JP2020009674A - 接点装置及び電磁継電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常電流が流れた場合における可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点装置及び電磁継電器を提供する。【解決手段】接点装置1は、固定接点311,321を有する固定端子31,32と、可動接触子8と、電路片224及び電路片226とを備える。電路片224及び電路片226は、可動接触子8の移動方向から見て可動接触子8に対して同一側に配置されている。電路片224では、可動接触子8に流れる電流の向きとは反対の向きに電流が流れる。電路片226では、可動接触子8に流れる電流の向きと同一の向きに電流が流れる。電路片226が前後方向から見て可動接触子8に重なっている場合には、電路片226は、可動接触子8の移動方向における両端部のうち少なくとも固定接点311,321に近い端部と重なっている。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に接点装置及び電磁継電器に関し、より詳細には固定接点に対する可動接点の接触/離間を切替可能な接点装置及び電磁継電器に関する。
特許文献1には、接点で電流を入り切りする接点装置が記載されている。
特許文献1に記載された接点装置では、電磁石装置の励磁コイル(励磁用巻線)に通電することで生じる電磁力によって、接点装置が有する可動接触子を移動させて、接点装置が有する固定端子の固定接点に可動接触子の可動接点を接触させる。これにより、固定端子と可動接触子とが接続される。
特開2014−232668号公報
上述したような接点装置では、例えば、短絡電流等の異常電流が流れた場合、可動接触子には、可動接点を固定接点から離す向きのローレンツ力(電磁反発力)が作用し、可動接点と固定接点との間の接続状態が不安定になる可能性がある。
本開示は上記課題に鑑みてなされ、異常電流が流れた場合における可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる接点装置及び電磁継電器を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る接点装置は、固定接点を有する固定端子と、可動接触子と、少なくとも一方が前記固定端子と電気的に接続された逆方向電路片及び順方向電路片とを備える。前記可動接触子は、可動接点を有し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する。前記可動接触子の一端から他端に向う方向に電流が流れる。前記逆方向電路片及び前記順方向電路片は、前記可動接触子の移動方向から見て前記可動接触子に対して同一側に配置されている。前記逆方向電路片は、前記可動接触子を流れる前記電流の方向に沿って延びている。前記逆方向電路片は、前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する方向から見て少なくとも一部が前記可動接触子に対して前記固定接点と反対側に位置するように配置されている。前記逆方向電路片では、前記可動接触子の前記他端から前記一端に向う方向に前記電流が流れる。前記順方向電路片は、前記可動接触子を流れる前記電流の方向に沿って延びている。前記順方向電路片は、前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する前記方向から見て少なくとも一部が前記可動接触子に対して前記固定接点と同一側に位置するように配置されている。前記順方向電路片では、前記可動接触子の前記一端から前記他端に向う方向に前記電流が流れる。前記逆方向電路片と前記順方向電路片とのうち一方の電路片が、前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する前記方向から見て前記可動接触子と重なっている。前記逆方向電路片が前記方向から見て前記可動接触子に重なっている場合には、前記逆方向電路片は、前記可動接触子の前記移動方向における両端部のうち少なくとも前記固定接点から遠い端部と重なっている。前記順方向電路片が前記方向から見て前記可動接触子に重なっている場合には、前記順方向電路片は、前記可動接触子の前記移動方向における両端部のうち少なくとも前記固定接点に近い端部と重なっている。
本開示の一態様に係る電磁継電器は、前記接点装置と、前記可動接触子を移動させる電磁石装置とを備える。前記電磁石装置は、励磁コイルと、前記励磁コイルに生じる磁束の経路の一部を形成する継鉄とを有する。
本開示によると、異常電流が流れた場合における可動接点と固定接点との間の接続状態の安定化を図ることができる。
図1Aは、一実施形態に係る電磁継電器の斜視図である。図1Bは、同上の電磁継電器のX1−X1断面図である。 図2は、同上の電磁継電器のX2−X2断面図である。 図3は、同上の電磁継電器が備える接点装置での電流の流れを説明する図である。 図4は、同上の接点装置が備えるバスバーに流れる電流で発生する磁束及び第1ヨークと第2ヨークとを通る磁束を説明するための図である。 図5は、同上の接点装置が備えるバスバーと可動接触子との位置関係を示す図である。 図6Aは、図2の断面図に相当し、同上の接点装置が備えるバスバーによる補助力を説明する図である。図6Bは、同上の接点装置の概略構成を示す平面図である。 図7は、第1の変形例の電磁継電器の断面図である。 図8A,図8Bは、第2の変形例の電磁継電器が備える接点装置での電流の流れを説明する図である。 図9は、第3の変形例の電磁継電器の断面図である。
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態及び変形例において、説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態)
以下、本実施形態に係る接点装置1及び電磁継電器100について、図1A〜図6Bを用いて説明する。
(1)構成
(1.1)全体構成
本実施形態に係る電磁継電器100は、接点装置1と、電磁石装置10とを備えている。接点装置1は、一対の固定端子31,32と、可動接触子8とを有する(図1B参照)。各固定端子31,32は、固定接点311,321を保持する。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
電磁石装置10は、可動子13及び励磁コイル14を有している(図1B参照)。電磁石装置10は、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって可動子13を吸引する。可動子13の吸引に伴って、可動接触子8が開位置から閉位置に移動する。本開示でいう「開位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321から離れるときの可動接触子8の位置である。本開示でいう「閉位置」は、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するときの可動接触子8の位置である。
また、本実施形態では、可動子13は、直線L上に配置され、直線Lに沿って直進往復移動するように構成されている(図1B及び図2参照)。励磁コイル14は、直線Lの周りに巻かれた導線(電線)にて構成されている。つまり、直線Lは、励磁コイル14の中心軸に相当する。
本実施形態では、接点装置1が、図1Aに示すように電磁石装置10と共に電磁継電器100を構成する場合を例として説明する。ただし、接点装置1は、電磁継電器100に限らず、例えばブレーカ(遮断器)又はスイッチ等に用いられていてもよい。本実施形態においては、電磁継電器100が電気自動車に搭載される場合を例とする。この場合において、走行用のバッテリから負荷(例えば、インバータ)への直流電力の供給路上に、接点装置1(固定端子31,32)が電気的に接続される。
(1.2)接点装置
次に、接点装置1の構成について説明する。
接点装置1は、図1A及び図1Bに示すように、一対の固定端子31,32、可動接触子8、筐体4及びフランジ5を備える。接点装置1は、更に、第1ヨーク6、第2ヨーク7、2つのカプセルヨーク23,24、2つの消弧用磁石(永久磁石)25,26、絶縁板41及びカバー50を備える。固定端子31は固定接点311を、固定端子32は固定接点321を、それぞれ保持している。可動接触子8は、導電性を有する金属材料からなる板状の部材である。可動接触子8は、一対の可動接点81,82を保持する。
以下では、説明のために固定接点311,321と可動接点81,82との対向方向を上下方向と定義し、可動接点81,82から見て固定接点311,321側を上方と定義する。さらに、一対の固定端子31,32(一対の固定接点311,321)の並んでいる方向を左右方向と定義し、固定端子31から見て固定端子32側を右方と定義する。つまり、以下では、図1Bの上下左右を上下左右として説明する。また、以下では、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図1Bの紙面に直交する方向)を、前後方向として説明する。ただし、これらの方向は接点装置1及び電磁継電器100の使用形態を限定する趣旨ではない。
一方の固定接点311は一方の固定端子31の一端部に保持されており、他方の固定接点321は他方の固定端子32の一端部に保持されている。
一対の固定端子31,32は、左右方向に並ぶように配置されている(図1B参照)。一対の固定端子31,32の各々は、導電性の金属材料からなる。一対の固定端子31,32は、一対の固定接点311,321に外部回路(バッテリ及び負荷)を接続するための端子として機能する。本実施形態では、一例として銅(Cu)で形成された固定端子31,32を用いることとするが、固定端子31,32を銅製に限定する趣旨ではなく、固定端子31,32は銅以外の導電性材料で形成されていてもよい。
一対の固定端子31,32の各々は、上下方向に直交する平面内での断面形状が円形状となる円柱状に形成されている。ここでは、一対の固定端子31,32の各々は、上端部(他端部)側の径が下端部(一端部)側の径よりも大きく、正面視がT字状となるように構成されている。一対の固定端子31,32は、筐体4の上面から一部(他端部)が突出した状態で、筐体4に保持される。具体的には、一対の固定端子31,32の各々は、筐体4の上壁に形成されている開口孔を貫通した状態で、筐体4に固定されている。
可動接触子8は、上下方向に厚みを有し、かつ前後方向よりも左右方向に長い板状に形成されている。可動接触子8は、その長手方向(左右方向)の両端部を一対の固定接点311,321に対向させるように、一対の固定端子31,32の下方に配置されている(図1B参照)。可動接触子8のうち、一対の固定接点311,321に対向する部位には、一対の可動接点81,82が設けられている(図1B参照)。
可動接触子8は、筐体4に収納されている。可動接触子8は電磁石装置10によって上下方向に移動される。これにより、可動接触子8は、閉位置と開位置との間で移動することになる。図1B及び図2は、可動接触子8が閉位置に位置する状態を示しており、この状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321に接触する。一方、可動接触子8が開位置に位置する状態では、可動接触子8に保持されている一対の可動接点81,82が、それぞれ対応する固定接点311,321から離れる。
したがって、可動接触子8が閉位置にあるとき、一対の固定端子31,32間は可動接触子8を介して短絡する。例えば、可動接触子8が閉位置にあれば、可動接点81,82が固定接点311,321に接触するので、固定端子31は、固定接点311、可動接点81、可動接触子8、可動接点82及び固定接点321を介して、固定端子32と電気的に接続される。そのため、バッテリ及び負荷の一方に固定端子31が電気的に接続され、他方に固定端子32が電気的に接続されていれば、可動接触子8が閉位置にあるときに、接点装置1はバッテリから負荷への直流電力の供給路を形成する。
ここで、可動接点81,82は、可動接触子8に保持されていればよい。そのため、可動接点81,82は、可動接触子8の一部が打ち出されるなどして可動接触子8と一体に構成されていてもよいし、可動接触子8とは別部材からなり、例えば溶接等により、可動接触子8に固定されていてもよい。同様に、固定接点311,321は、固定端子31,32に保持されていればよい。そのため、固定接点311,321は、固定端子31,32と一体に構成されていてもよいし、固定端子31,32とは別部材からなり、例えば溶接等により、固定端子31,32に固定されていてもよい。
可動接触子8は、中央部位に貫通孔83を有している。本実施形態では、貫通孔83は、可動接触子8における一対の可動接点81,82の中間に形成されている。貫通孔83は、可動接触子8を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔83は、後述するシャフト15を通すための孔である。
第1ヨーク6は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第1ヨーク6は、シャフト15の先端部(上端部)に固定されている。シャフト15は、可動接触子8の貫通孔83を通して可動接触子8を貫通しており、シャフト15の先端部(上端部)は、可動接触子8の上面から上方に突出する。そのため、第1ヨーク6は、可動接触子8の上方に位置する(図1B参照)。具体的には、第1ヨーク6は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と同一側に位置している。また、第1ヨーク6は、筐体4に固定されてもよい。すなわち第1ヨーク6は固定接点311、321に対して相対的に固定されていてもよい。
第2ヨーク7は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。第2ヨーク7は、可動接触子8の下面に固定されている(図1B参照)。具体的には、第2ヨーク7は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8の上下方向の面のうち可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側の面に固定されている(位置している)。これにより、第2ヨーク7は、可動接触子8の上下方向の移動に伴って上下方向に移動する。すなわち第2ヨーク7は、固定接点311、321に対して相対的に移動する。
第2ヨーク7は、中央部位に貫通孔71を有している。本実施形態では、貫通孔71は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔71は、第2ヨーク7を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔71は、シャフト15及び後述する接圧ばね17を通すための孔である。
第2ヨーク7は、前後方向の両端部に、上方に突出する一対の突出部72,73(図2参照)を有している。言い換えれば、第2ヨーク7の上面における前後方向の両端部には、可動接触子8が開位置から閉位置へと移動する向き(本実施形態では上方)と同じ向きに突出する突出部72,73が形成されている。
このような形状によれば、図4に示すように、一対の突出部72,73のうちの前方の突出部72の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の前端部61に、後方の突出部73の先端面(上端面)は、第1ヨーク6の後端部62にそれぞれ突き合わされる。したがって、図4に例示する向きで、可動接触子8を電流I1が流れた場合には、第1ヨーク6及び第2ヨーク7で形成される磁路を通る磁束φ1が生じる。このとき、第1ヨーク6の前端部61及び突出部73の先端面がN極、第1ヨーク6の後端部62及び突出部72の先端面がS極となることで、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。
カプセルヨーク23,24は、磁性体であって、例えば、鉄等の金属材料で形成されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26の磁束が通る磁気回路を形成する。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26を保持する。カプセルヨーク23,24は、前後方向の両側から筐体4を囲むように、筐体4に対して前後方向の両側に配置されている。
消弧用磁石25,26は、左右方向において互いに同極(例えばN極)が対向するように、又は異極が対向するように配置されている。消弧用磁石25,26は、筐体4に対して左右方向の両側に配置されている。カプセルヨーク23,24は、消弧用磁石25,26ごと筐体4を囲んでいる。消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に配置されている。可動接触子8が閉位置から開位置へと移動すると、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、放電電流(アーク)が生じる。消弧用磁石25,26は、固定接点311と可動接点81との間、及び固定接点321と可動接点82との間で、それぞれ生じたアークを引き延ばす。なお、消弧用磁石25,26は、可動接触子8の移動方向の一方から見て、固定接点311と固定接点321とが並ぶ方向に対して直交する方向に配置されてもよい。この場合、消弧用磁石25,26は、互いに同極(例えばN極)が対向するように配置される。
筐体4は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)等のセラミック製である。筐体4は、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。筐体4の下面は開口している。筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8と、第1ヨーク6と、第2ヨーク7と、を収容する。筐体4の上面には、一対の固定端子31,32を通すための一対の開口孔が形成されている。一対の開口孔は、それぞれ円形状に形成されており、筐体4の上壁を厚み方向(上下方向)に貫通している。一方の開口孔には固定端子31が通され、他方の開口孔には固定端子32が通されている。一対の固定端子31,32と筐体4とは、ろう付けによって結合される。
筐体4は、一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する箱状に形成されていればよく、本実施形態のような中空の直方体状に限らず、例えば中空の楕円筒状や、中空の多角柱状などであってもよい。つまり、ここでいう箱状は、内部に一対の固定接点311,321と、可動接触子8とを収容する空間を有する形状全般を意味しており、直方体状に限定する趣旨ではない。筐体4は、セラミック製に限らず、例えば、ガラス又は樹脂等の絶縁材料にて形成されていてもよいし、金属製であってもよい。筐体4は、磁気により磁性体とならない非磁性材料からなることが好ましい。
フランジ5は、非磁性の金属材料で形成されている。非磁性の金属材料は、例えば、SUS304等のオーステナイト系ステンレスである。フランジ5は、左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。フランジ5の上面及び下面は開口している。
例えば、フランジ5は、筐体4と電磁石装置10との間に配置される(図1B及び図2参照)。フランジ5は、筐体4、及び電磁石装置10の後述する継鉄上板111に対して気密接合されている。これにより、筐体4及びフランジ5と、継鉄上板111で囲まれた接点装置1の内部空間を、気密空間とすることができる。フランジ5は、非磁性でなくともよく、例えば、42アロイ等の鉄を主成分とする合金であってもよい。
絶縁板41は、合成樹脂製であって電気絶縁性を有する。絶縁板41は、矩形板状に形成されている。絶縁板41は、可動接触子8の移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。絶縁板41は、可動接触子8と固定接点311、321間から発生したアークによる短絡を防止する。
絶縁板41は、中央部位に貫通孔42を有している。本実施形態では、貫通孔42は、可動接触子8の貫通孔83に対応する位置に形成されている。貫通孔42は、絶縁板41を厚み方向(上下方向)に貫通している。貫通孔42は、シャフト15を通すための孔である。
カバー50は、非磁性体材料で、前後方向よりも左右方向に長い中空の直方体状に形成されている。カバー50は、固定端子31のかしめ部35及び固定端子32のかしめ部36を露出させ、筐体4を覆うように配置される。カバー50の前面51は、段差形状に形成されている(図1A参照)。また、カバー50には、カプセルヨーク23,24及び消弧用磁石25,26が保持されている。
接点装置1は、バスバー21,22を、更に備えている。
バスバー21,22は、導電性を有する金属材料(例えば、銅又は銅合金)にて構成されている。本実施形態では、バスバー21,22は、一例として銅にて構成されている。バスバー21,22は、帯板状に形成されている。本実施形態では、バスバー21,22は、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21の一端部は、例えば固定端子31に電気的に接続される。バスバー21の他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22の一端部は、例えば固定端子32に電気的に接続される。バスバー22の他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。
バスバー21は、固定端子31と機械的に接続される(図1B参照)。具体的には、バスバー21は、固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。
バスバー22は、7つの電路片221〜227を含んでいる。
電路片221は、固定端子32と機械的に接続される。具体的には、電路片221は、平面視において略長方形状であって、固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。
電路片222は、電路片221と連結しており、電路片221の右端部から下方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。電路片223は、電路片222と連結しており、電路片222の下端部から前方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。
電路片224(逆方向電路片)は、電路片223と連結しており、電路片223の前端部から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に延びるように、カバー50の前方に配置されている。電路片224の厚み方向(前後方向)は可動接触子8の移動方向(上下方向)と直交している。電路片224の幅方向は(上下方向)は可動接触子8の移動方向に配置されている。
電路片225(連結電路片)は、電路片224と連結しており、電路片224の左端部から上方に延びるように、カバー50の前方に配置されている。電路片225は、カバー50の前面51の形状に沿った形状、つまり段差を有した形状に形成されている。
電路片226(順方向電路片)は、電路片225と連結しており、電路片225の上端部から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に延びるように、カバー50の前方に配置されている。電路片226の厚み方向(前後方向)は可動接触子8の移動方向(上下方向)と直交している。電路片226の幅方向は(上下方向)は可動接触子8の移動方向に配置されている。
電路片227は、電路片226と連結しており、電路片226の右端部から前方に延びるように、カバー50の前方に配置されている。
本実施形態では、電路片224〜226は、可動接触子8の移動方向(上下方向)の一方から見て可動接触子8に対して同一側(ここでは、前方側)に配置されている。
また、電路片222の長さは、固定端子32の上下方向の長さ以上である。ここで、固定端子31,32の上下方向の長さは、固定端子32の上端縁から固定端子32の下端縁(固定接点321を含む)までの寸法である。
電路片225が設けられることにより、電路片224と電路片226との間には中空部500が存在する(図4及び図5参照)。
ここで、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向(可動接触子8の移動方向及び可動接触子8を流れる電流の方向の双方に直交する方向)の一方から見て、可動接触子8が電路片226の少なくとも一部と可動接触子8とが重なっている。具体的には、可動接触子8の位置が閉位置であるときに、前後方向の一方から見て、電路片226は、少なくとも可動接触子8の移動方向における可動接触子8の両端部85,86のうち固定接点311,321に近い端部(上端部)85と重なっている。つまり、可動接触子8の上端部85が電路片226の上端縁と電路片226の下端縁の間の範囲R1内に位置するように、電路片226は配置されている。本実施形態では、図5に示すように、上下方向における電路片226の両端部241,242のうち電路片224に近い端部241が、可動接触子8に重なっている。
また、電路片224の一部は、前後方向の一方から見て、後述する継鉄11の継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している(図5参照)。言い換えると、電路片224の一部は、前後方向の一方から見て継鉄上板111と励磁コイル14の一部とに重なっている。なお、電路片224の一部は、前後方向の一方から見て継鉄上板111のみに重なっていてもよい。つまり、電路片224の一部は、前後方向の一方から見て、継鉄上板111と重なる、又は継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している。また、電路片224の全てが、前後方向の一方から見て継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置してもよい。したがって、電路片224の少なくとも一部は、前後方向の一方から見て、継鉄上板111と重なる、又は継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置していればよい。
さらに、電路片224の長さ及び電路片226の長さが、それぞれ可動接点81と可動接点82との間の距離以上である。ここで、可動接点81と可動接点82との間の距離は、可動接点81と可動接点82との前後方向から見た最短距離である。
本実施形態では、電路片224が電路片223から左方に延び(突出し)、電路片226が電路片225から右方に延びる(突出する)。ここで、まず固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I1が流れる場合を想定する。このとき、電流I1は、バスバー21、固定端子31、可動接触子8、固定端子32、電路片221、電路片222、電路片223、電路片224、電路片225、電路片226及び電路片227の順に流れる(図3参照)。電路片224では電流I1は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れ、電路片226では電流I1は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れる。一方、可動接触子8では、電流I1は、左方から右方に流れる。反対に、固定端子32から固定端子31に向けて可動接触子8を電流I1が流れる場合、電路片224では電流I1は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れ、電路片226では電流I1は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れる。
つまり、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片226に流れる電流I1の向きは同一である。一方、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片224に流れる電流I1の向きは反対になる。
また、固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I1が流れる場合には、図6A及び図6Bに示すように、電路片224においては、電流I1は、右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れる。このとき、励磁コイル14に流れる電流I2の方向を、上方から見て時計回りと仮定する。すなわち、励磁コイル14のうち電路片224と対向する部位(励磁コイル14の前面側)においては、電流I2は、左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れる(図6B参照)。図6Aは、図2と同様の断面において、接点装置1の図示を省略した概念図である。さらに、図6Bでは、説明の都合上、接点装置1の構成要素の一部を省略している。
反対に、固定端子32から固定端子31に向けて可動接触子8を電流I1が流れる場合、電路片224においては電流I1は右方に流れる。このとき、励磁コイル14に流れる電流I2の方向を、上方から見て反時計回りと仮定する。すなわち、励磁コイル14のうち電路片225と対向する部位(励磁コイル14の前面側)においては、電流I2は、右方に流れる。
つまり、本実施形態では、電路片224は、図6A及び図6Bに示すように、励磁コイル14の軸方向の一方(上方)から見て、励磁コイル14の周方向の一部141の接線方向D1に沿って延びている。ここで、電路片224を流れる電流I1の向きは、励磁コイル14の通電時に励磁コイル14の周方向の一部141を流れる電流I2と同じ向きである。本実施形態では、励磁コイル14の周方向の一部141は、励磁コイル14の中心軸の前方に位置する励磁コイル14の前端部である。したがって、一部141の接線方向D1は左右方向である。図6Bでは、「接線」を一点鎖線で示し、この「接線」に「接線方向」の符号「D1」を付している。
(1.3)電磁石装置
次に、電磁石装置10の構成について説明する。
電磁石装置10は、接点装置1の可動接触子8に移動方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321が存在する側と反対側に位置している。
電磁石装置10は、図1B及び図2に示すように、固定子12と、可動子13と、励磁コイル14と、を有している。電磁石装置10は、励磁コイル14への通電時に励磁コイル14で生じる磁界によって固定子12に可動子13を吸引し、可動子13を固定子12に向けて移動させる。
電磁石装置10は、固定子12、可動子13及び励磁コイル14の他に、継鉄上板111を含む継鉄11と、シャフト15と、筒体16と、接圧ばね17と、復帰ばね18と、コイルボビン19と、を有している。
固定子12は、継鉄上板111の中央部から可動子13に向けて突出する形の円筒状に形成された固定鉄心である。固定子12の一端部は継鉄上板111に固定されている。
可動子13は、円柱状に形成された可動鉄心である。可動子13は、固定子12に対向させるように配置されている。可動子13は、上下方向に移動可能に構成されている。可動子13は、その一端面が固定子12に接触した励磁位置(図1B及び図2参照)と、その一端面が固定子12から離れた非励磁位置との間で移動する。本開示でいう「励磁位置」は、励磁コイル14の通電時における可動子13の位置である。また、本開示でいう「非励磁位置」は、励磁コイル14の非通電時における可動子13の位置である。
励磁コイル14は、その中心軸方向を上下方向と一致させる向きで配置されている。励磁コイル14の内側に、固定子12と可動子13とが配置されている。
継鉄11は、励磁コイル14を囲むように配置されており、固定子12及び可動子13と共に、励磁コイル14の通電時に生じる磁束が通る磁気回路を形成する。そのため、継鉄11と固定子12と可動子13とはいずれも磁性材料から形成されている。継鉄上板111は、この継鉄11の一部を構成している。言い換えると、継鉄11の少なくとも一部(継鉄上板111)は、励磁コイル14と可動接触子8との間に位置する。
接圧ばね17は、可動接触子8と絶縁板41との間に配置されている。接圧ばね17は、可動接触子8を固定接点311,321の方向に向けて付勢するコイルばねである(図1B参照)。
復帰ばね18は、少なくとも一部が固定子12の内側に配置されている。復帰ばね18は、可動子13を非励磁位置へ付勢するコイルばねである。復帰ばね18の一端は可動子13の一端面に接続され、復帰ばね18の他端は継鉄上板111に接続されている(図1B参照)。
シャフト15は、非磁性材料からなる。シャフト15は、上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト15は、貫通孔83、貫通孔71、接圧ばね17の内側、貫通孔42、継鉄上板111の中央部に形成された貫通孔、固定子12の内側、及び復帰ばね18の内側を通って、その下端部が可動子13に固定されている。シャフト15の先端部には、第1ヨーク6が固定されている。
電磁石装置10のシャフト15は、電磁石装置10で発生した駆動力を、接点装置1へ伝達する。
コイルボビン19は、合成樹脂製であって励磁コイル14が巻き付けられている。
筒体16は、一端面が開口した有底円筒状に形成されている。筒体16の開口周部は、継鉄上板111に接合される。これにより、筒体16は、可動子13の移動方向を上下方向に制限し、かつ可動子13の非励磁位置を規定する。筒体16は、継鉄上板111の下面に気密接合されている。これにより、例えば、電磁石装置10の継鉄上板111に貫通孔が形成されていても、接点装置1の筐体4、フランジ5及び電磁石装置10の継鉄上板111で囲まれた接点装置1の内部空間の気密性を確保することができる。
この構成により、電磁石装置10で発生した駆動力で電磁石装置10の可動子13が上下方向に移動するのに伴い、接点装置1の可動接触子8が上下方向に移動する。
(2)動作
次に、上述した構成を備えた電磁継電器100の動作について簡単に説明する。
励磁コイル14に通電されていないとき(非通電時)には、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じないため、可動子13は、復帰ばね18のばね力によって非励磁位置に位置する。このとき、シャフト15は、下方に引き下げられている。可動接触子8は、シャフト15にて上方への移動が規制される。これにより、可動接触子8は、その可動範囲における下端位置である開位置に位置する。そのため、一対の可動接点81,82は一対の固定接点311,321から離れることになり、接点装置1は開状態となる。この状態では、一対の固定端子31,32間は非導通である。
一方、励磁コイル14に通電されると、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力が生じるため、可動子13は、復帰ばね18のばね力に抗して上方に引き寄せられ励磁位置に移動する。このとき、シャフト15が上方に押し上げられるため、可動接触子8は、シャフト15による上方への移動規制が解除される。そして、接圧ばね17が可動接触子8を上方に付勢することで、可動接触子8は、その可動範囲における上端位置である閉位置に移動する。そのため、一対の可動接点81,82が一対の固定接点311,321に接触することになり、接点装置1は閉状態となる。この状態では、接点装置1は閉状態にあるので、一対の固定端子31,32間は導通する。
このように、電磁石装置10は、励磁コイル14の通電状態の切り替えにより可動子13に作用する吸引力を制御し、可動子13を上下方向に移動させることにより、接点装置1の開状態と閉状態とを切り替えるための駆動力を発生する。本実施形態では、電磁継電器100は、励磁コイル14に通電されていないときには、可動接触子8が開位置に位置する、いわゆるノーマリオフタイプである。そのため、可動子13が非励磁位置に位置するときに接点装置1が開状態となり、可動子13が励磁位置に位置するときに接点装置1が閉状態となる。
(3)利点
ここでは、上述したバスバー22を有することによる利点、並びに第1ヨーク6及び第2ヨーク7を有することによる利点について説明する。
励磁コイル14に通電されると、上述したように、電磁石装置10において、可動子13が非励磁位置から励磁位置に移動する。このとき電磁石装置10で発生する駆動力により、可動接触子8は上方に移動して、開位置から閉位置に移動する。これにより、可動接点81,82が固定接点311,321に接触し、接点装置1は閉状態となる。接点装置1が閉状態にあれば、接圧ばね17により可動接点81,82は固定接点311,321に押し付けられた状態にある。
ところで、接点装置1が閉状態にあるときに、接点装置1(固定端子31,32間)を流れる電流に起因して、可動接点81,82を固定接点311,321から引き離す電磁反発力が生じる。すなわち、接点装置1に電流が流れると、ローレンツ(Lorentz)力により、可動接触子8には、可動接触子8を閉位置から開位置に移動させる向き(下方)の電磁反発力が作用する。電磁反発力は、通常時には接圧ばね17のばね力よりも小さいので、可動接触子8は、可動接点81,82を固定接点311,321に接触させた状態を維持する。ただし、接点装置1に、例えば短絡電流等の非常に大きな(一例として6kA程度の)電流(異常電流)が流れた場合、可動接触子8に作用する電磁反発力が接圧ばね17のばね力を上回る可能性がある。本実施形態では、このような電磁反発力への対策として、バスバー22に流れる電流と、第1ヨーク6及び第2ヨーク7とを利用する。
接点装置1に、例えば電流I1が固定端子31から固定端子32へと流れる場合、可動接触子8では右方に電流I1が流れるので、右方から見ると(固定端子32側から固定端子31を見ると)、可動接触子8の周囲には反時計回りの磁束φ1が発生する(図4参照)。つまり、前方から見ると、第2ヨーク7では、磁束φ1が前から後ろに向けて通っている(図5参照)。
このとき、上述したように第1ヨーク6の前端部61及び突出部73の先端面がN極、第1ヨーク6の後端部62及び突出部72の先端面がS極となることで、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力が作用する。第1ヨーク6はシャフト15の先端部(上端部)に固定されているので、可動子13が励磁位置にあれば、上記吸引力によって、第2ヨーク7が上方に引き寄せられることになる。第2ヨーク7が上方に引き寄せられることによって、可動接触子8には第2ヨーク7から上向きの力が作用し、結果的に、可動接触子8を上方に押し上げる力、つまり可動接点81,82を固定接点311,321に押し付ける力が増す。
さらに、本実施形態に係る接点装置1では、バスバー22は、可動接触子8に電流I1が流れる向きと反対の向きに電流I1が流れる電路片224、及び可動接触子8に電流I1が流れる向きと同じの向きに電流I1が流れる電路片226を有している。さらに、電路片224と電路片226とは、中空部500が形成されるように電路片225を介して連結されている。
そのため、接点装置1に、例えば短絡電流等の大電流(異常電流)が流れた場合、電流が電路片224及び電路片226を流れることにより中空部500を通る磁束φ2が発生する。例えば、図4及び図5に例示する向きで電流I1が流れる場合において、中空部500では前から後ろに向けて磁束φ2が通る。中空部500を通る磁束φ2は、第2ヨーク7を通過する。
さらに、電路片224で流れる電流I1の向きと、電路片226で流れる電流I1の向きとは反対の向きになる。そのため、電路片224で発生する磁束と電路片226で発生する磁束との作用により、電路片224で流れる電流I1と電路片226で流れる電流I1とは反発し合う。その結果、電路片224では、上下方向(可動接触子8の移動方向)における電路片224の両端部251,252のうち下方の端部252の側に電流I1の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。電路片226では、上下方向(可動接触子8の移動方向)における電路片226の両端部241,242のうち上方の端部242の側に電流I1の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。さらに、バスバー22は、一例として銅で形成されているので、非磁性体である。そのため、中空部500だけでなく、上下方向における電路片224の両端部251,252のうち上方の端部251、及び上下方向における電路片226の両端部241,242のうち下方の端部241でも磁束φ2が通過する。そのため、可動接触子8を含む広い範囲において磁束φ2が通る。すなわち、磁束φ2が通過する部分は中空部500に限定されないため、例えば電路片224及び226の幅を広げ、中空部500の幅を狭めてもよい。このとき、電路片224及び電路片226に、より大きな電流を流すことができる。
このとき、可動接触子8に流れる電流I1と磁束φ2とにより、可動接触子8に上向きのローレンツ力が発生する。これにより、可動接触子8を上方に押し上げる力が増す。
さらに、第2ヨーク7において可動接触子8の下方を通過する磁束φ1の向きと、中空部500を通る磁束φ2の向きとは同じである。そのため、可動接触子8の下方を通過する磁束が増えるため、第1ヨーク6と第2ヨーク7との間に吸引力も増加する。これにより、可動接触子8を上方に押し上げる力が増す。
したがって、接点装置1に例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、可動接点81,82と固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
本実施形態では、電路片226の少なくとも一部は、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向の一方から見て可動接触子8と重なっている。つまり、電路片224は、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向の一方から見て可動接触子8の下方に位置している。さらに、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片224に流れる電流I1の向きとは反対である。そのため、可動接触子8と電路片224との間には、互いに離れる向きの力(斥力)が発生する。このとき、電路片224は固定されているので、筐体4に対して相対的に移動しない。一方、可動接触子8は、筐体4に対して、上下方向に移動可能である。そのため、斥力における上下方向の力成分が可動接触子8に加わる。その結果、可動接触子8を上方に押し上げる力、つまり可動接点81,82を固定接点311,321に押し付ける力が増す。
したがって、電路片224を設けることで、接点装置1に例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、可動接点81,82と固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
また、本実施形態に係る接点装置1では、バスバー22は、励磁コイル14の軸方向の一方(上方)から見て、励磁コイル14の周方向の一部141の接線方向に沿って延びる電路片224を有している。ここで、電路片224を流れる電流I1の向きは、励磁コイル14の通電時に励磁コイル14の周方向の一部141を流れる電流I2と同じ向きである。そのため、電路片224を流れる電流I1によって生じる磁束φ21は、電磁石装置10の可動子13に対して、励磁コイル14を流れる電流I2によって生じる磁束φ22と同じ向きに作用する(図6A及び図6B参照)。つまり、電路片224を流れる電流I1によって生じる磁束φ21は、可動子13に対し、励磁コイル14の通電時に励磁コイル14が生じる力(磁力)と同様に、可動子13を励磁位置に維持する力を作用させる。このように、ノーマリオフタイプの電磁継電器100においては、接点装置1が閉状態にあるときに、電路片225を流れる電流によって生じる磁界により、励磁位置に可動子13を維持する向きの力が可動子13に作用する。
本実施形態では、励磁コイル14を流れる電流I2によって生じる磁束φ22は、可動子13及び固定子12を、下方に通過することで、可動子13と固定子12との間に磁気吸引力を生じさせる。したがって、電路片224を流れる電流I1によって生じる磁束φ21が補助力を発生し、接点装置1を開状態から閉状態に切り替えるための電磁石装置10による駆動力を、補助力にて補助(アシスト)することになる。本開示でいう「補助力」は、電路片224を流れる電流I1によって生じる磁界により、可動子13に作用する力を意味する。
その結果、補助力によって、可動子13を固定子12に吸引する力、つまり可動子13を固定子12に押し付ける力が増す。言い換えると、接点装置1が閉状態にあるときに、電路片224を流れる電流によって生じる磁束φ21により、接点装置1を閉状態とする位置(本実施形態では励磁位置)に可動子13を維持する向きの力が可動子13に作用する。このような位置関係となるように、バスバー22と電磁石装置10とが配置されている。
しかも、本実施形態では、電路片224の延びる方向(左右方向)は、可動子13の移動方向(上下方向)に直交する。これにより、電路片224を流れる電流I1によって生じる補助力が、可動子13の移動方向において効率的に作用する。
したがって、接点装置1を閉状態とする位置に可動子13を維持する力の向上を図ることができる。例えば短絡電流等の異常電流が接点装置1に流れた場合には、補助力が特に大きくなるため、接点装置1を閉状態とする位置(本実施形態では励磁位置)に可動子13を安定的に維持することができる。
(4)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
(4−1)第1の変形例
上記実施形態の接点装置1では、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向の一方から見て、可動接触子8が電路片226の少なくとも一部と可動接触子8とが重なる構成としたが、この構成に限定されない。
例えば、接点装置1は、図7に示すように、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向の一方から見て、可動接触子8が電路片224の少なくとも一部と可動接触子8とが重なる構成としてもよい。
例えば、可動接触子8の位置が閉位置であるときに、前後方向の一方から見て、電路片224は、可動接触子8の移動方向における可動接触子8の両端部85,86のうち少なくとも固定接点311,321から遠い端部(下端部)86と重なっていてもよい。つまり、可動接触子8の下端部86が電路片224の上端縁と電路片224の下端縁の間の範囲R2内に位置するように、電路片224は配置されていてもよい。本変形例では、図7に示すように、上下方向における電路片224の両端部251,252のうち電路片226に近い端部251が、可動接触子8に重なっている。
なお、本変形例では、第1ヨーク6及び第2ヨーク7は、ないことが望ましい。
この場合においても、実施形態と同様に、電流が電路片224及び電路片226を流れることにより中空部500を通る磁束が発生する。さらに、この場合においても、実施形態と同様に、電路片224では、電路片224の端部252の側に電流I1の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。電路片226では、端部242の側に電流I1の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。さらに、本変形例においてもバスバー22は、一例として銅で形成されているので、非磁性体である。そのため、発生した磁束は、中空部500だけでなく、電路片224の端部251、及び電路片226の端部241も通過する。そのため、発生した磁束は、より広い範囲において可動接触子8の上方を通る。したがって、可動接触子8に流れる電流と当該磁束とにより、上向きのローレンツ力が発生する。これにより、可動接触子8を上方に押し上げる力が増す。
(4−2)第2の変形例
上記実施形態では、可動接触子8の移動方向の一方から見て可動接触子8に対して同一側に配置され、かつ可動接触子8に流れる電流I1の向きと同一の向きに電流が流れる電路片226をバスバー22が有する構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。
可動接触子8の移動方向の一方から見て可動接触子8に対して同一側に配置され、かつ可動接触子8に流れる電流I1の向きと同一の向きに電流が流れる電路片をバスバー21が有してもよい。
以下、本変形例におけるバスバー21a、22aについて説明する。
バスバー21a,22aは、導電性を有する金属材料(例えば、銅又は銅合金)にて構成されている。本変形例では、バスバー21,22は、一例として銅にて構成されている。バスバー21a,22aは、帯板状に形成されている。本変形例では、バスバー21a,22aは、金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。バスバー21aの一端部は、例えば固定端子31に電気的に接続される。バスバー21aの他端部は、例えば走行用のバッテリに電気的に接続される。バスバー22aの一端部は、例えば固定端子32に電気的に接続される。バスバー22aの他端部は、例えば負荷に電気的に接続される。
バスバー21aは、7つの電路片211a〜217aを含んでいる(図8A及び図8B参照)。
電路片211aは、固定端子31と機械的に接続される。具体的には、電路片211aは、平面視において略長方形状であって、固定端子31のかしめ部35にて固定端子31とかしめ結合されている。電路片212aは、電路片211aと連結しており、電路片211aの後端部から下方に延びるように、カバー50の後方に配置されている。
電路片213aは、電路片212aと連結しており、電路片212aの下端部から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に延びるように、カバー50の後方に配置されている。ここで、電路片213aは、継鉄上板111の上方であって、可動接触子8が閉位置に位置するときの可動接触子8の下方に配置されることが好ましい。
電路片214aは、電路片213aと連結しており、電路片213aの右端部から前方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。電路片215aは、電路片214aと連結しており、電路片214aの前端部から上方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。電路片216aは、電路片215aと連結しており、電路片215aの左端部から前方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。
電路片217a(順方向電路片)は、電路片216aと連結しており、電路片216aの前端部から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に延びるように、カバー50の前方に配置されている。電路片217aの厚み方向(前後方向)は可動接触子8の移動方向(上下方向)と直交している。
バスバー22aは、4つの電路片221a〜224aを含んでいる(図8A及び図8B参照)。
電路片221aは、固定端子32と機械的に接続される。具体的には、電路片221aは、平面視において略長方形状であって、固定端子32のかしめ部36にて固定端子32とかしめ結合されている。
電路片222aは、電路片221aと連結しており、電路片221aの右端部から下方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。電路片223aは、電路片222aと連結しており、電路片222aの下端部から前方に延びるように、カバー50の右方に配置されている。
電路片224a(逆方向電路片)は、電路片223aと連結しており、電路片223aの前端部から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に延びるように、カバー50の前方に配置されている。本変形例では、電路片224aの一部は、前後方向の一方から見て、継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している。なお、電路片224aは、継鉄上板111の上方であって、可動接触子8が閉位置に位置するときの可動接触子8の下方に配置されてもよい。
本変形例では、電路片217a,224aは、可動接触子8の移動方向(上下方向)の一方から見て可動接触子8に対して同一側(ここでは、前方側)に配置されている。
ここで、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向(可動接触子8の移動方向及び可動接触子8を流れる電流の方向の双方に直交する方向)の一方から見て、可動接触子8が電路片217aの少なくとも一部と可動接触子8とが重なっている。本変形例においても実施形態と同様に、可動接触子8の上端部85が電路片217aの上端縁と電路片217aの下端縁の間の範囲内に位置するように、電路片217aは配置されている。本変形例では、上下方向における電路片217aの両端部のうち電路片224aに近い端部が、可動接触子8に重なっている。
また、電路片224aの少なくとも一部は、継鉄上板111と重なる、又は継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している。
さらに、電路片224aの長さ及び電路片217aの長さが、それぞれ可動接点81と可動接点82との間の距離以上である。ここで、可動接点81と可動接点82との間の距離は、実施形態と同様に、可動接点81と可動接点82との前後方向から見た最短距離である。
固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流I1が流れる場合を想定する。このとき、電流I1は、電路片217a、電路片216a、電路片215a、電路片214a、電路片213a、電路片212a6、電路片211a、固定端子31、可動接触子8、固定端子32、電路片221a、電路片222a、電路片223a及び電路片224aの順に流れる(図8B参照)。電路片224aでは電流I1は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れ、電路片217aでは電流I1は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れる。一方、可動接触子8では、電流I1は、左方から右方に流れる。反対に、固定端子32から固定端子31に向けて可動接触子8を電流I1が流れる場合、電路片224aでは電流I1は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れ、電路片217aでは電流I1は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れる。
つまり、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片217aに流れる電流I1の向きとは同一である。一方、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片224aに流れる電流I1の向きは反対になる。
また、本変形例においても、電路片224aは、励磁コイル14の軸方向の一方から見て、励磁コイル14の周方向の一部の接線方向に沿って延びている。ここで、電路片224aを流れる電流I1の向きは、励磁コイル14の通電時に励磁コイル14の周方向の一部を流れる電流I2と同じ向きである。
また、電路片213aに流れる電流I1の向きと電路片224aに流れる電流I1の向きとは、同一である。本変形例では、実施形態と同様に、電路片224aは、可動接触子8が閉位置に位置するときに、前後方向の一方から見て可動接触子8の下方に位置している。さらに、可動接触子8に流れる電流I1の向きと、電路片224aに流れる電流I1の向きとは反対である。そのため、可動接触子8と電路片224aとの間には斥力が発生するので、可動接触子8を上方に押し上げる力、つまり可動接点81,82を固定接点311,321に押し付ける力が増す。さらに、電路片213aに流れる電流I1の向きと電路片224aに流れる電流I1の向きとは、同一であることにより、可動接触子8と電路片213aとの間にも斥力が発生する。その結果、可動接触子8を上方に押し上げる力、つまり可動接点81,82を固定接点311,321に押し付ける力がさらに増す。したがって、電路片213a、224aを設けることで、接点装置1に例えば短絡電流等の異常電流が流れた場合でも、可動接点81,82と固定接点311,321との間の接続状態の安定化を図ることができる。
なお、電路片224a及び電路片217aのうち一方は、他の接点装置が備えるバスバーによって形成されてもよい。すなわち、電路片224a及び電路片217aのうち少なくとも一方の電路片は、接点装置1の固定端子と電気的に接続されていればよい。
(4−3)第3の変形例
上記実施形態の電磁継電器100では、電磁石装置10は、上下方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321とは反対側に配置される構成としたが、この構成に限定されない。
電磁石装置10は、上下方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321と同じ側に配置されてもよい。以下、本変形例に係る電磁継電器100について、説明する。ここで、本変形例の継鉄11の少なくとも一部(継鉄上板111)は、励磁コイル14と固定接点311,321との間に位置している。
図9は、本変形例に係る電磁継電器100の断面図である。なお、図9では、上記実施形態で説明した、筐体4、フランジ5、カプセルヨーク23,24、消弧用磁石25,26、絶縁板41、カバー50及び接圧ばね17等を省略している。なお、本変形例では、第1の変形例と同様に、第1ヨーク6及び第2ヨーク7は、ないことが望ましい。
本変形例の可動接触子8は、固定接点311,321の上方に配置されている(図9参照)。
本変形例の電磁継電器100では、電磁石装置10は、上下方向において、可動接触子8に対して固定接点311,321と同じ側に配置されている。
本変形例の電磁石装置10が備える固定子12は、円柱状に形成された固定鉄心である。固定子12の一端部は、筒体16に固定されている。
本変形例の電磁石装置10が備える可動子13は、円柱状に形成された可動鉄心である。可動子13の下方には、凹部が設けられている。可動子13は、固定子12に対向させるように、固定子12の上方に配置されている。可動子13は、実施形態1と同様に、励磁位置と非励磁位置との間で移動する。
本変形例の復帰ばね18は、可動子13の凹部に配置されている。復帰ばね18は、可動子13を非励磁位置へ付勢するコイルばねである。復帰ばね18の一端は可動子13の凹部の一端面に接続され、復帰ばね18の他端は固定子12に接続されている(図9参照)。
本変形例のシャフト15は、非磁性材料からなる。シャフト15は、上下方向に延びた丸棒状に形成されている。シャフト15の一端は、可動子13の下端部に固定されている。シャフト15の先端部は、例えば励磁コイル14の非通電時には可動接触子8に接触し、励磁コイル14の通電時には可動接触子8には接触しない。本実施形態では、励磁コイル14に通電時には、シャフト15は、下方に移動し、可動接触子8には接触しない状態となる。このとき、可動接触子8は、接圧ばね(図9では図示せず)の作用により、固定接点311,321に接触する。
この構成により、本変形例の電磁石装置10で発生した駆動力を用いて、本変形例の電磁石装置10の可動子13が上下方向に移動するのに伴い、本変形例の接点装置1の可動接触子8が上下方向に移動する。
本変形例のバスバー22は、実施形態1と同様に、7つの電路片221〜227を含んでいる。
電路片221は、固定端子32と機械的に接続される。電路片222は、電路片221と連結しており、電路片221の右端部から上方に延びるように配置されている。電路片223は、電路片222と連結しており、電路片222の上端部から前方に延びるように配置されている。
電路片224(逆方向電路片)は、電路片223と連結しており、電路片223の前端部から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に延びるように配置されている。
電路片225(連結電路片)は、電路片224と連結しており、電路片224の左端部から下方に延びるように配置されている。
電路片226(順方向電路片)は、電路片225と連結しており、電路片225の下端部から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に延びるように配置されている。
電路片227は、電路片226と連結しており、電路片225の右端部から前方に延びるように配置されている。
本変形例では、上記実施形態と同等に、電路片224〜226は、可動接触子8の移動方向(上下方向)の一方から見て可動接触子8に対して同一側(ここでは、前方側)に配置されている。
また、本変形例においても、上記実施形態と同様に、電路片224と電路片226との間には中空部500が存在する(図9参照)。
また、本変形例では、電路片226の一部は、前後方向の一方から見て、後述する継鉄11の継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している(図9参照)。つまり、電路片226の一部は、継鉄上板111と重なる、又は継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置している。また、電路片226の全てが、前後方向の一方から見て継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置してもよい。したがって、電路片226の少なくとも一部は、継鉄上板111と重なる、又は継鉄上板111に対して励磁コイル14側に位置していればよい。
本変形例において、固定端子31から固定端子32に向けて可動接触子8に電流が流れる場合を想定する。このとき、電流は、バスバー21、固定端子31、可動接触子8、固定端子32、電路片221、電路片222、電路片223、電路片224、電路片225、電路片226及び電路片227の順に流れる。本変形例の電路片224では電流は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れ、電路片226では電流は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れる。一方、可動接触子8では、電流は、左方から右方に流れる。反対に、固定端子32から固定端子31に向けて可動接触子8を電流I1が流れる場合、電路片224では電流I1は左方から右方(固定端子31から見て固定端子32側)に流れ、電路片226では電流I1は右方から左方(固定端子32から見て固定端子31側)に流れる。
つまり、本変形例において、上記実施形態と同様に、可動接触子8に流れる電流の向きと、電路片226に流れる電流の向きは同一である。一方、可動接触子8に流れる電流の向きと、電路片224に流れる電流の向きは反対になる。
本変形例においても、実施形態と同様に、電流が電路片224及び電路片226を流れることにより中空部500を後方から前方に向けて通る磁束が発生する。さらに、電路片224では、電路片224の端部252の側に電流の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。電路片226では、端部242の側に電流の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。さらに、発生した磁束は、中空部500だけでなく、電路片224の端部251、及び電路片226の端部241も通過する。そのため、発生した磁束は、より広い範囲において可動接触子8の下方を通る。したがって、可動接触子8に流れる電流と当該磁束とにより、下向きのローレンツ力が発生する。これにより、可動接触子8を下方に押しつける力が増す。
また、本変形例において、電路片226は、励磁コイル14の軸方向の一方(上方)から見て、励磁コイル14の周方向の一部の接線方向に沿って延びており、電路片226を流れる電流の向きは、励磁コイル14の周方向の一部を流れる電流と同じ向きであることが好ましい。
この場合においても、電路片226を流れる電流によって生じる磁束が補助力を発生し、接点装置1を開状態から閉状態に切り替えるための電磁石装置10による駆動力を、補助力にて補助(アシスト)することが可能となる。
(4−4)第4の変形例
第3の変形例では、可動接触子8の位置が閉位置であるときに、前後方向の一方から見て、電路片224が、可動接触子8と重なる構成としたが、この構成に限定されない。
可動接触子8の位置が閉位置であるときに、前後方向の一方から見て、電路片226が、可動接触子8と重なってもよい。つまり、可動接触子8の位置が閉位置であるときに、前後方向の一方から見て、電路片224は、可動接触子8の移動方向における可動接触子8の両端部85,86のうち少なくとも固定接点311,321から遠い端部86と重なっていてもよい。例えば、上下方向における電路片224の両端部251,252のうち電路片226に近い端部251が、可動接触子8に重なっていてもよい。
この場合においても、実施形態と同様に、電流が電路片224及び電路片226を流れることにより中空部500を後方から前方に向けて通る磁束が発生する。さらに、電路片224では、電路片224の端部252の側に電流の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。電路片226では、端部242の側に電流の分布が多くなる(つまり、電流密度が高くなる)。さらに、発生した磁束は、中空部500だけでなく、電路片224の端部251、及び電路片226の端部241も通過する。そのため、発生した磁束は、より広い範囲において可動接触子8の下方を通る。したがって、可動接触子8に流れる電流と当該磁束とにより、下向きのローレンツ力が発生する。これにより、可動接触子8を下方に押しつける力が増す。
(4−5)その他の変形例
上記実施形態において、電路片223(連結電路片)は、上下方向(可動接触子8の移動方向)の一方から見て、可動接触子8に対して電路片224(逆方向電路片)及び電路片226(順方向電路片)と同じ側にある構成としたが、この構成に限定されない。電路片223(連結電路片)は、カバー50の左方に配置されてもよい。要は、上下方向(可動接触子8の移動方向)の一方から見て、可動接触子8に対して少なくとも電路片224(逆方向電路片)及び電路片226(順方向電路片)が、同じ側にあればよい。
上記実施形態において、バスバー21,22は、接点装置1のカバー50の外側に設けられる構成としたが、筐体4の外側に設けられる構成であってもよい。バスバー21,22は、カバー50及び/又は筐体4の外側に設けられる構成としたが、この構成に限定されない。バスバー21,22の少なくとも一部は、筐体4の内部に設けられてもよい。
上記実施形態において、電磁継電器100は、ノーマリオフタイプの電磁継電器としたが、ノーマリオンタイプの電磁継電器であってもよい。
上記実施形態において、接点装置1の可動接触子8に保持される可動接点の数は2つであるが、この構成に限定されない。可動接触子8に保持される可動接点の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。同様に、接点装置1の固定端子(及び固定接点)の数も2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。
上記実施形態に係る電磁継電器100は、ホルダ無タイプの電磁継電器であるが、この構成に限らず、ホルダ付タイプの電磁継電器であってもよい。ここで、ホルダは、例えば左右方向の両面が開口した矩形筒状であって、可動接触子8がホルダを左右方向に貫通するように、ホルダが可動接触子8と組み合わされる。ホルダの下壁と可動接触子8との間に接圧ばね17が配置される。つまり、可動接触子8の左右方向の中央部がホルダにて保持される。ホルダにはシャフト15の上端部が固定されている。励磁コイル14に通電されると、シャフト15が上方に押し上げられるため、ホルダが上方へ移動する。この移動に伴って、可動接触子8は、上方へ移動し、一対の可動接点81,82を一対の固定接点311,321に接触する閉位置に位置させる。
上記実施形態の接点装置1は、プランジャタイプの接点装置としたが、ヒンジタイプの接点装置であってもよい。
上記実施形態のバスバーは、固定端子31,32にかしめ結合されることで固定端子31,32と機械的に接続されるとしたが、ねじ止めにより固定端子31,32と機械的に接続されてもよい。
上記実施形態の接点装置1において、第1ヨーク6、第2ヨーク7、消弧用磁石25,26及びカプセルヨーク23,24は必須の構成ではない。
上記実施形態では、バスバー21,22のそれぞれは、金属板に折り曲げ加工を施すことで一体形成される構成としたが、この構成に限定されない。複数の金属板をねじ止め又は溶接等によって結合することで、バスバー21,22を形成してもよい。または、バスバー21,22の一部においてヒューズ等の部品が介在してもよい。これらの場合においても、バスバー21,22は、接点装置1に電気的に接続されているという概念に含める。
(まとめ)
以上説明したように第1の態様の接点装置(1)は、固定接点(311,321)を有する固定端子(31,32)と、可動接触子(8)と、逆方向電路片(例えば、電路片224)及び順方向電路片(例えば、電路片226)とを備える。可動接触子(8)は、可動接点(81,82)を有し、可動接点(81,82)が固定接点(311,321)に接触する閉位置と可動接点(81,82)が固定接点(311,321)から離れる開位置との間で移動する。逆方向電路片及び順方向電路片のうち少なくとも一方は、固定端子(32)と電気的に接続される。可動接触子(8)の一端から他端に向う方向に電流が流れる。逆方向電路片及び順方向電路片は、可動接触子(8)の移動方向から見て可動接触子(8)に対して同一側に配置されている。逆方向電路片は、可動接触子(8)を流れる電流の方向に沿って延びている。逆方向電路片は、可動接触子(8)の位置が閉位置である場合に、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て少なくとも一部が可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)と反対側に位置するように配置されている。逆方向電路片では、可動接触子(8)の他端から一端に向う方向に電流が流れる。順方向電路片は、可動接触子(8)を流れる電流の方向に沿って延びている。順方向電路片は、可動接触子(8)の位置が閉位置である場合に、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て少なくとも一部が可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)と同一側に位置するように配置されている。順方向電路片では、可動接触子(8)の一端から他端に向う方向に電流が流れる。逆方向電路片と順方向電路片とのうち一方の電路片が、可動接触子(8)の位置が閉位置である場合に可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て可動接触子(8)と重なっている。逆方向電路片が当該方向から見て可動接触子(8)に重なっている場合には、逆方向電路片は、可動接触子(8)の移動方向における両端部(85,86)のうち少なくとも固定接点(311,321)から遠い端部(86)と重なっている。順方向電路片が当該方向から見て可動接触子(8)に重なっている場合には、順方向電路片は、可動接触子(8)の移動方向における両端部(85,86)のうち少なくとも固定接点(311,321)に近い端部(86)と重なっている。
この構成によると、逆方向電路片及び順方向電路片のそれぞれに電流が流れると、逆方向電路片と順方向電路片との間で、可動接点と固定接点との間の接続状態を強める磁束(φ2)が発生する。そのため、異常電流が流れた場合における可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第2の態様の接点装置(1)は、第1の態様において、逆方向電路片と順方向電路片とを連結する連結電路片(例えば、電路片225)を、さらに備える。
この構成によると、逆方向電路片と順方向電路片との間で確実に磁束(φ2)を発生させることができる。さらに、逆方向電路片で流れる電流の向きと、順方向電路片で流れる電流の向きとは反対の向きである。そのため、逆方向電路片で発生する磁束と順方向電路片で発生する磁束との影響により、逆方向電路片で流れる電流と順方向電路片で流れる電流とは反発し合う。その結果、逆方向電路片と順方向電路片との間で発生する磁束(φ2)はより広い領域を通るので、可動接点と固定接点との間の接続状態をより強めることができる。
第3の態様の接点装置(1)では、第2の態様において、連結電路片は、可動接触子(8)の移動方向から見て可動接触子(8)に対して同一側に配置されている。
この構成によると、逆方向電路片と順方向電路片との間で確実に磁束(φ2)を発生させることができる。
第4の態様の接点装置(1)では、第1〜第3のいずれかの態様において、第1ヨーク(6)と、第2ヨーク(7)とを、さらに備える。第1ヨーク(6)は、可動接触子(8)の移動方向において、可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)が存在する側と同一側に位置する。第2ヨーク(7)は、可動接触子(8)の移動方向において、可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)が存在する側と反対側に位置する。逆方向電路片及び順方向電路片を通る電流により生じる磁束(φ2)が、可動接触子(8)を通る電流により第2ヨーク(7)に生じる磁束(φ1)の向きと同じ向きに第2ヨーク(7)を通過する。
この構成によると、第2ヨークには、磁束(φ1)の他、磁束(φ2)が通るので、可動接触子8の下方を通過する磁束が増える。そのため、第1ヨーク(6)と第2ヨーク(7)との間に吸引力も増加する。その結果、可動接触子8を上方に押し上げる力が増す。
第5の態様の接点装置(1)は、第1〜第4のいずれかの態様において、固定接点(311,321)及び可動接触子(8)を収容する筐体(4)を、さらに備える。逆方向電路片及び順方向電路片は、筐体(4)の外側に配置されている。
この構成によると、逆方向電路片と順方向電路片の配置の自由度を高めることができ、逆方向電路片と順方向電路片との間で、可動接点と固定接点との間の接続状態を強める磁束(φ2)を発生させることができる。
第6の態様の接点装置(1)は、第1〜第5のいずれかの態様において、逆方向電路片及び順方向電路片を含むバスバー(例えばバスバー22)を、さらに備える。バスバー(22)は、固定端子(32)と機械的に接続されている。
この構成によると、単一の接点装置に流れる電流を用いて逆方向電路片と順方向電路片との間に磁束(φ2)を発生させることができる。
第7の態様の接点装置(1)では、第1〜第6のいずれかの態様において、可動接触子(8)の位置が閉位置である場合に、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て、可動接触子(8)の移動方向における逆方向電路片の両端(端部251,252)のうち順方向電路片に近い端部(251)が、可動接触子(8)に重なっている。または、可動接触子(8)の位置が閉位置である場合に、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て、可動接触子(8)の移動方向における順方向電路片の両端(端部241,242)のうち逆方向電路片に近い端部(241)が、可動接触子(8)に重なっている。
この構成によると、逆方向電路片で流れる電流の向きと、順方向電路片で流れる電流の向きとは反対の向きであるので、逆方向電路片で流れる電流と順方向電路片で流れる電流とは反発し合う。可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て逆方向電路片の一部又は順方向電路の一部を可動接触子(8)に重ねることで、可動接触子(8)と重ならない部位を可動接触子(8)に近づけることができつつ、当該部位に多くの電流を流すことができる。そのため、可動接点と固定接点との間の接続状態を強めることができる。
第8の態様の電磁継電器(100)は、第1〜第7のいずれかの態様の接点装置(1)と、可動接触子(8)を移動させる電磁石装置(10)とを備える。電磁石装置(10)は、励磁コイル(14)と、励磁コイル(14)に生じる磁束の経路の一部を形成する継鉄(11)とを有する。
この構成によると、接点装置(1)に異常電流が流れた場合における可動接点(81,82)と固定接点(311,321)との間の接続状態の安定化を図ることができる。
第9の態様の電磁継電器(100)では、第8の態様において、電磁石装置(10)は、可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)とは反対側に配置されている。継鉄(11)の一部(継鉄上板111)は、励磁コイル(14)と可動接触子(8)との間に存在している。逆方向電路片の少なくとも一部は、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て継鉄(11)の当該一部と重なる、又は継鉄(11)の当該一部に対して励磁コイル(14)側に位置している。
この構成によると、励磁コイル(14)に生じる磁束をより強めることができる。
第10の態様の電磁継電器(100)では、第8又は第9の態様において、逆方向電路片は、励磁コイル(14)の軸方向から見て、励磁コイル(14)の周方向の一部(141)の接線方向(D1)に沿って延びている。逆方向電路片に流れる電流としての第1電流の方向と、励磁コイル(14)の通電時に励磁コイル(14)の周方向の一部(141)を流れる第2電流の方向とは同じである。
この構成によると、励磁コイル(14)に生じる磁束をより強めることができる。
第11の態様の電磁継電器(100)では、第8の態様において、電磁石装置(10)は、可動接触子(8)に対して固定接点(311,321)と同一側に配置されている。継鉄(11)の一部(継鉄上板111)は、励磁コイル(14)と固定接点(311,321)との間に存在している。順方向電路片の少なくとも一部は、可動接触子(8)の移動方向及び可動接触子(8)を流れる電流の方向の双方に直交する方向から見て継鉄(11)の一部と重なる、又は継鉄(11)の一部に対して励磁コイル(14)側に位置する。
この構成によると、励磁コイル(14)に生じる磁束をより強めることができる。
第12の態様の電磁継電器(100)では、第8又は第11の態様において、順方向電路片は、励磁コイル(14)の軸方向から見て、励磁コイル(14)の周方向の一部の接線方向に沿って延びている。順方向電路片に流れる電流の方向と、励磁コイル(14)の通電時に励磁コイル(14)の周方向の一部を流れる電流の方向とは同じである。
この構成によると、励磁コイル(14)に生じる磁束をより強めることができる。
第13の態様の電磁継電器(100)では、第9〜第12のいずれかの態様において、 電磁石装置(10)は、固定子(12)と、可動子(13)とを有している。可動子(13)は、励磁コイル(14)に対する電流の通電及び非通電に応じて、固定子(12)に接触する励磁位置と固定子(12)から離れる非励磁位置との間で移動する。固定子(12)及び可動子(13)は、励磁コイル(14)の開口部の内部に配置されている。順方向電路片及び逆方向電路片のうち一方の電路片は、当該電路片に流れる電流により可動子(13)が固定子(12)に接触する吸引力が増加するように配置されている。
この構成によると、励磁コイル(14)に生じる磁束をより強めることができるので、可動子(13)が固定子(12)に接触する吸引力をより強くすることができる。
1 接点装置
4 筐体
6 第1ヨーク
7 第2ヨーク
8 可動接触子
10 電磁石装置
11 継鉄
12 固定子
13 可動子
14 励磁コイル
21,21a,22,22a バスバー
31,32 固定端子
81,82 可動接点
85 端部(上端部)
86 端部(下端部)
100 電磁継電器
111 継鉄上板
141 周方向の一部
224,224a 電路片(逆方向電路片)
225 電路片(連結電路片)
226,217a 電路片(順方向電路片)
241,242,251,252 端部
311,321 固定接点
D1 接線方向
I1 電流(第1電流)
I2 電流(第2電流)

Claims (13)

  1. 固定接点を有する固定端子と、
    可動接点を有し、前記可動接点が前記固定接点に接触する閉位置と前記可動接点が前記固定接点から離れる開位置との間で移動する可動接触子と、
    少なくとも一方が前記固定端子と電気的に接続された逆方向電路片及び順方向電路片とを備え、
    前記可動接触子の一端から他端に向う方向に電流が流れ、
    前記逆方向電路片及び前記順方向電路片は、前記可動接触子の移動方向から見て前記可動接触子に対して同一側に配置され、
    前記逆方向電路片は、前記可動接触子を流れる前記電流の方向に沿って延び、かつ前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する方向から見て少なくとも一部が前記可動接触子に対して前記固定接点と反対側に位置するように配置されており、
    前記逆方向電路片では、前記可動接触子の前記他端から前記一端に向う方向に前記電流が流れ、
    前記順方向電路片は、前記可動接触子を流れる前記電流の方向に沿って延び、かつ前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する前記方向から見て少なくとも一部が前記可動接触子に対して前記固定接点と同一側に位置するように配置されており、
    前記順方向電路片では、前記可動接触子の前記一端から前記他端に向う方向に前記電流が流れ、
    前記逆方向電路片と前記順方向電路片とのうち一方の電路片が、前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に前記可動接触子の前記移動方向及び前記可動接触子を流れる前記電流の方向の双方に直交する前記方向から見て前記可動接触子と重なっており、
    前記逆方向電路片が前記方向から見て前記可動接触子に重なっている場合には、前記逆方向電路片は、前記可動接触子の前記移動方向における両端部のうち少なくとも前記固定接点から遠い端部と重なっており、
    前記順方向電路片が前記方向から見て前記可動接触子に重なっている場合には、前記順方向電路片は、前記可動接触子の前記移動方向における両端部のうち少なくとも前記固定接点に近い端部と重なっている
    ことを特徴とする接点装置。
  2. 前記逆方向電路片と前記順方向電路片とを連結する連結電路片を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
  3. 前記連結電路片は、前記可動接触子の前記移動方向から見て前記可動接触子に対して前記同一側に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の接点装置。
  4. 前記可動接触子の前記移動方向において、前記可動接触子に対して前記固定接点が存在する側と同一側に位置する第1ヨークと、
    前記可動接触子の前記移動方向において、前記可動接触子に対して前記固定接点が存在する側と反対側に位置する第2ヨークとを、さらに備え
    前記逆方向電路片及び前記順方向電路片を通る電流により生じる磁束が、前記可動接触子を通る電流により前記第2ヨークに生じる磁束の向きと同じ向きに前記第2ヨークを通過する
    ことを特徴とする請求項1〜3にいずれか1項に記載の接点装置。
  5. 前記固定接点及び前記可動接触子を収容する筐体を、さらに備え、
    前記逆方向電路片及び前記順方向電路片は、前記筐体の外側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の接点装置。
  6. 前記逆方向電路片及び前記順方向電路片を含むバスバーを、さらに備え、
    前記バスバーは、前記固定端子と機械的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の接点装置。
  7. 前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記方向から見て、前記可動接触子の前記移動方向における前記逆方向電路片の両端のうち前記順方向電路片に近い端部が、前記可動接触子に重なっている、又は、
    前記可動接触子の位置が前記閉位置である場合に、前記方向から見て、前記可動接触子の前記移動方向における前記順方向電路片の両端のうち前記逆方向電路片に近い端部が、前記可動接触子に重なっている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の接点装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の接点装置と、
    前記可動接触子を移動させる電磁石装置とを備え、
    前記電磁石装置は、
    励磁コイルと、
    前記励磁コイルに生じる磁束の経路の一部を形成する継鉄とを有する
    ことを特徴とする電磁継電器。
  9. 前記電磁石装置は、前記可動接触子に対して前記固定接点とは反対側に配置されており、
    前記継鉄の一部は、前記励磁コイルと前記可動接触子との間に存在しており、
    前記逆方向電路片の少なくとも一部は、前記方向から見て前記継鉄の前記一部と重なる、又は前記継鉄に対して前記励磁コイル側に位置している
    ことを特徴とする請求項8に記載の電磁継電器。
  10. 前記逆方向電路片は、前記励磁コイルの軸方向から見て、前記励磁コイルの周方向の一部の接線方向に沿って延びており、
    前記逆方向電路片に流れる前記電流としての第1電流の方向と、前記励磁コイルの通電時に前記励磁コイルの前記周方向の前記一部を流れる第2電流の方向とは同じである
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の電磁継電器。
  11. 前記電磁石装置は、前記可動接触子に対して前記固定接点と同一側に配置され、
    前記継鉄の一部は、前記励磁コイルと前記固定接点との間に存在しており、
    前記順方向電路片の少なくとも一部は、前記方向から見て前記継鉄の前記一部と重なる、又は前記継鉄の前記一部に対して前記励磁コイル側に位置する
    ことを特徴とする請求項8に記載の電磁継電器。
  12. 前記順方向電路片は、前記励磁コイルの軸方向から見て、前記励磁コイルの周方向の一部の接線方向に沿って延びており、
    前記順方向電路片に流れる電流の方向と、前記励磁コイルの通電時に前記励磁コイルの前記周方向の前記一部を流れる電流の方向とは同じである
    ことを特徴とする請求項8又は請求項11に記載の電磁継電器。
  13. 前記電磁石装置は、
    固定子と、
    前記励磁コイルに対する電流の通電及び非通電に応じて、前記固定子に接触する励磁位置と前記固定子から離れる非励磁位置との間で移動する可動子とを有し、
    前記固定子及び前記可動子は、前記励磁コイルの開口部の内部に配置されており、
    前記順方向電路片及び前記逆方向電路片のうち一方の電路片は、前記電路片に流れる電流により前記可動子が前記固定子に吸引される吸引力が増加するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の電磁継電器。
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