JP2020011210A - 炭化水素の水蒸気改質触媒 - Google Patents

炭化水素の水蒸気改質触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2020011210A
JP2020011210A JP2018136719A JP2018136719A JP2020011210A JP 2020011210 A JP2020011210 A JP 2020011210A JP 2018136719 A JP2018136719 A JP 2018136719A JP 2018136719 A JP2018136719 A JP 2018136719A JP 2020011210 A JP2020011210 A JP 2020011210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam reforming
composite oxide
catalyst
reforming catalyst
hours
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018136719A
Other languages
English (en)
Inventor
小野 茂
Shigeru Ono
茂 小野
忠俊 室田
Tadatoshi Murota
忠俊 室田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Santoku Corp
Original Assignee
Santoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Santoku Corp filed Critical Santoku Corp
Priority to JP2018136719A priority Critical patent/JP2020011210A/ja
Publication of JP2020011210A publication Critical patent/JP2020011210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】炭化水素からの水素への改質率が高く、かつ改質反応の進行に伴うカーボンの発生が抑制されることにより高い改質効率が維持される、炭化水素の水蒸気改質触媒を提供する。【解決手段】Zr(ジルコニウム)、Ce(セリウム)、及び酸素を含み、ZrとCeの含有割合が、Zr1モルに対してCe1.0〜4.0モルであるZr及びCeの複合酸化物に、Niが担持された触媒であり、Niの担持量が該触媒全量基準で0.16〜0.63質量%である、炭化水素の水蒸気改質触媒とする。【選択図】なし

Description

本発明は炭化水素の水蒸気改質触媒に関する。
近年、水素エネルギーを活用する水素社会の実現に向けた取り組みが、燃料電池車、家庭用燃料電池、水素発電等の各方面で活発化している。水素の製造に関しても各種技術の開発が進められているが、現在主流となっているのは、炭化水素を水蒸気と反応させて改質し、水素を生成する水蒸気改質法である。水蒸気改質反応を効率よく行うためには触媒が必要であり、この反応に用いられる触媒として貴金属触媒やNi触媒がある。
水蒸気改質反応を効率よく行うための触媒として、非特許文献1はアルミナにRuを担持した触媒、特許文献1はZr、Ceと、Fe又はYとの酸化物固溶体に、Pt、Ru、Rh、Pd等を担持した触媒、特許文献2はCe、Pr等を含有する酸化物にPt、Rh、Ni、Co等を担持した触媒を開示している。
しかしながら、これらの触媒は多量の貴金属を使用するため、コストが高く、また供給面での不安もある。さらに、触媒が酸化されると炭化水素から水素への転化率が著しく低下する等の問題があり、触媒のハンドリングや改質反応時の運転条件の設定が制約されるという欠点を有する。
このような問題を解決するため、特許文献3は、貴金属の使用量が極少量の、又は貴金属未使用の、少なくともCe及びZrを含有し、特定の結晶性と比表面積を有する複合酸化物に少なくともNiを担持した触媒を開示している。
特開2004−82033号公報 特開2007−054721号公報 国際公開第2012/096017号
しかしながら、特許文献3が開示するNi(ニッケル)系触媒においては、炭化水素の水蒸気改質反応の進行に伴い発生するカーボンによる触媒能の低下という問題があり、改質反応時の転化率をより向上させるための課題として、当該カーボンの発生抑制が課題として明確となった。
すなわち、本発明の課題は、炭化水素からの水素への改質率が高く、かつ改質反応の進行に伴うカーボンの発生が抑制されることにより高い転化率が維持される、炭化水素の水蒸気改質触媒及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定金属の複合酸化物に、特定量範囲のNiを担持させることにより、改質反応時のカーボン発生が極めて良好に抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、Zr(ジルコニウム)、Ce(セリウム)、及び酸素を含み、ZrとCeの含有割合が、Zr1モルに対してCe1.0〜4.0モルであるZr及びCeの複合酸化物に、Niが担持された触媒であり、Niの担持量が該触媒全量基準で0.16〜0.63質量%である、炭化水素の水蒸気改質触媒が提供される。
また、別の観点の本発明によれば、Zr、Ce、並びにCe以外の希土類元素、Y(イットリウム)、W(タングステン)、及びSi(ケイ素)から選択される1種以上の他元素を含み、該他元素の含有割合が、Zr1モルに対して0.08〜1.00モルであるZr、Ce及び他元素の複合酸化物に、Niが担持された触媒であり、Niの担持量が該触媒全量基準で0.16〜0.63質量%である、炭化水素の水蒸気改質触媒が提供される。
本発明の水蒸気改質触媒の担体として使用する複合酸化物は、平均粒径(直径)2〜5mmのペレット状であることが好ましい。
上記ペレットは球状、ラグビーボール様形状が好ましいが、この両者に限定されず、上下面がラウンドした円柱形状でも良く、これら3種の形状に類似するこれら3種の変形形状であってもよい。球状以外のラグビーボール様形状等の場合、上記平均粒径は長径を指すものとする。
さらに別の観点の本発明によれば、Zrイオン含有Zr化合物水溶液を加熱してZr分散液を得る工程(a)、該Zr分散液と、Ceイオンの80〜100モル%が4価であるCeイオン含有Ce化合物水溶液とを混合して混合分散液1とし、該混合分散液1を加熱してZrとCeの複合微粒子分散液を得る工程(b−1)、該複合微粒子分散液にアルカリ性の官能基含有化合物水溶液を混合して懸濁物を得る工程(c)、該懸濁物を、250〜700℃下に1〜10時間、酸化雰囲気で焼成して第1次複合酸化物を得る工程(d)、該第1次複合酸化物を成形し、酸化雰囲気で600〜1100℃下に1〜24時間の加熱酸化処理、還元雰囲気で600〜1100℃下に1〜24時間の加熱還元処理、又は前記加熱酸化処理と前記加熱還元処理の両処理を実施して複合酸化物を得る工程(e)、該複合酸化物にNi化合物を付着させ、酸化雰囲気で250〜800℃下に1〜10時間の酸化処理をした後、還元雰囲気で250〜800℃下に1〜10時間の還元処理をし、前記複合酸化物にNiを担持して水蒸気改質触媒を得る工程(f)、を有する、炭化水素の水蒸気改質触媒の製造方法が提供される。
また、さらに別の観点の本発明によれば、工程(f)で得られる水蒸気改質触媒に、酸化雰囲気で500〜800℃下に1〜10時間の加熱酸化処理、又は還元雰囲気で500〜800℃下に1〜10時間の加熱還元処理を施す工程(g)、を有する、炭化水素の水蒸気改質触媒の製造方法が提供される。
上記各工程で示した酸化雰囲気としては、例えば大気雰囲気(大気中)又は酸素雰囲気(酸素中)を挙げることができる。また、還元雰囲気としては、水素雰囲気(水素中)を挙げることができる。
また、さらに別の観点の本発明によれば、工程(b−1)後、工程(c)の前に、複合微粒子分散液と、Ce以外の希土類元素、Y(イットリウム)、W(タングステン)、及びSi(ケイ素)から選択される1種以上の他元素のイオンを含有する他元素化合物の水溶液とを混合して混合分散液2を得る工程(b−2)を有し、工程(c)において、複合微粒子分散液の代わりに混合分散液2を用いる、炭化水素の水蒸気改質触媒の製造方法が提供される。
本発明の炭化水素の水蒸気改質触媒は、特定の金属酸化物に特定量範囲のNiを特定の酸化/還元処理で担持させているので、炭化水素の水素への改質反応時において、カーボン発生量を従来の水蒸気改質触媒と比較して有意に抑制することができる。従って、高効率の改質反応を長時間維持することができ、触媒の再活性化処理の頻度を低減できる。
本発明の炭化水素の水蒸気改質触媒の製造方法は、特定の酸化/還元処理工程を至適な条件で実施しているので、改質反応時のカーボン発生量が少ない高性能な炭化水素の水蒸気改質触媒を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭化水素の水蒸気改質触媒は、Ce及びZrを必須として含有する複合酸化物を担体として、該担体に特定量のNiが特定の酸化/還元処理によって担持された水蒸気改質触媒である。
以後、本発明の炭化水素の水蒸気改質触媒を、単に本発明の触媒と称することもある。また、特に断らない限り、複合酸化物と称した場合は、本発明の触媒の担体として用いる複合酸化物を指すものとする。
本発明において、担体に用いる複合酸化物は、Ce及びZrの複合酸化物であり、一部他元素も含む複合酸化物であってもよい。複合酸化物中のZrとCeの含有割合は、Zr1モルに対してCe1.0モル以上4.0モル以下であり、好ましくは2.0モル以上4.0モル以下であり、より好ましくは2.5モル以上4.0モル以下である。
複合酸化物がCe及びZrを上記モル比で含有することにより、触媒としてのNiとの組み合わせによって、優れた炭化水素転化率を長時間維持することができる。
本発明の複合酸化物に含み得る他元素としては、Ce以外の希土類元素、Y、W、及びはSiから選択される1種以上の元素を挙げることができる。他元素としてはPr、La、Y、及びNdから選択される1種以上が好ましく、Prが特に好ましい。他元素の含有割合は、Zr1モルに対して0.08モル以上1.00モル以下であることが好ましい。他元素をこの範囲で含有することによって、複合酸化物の結晶構造がより一層安定化し、酸素の吸放出能が良好となり、また、耐熱性をさらに改善できる。
また、複合酸化物中にAlの酸化物が一部含まれてもよい。このとき、Ce及びZr、又はCe、Zr及び他元素と、Alとが複合酸化物を形成していてもよく、あるいは、Ce及びZr、又はCe、Zr及び他元素の複合酸化物と、Alの酸化物との混合物であってもよい。Alの酸化物は、複合酸化物の形成時に使用する無機系バインダーに由来するものを例示できる。複合酸化物形成時にAl含有無機系バインダーを用いることにより、複合酸化物の硬度を良好なものにできる利点がある。Alの含有量範囲としては、Zr1モルに対して0〜1.5モルが好ましく、0.5〜1.5モルがより好ましい。
上記の複合酸化物の具体例としては、Ce0.5Zr0.52、Ce0.75Zr0.252、Ce0.476Zr0.476Pr0.0482、Ce0.74Zr0.24Pr0.022、Ce0.77Zr0.21Pr0.022、等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、Ce0.74Zr0.24Pr0.022及びCe0.77Zr0.21Pr0.022が好ましく、Ce0.77Zr0.21Pr0.022が特に好ましい。また、これらの複合酸化物とAl23との混合物であってもよい。あるいは、これらの複合酸化物に係る各元素とAlとを含む複合酸化物であってもよい。
また、複合酸化物中に原料由来等の不可避的不純物を含むものも本発明の範囲内である。例えば、Zrの原料として使用するZr化合物にはHfが少量含有される場合があり、よって、本発明に係る複合酸化物中には不可避的不純物としてHfが含まれ得る。
本発明に係る複合酸化物の比表面積は、好ましくは10m2/g以上200m2/g以下、より好ましくは30m2/g以上50m2/g以下である。比表面積が10m2/gより小さい場合、炭化水素との接触面積が十分でない可能性があり、効率よく改質反応が行われない可能性がある。一方、200m2/gを超える場合には、製造コストの点で、経済的利益が低くなる可能性がある。
本発明の触媒は、担体である本発明の複合酸化物にNiが担持されたものである。
Niに加えて、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、及びCuからなる群から選ばれる1種以上を触媒金属として、複合酸化物に担持させてもよい。これらの触媒金属は、Niの10%以下の量とすることが好ましい。得られる水蒸気改質触媒に対するこれら元素の含有割合は、Niを含めた合計で0.63質量%以下とするのが好ましい。また、原料由来等の不可避的不純物が複合酸化物に担持されている触媒も本発明の範囲内である。
また、改質反応時の転化率をより向上させるために、微量のPd、Ru等の貴金属を触媒金属として、さらに複合酸化物に担持させてもよい。貴金属を担持させる場合のその担持量は、貴金属の含有効果の点で、水蒸気改質触媒全量基準で、0.006〜0.063質量%が好ましい。
Niの複合酸化物への担持量は、本発明の水蒸気改質触媒全量基準で、0.16〜0.63質量%である。好ましくは0.16〜0.50質量%である。0.16質量%未満では、炭化水素の水素への転化率が低く、水蒸気改質触媒としての性能が不十分であり、0.63質量%超では、改質反応の進行に伴うカーボンの発生抑制効果が不十分である。
Niは担体である複合酸化物の表面に存在することが好ましい。表面に存在することは触媒断面を電子線マイクロアナライザ(EPMA)で観察することにより確認できる。
複合酸化物は多数の微孔を有する多孔質体であるので、ここで「表面」とは、複合酸化物を空気中に置いた場合、空気と接する面のことを意味するものとする。
本発明の触媒は、上記の特徴を有しているので、炭化水素の水素への転化率が高く、かつ炭化水素の水素への改質反応時において、カーボン発生量を従来の水蒸気改質触媒と比較して有意に抑制できる。
本発明の触媒の炭化水素の水素への転化率は、ガスクロマト法で測定されるメタン転化率において、20〜55%である。転化率の上限としては550℃において実質的に55%程度である。以後、転化率と称したときは、特に断らない限り、炭化水素の水素への転化率を指すものとする。
以下に、本発明の触媒の性能を表すメタン転化率及びカーボン発生量について、その測定方法を説明する。
<水蒸気改質反応試験(試験温度 550℃):メタン転化率測定法>
ペレット状にした本発明の触媒0.6mL(例えば、触媒のかさ密度が2.5g/mLの場合、1.50g±0.03g)を採取し、長さ50cm、内径10mmφ石英管の中央に入れ、これを適量の石英ウールで挟み込み、水蒸気改質反応器(マイクロトラックベル社製BEL−REA−43)にセットする。次に、窒素ガスを30℃で90mL/分で10分間流通して水蒸気改質反応器内を窒素置換する。続いて、窒素ガスを90mL/分で流通しながら30℃から550℃まで55分で昇温する。ついで、550℃±1℃に保持し、水蒸気改質反応器内にメタンガスを100mL/分で流通させながら、純水を0.2g/分でポンプにより投入し、20分間水蒸気改質反応を行う。
本水蒸気改質反応試験における、S/C[水蒸気/炭化水素(メタン)比(モル比)]、及びSV[空間速度;炭化水素(メタン)流量/触媒体積]は、次の通りである。
S/C=[(0.2/18)/(0.1/22.4)]=2.49
SV=[(100×60)/0.6]=10000(hr-1
上記改質反応で得られる水蒸気改質反応ガスを、TCD検出器を有したマイクロガスクロマト(Agilent Technologies社製マイクロGC490GC)へ導入し、メタン、一酸化炭素、及び二酸化炭素のモル量を測定し、以下の計算式よりメタン転化率を計算する。
メタン転化率(%)=[(一酸化炭素モル量+二酸化炭素モル量)/(一酸化炭素モル量+二酸化炭素モル量+メタンモル量)]×100
<コーキング試験(試験温度 500℃):カーボン発生量測定法>
ペレット状にした本発明の触媒1.3mL(例えば、触媒のかさ密度が2.5g/mLの場合、3.25g±0.07g)を採取し、長さ50cm、内径10mmφ石英管の中央に入れ、これを適量の石英ウールで挟み込み、水蒸気改質反応器(マイクロトラックベル社製BEL−REA−43)にセットする。次に、窒素ガスを30℃で90mL/分で10分間流通して水蒸気改質反応器内を窒素置換する。続いて、窒素ガスを90mL/分で流通しながら30℃から500℃まで50分で昇温する。続いて、500℃±1℃に保持し、メタンガスを43mL/分で流通させる。その後、メタンガスから窒素ガスに切り替え90mL/分で流通させながら30℃になるまで冷却し、石英管を水蒸気改質反応器から取り出す。
本コーキング試験における、S/C及びSVは次の通りである。
S/C=[0/(0.043/22.4)]=0
SV=[(43×60)/1.3]=1985(hr-1
取り出した石英管の片側の石英ウールを取り出し、石英管を傾けながら触媒を100mLのビーカーに取り出す。ピンセットにてビーカーの中の触媒を石英ウールが混入しないように注意深く全量採取し、メノウ乳鉢にて触媒を約10分間すり潰し粉状する。この粉状触媒 0.1gをセラミックるつぼ(LECO製)に採取し、助燃材として粒状のタングステン1.0gと、スズ、例えばスズショット0.1gを同じセラミックるつぼに入れ、赤外分光装置を有する炭素分析装置(LECO製CS844)に充填し、カーボン量を測定する。
次に、本発明の触媒の製造方法について説明する。
<工程(a)>
Zr化合物を水に溶解してZrイオン含有Zr化合物水溶液を調製した後、該Zr化合物水溶液(以後、Zr水溶液と略称することもある。)を加熱する。Zr化合物としては、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム等が挙げられるが、中でもオキシ硝酸ジルコニウムが好ましい。水としては、上水、イオン交換水、精製水、純水等から適宜選択して使用することができる。また、市販の各Zr水溶液を使用してもよい。
Zr水溶液中のZrの濃度は、ZrO2換算で好ましくは1.0〜50.0g/Lであり、さらに好ましくは5.0〜30.0g/Lである。
Zr化合物水溶液の濃度が低いと加水分解反応は進行しやすいが、生産性が低くなる可能性がある。逆にZr水溶液の濃度が高いと加水分解反応が進行し難くなる可能性がある。
Zr水溶液の加熱温度は、60℃以上、好ましくは60〜200℃、特に好ましくは80〜180℃である。加熱時間は、10分間〜48時間、好ましくは30分間〜36時間、より好ましくは1〜24時間である。
Zr水溶液を加熱することにより、主として加水分解反応が起き、Zrの水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、これらの水和物等を含む微粒子が生成される。すなわち、行程(a)の加熱により、これらZrの水酸化物、酸化物等の微粒子分散液(以後、Zr分散液と略称する)が得られる。以後、Zrの水酸化物、酸化物等の微粒子をZr微粒子と称する。
加熱に使用する反応器としては、特に制限はなく、密閉タイプの容器又は開放タイプの容器のどちらでも良いが、オートクレーブ反応器を好ましく使用できる。また、汎用の攪拌装置を備える反応器であることが好ましく、Zrイオン含有Zr化合物水溶液の調製時、及び加熱時に、必要により撹拌すればよい。
<工程(b−1)>
工程(a)で得られたZr分散液に、Ceイオンの80〜100モル%が4価であるCeイオン含有Ce化合物水溶液を混合して混合分散液1とし、該混合分散液1を加熱する。Ce化合物水溶液(以後、Ce水溶液と略称することもある。)が所定量の4価のCeイオンを含有するように制御することにより、Ce化合物の加水分解反応が進行し易くなる。Ce水溶液中のCeイオンは、その95モル%以上が4価であることが好ましい。Ce化合物としては、硝酸第二セリウム、硝酸第二セリウムアンモニウム等が挙げられ、特に硝酸第二セリウムが好ましい。水としては、上水、イオン交換水、精製水、純水等から適宜選択して使用することができる。また、市販の各Ce化合物水溶液を使用してもよい。
Zr分散液に混合するCe化合物の量は、混合分散液1中のCeの濃度が、CeO2換算で、10.0〜50.0g/Lとなる量であり、好ましくは15.0〜30.0g/Lとなる量である。混合分散液1中のCeの濃度が、当該濃度範囲となるように、Ce化合物水溶液中のCe濃度、及びZr分散液との混合量を適宜調整して、この両者を混合する。
混合分散液1の加熱温度は、60℃以上、好ましくは60〜200℃、特に好ましくは80℃〜180℃である。加熱時間は、10分間〜48時間、好ましくは30分間〜36時間、より好ましくは1〜24時間である。
混合分散液1を加熱することで加水分解反応が進行し、Ceの水酸化物、酸化物、及びこれらの水和物のいずれかの微粒子(以後、Ce微粒子と称する)が生じる。同時に、前述のZr微粒子との複合化が進行し複合微粒子が形成される。このとき、加熱によりZr微粒子、Ce微粒子が溶解・析出を繰り返しながら、CeとZrが原子レベルで均一に混合された複合微粒子が形成される場合もある。形成される複合微粒子の平均粒径は、20〜50nmであることが好ましい。当該平均粒径は、例えば動的光散乱法で測定することができる。
以上のようにして複合微粒子が形成され、該複合微粒子が分散した複合微粒子分散液が得られる。
なお、Zr微粒子を先に調製する理由は、Zr化合物はCe化合物との共存下では加水分解反応が進行しにくく、Zr微粒子が得られ難いからである。
加熱に使用する反応器としては、特に制限はなく、密閉タイプの容器又は開放タイプの容器のどちらでも良いが、オートクレーブ反応器を好ましく使用できる。また、汎用の攪拌装置を備える反応器であることが好ましく、混合分散液1の調製時、及び加熱時に、必要により撹拌すればよい。
<工程(b−2)>
工程(b−2)は任意に実施する工程である。すなわち、不可避的不純物を除いて、Zr及びCe以外の他元素を含む複合酸化物を製造する場合に実施する工程である。
他元素としては、Ce以外の希土類元素、Y、W、及びSiから選択される1種以上の元素を挙げることができる。他元素としてはPr、La、Y、及びNdから選択される1種以上が好ましく、Prが特に好ましい。
工程(b−1)で得られた複合微粒子分散液に、上記他元素のイオンを含有する他元素化合物の水溶液(以後、他元素水溶液と略称することもある。)を混合して混合分散液2を得る。他元素化合物としては上記他元素の硝酸塩、硫酸塩、及び酢酸塩等を例示できる。他元素がSiの場合は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが好ましい。
複合微粒子分散液と他元素水溶液との混合は、両者を均一に混合できれば、特に混合方法及び条件に制限はないが、混合温度は室温、混合時間は30〜60分間を例示できる。
混合に用いる撹拌容器としては特に制限はなく、汎用の混合容器及び撹拌機を用いればよい。
<工程(c)>
工程(b−1)で得られる複合微粒子分散液、又は工程(b−2)で得られる混合分散液2に、アルカリ性の官能基含有化合物水溶液を混合して懸濁物(沈殿物)が分散した懸濁液を得る。
上記いずれかの分散液にアルカリ性の官能基含有化合物水溶液を混合することにより、分散液中の微粒子が凝集して濾過性の良好な懸濁物が得られると共に、結晶化度の高い複合酸化物が得られ易くなる。
工程(c)で用いるアルカリ性の官能基含有化合物水溶液は、次のようにして調製する。まず、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリウム等から選択される1種以上のアルカリを水に溶解してアルカリ水溶液を調製する。アルカリとしては特にアンモニアが好ましい。懸濁物中にアルカリ金属が混入しないからである。
アルカリ水溶液中のアルカリ量としては、Zr化合物、Ce化合物、及び他元素化合物との反応に必要な理論量の1.1〜5倍当量であることが好ましい。
上記アルカリ水溶液に官能基含有化合物を溶解してアルカリ性の官能基含有化合物水溶液を調製する。官能基含有化合物をアルカリ水溶液に溶解する際、官能基含有化合物のニートを溶解してもよく、アルカリ水溶液と、官能基含有化合物の水溶液又は低級アルコール溶液とを混合溶解してもよい。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等を例示できる。溶解温度は特に制限はないが、例えば、室温程度でよい。
官能基含有化合物としては、界面活性剤、及びポリエチレングリコールを例示できる。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を例示できる。陰イオン界面活性剤としては高級脂肪酸塩等のカルボン酸型が好ましい。非イオン界面活性剤としてはアルコールエトキシレートが好ましい。
官能基含有化合物は、これらのいずれか一種を使用してもよく、二種以上を混合使用してもよい。
官能基含有化合物としては、高級脂肪酸塩が好ましく、例えば、デカン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩等の飽和高級脂肪酸塩が挙げられ、中でもラウリン酸塩が特に好ましい。塩としてはアンモニウム塩が好ましい。取り扱いが容易だからである。
アルカリ水溶液中の官能基含有化合物の含有量は、製造される複合酸化物の担体性能が良好となる点で、1.0〜3.5質量%が好ましい。
複合微粒子分散液又は混合分散液2と、アルカリ性の官能基含有化合物水溶液との混合は、両者を均一に混合できれば、特に混合方法に制限はないが、混合温度は20〜40℃が好ましく、25〜35℃がより好ましい。混合時間は20〜60分間が好ましく、30〜45分間がより好ましい。
混合に用いる撹拌容器としては特に制限はなく、汎用の混合容器及び撹拌機を用いればよい。
工程(c)により、上記したように、工程(b−1)又は(b−2)の分散液中の微粒子が凝集して濾過性の良好な懸濁物が得られる。
また、官能基含有化合物は、上記微粒子状物質の粒子間に均一に混在する。官能基含有化合物がこのように微粒子間に均一に混在すると、後に実施する焼成によって官能基含有化合物が加熱除去され、得られる複合酸化物が触媒金属の担体として好適な多孔質体となる。すなわち、官能基含有化合物は造孔剤として機能する。
このように複合酸化物が多孔質体となることにより、触媒として高温で使用した場合でも、触媒担体として良好な比表面積を維持することができ、耐熱性良好な複合酸化物とすることができる。
生成される懸濁物(沈殿物)は、例えば、ヌッチェ、フィルタープレス、遠心分離等でろ過することによって懸濁液から分別することができる。分別後、懸濁物を水で洗浄することが好ましい。洗浄はデカンテーション等の公知の方法で行うことができる。洗浄後の懸濁物は次工程である工程(d)の前に乾燥してもよい。乾燥は60℃以上200℃以下程度で行ってよい。また、懸濁物を分離せず、懸濁液をそのまま、例えば、スプレードライ法により乾燥させて粉体又は粒体としてもよい。
<工程(d)>
工程(c)で得られる懸濁物、又は懸濁物の乾燥物を酸化雰囲気で焼成して第1次複合酸化物を得る。酸化雰囲気としては大気雰囲気(大気中)又は酸素雰囲気(酸素中)を例示できる。焼成温度は250〜700℃、好ましくは300〜500℃である。焼成時間は、焼成温度との兼ね合いで適宜設定でき、1〜10時間の範囲であってよい。
金属触媒の担体として好適なペレット状の複合酸化物を得るために好適であるので、第1次複合酸化物は、粉砕処理により平均粒径(D50)を1〜50μmの紛体又は粒体とすることが好ましく、平均粒径は1〜10μmがより好ましい。
粉砕機としては特に限定はなく、平均粒径(D50)を1〜50μmに制御できる粉砕機であればよい。
上記平均粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(製品名「MICROTRAC3000」、日機装株式会社製)を用いて測定できる。
<工程(e)>
第1次複合酸化物の紛体又は粒体を、例えば、ペレット状に成形する。具体的成形方法としては、該紛体又は粒体、水及びバインダーを混合して粘土状混合物とし、当該粘土状混合物を押出成形機で紐状に成形した後、カッターで切断し、球状整粒機にて球状に成形する方法を例示できる。この時の粒径は好ましくは1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは2mm以上3mm以下である。
バインダーとしては水分散アルミナゾルやメチルセルロース等が使用でき、バインダーとしてアルミナゾルを用いた場合、本発明の複合酸化物は上記した通り、アルミニウムの酸化物を含み得る。
得られた成形体に対して酸化雰囲気での加熱酸化処理、又は還元雰囲気での加熱還元処理を実施して、担体としての複合酸化物とする。また、当該加熱酸化処理及び加熱還元処理の両者を実施してもよい。
酸化雰囲気としては、例えば大気雰囲気(大気中)又は酸素雰囲気(酸素中)を挙げることができる。また、還元雰囲気としては、水素雰囲気(水素中)を挙げることができる。
当該加熱酸化処理及び/又は加熱還元処理により、複合酸化物とすると共に、成形体中に含まれる水分及びバインダー等の有機成分を除去する。
加熱酸化処理、加熱還元処理はいずれも、加熱温度が600〜1100℃、加熱時間が1〜24時間である。
以上の工程(a)〜(e)により、本発明の触媒に使用する複合酸化物(担体)を得ることができる。
<工程(f)>
工程(e)で得られた複合酸化物にNiを担持してNi担持複合酸化物(本発明の水蒸気改質触媒)を製造する。Niの担持量は、本発明の触媒全量基準で0.16〜0.63質量%である。
Niは以下に示す方法により複合酸化物に担持させることができる。例えば、複合酸化物をNi化合物が溶解した水溶液に入れ、複合酸化物にNi化合物を付着させ、酸化及び還元処理する方法が使用できる。Niの水溶液は、それぞれNi化合物を水に溶解して調製してよい。Ni化合物としては、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等の水溶性の化合物が使用できる。Ni担持量の調整は、Ni化合物水溶液濃度及び複合酸化物の浸漬時間を適宜調整して行うことができる。例えば、濃度5〜22g/LのNi化合物水溶液に、複合酸化物を室温下に、30分間〜100時間浸漬すればよい。
Niに加えてNi以外の触媒金属も担持する場合は、該金属の硝酸塩等の金属化合物をNi化合物と共に水に溶解した混合水溶液を調製し、同様の条件で複合酸化物を浸漬すればよい。
上記浸漬後、Ni化合物、又はNi化合物及びNi以外の金属化合物が吸着した複合酸化物を該水溶液から取り出し、酸化雰囲気(例えば、大気中又は酸素中)で酸化処理した後、還元雰囲気(例えば、水素中)で還元処理して本発明の水蒸気改質触媒を得る。処理条件としては、酸化、還元いずれも、処理温度250℃以上800℃以下、好ましくは400℃以上600℃以下、処理時間1〜10時間とすればよい。
<工程(g)>
工程(a)〜(f)により本発明の水蒸気改質触媒を得ることができるが、該触媒にさらに、活性化処理として加熱酸化処理又は加熱還元処理を施してもよい。
加熱酸化処理としては、酸化雰囲気(例えば、大気中又は酸素中)で500℃以上800℃以下、好ましくは500℃以上700℃以下、1時間以上10時間以下、好ましくは3時間以上6時間以下、の処理条件を挙げることができる。
加熱還元処理としては、還元雰囲気(例えば、水素中)で500℃以上800℃以下、好ましくは500℃以上700℃以下、1時間以上10時間以下、好ましくは3時間以上6時間以下、の処理条件を挙げることができる。
なお、Niをアルミナ担体に担持させて得られる汎用の触媒は、活性化処理として還元処理の実施が必須であり、還元処理を実施しない場合、活性が低すぎて実用的な触媒機能を発揮することができない。一方、本発明の触媒は、工程(g)を実施することにより一層高い触媒活性を示すが、工程(g)を実施しない工程(f)の段階でも実用上十分な触媒活性を示す。
以上説明した工程により、水蒸気改質用反応容器への充填性の点、及び改質反応の原料であるガス状炭化水素との接触効率の点において好適な形状である、ペレット状の本発明に係る水蒸気改質触媒が得られる。
以上のようにして製造される本発明の水蒸気改質触媒は、炭化水素を水素に転化させるための反応容器中に充填して炭化水素の改質触媒として使用する。すなわち、該反応容器にガス状炭化水素及び水蒸気を供給することにより、本発明の触媒の作用によって、炭化水素が改質されて水素が得られる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
[工程(a)]
2Lのセパラブルビーカーに、23.85gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液(ZrO2として4.77g)、8.00gの硝酸(HNO3として5.4g)、及び900mLの純水を添加し、撹拌してZr水溶液とした。
このZr水溶液をマントルヒーターにより98℃まで昇温させ、98℃下に、加熱還流撹拌を8時間行った。これにより、Zr分散液を得た。
[工程(b−1)]
30℃まで冷却したZr分散液に、122.9mLの硝酸セリウム(IV)溶液(セリウム水溶液;CeO2として24.57g)を添加して混合分散液1とし、再びマントルヒーターにより98℃まで昇温させ、98℃下に、加熱還流撹拌を20時間行った。これによりZrとCeの複合微粒子分散液を得た。
[工程(b−2)]
工程(b−1)で得られた複合微粒子分散液を3000mLのビーカーに移し、これに1.37mLの硝酸プラセオジム溶液(他元素水溶液;Pr611として0.66g)及び1000mLの純水を添加し、撹拌してZr、Ce及びPrを含む混合分散液2を得た。
[工程(c)]
7.8gのラウリン酸を310mLの12.5%アンモニア水に加え、透明になるまで攪拌した。このラウリン酸アンモニウム/アンモニア水溶液を攪拌しながら、該水溶液中に混合分散液2を定量ポンプにより50mL/分で添加し、懸濁物を有する懸濁液を得た。得られた懸濁液をブフナー漏斗上でろ過し、純水1000mLをブフナー漏斗上から加えて洗浄し、懸濁物を濾別した。
[工程(d)]
この懸濁物を酸化雰囲気(大気中)、400℃で5時間焼成して第1次複合酸化物を得た。該第1次複合酸化物を乳鉢により粉砕して粉体とした。
[工程(e)]
30.0gの上記第1次複合酸化物の紛体、15.0gの多木化学製アルミナゾル「バイラールAL−7」、0.9gのメチルセルロース、及び3mLの純水を混合し、粘土状混合物を得た。
粘土状混合物を、出口の穴径が3mmの押出成形機にかけた後、カッターにより3mm毎に切断し、球状整粒機により丸めることで、直径3mmの球状に成形した。
直径3mmの球状成形体を大気中(酸化雰囲気)、1000℃で5時間の加熱酸化処理を行い、さらに、水素中(還元雰囲気)、1000℃で5時間の加熱還元処理を行って、水蒸気改質用の触媒担体である複合酸化物を得た。
[工程(f)]
10gの複合酸化物を、7.06gの硝酸ニッケル六水和物を900mLの純水に溶解した溶液に浸漬し、撹拌した。96時間撹拌した後、ろ過し、ろ紙上のNiを担持した複合酸化物を回収し、500℃で5時間大気中(酸化雰囲気)で酸化処理し、続いて550℃で5時間水素中(還元雰囲気)で還元処理することで、水蒸気改質触媒を得た。
得られた水蒸気改質触媒の各元素の含有割合を測定した結果を表1に示す。表1において、Zr,Ce,Pr及びAlの含有割合は、各々ZrO2、CeO2、Pr611及びAl23としての触媒担体中の含有割合を質量%で示したものである。また、括弧内にZr1モルに対する各元素のモル数を示した。また、Niは、得られた水蒸気改質触媒全量に対する含有割合を質量%で示したものである。
各元素の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により測定して求めた。
実施例1の水蒸気改質触媒を用いて、上記説明した水蒸気改質反応試験によりメタンの水蒸気改質反応を行い、メタン転化率を測定した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1の水蒸気改質触媒を用いて、上記説明したコーキング試験によりカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例2〜5)
Ni担持量を表1に示す通りにした以外は実施例1と同様に水蒸気改質触媒を作製し、実施例1と同様にしてメタン転化率及びカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例6〜8)
工程(e)において加熱酸化処理を実施せず、加熱還元処理のみの実施とし、表1に示すNi担持量とした以外は実施例1と同様に水蒸気改質触媒を作製し、実施例1と同様にしてメタン転化率及びカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例9、10)
工程(e)において加熱還元処理を実施せず、加熱酸化処理のみの実施とし、表1に示すNi担持量とした以外は実施例1と同様に水蒸気改質触媒を作製し、実施例1と同様にしてメタン転化率及びカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
Ni担持量を表1に示す通りにした以外は実施例1と同様に水蒸気改質触媒を作製し、
実施例1と同様にしてメタン転化率及びカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
((比較例2、3)
工程(e)において加熱酸化処理を実施せず、加熱還元処理のみの実施とし、表1に示すNi担持量とした以外は実施例1と同様に水蒸気改質触媒を作製し、実施例1と同様にしてメタン転化率及びカーボン析出量を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2020011210
表から明らかなように、Ni担持量が本発明の範囲内である各実施例は、範囲外である比較例と比較して、カーボン発生量を抑制しつつ高いメタン転化率を達成している。

Claims (7)

  1. Zr(ジルコニウム)、Ce(セリウム)、及び酸素を含み、ZrとCeの含有割合が、Zr1モルに対してCe1.0〜4.0モルであるZr及びCeの複合酸化物に、Niが担持されている触媒であり、
    Niの担持量が該触媒全量基準で0.16〜0.63質量%である、
    炭化水素の水蒸気改質触媒。
  2. 前記複合酸化物が、Ce以外の希土類元素、Y(イットリウム)、W(タングステン)、及びSi(ケイ素)から選択される1種以上の他元素をさらに含み、該他元素の含有割合が、Zr1モルに対して0.08〜1.00モルである、
    請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
  3. Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、及びCuからなる群から選ばれる1種以上がさらに担持されている、
    請求項1又は2に記載の水蒸気改質触媒。
  4. 貴金属の1種以上がさらに担持され、貴金属の担持量が前記触媒全量基準で0.006〜0.063質量%である、
    請求項1〜3いずれか一項に記載の水蒸気改質触媒。
  5. Zrイオン含有Zr化合物水溶液を加熱してZr分散液を得る工程(a)、
    該Zr分散液と、Ceイオンの80〜100モル%が4価であるCeイオン含有Ce化合物水溶液とを混合して混合分散液1とし、該混合分散液1を加熱してZrとCeの複合微粒子分散液を得る工程(b−1)、
    該複合微粒子分散液にアルカリ性の官能基含有化合物水溶液を混合して懸濁物を得る工程(c)、
    該懸濁物を、250〜700℃下に1〜10時間、酸化雰囲気で焼成して第1次複合酸化物を得る工程(d)、
    該第1次複合酸化物を成形し、酸化雰囲気で600〜1100℃下に1〜24時間の加熱酸化処理、還元雰囲気で600〜1100℃下に1〜24時間の加熱還元処理、又は前記加熱酸化処理と前記加熱還元処理の両処理を実施して複合酸化物を得る工程(e)、
    該複合酸化物にNi化合物を付着させ、酸化雰囲気で250〜800℃下に1〜10時間の酸化処理をした後、還元雰囲気で250〜800℃下に1〜10時間の還元処理をし、前記複合酸化物にNiを担持して水蒸気改質触媒を得る工程(f)、を有する、
    炭化水素の水蒸気改質触媒の製造方法。
  6. 前記工程(f)で得られる前記水蒸気改質触媒に、酸化雰囲気で500〜800℃下に1〜10時間の加熱酸化処理、又は還元雰囲気で500〜800℃下に1〜10時間の加熱還元処理を施す工程(g)、を有する、
    請求項5に記載の水蒸気改質触媒の製造方法。
  7. 前記工程(b−1)後、前記工程(c)の前に、前記複合微粒子分散液と、Ce以外の希土類元素、Y(イットリウム)、W(タングステン)、及びSi(ケイ素)から選択される1種以上の他元素のイオンを含有する他元素化合物の水溶液とを混合して混合分散液2を得る工程(b−2)を有し、
    前記工程(c)において、前記複合微粒子分散液の代わりに前記混合分散液2を用いる、
    請求項5又は6に記載の水蒸気改質触媒の製造方法。
JP2018136719A 2018-07-20 2018-07-20 炭化水素の水蒸気改質触媒 Pending JP2020011210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136719A JP2020011210A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 炭化水素の水蒸気改質触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136719A JP2020011210A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 炭化水素の水蒸気改質触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020011210A true JP2020011210A (ja) 2020-01-23

Family

ID=69169040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018136719A Pending JP2020011210A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 炭化水素の水蒸気改質触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020011210A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI374116B (en) Catalyst for hydrogen production by autothermal reforming, method of making same and use thereof
TWI280946B (en) Metal oxide solid solution, preparation and use thereof
JP5610408B2 (ja) 遷移金属を含有するCeAlO3ペロフスカイト
Shen et al. The influence on the structural and redox property of CuO by using different precursors and precipitants for catalytic soot combustion
CN113209976B (zh) 一种甲醇水蒸气重整制氢用催化剂及其制备方法与应用、甲醇水蒸气重整制氢反应
TW200803030A (en) Selective oxidation of carbon monoxide relative to hydrogen using catalytically active gold
TW201328776A (zh) 奈米金承載於氧化銅-二氧化鈰觸媒之製法及其在氫氣流中氧化一氧化碳之應用
JP5817782B2 (ja) 水素製造触媒、それを用いた水素製造方法及び水素製造装置
Iglesias et al. Ceria and Ce0. 95M0. 05O2− δ mixed oxides (M= La, Pr, Zr): Vacancies and reducibility study
JP6272609B2 (ja) 複合酸化物の製造方法及び複合酸化物触媒
JP5969499B2 (ja) 複合酸化物
KR20140020492A (ko) 탄화수소 개질용 니켈 촉매
WO2017094688A1 (ja) 炭化水素の水蒸気改質触媒
Wang et al. Novel nano spinel-type high-entropy oxide (HEO) catalyst for hydrogen production using ethanol steam reforming
JP5116276B2 (ja) 酸化物微結晶粒子からなる粉体、それを用いた触媒、及びその製造方法
US9673465B2 (en) Catalyst, method for producing catalyst, and method for producing hydrogen-containing gas using catalyst, and hydrogen generating device, fuel cell system, and silicon-supported CeZr-based oxide
JP2007136339A (ja) 触媒用粒子およびその製造方法
CN116786126A (zh) 一种应用到氨分解的镍硅催化剂及其制备方法
JP5105709B2 (ja) 水性ガスシフト反応触媒
JP5831946B2 (ja) 触媒の製造法
Tian et al. Molten salt synthesis of strontium-doped lanthanum manganite nanoparticles with enhanced catalytic performance for toluene combustion
JP2020011210A (ja) 炭化水素の水蒸気改質触媒
JP6322218B2 (ja) 酸素吸蔵材料及びその製造方法
JP4657645B2 (ja) 水性ガスシフト反応触媒および該触媒の製造方法。
CN114377709A (zh) 一种用水热法制备CeO2/Ce(OH)CO3异质结的方法