JP2020010501A - 回転電機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁石を使用するロータを備えた回転電機を対象としてトルク制御の精度を向上させること。【解決手段】ロータに磁石が設けられた回転電機の制御装置であって、回転電機の無負荷誘起電圧波形から、磁石の起磁力を推定する推定手段と、推定された起磁力に応じて、回転電機のトルク指令に対する電流値および電流位相を設定する設定手段とを備える。【選択図】図7
Description
本発明は、回転電機の制御装置に関する。
特許文献1には、マグネットトルクとリラクタンストルクとの合成トルクに基づいて回転電機の駆動を制御する制御装置について、ロータに設けられた磁石の温度に基づいて、電流位相を合成トルクが最大となる最適電流位相を設定し、その磁石温度が予め定められた閾値以上の場合には、電流位相を最適電流位相よりも遅角側に設定することが開示されている。
ところで、回転電機に適用される磁石(永久磁石)では、高温時にいわゆる減磁が発生することが知られている。この磁石の減磁について、高温時に逆磁界が入力された部位では、温度が低下しても起磁力が元に戻らなくなってしまう、不可逆減磁が発生する場合がある。特許文献1に記載の構成では、磁石温度のみで判断するため、温度が低下した後でも不可逆減磁が発生すると、所望のトルクを出力できない虞がある。このように、不可逆減磁を考慮せずに回転電機の駆動を制御すると、トルク制御の精度が低下してしまう。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、磁石を使用するロータを備えた回転電機を対象としてトルク制御の精度を向上させることができる回転電機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、ロータに磁石が設けられた回転電機の制御装置であって、回転電機の無負荷誘起電圧波形から、磁石の起磁力を推定する推定手段と、推定された起磁力に応じて、回転電機のトルク指令に対する電流値および電流位相を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、推定された起磁力に応じて回転電機の電流値と電流位相とを設定するので、磁石の減磁を考慮でき、トルク制御の精度が向上する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における回転電機の制御装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態のシステム構成を模式的に示す図である。図1に示すように、実施形態のシステム構成は、モータ1と、インバータ2と、昇圧部3と、バッテリ4と、制御装置100とを備える。バッテリ4の電力を昇圧部3およびインバータ2を介してモータ1に供給することによってモータ1が駆動する。制御装置100は、モータ1の駆動を制御するものである。
モータ1は、マグネットトルクとリラクタンストルクとを発生させる回転電機であり、バッテリ4から供給される電力によって駆動する。図1に示すように、モータ1はインバータ2および昇圧部3を介してバッテリ4と電気的に接続されている。また、モータ1とインバータ2とが三相のコイル(U相、V相、W相のコイル)を介して電気的に接続されている。つまり、モータ1は、回転子に永久磁石が設けられた回転電機であり、三相のコイルに電流が流れることによって駆動する。このモータ1は電動機としてだけではなく発電機としても機能する。
図2に示すように、モータ1は、ステータ10と、ロータ20とを備える。ステータ10は、環状構造に形成され、その内周部に突極としてのステータ歯11を複数備える。各ステータ歯11にはコイル12が巻回されている。コイル12は、三相のコイル(U相、V相、W相のコイル)である。ロータ20は、ステータ10の径方向内側に配置され、ロータ軸(図示せず)と一体回転する。ロータ20には、永久磁石21が設けられている。永久磁石21は、ボンド磁石により構成される。図2に示す例では、ロータ20に軸方向に沿って延設された磁石用スロットにボンド磁石からなる永久磁石21が充填されている。また、複数の永久磁石21を、ロータ20の周方向に所定間隔を空けて配置することによって、ロータ20に磁気的な突極性を持たせている。ステータ10の回転磁界がロータ20に作用したときに、モータ1にはマグネットトルクとリラクタンストルクとが発生する。
インバータ2は、三相の電流をコイル12に通電できるように複数のスイッチング素子を備えた電気回路(インバータ回路)によって構成されており、インバータ回路に接続されたそれぞれのコイル12に対して相ごとに電流を流す。インバータ2を構成するインバータ回路は、一つのコンデンサと、相ごとに設けられた複数のトランジスタおよびダイオードとを備える。例えば、各相の回路(U相、V相、W相の回路)は、二つのトランジスタと、二つのダイオードとを備える。
昇圧部3は、モータ1に印加する電圧を昇圧するものであり、例えば昇圧コンバータによって構成される。図1に示すように、インバータ2とバッテリ4との間に昇圧部3が設けられている。
バッテリ4は、モータ1に供給する電力を充電する蓄電装置である。モータ1が電動機として機能する場合には、バッテリ4に充電されていた電力がモータ1に供給される。モータ1が発電機として機能する場合には、モータ1で発電された電力をバッテリ4に充電することが可能である。
制御装置100は、モータ1を駆動制御する電子制御装置(ECU)によって構成される。この制御装置100は、CPUと、各種プログラム等のデータが格納された記憶部と、モータ1を駆動制御するための各種の演算を行う演算処理部とを備える。また、制御装置100には、モータ1の回転数を検出する回転数センサ31からレゾルバ信号が入力される。演算処理部は、そのレゾルバ信号に基づいてモータ1の回転数を演算するなど、モータ制御のための演算処理を行う。そして、演算処理部における演算の結果、インバータ2を制御するための指令信号が制御装置100からインバータ2に出力される。このように、制御装置100はインバータ2を制御することによってモータ1に印加する電圧および電流を制御する。
例えば、制御装置100は、レゾルバ信号から、回転方向におけるステータ歯11とロータ突極との相対的な位置関係に基づいて、通電対象となるコイル12の切り替えを相ごとに繰り返す制御を実行する。この制御において制御装置100は、ある相のコイル12に励磁電流を流してステータ歯11を励磁させ、ステータ歯11とロータ突極との間に磁気吸引力を発生させることによって、リラクタンストルクによりロータ20を回転させる。このように、永久磁石21によるマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも得られる。そのため、制御装置100は、マグネットトルクとリラクタンストルクとを合成した合成トルクに基づいて、モータ1の駆動を制御する。
マグネットトルクは、永久磁石21の温度が変化することによって増減する。そこで、永久磁石21の温度が変化してマグネットトルクが増減することを考慮するために、制御装置100は、永久磁石21の温度(磁石温度)に基づいて、電流位相を合成トルクが最大となる最適電流位相に設定する位相設定部を有する。制御装置100には、永久磁石21の温度を検出する温度センサ(図示せず)からの信号が入力される。制御装置100は、この温度センサから入力された信号を用いて演算処理を実施するとともに、温度履歴情報として記憶部に記録することもできる。また、制御装置100の位相設定部は、磁石温度が予め定められた閾値以上である場合に、電流位相を最適電流位相よりも遅角側に設定し、あるいは電流値を上昇させることもできる。
また、永久磁石21は、高温時などの使用条件によって減磁が発生する。永久磁石21の減磁について、高温時に逆磁界が入力された部位では、温度が低下しても起磁力が元に戻らなくなってしまう、不可逆減磁が発生する場合がある。特に、ボンド磁石のような保磁力が比較的低い磁石では、モータ1の実使用域でも各部位ごとに減磁が発生し、減磁量が異なるということが起こり得る。この磁石の保磁力の強さと減磁の発生との関係について図3および図4を参照して説明する。
図3は、保磁力と磁束密度との関係を示す図である。焼結磁石のような保磁力の強い磁石では、図3に破線で示す減磁曲線(B−Hカーブ)のように、B−Hカーブの角形性が良い。保磁力の強い磁石は、例えばNd焼結磁石など、希土類を含有する焼結磁石である。一方、ボンド磁石のような保磁力の弱い磁石では、図3に実線で示す減磁曲線のように、B−Hカーブの角形性が良くない。そして、図4に示すように、保磁力が弱く角形性が良くない磁石は、逆磁界を受けると、B−Hカーブに沿って動作点が変化する。逆磁界を受ける前の動作点P1から、B−Hカーブ上を移動して、B−Hカーブ上の動作点P2に変化する。そして、逆磁界をなくして元に戻そうとすると、リコイル線に沿って動作点が変化する。逆磁界を受けていた動作点P2から、リコイル線上を移動して、逆磁界をなくした後の動作点P3に変化する。しかし、逆磁界を受けた後の起磁力(磁束)は、元通りには完全に戻らず、減磁が発生してしまう。逆磁界をなくした後の動作点P3の磁束密度は、逆磁界を受ける前の動作点P1の磁束密度よりも減っている。このように逆磁界が弱まった後でも起磁力が回復しないこと(不可逆減磁)が起こる。不可逆減磁が発生すると、磁束密度の減少量(減磁量)に応じて磁石の起磁力が低下する。なお、図4に示すB−Hカーブは保磁力の弱い磁石の初期性能を表すものである。
このように、減磁が発生すると、指令トルクに対して実際に出力されるトルク(実トルク)が乖離する可能性がある。これを抑制するために、制御装置100では、減磁による起磁力の低下を考慮して、モータ1へ通電する際の電流値および電流位相を決定する。そして、制御装置100は、決定した電流値および電流位相を含む電流条件によってモータ1へ通電する。
具体的には、制御装置100は、これまでのモータ1の使用負荷(磁石温度と電流位相、電流値)の積算、もしくは永久磁石21への負荷が最大となる使用条件(磁石温度と電流位相、電流値)を記憶部に記録する。そして、制御装置100は、記録された使用負荷または使用条件に応じて、モータ1の電流位相および電流値を設定する。
図5は、電流値および電流位相を設定する制御フローを示すフローチャートである。図5に示す制御は制御装置100によって実施される。
制御装置100は、磁石温度履歴と、電流通電履歴とを読込む(ステップS1)。磁石温度履歴は、永久磁石21の温度を記録した履歴情報である。電流通電履歴は、モータ1に通電した電流値の履歴情報であり、例えば制御装置100からインバータ2に出力された指令電流を記録した履歴情報である。ステップS1では、制御装置100の記憶部に記録されている情報を読込む。
制御装置100は、磁石現状温度を読込む(ステップS2)。磁石現状温度は、永久磁石21の現在の温度を表す情報である。ステップS2では、永久磁石21の温度を検出する温度センサからの入力信号に基づいて現在の磁石温度を読込む。
制御装置100は、指令トルクと、回転数と、電圧とを読込む(ステップS3)。指令トルクは、制御装置100からインバータ2に出力される指令信号としてのモータ1のトルク指令値である。回転数は、回転数センサ31からのレゾルバ信号に基づいて演算されるモータ1の回転数である。電圧は、モータ1に印加される電圧である。この電圧は制御装置100により演算された値である。
制御装置100は、磁石温度履歴と、電流通電履歴と、磁石現状温度と、指令トルクと、回転数と、電圧とに応じて、指令電流と位相とをマップから読込む(ステップS4)。マップは、制御装置100の記憶部に予め記憶されたマップであり、電流値と電流位相とを求めることが可能なマップである。例えば電流値についてトルクと回転数との関係を規定したT−Nマップなどを含まれる。ステップS4では、ステップS1で読込まれた磁石温度履歴と電流通電履歴、ステップS2で読込まれた磁石現状温度、ステップS3で読込まれた指令トルクと回転数と電圧、記憶部に予め記憶されたマップ、を用いて、モータ1の電流値と電流位相とを設定する。例えば、指令トルクと回転数から指令電流を求める。そして、この指令電流と磁石温度とに基づいて電流位相を設定する。この場合、電流位相と磁石温度との関係を規定するマップに基づいて、磁石温度から電流位相を設定してもよい。
制御装置100は、上記マップに基づいて設定された指令電流および位相に基づいてモータ1へ通電する(ステップS5)。ステップS5では、制御装置100からインバータ2へ指令信号が出力される。
以上説明した通り、実施形態によれば、永久磁石21の不可逆減磁を考慮して電流値と電流位相とを設定することができるため、実トルクと指令トルクとの乖離が抑制される。これにより、トルク制御の精度が向上する。その結果、永久磁石21の実際の起磁力に応じた最適な電流条件によってモータ1の駆動制御を実施できるため、モータ1が精度よく動作する。例えば、モータ1を走行用動力源として車両に搭載する場合には、車両の走行性能が向上する。さらに、モータ1の高効率化を図れるため、車両の燃費あるいは電費が向上する。また、モータ1についての冷却システムを簡素化できるため、車両の燃費あるいは電費の向上を図れる。
また、実施形態の変形例として、永久磁石21の起磁力を推定して、その推定値に基づいて電流値と電流位相とを設定してもよい。この変形例の制御装置100では、モータ1の無負荷誘起電圧波形から永久磁石21の起磁力を推定して、電流値および電流位相を設定する。この無負荷誘起電圧を用いて起磁力を推定する変形例について、図6および図7を参照して説明する。
図6は、減磁前後での無負荷誘起電圧波形を示す図である。図6に実線で示す減磁前の波形と破線で示す減磁後の波形を比較すると、モータ1の無負荷誘起電圧は、永久磁石21の減磁が発生した後は低下する(絶対値が小さくなる)。そこで、変形例の制御装置100は、予めマップを記録させておいた上で、モータ1の相電圧をセンシングして、無負荷誘起電圧から永久磁石21の起磁力(減磁量)を推定する。つまり、制御装置100は、無負荷誘起電圧に基づいて永久磁石21の起磁力を推定する推定部を有する。そして、制御装置100は、起磁力の推定値に基づいて、モータ1のトルク指令に対する電流値と位相とを設定する。この場合、無負荷誘起電圧をモニタするために、モータ1の相電圧を検出する電圧計を設けてもよい。その電圧計からの信号が制御装置100に入力される。また、位相設定部は、起磁力の推定値に応じて電流位相を設定することができる。
図7は、無負荷誘起電圧に応じて電流値および電流位相を設定する制御フローを示すフローチャートである。なお、図7に示す制御フローは制御装置100によって実施される。また、図7に示すステップS12、S13、S15は、上述した図5に示すステップS2、S3、S5と同じ処理のため、説明を省略する。
制御装置100は、無負荷誘起電圧を読込む(ステップS11)。無負荷誘起電圧は、ロータ20を外力によって回転させた場合に発生する誘導起電力である。ステップS11では、モータ1の相電圧を検出する電圧計によって相電圧をセンシングして、無負荷誘起電圧をモニタリングする。
また、制御装置100は、無負荷誘起電圧と、磁石現状温度と、指令トルクと、回転数と、電圧とに応じて、指令電流と位相とをマップから読込む(ステップS14)。ステップS14では、ステップS11で読込まれた無負荷誘起電圧、ステップS12で読込まれた磁石現状温度、ステップS13で読込まれた指令トルクと回転数と電圧、制御装置100の記憶部に予め記憶されたマップ、を用いて、モータ1の電流値と電流位相とを設定する。このマップは、無負荷誘起電圧に応じて指令電流と電流位相とを求めることが可能なマップを含む。そのマップの一例として、上述した図6に示された減磁前後での無負荷誘起電圧波形のように、無負荷誘起電圧から減磁量を推定することが可能なマップが挙げられる。つまり、ステップS14では、無負荷誘起電圧波形から永久磁石21の起磁力(減磁量)を推定する。そのうえで、ステップS14では、推定した起磁力に基づいて、モータ1の電流値と電流位相とを設定する。
上述した変形例のように、無負荷誘起電圧を用いて永久磁石21の減磁量を推定し、その推定値に基づいて指令電流および電流位相を設定するができるので、トルク制御の精度が向上する。
また、実施形態の別の変形例として、実際の電流波形(実通電波形)の履歴に基づいて電流値と電流位相を設定してもよい。この変形例の制御装置100では、モータ1の相電流をセンシングし、実際に通電された電流値(実電流値)を記録して、その記録された実電流値の履歴に基づいて電流位相および電流値を設定する。この実電流履歴を用いる変形例について、図8および図9を参照して説明する。
図8は、実電流波形と指令値とを示す図である。図8に実線で示す実電流波形は、破線で示す理想的な正弦波(指令値)からの乖離が生じることがある。例えば、実電流値が指令値よりも上振れする領域では想定していたよりも逆磁界が生じて減磁(不可逆減磁)が発生する可能性がある。そこで、この変形例の制御装置100は、モータ1の実際の相電流をセンシングして、実電流波形の履歴に基づいて、モータ1のトルク指令に対する電流値と位相とを設定する。この場合、モータ1の相電流を検出する電流計を設けてもよい。その電流計からの信号が制御装置100に入力される。また、位相設定部は、実電流波形の履歴に応じて電流位相を設定することができる。
図9は、実電流波形の履歴に応じて電流値および電流位相を設定する制御フローを示すフローチャートである。なお、図9に示す制御フローは制御装置100によって実施される。また、図9に示すステップS22、S23、S25は、上述した図5に示すステップS2、S3、S5と同じ処理のため、説明を省略する。
制御装置100は、磁石温度履歴、電流実通電履歴を読込む(ステップS21)。電流実通電履歴は、実電流値の履歴情報であり、実電流波形の履歴を含む。ステップS21では、制御装置100の記録部に記憶されている実電流波形の履歴を読込む。なお、実電流波形の履歴は、電流計により相電流をセンシングした履歴として制御装置100の記憶部に記録されている。
また、制御装置100は、磁石温度履歴と、電流実通電履歴と、磁石現状温度と、指令トルクと、回転数と、電圧とに応じて、指令電流と位相とをマップから読込む(ステップS24)。ステップS24では、ステップS21で読込まれた磁石温度履歴と電流実通電履歴、ステップS22で読込まれた磁石現状温度、ステップS23で読込まれた指令トルクと回転数と電圧、制御装置100の記憶部に予め記憶されたマップ、を用いて、モータ1の電流値と電流位相とを設定する。このマップは、電流実通電履歴に応じて指令電流と電流位相とを求めることが可能なマップを含む。例えば、上述した図8に示された実電流波形と指令値の波形のように、指令値に対して実電流波形が上振れする履歴から、減磁の発生を推定することが可能なマップが挙げられる。このステップS24では、電流実通電履歴から永久磁石21の起磁力(減磁量)を推定し、推定した起磁力に基づいて、モータ1の電流値と電流位相とを設定する。
上述した別の変形例のように、モータ1への実電流波形の履歴を用いて指令電流および電流位相を設定することによって、永久磁石21の減磁を考慮できるため、トルク制御の精度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態および変形例では、温度センサによって永久磁石21の温度を検出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステータ10の温度(ステータ温度)を検出する温度センサを設け、その温度センサにより測定したステータ温度に基づいて永久磁石21の温度を算出してもよい。同様に、コイル12の温度(コイル温度)を検出する温度センタを用いてコイル温度から、永久磁石21の温度を算出してもよい。このように、磁石温度の測定値を用いる構成に限らず、制御装置100が永久磁石21の温度を推定する構成であってもよい。
また、昇圧部3は、必ずしも設けられていなくてもよい。例えば、昇圧部3の代わりに降圧部(降圧コンバータ)が設けられてもよい。あるいは、バッテリ4とインバータ2との間にコンバータ(昇圧部3も降圧部もどちらも)が設けられていなくもよい。
さらに、永久磁石21は、保磁力の弱いボンド磁石に限らず、保磁力の強い希土類磁石(合金磁石)であってもよい。例えば、永久磁石21が焼結磁石により構成される場合、図10に示すように、ロータ20に形成された磁石用スロットに、焼結磁石からなる永久磁石21が挿入されている。
1 モータ
2 インバータ
3 昇圧部
4 バッテリ
10 ステータ
11 ステータ歯
12 コイル
20 ロータ
21 永久磁石
31 回転数センサ
100 制御装置
2 インバータ
3 昇圧部
4 バッテリ
10 ステータ
11 ステータ歯
12 コイル
20 ロータ
21 永久磁石
31 回転数センサ
100 制御装置
Claims (1)
- ロータに磁石が設けられた回転電機の制御装置であって、
前記回転電機の無負荷誘起電圧波形から、前記磁石の起磁力を推定する推定手段と、
前記推定された起磁力に応じて、前記回転電機のトルク指令に対する電流値および電流位相を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする回転電機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018129404A JP2020010501A (ja) | 2018-07-06 | 2018-07-06 | 回転電機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018129404A JP2020010501A (ja) | 2018-07-06 | 2018-07-06 | 回転電機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020010501A true JP2020010501A (ja) | 2020-01-16 |
Family
ID=69152632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018129404A Pending JP2020010501A (ja) | 2018-07-06 | 2018-07-06 | 回転電機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2018
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