JP2020011460A - プラズマ処理インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷後のインクを大気圧プラズマによって硬化をさせる際に、大気圧プラズマを照射することにより、積極的にインクの硬化を行うと共に、一旦印刷されたインクの被印刷面上での形状が気流により乱されたりすることがない装置、又は連続的にプラズマにより硬化できる装置を得ること。【解決手段】被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するインクジェット用ノズルを備えたインクジェット印刷部、及び大気圧プラズマ照射硬化部を有し、該大気圧プラズマ照射硬化部は、プラズマ噴出口を有し、インクジェット用ノズルに対して被印刷基材の移動方向の下流に位置し、さらに、該インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをするインクジェット印刷装置。【選択図】図2

Description

本発明はインクジェット印刷装置に関する。
特許文献1に記載されているように、インクジェット印刷機において、インクを噴出するノズルとプラズマ噴出口を同じキャリッジに設け、該ノズルからインクを噴出する前に、被印刷物の前処理としてプラズマによる表面処理を行うようにした装置は公知である。この装置は印刷されたインクに対して処理を行うものではなく、また1つのキャリッジにインクを噴出するノズルとプラズマ噴出口を設けるので、キャリッジ自体が大型化し、重くなる。このため、キャリッジを移動させるためのモータ出力を強くすると共に、往復運動をさせる瞬間にキャリッジの重量増に伴う慣性力も大きくなるので、この慣性力を制御できるだけの装置構成も大きくなる。また、このプラズマ照射は被印刷物上のインクを硬化させるものではない。
また特許文献2に記載されているように、インクジェット印刷後の基材の近傍で電極間の放電を用いて、インクを定着させることも公知である。このような装置によれば、基材上のインクの少なくとも一部を硬化させることは可能かもしれない。しかしながら、基材を挟んで両側に位置する電極間にてプラズマを発生させる、つまり、基材上にて直接放電を発生させることにより処理を行うので、電極間の放電しやすい位置にて放電する傾向が発現しかねず、結果的に、基材の幅が増大するほど、その幅の全長にわたって均一に処理することが困難になる。
特許文献3にはインクジェット方式を採用した転写による印刷装置において、転写後の記録剤に対して常圧プラズマ処理を行うことにより、該記録剤を定着させることが記載されている。この装置はインクジェット方式を採用するものの、その後の転写により基剤上に画像を形成させる装置であり、インクジェット方式による印刷機に対して直接的にプラズマによって定着を図るものではない。また転写直後のインキに対してプラズマを直接吹き付けるものである。
特許文献4には、基材上にインクジェット印刷してなる硬化性組成物に対して、大気圧プラズマ処理及びUV露光処理を行う装置が、特許文献5には、基材上にインクジェット印刷してなる硬化性組成物に対して、大気圧プラズマ処理を行う装置が、それぞれ記載されている。
特許文献6には、媒体に印刷された酸化重合型インキに対して、気体をプラズマ状態として生成させた陰イオンを接触させることにより硬化させることが記載されている。
そして、特許文献3〜6に記載の発明においては、大気圧プラズマを照射する向きが不明であり、また大気圧プラズマ自体が気流を伴うものであるため、プラズマを直接照射すると、インクジェットのインクの液滴の軌道が乱れたり、一旦印字されたドットや輪郭等が気流で乱されることにより、予定する鮮明さを損なうことがある。
特開2015−199298号公報 特開2007−106105号公報 特開2008−012919号公報 特開2013−203067号公報 特開2013−010993号公報 特開2007−054987号公報
本発明は、インクジェット印刷において、大気圧プラズマによって硬化をさせる際に、大気圧プラズマを照射することにより、積極的にインクの硬化を行うと共に、インクの軌道が乱されたり、一旦印刷されたインクの被印刷面上での形状が気流により乱されたりすることがない装置を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を完成するに至った。
1.被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するインクジェット用ノズルを備えたインクジェット印刷部、及び大気圧プラズマ照射硬化部を有し、該大気圧プラズマ照射硬化部は、プラズマ噴出口を有し、インクジェット用ノズルに対して被印刷基材の移動方向の下流に位置し、さらに、該インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射硬化部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをするインクジェット印刷装置。
2.プラズマ噴出口から噴出されるプラズマが、被印刷基材が移動する方向に向くように、プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の移動方向に向けられてなる1に記載の印刷装置。
3.プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の表面方向に向いていない1に記載の印刷装置。
4.大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口からみて被印刷基材の反対側に、接地、負に帯電あるいは正に帯電させたローラを配置した1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
5.被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するインクジェット用ノズルを備えたインクジェット印刷部、及びインクジェット印刷部に対して被印刷基材の移動方向の下流に位置する大気圧プラズマ照射硬化部を有し、該大気圧プラズマ照射硬化部は、被印刷基材の幅方向の全幅に伸びて固定されたプラズマ噴出口を有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる印刷装置。
6.プラズマ噴出口から噴出されるプラズマが、被印刷基材が移動する方向に向くように、プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の移動方向に向けられてなる5に記載の印刷装置。
7.プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の表面方向に向いていない5に記載の印刷装置。
8.大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口からみて被印刷基材の反対側に、接地、負に帯電あるいは正に帯電させたローラを配置した5〜7のいずれかに記載の印刷装置。
9.大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口には、それを覆うカバーが設けられている5〜8のいずれかに記載の印刷装置。
本発明の印刷装置によれば、インクジェット印刷において、大気圧プラズマによって硬化をさせる際に、大気圧プラズマを照射することにより、積極的にインクの硬化を行うと共に、インクの軌道が乱されたり、一旦印刷されたインクの被印刷面上での形状が気流により乱されたりすることがない装置を得ることができる。
リモート型大気圧プラズマ発生部1の断面の模式図 本発明による装置の図 本発明による装置の図 一般のプラズマ処理装置を示す図
以下、本発明の装置に関して詳細に説明する。
(インクジェット印刷部)
本発明中のインクジェット印刷部としては、各種の公知のインクジェット用ノズルを備えた構造、及び公知のインクジェット方式に対応したノズルを備えた構造を採用できる。
そしてインクジェット印刷部は、塗工紙、普通紙、各種樹脂フィルム、及び金属層や金属化合物層を有する積層フィルム等、インクジェット印刷を行うことが可能な被印刷基材を対象に印刷を行うものである。
このようなインクジェット印刷部としては、図2及び3に示すように、インクジェット用ノズルを、被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するように備えてなるものである。なお、このとき、図2及び3に示すように、移送される被印刷基材を、一定の速度で回転するバックアップローラにより支持できるが、バックアップローラを設けなくてもよい。
インクジェット用ノズルは、1色以上の色に対応した1つ以上のノズルから構成される。印刷用データを演算して、色毎に正確な印刷個所(各ノズルからのインキの噴出の場所)を求め、この印刷場所に印刷できるように各インクジェット用ノズルからの各色インキの噴出のタイミングを求めて、この演算結果にもとづいて、インクジェット印刷を行う。
(大気圧プラズマ照射硬化部)
本発明における大気圧プラズマ照射硬化部は、プラズマ噴出口が、インクジェット用ノズルに対して被印刷基材の移動方向の下流に位置する。このような大気圧プラズマ照射硬化部としては、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射部までの被印刷基材の移動時間だけ、プラズマ噴出口が遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをすることができる。また、固定されたプラズマ噴出口と、該プラズマ噴出口を覆い、かつ被印刷基材の幅方向に伸びたカバーを有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられてなることができる。
また、本発明に使用する大気圧プラズマは、原料ガスがプラズマ化により変性したすべてのガスを含む。
(プラズマ噴出口が、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射硬化部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをする場合)
この場合には、プラズマ噴出口から噴出される気流が、インクジェット用ノズルから噴出されるインクの軌道を変えない程度に、プラズマ噴出口はインクジェット用ノズルから十分に離して設けることが必要である。
被印刷基材が移動する速さと、インクジェット用ノズルとプラズマ噴出口との距離を考慮して求めた時間だけ遅延して、プラズマ噴出口はインクジェット用ノズルの動きと同じ動きをすることが必要である。
その結果、噴出されて被印刷基材上に付着したインクに対して確実にプラズマ処理できる。
但し、プラズマ噴出口の動きは、インクジェット用ノズルの動きに対して遅延して正確に動いてもよく、また必ずしも正確に動かなくてもよい。プラズマ噴出口から噴出されたプラズマを含む気流は、インクジェット用ノズルから噴出されたインクよりも明らかに径が大きいので、1mm程度位置がずれたとしてもプラズマが被印刷基材上のインクに当たるからである。なお、プラズマ噴出口の径や形状は任意であり、直径(長径)は0.5〜20.0mm等であり、円形、楕円形等で良いが、大きくなるとプラズマ噴出口を移動させるのに必要な力が大きくなり、装置が大型化することも注意する必要がある。
このときプラズマ噴出口と被印刷基材表面との間隔は1.0〜50.0mmが好ましい。また被印刷基材の幅方向、又は移動方向に複数のプラズマ噴出口を設けることもできる。
加えて、プラズマを含む気流が直接インクに当たらなくてもよいときがある。このようなときには、被印刷基材上の硬化前のインクに対して気流が当たることにより、インクの1つ1つのドットや輪郭が拡がってしまう可能性を削減できる。
但し、例えば、被印刷基材を挟んでプラズマ噴出口に対向する位置に、被印刷基材を支持するためのバックアップローラを設け、該バックアップローラを接地したり、プラズマ粒子の極性と逆の極性に帯電させておくことができる。この場合には、プラズマ噴出口から噴出されたプラズマが、方向を変えて被印刷基材上のインクに当たるようにすることができる。またプラズマ噴出口と被印刷基材上の硬化前のインクを囲むようにカバーを設け、その内部にプラズマを噴出しても、一旦噴出されてカバー内に存在するプラズマを、被印刷基材上に向けて移動させることができる。このような場合には、プラズマ噴出用のノズルの動きはインクジェット用ノズルの動きに対してより大まかな動きでもよい。
(固定されたプラズマ噴出口と、該プラズマ噴出口を覆い、かつ被印刷基材の幅方向に伸びたカバーを有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる場合)
この場合も、プラズマ噴出口から噴出される気流が、インクジェットノズルから噴出されるインクの軌道を変えない程度に、プラズマ噴出口はインクジェット用ノズルから十分に離して設けることが必要である。
このときプラズマ噴出口と被印刷基材表面との間隔は1.0〜50.0mmが好ましい。また被印刷基材の幅方向、又は移動方向に複数のプラズマ噴出口を設けることもできる。
この場合プラズマ噴出口は印刷基材の幅方向全幅にわたって配置する必要がある。プラズマ噴出口の形状や大きさは任意であり、印刷基材の幅方向にわたるスリット状でもよく、孔が分散して配置された形状でも良い。また被印刷基材の移動方向に複数の噴出口を設けることもできる。さらにプラズマ噴出口と被印刷基材上のインクを覆うようにカバーを設けることもできる。
加えて、プラズマを含む気流が直接インクに当たらなくてもよいときがある。このようなときには、被印刷基材上の硬化前のインクに対して気流が当たることにより、インクの1つ1つのドットや輪郭が拡がってしまう可能性を削減できる。
このため、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマの向きが被印刷基材が移動する方向に平行になるように、プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の移動方向に向けられる。このような向きに大気圧プラズマを噴出させると、移動する被印刷基材により生じる随伴流と共に、印刷表面を大気圧プラズマの雰囲気下におくことができる。
但し、例えば、被印刷基材を挟んでプラズマ噴出口に対向する位置に、被印刷基材を支持するためのバックアップローラを設け、該バックアップローラを接地したり、プラズマ粒子の極性と逆の極性に帯電させておくことができる。この場合には、プラズマ噴出口から噴出されたプラズマが、方向を変えて被印刷基材上のインクに当たるようにすることができる。またプラズマ噴出口と被印刷基材上の硬化前のインクを囲むようにカバーを設け、その内部にプラズマを噴出しても、一旦噴出されてカバー内に存在するプラズマを、被印刷基材上に向けて移動させることができる。
この場合プラズマ噴出口は印刷基材の幅方向全幅にわたって配置する必要がある。プラズマ噴出口の形状や大きさは任意であり、印刷基材の幅方向にわたるスリット状でもよく、孔が分散して配置された形状でも良い。また被印刷基材の移動方向に複数の噴出口を設けることもできる。さらにプラズマ噴出口と被印刷基材上のインクを覆うようにカバーを設けることもできる。
プラズマ噴出口の固定又は移動可能であるかを問わず、このような大気圧プラズマ照射硬化部に使用するプラズマ発生装置としては、リモート式大気圧プラズマ発生装置を採用できる。プラズマとはエネルギーの高い気体の状態で、電極間に高電圧を印加すると放電が生じ生成される。大気圧プラズマは大気圧下にて生成させたプラズマであり、通常は物質の表面を親水化する等の目的のために使用される。
このような装置として、例えば図1に示されるような、吹き出し口を有する放電空間と、この放電空間に電界を発生させるために、0.5〜5.0mm程度の間隔で互いに対向するように放電用電極とを備えるプラズマ処理装置を用いる。このプラズマ処理装置では、前記放電空間にプラズマ化されるガスGを供給すると共にこの放電空間内の圧力を大気圧近傍に維持し、更に前記放電用の一対の電極31に電圧を印加して、放電開始電圧を超えることで放電空間に放電を発生させると、放電空間内でプラズマが生成する。
この大気圧プラズマPを吹き出し口から吹き出して成形体に吹き付けることによって、プラズマ処理を行うことができる。このようなプラズマ処理装置としては、例えば積水化学工業株式会社製のRTシリーズ、APTシリーズが挙げられるが、ヤマトマテリアル株式会社などから提供されている適宜のプラズマ処理装置、特開2004−207145号公報、特開平11−260597号公報又は特開平3−219082号公報に記載の装置やノズル部分等を用いることもできる。例えば図4に示すような、プラズマ処理装置101であり、プラズマ噴射部102とプラズマ噴射部102にリモートでプラズマを供給する導入管103、樹脂シート等の被処理物104を搬送するローラ105等からなるものである。
また大気圧プラズマに使用するガスとしては、空気、酸素、窒素等を採用できる。
なお、上記の電極の間隔は印加する電圧にも関連するが、その電極には、高周波、パルス波、マイクロ波等の電界が印加されてプラズマが発生する。
中でも電界の立ち上がり及び立ち下がりに要する時間(立ち上がり及び立ち下がりとは、電圧が連続して増加又は減少することである。)が短いことが好ましいことを考慮してパルス波を印加することが好ましい。このときの電界の立ち上がりや立ち下がりに要する時間としては10μs以下が好ましく、さらに好ましくは50ns〜5μsである。
プラズマ発生装置において電極間に発生する電界強度は1kV/cm以上、好ましくは20kV以上、及び/又は1000kV以下、好ましくは300kV以下である。
またパルス波により電界をかけるときには、その周波数として0.5kHz以上が好ましく、10〜20MHz程度でも良く、50〜150MHz程度でも良い。
さらに電極間に係る電力としては、40W/cm以下、好ましくは30W/cm以下である。
上記の電極は、安定したプラズマ放電を得るために、ガスに直接接しない方が良い。そのため、電極の表面に任意の公知の手段により絶縁性被膜でコーティングする等して覆うことが望ましい。このような絶縁性被膜としては、石英、アルミナ等のガラス質材料やセラミック材料等を挙げられる。また場合により、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の誘電率が2000以下の誘電体を採用することもできる。
このようなリモート型大気圧プラズマ照射硬化部は、例えば上記の公知の装置のうち、大気圧プラズマ発生部、プラズマ照射ノズル等からなるユニットと電源部からなるものである。この装置を基礎として、さらに、被印刷物基材を幅方向に均一に処理するために、大気圧プラズマを噴射する部分を、その幅方向に複数並べてなるものであったり、ノズルの形状をスリット状としたりするものである。
そのようなリモート型大気圧プラズマ発生部の断面の模式図を図1に示す。図1では一方が接地されて、表面に絶縁体32等による層が形成された一対の電極31の間をプラズマ化されるガスGが通過し、その通過時において、電極間にて印加された電圧によりガスGがプラズマ化される。図1では大気圧プラズマPを含む気流が印刷された被印刷基材Sの表面に直接当たるように示されているが、大気圧プラズマを直接当てないこともできる。
被印刷物基材に大気圧プラズマを直接当てない本発明の場合を図2に示す。
(プラズマ噴出口が、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをする場合と、固定されたプラズマ噴出口と、該プラズマ噴出口を覆い、かつ被印刷基材の幅方向に伸びたカバーを有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる場合、に共通する事項)
図2でインクジェット用ヘッド21の上流に、上流用大気圧プラズマ照射装置30を設け、インクジェット用ヘッド21の下流に、下流用大気圧プラズマ照射装置40を設けている。
上流用大気圧プラズマ照射装置30を設けることは任意であるが、上流用大気圧プラズマ照射装置30は印刷前の被印刷基材を対象に照射をする装置であるため、大気圧プラズマが被印刷基材に直接照射されるように設置する。その結果、被印刷基材Sの表面に数秒間プラズマを残存させることにより、その上に印刷されたインクをその内部から一部を硬化させることができる。また、大気圧プラズマの照射条件により、印刷前の被印刷基材Sの表面を大気圧プラズマで処理してインクとの密着性を向上させることもできる。
上流用大気圧プラズマ照射装置30は上記図1に示す装置と共通して、絶縁体32により被覆された一対の電極31の間をプラズマ化されるガスGが通過し、その通過時において、電極間にて印加された電圧によりガスGがプラズマ化される。図2では大気圧プラズマPを含む気流が噴出口33内を通過して、被印刷基材表面に当てられる。
図2では噴出口33が斜下方に向けられているが、直下に向けて大気圧プラズマを照射させるように下向きにすることができる。
また、この上流用大気圧プラズマ照射装置30に対して、被印刷基材Sを挟んで対向する位置に導電性材料からなるローラ34を設けることができる。このローラ34は図2においては直流電源の陽極側又は陰極側に接続されて、正又は負に帯電されるか、直接アースと接続することもできる。このようなローラ34を設けた場合には、このローラ34の表面に向けてプラズマが電気的に指向することになる。この結果としてローラ34表面に接する場所の被印刷基材Sの表面側に、特にプラズマ密度が高い個所を生成することができ、より効率よく被印刷基材表面を処理することができる。
さらに噴出口33を覆うカバー35を設けることができる。このカバー35を設けることによって、照射された大気圧プラズマが拡散されるのを防止でき、カバー内の大気圧プラズマ密度をより高くすることができる。
このようにして場合により大気圧プラズマ照射装置30により表面にラジカルを担持させた、又は担持させない被印刷基材Sに対してインクジェット用ヘッド21により所用の印刷を行う。
ここで使用される印刷インクはプラズマによって硬化される性質を備えることが必要である。
印刷された被印刷基材Sはさらに移動して、下流用大気圧プラズマ照射装置40により照射されたプラズマPを含む雰囲気に曝されてインクが硬化する。
このとき、下流用大気圧プラズマ照射装置40は、上流用大気圧プラズマ照射装置30と同様に、絶縁体42により被覆された一対の電極41の間をプラズマ化されるガスGが通過し、その通過時において、電極間にて印加された電圧によりガスGがプラズマ化される。図2では大気圧プラズマPを含む気流が噴出口43内を通過して、印刷された被印刷基材表面に当てられる。
図2では噴出口43の先端が被印刷基材Sの移動方向に平行に向けられているが、直下又は斜下方に向けて大気圧プラズマSを照射させるように向けることができる。
なお例えば、被印刷基材Sの移動方向に平行に大気圧プラズマSを含む気流を、噴出口43の先端から流す際には、その気流の流速を、被印刷基材Sの移動速度に対して0.8から1.2倍程度、好ましくは0.9〜1.1倍程度としてもよい。この範囲とすることにより、被印刷基材上の未硬化状態のインク付近の雰囲気は、該インクに対して実質的に流速を有しないので、未硬化状態のインクを揺らすことが無く、印刷の輪郭が明瞭なままで硬化できる。
また、この下流用大気圧プラズマ照射装置40に対して、被印刷基材Sを挟んで対向する位置に導電性材料からなるローラ44を設けることができる。このローラ44は図2においては直流電源の陽極側又は陰極側に接続されて、正又は負に帯電されるか、直接アースと接続することもできる。このようなローラ44を設けた場合には、このローラ44の表面に向けてプラズマが電気的に指向することになる。この結果としてローラ44表面に接する場所の被印刷基材Sの表面側に、特にプラズマ密度が高い個所を生成することができ、より効率よく被印刷基材表面を処理することができる。
さらに噴出口43を覆うカバー45を設けることができるが設けなくてもよい。このカバー45を設けることによって、照射された大気圧プラズマが拡散されるのを防止でき、カバー内の大気圧プラズマ密度をより高くすることができる。
また、このようなカバー45を設ける際には、カバー45内の雰囲気中のプラズマ密度を高くすること、さらに未硬化状態のインクに対して直接プラズマPを有する気流をあてないことを両立し易くなる。
例えば、噴出口43の先端を上方に向け、該先端から噴出された、プラズマPを有する気流をカバー内に滞留させることができる。これによりさらにカバー45内のプラズマ密度を向上させることが容易となる。
上記のインクジェット印刷部と大気圧プラズマ照射硬化部を設けた印刷装置を採用することにより、硬化性インクをリモート大気圧プラズマにより十分に硬化させることができる。
なお、プラズマ噴出口が、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射硬化部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをする場合よりも、固定されたプラズマ噴出口と、該プラズマ噴出口を覆い、かつ被印刷基材の幅方向に伸びたカバーを有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる場合のほうが、図2に示す構造は適している。その理由としては、下流用大気圧プラズマ照射装置40から噴出されるプラズマ含有ガスは、被印刷基材に直接噴出されないので、カバー45の併用の有無を問わず、定常的に被印刷基材表面にプラズマ含有の雰囲気を形成させることが必要であるためである。
図2はインクジェット印刷装置の断面であるが、プラズマ噴出口43が、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをする場合には、カバー45はプラズマ噴出口43と一体化せずに、被印刷基材の幅方向全幅にわたって形成してもよく、また噴出口43と一体となって被印刷基材の幅方向の一部をカバーできるように形成してもよい。
このとき、プラズマ噴出口43は被印刷基材の幅方向に移動させることができる。
固定されたプラズマ噴出口43と、該プラズマ噴出口を覆い、かつ場合により被印刷基材の幅方向に伸びたカバーを有し、プラズマ噴出口43から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる場合には、プラズマ噴出口43は、被印刷基材の幅方向に伸びた形状を有することができる。そのプラズマ噴出口はスリット状、円形や楕円形等の噴出口が被印刷基材の全幅に向けて位置するように複数設けられている構造等を有することができる。
被印刷基材に大気圧プラズマを直接当てる本発明の場合を図3に示す。
図3に示す構造は基本的に上記図2に示す構造と共通する。図3に示す印刷装置は、下流用大気圧プラズマ照射装置40のプラズマ噴出口43から噴出されるプラズマが、被印刷基材S上のインクに直接当たるようにされている。さらにカバー45を設けておくこともできる。この場合のような印刷装置は、インクジェット用ノズルにより被印刷基材上に付着したインクの少なくとも一部の成分が被印刷基材に含浸される場合等に使用されることが好ましい。
このときも上記と同様に、プラズマ噴出口43が、インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射硬化部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをする場合、及び、固定されたプラズマ噴出口43と、プラズマ噴出口43から噴出されるプラズマによりインクが硬化する場合は、それぞれ上記と同様の構造を備えることができる。
21・・・インクジェット用ヘッド
30・・・上流用大気圧プラズマ照射装置
31・・・一対の電極
32・・・絶縁体
33・・・噴出口
34・・・ローラ
35・・・カバー
40・・・下流用大気圧プラズマ照射装置
41・・・一対の電極
42・・・絶縁体
43・・・噴出口
44・・・ローラ
45・・・カバー
G・・・プラズマ化されるガス
P・・・大気圧プラズマ
S・・・被印刷基材

Claims (9)

  1. 被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するインクジェット用ノズルを備えたインクジェット印刷部、及び大気圧プラズマ照射硬化部を有し、該大気圧プラズマ照射硬化部は、プラズマ噴出口を有し、インクジェット用ノズルに対して被印刷基材の移動方向の下流に位置し、さらに、該インクジェット用ノズルから該大気圧プラズマ照射硬化部までの被印刷基材の移動時間だけ、遅延してインクジェット用ノズルと同じ動きをするインクジェット印刷装置。
  2. プラズマ噴出口から噴出されるプラズマが、被印刷基材が移動する方向に向くように、プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の移動方向に向けられてなる請求項1に記載の印刷装置。
  3. プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の表面方向に向いていない請求項1に記載の印刷装置。
  4. 大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口からみて被印刷基材の反対側に、接地、負に帯電あるいは正に帯電させたローラを配置した請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 被印刷基材の移動方向に対して垂直方向、かつ被印刷基材表面に対して平行に移動するインクジェット用ノズルを備えたインクジェット印刷部、及びインクジェット印刷部に対して被印刷基材の移動方向の下流に位置する大気圧プラズマ照射硬化部を有し、該大気圧プラズマ照射硬化部は、被印刷基材の幅方向の全幅に伸びて固定されたプラズマ噴出口を有し、プラズマ噴出口から噴出されるプラズマは、被印刷基材の幅方向に対して交差しない方向に向けられる印刷装置。
  6. プラズマ噴出口から噴出されるプラズマが、被印刷基材が移動する方向に向くように、プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の移動方向に向けられてなる請求項5に記載の印刷装置。
  7. プラズマ噴出口の開口部が被印刷基材の表面方向に向いていない請求項5に記載の印刷装置。
  8. 大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口からみて被印刷基材の反対側に、接地、負に帯電あるいは正に帯電させたローラを配置した請求項5〜7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 大気圧プラズマ照射硬化部において、プラズマ噴出口には、それを覆うカバーが設けられている請求項5〜8のいずれかに記載の印刷装置。
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