JP2020010619A - 移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システム - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置を提供する。【解決手段】 筐体11と、筐体11の内部に形成された空洞部13と、空洞部13に接続され外部から空洞部13内に酸素を導入する導入流路14と、空洞部13に接続され空洞部13内の気体を排出する排出流路15と、筐体11の内部に形成され細胞が収容される細胞室17と、空洞部13と細胞室17とを仕切るように筐体11に設けられている酸素透過膜16と、細胞室17の外部側を閉じるように筐体11に設けられている免疫隔離膜18と、空洞部13内の導入流路14の出口と排出流路15の入口との間に設けられて、導入流路14から空洞部13内に導入された酸素を空洞部13の内周面13a側を迂回して排出流路15に至るようにさせる迂回部19とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システムに関する。
本技術分野の背景技術として、特表2016−530980号公報(特許文献1)がある。この公報には、「細胞インプラントのガス処理用システム。本システムは、ヒト医学または獣医学で使用するための細胞インプラント、特に細胞密度の高い細胞インプラントの生存能力および機能を向上させる。本システムは、インプラント可能な免疫隔離した細胞収容サブシステム内の細胞に酸素および/または水素を連続的に供給して、高細胞密度での細胞の生存能力および機能を促しながらインプラントの全体のサイズを最小限にする電気化学的ガス発生装置サブシステムを利用する。細胞収容サブシステムは、インプラント可能な細胞収容サブシステム内の多孔質管またはガスのみ透過可能の内部ガスコンパートメントを通してガスを送ることが可能な機能を備える。さらに、ガス発生装置サブシステムは、埋め込まれている間に電解のために水にアクセスできる部品を備えることにより、ガス発生装置サブシステムの長期的埋め込み性を向上させる。本システムの用途は、バイオ人工膵臓であると考えられる、1型糖尿病(T1D)の治療のための膵島(または膵島類似器官)インプラントである。」と記載されている(要約参照)。
前記特許文献1は、生体に移植する細胞収容システム内の細胞にまんべんなく酸素を供給することを可能にしようとしている。
しかし、特許文献1の技術では、酸素等の気体を直接細胞に触れさせる構成であり、異物等が細胞に触れて悪影響を与えることを防止する工夫がなされていないという不具合がある。
そこで、本発明は、細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システムを提供することを課題とする。
しかし、特許文献1の技術では、酸素等の気体を直接細胞に触れさせる構成であり、異物等が細胞に触れて悪影響を与えることを防止する工夫がなされていないという不具合がある。
そこで、本発明は、細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態である移植用細胞収容装置は、筐体と、筐体の内部に形成された空洞部と、前記空洞部に接続され外部から当該空洞部内に酸素を導入する導入流路と、前記空洞部に接続され当該空洞部内の気体を排出する排出流路と、筐体の内部に形成され細胞が収容される細胞室と、前記空洞部と前記細胞室とを仕切るように前記筐体に設けられている酸素透過膜と、前記細胞室の外部側を閉じるように前記筐体に設けられている免疫隔離膜と、前記空洞部内の前記導入流路の出口と前記排出流路の入口との間に設けられて、前記導入流路から前記空洞部内に導入された前記酸素を前記空洞部の内周面側を迂回して前記排出流路に至るようにさせる迂回部とを備え、生体内に埋め込まれることを特徴とする。
本発明によれば、細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
移植用細胞収容装置は、内部に所定の細胞を収容した状態で人間や動物の生体内に移植して、当該細胞が分泌する分泌物によって医療効果を発揮するようにした装置である。
典型的な例を説明すると、移植用細胞収容装置内に脳死状態の人体から摘出して得られた、あるいは、iPS細胞(induced Pluripotent Stem cells)由来である膵島の細胞を収容して人体に埋め込んで用いる例が挙げられる。これにより、当該膵島が分泌するインスリンによって1型糖尿病を治療することができる。
このような移植用細胞収容装置としては、前記特許文献1に開示のものが知られている。すなわち、特許文献1には、生体に移植される細胞収容システムについて記載されている。この細胞収容システムは、生体に移植された状態で、内部の細胞にはバブル状の酸素を与える構成である。つまり、生体内に電源が埋め込まれていて、その電源で水を電気分解して酸素を生成し、折れ曲がったチューブを使用して少しずつ細胞に酸素を与える。特許文献1の技術は、細胞にまんべんなく酸素を供給することを可能にしようとしている。
しかしながら、特許文献1の技術では、酸素等の気体を直接細胞に触れさせる構成であり、異物等が細胞に触れて悪影響を与えることを防止する工夫がなされていないという不具合がある。
そこで、以下では、細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置及び当該移植用細胞収容装置を用いた移植用細胞収容システムの実施例を複数例説明する。
しかしながら、特許文献1の技術では、酸素等の気体を直接細胞に触れさせる構成であり、異物等が細胞に触れて悪影響を与えることを防止する工夫がなされていないという不具合がある。
そこで、以下では、細胞にまんべんなく酸素を供給しつつも、異物等が細胞に触れるのをシャットアウトすることができる移植用細胞収容装置及び当該移植用細胞収容装置を用いた移植用細胞収容システムの実施例を複数例説明する。
図1は、実施例1に係る移植用細胞収容装置1の縦断面図である。この移植用細胞収容装置1は、筐体11を備えている。この筐体11は、上面視した形状が略長方形であってもよいし、略円形であってもよいし、様々な形状とすることができる。図1に示す例では、筐体11の縦断面外形形状は矩形状であって、筐体11の上部中央部には、筐体11より一段高くなった段差部12が設けられている。筐体11及び段差部12の素材は、長期間生体内に留置しても患者等の健康面や生活面等に大きな問題を生じない材料であれば様々な材料を用いることができる。
筐体11の内部には空洞部13が形成されている。筐体11には段差部12の上端部から空洞部13まで貫通することで空洞部13に接続された流路であり、外部から酸素を空洞部13内に導入する導入流路14が設けられている。また、同じく筐体11には段差部12の上端部から空洞部13まで貫通することで空洞部13に接続された流路であり、空洞部13内の二酸化炭素等の気体を筐体11外に排出する排出流路15も設けられている。
筐体11内には、酸素透過膜16を挟んで空洞部13と隣接する空間である細胞室17が設けられている。細胞室17は、前記した膵島の細胞等、所定の細胞が収容される空間である。
筐体11内には、酸素透過膜16を挟んで空洞部13と隣接する空間である細胞室17が設けられている。細胞室17は、前記した膵島の細胞等、所定の細胞が収容される空間である。
酸素透過膜16は、空洞部13と細胞室17とを仕切るように筐体11に設けられている。酸素透過膜16は、細胞や体液等の水分は通過させないが酸素は透過させる性質を有する膜である。酸素透過膜16としては、酸素の透過係数がある程度大きな材料であれば様々な材料を使用できるが、例えばシリコーンなどを用いることができる。また、物理的に微細な孔が空いている膜を酸素透過膜として用いることもできる。例えば、W.L.Gore&Associates,Incが開発したePTFE(expanded polytetrafluoroethylene)膜や、PTFE(polytetrafluoroethylene)不織布などは、疎水性が高いため水分が沁み込みにくく、水分と接した状態でも酸素透過膜16として機能する。
細胞室17の空洞部13とは反対側、図1において筐体11の下側は外部側に開口していて、その開口部を閉じるように、筐体11には免疫隔離膜18が設けられている。免疫隔離膜18は、細胞は通過させないが、体液等の水分は通過させる性質を有する膜である。これにより、細胞室17内の細胞は生体の免疫細胞によって攻撃されることが防止され、また、細胞室17内の細胞が移植用細胞収容装置1の外に漏れ出ることも防止される。
免疫隔離膜18の材料としては、移植先の生体の免疫細胞から細胞室17内の細胞を保護可能で、細胞室17内の細胞が分泌するインスリン等の分泌物が透過して生体側に供与することが可能となる材料であれば限定されない。免疫隔離膜18の材料としては、例えば、多孔質ポリカーボネートなどを挙げることができる。
免疫隔離膜18の材料としては、移植先の生体の免疫細胞から細胞室17内の細胞を保護可能で、細胞室17内の細胞が分泌するインスリン等の分泌物が透過して生体側に供与することが可能となる材料であれば限定されない。免疫隔離膜18の材料としては、例えば、多孔質ポリカーボネートなどを挙げることができる。
空洞部13内には、導入流路14の出口と排出流路15の入口との間に設けられて、導入流路14から空洞部13内に導入された酸素を空洞部13の内周面13a側を迂回して排出流路15に至るようにさせる障害物である迂回部19が設けられている。
この迂回部19は、空洞部13内の図1で上側の内壁面13bにおける導入流路14の出口と排出流路15の入口との間から図1における下方に延出していて、その先端19aは酸素透過膜16と所定間隔を空けて対峙している。迂回部19は、後付けで筐体11に設けても、筐体11と一体成形により形成してもよい。
この迂回部19は、空洞部13内の図1で上側の内壁面13bにおける導入流路14の出口と排出流路15の入口との間から図1における下方に延出していて、その先端19aは酸素透過膜16と所定間隔を空けて対峙している。迂回部19は、後付けで筐体11に設けても、筐体11と一体成形により形成してもよい。
図2は、移植用細胞収容装置1を含む移植用細胞収容システム21の概略構成を示すブロック図である。移植用細胞収容システム21は、移植用細胞収容装置1と酸素供給装置22とを備えている。酸素供給装置22は、配管23を介して外気を取り込んで送給するポンプ24と、このポンプ24の吐出側と移植用細胞収容装置1の導入流路14とを接続する配管25とを備えている。ポンプ24は、制御部26の制御に基づいて駆動する。また、図示はされていないが、ポンプ24及び制御部26は、酸素供給装置22に内蔵されている1次電池又は2次電池等を電源として駆動する。
移植用細胞収容装置1は、生体の移植先組織100内に移植されていて、配管25が移植先組織100から生体外部に延びている。また、排出流路15に接続された配管27も移植先組織100から生体外部に延びている。酸素供給装置22は、純粋な酸素を移植用細胞収容装置1に供給するのではなく、ポンプ24によって配管23から空気を取り込んで、配管25を介して移植用細胞収容装置1に供給する。よって、空洞部13に供給する気体には酸素以外にも窒素等、空気中の気体成分が含まれる。なお、配管23,27には、空気中の塵埃等の異物が、極力、空洞部13に入り込まないようにフィルタを設けることが望ましい。
次に、移植用細胞収容装置1及び移植用細胞収容システム21の作用効果について説明する。
ここでは、移植用細胞収容装置1に膵島の細胞を収容し、1型糖尿病を治療する例で説明する。移植用細胞収容システム21においては、移植用細胞収容装置1の細胞室17内に膵島の細胞を収容して、移植用細胞収容装置1を生体の移植先組織100内に移植する。この状態で、配管25,27は一端側が移植用細胞収容装置1に接続されていて他端側が生体外に延びている。
ここでは、移植用細胞収容装置1に膵島の細胞を収容し、1型糖尿病を治療する例で説明する。移植用細胞収容システム21においては、移植用細胞収容装置1の細胞室17内に膵島の細胞を収容して、移植用細胞収容装置1を生体の移植先組織100内に移植する。この状態で、配管25,27は一端側が移植用細胞収容装置1に接続されていて他端側が生体外に延びている。
酸素供給装置22は比較的ポータブルな装置であり、移植用細胞収容システム21を使用する患者は、当該酸素供給装置22を自身の腰部等に装着して移植用細胞収容システム21を自らの体に装着した状態で移動可能である。この酸素供給装置22には、配管25が接続されている。そして、制御部26の制御により、ポンプ24が駆動して、配管23から酸素を含む空気を取り込み、これを移植用細胞収容装置1の空洞部13に送り込む。この送り込まれた空気中の酸素は、酸素透過膜16を透過して膵島の細胞に供給される。
一方、酸素透過膜16が空洞部13と細胞室17とを仕切っているため、導入流路14から空気と一緒に入り込んだ細かな塵埃等の異物は酸素透過膜16によりシャットダウンされて、細胞室17内には入り込めない。
一方、酸素透過膜16が空洞部13と細胞室17とを仕切っているため、導入流路14から空気と一緒に入り込んだ細かな塵埃等の異物は酸素透過膜16によりシャットダウンされて、細胞室17内には入り込めない。
細胞室17内の膵島が排出した二酸化炭素(酸素透過膜16を介して細胞室17に流入する)や、膵島で消費されず残存した酸素、空洞部13に導入された空気中における酸素以外の窒素等の気体は体外に排出される。すなわち、導入流路14から新たな気体が空洞部13に導入されることで、これらの気体は負圧によって排出流路15を介して空洞部13から生体外に排出される。なお、細胞室17内の膵島の細胞の代謝物は免疫隔離膜18を透過する。また、細胞室17内の膵島の細胞は、免疫隔離膜18を介して生体の体液等から栄養成分を吸収する。細胞室17内の膵島は、インスリンを分泌し、このインスリンは免疫隔離膜18を透過して患者の体内に吸収されるので、1型糖尿病を患っている患者に対して治療効果を発揮することができる。
図3は、空洞部13の平面図である。前記のとおり、導入流路14の入口と排出流路15の出口との間には迂回部19が設けられている。この例では、迂回部19は上面視で長方形状をしていて、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを結ぶ方向が当該長方形状の短辺方向となっている。そして、矢印29で示すように、導入流路14の入口から空洞部13に導入された酸素は、多くは迂回部19を迂回して空洞部13中を流れ、排出流路15の出口にたどりつく。
ここで、図8は図3の比較例である迂回部19が設けられていない場合の空洞部13の平面図である。この場合は、迂回部19のような障害物が存在しないため、導入流路14の入口から空洞部13内に導入された酸素は、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直線距離で結んだ矢印111で示すルートを通過して排出流路15から排出され易くなる。そのため、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直線距離で結んだルートの近傍における酸素透過膜16の直下に位置する細胞室17内の膵島には十分な酸素が供給される。しかし、当該ルートから遠い空洞部13の内周面13a近傍の酸素透過膜16直下における細胞室17内の膵島には十分な酸素が供給されない恐れがある。
このような比較例の場合に比べて、図3の例では、導入流路14の入口から導入された酸素は迂回部19によって矢印29で示すように迂回して流れる。そのため、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直線距離で結んだルートの近傍から遠い空洞部13の内周面13a近傍の酸素透過膜16直下における細胞室17内の膵島にも、充分な酸素を供給することができる。
この場合、迂回部19直下の酸素透過膜16の部分は、迂回部19の先端19aと所定の間隔が空いているため、酸素の透過を阻害しない。よって、迂回部19直下の細胞室17内の膵島にも十分な酸素を供給することができる。
この場合、迂回部19直下の酸素透過膜16の部分は、迂回部19の先端19aと所定の間隔が空いているため、酸素の透過を阻害しない。よって、迂回部19直下の細胞室17内の膵島にも十分な酸素を供給することができる。
このように、本実施例1の移植用細胞収容装置1及び移植用細胞収容システム21によれば、空洞部13の直下の細胞室17内に収容された膵島の細胞の全体にまんべんなく酸素を供給することができる。しかも、この供給される酸素は酸素透過膜16を介して供給されるもので、導入流路14から空気と共に侵入する等の異物は酸素透過膜16によってシャットダウンされて、細胞室17内の膵島の細胞に付着するようなことはなく、膵島の細胞に悪影響を与えることがない。
[実験例]
実験例として、3Dプリンタを用いて、迂回部19を備える筐体11を造形した後に、接着剤を用いて酸素透過膜16と免疫隔離膜18を筺体11に接着して移植用細胞収容装置1とした。そして、導入流路14からポンプ26を用いて空気を空洞部13の導入することで、酸素透過膜16を介して細胞室17に酸素がまんべんなく供給されることが確認された。
実験例として、3Dプリンタを用いて、迂回部19を備える筐体11を造形した後に、接着剤を用いて酸素透過膜16と免疫隔離膜18を筺体11に接着して移植用細胞収容装置1とした。そして、導入流路14からポンプ26を用いて空気を空洞部13の導入することで、酸素透過膜16を介して細胞室17に酸素がまんべんなく供給されることが確認された。
以下の各実施例は、実施例1と迂回部19の構成が異なるのみである。そのため、実施例1と共通の部材等には実施例1と共通の符号を用い、詳細な説明は省略する。
図4は、本実施例2に係る移植用細胞収容装置1の縦断面図である。本実施例2が実施例1と異なるのは、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることである。
また、迂回部19は、先端19aに向かって先細り形状をなしている点も本実施例2が実施例1と異なる点である。
図4は、本実施例2に係る移植用細胞収容装置1の縦断面図である。本実施例2が実施例1と異なるのは、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることである。
また、迂回部19は、先端19aに向かって先細り形状をなしている点も本実施例2が実施例1と異なる点である。
実施例1では、迂回部19の先端19aと酸素透過膜16との間に隙間があるため、導入流路14の入口と排出流路15の出口との直近のルートで当該隙間を通って排出流路15から排出されてしまう酸素が多くなる可能性がある。すなわち、その分、細胞室17の膵島の細胞全体にまんべんなく酸素を供給する効率は低減する可能性もある。
しかし、本実施例2では、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接している。そのため、導入流路14の入口と排出流路15の出口との直近のルートを通過する酸素は皆無である。導入流路14から空洞部13内に流入した全ての酸素は、図3で矢印29に示したのと同様な迂回ルートを通過し、空洞部13の酸素は効率良く細胞室17の膵島の細胞全体にまんべんなく供給し易くなる。
但し、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることで、当該先端19aが接している酸素透過膜16の部分の直下に存在している膵島には酸素がいきわたりにくくなる可能性が生じる。
但し、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることで、当該先端19aが接している酸素透過膜16の部分の直下に存在している膵島には酸素がいきわたりにくくなる可能性が生じる。
しかし、本実施例2では、迂回部19は、先端19aに向かって先細り形状をなしているため、当該先端19aが接している酸素透過膜16の部分の面積を小さくすることができる。そのため、当該先端19aが接している酸素透過膜16部分直下の細胞室17の面積を小さくすることができるので、当該部分に存在する膵島に酸素がいきわたりにくくなることを抑制することができる。
図5は、本実施例3に係る移植用細胞収容装置1の縦断面図である。本実施例3が実施例1と異なるのは、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることである。
また、迂回部19は、多孔質材料で形成されている点も本実施例3が実施例1と異なる点である。
また、迂回部19は、多孔質材料で形成されている点も本実施例3が実施例1と異なる点である。
実施例2と同様に、本実施例3では、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接している。そのため、導入流路14の入口と排出流路15の出口との直近のルートを通過する酸素は皆無である。導入流路14から空洞部13内に流入した全ての酸素は、図3で矢印29に示すような大きな迂回ルートを通過し、空洞部13の酸素は効率良く細胞室17の膵島の細胞全体にまんべんなく供給し易くなる。
但し、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることで、当該先端19aが接している酸素透過膜16の部分の直下に存在している膵島には酸素がいきわたりにくくなる可能性が生じる。
但し、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16と接していることで、当該先端19aが接している酸素透過膜16の部分の直下に存在している膵島には酸素がいきわたりにくくなる可能性が生じる。
しかし、本実施例3では、迂回部19は多孔質材料で形成されている。そのため、空洞部13内の酸素は多孔質材料に形成された孔を通過し、迂回部19の先端19aが接している酸素透過膜16の部分を介して、当該部分直下の細胞室17における膵島に充分に酸素が供給される。よって、迂回部19の先端19aが酸素透過膜16に接していても当該部分の膵島に酸素がいきわたりにくくなることを抑制することができる。
図6は、本実施例4に係る移植用細胞収容装置1の空洞部13の平面図である。本実施例4が実施例1と異なるのは、次の点である。すなわち、迂回部19が、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直近で結ぶ位置の近傍19dに比べて、それ以外の部分は、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを結ぶ方向(図8における矢印111の方向)の幅が短く形成されている。すなわち、図6に示されている迂回部19を平面視した形状は、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直近で結ぶ位置の近傍19dでは、図6の左右方向の幅が長い。これに対して、当該直近で結ぶ位置から遠ざかるに従って、図6の左右方向の幅が漸次短くなっている。図6に示された例では迂回部19は平面視した形状が菱形をしている。しかし、本実施例4は、係る形状を菱形に限定するものではない。
本実施例4では、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを結ぶ方向と直交する方向の両端部19c側で迂回部19の先端部19a(図1参照)の面積が狭くなることになる。これにより、図3と図6とを比較して明らかなように、本実施例4では迂回部19の先端部19aの面積を全体として狭くできる。よって、迂回部19の先端部19aが酸素透過膜16に接していても、当該酸素透過膜16の接触部分直下における細胞室17の面積を限定でき、当該直下に存在する膵島に酸素がいきわたりにくくなることを抑制することができる。
図7は、本実施例5に係る移植用細胞収容装置1の空洞部13の平面図である。本実施例5が実施例1と異なるのは、次の点である。すなわち、迂回部19が、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直近で結ぶ位置の近傍19dに比べて、それ以外の部分は、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを結ぶ方向(図8における矢印111の方向)の幅が長く形成されている。すなわち、図7に示されている迂回部19を平面視した形状は、導入流路14の入口と排出流路15の出口とを直近で結ぶ位置の近傍19dでは、図7の左右方向の幅が短い。これに対して、当該直近で結ぶ位置から最も遠い両端部19bでは、図7の左右方向の幅が長くなっている。図7に示された例では迂回部19は平面視した形状がH字形状をしている。しかし、本実施例5は、係る形状をH字形状に限定するものではない。
この場合の導入流路14の入口から排出流路15の出口にかけての酸素の流れを矢印31で図7中に示している。迂回部19が前記の形状であるため、酸素の流れを示す矢印31も内周面13aに沿うように大きく蛇行(迂回)している。実施例1における図3の矢印29と比較すれば、その点は明らかである。よって、本実施例5によれば、細胞室17の広い範囲に分布している膵島に対してまんべんなく酸素を供給することが可能となる。
しかしながら、本実施例5では、図7を図3及び図6と比較して明らかなように、迂回部19の先端部19a(図1参照)を酸素透過膜16に接触させると、その接触部分の直下における細胞室17の面積が広くなりやすい。従って、その点では細胞室17の膵島に対して充分に酸素が供給できない可能性がある。そこで、迂回部19の先端部19a(図1参照)を酸素透過膜16に接触させる際には、本実施例5の迂回部19は実施例2のように先端部19aを先細り形状にし、あるいは、実施例3のように迂回部19を多孔質材料で形成することが望ましい。また、実施例1のようにするのでもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、前記の例では細胞室17に膵島の細胞を収容して1型糖尿病を治療する例を具体例に挙げたが、細胞室17に膵島以外の細胞を収容して人間や動物の生体内に移植して、様々な医療効果を発生させることに用いることができる。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、前記の例では細胞室17に膵島の細胞を収容して1型糖尿病を治療する例を具体例に挙げたが、細胞室17に膵島以外の細胞を収容して人間や動物の生体内に移植して、様々な医療効果を発生させることに用いることができる。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1 移植用細胞収容装置
11 筐体
13 空洞部
14 導入流路
15 排出流路
16 酸素透過膜
17 細胞室
18 免疫隔離膜
19 迂回部
19a 先端部
21 移植用細胞収容システム
22 酸素供給装置
11 筐体
13 空洞部
14 導入流路
15 排出流路
16 酸素透過膜
17 細胞室
18 免疫隔離膜
19 迂回部
19a 先端部
21 移植用細胞収容システム
22 酸素供給装置
Claims (8)
- 筐体と、
前記筐体の内部に形成された空洞部と、
前記空洞部に接続され外部から当該空洞部内に酸素を導入する導入流路と、
前記空洞部に接続され当該空洞部内の気体を排出する排出流路と、
筐体の内部に形成され細胞が収容される細胞室と、
前記空洞部と前記細胞室とを仕切るように前記筐体に設けられている酸素透過膜と、
前記細胞室の外部側を閉じるように前記筐体に設けられている免疫隔離膜と、
前記空洞部内の前記導入流路の出口と前記排出流路の入口との間に設けられて、前記導入流路から前記空洞部内に導入された前記酸素を前記空洞部の内周面側を迂回して前記排出流路に至るようにさせる迂回部とを備え、
生体内に移植されることを特徴とする移植用細胞収容装置。 - 前記迂回部は、前記空洞部内の内壁面における前記導入流路の出口と前記排出流路の入口との間から延出していて、その先端は前記酸素透過膜と間隔を空けて対峙することを特徴とする請求項1に記載の移植用細胞収容装置。
- 前記迂回部は、前記空洞部内の内壁面における前記導入流路の出口と前記排出流路の入口との間から延出していて、その先端は前記酸素透過膜と接することを特徴とする請求項1に記載の移植用細胞収容装置。
- 前記迂回部は、前記空洞部内の内壁面における前記導入流路の出口と前記排出流路の入口との間から延出していて、その先端は前記酸素透過膜に向かって先細り形状をなすことを特徴とする請求項3に記載の移植用細胞収容装置。
- 前記迂回部は、多孔質材料で形成されることを特徴とする請求項3に記載の移植用細胞収容装置。
- 前記迂回部は、前記出口と前記入口とを直近で結ぶ位置の近傍に比べて、それ以外の部分は、前記出口と前記入口とを結ぶ方向の幅が短く形成されることを特徴とする請求項3に記載の移植用細胞収容装置。
- 前記迂回部は、前記出口と前記入口とを直近で結ぶ位置の近傍に比べて、それ以外の部分は、前記出口と前記入口とを結ぶ方向の幅が長く形成されることを特徴とする請求項1に記載の移植用細胞収容装置。
- 請求項1乃至請求項7の何れかの一項に記載の移植用細胞収容装置と、
前記移植用細胞収容装置の前記導入流路と配管で接続され当該導入流路を介して前記空洞部に酸素を供給する酸素供給装置とを備える移植用細胞収容システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018133831A JP2020010619A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システム |
PCT/JP2019/023372 WO2020017195A1 (ja) | 2018-07-17 | 2019-06-12 | 移植用細胞収容装置、移植用細胞収容システム及び酸素供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018133831A JP2020010619A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020010619A true JP2020010619A (ja) | 2020-01-23 |
Family
ID=69170468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018133831A Pending JP2020010619A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 移植用細胞収容装置及び移植用細胞収容システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020010619A (ja) |
-
2018
- 2018-07-17 JP JP2018133831A patent/JP2020010619A/ja active Pending
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