が発生しているのに対して、見かけ上の回折光の数が少なく見えてしまい、より多くの回折光を敷き詰めて基準面Ptagの光強度分布を均一にするという効果が半減してしまっている。凹凸周期PCにより発生する1次回折光が重なることを防ぐためには、凹凸周期PCをレンズ周期PLの3倍以上として、1次回折光の回折角度をレンズ周期PLにより発生する回折光の角度間隔に対して1/3以下とすることが好ましい。
このような課題を考慮し、変形例1では、レンズ周期PLに対して4倍周期となる凹凸周期PCで段差を設け、より多くの回折光を基準面Ptagに敷き詰めることとした。
図10(B)は、マイクロレンズアレイ20に、レンズ周期PLに対して4倍周期となる凹凸周期PCで段差を設けた場合のYZ平面での回折光を示し、図12(A)は、その際の基準面Ptagにおける回折光の光強度分布を示す。この場合、図12(B)に示すように、レンズ周期PLにより発生する互いに隣接した回折光に対して各々発生する凹凸周期PCによる1次回折光の位置をずらすことができる。すなわち、基準面Ptagにおいて、より多くの回折光を敷き詰めることができるため、好ましい。
ここで、レンズ周期PLに対して4倍周期となる凹凸周期PCを設けることが好適な理由について説明する。輝度ムラを低減するには凹凸周期PCによって生じる1次回折光の回折光強度が同一であることが望ましいが、そのためには低段部分と高段部分の面積を同一とすることが好ましい。またここで、凹凸周期PCをレンズ周期PLの奇数倍として設計を行うと、図10(C)に示すように、段差がレンズ面内に入る設計となる。段差を含むレンズでは、段差のダレや製造誤差等により、段差の無いレンズ部との特性に差が出てしまい、それが輝度ムラの原因となるため、好ましくない。すなわち、変形例1の凹凸周期PCは、レンズ周期PLの偶数倍である必要があり、かつ先に述べているように3倍以上である必要があるため、両者の条件を勘案して4倍とすることで、段差がレンズ面内に入ることなく、かつ、凹凸周期PCにより発生する1次回折光が同一位置で重ならないようにすることが可能となる。さらに、凹凸周期PCを6倍や8倍としても同様の効果を得ることができるが、その場合は、図13に示すように、凹凸周期PCにより発生する1次回折光が、レンズ周期PLにより発生する回折光に近接して発生してしまうため、回折光全体でみた場合に、回折の間隔が不均一になってしまう。すなわち、凹凸周期PCの周期はレンズ周期PLの4倍程度が好ましい。
また、段差で発生する光路長差Δは、レンズ周期PLや、光源部1から投影される光の集光角度αの大きさに応じて設計の条件を使い分けることが望ましい。
レンズ周期PLを細かくする必要がある場合や、光源部1から投影される光の集光角度αを比較的小さくする必要がある場合に対しては、段差で発生する光路長差Δを「N±0.377λ」とすること(図6、条件[2]参照)が好適である。この場合、段差周期PCにより発生する0次回折光の回折効率と、1次回折光の個々の回折効率が「0.141」で等しくなるため、0次回折光と4つの1次回折光を利用して、より多くの均一な強度の回折光を敷き詰めることができという点で好ましい。
さらに、レンズ周期PLを比較的粗くできる場合や、光源部1から投影される光の集光角度αを比較的大きくできる場合に対して好適な例が存在する。説明のため、X軸とY軸の交点を原点Oとし、凹凸周期PCにより発生する0次回折光の中心を基準としたときに、(+1、+1)次光および(−1、−1)次光が発生する方向をR軸として設定し、(+1、+1)次光が発生する方向を正とする。同様に、(−1、+1)次光および(+1、−1)次光が発生する方向をS軸として設定し、(−1、+1)次光が発生する方向を正とする。図10(D)は、回折光の最大隙間がゼロとなるように、光源部1の集光角度αを比較的大きく設定した場合におけるRZ平面上での回折光を示し、図14(A)はその際の、視点位置Ptagにおける光強度分布を示す。
図14(B)は、レンズ周期PLによる回折光の1つに対して発生する凹凸周期PCによる4つの1次回折光を示す。図14(B)では、4つの1次回折光に隙間が発生しないよう、R軸、S軸方向に相対する1次回折光が接するようにプロジェクタの集光角度が決められている。このような設計を行うことで、視点位置Ptagにおいて、光が存在しない領域を無くすことができる。
ここで、図14(B)において、4つの1次回折光で形成されるビーム群のR軸、S軸方向における幅が、レンズ周期PLにより発生する回折光サイズに対して、ちょうど2倍になっていることから、
Figure 2020013151
を満たす関係にあることがわかる。この際にはさらに、段差で発生する光路長差Δを「N±0.5λ」とし(図6、条件[3]参照)、図14(A)、図14(B)で示すように、凹凸周期PCによる0次回折光の回折効率をゼロとして0次回折光を消し去ることにより、1次回折光を均等間隔で、かつ光が存在しない領域が存在しないように整列させることができるので、より好適である。
以上の内容は、段差以外の手段で周期構造を適用した場合でも同様である。

(変形例2)
マイクロレンズ21は、2段階にZ軸方向の高さが設定されていた。これに代えて、マイクロレンズ21は、3段階以上にZ軸方向の高さが設定されていてもよい。
図15(A)は、3段階にマイクロレンズ21のZ軸方向の高さが設定された場合の基本ブロックの一例である。図15(A)において、「高」の領域はZ軸方向の高さが最も高いマイクロレンズ21を示し、「低」の領域はZ軸方向の高さが最も低いマイクロレンズ21を示し、「中」の領域はZ軸方向の高さが2番目に高く(低く)設定されたマイクロレンズ21を示す。この基本ブロックの場合、凹凸周期PCは、レンズ周期PLの整数倍である3倍となる。よって、スクリーン2は、図15(A)に示す基本ブロックを有する場合であっても、マイクロレンズアレイ20により発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を好適に発生させることができる。
図15(B)は、5段階にマイクロレンズ21のZ軸方向の高さが設定された場合の基本ブロックの一例である。図15(B)では、各マイクロレンズ21のZ軸方向の高さが「1」〜「5」により示されている。この基本ブロックの場合、凹凸周期PCは、レンズ周期PLの整数倍である5倍となる。よって、スクリーン2は、図15(B)に示す基本ブロックを有する場合であっても、マイクロレンズアレイ20により発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を好適に発生させることができる。

(変形例3)
マイクロレンズ21の段差によりレンズ周期PLの整数倍となる凹凸周期PCを設ける代わりに、マイクロレンズ21の曲率半径を異ならせることでレンズ周期PLの整数倍となる凹凸周期PCを設けてもよい。
図16(A)は、変形例3に係るスクリーン2BのXY平面での側面図を示す。図16(A)に示すように、この例では、曲率半径が大きいマイクロレンズ21Baと、マイクロレンズ21Baと有効径が同一であって曲率半径が小さいマイクロレンズ21Bbとが交互に並べられたマイクロレンズアレイ20Bがスクリーン2Bの入射面に形成されている。マイクロレンズ21Bbは、マイクロレンズ21Baよりも頂点位置が高い。そして、この場合、マイクロレンズ21Bb及びマイクロレンズ21Baに基づく凹凸周期PCは、レンズ周期PLの2倍となる。
図16(B)は、マイクロレンズ21Baを「大」、マイクロレンズ21Bbを「小」として表現した場合のスクリーン2Bの正面図である。また、図16(C)は、マイクロレンズアレイ20Bの基本ブロックを示す。図16(B)、(C)に示すように、この場合、マイクロレンズ21Baとマイクロレンズ21Bbは、XY軸の各々に対して非対象に配置されている。また、基本ブロックは、実施例と同様、田の字状に四分割され、基本ブロックの対角する領域は同一構造となり、隣接する領域は異なる構造となる。
このように、曲率半径が異なるマイクロレンズ21Ba、21Bbを用いてレンズ周期PLの整数倍となる凹凸周期PCを形成することによっても、マイクロレンズアレイ20により発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を好適に発生させることができる。また、図16の例では、マイクロレンズアレイ20Bに段差を設けていないため、段差で光が散乱することによる光量損失とコントラスト低下を好適に抑制することができる。

(変形例4)
マイクロレンズアレイ20に段差を設ける代わりに、曲率の符号が異なる凹レンズと凸レンズをマイクロレンズ21として並べて配置してもよい。
図17(A)は、変形例3に係るスクリーン2CのXY平面での側面図を示す。図17(A)に示すように、この例では、凸レンズ21Caと、凸レンズ21Caと同一の有効径を有する凹レンズ21Cbとが交互に並べられたマイクロレンズアレイ20Cがスクリーン2Cの入射面に形成されている。マイクロレンズ21Cbは、マイクロレンズ21Caよりも頂点位置がZ軸方向において低い。そして、この場合、マイクロレンズ21Cb及びマイクロレンズ21Caに基づく凹凸周期PCは、レンズ周期PLの2倍となる。
図17(B)は、マイクロレンズ21Caを「凸」、マイクロレンズ21Bbを「凹」と表記した場合のスクリーン2Cの正面図である。また、図17(C)は、マイクロレンズアレイ20Cの基本ブロックを示す。図17(B)、(C)に示すように、この場合、マイクロレンズ21Caとマイクロレンズ21Cbは、それぞれ千鳥配置されている。また、基本ブロックは、実施例と同様、田の字状に四分割され、基本ブロックの対角する領域は同一構造となり、隣接する領域は異なる構造となる。
図17の例では、凸レンズ21Caと凹レンズ21Cbとを千鳥配置することで、レンズ周期PLの整数倍となる凹凸周期PCを形成する。これによっても、マイクロレンズアレイ20により発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を好適に発生させることができる。また、図17の例では、マイクロレンズアレイ20Cに段差を設けていないため、段差での光量損失を好適に抑制することができる。

(変形例5)
マイクロレンズアレイ20に対し、レンズ周期PLの整数倍となるような複数の異なる周期構造を付加してもよい。
図18(A)は、段差に基づく二重の周期構造を付加したマイクロレンズアレイ20Dの正面図を示し、図18(B)は、マイクロレンズアレイ20Dの基本ブロックを示す。図18に示すように、マイクロレンズアレイ20Dの基本ブロックは、縦2列及び横2列に並べられた4つのマイクロレンズ21から構成される矩形領域(「中間ブロック」とも呼ぶ。)がさらに縦横2列に並べられて構成された周期構造となっている。ここで、各中間ブロックでは、当該中間ブロック内での各マイクロレンズ21の高さの平均に基づき2種類に分けられており、図18では、平均高が高い方の中間ブロックの中央には「高」と表記され、他方の中間ブロックの中央には「低」と表記されている。また、中間ブロック内の4つのマイクロレンズ21は、Z軸方向の高さが2段階に分かれており、属する中間ブロック内で高い方のマイクロレンズ21の中央には「高」と表記され、他のマイクロレンズ21の中央には「低」と表記されている。そして、中間ブロックは、実施例の基本ブロックと同様に、田の字状に4分割された構造を有し、対角する領域は同一構造となり、隣接する領域は異なる構造となる。また、基本ブロックについても同様に、4つの中間ブロックからなる基本ブロックと見なした場合、田の字状に4分割された構造を有し、対角する領域は同一構造となり、隣接する領域は異なる構造となる。
このような構成では、中間ブロックの位相構造によりマイクロレンズアレイ20Dへの入射光が0次回折光と1次回折光に分かれ、さらにこれらの各回折光が基本ブロックの位相構造により0次回折光と1次回折光に分かれる。よって、この場合、中間ブロック及び基本ブロックを加味しない場合の回折光間隔が大きい場合であっても、中間ブロック及び基本ブロックに基づき回折光を発生させ、基準面Ptagにおける回折光強度分布の隙間を好適に埋めることができる。
なお、上述したような中間ブロックと基本ブロックは、マイクロレンズ21の段差構造のみに基づいて形成されてもよく、変形例3や変形例4に基づき、曲率半径の違い等に基づき形成されてもよい。

(変形例6)
マイクロレンズアレイ20は、スクリーン2の入射面に形成されるのに代えて、スクリーン2の入射面と反対側の面に形成されていてもよく、スクリーン2の両面に形成されていてもよい。

(変形例7)
マイクロレンズアレイ20は、図19(A)に示すような、レンズアレイ面の反対側の面に反射膜が施されている反射型レンズアレイであってもよい。

(変形例8)
変形例7の構成では、光がレンズ面を2回通過する。反射型レンズアレイの場合、レンズに対して斜入射で光を入射する場合があり、1回目に光が通過するレンズ面の位置と、反射後に光が通過するレンズ面の位置がずれてしまうことがある。この場合、位置ずれのある2枚のマイクロレンズアレイを通過した場合と同様に、モアレ縞が発生してしまうので、好ましくない。そこで、変形例8では、マイクロレンズアレイ20は、図19(B)に示すように、レンズアレイ面に反射膜が施されており、反対側の面に反射防止膜が施されている構成となっている。この場合、光はレンズ面自体で反射されるため、透過型レンズアレイの場合と同様に、レンズアレイによる周期的な位相変調を1回だけ受けることになる。これにより、変形例7で問題となるモアレ縞の発生を防ぐことができるため、好適である。また、凸凹形状のレンズ面は、付着した汚れを除去することが困難であるが、変形例8の構成では、露出しているレンズ面に汚れ等が付着しても、光に影響を与えることがない。すなわち、レンズアレイ面の汚れによる画質劣化を防ぐことができるので、好適である。

(変形例9)
変形例9では、マイクロレンズアレイ20は、図19(C)に示すように、レンズ面に反射膜が施されており、かつ、レンズ面を光側に配置している。この場合、光がレンズ面内部を通過しないため、材料の吸収による光量の損出や、材料の複屈折や透過率ムラなどに起因する画質の劣化を防ぐことができるため、好適な構成である。さらに、反対側の面に反射防止膜を施す必要がなくなるので、部品のコストを下げることができるため好適である。また、この反対側の面は、レンズアレイの性能に影響を与えないので、光学部品に要求される高い面精度を必要としなくなるため、部品の製造難易度を緩和できるため好ましい。さらに、形状の自由度があるので、周辺の部品形状に合わせた設計も可能となり、部品形状の設計自由度が高くなるため、好ましい。
変形例6〜9のマイクロレンズアレイ20は、例えば、図1(B)に示すヘッドアップディスプレイのスクリーン2として利用可能である。
1 光源部
2 スクリーン
3 凹面鏡
20、20A〜20D マイクロレンズアレイ
21 マイクロレンズ

Claims (11)

  1. レーザ光が照射されるレンズアレイであって、
    第1周期構造を構成するように配列される複数のレンズを備え、
    前記複数のレンズは、当該複数のレンズのうちの一部の組み合せにより各々が前記レーザ光に光路長差を生じさせる構造を有する複数の基本ブロックを構成し、
    前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光の回折効率と1次の回折光の回折効率とが略同一となるように設定されていることを特徴とするレンズアレイ。
  2. レーザ光が照射されるレンズアレイであって、
    第1周期構造を構成するように配列される複数のレンズを備え、
    前記複数のレンズは、当該複数のレンズのうちの一部の組み合せにより各々が前記レーザ光に光路長差を生じさせる構造を有する複数の基本ブロックを構成し、
    前記光路長差は、前記レンズアレイの0次の回折光の回折効率が略0となるように設定されていることを特徴とするレンズアレイ。
  3. 前記光路長差は、前記レーザ光の波長をλとし、0以上の整数をNとしたとき、
    N±0.283λ、あるいは、N±0.377λ
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
  4. 前記光路長差は、前記レーザ光の波長をλとし、0以上の整数をNとしたとき、
    N±0.5λ
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載のレンズアレイ。
  5. 前記整数Nは、0または1であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレンズアレイ。
  6. 前記複数のレンズは、当該複数のレンズ間で同一の曲率を有し、段差を設けて配置されることにより前記光路長差を生じさせる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
  7. 前記レンズアレイの各々レンズの有効径及び開口数は、すべて等しいことを特徴とする請求項6に記載のレンズアレイ。
  8. 前記複数の基本ブロックの各々は、前記第1周期構造の4倍の第2周期構造を構成するように配列されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
  9. 前記レンズアレイは、一方の面に反射膜が形成され、他方の面に反射防止膜が形成され、
    前記他方の面から入射した前記レーザ光を前記一方の面に形成された前記反射膜で反射することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズアレイ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のレンズアレイを搭載し、
    前記レーザ光を画像信号に基づいて変調した合成光を前記レンズアレイ上に走査するように射出する光源部を含み、
    前記レンズアレイが生成する中間像の虚像を観察者に視認させるヘッドアップディスプレイ。
  11. 前記光源部は、異なる波長のレーザ光を射出するレーザ光源を複数有し、
    前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も長い第1波長、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も視感度の高い第2波長、前記第1波長と前記第2波長の中間の波長である第3波長、のいずれか1つの波長に基づき設定されることを特徴とする請求項10に記載のヘッドアップディスプレイ。
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